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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-19
(45)【発行日】2022-10-27
(54)【発明の名称】非水系整髪剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/92 20060101AFI20221020BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20221020BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
A61K8/92
A61K8/31
A61Q5/06
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018156896
(22)【出願日】2018-08-24
(65)【公開番号】P2020029432
(43)【公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000113274
【氏名又は名称】ホーユー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】田島 由佳
(72)【発明者】
【氏名】辻 孝之
【審査官】寺▲崎▼ 遥
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/220315(WO,A1)
【文献】特開2017-100967(JP,A)
【文献】特開2012-180296(JP,A)
【文献】特表2015-535235(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0100524(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)成分及び(B)成分を含有する非水系整髪剤組成物。(但しシアバター70.00質量%、ワックス2.00質量%、水素化キャスター油1.5質量%及び水1質量%以下を含有する組成物を除く。)
(A)下記(a1)成分と(a2)成分からなる植物脂。
(a1)含有量が組成物の60質量%以上であるシア脂。
(a2)シア脂以外の、25℃で固形ないしペースト状である植物脂の1種以上。
(B)ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、モクロウ、イボタロウ、コメヌカロウ、モンタンロウ、セラック、マイクロクリスタリンワックス、ラノリン、還元ラノリンから選ばれるロウ類の1種以上。
【請求項2】
前記(B)成分の含有量に対する(A)成分の含有量の質量比(A)/(B)が5~50の範囲内である請求項1に記載の非水系整髪剤組成物。
【請求項3】
前記(a2)成分の含有量に対する(a1)成分の含有量の質量比(a1)/(a2)が1~150の範囲内である請求項1又は請求項2に記載の非水系整髪剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は非水系整髪剤組成物に関し、更に詳しくはシア脂を高配合した非水系の整髪剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
実質的に水を含有しないバーム剤型等の非水系整髪剤は、容器から指などですくい取り、手の平で延ばしてから毛髪に使用するが、容器保管中の剤の安定性、手の平で延ばす際の延びの良さ、使用した毛髪における自然なまとまり感とセット保持性の両立などが求められる。
【0003】
下記の特許文献1、2は、毛髪化粧料や整髪料にシア脂を10%以下、あるいは30%程度まで配合できることを記載する。また、下記の特許文献3、4は、整髪料等のセット保持性のためにロウ類を配合することを記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-181141号公報
【文献】特開2002-284650号公報
【文献】特開2007-197401号公報
【文献】特開2012-180296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の整髪剤や整髪料では、例えばセット保持性があっても、固まりすぎたりきしみを生じたりして、自然なまとまり感に欠ける場合があった。また、剤の延びが悪く、満足できないものもあった。
【0006】
そこで本発明は、自然なまとまり感とセット保持性を良好に両立でき、剤の延びが良く、剤の安定性も良い非水系の整髪剤組成物を提供することを、解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(第1発明の構成)
上記課題を解決するための本願第1発明は、下記(A)成分及び(B)成分を含有する非水系整髪剤組成物である。
(A)下記(a1)成分と(a2)成分からなる植物脂。
