(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-19
(45)【発行日】2022-10-27
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
A01D 69/00 20060101AFI20221020BHJP
A01D 69/03 20060101ALI20221020BHJP
A01D 41/12 20060101ALI20221020BHJP
A01D 69/06 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
A01D69/00 303Z
A01D69/03
A01D41/12 D
A01D69/06
(21)【出願番号】P 2020195796
(22)【出願日】2020-11-26
【審査請求日】2020-12-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長友 伸晃
【審査官】中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-161089(JP,A)
【文献】特開2010-051245(JP,A)
【文献】特許第4025412(JP,B2)
【文献】特開平06-058411(JP,A)
【文献】特開平06-042635(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0236853(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 41/00 - 41/16
A01D 67/00 - 69/12
F16H 61/38 - 61/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン(E)を搭載した機体フレーム(1)の下側に走行装置(2)を設け、該機体フレーム(1)の前側に刈取装置(3)を設け、該刈取装置(3)の後方に操縦部(5)を設けたコンバインにおいて、
前記エンジン(E)と走行装置(2)の伝動経路の間に、前記エンジン(E)の出力回転速度の増減速と回転方向の切替えを行う無段変速装置(27)を設け、
前記操縦部(5)のサイドパネル(11)に、前記無段変速装置(27)を操作する変速レバー(25)を設け、
前記変速レバー(25)を前側傾斜姿勢又は後側傾斜姿勢から中立姿勢に操作した場合における走行装置(2)の走行速度が、設定走行速度(V)以下の低速の場合には、第1制動時間(T1)を
予め設定して、前記設定走行速度(V)よりも高速の場合には、前記第1制動時間(T1)よりも長い第2制動時間(T2)を
予め設定し、
前記走行装置(2)に伝動される無段変速装置(27)から出力される回転速度を、前記第1制動時間(T1)又は第2制動時間(T2)内に停止する構成
と、
前記変速レバー(25)を前側傾斜姿勢又は後側傾斜姿勢から中立姿勢に操作した場合における無段変速装置(27)の油圧に基づいて制動時間(T)を算出して、
前記走行装置(2)に伝動される無段変速装置(27)から出力される回転速度を、前記制動時間(T)内に停止する構成と備えることを特徴とするコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行装置の走行速度の増減速を行う無段変速装置を備えたコンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のコンバインにおいて、圃場や穀稈の状態に合わせて変速レバーを操作して走行装置の走行速度の増減速を行う技術が知られている。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術では、変速レバーを走行装置の走行速度を増速させている前側傾斜姿勢から中立姿勢に操作した場合には、走行装置の急停止に伴う反動による大きな衝撃が機体に加わる恐れがあった。
【0005】
そこで、本発明の主たる課題は、機体に加わる走行装置の停止に伴う反動による衝撃を低減したコンバインを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
