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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-18
(45)【発行日】2022-10-26
(54)【発明の名称】信号処理装置、および信号処理方法
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/00 20060101AFI20221019BHJP
【FI】
B60Q1/00 D
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021154200
(22)【出願日】2021-09-22
(62)【分割の表示】P 2019076323の分割
【原出願日】2017-08-02
(65)【公開番号】P2022002956
(43)【公開日】2022-01-11
【審査請求日】2021-09-22
(31)【優先権主張番号】P 2016158725
(32)【優先日】2016-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2016158726
(32)【優先日】2016-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2017055703
(32)【優先日】2017-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀 宇司
(72)【発明者】
【氏名】山本 照亮
(72)【発明者】
【氏名】笠羽 祐介
(72)【発明者】
【氏名】伏見 美昭
【審査官】竹中 辰利
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される信号処理装置であって、
前記車両に搭載された光源の照明基準位置と前記車両に搭載されたセンサの検出基準位置の一方を調節する第一調節信号を出力する第一出力部と、
前記照明基準位置と前記検出基準位置の他方を調節する第二調節信号を出力する第二出力部と、
前記第一調節信号に基づいて前記第二調節信号を生成する処理部と、
を備えている、
信号処理装置。
【請求項2】
前記第一調節信号は、前記光源から出射された光により形成されたパターンに基づいて出力される、
請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項3】
車両に搭載される信号処理装置であって、
前記車両に搭載された光源の照明基準位置に係る第一情報を受け付ける第一入力部と、
前記車両に搭載されたセンサにより検出された第二情報を受け付ける第二入力部と、
前記第一情報に基づいて前記第二情報を補正する処理部と、
を備えている、
信号処理装置。
【請求項4】
前記第一情報は、前記光源から出射された光により形成されたパターンに基づいて取得される、
請求項3に記載の信号処理装置。
【請求項5】
前記センサは、LiDARセンサである、
請求項1から4のいずれか一項に記載の信号処理装置。
【請求項6】
車両に搭載された光源の照明基準位置と当該車両に搭載されたセンサの検出基準位置の一方を調節する第一調節信号を生成し、
前記第一調節信号に基づいて前記照明基準位置と前記検出基準位置の他方を調節する第二調節信号を生成し、
前記第一調節信号と前記第二調節信号を出力する、
信号処理方法。
【請求項7】
車両に搭載された光源の照明基準位置に係る第一情報を受け付け、
車両に搭載されたセンサにより検出された第二情報を受け付け、
前記第一情報に基づいて前記第二情報を補正する、
信号処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両に搭載される照明システムおよびセンサシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の自動運転技術を実現するためには、当該車両の外部の情報を取得するためのセンサを車体に搭載する必要がある。そのようなセンサの一例としてカメラやLiDAR(Light Detection and Ranging)センサが知られている(例えば、特許文献1を参照)。LiDARセンサは、非可視光を出射し、その反射光に基づいて対象物までの距離や対象物の属性に係る情報を取得するための装置である。
【0003】
車両の周囲の所定領域を照明するための光源が車体に搭載されるとき、当該車体に対する当該光源の姿勢あるいは当該光源の照明基準位置を調節する必要がある。同様に、上記のセンサが車体に搭載されるとき、当該車体に対する当該センサの姿勢あるいは当該センサの検出基準位置を調節する必要がある。光源とセンサを一体構造化することにより、単一の調節機構で光源の照明基準位置とセンサの検出基準位置を一括して調節する技術が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】日本国特許出願公開2010-185769号公報
【文献】日本国特許出願公開平5-027037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に記載された技術においては、光源の照明基準位置とセンサの検出基準位置を一括して調節するために光源とセンサを一体構造化する必要があるため、光源とセンサのレイアウト自由度が制限される。逆に光源とセンサのレイアウト自由度を確保しようとすると、光源の照明基準位置を調節する機構とセンサの検出基準位置を調節する機構を個別に設ける必要が生ずる。調節機構が増加することにより、調節作業の負担が増す。
【0006】
したがって、光源とセンサのレイアウト自由度を確保しつつ、車体に対する光源とセンサの姿勢、あるいは光源の照明基準位置とセンサの検出基準位置を調節する作業の負担を軽減することが求められている(第一の要求)。
【0007】
上記のようなセンサが車体に搭載されるとき、当該車体に対する当該センサの姿勢あるいは当該センサの検出基準位置を調節する必要がある。センサの種類が増えると、調節を要する対象が増加するため、調節作業の負担が増す。
【0008】
したがって、車両に搭載されるセンサの種別が増えても、各センサの検出基準位置を調節する作業の負担を軽減することが求められている(第二の要求)。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記第一の要求に応えるための一態様は、車両に搭載される照明システムであって、
所定の領域を照明する光を出射する光源と、
前記車両の外部の情報を検出するセンサと、
前記光源の姿勢を調節する第一調節部と、
前記センサの姿勢を調節する第二調節部と、
を備えており、
前記第一調節部と前記第二調節部の一方による調節は、前記第一調節部と前記第二調節部の他方により行なわれた調節に基づいて行なわれる。
【0010】
このような構成によれば、光源とセンサの一方の姿勢を調節した結果が他方の姿勢調節に反映されるため、光源とセンサのレイアウト自由度を確保しつつ、車体に対する光源とセンサの姿勢を調節する作業の負担を軽減できる。
【0011】
加えて、車両の周囲の情報を効率的に取得する観点、および意匠上の観点からは、車両の四隅に配置される照明システム内に車両外部の情報を取得するためのセンサを含ませることが望まれている。このような構成によれば、光源の姿勢調節とセンサの姿勢調節を関連付けることが可能になるため、光源とセンサを照明システム内に統合できる。すなわち、上記のような要望に応えることができる。
【0012】
上記の照明システムは、以下のように構成されうる。
前記第一調節部は、第一スクリュー機構を備えており、
前記第二調節部は、第二スクリュー機構を備えており、
前記第一スクリュー機構と前記第二スクリュー機構の一方の操作を、前記第一スクリュー機構と前記第二スクリュー機構の他方に伝達するフレキシブルシャフトを備えている。
【0013】
このような構成によれば、機械的な構成部品のみによって光源とセンサの一方に対する調節量に係る情報が光源とセンサの他方に伝達される。したがって、使用頻度が比較的低い第一スクリュー機構と第二スクリュー機構に対する動作信頼性を確保しやすい。
【0014】
この場合、上記の照明システムは、以下のように構成されうる。
前記第一スクリュー機構と前記第二スクリュー機構の少なくとも一方は、減速歯車機構を介して前記フレキシブルシャフトと連結されている。
【0015】
このような構成によれば、第一スクリュー機構による調節量を、所定の比率で第二スクリュー機構に伝達できる。すなわち、第一スクリュー機構と第二スクリュー機構の一方から他方への調節量の伝達のさせ方に任意性を持たせることが可能になる。
【0016】
あるいは、上記の照明装置は、以下のように構成されうる。
前記第一調節部と前記第二調節部の一方は、スクリュー機構を備えており、
前記第一調節部と前記第二調節部の他方は、アクチュエータを備えており、
前記スクリュー機構の操作に対応する検出信号を出力するセンサを備えており、
前記検出信号に対応する操作信号が前記アクチュエータに入力される。
【0017】
このような構成によれば、例えば光源の照明範囲を変化させるために用いられるアクチュエータを用いて光源の姿勢調節を行なえる。したがって、光源については、上記の第一スクリュー機構のような別途の調節機構を省略できる。同様に、例えばセンサの検出範囲を変化させるために用いられるアクチュエータを用いてセンサの姿勢調節を行なえる。したがって、センサについては、上記の第二スクリュー機構のような別途の調節機構を省略できる。
【0018】
あるいは、上記の照明システムは、以下のように構成されうる。
前記第一調節部は、第一アクチュエータを備えており、
前記第二調節部は、第二アクチュエータを備えており、
前記第一アクチュエータと前記第二アクチュエータの一方による調節に対応する信号が前記第一アクチュエータと前記第二アクチュエータの他方に入力される。
【0019】
このような構成によれば、前述の理由により、上記の第一スクリュー機構のような別途の調節機構と上記の第二スクリュー機構のような別途の調節機構の双方を省略できる。
【0020】
上記の照明システムは、以下のように構成されうる。
前記光源は、前記第一調節部と前記第二調節部の一方による前記調節を行なうためのパターンを、出射される光によって形成可能に構成されている。
【0021】
このような構成によれば、照明システムが車体に搭載された後に、光源とセンサの車体に対する搭載姿勢の調節を容易に遂行できる。
【0022】
上記第一の要求に応えるための一態様は、車両に搭載される照明システムであって、
所定の領域を照明する光を出射する光源と、
前記車両の外部の情報を検出するセンサと、
前記光源の照明基準位置と前記センサの検出基準位置の一方の調節は、当該照明基準位置と当該検出基準位置の他方の調節に基づいて行なわれる。
【0023】
このような構成によれば、光源の照明基準位置とセンサの検出基準位置の一方を調節した結果が他方の基準位置調節に反映される。したがって、光源とセンサのレイアウト自由度を確保しつつ、光源の照明基準位置とセンサの検出基準位置を調節する作業の負担を軽減できる。
【0024】
加えて、車両の周囲の情報を効率的に取得する観点、および意匠上の観点からは、車両の四隅に配置される照明システム内に車両外部の情報を取得するためのセンサを含ませることが望まれている。このような構成によれば、光源の照明基準位置調節とセンサの検出基準位置調節を関連付けることが可能になるため、光源とセンサを照明システム内に統合できる。すなわち、上記のような要望に応えることができる。
【0025】
上記の照明システムは、以下のように構成されうる。
前記光源は、前記照明基準位置と前記検出基準位置の一方の前記調節を行なうためのパターンを、出射される光によって形成可能に構成されている。
【0026】
このような構成によれば、照明システムが車体に搭載された後に、光源の照明基準位置とセンサの検出基準位置の調節を容易に遂行できる。
【0027】
上記第一の要求に応えるための一態様は、車両に搭載される照明システムであって、
所定の領域を照明する光を出射する光源と、
前記車両の外部の情報を検出するセンサと、
前記光源の照明基準位置に係る情報に基づいて、前記センサにより検出された情報を補正する補正部と、
を備えている。
【0028】
このような構成によれば、センサの検出基準位置を調節する構成を省略できる。したがって、光源とセンサのレイアウト自由度を確保しつつ、光源の照明基準位置とセンサの検出基準位置を調節する作業の負担を軽減できる。
【0029】
加えて、車両の周囲の情報を効率的に取得する観点、および意匠上の観点からは、車両の四隅に配置される照明システム内に車両外部の情報を取得するためのセンサを含ませることが望まれている。このような構成によれば、光源の姿勢調節とセンサの姿勢調節を関連付けることが可能になるため、光源とセンサを照明システム内に統合できる。すなわち、上記のような要望に応えることができる。
【0030】
また、センサの検出基準位置を調節する構成を省略できるため、構造の大型化を抑制しやすい。したがって、照明システム内への光源とセンサの統合が容易になる。
【0031】
上記の照明システムは、以下のように構成されうる。
前記光源は、前記照明基準位置に係る情報を取得するためのパターンを、出射される光によって形成可能に構成されている。
【0032】
このような構成によれば、照明システムが車体に搭載された後に取得される光源の照明基準位置に係る情報を、補正部による補正処理に反映させることができる。
【0033】
上記第一の要求に応えるための各態様に係る照明システムは、以下のように構成されうる。
前記光源は、少なくとも前記車両の前後方向を照明するように配置されており、前記センサは、少なくとも前記車両の左右方向の情報を取得するように配置されている。
【0034】
車両の左右方向の情報を取得するためには、車両の車体における左右方向を向く位置にセンサが配置されることが好ましい。このようなレイアウトにおいては、車体の構造上の理由によりセンサの姿勢や検出基準位置の調節が困難になる場合がある。しかしながら、上記の構成によれば、光源の姿勢や照明基準位置を調節した結果がセンサの姿勢や検出基準位置の調節に反映されるため、上記の困難性を回避できる。
【0035】
