IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ホーチキ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-点検ボックス 図1
  • 特許-点検ボックス 図2
  • 特許-点検ボックス 図3
  • 特許-点検ボックス 図4
  • 特許-点検ボックス 図5
  • 特許-点検ボックス 図6
  • 特許-点検ボックス 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-19
(45)【発行日】2022-10-27
(54)【発明の名称】点検ボックス
(51)【国際特許分類】
   B66B 7/00 20060101AFI20221020BHJP
   B66B 5/00 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
B66B7/00 F
B66B5/00 D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018137590
(22)【出願日】2018-07-23
(65)【公開番号】P2020015564
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】河田 直希
(72)【発明者】
【氏名】榊 隆雄
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-046273(JP,A)
【文献】特開平08-040665(JP,A)
【文献】特開2005-212931(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 7/00- 7/12
B66B 5/00- 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非透過性の壁で隔てられた対象空間に設置されている防災装置を点検するための点検ボックスであり、前記壁に設けられている前記点検ボックスであって、
前記対象空間の内外を連通する前記壁の壁側開口部に設けられる本体部であって、前記対象空間の内外を連通する点検側開口部を備える前記本体部と、
前記点検側開口部を開閉する開閉部と、
前記開閉部が閉じている場合に、前記防災装置の外観の少なくとも一部である視認対象を、前記対象空間の外部に対して視認可能にする視認可能手段と、を備え、
前記視認可能手段は、前記視認対象を拡大して視認可能にする、
検ボックス。
【請求項2】
非透過性の壁で隔てられた対象空間に設置されている防災装置を点検するための点検ボックスであり、前記壁に設けられている前記点検ボックスであって、
前記対象空間の内外を連通する前記壁の壁側開口部に設けられる本体部であって、前記対象空間の内外を連通する点検側開口部を備える前記本体部と、
前記点検側開口部を開閉する開閉部と、
前記開閉部が閉じている場合に、前記防災装置の外観の少なくとも一部である視認対象を、前記対象空間の外部に対して視認可能にする視認可能手段と、
前記視認可能手段を清掃する清掃手段と、
を備える点検ボックス。
【請求項3】
非透過性の壁で隔てられた対象空間に設置されている防災装置を点検するための点検ボックスであり、前記壁に設けられている前記点検ボックスであって、
前記対象空間の内外を連通する前記壁の壁側開口部に設けられる本体部であって、前記対象空間の内外を連通する点検側開口部を備える前記本体部と、
前記点検側開口部を開閉する開閉部と、
前記開閉部が閉じている場合に、前記防災装置の外観の少なくとも一部である視認対象を、前記対象空間の外部に対して視認可能にする視認可能手段と、
前記防災装置を設置するための設置手段であって、前記防災装置の設置方向を変更自在とする前記設置手段と、
を備える点検ボックス。
【請求項4】
非透過性の壁で隔てられた対象空間に設置されている防災装置を点検するための点検ボックスであり、前記壁に設けられている前記点検ボックスであって、
前記対象空間の内外を連通する前記壁の壁側開口部に設けられる本体部であって、前記対象空間の内外を連通する点検側開口部を備える前記本体部と、
前記点検側開口部を開閉する開閉部と、
前記開閉部が閉じている場合に、前記防災装置の外観の少なくとも一部である視認対象を、前記対象空間の外部に対して視認可能にする視認可能手段と、
前記視認対象の鏡像を映す反射手段と、を備え、
前記視認可能手段は、前記反射手段に映っている前記視認対象の鏡像を視認可能にする、
検ボックス。
【請求項5】
非透過性の壁で隔てられた対象空間に設置されている防災装置を点検するための点検ボックスであり、前記壁に設けられている前記点検ボックスであって、
前記対象空間の内外を連通する前記壁の壁側開口部に設けられる本体部であって、前記対象空間の内外を連通する点検側開口部を備える前記本体部と、
前記点検側開口部を開閉する開閉部と、
前記開閉部が閉じている場合に、前記防災装置の外観の少なくとも一部である視認対象を、前記対象空間の外部に対して視認可能にする視認可能手段と、を備え、
前記視認可能手段は、透過性の透過領域であって前記開閉部に設けられている前記透過領域、を備え、
前記視認対象は、前記防災装置に設けられ前記防災装置の状態を出力する表示灯である、
検ボックス。
【請求項6】
非透過性の壁で隔てられた対象空間に設置されている防災装置を点検するための点検ボックスであり、前記壁に設けられている前記点検ボックスであって、
前記対象空間の内外を連通する前記壁の壁側開口部に設けられる本体部であって、前記対象空間の内外を連通する点検側開口部を備える前記本体部と、
前記点検側開口部を開閉する開閉部と、
前記開閉部が閉じている場合に、前記防災装置の外観の少なくとも一部である視認対象を、前記対象空間の外部に対して視認可能にする視認可能手段と、
前記開閉部が閉じている場合に、前記視認可能手段を隠蔽又は露出させることにより、前記視認対象を前記対象空間の外部から視認させるか否かを選択可能とする隠蔽露出手段と、を備え、
前記視認対象は、前記防災装置に設けられ前記防災装置の状態を出力する表示灯である、
検ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点検ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベーターシャフトに感知器を設置し、当該感知器を点検するための装置として、感知器点検装置が知られていた(例えば、特許文献1参照)。この感知器点検装置においては、中空部分を有する本体部と、当該本体部の中空部分を開閉する開閉扉とを備えて構成されており、エレベーターシャフトの内外を隔てる壁の開口部に、前述の本体部を設置して用いられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-6953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、感知器を点検(特に、外観を目視確認する点検等)する場合、感知器を視認等する必要があるが、この場合、感知器点検装置の開閉扉を開放して点検を行っていた。
【0005】
しかしながら、一般的に、感知器点検装置の開閉扉と、エレベーターシャフトにおけるエレベーターとは相互に連動しており、当該開閉扉を開放した場合、エレベーターが急停止するように構成されていたので、前述の点検を行うためには、予めエレベーターを停止させた上で作業を行う必要があり、手間となっていた。
【0006】
また、感知器点検装置の開閉扉は関係者以外に開閉させないため、専用工具によって開閉する構造になっているが、そのため、関係者であっても事前の専用工具の準備なしに感知器点検装置を開閉できず、また、感知器点検装置も屋根裏や壁面の高位置など通常はアクセスしない場所に設けられるため、内部に設置された感知器の確認に手間が掛かっていた。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、開閉部を閉じた状態で防災装置の状態を対象空間の外部に対して表示可能とする点検ボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の点検ボックスは、非透過性の壁で隔てられた対象空間に設置されている防災装置を点検するための点検ボックスであり、前記壁に設けられている前記点検ボックスであって、前記対象空間の内外を連通する前記壁の壁側開口部に設けられる本体部であって、前記対象空間の内外を連通する点検側開口部を備える前記本体部と、前記点検側開口部を開閉する開閉部と、前記開閉部が閉じている場合に、前記防災装置の外観の少なくとも一部である視認対象を、前記対象空間の外部に対して視認可能にする視認可能手段と、を備え、前記視認可能手段は、前記視認対象を拡大して視認可能にする。
【0009】
また、請求項2に記載の点検ボックスは、非透過性の壁で隔てられた対象空間に設置されている防災装置を点検するための点検ボックスであり、前記壁に設けられている前記点検ボックスであって、前記対象空間の内外を連通する前記壁の壁側開口部に設けられる本体部であって、前記対象空間の内外を連通する点検側開口部を備える前記本体部と、前記点検側開口部を開閉する開閉部と、前記開閉部が閉じている場合に、前記防災装置の外観の少なくとも一部である視認対象を、前記対象空間の外部に対して視認可能にする視認可能手段と、前記視認可能手段を清掃する清掃手段と、を備える。
【0010】
また、請求項3に記載の点検ボックスは、非透過性の壁で隔てられた対象空間に設置されている防災装置を点検するための点検ボックスであり、前記壁に設けられている前記点検ボックスであって、前記対象空間の内外を連通する前記壁の壁側開口部に設けられる本体部であって、前記対象空間の内外を連通する点検側開口部を備える前記本体部と、前記点検側開口部を開閉する開閉部と、前記開閉部が閉じている場合に、前記防災装置の外観の少なくとも一部である視認対象を、前記対象空間の外部に対して視認可能にする視認可能手段と、前記防災装置を設置するための設置手段であって、前記防災装置の設置方向を変更自在とする前記設置手段と、を備える。
【0011】
また、請求項4に記載の点検ボックスは、非透過性の壁で隔てられた対象空間に設置されている防災装置を点検するための点検ボックスであり、前記壁に設けられている前記点検ボックスであって、前記対象空間の内外を連通する前記壁の壁側開口部に設けられる本体部であって、前記対象空間の内外を連通する点検側開口部を備える前記本体部と、前記点検側開口部を開閉する開閉部と、前記開閉部が閉じている場合に、前記防災装置の外観の少なくとも一部である視認対象を、前記対象空間の外部に対して視認可能にする視認可能手段と、前記視認対象の鏡像を映す反射手段と、を備え、前記視認可能手段は、前記反射手段に映っている前記視認対象の鏡像を視認可能にする。
【0012】
また、請求項5に記載の点検ボックスは、非透過性の壁で隔てられた対象空間に設置されている防災装置を点検するための点検ボックスであり、前記壁に設けられている前記点検ボックスであって、前記対象空間の内外を連通する前記壁の壁側開口部に設けられる本体部であって、前記対象空間の内外を連通する点検側開口部を備える前記本体部と、前記点検側開口部を開閉する開閉部と、前記開閉部が閉じている場合に、前記防災装置の外観の少なくとも一部である視認対象を、前記対象空間の外部に対して視認可能にする視認可能手段と、を備え、前記視認可能手段は、透過性の透過領域であって前記開閉部に設けられている前記透過領域、を備え、前記視認対象は、前記防災装置に設けられ前記防災装置の状態を出力する表示灯である。
【0013】
また、請求項6に記載の点検ボックスは、非透過性の壁で隔てられた対象空間に設置されている防災装置を点検するための点検ボックスであり、前記壁に設けられている前記点検ボックスであって、前記対象空間の内外を連通する前記壁の壁側開口部に設けられる本体部であって、前記対象空間の内外を連通する点検側開口部を備える前記本体部と、前記点検側開口部を開閉する開閉部と、前記開閉部が閉じている場合に、前記防災装置の外観の少なくとも一部である視認対象を、前記対象空間の外部に対して視認可能にする視認可能手段と、前記開閉部が閉じている場合に、前記視認可能手段を隠蔽又は露出させることにより、前記視認対象を前記対象空間の外部から視認させるか否かを選択可能とする隠蔽露出手段と、を備え、前記視認対象は、前記防災装置に設けられ前記防災装置の状態を出力する表示灯である。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載の点検ボックスによれば、例えば、開閉部を開放することなく防災装置の状態を対象空間の外部に対して表示することが可能となる。特に、例えば、開閉部を開放した場合にエレベーターが停止するように構成されている場合においても、エレベーターを停止することなく防災装置の状態を視認することが可能となる。また、例えば、点検確認時に点検ボックスの開閉のための専用工具なしに確認可能となり、点検の効率化を図ることが可能となる。
