(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-19
(45)【発行日】2022-10-27
(54)【発明の名称】固定資産税情報管理装置及び固定資産税情報管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20120101AFI20221020BHJP
【FI】
G06Q50/26
(21)【出願番号】P 2018106873
(22)【出願日】2018-06-04
【審査請求日】2021-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000135771
【氏名又は名称】株式会社パスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100102716
【氏名又は名称】在原 元司
(74)【代理人】
【識別番号】100122275
【氏名又は名称】竹居 信利
(72)【発明者】
【氏名】大塚 賢哉
(72)【発明者】
【氏名】福島 充
(72)【発明者】
【氏名】横山 可南
(72)【発明者】
【氏名】本川 淳平
(72)【発明者】
【氏名】藤山 聖
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-084423(JP,A)
【文献】特開2015-219564(JP,A)
【文献】特開2002-024255(JP,A)
【文献】特開2008-269337(JP,A)
【文献】特開2015-138411(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0235325(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
土地の筆及び/または家屋からなる固定資産税の課税物件毎に、前記土地の筆の境界
及び地番情報、及び/または、前記家屋の形状
及び家屋番号からなる固定資産税地図情報を管理する地図情報管理手段と、
前記固定資産税地図情報の属性情報として、前記課税物件毎に、前記固定資産税を課税するために必要な項目からなる課税情報を管理する課税情報管理手段と、
前記課税物件毎に、前記固定資産税地図情報
及び/または前記課税情報の更新処理をするための異動情報を受け付ける異動情報受付手段と、
前記異動情報もしくは前記異動情報と前記課税情報と、に基づいて特定された前記課税物件毎の更新の原因を示す異動事由に基づいて、予め規定された異動事由毎の前記更新処理の工程を選択し、前記課税物件毎に、前記固定資産税地図情報
及び/または前記課税情報の前記更新処理の各工程が設定された管理テーブルを作成する管理テーブル作成手段と、
前記更新処理の進捗状態を前記管理テーブルに反映させる進捗管理手段と、
前記管理テーブルに基づき更新処理の進捗状態を表示する進捗状態表示手段と、
を備える固定資産税情報管理装置。
【請求項2】
前記管理テーブル作成手段は、前記課税情報と前記異動情報とを比較して、前記課税情報の項目の少なくとも一つに相違がある課税物件を抽出し、前記相違の内容に基づいて
前記異動事由を特定し、予め規定された前記異動事由毎の前記更新処理の工程を選択して管理テーブルを作成する、請求項1に記載の固定資産税情報管理装置。
【請求項3】
前記管理テーブル作成手段は、前記異動情報に前記異動事由が含まれている場合に、前記異動事由を含む課税物件を抽出し、前記異動情報に含まれる前記異動事由に基づいて前記更新処理の工程を選択して管理テーブルを作成する、請求項1または請求項2に記載の固定資産税情報管理装置。
【請求項4】
前記進捗状態表示手段は、前記管理テーブルの更新処理の進捗状態に基づいて、前記更新処理の工程に対応する更新処理が必要となる課税物件を抽出し、前記固定資産税地図情報上に前記課税情報とともに表示させる請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の固定資産税情報管理装置。
【請求項5】
コンピュータを、
土地の筆及び/または家屋からなる固定資産税の課税物件毎に、前記土地の筆の境界
及び地番情報、及び/または、前記家屋の形状
及び家屋番号からなる固定資産税地図情報を管理する地図情報管理手段、
前記固定資産税地図情報の属性情報として、前記課税物件毎に、前記固定資産税を課税するために必要な項目からなる課税情報を管理する課税情報管理手段、
前記課税物件毎に、前記固定資産税地図情報
及び/または前記課税情報の更新処理をするための異動情報を受け付ける異動情報受付手段、
前記異動情報もしくは前記異動情報と前記課税情報と、に基づいて特定された前記課税物件毎の更新の原因を示す異動事由に基づいて、予め規定された異動事由毎の前記更新処理の工程を選択し、前記課税物件毎に、前記固定資産税地図情報
及び/または前記課税情報の前記更新処理の各工程が設定された管理テーブルを作成する管理テーブル作成手段、
前記更新処理の進捗状態を前記管理テーブルに反映させる進捗管理手段、
前記管理テーブルに基づき更新処理の進捗状態を表示する進捗状態表示手段、
として機能させる、固定資産税情報管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定資産税情報管理装置及び固定資産税情報管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地方自治体では、土地や家屋の固定資産税を課税するために、基幹サーバ等で管理している課税台帳または課税マスタ等に加えて、土地の筆の境界や家屋の形状等からなる固定資産税地図情報を整備し、課税のために必要な項目からなる課税情報を属性情報として関連付けることで、固定資産税の課税物件を管理している。