上記第二の要求に応えるための一態様は、車両に搭載されるセンサシステムであって、
前記車両の外部の情報を検出する第一センサと、
前記第一センサとは異なる手法で前記車両の外部の情報を検出する第二センサと、
前記第一センサの姿勢を調節する第一調節部と、
を備えており、
前記第一調節部による前記第一センサの姿勢の調節は、前記第二センサによって検出された情報に基づいて行なわれる。
【0036】
このような構成によれば、第二センサを通じて検出された情報に基づいて、第一センサの姿勢調節が自動的に行なわれるため、車体に対する第一センサの姿勢を調節する作業の負担を軽減できる。
【0037】
例えば第一センサの検出範囲を変化させるために用いられるアクチュエータを用いて第一センサの姿勢調節を行なえば、第一センサについてエイミングスクリュー機構のような別途の調節機構を省略できる。
【0038】
このセンサシステムは、以下のように構成されうる。
所定の領域を照明する光を出射する光源と、
前記光源の姿勢を調節する第二調節部と、
を備えており、
前記第二調節部による前記光源の姿勢の調節は、前記第二センサによって検出された情報に基づいて行なわれる。
【0039】
このような構成によれば、第二センサを通じて検出された情報に基づいて、光源の姿勢調節が自動的に行なわれるため、車体に対する光源の姿勢を調節する作業の負担を軽減できる。
【0040】
例えば光源の照明範囲を変化させるために用いられるアクチュエータを用いて光源の姿勢調節を行なえば、光源についてエイミングスクリュー機構のような別途の調節機構を省略できる。
【0041】
車両の周囲の情報を効率的に取得する観点、および意匠上の観点からは、車両の四隅に配置される照明装置の近傍に車両外部の情報を取得するためのセンサを配置することが望まれている。このような構成によれば、第二センサを介して光源の姿勢調節と第一センサの姿勢調節を関連付けることが可能になるため、光源をセンサシステム内に統合できる。すなわち、上記のような要望に応えることができる。
【0042】
上記第二の要求に応えるための一態様は、車両に搭載されるセンサシステムであって、
前記車両の外部の情報を検出する第一センサと、
前記第一センサとは異なる手法で前記車両の外部の情報を検出する第二センサと、
前記第一センサの検出基準位置を調節する第一調節部と、
を備えており、
前記第一調節部による前記第一センサの検出基準位置の調節は、前記第二センサによって検出された情報に基づいて行なわれる。
【0043】
このような構成によれば、第二センサを通じて検出された情報に基づいて、第一センサの検出基準位置の調節が自動的に行なわれるため、車体に対する第一センサの検出基準位置を調節する作業の負担を軽減できる。
【0044】
このセンサシステムは、以下のように構成されうる。
所定の領域を照明する光を出射する光源を備えており、
前記光源の照明基準位置は、前記第二センサによって検出された情報に基づいて調節される。
【0045】
このような構成によれば、第二センサを通じて検出された情報に基づいて、光源の照明基準位置の調節が自動的に行なわれるため、車体に対する光源の照明基準位置を調節する作業の負担を軽減できる。
【0046】
車両の周囲の情報を効率的に取得する観点、および意匠上の観点からは、車両の四隅に配置される照明装置の近傍に車両外部の情報を取得するためのセンサを配置することが望まれている。このような構成によれば、第二センサを介して光源の照明基準位置の調節と第一センサの検出基準位置の調節を関連付けることが可能になるため、光源をセンサシステム内に統合できる。すなわち、上記のような要望に応えることができる。
【0047】
上記第二の要求に応えるための各態様に係るセンサシステムは、以下のように構成されうる。
前記第一センサと前記第二センサは、共通の支持部材に支持されている。
【0048】
この場合、第一センサの姿勢または検出基準位置の調節が行なわれると同時に、第二センサの姿勢または検出基準位置の調節も行なうことができる。したがって、複数種のセンサを車両に搭載するに際し、各センサの検出基準位置を調節する作業の負担をより軽減できる。
【0049】
上記第二の要求に応えるための一態様は、車両に搭載されるセンサシステムであって、
前記車両の外部の情報を検出する第一センサと、
前記第一センサとは異なる手法で前記車両の外部の情報を検出する第二センサと、
前記第二センサによって検出された情報に基づいて、前記第一センサによって検出された情報を補正する補正部と、
を備えている。
【0050】
このような構成によれば、第一センサの検出基準位置を調節する構成を省略できるため、車体に対する第一センサの検出基準位置を調節する作業の負担を軽減できる。
【0051】
また、第一センサの検出基準位置を調節する構成を省略できるため、構造の大型化を抑制しやすい。したがって、センサシステムへの第一センサと第二センサの統合が容易になる。
【0052】
このセンサシステムは、以下のように構成されうる。
所定の領域を照明する光を出射する光源を備えており、
前記光源の照明基準位置は、前記第二センサによって検出された情報に基づいて調節される。
【0053】
このような構成によれば、第二センサを通じて検出された情報に基づいて、光源の照明基準位置の調節が自動的に行なわれるため、車体に対する光源の照明基準位置を調節する作業の負担を軽減できる。
【0054】
車両の周囲の情報を効率的に取得する観点、および意匠上の観点からは、車両の四隅に配置される照明装置の近傍に車両外部の情報を取得するためのセンサを配置することが望まれている。本実施形態の構成によれば、第一センサの検出基準位置を調節する構成を省略できるため、構造の大型化を抑制しやすく、上記のような要望に応えることができる。
【0055】
上記第二の要求に応えるための各態様に係るセンサシステムは、以下のように構成されうる。
前記第二センサは、前記車両の外部を撮影するカメラである。
【0056】
この場合、センサシステムを構成するセンサの車体に対する位置ずれを情報として取得するのであれば、当該情報を映像処理に基づいて比較的容易に取得できる。
【0057】
上記第二の要求に応えるための各態様に係るセンサシステムは、以下のように構成されうる。
前記第一センサは、少なくとも前記車両の左右方向の情報を取得するように配置されている。
【0058】
車両の左右方向の情報を取得するためには、車両の車体における左右方向を向く位置に第一センサが配置されることが好ましい。このようなレイアウトにおいては、車体の構造上の理由により、第一センサの姿勢の調節が困難になる場合がある。しかしながら、上記の構成によれば、第二センサを通じて検出された車体に対するセンサシステムの位置ずれに係る情報に基づいて、第一センサの姿勢調節が自動的に行なわれるため、上記の困難性を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
図1】照明システムの車両における位置を示す図である。
図2】第一実施形態に係る照明システムの構成を示す図である。
図3】第二実施形態に係る照明システムの構成を示す図である。
図4】第三実施形態に係る照明システムの構成を示す図である。
図5】第四実施形態に係る照明システムの構成を示す図である。
図6】第五実施形態に係る照明システムの構成を示す図である。
図7】第六実施形態に係る照明システムの構成を示す図である。
図8】第六実施形態の第一変形例に係る照明システムの構成を示す図である。
図9】第六実施形態の第二変形例に係る照明システムの構成を示す図である。
図10】上記照明システムの光源により形成されるパターンを示す図である。
図11図10のパターンにより得られる情報を説明する図である。
図12図10のパターンにより得られる情報を説明する図である。
図13図10のパターンにより得られる情報を説明する図である。
図14】第七実施形態に係るセンサシステムの構成を示す図である。
図15】上記センサシステムにおける信号処理部の動作を説明する図である。
図16】第八実施形態に係るセンサシステムの構成を示す図である。
図17】第九実施形態に係るセンサシステムの構成を示す図である。
図18】第九実施形態の変形例に係るセンサシステムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
添付の図面を参照しつつ、実施形態の例について以下詳細に説明する。以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
【0061】
添付の図面において、矢印Fは、図示された構造の前方向を示している。矢印Bは、図示された構造の後方向を示している。矢印Lは、図示された構造の左方向を示している。矢印Rは、図示された構造の右方向を示している。以降の説明に用いる「左」および「右」は、運転席から見た左右の方向を示している。添付の図面において「上下方向」は、紙面に垂直な方向に対応している。
【0062】
図1に示されるように、第一実施形態に係る左前照明システム1LFは、車両100の左前角部に搭載される。第一実施形態に係る右前照明システム1RFは、車両100の右前角部に搭載される。
【0063】
図2は、右前照明システム1RFの構成を模式的に示している。図示を省略するが、左前照明システム1LFは、右前照明システム1RFと左右対称の構成を有している。
【0064】
右前照明システム1RFは、ハウジング11と透光カバー12を備えている。ハウジング11と透光カバー12は、灯室13を区画している。
【0065】
右前照明システム1RFは、光源14を備えている。光源14は、レンズとリフレクタの少なくとも一方を含む光学系を備えており、所定の領域を照明する光を出射する。光源14は、灯室13内に配置されている。光源14においては、ランプ光源や発光素子が使用されうる。ランプ光源の例としては、白熱ランプ、ハロゲンランプ、放電ランプ、ネオンランプなどが挙げられる。発光素子の例としては、発光ダイオード、レーザダイオード、有機EL素子などが挙げられる。
【0066】
右前照明システム1RFは、LiDARセンサ15を備えている。LiDARセンサ15は、非可視光を出射する構成、および当該非可視光が車両100の外部に存在する物体に反射した結果の戻り光を検出する構成を備えている。すなわち、LiDARセンサ15は、車両100の外部の情報を検出するセンサである。LiDARセンサ15は、必要に応じて当該非可視光を掃引して出射方向(すなわち検出方向)を変更する走査機構を備えうる。本実施形態においては、非可視光として波長905nmの赤外光が使用される。
【0067】
LiDARセンサ15は、例えば、ある方向へ非可視光を出射したタイミングから戻り光を検出するまでの時間に基づいて、当該戻り光に関連付けられた物体までの距離を取得できる。また、そのような距離データを検出位置と関連付けて集積することにより、戻り光に関連付けられた物体の形状に係る情報を取得できる。これに加えてあるいは代えて、出射光と戻り光の波長の相違に基づいて、戻り光に関連付けられた物体の材質などの属性に係る情報を取得できる。これに加えてあるいは代えて、例えば路面から戻り光の反射率の相違に基づいて、対象物の色(路面における白線など)に係る情報を取得できる。
【0068】
LiDARセンサ15は、検出された戻り光の属性(強度や波長など)に対応する信号を出力する。上記の情報は、LiDARセンサ15より出力された信号が図示しない情報処理部によって適宜に処理されることにより取得される。情報処理部は、右前照明システム1RFが備えていてもよいし、車両100に搭載されていてもよい。
【0069】
右前照明システム1RFは、第一スクリュー機構16(第一調節部の一例)を備えている。第一スクリュー機構16は、光源14の姿勢を調節するための機構である。具体的には、第一スクリュー機構16は、第一水平調節スクリュー161と第一垂直調節スクリュー162を含んでいる。
【0070】
第一水平調節スクリュー161は、ハウジング11を貫通して延びている。第一水平調節スクリュー161は、不図示のジョイントを介して光源14と連結されている。第一水平調節スクリュー161のヘッド部161aは、ハウジング11の外側に配置されている。所定の工具によりヘッド部161aが回転されると、第一水平調節スクリュー161の回転が、上記のジョイントによって、光源14の姿勢を水平面内(同図における前後方向と左右方向を含む面内)で変化させる動きに変換される。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。ジョイントの構成自体は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0071】
第一垂直調節スクリュー162は、ハウジング11を貫通して延びている。第一垂直調節スクリュー162は、不図示のジョイントを介して光源14と連結されている。第一垂直調節スクリュー162のヘッド部162aは、ハウジング11の外側に配置されている。所定の工具によりヘッド部162aが回転操作されると、第一垂直調節スクリュー162の回転が、上記のジョイントによって、光源14の姿勢を垂直面内(同図における前後方向と上下方向を含む面内)で変化させる動きに変換される。なお、ここで用いられている「垂直面」が厳密な鉛直面と一致している必要はない。ジョイントの構成自体は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0072】
右前照明システム1RFは、第二スクリュー機構17(第二調節部の一例)を備えている。第二スクリュー機構17は、LiDARセンサ15の姿勢を調節するための機構である。具体的には、第二スクリュー機構17は、第二水平調節スクリュー171と第二垂直調節スクリュー172を含んでいる。
【0073】
第二水平調節スクリュー171は、ハウジング11を貫通して延びている。第二水平調節スクリュー171は、不図示のジョイントを介してLiDARセンサ15と連結されている。第二水平調節スクリュー171のヘッド部171aは、ハウジング11の外側に配置されている。所定の工具によりヘッド部171aが回転操作されると、第二水平調節スクリュー171の回転が、上記のジョイントによって、LiDARセンサ15の姿勢を水平面内(同図における前後方向と左右方向を含む面内)で変化させる動きに変換される。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。ジョイントの構成自体は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0074】
