(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-19
(45)【発行日】2022-10-27
(54)【発明の名称】薬剤配置確認システム
(51)【国際特許分類】
A61J 7/00 20060101AFI20221020BHJP
A61J 7/04 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
A61J7/00 Z
A61J7/04 A
(21)【出願番号】P 2021112946
(22)【出願日】2021-07-07
(62)【分割の表示】P 2017078397の分割
【原出願日】2017-04-11
【審査請求日】2021-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】592246705
【氏名又は名称】株式会社湯山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】▲杉▼本 知大
(72)【発明者】
【氏名】安岡 啓太
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆博
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-024040(JP,A)
【文献】登録実用新案第3137767(JP,U)
【文献】特開2003-002361(JP,A)
【文献】国際公開第2015/060296(WO,A1)
【文献】特開2014-067342(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 7/00-7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の薬剤包装を保持する薬剤セット具と、撮影手段と、コンピュータとを有し、
前記薬剤包装は、特定の服用者が服用する薬剤が一服用分ずつ包装されており、
前記薬剤セット具は、複数の薬剤収容部を有し、前記複数の薬剤収容部は平面的に分布されていて薬剤収容部に対応する服用者及び服用タイミングの薬剤包装が保持されるものであり、
前記薬剤包装に、薬剤セット具に保持されるべき薬剤包装の位置に関連するセット位置関連情報が付されており、
前記薬剤セット具、前記薬剤包装の少なくともいずれかの視認可能な位置には、薬剤包装とこれを保持すべき薬剤セット具の関係に関連する薬包・セット具関連情報が付されており、
撮影手段によって各薬剤包装が薬剤セット具の薬剤収容部に収容された状態を撮影可能であり、撮影されたセット位置関連情報と、
撮影された薬包・セット具関連情報と、撮影された薬剤包装の位置によって、撮影された薬剤セット具に保持された各薬剤包装が、薬剤セット具に正しく収容されているか否かを前記コンピュータが判定することを特徴とする薬剤配置確認システム。
【請求項2】
セット位置関連情報は、下記のいずれかであり、撮影された映像から、前記複数の薬剤収容部の現実のレイアウトの情報を取得し、各薬剤包装がセット位置関連情報の通りの位置にあるか否かが判定されることを特徴とする請求項1に記載の薬剤配置確認システム。
(1)薬剤包装が、薬剤セット具の所定の基準位置から、どれだけ離れた位置に保持されるのかを示す情報。
(2)薬剤セット具の薬剤収容部がマトリックス形状に配列されており、当該マトリックス形状における特定の位置を示す情報。
(3)薬剤セット具における薬剤収容部の順番を示す情報。
【請求項3】
撮影手段とコンピュータを備えた端末に少なくとも一部が格納され、前記端末単独あるいは他のコンピュータと連動して薬剤セット具に対する薬剤包装の配置を確認する薬剤配置確認プログラムであって、
前記薬剤包装は、特定の服用者が服用する薬剤が一服用分ずつ包装されており、
前記薬剤セット具は、複数の薬剤収容部を有し、前記複数の薬剤収容部は平面的に分布されていて薬剤収容部に対応する服用者及び服用タイミングの薬剤包装が保持されるものであり、
前記薬剤セット具、前記薬剤包装の少なくともいずれかの視認可能な位置には、薬剤包装とこれを保持すべき薬剤セット具の関係に関連する薬包・セット具関連情報と、薬剤セット具に保持されるべき薬剤包装の位置に関連するセット位置関連情報が付されており、
撮影手段によって各薬剤包装が薬剤セット具の薬剤収容部に収容された状態を撮影可能であり、撮影された薬包・セット具関連情報と、セット位置関連情報と、撮影された薬剤包装の位置によって、撮影された薬剤セット具に保持された各薬剤包装が、薬剤セット具に正しく収容されているか否かを判定することを特徴とする薬剤配置確認プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、お薬カレンダーや投薬カレンダー等の薬剤セット具に薬剤包装が正確に収容されているか否かを確認する薬剤配置確認システムに関するものである。また本発明は、薬剤配置確認方法、薬剤配置確認プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
高齢の患者(服用者)や、症状が急性期を脱した患者は、在宅で療養する場合が多い。また高血圧症や高脂血圧の様な緊急性を要しない患者についても、在宅で療養する場合が多い。在宅で療養する患者は、自己管理に基づいて服薬を行う必要がある。
例えば医師の処方の内、その用法が、朝にA薬とB薬を服用し、昼にB薬を服用し、夕食後に朝の倍量のA薬とC薬を服用するものであるならば、患者自らが決められた時刻に決められた種類の薬剤を決められた量だけ薬箱等から取り出し、服用する必要がある。
しかしながら、現実問題として、飲むべき薬の種類や量を間違ったり、飲み忘れることがある。また逆に重複して服用してしまうこともある。
特に、高齢者や気力が低下した患者にとっては、決められた種類の薬剤を決められた量だけ薬箱等から取り出すことが困難であり、正確に薬剤を服用できていない場合もある。
【0003】
この問題を解決する手段として、投薬カレンダー又はお薬カレンダーと称される器具が特許文献1,2に提案されている。
特許文献1に開示された発明は、カレンダーに薬剤を収容する薬剤収容部を設けたものである。
特許文献1に開示された発明では、日付けの下方に、それぞれ4個の薬剤収容部が並べられている。4個の薬剤収容部は、それぞれ服用のタイミング(用法)に対応するものであり、特許文献1の記載に基づけば、「朝」「昼」「夜」「ネル前」と表示されている。
そして投薬カレンダー(お薬カレンダー)の薬剤収容部に、服用のタイミングに対応した薬剤を収容しておく。服用のタイミングが到来すると、該当する薬剤収容部から薬剤を取り出して服用する。
【0004】
前記した投薬カレンダーは、個人宅のみならず、高齢者の介護施設等や、入院施設を有する病院でも採用される傾向にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-258999号公報
【文献】特開2013-248873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された投薬カレンダーは、薬剤をセットする薬剤セット具であり、患者の自宅や介護施設等に設置される。
そして訪問薬局の薬剤師が、患者の自宅や介護施設を巡回訪問して投薬カレンダーの薬剤収容部に薬剤を補充する場合がある。
また薬剤師が自己の薬局(調剤室)で投薬カレンダーの薬剤配置部に薬剤を収容し、薬剤が収容された状態の投薬カレンダーを患者の自宅や介護施設に持ち込む場合もある。
ここで投薬カレンダーの形式であるが、特に法律の定めはなく、各施設によって各種のものが使用されている。
いずれの形式にしても、投薬カレンダーは複数の薬剤配置部を有し、当該薬剤配置部は、服用者と服用のタイミングに基づいて定められる特定の位置にある。
代表的な投薬カレンダー(図の表示は「お薬カレンダー」)の形式は、
図15,16,17に記載の3種類である。
【0007】
第一の形式は、
図15の様な個人用投薬カレンダー100であり、曜日軸と、服用のタイミング軸によって構成されるマトリックス形状(行列状)である。
具体的には、月、火、水、木、金、土、日の7曜を縦軸とし、「朝用」「昼用」「夜用」「寝る前」を横軸とする行列状である。
個人用投薬カレンダー100は、一人の服用者が専用に使用するものであり、例えば服用者の村松が一週間に服用する薬剤が、曜日と服用のタイミングごとに収容される。
例えば、水曜日の昼食後には、水曜列の昼用の位置に収容された薬剤を服用者たる村松が服用する。
個人用投薬カレンダー100は、一週間を一つの単位とするものが多いが、何日を一単位とするのかは任意であり、10日単位や、二週間単位、28日単位等であってもよい。
【0008】
第二の形式は、
図16の様な複数の服用者を対象とする一日用投薬カレンダー(図の表示は「お薬カレンダー」)101である。一日用投薬カレンダー101は、日めくりカレンダーのごとく、服用すべき曜日が大きく記載されている。また 一日用投薬カレンダー101は、服用者名と服用のタイミング軸によって構成される行列状に薬剤収容部が配置されている。
具体的には、村松、早田、嵐、富士、井手、霧島、諸星の七名の名前を縦軸とし、「朝用」「昼用」「夜用」「寝る前」を横軸とする行列形状である。
一日用投薬カレンダー101は、複数の服用者が共同で使用するものであり、例えば7人の服用者が一日に服用する薬剤が、服用者名と服用のタイミングごとに収容される。
例えば、当日の朝には、村松、早田、嵐、富士、井手、霧島、諸星の七名が、それぞれの「朝用」の薬剤収容部に収容された薬剤を服用する。昼食を終えれば前記した七名が、それぞれの「昼用」の薬剤収容部に収容された薬剤を服用する。
