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特許7161824表示コンテンツのパネルをナビゲートする方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-19
(45)【発行日】2022-10-27
(54)【発明の名称】表示コンテンツのパネルをナビゲートする方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 11/80 20060101AFI20221020BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20221020BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20221020BHJP
   G06F 3/04845 20220101ALI20221020BHJP
   G09G 5/14 20060101ALI20221020BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20221020BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20221020BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
G06T11/80 E
G06F3/0488
G06F3/0481
G06F3/04845
G09G5/14 A
G09G5/00 510H
G09G5/00 550C
G09G5/36 530Y
G09G5/00 530T
G09G5/36 520F
G09G5/36 520G
G06T1/00 200E
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2019558996
(86)(22)【出願日】2018-01-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-05
(86)【国際出願番号】 US2018013569
(87)【国際公開番号】W WO2018132709
(87)【国際公開日】2018-07-19
【審査請求日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】62/446,065
(32)【優先日】2017-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519256204
【氏名又は名称】リンゴジン ホールディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LingoZING Holding LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】ディアコフ,クリスティアン
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-076068(JP,A)
【文献】特開2001-052208(JP,A)
【文献】特開2005-202062(JP,A)
【文献】特開2010-164862(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0380237(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 11/80
G06F 3/0488
G06F 3/0481
G06F 3/04845
G09G 5/14
G09G 5/00
G09G 5/36
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示コンテンツのパネルをナビゲートする方法であって、
データベース4に記憶され、グラフィックデータ24を有する複数の画像ファイル20と、計算装置10と、前記データベース4に記憶されたナビゲーションモジュール50と、を備え、
前記計算装置10は、
前記複数の画像ファイル20を備えるデジタルデータを保持するために使用されるメモリ装置15と、
計算し命令を送ることによって、前記メモリ装置15に記憶されたデジタルデータを処理するための中央処理装置16と、
表示領域12aを有し、前記表示領域12a内に表示されるグラフィックデータ24の順次並置された複数のパネル19を受け取って表示する汎用ユーザインターフェース12と、を備え、
前記中央処理装置16は、前記ナビゲーションモジュール50を実行して、前記パネル19の表示モードと前記複数のパネル19のナビゲーションモードとの間の切り替えをユーザに可能に
前記ナビゲーションモードは、前記ユーザが前記順次並置されたパネル19をパンして被選択パネルを選択してズームインするモードであり、