【0003】
継続的な課税物件の管理のためには、不動産登記の異動に伴い発生する土地の分筆・合筆や家屋の新築・滅失、所有権移転等の課税物件の異動情報を、随時、上記地図情報および課税情報に反映させる必要がある。そのためには、適宜、不動産登記の異動情報を取得し、その中から更新対象の課税物件を抽出、地図情報の更新、現地での調査、課税情報の更新、処理内容の確認のための上長の承認等の複数の工程からなる更新処理を行う必要がある。
【0004】
例えば、下記非特許文献1には、固定資産税の課税のために地図情報システムを使って、土地の異動(分合筆)や画地の認定、画地情報の取得等の課税情報の更新に関する構成が開示されている。
【0005】
また、下記特許文献1には、登記情報や現地調査情報を取得して、課税台帳情報を更新し、課税標準額を算出する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【非特許文献】
【0007】
【文献】“図解 固定資産税事務のためのGISガイドブック”、[online]、財団法人資産評価システム研究センター、[2018年5月15日検索]、インターネット<URL;http://www.recpas.or.jp/new/jigyo/report_web/pdf/h17_gis_guide/h17_gis.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記従来の技術においては、固定資産税の地図情報や課税情報の更新の対象となる課税物件を抽出し、複数の工程からなる更新処理の進捗管理を行う機能を具体的に開示するものではない。
【0009】
本発明の目的は、固定資産税の地図情報(以後、固定資産税地図情報ということがある)及び課税情報の更新の対象となる課税物件を抽出し、複数の工程からなる固定資産税地図情報及び課税情報の更新処理の進捗管理を行うことができる固定資産税情報管理装置及び固定資産税情報管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態は、固定資産税情報管理装置であって、土地の筆及び/または家屋からなる固定資産税の課税物件毎に、前記土地の筆の境界および地番情報、及び/または、前記家屋の形状および家屋番号からなる固定資産税地図情報を管理する地図情報管理手段と、前記固定資産税地図情報の属性情報として、前記課税物件毎に、前記固定資産税を課税するために必要な項目からなる課税情報を管理する課税情報管理手段と、前記課税物件毎に、前記固定資産税地図情報または前記課税情報の更新処理をするための異動情報を受け付ける異動情報受付手段と、前記課税物件毎に、前記固定資産税地図情報または前記課税情報の前記更新処理の各工程が設定された管理テーブルを作成する管理テーブル作成手段と、前記更新処理の進捗状態を前記管理テーブルに反映させる進捗管理手段と、前記管理テーブルに基づき更新処理の進捗状態を表示する進捗状態表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
上記管理テーブル作成手段は、前記課税情報と前記異動情報とを比較して、前記課税情報の項目の少なくとも一つに相違がある課税物件を抽出し、前記相違の内容に基づいて更新の原因を示す異動事由を特定し、予め規定された前記異動事由毎の前記更新処理の工程を選択して管理テーブルを作成するのが好適である。
【0012】
上記管理テーブル作成手段は、前記異動情報に前記異動事由が含まれている場合に、前記異動事由を含む課税物件を抽出し、前記異動情報に含まれる前記異動事由に基づいて前記更新処理の工程を選択して管理テーブルを作成するのが好適である。
【0013】
また、上記進捗状態表示手段は、前記管理テーブルの更新処理の進捗状態に基づいて、前記更新処理の工程に対応する更新処理が必要となる課税物件を抽出し、前記固定資産税地図情報上に前記課税情報とともに表示させるのが好適である。
【0014】
本発明の他の実施形態は、固定資産税情報管理プログラムであって、コンピュータを、土地の筆及び/または家屋からなる固定資産税の課税物件毎に、前記土地の筆の境界および地番情報、及び/または、前記家屋の形状および家屋番号からなる固定資産税地図情報を管理する地図情報管理手段と、前記固定資産税地図情報の属性情報として、前記課税物件毎に前記固定資産税を課税するために必要な項目からなる課税情報を管理する課税情報管理手段と、前記課税物件毎に、前記固定資産税地図情報または前記課税情報の更新処理をするための異動情報を受け付ける異動情報受付手段と、前記課税物件毎に、前記固定資産税地図情報または前記課税情報の前記更新処理の各工程が設定された管理テーブルを作成する管理テーブル作成手段と、前記更新処理の進捗状態を前記管理テーブルに反映させる進捗管理手段と、前記管理テーブルに基づき更新処理の進捗状態を表示する進捗状態表示手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、異動対象となる固定資産税の課税物件を抽出し、複数の工程からなる固定資産税地図情報及び課税情報の更新処理の進捗管理を行うことができる固定資産税情報管理装置及び固定資産税情報管理プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態にかかる固定資産税情報管理装置の構成例の機能ブロック図である。