複数の服用者を対象とする一日用投薬カレンダー101は、介護施設や病院で使用される。一日用投薬カレンダー101において、何名の服用者を一単位とするかは任意であり、5名であっても10名であってもよい。
【0009】
第三の形式は、
図17の様な複数の服用者を対象とする服用時点別投薬カレンダー(図の表示は「お薬カレンダー」)102である。
具体的には、上部に大きく「朝用」という様に服用のタイミングが記され、本郷、一文字、・・・・東條、佐野の28名の名前が並べられている。
服用時点別投薬カレンダー102は、複数の服用者が共同で使用するものであり、介護施設や病院で使用される。例えば28人の服用者それぞれが、一日の特定時期に服用する薬剤が、服用者名別に収容される。
例えば、当日の朝には、カレンダーに名前のある28名が、それぞれの名前が付された薬剤収容部に収容された薬剤を服用する。
全員が服用を終えると、服用時点別投薬カレンダー102を外し、昼用の服用時点別投薬カレンダー102を用意する。
服用時点別投薬カレンダー102において、何名の服用者を一単位とするかは任意であり、10名であっても30名であってもよい。
【0010】
前記した様に投薬カレンダー100,101,102には複数の形式のものがある。
例えば 特許文献1に開示された投薬カレンダーは、服用者の自宅や介護施設に設置されるものであり、訪問薬局の薬剤師が服用者の自宅や介護施設を巡回訪問して薬剤収容部に薬剤を補充する。
また薬剤師が自己の薬局(調剤室)で投薬カレンダー100,101,102の薬剤配置部に薬剤を収容し、薬剤が収容された状態の投薬カレンダー100,101,102を服用者の自宅や介護施設に持ち込む場合であれば、薬剤師は投薬カレンダー100,101,102の形式に沿って各薬剤配置部に所定の薬剤を入れてゆく。
しかしながら、前記した様に投薬カレンダー100,101,102には複数の形式のものがあるので、まぎらわしく、入れ間違える場合もある。
【0011】
そこで本発明は、従来技術の上記した問題に注目し、投薬カレンダー等の薬剤セット具に薬剤包装が正確に収容されているか否かを確認する薬剤配置確認システム、方法及びコンピュータプログラムを開発することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した課題を解決するため態様は、複数の薬剤包装を保持する薬剤セット具と、撮影手段を有し、前記薬剤包装は、特定の服用者が服用する薬剤が一服用分ずつ包装されており、前記薬剤セット具は、複数の薬剤収容部を有し、前記複数の薬剤収容部は平面的に分布されていて薬剤収容部に対応する服用者及び服用タイミングの薬剤包装が保持されるものであり、前記薬剤包装の視認可能な位置に当該薬剤包装を特定する薬剤包装特定情報が付されており、前記薬剤セット具には、視認可能な位置に薬剤セット具を特定する情報を含むセット具特定表示が付されており、前記薬剤セット具、前記薬剤包装の少なくともいずれかの視認可能な位置には、薬剤包装とこれを保持すべき薬剤セット具の関係に関連する薬包・セット具関連情報と、薬剤セット具に保持されるべき薬剤包装の位置に関連するセット位置関連情報が付されており、撮影手段によって各薬剤包装が薬剤セット具の薬剤収容部に収容された状態を撮影可能であり、撮影された薬剤包装特定情報と、セット具特定表示と、薬包・セット具関連情報と、セット位置関連情報と、撮影された薬剤包装の位置によって、撮影された薬剤セット具に保持された各薬剤包装が、正規の薬剤セット具に正しく収容されているか否かを判定することを特徴とする薬剤配置確認システムである。
【0013】
薬剤セット具は、複数の薬剤収容部を有し、前記複数の薬剤収容部は平面的に分布されていてそれぞれ服用者と服用のタイミングに基づいて定められる特定の位置にあるものであることが望ましい。
撮影された薬剤包装の位置によって、撮影された薬剤セット具に保持された各薬剤包装が、正規の薬剤セット具の服用者と服用のタイミングに対応した位置に正しく収容されているか否かを判定するものであることが望ましい。
【0014】
「薬剤包装特定情報」とは、薬剤包装を識別することができるものであれば足り、記号や符号、バーコード等であってもよい。「薬剤包装特定情報」は、どの患者がいつ服用する薬剤であるのかを特定することができる情報であることが望ましい。
どの患者用の薬剤であるのかを特定する情報には、例えば患者の名前や通称の文字表示、診察券の番号やマイナンバー等の番号、バーコードや二次元バーコード等の様に記号化され読み取り可能な文様がある。
「いつ服用する薬剤であるのかを特定する情報」についても同様であり、例えば朝、昼等の文字表示、番号、バーコードや二次元バーコード等の様に記号化され読み取り可能な文様がある。
【0015】
薬包・セット具関連情報とセット位置関連情報は、薬剤包装に付されており、薬包・セット具関連情報は、薬剤包装を保持すべき薬剤セット具を特定する情報を含み、セット位置関連情報は薬剤セット具に保持されるべき薬剤包装の位置の情報を含むものであってもよい。
【0016】
薬包配置情報記憶手段があり、当該薬包配置情報記憶手段に薬剤包装と薬剤包装が保持される薬剤セット具の組み合わせ情報と、薬剤セット具に保持される薬剤包装と薬剤セット具との相対位置が記憶され、薬包・セット具関連情報とセット位置関連情報は、薬剤包装に付されており、薬包・セット具関連情報とセット位置関連情報に基づいて薬包配置情報記憶手段から情報が読みだされるものであってもよい。
【0017】
薬包配置情報記憶手段があり、当該薬包配置情報記憶手段に薬剤包装と薬剤包装が保持される薬剤セット具の組み合わせ情報と、薬剤セット具に保持される薬剤包装と薬剤セット具との相対位置が記憶され、薬包・セット具関連情報とセット位置関連情報は、薬剤セット具に付されており、薬包・セット具関連情報とセット位置関連情報に基づいて薬包配置情報記憶手段から情報が読みだされるものであってもよい。
【0018】
上記した課題を解決するもう一つの態様は、複数の薬剤包装を保持する薬剤セット具と、撮影手段と、薬包配置情報記憶手段を有し、前記薬剤セット具は、複数の薬剤収容部を有し、前記複数の薬剤収容部は平面的に分布されていて薬剤収容部に対応する服用者及び服用タイミングの薬剤包装が保持されるものであり、前記薬剤包装の視認可能な位置に当該薬剤包装を特定する薬剤包装特定情報が付されており、前記薬剤セット具には、視認可能な位置に薬剤セット具を特定する情報を含むセット具特定表示が付されており、薬包配置情報記憶手段があり、当該薬包配置情報記憶手段に薬剤包装と薬剤包装が保持される薬剤セット具の組み合わせ情報と、薬剤セット具に保持される薬剤包装と薬剤セット具との相対位置が記憶され、撮影手段によって各薬剤包装が薬剤セット具の薬剤収容部に収容された状態を撮影可能であり、撮影された薬剤包装特定情報と、セット具特定表示に基づいて薬包配置情報記憶手段から情報が読み出され、撮影された薬剤包装の位置と比較して撮影された薬剤セット具に保持された各薬剤包装が、正規の薬剤セット具に正しく収容されているか否かを判定することを特徴とする薬剤配置確認システムである。
【0019】
上記した課題を解決するためのさらに他の態様は、複数の薬剤包装を保持する薬剤セット具と、薬包配置情報記憶手段と、撮影手段と、比較手段を有し、前記薬剤包装は、特定の服用者が服用する薬剤が一服用分ずつ包装されており、前記薬剤包装の視認可能な位置に服用者を特定する服用者特定表示と、服用のタイミングを特定する服用タイミング特定表示が記載されており、前記薬剤セット具は、視認可能な位置に薬剤セット具を特定するセット具特定表示が付されており、前記薬剤セット具は、複数の薬剤収容部を有し、前記複数の薬剤収容部は平面的に分布されていてそれぞれ服用者と服用のタイミングに基づいて定められる特定の位置にあり、薬剤収容部に対応する服用者及び服用タイミングの薬剤包装が保持されるものであり、前記薬包配置情報記憶手段は、薬剤セット具の対応する薬剤収容部に各薬剤包装が正しく収容された場合における薬剤包装の正規位置情報を、複数の薬剤セット具に関して記憶し、撮影手段によって各薬剤包装が薬剤セット具の薬剤収容部に収容された状態を撮影可能であり、撮影されたセット具特定表示から撮影された薬剤セット具を特定し、撮影された薬剤包装の服用者特定表示と服用タイミング特定表示および撮影された薬剤包装の位置から薬剤セット具に保持された各薬剤包装の現実位置情報を取得し、薬包配置情報記憶手段に記憶された複数の正規位置情報の中から、セット具特定表示に基づいて特定された薬剤セット具の正規位置情報を特定し、比較手段によって、撮影された薬剤セット具に保持された各薬剤包装が、薬剤セット具の服用者と服用のタイミングに対応した位置に正しく収容されているか否かを判定することを特徴とする薬剤配置確認システムである。
【0020】
ここで薬剤包装に表示される「服用者特定表示」の例として、例えば患者の名前や通称の文字表示、診察券の番号やマイナンバー等の番号、バーコードや二次元バーコード等の様に記号化され読み取り可能な文様がある。
「服用タイミング特定表示」についても同様で、あり、朝、昼等の文字表示、番号、バーコードや二次元バーコード等の様に記号化され読み取り可能な文様がある。
「服用者特定表示」と「服用タイミング特定表示」が一つのバーコードや二次元バーコード等で兼用されていてもよい。
セット具特定表示についても同様であり、村松様用、藤田医院様の朝用、藤田医院様の月曜服薬用、六甲老人ホーム様の朝用、山王老人ホーム様の月曜服薬用という様な文字表示でもよい。またセット具特定表示は、病院や薬局が独自に付した番号や記号であってもよい。さらにセット具特定表示は、バーコードや二次元バーコード等の様に記号化され、読み取り可能な文様であってもよい。
