(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-18
(45)【発行日】2022-10-26
(54)【発明の名称】電気的な開閉を外部手動制御可能な電磁継電器
(51)【国際特許分類】
H01H 50/00 20060101AFI20221019BHJP
H01H 50/56 20060101ALI20221019BHJP
【FI】
H01H50/00 E
H01H50/56 Q
(21)【出願番号】P 2021045053
(22)【出願日】2021-03-18
【審査請求日】2021-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】511017070
【氏名又は名称】松川精密股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】廖 柏任
【審査官】藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0067267(US,A1)
【文献】中国実用新案第203983185(CN,U)
【文献】特表2012-517093(JP,A)
【文献】特開2019-032945(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 45/00 - 45/14
H01H 50/00 - 59/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座と上蓋とを有する筐体と、押引棒と、前記台座に設けられる継電器組立体とを備える電気的な開閉を外部手動制御可能な電磁継電器であって、
前記上蓋に滑り路が凹陥形成され、かつ前記滑り路の一端は、前記上蓋の内面と連通し、前記滑り路の他端に突起ブロックが設けられ、かつ前記突起ブロックは、
前記滑り路の前記一端から前記他端とを結ぶ方向から見た断面がT字状をなす態様であり、
前記滑り路上に設けられると共に、前記上蓋に相対して移動可能な前記押引棒は、一端に作用力部が形成され、他端に係止フック部が形成されると共に、前記筐体内に貫設され、前記押引棒の本体に開溝が凹設されると共に、前記開溝の底部に相互に連結される被嵌合孔と摺動孔とが形成され、前記摺動孔は、細長矩形状であり、前記被嵌合孔は、寸法が前記突起ブロックのサイズに対応して開設され、かつ前記摺動孔の幅は、前記被嵌合孔の幅よりも小さく、
前記継電器組立体は、少なくとも1つの接点弾性片組と、前記上蓋に向かう方向に設置されるつまみ棒とを有し、前記接点弾性片組は、少なくとも1つの固定接点片と、少なくとも1つの可動接点片とを含み、前記つまみ棒の一端は、前記可動接点片を前記固定接点片に接触または断接するように、直接的または間接的に押動自在に設けられ、前記つまみ棒の他端は、前記係止フック部と相互に係着し、前記押引棒の前記被嵌合孔に前記突起ブロックが嵌り込んだ後、前記摺動孔を前記突起ブロックに相対して移動可能とさせると共に、
前記摺動孔を前記突起ブロックに相対して移動させることに連動して
前記係止フック部を前記筐体内に変位させ、前記作用力部が外力を受けた後、前記摺動孔の前記突起ブロックに相対する位置を移動可能として、前記係止フック部によって連動させる前記つまみ棒が押動されると、それに伴って前記接点弾性片組が電気的な接続または電気的な断接状態に形成されることを特徴とする、電気的な開閉を外部手動制御可能な電磁継電器。
【請求項2】
前記被嵌合孔は、円形及び方形のいずれかに形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の電気的な開閉を外部手動制御可能な電磁継電器。
【請求項3】
前記作用力部は、T字状ワークであることを特徴とする、請求項2に記載の電気的な開閉を外部手動制御可能な電磁継電器。
【請求項4】
前記押引棒は、複数個の材料欠損部を有することを特徴とする、請求項3に記載の電気的な開閉を外部手動制御可能な電磁継電器。
【請求項5】