第二垂直調節スクリュー172は、ハウジング11を貫通して延びている。第二垂直調節スクリュー172は、不図示のジョイントを介してLiDARセンサ15と連結されている。第二垂直調節スクリュー172のヘッド部172aは、ハウジング11の外側に配置されている。所定の工具によりヘッド部172aが回転されると、第二垂直調節スクリュー172の回転が、上記のジョイントによって、LiDARセンサ15の姿勢を垂直面内(同図における左右方向と上下方向を含む面内)で変化させる動きに変換される。なお、ここで用いられている「垂直面」が厳密な鉛直面と一致している必要はない。ジョイントの構成自体は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0075】
右前照明システム1RFは、水平調節フレキシブルシャフト181を備えている。水平調節フレキシブルシャフト181の一端は、第一水平調節スクリュー161のヘッド部161aに連結されている。水平調節フレキシブルシャフト181の他端は、第二水平調節スクリュー171のヘッド部171aに連結されている。
【0076】
水平調節フレキシブルシャフト181による第一水平調節スクリュー161と第二水平調節スクリュー171の連結は、第一水平調節スクリュー161を用いた光源14のハウジング11に対する水平方向の姿勢調節と第二水平調節スクリュー171を用いたLiDARセンサ15のハウジング11に対する水平方向の姿勢調節が完了した後になされる。
【0077】
光源14の水平面内における姿勢を調節するために第一水平調節スクリュー161のヘッド部161aが回転操作されると、その回転操作力が水平調節フレキシブルシャフト181を通じて第二水平調節スクリュー171のヘッド部171aに伝達され、ヘッド部171aが回転される。これにより、第一水平調節スクリュー161の操作量に応じた量だけ第二水平調節スクリュー171が回転され、LiDARセンサ15の水平面内における姿勢が調節される。
【0078】
逆に、LiDARセンサ15の水平面内における姿勢を調節するために第二水平調節スクリュー171のヘッド部171aが回転操作されると、その回転操作力が水平調節フレキシブルシャフト181を通じて第一水平調節スクリュー161のヘッド部161aに伝達され、ヘッド部161aが回転される。これにより、第二水平調節スクリュー171の操作量に応じた量だけ第一水平調節スクリュー161が回転され、光源14の水平面内における姿勢が調節される。
【0079】
右前照明システム1RFは、垂直調節フレキシブルシャフト182を備えている。垂直調節フレキシブルシャフト182の一端は、第一垂直調節スクリュー162のヘッド部162aに連結されている。垂直調節フレキシブルシャフト182の他端は、第二垂直調節スクリュー172のヘッド部172aに連結されている。
【0080】
垂直調節フレキシブルシャフト182による第一垂直調節スクリュー162と第二垂直調節スクリュー172の連結は、第一垂直調節スクリュー162を用いた光源14のハウジング11に対する垂直方向の姿勢調節と第二垂直調節スクリュー172を用いたLiDARセンサ15のハウジング11に対する垂直方向の姿勢調節が完了した後になされる。
【0081】
光源14の垂直面内における姿勢を調節するために第一垂直調節スクリュー162のヘッド部162aが回転操作されると、その回転操作力が垂直調節フレキシブルシャフト182を通じて第二垂直調節スクリュー172のヘッド部172aに伝達され、ヘッド部172aが回転される。これにより、第一垂直調節スクリュー162の操作量に応じた量だけ第二垂直調節スクリュー172が回転され、LiDARセンサ15の垂直面内における姿勢が調節される。
【0082】
逆に、LiDARセンサ15の垂直面内における姿勢を調節するために第二垂直調節スクリュー172のヘッド部172aが回転操作されると、その回転操作力が垂直調節フレキシブルシャフト182を通じて第一垂直調節スクリュー162のヘッド部162aに伝達され、ヘッド部162aが回転される。これにより、第二垂直調節スクリュー172の操作量に応じた量だけ第一垂直調節スクリュー162が回転され、光源14の垂直面内における姿勢が調節される。
【0083】
すなわち、右前照明システム1RFにおいては、第一スクリュー機構16と第二スクリュー機構17の一方による調節は、第一スクリュー機構16と第二スクリュー機構17の他方により行なわれた調節に基づいて行なわれる。
【0084】
このような構成によれば、光源14とLiDARセンサ15の一方の姿勢を調節した結果が他方の姿勢調節に反映されるため、光源14とLiDARセンサ15のレイアウト自由度を確保しつつ、車体に対する光源14とLiDARセンサ15の姿勢を調節する作業の負担を軽減できる。
【0085】
加えて、車両の周囲の情報を効率的に取得する観点、および意匠上の観点からは、車両の四隅に配置される照明システム内に車両外部の情報を取得するためのセンサを含ませることが望まれている。このような構成によれば、光源14の姿勢調節とLiDARセンサ15の姿勢調節を関連付けることが可能になるため、光源14とLiDARセンサ15を右前照明システム1RF内に統合できる。すなわち、上記のような要望に応えることができる。
【0086】
また、第一スクリュー機構16と第二スクリュー機構17の一方の操作は、水平調節フレキシブルシャフト181と垂直調節フレキシブルシャフト182を通じて第一スクリュー機構16と第二スクリュー機構17の他方に伝達される。すなわち、機械的な構成部品のみによって光源14とLiDARセンサ15の一方に対する調節量に係る情報が光源14とLiDARセンサ15の他方に伝達される。したがって、使用頻度が比較的低い第一スクリュー機構16と第二スクリュー機構17に対する動作信頼性を確保しやすい。
【0087】
本実施形態においては、第二水平調節スクリュー171のヘッド部171aは、水平調節減速歯車機構183を介して水平調節フレキシブルシャフト181と連結されている。また、第二垂直調節スクリュー172のヘッド部172aは、垂直調節減速歯車機構184を介して垂直調節フレキシブルシャフト182と連結されている。
【0088】
このような構成によれば、第一水平調節スクリュー161による調節量を、所定の比率で第二水平調節スクリュー171に伝達できる。同様に、第一垂直調節スクリュー162による調節量を、所定の比率で第二垂直調節スクリュー172に伝達できる。すなわち、第一スクリュー機構16と第二スクリュー機構17の一方から他方への調節量の伝達のさせ方に任意性を持たせることが可能になる。
【0089】
例えば、光源14とLiDARセンサ15の寸法や形状の相違により、第一水平調節スクリュー161のある調節量による光源14の姿勢変化量と、第二水平調節スクリュー171の同じ調節量によるLiDARセンサ15の姿勢変化量は異なる場合がある。第一垂直調節スクリュー162と第二垂直調節スクリュー172についても同様である。上記の構成によれば、水平調節減速歯車機構183と垂直調節減速歯車機構184の減速比率を適宜に設定することにより、光源14の姿勢変化量とLiDARセンサ15の姿勢変化量を必要に応じて一致させることが可能である。
【0090】
これに加えてあるいは代えて、第一水平調節スクリュー161のヘッド部161aは、減速歯車機構を介して水平調節フレキシブルシャフト181に連結されうる。これに加えてあるいは代えて、第一垂直調節スクリュー162のヘッド部162aは、減速歯車機構を介して垂直調節フレキシブルシャフト182に連結されうる。
【0091】
本実施形態においては、光源14は、少なくとも車両100の前方(車両の前後方向の一例)を照明するように配置されており、LiDARセンサ15は、少なくとも車両100の右側方(車両の左右方向の一例)の情報を取得するように配置されている。
【0092】
車両100の右側方の情報を取得するためには、車両100の車体における右方を向く位置にLiDARセンサ15が配置されることが好ましい。このようなレイアウトにおいては、車体の構造上の理由によりLiDARセンサ15の姿勢の調節が困難になる場合がある。しかしながら、上記の構成によれば、光源14の姿勢を調節した結果がLiDARセンサ15の姿勢調節に反映されるため、上記の困難性を回避できる。
【0093】
図3は、第二実施形態に係る右前照明システム2RFの構成を模式的に示している。図示を省略するが、車両100の左前隅部に搭載される左前照明システムは、右前照明システム2RFと左右対称の構成を有している。第一実施形態に係る右前照明システム1RFと同一または同等の構成要素については、同一の参照番号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
【0094】
右前照明システム2RFは、センサアクチュエータ27(第二調節部の一例)を備えている。センサアクチュエータ27は、LiDARセンサ15の姿勢を調節するための装置である。センサアクチュエータ27の少なくとも一部は、灯室13内に配置され、LiDARセンサ15と結合されている。
【0095】
センサアクチュエータ27は、LiDARセンサ15の姿勢を水平面内(同図における前後方向と左右方向を含む面内)と垂直面(同図における左右方向と上下方向を含む面内)で変化させるように構成されている。このようなアクチュエータ自体の構成は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0096】
右前照明システム2RFは、水平調節センサ281を備えている。水平調節センサ281は、第一スクリュー機構16における第一水平調節スクリュー161の操作に対応する第一水平検出信号SH1を出力するように構成されている。第一水平検出信号SH1は、第一水平調節スクリュー161の回転角度位置の変化を示すものであってもよいし、第一水平調節スクリュー161の回転量を示すものであってもよい。あるいは、第一水平検出信号SH1は、光源14の水平方向の姿勢や位置を示すものであってもよいし、光源14の水平方向の姿勢や位置の変化量を示すものであってもよい。
【0097】
右前照明システム2RFは、垂直調節センサ282を備えている。垂直調節センサ282は、第一スクリュー機構16における第一垂直調節スクリュー162の操作に対応する第一垂直検出信号SV1を出力するように構成されている。第一垂直検出信号SV1は、第一垂直調節スクリュー162の回転角度位置の変化を示すものであってもよいし、第一垂直調節スクリュー162の回転量を示すものであってもよい。あるいは、第一垂直検出信号SV1は、光源14の垂直方向の姿勢や位置を示すものであってもよいし、光源14の垂直方向の姿勢や位置の変化量を示すものであってもよい。
【0098】
右前照明システム2RFは、信号処理部29を備えている。信号処理部29は、車両100に搭載されている統合制御部(ECU)の一機能として実現されてもよいし、灯室13内に配置された制御装置の一機能として実現されてもよい。
【0099】
信号処理部29は、水平調節センサ281から出力された第一水平検出信号SH1に基づく第二水平操作信号AH2を生成し、センサアクチュエータ27へ入力する。第二水平操作信号AH2は、水平調節センサ281により検出された光源14の水平面内における姿勢の調節量に基づいて定められたLiDARセンサ15の水平面内における姿勢の調節量に対応する属性(電圧値、電流値、周波数など)を有している。
【0100】
信号処理部29による第二水平操作信号AH2の生成と出力は、第一水平調節スクリュー161を用いた光源14のハウジング11に対する水平方向の姿勢調節とセンサアクチュエータ27を用いたLiDARセンサ15のハウジング11に対する水平方向の姿勢調節が完了した後になされる。
【0101】
また、信号処理部29は、垂直調節センサ282から出力された第一垂直検出信号SV1に基づく第二垂直操作信号AV2を生成し、センサアクチュエータ27へ入力する。第二垂直操作信号AV2は、垂直調節センサ282により検出された光源14の垂直面内における姿勢の調節量に基づいて定められたLiDARセンサ15の垂直面内における姿勢の調節量に対応する属性(電圧値、電流値、周波数など)を有している。
【0102】
信号処理部29による第二垂直操作信号AV2の生成と出力は、第一垂直調節スクリュー162を用いた光源14のハウジング11に対する垂直方向の姿勢調節とセンサアクチュエータ27を用いたLiDARセンサ15のハウジング11に対する垂直方向の姿勢調節が完了した後になされる。
【0103】
したがって、光源14の水平面内における姿勢を調節するために第一水平調節スクリュー161のヘッド部161aが回転操作されると、その操作に応じた第一水平検出信号SH1が水平調節センサ281から出力される。信号処理部29は、第一水平検出信号SH1に対応する第二水平操作信号AH2をセンサアクチュエータ27に入力する。センサアクチュエータ27は、第二水平操作信号AH2に基づいてLiDARセンサ15の水平面内における姿勢を調節する。
【0104】
同様に、光源14の垂直面内における姿勢を調節するために第一垂直調節スクリュー162のヘッド部162aが回転操作されると、その操作に応じた第一垂直検出信号SV1が垂直調節センサ282から出力される。信号処理部29は、第一垂直検出信号SV1に対応する第二垂直操作信号AV2をセンサアクチュエータ27に入力する。センサアクチュエータ27は、第二垂直操作信号AV2に基づいてLiDARセンサ15の垂直面内における姿勢を調節する。
【0105】
すなわち、右前照明システム2RFにおいては、センサアクチュエータ27による調節は、第一スクリュー機構16により行なわれた調節に基づいて行なわれる。
【0106】
このような構成によれば、光源14の姿勢を調節した結果がLiDARセンサ15の姿勢調節に反映されるため、光源14とLiDARセンサ15のレイアウト自由度を確保しつつ、車体に対する光源14とLiDARセンサ15の姿勢を調節する作業の負担を軽減できる。
【0107】
