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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-19
(45)【発行日】2022-10-27
(54)【発明の名称】下着
(51)【国際特許分類】
   A41B 9/12 20060101AFI20221020BHJP
   A41B 9/02 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
A41B9/12 Z
A41B9/02 F
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022102372
(22)【出願日】2022-06-27
【審査請求日】2022-06-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522256381
【氏名又は名称】佐野 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100175019
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 健朗
(74)【代理人】
【識別番号】100194179
【弁理士】
【氏名又は名称】中澤 泰宏
(74)【代理人】
【識別番号】100195648
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 悠太
(72)【発明者】
【氏名】佐野 道子
【審査官】森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3195643(JP,U)
【文献】実開昭52-117393(JP,U)
【文献】特開2013-227686(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41B 9/12
A41B 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの下腹部を覆う前身頃、及び、前記ユーザーの臀部を覆う後身頃を有し、前記ユーザーの腰回りに着用される筒状の下着本体と、
前記前身頃に重なる第1ラップ部、及び、前記後身頃に重なる第2ラップ部を有し、前記ユーザーの陰部及び肛門の少なくともいずれかを覆うカバーと、
前記下着本体に対する前記カバーの着脱を可能とする第1留め具及び第2留め具と、を備え、
前記前身頃は、前記第1ラップ部が取り付けられる第1被取付部を有し、
前記後身頃は、前記第2ラップ部が取り付けられる第2被取付部を有し、
前記第1留め具は、前記第1被取付部と前記第1ラップ部を結合可能な面ファスナーであり、
前記第1被取付部に設けられた第1部分と、
前記第1ラップ部に設けられ、前記第1部分に貼り合わせ可能な第1貼合部と、を備え、
前記第2留め具は、前記第2被取付部と前記第2ラップ部を結合可能な面ファスナーであり、
前記第2被取付部に設けられた第2部分と、
前記第2ラップ部に設けられ、前記第2部分に貼り合わせ可能な第2貼合部と、を備え、
前記カバーには、
前記第1貼合部を覆う第1覆い状態、及び、前記第1貼合部を覆わない第1開放状態に変化可能な第1フラップと、
前記第2貼合部を覆う第2覆い状態、及び、前記第2貼合部を覆わない第2開放状態に変化可能な第2フラップと、が設けられ、
前記下着本体に前記カバーが取り付けられている場合は、前記第1フラップが前記第1開放状態、且つ、前記第2フラップが前記第2開放状態であり、
前記下着本体から前記カバーが取り外された場合に、前記第1フラップは前記第1開放状態から前記第1覆い状態に変化可能であり、前記第2フラップは前記第2開放状態から前記第2覆い状態に変化可能であり、
前記第1開放状態で前記カバーにおける前記第1ラップ部の裏を覆う前記第1フラップがひっくり返されると、前記第1フラップが前記第1開放状態から前記第1覆い状態に変化し、
前記第2開放状態で前記カバーにおける前記第2ラップ部の裏を覆う前記第2フラップがひっくり返されると、前記第2フラップが前記第2開放状態から前記第2覆い状態に変化する、
下着。
【請求項2】
ユーザーの下腹部を覆う前身頃、及び、前記ユーザーの臀部を覆う後身頃を有し、前記ユーザーの腰回りに着用される筒状の下着本体と、
前記前身頃に重なる第1ラップ部、及び、前記後身頃に重なる第2ラップ部を有し、前記ユーザーの陰部及び肛門の少なくともいずれかを覆うカバーと、
前記下着本体に対する前記カバーの着脱を可能とする第1留め具及び第2留め具と、を備え、
前記前身頃は、前記第1ラップ部が取り付けられる第1被取付部を有し、
前記後身頃は、前記第2ラップ部が取り付けられる第2被取付部を有し、
前記第1留め具は、前記第1被取付部と前記第1ラップ部を結合可能な面ファスナーであり、
前記第1被取付部に設けられた第1部分と、
前記第1ラップ部に設けられ、前記第1部分に貼り合わせ可能な第1貼合部と、を備え、
前記第2留め具は、前記第2被取付部と前記第2ラップ部を結合可能な面ファスナーであり、
前記第2被取付部に設けられた第2部分と、
前記第2ラップ部に設けられ、前記第2部分に貼り合わせ可能な第2貼合部と、を備え、
前記前身頃には、前記カバーにおける前記第1ラップ部の裏に位置する第1裏部を抑えることが可能で、前記カバーの幅方向に沿う第1抑えフラップが設けられ、
前記後身頃には、前記カバーにおける前記第2ラップ部の裏に位置する第2裏部を抑えることが可能で、前記カバーの幅方向に沿う第2抑えフラップが設けられ、
前記第1抑えフラップと前記第1裏部を結合する第3留め具と、