すなわち、請求項1記載の発明は、エンジン(E)を搭載した機体フレーム(1)の下側に走行装置(2)を設け、該機体フレーム(1)の前側に刈取装置(3)を設け、該刈取装置(3)の後方に操縦部(5)を設けたコンバインにおいて、
前記エンジン(E)と走行装置(2)の伝動経路の間に、前記エンジン(E)の出力回転速度の増減速と回転方向の切替えを行う無段変速装置(27)を設け、前記操縦部(5)のサイドパネル(11)に、前記無段変速装置(27)を操作する変速レバー(25)を設け、前記変速レバー(25)を前側傾斜姿勢又は後側傾斜姿勢から中立姿勢に操作した場合における走行装置(2)の走行速度が、設定走行速度(V)以下の低速の場合には、第1制動時間(T1)を予め設定して、前記設定走行速度(V)よりも高速の場合には、前記第1制動時間(T1)よりも長い第2制動時間(T2)を予め設定し、前記走行装置(2)に伝動される無段変速装置(27)から出力される回転速度を、前記第1制動時間(T1)又は第2制動時間(T2)内に停止する構成と、前記変速レバー(25)を前側傾斜姿勢又は後側傾斜姿勢から中立姿勢に操作した場合における無段変速装置(27)の油圧に基づいて制動時間(T)を算出して、前記走行装置(2)に伝動される無段変速装置(27)から出力される回転速度を、前記制動時間(T)内に停止する構成と備えることを特徴とするコンバインである。
【0007】
【0008】
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、エンジン(E)と走行装置(2)の伝動経路の間に、エンジン(E)の出力回転速度の増減速と回転方向の切替えを行う無段変速装置(27)を設け、操縦部(5)のサイドパネル(11)に、無段変速装置(27)を操作する変速レバー(25)を設け、変速レバー(25)を前側傾斜姿勢又は後側傾斜姿勢から中立姿勢に操作した場合における走行装置(2)の走行速度が、設定走行速度(V)以下の低速の場合には、第1制動時間(T1)を予め設定して、設定走行速度(V)よりも高速の場合には、第1制動時間(T1)よりも長い第2制動時間(T2)を予め設定し、走行装置(2)に伝動される無段変速装置(27)から出力される回転速度を、第1制動時間(T1)又は第2制動時間(T2)内に停止する構成と、変速レバー(25)を前側傾斜姿勢又は後側傾斜姿勢から中立姿勢に操作した場合における無段変速装置(27)の油圧に基づいて制動時間(T)を算出して、走行装置(2)に伝動される無段変速装置(27)から出力される回転速度を、制動時間(T)内に停止する構成と備えるので、走行装置(2)の走行速度が設定走行速度(V)以下の低速の場合には、走行装置(2)を短時間に停止させることができる。また、走行装置(2)の走行速度が設定走行速度(V)よりも高速の場合には、走行装置(2)の急停止の反動に伴う衝撃を軽減することができる。
【0010】
【0011】
変速レバー(25)を中立姿勢にした操作した操作時の無段変速装置(27)の負荷を示す油圧に応じて、より適切な制動時間(T)を設定することができ、走行装置(2)をより短時間に、且つ、走行装置(2)の急停止の反動に伴う衝撃をより軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図5】無段変速装置のトラニオン軸の回動方法の説明図である。
【
図7】無段変速装置から出力される回転速度の減速方法の説明図であり、(a)は回転速度が遅い場合、(b)は回転速度が速い場合を示している。
【
図8】走行装置の走行速度に基づいて無段変速装置から出力される回転速度をゼロにする制動時間を設定する説明図である。
【
図9】無段変速装置の負荷に基づいて無段変速装置から出力される回転速度をゼロにする制動時間を設定する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1~3に示すように、コンバインは、機体フレーム1の下側に土壌面を走行する左右一対のクローラからなる走行装置2が設けられ、機体フレーム1の前側に圃場の穀稈を収穫する刈取装置3が設けられている。また、刈取装置3の後方左側部に刈取装置3で収穫された穀稈を脱穀・選別処理する脱穀装置4が設けられ、刈取装置3の後方右側部に操縦者が搭乗する操縦部5が設けられている。
