(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-19
(45)【発行日】2022-10-27
(54)【発明の名称】防水コネクタ用のコネクタデバイス、防水コネクタ、ならびに組立済みケーブル
(51)【国際特許分類】
H01R 13/52 20060101AFI20221020BHJP
【FI】
H01R13/52 301E
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017050803
(22)【出願日】2017-03-16
【審査請求日】2020-02-25
(31)【優先権主張番号】10 2016 104 992.1
(32)【優先日】2016-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】グウェン ニュ,ラム
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー,ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】ザットラー,アンディ
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-511804(JP,A)
【文献】特開平10-012317(JP,A)
【文献】特開平08-138795(JP,A)
【文献】特開2000-106243(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R13/40-13/533
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続ハウジング(100)と保護カバー(200)とを有する、自動車分野のためのケーブル(50)のための防水コネクタ(1)用のコネクタデバイス(10)であって、
前記接続ハウジング(100)は、シール(112)のための封止チャンバ(110)を含み、前記封止チャンバ(110)は、前記保護カバー(200)によって覆うことができ、前記コネクタデバイス(10)は、封止デバイス(120、220)をさらに有し、
前記封止チャンバ(110)における/中における前記封止デバイス(120、220)は、前記封止チャンバ(110)内に位置している前記シール(112)と接触可能に構成されるとともに、
前記封止デバイス(120、220)は、前記接続ハウジング(100)または前記保護カバー(200)と一個片で、または一体で構築され、およ
び、
前記封止デバイス(120、220)は、ヒンジ(122、222)によって前記接続ハウジング(100)または前記保護カバー(200)に機械的に接続されるとともに、
前記封止デバイス(120、220)は、外周が実質的に円形、かつ半径方向凹部(124、224)を有することで、全体としてC字状の外観を有しており、
前記封止デバイス(120、220)の事前組立状態において、前記封止デバイス(120、220)は、前記接続ハウジング(100)または前記保護カバー(200)から離れて突き出し、および、
前記封止チャンバ(110)における/中における前記封止デバイス(120、220)の組立状態では、前記封止デバイス(120、220)は、前記封止チャンバ(110)に/中に折り重ねることができる、および/または前記封止チャンバ(110)に折り込むことができることを特徴とする、
コネクタデバイス(10)。
【請求項2】
前記ヒンジ(122、222)は、薄膜ヒンジ(122、222)であることを特徴とする、
請求項1に記載のコネクタデバイス(10)。
【請求項3】
前記接続ハウジング(100)および前記封止デバイス(120、220)は、
前記封止デバイス(120、220)が、実質的にポジティブロック式で前記封止チャンバ(110)に/中に受け取られることが可能であり、
前記ヒンジ(122、222)が、実質的にポジティブロック式で、前記封止チャンバ(110)の端側縁部(101)の凹部(102)に受け取られることが可能であり、
および/または
前記シール(112)に加えて、前記封止デバイス(120、220)が、前記コネクタデバイス(10)の軸方向(Ax)において前記封止チャンバ(110)に実質的に完全に受け取られることが可能であるように構築される
ことを特徴とする、
請求項1または2のいずれかに記載のコネクタデバイス(10)。
【請求項4】
前記接続ハウジング(100)における前記封止デバイス(120、220)および前記保護カバー(200)の組立状態において、前記コネクタデバイス(10)は、前記コネクタデバイス(10)のケーブルブッシング(124/224、240)とは別に、軸方向(Ax)に実質的に光不透過に構築され、
および/または、前記接続ハウジング(100)における前記封止デバイス(120、220)および前記保護カバー(200)の前記組立状態において、前記封止デバイス(120、220)の
前記半径方向凹部(124、224)および前記保護カバー(200)のケーブル用凹部(240)は、前記コネクタデバイス(10)の半径方向(Ra)においてケーブルブッシングとして機能することを特徴とする、
請求項1から3のいずれか一項に記載のコネクタデバイス(10)。
【請求項5】
前記ケーブル(50)は、同軸ケーブル(50)である、
請求項1から4のいずれか一項に記載のコネクタデバイス(10)。
【請求項6】
前記封止デバイス(120)は、前記接続ハウジング(100)に機械的に接続され、前記封止デバイス(120)は、半径方向外側に、前記封止チャンバ(110)の端側縁部(101)から離れて突き出るか、または
前記封止デバイス(220)は、前記保護カバー(200)に機械的に接続され、前記封止デバイス(220)は、半径方向外側に、前記保護カバー(200)の、軸方向(Ax)に前の端側縁部(203)から突き出るかまたは前記保護カバー(200)の、軸方向(Ax)に後ろの端側縁部(201)から突き出ることを特徴とする、
請求項1から5のいずれか一項に記載のコネクタデバイス(10)。
【請求項7】