前記上蓋に前記つまみ棒の移動位置に対応して開口するように開設される可視的開孔は、前記接点弾性片組の電気的性質が接続または断接状態であるかを視覚的に判断するために供されることを特徴とする、請求項4に記載の電気的な開閉を外部手動制御可能な電磁継電器。
【請求項6】
本体と、前記本体の両側から延設される第1回動片と第2回動片とを有する回転ブリッジをさらに備え、
前記接点弾性片組が、前記固定接点片として第1固定接点片及び第2固定接点片を備えるとともに、前記可動接点片として第1可動接点片及び第2可動接点片を備え、
前記つまみ棒の一端には、前記第1可動接点片と係着連結される第1係止溝と、前記第1回動片と係着連結される第2係止溝とが設けられ、
前記第2回動片は、前記第2可動接点片と直接的または間接的に係着連結され、
前記つまみ棒が外力を受けた後、前記第1可動接点片と前記第1固定接点片の接触または断接状態、及び前記第2可動接点片と前記第2固定接点片の接触または断接状態を同期して実現可能とさせることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電気的な開閉を外部手動制御可能な電磁継電器。
【請求項7】
前記回転ブリッジの前記第2回動片は、延長アームの一端に係着され、前記延長アームの他端は、前記第2可動接点片と係着連結されることを特徴とする、請求項6に記載の電気的な開閉を外部手動制御可能な電磁継電器。
【請求項8】
前記回転ブリッジの前記本体は、磁性を有することを特徴とする、請求項7に記載の電気的な開閉を外部手動制御可能な電磁継電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、継電器分野に係り、特に、筐体と、押引棒と、つまみ棒とを相互に組み合わせる新規な構造設計を用いて検出測定や他の需要などに応じるための補助としての電気的な開閉を外部手動制御可能な電磁継電器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
継電器(Relay)は、別名「リレー」とも呼ばれる電子制御構成部材であり、制御回路内に広汎に適用される。簡単に言えば、継電器は、いわば小電流で大電流を制御する電子スイッチであると言える。継電器は、動作原理に基づいて、例えば、光継電器、電磁継電器、熱継電器などの様々なタイプのものに分類される。
【0003】
電磁継電器を例として説明すると、それは入力電流の性質によって直流継電器と交流継電器とに分けられる。両者の動作原理は基本的に同じであり、その相違点は、鉄芯の設計上において区別がつくことのみである。電磁継電器の内部には、大抵、電磁コイルと、可動接点と、固定接点とが備えられていると共に、固定接点に外向きに制御回路が連結され、電磁コイルに通電した後、可動接点が、電磁コイルの電磁作用に応じて変位するに従い、電気的な開閉を制御する目的を達成する。しかしながら、現有の電磁継電器は、いずれも継電器の内部に設置されるコイルの磁場の変化に伴って全体の電気的な開閉状態を制御するものに属するが、一部の特殊な応用のもとでは、検出測定、取り替えなどのような作業中に、電磁継電器の外部から現時点の回路導通状態を知り得ないし、その他の方式を利用して電磁継電器の電気的な開閉を直接制御することもできず、相当な不便を強いられるだけでなく、作業時に誤って触れてしまう危険が生じる可能性もある。
【0004】
これに鑑み、本発明者は、長年にわたり関連業界に従事してきた豊富な経験により、現有の欠点を有効に改善して解決し、より便利な継電器製品を提供するために、電気的な開閉を外部手動制御可能な電磁継電器を着想提案している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、電磁継電器の外部からその継電器の内部の電気的な開閉を直接制御するようにして作業人員に供するようにし、種々の応用需要に応じて作業上の利便性を向上させることができる、電気的な開閉を外部手動制御可能な電磁継電器を提供することを旨としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明で開示する電気的な開閉を外部手動制御可能な電磁