(a1)含有量が組成物の60質量%以上であるシア脂。
(a2)シア脂以外の、25℃で固形ないしペースト状である植物脂の1種以上。
(B)25℃で固形ないしペースト状であるロウ類の1種以上。
【0008】
(第2発明の構成)
上記課題を解決するための本願第2発明においては、前記第1発明に係る非水系整髪剤組成物において、(B)成分の含有量に対する(A)成分の含有量の質量比(A)/(B)が5~50の範囲内である
【0009】
(第3発明の構成)
上記課題を解決するための本願第3発明においては、前記第1発明又は第2発明に係る非水系整髪剤組成物において、(a2)成分の含有量に対する(a1)成分の含有量の質量比(a1)/(a2)が1~150の範囲内である。
【発明の効果】
【0010】
(第1発明の効果)
第1発明の非水系整髪剤組成物では、整髪剤組成物中に50質量%を大きく超える高いレベルで(a1)シア脂を配合するという、従来には見られないような処方により、自然なまとまり感を非常に良好に実現することができる。
一方、シア脂高配合のもとでは、剤の安定性が損なわれ、セット保持性も不足した。しかし一定量の(B)ロウ類(特にミツロウ)を併用すると剤の安定性とセット保持性が十分に確保されることが分かった(後述の比較例3を参照)。
また、一定量のロウ類を併用することで剤の延びが悪くなるが、(a1)高配合のシア脂と共に、(a2)シア脂以外の25℃で固形ないしペースト状である植物脂を余り高配合にならないように併用すると、セット保持性を維持しつつ、剤の延びが顕著に改善されることが分かった(後述の比較例4を参照)。
【0011】
(第2発明の効果)
上記「第1発明の効果」で述べた、(A)高配合のシア脂を含む植物脂と(B)ロウ類の併用による効果は、両者の含有量比(A)/(B)が5~50の範囲内である場合に、特に顕著に実現される。
【0012】
(第3発明の効果)
上記「第1発明の効果」で述べた、(a1)高配合のシア脂と(a2)シア脂以外の一定の植物脂の併用による効果は、両者の含有量比(a1)/(a2)が1~150の範囲内である場合に、特に顕著に実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に本発明の実施形態をその最良の形態を含めて説明する。本発明の技術的範囲は、以下の実施形態によって限定されない。
【0014】
〔非水系整髪剤組成物〕
本発明の非水系整髪剤組成物は少なくとも(A)成分及び(B)成分を含有する。(A)成分は特定の植物脂であり、具体的には、シア脂である(a1)成分と、シア脂以外の植物脂であって25℃で固形ないしペースト状の植物脂の1種以上である(a2)成分からなる。(B)成分は25℃で固形ないしペースト状のロウ類の1種以上である。これらの各成分について、詳しくは後述する。
【0015】
本発明の非水系整髪剤組成物は、実質的に水を含まない。「実質的に水を含まない」とは「配合成分としての水を含有しない」という意味であって、他の配合成分に付随して含有された少量の水まで除外するものではない。より具体的には、水を全く含有しないか、又は偶発的に水を含有する場合でも、含有量が1質量%以下である
【0016】
非水系整髪剤組成物の剤型は、通常に市販されている整髪料の剤型のいずれでも良いが、例えばオイルバーム剤型とすることが好ましい。オイルバーム剤型とは、油を固形状に固めた非水系処方の剤型であり、ジャー容器等から指等ですくい取り、手のひらで伸ばしてから使用するものをいう。
【0017】
〔(A)成分〕
(A)成分は(a1)成分と(a2)成分からなる植物脂であり、水素添加された植物脂を含む。非水系整髪剤組成物における(A)成分の含有量の下限値は60質量%程度でも良いが、この下限値を70質量%、より好ましくは75質量%とすることにより、自然なまとまり感の付与と剤の延びの良さを両立させることができる。非水系整髪剤組成物における(A)成分の含有量の上限値を99質量%、より好ましくは97質量%とすることにより、セット保持性や剤の安定性を向上させることができる。
【0018】
(a1)成分はシア脂である。シア脂はシアバターとも呼ばれ、アカテツ科シアーバターノキの種子の胚から得られる植物性脂肪である。シア脂としては、25℃で液状ではないものが好ましく、25℃で固体ないしペースト状のものがより好ましい。非水系整髪剤組成物における(a1)成分の含有量の下限値を60質量%、より好ましくは70質量%とすることにより、自然なまとまり感が得られる。非水系整髪剤組成物における(a1)成分の含有量の上限値を97質量%、より好ましくは95質量%とすることにより、セット保持性や剤の安定性を向上させることができる。
【0019】
(a2)成分は25℃で固形ないしペースト状の、シア脂以外の植物脂の1種以上である。(a2)成分としては、マンゴー種子脂、アストロカリウムムルムル種子脂、テオブロマグランジフロルム種子脂、(ヒマワリ種子油/水添ヒマワリ種子油)エステルズ、(マカデミア種子油/水添マカデミア種子油)エステルズ、カカオ脂が例示されるが、これらに限定されない。特にマンゴー種子脂、テオブロマグランジフロルム種子脂が好ましい。非水系整髪剤組成物における(a2)成分の含有量の下限値を0.5質量%、より好ましくは1質量%、特に好ましくは3質量%とすることにより、剤の延びの良さが得られる。非水系整髪剤組成物における(a2)成分の含有量の上限値を15質量%、より好ましくは10質量%、特に好ましくは7質量%とすることにより、自然なまとまり感が向上する。
