(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-19
(45)【発行日】2022-10-27
(54)【発明の名称】玩具車両鑑賞具
(51)【国際特許分類】
A63H 18/02 20060101AFI20221020BHJP
A63F 9/14 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
A63H18/02 D
A63F9/14 B
A63F9/14 C
(21)【出願番号】P 2018075739
(22)【出願日】2018-03-23
【審査請求日】2021-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】304030774
【氏名又は名称】伊藤 隆広
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 隆広
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-053017(JP,A)
【文献】実開平02-084692(JP,U)
【文献】特開昭62-197084(JP,A)
【文献】特開昭62-281988(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
A63F 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項5】
前記エンドレスベルトの一側横側には、エンドレスベルトの循環速度と同調して動く風景画像を表示する液晶パネルが付設されていることを特徴とする、請求項1乃至4記載の玩具車両鑑賞具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミニチュアカーや精密ダイキャストカーなどお気に入りの玩具車両があたかも路上を走行しているような雰囲気で鑑賞しようとする、玩具車両鑑賞具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ミニチュアカーや精密ダイキャストカー等は、子供の玩具としてのみではなく、広く大人のコレクションとしても提供されている。大人のコレクションの多くは鑑賞用として大切に扱われ、タイヤが回るにも関わらず、子供の様にゴロゴロと手で動かしたり、床を滑らせたりして興すことは行われないことが多い。
【0003】
一方、これと全く異なる視点でミニカー内部にモーター又はゼンマイを仕込んで走らせるラジコン又はプルバックカーは提供されている。スロットカーやミニ四駆と呼ばれる、模型自動車は、溝やガイドのついたコースを走らせ、他車より速く走らせたりタイムを競ったりするものはあった。又、例えばとぐろ状の滑り台の上部からミニカーを滑らせて遊ぶ玩具や、さらに、昔の駄菓子屋にあった、数十円ほどでプレイできるレーシングゲームは、道路がベルトコンベア状になって、その真上に模型自動車を配し、本物の様なハンドルを操作することで模型自動車を左右に動かせるように成っており、ベルトコンベア状の道路上にはセンサーが付いており、上手く道路の上を走らせると高得点となるといったゲームがあった。また、エンドレスベルトの伝動走行によって駆動玩具の時速が分かるものもあった。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実公平7-7994号公報