【0014】
操縦部5の下側には、エンジンを搭載するエンジンルーム6が設けられ、操縦部5の後側には、脱穀装置4で脱穀・選別処理された穀粒を貯留するグレンタンク7が設けられ、グレンタンク7に貯留された穀粒は、グレンタンク7に連結された排出オーガ(図示省略)によって外部に排出される。
【0015】
操縦部5の操縦席の前方には、フロントパネル10が設けられ、操縦席の左方には、サイドパネル11が設けられている。
【0016】
フロントパネル10の左部には、走行装置2の走行速度等の表示、後述する設定走行速度V、第1制動時間T1、第1制動時間T1よりも長い第2制動時間T2を入力可能なタッチパネル式のモニタ21が設けられ、右部には、走行装置2の旋回や刈取装置3の昇降を操作する操作レバー22が設けられている。
【0017】
サイドパネル11の前部には、エンジンから出力された出力回転速度の増減速と回転方向の切替えを行う無段変速装置27を操作する主変速レバー(請求項における「変速レバー」)25が設けられ、主変速レバー25の後側には、無段変速装置27から出力された回転速度の増減速を行うトランスミッション28を操作する副変速レバー26が設けられている。
【0018】
主変速レバー25の操作角度は、主変速レバー25の下部に装着されたポテンションメータ等の角度センサ25Aで測定され、副変速レバー26の操作角樋は、副変速レバー26の下部に装着されたポテンションメータ等の角度センサ26Aで測定されている。また、無段変速装置27の負荷は、無段変速装置27内の油圧を測定する無段変速装置27に装着された圧力センサ27Aで測定され、トランスミッション28の出力軸43の回転速度、すなわち、走行装置2の走行速度は、トランスミッション28に装着された回転センサ28Aで測定されている。
【0019】
図4に示すように、エンジンから出力された出力回転速度は、プーリ30を介して無段変速装置27の入力軸31に伝動される。入力軸31に伝動された回転速度は、無段変速装置27内で増減速等された後に、出力軸32に出力される。
【0020】
出力軸32に出力された回転速度は、出力軸32の固定されたギヤ33を介してギヤ34に伝動される。なお、ギヤ34は、出力軸35に回転自在に固定されている。ギヤ34に伝動された回転速度は、ギヤ36を介してカウンタ軸37に伝動される。
【0021】
カウンタ軸37に伝動された回転速度は、ギヤ40を介してギヤ41に伝動される。ギヤ41に伝動された回転速度は、ギヤ42を介して出力軸43に伝動される。出力軸43に伝送された回転速度は、走行装置2に伝動されて走行装置2を駆動する。
【0022】
カウンタ軸37に伝動された回転速度は、カウンタ軸37に固定されたギヤ50又はギヤ51を介してギヤ52に連動され、ギヤ52に伝動された回転速度は、キー(図示省略)を介して出力軸35に伝動される。
【0023】
ギヤ52は、ピッチ径が異なるギヤを併設して形成されている。本実施形態では、ギヤ52は、ギヤ50に係合するギヤ52Aと、ギヤ51に係合するギヤ52Aよりもピッチ径が大きいギヤ52Bが併設されている。また、ギヤ52は、副変速レバー26で操作されるシフタ53を介して出力軸35上を左右方向に移動する。これにより、トランスミッション28の左右方向の長さを抑制することができ、無段変速装置27とトランスミッション28からなる伝動装置を小型化することができる。
【0024】
出力軸35に伝動された回転速度は、クラッチ54を介して回転軸55に伝動される。回転軸55に伝動された回転速度は、回転軸55に固定されたプーリ56、ベルト(図示省略)を介して刈取装置3に伝動されて刈取装置3を駆動する。これにより、出力軸35に伝動された回転速度を回転軸55に簡易な構造で伝動、又は、伝動を遮断することができる。なお、クラッチ54としては、出力軸35に伝動された回転速度は回転軸55に伝動可能であるが、回転軸55に伝動された回転速度は出力軸35に伝動することができないワンウエイクラッチを使用するのが好ましい。
