(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-19
(45)【発行日】2022-10-27
(54)【発明の名称】プリンタ
(51)【国際特許分類】
B41J 15/04 20060101AFI20221020BHJP
B41J 29/13 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
B41J15/04
B41J29/13
(21)【出願番号】P 2018066151
(22)【出願日】2018-03-29
【審査請求日】2021-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 英幸
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-000761(JP,U)
【文献】特開平11-138948(JP,A)
【文献】特開2013-091571(JP,A)
【文献】特開平01-184179(JP,A)
【文献】特開平05-085002(JP,A)
【文献】特開2008-297054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00- 3/68
G03G 15/00
B41J 11/00
B41J 13/00
B41J 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンフォールド型台紙に複数のラベルが所定の間隔で連続して仮着された印字媒体に印字するプリンタであって、
前記印字媒体を供給する供給口と、
前記印字媒体を搬送する搬送面を有し、前記供給口に開閉可能に取り付けられた供給口カバーと、
を備え、
前記印字媒体は、前記供給口カバーの下側から供給され、
前記供給口カバーは、開放状態において、前記搬送面を露呈した状態で水平位置よりも下方向に位置するように固定され、
前記供給口カバーの前記搬送面は、凸状の湾曲形状であり、
前記供給口カバーの前記搬送面に、
前記搬送面の湾曲面を形成しており前記印字媒体の供給方向に沿って形成された複数の凸状リブと、
前記凸状リブの間に前記印字媒体の供給方向に交差する方向に沿って形成され、供給方向に配列された複数の横リブと、
前記搬送面の幅方向における中央位置に供給方向に沿って形成された中心リブと、
前記凸状リブの間に供給方向に対して斜め方向に沿って形成されるとともに前記中心リブに対して対称に形成された斜めリブと、
を有する、
プリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタに紙を供給する給紙装置において、連続用紙を水平に載置するとともに、連続用紙の載置位置を規制する規制ガイドを備える技術が知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載されたような給紙装置を備えたプリンタでは、斜行搬送や媒体詰まりを生じることなく、用紙等の印字媒体をプリンタ内部にスムーズに供給することが要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示すような技術は、用紙を装置内部に取り込むところで、依然として用紙詰まりが発生する可能性があった。
【0005】
本発明の一つの態様は、印字媒体を、より円滑にプリンタ内部に供給することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様によれば、ファンフォールド型台紙に複数のラベルが所定の間隔で連続して仮着された印字媒体に印字するプリンタであって、前記印字媒体を供給する供給口と、前記印字媒体を搬送する搬送面を有し、前記供給口に開閉可能に取り付けられた供給口カバーと、を備え、前記印字媒体は、前記供給口カバーの下側から供給され、前記供給口カバーは、開放状態において、前記搬送面を露呈した状態で水平位置よりも下方向に位置するように固定され、前記供給口カバーの前記搬送面は、凸状の湾曲形状であり、前記供給口カバーの前記搬送面に、前記搬送面の湾曲面を形成しており前記印字媒体の供給方向に沿って形成された複数の凸状リブと、前記凸状リブの間に前記印字媒体の供給方向に交差する方向に沿って形成され、供給方向に配列された複数の横リブと、前記搬送面の幅方向における中央位置に供給方向に沿って形成された中心リブと、前記凸状リブの間に供給方向に対して斜め方向に沿って形成されるとともに前記中心リブに対して対称に形成された斜めリブと、を有するプリンタが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、印字媒体を、より円滑にプリンタの内部に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係るプリンタ100の斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係るプリンタ100の概略構成図である。