【0021】
上記した態様において、前記薬包配置情報記憶手段は、薬剤セット具の対応する薬剤収容部に各薬剤包装が正しく収容された状態のレイアウトに関する情報を正規位置情報として、複数の薬剤セット具に関して記憶し、撮影された服用者特定表示と服用タイミング特定表示およびそれらの位置から薬剤セット具に保持された現実の各薬剤包装のレイアウトの情報を取得し、薬包配置情報記憶手段に記憶され前記撮影された正規位置情報の中から、セット具特定表示に基づいて特定された薬剤セット具の正規位置情報を特定し、比較手段によって、現実の各薬剤包装のレイアウトの情報と特定された正規位置情報を比較することが望ましい。
【0022】
上記した各態様において、前記薬包配置情報記憶手段は、空であるべき薬剤収容部の情報を含み、撮影手段に空であるべき薬剤収容部に薬剤包装があることが撮影された場合には、報知が行われることが望ましい。
【0023】
上記した各態様において、薬剤セット具には、視認可能な位置に空であるべき薬剤収容部を特定する空室表示が付されており、撮影手段で空室表示を撮影して空であるべき薬剤収容部を特定し、撮影手段に空であるべき薬剤収容部に薬剤包装があることが撮影された場合には、報知が行われることが望ましい。
【0024】
同様の課題を解決するためのもう一つの態様は、複数の薬剤包装を保持する薬剤セット具と、撮影手段を有し、前記薬剤包装は、特定の服用者が服用する薬剤が一服用分ずつ包装されており、前記薬剤包装の視認可能な位置に服用者を特定する服用者特定表示と、服用のタイミングを特定する服用タイミング特定表示が記載されており、前記薬剤セット具は、複数の薬剤収容部を有し、前記複数の薬剤収容部は平面的に分布されていて薬剤収容部に対応する服用者及び服用タイミングの薬剤包装が保持されるものであり、前記薬剤セット具には視認可能な位置に空であるべき薬剤収容部を特定する空室表示が付されており、撮影手段で空室表示を撮影して空であるべき薬剤収容部を特定し、撮影手段に空であるべき薬剤収容部に薬剤包装があることが撮影された場合には、報知が行われることを特徴とする薬剤配置確認システムである。
【0025】
上記した各態様において、前記薬剤セット具には各薬剤収容部を特定する視認可能な薬剤収容部特定表示があり、前記薬剤包装には保持されるべき薬剤収容部を特定する薬剤収容部指定表示があり、撮影手段によって薬剤収容部特定表示と薬剤収容部指定表示を同一画面に撮影し、両者を比較して薬剤セット具に保持された各薬剤包装が薬剤セット具の服用者と服用のタイミングに対応した位置に正しく収容されているか否かを判定することが望ましい。
【0026】
同様の課題を解決するためのもう一つの態様は、複数の薬剤包装を保持する薬剤セット具と、撮影手段を有し、前記薬剤包装は、特定の服用者が服用する薬剤が一服用分ずつ包装されており、前記薬剤包装の視認可能な位置に服用者を特定する服用者特定表示と、服用のタイミングを特定する服用タイミング特定表示が記載されており、前記薬剤セット具は、複数の薬剤収容部を有し、前記複数の薬剤収容部は平面的に分布されていて薬剤収容部に対応する服用者及び服用タイミングの薬剤包装が保持されるものであり、各薬剤収容部を特定する視認可能な薬剤収容部特定表示があり、撮影手段によって各薬剤包装が薬剤セット具の薬剤収容部に収容された状態を撮影可能であり、撮影手段によって薬剤収容部特定表示と薬剤収容部指定表示を同一画面に撮影し、両者を比較して薬剤セット具に保持された各薬剤包装が、薬剤セット具の服用者と服用のタイミングに対応した位置に正しく収容されているか否かを判定することを特徴とする薬剤配置確認システムである。
【0027】
同様の課題を解決するためのもう一つの態様は、複数の薬剤包装を保持する薬剤セット具と、撮影手段を有し、前記薬剤包装は、特定の服用者が服用する薬剤が一服用分ずつ包装されており、前記薬剤セット具は、複数の薬剤収容部を有し、前記複数の薬剤収容部は平面的に分布されていて薬剤収容部に対応する服用者及び服用タイミングの薬剤包装が保持されるものであり、前記薬剤包装の視認可能な位置に、薬剤セット具に保持されるべき薬剤包装の位置に関連するセット位置関連情報が付されており、撮影手段によって各薬剤包装が薬剤セット具の薬剤収容部に収容された状態を撮影可能であり、撮影されたセット位置関連情報と、撮影された薬剤包装の位置によって、撮影された薬剤セット具に保持された各薬剤包装が、薬剤セット具に正しく収容されているか否かを判定することを特徴とする薬剤配置確認システムである。
【0028】
上記した各態様において、前記薬剤セット具の薬剤収容部は、内部が透けてみえるポケット状であり、薬剤収容部には図形の一部が図示されており、薬剤包装にも図形の一部が図示されており、薬剤包装が薬剤セット具の服用者と服用のタイミングに対応した位置に正しく収容されると、薬剤収容部の図形と薬剤包装の図形が組合わさって特定の図形が完成することが望ましい。
【0029】
上記した各態様の薬剤配置確認システムを使用し、薬剤セット具の服用者と服用のタイミングに対応した位置に正しく収容されているか否かを判定する方法であって、薬剤セット具を複数の区分に分けて定められた順番に則って撮影手段で撮影し、薬包配置情報記憶手段に記憶された正規位置情報と順次比較することが望ましい。
【0030】
同様の課題を解決するためのもう一つの態様は、撮影手段とコンピュータを備えた端末に少なくとも一部が格納され、前記端末単独あるいは他のコンピュータと連動して薬剤セット具に対する薬剤包装の配置を確認する薬剤配置確認プログラムであって、前記薬剤包装は、特定の服用者が服用する薬剤が一服用分ずつ包装されており、前記薬剤包装の視認可能な位置に服用者を特定する服用者特定表示と、服用のタイミングを特定する服用タイミング特定表示が記載されており、前記薬剤セット具は、視認可能な位置に薬剤セット具を特定するセット具特定表示が付されており、前記薬剤セット具は、複数の薬剤収容部を有し、前記複数の薬剤収容部は平面的に分布されていて薬剤収容部に対応する服用者及び服用タイミングの薬剤包装が保持されるものであり、撮影手段のコンピュータ又は他のコンピュータは薬包配置情報記憶手段を有し、薬包配置情報記憶手段は、薬剤セット具の対応する薬剤収容部に各薬剤包装が正しく収容された場合における薬剤包装の正規位置情報を、複数の薬剤セット具に関して記憶し、撮影手段によって各薬剤包装が薬剤セット具の薬剤収容部に収容された状態を撮影可能であり、撮影されたセット具特定表示から撮影された薬剤セット具を特定し、撮影された薬剤包装の服用者特定表示と服用タイミング特定表示および撮影された薬剤包装の位置から薬剤セット具に保持された各薬剤包装の現実位置情報を取得し、薬包配置情報記憶手段に記憶された複数の正規位置情報の中から、セット具特定表示に基づいて特定された薬剤セット具の正規位置情報を特定し、撮影された薬剤セット具に保持された各薬剤包装が、薬剤セット具の服用者と服用のタイミングに対応した位置に正しく収容されているか否かを判定することを特徴とする薬剤配置確認プログラムである。
【0031】
同様の課題を解決するためのさらにもう一つの態様は、撮影手段とコンピュータを備えた端末に少なくとも一部が格納され、前記端末単独あるいは他のコンピュータと連動して薬剤セット具に対する薬剤包装の配置を確認する薬剤配置確認プログラムであって、前記薬剤包装は、特定の服用者が服用する薬剤が一服用分ずつ包装されており、前記薬剤セット具は、複数の薬剤収容部を有し、前記複数の薬剤収容部は平面的に分布されていて薬剤収容部に対応する服用者及び服用タイミングの薬剤包装が保持されるものであり、前記薬剤包装の視認可能な位置に当該薬剤包装を特定する薬剤包装特定情報が付されており、前記薬剤セット具には、視認可能な位置に薬剤セット具を特定する情報を含むセット具特定表示が付されており、前記薬剤セット具、前記薬剤包装の少なくともいずれかの視認可能な位置には、薬剤包装とこれを保持すべき薬剤セット具の関係に関連する薬包・セット具関連情報と、薬剤セット具に保持されるべき薬剤包装の位置に関連するセット位置関連情報が付されており、撮影手段によって各薬剤包装が薬剤セット具の薬剤収容部に収容された状態を撮影可能であり、撮影された薬剤包装特定情報と、セット具特定表示と、薬包・セット具関連情報と、セット位置関連情報と、撮影された薬剤包装の位置によって、撮影された薬剤セット具に保持された各薬剤包装が、正規の薬剤セット具に正しく収容されているか否かを判定することを特徴とする薬剤配置確認プログラムである。
【発明の効果】
【0032】
本発明の薬剤配置確認システム、方法及びコンピュータプログラムによると、薬剤セット具に薬剤包装が正確に収容されているか否かを確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】(a)は本発明の実施形態で使用する個人用投薬カレンダーの正面図であって薬剤包装が保持されていない状態を示し、(b)は薬剤包装の正面図である。
【
図2】(a)(b)は、薬剤分包装置から払い出された薬剤包装帯の斜視図である。
【
図3】(a)は
図1の個人用投薬カレンダーを対象として薬剤包装が、正規の薬剤セット具に正しく収容されているか否かを判定する際の状況を示す説明図であり、薬剤包装が保持された状態の個人用投薬カレンダーの正面図を含み、(b)は個人用投薬カレンダーの一部の拡大図である。
【
図4】(a)は撮影装置のモニター画面を示し、(b)乃至(d)は撮影装置で個人用投薬カレンダーを撮影する際のモニター画面であり、(b)は撮影可能な状態を示し(c)(d)は撮影エラーとなる状態を示す。
【