継電器は、台座と上蓋とを有する筐体と、押引棒と、前記台座に設けられる継電器組立体とを備え、その内、前記上蓋に滑り路が凹陥形成され、かつ前記滑り路の一端は、前記上蓋の内面と連通し、前記滑り路の他端に突起ブロックが設けられ、かつ前記突起ブロックは、断面がT字状をなす態様であり、前記滑り路上に設けられると共に、前記上蓋に相対して移動可能な前記押引棒は、一端に作用力部が形成され、他端に係止フック部が形成されると共に、筐体内に貫設され、前記押引棒の本体に開溝が凹設されると共に、前記開溝の底部に相互に連結される被嵌合孔と摺動孔とが形成され、前記摺動孔は、細長矩形状であり、前記被嵌合孔は、寸法が前記突起ブロックのサイズに対応して開設され、かつ前記摺動孔の幅は、前記被嵌合孔の幅よりも小さく、前記継電器組立体は、少なくとも1つの接点弾性片組と、前記上蓋に向かう方向に設置されるつまみ棒とを有し、前記接点弾性片組は、少なくとも1つの固定接点片と、少なくとも1つの可動接点片とを含み、前記つまみ棒の一端は、前記可動接点片を前記固定接点片に接触または断接するように、直接的または間接的に押動自在に設けられ、前記つまみ棒の他端は、前記係止フック部と相互に係着し、その内、前記押引棒の前記被嵌合孔に前記突起ブロックが嵌り込んだ後、前記摺動孔を前記突起ブロックに相対して移動可能とさせると共に、前記係止フック部を連動して前記筐体内に変位させ、前記作用力部が外力を受けた後、前記摺動孔の前記突起ブロックに相対する位置を移動可能として、前記係止フック部によって連動させる前記つまみ棒が押動されると、それに伴って前記接点弾性片組が電気的な接続または電気的な断接状態に形成される。これにより、前記押引棒、前記滑り路及び前記つまみ棒の協働によれば、継電器の外部からその電気的な開閉の作動を直接制御する目的を実現でき、これに基づき、作業人員は種々の需要に応じて継電機の状態の迅速な制御を容易に図ることができ、その他の煩雑な工程を経る必要もなく調整を行うことができ、点検修理、組付け時の利便性をも増大させることができる。
【0007】
より好ましくは、前記被嵌合孔は、円形及び方形のいずれかに形成されているため、前記突起ブロックの組付けが容易に行え、また、前記作用力部は、T字状ワークであってもよく、押引の使用形態にさらに好適なものとなる。
【0008】
より好ましくは、前記押引棒は、複数個の材料欠損部を有するため、組み立てコストの低減化に有利であると同時に、しかも作動時の僅かな変形空間を提供すれば、押引作動が便利に行えるようになる。
【0009】
より好ましくは、前記上蓋に前記つまみ棒の移動位置に対応して開口するように開設される可視的開孔は、前記接点弾性片組の電気的性質が接続または断接状態であるかを視覚的に判断するために供されることで、制御上の利便性を向上させることができる。
【0010】
より好ましくは、前記電磁継電器は、本体と、前記本体の両側から延設される第1回動片と第2回動片とを有する回転ブリッジをさらに備え、その内、前記固定接点片及び前記可動接点片の個数がそれぞれ2個である場合、第1固定接点片と第1可動接点片、及び第2固定接点片と第2可動接点片がそれぞれ定義され、前記つまみ棒の一端には、第1係止溝と、第2係止溝とが設けられ、前記第1係止溝は、前記第1可動接点片と係着連結され、前記第2係止溝は、前記第1回動片と係着連結され、前記第2回動片は、前記第2可動接点片と直接的または間接的に係着連結され、前記つまみ棒が外力を受けた後、前記第1可動接点片と前記第1固定接点片の接触または断接状態、及び前記第2可動接点片と前記第2固定接点片の接触または断接状態を同期して実現可能とさせ、これによって、継電器の電気的な開閉をより安定かつ円滑に行うことができる。
【0011】
より好ましくは、前記回転ブリッジの前記第2回動片は、延長アームの一端に係着され、前記延長アームの他端は、前記第2可動接点片と係着連結され、延長アームの構造によって連動させる第2可動接点片によれば、作動上の安定性を向上させることができる。さらに、前記回転ブリッジの前記本体は、磁性を有するので、この磁性によって前記回転ブリッジの作動を制御するように促す。