また、防災装置の外観の少なくとも一部である視認対象を、対象空間の外部に対して視認可能にすることにより、例えば、開閉部を開放することなく視認対象を視認することができ、防災装置を実際に視認させることが可能となる。
また、視認対象を拡大して視認可能にすることにより、例えば、視認対象の視認性を向上させることが可能となる。
【0020】
請求項2に記載の点検ボックスによれば、例えば、開閉部を開放することなく防災装置の状態を対象空間の外部に対して表示することが可能となる。特に、例えば、開閉部を開放した場合にエレベーターが停止するように構成されている場合においても、エレベーターを停止することなく防災装置の状態を視認することが可能となる。また、例えば、点検確認時に点検ボックスの開閉のための専用工具なしに確認可能となり、点検の効率化を図ることが可能となる。
また、防災装置の外観の少なくとも一部である視認対象を、対象空間の外部に対して視認可能にすることにより、例えば、開閉部を開放することなく視認対象を視認することができ、防災装置を実際に視認させることが可能となる。
また、視認可能手段を清掃することにより、例えば、視認可能手段に付着している塵埃を取り除くことができ、視認対象の視認性を向上させることが可能となる。
【0021】
請求項3に記載の点検ボックスによれば、例えば、開閉部を開放することなく防災装置の状態を対象空間の外部に対して表示することが可能となる。特に、例えば、開閉部を開放した場合にエレベーターが停止するように構成されている場合においても、エレベーターを停止することなく防災装置の状態を視認することが可能となる。また、例えば、点検確認時に点検ボックスの開閉のための専用工具なしに確認可能となり、点検の効率化を図ることが可能となる。
また、防災装置の外観の少なくとも一部である視認対象を、対象空間の外部に対して視認可能にすることにより、例えば、開閉部を開放することなく視認対象を視認することができ、防災装置を実際に視認させることが可能となる。
また、防災装置の設置方向を変更自在とすることにより、例えば、防災装置における視認対象を視認可能手段側に向けることができ、視認対象を確実に視認させることが可能となる。
【0022】
請求項4に記載の点検ボックスによれば、例えば、開閉部を開放することなく防災装置の状態を対象空間の外部に対して表示することが可能となる。特に、例えば、開閉部を開放した場合にエレベーターが停止するように構成されている場合においても、エレベーターを停止することなく防災装置の状態を視認することが可能となる。また、例えば、点検確認時に点検ボックスの開閉のための専用工具なしに確認可能となり、点検の効率化を図ることが可能となる。
また、防災装置の外観の少なくとも一部である視認対象を、対象空間の外部に対して視認可能にすることにより、例えば、開閉部を開放することなく視認対象を視認することができ、防災装置を実際に視認させることが可能となる。
また、反射手段に映っている視認対象の鏡像を視認可能にすることにより、例えば、視認対象を確実に視認させることが可能となる。特に、例えば、視認可能手段を介して視認対象を直接的に視認することが困難である場合であっても、当該視認対象の鏡像を映すことにより、当該視認対象を視認させることが可能となる。
【0023】
請求項5に記載の点検ボックスによれば、例えば、開閉部を開放することなく防災装置の状態を対象空間の外部に対して表示することが可能となる。特に、例えば、開閉部を開放した場合にエレベーターが停止するように構成されている場合においても、エレベーターを停止することなく防災装置の状態を視認することが可能となる。また、例えば、点検確認時に点検ボックスの開閉のための専用工具なしに確認可能となり、点検の効率化を図ることが可能となる。
また、防災装置の外観の少なくとも一部である視認対象を、対象空間の外部に対して視認可能にすることにより、例えば、開閉部を開放することなく視認対象を視認することができ、防災装置を実際に視認させることが可能となる。
また、視認可能手段が透過性の透過領域であって開閉部に設けられている透過領域であることにより、例えば、視認可能手段を介して視認対象を直接的に視認することが可能となる。
【0024】
請求項6に記載の点検ボックスによれば、例えば、開閉部を開放することなく防災装置の状態を対象空間の外部に対して表示することが可能となる。特に、例えば、開閉部を開放した場合にエレベーターが停止するように構成されている場合においても、エレベーターを停止することなく防災装置の状態を視認することが可能となる。また、例えば、点検確認時に点検ボックスの開閉のための専用工具なしに確認可能となり、点検の効率化を図ることが可能となる。
また、防災装置の外観の少なくとも一部である視認対象を、対象空間の外部に対して視認可能にすることにより、例えば、開閉部を開放することなく視認対象を視認することができ、防災装置を実際に視認させることが可能となる。
また、視認可能手段を隠蔽又は露出させることにより、例えば、視認対象を視認させるか否かを選択することができるので、セキュリティを向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本実施の形態に係る点検ボックスの正面図である。
図2】点検ボックスの平面図である。
図3】点検ボックスの側面図である。
図4図1のA-A矢印が指し示す方向から見た点検ボックスの断面図である。
図5図4の一部の拡大断面図である。
図6】扉部を開いた状態の点検ボックスの平面図である。
図7】変形例の点検ボックスの正面図である。
【0031】
以下に、本発明に係る点検ボックスの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0032】
〔実施の形態の基本的概念〕
まずは、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、点検ボックスに関するものである。