前記第2抑えフラップと前記第2裏部を結合する第4留め具と、をさらに備え、
前記第3留め具は、面ファスナーであり、
前記第1裏部に設けられた第3部分と、
前記第1抑えフラップに設けられ、前記第3部分に貼り合わせ可能な第3貼合部と、を備え、
前記第4留め具は、面ファスナーであり、
前記第2裏部に設けられた第4部分と、
前記第2抑えフラップに設けられ、前記第4部分に貼り合わせ可能な第4貼合部と、を備え、
前記下着本体に前記カバーが取り付けられている場合に、前記第3貼合部が前記第3部分に貼り合わされることで前記第1抑えフラップは前記第1裏部を抑え、前記第4貼合部が前記第4部分に貼り合わされることで前記第2抑えフラップは前記第2裏部を抑え、
前記下着本体から前記カバーが取り外された場合に、前記第3貼合部は前記第1部分に貼り合わせ可能であり、前記第4貼合部は前記第2部分に貼り合わせ可能である、
下着。
【請求項3】
前記前身頃には、前記第1部分を覆う第1ループが設けられ、
前記後身頃には、前記第2部分を覆う第2ループが設けられ、
前記第1ループ及び前記第2ループの各々は、前記カバーの幅方向に沿うと共に前記幅方向に伸縮性を有し、
前記カバーは、前記下着本体に取り付けられている場合に、前記第1ラップ部が前記第1部分に向いた状態で前記第1ループに挿入され、且つ、前記第2ラップ部が前記第2部分に向いた状態で前記第2ループに挿入される、
請求項に記載の下着。
【請求項4】
前記下着本体に取り付けられ、前記カバーのスペアを収納可能なポケットをさらに備える、
請求項1~3のいずれか1項に記載の下着。
【請求項5】
前記カバーには、前記カバーを吊すことを可能とする吊りループが設けられている、
請求項1~3のいずれか1項に記載の下着。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下着に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、下半身用の下着が記載されている。特許文献1に記載の下着は、介護用のものであり、被介護者の腰回り方向に展開可能な構造を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-66819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の下着は、その展開可能な構造によって被介護者に対する着脱を容易とする。しかしながら、当該下着が尿、便などで汚れた場合には、下着全体を洗濯する必要が生じかねず、場合によっては下着全体を廃棄する必要も生じかねない。この問題は、介護用途に限らず、一般用途の下着においても同様に生じ、さらには、男性用、女性用の別を問わずに生じる虞がある。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、汚れやすい部分を容易に取り替えることができる下着を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る下着は、
ユーザーの下腹部を覆う前身頃、及び、前記ユーザーの臀部を覆う後身頃を有し、前記ユーザーの腰回りに着用される筒状の下着本体と、
前記前身頃に重なる第1ラップ部、及び、前記後身頃に重なる第2ラップ部を有し、前記ユーザーの陰部及び肛門の少なくともいずれかを覆うカバーと、
前記下着本体に対する前記カバーの着脱を可能とする第1留め具及び第2留め具と、を備え、
前記前身頃は、前記第1ラップ部が取り付けられる第1被取付部を有し、
前記後身頃は、前記第2ラップ部が取り付けられる第2被取付部を有し、
前記第1留め具は、前記第1被取付部と前記第1ラップ部を結合可能な面ファスナーであり、
前記第1被取付部に設けられた第1部分と、
前記第1ラップ部に設けられ、前記第1部分に貼り合わせ可能な第1貼合部と、を備え、
前記第2留め具は、前記第2被取付部と前記第2ラップ部を結合可能な面ファスナーであり、
前記第2被取付部に設けられた第2部分と、
前記第2ラップ部に設けられ、前記第2部分に貼り合わせ可能な第2貼合部と、を備え、
前記カバーには、
前記第1貼合部を覆う第1覆い状態、及び、前記第1貼合部を覆わない第1開放状態に変化可能な第1フラップと、
前記第2貼合部を覆う第2覆い状態、及び、前記第2貼合部を覆わない第2開放状態に変化可能な第2フラップと、が設けられ、
前記下着本体に前記カバーが取り付けられている場合は、前記第1フラップが前記第1開放状態、且つ、前記第2フラップが前記第2開放状態であり、
前記下着本体から前記カバーが取り外された場合に、前記第1フラップは前記第1開放状態から前記第1覆い状態に変化可能であり、前記第2フラップは前記第2開放状態から前記第2覆い状態に変化可能であり、
前記第1開放状態で前記カバーにおける前記第1ラップ部の裏を覆う前記第1フラップがひっくり返されると、前記第1フラップが前記第1開放状態から前記第1覆い状態に変化し、
前記第2開放状態で前記カバーにおける前記第2ラップ部の裏を覆う前記第2フラップがひっくり返されると、前記第2フラップが前記第2開放状態から前記第2覆い状態に変化する。
【0007】
(2)上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る下着は、
ユーザーの下腹部を覆う前身頃、及び、前記ユーザーの臀部を覆う後身頃を有し、前記ユーザーの腰回りに着用される筒状の下着本体と、
前記前身頃に重なる第1ラップ部、及び、前記後身頃に重なる第2ラップ部を有し、前記ユーザーの陰部及び肛門の少なくともいずれかを覆うカバーと、
前記下着本体に対する前記カバーの着脱を可能とする第1留め具及び第2留め具と、を備え、