【0020】
〔(B)成分〕
(B)成分は、25℃で固形ないしペースト状であるロウ類の1種以上である。この定義に該当する限りにおいて(B)成分の種類は限定されないが、具体的には、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、モクロウ、イボタロウ、コメヌカロウ、モンタンロウ、セラック、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ラノリン、還元ラノリンなどが例示される。特にミツロウ、キャンデリラロウが、自然なまとまり感が得られるために、好ましい。非水系整髪剤組成物における(B)成分の含有量の下限値を1質量%、より好ましくは3質量%、特に好ましくは5質量%とすることにより、セット保持性や剤の安定性を向上させることができる。非水系整髪剤組成物における(B)成分の含有量の上限値を15質量%、より好ましくは12質量%、特に好ましくは10質量%とすることにより、剤の延びの良さが向上する。
【0021】
〔(A)成分と(B)成分の含有量比率〕
「第1発明の効果」欄で前記したように、非水系整髪剤組成物における剤の安定性とセット力を一層向上する観点からは、(A)成分と(B)成分の含有量比率(A)/(B)が5~50の範囲内であることが好ましいが、6~30の範囲内であることがより好ましく、8~20の範囲内であることが特に好ましい。含有量比率(A)/(B)が上記の範囲内であれば、特に自然なまとまり感とセット保持性を、より向上させることができる。
【0022】
〔(a1)成分と(a2)成分の含有量比率〕
「第1発明の効果」欄で前記したように、非水系整髪剤組成物におけるシア脂の高配合下における剤の延びを確保する観点からは、(a1)成分と(a2)成分の含有量比率(a1)/(a2)が1~150の範囲内であることが好ましいが、5~100の範囲内であることが特に好ましい。この含有量比率(a1)/(a2)が上記の範囲内であれば、自然なまとまり感、剤の延びの良さ、セット保持性及び剤の安定性を総合的に向上させることができる。
【0023】
〔非水系整髪剤組成物の任意的配合成分〕
本発明の非水系整髪剤組成物には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、上記(A)、(B)成分の他に、一般的な非水系整髪剤組成物に配合されることがある各種の任意的配合成分を配合することができる。このような任意的配合成分として、上記(A)成分、(B)成分以外の油剤、精油、炭化水素、香料、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、殺菌剤等も配合することができる。
【0024】
油剤としては、オリーブ油、ツバキ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、ゴマ油、馬油、牛脂、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、アルモンド油、アボガド油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油等の油脂が例示される。
エステル類としては、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸-2-ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、セバシン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸トリイソデシル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸2-エチルへキシル、乳酸ラウリル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸オクチルドデシル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジエトキシエチル、ラノリン誘導体等が挙げられる。
メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ジメチコノール、メチルフェニルシリコーン、アルコール変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等のシリコーン類も例示される。
【0025】