前記コネクタデバイス(10)は、機械的な力が、前記封止チャンバ(110)に構成され得る前記シール(112)に、前記保護カバー(200)および前記封止デバイス(120、220)によって印加され得るように構築されることを特徴とする、
請求項1から6のいずれか一項に記載のコネクタデバイス(10)。
【請求項8】
前記接続ハウジング(100)は、ケーブル出口側に前記封止チャンバ(110)を有し、
前記封止デバイス(120、220)の
前記半径方向凹部(124、224)は、
ケーブル用凹部(124、224)として構築され、
前記保護カバー(200)のケーブル用凹部(240)は、半径方向凹部(240)として構築され、
前記保護カバー(200)は、前記接続ハウジング(100
)と係合
可能に構成されていることを特徴とする、
請求項1から7のいずれか一項に記載のコネクタデバイス(10)。
【請求項9】
自動車分野のためのケーブル(50)、好ましくは同軸ケーブル(50)、特に銅ケーブル(50)および/またはアルミニウムケーブル(50)のための防水コネクタ(1)であって、
請求項1から8のいずれか一項に記載のコネクタデバイス(10)を有することを特徴とする防水コネクタ(1)。
【請求項10】
前記防水コネクタ(1)は、前記封止チャンバ(110)に、
前記シール(112)、特に、ケーブルシール(112)を有し、
前記防水コネクタ(1)は、電気コネクタ機構(60)を有し、
前記シール(112)、前記封止デバイス(120、220)、および前記保護カバー(200)は各々直接隣接して配列され、
前記保護カバー(200)は、前記コネクタデバイス(10)の軸方向(Ax)に、前記封止デバイス(120、220)を介して機械的な力を前記シール(112)に印加し
、
前記コネクタデバイス(10)は、筐体ハウジング(12)と一緒に、コネクタハウジングを構成
することを特徴とする請求項9に記載の防水コネクタ(1)。
【請求項11】
自動車分野のための組立済み電気ケーブル(5)、好ましくは、組立済みの、銅同軸電気ケーブル(5)および/またはアルミニウム同軸電気ケーブル(5)であって、
請求項1から10のいずれか一項に記載のコネクタデバイス(10)および/または防
水コネクタ(1)を有することを特徴とする組立済み電気ケーブル(5)。
【請求項12】
自動車分野のための機構、モジュール、電気器具、デバイス、設備、またはシステムであって、
請求項1から11のいずれか一項に記載のコネクタデバイス(10)、防水コネクタ(1)、および/または組立済み電気ケーブル(5)を有することを特徴とする機構、モジュール、電気器具、デバイス、設備、またはシステム。
【請求項13】
前記ケーブル(50)は、銅ケーブル(50)および/またはアルミニウムケーブル(50)であることを特徴とする、
請求項1から8のいずれか一項に記載のコネクタデバイス(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水コネクタ用のコネクタデバイス、およびケーブル、好ましくは、同軸ケーブル、特に銅ケーブルおよび/またはアルミニウムケーブルのための防水コネクタに関する。本発明は、さらに、組立済み電気ケーブル、好ましくは、自動車分野のための組立済みの、銅および/またはアルミニウム同軸電気ケーブルに関する。本発明は、さらに、特に自動車分野のための機構、モジュール、電気器具、デバイス、設備、またはシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気分野(電子機器回路、電気工学、電気装置、電気エネルギー技術など)において、広範囲の電流、電圧、周波数、および/またはデータレートをもつ電流、電圧、信号、および/またはデータを送出するために使用される多数の電気コネクタデバイス、または機構、ソケット、および/またはピンコネクタなど(以下、(電気)(相手側)コネクタまたは(相手側)コネクタ機構と呼ぶ)が知られている。低、中、または高電圧および/または電流範囲において、および特に自動車分野において、そのようなコネクタは、暖かい環境、場合によっては、暑い環境、汚れた環境、湿った環境、および/または化学的に攻撃的な環境において、恒久的に、繰り返して、および/または比較的長い待ち時間の後に遅延なしに電力、信号、および/またはデータを送出することを保証しなければならない。広範囲の使用の結果として、多数の特別に構成されたコネクタが知られている。
【0003】
そのようなコネクタまたはそのハウジングは、例えば、電気、電気光学、もしくは電子構成要素、またはそのようなユニットのハウジングに/中にまたはプリント回路基板に/上にあるような電気ケーブル、線路、ケーブルハーネス、および/または電気デバイスもしくは機構に設置することができ、最後の場合、しばしば(相手側)コネクタ機構と呼ばれる。コネクタが、ケーブル、線路、またはケーブルハーネス上にのみ配置される場合、一般に、(フライング)(プラグイン)コネクタまたはプラグまたは結合を参照し、コネクタが、電気、電子、または電気光学構成要素中に/上に配置される場合、一般に、(嵌合)プラグまたは(嵌合)ソケットなどの(嵌合)コネクタを参照する。それに加えて、そのような機構に基づくコネクタは、しばしば、プラグレセプタクルまたはヘッダとしても説明され、コネクタは、しばしば、頑強な接続を保証することを意図する支持カラーを有する。
【0004】
電気コネクタは、電気信号(電圧)および/または電力の正確な送出を保証しなければならず、互いに対応するコネクタ(コネクタおよび相手側コネクタ)は、一般に、コネクタを、一般に解放可能であるが恒久的な方法で、相手側コネクタに/中に固定するかまたはロックするための固定機構またはロック機構を有する。それに加えて、例えば、実際の電気コンタクトデバイスおよび/または実際の電気シールドコンタクトデバイスなどの、対応する電気コンタクト要素、すなわち、例えば、コネクタの電気コネクタ機構は、その中に確実に受け取られなければならない。コネクタのハウジングは、一般に、例えば、FAKRA標準などの所与の標準化に従うので、ハウジングの最も重要な寸法は、異なる製造業者にわたって同じ寸法を有する。
【0005】