前記前身頃は、前記第1ラップ部が取り付けられる第1被取付部を有し、
前記後身頃は、前記第2ラップ部が取り付けられる第2被取付部を有し、
前記第1留め具は、前記第1被取付部と前記第1ラップ部を結合可能な面ファスナーであり、
前記第1被取付部に設けられた第1部分と、
前記第1ラップ部に設けられ、前記第1部分に貼り合わせ可能な第1貼合部と、を備え、
前記第2留め具は、前記第2被取付部と前記第2ラップ部を結合可能な面ファスナーであり、
前記第2被取付部に設けられた第2部分と、
前記第2ラップ部に設けられ、前記第2部分に貼り合わせ可能な第2貼合部と、を備え、
前記前身頃には、前記カバーにおける前記第1ラップ部の裏に位置する第1裏部を抑えることが可能で、前記カバーの幅方向に沿う第1抑えフラップが設けられ、
前記後身頃には、前記カバーにおける前記第2ラップ部の裏に位置する第2裏部を抑えることが可能で、前記カバーの幅方向に沿う第2抑えフラップが設けられ、
前記第1抑えフラップと前記第1裏部を結合する第3留め具と、
前記第2抑えフラップと前記第2裏部を結合する第4留め具と、をさらに備え、
前記第3留め具は、面ファスナーであり、
前記第1裏部に設けられた第3部分と、
前記第1抑えフラップに設けられ、前記第3部分に貼り合わせ可能な第3貼合部と、を備え、
前記第4留め具は、面ファスナーであり、
前記第2裏部に設けられた第4部分と、
前記第2抑えフラップに設けられ、前記第4部分に貼り合わせ可能な第4貼合部と、を備え、
前記下着本体に前記カバーが取り付けられている場合に、前記第3貼合部が前記第3部分に貼り合わされることで前記第1抑えフラップは前記第1裏部を抑え、前記第4貼合部が前記第4部分に貼り合わされることで前記第2抑えフラップは前記第2裏部を抑え、
前記下着本体から前記カバーが取り外された場合に、前記第3貼合部は前記第1部分に貼り合わせ可能であり、前記第4貼合部は前記第2部分に貼り合わせ可能である。
【0011】
)上記(1)に記載の下着において、
前記前身頃には、前記第1部分を覆う第1ループが設けられ、
前記後身頃には、前記第2部分を覆う第2ループが設けられ、
前記第1ループ及び前記第2ループの各々は、前記カバーの幅方向に沿うと共に前記幅方向に伸縮性を有し、
前記カバーは、前記下着本体に取り付けられている場合に、前記第1ラップ部が前記第1部分に向いた状態で前記第1ループに挿入され、且つ、前記第2ラップ部が前記第2部分に向いた状態で前記第2ループに挿入される、ようにしてもよい。
【0013】
)上記(1)(3)のいずれかに記載の下着は、
前記下着本体に取り付けられ、前記カバーのスペアを収納可能なポケットをさらに備えていてもよい。
【0014】
)上記(1)(3)のいずれかに記載の下着において、
前記カバーには、前記カバーを吊すことを可能とする吊りループが設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、汚れやすい部分を容易に取り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1実施形態に係る下着の斜視図である。
図2】第1実施形態に係る下着を前後方向へ展開した図であって、当該下着の一部を内面の側から見た図。
図3】第1実施形態に係る下着が着用された形態を模した図であって、(a)は図2のA-A線に沿う概略断面図であり、(b)は図2のB-B線に沿う概略断面図である。
図4】変形例1に係るカバーの平面図であって、(a)は第1フラップ及び第2フラップが開放状態であるカバーを外面の側から見た図であり、(b)は図4(a)の状態のカバーを内面の側から見た図である。
図5】変形例1に係るカバーの平面図であって、(a)は第1フラップ及び第2フラップが覆い状態であるカバーを外面の側から見た図であり、(b)は図5(a)の状態のカバーを内面の側から見た図である。
図6】変形例2に係るカバーの平面図であって、(a)は第1フラップ及び第2フラップが開放状態であるカバーを外面の側から見た図であり、(b)は第1フラップ及び第2フラップが覆い状態であるカバーを外面の側から見た図である。
図7】第2実施形態に係る下着を前後方向へ展開した図であって、当該下着の一部を内面の側から見た図。
図8】第2実施形態に係る下着が着用された形態を模した図であって、(a)は図7のC-C線に沿う概略断面図であり、(b)は図7のD-D線に沿う概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る下着100は、下半身用の物(下穿き)であり、図1図3に示すように、下着本体10と、カバー20と、第1留め具31と、第2留め具32と、ポケット40と、を備える。下着100は、第1留め具31及び第2留め具32を利用することで、カバー20が下着本体10に対して着脱可能なものである。
【0019】
各図では、下着100を女性用のパンティー、又は、男性用のブリーフとして適用可能な形状で表したが、当該形状は下着100が有する特徴の理解を容易にするために模式的に表したものである。したがって、下着100の形状は図示の形状に限定されるものではない。例えば、下着100は、ユーザーの腿まで覆う、五分長、三分長の女性用のパンティーの形状であってもよいし、男性用のトランクスの形状であってもよい。
【0020】
以下の説明で用いる、前、後、左、右、上、下の各方向は、特に断りがない場合は、下着100のユーザー(着用者)にとっての方向を指す。また、以下では、下着100の面を説明する際に、ユーザーの肌に向く面を「内面」と呼び、その反対面を「外面」と呼ぶ。図1では、下着本体10の外面、及び、カバー20の外面をドットで着色して表した。