図5】本発明の実施形態の薬剤配置確認システムのブロック図である。
【
図6】(a)は本発明の他の実施形態で使用する多人数用投薬カレンダーの正面図であって薬剤包装が保持されていない状態を示し、(b)は薬剤包装の正面図である。
【
図7】(a)は
図6の多人数用投薬カレンダーの正面図であって薬剤包装が保持された状態を示し、(b)はその一部の拡大図である。
【
図8】(a)は本発明のさらに他の実施形態で使用する多人数用投薬カレンダーの正面図であって薬剤包装が保持されていない状態を示し、(b)は薬剤包装の正面図である。
【
図9】(a)は
図8の個人用投薬カレンダーの正面図であって薬剤包装が保持された状態を示し、(b)はその一部の拡大図である。
【
図10】(a)は本発明のさらに他の実施形態で使用する個人用投薬カレンダーの正面図であって薬剤包装が保持されていない状態を示し、(b)は薬包配置情報記憶手段の正面図である。
【
図11】(a)は
図10の個人用投薬カレンダーの正面図であって薬剤包装が保持された状態を示し、(b)はその一部の拡大図である。
【
図12】
図9、
図11の個人用投薬カレンダーの薬剤収容部及びその近傍を示す詳細図であり、(a)は薬剤収容部に薬剤包装が保持される前の状態を示し、(b)は薬剤収容部に薬剤包装が保持された状態を示す。
【
図13】撮影手段によって個人用投薬カレンダーを撮影する手順を示す説明図である。
【
図14】各図は、薬剤包装の変形例を示す正面図である。
【
図15】従来技術の個人用投薬カレンダーの正面図である。
【
図16】従来技術の一日用投薬カレンダーの正面図である。
【
図17】従来技術の服用時点別投薬カレンダーの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
第一実施形態の薬剤配置確認システム16は、投薬カレンダー1等の薬剤セット具に薬剤包装7が正確に収容されているか否かを確認するものである。
投薬カレンダー1は、例えば
図1に示す様な「お薬カレンダー」である。以下、図面の表示に係わらず「投薬カレンダー」と称する。
投薬カレンダー(薬剤セット具)1は、第一の形式たる個人用投薬カレンダーであり、平面状の基材2に薬剤収容部3が多数、設けられたものである。
薬剤収容部3は、平面的且つ行列状に分布されていてそれぞれ服用者と服用のタイミングに基づいて定められる特定の位置にあり、薬剤収容部3に対応する服用者及び服用タイミングの薬剤包装が保持されるものである。
【0035】
本実施形態では、薬剤収容部3は、曜日軸と、服用のタイミング軸によって構成されるマトリックス形状(行列状)に配列されたものである。
具体的には、月、火、水、木、金、土、日の7曜を縦軸とし、「朝用」「昼用」「夜用」「寝る前」を横軸とする行列状である。
投薬カレンダー(薬剤セット具)1は、一人の服用者が専用に使用するものであり、例えば服用者の村松が一週間に服用する薬剤が、曜日と服用のタイミングごとに薬剤収容部3に収容される。
即ち薬剤収容部3は、服用者が「村松」一人に定められ、服用のタイミングが「月朝、月昼・・・」等の表示に基づいて定められる特定の位置にあり、薬剤収容部3は、服用者と服用のタイミングに基づいて定められる特定の位置にある。
【0036】
薬剤収容部3は、シート状の基材2に、小型の透明シート5が取り付けられてポケット状の袋を構成したものである。
具体的には、薬剤収容部3は、透明シート5の左右辺と下辺が基材2に接着され、上辺から内部に物を入れることができる構造である。
薬剤収容部3は、透明シート5で作られた一種のポケットであるから、内部が透けて見える。
【0037】
シート状の基材2には、左上部の視認可能な位置に、投薬カレンダー1を特定するセット具特定表示17が付されている。セット具特定表示17は投薬カレンダー1を特定することができるものであり、何らかの識別情報(例えば識別子)を含んでいる。ここで識別情報(例えば識別子)は、バーコード等に限らず、文字や数字であってもよい。
本実施形態では、セット具特定表示17は、記号化された識別子であり、バーコードリーダ等の読み取り装置で読み取ることができる文様である。具体的にはセット具特定表示17は、二次元バーコードである。
セット具特定表示17には、投薬カレンダー1を特定する情報が書き込まれている。具体的には、投薬カレンダー1の形式と、誰用のものであるか、いつ使用されるものであるのかを特定できる情報が書き込まれている。ここで「特定できる」とはセット具特定表示17にその情報が直接書き込まれている場合だけでなく、セット具特定表示17に含まれる識別子をキーとして、他の情報源から投薬カレンダー1の形式と、誰用のものであるか、いつ使用されるものであるのかの情報を検索できる場合を含む。
【0038】
本実施形態に則して説明すると、投薬カレンダー1の形式は、個人用投薬カレンダー形式であり、薬剤収容部3は、曜日軸と、服用のタイミング軸によって構成されるマトリックス形状(行列状)に配列されたものであることが特定される情報がセット具特定表示17に書き込まれている。
また患者が村松であることが特定される情報がセット具特定表示17に書き込まれている。
【0039】
本実施形態では、二次元バーコードによって、投薬カレンダー1の形式と、使用者を特定する情報が得られるが、基材2に書かれた文字によって、これらの全部や一部を特定してもよい。基材2に書かれた文字等にも投薬カレンダー1を特定する情報が含まれている。
例えば基材2には、使用者を特定するために「村松様」という文字6があり、この文字を識別子とし、これを読み込んで使用者を特定してもよい。
また基材2に書かれた曜日の文字や、服用タイミングを示す「朝」等の文字、およびそのレイアウトを図形認識させて投薬カレンダー1の形式を特定してもよい。
この場合は、使用者を特定するために「村松様」の文字6や、服用タイミングを示す「朝」等の文字、及びレイアウトが、セット具特定表示として機能する。
【0040】
投薬カレンダー1の薬剤収容部3には、該当する患者の薬剤であって、該当する服用タイミングの薬剤を包装した薬剤包装7が保持される。
各薬剤包装7中には、特定の服用者が一回に服用する薬剤が全て内包されている。一つの薬剤包装7に封入された薬剤は、一種類の固形薬剤である場合もあれば、複数種類の固形薬剤である場合もある。また固形薬剤と散薬とが同一包装内に内蔵されている場合もある。
【0041】
薬剤包装7は、公知の薬剤分包装置(図示せず)によって薬剤を一服用分ずつ包装したものである。薬剤分包装置は、入力された処方データに基づき、散薬供給部や固形薬剤供給部から散薬や固形薬剤を払い出して分包することができるものである。また薬剤包装7には所定の印刷がなされている。
【0042】
薬剤包装7は、
図2(a)の様に帯状に長く繋がった薬剤包装帯8として排出される。
薬剤包装帯8は、処方情報が印刷された情報印刷部10が先頭にあり、それに続いて多数の薬剤包装7が繋がっている。
情報印刷部10には、服用者名、処方薬名、処方量等が二次元バーコード等の形式で印刷されている。
また各薬剤包装7には、各薬剤包装7を特定する薬剤包装特定情報が付されている。即ち、各薬剤包装7には、薬剤包装特定情報として視認可能な位置に服用者を特定する服用者特定表示11と、服用のタイミングを特定する服用タイミング特定表示12が文字で記載されている。
具体的には、服用者特定表示11として服用者の名前たる「村松」の文字が印字されている。また服用タイミング特定表示12として「朝」「昼」等の文字が表示されている。これらの文字等によって、各薬剤包装7が他と区別される。
さらに本実施形態では、各薬剤包装7を特定できる薬剤包装特定情報として使用者用法特定文様15が表示されている。即ち服用者特定表示と、服用タイミング特定表示として、使用者用法特定文様15が表示されている。使用者用法特定文様15は、二次元バーコードである。使用者用法特定文様15たる二次元バーコードには、服用者と、服用タイミングを特定できる情報が書き込まれている。二次元バーコードによっても各薬剤包装7が他と区別される。従って二次元バーコード(使用者用法特定文様15)は、薬剤包装7を特定する薬剤包装特定情報として機能する。二次元バーコード(使用者用法特定文様15)は、薬剤包装7を特定する識別子の一つである。
ここで「服用者と、服用タイミングを特定できる」とは使用者用法特定文様15にその情報が直接書き込まれている場合だけでなく、使用者用法特定文様15に含まれる識別子をキーとして、他の情報源から服用者と、服用タイミングの情報を検索できる場合を含む。
【0043】
薬剤包装7は、薬剤包装帯8から切り分けられ、薬剤師等の手によって投薬カレンダー1の該当する薬剤収容部3に収容される。
前記した様に、薬剤収容部3は透明であるから、薬剤収容部3に薬剤包装7が入れられた状態で、
図3(b)の様に服用者特定表示11と、服用タイミング特定表示12及び使用者用法特定文様15(識別子)を外部から確認することができる。
【0044】
次に第一実施形態の薬剤配置確認システム16について説明する。
薬剤配置確認システム16は、大きく分けて携帯端末20と、本部装置21によって構成されている。
携帯端末20は、ノートパソコン等の携帯コンピュータや、スマートフォン、携帯電話機等の使用者が携行可能な電子端末である。またこれらに付属品が外付けされていてもよい。例えばノートパソコンや、スマートフォン、携帯電話器等にバーコードリーダが外付けされたものを携帯端末20として使用してもよい。
図5の様に、携帯端末20には、カメラ(撮影手段)18が内蔵又は外付けされており、撮影機能を持っている。また携帯端末20には、コンピュータ22が内蔵されている。携帯端末20が内蔵するコンピュータ22には、CPU23と、記憶手段25が内蔵されている。
