(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-19
(45)【発行日】2022-10-27
(54)【発明の名称】業務用フレンチプレス型コーヒー抽出および分配供給システム
(51)【国際特許分類】
A47J 31/20 20060101AFI20221020BHJP
【FI】
A47J31/20
(21)【出願番号】P 2020534816
(86)(22)【出願日】2018-09-05
(86)【国際出願番号】 US2018049536
(87)【国際公開番号】W WO2019050941
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-09-03
(32)【優先日】2017-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520073885
【氏名又は名称】スピッツレー、ジュリー ケイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】スピッツレー、ジュリー ケイ.
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0014340(US,A1)
【文献】特開平09-259349(JP,A)
【文献】特開平07-147942(JP,A)
【文献】特表平07-507941(JP,A)
【文献】米国特許第07040218(US,B1)
【文献】特表2016-511655(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/60
A23F 5/26
B01D 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒー抽出および分配供給システムであって、
(a)着脱自在な挽き豆保持チャンバーアセンブリであって、
(i)挽いたコーヒを保持するカップ形状容器(basin)と、
(ii)伸長自在な分配供給用注ぎ口部と、
(iii)前記分配供給用注ぎ口部を開閉する弁機構と、
を含むものである、前記着脱自在な挽き豆保持チャンバーアセンブリと、
(b)前記着脱自在な挽き豆保持チャンバーアセンブリ上に配置された抽出チャンバーアセンブリと、
(c)抽出チャンバーおよび着脱自在な挽き豆保持チャンバーに挿入されるように構成されたプランジャーアセンブリであって、
(i)加圧ロッドと、
(ii)前記加圧ロッドに取付けられたハンドルであって、その内部に取付けられたトリガー部を含むものである、前記ハンドルと、
(iii)前記加圧ロッドに取付けられ、前記ハンドルの下方に配置された蓋部と、
(iv)前記加圧ロッドに取付けられ、前記蓋部の下方に配置されたワイパーアセンブリと、
(v)前記加圧ロッドに取付けられ、前記ワイパーアセンブリの下方に配置されたフィルターアセンブリであって、前記ハンドル内の前記トリガー部を作動させることにより、前記ワイパーアセンブリは当該フィルターアセンブリと独立して移動可能である、前記フィルターアセンブリと
を含むものである、前記プランジャーアセンブリと
を有する、コーヒー抽出および分配供給システム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムにおいて、さらに、
前記抽出チャンバーに接続または一体化された水源を有するものである、システム。
【請求項3】
請求項2記載のシステムにおいて、さらに、
前記水源に接続または一体化された水加熱システムを有するものである、システム。
【請求項4】
請求項1記載のシステムにおいて、さらに、
前記挽き豆保持チャンバーアセンブリ、前記抽出チャンバーアセンブリ、および前記プランジャーアセンブリを支持するように構成された支持ベースプレートを有するものである、システム。
【請求項5】
請求項4記載のシステムにおいて、さらに、
支持フレームにおける前記支持ベースプレートに取付けられたリフト機構を有し、このリフト機構は上昇位置から下降位置に移動可能であり、かつ下降位置移動から上昇位置に再度移動可能である、システム。
【請求項6】
請求項5記載のシステムにおいて、前記リフト機構は、さらに、
前記リフト機構を作動させるレバーを含むものである、システム。
【請求項7】
請求項1記載のシステムにおいて、前記伸長自在な分配供給用注ぎ口部は、前記着脱自在な挽き豆保持チャンバーの外形状に適合する外形状を有するものである、システム。
【請求項8】
請求項1記載のシステムにおいて、前記ワイパーアセンブリは、さらに、