前記ナビゲーションモジュール50は、前記被選択パネルを囲む前記複数のパネル19の上に陰影Sを同時に提供し、
前記ユーザが前記被選択パネルからズームアウトすると、前記被選択パネルを囲む前記複数のパネル19の前記陰影Sが0%になり、後続する被選択パネルにズームインすると100%に戻る、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
パネル19の前記表示モードは、前記表示領域12aに表示された、順次並置されたパネル19の各ページについて100%の表示可能なコンテンツを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ナビゲーションモジュール50は、前記ユーザが前記被選択パネルを選択すると、前記被選択パネルのズーム画像をズームインして表示する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザは、前記複数のパネル19のうちの1つに対応する前記汎用ユーザインターフェース12の座標系の特定の座標を指して選択することによって前記被選択パネルを選択する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ナビゲーションモジュール50は、前記ユーザが前記被選択パネルを選択した後に、前記被選択パネルにズームインして前記被選択パネルの周囲にソフトエッジ効果60を配置する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記被選択パネルは、前記表示領域12aの利用可能範囲の約85から約90%を占める、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザは、前記汎用ユーザインターフェース12を再度選択して、ナビゲーション開始位置52を提供することによって前記複数のパネル19をナビゲートし続ける、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記ユーザは、前記被選択パネルの位置と前記被選択パネルを囲む前記複数のパネル19に対してスワイプジェスチャを実行することによって後続のパネル19cを選択する、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記スワイプジェスチャは、1回の連続的な直線的な動作で実行され、前記ナビゲーシ
ョン開始位置52は、前記ナビゲーションモジュール50によって識別され記憶される、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記ナビゲーションモジュール50は、連続的なスワイプ51の経路の前記ナビゲーション開始位置52とナビゲーション終了位置54との間の距離Lを決定することによって、前記連続的なスワイプ51の前記経路を評価する、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記スワイプジェスチャが一旦停止すると、前記ナビゲーション終了位置54が決定される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ナビゲーションモジュール50は、前記連続的なスワイプ51の前記経路の前記ナビゲーション開始位置52と現在位置の間の座標である、前記ナビゲーション開始位置52と中間経路53の選択座標によって、前記連続的なスワイプ51の前記経路の方向ベクトルVの計算を開始する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ナビゲーション開始位置52は、前記被選択パネルに対する前記後続のパネル19cの位置と一致する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ユーザは、次いで、前記被選択パネルの位置及び方向と一致するナビゲーション終了位置54まで前記汎用ユーザインターフェース12を横切ってスライドする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記スワイプジェスチャは、前記ナビゲーションモジュール50が前記方向ベクトルVにあると識別する横方向の動作である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ナビゲーションモジュール50は、前記後続のパネル19cが他の被選択パネルに遷移するように前記後続のパネル19cを決定し、表示シーケンスを実行する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記表示シーケンスは、前記連続的なスワイプ51の前記経路に沿って移動することによって制御され、前後に