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特許7161748マグナス式推力発生装置、前記マグナス式推力発生装置を用いた風力回転装置、水力回転装置、潮力回転装置、ならびに前記マグナス式推力発生装置を用いた風力発電機、水力発電機、潮力発電機
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  • 特許-マグナス式推力発生装置、前記マグナス式推力発生装置を用いた風力回転装置、水力回転装置、潮力回転装置、ならびに前記マグナス式推力発生装置を用いた風力発電機、水力発電機、潮力発電機 図1
  • 特許-マグナス式推力発生装置、前記マグナス式推力発生装置を用いた風力回転装置、水力回転装置、潮力回転装置、ならびに前記マグナス式推力発生装置を用いた風力発電機、水力発電機、潮力発電機 図2
  • 特許-マグナス式推力発生装置、前記マグナス式推力発生装置を用いた風力回転装置、水力回転装置、潮力回転装置、ならびに前記マグナス式推力発生装置を用いた風力発電機、水力発電機、潮力発電機 図3
  • 特許-マグナス式推力発生装置、前記マグナス式推力発生装置を用いた風力回転装置、水力回転装置、潮力回転装置、ならびに前記マグナス式推力発生装置を用いた風力発電機、水力発電機、潮力発電機 図4
  • 特許-マグナス式推力発生装置、前記マグナス式推力発生装置を用いた風力回転装置、水力回転装置、潮力回転装置、ならびに前記マグナス式推力発生装置を用いた風力発電機、水力発電機、潮力発電機 図5
  • 特許-マグナス式推力発生装置、前記マグナス式推力発生装置を用いた風力回転装置、水力回転装置、潮力回転装置、ならびに前記マグナス式推力発生装置を用いた風力発電機、水力発電機、潮力発電機 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-19
(45)【発行日】2022-10-27
(54)【発明の名称】マグナス式推力発生装置、前記マグナス式推力発生装置を用いた風力回転装置、水力回転装置、潮力回転装置、ならびに前記マグナス式推力発生装置を用いた風力発電機、水力発電機、潮力発電機
(51)【国際特許分類】
   F03D 3/06 20060101AFI20221020BHJP
   F03D 13/20 20160101ALI20221020BHJP
【FI】
F03D3/06 H
F03D13/20
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018138434
(22)【出願日】2018-07-24
(65)【公開番号】P2020016169
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】515043772
【氏名又は名称】株式会社チャレナジー
(74)【代理人】
【識別番号】100214260
【弁理士】
【氏名又は名称】相羽 昌孝
(74)【代理人】
【識別番号】100139103
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 卓志
(74)【代理人】
【識別番号】100139114
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 貞嗣
(72)【発明者】
【氏名】清水 敦史
【審査官】吉田 昌弘
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/014848(WO,A1)
【文献】特開2013-070190(JP,A)
【文献】国際公開第2017/002757(WO,A1)
【文献】[石田雅也、スマートジャパン],“エネルギー列島2016年版(47)沖縄 台風に負けない風力発電に挑戦、バイオマスで島のCO2を減らす”,[online],[令和4年3月14日検索],アイティメディア株式会社,2017年03月21日,インターネット<URL:https://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1703/21/news031.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 3/06
F03D 13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持筐体と、
前記支持筐体に対して第1の回転軸を中心として回転可能な回転部と、
前記第1の回転軸に対して平行な第2の回転軸を中心として自転可能な複数の円筒翼と、
前記回転部に固定されることで前記第1の回転軸を中心として回転可能であって、前記第1の回転軸を中心とする円周上に前記複数の円筒翼の各々を軸支する支持部と、を備え、
前記支持部は、
前記複数の円筒翼の一端部をそれぞれ軸支する複数の第1の支持部と、
前記複数の円筒翼の他端部をそれぞれ軸支する複数の第2の支持部と、
前記回転部に固定される固定部と、
前記固定部と前記複数の第1の支持部の各々とを連結する複数の第1のアーム部と、
前記固定部と前記複数の第2の支持部の各々とを連結する複数の第2のアーム部と、
を備え、
前記複数の円筒翼の各々に連結された前記第1のアーム部及び前記第2のアーム部の各組において、前記第1のアーム部における前記固定部側の端部と、前記第2のアーム部における前記固定部側の端部と一体として形成されて、その一体として形成された前記第1のアーム部及び前記第2のアーム部が前記固定部に連結された、