【
図2】実施形態にかかる土地の場合の課税情報の例を示す図である。
【
図3】実施形態にかかる土地の場合の異動情報の例を示す図である。
【
図4】実施形態にかかる土地の場合の異動テーブルの例を示す図である。
【
図5】実施形態にかかる土地の場合の管理テーブルの例を示す図である。
【
図6】実施形態にかかる固定資産税情報管理装置の動作例のフロー図である。
【
図7】使用者が土地の場合の課税情報の更新手続きに使用する画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0018】
実施形態にかかる固定資産税情報管理装置は、土地および家屋の固定資産税を課税するために必要な固定資産税地図情報および課税情報を保持しており、地方自治体の基幹サーバ等から当該固定資産税地図情報および課税情報を更新するための異動情報を受け付けて、固定資産税地図情報および課税情報の更新及び更新処理の進捗を管理するための情報を生成する。
【0019】
図1には、実施形態にかかる固定資産税情報管理装置の構成例の機能ブロック図が示される。
図1において、固定資産税情報管理装置は、課税情報管理部10、異動情報受付部12、異動テーブル作成部14、管理テーブル作成部16、進捗管理部18、地図情報管理部20、表示制御部22、通信部24、記憶部26及びCPU28を含んで構成されている。なお、CPU28以外にGPU等のアクセラレーターを用いてもよい。上記固定資産税情報管理装置は、CPU28、ROM、RAM、不揮発性メモリ、I/O、通信インターフェース等を備え、装置全体の制御及び各種演算を行うコンピュータとして構成されており、上記各機能は、例えばCPU28とCPU28の処理動作を制御するプログラムとにより実現される。
【0020】
地図情報管理部20は、土地の筆及び/または家屋からなる固定資産税の課税物件毎に、固定資産税を課税するために必要な固定資産税地図情報を管理する。この場合における「管理する」には、固定資産税地図情報を記憶部26に記憶させて保持し、必要に応じて更新(情報更新、情報入力等)し、記憶部26から読み出して適宜な出力先に出力すること等の処理が含まれる。ここで、固定資産税地図情報とは、土地の場合は「地番図」のことであり、課税物件毎に土地の筆の境界(形状)を地番情報とともに示した地図である。また、家屋の場合は「家屋図」のことであり、課税物件毎に家屋の形状を家屋番号とともに示した地図である。
【0021】
固定資産税地図情報の更新は、地図情報管理部20が表示制御部22を介して地図情報を適宜な表示手段に表示させ、使用者が画面を参照しながら地図情報を更新する構成とすることができる。この場合、使用者は、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、タッチパネル等の適宜な入力手段から地図情報を変更する情報を入力して画面表示された地図情報を変更することができる。例えば、土地の分筆に伴い、マウス操作により新たな境界線を追加することで筆の形状を分割し、それぞれの筆の領域に対してキーボードを使って新たな地番を入力する。同様に家屋の場合は、新築に伴い新たな家屋形状を追加入力し、家屋番号を入力する等の処理を行う。地図情報管理部20は、使用者により更新された固定資産税地図情報により記憶部26に記憶させていた既存の固定資産税地図情報の更新処理を実行する。
【0022】
また、地図情報管理部20が通信部24を介して外部の事業者のサーバ等から更新済みの固定資産税地図情報を取得し、記憶部26に記憶させていた既存の固定資産税地図情報と置き換えることにより更新する構成としてもよい。
【0023】
以上のようにして、固定資産税地図情報が更新された場合、後述する課税情報管理部10及び進捗管理部18に対して、該当する課税物件についての固定資産税地図情報の更新が終了したことを示す「地図更新情報」を出力する。
【0024】
課税情報管理部10は、土地の筆及び/または家屋からなる固定資産税の課税物件毎に、固定資産税を課税するために必要な項目からなる課税情報を、上記地図情報管理部20が管理する固定資産税地図情報で特定される課税物件の属性情報として管理する。この場合における「管理する」も、地図情報管理部20の場合と同様に、課税情報を記憶部26に記憶させて保持し、必要に応じて更新(情報更新、情報入力等)し、記憶部26から読み出して適宜な出力先に出力すること等の処理が含まれる。なお、課税情報は、例えば地方自治体の基幹サーバ等から提供された、土地の筆及び/または家屋の固定資産税の課税に使用した課税台帳あるいは課税マスタ等の情報の一部の項目であって、課税物件毎に固定資産税を課税するために必要な項目からなる情報である。以後、課税情報管理部10が管理する課税物件毎の課税情報をレコードということがある。課税情報の具体例は後述する。
【0025】
また、上述のとおり課税情報は固定資産税地図情報で特定される課税物件の属性情報として関連付けて管理されている。この意味は、例えば、固定資産税地図情報上で土地または家屋の形状が追加されると、課税情報の課税物件が追加され、土地または家屋の形状が削除されると、課税情報の課税物件が削除されることである。この結果、固定資産税地図情報の土地または家屋の形状と課税情報とを一対一で管理することができる。さらに、例えば固定資産税地図情報を表す地図上で任意の課税物件(筆や家屋)を指定すると、これに関連付いた課税情報を課税情報管理部10が固定資産税地図情報とともに記憶部26から読み出して表示制御部22に渡し、表示制御部22がこの課税情報を固定資産税地図情報とともに適宜な表示装置に表示する構成とすることができる。