移動され得る、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記表示シーケンスは、前記中間経路53の間に前記複数のパネル19のズームアウト及びズームインを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の画像ファイル20は、ネットワーク9を介してダウンロードされる、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の画像ファイル20は、前記計算装置10に事前にロードすることができる、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記計算装置10は、タッチスクリーンディスプレイ11を備えたタブレットコンピュータである、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記タッチスクリーンディスプレイ11は、指又はスタイラスのジェスチャを用いて前記汎用ユーザインターフェース12をナビゲートし、スワイプジェスチャを通じて前記被選択パネルを選択する、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2017年1月13日に出願された米国仮特許出願第62/446,065号の米国特許法119条(a)~(d)に基づく出願日の利益を主張する。
【0002】
本発明は、汎用ユーザインターフェース上の表示コンテンツのパネル(panel:こま)をナビゲートする方法に関し、より詳細には、汎用ユーザインターフェース上の表示コンテンツの順次並置されたパネルをナビゲートする方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の紙への発行は、単一のページのレイアウトが複数の論理的なコンテンツパネルを利用することを常に可能にしてきた。例としては、1)記事の文章に入りにくい情報を提供するサイドバーとともにストーリーを発行する新聞や雑誌、読者の体験を向上させるグラフや写真又は文章以外の他のコンテンツを提供するグラフィック挿入物、2)ページは互いに複数のパネルで構成されている漫画本を含む。ほとんどの人がよく使うタッチスクリーン計算装置、例えば、スマートフォンやタブレットの画面は、従来の発行されたページほど大きくはないので、もっと小さなスペースで従来のページレイアウト技術を採用することは最適でない読書体験を生み出し、メイン文章以外の論理コンテンツパネルが、文章末尾のリンクに追いやられているか、又は視聴されている装置の画面サイズに比例して一致しない方法で表示され、ユーザが手動でぎこちないズームイン及びズームアウトを行うことを要求する、又は時々それらは完全に省略される。ここで本発明は、ユーザが特定の論理コンテンツパネルのズームインビューに入ってそのコンテンツを視聴すること、及びタッチスクリーンスワイプジェスチャを使用することによってズームインコンテンツの焦点を隣接する論理コンテンツパネルに変更することを可能にする。
【0004】
米国特許第8,301,999号は、デジタル著作物内のデジタル化された漫画本又は他の一連のイラストシーン(illustrative scene)を自動的にナビゲートする方法及びシステムを対象としている。この方法及びシステムは、2つの表示モードを提供する。第1の表示モードでは、1つのパネルを他のパネルと視覚的に区別することなく、ページ全体が表示画面上に見える。第2の表示モードでは、一連のイラストシーンの1つが視覚的に強調されて、1つの表示されたイラストシーンが隣接するイラストシーンよりも容易に知覚され、各表示されたイラストシーンの寸法がデジタル著作物内の他のパネルの各々の寸法から独立している。方法又はシステムのユーザは、第1又は第2の表示モードのいずれかを要求することができる。方法及びシステムは、局所的又は遠隔的に制御及び記憶することができる。したがって、これは筋書きでコマ割りされた(storyline-framed)順序のシーンをナビゲートする上で非常に広い方法である。
【0005】
より具体的には、’999特許は、表示体験を作り出すこと、より具体的には、各表示されたイラストシーンを、指定された順序で隣接するイラストシーンよりも、容易に知覚させる視覚強調を用いてイラストシーンの各順序を表示することに焦点を当てており、各表示されたイラストシーンの寸法は、デジタル著作物内の各パネルの寸法とは無関係である。結果として、強調されたフレームとその寸法の視覚的な強調は、元の順序のいずれかのパネルの寸法とは無関係であり、つまり、それらは対応していない。例えば、図10A及び図12Bに示されるように、元のパネル1204が引き延ばされる一方で、強調パネル1004は切り詰められ、それは独自の視覚効果を生み出す。これは元のフレームの不均衡な表示である。