ことを特徴とするマグナス式推力発生装置。
【請求項2】
前記支持部は、
前記複数の円筒翼の各々に連結された前記第1のアーム部及び前記第2のアーム部の各組において、前記第1のアーム部における中間部分と前記第2のアーム部における中間部分とを連結する複数の第1の連結アーム部を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のマグナス式推力発生装置。
【請求項3】
支持筐体と、
前記支持筐体に対して第1の回転軸を中心として回転可能な回転部と、
前記第1の回転軸に対して平行な第2の回転軸を中心として自転可能な複数の円筒翼と、
前記回転部に固定されることで前記第1の回転軸を中心として回転可能であって、前記第1の回転軸を中心とする円周上に前記複数の円筒翼の各々を軸支する支持部と、を備え、
前記支持部は、
前記複数の円筒翼の一端部をそれぞれ軸支する複数の第1の支持部と、
前記複数の円筒翼の他端部をそれぞれ軸支する複数の第2の支持部と、
前記回転部に固定される固定部と、
前記固定部と前記複数の第1の支持部の各々とを連結する複数の第1のアーム部と、
前記固定部と前記複数の第2の支持部の各々とを連結する複数の第2のアーム部と、
前記複数の円筒翼の各々に連結された前記第1のアーム部及び前記第2のアーム部の各組において、前記第1のアーム部における中間部分と前記第2のアーム部における中間部分とを連結する複数の第1の連結アーム部と、を備える、
ことを特徴とするマグナス式推力発生装置。
【請求項4】
前記支持部は、
前記固定部と前記複数の第1の連結アーム部の各々における中間部分とを連結する複数の第2の連結アーム部を備える、
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のマグナス式推力発生装置。
【請求項5】
前記支持部は、
隣接する円筒翼の各々を軸支する前記第1の支持部の各組において、前記第1の支持部同士を連結する複数の第3の連結アーム部と、
隣接する円筒翼の各々を軸支する前記第2の支持部の各組において、前記第2の支持部同士を連結する複数の第4の連結アーム部と、を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載のマグナス式推力発生装置。
【請求項6】
前記支持部は、
隣接する円筒翼の各々に連結された前記第1のアーム部の各組において、前記第1のアーム部における中間部分同士を連結する複数の第5の連結アーム部と、
隣接する円筒翼の各々に連結された前記第2のアーム部の各組において、前記第2のアーム部における中間部分同士を連結する複数の第6の連結アーム部と、を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載のマグナス式推力発生装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載のマグナス式推力発生装置を用いた風力回転装置、水力回転装置または潮力回転装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載のマグナス式推力発生装置を用いた風力発電機、水力発電機または潮力発電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体中で回転する略円筒形状の円筒翼が発生するマグナス力を用いたマグナス式推力発生装置、前記マグナス式推力発生装置を用いた風力回転装置、水力回転装置、潮力回転装置、ならびに前記マグナス式推力発生装置を用いた風力発電機、水力発電機、潮力発電機などの流体機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、流体中で回転する円筒翼が発生するマグナス力を利用する装置が知られている。例えば、特許文献1には、発電機軸6を中心として回転するとともに円筒翼2を軸支する支持部材4と、支持部材4上に垂設され、各個に独立して回転する複数の円筒翼2とを備え、支持部材4上に垂設される円筒翼2が発電機軸6を中心とする円周軌道上に配設される、マグナス式推力発生装置(縦軸式マグナス型風力発電装置)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-121518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、マグナス式推力発生装置において、装置の耐久性を向上させるためには、円筒翼を安定的に回転させることが重要であって、そのためには、円筒翼を支持する支持部の剛性を向上させることが要求される。
【0005】
しかし、特許文献1に開示されたマグナス式推力発生装置では、円筒翼2を支持部材4上に垂設する際に、支持部材4により円筒翼2の下部が軸支されているが、円筒翼2の上部が支持されていない。そのため、円筒翼2を支持部材4に対して垂直な状態を維持して安定的に回転させるためには、支持部材4が円筒翼2の下部を軸支している部分の剛性を向上させるしかなく、その部分の剛性を向上させる手段が制限される、という問題があった。
【0006】
また、特許文献1に開示されたマグナス式推力発生装置では、円筒翼2を大型化(長尺化、重量化)しようとした場合、円筒翼2の上部が支持されていないことから、円筒翼2の上部と下部との間に軸ずれが発生しやすく、円筒翼2を支持部材4に対して垂直な状態を維持して安定的に回転させることが困難になるため、円筒翼を軸支する軸受けの寿命が短くなる上に、装置の大型化が困難である、という問題があった。