当該ワイパーアセンブリに取付けられ、前記挽き豆保持チャンバーの内面と接触するように構成されたワイパーシール部を含むものである、システム。
【請求項9】
請求項1記載のシステムにおいて、前記フィルターアセンブリは、さらに、
当該フィルターアセンブリに取付けられ、前記挽き豆保持チャンバーの内面と接触するように構成されたワイパーシール部を含むものである、システム。
【請求項10】
請求項1記載のシステムにおいて、前記プランジャーアセンブリは当該システムの自動構成要素である、システム。
【請求項11】
コーヒー抽出および分配供給システムであって、
(a)支持フレームであって、ベースプレートと、前記ベースプレート上に取付けられた両側支持部と、前記ベースプレート上に取付けられた後部支持部とを含むものである、前記支持フレームと、
(b)前記支持フレームの前記ベースプレートに取付けられたリフト機構であって、上昇位置から下降位置に移動可能であり、かつ下降位置移動から上昇位置に再度移動可能である、前記リフト機構と、
(c)前記リフト機構上に配置された着脱自在な挽き豆保持チャンバーアセンブリであって、
(i)挽いたコーヒを保持するカップ形状容器と、
(ii)伸長自在な分配供給用注ぎ口部と、
(iii)前記分配供給用注ぎ口部を開閉する弁機構と、
を含むものである、前記着脱自在な挽き豆保持チャンバーアセンブリと、
(d)前記着脱自在な挽き豆保持チャンバーアセンブリ上に配置され、前記支持フレームに取付けられた抽出チャンバーアセンブリと、
(e)抽出チャンバーおよび着脱自在な挽き豆保持チャンバーに挿入されるように構成されたプランジャーアセンブリであって、
(i)加圧ロッドと、
(ii)前記加圧ロッドに取付けられたハンドルであって、その内部に取付けられたトリガー部を含むものである、前記ハンドルと、
(iii)前記加圧ロッドに取付けられ、前記ハンドルの下方に配置された蓋部と、
(iv)前記加圧ロッドに取付けられ、前記蓋部の下方に配置されたワイパーアセンブリと、
(v)前記加圧ロッドに取付けられ、前記ワイパーアセンブリの下方に配置されたフィルターアセンブリであって、前記ハンドル内の前記トリガー部を作動させることにより、前記ワイパーアセンブリは当該フィルターアセンブリと独立して移動可能である、前記フィルターアセンブリと
を含むものである、前記プランジャーアセンブリと
を有する、コーヒー抽出および分配供給システム。
【請求項12】
請求項11記載のシステムにおいて、さらに、
前記抽出チャンバーに接続または一体化された水源を有するものである、システム。
【請求項13】
請求項11記載のシステムにおいて、さらに、
水源に接続または一体化された水加熱システムを有するものである、システム。
【請求項14】
請求項11記載のシステムにおいて、前記リフト機構は、さらに、
前記リフト機構を作動させるレバーを含むものである、システム。
【請求項15】
請求項1記載のシステムにおいて、前記伸長自在な分配供給用注ぎ口部は、前記着脱自在な挽き豆保持チャンバーの外形状に適合する外形状を有するものである、システム。
【請求項16】
請求項11記載のシステムにおいて、前記ワイパーアセンブリは、さらに、
当該ワイパーアセンブリに取付けられ、前記挽き豆保持チャンバーの内面と接触するように構成されたワイパーシール部を含むものである、システム。
【請求項17】
請求項11記載のシステムにおいて、前記フィルターアセンブリは、さらに、
当該フィルターアセンブリに取付けられ、前記挽き豆保持チャンバーの内面と接触するように構成されたワイパーシール部を含むものである、システム。
【請求項18】
コーヒー抽出および分配供給システムであって、
(a)支持フレームであって、ベースプレートと、前記ベースプレート上に取付けられた両側支持部と、前記ベースプレート上に取付けられた後部支持部とを含むものである、前記支持フレームと、
(b)前記支持フレームの前記ベースプレートに取付けられたリフト機構であって、上昇位置から下降位置に移動可能であり、かつ下降位置移動から上昇位置に再度移動可能である、前記リフト機構と、
(c)前記リフト機構上に配置された着脱自在な挽き豆保持チャンバーアセンブリであって、
(i)挽いたコーヒを保持するカップ形状容器と、
(ii)伸長自在な分配供給用注ぎ口部と、
(iii)前記分配供給用注ぎ口部を開閉する弁機構と、
を含むものである、前記着脱自在な挽き豆保持チャンバーアセンブリと、
(d)前記着脱自在な挽き豆保持チャンバーアセンブリ上に配置され、前記支持フレームに取付けられた抽出チャンバーアセンブリと、
(e)抽出チャンバーおよび着脱自在な挽き豆保持チャンバーに挿入されるように構成されたプランジャーアセンブリであって、
(i)加圧ロッドと、