精油としては、フレグランスやフレーバーとして用いられる精油であれば特に限定されず、例えばアニス精油、アンゲリカ精油、イランイラン精油、イリス精油、ウイキョウ精油、オレンジ精油、カナンガ精油、カラウェー精油、カルダモン精油、グアヤクウッド精油、クミン精油、黒文字精油、ケイ皮精油、シンナモン精油、ゲラニウム精油、コパイババルサム精油、コリアンデル精油、シソ精油、シダーウッド精油、シトロネラ精油、ジャスミン精油、ジンジャーグラス精油、杉精油、スペアミント精油、西洋ハッカ精油、大茴香精油、ティートリー精油、チュベローズ精油、丁字精油、橙花精油、冬緑精油、トルーバルサム精油、バチュリー精油、バラ精油、パルマローザ精油、桧精油、ヒバ精油、白檀精油、プチグレン精油、ベイ精油、ベチバ精油、ベルガモット精油、ペルーバルサム精油、ボアドローズ精油、芳樟精油、マンダリン精油、ユーカリ精油、ライム精油、ラベンダー精油、リナロエ精油、レモングラス精油、レモン精油、ローズマリー精油、ローマカミツレ精油、和種ハッカ精油などが例示される。
【0026】
炭化水素としては、各種の流動パラフィン、各種のイソパラフィン、ワセリン、スクワラン、α-オレフィンオリゴマー等が例示される。
【実施例
【0027】
次に本発明の実施例及び比較例を説明する。本発明の技術的範囲は以下の実施例や比較例によって限定されない。
【0028】
〔非水系整髪剤組成物の調製〕
末尾の表1に示す実施例1~10及び比較例1~5に係るオイルバーム剤型の非水系整髪剤組成物を常法に従って調製した。
【0029】
表1に示す各成分に関して、本発明の(A)、(B)成分に該当する成分には欄外にそれぞれ「(A)」、「(B)」の記号を付記し、(A)成分については更に(a1)成分と(a2)成分の区別も付記した。なお「アボガド油」は(A)成分ではなく、「ワセリン」は(B)成分ではない。また、表中には、各実施例、比較例ごとに、(A)成分の配合量、(A)、(B)成分の含有量比(A)/(B)、(a1)、(a2)成分の含有量比(a1)/(a2)も表記した。表1中の成分の含有量を示す数値の単位は質量%である。
【0030】
〔非水系整髪剤組成物の評価〕
実施例1~10及び比較例1~5に係る非水系整髪剤組成物について、それぞれ以下の項目を評価した。
【0031】
(自然なまとまり感)
各実施例、比較例に係る非水系整髪剤組成物0.3gをそれぞれ指ですくい取り、手のひらで伸ばしてから各々ウィッグに均一に塗布し、塗布後のウィッグに自然なまとまり感(毛束が固まる感じがなく、セット剤の存在感がない状態でも毛髪のまとまり感があること)があるかを10名の専門パネラーが官能評価した。
「自然なまとまり感がある」と答えたパネラーが、10名中8名以上であった場合は極めて良好であると評価して「◎」とし、10名中6~7名であった場合は良好であると評価して「○」とし、10名中4~5名であった場合はやや悪いと評価して「△」とし、10名中3名以下であった場合は悪いと評価して「×」とした。これらの評価結果を表1に示す。
【0032】
(剤の延び)
上記の「自然なまとまり感」の評価において、各実施例、比較例に係る非水系整髪剤組成物を手のひらで伸ばした際、「剤の延びが良い」と答えたパネラーが、10名中8名以上であった場合は極めて良好であると評価して「◎」とし、10名中6~7名であった場合は良好であると評価して「○」とし、10名中4~5名であった場合はやや悪いと評価して「△」とし、10名中3名以下であった場合は悪いと評価して「×」とした。これらの評価結果を表1に示す。
【0033】
(セット保持性)
各実施例、比較例に係る非水系整髪剤組成物を塗布して上記の「自然なまとまり感」の評価に供したウィッグについて、塗布から6時間経過後もまとまり感が保持されているか(セット保持性)を10名の専門パネラーが官能評価した。「まとまり感を保持している」と答えたパネラーが、10名中8名以上であった場合はセット保持性が極めて良好であると評価して「◎」とし、10名中6~7名であった場合はセット保持性が良好であると評価して「○」とし、10名中4~5名であった場合はセット保持性がやや悪いと評価して「△」とし、10名中3名以下であった場合はセット保持性が悪いと評価して「×」とした。これらの評価結果を表1に示す。
【0034】
表1の評価結果に関して、比較例1、2はウィッグの毛髪が固まり、「自然な」まとまり感は全くない。そして、この固まった状態が6時間経過後もそのまま維持されたので、セット保持性としては極めて良好である。一方、比較例3は、非水系整髪剤組成物の塗布直後のウィッグに極めて良好な「自然なまとまり感」があるが、セット保持性が悪い。
【0035】
(剤の安定性)
各実施例、比較例に係る非水系整髪剤組成物を、それぞれ容量約37mlの透明な4号規格ビンに8分目まで充填して密栓した後、これらの4号規格ビンを40℃の恒温槽中に15分間静置し、充填した非水系整髪剤組成物の表面が液化しているか確認した。液化が見られなかった場合は「○」、液化が見られた場合は「×」と評価した。これらの評価結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明によって、自然なまとまり感とセット保持性を良好に両立でき、剤の延びが良く、剤の安定性も良い非水系の整髪剤組成物が提供される。