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特許7161573角度付け用ステアリングワイヤーアタッチ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-18
(45)【発行日】2022-10-26
(54)【発明の名称】角度付け用ステアリングワイヤーアタッチ
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/954 20130101AFI20221019BHJP
   A61F 2/07 20130101ALI20221019BHJP
【FI】
A61F2/954
A61F2/07
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021079040
(22)【出願日】2021-05-07
(62)【分割の表示】P 2019548649の分割
【原出願日】2018-03-08
(65)【公開番号】P2021112644
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2021-05-07
(31)【優先権主張番号】62/468,618
(32)【優先日】2017-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】カール アール.チョン
(72)【発明者】
【氏名】マシュー エス.ベアード
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ジェイ.セクター
【審査官】二階堂 恭弘
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-511693(JP,A)
【文献】特表2011-511663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/954
A61F 2/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前端及び後端を有するカテーテル、
前記カテーテルの前端の近傍に配置され、近位端、遠位端及びそれらの間に延在している流れ管腔を含む拡張可能デバイス、及び、
前記拡張可能デバイスの少なくとも一部を標的位置に実質的に垂直に維持しやすくするように構成された2つの位置で前記拡張可能デバイスに結合された第一の分岐および第二の分岐を画定する分岐を含む作動ワイヤ、
を含む、デリバリーシステム。
【請求項2】
前記作動ワイヤは、前記拡張可能デバイスの前記一部を展開中及び展開後に前記標的位置に対して実質的に垂直に維持するように構成されている、請求項1記載のデリバリーシステム。
【請求項3】
前記作動ワイヤは、非垂直の、角度付きの又は平坦な展開を低減するように構成されている、請求項1または2記載のデリバリーシステム。
【請求項4】
前記作動ワイヤは前記拡張可能デバイスのデリバリー中に蛇行性脈管の湾曲の変曲点に対してほぼ垂直に拡張可能デバイスの前記近位端又は前記遠位端を維持するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項記載のデリバリーシステム。
【請求項5】
前記作動ワイヤは、作動ワイヤを通してそして拡張可能デバイスの一部を通して配置されている少なくとも1つのテザーを介して近位端に隣接して拡張可能デバイスに結合されている、請求項1~4のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項6】
前記第一の分岐及び前記第二の分岐は、前記近位端の近傍で前記拡張可能デバイスに結合されている、請求項1~5のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項7】
前記第一の分岐及び前記第二の分岐は、ユーザが前記拡張可能デバイスを操縦するために前記作動ワイヤを操作又はそれに力を加えることから生じる力を分散することにより、前記拡張可能デバイスを操縦するように構成されている、請求項1~6のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項8】
前記作動ワイヤは、力がユーザによって前記作動ワイヤに加えられるときに、その長さにわたって張力を維持するように構成されることができる、請求項7記載のデリバリーシステム。
【請求項9】
前記作動ワイヤは、前記ユーザが力を加えて前記拡張可能デバイスを近位又は遠位に操縦することに応答して、前記作動ワイヤが弛緩又は弛まないような剛性を有する、請求項8記載のデリバリーシステム。
【請求項10】
前記作動ワイヤを2つ以上の位置で前記拡張可能デバイスに結合するように構成されて配置されている2つのテザーをさらに含む、請求項1~9のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項11】
前記拡張可能デバイスの外側部分に取り付けられたスリーブさらに含み、前記作動ワイヤが前記スリーブを通して配置される、請求項1~10のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項12】
前記スリーブは、管腔および前記管腔を形成するグラフト材料の層を含む、請求項11記載のデリバリーシステム。
【請求項13】
前記スリーブは前記拡張可能デバイスより短い長さを含む、請求項11または12項記載のデリバリーシステム。
【請求項14】
前記第一の分岐及び前記第二の分岐は、前記拡張可能デバイスに接着により結合されている、請求項1~13のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項15】
前記作動ワイヤは、ユーザが力を加えて前記拡張可能デバイスを近位又は遠位に操縦することに応答して、前記作動ワイヤが弛緩又は弛まないような剛性を含む、請求項1~14のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項16】
前記第一の分岐及び前記第二の分岐は、前記拡張可能デバイスに解放可能に結合されている、請求項1~15のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、身体の解剖学的空間(例えば、脈管)を治療するためのメディカルデバイス及び方法に関する。より具体的には、本発明は、解剖学的空間内の解離及び動脈瘤を治療するための正確な展開を可能にするプロテーゼを含む方法、装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
脈管構造の疾患はますます一般的になっている。脈管構造の治療は、脈管構造の蛇行性及び複雑さのために困難な場合がある。例えば、大動脈解離は一般的に大動脈弁根又はその近傍で始まり、上行大動脈及び大動脈弓まで続き、下行大動脈の上部にも影響を及ぼすことがある。病気の状態で埋め込まれるメディカルデバイスは、大動脈解離、動脈瘤及び脈管構造の他の疾患の治療に使用できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
大動脈に沿って疾患を修復し、また大動脈及びそこから伸びる分岐に沿って疾患を修復するためのメディカルデバイス、システム及び方法を提供することが依然として望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
本開示の様々な態様はデリバリーシステムを対象とする。デリバリーシステムは、以下でさらに詳細に議論されるように、前端及び後端を有するカテーテルを含むことができる。デリバリーシステムはまた、カテーテルの前端付近に配置されておりそして近位端、遠位端及びそれらの間に延在している流れ管腔を含む拡張可能デバイスを含むことができる。さらに、デリバリーシステムは拡張可能デバイスにその上の1つ以上の位置で結合された作動ワイヤを含むことができ、前記作動ワイヤは拡張可能デバイスをそのデリバリー中に操縦するように構成されている。さらに、デリバリーシステムは少なくとも1つのテザーを含むことができ、前記テザーは拡張可能デバイスの一部を通して配置され、作動ワイヤを通して配置され、そして作動ワイヤを拡張可能デバイスに結合するように構成されている。