加えて、車両の周囲の情報を効率的に取得する観点、および意匠上の観点からは、車両の四隅に配置される照明システム内に車両外部の情報を取得するためのセンサを含ませることが望まれている。このような構成によれば、光源14の姿勢調節とLiDARセンサ15の姿勢調節を関連付けることが可能になるため、光源14とLiDARセンサ15を右前照明システム2RF内に統合できる。すなわち、上記のような要望に応えることができる。
【0108】
また、LiDARセンサ15の姿勢調節は、LiDARセンサ15と結合されたセンサアクチュエータ27により行なわれる。このような構成によれば、例えばLiDARセンサ15の検出範囲を水平面内と垂直面内で変化させるために用いられるアクチュエータを用いてLiDARセンサ15の姿勢調節を行なえる。この場合、当該姿勢調節は、LiDARセンサ15の検出基準位置を調節することに相当する。したがって、LiDARセンサ15については、第一実施形態における第二スクリュー機構17のような別途の調節機構を省略できる。
【0109】
本実施形態においては、第一水平検出信号SH1と第一垂直検出信号SV1に対応する第二水平操作信号AH2と第二垂直操作信号AV2が信号処理部29によって生成され、センサアクチュエータ27に入力されている。しかしながら、第一水平検出信号SH1と第一垂直検出信号SV1がセンサアクチュエータ27の動作制御に利用可能な仕様である場合、第一水平検出信号SH1と第一垂直検出信号SV1は、信号処理部29を介することなく、センサアクチュエータ27へ直接入力されうる。
【0110】
本実施形態においては、第一水平検出信号SH1と第二水平操作信号AH2が一対一に関連付けられ、第一垂直検出信号SV1と第二垂直操作信号AV2が一対一に関連付けられている。しかしながら、第一水平検出信号SH1は、第二水平操作信号AH2と第二垂直操作信号AV2の双方に関連付けられてもよい。同様に、第一垂直検出信号SV1は、第二水平操作信号AH2と第二垂直操作信号AV2の双方に関連付けられてもよい。この場合、例えば、光源14の水平面内における姿勢調節が行なわれると、所定の関係に基づいて必要とされるLiDARセンサ15の水平面内における姿勢調節と垂直面内における姿勢調節の双方が行なわれる。
【0111】
図4は、第三実施形態に係る右前照明システム3RFの構成を模式的に示している。図示を省略するが、車両100の左前隅部に搭載される左前照明システムは、右前照明システム3RFと左右対称の構成を有している。第一実施形態に係る右前照明システム1RFと同一または同等の構成要素については、同一の参照番号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
【0112】
右前照明システム3RFは、光源アクチュエータ36(第一調節部の一例)を備えている。光源アクチュエータ36は、光源14の姿勢を調節するための装置である。光源アクチュエータ36の少なくとも一部は灯室13内に配置され、光源14と結合されている。
【0113】
光源アクチュエータ36は、光源14の姿勢を水平面内(同図における前後方向と左右方向を含む面内)と垂直面(同図における前後方向と上下方向を含む面内)で変化させるように構成されている。このようなアクチュエータ自体の構成は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0114】
右前照明システム3RFは、水平調節センサ381を備えている。水平調節センサ381は、第二スクリュー機構17における第二水平調節スクリュー171の操作に対応する第二水平検出信号SH2を出力するように構成されている。第二水平検出信号SH2は、第二水平調節スクリュー171の回転角度位置の変化を示すものであってもよいし、第二水平調節スクリュー171の回転量を示すものであってもよい。あるいは、第二水平検出信号SH2は、LiDARセンサ15の水平方向の姿勢や位置を示すものであってもよいし、LiDARセンサ15の水平方向の姿勢や位置の変化量を示すものであってもよい。
【0115】
右前照明システム3RFは、垂直調節センサ382を備えている。垂直調節センサ382は、第二スクリュー機構17における第二垂直調節スクリュー172の操作に対応する第二垂直検出信号SV2を出力するように構成されている。第二垂直検出信号SV2は、第二垂直調節スクリュー172の回転角度位置の変化を示すものであってもよいし、第二垂直調節スクリュー172の回転量を示すものであってもよい。あるいは、第二垂直検出信号SV2は、LiDARセンサ15の垂直方向の姿勢や位置を示すものであってもよいし、LiDARセンサ15の垂直方向の姿勢や位置の変化量を示すものであってもよい。
【0116】
右前照明システム3RFは、信号処理部39を備えている。信号処理部39は、車両100に搭載されている統合制御部(ECU)の一機能として実現されてもよいし、灯室13内に配置された制御装置の一機能として実現されてもよい。
【0117】
信号処理部39は、水平調節センサ381から出力された第二水平検出信号SH2に基づく第一水平操作信号AH1を生成し、光源アクチュエータ36へ入力する。第一水平操作信号AH1は、水平調節センサ381により検出されたLiDARセンサ15の水平面内における姿勢の調節量に基づいて定められた光源14の水平面内における姿勢の調節量に対応する属性(電圧値、電流値、周波数など)を有している。
【0118】
信号処理部39による第一水平操作信号AH1の生成と出力は、光源アクチュエータ36を用いた光源14のハウジング11に対する水平方向の姿勢調節と第二水平調節スクリュー171を用いたLiDARセンサ15のハウジング11に対する水平方向の姿勢調節が完了した後になされる。
【0119】
また、信号処理部39は、垂直調節センサ382から出力された第二垂直検出信号SV2に基づく第一垂直操作信号AV1を生成し、光源アクチュエータ36へ入力する。第一垂直操作信号AV1は、垂直調節センサ382により検出されたLiDARセンサ15の垂直面内における姿勢の調節量に基づいて定められた光源14の垂直面内における姿勢の調節量に対応する属性(電圧値、電流値、周波数など)を有している。
【0120】
信号処理部39による第一垂直操作信号AV1の生成と出力は、光源アクチュエータ36を用いた光源14のハウジング11に対する垂直方向の姿勢調節と第二垂直調節スクリュー172を用いたLiDARセンサ15のハウジング11に対する垂直方向の姿勢調節が完了した後になされる。
【0121】
したがって、LiDARセンサ15の水平面内における姿勢を調節するために第二水平調節スクリュー171のヘッド部171aが回転操作されると、その操作に応じた第二水平検出信号SH2が水平調節センサ381から出力される。信号処理部39は、第二水平検出信号SH2に対応する第一水平操作信号AH1を光源アクチュエータ36に入力する。光源アクチュエータ36は、第一水平操作信号AH1に基づいて光源14の水平面内における姿勢を調節する。
【0122】
他方、LiDARセンサ15の垂直面内における姿勢を調節するために第二垂直調節スクリュー172のヘッド部172aが回転操作されると、その操作に応じた第二垂直検出信号SV2が垂直調節センサ382から出力される。信号処理部39は、第二垂直検出信号SV2に対応する第一垂直操作信号AV1を光源アクチュエータ36に入力する。光源アクチュエータ36は、第一垂直操作信号AV1に基づいて光源14の垂直面内における姿勢を調節する。
【0123】
すなわち、右前照明システム3RFにおいては、光源アクチュエータ36による調節は、第二スクリュー機構17により行なわれた調節に基づいて行なわれる。
【0124】
このような構成によれば、LiDARセンサ15の姿勢を調節した結果が光源14の姿勢調節に反映されるため、光源14とLiDARセンサ15のレイアウト自由度を確保しつつ、車体に対する光源14とLiDARセンサ15の姿勢を調節する作業の負担を軽減できる。
【0125】
加えて、車両の周囲の情報を効率的に取得する観点、および意匠上の観点からは、車両の四隅に配置される照明システム内に車両外部の情報を取得するためのセンサを含ませることが望まれている。このような構成によれば、光源14の姿勢調節とLiDARセンサ15の姿勢調節を関連付けることが可能になるため、光源14とLiDARセンサ15を右前照明システム3RF内に統合できる。すなわち、上記のような要望に応えることができる。
【0126】
また、光源14の姿勢調節は、光源14と結合された光源アクチュエータ36により行なわれる。このような構成によれば、例えば光源14の照明範囲を水平面内と垂直面内で変化させるために用いられるアクチュエータを用いて光源14の姿勢調節を行なえる。この場合、当該姿勢調節は、光源14の光照射方向の基準位置を調節することに相当する。したがって、光源14については、第一実施形態における第一スクリュー機構16のような別途の調節機構を省略できる。
【0127】
本実施形態においては、第二水平検出信号SH2と第二垂直検出信号SV2に対応する第一水平操作信号AH1と第一垂直操作信号AV1が信号処理部39によって生成され、光源アクチュエータ36に入力されている。しかしながら、第二水平検出信号SH2と第二垂直検出信号SV2が光源アクチュエータ36の動作制御に利用可能な仕様である場合、第二水平検出信号SH2と第二垂直検出信号SV2は、信号処理部39を介することなく、光源アクチュエータ36へ直接入力されうる。
【0128】
本実施形態においては、第二水平検出信号SH2と第一水平操作信号AH1が一対一に関連付けられ、第二垂直検出信号SV2と第一垂直操作信号AV1が一対一に関連付けられている。しかしながら、第二水平検出信号SH2は、第一水平操作信号AH1と第一垂直操作信号AV1の双方に関連付けられてもよい。同様に、第二垂直検出信号SV2は、第一水平操作信号AH1と第一垂直操作信号AV1の双方に関連付けられてもよい。この場合、例えば、LiDARセンサ15の水平面内における姿勢調節が行なわれると、所定の関係に基づいて必要とされる光源14の水平面内における姿勢調節と垂直面内における姿勢調節の双方が行なわれる。
【0129】
図5は、第四実施形態に係る右前照明システム4RFの構成を模式的に示している。図示を省略するが、車両100の左前隅部に搭載される左前照明システムは、右前照明システム4RFと左右対称の構成を有している。第二実施形態に係る右前照明システム2RFおよび第三実施形態に係る右前照明システム3RFと同一または同等の構成要素については、同一の参照番号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
【0130】
右前照明システム4RFは、信号処理部49を備えている。信号処理部49は、車両100に搭載されている統合制御部(ECU)の一機能として実現されてもよいし、灯室13内に配置された制御装置の一機能として実現されてもよい。
【0131】
信号処理部49は、ユーザ入力信号Uに基づいて、第一水平操作信号AH1と第一垂直操作信号AV1を生成し、光源アクチュエータ36(第一アクチュエータの一例)に入力するように構成されている。第一水平操作信号AH1は、光源14の水平面内における姿勢の調節量に対応する属性(電圧値、電流値、周波数など)を有している。第一垂直操作信号AV1は、光源14の垂直面内における姿勢の調節量に対応する属性(電圧値、電流値、周波数など)を有している。
【0132】
信号処理部49による第一水平操作信号AH1と第一垂直操作信号AV1の生成と出力は、光源アクチュエータ36を用いた光源14のハウジング11に対する水平方向と垂直方向の姿勢調節が完了した後になされる。
【0133】
他方、信号処理部49は、ユーザ入力信号Uに基づいて、第二水平操作信号AH2と第二垂直操作信号AV2を生成し、センサアクチュエータ27(第二アクチュエータの一例)に入力するように構成されている。第二水平操作信号AH2は、LiDARセンサ15の水平面内における姿勢の調節量に対応する属性(電圧値、電流値、周波数など)を有している。第二垂直操作信号AV2は、LiDARセンサ15の垂直面内における姿勢の調節量に対応する属性(電圧値、電流値、周波数など)を有している。
【0134】
信号処理部49による第二水平操作信号AH2と第二垂直操作信号AV2の生成と出力は、センサアクチュエータ27を用いたLiDARセンサ15のハウジング11に対する水平方向と垂直方向の姿勢調節が完了した後になされる。
【0135】
信号処理部49内において、第一水平操作信号AH1と第二水平操作信号AH2は、所定の関係に基づいて関連付けられている。同様に、第一垂直操作信号AV1と第二垂直操作信号AV2は、所定の関係に基づいて関連付けられている。
【0136】
光源14の水平面内における姿勢を調節するために第一水平操作信号AH1が光源アクチュエータ36へ出力されると、上記所定の関係に基づく第二水平操作信号AH2がセンサアクチュエータ27へ出力される。逆に、第二水平操作信号AH2がセンサアクチュエータ27へ出力されると、上記所定の関係に基づく第一水平操作信号AH1が光源アクチュエータ36へ出力される。光源アクチュエータ36は、第一水平操作信号AH1に基づいて、光源14の水平面内における姿勢を調節する。センサアクチュエータ27は、第二水平操作信号AH2に基づいて、LiDARセンサ15の水平面内における姿勢を調節する。
【0137】
同様に、光源14の垂直面内における姿勢を調節するために第一垂直操作信号AV1が光源アクチュエータ36へ出力されると、上記所定の関係に基づく第二垂直操作信号AV2がセンサアクチュエータ27へ出力される。逆に、第二垂直操作信号AV2がセンサアクチュエータ27へ出力されると、上記所定の関係に基づく第一垂直操作信号AV1が光源アクチュエータ36へ出力される。光源アクチュエータ36は、第一垂直操作信号AV1に基づいて、光源14の垂直面内における姿勢を調節する。センサアクチュエータ27は、第二垂直操作信号AV2に基づいて、LiDARセンサ15の垂直面内における姿勢を調節する。
【0138】
すなわち、光源アクチュエータ36とセンサアクチュエータ27の一方による調節に対応する信号が、光源アクチュエータ36とセンサアクチュエータ27の他方に入力される。換言すると、光源アクチュエータ36とセンサアクチュエータ27の一方による調節は、光源アクチュエータ36とセンサアクチュエータ27の他方により行なわれた調節に基づいて行なわれる。