(ii)前記加圧ロッドに取付けられたハンドルであって、その内部に取付けられたトリガー部を含むものである、前記ハンドルと、
(iii)前記加圧ロッドに取付けられ、前記ハンドルの下方に配置された蓋部と、
(iv)前記加圧ロッドに取付けられ、前記蓋部の下方に配置されたワイパーアセンブリと、
(v)前記加圧ロッドに取付けられ、前記ワイパーアセンブリの下方に配置されたフィルターアセンブリであって、前記ハンドル内の前記トリガー部を作動させることにより、前記ワイパーアセンブリは当該フィルターアセンブリと独立して移動可能である、前記フィルターアセンブリと
を含むものである、前記プランジャーアセンブリと、
(f)前記抽出チャンバーに接続または一体化された水源と、
(g)前記水源と接続または一体化された急速加熱システムと
を有する、コーヒー抽出および分配供給システム。
【請求項19】
請求項18記載のシステムにおいて、前記リフト機構は、さらに、
前記リフト機構を作動させるレバーを含むものである、システム。
【請求項20】
請求項18記載のシステムにおいて、
前記ワイパーアセンブリは、さらに、当該ワイパーアセンブリに取付けられ、前記挽き豆保持チャンバーの内面と接触するように構成されたワイパーシール部を含むものである、システム。
前記フィルターアセンブリは、さらに、当該フィルターアセンブリに取付けられ、前記挽き豆保持チャンバーの内面と接触するように構成されたワイパーシール部を含むものである、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、「Commercial French Press Coffee Brewing and Dispensing System(業務用フレンチプレス型コーヒー抽出および分配供給システム)」と題する、2017年9月5日付で出願された米国特許仮出願第62/554,241号に対して利益を主張する。また、当該特許仮出願の開示は、この参照によりその全体が本明細書に組み込まれるものであり、本米国特許出願の一部をなすものである。
【背景技術】
【0002】
本発明は、コーヒーまたはその他の飲料を作るシステムおよび装置に関し、より具体的には、業務環境で使用される、大型のフレンチプレス型コーヒー抽出および分配供給システムに関する。
【0003】
フレンチプレス型コーヒーメーカーは、市販されている一般的なコーヒー抽出装置であり、通常プランジャーを備える円筒状ポットまたは保持器具と、湯を加圧して挽いたコーヒに浸透させるための組み込み式フィルタースクリーンまたはメッシュとを含む。フレンチプレス型コーヒーメーカーは、ドリップ抽出型コーヒーメーカーと比べると粗挽きのコーヒーに適する傾向があるが、全体的に均一で一定の密度を有する中挽きのコーヒーに使用するのが最も望ましい。細挽きのコーヒーは、水に浸した際より浸透性が低いため、プランジャーを下げるために手によって過度な力を加える必要があり、また、プレスフィルターを通して、若しくはプレスフィルターの周囲に滲出し、コーヒーの中に入り込む可能性がより高い。さらに、細挽きのコーヒーは過度に抽出される傾向があり、それによってコーヒーに苦みが出る。
【0004】
フレンチプレスを使用する場合、通常空の円筒状ポット内に挽いたコーヒーを入れ、味わいのために30gのコーヒーの挽き豆に対し約500mlの水の割合で湯(例えば、93~96°C/199~205°)を加えることによりコーヒーを抽出する。内容物をかき混ぜた後、約2~4分間の間コーヒーを抽出する。プランジャーを押し下げることによって挽き豆を分離し円筒状ポットの底部に保持する。フレンチプレス型コーヒーメーカーの大部分は、ピストンが最も低位置ある状態で約30mm(1.2インチ)の隙間をピストンの下方に残すように設計されているため、ピストンの端部にあるメッシュスクリーンは、通常コーヒーの挽き豆を圧縮することはない。抽出されたコーヒーが挽き豆のかすとともに円筒状ポット内に保持された場合、コーヒーは渋みが出て苦くなる(但し、一部のフレンチプレスの利用者はこのような効果を望ましいと考える)。コーヒーを抽出する最適な時間は約4分とされており、一部では約20分でコーヒーがだめになると考えられている。水出し等の別の手法では、望ましい抽出を達成するのに水と挽き豆を数時間の間接触させる必要がある。円筒状のポットは、使用後毎回、水と刺激の少ない洗剤で洗浄し、完全に乾燥させる必要がある。
【0005】