【0005】
本開示の態様はまた、前端及び後端を有するカテーテルと、前記カテーテルの前端の近傍に配置された拡張可能デバイスとを含むデリバリーシステムを対象とする。拡張可能デバイスは、近位端、遠位端及びそれらの間に延在している流れ管腔を含むことができる。デリバリーシステムはまた、拡張可能デバイスにその2つ以上の位置で結合された作動ワイヤを含むことができ、前記作動ワイヤは、拡張可能デバイスをそのデリバリー中に操縦するように構成されている。
【0006】
本開示の様々な態様は、患者内の蛇行標的位置で拡張可能メディカルデバイスを展開する方法を対象とする。この方法は、拡張可能メディカルデバイスを蛇行標的位置にデリバリーし、拡張可能メディカルデバイスに結合された作動ワイヤを操作して、拡張可能メディカルデバイスの端部を蛇行標的位置の湾曲の変曲点(inflection point)に対してほぼ垂直に配置することを含むことができる。
【0007】
1つの例(「例1」)によれば、デリバリーシステムは、前端及び後端を有するカテーテル、前記カテーテルの前端の近傍に配置され、近位端、遠位端及びそれらの間に延在している流れ管腔を含む拡張可能デバイス、前記拡張可能デバイスにその1つ以上の位置で結合された作動ワイヤ、ここで、前記作動ワイヤは前記拡張可能デバイスをそのデリバリー中に操縦するように構成されている、及び、前記拡張可能デバイスの一部を通して配置され、前記作動ワイヤを通して配置され、そして前記作動ワイヤを前記拡張可能デバイスに結合するように構成されている、少なくとも1つのテザーを含む。
【0008】
例1に加えて、別の例(「例2」)によれば、前記拡張可能デバイスは少なくとも1つの変曲点を備えた湾曲を持つ蛇行性脈管で展開するように構成されており、そして前記作動ワイヤは前記拡張可能デバイスのデリバリー中に蛇行性脈管の湾曲の変曲点に対してほぼ垂直に拡張可能デバイスの近位端を維持するように構成されている。
【0009】
例1~2のいずれか1つに加えて、別の例(「例3」)によれば、前記作動ワイヤは、作動ワイヤを通してそして拡張可能デバイスの一部を通して配置されている少なくとも1つのテザーを介して近位端に隣接して拡張可能デバイスに結合されている。
【0010】
例1~3のいずれか1つに加えて、別の例(「例4」)によれば、前記作動ワイヤは、拡張可能デバイスをそのデリバリー中に近位及び遠位の双方向に操縦するように構成されている。
【0011】
例1~4のいずれか1つに加えて、別の例(「例5」)によれば、前記少なくとも1つのテザーは2つのテザーを含み、前記作動ワイヤは2つのテザーを介して2つ以上の位置で前記拡張可能デバイスに結合されている。
【0012】
例5に加えて、別の例(「例6」)によれば、前記作動ワイヤは第一の分岐及び第二の分岐を含む分岐を含み、そして前記第一の分岐及び第二の分岐は第一の分岐を通して配置された2つのテザーのうちの第一のテザー及び第二の分岐を通して配置された2つのテザーのうちの第二のテザーを介して2つ以上の位置で前記拡張可能デバイスに結合されている。
【0013】
例1~6のいずれか1つに加えて、別の例(「例7」)によれば、前記少なくとも1つのテザーは前記作動ワイヤを通して配置され、そして2つの位置で前記拡張可能デバイスを通して配置されており、前記作動ワイヤを前記拡張可能デバイスに結合している。
【0014】
例7に加えて、別の実施例(「例8」)によれば、前記少なくとも1つのテザーは前記作動ワイヤからそれを通し、そして前記拡張可能デバイスの近位端に隣接する2つの位置で前記拡張可能デバイスを通して延在している。
【0015】
例7に加えて、別の例(「例9」)によれば、前記少なくとも1つのテザーは2つのテザーを含み、そして前記2つのテザーは前記作動ワイヤからそれを通し、そして前記拡張可能デバイスの近位端に隣接する2つの位置で前記拡張可能デバイスを通して延在している。
【0016】
例1~9のいずれか1つに加えて、別の例(「例10」)によれば、前記少なくとも1つのテザーは生体吸収性材料を含む。
【0017】
例1~10のいずれか1つに加えて、別の例(「例11」)によれば、前記少なくとも1つのテザーは前記拡張可能デバイスのデリバリー後に前記作動ワイヤに加えられる張力に応答して前記拡張可能デバイスから結合解除及び解放するように構成されている。
【0018】
例1~10のいずれか1つに加えて、別の例(「例12」)によれば、前記作動ワイヤは分岐して第一の分岐と第二の分岐を形成して、y字型構造を形成し、そして前記第一の分岐及び第二の分岐は2つの位置で前記拡張可能デバイスに結合されている。
【0019】
例12に加えて、別の例(「例13」)によれば、前記作動ワイヤを前記拡張可能デバイス上の2つ以上の位置に結合するように構成して配置された2つのテザーをさらに含む。
【0020】
例13に加えて、別の例(「例14」)によれば、前記2つのテザーの第一のテザーは前記第一の分岐の近位端を通してそして前記拡張可能デバイスを通して配置され、前記2つのテザーの第二のテザーは前記第二の分岐の近位端を通してそして前記拡張可能デバイスを通して配置され、前記作動ワイヤを前記拡張可能デバイス上の2つ以上の位置に結合している。
【0021】
例1~14のいずれか1つに加えて、別の例(「例15」)によれば、前記作動ワイヤはアイレットを含み、前記少なくとも1つのテザーは前記作動ワイヤのアイレットを通して配置されて前記作動ワイヤを前記拡張可能デバイスに結合している。
【0022】
別の例(「例16」)によれば、デリバリーシステムは前端及び後端を有するカテーテル、前記カテーテルの前端の近傍に配置され、近位端、遠位端及びそれらの間に延在している流れ管腔を含む拡張可能デバイス、及び、前記拡張可能デバイスにその2つ以上の位置で結合された作動ワイヤを含み、前記作動ワイヤは、前記拡張可能デバイスをそのデリバリー中に操縦するように構成されている。
【0023】
例16に加えて、別の例(「例17」)によれば、前記作動ワイヤは分岐して第一の分岐及び第二の分岐を形成してy字型構造を形成し、そして前記第一の分岐及び第二の分岐は2つの位置で前記拡張可能デバイスに結合されている。
【0024】
例17に加えて、別の例(「例18」)によれば、前記作動ワイヤを前記拡張可能デバイス上の2つ以上の位置に結合するように構成して配置された2つのテザーをさらに含む。
【0025】
例18に加えて、別の例(「例19」)によれば、前記2つのテザーの第一のテザーは前記第一の分岐の近位端を通してそして前記拡張可能デバイスを通して配置され、前記2つのテザーの第二のテザーは前記第二の分岐の近位端を通してそして前記拡張可能デバイスを通して配置されて、前記作動ワイヤを前記拡張可能デバイス上の2つ以上の位置に結合している。
【0026】
例17に加えて、別の例(「例20」)によれば、前記作動ワイヤを通して配置されそして、2つの位置で拡張可能デバイスを通して配置されており、前記作動ワイヤを前記拡張可能デバイスに結合している、少なくとも1つのテザーをさらに含む。
【0027】
例20にさらに加えて、別の例(「例21」)によれば、前記少なくとも1つのテザー及び前記作動ワイヤはy字型構造を形成している。
【0028】
別の例(「例22」)によれば、患者内の蛇行標的位置で拡張可能メディカルデバイスを展開する方法であって、前記方法は、拡張可能メディカルデバイスを蛇行標的位置にデリバリーし、前記拡張可能メディカルデバイスに結合された作動ワイヤを操作して、前記拡張可能メディカルデバイスの端部を、前記蛇行標的位置の湾曲の変曲点に対してほぼ垂直に配置することを含む。
【0029】
例22に加えて、別の例(「例23」)によれば、前記作動ワイヤを操作する工程は、前記蛇行標的位置の湾曲の変曲点に対して前記拡張可能メディカルデバイスを双方向に操縦することを含む。
【0030】