【0139】
このような構成によれば、光源14とLiDARセンサ15の一方の姿勢を調節した結果が他方の姿勢調節に反映されるため、光源14とLiDARセンサ15のレイアウト自由度を確保しつつ、車体に対する光源14とLiDARセンサ15の姿勢を調節する作業の負担を軽減できる。
【0140】
加えて、車両の周囲の情報を効率的に取得する観点、および意匠上の観点からは、車両の四隅に配置される照明システム内に車両外部の情報を取得するためのセンサを含ませることが望まれている。このような構成によれば、光源14の姿勢調節とLiDARセンサ15の姿勢調節を関連付けることが可能になるため、光源14とLiDARセンサ15を右前照明システム4RF内に統合できる。すなわち、上記のような要望に応えることができる。
【0141】
また、光源14の姿勢調節は、光源14と結合された光源アクチュエータ36により行なわれる。このような構成によれば、例えば光源14の照明範囲を水平面内と垂直面内で変化させるために用いられるアクチュエータを用いて光源14の姿勢調節を行なえる。この場合、当該姿勢調節は、光源14の照明基準位置を調節することに相当する。したがって、光源14については、第一実施形態における第一スクリュー機構16のような別途の調節機構を省略できる。
【0142】
また、LiDARセンサ15の姿勢調節は、LiDARセンサ15と結合されたセンサアクチュエータ27により行なわれる。このような構成によれば、例えばLiDARセンサ15の検出範囲を水平面内と垂直面内で変化させるために用いられるアクチュエータを用いてLiDARセンサ15の姿勢調節を行なえる。この場合、当該姿勢調節は、LiDARセンサ15の検出基準位置を調節することに相当する。したがって、LiDARセンサ15については、第一実施形態における第二スクリュー機構17のような別途の調節機構を省略できる。
【0143】
本実施形態においては、第一水平操作信号AH1と第二水平操作信号AH2が一対一に関連付けられ、第一垂直操作信号AV1と第二垂直操作信号AV2が一対一に関連付けられている。しかしながら、第一水平操作信号AH1は、第二水平操作信号AH2と第二垂直操作信号AV2の双方に関連付けられてもよい。同様に、第一垂直操作信号AV1は、第二水平操作信号AH2と第二垂直操作信号AV2の双方に関連付けられてもよい。この場合、例えば、光源14の水平面内における姿勢調節が行なわれると、所定の関係に基づいて必要とされるLiDARセンサ15の水平面内における姿勢調節と垂直面内における姿勢調節の双方が行なわれる。
【0144】
逆に、第二水平操作信号AH2は、第一水平操作信号AH1と第一垂直操作信号AV1の双方に関連付けられてもよく、第二垂直操作信号AV2は、第一水平操作信号AH1と第一垂直操作信号AV1の双方に関連付けられてもよい。
【0145】
図6は、第五実施形態に係る右前照明システム5RFの構成を模式的に示している。図示を省略するが、車両100の左前隅部に搭載される左前照明システムは、右前照明システム5RFと左右対称の構成を有している。第四実施形態に係る右前照明システム4RFと同一または同等の構成要素については、同一の参照番号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
【0146】
右前照明システム5RFは、光源54を備えている。光源54は、レンズとリフレクタの少なくとも一方を含む光学系に加え、二次元的に配列された複数の発光素子54aを備えている。発光素子の例としては、発光ダイオード、レーザダイオード、有機EL素子などが挙げられる。各発光素子54aは個別の点消灯が可能であり、点灯された発光素子54aから出射された光によって、所定の領域が照明される。
【0147】
本実施形態においては、光源54は、点灯される発光素子と消灯される発光素子を適宜に変更することにより、照明基準位置と照明範囲の少なくとも一方が、上下方向と左右方向の少なくとも一方に移動されうる。なお、ここで用いられている「上下方向」は、必ずしも車両100の上下方向や鉛直方向と一致していることを要しない。同様に、ここで用いられている「左右方向」は、必ずしも車両100の左右方向や水平方向と一致していることを要しない。
【0148】
上記の構成に代えてMEMS機構や走査機構を用いることによって、光源から出射された光を所望の方向に偏向させて照明基準位置と照明範囲の少なくとも一方を上下方向と左右方向の少なくとも一方に移動させてもよい。
【0149】
右前照明システム5RFは、信号処理部59を備えている。信号処理部59は、車両100に搭載されている統合制御部(ECU)の一機能として実現されてもよいし、灯室13内に配置された制御装置の一機能として実現されてもよい。
【0150】
信号処理部59は、ユーザ入力信号Uに基づいて、調節信号Aを生成し、光源54に入力するように構成されている。調節信号Aは、上下方向と左右方向の少なくとも一方に光源54の照明基準位置を調節するための情報を含んでいる。より具体的には、上下方向と左右方向の少なくとも一方に照明基準位置が移動するように、点灯される発光素子54aと消灯される発光素子54aを定めるための情報を含んでいる。
【0151】
信号処理部59による調節信号Aの生成と出力は、ハウジング11を基準とする光源54の照明基準位置の調節が完了した後になされる。
【0152】
他方、信号処理部59は、ユーザ入力信号Uに基づいて、第二水平操作信号AH2と第二垂直操作信号AV2を生成し、センサアクチュエータ27に入力するように構成されている。第二水平操作信号AH2は、LiDARセンサ15の水平面内における姿勢の調節量に対応する属性(電圧値、電流値、周波数など)を有している。第二垂直操作信号AV2は、LiDARセンサ15の垂直面内における姿勢の調節量に対応する属性(電圧値、電流値、周波数など)を有している。
【0153】
信号処理部59による第二水平操作信号AH2と第二垂直操作信号AV2の生成と出力は、センサアクチュエータ27を用いたLiDARセンサ15のハウジング11に対する水平方向と垂直方向の姿勢調節が完了した後になされる。
【0154】
信号処理部59内において、調節信号Aは、所定の関係に基づいて第二水平操作信号AH2および第二垂直操作信号AV2と関連付けられている。
【0155】
光源54の照明基準位置を調節するために調節信号Aが光源54へ出力されると、上記所定の関係に基づく第二水平操作信号AH2と第二垂直操作信号AV2の少なくとも一方がセンサアクチュエータ27へ出力される。逆に、第二水平操作信号AH2と第二垂直操作信号AV2がセンサアクチュエータ27へ出力されると、上記所定の関係に基づく調節信号Aが光源54へ出力される。光源54の照明基準位置は、調節信号Aに基づいて調節される。センサアクチュエータ27は、第二水平操作信号AH2と第二垂直操作信号AV2の少なくとも一方に基づいて、LiDARセンサ15の水平面内における姿勢と垂直面内における姿勢の少なくとも一方を調節する。例えば、センサアクチュエータ27は、LiDARセンサ15の検出基準位置を調節する。
【0156】
すなわち、光源54の照明基準位置とLiDARセンサ15の検出基準位置の一方の調節は、光源54の照明基準位置とLiDARセンサ15の検出基準位置の他方に対して行なわれた調節に基づいて行なわれる。
【0157】
このような構成によれば、光源54の照明基準位置とLiDARセンサ15の検出基準位置の一方を調節した結果が他方の基準位置調節に反映されるため、光源54とLiDARセンサ15のレイアウト自由度を確保しつつ、光源54の照明基準位置とLiDARセンサ15の検出基準位置を調節する作業の負担を軽減できる。
【0158】
加えて、車両の周囲の情報を効率的に取得する観点、および意匠上の観点からは、車両の四隅に配置される照明システム内に車両外部の情報を取得するためのセンサを含ませることが望まれている。このような構成によれば、光源54の照明基準位置調節とLiDARセンサ15の検出基準位置調節を関連付けることが可能になるため、光源54とLiDARセンサ15を右前照明システム5RF内に統合できる。すなわち、上記のような要望に応えることができる。
【0159】
また、光源54の照明基準位置の調節は、機械的な機構を介することなく行なわれるため、構造の大型化を抑制しやすい。したがって、右前照明システム5RF内への光源54とLiDARセンサ15の統合が容易になる。
【0160】
本実施形態においては、光源54は、少なくとも車両100の前方(車両の前後方向の一例)を照明するように配置されており、LiDARセンサ15は、少なくとも車両100の右側方(車両の左右方向の一例)の情報を取得するように配置されている。
【0161】
車両100の右側方の情報を取得するためには、車両100の車体における右方を向く位置にLiDARセンサ15が配置されることが好ましい。このようなレイアウトにおいては、車体の構造上の理由によりLiDARセンサ15の検出基準位置の調節が困難になる場合がある。しかしながら、上記の構成によれば、光源54の照明基準位置を調節した結果がLiDARセンサ15の検出基準位置の調節に反映されるため、上記の困難性を回避できる。
【0162】
なお、本実施形態を参照して説明した光源54の構成で、図4を参照して説明した第三実施形態に係る右前照明システム3RFの光源14を置換え可能である。
【0163】
図7は、第六実施形態に係る右前照明システム6RFの構成を模式的に示している。図示を省略するが、車両100の左前隅部に搭載される左前照明システムは、右前照明システム6RFと左右対称の構成を有している。第二実施形態に係る右前照明システム2RFと同一または同等の構成要素については、同一の参照番号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
【0164】
右前照明システム6RFは、信号処理部69(補正部の一例)を備えている。信号処理部69は、車両100に搭載されている統合制御部(ECU)の一機能として実現されてもよいし、灯室13内に配置された制御装置の一機能として実現されてもよい。
【0165】
第一水平調節スクリュー161と第一垂直調節スクリュー162を用いてハウジング11を基準とする光源14の照明基準位置が調節された後、信号処理部69は、水平調節センサ281から出力された第一水平検出信号SH1と垂直調節センサ282から出力された第一垂直検出信号SV1に基づいて、車体を基準とする光源14の照明基準位置に係る情報を取得するように構成されている。具体的には、第一水平検出信号SH1と第一垂直検出信号SV1に基づいて車体に対する光源14の姿勢が把握されうる。この姿勢に基づいて現在の照明基準位置、あるいは当初の照明基準位置からの移動量が把握されうる。
【0166】
前述のように、LiDARセンサ15は、検出された戻り光の属性(強度や波長など)に対応する検出信号Sを出力する。信号処理部69は、検出信号Sを受信し、車体を基準とする光源14の照明基準位置に係る情報に基づいて、当該信号より得られる情報を補正するように構成されている。補正は、検出信号Sそのものに対して行なってもよいし、検出信号Sに対応する別の信号やデータに対して行なってもよい。
【0167】
本実施形態においては、LiDARセンサ15の姿勢(すなわち検出基準位置)を調節する機構が設けられていない。したがって、光源14の照明基準位置が変更された場合、当該変更に対応するようにLiDARセンサ15の検出基準位置を変更するのではなく、LiDARセンサ15より取得された情報の側を補正する。具体的には、LiDARセンサ15より取得された情報を、光源14の照明基準位置の変更に対応するようにLiDARセンサ15の検出基準位置が変更されたとしたら得られたであろう情報に補正する。これにより、光源14の照明基準位置の変更に対応するようにLiDARセンサ15の検出基準位置が変更された場合と実質的に同じ情報が得られる。
【0168】
信号処理部69は、光源14の照明基準位置の変更(変更方向と変更量を情報として含む)とLiDARセンサ15より取得された情報に対する補正の対応関係を示すテーブルを予め格納している。信号処理部69は、当該テーブルを参照しつつ、上記の補正処理を実行する。
【0169】
このような構成によれば、LiDARセンサ15の検出基準位置を調節する構成を省略できるため、光源14とLiDARセンサ15のレイアウト自由度を確保しつつ、光源14の照明基準位置とLiDARセンサ15の検出基準位置を調節する作業の負担を軽減できる。
【0170】
加えて、車両の周囲の情報を効率的に取得する観点、および意匠上の観点からは、車両の四隅に配置される照明システム内に車両外部の情報を取得するためのセンサを含ませることが望まれている。このような構成によれば、光源14の姿勢調節とLiDARセンサ15の姿勢調節を関連付けることが可能になるため、光源14とLiDARセンサ15を右前照明システム6RF内に統合できる。すなわち、上記のような要望に応えることができる。
【0171】
また、LiDARセンサ15の検出基準位置を調節する構成を省略できるため、構造の大型化を抑制しやすい。したがって、右前照明システム6RF内への光源14とLiDARセンサ15の統合が容易になる。
【0172】
図8は、第六実施形態の第一変形例に係る右前照明システム6RF1を模式的に示している。図示を省略するが、車両100の左前隅部に搭載される左前照明システムは、右前照明システム6RF1と左右対称の構成を有している。第四実施形態に係る右前照明システム4RFおよび第六実施形態に係る右前照明システム6RFと同一または同等の構成要素については、同一の参照番号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
【0173】
右前照明システム6RF1は、信号処理部691(補正部の一例)を備えている。光源アクチュエータ36を用いてハウジング11を基準とする光源14の照明基準位置が調節された後、信号処理部691は、ユーザ入力信号Uに基づいて、第一水平操作信号AH1と第一垂直操作信号AV1を生成し、光源アクチュエータ36に入力するように構成されている。信号処理部691は、ユーザ入力信号U、または第一水平操作信号AH1と第一垂直操作信号AV1に基づいて、車体を基準とする光源14の照明基準位置に係る情報を取得するように構成されている。