【0007】
本発明は、装置の耐久性を向上させるとともに、装置の大型化を可能とするマグナス式推力発生装置、前記マグナス式推力発生装置を用いた風力回転装置、水力回転装置、潮力回転装置、ならびに前記マグナス式推力発生装置を用いた風力発電機、水力発電機、潮力発電機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決するものであって、本発明の一実施形態に係るマグナス式推力発生装置は、
支持筐体と、
前記支持筐体に対して第1の回転軸を中心として回転可能な回転部と、
前記第1の回転軸に対して平行な第2の回転軸を中心として自転可能な複数の円筒翼と、
前記回転部に固定されることで前記第1の回転軸を中心として回転可能であって、前記第1の回転軸を中心とする円周上に前記複数の円筒翼の各々を軸支する支持部と、を備え、
前記支持部は、
前記複数の円筒翼の一端部をそれぞれ軸支する複数の第1の支持部と、
前記複数の円筒翼の他端部をそれぞれ軸支する複数の第2の支持部と、
前記回転部に固定される固定部と、
前記固定部と前記複数の第1の支持部の各々とを連結する複数の第1のアーム部と、
前記固定部と前記複数の第2の支持部の各々とを連結する複数の第2のアーム部と、を備え、
前記複数の円筒翼の各々に連結された前記第1のアーム部及び前記第2のアーム部の各組において、前記第1のアーム部における前記固定部側の端部と、前記第2のアーム部における前記固定部側の端部とを一体として形成した、
ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一実施形態に係るマグナス式推力発生装置は、
前記支持部は、
前記複数の円筒翼の各々に連結された前記第1のアーム部及び前記第2のアーム部の各組において、前記第1のアーム部における中間部分と前記第2のアーム部における中間部分とを連結する複数の第1の連結アーム部を備える、
ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一実施形態に係るマグナス式推力発生装置は、
支持筐体と、
前記支持筐体に対して第1の回転軸を中心として回転可能な回転部と、
前記第1の回転軸に対して平行な第2の回転軸を中心として自転可能な複数の円筒翼と、
前記回転部に固定されることで前記第1の回転軸を中心として回転可能であって、前記第1の回転軸を中心とする円周上に前記複数の円筒翼の各々を軸支する支持部と、を備え、
前記支持部は、
前記複数の円筒翼の一端部をそれぞれ軸支する複数の第1の支持部と、
前記複数の円筒翼の他端部をそれぞれ軸支する複数の第2の支持部と、
前記回転部に固定される固定部と、
前記固定部と前記複数の第1の支持部の各々とを連結する複数の第1のアーム部と、
前記固定部と前記複数の第2の支持部の各々とを連結する複数の第2のアーム部と、
前記複数の円筒翼の各々に連結された前記第1のアーム部及び前記第2のアーム部の各組において、前記第1のアーム部における中間部分と前記第2のアーム部における中間部分とを連結する複数の第1の連結アーム部と、を備える、
ことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一実施形態に係るマグナス式推力発生装置は、
前記支持部は、
前記固定部と前記複数の第1の連結アーム部の各々における中間部分とを連結する複数の第2の連結アーム部を備える、
ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一実施形態に係るマグナス式推力発生装置は、
前記支持部は、
隣接する円筒翼の各々を軸支する前記第1の支持部の各組において、前記第1の支持部同士を連結する複数の第3の連結アーム部と、
隣接する円筒翼の各々を軸支する前記第2の支持部の各組において、前記第2の支持部同士を連結する複数の第4の連結アーム部と、を備える、
ことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の一実施形態に係るマグナス式推力発生装置は、
前記支持部は、
隣接する円筒翼の各々に連結された前記第1のアーム部の各組において、前記第1のアーム部における中間部分同士を連結する複数の第5の連結アーム部と、
隣接する円筒翼の各々に連結された前記第2のアーム部の各組において、前記第2のアーム部における中間部分同士を連結する複数の第6の連結アーム部と、を備える、
ことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の一実施形態に係る風力回転装置、水力回転装置または潮力回転装置は、前記マグナス式推力発生装置を用いる。
【0015】
また、本発明の一実施形態に係る風力発電機、水力発電機または潮力発電機は、前記マグナス式推力発生装置を用いる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施形態に係るマグナス式推力発生装置によれば、複数の円筒翼の各々に連結された第1のアーム部及び第2のアーム部の各組において、第1のアーム部における固定部側の端部と、第2のアーム部における固定部側の端部とを一体として形成したものである。そのため、第1のアーム部と第2のアーム部とが強固に接合された状態で固定部に連結されることで、第1のアーム部及び第2のアーム部の剛性が向上するので、装置の耐久性を向上させることができる。また、円筒翼を支持した際に円筒翼の一端部及び他端部の間に軸ずれが発生しないように、第1のアーム部と第2のアーム部との位置合わせを精度良く行った状態で固定部に連結されることで、第1のアーム部及び第2のアーム部により第1の支持部及び第2の支持部を介してそれぞれ支持される円筒翼の一端部及び他端部の間に軸ずれが発生しにくくなるので、円筒翼を軸支する軸受けの長寿命化を可能とし、さらに装置の大型化を可能とすることができる。