【0026】
課税情報の更新は、課税情報管理部10が表示制御部22を介して課税情報を適宜な表示手段に表示させ、使用者が画面を参照しながら課税情報を更新する構成とすることができる。その際に、固定資産税地図情報を合わせて表示する構成とするのが好適である。この場合、固定資産税地図情報上に表示された土地または家屋の図形(図形領域)を指定する(例えば、画面上で当該図形領域をマウス等のポインティングデバイスで指定する)ことで課税物件を特定し、画面内に属性情報欄として表示された課税情報の一覧等に対して、使用者は、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、タッチパネル等の適宜な入力手段から変更内容を入力することで課税情報の更新を行うことができる。
【0027】
なお、後述する通信部24を介して地方自治体の基幹サーバ等から取得した土地や家屋の不動産登記の異動等に伴う上記課税台帳等の更新内容を示した異動情報は、後述する異動テーブル作成部14が作成した異動テーブルに設定された異動項目の情報(数値等)として、使用者の更新作業(入力)を必要とせず、課税情報管理部10が課税情報に反映させる構成とすることができる。
【0028】
課税情報管理部10は、地図情報管理部20が固定資産税地図情報上で土地または家屋の形状を追加する更新処理(例えば、土地の分筆、家屋の新築等)を実行した際に、地図情報管理部20から地図更新情報を受け取り、これをトリガーとして追加された土地または家屋に対応する課税情報のレコードを固定資産税地図情報の属性情報として追加する構成とするのが好適である。この場合、追加された課税情報のレコードの各項目は、追加された地番や家屋番号により異動テーブル上の課税物件を特定し、課税情報管理部10による上記異動テーブルに設定された異動項目の情報(数値等)を記憶部26から読み出し、課税情報に反映させる構成とすることができる。なお、異動テーブルに無い課税情報の各項目は、使用者の入力処理まで空欄とされている。
【0029】
また、地図情報管理部20が固定資産税地図情報上で土地または家屋の形状を削除する更新処理(例えば、土地の合筆、家屋の滅失等)を実行すると、削除された土地または家屋に対応する固定資産税地図情報の属性情報である課税情報も同時に削除される構成とするのが好適である。
【0030】
後述する画地情報等については、地図情報管理部20が画面上に表示させた固定資産税地図情報上において、マウス等による画地を構成する筆の選択、マウス等による正面路線の選択、画地の間口や奥行の長さの計測を行い、それらの結果を課税情報管理部10に転送することで課税情報の更新を行う構成とすることができる。
【0031】
以上のようにして、課税情報が更新される際に、後述する管理テーブルに設定された更新処理の工程の各段階に対応する課税情報の項目に対して、使用者が入力した変更内容に基づき課税情報管理部10が情報更新、情報入力等の更新処理を実行すると、課税情報管理部10から進捗管理部18に対して各段階が終了したことを示す「終了情報」が出力される。
【0032】
異動情報受付部12は、地方自治体の基幹サーバ等から送信された、土地や家屋の不動産登記の異動等に伴う上記課税台帳等の更新内容を示した異動情報を、通信部24を介して受け付ける。受け付けた異動情報は、記憶部26に記憶させる。異動情報は、不動産登記等の異動内容に合わせて、課税物件毎の固定資産税地図情報および/または課税情報の内容を更新するための情報により構成されている。異動情報の具体例は後述する。
【0033】
異動テーブル作成部14は、上記課税情報と異動情報とを記憶部26から読みだし、これらを比較して、上記課税物件毎の課税情報を更新するための異動項目、および、課税情報の更新の原因を示す異動事由を含む異動テーブルを作成する。作成した異動テーブルは、記憶部26に記憶させる。ここで、異動テーブルとは、更新が必要なレコード(課税物件の異動情報)を集めたテーブルである。また、異動項目とは、各レコードにおいて、上記固定資産税を課税するために必要な項目のうち、上記不動産登記等により異動が発生した項目であって、地目や地積、構造や床面積、所有者等の課税情報への異動の反映(更新)が必要な項目である。また、異動事由とは、分筆や合筆、新築や滅失、所有権移転等の不動産登記等の異動内容を示したものである。なお、異動事由によって、固定資産税地図情報の更新の要否も決定される。異動テーブルの具体例及び作成手順は後述する。
【0034】
管理テーブル作成部16は、上記課税情報及び異動テーブル作成部14が作成した異動テーブルを記憶部26から読みだし、この課税情報及び異動テーブルに基づいて、上記固定資産税地図情報および課税情報の更新処理の進捗をレコード毎に管理するための管理テーブルを作成する。この管理テーブルには、課税物件毎に、上記異動事由及び固定資産税地図情報、課税情報の更新処理の工程が設定されている。異動事由は、その項目毎に「該(当)」「非(該当)」のいずれか、更新処理の工程は、工程毎に「未(処理)」「(処理)済」のいずれかの二値をとる。さらに、全ての更新処理の完了状態を示す「未(完了)」「(完了)済」のフラグを備える。作成した管理テーブルは、記憶部26に記憶させる。管理テーブルの具体例及び作成手順は後述する。
【0035】