フレンチプレス型コーヒーメーカーは、一般的に普及している物品ではあるが、当該装置はサイズおよび容積において比較的小型であることが多く、一杯または二杯のコーヒーを作ることを意図している。また、フレンチプレス型コーヒーメーカーは、その基本設計が原因で洗浄が困難であり、サイズおよび容積が小さいことに加え、使用後毎回洗浄する必要があるため、業務用としては実用的ではない。したがって、レストランおよびコーヒーショップなどの業務環境で使用できる大型のフレンチプレス型コーヒーメーカーが現在必要とされている。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 米国特許第8,695,485号明細書
(特許文献2) 米国特許第6,240,883号明細書
(特許文献3) 米国特許第7,040,218号明細書
(特許文献4) 米国特許第5,544,566号明細書
(特許文献5) 国際公開第2000/27261号
(非特許文献)
(非特許文献1) Facebook Post: "OUR PROJECT HITS REALITY!" (Storm Mountain Coffee) 05 April 2017 (05.04.2017) entire post. URL: <<https://www.facebook.com/drinkstorm/photos/a.285840971535882/1259752840811352/?type=3&theater>>
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、本発明の特定の例示的な実施形態の要旨について説明する。本要旨は、外延的概要ではなく、また、本発明の重要な観点または要素を特定すること、若しくは本発明の範囲について規定することを意図するものではない。また、本発明を説明するために用いられている文言、および本発明の特許請求の範囲において用いられている文言中の不定冠詞は、記載のシステムを限定するものではないことを理解されたい。むしろ、「a」または「an」が使用されている場合、「少なくとも1つ」または「1若しくはそれ以上」を意味すると解釈すべきである。
【0007】
本発明の一観点に基づいて、第1のコーヒー抽出および分配供給システムを提供する。このコーヒー抽出および分配供給システムは、着脱自在な挽き豆保持チャンバーアセンブリであって、挽いたコーヒを保持するカップ形状容器(basin)と、伸長自在な分配供給用注ぎ口部と、前記分配供給用注ぎ口部を開閉する弁機構と、を含むものである、前記着脱自在な挽き豆保持チャンバーアセンブリと、前記着脱自在な挽き豆保持チャンバーアセンブリ上に配置された抽出チャンバーアセンブリと、抽出チャンバーおよび着脱自在な挽き豆保持チャンバーに挿入されるように構成されたプランジャーアセンブリであって、加圧ロッドと、前記加圧ロッドに取付けられたハンドルであって、その内部に取付けられたトリガー部を含むものである、前記ハンドルと、前記加圧ロッドに取付けられ、前記ハンドルの下方に配置された蓋部と、前記加圧ロッドに取付けられ、前記蓋部の下方に配置されたワイパーアセンブリと、前記加圧ロッドに取付けられ、前記ワイパーアセンブリの下方に配置されたフィルターアセンブリであって、前記ハンドル内の前記トリガー部を作動させることにより、前記ワイパーアセンブリは当該フィルターアセンブリと独立して移動可能である、前記フィルターアセンブリとを含むものである、前記プランジャーアセンブリとを含む。
【0008】
本発明の別の観点に基づいて、第2のコーヒー抽出および分配供給システムを提供する。このコーヒー抽出および分配供給システムは、支持フレームであって、ベースプレートと、前記ベースプレート上に取付けられた両側支持部と、前記ベースプレート上に取付けられた後部支持部とを含むものである、前記支持フレームと、前記支持フレームの前記ベースプレートに取付けられたリフト機構であって、上昇位置から下降位置に移動可能であり、かつ下降位置移動から上昇位置に再度移動可能である、前記リフト機構と、前記リフト機構上に配置された着脱自在な挽き豆保持チャンバーアセンブリであって、挽いたコーヒを保持するカップ形状容器と、伸長自在な分配供給用注ぎ口部と、前記分配供給用注ぎ口部を開閉する弁機構と、を含むものである、前記着脱自在な挽き豆保持チャンバーアセンブリと、前記着脱自在な挽き豆保持チャンバーアセンブリ上に配置され、前記支持フレームに取付けられた抽出チャンバーアセンブリと、抽出チャンバーおよび着脱自在な挽き豆保持チャンバーに挿入されるように構成されたプランジャーアセンブリであって、加圧ロッドと、前記加圧ロッドに取付けられたハンドルであって、その内部に取付けられたトリガー部を含むものである、前記ハンドルと、前記加圧ロッドに取付けられ、前記ハンドルの下方に配置された蓋部と、前記加圧ロッドに取付けられ、前記蓋部の下方に配置されたワイパーアセンブリと、前記加圧ロッドに取付けられ、前記ワイパーアセンブリの下方に配置されたフィルターアセンブリであって、前記ハンドル内の前記トリガー部を作動させることにより、前記ワイパーアセンブリは当該フィルターアセンブリと独立して移動可能である、前記フィルターアセンブリとを含むものである、前記プランジャーアセンブリとを含む。