【
図3】
図3は、カバー11を開放した状態を示す図である。
【
図4】
図4は、リボン供給軸33をリボン交換位置にした状態を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係るプリンタ100を背面側からみた供給口200周辺を示す外観図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係るプリンタ100に印字媒体Fが供給される様子を説明する概略構成図である。
【
図7】
図7は、供給口カバー210の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[プリンタ100の全体構造]
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るプリンタ100について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るプリンタ100の斜視図である。また、
図2は、本発明の実施形態に係るプリンタ100の概略構成図である。プリンタ100は、
図1、
図2に示すように、筐体10と、筐体10の開口部を覆うカバー11と、を備える。
【0010】
プリンタ100は、インクリボンRを熱してインクリボンRのインクを印字媒体に転写することで印字を行う熱転写方式のものである。印字媒体は、例えば、帯状の台紙に複数のラベルが所定の間隔で連続して仮着されたラベル連続体であり、
図2に示すように、管材Pにロール状に巻き回されたものである(以下、印刷媒体Mと記す)。
【0011】
また、プリンタ100は、印字媒体Mのほかに、印字媒体の連続体が所定サイズに蛇腹折りされた、いわゆるファンフォールド型媒体(以下、印字媒体Fと記す)を使用することもできる。
【0012】
印字媒体Mは、
図2に示すように、管材P内に入り込んだ保持ピン78に保持される。なお、印字媒体Mとして、台紙なしラベルを使用することもできる。
【0013】
カバー11は、筐体10に設けられた支持軸13により一端側の端部が揺動自在に支持される。カバー11は、支持軸13を支点として揺動させることで、筐体10の開口部を開放する開放状態(
図3参照)と、閉止する閉止状態(
図2参照)と、を切り替えることができる。
【0014】
筐体10には、カバー11を閉止状態に維持するロック機構(図示せず)が設けられる。ロック機構は、
図1に示すレバー14を操作することで解除される。
【0015】
カバー11の他端側の端部と筐体10との間には、
図2に示す印字部15で印字された印字媒体Mがプリンタ100から排出される排出口16が形成される。
【0016】
カバー11には、排出口16に臨むカッタ17が取り付けられる。これにより、排出口16から排出された印字済の印字媒体Mを切断することができる。なお、カバー11には、カッタ17に代えて他の様々なユニットを取り付けることができる。
【0017】
排出口16と印字部15との間には、印字媒体Mの有無を検出する透過センサ18が設けられる。透過センサ18は、例えば、所定の光を出射する発光ユニット18aと、発光ユニット18aから出射された光を受光し、受光した光の強度に対応する電気信号を出力する受光ユニット18bと、を有する光学センサである。
【0018】
印字媒体Mが発光ユニット18aと受光ユニット18bとの間に存在すると、発光ユニット18aから出射された光が遮られ、受光ユニット18bが受光する光の強度が低下する。これにより、透過センサ18は、印字媒体Mの有無を検出することができる。なお、発光ユニット18aと受光ユニット18bとの位置を入れ替えてもよい。
【0019】
また、カバー11には、プリンタ100を操作するための操作ユニット19が設けられる。操作ユニット19は、例えば、各種操作ボタン、ディスプレイ、近距離無線通信モジュール、LED(Light Emitting Diode)等を有する。ディスプレイは、例えば、表示部と、入力とが一体構成されたタッチパネルであってもよい。
【0020】