進捗管理部18は、上記管理テーブル作成部16が作成した管理テーブルを記憶部26から読みだし、この管理テーブルに示される地図情報や課税情報の更新処理の工程の進捗状況を管理する。この管理処理は、上記課税物件毎の更新処理の進捗を管理テーブルに反映させる処理であり、具体的には、地図情報管理部20から地図情報の更新が終了したことを示す「地図更新情報」を受け取って、管理テーブル上の「地図更新」工程のフラグを「未」から「済」に変更する。あるいは、上記課税情報の更新処理の各工程が終了したときに、工程毎に設定されたフラグを「未」から「済」に変更する。この場合も、上記更新処理の各工程に対応する課税情報の項目に対して、情報更新、情報入力等の更新処理が実行されたときに課税情報管理部10から各工程が終了したことを示す「終了情報」を受け取り、上記管理処理を実行することができる。なお、更新処理の工程のうち、「現地調査」、「決裁」等の場合には、課税情報管理部10から「終了情報」が出力されないので、その場合には、使用者がキーボード、マウス等のポインティングデバイス、タッチパネル等の適宜な入力手段から「終了情報」を入力したか否かに基づいて上記管理処理を実行することができる。進捗管理部18は、全ての更新処理項目のフラグが「済」になったことを判定すると、完了状態を示すフラグを「未(完了)」から「(完了)済」に変更して更新処理が完了する。
【0036】
表示制御部22は、液晶表示素子その他の適宜な表示装置を制御して、上記固定資産税地図情報の表示画面内に、上記課税情報および管理テーブル等の情報を記憶部26から読み出して表示する。
【0037】
通信部24は、適宜なインターフェースにより構成され、無線または有線の通信回線を介して地方自治体の基幹サーバ等と通信し、上記課税情報、異動情報等のデータをやり取りする。また、課税情報管理部10が更新した課税情報を地方自治体の基幹サーバ等に送信し、実施形態にかかる固定資産税情報管理装置が管理する課税情報と、地方自治体等が固定資産税の課税の際に使用する課税台帳等の情報とを整合させる構成とするのが好適である。
【0038】
記憶部26は、ハードディスク装置、ソリッドステートドライブ(SSD)等の不揮発性メモリで構成され、上記各種情報等、及びCPU28の動作プログラム等の、固定資産税情報管理装置が行う各処理に必要な情報を記憶する。なお、記憶部26としては、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、コンパクトディスク(CD)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、電気的消去および書き換え可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ等を使用してもよい。また、記憶部26には、主としてCPU28の作業領域として機能するランダムアクセスメモリ(RAM)、及びBIOS等の制御プログラムその他のCPU28が使用するデータが格納される読み出し専用メモリ(ROM)を含めるのが好適である。
【0039】
図2には、土地の場合の課税情報の例が示される。以降、土地の事例をもとに説明する。
図2の例では、物件番号または地番により特定される課税物件毎に地目、地積、所有者、課非区分(課税非課税の区分)、画地情報(画地番号、正面路線番号、間口、奥行)、住宅用地特例等の項目が設定されたレコードが表示されているが、これらには限定されない。なお、画地情報の画地とは、一筆または複数の筆を一体として利用している宅地の場合の単位であって、この画地の形状や画地に面した路線の路線価等の情報に基づいて税額算出のための評価を行う。「画地番号」が同一のものが、同一画地として認定されているものであり、正面路線番号、間口、奥行等の画地情報が同一のものとなるが、各筆の評価額の単価が同一になるだけで、課税をする際には、各筆の面積にあわせて筆毎(課税物件毎)に税額の算出等を行う。また、「住宅用地特例」とは、課税物件毎に住宅用地特例措置の適用対象となる面積のことである。すなわち、住民が住居として使用している建物が存在する宅地が住宅用地として認定され、当該面積部分について固定資産税が減免される。この住宅用地の認定処理は、地方自治体職員が現地調査を行うことで住宅用地の認定を行い、「住宅用地特例」の項目に該当する住宅用地の面積を入力する。なお、例えば現地調査の結果、住宅用地として認定しない場合は、「住宅用地特例」の項目に0m
2を入力する。
【0040】
また、
図3(a)、(b)には、土地の場合の異動情報受付部12が受け付けた異動情報の例が示される。前述のとおり、異動情報は、地方自治体の基幹サーバ等から送信された、主に土地や家屋の不動産登記の異動等に伴い発生した課税台帳等の更新内容を示す情報である。
図3(a)は、課税情報の内、更新が必要な課税物件(更新分)のみで構成された例であり、課税物件毎に、更新の原因を示す異動事由、地目、地積、所有者、課非区分等の項目が設定されたレコードが表示されているが、これらには限定されない。また、
図3(b)は、異動が発生していない分も含めた全ての課税物件について、最新の課税情報をそのまま異動情報として提供された例であり、異動情報には、異動事由が示されていないが、異動事由を含ませてもよい。
【0041】
また、
図4には、土地の場合の異動テーブルの例が示される。
図4の例では、課税情報を更新する必要がある(更新する必要がある項目を含む)課税物件のみがレコードとして含まれる。また、課税情報を更新するための異動項目として、地目、地積、所有者、課非区分等が設定されている。
【0042】
異動テーブル作成部14は、異動情報を記憶部26から読みだし、
図3(a)の例のように異動情報の項目として異動事由が設定されている場合は、異動事由が設定されているレコードを抽出し、異動事由に従って異動した異動項目の異動後の情報(数値等)を設定することで異動テーブルを作成する。なお、異動事由の無い項目、すなわち情報(数値等)の異動が無い項目については、空欄としておく。