以上に述べた従来の玩具車両鑑賞具の問題点は、特にラジコン又はプルバックカーは、遠ざかった時は当然、走っている姿を間近で見てはいられないということである。従来の玩具は、フィールド全体で戦うといった競技性があるのが特徴であるが、このような玩具は目前で走り続けるといった臨場性を味わうことが難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、玩具車両がリアルに走り続けている姿を目前で鑑賞できることで、臨場感を味わえる。加えて、たとえばベーゴマ遊びは、バケツの上にシーツをやや弛ませて張ったものを遊戯台とし、その中で複数のベーゴマを回すが、緩ませて張ったシーツによりベーゴマが遊技台中央に寄ってくる時互いにベーゴマが打ち合い、誰のベーゴマが長く回り続けられるか、弾き出されないかなどを競い合うものだが、本発明はこれとおなじように、複数の玩具車両を用い、目前のフィールド上で時には体当たりのように互いにぶつかることでベーゴマ遊びのように競いあわせる事が出来る。その際、ラジオコントロールによる操舵機能のみを有したミニカーの動きもフィールド上で利用出来る。さらには、エンドレスベルトに付設された障害物のようなものによって安定的な走行状態に変化をつけることも出来るが故、まったく新しい感覚でミニカーを走らせながら鑑賞出来たり、レースゲームとしても遊べるといった玩具を提供しようとすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の課題解決手段は、駆動ドラムと従動ドラムとの間にエンドレスベルトを横架し、前記エンドレスベルトの中間辺上面上に、四輪が各自由に回転できる玩具車両を載置すると共に、前記エンドレスベルトの上面には走行感提示体が描かれている、又は走行変化付与体を付設していることを特徴としている。
【0007】
本発明の第二の課題解決手段は、前記玩具車両の重量と前記エンドレスベルトの長さにより、前記エンドレスベルトの中間辺に前後にスロープを生じさせ、その間に玩具車両を載置していることを特徴としている。
【0008】
また、本発明の第三の課題解決手段は、前記エンドレスベルトは玩具車両の前方方向に下降傾斜する状態で横架すると共に、上昇方向に循環させていることを特徴としている。
【0009】
また、本発明の第四の課題解決手段は、前記エンドレスベルトは中間辺裏側には当て板を設けていることを特徴としている。
【0010】
また、本発明の第五の課題解決手段は、前記エンドレスベルトには、エンドレスベルトの循環方向とは直交する方向の中央を谷に変形させる当接体を付設していることを特徴としている。
【0011】
また、本発明の第六の課題解決手段は、前記駆動ドラムの回転を制御して、前記エンドレスベルトは、循環速度が変更可能であることを特徴としている。
【0012】
また、本発明の第七の課題解決手段は、前記エンドレスベルトは、前後方向での傾斜角度が変更可能であることを特徴としている。
【0013】
また、本発明の第八の課題解決手段は、前記エンドレスベルトは、左右方向にも傾斜角度が変更可能であることを特徴としている。
【0014】
また、本発明の第九の課題解決手段は、前記走行感提示体は、道路標示模様であることを特徴としている。
【0015】
また、本発明の第十の課題解決手段は、前記走行感提示体には、ガードレール、木の植え込み等の立体構造模型を付設していることを特徴としている。
【0016】
また、本発明の第十一の課題解決手段は、前記エンドレスベルト上には走行感変化付与体を設けていることを特徴としている。
【0017】
また、本発明の第十一の課題解決手段は、前記エンドレスベルトの一側横側には、エンドレスベルトの循環速度と同調して動く風景画像を表示する液晶パネルが付設されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
上記課題解決手段による作用効果は次の通りである。すなわち、一般に、四輪が各自由に回転できるようになっている玩具車両を傾斜面上に置けば、玩具車両は普通ならば傾斜面上を降ってしまうが、本発明の場合は、傾斜面が上昇循環しているので、エンドレスベルトから玩具車両を車両後方に引き上げるかのような力が玩具車両に加わる。しかし、玩具車両の四輪は各自由に回転できるようになっているので、エンドレスベルトからの力は、その100パーセントが玩具車両を上方に引き上げる力として玩具車両に伝わるのではなく、大部分が四輪を空転させる力としても消費されてしまう。