電気コネクタをより小さくする、および/または電気コネクタをより費用効果的に構成するために、電気コネクタを改善する試みが絶え間なくなされている。この事例では、漸進的な小型化が、やはり、関係しているケーブルおよび/またはコネクタ機構の断面に関して止まる兆しがない。したがって、例えば同軸ケーブルおよびそのコネクタ機構の寸法を減少させる試みが、構造空間を減少させるために、所与の最大通電容量に対して線路断面をできるだけ利用できるようにするために、および資源、特に銅を節約するために、進行中である。それに加えて、小型化は所望の軽量化をもたらす。当然、これは、同軸ケーブルだけでなく他のケーブルおよびそのコネクタ機構にも当てはまる。それに加えて、散水試験(IP X4)または水噴射試験(IP X5)に合格する防水コネクタが、特に自動車分野で必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、防水電気コネクタ、特にミニコネクタのための改善されたコネクタデバイスと、ケーブル、好ましくは同軸ケーブル、特に、自動車両分野のための銅および/またはアルミニウムケーブルのための改善された電気コネクタ、特にミニコネクタとを規定することである。この事例では、コネクタは、散水試験(IP X4)または水噴射試験(IP X5)に合格し、小さい寸法を有し、構築することが簡単でおよび/または扱うことが簡単であることが意図され、その製造およびそれに続く組立が、費用効果的であることが意図される。それに加えて、対応して組み立てられる電気ケーブルが、規定されることが意図される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、独立請求項により、好ましくは自動車分野のための、ケーブル、好ましくは同軸ケーブル、特に銅および/またはアルミニウムケーブルのための防水コネクタのためのコネクタデバイスによって、ケーブル、好ましくは同軸ケーブル、特に銅および/またはアルミニウムケーブルのための防水コネクタによって、組立済み電気ケーブル、好ましくは組立済み電気的銅および/またはアルミニウム同軸ケーブルによって、およびデバイス、モジュール、電気器具、デバイス、設備、またはシステムによって達成される。本発明の有利な開発、追加の特徴、および/または利点は、従属請求項および以下の説明から理解されるであろう。
【0008】
本発明によるコネクタデバイスは、接続ハウジングと、保護カバーとを含み、接続ハウジングは、シールのための封止チャンバを有し、その封止チャンバは保護カバーで覆うことができる。コネクタデバイスは封止デバイスをさらに含み、封止チャンバにおける/中における封止デバイスは、封止チャンバに設けることができるシールと一続きで機械的に切り替えることができる。この事例では、封止チャンバにおけるシール、封止チャンバにおける/中における封止デバイス、および封止チャンバにおける/中における封止デバイス、および封止デバイス上の保護カバーの領域は、各々、直接隣接して配列され、および互いに対して互い違いに配列することができる(一続きで)。封止デバイスは、例えば、封止プレート、封止タブ、封止フラップなどとして構築することができる。
【0009】
封止デバイスは、ヒンジ、特に薄膜ヒンジによって、接続ハウジングまたは保護カバーに機械的に接続することができる。封止チャンバにおいて/中において、封止デバイスを移動させる能力、特に、例えば約30°±10~20°から約180°±10~20°まで、例えば折り曲げる(単純な)能力は、ヒンジ、特に薄膜ヒンジによって保証される。それに加えて、封止デバイスは、接続ハウジングまたは保護カバーと一個片で、実質的に係合して、または一体で構築することができる。
【0010】
「一個片で(in one piece)」という用語は、関連構成要素(接続ハウジング、保護カバー)の個別の部片(何か部片があれば)を手でまたは道具で簡単に分離できないこと、および該当する場合、例えば、組立済みケーブルに適用している関連構成要素の個別の部品を損傷することがないわけではないことを意味すると理解されることを意図する。物理的密着力は、非ポジティブロック接続および/またはポジティブロック接続によって引き起こされることが好ましい。実質的に係合する構成要素の場合には、その個別部材(なにか部材があれば)は、実質的に係合して互いに固定され、好ましくは、分離すれば必ずその個別部材のうちの1つを損傷する。物理的密着力は、さらに、非ポジティブロック接続および/またはポジティブロック接続によって生成することができる。一体構成要素の場合には、それを破壊することによってのみ事実上分割することができる単一構成要素のみがある。この構成要素は、それ自体を一体またはモノリシックとすることができる単一部片から製造され、それは、さらに、コンテナ中の(粘性)流体塊に該当することが意図される。
【0011】
接続ハウジングおよび封止デバイス、または保護カバーおよび封止デバイスは、一体で構築されることが好ましい。特に、オプションとして封止デバイスをもつ接続ハウジング、および/またはオプションとして封止デバイスをもつ保護カバーは、(粘性)流体射出成形塊から射出成形法によって製造することができる。しかしながら、接続ハウジングおよび封止デバイス、または保護カバーおよび封止デバイスの複数の部品の構築が、適用され得る。
【0012】
封止デバイスは、第一近似で実質的にポジティブロック式で封止チャンバに/中に受け取られることが可能である。「第一近似で(in a first approximation)」とは、外観の主要形状、この場合、好ましくは円形形状または円柱形状が、観察されることを意味すると理解されることが意図され、第二近似においてのみ、封止デバイスのより正確な形状(円形形状または円柱形状に加えて、例えば、半径方向凹部などのケーブル凹部の形状)および/または封止チャンバのより正確な形状が観察される。ヒンジは、好ましくは実質的にポジティブロック式で、封止チャンバの端側縁部の凹部に受け取られることが可能である。それによって、封止デバイスが封止チャンバにおいて/中において回転するのを防止することができる。それに加えて、シールに加えて、封止デバイスは、実質的に完全に、封止チャンバにコネクタデバイスの軸方向で受け取られることが可能である。