【0009】
本発明のさらなる別の観点に基づいて、第3のコーヒー抽出および分配供給システムを提供する。このコーヒー抽出および分配供給システムは、支持フレームであって、ベースプレートと、前記ベースプレート上に取付けられた両側支持部と、前記ベースプレート上に取付けられた後部支持部とを含むものである、前記支持フレームと、前記支持フレームの前記ベースプレートに取付けられたリフト機構であって、上昇位置から下降位置に移動可能であり、かつ下降位置移動から上昇位置に再度移動可能である、前記リフト機構と、前記リフト機構上に配置された着脱自在な挽き豆保持チャンバーアセンブリであって、挽いたコーヒを保持するカップ形状容器と、伸長自在な分配供給用注ぎ口部と、前記分配供給用注ぎ口部を開閉する弁機構と、を含むものである、前記着脱自在な挽き豆保持チャンバーアセンブリと、前記着脱自在な挽き豆保持チャンバーアセンブリ上に配置され、前記支持フレームに取付けられた抽出チャンバーアセンブリと、抽出チャンバーおよび着脱自在な挽き豆保持チャンバーに挿入されるように構成されたプランジャーアセンブリであって、加圧ロッドと、前記加圧ロッドに取付けられたハンドルであって、その内部に取付けられたトリガー部を含むものである、前記ハンドルと、前記加圧ロッドに取付けられ、前記ハンドルの下方に配置された蓋部と、前記加圧ロッドに取付けられ、前記蓋部の下方に配置されたワイパーアセンブリと、前記加圧ロッドに取付けられ、前記ワイパーアセンブリの下方に配置されたフィルターアセンブリであって、前記ハンドル内の前記トリガー部を作動させることにより、前記ワイパーアセンブリは当該フィルターアセンブリと独立して移動可能である、前記フィルターアセンブリとを含むものである、前記プランジャーアセンブリと、前記抽出チャンバーに接続または一体化された水源と、前記水源と接続または一体化された急速加熱システムとを含む。
【0010】
当業者であれば、以下の例示的な実施形態の詳細説明を読んで理解することで本発明の追加的構成および観点が自明になると考えられる。当業者であれば理解するように、本発明の要旨および範囲から逸脱することなく、本発明のさらなる実施形態が可能である。したがって、図面および図面に関する説明は、例示的であり、非限定的なものと見なされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の1若しくはそれ以上の例示的な実施形態を概略的に示すものであり、上記の概説および以下の詳細な説明とともに、本発明の原理を説明することを目的とする。
【
図1】
図1は、本発明の例示的な1実施形態による業務用フレンチプレス型コーヒーメーカーの斜視図であり、コーヒーメーカーは組立てられた状態にある。
【
図3】
図3は、
図1のコーヒーメーカーにおけるリフトアセンブリの分解斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1のコーヒーメーカーにおけるリフトアセンブリの上面図である。
【
図5】
図5は、
図1のコーヒーメーカーにおけるリフトアセンブリの側面断面図である。
【
図6】
図6は、
図1のコーヒーメーカーにおけるリフト用ノブアセンブリの側面断面図である。
【
図7】
図7は、
図1のコーヒーメーカーにおけるリフト用ノブアセンブリの底部の側面断面図である。
【
図8】
図8は、
図1のコーヒーメーカーにおけるリフト用ノブアセンブリの上部の側面断面図である。
【
図9】
図9は、
図1のコーヒーメーカーにおける上部アセンブリの分解斜視図である。
【
図10】
図10は、
図1のコーヒーメーカーにおける水加熱システムの側面断面図である。
【
図11】
図11は、
図1のコーヒーメーカーにおける蓋部/プランジャーアセンブリの分解斜視図である。
【
図12】
図12は、
図1のコーヒーメーカーにおける蓋部/プランジャーアセンブリの側面断面図である。
【
図13】
図13は、
図1のコーヒーメーカーにおける抽出チャンバーアセンブリ側面断面図である。
【
図14】
図14は、
図1のコーヒーメーカーにおける挽き豆保持チャンバーアセンブリの分解斜視図である。
【
図15】
図15は、
図1のコーヒーメーカーにおける挽き豆保持チャンバーアセンブリのハンドル部の側面断面図である。
【
図16】
図16は、
図1のコーヒーメーカーにおける挽き豆保持チャンバーアセンブリの注ぎ口部の側面断面図である。