プリンタ100において、操作ユニット19が設けられた側の一方の端部を前面と表し、操作ユニット19とは反対の端部を背面と表す。
【0021】
プリンタ100は、ファンフォールド型の印字媒体Fに対して印字可能とするために、背面側に、印字媒体Fを供給するための供給口200と、供給口200に開閉可能に取り付けられた供給口カバー210とを備える。
【0022】
供給口200から供給される印字媒体Fは、一点鎖線で表される搬送路Cを通って、プラテンローラ20及びサーマルヘッド32の位置まで供給される。背面側の供給口200及び供給口カバー210については、後述する。
【0023】
プリンタ100の内部には、
図2に示すように、印字媒体M及び印字媒体Fに印字を行うための印字ユニット30、プリンタ100の動作を制御するコントローラ40等が収容される。
【0024】
印字ユニット30は、例えば、一端側が支持軸13に揺動自在に支持される本体部31と、本体部31に取り付けられるサーマルヘッド32と、を備える。
【0025】
サーマルヘッド32は、筐体10側に設けられたプラテンローラ20とともに印字媒体Mや印字媒体Fに印字を行う印字部15を構成する。
【0026】
印字ユニット30は、サーマルヘッド32とプラテンローラ20との間に印字媒体Mや印字媒体Fが挟持される印字位置(
図2参照)と、サーマルヘッド32がプラテンローラ20から離間する非印字位置(
図3、
図4参照)と、の間で揺動自在とされる。
【0027】
また、印字ユニット30は、印字部15に供給されるインクリボンRをロール状に保持するリボン供給軸33と、使用済のインクリボンRを巻き取るリボン巻取軸34と、インクリボンRと印字媒体Mや印字媒体Fとの間を仕切る仕切部材35と、リボン供給軸33から印字部15へのインクリボンRの搬送路を規定するガイド軸36と、印字部15からリボン巻取軸34へのインクリボンRの搬送路を規定するガイド軸37と、を備える。リボン供給軸33は、仕切部材35に着脱可能に取り付けられている。
【0028】
印字媒体Mは、保持ピン78により保持された位置から印字部15に供給され、サーマルヘッド32とプラテンローラ20との間にインクリボンRとともに挟持される。
【0029】
印字媒体M及びインクリボンR、又は印字媒体F及びインクリボンRがサーマルヘッド32とプラテンローラ20との間に挟持された状態、すなわち、印字ユニット30が印字位置にある状態でサーマルヘッド32の発熱素子への通電が行われると、発熱素子の熱によってインクリボンRのインクが印字媒体Mや印字媒体Fに転写され、印字媒体Mや印字媒体Fへの印字が行われる。
【0030】
また、プラテン駆動モータ(図示せず)によってプラテンローラ20を正回転させると、印字媒体M及びインクリボンR、又は印字媒体F及びインクリボンRが搬送方向下流側へと搬送されて印字媒体Mや印字媒体Fが排出口16からプリンタ100の外部に排出される。
【0031】
また、リボン供給軸33及びリボン巻取軸34も、それぞれ駆動モータ(図示せず)によって回転駆動される。
【0032】
仕切部材35は、例えば、ベース部35aと、ベース部35aの一端側に設けられた軸部35bと、リボン供給軸33を軸部35bと平行且つ回動自在に支持する支持部35dと、軸部35bの中央部に形成された係合部35eと、を有する。
【0033】
仕切部材35は、軸部35bにより本体部31に揺動自在に支持される。
【0034】
係合部35eは、
図2に示すように、カバー11に設けられた被係合部11aと係合するように構成される。仕切部材35を係合部35eが被係合部11aと係合する位置(閉止位置)にすると、リボン供給軸33が本体部31内に収容される。これにより、リボン供給軸33は、印字部15にインクリボンRを供給するリボン供給位置に位置づけられる。
【0035】
このように、係合部35eと被係合部11aとが係合することで、リボン供給軸33がリボン供給位置になる閉止位置に仕切部材35が維持される。また、印字ユニット30とカバー11とが結合された状態になる。
【0036】
プリンタ100による印字を行う際は、カバー11は閉止状態とされ、且つ、仕切部材35の係合部35eとカバー11の被係合部11aとが係合した状態になる。よって、カバー11を閉止状態から開放状態にすると、印字ユニット30がカバー11と一体となって揺動し、
図3に示すように、筐体10の開口部が開放される。これにより、プリンタ100への印字媒体Mのセットや筐体10内の各部のメンテナンスを行うことができる。
【0037】
さらに、