【0021】
下着本体10は、ユーザーの腰回りに着用される筒状の部材である。図1に示すように、下着本体10の上方の開口が、下着100を着用したユーザーの腰部分に位置するウエストhWである。なお、下着本体10にカバー20が取り付けられた状態において、カバー20の左側と下着本体10の間に形成される開口は、下着100を着用したユーザーの左足が通される、足ぐりhLとなる。また、当該状態において、カバー20の右側と下着本体10の間に形成される開口が、下着100を着用したユーザーの右足が通される、足ぐりhRとなる。
【0022】
下着本体10は、ユーザーの下腹部を覆う前身頃11と、ユーザーの臀部を覆う後身頃12と、を有する。カバー20は、ユーザーの陰部及び肛門の少なくともいずれかを覆うシート状の構成である。カバー20は、図2のように下着100を展開すると、帯状をなし、前方よりも後方が幅広の形状に形成されている。例えば、カバー20の左右の縁は、ユーザーの股部分に沿うように曲線状をなす。
【0023】
なお、図1では、前身頃11と後身頃12の境界の一例を鎖線で示したが、この鎖線は、必ずしも前身頃11と後身頃12の継ぎ目又は縫い目を示すものではない。前身頃11と後身頃12は、下着本体10の部分を示す構成であればよい。例えば、下着本体10は、立体編みにより、前身頃11と後身頃12の継ぎ目又は縫い目がなく形成されてもよい。
【0024】
下着本体10及びカバー20を構成する生地は、公知の天然繊維、化学繊維、混紡などから、目的に応じて適宜選択することができる。下着本体10とカバー20の生地は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、カバー20の内面に、補強目的、吸湿目的のクロッチ(股布)を設けてもよい。また、下着100において、少なくとも下着本体10は、伸縮性を有していることが好ましい。着心地を向上させる観点だけでなく、下着100を着用したユーザーが動いた際(例えば、屈んだ際)に、カバー20が下着本体10から外れてしまうことを防止するためである。また、下着本体10の生地が伸縮性に優れているか否かにかかわらず、例えば、後身頃12の中央部に、上下方向に沿って伸縮するゴム帯を挿入する又は編み込んでもよい。ユーザーが屈んで臀部を押し出す格好になると、後身頃12の応力が増大するためである。なお、前身頃11の中央部に、上下方向に沿って伸縮するゴム帯を挿入する又は編み込んでもよい。
【0025】
カバー20は、前身頃11に重なる第1ラップ部21と、後身頃12に重なる第2ラップ部22と、を有する。前身頃11は、第1ラップ部21が取り付けられる第1被取付部11aを有する。後身頃12は、第2ラップ部22が取り付けられる第2被取付部12aを有する。図1に示すように、例えば、第1被取付部11aは前身頃11の下端部に位置し、第2被取付部12aは後身頃12の下端部に位置する。なお、第1被取付部11a及び第2被取付部12aは、下着本体10の左右方向における中央に位置していればよく、必ずしも、下着本体10の最も下端に位置している必要はない。
【0026】
この実施形態では、第1ラップ部21及び第2ラップ部22は、各々、カバー20の外面の一部である。したがって、図3(a)に示すように、第1ラップ部21は、第1被取付部11aの内面と向かい合う。また、図3(b)に示すように、第2ラップ部22は、第2被取付部12aの内面と向かい合う。
【0027】
なお、図3は、下着100が着用された形態を模した図であって、図3(a)は図2のA-A線に沿う概略断面図であり、図3(b)は図2のB-B線に沿う概略断面図である。これらの断面図においては、見易さを考慮して、面ファスナーを構成する部分のハッチングを省略して表した(後述の図8(a)、(b)も同様)。
【0028】
前身頃11の内面には、第1ループ13が設けられている。また、後身頃12の内面には、第2ループ14が設けられている。第1ループ13及び第2ループ14の各々は、カバー20の幅方向(左右方向)に沿って延びる帯状をなし、当該幅方向に伸縮性を有する。例えば、第1ループ13は、ゴム帯からなり、左右方向の両端が前身頃11に縫い付けられている(図2の破線は縫い目の一例を示す)。例えば、第2ループ14は、ゴム帯からなり、左右方向の両端が後身頃12に縫い付けられている(図2の破線は縫い目の一例を示す)。なお、第1ループ13及び第2ループ14は、ベルトループのように、各々が縫い付けられる下着本体10の部分と併せて環状になっていればよく、必ずしも、各々が単体で完全な環状に構成される必要はない。
【0029】
第1留め具31及び第2留め具32は、カバー20の下着本体10に対する着脱を可能にする構成である。
【0030】
図3(a)に示すように、第1留め具31は、第1被取付部11aと第1ラップ部21を結合する。この実施形態の第1留め具31は、面ファスナーであり、第1被取付部11aに設けられた第1部分31aと、第1ラップ部21に設けられ、第1部分31aに貼り合わせ可能な第1貼合部31bと、を備える。つまり、第1部分31a及び第1貼合部31bは、対となって面ファスナーを構成する。例えば、第1部分31aは第1被取付部11aに縫合され、第1貼合部31bは第1ラップ部21に縫合されている。
【0031】
図3(b)に示すように、第2留め具32は、第2被取付部12aと第2ラップ部22を結合する。この実施形態の第2留め具32は、面ファスナーであり、第2被取付部12aに設けられた第2部分32aと、第2ラップ部22に設けられ、第2部分32aに貼り合わせ可能な第2貼合部32bと、を備える。つまり、第2部分32a及び第2貼合部32bは、対となって面ファスナーを構成する。例えば、第2部分32aは第2被取付部12aに縫合され、第2貼合部32bは第2ラップ部22に縫合されている。