例22に加えて、別の例(「例24」)によれば、前記作動ワイヤを操作する工程は前記拡張可能メディカルデバイス上の2つ以上の位置に力を加えることにより前記拡張可能メディカルデバイスを作動することを含む。
【0031】
例22に加えて、別の例(「例25」)によれば、前記作動ワイヤを前記拡張可能メディカルデバイスに結合するように構成されているテザーを解放することにより、前記拡張可能メディカルデバイスから前記作動ワイヤを解放することをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図面の簡単な説明
図1図1は、本開示の様々な態様による拡張可能デバイス及び作動ワイヤを示す。
【0033】
図2図2は、本開示の様々な態様による別の拡張可能デバイス及び作動ワイヤを示す。
【0034】
図3図3は、本開示の様々な態様によるさらに別の拡張可能デバイス及び作動ワイヤを示す。
【0035】
図4図4A図4Eは、本開示の様々な態様による、標的位置に対する拡張可能デバイス角度付けの側面図を示す。
【0036】
図5A図5Aは、本開示の様々な態様による拡張可能デバイス及び作動ワイヤの正面図を示す。
【0037】
図5B図5Bは、本開示の様々な態様による、図5Aに示される拡張可能デバイス及び作動ワイヤの側面図を示す。
【0038】
図6A図6Aは、本開示の様々な態様による別の拡張可能デバイス及び作動ワイヤの正面図を示す。
【0039】
図6B図6Bは、本開示の様々な態様による、図6Aに示される拡張可能デバイス及び作動ワイヤの側面図を示す。
【0040】
図7A図7Aは、本開示の様々な態様によるさらに別の拡張可能デバイス及び作動ワイヤの正面図を示す。
【0041】
図7B図7Bは、本開示の様々な態様による、図7Aに示される拡張可能デバイス及び作動ワイヤの側面図を示す。
【0042】
図8図8は、本開示の種々の態様による、拡張可能デバイスへの作動ワイヤ及びテザー取り付けを示す。
【0043】
図9図9A図9Dは、本開示の様々な態様によるテザー取り付け構成を示す。
【0044】
図10図10A~Cは、本開示の様々な態様による別のテザー取り付け配置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
詳細な説明
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現されうることを容易に理解するであろう。また、本明細書で参照される添付の図は必ずしも縮尺通りではなく、本開示の様々な態様を示すために誇張されている場合があり、その点で、図は限定するものと解釈されるべきではないことに留意されたい。
【0046】
本開示の様々な態様は、脈管構造の治療に使用されうる拡張可能デバイスを含む装置、システム及び方法を対象とする。拡張可能デバイスは、デリバリーシステムを使用して脈管構造にデリバリーされる。デリバリーシステムは、脈管構造内の正確な配置のために拡張可能デバイスを位置付け及び/又は操縦するように構成されうる。拡張可能デバイスは、拡張可能デバイスの端部間に流れ管腔を含むことができる。デリバリーシステムは、拡張可能デバイスの端部の一方又は両方が脈管構造の部分に対して垂直になるように拡張可能デバイスを配置するように構成されうる。
【0047】
さらに、本明細書に記載されている拡張可能デバイスは実質的に筒形であってもよく又は分岐部を含んでもよい。さらに、拡張可能デバイスは、拡張可能デバイスが移植される脈管構造に適合するように構成され、低侵襲手順(例えば、経カテーテル)を使用してそのデリバリーを可能にするために低プロファイルであり、そして一度脈管構造に移植された際に発生する力及び他の応力に耐えることができる。
【0048】
図1は、本開示の様々な態様による拡張可能デバイス100及び作動ワイヤ102を示す。拡張可能デバイス100は、拡張可能デバイス100を患者の脈管構造内の標的位置にデリバリーするためのデリバリーシステムに解放可能に結合される。デリバリーシステムは、前端106及び後端(図1に図示せず)を含むカテーテル104を含むことができる。拡張可能デバイス100は、カテーテル104の前端106の近傍に配置されうる。カテーテル104は、拡張可能デバイス100の管腔を通って、拡張可能デバイス100の近位端108に向かってそしてそれを超えて延在することができる。カテーテル104は前端106の先端(図示せず)を含むこともできる。
【0049】
拡張可能デバイス100は、近位端108、遠位端110及びそれらの間に延在している流れ管腔を含むことができる。拡張可能デバイス100の近位端108は、患者の脈管構造内の標的位置に最も近い拡張可能デバイス100の端部であると考えることができる。作動ワイヤ102は、拡張可能デバイス100にその上の1つ以上の位置で結合される。図1に示されるように、作動ワイヤ102は、拡張可能デバイス100の近位端108に隣接して又はその近くに取り付けられ、デリバリーシステムのユーザがアクセス可能である。
【0050】
示されるように、作動ワイヤ102は少なくとも1つのテザー112を介して拡張可能デバイス100に結合される。テザー112は、拡張可能デバイス100の一部及び作動ワイヤ102を通して配置されて、作動ワイヤ102を拡張可能デバイス100に結合することができる。特定の例において、図1に示されるように、少なくとも1つのテザー112は、拡張可能デバイス100の近位端108の近傍に又はそれに隣接して拡張可能デバイス100を通して配置される。図1に示すように、少なくとも1つのテザー112は単一のテザーであることができる。
【0051】
特定の例において、作動ワイヤ102は拡張可能デバイス100をそのデリバリー中に操縦するように構成されている。作動ワイヤ102は、デリバリーシステムを操作しているユーザが力を作動ワイヤ102に加え、拡張可能デバイス100を双方向(例えば、患者の脈管構造内の標的位置に対して近位方向及び遠位方向)に操縦することができるような剛性を備えることができる。例えば、作動ワイヤ102はテザー112の剛性よりも大きい剛性を有することができる。作動ワイヤ102の剛性及び/又は作動ワイヤ102が拡張可能デバイス100に結合される位置は、患者の脈管構造内の標的位置に対する拡張可能デバイス100の展開及び配置を容易にすることができる。例えば、拡張可能デバイス100は、少なくとも1つの変曲点を有する湾曲を有する蛇行性脈管で展開するように構成されていることができる。特定の例において、作動ワイヤ102は拡張可能デバイス100のデリバリー中に、蛇行性脈管の湾曲の変曲点に対してほぼ垂直に拡張可能デバイス100の近位端108を維持するように構成されている。
【0052】
作動ワイヤ102は、拡張可能デバイス100が患者の脈管構造内の標的位置に配置及び展開された後に作動ワイヤ102から結合解除又は解放され、そして、患者から除去されうる。特定の例において、テザー112は、作動ワイヤ102が拡張可能デバイス100から解放又は結合解除された後に(例えば、図8にさらに詳細に示されるように)、拡張可能デバイス100に結合され又は繋がれたままであるように構成される。さらに、テザー112は、拡張可能デバイス100から作動ワイヤ102を解放又は結合解除するように溶解する生体吸収性材料から形成されることができる。他の例において、テザー112は、作動ワイヤ102が拡張可能デバイス100から解放又は結合解除された後に(例えば、図9A~D及び図10A~Cにさらに詳細に示されるように)、拡張可能デバイス100から解放又は離脱されるように構成される。
【0053】
図2は、本開示の様々な態様による別の拡張可能デバイス200及び作動ワイヤ202を示す。拡張可能デバイス200は、デリバリーシステムに解放可能に結合されうる。デリバリーシステムは、前端206及び後端(図2に図示せず)を含むカテーテル204を含むことができる。拡張可能デバイス200はカテーテル204の前端206の近傍に配置されうる。デリバリーシステムは、拡張可能デバイス200を患者の脈管構造内の標的位置にデリバリーするように構成されうる。特定の例において、拡張可能デバイス200は少なくとも1つの変曲点を有する湾曲を有する蛇行性脈管で展開するように構成されうる。拡張可能デバイス200の展開を容易にするために、デリバリーシステムは、拡張可能デバイス200のデリバリー中に拡張可能デバイス200の近位端208(又は遠位端210)を蛇行性脈管の湾曲の変曲点に対してほぼ垂直に維持するように構成されている作動ワイヤ202を含むことができる。