【0017】
また、本発明の一実施形態に係るマグナス式推力発生装置によれば、支持部が、複数の円筒翼の各々に連結された第1のアーム部及び第2のアーム部の各組において、第1のアーム部における中間部分と第2のアーム部における中間部分とを連結する複数の第1の連結アーム部を備える。そのため、第1の連結アーム部により第1のアーム部及び第2のアーム部が連結されることで、第1のアーム部及び第2のアーム部の剛性が向上するので、装置の耐久性を向上させることができる。また、第1の連結アーム部により第1のアーム部及び第2のアーム部が連結されることで、第1のアーム部及び第2のアーム部がそれぞれ連結された第1の支持部及び第2の支持部の位置が安定し、第1の支持部及び第2の支持部がそれぞれ支持する円筒翼の一端部及び他端部の間に軸ずれが発生しにくくなるので、円筒翼を軸支する軸受けの長寿命化を可能とし、さらに装置の大型化を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1の実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機1を示す斜視図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機1の概略構成を示す概略正面図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機1の概略構成を示す概略平面図である。
図4】本発明の第2の実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機1の第1の概略構成を示す概略正面図である。
図5】本発明の第2の実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機1の第2の概略構成を示す概略正面図である。
図6】本発明の第3の実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機1において、(a)は第1の概略構成を示す概略平面図、(b)は第2の概略構成を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の具体的な実施形態を示す。実施形態はあくまで一例であり、この例に限定されるものではない。なお、以下の実施形態では、マグナス式推力発生装置の適用例の1つとして、マグナス式推力発生装置を用いた垂直軸型マグナス式風力発電機1について説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機1を示す斜視図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機1の概略構成を示す概略正面図である。図3は、本発明の第1の実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機1の概略構成を示す概略平面図である。
【0021】
垂直軸型マグナス式風力発電機1は、設置面Sに対して設置される支持筐体10と、支持筐体10の内部に配置される発電機11及び増速機12と、増速機12を介して発電機11に連結されるとともに、設置面Sに対して垂直な第1の回転軸O1を有する回転部13と、第1の回転軸O1に対して平行な第2の回転軸O2を中心として自転可能な3つの円筒翼2と、回転部13に固定されることで第1の回転軸O1を中心として回転可能であって、第1の回転軸O1を中心とする円周C上に3つの円筒翼2の各々を軸支する支持部3と、を備える。
【0022】
支持筐体10は、第1の回転軸O1と同軸状に配置される円筒状の筐体である。支持筐体10は、支持筐体10の上面100から回転部13の上端部130を突出させるとともに、第1の回転軸O1が設置面Sに対して垂直となるように、回転部13を軸支する軸受けユニット101を備える。なお、支持筐体10は、トラス状の筐体としてもよい。
【0023】
発電機11は、増速機12を介して回転部13に連結されており、回転部13が回転する際の回転エネルギーを電気エネルギーに変換することで発電するように構成されている。
【0024】
3つの円筒翼2は、図3に示すように、垂直軸型マグナス式風力発電機1を上方から見たときに、第1の回転軸O1を中心した円周C上で等間隔となるように、すなわち、正三角形の各頂点に配置される。
【0025】
また、3つの円筒翼2の各々は、第2の回転軸O2を中心として円筒翼2を時計回りに回転(自転)させる円筒翼モーター20と、円筒翼2から所定の距離だけ離間した位置に、第2の回転軸O2に対して平行となるように配置される整流板21と、を備える。また、3つの円筒翼2の各々は、第2の回転軸O2の軸方向における一端部である上部22と、第2の回転軸O2の軸方向における一端部とは反対側の他端部である下部23と、を備える。
【0026】
整流板21は、例えば、板状の形状を有し、支持部3により第1の回転軸O1を中心として回転可能に支持されている。また、整流板21は、円筒翼2が第1の回転軸O1を中心とする円周C上を時計回りに移動するとき、円筒翼2の進行方向とは反対側の位置に配置される。