結果、この消費を上回る力は玩具車両を引き上げる、すなわち、玩具車両をその進行方向とは逆の玩具車両の後退方向へと移動させる力として作用し、また、逆に、この消費を下回る場合には、玩具車両を引き下げる、すなわち、玩具車両をその前進行方向に進ませようと作用する。その力関係が拮抗する状態、すなわち、(1)エンドレスベルトの傾斜、(2)玩具車両の自重なりに傾斜を転がり降りようとしてしまうときに生み出される四輪の回転、(3)モーター等により作り出されるエンドレスベルトの回転速度、という(1)(2)(3)に示した要素の調節によって、エンドレスベルト上の一定の範囲内でとどまり続けるように拮抗させた結果、エンドレスベルト上の走行感提示体が玩具車両の後方へ移動してゆく様と相まって、玩具車両があたかも走行しているような状態で鑑賞することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図4】駆動ドラムと従動ドラムとの間に上下のスロープを形成した実施例を示す側面から見た図。
【
図5】ガードレール等の立体構造模型を付設した、他の実施例の斜視図。
【
図6】ガングリップのようなものに鑑賞具を搭載した、他の実施例の斜視図。
【
図7】鑑賞具を左右方向に、傾斜角度を変更可能にした他の実施例の前方から見た図。
【
図8】コレクションケースや液晶パネルを付設した、他の実施例の斜視図。
【
図9】玩具車両逸脱防止ガイド兼玩具車両鑑賞具進入スロープを更に付設した、他の実施例の斜視図。
【
図10】逸脱防止ガイド兼進入スロープを付設した際の玩具車両の動きを示す概略平面図。
【
図11】無線コントローラーで、操舵角調整可能無線玩具車両を動かそうとした他の実施例の概略図。
【
図12】立体形状路側帯を付設した、他の実施例の前方から見た図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1、
図2、
図3、
図5において
1は、図示しない適宜なモーター等の駆動機構により回転駆動される駆動ドラム。
2は、従動ドラム。
3は、駆動ドラム1と従動ドラム2の間に架設されているエンドレスベルト。
4は、エンドレスベルト3上に置かれた玩具車両。
なお、これは駆動ドラム1が従動ドラム2より高い場合の実施例で、駆動ドラム1が従動ドラム2より低い場合は、エンドレスベルト3の回転は逆方向に廻り、玩具車両4の向きも
図1で示したものと逆向きになる。
41は、玩具車両4の車輪で、同車輪41は玩具車両4に設けられ車軸42に回転自在に設けられている。車軸42が玩具車両4に回転自在に設けられていても良い。
【0021】
5は、走行感提示体で、実施例の場合はエンドレスベルト3の幅方向のほぼ中央に描かれたセンターラインを模している。6は、走行変化付与体で、走行変化付与体6がエンドレスベルト3上に、着脱可能あるいは固定されるかたちで凸形状又は凹形状になるように付設してあることで、エンドレスベルト3の回転により周期的にその突起が玩具車両4が走行している上面上に現れることになり、走行変化付与体6の形状に走行中の玩具車両4が干渉する際、走行に変化が生まれ安定的な走行状態に変化を付与できることで競技性が生まれたり飽きずに鑑賞することができるようになる。
【0022】
図示しないモーターを回転させると駆動ドラム1が回転してエンドレスベルト3は、図示矢印方向Fに回転する。すなわち実施例の場合駆動ドラム1は、従動ドラム2よりも高い位置で支柱により支えられている為、エンドレスベルト3は、玩具車両4の後方に向かうように上昇循環させている。普通ならば玩具車両4はエンドレスベルト3の上昇循環により後方へ引き上げられてしまうのであるが、玩具車両4の車輪41は、車軸42に対して各自由に回転出来るようになっている為、エンドレスベルト3の力はその100パーセントが玩具車両4を後方上昇に引き上げる力として玩具車両4に伝わるのではなく大部分が車輪41を、空転させる力としても消費されてしまう。他方、玩具車両4はエンドレスベルト3の傾斜下降側に重力により降る、すなわち、玩具車両4の前方方向に移動したがる。結果、先の空転力として消費を上回る力は玩具車両4を引き上げる、すなわち玩具車両4を、後方方向へ移動させる力として作用し、逆に、この消費を下回る場合は玩具車両4を引き下げる。すなわち玩具車両4をその進行方向に進ませようとする力として作用する。