【0054】
作動ワイヤ202(及びデリバリーシステムのユーザがアクセス可能)は、例えば、拡張可能デバイス200をそのデリバリー中に操縦するように構成され、そして少なくとも1つのテザー212を介して拡張可能デバイス200に解放可能に結合される。テザー212は拡張可能デバイス200の一部及び作動ワイヤ202を通して配置されて、作動ワイヤ202を拡張可能デバイス200に結合することができる。特定の例において、図2に示されるように、少なくとも1つのテザー212は、拡張可能デバイス200の近位端208の近傍又はそれに隣接して拡張可能デバイス200を通して配置される。特定の例において、テザー212は、作動ワイヤ102が拡張可能デバイス200から解放又は結合解除された後に(例えば、図8にさらに詳細に示されるように)、拡張可能デバイス200に結合され又は繋がれたままであるように構成され、又は、テザー212は、作動ワイヤ202が拡張可能デバイス200から解放又は結合解除された後に(例えば、図9A図9D及び図10A図10Cにさらに詳細に示されるように)、拡張可能デバイス200から解放又は離脱されるように構成されうる。
【0055】
さらに、作動ワイヤ202は、拡張可能デバイス200の外側部分に取り付けられたスリーブ214を通して配置されうる。拡張可能デバイス200は、グラフト構成要素及び1つ以上のステント構成要素(例えば、図5に参照してさらに詳細に示されるように)を含むことができる。スリーブ214は、拡張可能デバイス200のグラフト構成要素と同様の材料又は同じ材料から形成されうる。スリーブ214は管腔を含むことができ、前記管腔を通して作動ワイヤ202は配置される。特定の例において、スリーブ214は、管腔を形成する閉じ込められた構造であるか、又は、スリーブ214は、スリーブ214と拡張可能デバイス200との間に管腔を形成するグラフト材料の層である。スリーブ214は作動ワイヤ202が拡張可能デバイス200を操縦するのを容易にすることができる。スリーブ214は、作動ワイヤ202と脈管壁との間の外傷性相互作用を防止しうる。さらに、スリーブ214は、ユーザが力又は張力を作動ワイヤ202に加えるときに、作動ワイヤ202と拡張可能デバイス200との間の接続を強化することができる。示されるように、スリーブ214は拡張可能デバイス200の長さと同様の長さを有する。他の例において、スリーブ214は拡張可能デバイス200より短い長さ又は拡張可能デバイス200より長い長さを有することができる。
【0056】
作動ワイヤ202は、デリバリーシステムを操作しているユーザが力を作動ワイヤ202に加え、拡張可能デバイス200を双方向に(例えば、患者の脈管構造内の標的位置に対して近位及び遠位に)操縦できるような剛性を備えることができる。例えば、作動ワイヤ202はテザー212の剛性より大きい剛性を有することができる。作動ワイヤ202の剛性及び/又は作動ワイヤ202が拡張可能デバイス200に結合される位置は、患者の脈管構造内の標的位置に対する拡張可能デバイス200の展開及び配置を容易にすることができる。
【0057】
図3は、本開示の様々な態様によるさらに別の拡張可能デバイス300及び作動ワイヤ302a~cを示す。作動ワイヤ302a~cは、3つの異なるパターンで拡張可能デバイス300に沿って配置されて示されている。図3に示される作動ワイヤ302a~cのパターンは、拡張可能デバイス300を操縦するために、ユーザが力又は張力を作動ワイヤ302a~cに加えることから生じる力を分配することにより、作動ワイヤ302a~cが拡張可能デバイスを操縦する能力を促進しうる(例えば、上記で詳述したように図1~2を参照して上記に詳細に記載されるとおり)。
【0058】
作動ワイヤ302a~cは、テザー304a~cを介して拡張可能デバイス300に取り付けられることができる。テザー304a~cは作動ワイヤ302a~cの長さに沿った任意の部分で作動ワイヤを通して配置されることができ、拡張可能デバイス300と接触している。
【0059】
図3に示される例示的な拡張可能デバイス300及び作動ワイヤ302a~cは、本開示全体にわたって論じられている実施形態の使用又は機能の範囲に関する制限を示唆するものではない。また、例示的な拡張可能デバイス300及び作動ワイヤ302は、そこに示される単一の構成要素又は構成要素の組み合わせに関連する依存性又は要件を有すると解釈されるべきではない。例えば、様々な実施形態において、例示的な作動ワイヤ302a~cは図1図2を参照して上述したように、剛性及び双方向操縦性を備えることができる。さらに、図3に示されている1つ以上の構成要素は、そこに示されている他の構成要素(及び/又は図示されていない構成要素)のうちの様々なものと統合されうる。例えば、作動ワイヤ302a~cのパターンは、図1及び図2に示されている作動ワイヤ102,202に関連して使用されうる。
【0060】
図4A~Eは、本開示の様々な態様による、標的位置400a~eに対する拡張可能デバイスの角度付けの側面図を示す。図4A図4Eの各々は、本開示の様々な態様と一貫する、拡張可能デバイスの前(又は近位)端400a~eの側面プロファイルを示す。特定の例において、標的位置400a~eは患者の蛇行性脈管であることができる。拡張可能デバイスが埋め込まれる標的位置400a~eは、角度付け(例えば、少なくとも1つの変曲点404a~eを有する湾曲)を有することができる。標的位置400a~eは角度のある腹部大動脈瘤(AAA)であることができる。
【0061】
特定の例において、拡張可能デバイスの端部402a~eのうちの1つは拡張可能デバイスのデリバリー中に蛇行性脈管の湾曲の変曲点に対して垂直に展開されうる。非垂直性は、拡張可能デバイスが標的位置400a~eに対してシールする能力に悪影響を与える可能性がある。図4Aは、変曲点404aに対して垂直に展開された前(又は近位)端402aを示す。特定の例において、拡張可能デバイスの垂直性は、デバイスの平坦度、角度付け及び回転整合の関数であることができる。図4Bは、標的位置400bの変曲点404bに対して角度が付けられた拡張可能デバイスの前(又は近位)端402bを示す。図4Cは、標的位置400cの変曲点404cに対して回転した拡張可能デバイスの前(又は近位)端402cを示す。図4Dは、標的位置400dの変曲点404bに対して変形した拡張可能デバイスの前(又は近位)端402dを示す。図4Eは、標的位置400eの変曲点404eに対して変形した又は平坦な、回転した及び角度付けされた拡張可能デバイスの前(又は近位)端402eを示す。
【0062】
デバイスの展開及び性能は、拡張可能デバイスの一方の端部を展開中及び展開後に標的位置400a~e(例えば、少なくとも1つの変曲点404a~eを備えた脈管の湾曲)に対して垂直に維持しながら、デバイスを適切な位置に操縦することで向上されうる。本明細書中で論じられる作動ワイヤ及びその配置は、展開中及び展開後に拡張可能デバイスを垂直(図4Aに示すとおり)に維持しやすくし、そして非垂直の、角度付きの又は平坦な展開(図4B~Eに示すとおり)を低減する。
【0063】
図5A~Bは、本開示の様々な態様による拡張可能デバイス500及び作動ワイヤ502の側面図及び正面図を示す。拡張可能デバイス500はグラフト構成要素504及び1つ以上のステント構成要素506を含むことができる。デリバリーシステムは、前端510及び後端(図5A~Bに図示せず)を含むカテーテル508を含むことができる。拡張可能デバイス500はカテーテル508の前端510の近傍に配置されることができる。さらに、拡張可能デバイス500は、近位端512、遠位端514及びそれらの間に延在している流れ管腔を含むことができる。拡張可能デバイス500の近位端512は、患者の脈管構造内の標的位置に最も近い拡張可能デバイス500の端部と考えられる。作動ワイヤ502は、患者の脈管構造内の標的位置に拡張可能デバイス500をデリバリーするために拡張可能デバイス500をデリバリーシステムに解放可能に結合するように構成されており、デリバリーシステムのユーザがアクセス可能である。