【0013】
接続ハウジングにおける封止デバイスおよび保護カバーの(想定される)組立状態では、コネクタデバイスは、コネクタデバイスのケーブルブッシング(以下を参照)とは別に、軸方向に実質的に光不透過に構築することができる。それに加えて、接続ハウジングにおける封止デバイスおよび保護カバーの(想定される)組立状態では、封止デバイスのケーブル凹部および保護カバーのケーブル凹部は、コネクタデバイスの半径方向にケーブルブッシングとして互いに重なることができる。すなわち、封止デバイスのケーブル凹部および保護カバーのケーブル凹部は、一緒に、ケーブルブッシングを構成する。
【0014】
封止デバイスの事前組立状態では、封止デバイスは、接続ハウジングまたは保護カバーから離れて突き出ることができる。それに加えて、封止チャンバにおける/中における封止デバイスの組立状態では、封止デバイスは、封止チャンバに/中に折り重ねることができる、および/または封止チャンバに折り込むことができる。封止デバイスは、接続ハウジングに機械的に接続することができ、封止デバイスは、半径方向外側に封止チャンバの端側縁部から離れて突き出ることが好ましい。代替として、封止デバイスは、保護カバーに機械的に接続することができ、封止デバイスは、半径方向外側に、好ましくは保護カバーの、軸方向に前の端側縁部から突き出るか、または好ましくは保護カバーの、軸方向に後ろの端側縁部から突き出ることが好ましい。
【0015】
コネクタ機構は、機械的プリテンション力が、封止チャンバに構成され得るシールに、保護カバーおよび封止デバイスによって印加され得るように構築することができる。保護カバーは、接続ハウジングに/上に/中に係合することができることが好ましい。接続ハウジングにおける/上における保護カバーの組立状態において、保護カバーは、封止チャンバ全体、または接続ハウジングの外側で封止チャンバの一部のみを越えて突き出ることができる。それに加えて、接続ハウジングは、ケーブル出口側に封止チャンバを有することができる。それに加えて、コネクタデバイスは、相手側コネクタデバイスとして構築するか、またはそれとして説明することができる。
【0016】
封止デバイスのケーブル凹部は、半径方向凹部として構築されることが好ましい。それに加えて、保護カバーのケーブル凹部は、半径方向凹部として構築することができる。接続ハウジングにおける封止デバイスおよび保護カバーの組立状態において、2つの半径方向凹部の中心線は、互いに対して、約0°の角度と異なる角度を取る。この事例では、約180°の角度が好ましい。当然、180°と異なる角度を適用することができる。領域、特に、これらの2つのケーブル凹部が半径方向に重ね合わされる封止チャンバの/中の中心領域は、ケーブルブッシングとも呼ばれる。
【0017】
本発明による防水コネクタは、本発明によるコネクタデバイスを有する。この事例では、コネクタは、シール、特にケーブルシールを封止チャンバに有することができる。それに加えて、コネクタは、電気コネクタ機構を有することができる。このコネクタにおいて、シール、封止デバイス、および保護カバーは、各々、直接隣接して配列され、および/または互いに対して(一続きで)互い違いに配列され得る。
【0018】
保護カバーは、軸方向に機械的プレテンション力を封止デバイスを介してシールに印加することができ、その結果として、封止を改善することができる。それに加えて、それによって、接続ハウジングにおいて/上において保護カバーに対する遊び補償をもたらすことができる。このコネクタでは、コネクタデバイスは、基本コネクタハウジングとして構築することができ、またはコネクタデバイスは、ハウジング、例えば筐体ハウジングと一緒に、コネクタハウジングを構成することができる。それに加えて、コネクタは、相手側コネクタとして説明することができる。
【0019】
本発明による組立済み電気ケーブルは、本発明によるコネクタデバイスおよび/または本発明による防水電気コネクタを有する。本発明による機構、本発明によるモジュール、本発明による電気器具、本発明によるデバイス、本発明による設備、または本発明によるシステムは、本発明によるコネクタデバイス、本発明による防水電気コネクタ、および/または本発明による組立済み電気ケーブルを有する。
【0020】
本発明は、実施形態と、原寸に比例していない添付の詳細な図面とを参照しながらより詳細に以下で説明される。同一か、一義的か、または同様の設計および/または機能を有する要素、構造部材、または構成要素は、図の説明、参照番号のリスト、および特許請求の範囲において同じ参照番号が付されており、同じ参照番号により図面の図(Figs.)に示されている。説明において説明されていないおよび図面において示されていないあり得る代替、および/または本発明の説明される実施形態、またはその個々のサブアセンブリ、部品、またはその一部分に対する非決定的な代替、静的および/または運動学的反転、組合せなどは、さらに、参照番号のリストから得ることができる。
【0021】
参照番号のリストからのフィーチャを含む、説明するフィーチャはすべて、詳述する組合せで適用されるだけでなく別の組合せでもしくは他の組合せでもしくは単独で適用されうる。特に、本発明の説明および/または参照番号を参照する図の説明における1つまたは複数のフィーチャと、本発明の説明、図の説明、および/または参照番号のリストにおけるそれに関連するフィーチャとを取り替えることが可能である。それに加えて、それに関して、1つまたは複数のフィーチャは、特許の請求項において、構成され、より詳細に規定され、および/または取り替えられ得る。以下は、単なる例示的な図である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】各々が事前組立状態の本発明による保護カバーおよび封止デバイスを有する、事前組立済み電気ケーブルへの最終組立中の本発明によるコネクタデバイスの第1の変形の斜視側面図である。
【
図2】