【発明の効果】
【0012】
上記を総合すると、実際の応用上の数多くの需要を鑑み、本発明の電気的な開閉を外部手動制御可能な電磁継電器は、確かに斬新な形態の製品であり、前記筐体上の前記滑り路及び前記継電器組立体の前記つまみ棒は、前記電磁継電器の外側に設置される前記押引棒を介して相互に組付けられると、継電器の電気的な開閉を外部から直接制御する目的を実現することができ、応用利便性を大幅に向上させる効果が得られる。電磁継電器分野において、本発明のような構造設計はいまだ見出されておらず、加えて、前記押引棒、前記滑り路及び前記つまみ棒の構造も種々様々な考慮に基づいて設計されたもので、電磁継電器の有限空間上で外部から制御可能な内部の接点弾性片組の構造設計が増設されるようになっている。このほか、押引制御をより簡便に行えるために、前記被嵌合孔及び前記押引棒に関しても、本発明では、より細部の構造的特徴を提供すること、または継電器の開閉状態を迅速に識別しやすくするために、上蓋箇所に可視的開孔も増設できることなどは、いずれも本発明におけるさらなる具体的な技術的特徴ともいえる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】本発明の一実施形態に係る電磁継電器の分解模式図である。
【
図1B】本発明の一実施形態に係る電磁継電器の別の視角からの分解模式図である。
【
図2A】本発明の一実施形態に係る上蓋及び押引棒の分解模式図である。
【
図2B】本発明の一実施形態に係る上蓋及び押引棒の別の視角からの分解模式図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る電磁継電器の応用概略図(一)である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る電磁継電器の応用概略図(二)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1A~
図4を参照すると、これらはそれぞれ本発明の一実施例の電磁継電器の分解模式図及び別の視角からの分解模式図、上蓋及び押引棒の分解模式図及び別の視角からの分解模式図、電磁継電器の応用概略図(一)及び応用概略図(二)である。本発明で開示する電気的な開閉を外部手動制御可能な電磁継電器1は、筐体10と、押引棒11と、継電器組立体12とを備え、筐体10は、台座101と、上蓋102とを有し、その内、上蓋102に滑り路1021が凹陥形成され、かつ滑り路1021の一端は、上蓋102の内面と連通し、滑り路1021の他端には突起ブロック1022が設けられ、かつ突起ブロック1022は、断面がT字状をなす態様であり、上部が広く下部が狭い構造となっている。
【0015】
押引棒11は、滑り路1021上に設けられると共に、上蓋102に相対して移動可能とされ、押引棒11は、一端に作用力部111が形成され、他端に係止フック部112が形成されると共に、筐体10内に貫設され、押引棒11の本体に開溝113が凹設されると共に、開溝113の底部に相互に連結される被嵌合孔1131と摺動孔1132とが形成される。摺動孔1132は、細長矩形状であり、被嵌合孔1131は、寸法が突起ブロック1022のサイズに対応して開設され、かつ摺動孔1132の幅を、被嵌合孔1131の幅よりも小さくしているため、突起ブロック1022の組付け及び押引棒11の移動が容易に行える。
【0016】
継電器組立体12は、台座101に設けられ、かつ少なくとも1つの接点弾性片組121と、上蓋102に向かう方向に設置されるつまみ棒122とを有する。接点弾性片組121は、少なくとも1つの固定接点片と、少なくとも1つの可動接点片とを含み、つまみ棒122の一端は、可動接点片を固定接点片に接触または断接するように、直接的または間接的に押動自在に設けられ、つまみ棒122の他端は、係止フック部112と相互に係着する。