【0032】
第1留め具31及び第2留め具32の各々に採用される面ファスナーとしては、公知の構成を用いることができる。例えば、第1部分31a及び第1貼合部31bは、一方がループ面であり、他方がフック面であればよい。同様に、第2部分32a及び第2貼合部32bは、一方がループ面であり、他方がフック面であればよい。なお、第1部分31a及び第1貼合部31bは、フックとループの両方が植え込まれた、フック面とループ面との区別のないタイプであってもよい。同様に、第2部分32a及び第2貼合部32bは、フック面とループ面との区別のないタイプであってもよい。これらの変形は、後述の面ファスナーを構成する対の一方と他方の関係においても同様である。
【0033】
図3(a)、(b)に示すように、カバー20は、下着本体10に取り付けられている場合に、第1ラップ部21が第1部分31aに向いた状態で第1ループ13に挿入され、且つ、第2ラップ部22が第2部分32aに向いた状態で第2ループ14に挿入される。この構成の第1ループ13及び第2ループ14により、下着本体10にカバー20を取り付ける際に、下着本体10に対するカバー20の幅方向(左右方向)の位置を規制することができる。
【0034】
また、図3(a)に示すように、第1ループ13は、前身頃11に設けられた第1部分31a(つまり、第1留め具31である面ファスナーの一方)を覆う。同様に、図3(b)に示すように、第2ループ14は、後身頃12に設けられた第2部分32a(つまり、第2留め具32である面ファスナーの一方)を覆う。ここで、面ファスナーは、対象への着脱が容易である一方、糸くずなどのゴミが引っ掛かりやすいという特性がある。しかしながら、下着本体10に、第1部分31aを覆う第1ループ13と、第2部分32aを覆う第2ループ14とが設けられていることにより、第1部分31a及び第2部分32aにゴミが付着することを抑制することができる。
【0035】
カバー20には、カバー20を吊すことを可能とする吊りループ23が設けられている。これにより、下着本体10から取り外されたカバー20を洗濯した後に、吊して干し易い。一例として、吊りループ23は、下着本体10にカバー20が取り付けられた状態において、カバー20の後方の側部に縫いつけられている。なお、吊りループ23の位置は任意に変更可能であるが、下着100を着用したユーザーになるべく違和感を生じさせない箇所に吊りループ23を設けることが好ましい。
【0036】
ポケット40は、図1に破線で示すように、下着本体10に取り付けられ、カバー20のスペアを収納可能な構成である。ポケット40は、カバー20を折りたたんで収容可能な大きさで形成されている。この実施形態では、人類の多くが右利きであることを考慮して、右利きのユーザーにとって、カバー20を出し入れしやすい、前身頃11の左側の内面にポケット40が縫い付けられている。
【0037】
なお、下着本体10に対するポケット40の位置は、任意に変更可能である。例えば、ポケット40は、前身頃11の外面に縫い付けられていてもよい。また、ポケット40は、後身頃12の内面又は外面に縫い付けられていてもよい。第1実施形態に係る下着100の構成の説明は以上である。
【0038】
(下着本体10に対するカバー20の着脱について)
図1に示すように、下着本体10にカバー20が取り付けられた状態から、カバー20を取り外すには、面ファスナーを構成する第1部分31aから第1貼合部31bを剥がすと共に、同じく面ファスナーを構成する第2部分32aから第2貼合部32bを剥がすだけでよい。
【0039】
一方、下着本体10にカバー20を取り付ける場合は、カバー20の第1ラップ部21を第1ループ13に挿入すると共に、第1貼合部31bを第1部分31aに貼り合わせるだけで、カバー20の前側を前身頃11に取り付けることができる。また、カバー20の第2ラップ部22を第2ループ14に挿入すると共に、第2貼合部32bを第2部分32aに貼り合わせるだけで、カバー20の後ろ側を後身頃12に取り付けることができる。
【0040】
(効果)
このように、第1実施形態に係る下着100は、面ファスナーからなる第1留め具31及び第2留め具32を利用することで、カバー20が下着本体10に対して容易に着脱可能である。したがって、カバー20が汚れたとしても、カバー20を取り替えればよく、必ずしも下着100全体を洗う必要がない。以上のように、第1実施形態に係る下着100によれば、汚れやすい部分を容易に取り替えることができる。
【0041】
また、第1実施形態に係る下着100には、第1ループ13及び第2ループ14が設けられている。この構成によれば、前述のように、(i)下着本体10にカバー20を取り付ける際に、下着本体10に対するカバー20の幅方向の位置を規制することができ、また、(ii)第1部分31a及び第2部分32aにゴミが付着することを抑制することができる。(ii)に記載の効果は、特に、カバー20が取り外された下着本体10を洗濯する際に、非常に有効である。
【0042】
また、第1実施形態に係る下着100は、下着本体10に取り付けられ、カバー20のスペアを収納可能なポケット40を備える。この構成によれば、外出時にカバー20が汚れても、ポケット40に収納されたカバー20のスペアと取り替えることができるので、ユーザーにとって安心である。
【0043】
また、第1実施形態に係る下着100において、カバー20には、カバー20を吊すことを可能とする吊りループ23が設けられている。この構成によれば、下着本体10から取り外されたカバー20を洗濯した後に、吊して干し易い。
【0044】