図1に従って製造されている本発明による防水ピンコネクタの封止デバイスの組立状態および保護カバーの事前組立状態の斜視図である。斜視図は、中央で長手方向に切断されており、
図1に関して水平に反転されている。
【
図3】
図1および
図2に示したケーブルを完全に組み立てた状態を示す、
図1に類似する図である。封止デバイスおよびコネクタデバイスの保護カバーは、ピンコネクタにおいて/中においてそれぞれの組立状態にある。
【
図4】各々が事前組立状態の本発明による保護カバーおよび封止デバイスを有する、事前組立済み電気ケーブルへの最終組立中の本発明によるコネクタデバイスの第2の変形の斜視側面図である。
【
図5】
図4に従って製造されている本発明による防水ピンコネクタの封止デバイスの組立状態および保護カバーの事前組立状態の斜視図である。斜視図は、中心をはずれて長手方向に切断されており、
図4に関して水平に反転されている。
【
図6】
図4および
図5に示したケーブルを完全に組み立てた状態を示す、
図4に類似する図である。封止デバイスおよび保護カバーは、ピンコネクタにおいて/中においてそれらのそれぞれの組立状態にある。
【
図7】事前組立状態の封止デバイスをもつ、防水ソケットコネクタのコネクタデバイスの第1の変形による本発明による接続ハウジングの斜視側面図である。
【
図8】事前組立済みケーブルに製造されている本発明による防水ソケットコネクタ(
図7)を示す、
図7に類似する図である。封止デバイスは組立状態にあり、保護カバーは事前組立状態にある。
【
図9】事前組立状態の封止デバイスを有する、第1の変形による本発明による接続ハウジングの斜視側面図である。
図9は、防水ピンコネクタのコネクタデバイスのための筐体ハウジングはない状態の図である。
【
図10】事前組立済みケーブルに筐体ハウジングとともに製造されている本発明による防水ピンコネクタ(
図9)を示す、
図9に類似する図である。封止デバイスは組立状態にあり、保護カバーは事前組立状態にある。
【
図11】
図10による本発明によるピンコネクタ、またはピンコネクタを有する本発明による完全組立済みケーブルの斜視図である。斜視図は長手方向に中央で切断されている。
【
図12】
図8による本発明によるソケットコネクタ、またはソケットコネクタを有する本発明による完全組立済みケーブルの斜視図である。斜視図は長手方向に中央で切断されている。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明(
図1から
図12)が、自動車分野の電気(ミニ)コネクタ1用のコネクタデバイス10の4つの実施形態(
図1、
図4、
図7、および
図9)における図示する2つの変形実施形態(接続ハウジング100の封止デバイス120または保護カバー200の封止デバイス220(以下を参照))を参照しながらより詳細に以下で説明される。本発明は、そのような変形および/またはそのような実施形態に限定されるのではなくて、代わりに、より基本的な性質のものであり、その結果、本発明は、自動車分野、または電子機器回路、電気工学、エネルギー技術分野などのような非自動車分野の他のコネクタデバイスまたは相手側コネクタデバイスおよび/または他のコネクタまたは相手側コネクタに適用することができる。
【0024】
それに加えて、コネクタ1および相手側コネクタ1、コネクタデバイス10および相手側コネクタデバイス10、ピンコンタクトデバイス、スタッドコンタクトデバイス、タブコンタクトデバイスなどをもつコネクタ機構60およびソケットコンタクトデバイスなどをもつコネクタ機構60の名称は、以下、同義に、すなわち、該当する場合、互いに交換することができるように、解釈されることが意図される。本発明は、さらに、同軸ケーブル50、特に銅同軸ケーブル50および/またはアルミニウム同軸ケーブル50を参照しながらより詳細に以下で説明される。但し、本発明は、そのようなケーブル50に限定されるのではなくて、代わりに、再び、より基本的な性質のものであり、その結果、本発明は、さらに、他のケーブル50、線路50、ケーブルハーネス50などに適用することができる。
【0025】
図1から
図3に示される本発明の第1の変形において、防水電気(ミニ)コネクタ1用のフライング(プラグイン)コネクタデバイス10は、(ミニ)接続ハウジング100と、保護カバー200とを含む(
図3)。(ミニ)接続ハウジング100は封止チャンバ110を有し、封止チャンバ110が、コネクタデバイス10の軸方向Axの後部にある端側縁部101で開口している。、保護カバー200によって、開口した封止チャンバ110を後部で少なくとも部分的に覆うことができる。封止チャンバ110は、軸方向Axにおいて後端側縁部101の反対側の肩部114によって接続ハウジング100に内部で境界を定められる。ケーブルシール112(
図2)として構築されることが好ましいシール112は、この肩部114に位置づけられ、特に、軸方向Axに支持され得る。
【0026】
ケーブルシール112(
図5、
図11、および
図12も参照)は、ケーブル50の電気(ミニ)コネクタ機構60が係合されるかまたは係合され得る接続ハウジング100のコンタクトチャンバ160に対して、ケーブルシール112を通って延びる電気ケーブル50、特に銅同軸ケーブル50および/またはアルミニウム同軸ケーブル50を封止する。この事例では、コネクタ機構60は、3つの互いに別個の部品、特に、フェルール(オプションとしてクリンプすることができる)、第1のコンタクトデバイス(オプションとしてクリンプすることができる)(例えば、ピン(
図2、
図5、
図11)、スタッド、タブ、ソケットコンタクト部分(
図12)などをもつ)、および/または第2のコンタクトデバイス(オプションとしてクリンプすることができる)(例えば、シールドコンタクト部分(
図2、
図5、
図11、
図12)などをもつ)を有する。コネクタ機構60の異なる構成を当然適用することができる。
【0027】