【0064】
特定の例において、作動ワイヤ502は、拡張可能デバイス500にその上の1つ以上の位置で結合されている。図5Bに示すように、作動ワイヤ502は分岐して、第一の分岐516及び第二の分岐518を形成している。第一の分岐516及び第二の分岐518は拡張可能デバイス500に2つ以上の位置で結合されている。第一の分岐516及び第二の分岐518は近位端512の近傍で拡張可能デバイス500に結合されている。さらに、作動ワイヤ502は拡張可能デバイス500をそのデリバリー中に操縦するように構成されている。第一の分岐516及び第二の分岐518は、ユーザが拡張可能デバイス500を操縦するために作動ワイヤ502を操作又はそれに力を加えることから生じる力を分散することにより、作動ワイヤ502が拡張可能デバイス500を操縦する能力を促進しうる。
【0065】
特定の例において、拡張可能デバイス500の近位端512及び遠位端514のうちの1つは標的位置の部分に対して垂直に展開されうる。標的位置は蛇行性脈管であることができ、蛇行性脈管の湾曲に1つ以上の変曲点を含むことができる。特定の例において、拡張可能デバイス500の端部の垂直性は、標的位置に対して垂直に拡張可能デバイス500の一方の端部(近位端512又は遠位端514)を維持しながら、拡張可能デバイス500を標的位置へと操縦するように構成されている作動ワイヤ502によって強化される。第一の分岐516及び第二の分岐518は、展開中及び展開後に拡張可能デバイスを垂直(図4Aに示すとおり)に維持しやすくし、そして非垂直展開(図4B~Eに示すとおり)を低減することができる。
【0066】
第一の分岐516及び第二の分岐518は、拡張可能デバイス500を操縦する際に作動ワイヤ502に加えられる力を分配しうる。例えば、デリバリーシステムを操作しているユーザは、作動ワイヤ500に力を加え、拡張可能デバイス500を双方向(例えば、患者の脈管構造内の標的位置に対して近位方向及び遠位方向)に操縦しうる。作動ワイヤ502は、ユーザによって作動ワイヤ502に力が加えられたときに、その長さを通して張力を維持するように構成されている。例えば、作動ワイヤ502は、ユーザが力(例えば、張力)を加えて拡張可能デバイス500を近位及び遠位に操縦することに応答して、作動ワイヤ502が弛緩又は弛まないように剛性を有することができる。
【0067】
特定の例において、作動ワイヤ502は、接着剤(例えば、フッ化エチレンプロピレン(FEP))により拡張可能デバイス500に結合される。第一の分岐516及び第二の分岐518のそれぞれは、その任意の部分に沿って拡張可能デバイス500に解放可能に接着される。特定の例において、作動ワイヤ502の部分は拡張可能デバイス500を通して配置される。その部分はグラフト構成要素504に通して繋がれた第一の分岐516及び第二の分岐518であることができる。ユーザが拡張可能デバイス500を所望の位置に操縦した後に、そして、その展開後に、作動ワイヤ502は、拡張可能デバイス500から解放され、患者から除去されうる。作動ワイヤ502が拡張可能デバイス500に直接取り付けられている特定の例において、ユーザが力を加えたときに、操縦に使用される力を超えると、作動ワイヤ502は解放されうる。標的位置(例えば、脈管壁)と拡張可能デバイス500との間の摩擦により、ユーザは、操縦中よりも大きな力又は張力を作動ワイヤ502に加えて、作動ワイヤ502を解放することができる。
【0068】
さらに、デリバリーシステムは、拡張可能デバイス500の一部を通して配置され、作動ワイヤ502を通して配置された1つ以上のテザー(図示せず)を含むことができる。テザー(例えば、図8~9に示すとおり)は作動ワイヤ502を拡張可能デバイス500に結合させるように構成されている。テザーのうちの1つのテザーは第一の分岐516を通して配置され、2つのテザーのうちの第二のテザーは第二の分岐518を通して配置される。テザーは、拡張可能デバイス500の近位端512に隣接する作動ワイヤ502の第一の分岐516及び第二の分岐518を通して配置されうる。さらに、テザーは、拡張可能デバイスのデリバリーの後に、テザーに加えられる力又は張力に応答して、拡張可能デバイス500から結合解除し又は解放するように構成されている。テザーは、力又は張力に応答して破損することができ(そして作動ワイヤ502の解放後に拡張可能デバイス500とともにとどまる)、又は、テザーは作動ワイヤ502とともに離脱しそして除去されうる(例えば、図9A~D及び図10A~Cに示すとおり)。
【0069】
図6A~Bは、本開示の様々な態様による拡張可能デバイス600及び作動ワイヤ602の側面図及び正面図を示す。拡張可能デバイス600はグラフト構成要素604及び1つ以上のステント構成要素606を含むことができる。デリバリーシステムは、カテーテル608の一部610が拡張可能デバイス600を通して配置されるカテーテル608を含むことができる。作動ワイヤ602は、患者の脈管構造内の標的位置への拡張可能デバイス600のデリバリーのために、拡張可能デバイス600をデリバリーシステムに解放可能に結合するように構成されうる。さらに、拡張可能デバイス600は、近位端612、遠位端614及びそれらの間に延在している流れ管腔を含むことができる。
【0070】
特定の例において、作動ワイヤ602は拡張可能デバイス600にその上の1つ以上の位置で結合されており、デリバリーシステムのユーザがアクセス可能である。作動ワイヤ602は、少なくとも1つのテザー616によって拡張可能デバイス600に結合されうる。図6Bに示されるように、少なくとも1つのテザー616及び作動ワイヤ602は、y字型構造を形成することができる。特定の例において、少なくとも1つのテザー616は、作動ワイヤ602を拡張可能デバイス602上の2つ以上の位置に結合するように構成されている。少なくとも1つのテザー616は作動ワイヤ602に固定されるか、又は、作動ワイヤ602を通して配置される(例えば、図8に示すとおり)。特定の例において、少なくとも1つのテザー616は作動ワイヤ602に結合された複数のテザー(例えば、2つのテザー)である。少なくとも1つのテザー616(又は複数のテザー)は拡張可能デバイス600にその近位端612に隣接して結合される。
【0071】
さらに、作動ワイヤ602は拡張可能デバイス600をそのデリバリー中に操縦するように構成されている。拡張可能デバイス600上の2つの位置に結合されている少なくとも1つのテザー616は、拡張可能デバイス600を操縦するために、ユーザが作動ワイヤ602に力又は張力を加えることから力を分配することにより、作動ワイヤ602が拡張可能デバイス600を操縦する能力を向上させることができる。特定の例において、拡張可能デバイス600の近位端612及び遠位端614のうちの1つは、標的位置の一部(例えば、蛇行性脈管)に垂直に展開される。拡張可能デバイス600の垂直性は、拡張可能デバイス600の端部(近位端612又は遠位端614)の一方を標的位置に対して垂直に維持しながら、標的位置へと拡張可能デバイス600を操縦するように構成されている作動ワイヤ602によって強化されうる。さらに、デリバリーシステムを操作しているユーザは、作動ワイヤ600に力を加え、拡張可能デバイス600を双方向(例えば、患者の脈管構造内の標的位置に対して近位及び遠位)に操縦することができる。張力がユーザによって作動ワイヤ602に加えられるときに、その長さにわたって張力を維持するように構成されることができる。
【0072】
ユーザが拡張可能デバイス600を所望の位置に操縦した後に、その展開後に、作動ワイヤ602は拡張可能デバイス600から解放され、患者から除去されうる。特定の例において、少なくとも1つのテザー616に加えられる力又は張力により、テザー616が拡張可能デバイス600から切り離される。
【0073】