ここからは、カバー20の変形例(変形例1,2)と、第2実施形態に係る下着について、順に説明する。以下では、第1実施形態に係る下着100と同様の機能を有する構成については、第1実施形態と同じ符号を用い、その説明を適宜省略する。以下の説明では、第1実施形態と異なる点を説明する。
【0045】
(カバー20の変形例1)
図4(b)、図5(a)に示すように、変形例1に係るカバー20には、第1フラップ51と、第2フラップ52とが設けられている。
【0046】
なお、図4(a)は、第1フラップ51及び第2フラップ52が後述の「開放状態」であるカバー20を外面の側から見た図である。図4(b)は、図4(a)の状態のカバー20を内面の側から見た図である。
【0047】
また、図5(a)は、第1フラップ51及び第2フラップ52が後述の「覆い状態」であるカバー20を外面の側から見た図である。図5(b)は、図5(a)の状態のカバー20を内面の側から見た図である。
【0048】
第1フラップ51は、第1貼合部31bを覆う覆い状態と、第1貼合部31bを覆わない開放状態に変化可能である。この変形例1の説明では、第1フラップ51の覆い状態を「第1覆い状態」と言い、第1フラップ51の開放状態を「第1開放状態」と言う。
【0049】
第2フラップ52は、第2貼合部32bを覆う覆い状態と、第2貼合部32bを覆わない開放状態に変化可能である。この変形例1の説明では、第2フラップ52の覆い状態を「第2覆い状態」と言い、第2フラップ52の開放状態を「第2開放状態」と言う。
【0050】
下着本体10にカバー20が取り付けられている場合は、第1フラップ51が第1開放状態、且つ、第2フラップ52が第2開放状態である(図4(a)参照)。
【0051】
一方、下着本体10からカバー20が取り外された場合には、第1フラップ51は第1開放状態から第1覆い状態に変化可能であり、第2フラップ52は第2開放状態から第2覆い状態に変化可能である。
【0052】
具体的に、ユーザーは、第1開放状態でカバー20における第1ラップ部21の裏を覆う第1フラップ51をひっくり返すことで、第1フラップ51を第1開放状態から第1覆い状態に変化させることができる。同様に、ユーザーは、第2開放状態でカバー20における第2ラップ部22の裏を覆う第2フラップ52をひっくり返すことで、第2フラップ52を第2開放状態から第2覆い状態に変化させることができる。
【0053】
つまり、図4(b)に示す状態から、第1フラップ51及び第2フラップ52をひっくり返すことで、図5(a)に示す状態へとカバー20の状態を遷移させることが可能である。逆に言えば、図5(a)に示す状態から、第1フラップ51及び第2フラップ52をひっくり返すと、図4(b)に示す状態へとカバー20の状態が遷移する。
【0054】
例えば、第1フラップ51は、前端と、左右方向における両端とが、カバー20の端に沿って縫い付けられている。なお、第1フラップ51の後端(第2フラップ52に近い端)は、カバー20に縫い付けられていない自由端となっている。これにより、上記のように、ひっくり返す操作が可能となっている。
【0055】
例えば、第2フラップ52は、後端と、左右方向における両端とが、カバー20の端に沿って縫い付けられている。なお、第2フラップ52の前端(第1フラップ51に近い端)は、カバー20に縫い付けられていない自由端となっている。これにより、上記のように、ひっくり返す操作が可能となっている。
【0056】
以上に説明した、変形例1に係るカバー20は、下着本体10から取り外された場合に、第1フラップ51で第1貼合部31bを覆い、第2フラップ52で第2貼合部32bを覆うことができる。これにより、カバー20を単体で洗濯する際に、面ファスナーの一部を構成する第1貼合部31b及び第2貼合部32bにゴミが付着することを抑制することができる。
【0057】
(カバー20の変形例2)
図6(a)、(b)に示すように、変形例2に係るカバー20には、第1フラップ61と、第2フラップ62とが設けられている。
【0058】
なお、図6(a)は、第1フラップ61及び第2フラップ62が「開放状態」であるカバー20を外面の側から見た図である。図6(b)は、第1フラップ61及び第2フラップ62が「覆い状態」であるカバー20を外面の側から見た図である。
【0059】
開放状態、覆い状態については、前述の変形例1と同様である。つまり、変形例2においても、第1フラップ61は、第1貼合部31bを覆う第1覆い状態と、第1貼合部31bを覆わない第1開放状態に変化可能である。また、第2フラップ62は、第2貼合部32bを覆う第2覆い状態と、第2貼合部32bを覆わない第2開放状態に変化可能である。
【0060】
下着本体10にカバー20が取り付けられている場合は、第1フラップ61が第1開放状態、且つ、第2フラップ62が第2開放状態である(図6(a)参照)。
【0061】
一方、下着本体10からカバー20が取り外された場合に、第1フラップ61は第1開放状態から第1覆い状態に変化可能であり、第2フラップ62は第2開放状態から第2覆い状態に変化可能である(図6(b)参照)。
【0062】
具体的に、図6(a)に示すように、第1フラップ61には、第1貼合部31bと結合可能な第1結合部61aが設けられている。また、第2フラップ62には、第2貼合部32bと結合可能な第2結合部62aが設けられている。
【0063】
第1結合部61aと第1貼合部31bは、第1部分31aと第1貼合部31bの関係と同様に、面ファスナーを構成する。また、第2結合部62aと第2貼合部32bは、第2部分32aと第2貼合部32bの関係と同様に、面ファスナーを構成する。
【0064】