【0006】
さらに、’999特許は、ボタンをクリックし、カーソル又は他の位置インジケータをパネル上に又は特定のパネルをクリックして配置するために、ボタンの選択、マウス又は他の入力機構の操作によるナビゲーション制御ボタンの起動などの特定の動作にユーザを集中させる。タッチスクリーン装置の継続的な開発に伴い、コンテンツをナビゲートするためにスワイプを使用することが必要とされている。
【0007】
したがって、スワイプなどの単純なコマンドを使用して連続セルの画面ビューを切り替えることによってデジタル化されたコンテンツをナビゲートするユーザの能力を向上させる方法及び関連ツールを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0008】
結果として、汎用ユーザインターフェース上の表示コンテンツの順次並置されたパネルをナビゲートする方法が提供される。このシステムは概して、グラフィックデータを有する複数の画像ファイルと、計算装置と、画像ファイルをナビゲートして表示するためのナビゲーションモジュールと、を含む。計算装置は、メモリ装置と、計算を行い、ナビゲーションモジュールを実行することによってメモリ装置に記憶されたデータを操作する中央処理装置と、ユーザが表示領域内に表示されたグラフィックデータの順次並置されたパネルを提供する複数の画像ファイルにアクセスすることを可能にするための表示領域を有するユーザインターフェースと、を備える。ナビゲーションモジュールは、中央処理装置によって実行され、ユーザが表示領域をパンして、選択されたパネルを選択するときに、ユーザがパネルの表示モードとパネルのナビゲーションモードとの間で切り替えることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は、ここで添付の図面を参照して例により説明される。
図1】本発明による表示システムのためのハードウェア及びネットワークインフラストラクチャのフロー図である。
図2】本発明による表示システムの接続装置の概略図である。
図3】複数の順次並置されたパネルを有する汎用ユーザインターフェースを示す、本発明による表示システムの表示モジュールのグラフィック表示である。
図4】本発明によるナビゲーションモジュールを使用して表示領域の順次並置されたパネル間をナビゲートする表示システムのグラフィック表示である。
図5】本発明によるナビゲーションモジュールを用いた表示システムのグラフィック表示であり、表示領域の順次並置されたパネルのうちの選択されたパネルを示す。
図6図5の表示システムのグラフィック表示であり、表示領域の順次並置されたパネル間をナビゲートするための直線的ジェスチャの第1のステップを示す。
図7図6の表示システムのグラフィック表示であり、表示領域の順次並置されたパネル間をナビゲートするための直線的ジェスチャの後続のステップを示す。
図8図7の表示システムのグラフィック表示であり、表示領域の順次並置されたパネル間をナビゲートするための直線的ジェスチャの別の後続のステップを示す。
図9図8の表示システムのグラフィック表示であり、表示領域の順次並置されたパネル間をナビゲートするための直線的ジェスチャの別の後続のステップを示す。
図10図9の表示システムのグラフィック表示であり、表示領域の順次並置されたパネル間をナビゲートするための直線的ジェスチャによって選択された後続のパネルを表示する。
図11】本発明によるナビゲーションモジュールを用いた表示システムのグラフィック表示であり、表示領域の順次並置されたパネルのうちの選択されたパネルを示す。
図12図11の表示システムのグラフィック表示であり、表示領域の順次並置されたパネル間をナビゲートするための直線的ジェスチャの第1のステップを示す。
図13図12の表示システムのグラフィック表示であり、表示領域の順次並置されたパネル間をナビゲートするための直線的ジェスチャの後続のステップを示す。
図14図13の表示システムのグラフィック表示であり、表示領域の順次並置されたパネル間をナビゲートするための直線的ジェスチャの別の後続のステップを示す。
図15図14の表示システムのグラフィック表示であり、表示領域の順次並置されたパネル間をナビゲートするための直線的ジェスチャによって選択された後続のパネルを表示する。
図16】本発明によるナビゲーションモジュールを使用した表示システムのグラフィック表示であり、表示領域の順次並置されたパネルのうちの選択されたパネルを示す。
図17図16の表示システムのグラフィック表示であり、表示領域の順次並置されたパネル間をナビゲートするための直線的ジェスチャの第1のステップを示す。
図18図17の表示システムのグラフィック表示であり、表示領域の順次並置されたパネル間をナビゲートするための直線的ジェスチャの後続のステップを示す。