【0033】
ここで、「点検ボックス」とは、非透過性の壁で隔てられた対象空間に設置されている防災装置を点検するため装置であって、壁に設けられている装置であり、具体的には、防災装置の点検を行うために用いられる装置であり、例えば、本体部、開閉部、及び状態表示手段を備え、任意で、表示手段、照明手段、清掃手段、設置手段、反射手段、及び隠蔽露出手段を備えるものである。
【0034】
また、「対象空間」とは、防災装置が設置されている空間であり、具体的には、非透過性の壁で遮られて、当該対象空間の外部から視認不可能となっている空間であり、例えば、人又は物を載せて昇降するエレベーターシャフトの内部空間、及び機械式立体駐車場の車両を駐車する内部空間等を含む概念である。
【0035】
また、「防災装置」とは、防災のために用いられる装置であり、例えば、対象空間の火災又はガス漏れ等を検出する火災感知器、煙感知器、熱感知器、及びガス感知器等を含む概念である。
【0036】
また、「本体部」とは、対象空間の内外を連通する壁の壁側開口部に設けられる部分であり、また、「開閉部」とは、点検側開口部を開閉する部分であり、具体的には、非透過性のものである。
【0037】
また、「状態表示手段」とは、開閉部が閉じている場合に、防災装置の状態を、対象空間の外部に対して表示する手段であり、例えば、視認可能手段又は室外表示灯のうちの少なくとも一方、あるいは、両方を備える手段である。なお、「防災装置の状態」とは、防災装置のありさまであり、具体的には、ユーザによって把握されるありさまであり、例えば、防災装置の外観の少なくとも一部である視認対象等を含む概念であり、また、防災装置の外観に関わらず当該防災装置の動作のありさま等を含む概念である。また、「表示する」とは、例えば、表すことであり、一例としては、防災装置の状態を視認可能にすること、あるいは、防災装置の状態に対応する対象(例えば、光、テキスト情報、又は画像情報等)を視認可能にすること等を含む概念である。
【0038】
また、「視認可能手段」とは、防災装置の外観の少なくとも一部である視認対象を、防災装置の状態として表示する手段であり、例えば、開閉部が閉じている場合に、防災装置の外観の少なくとも一部である視認対象を、対象空間の外部に対して視認可能にする手段であり、具体的には、視認対象を対象空間の外部から直接的に視認可能にする手段、及び視認対象を対象空間の外部から直接的に視認可能にする手段等を含む概念である。なお、「視認対象」とは、ユーザが視認する対象となるものであり、例えば、火災感知器、煙感知器、熱感知器、及びガス感知器各々の外観の全部又は一部等を含む概念であり、一例としては、火災感知器、煙感知器、熱感知器、及びガス感知器各々の表示灯等を含む概念である。また、「視認対象を対象空間の外部から直接的に視認可能にする」とは、例えば、視認対象の実物を視認可能にすること等を含む概念であり、また、「視認対象を対象空間の外部から間接的に視認可能にする」とは、例えば、視認対象の像を視認可能にすること等を含む概念であり、一例としては、後述する反射手段に映っている視認対象の鏡像を視認可能にすること等を含む概念である。
【0039】
また、「視認可能手段」とは、例えば、透過性の透過領域であって開閉部に設けられている透過領域であり、一例としては、開口部及び当該開口部を覆う透明又は半透明のガラス又は樹脂等を含む概念である。なお、ここでの「透明又は半透明のガラス又は樹脂等」については、任意の機能を兼ねるように構成することができ、例えば、視認対象を拡大して視認可能にする拡大レンズの如き機能を兼ねるように構成してもよい。また、「視認可能手段」とは、例えば、対象空間の内部の視認対象を撮像する撮像手段(一例としては、カメラ等)と、当該撮像手段が撮像した画像を表示する画像表示手段(一例としては、ディスプレイ)とを備える画像システム等を含む概念である。また、「視認可能手段」とは、例えば、後述する反射手段に映っている視認対象の鏡像を視認可能にするもの等を含む概念である。
【0040】
また、「表示手段」とは、視認対象の位置を表示する手段であり、また、「照明手段」とは、視認対象側を照らす手段であり、また、「清掃手段」とは、視認可能手段を清掃する手段であり、また、「設置手段」とは、防災装置を設置するための手段であって、防災装置の設置方向を変更自在とする手段であり、また、「反射手段」とは、視認対象の鏡像を映す手段であり、また、「隠蔽露出手段」とは、視認可能手段を隠蔽又は露出させる手段である。
【0041】
また、「室外表示灯」とは、防災装置の状態を発光にて表示する発光表示手段であり、具体的には、点検ボックスの開閉部に設けられているものである。
【0042】
そして、以下の実施の形態においては、「状態表示手段」が視認可能手段を備えており、「対象空間」がエレベーターシャフトの内部空間であり、「視認対象」が火災感知器の表示灯であり、「点検ボックス」が本体部、開閉部、及び視認可能手段を備えている場合について説明し、表示手段、照明手段、清掃手段、設置手段、反射手段、及び隠蔽露出手段については、変形例にて説明する。
【0043】
(構成)
まず、本実施の形態に係る点検ボックスの構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る点検ボックスの正面図であり、図2は、点検ボックスの平面図であり、図3は、点検ボックスの側面図であり、図4は、図1のA-A矢印が指し示す方向から見た点検ボックスの断面図であり、図5は、図4の一部の拡大断面図であり、図6は、扉部を開いた状態の点検ボックスの平面図である。なお、図2図3、及び図6については、説明の便宜上、壁900の図示が省略されている。
【0044】
なお、以下の説明では、各図に示すX―Y―Zが互いに直交する方向であり、具体的には、Z方向が鉛直方向(つまり、重力が働く方向)であって、X方向及びY方向が鉛直方向に対して直交する水平方向であるものとして、例えば、Z方向を高さ方向と称し、+Z方向を上側(平面)と称し、-Z方向を下側(底面)と称して説明する。
【0045】
これら各図に示す点検ボックス1は、図4の壁900で隔てられた対象空間(エレベーターシャフト(ELVシャフト)内)に設置されている感知器800を点検するための装置であり、例えば、本体部11、前面部12、及び扉部13を備える。
【0046】