そして、ユーザーは、第1結合部61aを第1貼合部31bから外す(剥がす)ことで、第1フラップ61を第1覆い状態(図6(b))から第1開放状態(図6(a))に変化させることができる。同様に、ユーザーは、第2結合部62aを第2貼合部32bから外す(剥がす)ことで、第2フラップ62を第2覆い状態(図6(b))から第2開放状態(図6(a))に変化させることができる。
【0065】
例えば、第1フラップ61は、左右方向に長尺の帯状をなす。そして、第1フラップ61の長手方向における一端がカバー20に縫い付けられ、他端がカバー20に縫い付けられておらず自由端となっている。ユーザーは、第1フラップ61を自由端からめくるようにすることで、第1フラップ61を第1開放状態とすることができる。
【0066】
例えば、第2フラップ62は、左右方向に長尺の帯状をなす。そして、第2フラップ62の長手方向における一端がカバー20に縫い付けられ、他端がカバー20に縫い付けられておらず自由端となっている。ユーザーは、第2フラップ62を自由端からめくるようにすることで、第2フラップ62を第2開放状態とすることができる。
【0067】
なお、第1フラップ61及び第2フラップ62の左右のいずれの端をカバー20に縫い付けるかは任意であり、ユーザーが操作し易いように任意に変更可能である。
【0068】
以上に説明した、変形例2に係るカバー20は、下着本体10から取り外された場合に、第1フラップ61で第1貼合部31bを覆い、第2フラップ62で第2貼合部32bを覆うことができる。これにより、カバー20を単体で洗濯する際に、面ファスナーの一部を構成する第1貼合部31b及び第2貼合部32bにゴミが付着することを抑制することができる。
【0069】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る下着本体10には、第1ループ13及び第2ループ14の代わりに、図7に示すように、第1抑えフラップ71と、第2抑えフラップ72とが設けられている。その他、第2実施形態に係る下着は、第1実施形態と同様の下着本体10、カバー20、第1留め具31、第2留め具32及びポケット40に加え、図8(a)に示す第3留め具73と、図8(b)に示す第4留め具74と、を備える。
【0070】
第1抑えフラップ71は、前身頃11の内面に設けられている。第1抑えフラップ71は、図8(a)に示すように、カバー20における第1ラップ部21の裏に位置する第1裏部21Bを抑えることが可能である。
【0071】
図8(a)に示すように、第3留め具73は、面ファスナーであり、第1裏部21Bに設けられた第3部分73aと、第1抑えフラップ71に設けられ、第3部分73aに貼り合わせ可能な第3貼合部73bと、を備える。下着本体10からカバー20が取り外された際には、第3貼合部73bを第1部分31aに貼り合わせることも可能である。つまり、第3貼合部73bは、第3部分73aと対となって面ファスナーを構成するだけでなく、第1部分31aと対となって面ファスナーを構成する。例えば、第3部分73aは第1裏部21Bに縫合され、第3貼合部73bは第1抑えフラップ71に縫合されている。
【0072】
第2抑えフラップ72は、後身頃12の内面に設けられている。第2抑えフラップ72は、図8(b)に示すように、カバー20における第2ラップ部22の裏に位置する第2裏部22Bを抑えることが可能である。
【0073】
図8(b)に示すように、第4留め具74は、面ファスナーであり、第2裏部22Bに設けられた第4部分74aと、第2抑えフラップ72に設けられ、第4部分74aに貼り合わせ可能な第4貼合部74bと、を備える。下着本体10からカバー20が取り外された際には、第4貼合部74bを第2部分32aに貼り合わせることも可能である。つまり、第4貼合部74bは、第4部分74aと対となって面ファスナーを構成するだけでなく、第2部分32aと対となって面ファスナーを構成する。例えば、第4部分74aは第2裏部22Bに縫合され、第4貼合部74bは第2抑えフラップ72に縫合されている。
【0074】
例えば、第1抑えフラップ71は、図7に示すように、カバー20の幅方向に沿い、左右方向に長尺の帯状をなす。そして、第1抑えフラップ71の長手方向における一端が前身頃11に縫い付けられ、他端が前身頃11に縫い付けられておらず自由端となっている。
【0075】
例えば、第2抑えフラップ72は、図7に示すように、カバー20の幅方向に沿い、左右方向に長尺の帯状をなす。そして、第2抑えフラップ72の長手方向における一端が後身頃12に縫い付けられ、他端が後身頃12に縫い付けられておらず自由端となっている。
【0076】
なお、第1抑えフラップ71及び第2抑えフラップ72の左右のいずれの端を下着本体10に縫い付けるかは任意であり、ユーザーが操作し易いように任意に変更可能である。
【0077】
下着本体10にカバー20が取り付けられている場合に、第3貼合部73bが第3部分73aに貼り合わされることで第1抑えフラップ71は第1裏部21Bを抑え、第4貼合部74bが第4部分74aに貼り合わされることで第2抑えフラップ72は第2裏部22Bを抑える。
【0078】
ユーザーは、第1抑えフラップ71を自由端からめくるようにすることで、第1抑えフラップ71を第3貼合部73bから剥がすことができる。同様に、ユーザーは、第2抑えフラップ72を自由端からめくるようにすることで、第2抑えフラップ72を第4貼合部74bから剥がすことができる。
【0079】
そして、下着本体10からカバー20を取り外した場合においては、ユーザーは、第1抑えフラップ71に設けられた第3貼合部73bを、前身頃11に設けられた第1部分31aに貼り合わせることができる。同様に、ユーザーは、第2抑えフラップ72に設けられた第4貼合部74bを、後身頃12に設けられた第2部分32aに貼り合わせることができる。