図3(a)の例では、全てのレコードに異動事由が設定されているので、
図4に示されるように、
図3(a)に示されている9個のレコードからなる異動テーブルが作成される。
【0043】
また、
図3(b)の例のように異動情報に項目として異動事由が入っていない場合は、異動テーブル作成部14は、
図2に示された課税情報を記憶部26から読みだし、
図2に示された課税情報と
図3(b)に示された異動情報の各項目を比較し、両者に相違がある項目(異動項目)が一つ以上含まれている異動情報のレコードを抽出し、異動項目の異動後の情報(数値等)を設定することで
図4に示されるような異動テーブルを作成する。この場合、異動テーブルの異動事由の項目は、異動した内容に従い異動事由を特定し設定する。例えば、両者で地目が相違していれば「地目変更」、所有者が相違していれば「所有権移転」、課税/非課税区分が相違していれば「課非区分変更」となる。
【0044】
さらに、地積に相違がある場合は分筆または合筆が発生したと判断し、以下の手順により異動事由を特定する。なお、分筆または合筆のイメージは
図8に示す通りである。
(1)異動情報に存在する課税物件が課税情報に存在しない場合は、異動事由を「分筆(追加)」として異動テーブルにレコードを追加する。
(2)課税情報より地積が減少している課税物件が異動情報に存在する場合は、当該課税物件の異動事由を「分筆(分割)」として異動テーブルに設定する。
(3)課税情報より地積が増加している課税物件が異動情報に存在する場合は、当該課税物件の異動事由を「合筆(併合)」として異動テーブルに設定する。
(4)課税情報に存在する課税物件が異動情報に存在しない場合、または、地積が0の課税物件が異動情報に存在する場合等は、上記(3)の合筆の結果抹消された課税物件と考えられるので、当該課税物件の異動事由を「合筆(抹消)」として異動テーブルにレコードを追加する。
【0045】
また、上記以外の修正事項については、当該課税物件の異動事由を「その他」として異動テーブルに設定する。さらに、複数の項目が相違してれば、異動事由も複数の事由を設定する。ただし、以上に示された異動事由の種別、設定方法は例示であり、上記記載内容に限定されない。
【0046】
図5には、土地の場合の管理テーブル作成部16が作成した管理テーブルの例が示される。管理テーブル作成部16は、上記異動テーブル作成部14が作成した異動テーブルを記憶部26から読みだし、異動テーブルのレコードに基づいて管理テーブルを作成する。
図5の例では、異動テーブルの課税物件毎に設定された異動事由を管理テーブルの異動事由として設定し、課税情報の更新処理の工程として、課税物件毎に地図更新、現地調査、画地評価、住宅用地認定、決裁1、決裁2、完了等の項目が設定されている。
【0047】
ここで、異動事由は、一つの課税物件で同時に複数の異動事由が発生する場合があるため、
図5の例では、該当する異動事由が、一つまたは複数の○で示されている。また、課税情報の更新処理の工程で、地図更新とは、固定資産税地図情報の筆の境界や地番の修正であり、現地調査とは自治体職員による現地の状況調査であり、画地評価とは前述のとおり画地構成の見直しや画地情報の計測であり、住宅用地認定とは住宅用地特例の適用面積の入力である。また、上記決裁1、2は、責任者の決裁で2人の決裁者がそれぞれ行う意味である。また、完了は、全ての段階が終了していることを意味する。なお、
図5に示された項目は、例示であって、これらに限定されるものではない。
【0048】
上記更新処理の工程の要否は、上記異動事由毎に予め決定されており、記憶部26に記憶されている。管理テーブル作成部16は、異動事由毎に記憶部26から課税情報の更新処理が必要な工程を読み出して、管理テーブルに設定する。
【0049】
例えば、異動事由が「分筆」「合筆」の場合は、全ての更新処理の工程が必要であり、管理テーブル作成部16が全ての工程の更新フラグに「未」を設定する。
図5の例では、地番400/100-11、同19、101-4、同5等が「分筆」「合筆」の例である。更新フラグが「未」の項目は、その項目の更新処理の作業が必要であり、未だ完了していないことを表す。
【0050】
また、異動事由が「地目変更」「所有権移転」に関しては、筆の形状や地番の変更が無いため「地図更新」の工程が不要となり、「地図更新」の更新フラグは予め「済」を設定するが、その他の項目の更新処理は必要なため、その他の項目の更新フラグは「未」を設定する。
図5の例では、地番400/100-14等が「地目変更」の例であり、地番400/100-13等が「所有権移転」の例である。また、「課非区分変更」は、同様に「地図更新」の工程は不要のため、「地図更新」の更新フラグに「済」を設定する。ただし、非課税から課税への変更の場合は、課税情報の全ての項目が必要となるため、「地図更新」以外の工程の更新処理は全て必要となり、更新フラグに「未」を設定する。その反対に、課税から非課税への変更の場合は、課税情報の全ての項目が不要となるため、全ての工程の更新フラグに「済」を設定する。
図5の例では、地番400/100-15が「課非区分変更」のうち課税から非課税への変更の例である。
【0051】
図5に示された管理テーブルには、異動テーブルの異動事由には無い「画地構成変更」という異動事由が追加されている。複数筆で同一画地を構成している筆の全部または一部が更新対象となった場合は、当該画地の画地構成や画地情報の見直しが必要なため、異動が無かった筆も含めて更新処理が必要となる。このための異動事由が「画地構成変更」である。画地構成変更のイメージは