【
図17】
図17は、本発明の業務用フレンチプレス型コーヒーメーカーの側面図であり、コーヒーメーカーの下部アセンブリに取付けられた連結機構により、エアーポットまたはデカンターが下部アセンブリに取付けられている。
【
図18】
図18は、コーヒーメーカーの下部アセンブリに連結されたエアーポットまたは断熱デカンターの正面断面図である。
【
図19】
図19は、クリップ機構が取付けられた状態のエアーポットまたは断熱デカンターの正面図を示し、このクリップ機構はコーヒーメーカーの下部アセンブリの対応する構造に取付けられる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上記図面を参照して本発明の例示的な実施形態を説明する。発明の詳細な説明においては、参照番号を用いて様々な構成要素および構造について言及する。以下の詳細な説明は、具体的な説明のために特定事項を多数含むが、当業者であれば、以下の詳細事項に対する多数の変更形態および代替形態が本発明の範囲内であることを理解すると考えられる。したがって、本発明の以下の実施形態によって特許請求の範囲に記載する発明の一般性が失われることはなく、また、限定されるものではない。
【0013】
ここで図面を参照すると、
図1~19は本発明の例示的な1実施形態による大型かつ大容量の業務用フレンチプレス型コーヒーメーカーを例示する。
図1はコーヒーメーカーは組立てられた状態の本発明の斜視図を提供し、
図2は
図1のコーヒーメーカーの分解斜視図である。これらの図に示す例示的な1実施形態によるコーヒーメーカー100の基本構成要素およびアセンブリは、下部アセンブリ200と、下部アセンブリ200に取付けられたリフトアセンブリ300と、上部アセンブリ400とを含み、この上部アセンブリ400は、加熱システムアセンブリ500と、蓋部アセンブリ600と、蓋部アセンブリ600の下方に配置された抽出チャンバーアセンブリ700と、抽出チャンバーアセンブリ700の下方に配置された挽き豆保持チャンバーアセンブリ800とを収容する。
【0014】
図2に示すように、下部アセンブリ200は、ベース部202と、コーヒーメーカー100の主ハンドルを押圧するのに使用される押圧ハンドル部204および押圧ロッド206と、エアーポットまたは当該ポットの類似装置のためのクリップアセンブリ208/904とを含む。
図3は、
図1のコーヒーメーカーにおけるリフトアセンブリの分解斜視図を提供し、
図4は、
図1のコーヒーメーカーにおけるリフトアセンブリの上面図を提供し、
図5は、
図1のコーヒーメーカーにおけるリフトアセンブリの側面断面図を提供する。これらの図を参照すると、挽き豆保持チャンバーアセンブリ800を昇降させるのに使用されるリフトアセンブリ300は、ボルト304によってベース部202に取付けられたリフトシャフト302を含む。回転自在なリフトロッド306がベース部202に取付けられ、このリフトロッド306は、(ネジ309によりベース部202に取付けられた)第1のブッシュブロック308と、第1のブッシュ310と、第2のブッシュ312と、(ネジ315によりベース部202に取付けられた)第2のブッシュブロック314と、(ネジ317によりベース部202に取付けられた)第3のブッシュブロック316と、リフト用ノブアセンブリ323と接続する第3のブッシュ318とを含む。リフトシャフト302と協働する環状部331は、リフトプラットフォーム352が取付けられたリフトプラットフォーム支持部330と連結する。磁石354、356がリフトプラットフォーム352上に配置され、リフトプレート358がネジ360によりリフトプラットフォーム352に取付けられる。リフトプラットフォーム352は、(レバー/ハンドル326と、ノブ328とを含む)リフト用ノブアセンブリ323を作動させることにより昇降するが、このリフト用ノブアセンブリ323は、一連のリフトリンクおよび対応する接続部品によってリフトシャフト302に接続されたリフトロッド306を回転させる。
図3に示すように、上記構造は、リフトリンク332と、スリーブ334と、リフトリンク336と、ボルト338と、ボルト340と、リフトリンク342と、スリーブ344と、ボルト348と、ボルト350とを含む。
【0015】
図6はリフト用ノブアセンブリ323の側面断面図を提供し、
図7はリフト用ノブアセンブリ323の底部の側面断面を提供し、