図19図18の表示システムのグラフィック表示であり、表示領域の順次並置されたパネル間をナビゲートするための直線的ジェスチャの別の後続のステップを示す。
図20図19の表示システムのグラフィック表示であり、表示領域の順次並置されたパネル間をナビゲートするための直線的ジェスチャの別の後続のステップを示す。
図21図20の表示システムのグラフィック表示であり、表示領域の順次並置されたパネル間をナビゲートするための直線的ジェスチャによって選択された後続のパネルを表示する。
図22】本発明によるナビゲーションモジュールを使用した表示システムのグラフィック表示であり、表示領域の順次並置されたパネルのうちの選択されたパネルを示す。
図23図22の表示システムのグラフィック表示であり、表示領域の順次並置されたパネル間をナビゲートするための直線的ジェスチャの第1のステップを示す。
図24図23の表示システムのグラフィック表示であり、表示領域の順次並置されたパネル間をナビゲートするための直線的ジェスチャの後続のステップを示す。
図25図24の表示システムのグラフィック表示であり、表示領域の順次並置されたパネル間をナビゲートするための直線的ジェスチャの別の後続のステップを示す。
図26図25の表示システムのグラフィック表示であり、表示領域の順次並置されたパネル間をナビゲートするための直線的ジェスチャの別の後続のステップを示す。
図27図26の表示システムのグラフィック表示であり、表示領域の順次並置されたパネル間をナビゲートするための直線的ジェスチャの別の後続のステップを示す。
図28図27の表示システムのグラフィック表示であり、表示領域の順次並置されたパネル間をナビゲートするための直線的ジェスチャによって選択された後続のパネルを表示する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付の図面を含む実施形態を参照して、本発明をここでさらに詳細に説明する。
【0011】
本発明による表示システム1は、図に示されるような好ましい実施形態により説明される。概して、表示システム1は、ソフトウェア及びハードウェアを使用して、汎用ユーザインターフェースを介して表示コンテンツの順次並置されたパネルをナビゲートする。
【0012】
まず図1を参照して、表示システム1の一実施形態のためのハードウェアインフラストラクチャを説明する。好ましい実施形態では、表示システム1は、ネットワークルータ2(例えば無線ルータ)上に構築され、データベースサーバ4に接続されている一方、ウェブサーバ6、ファイアウォール8、ネットワーク9、及び計算装置10を備える既知のハードウェア構成要素も利用する。
【0013】
表示システム1は、ユーザが、計算装置10及びウェブサーバ6に接続するデータベースサーバ4(すなわち、SQLServer又はWindowsServer2012以降)上のネットワークトラフィック情報を通じて、情報及び画像などのグラフィックデータ24を備える複数の画像ファイル20にアクセスすることを可能にする。ウェブサーバ6は、ネットワークルータ2が計算装置10とデータベースサーバ4との間のアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を介してデータベースサーバ4と通信する手段として機能する。ファイアウォール8は、限定はしないが、ウェブサーバ6への不正アクセスを阻止し、不正な通信を許可するなどのセキュリティ目的のために統合されている。表示システム1は、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、キャンパスエリアネットワーク(CAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)及び将来開発される任意の新しいネットワークシステムを介してダウンロードされる画像ファイル20を介して計算装置10により動作するように設計される。これらのネットワークはネットワーク9で表される。当業者であれば、画像ファイル20を計算装置10に事前にロードすることができるので、表示システム1を計算装置10を通してのみ維持することができることを理解されたい。図示の実施形態では、ユーザは、ネットワーク9を介して計算装置10を使用してネットワークルータ2に接続する。
【0014】