図9に示す通りである。この場合、異動が無かった筆(課税物件)には異動情報が無く、このため異動テーブルも作成されていないため、管理テーブルに当該課税物件のレコードを追加し、「地図更新」以外の全ての工程の更新フラグに「未」を設定する。
図2に示すとおり、地番400/100-18が同17と同一の画地番号をとっているが、
図4によると、同17が分筆しているので、同18との画地構成の見直しが必要となってくる。そのため、
図5の例によると、管理テーブルに同18のレコードを追加し、「地図更新」以外の全ての工程の更新フラグに「未」を設定している。また、従来は同一画地としての評価が無かった課税物件(筆)で、他の課税物件の更新処理に伴い画地構成が変更となり、今回新たに同一画地として追加されたものについても、管理テーブルへのレコードの追加が必要となる。この場合、当該課税物件についての管理テーブルのレコードの追加は、課税情報管理部10が課税情報の画地番号について更新処理を行う際に管理テーブル作成部16により実行され、「地図更新」以外の全ての工程の更新フラグに「未」が設定される。
【0052】
なお、ここで管理テーブル作成部16において更新フラグに「未」が設定されたもの、即ち、更新処理が必要と判断されたものであっても、現状の情報を更新する必要が無い場合もある。その際は、使用者が画面等で当該課税物件について変更が不要であることを確認した後、更新フラグを「済」に変更できる構成とする。
【0053】
なお、上述したように、土地の分筆または家屋の新築に伴い課税物件が増える場合は、課税情報管理部10は課税情報のレコードを追加する必要がある。この場合、当該課税物件については全ての更新処理の工程が必要であるため、管理テーブル作成部16も管理テーブルに対応するレコードを追加し、全ての工程の更新フラグに「未」を設定する。また、土地の合筆および家屋の滅失に伴い課税物件が減る場合は、課税情報管理部10は課税情報のレコードを削除する必要がある。この場合、当該課税物件については、地図更新の工程は必要となるため、管理テーブル作成部16は管理テーブルに対応するレコードの削除は行わず、地図更新の工程の更新フラグのみ「未」を設定し、その他は「済」を設定する。地図更新の工程で、固定資産税地図情報から該当する筆または家屋が消失した段階で、全ての更新処理が「済」となる構成とする。
【0054】
管理テーブル作成部16が管理テーブルを作成した段階で、課税情報管理部10は、地方自治体の基幹サーバ等から送信された、土地や家屋の不動産登記の異動等に伴う課税台帳等の更新内容を示した異動情報を、即ち、異動テーブルに設定された異動項目の情報(数値等)を課税情報に反映させる。この時点では、上記異動情報として受信しなかった項目(異動テーブルに設定されていない項目)については、課税情報の更新は行わない。
【0055】
図6には、実施形態にかかる固定資産税情報管理装置の動作例のフローが示される。
図6において、異動情報受付部12は、地方自治体の基幹サーバ等から送信された、地図情報管理部20が管理する固定資産税地図情報および課税情報管理部10が管理する課税情報を更新するための異動情報を、通信部24を介して受け付けて記憶部26に記憶させる(S1)。
【0056】
異動テーブル作成部14は、上記課税情報と異動情報とを記憶部26から読みだし、これらを比較して、課税物件毎に固定資産税地図情報および課税情報を更新するための異動事由及び異動項目を含む異動テーブルを作成する(S2)。
【0057】
次に、管理テーブル作成部16は、上記課税情報及び異動テーブル作成部14が作成した異動テーブルを記憶部26から読みだし、この課税情報及び異動テーブルに基づいて、上記固定資産税地図情報および課税情報の更新処理の進捗を、レコード(課税物件毎の固定資産税地図情報および課税情報)毎に管理するための管理テーブルを作成する(S3)。
【0058】
管理テーブルの作成が完了したら、課税情報管理部10では、上記異動テーブルに設定された異動項目の内容を課税情報に反映させる。(S4)
【0059】
なお、前述のとおり、土地の分筆または家屋の新築に伴い課税情報のレコードが追加される場合は、固定資産税地図情報の土地または家屋の形状の追加処理が実行され、課税情報のレコードが追加された際に、異動項目の内容も併せて反映させる。また、土地の合筆または家屋の滅失に伴い課税情報のレコードが削除される場合は、課税情報の地番または家屋番号以外の全ての項目を0または空欄とし、固定資産税地図情報の土地または家屋の形状の削除処理が実行された際に、課税情報のレコードを削除することで全ての更新処理が完了する。
【0060】
進捗管理部18は、上記管理テーブル作成部16が作成した管理テーブルを記憶部26から読みだし、この管理テーブルに示される課税情報の更新処理の進捗状況の管理処理を開始する(S5)。
【0061】
使用者は、管理テーブルに示される更新処理の進捗状況に合わせて、地図情報管理部20および課税情報管理部10を使って固定資産税地図情報および課税情報(異動テーブルに設定された異動項目以外)の更新処理を行う(S6)。
【0062】
上記管理処理において、進捗管理部18は、まず管理テーブルに含まれる更新処理の工程の進捗を監視する(S7)。具体的には、課税物件毎に
図5に示された工程の段階(項目)のうち、更新フラグに「未」が設定されているものについて、課税情報管理部10が出力した終了情報または地図情報管理部20が出力した地図更新情報を受け取ったとき、あるいは使用者が終了情報を入力したときに、当該更新フラグを「済」に変更してゆく。