なお、壁900は、エレベーターシャフトの内外を隔てる壁であり、具体的には、非透過性の壁であり、例えば、貫通している開口部である壁側開口部901を備えるものである。
【0047】
(構成‐本体部)
本体部11は、壁900の壁側開口部901に設けられるものであり、例えば、外形が全体的に矩形柱形状であるものであり、また、金属製のものであり、一例としては、支持部111、及び点検側開口部112を備える。
【0048】
(構成‐本体部‐支持部)
支持部111は、感知器800を支持する支持手段であり、例えば、任意の固定手段を用いて本体部11に取りつけられているものであり、また、水平支持部111a及び垂直支持部111bを備える。なお、支持部111を本体部11に取り付ける具体的な取付手法は任意であり、例えば、取付ブラケットを用いる手法等の公知の手法を適用することができるので、具体的な取付手法に関する構成については、説明の便宜、不図示とし説明を省略する。
【0049】
水平支持部111aは、水平方向(XY平面に平行な方向)において延在しているものであり、また、一端に感知器800を取り付けるための取付手段である取付ベース802が取り付けられているものであり、また、他端が垂直支持部111bに支持されているものであり、また、垂直支持部111bを基準軸に水平方向において回動するものである。
【0050】
垂直支持部111bは、垂直方向(Z方向)において延在しているものであり、また、水平支持部111aを回動させる基準軸として機能するものである。
【0051】
点検側開口部112は、ELVシャフトの内外を連通する部分であり、例えば、本体部11の貫通している内部空間の部分である。
【0052】
(構成‐本体部‐前面部)
前面部12は、本体部11の正面側(-Y方向)から点検側開口部112の少なくとも一部を覆っているものであり、例えば、任意の手段(例えば、溶接等)にて本体部11に固定されているものであり、また、外形が全体的に矩形形状のものであり、また、金属製のものであり、一例としては、図5の前面側開口部121を備える。
【0053】
前面側開口部121は、前面部12に設けられている開口の部分であり、例えば、点検側開口部112に連通する部分である。
【0054】
(構成‐本体部‐扉部)
図4の扉部13は、前面側開口部121(つまり、点検側開口部112)を開閉する開閉部であり、例えば、図1の丁番131を軸に開閉するように当該丁番131により前面部12に取り付けられているものであり、また、外形が全体的に矩形形状であるものであり、また、金属製のものであり、一例としては、図5の扉側開口部132、ガラス部133、及び図1のロック部134を備える。
【0055】
図5の扉側開口部132は、視認可能手段であり、具体的には、透過性の透過領域であって扉部13に形成されている部分であり、また、扉部13に設けられている開口の部分である。この扉側開口部132の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、矩形形状であり、また、感知器800を設置した場合に当該感知器800の表示灯801を、当該扉側開口部132を介して視認できる位置に設けられている。なお、「表示灯」801とは、感知器800において光を出力する部分であり、例えば、感知器800の動作状態等を示す情報を出力する部分であり、また、LED等の任意の光源を備えて構成することができる部分である。
【0056】
ガラス部133は、視認可能手段であり、具体的には、透過性の透過領域であって扉部13に設けられているものである。このガラス部133の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、扉側開口部132により大径の矩形板形状ものであり、また、ELVシャフト内側(+Y方向)からELVシャフト外側(-Y方向)に向かって、扉部13における扉側開口部132の周辺に、ガラス側取付具41及びガラス側固定具42を用いて、押し付けられて取付けられているものであり、また、耐火性を有する透明なガラスである。
【0057】
ガラス側取付具41は、ガラス部133を取り付ける取付手段であり、例えば、図1では隠れており不図示であるが、ガラス部133の4辺の周辺に合計4個設けられているものであり、また、全体としては折れ曲がっている形状のものであり、また、図5の前面部12(より詳細には扉部13)の一部と当該ガラス側取付具41との間でガラス部133を挟む第1端部411、及び扉部13に固定される第2端部412を備えるものである。
【0058】
ガラス側固定具42は、ガラス部133を取り付ける取付手段であり、例えば、ガラス側取付具41の第2端部412を扉部13に対して固定するものであり、また、扉部13からELVシャフト内側(+Y方向)に向かって突出するボルト部と当該ボルト部と螺合するナット部とを備えるものである。そして、ガラス側取付具41における第2端部412の不図示の挿通孔をガラス側固定具42のボルト部に挿通した上で、当該ボルト部に対してナット部を螺合させることによりガラス側取付具41を固定することが可能となる。
【0059】
図1のロック部134は、扉部13の開閉を許可したり禁止したり許可禁止手段である。このロック部134は、従来と同様にして構成することができるので、概要のみ説明する。このロック部134は、不図示の開閉工具を用いて操作部134aを操作(例えば、回動操作等)して、当該操作部134aを軸に回動させることにより、扉部13の開閉を許可したり禁止したりするものである。
【0060】
(使用方法)
次に、このように構成された点検ボックス1の使用方法について説明する。ここでは、例えば、感知器800を取り出して当該感知器800の点検を行う場合を例示して説明する。
【0061】
まず、不図示の開閉工具を用いて図1の操作部134aを操作することにより、扉部13の開閉を許可した上で、図6に示すように、扉部13を開いた上で、支持部111を回動させて感知器800を手前側(-Y方向)に近付ける。次に、感知器800を図3の取付ベース802から取り外した上で、当該感知器800の点検を行う。
【0062】
次に、感知器800を取付ベースに取り付けた上で、図3又は図4に示すように、支持部111を回動させて感知器800を奥側(+Y方向)に遠ざけて設置する。次に、扉部13を閉じた上で、不図示の開閉工具を用いて図1の操作部134aを操作することにより、扉部13の開閉を禁止する。これにて、点検ボックス1の使用方法の説明を終了する。