図3に示す状態から係合部35eと被係合部11aとの係合を解除して仕切部材35を筐体10側に向けて揺動させると、仕切部材35が
図4に示す開放位置になる。
【0038】
仕切部材35が開放位置になるのに伴い、リボン供給軸33及びリボン供給軸33に保持されたロール状のインクリボンRがリボン巻取軸34に対して相対的に移動し、例えば印字媒体Mの排出口16側に露出する。これにより、リボン供給軸33がプリンタ100から着脱可能なリボン交換位置となり、インクリボンRの交換作業を行うことができる。
【0039】
係合部35eと被係合部11aとの係合は、仕切部材35を所定トルク以上のトルクで筐体10側に揺動させると、係合部35e及び被係合部11aが弾性変形して解除される。
【0040】
なお、係合部35eと被係合部11aとの係合が解除されることで、印字ユニット30自体も、筐体10側に向けて所定の位置まで揺動する。所定の位置は、筐体10における支持軸13の近傍に設けられた揺動規制部(図示せず)と本体部31とが当接する位置である。
【0041】
揺動規制部による印字ユニット30の位置決めは、印字ユニット30を所定トルク以上のトルクで筐体10側に揺動させると、揺動規制部が弾性変形して本体部31が揺動規制部を乗り越えて解除される。
【0042】
また、
図2に示すように、仕切部材35におけるベース部35aの他端側には、搬送ガイド部35fが設けられる。搬送ガイド部35fは、
図2に示すように、印字ユニット30が印字位置にある場合に、反射センサ21と対向して反射センサ21との間に印字媒体Mや印字媒体Fの搬送路を形成する。
【0043】
反射センサ21は、例えば、所定の光を出射する発光部と、発光部から出射された光の印字媒体Mや印字媒体Fからの反射光を受光し、受光した光の強度に対応する電気信号を出力する受光部と、を有する光学センサである。
【0044】
反射センサ21は、印字媒体Mや印字媒体Fの印字が施される面とは反対側の面に所定の間隔で予め印刷されているアイマークを検出する。これにより、反射センサ21は、搬送方向における印字媒体Mや印字媒体Fの位置を検出することができる。
【0045】
ここで、搬送中の印字媒体Mや印字媒体Fに弛みやうねりが発生すると、反射センサ21と印字媒体Mや印字媒体Fとの距離が大きくなって反射センサ21の検出精度が低下するおそれがある。
【0046】
これに対して、本実施形態では、印字ユニット30が印字位置にある場合、つまり、
図2に示す状態では、仕切部材35の搬送ガイド部35fが反射センサ21との間に搬送路を形成するので、搬送ガイド部35fによって印字媒体Mや印字媒体Fがガイドされ、反射センサ21から一定の距離内で印字媒体Mや印字媒体Fが搬送される。これにより、印字媒体Mや印字媒体Fの弛みやうねりによって反射センサ21と印字媒体Mや印字媒体Fとの距離が大きくなることを防止でき、反射センサ21の検出精度を安定させることができる。
【0047】
また、仕切部材35に設けられた搬送ガイド部35fによって印字媒体Mや印字媒体Fの搬送路が形成されるので、反射センサ21から一定の距離内で印字媒体Mや印字媒体Fが搬送されるようにする部材を別途設ける必要がなく、当該部材に印字媒体M等を挿通する作業も不要となる。
【0048】
また、仕切部材35は印字ユニット30に設けられるので、印字ユニット30を非印字位置にすると、例えば印字媒体Mの搬送路全体を露出させることができる。よって、仕切部材35に搬送ガイド部35fを設けることで反射センサ21から一定の距離内で、例えば印字媒体M等が搬送されるようにしても、印字媒体M等をプリンタ100にセットする作業を容易に行うことができる。
【0049】
また、
図2に示すように、プリンタ100は、搬送方向における印字媒体Mや印字媒体Fの位置を検出する透過センサ22を備える。
【0050】
透過センサ22は、例えば、所定の光を出射する発光部としての発光ユニット22aと、発光ユニット22aから出射された光を受光し、受光した光の強度に対応する電気信号を出力する受光部としての受光ユニット22bと、を有する光学センサである。
【0051】
例えば、印字媒体Mが、帯状の台紙に複数のラベルが所定の間隔で連続して仮着されたラベル連続体である場合は、隣り合う2つのラベルの間には、台紙のみの部分が存在する。
【0052】
ラベルが存在する部分と台紙のみの部分とでは、発光ユニット22aから出射された光の透過量が異なるので、受光ユニット22bが受光する光の強度が変化する。これにより、反射センサ21は、搬送方向における印字媒体Mの位置を検出することができる。
【0053】
本実施形態では、