その内、押引棒11の被嵌合孔1131に突起ブロック1022が嵌り込んだ後、摺動孔1132を突起ブロック1022に相対して移動可能とさせると共に、係止フック部112を連動して筐体10内に変位させ、作用力部111が外力を受けた後、摺動孔1132の突起ブロック1022に相対する位置を移動可能として、係止フック部112によって連動させるつまみ棒122が押動されると、それに伴って接点弾性片組121が電気的な接続または電気的な断接状態に形成される。これにより、押引棒11と滑り路1021の構造によれば、押引棒11を外部から移動させると、押引棒11の係止フック部112によってつまみ棒122を連動させることから、つまみ棒122により可動接点片を固定接点片に接触または断接するように連動させ、電磁継電器1の電気的状態を外部から直接制御するという効果が得られる。このように、例えば、取り替えやメンテナンスなどの作業を行おうとするとき、押引棒11によって電磁継電器1が断電状態であることが確保されるように制御が行われ、後続の処理を行いやすくする。
【0017】
さらに、被嵌合孔1131は、円形及び方形のいずれかに形成されているため、突起ブロック1022との互いの組付けが容易になる。本実施例においては、被嵌合孔1131の形状が方形であるものを例として説明する。このほか、押引棒11を簡便に制御するために、作用力部111は、T字状ワークであることが好ましく、このようにすることによって、人員が容易に握持して力を加えて押し引きする。
【0018】
一方、押引棒11は、複数個の材料欠損部114を有するため、組み立てコストの低減化が図られるほか、同時に作動時の滑り路1021との摩擦力を低減させることもできて便利に押引作動を行うことができる。なお、本実施例においては、押引棒11に材料欠損部114を3個設けることを例示する。
【0019】
操作人員が電磁継電器1の電気的状態を迅速に識別するために、より好ましくは、上蓋102につまみ棒122の移動位置に対応して開口するように可視的開孔1023が開設される。可視的開孔1023は、接点弾性片組121の電気的性質が接続または断接状態であるかを視覚的に判断するために供される。このように、応用時には、可視的開孔1023を介して電磁継電器1が通電状態にあるか否かを迅速に判断することができ、それから次段階の作業プロセスを行うことで、実行上の便利さを増大させることができる。さらに、上蓋102の可視的開孔1023に対応する箇所に、電磁継電器1の電気的開位置と閉位置を明瞭に指示する標識を設けてもよい。
【0020】
このほか、より好ましい一実施態様では、電磁継電器1は、回転ブリッジ13をさらに備え、回転ブリッジ13は、本体131と、本体131の両側から延設される第1回動片1311と第2回動片1312とを有する。より好ましくは、回転ブリッジ13の本体131は、磁性を有することができるので、この磁性によって回転ブリッジ13の作動を制御するように促す。その内、固定接点片及び可動接点片の個数がそれぞれ2個である場合、第1固定接点片1211と第1可動接点片1212、及び第2固定接点片1213と第2可動接点片1214がそれぞれ定義され、つまみ棒122の一端には、第1係止溝1221と、第2係止溝1222とが設けられる。第1係止溝1221は、第1可動接点片1212と係着連結され、第2係止溝1222は、第1回動片1311と係着連結され、第2回動片1312は、第2可動接点片1214と直接的または間接的に係着連結され、つまみ棒122が外力を受けた後、第1可動接点片1212と第1固定接点片1211の接触または断接状態、及び第2可動接点片1214と第2固定接点片1213の接触または断接状態を同期して実現可能とさせる。本実施状態において、継電器組立体12には、対応の固定接点片及び可動接点片をそれぞれ2個ずつ設けることができると共に、回転ブリッジ13の第1回動片1311及び第2回動片1312を介して、第1可動接点片1212と第2可動接点片1214の第1固定接点片1211と第2固定接点片1213に相対する開閉作動の同期制御を達成することができる。その内、回転ブリッジ13の第2回動片1312は、第2可動接点片1214と直接的または間接的に係着連結することができる。本実施例においては、回転ブリッジ13の第2回動片1312が延長アーム14の一端に係着され、かつ延長アーム14の他端が第2可動接点片1214と係着連結されることを例示しており、回転ブリッジ13の第2回動片1312を、延長アーム14を介して第2可動接点片1214と係着連結させ、このようにして、第2可動接点片1214の作動時の安定性を向上させることに寄与する。