【0174】
信号処理部691は、LiDARセンサ15から出力された検出信号Sを受信し、車体を基準とする光源14の照明基準位置に係る情報に基づいて、検出信号Sより得られる情報を補正するように構成されている。補正は、検出信号Sそのものに対して行なってもよいし、検出信号に対応する別の信号やデータに対して行なってもよい。
【0175】
図9は、第六実施形態の第二変形例に係る右前照明システム6RF2を模式的に示している。図示を省略するが、車両100の左前隅部に搭載される左前照明システムは、右前照明システム6RF2と左右対称の構成を有している。第五実施形態に係る右前照明システム5RFおよび第六実施形態に係る右前照明システム6RFと同一または同等の構成要素については、同一の参照番号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
【0176】
右前照明システム6RF2は、信号処理部692(補正部の一例)を備えている。ハウジング11を基準とする光源54の照明基準位置が調節された後、信号処理部692は、ユーザ入力信号Uに基づいて、調節信号Aを生成し、光源54に入力するように構成されている。信号処理部692は、ユーザ入力信号Uまたは調節信号Aに基づいて、車体を基準とする光源54の照明基準位置に係る情報を取得するように構成されている。
【0177】
信号処理部692は、LiDARセンサ15から出力された検出信号Sを受信し、車体を基準とする光源54の照明基準位置に係る情報に基づいて、検出信号Sより得られる情報を補正するように構成されている。補正は、検出信号Sそのものに対して行なってもよいし、検出信号Sに対応する別の信号やデータに対して行なってもよい。
【0178】
図2から図5図7、および図8に示された光源14は、前方に配置された壁面上に図10に示されるパターンPを形成可能に構成されている。
【0179】
符号Cは、パターンPの中心を示している。符号UD1は、パターンPの中心Cから上端までの寸法を示している。符号UD2は、パターンPの中心から下端までの寸法を示している。寸法UD1と寸法UD2は等しい。符号LR1は、パターンPの中心から左端までの寸法を示している。符号LR2は、パターンPの中心から右端までの寸法を示している。寸法LR1と寸法LR2は等しい。パターンPは、上下方向に延びる直線部分PUDと左右方向に延びる直線部分PLRを有している。
【0180】
このようなパターンPは、例えばランプ光源または発光素子から出射された光にシェードを通過させることによって形成されうる。
【0181】
図6図9に示された光源54によっても、このようなパターンPを形成可能である。具体的には、二次元的に配列された複数の発光素子54aの各々を適宜に点消灯させることによってパターンPが形成されうる。
【0182】
このパターンPは、光源14または光源54を備える照明システムが車体に搭載された後に、光源14の車体に対する姿勢あるいは光源54の照明基準位置に係る情報を取得するために用いられる。
【0183】
図11に示されるように、光源14または光源54の前方に配置される壁面には、垂直軸Vと水平軸Hが表示されている。符号Oは、垂直軸Vと水平軸Hの交点を示している。光源14または光源54を備える照明システムが車体における所定の位置に搭載されている場合、パターンPの中心Cと交点Oは一致する。当該照明システムが車体に対して所定の姿勢で搭載されている場合、パターンPの直線部分PUDは垂直軸Vと平行に延び、パターンPの直線部分PLRは水平軸Hと平行に延びる。
【0184】
図11に示される例においては、パターンPの中心Cが交点Oから上方にΔUD、右方にΔLRだけずれている。この現象は、照明システムの搭載位置が所定の位置から上方にΔUD、右方にΔLRだけずれていることを意味している。
【0185】
図12に示される例においては、パターンPの中心Cと交点Oは一致しているものの、本来は等しい寸法UD1と寸法UD2が相違している。この現象は、照明システムの搭載姿勢が所定の姿勢から車両の上下方向に傾いている(車両の前後方向と上下方向に延びる面内で傾いている)ことを意味している。寸法UD1の方が大きい場合、照明システムは所定の姿勢から上方に傾いている。寸法UD2の方が大きい場合、照明システムは所定の姿勢から下方に傾いている。
【0186】
図12に示される例においては、本来は等しい寸法LR1と寸法LR2が相違している。この現象は、照明システムの搭載姿勢が所定の姿勢から車両の左右方向に傾いている(車両の前後方向と左右方向に延びる面内で傾いている)ことを意味している。寸法LR1の方が大きい場合、照明システムは所定の姿勢から左方に傾いている。寸法LR2の方が大きい場合、照明システムは所定の姿勢から右方に傾いている。
【0187】
すなわち、図12に示される例は、照明システムの搭載姿勢が所定の姿勢から上方および右方に傾いていることを意味している。
【0188】
図13に示される例においては、パターンPの中心Cと交点Oは一致しているものの、直線部分PUDと直線部分PLRが、それぞれ垂直軸Vと水平軸Hから角度θだけ傾いている。この現象は、照明システムの搭載姿勢が所定の姿勢から車両の上下方向と左右方向に延びる面内で角度θだけ傾いていることを意味している。
【0189】
現実には図11から図13に示した現象が複合的に現れ、各図を参照して説明した照明システムの搭載位置の所定位置からのずれと搭載姿勢の所定姿勢からの傾きに係る情報が取得される。この情報に基づいて、当該ずれと当該傾きを最小限とするように調節作業が行なわれる。
【0190】
第一実施形態に係る右前照明システム1RFにおいては、第一スクリュー機構16が操作されることによって光源14の姿勢が調節される。その調節結果が第二スクリュー機構17を通じてLiDARセンサ15の姿勢調節に反映される。光源14について所望の調節がなされるように、第二スクリュー機構17の操作を通じてLiDARセンサ15の姿勢調節がなされてもよい。
【0191】
第二実施形態に係る右前照明システム2RFにおいては、第一スクリュー機構16が操作されることによって光源14の姿勢が調節される。その調節結果がセンサアクチュエータ27を通じてLiDARセンサ15の姿勢調節に反映される。
【0192】
第三実施形態に係る右前照明システム3RFにおいては、第二スクリュー機構17が操作されることによってLiDARセンサ15の姿勢が調節される。その調節結果が光源アクチュエータ36を通じて光源14の姿勢調節に反映される。
【0193】
第四実施形態に係る右前照明システム4RFにおいては、光源14について所望の調節がなされるように、ユーザ入力信号Uが信号処理部49に入力される。ユーザ入力信号Uに基づいて、光源アクチュエータ36による光源14の姿勢調節とセンサアクチュエータ27によるLiDARセンサ15の姿勢調節が行なわれる。
【0194】
第五実施形態に係る右前照明システム5RFにおいては、光源54について所望の調節がなされるように、ユーザ入力信号Uが信号処理部59に入力される。ユーザ入力信号Uに基づいて、光源54の照明基準位置調節とセンサアクチュエータ27によるLiDARセンサ15の検出基準位置調節が行なわれる。
【0195】
第六実施形態に係る右前照明システム6RFにおいては、第一スクリュー機構16が操作されることによって光源14の姿勢が調節される。その調節結果が、LiDARセンサ15から出力された検出信号Sに対して信号処理部69により実行される補正処理に反映される。
【0196】
第六実施形態の第一変形例に係る右前照明システム6RF1においては、光源14について所望の調節がなされるように、ユーザ入力信号Uが信号処理部691に入力される。ユーザ入力信号Uは、LiDARセンサ15から出力された検出信号Sに対して信号処理部691により実行される補正処理に反映される。
【0197】
第六実施形態の第二変形例に係る右前照明システム6RF2においては、光源54について所望の調節がなされるように、ユーザ入力信号Uが信号処理部692に入力される。ユーザ入力信号Uは、LiDARセンサ15から出力された検出信号Sに対して信号処理部692により実行される補正処理に反映される。
【0198】
なお、光源14または光源54によって形成されるパターンPの形状は、上記の例に限定されない。中心C、寸法UD1、寸法UD2、寸法LR1、寸法LR2、およびパターンPの傾きθを識別可能であれば、適宜の形状が採用されうる。
【0199】
上記の各実施形態は、本開示の趣旨の理解を容易にするための例示にすぎない。上記の実施形態に係る構成は、本開示の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更・改良されうる。
【0200】
第一実施形態から第六実施形態においては、光源14(54)とLiDARセンサ15は、共通のハウジング11内に収容されている。上記の各実施形態を参照して説明した効果は、光源14(54)とLiDARセンサ15をスペースが限られた灯室13内に配置しようとする場合においてより顕著となる。
【0201】
さらに、光源14(54)とLiDARセンサ15が共通のハウジング11内に収容されることにより、両者の相対位置の変化を最小限に抑制できる。これにより、光源14(54)の照明基準位置とLiDARセンサ15の検出基準位置の関連付けをより強くできる。
【0202】
しかしながら、光源14(54)とLiDARセンサ15は、異なるハウジングに収容されてもよい。あるいは、LiDARセンサ15は、光源14(54)を収容するハウジングの外側に取り付けられてもよい。
【0203】
第一実施形態から第六実施形態においては、光源14(54)が少なくとも車両100の前方(車両の前後方向の一例)を照明するように配置されており、LiDARセンサ15が少なくとも車両100の右側方(車両の左右方向の一例)の情報を取得するように配置されている。しかしながら、LiDARセンサ15は、少なくとも車両100の前方の情報を取得するように配置されてもよい。
【0204】
第一実施形態から第六実施形態においては、車両100の外部の情報を取得するためのセンサとしてLiDARセンサが用いられている。しかしながら、取得される情報の種別に応じて使用されるセンサも適宜に選択されうる。例えば、ミリ波レーダセンサ、超音波ソナー、可視光カメラ、非可視光カメラなどが挙げられる。
【0205】
第一実施形態から第六実施形態においては、LiDARセンサ15を備えている照明システムの例として、左前照明システムと右前照明システムを挙げた。しかしながら、図1に示される車両100の左後隅に配置される左後照明システム1LBや車両100の右後隅に配置される右後照明システム1RBに対しても、右前照明システムを参照して説明した構成を適用可能である。例えば、右後照明システム1RBは、右前照明システムと前後対称の構成を有しうる(光源は適宜に変更される)。左後照明システム1LBは、右後照明システム1RBと左右対称の構成を有しうる。
【0206】
図14は、第七実施形態に係る右前センサシステム7RFの構成を模式的に示している。図示を省略するが、左前センサシステムは、右前センサシステム7RFと左右対称の構成を有する。第一実施形態に係る右前照明システム1RFと同一または同等の構成要素については、同一の参照番号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
【0207】
右前センサシステム7RFは、光源78を備えている。光源78は、レンズとリフレクタの少なくとも一方を含む光学系を備えており、所定の領域を照明する光を出射する。光源78は、灯室13内に配置されている。光源78においては、ランプ光源や発光素子が使用されうる。ランプ光源の例としては、白熱ランプ、ハロゲンランプ、放電ランプ、ネオンランプなどが挙げられる。発光素子の例としては、発光ダイオード、レーザダイオード、有機EL素子などが挙げられる。
【0208】
右前センサシステム7RFは、LiDARセンサ74(第一センサの一例)を備えている。LiDARセンサ74は、非可視光を出射する構成、および当該非可視光が車両100の外部に存在する物体に反射した結果の戻り光を検出する構成を備えている。すなわち、LiDARセンサ74は、車両100の外部の情報を検出するセンサである。LiDARセンサ74は、必要に応じて当該非可視光を掃引して出射方向(すなわち検出方向)を変更する走査機構を備えうる。本実施形態においては、非可視光として波長905nmの赤外光が使用されている。
【0209】
LiDARセンサ74は、例えば、ある方向へ非可視光を出射したタイミングから戻り光を検出するまでの時間に基づいて、当該戻り光に関連付けられた物体までの距離を取得できる。また、そのような距離データを検出位置と関連付けて集積することにより、戻り光に関連付けられた物体の形状に係る情報を取得できる。これに加えてあるいは代えて、出射光と戻り光の波長の相違に基づいて、戻り光に関連付けられた物体の材質などの属性に係る情報を取得できる。これに加えてあるいは代えて、例えば路面から戻り光の反射率の相違に基づいて、対象物の色(路面における白線など)に係る情報を取得できる。
【0210】
LiDARセンサ74は、検出された戻り光の属性(強度や波長など)に対応する信号を出力する。上記の情報は、LiDARセンサ74より出力された信号が図示しない情報処理部によって適宜に処理されることにより取得される。情報処理部は、右前センサシステム7RFが備えていてもよいし、車両100に搭載されていてもよい。
【0211】
右前センサシステム7RFは、センサアクチュエータ75(第一調節部の一例)を備えている。センサアクチュエータ75は、LiDARセンサ74の姿勢を調節するための装置である。センサアクチュエータ75の少なくとも一部は、灯室13内に配置され、LiDARセンサ74と結合されている。
【0212】
センサアクチュエータ75は、LiDARセンサ74の姿勢を水平面内(同図における前後方向と左右方向を含む面内)と垂直面(同図における左右方向と上下方向を含む面内)で変化させるように構成されている。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。同様に、ここで用いられている「垂直面」が厳密な鉛直面と一致している必要はない。このようなアクチュエータ自体の構成は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0213】