図2に示すように、発光ユニット22aは、搬送ガイド部35fにおける印字媒体M等の搬送路とは反対側、つまり、搬送ガイド部35fの上面側に設けられる。また、搬送ガイド部35fには、発光ユニット22aから出射された光を通す貫通孔35gが形成されている。一方、受光ユニット22bは、搬送路を挟んで筐体10側に設けられる。
【0054】
上述のように、印字媒体Mをプリンタ100にセットする作業は、印字ユニット30を非印字位置にして筐体10の開口部を開放した状態で行われる。
【0055】
つまり、本実施形態では、発光ユニット22aと受光ユニット22bとの間が大きく開放された状態で印字媒体Mをプリンタ100にセットできるので、印字媒体Mをプリンタ100にセットする作業を容易に行うことができる。なお、発光ユニット22aと受光ユニット22bとの位置を入れ替えてもよい。
【0056】
プリンタ100は、使用する印字媒体Mの態様に応じて、反射センサ21と透過センサ22とのいずれか作動させて搬送方向における印字媒体Mの位置を検出するようになっている。
【0057】
例えば、アイマークが設けられていない印字媒体Mを使用する場合は、プリンタ100は、透過センサ22によって印字媒体Mの位置を検出する。
【0058】
コントローラ40は、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶装置、入出力インターフェース、これらを接続するバス等で構成される。コントローラ40には、入出力インターフェースを介して、外部コンピュータからの印字データ、透過センサ18、22からの信号、反射センサ21からの信号等が入力される。
【0059】
コントローラ40は、記憶装置に格納されている印字制御プログラムをマイクロプロセッサによって実行し、サーマルヘッド32の発熱素子への通電、各駆動モータへの通電等を制御する。
【0060】
[供給口及び供給口カバーの説明]
図5は、本発明の実施形態に係るプリンタ100を背面側からみた供給口200周辺を示す外観図である。
図6は、本発明の実施形態に係るプリンタ100に印字媒体Fが供給される様子を説明する概略構成図である。また、
図7は、供給口カバー210の拡大図である。
【0061】
図5に示すように、プリンタ100の背面側には、印字媒体Fを供給する供給口200が形成されている。供給口200を覆う供給口カバー210は、印字媒体Fを搬送する搬送面211を有し、供給口200に開閉可能に取り付けられている。
【0062】
供給口カバー210は、供給口カバー210の下側端部212において、プリンタ100の筐体10の一部に支持されている。供給口カバー210は、下側端部212を基点に、搬送面211をプリンタ100の内部側に向けながら供給口200を閉じることができる。
【0063】
供給口カバー210は、搬送面211をプリンタ100の外側に露呈した状態で開放することができる。このとき、供給口カバー210の上側端部213は、水平位置(
図6における仮想線H)よりも下方向に位置するように固定される(
図6参照)。
【0064】
供給口カバー210の搬送面211は、凸状の湾曲形状である。
【0065】
具体的には、供給口カバー210は、搬送面211に、複数のリブ220を備える。供給口カバー210は、搬送面211の湾曲面を形成する凸状リブ221を備える。本実施形態においては、搬送面211は、凸状リブ221によって、
図7に仮想線にて示された半径rの円弧に沿うように形成されている。
図7に示す円弧は、例えばφ50~φ70が望ましいが、これには限定されず、印字媒体Fの材質やプリンタの形状、供給口200や供給口カバー210の設置位置等により変更することができる。印字媒体Fは、搬送面211に沿って、
図7に示す矢印方向に搬送される。
【0066】
凸状リブ221は、印字媒体Fの供給方向Sに沿って形成されている。また、凸状リブ221は、印字媒体Fの供給方向Sに交差する方向に沿って配列されている。また、供給口カバー210は、凸状リブ221の強度を確保するための横リブ222を備える。横リブ222は、凸状リブ221の間に、供給方向Sに交差する方向に沿って形成されており、供給方向Sに交差する方向に沿って配列されている。
【0067】
また、供給口カバー210は、搬送面211の幅方向における中央に、中心リブ223を備える。中心リブ223に対して対称に、斜めリブ224を備える。斜めリブ224は、凸状リブ221の間に、供給方向Sに対して斜め方向に沿って形成されており、供給方向Sに対して斜め方向に配列されている。
【0068】