図2を参照して計算装置10について説明する。計算装置10は、概して、表示領域12aを備えた汎用ユーザインターフェース12、メモリ装置15、及びプロセッサ16を備える。図示の実施形態では、計算装置10はタッチスクリーンディスプレイ11を備えたタブレットコンピュータである。計算装置10は、音声出力装置17及び音声入力装置18を備えるセンサを備える。音声出力装置17はスピーカ又は音声ジャックであり、一方、音声入力装置18は内蔵マイクロホンであってもよい。タッチスクリーンディスプレイ11は、汎用ユーザインターフェース12をナビゲートするために指又はスタイラスのジェスチャを使用する。しかしながら、当業者であれば、コンピュータのマウス、キーボード、又はジョイスティックを備える他の器具を使用できることを理解されたい。実際、計算装置10は物理的なコンピュータであり、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、又は携帯電話であり得るが、それらに限定されないことを当業者は理解されたい。メモリ装置15は、デジタルデータを保持するために使用されるコンピュータ構成要素及び記録媒体を有する記憶装置である。プロセッサ16は、計算を行うことによりメモリ装置15に記憶されているデータを操作する中央処理装置(CPU)である。
【0015】
図3を参照する。画像ファイル20は、計算装置10のための汎用ユーザインターフェース12の例示として説明される。
【0016】
画像ファイル20は、表示するために指定されたタスクを実行するように書かれた一連の命令を備え、概して表示モジュール及び聴覚モジュールを備える。画像ファイル20は、グラフィック要素25、字句要素26、及び場合によっては聴覚要素(図示せず)を含むグラフィックデータ24をさらに備える。特に、表示モジュールは、汎用ユーザインターフェース12を介してグラフィック要素25及び字句要素26を表示する。聴覚モジュールはまた、グラフィック要素25及び字句要素26に対応する聴覚要素27を知らせる(broadcasting)ことによって聴覚機能も実行する。
【0017】
図3に示すように、表示システム1は、1つ以上のページのグラフィックデータ24を表示する。グラフィックデータ24はリレーショナルデータベースに記憶され、リレーショナルデータベースは、図3のパネル19として識別されるリンクに一致する関連テーブルに記録されたデータ要素を含む。示されるように、単一のページは1つ以上のパネル19を備える。これらのパネル19は、汎用ユーザインターフェース12に沿った座標に対応する。
【0018】
図3に示すように、どのパネルのデータが聴覚モジュールによって利用されているかを識別するためにインデックスキーを使用して、各パネル19に関連付けられたグラフィックデータ24をデータベースに記憶する方法の例では、インデックスキーに関連する他の様々な要素を呼び出して、文章パネルを所望の言語の文章で埋めるか、又は話している文章の音声記録を装置に再生させることができる。
【0019】
次に図4を参照すると、表示システム1用のナビゲーションモジュール50を説明する。
【0020】
概して、ナビゲーションモジュール50は、表示システム1を介して表示されたグラフィックデータ24の順次並置されたパネル19をユーザがナビゲートするシステム及び方法を提供する。より具体的には、ユーザは、表示システム1を介してパネル19の表示モードとパネル19のナビゲーションモードとの間で切り替えることができる。図3に示されるように、表示モードは、表示システム1の各ページについて100%の表示可能コンテンツを含む。例えば、図4に示すように、表示モードはパネル19の完全なページを表示する。より具体的には、図4は、汎用ユーザインターフェース12の利用可能な表示領域12aの100%を占める8つのパネル19を示す。
【0021】
対照的に、図5に示されるように、ナビゲーションモードにおいて、ユーザは汎用ユーザインターフェース12を通して被選択パネル19aを選択する。ナビゲーションモジュール50は、被選択パネル19aに向かってページ全体に亘ってパンする。パンしている間、ナビゲーションモジュール50は、次いでズームインし、被選択パネル19のズーム画像を表示する。図示の実施形態では、被選択パネル19aは、使用可能な利用可能表示領域12aの約85~90%を占めてもよい。さらに、被選択ディスプレイ19aを囲むように順次並置されたパネル19が示されている。図示の実施形態では、順次並置されたパネル19は、利用可能な表示領域12aの残りの約10~15%を占める。
【0022】
図4図28に示すように、ナビゲーションモジュール50は、タッチスクリーン計算装置のオペレーティングシステムの標準入出力処理技術の上にオーバーレイを有するタッチスクリーン13を備える計算装置10を使用する。入出力システムの上にあるオーバーレイは、画面上の特定の領域を選択可能な要素、すなわち、グラフィック要素25、字句要素26として識別し、ユーザが選択したい要素を含む弧として認識されるジェスチャを検出及び処理するように設計されている。
【0023】