【0080】
第2実施形態による第1抑えフラップ71及び第2抑えフラップ72により、下着の着用時に、下着本体10からカバー20が外れてしまうことを抑制することができる。さらに、下着本体10にカバー20が取り付けられている場合は、カバー20に設けられた第3部分73aを第1抑えフラップ71で覆うことができると共に、カバー20に設けられた第4部分74aを第2抑えフラップ72で覆うことができる。このため、第3部分73a及び第4部分74aにゴミが付着することを抑制することができる。
【0081】
一方、下着本体10からカバー20を取り外した場合は、前身頃11に設けられた第1部分31aを第1抑えフラップ71で覆うことができると共に、後身頃12に設けられた第2部分32aを第2抑えフラップ72で覆うことができる。このため、カバー20を取り外された下着本体10において、第1部分31a及び第2部分32aにゴミが付着することを抑制することができる。
【0082】
以上により、第2実施形態に係る第1抑えフラップ71及び第2抑えフラップ72によれば、下着本体10を単体で洗濯する際にも、下着本体10にカバー20を取り付けたまま洗濯する際にも、面ファスナーにゴミが付着することを抑制することができる。第2実施形態の説明は以上である。
【0083】
なお、本発明は以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、実施形態に適宜の変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。
【0084】
以上に説明した下着100及び下着100を構成する各部の大きさ、材質、形状及びデザインは、下着100の目的を達することができる限りにおいては任意に変更可能である。また、下着100は、男性用、女性用の別を問わないし、一般用途、介護用途の別を問わない。
【0085】
第1留め具31及び第2留め具32は、面ファスナーに限られず、他の公知の留め具から構成されてもよい。例えば、第1被取付部11aと第1ラップ部21の一方にボタンを設け、他方に当該ボタンが挿入されるボタンホールを設けてもよい。また、第1ラップ部21の一方にスナップボタンの凸部分を設け、他方に当該凸部分が挿入される凹部分を設けてもよい。第2被取付部12aと第2ラップ部22を結合する第2留め具32についても同様に変更可能である。
【0086】
下着100においては、後身頃12に特に力が加わりやすいことを踏まえると、第2留め具32を構成する面ファスナーの大きさ(長さも含む。)を、第1留め具31を構成する面ファスナーよりも大きくする方が良いと考えられる。しかしながら、第1留め具31及び第2留め具32の各々を構成する面ファスナーの大きさ、形状は、下着100の全体形状やデザインに応じて任意に変更可能である。これは、下着100に設けられる他の面ファスナーについても同様である。
【0087】
また、前述したように、下着100に設けることが可能な種々の面ファスナーは、取り付け対象の部位に縫合でなく、接着されていてもよい。
【0088】
以上では、第1ラップ部21及び第2ラップ部22の各々が、カバー20の外面の一部である例を示したが、これに限られず、下着本体10とカバー20とが重なる部分(つまり、結合可能な部分)の設定は任意である。例えば、第1ラップ部21をカバー20の内面の一部としてもよく、この場合、第1ラップ部21は第1被取付部11aの外面と向かい合う。同様に、第2ラップ部22をカバー20の内面の一部としてもよく、この場合、第2ラップ部22は第2被取付部12aの外面と向かい合う。
【0089】
以上の説明では、本発明の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明を適宜省略した。
【0090】
この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0091】
100…下着
10…下着本体
11…前身頃、11a…第1被取付部
12…後身頃、12a…第2被取付部
13…第1ループ
14…第2ループ
20…カバー
21…第1ラップ部、21B…第1裏部
22…第2ラップ部、22B…第2裏部
23…吊りループ
31…第1留め具、31a…第1部分、31b…第1貼合部
32…第2留め具、32a…第2部分、32b…第2貼合部
40…ポケット
51,61…第1フラップ、61a…第1結合部
52,62…第2フラップ、62a…第2結合部
71…第1抑えフラップ
72…第2抑えフラップ
73…第3留め具、73a…第3部分、73b…第3貼合部
74…第4留め具、74a…第4部分、74b…第4貼合部
hW…ウエスト
hL,hR…足ぐり
【要約】
【課題】汚れやすい部分を容易に取り替えることができる下着を提供する。
【解決手段】下着100は、ユーザーの腰回りに着用される筒状の下着本体10と、ユーザーの陰部及び肛門の少なくともいずれかを覆うカバー20と、下着本体10に対するカバー20の着脱を可能とする第1留め具及び第2留め具と、を備える。下着本体10は、前身頃11及び後身頃12を有する。カバー20は、前身頃11に重なる第1ラップ部21、及び、後身頃12に重なる第2ラップ部22を有する。前身頃11は、第1ラップ部21が取り付けられる第1被取付部11aを有し、後身頃12は、第2ラップ部22が取り付けられる第2被取付部12aを有する。第1留め具は、第1被取付部11aと第1ラップ部21を結合可能であり、第2留め具は、第2被取付部12aと第2ラップ部22を結合可能である。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8