【0025】
図5に示すように、無段変速装置27のトラニオン軸60には、扇形ギヤ61が支持され、扇形ギヤ61の外周部に形成されたギヤには、前進用モータ62の出力軸に設けられたキヤ62Aと、後進用モータ63の出力軸に設けられたキヤ62Aが係合している。これにより、主変速レバー25の操作角度を測定する角度センサ25Aの測定値に基づいて前進用モータ62と後進用モータ63を駆動して無段変速装置27のトラニオン軸60を回動してエンジンから出力された出力回転速度の増減速と回転方向の切替えを行うことができる。
【0026】
また、
図5には、無段変速装置27のトラニオン軸60を扇形ギヤ61を介して前進用モータ62と後進用モータ63で回動させる形態を図示しているが、無段変速装置27のトラニオン軸60にアームを支持し、このアームの外周部に前進用ソレノイドで駆動される前進用シリンダと後進用ソレノイドで駆動される後進用シリンダを連結する形態にすることもできる。
【0027】
主変速レバー25を中立姿勢にした場合には、無段変速装置27から出力される回転速度はゼロになる。主変速レバー25を中立姿勢から前側傾斜姿勢した場合には、無段変速装置27から出力される回転方向はエンジンから伝動された回転方向と同じ正回転となり、前側傾斜姿勢の傾斜角度が大きくなると無段変速装置27から出力される回転速度が速くなり、前側傾斜姿勢の傾斜角度が小さくなると無段変速装置27から出力される回転速度が遅くなる。主変速レバー25を中立姿勢から後側傾斜姿勢した場合には、無段変速装置27から出力される回転方向はエンジンから伝動された回転方向と逆さの逆回転となり、後側傾斜姿勢の傾斜角度が大きくなると無段変速装置27から出力される回転速度が速くなり、後側傾斜姿勢の傾斜角度が小さくなると無段変速装置27から出力される回転速度が遅くなる。
【0028】
副変速レバー26を低速位置に傾斜させた場合には、無段変速装置27から伝動された回転速度はトランスミッション28で減速されて走行装置2や刈取装置3に伝動され、中速位置に傾斜させた場合には、無段変速装置27から伝動された回転速度は増減速されず走行装置2や刈取装置3に伝動され、高速位置に傾斜させた場合には、無段変速装置27から伝動された回転速度は増速されて走行装置2や刈取装置3に伝動される。
【0029】
<コントローラの接続図>
図6に示すように、コンバインの制御装置15は、CPU等からなる処理部16と、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等からなる記憶部17から形成されている。
【0030】
処理部16は、設定された第1制動時間T1、第2制動時間T2に基づいて前進用モータ62と後進用モータ63を駆動して第1制動時間T1、第2制動時間T2内に無段変速装置27の出力軸32から出力される回転速度をゼロにする。これにより、主変速レバー25を前側傾斜姿勢から中立姿勢に操作した場合や後側傾斜姿勢から中立姿勢に操作した場合の衝撃を低減することができる。
【0031】
記憶部17には、主変速レバー25を中立姿勢にした場合における回転センサ28Aの測定値に基づいて無段変速装置27の出力軸32から出力される回転速度がゼロになるまでの第1制動時間T1、第2制動時間T2等が保存されている。
【0032】
制御装置15の入力側には、第1制動時間T1、第2制動時間T2等を入力するモニタ20と、主変速レバー25の傾斜角度を測定する角度センサ25Aと、副変速レバー26の傾斜角度を測定する角度センサ26Aと、無段変速装置27の油圧を測定する圧力センサ27Aと、トランスミッション28の出力軸43の回転速度を測定する回転センサ28Aが所定の入力インターフェース回路を介して接続されている。
【0033】
制御装置15の出力側には、無段変速装置27のトラニオン軸60を回動させる前進用モータ62と後進用モータ63が所定の出力インターフェース回路を介して接続されている。
【0034】
<走行装置の停止方法>
先ず、制御装置15の処理部16は、主変速レバー25を前側傾斜姿勢又は後側傾斜姿勢から中立姿勢に操作されて角度センサ25Aの測定値が予め設定した中立姿勢時の設定値になった場合には、トランスミッション28に装着された回転センサ28Aの測定値、すなわち、走行装置2の走行速度を読取る。