図4から図10まで参照すると、並置されたパネル19は、例えば話の筋書きの順に、順次順番に配置されている。第1に、ユーザは、汎用ユーザインターフェース12内のパネル19に対応するようにタッチスクリーン13に触れることによって被選択パネル19aを選択する。これによりナビゲーションモジュール50が開始される。最初の接触のナビゲーション開始位置52は、メモリ装置15に記憶されており、汎用ユーザインターフェース12の座標系の特定の座標に対応する。ナビゲーションモジュール50は、被選択パネル19aにズームインし、被選択パネル19aの周囲にソフトエッジ効果60を配置する。ナビゲーションモジュール50は、被選択パネル19aを囲む任意の順次並置されたパネル19の上に陰影Sを同時に提供する。図5に示す実施形態では、ナビゲーションモジュール50は、シーンのエッジにおける100%の透明度から80%の不透明度まで~20pxのソフトな遷移を提供する。
【0024】
図6に示されるように、ユーザは、再び汎用ユーザインターフェース12を押してナビゲーション開始位置52を提供することによって、順次並置されたパネル19の話の筋書きを続けることができる。その後ユーザは、被選択パネル19a及び周囲の順次並置されたパネル19の位置に対してスワイプジェスチャを上、下、左、又は右の方向に実行することによって後続のパネル19cを選択することができる。これは、計算装置10を指で押すこと(例えば、画面に触れてから連続動作を使用してある方向に移動すること)によって、1回の連続した直線的な動作における完全なスワイプジェスチャによって実行され、ナビゲーション開始位置52はナビゲーションモジュール50によって生成され記憶される。図示の実施形態では、ユーザは、一定又は可変の長さ寸法の連続スワイプ51を通して直線的ジェスチャを実行する。しかしながら、当業者は、ナビゲーションモジュール50が弧のような他の幾何学的経路を必要とする可能性があることを理解されたい。特に、図示の実施形態では、ナビゲーションモジュール50が起動されると表示シーケンスが起動され、図示の実施形態では図5図10に例示的に示されている。例えば、表示シーケンスは、順次並置されたパネル19のズームアウト/再センタリング/ズームインの組み合わせ動作を表す画像ファイル20の連続表示である。さらに、陰影順序Sも実行される。例えば、ユーザが被選択パネル19aからズームアウトすると、周囲の順次並置されたパネル19の陰影Sは、100%から100%→0%→100%になり、その後、後続のパネル19cがズームインする場合、100%戻る。
【0025】
本発明によれば、ナビゲーションモジュール50は、連続スワイプ51の直線経路のナビゲーション開始位置52とナビゲーション終了位置54との間の距離(L)を決定することによって、連続スワイプ51の経路を評価する。スワイプジェスチャが停止すると、ナビゲーション終了位置54が決定される。直線経路が開始したとナビゲーションモジュール50が判断すると、ナビゲーションモジュール50は、連続スワイプ51の開始位置52と現在位置との間の座標であるナビゲーション開始位置52と中間経路53の選択座標によって、連続スワイプ51の方向ベクトル(V)の計算を開始する。
【0026】
図5図10に示すように、ユーザは、被選択パネル19に対する後続パネル19cの位置と一致するナビゲーション開始位置52を提供する。次に、ユーザは、被選択パネル19aの位置及び方向と一致するナビゲーション終了位置54まで汎用ユーザインターフェース12を横切ってスライドする。示された実施形態では、これは横方向の動作であり、ナビゲーションモジュール50は、これが、示された実施形態では方向ベクトルV、又は横方向のスワイプの形態であることを識別する。ナビゲーションモジュール50は、その後、後続パネル19cを決定し、上述のように表示シーケンスを実行する。指がタッチスクリーン13から持ち上げられる前に、連続スワイプ51に沿って移動することによって、いつでもシーケンスを制御し前後に移動させることができる。例えば、ユーザは、被選択パネル19aを30~40%ズームアウトし、後続のパネル19cに再センタリングし、次いで被選択パネル19aにズームして戻ることができる。その結果、各パネル19を直線的な順序で個々にスライドして扱う代わりに、ユーザはむしろ汎用ユーザインターフェース12のパネルをナビゲートしながらページ上でズームイン及びズームアウトする。
【0027】
ナビゲーションモジュール50の計算論理は、2つの一般的なステップ、すなわち(1)ナビゲーション開始位置52及びナビゲーション終了位置54を計算すること、(2)それらの間の中間経路53を計算することに分割することができる。
【0028】
ナビゲーション開始位置52を計算するとき、ズーム倍率が考慮されなければならない。例えば、被選択パネル19aの幅が表示領域12aの幅の95%未満である場合、ナビゲーションモジュール50は、被選択パネル19aの幅が表示領域12aの幅の95%となるように拡大する。被選択パネル19aの高さが表示領域12aの高さの95%より大きい場合、ナビゲーションモジュール50は被選択パネル19aの高さが表示領域12aの高さの95%になるように倍率を減少させる。さらに、ナビゲーションモジュール50は、被選択パネル19aを表示領域12aの中央に配置した。被選択パネル19aのいずれかのエッジが表示領域12aの外側にある場合、ナビゲーションモジュール50は、被選択パネル19aエッジを対応する表示領域12aエッジと位置合わせするように位置を調整する。