保護カバー200は、軸方向Ax後端側縁部201と、軸方向Ax前端側縁部203とを有する。保護カバー200は、その前端側縁部203で開口しており、前面のこの側を用いて、封止チャンバ110の後端側縁部101を超えて接続ハウジング100に押しつけることができ、好ましくは、接続ハウジング100上(キャッチ機構130、230)に係合することができる。後端側縁部201において、保護カバー200はケーブル凹部240を除いて閉じられている。保護カバー200を接続ハウジング100に/上に、および/またはケーブル50に/上に簡単に組み立てるために、保護カバー200は、軸方向Axに保護カバー200全体を通って延びるケーブル凹部240を有する。この事例では、ケーブル凹部240は、保護カバー200を、半径方向外側Raからケーブル50上に置くことができ、時間的に一続きで接続ハウジング100上に押しつけることができ、その場所において係合させることができるように半径方向凹部240として構築される。
【0028】
保護カバー200のケーブル凹部240が半径方向外側から半径方向内側まで延びる結果として、完全組立済みコネクタ1の封止チャンバ110のシール112は、軸方向Axに外側からアクセスできることになり、それは、対応する方向から水が噴霧される場合にはコネクタ1の水密性の問題をもたらすことがある。本発明(両方の変形)によれば、その位置は、封止デバイス120によって覆われる。封止デバイス120は、封止プレート120、封止タブ120、封止フラップ120などの形態である。この事例では、封止デバイス120は、第1の変形では、特に封止チャンバ110の近傍で、接続ハウジング100に接続される。封止デバイス120の別個の設計を本発明の別の変形に適用することができる。
【0029】
この事例において、次に、再び
図1から
図3を参照すると、封止デバイス120は、実質的に係合してまたは一体で、接続ハウジング100に接続されるかまたは接続ハウジング100とともに構築される。封止デバイス120は、ヒンジ122を介して、特に、薄膜ヒンジ122によって一体で、接続ハウジング100に接続されることが好ましい。これは、接続ハウジング10の後部部分で、特に、開口した封止チャンバ110の軸方向Ax後端側縁部101で実行されることが好ましい。接続ハウジング10における封止デバイス120の事前組立状態(
図1)において、最初はヒンジ122が、次いで、半径方向Ra外側方向にそれに隣接する封止デバイス120が、半径方向Raの内側から半径方向Raの外側に接続ハウジング10から離れて延びる。
【0030】
この事例では、ヒンジ122の実質的に平坦な範囲および/または封止デバイス120の実質的に平坦な範囲は、接続ハウジング10の半径方向平面Ra(半径方向平面Raは、この事例では、排他的に半径方向Raに延びる)に配置されることが好ましい。それによって、封止デバイス120は、封止チャンバ110に容易に折り重ねることができる、および/または封止チャンバ110に容易に折り込むことができる。
図2は、封止チャンバ110における/中における封止デバイス120の組立状態を示し、保護カバー200は、依然として、事前組立状態のままである。この事例では、封止デバイス120は、封止チャンバ110に折り重ねられる/折り込まれる。この事例では、封止デバイス120の実質的に円形または円筒形の外周は、さらに、実質的にポジティブロック式で封止チャンバ110に/中に受け取られる。
【0031】
ケーブル50を越えて封止デバイス120を容易に組み立てることができるように、封止デバイス120はケーブル凹部124を有し、ケーブル凹部124は軸方向Axに封止デバイス120全体を通って延びる。この事例では、封止デバイス120を、半径方向Ra外側からケーブル50を越えて押すことができ、時間的に一続きで封止チャンバ110に/中に受け取らせることができるように、ケーブル凹部124は、さらに、半径方向凹部124として構築される。続いて、保護カバー200を接続ハウジング100に組み立てることができ、その最終組立位置が
図3に示される。この事例では、約180°まで折り返されているヒンジ122を明確に見ることができる。
【0032】
この事例では、封止デバイス120のケーブル凹部124および保護カバー200のケーブル凹部240は、接続ハウジング100の後部長手方向端部または長手方向端部部分にケーブルブッシング124、240を構成する。保護カバー200および封止デバイス120は、この場合、2つのケーブル凹部124、240が上下に重ねられることによって形成されるケーブルブッシング124、240を除いて、軸方向Axにおいて後部(封止チャンバ110の後端側縁部101)の方に実質的に光不透過に封止チャンバを終端させる。ケーブル50がケーブルブッシング124、240で受け取られる場合、ケーブル50とケーブルブッシング124、240との間の間隙は、さらに、選択された許容範囲に応じて実質的に光不透過に形成されることが好ましい。
【0033】
封止チャンバ110の軸方向Ax後端側縁部101はヒンジ122のための凹部102(
図1も参照)を有することが好ましい。ヒンジ122の一部分は(その部分は折り返すことができるかまたは折り返される)、好ましくは外周方向Umのまたはコネクタデバイス10の横方向のポジティブロック式で、この凹部102に受け取られることが可能であるか(
図1)または受け取られる(
図2および
図3)。それに加えて、保護カバー200のケーブル凹部240を使用して、保護カバー200の組立状態(
図3)で、ヒンジ122の折り返された(二重)部分を受け取ることができる。それに加えて、ヒンジ122およびさらに封止デバイス220は、事前組立状態で中心/半径方向に接続ハウジング100から離れたところに延びることが好ましい。この事例では、コネクタデバイス10は、ピンコネクタデバイス10(ピンコネクタ機構60)として構築されており、当然、コネクタデバイス10を違うように構築することが可能である(以下を参照)。
【0034】