【0021】
なお、応用上、
図3及び
図4に示すように、作動状態を模式的に説明しやすくするため、
図3及び
図4においては一部の構成要素を省略して図示している。
図3は、電磁継電器1が導通状態にあることを示しており、
図4は、電磁継電器1が非導通状態にあることを示している。押引棒11の係止フック部112は、つまみ棒122と相互に係着し、より好ましい一実施態様において、電磁継電器1の電気的状態を調整する必要があるとき、押引棒11の作用力部111を外向きに引動し、この引動により摺動孔1132を突起ブロック1022に相対して移動させれば、係止フック部112が筐体10内に変位することにより、つまみ棒122を上向きに連動させると同時に、つまみ棒122の第2係止溝1222によって連動させる第1回動片1311を上移動させると共に、回転ブリッジ13が回転することとなる。この時、第1可動接点片1212は、それと連結される第1係止溝1221によって連動されて第1固定接点片1211と断接されると共に、回転ブリッジ13の第2回動片1312に応じて、第2可動接点片1214を同期して第2固定接点片1213と断接することから、電磁継電器1が非導通状態に形成され、つまり電磁継電器1の電気的状態は、
図3の図示から
図4の図示へと切り換えられる。反対に、電磁継電器1を導通状態に変化させようとする場合、押引棒11が押動されると、それに伴って摺動孔1132を突起ブロック1022に相対して移動させ、係止フック部112によってつまみ棒122を下向きに連動させる。この時、つまみ棒122の第2係止溝1222によって連動させる第1回動片1311を下向きに移動させると共に、回転ブリッジ13が回転することとなり、第1可動接点片1212は、それと連結される第1係止溝1221に応じて第1固定接点片1211と接触することができると共に、回転ブリッジ13の第2回動片1312に応じて、第2可動接点片1214を同期して第2固定接点片1213と接触することから、電磁継電器1が導通状態に形成され、つまり
図4の状態から
図3の状態へと切り換えられる。
【0022】
上記を総合すると、実際の応用上の数多くの需要に鑑み、本発明の電気的な開閉を外部手動制御可能な電磁継電器1は、確かに斬新な形態の製品であり、筐体10上の滑り路1021及び継電器組立体12のつまみ棒122は、電磁継電器1の外側に設置される押引棒11を介して相互に組付けられると、継電器の電気的な開閉を外部から直接制御する目的を実現することができ、応用利便性を大幅に向上させる効果が得られる。電磁継電器分野において、本発明のような構造設計はいまだ見出されておらず、加えて、押引棒11、滑り路1021及びつまみ棒122の構造も種々様々な考慮に基づいて設計されたもので、電磁継電器1の有限空間上で外部から制御可能な内部の接点弾性片組の構造設計が増設されるようになっている。このほか、押引制御をより簡便に行えるために、被嵌合孔1131及び押引棒11に関しても本発明では、より細部の構造的特徴を提供すること、または継電器の開閉状態を迅速に識別しやすくするために、上蓋102箇所に可視的開孔1023も増設できることなどは、いずれも本発明におけるさらなる具体的な技術的特徴ともいえる。
【符号の説明】
【0023】
1 電磁継電器
10 筐体
101 台座
102 上蓋
1021 滑り路
1022 突起ブロック
1023 可視的開孔
11 押引棒
111 作用力部
112 係止フック部
113 開溝
1131 被嵌合孔
1132 摺動孔
114 材料欠損部
12 継電器組立体
121 接点弾性片組
1211 第1固定接点片
1212 第1可動接点片
1213 第2固定接点片
1214 第2可動接点片
122 つまみ棒
1221 第1係止溝
1222 第2係止溝
13 回転ブリッジ
131 本体
1311 第1回動片
1312 第2回動片
14 延長アーム