【0035】
次に、処理部16は、走行装置2の走行速度が予め設定した設定走行速度V以下と判断した場合には、
図7(a)に示すように、前進用モータ62と後進用モータ63を駆動して予め設定された第1制動時間T1内に走行装置2の走行速度をゼロ、すなわち、無段変速装置から出力される回転速度をゼロにする。これより、走行装置2の走行速度が設定走行速度以下の場合には、走行装置2を短時間に停止させることができる。
【0036】
一方、処理部16は、走行装置2の走行速度が予め設定した設定走行速度Vよりも速いと判断した場合には、
図7(b)に示すように、前進用モータ62と後進用モータ63を駆動して第2制動時間T2内に走行装置2の走行速度をゼロ、すなわち、無段変速装置から出力される回転速度をゼロにする。これより、走行装置2の走行速度が設定走行速度よりも速い場合には、走行装置2の急停止の反動に伴う衝撃を軽減することができる。
【0037】
設定走行速度V、第1制動時間T1、第2制動時間T2は、操縦部5のモニタ20によって入力することができる。これにより、土壌の状態、刈取る穀稈の種類に応じて設定走行速度V等を容易に変更することができる。
【0038】
また、主変速レバー25を前側傾斜姿勢から中立姿勢に操作した後に、主変速レバー25を中立姿勢から後側傾斜姿勢に操作した場合、あるいは、主変速レバー25を後側傾斜姿勢から中立姿勢に操作した後に、主変速レバー25を中立姿勢から前側傾斜姿勢に操作した場合には、所定の時間が経過するまで前進用モータ62と後進用モータ63は駆動を牽制するこが好まし。これにより、メカロックを防止して、前進用モータ62と後進用モータ63の破損を防止することができる。
【0039】
図8に示すように、主変速レバー25を前側傾斜姿勢又は後側傾斜姿勢から中立姿勢に操作されて角度センサ25Aの測定値が予め設定した中立姿勢時の設定値になった場合におけるトランスミッション28に装着された回転センサ28Aの測定値、すなわち、走行装置2の走行速度に基づいて制動時間Tを算出するのが好ましい。これにより、主変速レバー25を中立姿勢にした操作した操作時の走行装置2の走行速度に応じて、より適切な制動時間Tを設定することができ、走行装置2をより短時間に、且つ、走行装置2の急停止による衝撃をより軽減することができる。
【0040】
図9に示すように、主変速レバー25を前側傾斜姿勢又は後側傾斜姿勢から中立姿勢に操作されて角度センサ25Aの測定値が予め設定した中立姿勢時の設定値になった場合における無段変速装置27に装着された圧力センサ27Aの測定値、すなわち、無段変速装置27の負荷を示す油圧に基づいて制動時間Tを算出するのが好ましい。これにより、主変速レバー25を中立姿勢にした操作した操作時の無段変速装置27の負荷に応じて、より適切な制動時間Tを設定することができ、走行装置2をより短時間に、且つ、走行装置2の急停止による衝撃をより軽減することができる。なお、無段変速装置27の負荷が高い場合には、概して走行装置2の走行速度が速く、無段変速装置27の負荷が低い場合には、概して走行装置2の走行速度は遅い。
【0041】
<制御装置の接続>
図10に示すように、制御装置15は、主制御装置15Aと、主制御装置15Aと同一の機能を有する副制御装置15Bが並列に接続され、スイッチ65を切替えて主制御装置15Aと副制御装置15Bを選択して使用することができる。これにより、主制御装置15Aに短絡等の故障が発生した場合には、スイッチ65を切替えて副制御装置15Bすることができるので機器の信頼性を高めることができる。
【0042】
主制御装置15Aと副制御装置15Bの出力側には、無段変速装置27から出力される回転速度の増減速を行う前進用モータ62、後進用モータ63と、副変速モータ64が出力インターフェース回路を介して接続されている。
【符号の説明】
【0043】
1 機体フレーム
2 走行装置
3 刈取装置
5 操縦部
11 サイドパネル
25 主変速レバー(変速レバー)
27 無段変速装置
E エンジン
T 制動時間
T1 第1制動時間
T2 第2制動時間
V 設定走行速度