【0045】
携帯端末20のコンピュータ22の記憶手段25には、比較手段28として機能するコンピュータプログラムが格納されている。
即ちカメラ(撮影手段)18で得た薬剤包装のレイアウトの情報と、本部装置21から取得した正規位置情報を比較する機能を有している。
また携帯端末20は、通信手段26を有し、インターネット等を通じて本部装置21と通信を行うことができる。
【0046】
本部装置21は、
図5の様にコンピュータ27を主体とする装置である。本部装置21のコンピュータ27は、CPU30と、記憶手段31を含んでいる。
本部装置21の記憶手段31は、薬包配置情報記憶手段33として機能する。
薬包配置情報記憶手段33には、投薬カレンダー1の対応する薬剤収容部3に各薬剤包装7が正しく収容された状態のレイアウトに関する情報を正規位置情報として記憶している。即ち記憶手段31には、薬剤セット具(投薬カレンダー1等)の対応する薬剤収容部3に各薬剤包装7が正しく収容された場合における薬剤包装7の正規位置情報を、複数の薬剤セット具に関して記憶している。言い換えると、薬剤セット具(投薬カレンダー1等)に各薬剤包装7が正しく収容された場合における薬剤セット具(投薬カレンダー1等)と薬剤包装7の位置関係を、複数の薬剤セット具に関して記憶している。
別の言い方をすれば、記憶部31には、薬剤包装7を識別する識別子と、薬剤セット具特定表示17が示す薬剤セット具の識別子と、正規位置情報とが対応付けて記憶されている。
【0047】
例えば、どの薬剤セット具(投薬カレンダー1等)が、誰用のもの、あるいはどの施設用のものであり、いつ使用されるものであり、その形式とレイアウトが薬包配置情報記憶手段33に記憶されている。さらに、処方箋に沿った薬剤包装7がどの薬剤収容部3に収容されるのかが薬包配置情報記憶手段33に記憶されている。
例えば「月用 朝」に服用する薬剤包装7が、
図3の様に「月」軸と、「朝」軸の交点の位置に収容され、「月用 昼」に服用する薬剤包装7が、
図3の様に「月」軸と、「昼」軸の交点の位置に収容されることが記憶されている。
また薬剤包装7が収容されない薬剤セット具の薬剤収容部3の情報(空き室である旨の情報)についても記憶される。
例えば、薬を飲まない日や、薬を飲まない時刻(朝、昼等)がある場合には、その情報についても記憶手段31に記憶されている。
実施形態に則ると、患者たる村松の処方では、金曜日の夜は、薬を飲まない。そのため
図3に示す様に、投薬カレンダー1の村松の金曜日であって、夜に相当する位置の薬剤収容部3Aは、空室状となる。
投薬カレンダー1の村松の金曜日であって、夜に相当する位置の薬剤収容部3は、空室であるという情報も、記憶手段31に記憶されている。
【0048】
また薬剤収容部3に各薬剤包装7が正しく収容された場合における薬剤包装7の正規位置情報には、各薬剤収容部3や薬剤包装7同士の距離や角度等の配置等の相対位置の他、基材2との位置関係についても記憶されている。即ち各薬剤収容部3や各薬剤包装7同士の相対関係だけでなく、基材2と各薬剤収容部3や各薬剤包装7同士の相対関係についても正規位置情報として記憶されている。
即ち各薬剤収容部3や各薬剤包装7がどの様なマトリクスを構成しているかという点だけでなく、各薬剤収容部3や各薬剤包装7が基材2のどの場所にあるのかが記憶されている。
【0049】
また正規位置情報は、薬剤包装7を特定する識別子と、薬剤包装7が正しく収容された場合の薬剤包装7の位置情報を対応付けたものであってもよい。
正規位置情報は、基材2と薬剤包装7との相対位置関係を示すものである。具体的には、基材2の予め定められた位置(例えば基材2の四隅のいずれか)から薬剤収容部3に収容した状態での薬剤包装7の予め定められた位置(薬剤包装7の四隅のいずれか又は使用者用法特定文様15など)までの上下方向及び左右方向の距離を示すものである。薬剤包装7の予め定められた位置に代えて、薬剤包装7が収容されるべき薬剤収容部3の予め定められた位置(例えば薬剤収容部3の四隅の何れか)を採用しても良い。
空き室の情報は、例えば基材2の予め定められた位置から、空き室になるべき薬剤収容部3の予め定められた位置までの上下方向及び左右方向の距離である。
【0050】
次に、本実施形態の薬剤配置確認システム16の機能を使用手順に沿って説明する。
使用者は、患者の自宅や、病院、施設等に、薬剤包装7が収容済の投薬カレンダー1を運ぶ。ここで使用者は、携帯端末20を携行している。一方、本部装置21は、薬局に置かれている。
そして使用者は、
図3(a)の様に、携帯端末20の撮影手段18を使用して薬剤包装7が収容済の投薬カレンダー1を撮影する。
撮影は、原則として投薬カレンダー1の全体を一画面として、正面から撮影する。
【0051】
撮影に際しては、薬剤包装7と基材2との位置関係が、正規位置情報に対応するかどうかを判断できるように、基材2の予め定められた位置を撮影範囲に含める。
例えば
図4(a)の様に、携帯端末20のカメラ(撮影手段)18には、モニター画面に長方形の枠200が表示される。
図4(b)の様に、枠200に、投薬カレンダー1の各辺が略合致した状態でシャッターを切る。なお
図4(c)の様に、投薬カレンダー1の映像が枠200からはみ出したり、
図4(d)の様に、投薬カレンダー1の映像が枠200に対して小さすぎる場合は、エラーとなる。
【0052】
そして携帯端末20のコンピュータ22は、撮影されたセット具特定表示17の二次元バーコードを解析し、二次元バーコードに含まれる識別子や識別情報によって撮影された投薬カレンダー1を特定する。そしてその情報を携帯端末20の通信手段26よって本部装置21のコンピュータ27に送信し、本部装置21の通信手段32で受信され、本部装置21のコンピュータ27に入力される。
なお、撮影されたセット具特定表示17の二次元バーコードの情報を直接本部装置21のコンピュータ27に送信し、本部装置21側で二次元バーコードを解析してもよい。
【0053】
そして本部装置21のコンピュータ27では、二次元バーコードの解析によって得られた薬剤セット具特定表示が示す薬剤セット具の識別子と対応する投薬カレンダー1を特定し、さらに、特定された投薬カレンダー1の正規位置情報を、当該正規位置情報を薬包配置情報記憶手段33たる記憶手段31から読み出す。
続いて読み出された正規位置情報を通信手段26,32によって携帯端末20のコンピュータ22に送り、携帯端末20の記憶手段25に一時的に記憶する。
【0054】
また携帯端末20のコンピュータ22は、撮影された映像から、現実の各薬剤包装のレイアウトの情報を取得する。
具体的には、撮影された服用者特定表示11の文字や、服用タイミング特定表示の文字を文字解析し、さらにその配列を検出する。配列は、薬剤包装7同士の距離や角度等の配置等の相対位置の他、各薬剤包装7と各薬剤収容部3との位置関係を含む。配列には、各薬剤包装7と基材2との位置関係を含む。即ち各薬剤包装7が基材2のどの位置にあるのかという関係を含む。
【0055】
例えば、撮影された映像を解析し、基材2の予め定められた位置(例えば辺や角)から、薬剤包装7ごとに当該薬剤包装7の位置までの上下方向及び左右方向の距離を特定する。基材2の予め定められた位置には、コンピュータ22が撮影画像からその位置を特定できるようにマークなどを付しておいても良い。
【0056】
ここでいう薬剤包装7の位置は、例えばその薬剤包装7に付された薬剤包装特定情報(使用者用法特定文様15)の映像上の位置である。
コンピュータ22は、各薬剤包装7の位置とその薬剤包装7に付された薬剤包装特定情報(識別子)とを対応付ける。
即ち撮影された複数の薬剤包装7を、個々の薬剤包装特定情報(識別子)で個別に特定し、どの薬剤包装7が、基材2のどの位置にあるかを特定する。
【0057】
そして携帯端末20のコンピュータ22は、撮影された映像から得られた、現実の各薬剤包装のレイアウトと、携帯端末20の記憶手段25に一時的に記憶された正規位置情報を比較する。
特に、現実の各薬剤包装7のレイアウトと、携帯端末20の記憶手段25に一時的に記憶された正規位置情報の各薬剤包装7と各薬剤収容部3との位置関係を比較する。即ち携帯端末20の記憶手段25に一時的に記憶された各薬剤包装7が基材2のどの位置にあるのかという情報と、現実の薬剤包装7の基材2に対する位置を比較する。
そして両者が合致すれば、携帯端末20に各薬剤包装7の配列が正しいことを示す表示を行い、両者が異なっておればその旨を表示し使用者に報知する。
具体的には、撮影されたそれぞれの薬剤包装7の位置及びその識別子と、そこにあるべき薬剤包装7の位置及びその識別子が合致していれば、携帯端末20に各薬剤包装7の配列が正しいことを示す表示を行い、両者が異なっておればその旨を表示し使用者に報知する。
もちろん両者が合致したと判断される基準は、完全合致の場合だけでなく、多少ずれている場合も許容される。
なぜならば、薬剤包装7に対して薬剤収容部3が大きく、正しい薬剤収容部3 に収容しても薬剤包装7の位置は一定ではないためである。
【0058】
空き室情報が示す位置又はその近傍から薬剤包装7が検知された場合は、空き室にすべき薬剤収容部3に薬剤包装7が収容されている旨を表示する。
本実施形態によると、正規の基材2(薬剤セット具)に各薬剤包装7が保持され、且つ各薬剤包装7の収容位置に誤りなく、各薬剤包装7が正しく収容されていることが確認される。
【0059】
上記した実施形態では、比較手段28として機能するコンピュータプログラムを携帯端末20のコンピュータ22の記憶手段25に記憶させたが、これを本部装置21のコンピュータ27に記憶させてから取り込んでもよい。また比較する行程を本部装置21のコンピュータ27で実行してもよい。