【0063】
(状態確認)
次に、感知器800の状態確認について説明する。点検ボックス1の扉部13を開いた場合に当該点検ボックス1が設けられているELVシャフトのエレベーターが停止するように構成されているが、本実施の形態の点検ボックス1は、ガラス部133を介して感知器800の表示灯801を視認することができるので、扉部13を閉じた状態のままでELVシャフト内を視認することができ、エレベーターが停止することを考慮せずに感知器800の状態を確認することが可能となる。
【0064】
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、扉部13が閉じている場合に、感知器800の外観の少なくとも一部である表示灯801を、ELVシャフト外に対して視認可能にすることにより、例えば、扉部13を開放することなく表示灯801を視認することが可能となる。特に、例えば、扉部13を開放した場合にエレベーターが停止するように構成されている場合においても、エレベーターを停止することなく表示灯801を視認することが可能となる。
【0065】
また、扉側開口部132及びガラス部133(特に、ガラス部133)が透過性の透過領域であって扉部13に設けられている透過領域であることにより、例えば、ガラス部133を介して表示灯801を直接的に視認することが可能となる。
【0066】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0067】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の詳細に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
【0068】
(分散や統合について)
また、上述した構成は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。
【0069】
(表示部について)
また、上記実施の形態の点検ボックス1に表示部を設けてもよい。「表示部」とは、前述の表示手段である。この表示部の具体的な種類や構成は任意であり、例えば、図1のガラス部133に感知器800の表示灯801の位置を表示する目印(例えば、矢印型シール、ドーナツ型シール、有色透明シール等)を表示部として貼付してもよい。このように構成した場合、表示灯801の位置を表示することにより、例えば、表示灯801を探す手間を省略することができ、表示灯801を一瞥して視認することが可能となる。
【0070】
(レンズ部について)
また、上記実施の形態の点検ボックス1のガラス部133の一部又は全部を、ELVシャフト内を拡大して視認可能するように拡大レンズ(レンズ部)として構成してもよい。詳細には、例えば、感知器800の表示灯801を拡大して視認可能にするように構成してもよい。このように構成した場合、表示灯801を拡大して視認可能にすることにより、例えば、表示灯801の視認性を向上させることが可能となる。
【0071】
(照明部について)
また、上記実施の形態の点検ボックス1に照明部を設けてもよい。「照明部」とは、前述の照明手段である。この照明部の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、感知器800の表示灯801自体又は当該表示灯801の周辺を照らする光源(例えば、LED等)を照明部として用いてもよい。詳細には、手動スイッチにてオンオフできるように照明部を構成してもよいし、あるいは、ガラス部133を介してELVシャフト内をのぞき込むユーザを検出する検出センサを設けて、この検出センサがユーザを検出した場合に光源を点灯し、一方、ユーザを検出しない場合に光源を消灯するように構成してもよい。なお、実施の形態で説明したように、視認対象が表示灯801である場合も照明部を設けることが有効であるが、例えば、視認対象が自ら光を出力しない対象(例えば、感知器800の煙の入口部分等)である場合にも、照明部を設けることが有効である。このように構成した場合、表示灯801を照らすことにより、例えば、表示灯801の周囲を明るくすることができ、表示灯801の視認性を向上させることが可能となる。
【0072】
(清掃部について)
また、上記実施の形態の点検ボックス1に清掃部を設けてもよい。「清掃部」とは、前述の清掃手段である。この清掃部の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、本体部11の内部に設けられているワイパーであって、ガラス部133におけるELVシャフト内側(+Y方向)の面を拭き掃除するワイパーを清掃部として用いてもよい。このように構成した場合、ガラス部133を清掃することにより、例えば、ガラス部133に付着している塵埃を取り除くことができ、視認対象の視認性を向上させることが可能となる。
【0073】
(設置部について)
また、上記実施の形態の点検ボックス1に設置部を設けてもよい。「設置部」とは、前述の設置手段である。この設置部の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、図3の取付ベース802と支持部111との間に設けられるターンテーブルであって、取付ベース802(つまり、感知器800)を支持部111に対して回転可能にするターンテーブルを設置手段として用いてもよい。なお、このターンテーブルについては、ユーザが操作することにより任意の位置で回転を固定する固定手段(公知の技術にて実現される任意の構造)が設けられており、この固定手段にて任意の回転角度で固定できるように構成してもよい。また、このターンテーブルについては、モーター等を用いて電動で回転可能としてもよく、例えば、操作スイッチ等と連動させて、当該操作スイッチにて回転及び停止(固定)を制御するように構成してもよい。なお、この設置部の機能を取付ベース802に組み込んでもよい。このように構成した場合、感知器800の設置方向を変更自在とすることにより、例えば、感知器800における表示灯801をガラス部133側に向けることができ、表示灯801を確実に視認させることが可能となる。
【0074】
(反射部について)