【0023】
その力関係が拮抗する状態では、玩具車両4の車輪41が回転し、エンドレスベルト3も循環し、走行感提示体5が後方に流れていくような外観に於いて玩具車両4は、ほぼその位置を前後大きく変えることなく微妙な前後左右の移動のもとに居る。すなわち玩具車両4が、エンドレスベルト3上を、あたかも走行しているような状態で鑑賞できる。
【0024】
また、走行変化付与体6の形状により玩具車両4がエンドレスベルト3の循環方向とは直交する方向の中央を谷に変形させることで、エンドレスベルト3上から逸脱をある程度防ぐことが出来る。ここでは、[0007]で言うところの前後のスロープに対して、循環方向とは直交する方向の左右のスロープについて以下に一例を示す。エンドレスベルト3内側に付設された当て板7と、その当て板7の外側を回っているエンドレスベルト3の狭間に当接体8を差し入れることで、エンドレスベルト3の循環方向とは直交する方向の左右を「山」状態に盛り上げることに成り、また、それによりエンドレスベルト3左右中央付近は「谷」とすることが出来る。この形状にする理由は、安定走行している玩具車両4が、走行変化付与体6に因ったり自然に左右に揺らいだりしたときに玩具車両4をエンドレスベルト3上の左右から逸脱しにくいようにするための形状であるが、例えば玩具車両鑑賞具エンドレスベルト3上の中央付近で安定して走行状態になっている玩具車両4が、エンドレスベルト3左右のどちらかの逸脱してしまう方向に向かって行ってしまった場合、前述の方法で作られた「山」と「谷」の状態で成されるエンドレスベルト3左右の斜面はスロープ状態となり、エンドレスベルト3との摩擦の少ない図示しない玩具車両4のタイヤによってその「山」を図示しない玩具車両4のタイヤがスライドするように向きを変えながら降り、「谷」である中央付近へ、玩具車両4を自然に導くことが可能になる。図示しない玩具車両4のタイヤについていえば、エンドレスベルト3に対して摩擦の多いタイヤでは、エンドレスベルト3の上面に出来ている左右のスロープの面をグリップしてしまうことでスライド不足となり玩具車両4はその進行方向を変えることが出来ずに「山」を乗り越えるため逸脱は防げず、結果、過度な摩擦は不向きといえることも書き添える。また、安定、不安定含め走行状態を一定の間保つ為には、一つに「山」の高さと、もう一つは図示しない玩具車両4のタイヤとエンドレスベルト3との摩擦、その2つを勘案することが必要だが、[0023]で述べた「その力関係が拮抗する状態」を作るために適宜なモーター等の回転スピードを適宜調整することと同じように、「山」の高さであったり、走らせる図示しない玩具車両4のタイヤの摩擦を考慮する必要がある。
【0025】
前述の当て板7は、エンドレスベルト3の裏側に於いて玩具車両4が前後移動する域のエンドレスベルト3の、玩具車両4の重さによるたわみを無くすために支えられているが、構造上無くてもエンドレスベルト3がきちんと玩具車両4を支えられていれば必ずしも設置しなくとも良い。すなわちエンドレスベルト3自体が玩具車両4の重さによって撓むか、または撓まない形状であってもエンドレスベルト3左右の「山」「谷」が形成されていれば良い。
【0026】
図4は、駆動ドラム1と従動ドラム2が水平で、エンドレスベルト3が玩具車両重量で押し下げられた場合、又は、エンドレスベルト3を故意にたわませたときの実施例であり、以上の2つの要素によって玩具車両4がエンドレスベルト3上面上中間付近で、たわんで押し下げられたところを「たまり」としたとき、玩具車両4をたまりの中で動き続けるように図示しないモーター等の回転スピードを調整することで、玩具車両を鑑賞しつづけることが可能になる。
【0027】