【0027】
支持部3は、3つの円筒翼2の一端部である上部22をそれぞれ軸支する3つの上部支持部(第1の支持部)30と、3つの円筒翼2の他端部である下部23をそれぞれ軸支する3つの下部支持部31(第2の支持部)と、回転部13に固定される固定部32と、固定部32と3つの上部支持部30の各々とを連結する3つの上部アーム部(第1のアーム部)33と、固定部32と3つの下部支持部31の各々とを連結する3つの下部アーム部(第2のアーム部)34と、を備える。
【0028】
上部支持部30及び下部支持部31は、それらの内部に、円筒翼2の上部22及び下部23をそれぞれ軸支する軸受け(不図示)を備える。また、下部支持部31は、円筒翼モーター20の回転駆動力が円筒翼2に伝達されるように、円筒翼モーター20を支持する。
【0029】
固定部32は、回転部13の上端部130の側壁部分に固定される。固定部32は、第1の回転軸O1及び第2の回転軸O2の軸方向において、上部支持部30及び下部支持部31の間として、例えば、上部支持部30及び下部支持部31の中間に配置される。そのため、上部アーム部33は、固定部32から上部支持部30に向けて斜め上向きに配置され、下部アーム部34は、固定部32から下部支持部31に向けて斜め下向きに配置される。
【0030】
複数の円筒翼2の各々に連結された上部アーム部33及び下部アーム部34の各組において、上部アーム部33における固定部32側の端部331と、下部アーム部34における固定部32側の端部341とを一体として形成したものである。
【0031】
例えば、上部アーム部33を形成する部材と、下部アーム部34を形成する部材とを、溶接、接着、ねじ固定、圧入、リベット、ピン結合、継手等の任意の接合方法により接合することにより、上部アーム部33の端部331と、下部アーム部34の端部341とを一体として形成する。なお、上部アーム部33及び下部アーム部34を形成する1つの部材の中間位置に対して曲げ加工を行うことにより、上部アーム部33の端部331と、下部アーム部34の端部341とを一体として形成するようにしてもよい。また、上部アーム部33及び下部アーム34とは別のアーム連結部材に、上部アーム部33を形成する部材と、下部アーム部34を形成する部材とを、溶接、接着、ねじ固定、圧入、リベット、ピン結合、継手等の任意の接合方法によりそれぞれ接合することにより、上部アーム部33の端部331と、下部アーム部34の端部341とを一体として形成するようにしてもよい。
【0032】
このように一体として形成された上部アーム部33及び下部アーム部34は、溶接、接着、ねじ固定、圧入、リベット、ピン結合、継手等の任意の接合方法により、上部支持部30、下部支持部31及び固定部32に接合されることで各部を連結する。
【0033】
また、支持部3は、上記の上部支持部30、下部支持部31、固定部32、上部アーム部33、及び、下部アーム部34の間を連結する連結部4を備える。
【0034】
連結部4は、3つの円筒翼2の各々に連結された上部アーム部33及び下部アーム部34の各組において、上部アーム部33における中間部分330と下部アーム部34における中間部分340とを連結する3つの第1の連結アーム部41と、固定部32と3つの第1の連結アーム部41の各々における中間部分410とを連結する3つの第2の連結アーム部42と、を備える。
【0035】
また、連結部4は、隣接する円筒翼2の各々を軸支する上部支持部30の各組において、上部支持部30同士を連結する3つの第3の連結アーム部43と、隣接する円筒翼2の各々を軸支する下部支持部31の各組において、下部支持部31同士を連結する3つの第4の連結アーム部44と、隣接する円筒翼2の各々に連結された上部アーム部33の各組において、上部アーム部33における中間部分330同士を連結する3つの第5の連結アーム部45と、隣接する円筒翼2の各々に連結された下部アーム部34の各組において、下部アーム部34における中間部分340同士を連結する3つの第6の連結アーム部46と、を備える。なお、第1乃至第6の連結アーム部41~46は、それらのうち少なくとも1つの連結アーム部を省略するようにしてもよい。
【0036】
第1乃至第6の連結アーム部41~46は、溶接、接着、ねじ固定、圧入、リベット、ピン結合、継手等の任意の接合方法により各部に接合されることで各部を連結する。
【0037】
3つの第1の連結アーム部41は、第1の回転軸O1及び第2の回転軸O2に対して平行に配置される。3つの第2の連結アーム部42、3つの第3の連結アーム部43、3つの第4の連結アーム部44、及び、3つの第5の連結アーム部45は、水平方向に配置される。
【0038】
3つの第3の連結アーム部43、及び、3つの第5の連結アーム部45は、図3に示すように、垂直軸型マグナス式風力発電機1を上方から見たときに、正三角形をそれぞれ形成する。3つの第3の連結アーム部43が形成する正三角形の内側に、3つの第5の連結アーム部45が形成する正三角形が配置される。また、3つの第4の連結アーム部44、及び、3つの第6の連結アーム部46についても、同様に、正三角形をそれぞれ形成し、3つの第4の連結アーム部44が形成する正三角形の内側に、3つの第6の連結アーム部46が形成する正三角形が配置される。
【0039】
なお、第3乃至第6の連結アーム部43~46は、上記のように、正三角形を形成するように配置することに代えて、筐体10との干渉を回避するために、例えば、おにぎり状のような略三角形を形成するように配置してもよく、第1の回転軸O1の径方向外側に膨らむように、各辺の一部を湾曲させたり、屈曲させたりしてもよいし、各頂点に丸みを付けるようにしてもよい。