また、上記実施の形態の点検ボックス1に反射部を設けてもよい。「反射部」とは、前述の反射手段である。この反射部の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、感知器800の表示灯801を映して、ガラス部133を介してELVシャフト外から、当該感知器800の鏡像を視認可能とする鏡を、点検ボックス1の内部に反射部として設けてもよい。なお、実施の形態で説明したように、視認対象である表示灯801がガラス部133を介して直接視認できる場合も反射部を設けることが有効であるが、例えば、表示灯801が直接的に視認できない場合(例えば、表示灯801がガラス部133の反対側に向けられている場合)にも、反射部を設けることが有効である。このように構成した場合、反射部に映っている表示灯801の鏡像を視認可能にすることにより、例えば、表示灯801を確実に視認させることが可能となる。特に、例えば、ガラス部133を介して視認対象を直接的に視認することが困難である場合であっても、当該表示灯801の鏡像を映すことにより、当該表示灯801を視認させることが可能となる。
【0075】
(隠蔽露出部について(その1))
また、上記実施の形態の点検ボックス1に隠蔽露出部をも向けてもよい。「隠蔽露出部」とは、前述の隠蔽露出手段である。図7は、変形例の点検ボックスの正面図である。この図7の点検ボックス5は、図1の点検ボックス1に対してガラス部用扉部6を設けたものであり、この点以外については、点検ボックス1と同様にして構成することができるものである。ガラス部用扉部6は、隠蔽露出部(つまり、隠蔽露出手段)であり、具体的には、非透過性のものであり、例えば、丁番61を軸に開閉するように当該丁番61により扉部13に取り付けられているものであり、また、金属製のものであり、また、扉側開口部132よりも大径の矩形形状のものである。そして、把手62を操作してガラス部用扉部6を開放した場合、扉側開口部132及びガラス部133が露出し、把手62を操作してガラス部用扉部6を閉鎖した場合、扉側開口部132及びガラス部133隠蔽させることになる。このように構成した場合、ガラス部133を隠蔽又は露出させることにより、例えば、表示灯801を視認させるか否かを選択することができるので、セキュリティを向上させることが可能となる。
【0076】
(隠蔽露出部について(その2))
また、上述の「(隠蔽露出部について(その1))」では、隠蔽露出部を、丁番を軸に開閉するように構成する場合について説明したが、これに限らず、例えば、上下方向又は左右方向にスライドすることにより開閉するように構成してもよい。あるいは、いわゆるクロミック材料(一例としては、電流又は電圧に反応して色が付く材料)を用いて隠蔽露出部を構成した上で、電気的に隠蔽又は露出を制御してもよい。
【0077】
(封止部について)
また、上記実施の形態の図5の扉部13における扉側開口部132の周囲と、ガラス部133との間にガスケットの如き封止部(封止手段)を設けてもよい。このように構成した場合、火災発生時に煙が漏れることを防止できる。
【0078】
(視認可能手段について)
また、上記実施の形態では、視認可能手段の透過領域である扉側開口部132が正方形である場合を図示して説明したが、これに限らず、他の任意の形状(例えば、長方形、多角形、及び円形等)の透過領域を採用してもよい。また、視認可能手段について、点検ボックスの形状に応じて、開閉部以外の任意の位置(例えば、開閉部の周辺の位置等)に設けてもよい。
【0079】
(室外表示灯について(その1))
また、上記実施の形態の図1の扉部13に前述の室外表示灯を設けてもよい。具体的な実装手法は任意であるが、例えば、任意の光源(例えば、LED等)を備える室外表示灯を扉部13におけるELVシャフトの外側の面(図4の-Y方向)に設けて、感知器800と配線することにより、感知器800が火災を検出していない状態になっている場合(以下、「通常の場合」と称する)に消灯し、一方、感知器800が火災を検出して発報した状態になっている場合(以下、「発報の場合」と称する)に点灯するように構成してもよい。なお、点灯又は消灯については任意に設定してよく、通常の場合に点灯し、発報の場合に消灯してもよいし、あるいは、これらの各場合で点灯色を異ならせてもよい。特に、点灯色を異ならす場合、通常の場合に緑色にて点灯し、発報の場合に赤色にて点灯してもよい。また、この室外表示灯を設ける位置は、ELVシャフトの外側に向かって発光できる限りにおいて任意である。また、室外表示灯については、視認可能手段である扉側開口部132及びガラス部133と共に設けてもよいし、当該視認可能手段の代わりに設けてもよい。あるいは、室外については、点検ボックス1とは別体として、点検ボックス1の近傍に設けてもよい。このように構成した場合、扉部13に設けられている室外表示灯が、感知器800の状態を発光にて表示することにより、例えば、室外表示灯を一瞥して感知器800の状態を確認することが可能となる。また、発光にて表示することにより、例えば、点検ボックス1が比較的暗い場所に設置されている場合であっても、感知器800の状態を確実に確認することが可能となる。
【0080】
(室外表示灯について(その2))
また、上述の「(室外表示灯について(その1))」で説明した感知器800と室外表示灯との相互間の電気的な接続は任意であり、例えば、図4の扉部13に設けられた不図示の室外表示灯と取付ベース802の不図示の端子とを配線により相互に有線接続した上で、当該取付ベース802を介して感知器800と室外表示灯とを相互に電気的に接続して、感知器800の状態を室外表示灯側に送信するように構成してもよい。この場合、当該配線については、水平支持部111a及び垂直支持部111bに沿って配設することにより、支持部111を回動させる場合に当該配線が邪魔になることを防止してもよい。また、感知器800側と室外表示灯側とに無線通信機能を設けた上で、無線通信によりこれらの各機器が相互に通信するように構成してもよい。
【0081】
(その他の機能について)
また、上記実施の形態の表示灯801の画像をガラス部133を介して撮像し、撮像した画像を遠隔地の管理者の端末装置に転送してもよい。
【0082】
(文言解釈について)
また、上記実施の形態では、扉側開口部132及びガラス部133が視認可能手段であるものと説明したが、これに限らず、これらの各部のうちのガラス部133のみが視認可能手段であるものと解釈してもよい。
【0083】
(付記)