図7A~Bは、本開示の様々な態様による拡張可能デバイス700及び作動ワイヤ702の側面図及び正面図を示す。拡張可能デバイス700は、グラフト構成要素704及び1つ以上のステント構成要素706を含むことができる。デリバリーシステムは、カテーテル708の前端710が拡張可能デバイス700の端部の近傍に配置されたカテーテル708を含むことができる。作動ワイヤ702は拡張可能デバイス700を患者の脈管構造内の標的位置にデリバリーするために、拡張可能デバイス700をデリバリーシステムに解放可能に結合するように構成されうる。さらに、拡張可能デバイス700は、近位端712、遠位端714及びそれらの間に延在している流れ管腔を含むことができる。
【0074】
作動ワイヤ702は、拡張可能デバイス700を操縦するように構成され、デリバリーシステムのユーザがアクセス可能である。特定の例において、拡張可能デバイス700の近位端712及び遠位端714のうちの1つは、標的位置の部分(例えば、蛇行性脈管)に対して垂直に展開される。さらに、デリバリーシステムを操作しているユーザは、作動ワイヤ702に力を加えて、拡張可能デバイス700を双方向(例えば、患者の脈管構造内の標的位置に対して近位及び遠位)に操縦することができる。作動ワイヤ702は張力がユーザによって作動ワイヤ702に加えられるときに、その長さにわたって張力を維持するように構成されうる。
【0075】
さらに、少なくとも1つのテザー716は拡張可能デバイス700上の2つ(又はそれ以上)の位置728,730に結合されて、拡張可能デバイス700を操縦するためにユーザが作動ワイヤ702に加える力から生じる力を分配することにより、作動ワイヤ702が拡張可能デバイス700を操縦することができる能力を向上させることができる。
【0076】
特定の例において、テザー716,718は、作動ワイヤ702を拡張可能デバイス700に結合するように構成されている。テザー716,718は、拡張可能デバイス700を通して(例えば、グラフト構成要素704を通して)その上の1つ以上の位置に配置される。テザー716,718は近位端712の近傍で拡張可能デバイス700を通して配置されうる。さらに、テザー716,718は拡張可能デバイス700の近位端712から延在することができ、また、ユーザがアクセス可能であることもできる。さらに、図6Bに示されるように、少なくとも1つのテザー716,718及び作動ワイヤ702はy字型構造を形成することができる。
【0077】
テザー716,718はそれぞれ2つの部分を含むことができる。特定の例において、テザー716,718の第一の部分720,722は拡張可能デバイスの内部に配置され、ユーザがアクセス可能であることができ、テザー716,718の第二の部分724,726は、作動ワイヤ702のアイレット720とアイレット720の間に配置されている。特定の例において、テザー716,718の第一の部分720,722及び第二の部分724,726は拡張可能デバイス700上の位置728,730で一緒に取り付けられるか又は結び付けられた別個の糸である。第一の部分720,722及び/又は第二の部分724,726は、グラフト構成要素704に通されることもできる。他の例において、テザー716,718の第一の部分720,722及び第二の部分724,726は互いに一体であり、そして、拡張可能デバイス700上の位置728,730でグラフト構成要素704に通される。
【0078】
ユーザが拡張可能デバイス700を所望の位置へと操縦した後に、そしてその展開後に、作動ワイヤ702は拡張可能デバイス700から解放され、患者から除去されうる。ユーザは、テザー716,718の端部に張力を加えて、テザー716,718を拡張可能デバイス700からアイレット720を通して外すことができる。様々な例において、テザー716,718の第一の部分720,722及び第二の部分724,726は互いに一体であり、テザー716,718の端部に張力をかけることにより同時に解放可能である。テザー716,718の第一の部分720,722及び第二の部分724,726が一緒に取り付けられるか又は結ばれている例において、テザー716,718の第一の部分720,722にその解放のために張力は加えられる。その結果、第一の部分720,722は第二の部分724,726から解放され、テザー716,718の第一の部分720,722は拡張可能デバイス700から取り外されることができる。
【0079】
図7A~Bに示される拡張可能デバイス700は本明細書全体にわたって開示された本開示の実施形態の使用又は機能の範囲に関する制限を示唆することを意図したものではない。また、例示のプロテーゼ200は、そこに示された単一の構成要素又は構成要素の組み合わせに関連する依存性又は要件を有すると解釈されるべきではない。例えば、幾つかの実施形態において、例示的な拡張可能デバイス700は、図1~6及び図8~9を参照してさらに詳細に説明されるような追加の構成要素を含むことができる。さらに、図7A~Bに示されているいずれの1つ以上の構成要素も、実施形態において、そこに示される他の構成要素(及び/又は図示されていない構成要素)の様々なものと統合されうる。
【0080】
図8は、本開示の様々な態様による、拡張可能デバイス800への作動ワイヤ802及びテザー804の取り付けを示す。作動ワイヤ802は、その端部に配置されたアイレット806を含むことができる。テザー804はアイレット806に通されて、拡張可能デバイス800をデリバリーシステムに解放可能に結合することができる。
【0081】
テザー804はまた、拡張可能デバイス800を通して、拡張可能デバイス800をデリバリーシステムに解放可能に結合することができる。他の例において、テザー804は、接着剤によって拡張可能デバイス800に直接取り付けられる。さらに、作動ワイヤ802は、上記でさらに詳細に記載されているように、テザー804の剛性よりも大きい剛性を有することができる。
【0082】
図9A図9Dは本開示の様々な態様によるテザーアタッチメント902構成を示す。テザーアタッチメント902は2つの位置904で拡張可能メディカルデバイス900を通されることができる。テザーアタッチメント902はループ状端部906を含むことができる。図9Bに示されるように、テザーアタッチメント902はループ状端部906に通される。図9Cに示されるように、テザーアタッチメント902は、ループ状端部906を通って戻される。図9Dに示すように、テザーアタッチメント902をしっかりと引っ張り、解放可能なスリップノットを形成する。本明細書で議論されるように、テザーアタッチメント902は、拡張可能デバイスを作動ワイヤに結合するために使用されうる。
【0083】
図10A~Cは、本開示の様々な態様によるテザーアタッチメント1002構成を示す。テザーアタッチメント1002は4つの位置1004で拡張可能メディカルデバイス1000に通されることができる。テザーアタッチメント1002は4つの位置1004に通される。テザーアタッチメント1002はループ状端部1010を含むことができる。テザーアタッチメント1002は本明細書で論じられるように、拡張可能デバイスを作動ワイヤ1006に結合するために使用されうる。図10Aに示されるように、テザーアタッチメント1002は、作動ワイヤ1006のアイレット1008を通して配置される。
【0084】
図10B~Cに示されるように、テザーアタッチメント1002は、ループ状端部1010に通され、次いでそこを通って戻される。テザーアタッチメント1010はしっかりと引っ張られて、解放可能なスリップノットを形成する。他の解放機構を使用して、本明細書で論じられるように、作動ワイヤを拡張可能メディカルデバイスに結合することができる。
【0085】
本明細書で論じられる作動ワイヤは、ステンレス鋼、コバルトクロム合金及びニチノールなどの金属、ポリマー又は天然材料から形成されることができる。さらに、作動ワイヤは、超高分子量ポリエチレン繊維(例えば、Spectra(商標)、Dyneema Purity(商標)など)又はアラミド繊維(例えば、Technora(商標)など)などの高強度ポリマー繊維から形成されることもできる。
【0086】