図8は、リフト用ノブアセンブリ323の上部の側面断面図を提供する。下方部370において、リフト用ノブアセンブリ323は、(ネジ321でベース部202に取着された)取付ブロック320およびハンドル/クランプ用シャフトカラー324のベース部と係合するラッチピン322によってベース部202に連結されている。リフト用ノブの柄の部分をクランプ用シャフトカラー324に固定するために止めネジ325が使われる。上方部380は、リフト用ノブ上部382と、リフト用ノブボタン383と、リフト用ノブ中間部分384と、リフト用ノブ底部386とを含む。これらの部分は、ネジ388および390によって保持されている。リフト用ノブアセンブリ323は、圧縮バネ392を圧縮し、柄の部分394を下方に移動するリフト用ノブボタン383を押圧することにより作動される。
【0016】
図9は、コーヒーメーカー100の上部アセンブリの分解斜視図を提供する。上部アセンブリ400は、前面パネル402(
図2も参照)と、後部ハウジング部404と、前部ハウジング部406と、ハウジング嵌込部408と、加熱システムの支持フレーム410と、制御装置アセンブリ412とを含む。上部アセンブリ400は、
図9および
図10に示す急速加熱システムアセンブリ500を支持および収容する。加熱システムアセンブリ500は、給水入口用多岐管502と、給水入口弁504と、加熱装置入口/出口用多岐管506と、加熱要素508と、タンク510と、水512と、逃し弁514と、通気孔516と、通気孔用多岐管518と、水位センサー520と、熱電対522と、出口弁524とを含む。
図1に示すように、加熱システムアセンブリ500は、コーヒーメーカー100の使用時に湯を抽出チャンバーアセンブリに直接供給する。加熱システムアセンブリ500は、水を所望の抽出温度(196~204°F)に急速加熱する。
【0017】
図11は、コーヒーメーカー100における蓋部/プランジャーアセンブリの分解斜視図を提供し、
図12は、コーヒーメーカー100における蓋部/プランジャーアセンブリの側面断面図を提供する。蓋部/プランジャーアセンブリ600は、フィルター/ワイパーシステム602を含み、このフィルター/ワイパーシステム602はさらに、第1のワイパーシール部604と、ワイパーフレーム606(この内部にフィルタースクリーンが取付けられてワイパーアセンブリが形成される)と、ワイパー用ナット608と、第2のワイパーシール部610と、第2のワイパーフレーム612とを含み、これらが協働してワイパーアセンブリが形成される。蓋部/プランジャーアセンブリ600はまた、加圧ハンドルアセンブリ614と、スリーブ軸受616と、加圧ハンドル端部取付部材618と、加圧ハンドル管部620と、シールリング622と、外側蓋部624と、内側蓋部626と、蓋部管部628と、蓋部軸受630と、蓋部グリップ632と、ボルト634と、ボルト636と、加圧ハンドル取付部材638と、ネジ用スペーサー640と、スラストワッシャー642と、加圧解除ボタン644と、ハウジング646と、止めネジ648と、ネジ山付ハウジング650と、ネジ山付ハウジング651と、加圧ハンドル652とを有する。以下に説明するように、2つのワイパーアセンブリが協働することにより、コーヒーの挽き豆がフィルタースクリーンから漏出するのを防ぐ。
【0018】
図13は、コーヒーメーカー100における抽出チャンバーアセンブリ側面断面図を提供し、
図14は、コーヒーメーカー100における挽き豆保持チャンバーアセンブリの分解斜視図を提供する。抽出チャンバーアセンブリ700は、抽出チャンバー内壁702と、抽出チャンバー外壁704と、導入管706と、衛星的な溶接取付部(3/4インチ)708と、衛星的なガスケット(3/4インチ)710と、導入口カバー712と、上方シールリング714と、下方シールリング716と、O-リング718とを含む。以下に説明するように、抽出チャンバーアセンブリ700は、加熱水を加熱システムアセンブリ500から直接受け取るように構成されている。
【0019】
図14は、コーヒーメーカー100における、挽いたコーヒを保持するように構成された挽き豆保持チャンバーアセンブリの分解斜視図を提供し、
図15は、コーヒーメーカー100における挽き豆保持チャンバーアセンブリのハンドル部の側面断面図を提供し、
図16は、コーヒーメーカー100における挽き豆保持チャンバーアセンブリの注ぎ口部の側面断面図を提供する。これらの図を参照すると、挽き豆保持チャンバーアセンブリ800は、挽き豆保持チャンバー外壁802、挽き豆保持チャンバーターゲット804、挽き豆保持チャンバー外壁802、挽き豆保持チャンバーカップ形状容器内壁805と、シールリング806と、バルブノブ808と、ハンドル後部ベゼル810と、挽き豆保持チャンバーハンドルの内壁812と、内部保持リング814と、係止ディスク816と、弁嵌込部材818と、弁嵌込部材820と、ハンドルベース部822と、ハンドル前部ベゼル824と、プランジャーピン825と、プランジャーベース部826と、圧縮バネ828と、O-リング830と、弁シール832と、弁本体部834と、弁取付部材836と、b弁フランジ838と、弁軸840と、O-リング842と、弁キャップ844と、注ぎ口管846と、注ぎ口取付部848と、注ぎ口ポート850とを含む。