【0040】
また、上部アーム部33における中間部分330は、上部支持部30と固定部32との中間部分にあればよく、中央の部分でもよいし、上部支持部30寄りの部分でもよいし、固定部32寄りの部分でもよい。また、下部アーム部34における中間部分340は、下部支持部31と固定部32との中間部分にあればよく、中央の部分でもよいし、下部支持部31寄りの部分でもよいし、固定部32寄りの部分でもよい。さらに、第1の連結アーム部41が連結される上部アーム部33の中間部分の位置と、第5の連結アーム部45が連結される上部アーム部33の中間部分の位置とは異なる位置であってもよいし、同様に、第1の連結アーム部41が連結される下部アーム部34の中間部分の位置と、第6の連結アーム部46が連結される下部アーム部34の中間部分の位置とは異なる位置であってもよい。
【0041】
さらに、第3乃至第6の連結アーム部43~46のいずれかにおける中間部分と、固定部32とを連結する第8の連結アーム部をさらに備えるようにしてもよい。さらに、第3乃至第6の連結アーム部43~46のうち、同一種類の連結アーム部における中間部分同士(例えば、第3の連結アーム43の中間部分と、別の第3の連結アーム43の中間部分)を連結する第9の連結アームをさらに備えるようにしてもよいし、異なる種類の連結アーム部における中間部分同士(例えば、第3の連結アーム43の中間部分と、第5の連結アーム45の中間部分)を連結する第10の連結アームをさらに備えるようにしてもよい。
【0042】
支持部3を構成する上部アーム部33及び下部アーム部34、並びに連結部4を構成する第1乃至第6の連結アーム部41~46は、例えば、スチール、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金等の金属材料や、炭素繊維強化樹脂、ガラス繊維強化樹脂等の樹脂材料を用いて、例えば、円形、楕円形、多角形等の任意の断面形状を有する管状部材、例えば、L型、H型、I型等の任意の断面形状を有する板状部材、又は、ワイヤー部材として形成されている。管状部材又は板状部材として形成する場合には、長尺方向に沿ってリブ等の補強部を設けるようにしてもよい。
【0043】
なお、上部アーム部33及び下部アーム部34並びに第1乃至第6の連結アーム部41~46は、各部が配置される場所や各部が支持する荷重に応じて、
各部の外形形状、断面形状、断面積、及び、材料等を変更するようにしてもよい。例えば、上部アーム部33及び下部アーム部34は、固定部32側の直径が大きく、上部支持部30及び下部支持部31側の直径が小さいテーパー管状にすることで、上部アーム部33及び下部アーム部34の固定部32側の剛性を高めつつ、重量を低減することができる。
【0044】
また、上部アーム部33における固定部32側の端部331と、下部アーム部34における固定部32側の端部341とは、一体として形成されたものであるが、他のアーム部をさらに一体として形成するようにしてもよい。例えば、上部アーム部33、下部アーム部34、第1の連結アーム部41及び第2の連結アーム42を一体の部品として予め形成することで、上部アーム部33及び下部アーム部34の剛性を高めるとともに、上部アーム部33及び下部アーム部34の組み立て精度を高めることができる。
【0045】
さらに、上部アーム部33及び下部アーム部34並びに第1乃至第6の連結アーム部41~46は、長尺方向に対して所定の分割位置で所定の長さに分割した複数の部材を、溶接、接着、ねじ固定、圧入、リベット、ピン結合、継手等の任意の接合方法で接合することで形成するようにしてもよい。例えば、上部アーム部33及び下部アーム部34を、上部支持部30寄りの分割位置332及び下部支持部31寄りの分割位置342でそれぞれ分割した複数の部材を、垂直軸型マグナス式風力発電機1の設置場所にて接合することで、複数の部材を短尺化してコンパクトな状態で輸送できるので、設置場所への輸送が容易となる。
【0046】
垂直軸型マグナス式風力発電機1は、円筒翼モーター20により第2の回転軸O2を中心として円筒翼2を時計回りに回転(自転)させた状態において、所定の方向から風(空気流)を受けると、円筒翼2にマグナス力が発生する。そして、円筒翼2に発生したマグナス力が、円筒翼2を円周Cに沿って時計回りに移動させる方向に作用する。それにより、回転部13が時計回りに回転することで、回転部13に連結された発電機11で発電する。
【0047】
(第2の実施形態)
3つの円筒翼2の各々に連結された上部アーム部33及び下部アーム部34の各組において、第1の実施形態は、1つの第1の連結アーム部41が、上部アーム部33における中間部分330と下部アーム部34における中間部分340とを連結するのに対し、第2の実施形態は、2つの第1の連結アーム部41A、41Bが、上部アーム部33における中間部分330と下部アーム部34における中間部分340とをそれぞれ連結するものである。
【0048】
図4は、本発明の第2の実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機1の第1の概略構成を示す概略正面図である。2つの第1の連結アーム部41A、41Bは、第1の回転軸O1及び第2の回転軸O2に対して平行に配置される。なお、3つ以上の第1の連結アーム部41を配置するようにしてもよい。
【0049】