グラフト構成要素は、選択された体管腔におけるグラフトとしての使用に適しており、本明細書で議論される拡張に対して抵抗性がある任意の材料から構成されうる。グラフト構成要素は同じ又は異なる材料から構成されうる。さらに、グラフト構成要素は材料の複数の層を含むことができ、前記材料は同じ材料又は異なる材料であることができる。1つの実施形態において、前記材料を組み合わせて使用し、一緒に組み立ててグラフトを構成することができる。ステントグラフトで使用されるグラフト材料は、押し出されるか、コーティングされるか、ラップされたフィルムから形成されるか、又はそれらの組み合わせであることができる。ポリマー、生分解性及び天然材料は特定の用途に使用できる。
【0087】
合成ポリマーの例として、限定するわけではないが、ナイロン、ポリアクリルアミド、ポリカーボネート、ポリホルムアルデヒド、ポリメチルメタクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロクロロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、エラストマー有機ケイ素ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリグリコール酸、ポリエステル、ポリアミド、それらの混合物、ブレンド及びコポリマーが挙げられ、それらはグラフト材料として適している。1つの実施形態において、前記グラフトは、DACRON(登録商標)及びMYLAR(登録商標)を含むポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、KEVLAR(登録商標)などのポリアラミド、共重合ヘキサフルオロプロピレンを含む又は含まないポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(TEFLON(登録商標)又はGORE-TEX(登録商標))などのポリフルオロカーボン及び多孔性又は非多孔性ポリウレタンのクラスから作られる。別の実施形態において、前記グラフトは、英国特許第1,355,373号、同第1,506,432号又は同第1,506,432号明細書又は米国特許第3,953,566号、同第4,187,390号又は同第5,276,276号明細書に記載されている延伸フルオロカーボンポリマー(特にPTFE)材料を含み、それらの全体を参照により取り込む。好ましいフルオロポリマーのクラスとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、テトラフルオロエチレン(TFE)及びペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)のコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレンのホモポリマー(PCTFE)及びそのTFEとのコポリマー、エチレン-クロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、エチレン-テトラフルオロエチレン(ETFE)のコポリマー、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリフッ化ビニル(PVF)が挙げられる。人工脈管で広く使用されているため、ePTFEは特に好ましい。別の実施形態において、前記グラフトは、上記に列挙された前記材料の組み合わせを含む。別の実施形態において、前記グラフトは体液に対して実質的に不透過性である。前記実質的に不透過性のグラフトは、体液に対して実質的に不透過性である材料から作製することができ、又は、体液に対して実質的に不透過性となるように処理又は製造された透過性材料から構築することができる(例えば、上記又は当該技術分野で既知の異なる種類の材料を積層することによる)。別の実施形態において、前記最外チューブはePTFEを含む。別の実施形態において、前記最内チューブはePTFEを含む。別の実施形態において、前記最内チューブ及び最外チューブは、チューブ状に巻いたePTFEフィルムを含む。別の実施形態において、前記二次ステントは、本明細書に開示されるか又は当該技術分野で既知の材料のいずれかで覆われている。別の実施形態において、二次ステントカバリングはePTFEを含む。
【0088】
グラフト材料の追加例としては、限定するわけではないが、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンヘキサフルオロプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ化ビニリデン、1-ヒドロペンタフルオロプロピレン、ペルフルオロ(メチルビニルエーテル)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ペンタフルオロプロペン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロアセトン、ヘキサフルオロイソブチレン、フッ化ポリ(エチレン-コ-プロピレン)(FPEP)、ポリ(ヘキサフルオロプロペン)(PHFP)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)(PCTFE)、ポリ(フッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(フッ化ビニリデン-コ-テトラフルオロエチレン)(PVDF-TFE)、ポリ(フッ化ビニリデン-コ-ヘキサフルオロプロペン)(PVDF-HFP)、ポリ(テトラフルオロエチレン-コ-ヘキサフルオロプロペン)(PTFE-HFP)、ポリ(テトラフルオロエチレン-コ-ビニルアルコール)(PTFE-VAL)、ポリ(テトラフルオロエチレン-コ-酢酸ビニル)(PTFE-VAC)、ポリ(テトラフルオロエチレン-コ-プロペン)(PTFEP)、ポリ(ヘキサフルオロプロペン-コ-ビニルアルコール)(PHFP-VAL)、ポリ(エチレン-コ-テトラフルオロエチレン)(PETFE)、ポリ(エチレン-コ-ヘキサフルオロプロペン)(PEHFP)、ポリ(フッ化ビニリデン-コ-クロロトリフルオロエチレン)(PVDF-CTFE)及びそれらの組み合わせ、ならびに、米国出願公開第2004/0063805号明細書(あらゆる目的のために参照によりその全体を本明細書に取り込む)に記載される追加のポリマー及びコポリマーが挙げられる。追加のポリフルオロコポリマーとしては、テトラフルオロエチレン(TFE)/ペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)が挙げられる。PAVEは、米国特許出願公開第2006/0198866号明細書及び米国特許第7,049,380号明細書(その両方をあらゆる目的のために参照により本明細書に取り込む)に記載されているように、ペルフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)、ペルフルオロエチルビニルエーテル(PEVE)又はペルフルオロプロピルビニルエーテル(PPVE)であることができる。他のポリマー及びコポリマーとしては、ポリラクチド、ポリカプロラクトン-グリコリド、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリアミノ酸、多糖類、ポリホスファゼン、ポリ(エーテル-エステル)コポリマー、例えばPEO-PLLA又はそのブレンド、ポリジメチル-シロキサン、ポリ(エチレン-酢酸ビニル)、アクリレートベースのポリマー又はコポリマー、例えば、ポリ(ヒドロキシエチルメチルメタクリレート)、ポリビニルピロリジノン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素化ポリマー、セルロースエステル及び米国出願公開第2004/0063805号明細書(参照によりその全体を本明細書に取り込む)に記載されているいずれかのポリマー及びコポリマーが挙げられる。
【0089】