【0060】
上記した実施形態ではセット具特定表示17の二次元バーコードを解析し、撮影された投薬カレンダー1を特定したが、逆に薬剤包装7の使用者用法特定文様15から収容されるべき投薬カレンダー1を特定し、本部装置21のコンピュータ27で、投薬カレンダー1の正規位置情報を読み出してもよい。また薬剤包装7の使用者用法特定文様15から、直接収容されるべき投薬カレンダー1と、収容されるべき位置の情報が読みだされるものであってもよい。
【0061】
以上説明した第一実施形態は、第一の形式たる個人用投薬カレンダーを薬剤セット具とするものであるが、前記した第二の形式や、第三の形式の薬剤セット具を利用することもできる。
図6、
図7は、第二の形式たる一日用投薬カレンダーを利用した薬剤セット具(投薬カレンダー40)である。
投薬カレンダー40の形式は、複数の服用者を対象とする一日用投薬カレンダーであり、服用すべき曜日が大きく記載されている。また投薬カレンダー40では、服用者名と服用のタイミング軸によって構成される行列状に薬剤収容部3が配置されており、薬剤収容部3は、服用者と服用のタイミングに基づいて定められる特定の位置にある。
投薬カレンダー40でも、左上部の視認可能な位置に、投薬カレンダー40を特定するセット具特定表示17が付されている。
またどの施設で使用される投薬カレンダー40であるのかが特定される情報がセット具特定表示17に書き込まれている。
【0062】
本実施形態においても二次元バーコードによって、投薬カレンダー40の形式と、使用する施設を特定する情報が得られるが、基材2に書かれた文字によって、これらの全部や一部を特定してもよい。
また基材2に書かれた患者の配列や、服用タイミングを示す「朝」等の文字、およびそのレイアウトを図形認識させて投薬カレンダー40の形式を特定してもよい。
この場合は、使用者を特定するために「村松」「早田」「嵐」「富士」「井手」「霧島」「諸星」の人名を服用者特定表示11とし、服用タイミングを示す「朝」等の文字、及びレイアウトを服用タイミング特定表示12として機能させる。
【0063】
図8、
図9は、第三の形式たる服用時点別投薬カレンダーを利用した薬剤セット具(投薬カレンダー41)である。
投薬カレンダー41についても複数の薬剤収容部が行列状に配置されている。投薬カレンダー41では、薬剤収容部3の近傍に、患者の名前が記載されており、薬剤収容部3は、服用者と服用のタイミングに基づいて定められる特定の位置にある。
投薬カレンダー41でも、左上部の視認可能な位置に、投薬カレンダー41を特定するセット具特定表示17が付されている。
またどの施設で使用される投薬カレンダー41であるのかが特定される情報がセット具特定表示17に書き込まれている。
【0064】
本実施形態においても二次元バーコードによって、投薬カレンダー41の形式と、使用する施設を特定する情報が得られるが、基材2に書かれた文字によって、これらの全部や一部を特定してもよい。
【0065】
次に
図2(b)、
図10乃至
図12を参照しつつ、第二の実施形態として、使用者の目視によっても薬剤包装が正規の位置にあるか否かを知ることができる工夫について説明する。
第二実施形態では、
図2(b)に示す様な薬剤包装帯50を使用する。薬剤包装帯50では、処方情報が印刷された情報印刷部10が先頭にあり、それに続いて薬包配置情報記憶手段51があり、その後に多数の薬剤包装52が続く。
【0066】
薬包配置情報記憶手段51は、多数の枡目を有する図柄である。第二実施形態では、枡目は33ある。この枡目の幾つかは、薬剤収容部3に対応している。四隅以外の枡目は、空白のものと塗りつぶされたものがある。
塗りつぶされた四隅は、撮影手段18で投薬カレンダー55を撮影した画像から、薬包配置情報記憶部51の位置をコンピュータ22が認識できるようにするためのものである。
四隅以外の枡目の状態は、ON.OFFを表している。第二実施形態では、空白の枡目がON表示であり、塗りつぶされた枡目がOFFを表している。
枡目の状態は、薬剤収容部3に薬剤包装7を入れるか否かを表しており、塗りつぶされた枡目は、空であるべき薬剤収容部3を示している。
【0067】
薬包配置情報記憶手段51の枡目1~28は、投薬カレンダー55の28個各々の薬剤収容部3に薬剤包装7を入れるか否かを表している。具体的には、薬包配置情報記憶手段51の枡目1は、投薬カレンダー55の「月用 朝」に、薬包配置情報記憶手段51の枡目2は、投薬カレンダー55の「月用 昼」に、薬包配置情報記憶手段51の枡目27は、投薬カレンダー55の「日用 夜」に、薬包配置情報記憶手段51の枡目28は、投薬カレンダー55の「日用 寝る前」に薬剤包装7を入れるか否かを表している。
【0068】
また
図12に示す様に、第二実施形態で採用されている薬剤包装52でも、前記した服用者特定表示11と、服用タイミング特定表示12及び使用者用法特定文様15が印刷されている。
そして第二実施形態で採用されている薬剤包装52では、それに加えて薬剤収容部指定表示60と、図形片61が表示されている。図形片61は、例えば、丸、三角、四角等の特定の図形の一部である。
図形片61の形状は、薬剤包装52ごとに異なる。
図形片61は、薬剤分包装置で印字することが望ましい。
【0069】
薬剤収容部指定表示60は、複数の枡目によって構成される図形である。本実施形態では、9升の枡目である。
本実施形態では、空白の枡目と塗りつぶされた枡目がある。枡目は、二進法の数値を表示している。即ち塗りつぶされた枡目と空白の枡目によって、二進数を表現している。薬剤収容部指定表示60は、薬剤包装7ごとに異なる。
【0070】
図10,
図11に示す投薬カレンダー(薬剤セット具)55は、第一の形式たる個人用投薬カレンダーであり、先の実施形態と同様の構成を備えている。
第二実施形態で採用する投薬カレンダー55は、それに加えて配置情報設置ポケット57を有している。
また各薬剤収容部3には、
図12の様に図形片63が表示されている。図形片63は、例えば、丸、三角、四角等の特定の図形の一部である。
各薬剤収容部3の図形片63は、正しい薬剤包装52が挿入されると、
図12(b)の様に図柄が合致して特定の形状を構成する。
【0071】
また各薬剤収容部3の近傍には、薬剤収容部特定表示65が記載されている。薬剤収容部特定表示65の図形は、薬剤包装52の薬剤収容部指定表示60と同様である。従って薬剤収容部特定表示65は、薬剤収容部3ごとに異なる。
各薬剤収容部3の薬剤収容部特定表示65は、そこに挿入される薬剤包装52の薬剤収容部指定表示60と同一である。
【0072】
第二実施形態では、薬包配置情報記憶手段51が切り取られて、投薬カレンダー55の配置情報設置ポケット57に挿入される。配置情報設置ポケット57は透明であり、薬包配置情報記憶手段51を外部から視認することができる。
薬剤包装52は、対応する薬剤収容部3に挿入される。ここで、薬剤包装52が真に対応する薬剤収容部3に配置されると、薬剤包装52の図形片61と各薬剤収容部3の図形片63が合わさって特定の形状を構成する。
また薬剤包装52の薬剤収容部指定表示60の図形と各薬剤収容部3の薬剤収容部特定表示65の図形は同じものであるから、間違いが分かりやすい。
【0073】
第二実施形態においても、先の第一実施形態と同様、携帯端末20の撮影手段18を使用して薬剤包装52が収容済の投薬カレンダー55を撮影し、比較手段28によって本部装置21から取得した正規位置情報を比較して、薬剤包装52の位置が正しいか否かを判定する。
第二実施形態では、先の判定方法に加えて、薬包配置情報記憶手段51の図形を認識し、本来、空き室状態であるべき薬剤収容部3に薬剤包装52が無いことが確認される。
即ち携帯端末20のカメラ(撮影手段)18を使用して薬剤包装52が装着済の投薬カレンダー55を撮影する。撮影によって、薬包配置情報記憶手段51の図形を認識し、空き室状態であるべき薬剤収容部3が確認される。
そして撮影された映像から得られた現実の各薬剤包装52のレイアウトの情報を参照し、空き室状態であるべき薬剤収容部3に薬剤包装52が有るか否かが確認される。
仮に空き室状態であるべき薬剤収容部3に薬剤包装52が有れば、何らかのエラー表示を行い、報知する。
【0074】
具体的には、携帯端末20のカメラ(撮影手段)18を使用して薬剤包装52が装着済の投薬カレンダー55を撮影する。ここで撮影範囲に薬剤配置情報記憶手段51及び基材2の予め定められた位置が入るようにする。
携帯端末20は、撮影によって、薬包配置情報記憶手段51の図形を認識し、空き室状態であるべき薬剤収容部3と、薬剤包装7を収容すべき薬剤収容部3とを確認する。各薬剤収容部3の近傍の各薬剤収容部特定表示65と基材2の予め定められた位置との位置関係は予め記憶手段25に記憶されている。
携帯端末20は、撮影画像上において、当該位置関係から、薬剤包装7を収容すべき薬剤収容部3の近傍に付されている薬剤収容部特定表示65の位置を特定する。携帯端末20は、撮影画像上において、特定した各薬剤収容部特定表示65の近傍に、当該表示65に対応した形状の薬剤収容部指定表示60が有るかどうかを判断する。
特定した各薬剤収容部特定表示65の近傍に、当該表示65に対応した形状の薬剤収容部指定表示60が有れば、携帯端末20は、正しく薬剤包装が収容されていると判断し、なければ、正しく薬剤包装が収容されていない旨を報知する。
また、携帯端末20は、空き室状態であるべき薬剤収容部3の近傍に付されている薬剤収容部特定表示65の位置を特定する。携帯端末20は、撮影画像上において、特定した各薬剤収容部特定表示65の近傍に、何らかの薬剤収容部指定表示60があればエラーを報知する。
【0075】