右前センサシステム7RFは、カメラ76(第二センサの一例)を備えている。カメラ76は、車両100の外部を撮影する装置である。すなわち、カメラ76は、LiDARセンサ74とは異なる手法で車両100の外部の情報を検出する。カメラ76は、撮影された映像に対応する映像信号VSを出力するように構成されている。
【0214】
右前センサシステム7RFは、信号処理部77を備えている。信号処理部77は、車両100に搭載されている統合制御部(ECU)の一機能として実現されてもよいし、灯室13内に配置された制御装置の一機能として実現されてもよい。
【0215】
信号処理部77は、カメラ76から出力された映像信号VSに基づいて、カメラ76の撮影基準位置の所定位置からのずれ量を特定するように構成されている。
【0216】
図15は、カメラ76によって撮影された映像の一例を示している。符号RPは、カメラ76の撮影基準点を表している。撮影基準点RPは、例えばカメラ76の視野の中央点として定められる。符号VPは、いわゆる直線路の消失点(白車線などの平行な線が合流して見える点)を示している。撮影基準点RPは、消失点VPと一致していることが望ましい。
【0217】
信号処理部77は、映像信号VSを処理することにより、撮影された映像中の消失点VPを特定し、特定された消失点VPからの撮影基準点RPのずれ量を特定する。図15に示す例においては、撮影基準点RPが、消失点VPから上方へΔv、左方へΔhだけずれている。このようなずれは、カメラ76をハウジング11に搭載する際の位置ずれや、ハウジング11を車両100に搭載する際の位置ずれなどに起因する。
【0218】
なお、所定位置の一例としての消失点VPは、カメラ76の前方に配置されたスクリーンに表示された基準点で置き換えられうる。
【0219】
信号処理部77は、特定された撮影基準点RPのずれ量に基づいて、第一水平操作信号AH1と第一垂直操作信号AV1を生成し、センサアクチュエータ75へ入力する。
【0220】
第一水平操作信号AH1は、特定された撮影基準点RPの水平方向のずれ量Δhに基づいて定められたLiDARセンサ74の水平面内における姿勢の調節量に対応する属性(電圧値、電流値、周波数など)を有している。
【0221】
ずれ量ΔhとLiDARセンサ74の水平面内における姿勢の調節量の関係は、予め信号処理部77内に格納されうる。例えば、撮影基準点RPの水平方向のずれ量がΔhである場合に生じるであろうLiDARセンサ74の検出基準位置の水平面内のずれ量が、関数や対応テーブルとして信号処理部77内に格納されうる。信号処理部77は、当該関係に基づいて特定されたLiDARセンサ74の検出基準位置の水平面内のずれ量を解消するように、第一水平操作信号AH1を生成する。
【0222】
第一垂直操作信号AV1は、特定された撮影基準点RPの垂直方向のずれ量Δvに基づいて定められたLiDARセンサ74の垂直面内における姿勢の調節量に対応する属性(電圧値、電流値、周波数など)を有している。
【0223】
ずれ量ΔvとLiDARセンサ74の垂直面内における姿勢の調節量の関係は、予め信号処理部77内に格納されうる。例えば、撮影基準点RPの垂直方向のずれ量がΔvである場合に生じるであろうLiDARセンサ74の検出基準位置の垂直面内のずれ量が、関数や対応テーブルとして信号処理部77内に格納されうる。信号処理部77は、当該関係に基づいて特定されたLiDARセンサ74の検出基準位置の垂直面内のずれ量を解消するように、第一垂直操作信号AV1を生成する。
【0224】
信号処理部77による第一水平操作信号AH1と第一垂直操作信号AV1の出力は、センサアクチュエータ75を用いたLiDARセンサ74のハウジング11に対する水平方向と垂直方向の姿勢調節が完了した後になされる。
【0225】
すなわち、信号処理部77を用いたセンサアクチュエータ75によるLiDARセンサ74の姿勢の調節は、右前センサシステム7RFが車両100に搭載された後、カメラ76によって撮影された車両100の外部の映像(情報の一例)に基づいて行なわれる。
【0226】
このような構成によれば、例えばカメラ76を通じて検出された右前センサシステム7RFの車体に対する位置ずれに係る情報に基づいて、LiDARセンサ74の姿勢調節が自動的に行なわれるため、車体に対するLiDARセンサ74の姿勢を調節する作業の負担を軽減できる。
【0227】
また、LiDARセンサ74の姿勢調節は、LiDARセンサ74と結合されたセンサアクチュエータ75により行なわれる。このような構成によれば、例えばLiDARセンサ74の検出範囲を水平面内と垂直面内で変化させるために用いられるアクチュエータを用いてLiDARセンサ74の姿勢調節を行なえる。この場合、当該姿勢調節は、LiDARセンサ74の検出基準位置を調節することに相当する。したがって、LiDARセンサ74については、エイミングスクリュー機構のような別途の調節機構を省略できる。
【0228】
上記の説明においては、ずれ量Δhと第一水平操作信号AH1が一対一に関連付けられ、ずれ量Δvと第一垂直操作信号AV1が一対一に関連付けられている。しかしながら、ずれ量Δhは、第一水平操作信号AH1と第一垂直操作信号AV1の双方に関連付けられてもよい。同様に、ずれ量Δvは、第一水平操作信号AH1と第一垂直操作信号AV1の双方に関連付けられてもよい。この場合、例えば、カメラ76の撮影基準点RPの水平方向へのずれが検出されると、所定の関係に基づいて必要とされるLiDARセンサ74の水平面内における姿勢調節と垂直面内における姿勢調節(検出基準位置調節)の双方が行なわれる。
【0229】
図14に示されるように、LiDARセンサ74とカメラ76は、共通の支持部材70に支持されうる。共通の支持部材70は、ハウジング11の一部でもよいし、ハウジング11とは独立したブラケットなどの部材でもよい。
【0230】
この場合、LiDARセンサ74の姿勢調節が行なわれると同時に、カメラ76の姿勢調節も行なうことができる。すなわち、カメラ76によって撮影された映像に基づいてLiDARセンサ74の姿勢(検出基準位置)が調節され、当該調節を通じてカメラ76の撮影基準点RPの調節が行なわれうる。したがって、LiDARセンサ74とカメラ76という複数種のセンサを車両100に搭載するに際し、各センサの検出基準位置を調節する作業の負担をより軽減できる。
【0231】
右前センサシステム7RFは、光源アクチュエータ79(第二調節部の一例)を備えうる。光源アクチュエータ79は、光源78の姿勢を調節するための装置である。光源アクチュエータ79の少なくとも一部は灯室13内に配置されうる。
【0232】
光源アクチュエータ79は、光源78の姿勢を水平面内(同図における前後方向と左右方向を含む面内)と垂直面(同図における左右方向と上下方向を含む面内)で変化させるように構成されうる。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。同様に、ここで用いられている「垂直面」が厳密な鉛直面と一致している必要はない。このようなアクチュエータ自体の構成は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0233】
この場合、信号処理部77は、特定された撮影基準点RPのずれ量に基づいて、第二水平操作信号AH2と第二垂直操作信号AV2を生成し、光源アクチュエータ79へ入力する。
【0234】
第二水平操作信号AH2は、特定された撮影基準点RPの水平方向のずれ量Δhに基づいて定められた光源78の水平面内における姿勢の調節量に対応する属性(電圧値、電流値、周波数など)を有している。
【0235】
ずれ量Δhと光源78の水平面内における姿勢の調節量の関係は、予め信号処理部77内に格納されうる。例えば、撮影基準点RPの水平方向のずれ量がΔhである場合に生じるであろう光源78の照明基準位置の水平面内のずれ量が、関数や対応テーブルとして信号処理部77内に格納されうる。信号処理部77は、当該関係に基づいて特定された光源78の照明基準位置の水平面内のずれ量を解消するように、第二水平操作信号AH2を生成する。
【0236】
第二垂直操作信号AV2は、特定された撮影基準点RPの垂直方向のずれ量Δvに基づいて定められた光源78の垂直面内における姿勢の調節量に対応する属性(電圧値、電流値、周波数など)を有している。
【0237】
ずれ量Δvと光源78の垂直面内における姿勢の調節量の関係は、予め信号処理部77内に格納されうる。例えば、撮影基準点RPの垂直方向のずれ量がΔvである場合に生じるであろう光源78の照明基準位置の垂直面内のずれ量が、関数や対応テーブルとして信号処理部77内に格納されうる。信号処理部77は、当該関係に基づいて特定された光源78の照明基準位置の垂直面内のずれ量を解消するように、第二垂直操作信号AV2を生成する。
【0238】
信号処理部77による第二水平操作信号AH2と第二垂直操作信号AV2の出力は、光源アクチュエータ79を用いた光源78のハウジング11に対する水平方向と垂直方向の姿勢調節が完了した後になされる。
【0239】
すなわち、信号処理部77を用いた光源アクチュエータ79による光源78の姿勢の調節は、右前センサシステム7RFが車両100に搭載された後、カメラ76によって撮影された車両100の外部の映像(情報の一例)に基づいて行なわれる。
【0240】
このような構成によれば、例えばカメラ76を通じて検出された車体に対する位置ずれに係る情報に基づいて、光源78の姿勢調節が自動的に行なわれるため、車体に対する光源78の姿勢を調節する作業の負担を軽減できる。
【0241】
上述のように、光源78の姿勢調節は、光源78と結合された光源アクチュエータ79により行なわれる。このような構成によれば、例えば光源78の照明範囲を水平面内と垂直面内で変化させるために用いられるアクチュエータを用いて光源78の姿勢調節を行なえる。この場合、当該姿勢調節は、光源78の照明基準位置を調節することに相当する。したがって、光源78については、エイミングスクリュー機構のような別途の調節機構を省略できる。
【0242】
車両の周囲の情報を効率的に取得する観点、および意匠上の観点からは、車両の四隅に配置される照明装置の近傍に車両外部の情報を取得するためのセンサを配置することが望まれている。このような構成によれば、カメラ76を介して光源78の姿勢調節とLiDARセンサ74の姿勢調節を関連付けることが可能になるため、光源78を右前センサシステム7RF内に統合できる。すなわち、上記のような要望に応えることができる。
【0243】
上記の説明においては、ずれ量Δhと第二水平操作信号AH2が一対一に関連付けられ、ずれ量Δvと第二垂直操作信号AV2が一対一に関連付けられている。しかしながら、ずれ量Δhは、第二水平操作信号AH2と第二垂直操作信号AV2の双方に関連付けられてもよい。同様に、ずれ量Δvは、第二水平操作信号AH2と第二垂直操作信号AV2の双方に関連付けられてもよい。この場合、例えば、カメラ76の撮影基準点RPの水平方向へのずれが検出されると、所定の関係に基づいて必要とされる光源78の水平面内における姿勢調節と垂直面内における姿勢調節(照明基準位置調節)の双方が行なわれる。
【0244】
本実施形態においては、LiDARセンサ74は、少なくとも車両100の右側方(車両の左右方向の一例)の情報を取得するように配置されている。
【0245】
車両100の右側方の情報を取得するためには、車両100の車体における右方を向く位置にLiDARセンサ74が配置されることが好ましい。このようなレイアウトにおいては、車体の構造上の理由により、LiDARセンサ74の姿勢の調節が困難になる場合がある。しかしながら、上記の構成によれば、カメラ76を通じて検出された右前センサシステム7RFの車体に対する位置ずれに係る情報に基づいて、LiDARセンサ74の姿勢調節が自動的に行なわれるため、上記の困難性を回避できる。
【0246】
図16は、第八実施形態に係る右前センサシステム8RFの構成を模式的に示している。図示を省略するが、車両100の左前隅部に搭載される左前センサシステムは、右前センサシステム8RFと左右対称の構成を有している。第七実施形態に係る右前センサシステム7RFと同一または同等の構成要素については、同一の参照番号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
【0247】
右前センサシステム8RFは、光源88を備えている。光源88は、レンズとリフレクタの少なくとも一方を含む光学系に加え、二次元的に配列された複数の発光素子88aを備えている。発光素子の例としては、発光ダイオード、レーザダイオード、有機EL素子などが挙げられる。各発光素子88aは個別の点消灯が可能であり、点灯された発光素子88aから出射された光により所定の領域が照明される。
【0248】
本実施形態においては、光源88は、点灯される発光素子と消灯される発光素子を適宜に変更することにより、照明基準位置と照明範囲の少なくとも一方が、上下方向と左右方向の少なくとも一方に移動されうる。なお、ここで用いられている「上下方向」は、必ずしも車両100の上下方向や鉛直方向と一致していることを要しない。同様に、ここで用いられている「左右方向」は、必ずしも車両100の左右方向や水平方向と一致していることを要しない。
【0249】
上記の構成に加えてあるいは代えてMEMS機構や走査機構を用いることによって、光源から出射された光を所望の方向に偏向させて照明基準位置と照明範囲の少なくとも一方を上下方向と左右方向の少なくとも一方に移動させてもよい。
【0250】
右前センサシステム8RFは、信号処理部87を備えている。信号処理部87は、車両100に搭載されている統合制御部(ECU)の一機能として実現されてもよいし、灯室13内に配置された制御装置の一機能として実現されてもよい。
【0251】
信号処理部87は、カメラ76から出力された映像信号VSに基づいて、カメラ76の撮影基準位置の所定位置からのずれ量を特定するように構成されている。
【0252】
図15を参照して説明した信号処理部77と同様に、信号処理部87は、映像信号VSを処理することにより、撮影された映像中の消失点VPを特定し、特定された消失点VPからの撮影基準点RPのずれ量を特定する。