第2の連結アーム部42は、固定部32と、内側の第1の連結アーム部41Aにおける中間部分410Aとの間を連結する。また、第7の連結アーム部47は、内側の第1の連結アーム部41Aにおける中間部分410Aと、外側の第1の連結アーム部41Bにおける中間部分410Bとの間を連結する。なお、第2の連結アーム部42及び第7の連結アーム部47は、省略してもよい。
【0050】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機1の第2の概略構成を示す概略正面図である。2つの第1の連結アーム部41A、41Bは、上部アーム部33及び下部アーム部34の間で互いに交差するように配置される。
【0051】
(第3の実施形態)
隣接する円筒翼2の各々に連結された上部アーム部33の各組において、第1の実施形態は、1つの第5の連結アーム部45が、上部アーム部33における中間部分330同士を連結するのに対し、第3の実施形態は、2つの第5の連結アーム部45A、45Bが、上部アーム部33における中間部分330同士をそれぞれ連結するものである。
【0052】
図6(a)は、本発明の第3の実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機1の第1の概略構成を示す概略平面図である。2つの第5の連結アーム部45A、45Bは、第3の連結アーム部43に対して平行に配置される。なお、3つ以上の第5の連結アーム部45を配置するようにしてもよい。
【0053】
図6(b)は、本発明の第3の実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機1の第1の概略構成を示す概略平面図である。2つの第5の連結アーム部45A、45Bは、第3の連結アーム部43の内側において、互いに交差するように配置される。
【0054】
(他の実施形態)
上記のように、本発明の一実施形態として、第1乃至第3の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0055】
例えば、上記各実施形態では、回転部13は時計回りに回転するものとして説明したが、半時計回りに回転するようにしてもよい。その場合には、円筒翼2の回転方向を反時計回りとするとともに、円筒翼2の進行方向とは反対側に整流板21を設ければよい。
【0056】
また、上記各実施形態では、3つの円筒翼2を円周C上に配置するものとして説明したが、円筒翼2の数は適宜変更してもよく、4つ以上の円筒翼2を円周C上に配置するようにしてもよい。その場合には、円筒翼2の数に応じて、支持部3における上部アーム部33、下部アーム部34、第1の連結アーム部41、第2の連結アーム部42、第3の連結アーム部43と、第5の連結アーム部45、第4の連結アーム部44、第6の連結アーム部46の数を変更すればよい。
【0057】
また、上記各実施形態では、上部アーム部33における固定部32側の端部331と、下部アーム部34における固定部32側の端部341とを一体として形成し、一体として形成された上部アーム部33及び下部アーム34を固定部32に連結したものとして説明したが、上部アーム部33及び下部アーム部34を別々の部材として固定部32に接合することで、上部アーム部33の端部331と、下部アーム部34の端部341とを一体として形成するようにしてもよい。例えば、固定部32にアーム連結部材を取り付け、そのアーム連結部材に上部アーム部33及び下部アーム部34をそれぞれ接合することで、上部アーム部33の端部331と、下部アーム部34の端部341とを一体として形成するようにしてもよい。また、固定部32を、上記アーム連結部材として機能させることで、固定部32に上部アーム部33及び下部アーム部34をそれぞれ接合することで、上部アーム部33の端部331と、下部アーム部34の端部341とを一体として形成するようにしてもよい。
【0058】
また、上記第3の実施形態では、図6(a)、(b)に示すように、複数の第5の連結アーム部45A、45Bを配置したものとして説明したが、第6の連結アーム部46A、46Bについても同様に、複数の第6の連結アーム部46A、46Bを配置するようにしてもよい。
【0059】
また、上記各実施形態では、マグナス式推力発生装置の適用例の1つとして、マグナス式推力発生装置を用いた垂直軸型マグナス式風力発電機1について説明したが、回転部13を発電機11に連結することに代えて、回転部13をポンプ等の回転機械に連結することにより、マグナス式推力発生装置を用いた風力回転装置としてもよい。
【0060】
また、上記各実施形態では、マグナス式推力発生装置の適用例の1つとして、マグナス式推力発生装置を用いた垂直軸型マグナス式風力発電機1について説明したが、エネルギー源として、風(空気流)を用いることに代えて、水流、波、潮流等を用いることにより、マグナス式推力発生装置を用いた水力発電機又は潮力発電機としてもよいし、さらに回転部13を発電機11に連結することに代えて、回転部13をポンプ等の回転機械に連結することにより、マグナス式推力発生装置を用いた水力回転装置又は潮力回転装置としてもよい。
【0061】
また、上記各実施形態では、第1の回転軸O1及び第2の回転軸O2を、設置面Sに対して垂直に配置した、すなわち、鉛直方向に対して平行に配置したものとして説明したが、鉛直方向に対して斜めに配置してもよいし、鉛直方向に対して直角に、すなわち、水平方向に配置してもよい。
【0062】