また携帯端末20のコンピュータ22は、撮影された映像を解析し、各薬剤包装52の薬剤収容部指定表示60の図形と各薬剤収容部3の薬剤収容部特定表示65の図形を比較する。両者が同一でなければ、何らかのエラー表示を行う。
【0076】
第二実施形態では、撮影によって得られた現実の各薬剤包装52のレイアウトの情報と、本部装置21から取得した正規位置情報を比較して、薬剤包装52の位置が正しいか否かを判定するレイアウト比較確認と、個々の薬剤包装52の薬剤収容部指定表示60の図形と、個々の薬剤収容部3の薬剤収容部特定表示65の図形を比較する個別確認を併用している。
しかしながら、個々の薬剤包装52の薬剤収容部指定表示60の図形と、個々の薬剤収容部3の薬剤収容部特定表示65の図形を比較する個別確認だけを行っても、相当の確率で、薬剤包装52の入れ間違いを検出することができる。
また薬包配置情報記憶手段51の図形認識と、撮影された映像から得られた、現実の各薬剤包装52のレイアウトの情報による空き室確認だけによっても相当の確率で、薬剤包装52の入れ間違いを検出することができる。
【0077】
以上説明した第一実施形態及び第二実施形態では、薬剤包装7の薬剤包装特定情報としての二次元バーコード(使用者用法特定文様15)に、服用者と、服用タイミングを特定する情報が書き込まれているが、これに加えて、薬剤包装7とこれを保持すべき投薬カレンダー1,40,41,55の関係に関連する薬包・セット具関連情報を書き込むことも推奨される(第三実施形態)。
例えば、薬包・セット具関連情報として、各薬剤包装7を保持させる投薬カレンダー1を特定する情報が薬剤包装7の二次元バーコード(使用者用法特定文様15)に直接書き込まれている。具体的には、各薬剤包装7が保持されるべき投薬カレンダー1の形式と、投薬カレンダー1が誰用のものであるか、いつ使用されるものであるのかを特定できる情報が書き込まれている。或いは投薬カレンダー1に通し番号や符号があり、各薬剤包装7が保持されるべき投薬カレンダー1の番号や符号を直接知ることができる情報であってもよい。要するに、薬剤包装7が保持されるべき投薬カレンダー1に辿り付くことができる薬包・セット具関連情報が、薬剤包装7の二次元バーコードに書き込まれている。
【0078】
さらに投薬カレンダー1,40,41,55に保持されるべき薬剤包装7の位置に関連するセット位置関連情報についても薬剤包装7の二次元バーコード(使用者用法特定文様15)に直接書き込まれていてもよい。
例えば、前記した薬包配置情報記憶手段33に記憶させた正規位置情報に相当する情報のうち、当該薬剤包装を収容すべき位置に関する情報が二次元バーコード(使用者用法特定文様15)に書き込まれている。
例えば基材2のどの位置に当該薬剤包装7が保持されるのか、例えば基材2の上辺、側辺等の複数の基準位置から、どれだけ離れた位置に薬剤包装7が保持されるのかが二次元バーコードに書き込まれている。
もちろん、使用者用法特定文様15とは別のバーコードや符号、文字等に、薬包・セット具関連情報やセット位置関連情報が書き込まれていてもよい。
【0079】
この構成(第三実施形態)によると、本部装置21の薬包配置情報記憶手段33に頼ることなく、直接投薬カレンダー1,40,41,55に薬剤包装7が正確に収容されているか否かを確認することができる。
【0080】
第三実施形態においても、使用者は、携帯端末20の撮影手段18を使用して薬剤包装7が収容済の投薬カレンダー1,40,41,55等を撮影する。撮影方法は、前記した場合と同一であり、
図4(b)の様に、枠200に、投薬カレンダー1の各辺が略合致した状態でシャッターを切る。あるいは、撮影の際には、薬剤包装7と基材2との位置関係が、正規位置情報に対応するかどうかを判断できるように、基材2の予め定められた基準の位置を撮影範囲に含める。
例えば投薬カレンダー1には多数の薬剤包装7が収容されており、多数の薬剤包装7が撮影手段18で撮影されることとなる。
第三実施形態では、撮影された各薬剤包装7の二次元バーコードを個々に解析し、個々の薬剤包装7の薬包・セット具関連情報に含まれる投薬カレンダーを特定する情報から、薬剤包装7を収容すべき投薬カレンダーを特定する。
一方、撮影中の投薬カレンダーのセット具特定表示17から現実に薬剤包装7を収容している投薬カレンダーを特定する。そして両者を比較して、各薬剤包装7が、正しい投薬カレンダーに収容されているか否かを判定する。
【0081】
さらに第三実施形態では、撮影された各薬剤包装7の二次元バーコードを個々に解析し、投薬カレンダー1に保持されるべき薬剤包装7の位置を特定する。
一方、撮影された映像から、薬剤包装7の基材2に対する位置を検知する。そして両者を比較して、各薬剤包装7が、正しい位置に収容されているか否かを判定する。
【0082】
第三実施形態は、薬包・セット具関連情報とセット位置関連情報は、薬剤包装7に付されており、薬包・セット具関連情報は、薬剤包装7を保持すべき薬剤セット具1,40,41,55を特定する情報を含み、セット位置関連情報は薬剤セット具1,40,41,55に保持されるべき薬剤包装の位置の情報を含む薬剤配置確認システムである。
【0083】
第三実施形態においては、薬剤包装7が正しい投薬カレンダー1の正しい薬剤収容部3に収容されているか否かの判定に薬剤包装特定情報を使用しないため、使用者用法特定文様15には、薬剤包装特定情報は含まれていなくてもよい。
【0084】
薬剤包装7とこれを保持すべき投薬カレンダー1,40,41,55の関係に関連する薬包・セット具関連情報は、投薬カレンダー1側に付してもよい。即ちその投薬カレンダー1,40,41,55が保持すべき薬剤包装7がどれであるかという情報が、投薬カレンダー1のいずれかの部位に付されていてもよい。例えばセット具特定表示17の二次元バーコードに書き込まれていてもよい(第四実施形態)。
薬剤包装7の位置に関連するセット位置関連情報についても投薬カレンダー1側に付してもよい。
【0085】
即ちその投薬カレンダー1,40,41,55のどの位置にどの薬剤包装7が保持されるのかが、投薬カレンダー1のいずれかの部位に付されていてもよい。具体的な情報として、薬剤包装特定情報と位置情報とが対応付けられた情報が投薬カレンダー1のいずれかの部位に付されていてもよい。例えばセット具特定表示17の二次元バーコードに書き込まれていてもよい。
投薬カレンダー1側に薬包・セット具関連情報やセット位置関連情報を付する場合には、薬剤包装7に設けられた薬剤包装特定情報と照合して各薬剤包装7が、正しい位置に収容されているか否かを判定する。
この場合は、セット具特定情報を投薬カレンダーに付すことは不要である。さらに、薬包・セット具関連情報には、当該薬包・セット具関連情報が付された投薬カレンダーを特定する情報が無くてもよい。少なくとも、当該投薬カレンダーに収容すべき薬剤包装7を特定する情報が薬包・セット具関連情報にあればよい。
【0086】
第四実施形態では、薬包・セット具関連情報とセット位置関連情報は、投薬カレンダー1,40,41,55に付されており、薬包・セット具関連情報は、投薬カレンダー1,40,41,55で保持すべき薬剤包装7を特定する情報を含み、セット位置関連情報は薬剤セット具1,40,41,55に保持されるべき薬剤包装の位置の情報を含む薬剤配置確認システムである。
【0087】
薬包・セット具関連情報とセット位置関連情報のいずれか一方が投薬カレンダー1,40,41,55に付され、他方が薬剤包装7側に付されていてもよい。
【0088】
また第一実施形態の様に本部装置21を活用してもよい。
第五実施形態の薬剤配置確認システムは、例えば薬剤包装7の二次元バーコード等に書き込む薬包・セット具関連情報をより簡便なものとし、薬剤包装7の薬包・セット具関連情報を検索キーとして本部装置21の薬包配置情報記憶手段33から該当する投薬カレンダーを特定する。
一方、撮影中の投薬カレンダーのセット具特定表示17から現実に薬剤包装7を収容している投薬カレンダーを特定する。そして両者を比較して、各薬剤包装7が、正しい投薬カレンダーに収容されているか否かを判定する。
【0089】
さらに薬剤包装7の二次元バーコード等に書き込むセット位置関連情報をより簡便なものとし、セット位置関連情報を検索キーとして本部装置21の薬包配置情報記憶手段33から薬剤包装7の基材2に対する位置を読み出す。
一方、撮影された映像から、薬剤包装7の基材2に対する位置を検知する。そして両者を比較して、各薬剤包装7が、正しい位置に収容されているか否かを判定する。
【0090】
第五実施形態の薬剤配置確認システムは、薬包配置情報記憶手段33があり、当該薬包配置情報記憶手段33に薬剤包装7と薬剤包装7が保持される薬剤セット具1,40,41,55の組み合わせ情報と、薬剤セット具1,40,41,55に保持される薬剤包装7と薬剤セット具1,40,41,55との相対位置が記憶されている。
第五実施形態は、薬包・セット具関連情報とセット位置関連情報は、薬剤包装7に付されており、薬包・セット具関連情報とセット位置関連情報に基づいて薬包配置情報記憶手段33から情報が読みだされる薬剤配置確認システムである。
また第五実施形態は、薬包・セット具関連情報とセット位置関連情報は、薬剤包装7に付されており、薬包・セット具関連情報とセット位置関連情報に基づいて薬包配置情報記憶手段33から情報が読みだされる薬剤配置確認システムである。
また第五実施形態は、セット具特定表示と薬剤包装特定情報によって各薬剤包装7が、正しい位置に収容されているか否かを判定するものであると言える。
【0091】
また第一実施形態の様に本部装置21を活用し、薬包・セット具関連情報やセット位置関連情報を投薬カレンダー1側に付してもよい(第六実施形態)。