【0253】
信号処理部87は、特定された撮影基準点RPのずれ量に基づいて、第一水平操作信号AH1と第一垂直操作信号AV1を生成し、センサアクチュエータ75へ入力する。この点に係る信号処理部87の動作は第一実施形態に係る信号処理部77と同じであるため、繰り返しとなる説明は省略する。
【0254】
他方、信号処理部87は、特定された撮影基準点RPのずれ量に基づいて調節信号Aを生成し、光源88に入力するように構成されている。調節信号Aは、上下方向と左右方向の少なくとも一方に光源88の照明基準位置を調節するための情報を含んでいる。より具体的には、上下方向と左右方向の少なくとも一方に照明基準位置が移動するように、点灯される発光素子88aと消灯される発光素子88aを定めるための情報を含んでいる。
【0255】
撮影基準点RPの水平方向へのずれ量と光源88の左右方向における照明基準位置の調節量の関係は、予め信号処理部87内に格納されうる。例えば、撮影基準点RPの水平方向のずれ量がΔhである場合に生じるであろう光源88の照明基準位置の水平面内のずれ量が、関数や対応テーブルとして信号処理部87内に格納されうる。信号処理部87は、当該関係に基づいて特定された光源88の照明基準位置の左右方向のずれ量を解消するように、調節信号Aを生成する。
【0256】
同様に、撮影基準点RPの垂直方向へのずれ量と光源88の上下方向における照明基準位置の調節量の関係は、予め信号処理部87内に格納されうる。例えば、撮影基準点RPの垂直方向のずれ量がΔvである場合に生じるであろう光源88の照明基準位置の垂直面内のずれ量が、関数や対応テーブルとして信号処理部87内に格納されうる。信号処理部87は、当該関係に基づいて特定された光源88の照明基準位置の上下方向のずれ量を解消するように、調節信号Aを生成する。
【0257】
信号処理部87による調節信号Aの出力は、ハウジング11を基準とする光源88の照明基準位置の調節が完了した後になされる。
【0258】
すなわち、信号処理部87を用いた光源88の照明基準位置の調節は、右前センサシステム8RFが車両100に搭載された後、カメラ76によって撮影された車両100の外部の映像(情報の一例)に基づいて行なわれる。
【0259】
このような構成によれば、例えばカメラ76を通じて検出された右前センサシステム8RFの車体に対する位置ずれに係る情報に基づいて、光源88の照明基準位置の調節が自動的に行なわれるため、車体に対する光源88の照明基準位置を調節する作業の負担を軽減できる。
【0260】
車両の周囲の情報を効率的に取得する観点、および意匠上の観点からは、車両の四隅に配置される照明装置の近傍に車両外部の情報を取得するためのセンサを配置することが望まれている。このような構成によれば、カメラ76を介して光源88の姿勢調節とLiDARセンサ74の姿勢調節を関連付けることが可能になるため、光源88を右前センサシステム8RF内に統合できる。すなわち、上記のような要望に応えることができる。
【0261】
また、光源88の照明基準位置の調節は、機械的な機構を介することなく行なわれるため、構造の大型化を抑制しやすい。したがって、右前センサシステム8RFへの光源88の統合が容易になる。
【0262】
上記の説明においては、ずれ量Δhと左右方向に係る照明基準位置の調節が一対一に関連付けられ、ずれ量Δvと上下方向に係る照明基準位置の調節が一対一に関連付けられている。しかしながら、ずれ量Δhは、左右方向と上下方向の双方に係る照明基準位置の調節と関連付けられてもよい。同様に、ずれ量Δvは、左右方向と上下方向の双方に係る照明基準位置の調節と関連付けられてもよい。この場合、例えば、カメラ76の撮影基準点RPの水平方向へのずれが検出されると、所定の関係に基づいて必要とされる光源88の照明基準位置の調節が左右方向と上下方向の双方について行なわれる。
【0263】
図17は、第九実施形態に係る右前センサシステム9RFの構成を模式的に示している。図示を省略するが、車両100の左前隅部に搭載される左前センサシステムは、右前センサシステム9RFと左右対称の構成を有している。第七実施形態に係る右前センサシステム7RFと同一または同等の構成要素については、同一の参照番号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
【0264】
右前センサシステム9RFは、信号処理部97(補正部の一例)を備えている。信号処理部97は、車両100に搭載されている統合制御部(ECU)の一機能として実現されてもよいし、灯室13内に配置された制御装置の一機能として実現されてもよい。
【0265】
信号処理部97は、右前センサシステム9RFが車両100に搭載された後、カメラ76から出力された映像信号VSに基づいて、カメラ76の撮影基準位置の所定位置からのずれ量を特定するように構成されている。
【0266】
図15を参照して説明した信号処理部77と同様に、信号処理部97は、映像信号VSを処理することにより、撮影された映像中の消失点VPを特定し、特定された消失点VPからの撮影基準点RPのずれ量を特定する。
【0267】
前述のように、LiDARセンサ74は、検出された戻り光の属性(強度や波長など)に対応する検出信号Sを出力する。信号処理部97は、検出信号Sを受信し、カメラ76の撮影基準点RPのずれ量(第二センサによって検出された情報の一例)に基づいて、当該信号より得られる情報を補正するように構成されている。補正は、検出信号Sそのものに対して行なってもよいし、検出信号Sに対応する別の信号やデータに対して行なってもよい。
【0268】
本実施形態においては、LiDARセンサ74の姿勢(すなわち検出基準位置)を調節する機構が設けられていない。したがって、カメラ76の撮影基準点RPのずれが検出された場合、当該ずれに対応するようにLiDARセンサ74の姿勢(検出基準位置)を変更するのではなく、LiDARセンサ74より取得された情報の側を補正する。具体的には、LiDARセンサ74より取得された情報を、カメラ76の撮影基準点RPにずれがなかった場合に得られたであろう情報に補正する。これにより、カメラ76の撮影基準点RPのずれに対応するようにLiDARセンサ74の姿勢(検出基準位置)が変更された場合と実質的に同じ情報が得られる。
【0269】
信号処理部97は、カメラ76の撮影基準点RPのずれ量とLiDARセンサ74より取得された情報に対する補正の対応関係を示す関数やテーブルを予め格納している。信号処理部97は、当該関数やテーブルを参照しつつ、上記の補正処理を実行する。
【0270】
このような構成によれば、LiDARセンサ74の検出基準位置を調節する構成を省略できるため、車体に対するLiDARセンサ74の検出基準位置を調節する作業の負担を軽減できる。
【0271】
また、LiDARセンサ74の検出基準位置を調節する構成を省略できるため、構造の大型化を抑制しやすい。したがって、右前センサシステム9RFへのカメラ76とLiDARセンサ74の統合が容易になる。
【0272】
信号処理部97は、特定されたカメラ76の撮影基準点RPのずれ量に基づいて、第二水平操作信号AH2と第二水平操作信号AH2を生成し、光源アクチュエータ79へ入力する。この点に係る信号処理部97の動作は第一実施形態に係る信号処理部77の動作と同じであるため、繰り返しとなる説明は省略する。
【0273】
車両の周囲の情報を効率的に取得する観点、および意匠上の観点からは、車両の四隅に配置される照明装置の近傍に車両外部の情報を取得するためのセンサを配置することが望まれている。本実施形態の構成によれば、LiDARセンサ74の検出基準位置を調節する構成を省略できるため、構造の大型化を抑制しやすく、上記のような要望に応えることができる。
【0274】
図18は、第九実施形態の変形例に係る右前センサシステム9RF1を模式的に示している。図示を省略するが、車両100の左前隅部に搭載される左前センサシステムは、右前センサシステム9RF1と左右対称の構成を有している。第九実施形態に係る右前センサシステム9RFと同一または同等の構成要素については、同一の参照番号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
【0275】
右前センサシステム9RF1は、信号処理部971(補正部の一例)を備えている。信号処理部971は、車両100に搭載されている統合制御部(ECU)の一機能として実現されてもよいし、灯室13内に配置された制御装置の一機能として実現されてもよい。
【0276】
信号処理部971は、右前センサシステム9RF1が車両100に搭載された後、カメラ76から出力された映像信号VSに基づいて、カメラ76の撮影基準位置の所定位置からのずれ量を特定するように構成されている。
【0277】
信号処理部971は、検出信号Sを受信し、カメラ76の撮影基準点RPのずれ量(第二センサによって検出された情報の一例)に基づいて、当該信号より得られる情報を補正するように構成されている。補正は、検出信号Sそのものに対して行なってもよいし、検出信号Sに対応する別の信号やデータに対して行なってもよい。この点に係る信号処理部971の動作は、第九実施形態に係る信号処理部97と同じであるため、繰り返しとなる説明は省略する。
【0278】
他方、信号処理部971は、特定された撮影基準点RPのずれ量に基づいて調節信号Aを生成し、光源88に入力するように構成されている。調節信号Aは、上下方向と左右方向の少なくとも一方に光源88の照明基準位置を調節するための情報を含んでいる。この点に係る信号処理部971の動作は、第二実施形態に係る信号処理部87と同じであるため、繰り返しとなる説明は省略する。
【0279】
上記の実施形態は、本開示の趣旨の理解を容易にするための例示にすぎない。上記の実施形態に係る構成は、本開示の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更・改良されうる。
【0280】
第七実施形態から第九実施形態においては、LiDARセンサ74とカメラ76は、共通のハウジング11に収容されている。上記の各実施形態を参照して説明した効果は、LiDARセンサ74とカメラ76をスペースが限られた灯室13内に配置しようとする場合においてより顕著となる。
【0281】
さらに、LiDARセンサ74とカメラ76が共通のハウジング11内に収容されることにより、両者の相対位置の変化を最小限に抑制できる。これにより、LiDARセンサ74の検出基準位置とカメラ76の撮影基準位置の関連付けをより強くできる。
【0282】
しかしながら、LiDARセンサ74とカメラ76は、異なるハウジングに収容されてもよい。あるいは、LiDARセンサ74は、カメラ76を収容するハウジングの外側に取り付けられてもよい。
【0283】
第七実施形態から第九実施形態においては、光源78(88)は、LiDARセンサ74およびカメラ76と共通のハウジング11内に収容されている。第七実施形態から第九実施形態を参照して説明した効果は、光源78(88)、LiDARセンサ74、およびカメラ76をスペースが限られた灯室13内に配置しようとする場合においてより顕著となる。
【0284】
さらに、光源78(88)、LiDARセンサ74、およびカメラ76が共通のハウジング11内に収容されることにより、三者間の相対位置の変化を最小限に抑制できる。これにより、光源78(88)の照明基準位置、LiDARセンサ74の検出基準位置、およびカメラ76の撮影基準位置の関連付けをより強くできる。
【0285】
しかしながら、光源78(88)は、LiDARセンサ74とカメラが収容されているものとは異なるハウジングに収容されてもよい。
【0286】
第七実施形態から第九実施形態においては、カメラ76が少なくとも車両100の前方の画像を取得するように配置されており、LiDARセンサ74が少なくとも車両100の右側方の情報を取得するように配置されている。しかしながら、LiDARセンサ74は、少なくとも車両100の前方の情報を取得するように配置されてもよい。
【0287】
第七実施形態から第九実施形態においては、車両100の外部の情報を取得するためのセンサとしてLiDARセンサが用いられている。しかしながら、取得される情報の種別に応じて使用されるセンサも適宜に選択されうる。例えば、ミリ波レーダセンサや超音波ソナー、可視光カメラ、非可視光カメラなどが挙げられる。すなわち、「第一センサとは異なる手法で車両の外部の情報を検出する第二センサ」の一例として、カメラ76と同じ構成ではあるが検出範囲(検出基準位置)が異なるカメラが含まれる。
【0288】
第七実施形態から第九実施形態においては、複数種のセンサの一つの姿勢(検出基準位置)を調節するための情報を提供するセンサとして車両100の外部を撮影するカメラ76が用いられている。センサシステムを構成するセンサの車体に対する位置ずれを情報として取得するのであれば、当該情報を映像処理に基づいて比較的容易に取得できる。しかしながら、別のセンサの検出基準位置を調節するために別の情報を用いることが適当であれば、そのような情報の取得に適した種別のセンサが適宜に採用されうる。例えば、加速度センサを用いて取得された車体の姿勢などの情報から、別のセンサの検出基準位置を調節する構成が考えられる。
【0289】
第七実施形態から第九実施形態においては、LiDARセンサ74とカメラ76を備えているセンサシステムの例として、左前センサシステムと右前センサシステムを挙げた。しかしながら、図1に示される車両100の左後隅に配置される左後センサシステムや車両100の右後隅に配置される右後センサシステムに対しても、右前センサシステムを参照して説明した構成を適用可能である。例えば、右後センサシステムは、右前センサシステムと前後対称の構成を有しうる。左後センサシステムは、右後センサシステムと左右対称の構成を有しうる。
【0290】
本出願の記載の一部を構成するものとして、2016年8月12日に提出された日本国特許出願2016-158725号、2016年8月12日に提出された日本国特許出願2016-158726号、および2017年3月22日に提出された日本国特許出願2017-055703号の内容が援用される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18