以上のように、上記各実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機(マグナス式推力発生装置)1によれば、複数の円筒翼2の各々に連結された上部アーム部33及び下部アーム部34の各組において、上部アーム部33における固定部32側の端部331と、下部アーム部34における固定部32側の端部341とを一体として形成したものである。そのため、上部アーム部33と下部アーム部34とを強固に接合した状態で固定部32に連結されることで、上部アーム部33及び下部アーム部34の剛性が向上するので、装置の耐久性を向上させることができる。また、円筒翼2を支持した際に円筒翼2の上部22及び下部23の間に軸ずれが発生しないように、上部アーム部33と下部アーム部34との位置合わせを精度良く行った状態で固定部32に連結されることで、上部アーム部33及び下部アーム部34により上部支持部30及び下部支持部31を介してそれぞれ支持される円筒翼2の上部22及び下部23の間に軸ずれが発生しにくくなるので、円筒翼2を軸支する軸受けの長寿命化を可能とし、さらに装置の大型化を可能とすることができる。
【0063】
また、上記各実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機(マグナス式推力発生装置)1によれば、支持部3が、複数の円筒翼2の各々に連結された上部アーム部33及び下部アーム部34の各組において、上部アーム部33における中間部分330と下部アーム部34における中間部分340とを連結する複数の第1の連結アーム部41を備える。そのため、第1の連結アーム部41により上部アーム部33及び下部アーム部34が連結されることで、上部アーム部33及び下部アーム部34の剛性が向上するので、装置の耐久性を向上させることができる。また、第1の連結アーム部41により上部アーム部33及び下部アーム部34が連結されることで、上部アーム部33及び下部アーム部34にそれぞれ連結された上部支持部30及び下部支持部31の位置が安定し、上部支持部30及び下部支持部31がそれぞれ支持する円筒翼2の上部22及び下部23の間に軸ずれが発生しにくくなるので、円筒翼2を軸支する軸受けの長寿命化を可能とし、さらに装置の大型化を可能とすることができる。
【0064】
また、上記各実施形態に係る第1の実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機(マグナス式推力発生装置)1によれば、支持部3が、固定部32と複数の第1の連結アーム部41の各々における中間部分410とを連結する複数の第2の連結アーム部42を備える。したがって、支持部3の剛性が向上し、円筒翼2の軸ずれが発生しにくくなるので、装置の耐久性を向上させるとともに、装置の大型化を可能とすることができる。
【0065】
また、上記各実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機(マグナス式推力発生装置)1によれば、支持部3が、隣接する円筒翼2の各々を軸支する上部支持部30の各組において、上部支持部30同士を連結する複数の第3の連結アーム部43と、隣接する円筒翼2の各々を軸支する下部支持部31の各組において、下部支持部31同士を連結する複数の第4の連結アーム部44とを備える。したがって、支持部3の剛性が向上し、円筒翼2の軸ずれが発生しにくくなるので、装置の耐久性を向上させるとともに、装置の大型化を可能とすることができる。
【0066】
また、上記各実施形態に係る垂直軸型マグナス式風力発電機(マグナス式推力発生装置)1によれば、支持部3が、隣接する円筒翼2の各々に連結された上部アーム部33の各組において、上部アーム部33における中間部分330同士を連結する複数の第5の連結アーム部45と、隣接する円筒翼2の各々に連結された下部アーム部34の各組において、下部アーム部34における中間部分340同士を連結する複数の第6の連結アーム部45と、を備える。したがって、支持部3の剛性が向上し、円筒翼2の軸ずれが発生しにくくなるので、装置の耐久性を向上させるとともに、装置の大型化を可能とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明のマグナス式推力発生装置は、第1の連結アーム部41により上部アーム部33及び下部アーム部34が連結されることによって、装置の耐久性を向上させるとともに、装置の大型化を可能とし、風力回転装置、水力回転装置及び潮力回転装置並びに風力発電機、水力発電機及び潮力発電機としても利用できる。
【符号の説明】
【0068】
1…垂直軸型マグナス式風力発電機(マグナス式推力発生装置)
2…円筒翼、3…支持部、4…連結部、
10…支持筐体、11…発電機、12…増速機、
13…回転部、14…発電機、
20…円筒翼モーター、21…整流板、
22…上部(一端部)、23…下部(他端部)、
30…上部支持部(第1の支持部)、
31…下部支持部(第2の支持部)、
32…固定部、
33…上部アーム部(第1のアーム部)、
34…下部アーム部(第2のアーム部)、
41、41A、41B…第1の連結アーム部、
42…第2の連結アーム部、
43…第3の連結アーム部、
44…第4の連結アーム部、
45、45A、45B…第5の連結アーム部、
46、46A、46B…第6の連結アーム部、
47…第7の連結アーム部、
100…上面、101…軸受けユニット、
130…上端部、
330…中間部分、331…端部、332…分割位置、
340…中間部分、341…端部、342…分割位置、
410、410A、410B…中間部分、
C…円周、O1…第1の回転軸、O2…第2の回転軸、
S…設置面
図1
図2
図3
図4
図5
図6