保護カバー200の組立状態において、封止デバイス120のケーブル凹部124および保護カバー200のケーブル凹部240は、ケーブル50を備えることができるコネクタデバイス10の軸方向Ax中心領域においてのみ互いに重なる。外側へのケーブル凹部124、240の半径方向Ra経路は、この場合、互いに対して半径方向Raにオフセットされるように配列される、すなわち、2つのケーブル凹部124、240は、互いに対して半径方向Raにある角度で回転されるように設けられる。この場合、約180°の角度が好ましいが、0°と異なる必要がある他の角度を使用することができる。すなわち、0°を超える比較的小さい角度を使用することを意図する場合、ケーブル凹部124、240の幅を考慮に入れなければならない。それに加えて、すべての角度を使用することができる。
【0035】
図4から
図6に示すような本発明の第2の変形は、第1の変形と同様に構築され、第1の変形との違いのみが以下に説明される。第1の変形におけるように封止デバイス120を接続ハウジング100に接続する代わりに、それは、第2の変形では、封止デバイス220が保護カバー200に接続されるように実行される。この事例では、封止デバイス220は、保護カバー200と実質的に係合して、または保護カバー200と一体で接続されるかまたは構築される。封止デバイス220は、ヒンジ222を介して、特に、薄膜ヒンジ222によって一体で保護カバー200に接続されることが好ましい。保護カバー200の封止デバイス220のケーブル凹部224は、この事例では、接続ハウジング100の封止デバイス120のケーブル凹部124と同様に構築される。
【0036】
これは、保護カバー200の後部部分で、特に、保護カバー200の軸方向Ax後端側縁部201で実行されることが好ましい。封止デバイス220を、保護カバー200の中央部分にまたは保護カバー200の軸方向Ax前端側縁部203に接続することも可能である。保護カバー200における封止デバイス220の事前組立状態(
図4)において、最初はヒンジ222が、次いで、半径方向Ra外側方向にそれに隣接する封止デバイス220が、半径方向Ra内側から半径方向Ra外側に保護カバー200から離れて延びる。この場合、ヒンジ222は、ケーブル凹部240において保護カバー200に横方向に接続されることが好ましい。
【0037】
ヒンジ222の平坦側が、保護カバー200の後端側、特に、後部半径方向平面Raと位置合わせされることがさらに好ましい。この事例では、ヒンジ222は、保護カバー200の外周方向Umに、好ましくはケーブル凹部240のそばに位置づけられ、それゆえに、偏心的に位置づけられる。封止デバイス220を、無理のない方法で、封止チャンバ110に折り重ねるおよび/または折り込むことができるように、ヒンジ222は、好ましくはその物理的構造によってこの偏心を補償する。それを
図5において明確に見ることができる。
【0038】
すなわち、封止デバイス220の事前組立状態および/または封止デバイス220の組立状態における封止デバイス220の中心位置づけは、保護カバー200に対する封止デバイス220の偏心接続にもかかわらずヒンジ222によって可能となる。この目的のために、ヒンジ222は、封止デバイス220の事前組立状態では、第1の変形におけるような実質的な排他的な半径方向Ra経路を有していないが、代わりに、外周方向Umへのオフセットを有している。保護カバー200の組立の間、特に、
図5の保護カバーの位置を参照すると、ヒンジ222の軸方向Axに延びる部分は、外周方向Umまたは横方向へのオフセットを有する。保護カバー200の組立中または組立後のある時に、ヒンジ222の突起部分は壊して外すことができる。
【0039】
第1の変形および第2の変形では、接続ハウジング100と、その中に設けるかまたは固定することができる(一次係合または二次係合)コンタクト固定部材16とは、実質的に同一の方法で構築されることが好ましい。そのようなコンタクト固定部材16、例えば、保持器16は、接続ハウジング100中にコネクタ機構60を固定する、特に係合するのに役立ち、コンタクト固定部材16それ自体が、接続ハウジング100に/中に固定される、特に、係合される。それに加えて、
図1および
図2と、
図4および
図5とは、互いに対応するキャッチ機構130、230を示しており、それによって、保護カバー200は、接続ハウジング100上に/に固定することができる。
【0040】
図7から
図12は、本発明の第1の変形についての2つの追加の実施形態を示す。
図7は、事前組立状態(製造状態)における本発明による封止デバイス120をもつフライング(ミニ)ソケット接続ハウジング100を示す。
図8は、最終組立中の防水フライング電気(ミニ)ソケットコネクタ1を示す。
図9は、事前組立状態(製造状態)における本発明による封止デバイス120をもつフライング(ミニ)ピン接続ハウジング100を示す。
図10は、最終組立中の、筐体ハウジング12をもつ防水フライング電気(ミニ)ピンコネクタ1を示す。
図11は、完全に組み立てられた
図10に示したピンコネクタ1を示し、
図12は、完全に組み立てられた
図8に示したソケットコネクタ1を示し、各々は、軸方向Axに中央で切断されている。
【0041】
図9、
図10、および
図11が明確に示すところによれば、コネクタデバイス10、またはコネクタデバイス10の接続ハウジング100は、コネクタ1の単一ハウジング10、12;100、12として構築される必要はない。コネクタデバイス10または接続ハウジング100を筐体ハウジング12に置くことが可能である。この事例では、筐体ハウジング12は、該当する場合、アダプタとして構築することができる。それに加えて、
図11および
図12は、各々、ハウジングシール152として構築されることが好ましい内側シール152を示す。この事例では、
図11のシール152は、接続ハウジング100と筐体ハウジング12との間を封止する。
図12のシール152は、
図11および
図12の2つのコネクタ1、1の内側チャンバを、それらが一緒にプラグ接続されるとき、互いに対して封止する。
【0042】
コネクタ機構60のみを備えるケーブル50は、事前組立済みケーブル5と呼ぶことができ、一方、ケーブル50または事前組立済みケーブル5は、コネクタ機構60がコンタクトチャンバ160(折り込まれた封止デバイス120、220と、組立済み保護カバー200とを含む)にさらに設けられた、特に、係合された場合、完全組立済みケーブル5と呼ぶことができる。すなわち、完全組立済みケーブル5には、組立済みコネクタ1をもつ事前組立済みケーブル5が含まれる。コネクタ1(組み立てられていない)は、再び、接続ハウジング100をもつコネクタデバイス10と、該当する場合コネクタ機構60を含む保護カバー200とを含むことができ、接続ハウジング100は、筐体ハウジング12を有することができる(