本明細書で論じられるグラフト構成要素は、少なくとも1つのほぼ平坦な表面を有するほぼ平坦なリボン又はテープである結合部材を使用することにより、自己拡張型ステント要素に取り付けられることができる。特定の例において、テープ部材は接着剤でコーティングされた延伸PTFE(ePTFE)から作られている。接着剤は熱可塑性接着剤であることができる。特定の例において、熱可塑性接着剤はフッ化エチレンプロピレン(FEP)であることができる。より具体的には、ePTFEのFEP被覆面を自己拡張型ステント及びグラフト構成要素の外面に向けてそして接触させ、このようにして、自己拡張型ステントをグラフト構成要素に取り付けることができる。ステントをグラフトに取り付ける材料及び方法はMartinの米国特許第6,042,602号明細書に記載されており、それをあらゆる目的のために参照により本明細書に取り込む。
【0090】
本明細書で論じられるステント構成要素は様々な生体適合性材料から製造することができる。これらの材料としては、316Lステンレススチール、コバルト-クロム-ニッケル-モリブデン-鉄合金(「コバルト-クロム」)、L605などの他のコバルト合金、タンタル、ニチノール又は他の生体適合性金属が挙げられる。特定の例において、上記で詳細に論じたように、ステント(及びグラフト)は自己拡張性であることができる。他の例において、プロテーゼはバルーン拡張性であることができる。
【0091】
本明細書で論じられるステント構成要素は合理的に高い強度の材料、すなわち、応力が加えられたときに塑性変形に耐える材料から構築されうる。1つの実施形態において、ステント構成要素はワイヤを含み、前記ワイヤはピンが上に配置されたマンドレルの周りにらせん状に巻かれ、それによりらせん状の巻回及びうねりを同時に形成することができる。他の構造も使用されうる。特定の例において、ステント構成要素は超弾性合金で作られている。ニチノールなどの超弾性合金がステントに使用されている様々な開示がある。例えば、Dotterの米国特許第4,503,569号、Balkoらの同第4,512,338号、Wilkoffの同第4,990,155号、Haradaらの同第5,037,427号、MacNamaraらの同第5,147,370号、Clouseの同第5,211,658号及びTerminらの同第5,221,261号明細書を参照されたい。
【0092】
ニチノールなどの様々な金属、超弾性合金の様々な材料はステント構成要素における使用に適している。材料の主な要件は、非常に薄いシート又は小さい直径のワイヤに成形した場合でも、適切に弾力性があることである。物理的、化学的又はその他の方法で高いばね性を得るように処理された様々なステンレススチールは適しており、コバルトクロム合金(例えば、ELGILOY(登録商標))、白金/タングステン合金、及び、特に「ニチノール」として一般に知られているニッケルチタン合金などの他の金属合金も適している。
【0093】
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現されうることを容易に理解するであろう。また、本明細書で参照される添付の図は必ずしも縮尺通りではなく、本開示の様々な態様を示すために誇張される場合があり、その点で、図は限定するものと解釈されるべきではないことに留意されたい。
(態様)
(態様1)
前端及び後端を有するカテーテル、
前記カテーテルの前端の近傍に配置され、近位端、遠位端及びそれらの間に延在している流れ管腔を含む拡張可能デバイス、
前記拡張可能デバイスにその1つ以上の位置で結合された作動ワイヤ、ここで、前記作動ワイヤは前記拡張可能デバイスをそのデリバリー中に操縦するように構成されている、及び、
前記拡張可能デバイスの一部を通して配置され、前記作動ワイヤを通して配置され、前記作動ワイヤを前記拡張可能デバイスに結合するように構成されている、少なくとも1つのテザー、
を含む、デリバリーシステム。
(態様2)
前記拡張可能デバイスは少なくとも1つの変曲点を備えた湾曲を持つ蛇行性脈管で展開するように構成されており、そして前記作動ワイヤは前記拡張可能デバイスのデリバリー中に蛇行性脈管の湾曲の変曲点に対してほぼ垂直に拡張可能デバイスの近位端を維持するように構成されている、態様1記載のデリバリーシステム。
(態様3)
前記作動ワイヤは、作動ワイヤを通してそして拡張可能デバイスの一部を通して配置されている少なくとも1つのテザーを介して近位端に隣接して拡張可能デバイスに結合されている、態様1~2のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
(態様4)
前記作動ワイヤは前記拡張可能デバイスをそのデリバリー中に近位及び遠位の双方向に操縦するように構成されている、態様1~3のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
(態様5)
前記少なくとも1つのテザーは2つのテザーを含み、前記作動ワイヤは2つのテザーを介して2つ以上の位置で前記拡張可能デバイスに結合されている、態様1~4のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
(態様6)
前記作動ワイヤは第一の分岐及び第二の分岐を含む分岐を含み、そして前記第一の分岐及び第二の分岐は第一の分岐を通して配置された2つのテザーのうちの第一のテザー及び第二の分岐を通して配置された2つのテザーのうちの第二のテザーを介して2つ以上の位置で前記拡張可能デバイスに結合されている、態様5記載のデリバリーシステム。
(態様7)
前記少なくとも1つのテザーは前記作動ワイヤを通して配置され、そして2つの位置で前記拡張可能デバイスを通して配置されており、前記作動ワイヤを前記拡張可能デバイスに結合している、態様1~6のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
(態様8)
前記少なくとも1つのテザーは前記作動ワイヤからそれを通し、そして前記拡張可能デバイスの近位端に隣接する2つの位置で前記拡張可能デバイスを通して延在している、態様7記載のデリバリーシステム。
(態様9)
前記少なくとも1つのテザーは2つのテザーを含み、そして前記2つのテザーは前記作動ワイヤからそれを通し、そして前記拡張可能デバイスの近位端に隣接する2つの位置で前記拡張可能デバイスを通して延在している、態様7記載のデリバリーシステム。
(態様10)
前記少なくとも1つのテザーは生体吸収性材料を含む、態様1~9のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
(態様11)
前記少なくとも1つのテザーは前記拡張可能デバイスのデリバリー後に前記作動ワイヤに加えられる張力に応答して前記拡張可能デバイスから結合解除及び解放するように構成されている、態様1~10のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
(態様12)
前記作動ワイヤは分岐して第一の分岐と第二の分岐を形成して、y字型構造を形成し、そして前記第一の分岐及び第二の分岐は2つの位置で前記拡張可能デバイスに結合されている、態様1~10のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
(態様13)
前記作動ワイヤを前記拡張可能デバイス上の2つ以上の位置に結合するように構成して配置された2つのテザーをさらに含む、態様12記載のデリバリーシステム。
(態様14)
前記2つのテザーの第一のテザーは前記第一の分岐の近位端を通してそして前記拡張可能デバイスを通して配置され、前記2つのテザーの第二のテザーは前記第二の分岐の近位端を通してそして前記拡張可能デバイスを通して配置され、前記作動ワイヤを前記拡張可能デバイス上の2つ以上の位置に結合している、態様13記載のデリバリーシステム。
(態様15)
前記作動ワイヤはアイレットを含み、前記少なくとも1つのテザーは前記作動ワイヤのアイレットを通して配置されて前記作動ワイヤを前記拡張可能デバイスに結合している、態様1~14のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10