図5において、9はアクチュエーターで、エンドレスベルト3の回転速度をアクチュエーター9を用い、コントロール出来る。また、10は傾斜角調整体で、傾斜角調整体10を設けることで、玩具車両鑑賞具自体の角度が任意に変えられる。これを用いることによって、駆動ドラム1の据え置かれる高さの、上げ下げが可能であって、例えば駆動ドラム1の位置を高くした場合、従動ドラム2の支柱には傾斜角変更体10が無いので、玩具車両鑑賞具の角度がより急斜面になる。角度が増した場合、アクチュエーター9を利用し、エンドレスベルト3の回転を速くすると、斜面を滑り降りようとする玩具車両の車輪41の回転数は上がり、玩具車両4がエンドレスベルト3上をあたかもより速度を上げて走行しているような状態で鑑賞できる。
5、12、13、14によって鑑賞用での走行感が得られる。道路標示模様12や、ガードレール13と木の植え込み等14の立体構造模型が、エンドレスベルト3に合わせて回転することにより、エンドレスベルト3の上面上中央付近で走行していることと相まって、よりリアルな臨場感を視覚的に得ることが可能になる。
【0028】
図6は、玩具車両鑑賞具を手でガンタイプに持てるようにしたもので、9´はトリガー式アクチュエーター。
図6において、図示したガングリップ形状の玩具車両鑑賞具を手で保持し空間に持ち上げ、玩具車両4のエンドレスベルト3上に載置し、人差し指をトリガーに模したアクチュエーター9´に架け、例えばアクチュエーター9´のトリガーを引くとエンドレスベルト3は回転スピードを増したり、トリガーを戻すと回転は止まる方向で遅くなるといった設定にしつつ、エンドレスベルト3が回転した状態で載置させた玩具車両4を落とさないように遊ぶことを目的としている。
このとき玩具車両鑑賞具で遊ぼうとする自らの平衡感覚を使いエンドレスベルト3上から玩具車両4を落とさないようにするのだが、トリガー式のアクチュエーター9´と、自ら保持しているガングリップ形状の玩具車両鑑賞具を適度に傾け、玩具車両4をエンドレスベルト3上で見事にバランスさせることで、平面で置かれた玩具車両鑑賞具とは異なって、手で保持し空間で遊ぶけん玉の如く、バランス感覚を利用して遊ぶこと出来る。
しかし
図6は、以上の遊び方と併せて
図5で示した遊び方も可能になっており、図示したようにこの本体底面は広くしてあり安定して床等の平面に置くことが出来る故、床などに平置きした際には、
図5で前記した実施例と同じ使用方法となる。
【0029】
図7において11´は支持棒付き傾斜角変更体で、付設してある支持棒を手で保持し、玩具車両鑑賞具自体の角度を任意に調整可能となっている。図示の如く設けられた支持棒のバーエンドを保持し動かせるようになっており、上下左右とフレキシブルに角度調整が可能なので、エンドレスベルト3上での玩具車両4を任意に自らコントロールすることが可能である。この場合、玩具車両鑑賞具は、図示しないが例えば床面に対して玩具車両鑑賞具の一部分を手で押さえつけるか、吸盤などで固定されていることが好ましい。それは、支持棒で上下左右にと的確に玩具車両4をコントロールしているときに玩具車両鑑賞具本体が支持棒を動かすことであちこちと動いてしまっては、そもそも支持棒での細かな操作が出来ない為である。
【0030】
図8において、コレクションケース内部に玩具車両鑑賞具を入れた図。15は液晶パネルで、液晶パネル15を側面に付設した一例。これにより、車両玩具鑑賞具が動いている状態で液晶パネル15で映しだす映像や音声などをリンクさせることで、より臨場感のある鑑賞具と成る。
【0031】
図9において、16と161は玩具車両逸脱防止ガイド兼玩具車両鑑賞具進入スロープで、これを用いることで玩具車両4がエンドレスベルト3上から、ガイドを高くすることで絶対逸脱しないように出来るが、ガイドの高さを抑えることによって逸脱しにくい、乃至は逸脱させやすくようにすることもできる。それは、玩具車両4をエンドレスベルト3上から落とすことで勝敗を決するような目的の遊び方とした時、ガイドの高さを抑えることで、時として玩具車両4の逸脱を可能にも出来、競技性が生まれる。また、161は玩具車両4の、エンドレスベルト3上への進入路としても用いることが出来る。