本実施形態においては、中心リブ223及び斜めリブ224によって、給紙方向Sを示す矢印の矢頭が形成されている。また、凸状リブ221は、幅方向に所定間隔に配置されているため、プリンタ100において使用可能な種々の印字媒体Fの幅サイズに対応する目盛りの役割を果たすことができる。
【0069】
本発明の実施形態に係るプリンタ100は、上述したように、印字媒体Fの供給口200に対して開閉可能な供給口カバー210を備える。供給口カバー210は、搬送面211をプリンタ100の外側に露呈した状態で開放される。このとき、供給口カバー210の上側端部213は、水平位置Hよりも下方向に位置するように固定される。
【0070】
これにより、供給口200の間口を広く開放することができ、例えば、供給口200の下側から印字媒体Fが供給される場合であっても、例えば、印字媒体Fを上側端部213の縁に引っ掛けることなく、より円滑にプリンタ100の内部に供給することができる
【0071】
ファンフォールド型の印字媒体Fでは、
図7に示すように、印字媒体Fがプリンタ100の下側から供給された場合、印字媒体Fには、その自重により、下方に引っ張られる力が加わる。このため、印字媒体Fは、供給口200からプリンタ100に供給されるにあたり、台紙が急角度に転向させられた場合に、ラベルを台紙に仮着している粘着力よりもラベルの剛性が勝ると、ラベルが台紙から浮き上がる場合がある。
【0072】
これに対して、本実施形態においては、供給口カバー210の上側端部213が水平位置Hよりも下方向に位置しており、また、供給口カバー210は、搬送面211の湾曲面を形成する凸状リブ221により、半径rの円弧に沿うように形成されている(
図6及び
図7における二点鎖線で示される円)。このため、
図7に示すように、印字媒体Fがプリンタ100の下側から供給される場合であっても、供給口200からプリンタ100に供給されるにあたり、印字媒体Fは、凸状リブ221の凸状の湾曲面に追従して搬送されることにより、緩やかに転向させられ、供給口200に搬送される。
【0073】
これにより、搬送面211において、印字媒体Fに急角度の転向部分が現れにくくなるため、例えば、台紙にラベルが仮着された媒体であったとしても、台紙からラベルが浮き上がることを防止できる。したがって、搬送中におけるラベル剥がれを防ぐことができる。
【0074】
また、供給口カバー210は、幅方向における中央に、中心リブ223を備え、中心リブ223に対して対称に、供給方向Sに対して斜めに配置された斜めリブ224を備え、中心リブ223及び斜めリブ224によって、矢印の矢頭が形成されている。これにより、使用者に、印字媒体Fの供給方向S及び印字媒体Fの中心を明示している。
【0075】
また、凸状リブ221は、プリンタ100において使用可能な種々の印字媒体Fの幅サイズに対応する目盛りの役割を有する。
【0076】
このため、使用者は、ファンフォールド型の印字媒体F等の端部をプリンタ100にセットする際に、セット位置が分かりやすく、印字媒体Fの媒体詰まりや、斜行搬送を防止できる。
【0077】
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は、本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0078】
供給口カバー210に形成されるリブ220は、
図5に示したものに限定されない。凸状リブ221、横リブ222、斜めリブ224の数は、本願発明における趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0079】
10 筐体
11 カバー
11a 被係合部
13 支持軸
14 レバー
15 印字部
16 排出口
17 カッタ
18 透過センサ
18a 発光ユニット
18b 受光ユニット
19 操作ユニット
20 プラテンローラ
21 反射センサ
22 透過センサ
22a 発光ユニット
22b 受光ユニット
30 印字ユニット
31 本体部
32 サーマルヘッド
33 リボン供給軸
34 リボン巻取軸
35 仕切部材
35a ベース部
35b 軸部
35d 支持部
35e 係合部
35f 搬送ガイド部
35g 貫通孔
36 ガイド軸
37 ガイド軸
40 コントローラ
78 保持ピン
100 プリンタ
200 供給口
210 供給口カバー
211 搬送面
212 下側端部
213 上側端部
220 リブ
221 凸状リブ
222 横リブ
223 中心リブ
224 斜めリブ
M,F 印字媒体
R インクリボン