【0029】
ナビゲーションモジュール50はまた、上述したように、ユーザが表示シーケンスを制御することを可能にする。図示の実施形態では、ユーザは、動作制御ジェスチャサイズとして、表示領域12aの幅/高さの最大50%を使用することができ、すなわち、スワイプが表示領域12aの50%をカバーする場合、そのナビゲーションモジュール50は、タッチスクリーン13から指を持ち上げるのと同じように、方向ベクトルVを決定するためにナビゲーション終了位置54を識別する。別の実施形態では、表示領域12aのサイズの半分(画面幅/高さの25%)をカバーする前にユーザが連続スワイプ50を止めると、ナビゲーションモジュール50はナビゲーションモードの被選択パネル19aの表示に戻る。しかし、表示領域12aの半分(画面幅/高さの25%)をカバーした後、全表示領域(画面幅/高さの100%)をカバーする前にユーザが連続スワイプ50を止めると、ナビゲーションモジュール50は方向ベクトルVを識別するためにナビゲーション終了位置54を自動的に識別する。さらに、方向ベクトルVの計算に関して上述したように、ユーザは、主方向が水平か垂直かを判断するために連続スワイプ50の最初の10%を使用できる。
【0030】
表示シーケンスをより明確にするために、ナビゲーションモジュール50は、ユーザが中間経路53の間に表示シーケンスを制御することを可能にする。これには中間のズーム倍率が含まれる。表示シーケンス中のズーム曲線は、開始シーンのズーム倍率->中間ズーム倍率->終了シーンのズーム倍率である。
【0031】
図示の実施形態では、開始ズーム倍率又は終了ズーム倍率の一方が1.0(ズームなし)の場合、中間ズーム倍率は開始シーンズーム倍率と終了シーンズーム倍率との中間(線形ズーム調整-「オーバーズームアウト」を回避するため)である。それ以外の場合、ズーム倍率は開始又はシーンの50%として計算される。例えば、被選択パネルのシーンズーム倍率が、現在1.5である場合、シーンが後続のパネル19cに進むにつれて、中間ズーム倍率は1.25になる。
【0032】
図11図15に示すように、ユーザは、被選択パネル19に対する後続のパネル19cの位置と一致するナビゲーション開始位置52を提供する。次に、ユーザは、被選択パネル19aの位置及び方向と一致するナビゲーション終了位置54まで汎用ユーザインターフェース12を横切ってスライドする。図示の実施形態では、これは横方向の動作であり、ナビゲーションモジュール50は、これが、図示の実施形態では方向ベクトルV、又は垂直スワイプの形態であることを識別する。ナビゲーションモジュール50は、その後、後続パネル19cを決定し、上述のように表示シーケンスを実行する。指がタッチスクリーン13から持ち上げられる前に、連続スワイプ51に沿って移動することによって、いつでもシーケンスを制御し前後に移動させることができる。
【0033】
図16から図21は、他の例示的な表示シーケンスを示し、ユーザは右から左へ連続スワイプ51を実行する。ナビゲーションモジュール50は、方向ベクトルを決定して適切な表示シーケンスを表示するために、ナビゲーション開始位置52、ナビゲーション終了位置54、及び中間経路53を決定する。
【0034】
同様に、図22から図28は別の例示的な表示シーケンスを示し、ユーザは、表示領域12aの底部から上部へと連続スワイプ51を実行する(すなわち、図22から図28の順序に示すように、連続的な動作で)。ナビゲーションモジュール50は、方向ベクトルを損なうと共に適切な表示シーケンスを表示するために、ナビゲーション開始位置52、ナビゲーション終了位置54、及び中間経路53を再び決定する。
【0035】
本発明による表示システム1は、コンピュータ及びモバイル装置のマルチメディア機能を利用し、グラフィック小説/漫画本フォーマットなどの出版物の通信機能を活用して様々な文脈要素(例えば、ロケール、キャラクター、ストーリー)を提供し、その一方で、装置の計算能力により、ユーザは単純なコマンドを通してそこをナビゲートすることができる。
【0036】
上記は、本発明を実施するための可能性のいくつかを例示している。本発明の範囲及び趣旨内で他の多くの実施形態が可能である。したがって、その特定の目的に適合させるために、より多い又は少ない前述の構成要素を使用することができる。したがって、前述の説明は限定的なものではなく例示的なものと見なすべきであり、本発明の範囲はそれらの全範囲の均等物と共に添付の特許請求の範囲によって与えられることが意図されている。
図1
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