【0032】
玩具車両鑑賞具の上を安定して走行する玩具車両4は、四輪が各自由に回転できるようになっている時、四輪それぞれに均等に力が掛からない為、ときとしてエンドレスベルト上を玩具車両4は右や左や前や後ろにと自由に動いてしまうが、それをここでは「ゆらぎ」としたとき、ゆらぎがより大きくなったときは玩具車両の向き、ひいてはタイヤの向きもエンドレスベルト3の回転方向と平行で居られなく成り、四輪に掛かる摩擦が増大し、エンドレスベルトの上方へ玩具車両4は引き上げられる。そのままではこの玩具車両鑑賞具から玩具車両4は引き上げられた先、玩具車両鑑賞具後方へ落ちてしまうのだが、後方への落下防止の手段としては
図9の玩具車両逸脱防止ガイド兼玩具車両鑑賞具進入スロープ16によってこれを解決できるので、
図10を用いて説明する。
【0033】
図10のAは、玩具車両が下方で安定して走行している様。
図10のBは、前述の「ゆらぎ」や、走行変化付与体6などによって、玩具車両の走行が不安定になっている様。
図10のCは、エンドレスベルト3上を不安定に走行する車両玩具4の、四輪には過度な摩擦の増大が起こり、摩擦の消勢を伴いつつエンドレスベルト3の回転の上昇方向に引き上げられた後、前述玩具車両逸脱防止ガイド兼玩具車両鑑賞具進入スロープ16のガイド面に当たり、ガイドに沿って中央へ引き込まれている様。
図10のDは、玩具車両4がガイド最深部の凹部分に収まった様。ここでガイドの目指す後方への落下防止という役割の一つを終えるとともに、ガイド最深部凹部分内側の横幅を、玩具車両4の全幅よりも少し広く確保しておくことで玩具車両4は降下方向に正しく向くことになり、エンドレスベルト3の回転方向と四輪の回転方向を同じ方向にさせ得ることが出来る。
図10のEは、凹部分に収まってエンドレスベルト3の回転方向と玩具車両4の四輪の回転方向が同じ方向になったことで四輪に掛かる過度な摩擦が縮小し、
図10のAの位置ほどまで、玩具車両4は自ずと戻って行こうとしている状態。
【0034】
図11において、18は無線コントローラー。これを用い、19は操舵角調整可能無線玩具車両であるが、操舵角調整可能無線玩具車両19を任意に、エンドレスベルト3上で動かそうとする例。 周波数を変えて複数台混走も可能である。
【0035】
図12において、13´は傾斜したガードレール。エンドレスベルト左右に付設されるが、ここでは解りやすくガードレールと表すものの、
図5のガードレール13とは形状が違っており、ガードレール13´は、いわば玩具車両4が、ガードレール13´に乗り上げることが可能な、傾斜したガードレールである。
図12の如くエンドレスベルト3の左右に斜めに傾斜して付設され、[0030]で表した「ゆらぎ」や、複数台混走時の接触等でエンドレスベルト3上から容易に横へ落ちてしまわないように、あるいはガードレール13´に玩具車両4が乗り上げることでエンドレスベルト3中央付近に玩具車両4を押し戻し安定して走行させることを目的とした形状である。
【符号の説明】
【0036】
1 駆動ドラム
2 従動ドラム
3 エンドレスベルト
4 玩具車両(ミニカー)
41 車輪
42 車軸
5 走行感提示体
6 走行変化付与体
7 当て板
8 当接体
9 アクチュエーター
9´ トリガー式アクチュエーター
10 傾斜角変更体(高さのみ)
11 傾斜角変更体
11´ 支持棒付き傾斜角変更体
12 道路標示模様
13 ガードレール
13´ 傾斜したガードレール
14 木の植え込み等
15 液晶パネル等
16と161 玩具車両逸脱防止ガイド兼玩具車両鑑賞具進入スロープ
17 スロープ部分
18 無線コントローラー
19 操舵角調整可能無線玩具車両
A 本発明玩具車両の動きの様
B 本発明玩具車両の動きの様
C 本発明玩具車両の動きの様
D 本発明玩具車両の動きの様
E 本発明玩具車両の動きの様
F 本発明玩具車両の、エンドレスベルト3の、回転方向
G 本発明玩具車両の、エンドレスベルト上を動く場合の一例を、矢印を用い図示