例えば投薬カレンダー1の二次元バーコード等に書き込む薬包・セット具関連情報をより簡便なものとし、投薬カレンダー1の薬包・セット具関連情報を検索キーとして本部装置21の薬包配置情報記憶手段33から保持すべき薬剤包装7を特定する。
【0092】
さらに投薬カレンダー1の二次元バーコード等に書き込むセット位置関連情報をより簡便なものとし、セット位置関連情報を検索キーとして本部装置21の薬包配置情報記憶手段33から薬剤包装7の基材2に対する位置を読み出す。
一方、撮影された映像から、薬剤包装7の基材2に対する位置を検知する。そして両者を比較して、各薬剤包装7が、正しい位置に収容されているか否かを判定する。
【0093】
第六実施形態でも、薬包配置情報記憶手段33があり、当該薬包配置情報記憶手段33に薬剤包装と薬剤包装が保持される薬剤セット具1,40,41,55の組み合わせ情報と、薬剤セット具1,40,41,55に保持される薬剤包装7と薬剤セット具1,40,41,55との相対位置が記憶されている。
第六実施形態は、薬包・セット具関連情報とセット位置関連情報は、薬剤セット具1,40,41,55に付されており、薬包・セット具関連情報とセット位置関連情報に基づいて薬包配置情報記憶手段33から情報が読みだされる薬剤配置確認システムである。
【0094】
本部装置21を活用する場合でも、薬包・セット具関連情報とセット位置関連情報のいずれか一方が投薬カレンダー1,40,41,55に付され、他方が薬剤包装7側に付されていてもよい。
また薬包・セット具関連情報とセット位置関連情報のいずれか一方が簡便なものであってもよい。
【0095】
さらには、薬剤包装7や投薬カレンダー1には、薬包・セット具関連情報やセット位置関連情報を付さず、薬剤包装7には単に各薬剤包装7を特定する薬剤包装特定情報を付し、投薬カレンダー1には、セット具特定表示17を付し、これらを検索キーとして薬包配置情報記憶手段33から必要な情報を読み出してもよい(第七実施形態)。
【0096】
例えば各薬剤包装7の薬剤包装特定情報や使用者用法特定文様15たる二次元バーコードから読みだされた薬剤包装7の識別子を検索キーとして、本部装置21の薬包配置情報記憶手段33から薬包・セット具関連情報やセット位置関連情報を読み出す。
あるいは投薬カレンダー1には、セット具特定表示17たる二次元バーコードから読みだされた特定の投薬カレンダー1を示す識別子を検索キーとして、本部装置21の薬包配置情報記憶手段33から薬包・セット具関連情報やセット位置関連情報を読み出す。
【0097】
第七実施形態では、例えば薬剤包装7には単に各薬剤包装7を特定する識別子たる薬剤包装特定情報が付された構成であってもよい。第七実施形態では、撮影手段18による撮影によって各薬剤包装7の識別子を読み込みむ。前記した識別子によって薬剤包装7が特定されるから、薬包配置情報記憶手段33から当該識別子に該当する薬剤包装7を保持させるべき投薬カレンダー1を撮影された薬剤包装7ごとに特定し、さらに投薬カレンダー1の対応する薬剤収容部3に各薬剤包装7が正しく収容された状態のレイアウトに関する情報(正規位置情報)薬包配置情報記憶手段33から取得する。
また投薬カレンダー1には、当該薬剤セット具の識別子たるセット具特定表示17がある。第七実施形態では、薬剤包装7ごとに特定された投薬カレンダー1と、撮影された投薬カレンダーのセット具特定表示17を比較し、薬剤包装7と投薬カレンダー1との関係を確認する。
さらに撮影された映像から得られた、現実の各薬剤包装のレイアウトと、薬包配置情報記憶手段33から取得した正規位置情報を比較して、各薬剤包装7が、正しい位置に収容されているか否かを判定する。
【0098】
第七実施形態では、薬剤包装7の視認可能な位置に薬剤包装7を特定する薬剤包装特定情報が付されており、薬剤セット具1,40,41,55には、視認可能な位置に薬剤セット具1,40,41,55を特定する情報を含むセット具特定表示17が付されている。
第七実施形態でも薬包配置情報記憶手段33があり、当該薬包配置情報記憶手段33に薬剤包装7と薬剤包装7が保持される薬剤セット具1,40,41,55の組み合わせ情報と、薬剤セット具1,40,41,55に保持される薬剤包装7と薬剤セット具1,40,41,55との相対位置が記憶されている。
第七実施形態は、撮影手段18によって各薬剤包装7が薬剤セット具1,40,41,55の薬剤収容部3に収容された状態を撮影可能であり、撮影された薬剤包装特定情報と、セット具特定表示17に基づいて薬包配置情報記憶手段33から情報が読み出され、撮影された薬剤包装7の位置と比較して撮影された薬剤セット具1,40,41,55に保持された各薬剤包装7が、正規の薬剤セット具の服用者と服用のタイミングに対応した位置に正しく収容されているか否かを判定する薬剤配置確認システムである。
【0099】
薬包・セット具関連情報とセット位置関連情報のいずれか一方が、投薬カレンダー1,40,41,55に付されたセット具特定表示17の識別子を検索キーとして、本部装置21の薬包配置情報記憶手段33から読みだされ、他方が薬剤包装7の薬剤包装特定情報(例えば識別子)を検索キーとして、本部装置21の薬包配置情報記憶手段33から読みだされてもよい(第八実施形態)。
【0100】
上記した第一乃至第八実施形態では、セット具特定表示17と、薬包・セット具関連情報によって、投薬カレンダー1等と、これに装着される薬剤包装7等を関連付けたが、より簡便な方策として、セット具特定表示17と、薬包・セット具関連情報を無くし、セット位置関連情報だけで、薬剤包装7が、正規の位置に正しく収容されているか否かを判定するものであってもよい。
薬剤包装7が正しい薬剤収容部3に収容されていることをチェックする方法としては、次の方法がある(第九実施形態)。
第九実施形態では、セット位置関連情報は、薬剤包装7側に設ける。セット位置関連情報は、基材2のどの位置に当該薬剤包装7が保持されるのか、例えば基材2の上辺、側辺等の複数の基準位置から、どれだけ離れた位置に薬剤包装7が保持されるのかを示す位置情報である。
【0101】
セット位置関連情報は、位置情報に限定されるものではなく、例えば、投薬カレンダー1等の薬剤収容部3を具体的に特定するものであってもよい。例えば、
図14のa-1、a-2の薬剤包装7の様に、セット位置関連情報70として、「2行目2番」や「2:2」の様に投薬カレンダーのマトリックス形状(行列状)を意味する文字や記号とする。ここで「2行目2番」や「2:2」は、投薬カレンダーの上から2行目であって、左から2列目を意味し、例えば
図1の投薬カレンダー1であれば、火曜日昼用の薬剤包装7が収容される薬剤収容部3を示している。また
図6の様な多人数用の投薬カレンダー40であれば、早田が昼に服用する薬剤包装7が収容される薬剤収容部3を示している。同様に
図8の投薬カレンダー41であれば、山本が服用する薬剤包装7が収容される薬剤収容部3を示している。
【0102】
セット位置関連情報70は、薬剤収容部3が特定されれば足りるから、例えば
図14(b-1)(b-2)に示す様な番号であってもよい。番号は、例えば投薬カレンダーの薬剤収容部3に順番に番号を付した場合の位置を示す番号である。
例えばセット位置関連情報70が6番であり、例えば
図1の投薬カレンダー1であれば、火曜日昼用の薬剤包装7が収容される薬剤収容部3を示している。また
図6の様な多人数用の投薬カレンダー40であれば、早田が昼に服用する薬剤包装7が収容される薬剤収容部3を示している。
セット位置関連情報70は、例えば
図14のcの様にバーコードであってもよい。また「火曜日朝」という様な文字をセット位置関連情報としてもよい。
【0103】
第九実施形態においても、携帯端末20の撮影手段18を使用して薬剤包装7が収容済の投薬カレンダー1を撮影する。
そして撮影された映像から、現実の各薬剤包装のレイアウトの情報を取得する。そして各薬剤包装7がセット位置関連情報70の通りの位置にあるか否かが確認される。
第九実施形態では、投薬カレンダーの適否は判断できないが、薬剤包装7が正しい位置にあるか否かについては判断できる。
【0104】
第九実施形態は、薬剤包装7の視認可能な位置に、薬剤セット具1に保持されるべき薬剤包装7の位置に関連するセット位置関連情報70が付されており、撮影手段によって各薬剤包装7が薬剤セット具1の薬剤収容部3に収容された状態を撮影可能であり、撮影されたセット位置関連情報70と、撮影された薬剤包装の位置によって、撮影された薬剤セット具1に保持された各薬剤包装7が、薬剤セット具1に正しく収容されているか否かを判定する薬剤配置確認システムである。
【0105】
以上説明した第一乃至第九実施形態は、撮影は、投薬カレンダー1の全体を一画面として行うが、投薬カレンダー1をエリアに分けて撮影してもよい。例えば、各行や各列を順番に撮影してもよい。また各薬剤収容部ごとに、撮影してもよい。例えば
図13の矢印に示す様に、じぐざく状に撮影を進めてゆく。
いずれにしても、予め設定された順番に撮影を行い、本部装置21から取得した正規位置情報と予め設定された順番に沿って比較してゆく。
【符号の説明】
【0106】
1,40,41,55 投薬カレンダー(薬剤セット具)
3 薬剤収容部
7,52 薬剤包装
11 服用者特定表示
12 服用タイミング特定表示
15 使用者用法特定文様
16 薬剤配置確認システム
17 セット具特定表示
18 カメラ(撮影手段)
20 携帯端末
21 本部装置
22 コンピュータ
27 コンピュータ
28 比較手段
51 薬包配置情報記憶手段
57 配置情報設置ポケット
60 薬剤収容部指定表示
61 図形片
63 図形片
65 薬剤収容部特定表示
70 セット位置関連情報