【0063】
例えば、管理テーブルの「地図更新」の項目が「未」となっている場合には、前述したように、使用者が画面を参照しながら固定資産税地図情報を更新し、あるいは更新済みの固定資産税地図情報を取得して置き換えることにより固定資産税地図情報の更新処理を行うと、地図情報管理部20が地図更新情報を出力し、進捗管理部18が「地図更新」の項目を「済」に変更する。
【0064】
また、管理テーブルの「現地調査」の項目が「未」となっている場合には、担当者が必要な現地調査を行った後、使用者が終了情報を入力し、進捗管理部18がこの終了情報を受け取って「現地調査」の項目を「済」に変更する。
【0065】
また、管理テーブルの「画地評価」の項目が「未」となっている場合には、使用者が上記現地調査の結果等を参照し、画地認定結果入力、画地条件計測を行い、課税情報を更新する。このときに、課税情報管理部10が終了情報を出力し、進捗管理部18が「画地評価」の項目を「済」に変更する。なお、管理テーブルの「地図更新」の項目が「済」になっていないときには、「画地評価」の更新ができない構成としてもよい。
【0066】
また、管理テーブルの「住宅用地」の項目が「未」となっている場合には、使用者が上記現地調査の結果等を参照し、住宅用地特例情報の入力を行う。このときに、課税情報管理部10が終了情報を出力し、進捗管理部18が「住宅用地」の項目を「済」に変更する。
【0067】
対象となる課税物件毎に、全ての更新処理が終了後、即ち、管理テーブルの作業項目が全て「済」になった段階で、「決裁1」、「決裁2」の項目が「未」となっている場合には、予め定められた決裁者が決裁処理を行い、決裁が得られたときに使用者が終了情報を入力する。進捗管理部18がこの終了情報を受け取って「決裁1」、「決裁2」の項目を「済」に変更する。
【0068】
「決裁」工程を含む全ての更新フラグが「済」になったときに、当該課税物件の更新処理が終了したものと判断し、「完了」の項目を「済」に変更する。
【0069】
なお、以上の処理を行う場合、進捗管理部18は、表示制御部22を介して各課税物件の更新処理の進捗状況である管理テーブルを適宜な表示手段に表示させるとともに、使用者が画面を参照しながら、マウス等の適宜な入力手段を使って、担当する課税物件、ないしは、担当する更新処理の工程毎に条件を指定し、各課税物件の更新処理の進捗状況、更新処理が必要な課税物件の抽出を行うことができ、さらに、地図情報または課税情報の更新処理、更新フラグの「未」から「済」への変更も表示させるのが好適である。
【0070】
進捗管理部18は、上記のように課税物件毎に更新処理が終了したかを監視し、全ての課税物件について更新処理が終了したときに(S8)、進捗管理処理を終了する(S9)。
【0071】
上述した
図6の各ステップを実行するためのプログラムは、記録媒体に格納することも可能であり、また、そのプログラムを通信手段によって提供しても良い。その場合、例えば、上記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明または「データ信号」の発明として捉えても良い。
【0072】
図7には、使用者が土地の場合の課税情報の更新処理に使用する画面の例が示される。
図7の画面は、地図情報管理部20、課税情報管理部10、進捗管理部18が、それぞれの担当する固定資産税地図情報、課税情報、管理テーブルの情報を記憶部26から読みだし、これらの情報に基づいて表示制御部22が表示する構成とすることができる。
【0073】
図7において、左欄上部には、更新処理の工程の選択ボタンMBが表示され、左欄下部には、課税物件毎の選択欄ABが表示されている。この場合、選択ボタンMBのいずれかを、例えばマウス等のポインティングデバイスで選択すると、当該工程に対応する処理が必要な課税物件が課税物件毎の選択欄ABに抽出表示される構成が好適である。
図7の例では、選択ボタンMBの中の例えば「開始ボタン」が選択されると、処理を開始する必要がある課税物件が選択欄ABに表示される。また、「地図更新」のボタンが選択されると選択欄ABには、固定資産税地図情報を更新する必要がある課税物件のリストが表示され、「画地評価」のボタンが選択されると、選択欄ABに画地評価を行う必要がある課税物件のリストが表示される。即ち、各更新処理工程が未だ終わっていない課税物件のリストが絞り込まれて表示される。
【0074】
また、課税物件毎の選択欄ABにおいて、ある課税物件を選択すると、この課税物件の各更新工程の進捗状況が進捗状況欄MCに、当該課税物件に関連付けられた固定資産税地図情報および課税情報が、地図表示欄DIに表示される構成が好適である。これにより、使用者は、更新処理が必要な課税物件毎に各更新工程の進捗状況と、地図情報および課税情報等を確認することができる。また、必要に応じて、進捗状況欄MCの各更新工程表示をマウス等のポインティングデバイスで選択すると、例えば「地図更新」を選択した場合であれば、当該課税物件を地図の中心に表示させた状態で固定資産税地図情報の更新機能を起動させるように、速やかに工程別の更新処理を行うことができる構成とするのが好適である。
【0075】
以上に述べた、使用者が課税情報の更新処理に使用する画面の構成は、
図7の例に限定されず、用途、目的、利便性等に応じて自由に変更することができる。
【符号の説明】
【0076】
10 課税情報管理部、12 異動情報受付部、14 異動テーブル作成部、16 管理テーブル作成部、18 進捗管理部、20 地図情報管理部、22 表示制御部、24 通信部、26 記憶部、28 CPU。