【0020】
図17は、本発明の業務用フレンチプレス型コーヒーメーカーの側面図を提供し、コーヒーメーカーの下部アセンブリ200に取付けられた連結機構904により、断熱デカンターまたはエアーポットが下部アセンブリに取付けられている。
図18は、コーヒーメーカー100の下部アセンブリ200に連結されたエアーポット900の正面断面図であり、
図19は、クリップ機構902が取付けられた状態のエアーポット900の正面図であり、このクリップ機構はコーヒーメーカー100の下部アセンブリ200の対応するクリップ/接続部品904に取付けられる。
【0021】
コーヒーメーカー100の様々な構成要素は標準的な製造技術によって製造され、ステンレス鋼(例えば、抽出チャンバーアセンブリの内壁)、ポリカーボネート(例えば、抽出チャンバーアセンブリの外壁)、ゴム、金属、プラスチックなど様々な一般材料を含む。また、他の適切な材料が用いられてもよい。完全に組み立てられたコーヒーメーカー100を使用する際、リフトアセンブリ300はリフト用ノブアセンブリ323により下降位置に移動され、挽き豆保持チャンバーアセンブリ800は外側にスライド移動されてリフトアセンブリ300から取り外される。(必要であれば)挽き豆保持チャンバーアセンブリ800が洗浄され、構成要素805のカップ形状容器(basin)に適量の挽いたコーヒが加えられる。挽き豆保持チャンバーアセンブリ800がリフトアセンブリ300の適切な位置に戻され、(再度リフト用ノブアセンブリ323により)上昇位置に移動される。この上昇位置への移動により、シールリング806が抽出チャンバーアセンブリ700上の下方シールリング716と係合する。適量の加熱水が抽出チャンバーアセンブリ700に加えられて挽いたコーヒと混合され、次に所定の時間の間抽出される。
【0022】
次に、蓋部アセンブリ600が抽出チャンバーアセンブリ700上に配置され、加圧ハンドルが、手動または本発明の一部の実施形態においては自動的に押圧される。ハンドル652が押圧されるにつれ、加熱水中で懸濁状態にあるコーヒーの挽き豆がフレーム606内のフィルタースクリーンにより構成要素805のカップ形状容器内に押し戻される。ハンドル652が押圧される際、ワイパーシール部604および610の双方が協働してコーヒーの挽き豆がフィルタースクリーンから漏出するのを防ぐ。コーヒーがコーヒーメーカー100から供給された後、加圧解除ボタン644が押圧されることにより、フィルタースクリーンはコーヒーの挽き豆のかす上に維持され、第2のワイパーシール部610は上方に引き上げられる。ワイパーシール部610が上方移動する際、このワイパーシール部は、残留する油およびコーヒーの挽き豆を除去して抽出チャンバーの周端部を清掃するスキージー(squeegee)として作用する。抽出されたコーヒーは、注ぎ口管846を含む分配供給システム(dispensing system)により抽出チャンバーから分配供給されるが、(一部の実施形態において)この注ぎ口管846は、使用されていないときカップ形状容器802の曲面の外壁に対して配置される。注ぎ口管846は曲線形状を有しているので、使用されていないときは、カップ形状容器802の周囲に沿って配置することが可能であり、それにより当該注ぎ口管846の損傷を防ぐことができる。ハンドル812を外側に向かって引くことにより内部弁システムが開き(
図14を参照)、抽出されたコーヒーがカップ形状容器802から流出する。ハンドル812をリリースすることにより、内部弁システムは閉鎖位置に戻り、コーヒーのカップ形状容器802からの流出が停止する。
【0023】
本発明を例示的な実施形態の記載によって説明し、かつ実施形態についてある程度詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲をそのような詳細事項に減縮または限定することを決して意図したものではない。当業者であれば、追加の利点および変更形態を容易に想到すると考えられる。したがって、本発明のより広い観点は、本明細書で図示および記載したいかなる特定の詳細事項、代表的な装置および方法、および/または例示的な実施例に限定されるものではない。したがって、本発明の新規の概念の要旨および範囲を逸脱することなく、このような詳細事項からの逸脱が可能である。