付記1の点検ボックスは、非透過性の壁で隔てられた対象空間に設置されている防災装置を点検するための点検ボックスであり、前記壁に設けられている前記点検ボックスであって、前記対象空間の内外を連通する前記壁の壁側開口部に設けられる本体部であって、前記対象空間の内外を連通する点検側開口部を備える前記本体部と、前記点検側開口部を開閉する開閉部と、前記開閉部が閉じている場合に、前記防災装置の状態を、前記対象空間の外部に対して表示する状態表示手段と、を備える。
【0084】
付記2の点検ボックスは、付記1に記載の点検ボックスにおいて、前記状態表示手段は、前記防災装置の外観の少なくとも一部である視認対象を、前記対象空間の外部に対して視認可能にする視認可能手段、を備える。
【0085】
付記3の点検ボックスは、付記2に記載の点検ボックスにおいて、前記視認可能手段は、透過性の透過領域であって前記開閉部に設けられている前記透過領域、を備える。
【0086】
付記4の点検ボックスは、付記2又は3に記載の点検ボックスにおいて、前記視認対象の位置を表示する表示手段、を備える。
【0087】
付記5の点検ボックスは、付記2から4の何れか一項に記載の点検ボックスにおいて、前記視認可能手段は、前記視認対象を拡大して視認可能にする。
【0088】
付記6の点検ボックスは、付記2から5の何れか一項に記載の点検ボックスにおいて、前記視認対象を照らす照明手段、を備える。
【0089】
付記7の点検ボックスは、付記2から6の何れか一項に記載の点検ボックスにおいて、前記視認可能手段を清掃する清掃手段、を備える。
【0090】
付記8の点検ボックスは、付記2から7の何れか一項に記載の点検ボックスにおいて、前記防災装置を設置するための設置手段であって、前記防災装置の設置方向を変更自在とする前記設置手段、を備える。
【0091】
付記9の点検ボックスは、付記2から8の何れか一項に記載の点検ボックスにおいて、前記視認対象の鏡像を映す反射手段、を備え、前記視認可能手段は、前記反射手段に映っている前記視認対象の鏡像を視認可能にする。
【0092】
付記10の点検ボックスは、付記2から9の何れか一項に記載の点検ボックスにおいて、前記視認可能手段を隠蔽又は露出させる隠蔽露出手段、を備える。
【0093】
付記11の点検ボックスは、付記1から10の何れか一項に記載の点検ボックスにおいて、前記状態表示手段は、前記開閉部に設けられている室外表示灯、を備え、前記室外表示灯は、前記防災装置の状態を発光にて表示する。
【0094】
(付記の効果)
付記1に記載の点検ボックスによれば、開閉部が閉じている場合に、防災装置の状態を、対象空間の外部に対して表示にすることにより、例えば、開閉部を開放することなく防災装置の状態を対象空間の外部に対して表示することが可能となる。特に、例えば、開閉部を開放した場合にエレベーターが停止するように構成されている場合においても、エレベーターを停止することなく防災装置の状態を視認することが可能となる。また、例えば、点検確認時に点検ボックスの開閉のための専用工具なしに確認可能となり、点検の効率化を図ることが可能となる。
【0095】
付記2に記載の点検ボックスによれば、防災装置の外観の少なくとも一部である視認対象を、対象空間の外部に対して視認可能にすることにより、例えば、開閉部を開放することなく視認対象を視認することができ、防災装置を実際に視認させることが可能となる。
【0096】
付記3に記載の点検ボックスによれば、視認可能手段が透過性の透過領域であって開閉部に設けられている透過領域であることにより、例えば、視認可能手段を介して視認対象を直接的に視認することが可能となる。
【0097】
付記4に記載の点検ボックスによれば、視認対象の位置を表示することにより、例えば、視認対象を探す手間を省略することができ、視認対象を一瞥して視認することが可能となる。
【0098】
付記5に記載の点検ボックスによれば、視認対象を拡大して視認可能にすることにより、例えば、視認対象の視認性を向上させることが可能となる。
【0099】
付記6に記載の点検ボックスによれば、視認対象を照らすことにより、例えば、視認対象の周囲を明るくすることができ、視認対象の視認性を向上させることが可能となる。
【0100】
付記7に記載の点検ボックスによれば、視認可能手段を清掃することにより、例えば、視認可能手段に付着している塵埃を取り除くことができ、視認対象の視認性を向上させることが可能となる。
【0101】
付記8に記載の点検ボックスによれば、防災装置の設置方向を変更自在とすることにより、例えば、防災装置における視認対象を視認可能手段側に向けることができ、視認対象を確実に視認させることが可能となる。
【0102】
付記9に記載の点検ボックスによれば、反射手段に映っている視認対象の鏡像を視認可能にすることにより、例えば、視認対象を確実に視認させることが可能となる。特に、例えば、視認可能手段を介して視認対象を直接的に視認することが困難である場合であっても、当該視認対象の鏡像を映すことにより、当該視認対象を視認させることが可能となる。
【0103】
付記10に記載の点検ボックスによれば、視認可能手段を隠蔽又は露出させることにより、例えば、視認対象を視認させるか否かを選択することができるので、セキュリティを向上させることが可能となる。
【0104】
付記11に記載の点検ボックスによれば、開閉部に設けられている室外表示灯が、防災装置の状態を発光にて表示することにより、例えば、室外表示灯を一瞥して防災装置の状態を確認することが可能となる。また、発光にて表示することにより、例えば、点検ボックスが比較的暗い場所に設置されている場合であっても、防災装置の状態を確実に確認することが可能となる。
【符号の説明】
【0105】
1 点検ボックス
5 点検ボックス
6 ガラス部用扉部
11 本体部
12 前面部
13 扉部
41 ガラス側取付具
42 ガラス側固定具
61 丁番
62 把手
111 支持部
111a 水平支持部
111b 垂直支持部
112 点検側開口部
121 前面側開口部
131 丁番
132 扉側開口部
133 ガラス部
134 ロック部
134a 操作部
411 第1端部
412 第2端部
800 感知器
801 表示灯
802 取付ベース
900 壁
901 壁側開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7