図10および
図11)。これは、やはり上記したように、非同軸ケーブル5にも適用することができる。
【0043】
本発明による電気コネクタ1(コネクタデバイス10または接続ハウジング100および保護カバー200をもつ、該当する場合、筐体ハウジング12、および/または別のデバイスおよび/または機構をもつ)は、シール112、シール152、コネクタ機構60(ケーブル50なしの)、コネクタ機構60、およびそれらとは別にケーブル50および/または(事前/完全)組立済みケーブル5をさらに含むことができる。次いで、コネクタ1と相手側コネクタ1とを含む本発明による電気(プラグイン)接続は、2つのコネクタ1、1、例えば、
図11に示されたもの(コネクタ1または相手側コネクタ1)と、
図12に示されたもの(相手側コネクタ1またはコネクタ1)とを組み立てることによって製造される。
【0044】
図示された4つのコネクタ1(
図3、
図6、
図11、および
図12)は、この事例では、同軸プラグインコネクター1として構築されている。当然、本発明をすべての電気接続に移すことが可能であり、コネクタ機構60をもつ少なくとも1つのコンタクトチャンバ160は、それに電気的に接続される同軸ケーブル50を備えることができる。接続ハウジング1またはコネクタ1に複数のコンタクトチャンバ160を構成することが当然可能である。それに加えて、例えば、本発明を、ピンコネクタ1、スタッドコネクタ1、タブコネクタ1、ソケットコネクタ1またはハイブリッドプラグインコネクタ、(フライング)結合1、(嵌合)コネクタ、(嵌合)ソケット、コネクタ受取部材、ソケット受取部材、ヘッダ、インタフェースなどに適用することが可能である。本発明は、自動車分野のRF(RF:無線周波数)またはHFプラグイン接続(HF:高周波)に特に適用するFAKRA標準(FAKRA:Fachkreis Automobil/自動車技術グループ)に従って構築されるコネクタ(1)に使用されることが好ましい。
【符号の説明】
【0045】
1 (防水)電気(ミニ)(相手側)コネクタ(フライングである/ハウジングに固定されている)(シール112、152をもつ、コネクタ機構60をもつ/もたない、または組立済みケーブル5をもつ/もたない)、好ましくは、特にRFまたはHFプラグイン接続(RF:無線周波、HF:高周波)に対するFAKRA標準(FAKRA:Fachkreis Automobil[自動車技術グループ]、例えば、LV 214など)に準拠する、例えば、ピンコネクタ、スタッドコネクタ、タブコネクタ、ソケットコネクタ、ハイブリッド(プラグイン)コネクタ、(フライング)結合、(嵌合)コネクタ、(嵌合)ソケット、コネクタ受取部材、ソケット受取部材、ヘッダ、インタフェースなど
5 (事前/完全)組立済み電気ケーブル、コネクタ機構60のみをもつ(事前)組立済みケーブル、例えば、(事前/完全)組立済み同軸ケーブル
10 (防水)(相手側)(プラグイン)コネクタデバイス(フライングである/ハウジングに固定されている)、好ましくはミニコネクタデバイス
12 筐体ハウジング、必要に応じて使用可能なハウジング
16 コネクタ機構60の一次係合または二次係合のための保持器および/またはキャッチ機構(特に、キャッチ突起、凹部、肩部)をもつコンタクト固定部材
50 電気ケーブル、特に銅および/またはアルミニウムケーブル、線路、ケーブルハーネスなど、例えば、同軸ケーブル
60 例えば、フェルール(クリンプすることができる)、第1のコンタクトデバイス(クリンプすることができる)(例えば、ピン、スタッド、タブ、ソケットコンタクト部分などをもつ)、および/または第2のコンタクトデバイス(クリンプすることができる)(例えば、シールドコンタクト部分などをもつ)をもつ、ケーブル50のための電気(ミニ)(相手側)コネクタ機構、好ましくは、ミニ同軸コネクタ機構
100 (相手側)接続ハウジング、好ましくは、ミニ接続ハウジング、(相手側)コネクタ機構、ハウジング
101 (軸方向Ax後)端側縁部
102 ヒンジ122、222のための凹部
110 封止チャンバ
112 シール、特に、ケーブルシール
114 肩部、封止チャンバ110の内側画定
120 封止デバイス;封止プレート、封止タブ、封止フラップなど
122 ヒンジ、好ましくは薄膜ヒンジ
124 ケーブル凹部、半径方向凹部、ケーブル凹部240と一緒にケーブルブッシング124、240を構成する
130 キャッチ機構、キャッチ機構230に対応するかまたは補完する、特に、キャッチ突起、凹部、肩部
152 シール、特に、ハウジングシール
160 コネクタ機構60のためのコンタクトチャンバ
200 保護カバー
201 (軸方向Ax後)端側縁部
203 (軸方向Ax前)端側縁部
220 封止デバイス;封止プレート、封止タブ、封止フラップなど
222 ヒンジ、好ましくは薄膜ヒンジ
224 ケーブル凹部、半径方向凹部、ケーブル凹部240と一緒にケーブルブッシング224、240を構成する
230 キャッチ機構、キャッチ機構230に対応するかまたは補完する、特に、キャッチ突起、キャッチ凹部、キャッチ肩部
240 ケーブル凹部、半径方向凹部、保護カバー200全体を通って軸方向Axに延びる
S コネクタ1、コネクタデバイス10、接続ハウジング100、組立済みケーブル5の挿入方向;軸方向Ax、長手方向Axを含む
Ax 接続の、コネクタ1の、コネクタデバイス10の、ケーブル50(その構成要素を含む)の、組立済みケーブル5の軸方向、長手方向、長手軸、軸平面、縦断面;挿入方向Sを含む
Ra 接続の、コネクタ1の、コネクタデバイス10の、ケーブル50(その構成要素を含む)の、組立済みケーブル5の半径方向、半径方向平面
Um 接続の、コネクタ1の、コネクタデバイス10の、ケーブル50(その構成要素を含む)の、組立済みケーブル5の外周方向、接平面