(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-19
(45)【発行日】2022-10-27
(54)【発明の名称】加熱調理システム
(51)【国際特許分類】
F24C 3/12 20060101AFI20221020BHJP
【FI】
F24C3/12 K
(21)【出願番号】P 2018137950
(22)【出願日】2018-07-23
【審査請求日】2021-05-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴山 総一郎
(72)【発明者】
【氏名】林 周作
(72)【発明者】
【氏名】杉本 喜輝
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-038398(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0239987(US,A1)
【文献】特開2002-213750(JP,A)
【文献】特開2016-156578(JP,A)
【文献】特開2011-106729(JP,A)
【文献】特開2001-201053(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/00ー 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱対象物を加熱する加熱調理器と、前記加熱対象物の輪郭及び炎を検出する検出手段と、を備える加熱調理システムであって、
前記加熱調理器は、
ガスを利用して前記加熱対象物を加熱するバーナと、
前記バーナを点火させる点火手段と、
前記バーナを点火させるためにユーザによって操作される点火操作手段と、
前記バーナ及び点火手段の動作を制御する制御手段と、
を備えており、
前記加熱調理システムは、さらに、前記バーナの炎によって加熱される前記加熱対象物の温度である対象物温度を検出する温度検出手段を備え、
前記制御手段は、
前記点火操作手段が操作される場合に、第1の所定ガス量を前記バーナに供給することによって、前記輪郭より外側に炎がはみ出さないように前記バーナを点火させ、
前記点火操作手段が操作された際の前記対象物温度が所定温度未満である場合に、前記バーナを点火した後に、前記バーナに供給されるガス量であるガス供給量を段階的に増加させ、
前記炎が前記輪郭より外側にはみ出していることを検出したときに、前記ガス供給量の増加を停止さ
せ、
前記点火操作手段が操作された際の前記対象物温度が前記所定温度以上である場合に、前記バーナを点火した後に、前記ガス供給量を段階的に増加させない、
加熱調理システム。
【請求項2】
前記制御手段は、
炎が前記輪郭より外側にはみ出していることを検出し、前記ガス供給量の増加を停止させた後に、前記ガス供給量を段階的に減少させ、
炎が前記輪郭より外側にはみ出していないことを検出する場合に、前記ガス供給量の減少を停止させる、請求項
1に記載の加熱調理システム。
【請求項3】
加熱対象物を加熱する加熱調理器と、前記加熱対象物の輪郭及び炎を検出する検出手段と、を備える加熱調理システムであって、
前記加熱調理器は、
ガスを利用して前記加熱対象物を加熱するバーナと、
前記バーナを点火させる点火手段と、
前記バーナを点火させるためにユーザによって操作される点火操作手段と、
前記バーナ及び点火手段の動作を制御する制御手段と、
を備えており、
前記制御手段は、
前記点火操作手段が操作される場合に、第1の所定ガス量を前記バーナに供給することによって、前記輪郭より外側に炎がはみ出さないように前記バーナを点火させ、
前記バーナを点火した後に、前記バーナに供給されるガス量であるガス供給量を段階的に増加させ、
前記炎が前記輪郭より外側にはみ出していることを検出したときに、前記ガス供給量の増加を停止さ
せ、
前記炎が前記輪郭より外側にはみ出していることを検出し、前記ガス供給量の増加を停止させた後に、前記ガス供給量を、前記輪郭からの前記炎のはみ出しを解消させることができるガス量である第2の所定ガス量だけ減少させる、
加熱調理システム。
【請求項4】
加熱対象物を加熱する加熱調理器と、前記加熱対象物の輪郭及び炎を検出する検出手段と、を備える加熱調理システムであって、
前記加熱調理器は、
ガスを利用して前記加熱対象物を加熱するバーナと、
前記バーナを点火させる点火手段と、
前記バーナを点火させるためにユーザによって操作される点火操作手段と、
前記バーナ及び点火手段の動作を制御する制御手段と、
を備えており、
前記制御手段は、
前記点火操作手段が操作される場合に、第1の所定ガス量を前記バーナに供給することによって、前記輪郭より外側に炎がはみ出さないように前記バーナを点火させ、
前記バーナを点火した後に、前記バーナに供給されるガス量であるガス供給量を段階的に増加させ、
前記炎が前記輪郭より外側にはみ出していることを検出したときに、前記ガス供給量の増加を停止さ
せ、前記ガス供給量の増加を停止させたときのガス供給量を制限ガス供給量として記憶し、
前記バーナを消火するまでの間、前記制限ガス供給量よりも大きいガス量を供給させるための指示が取得されても、前記ガス供給量を前記制限ガス供給量以下に制限する制限運転を実行する、
加熱調理システム。
【請求項5】
前記加熱調理器は、
前記制限運転を解除するための制限解除操作手段を備え、
前記制御手段は、
前記制限運転を実行中において、前記制限解除操作手段が操作される場合に、前記制限運転を停止する、請求項
4に記載の加熱調理システム。
【請求項6】
前記検出手段は、前記バーナの上方に配置されている、請求項1から
5のいずれか一項に記載の加熱調理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、加熱調理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ガスを利用して加熱対象物を加熱するバーナと、バーナを点火させる点火手段と、バーナを点火させるためにユーザによって操作される点火操作手段と、バーナ及び点火手段の動作を制御する制御手段と、を備える加熱調理器が開示されている。制御手段は、超音波センサを利用して、加熱調理器上の加熱対象物のサイズを特定している。そして、制御手段は、特定した加熱対象物のサイズに基づいて、バーナへのガス供給量を調整している。これにより、炎が加熱対象物の輪郭からはみ出ることを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、超音波センサを利用して加熱対象物のサイズを特定し、加熱対象物からの炎がはみ出ることを抑制している。しかしながら、超音波センサを利用して特定される加熱対象物のサイズと実際の加熱対象物のサイズとの間には誤差が生じ得る。このため、加熱対象物のサイズが、実際の加熱対象物のサイズよりも大きく特定されると、炎が加熱対象物の輪郭から大きくはみ出てしまう虞がある。
【0005】
本明細書は、安全性に優れた加熱調理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示する加熱調理システムは、加熱対象物を加熱する加熱調理器と、前記加熱対象物の輪郭及び炎を検出する検出手段と、を備える。前記加熱調理器は、ガスを利用して前記加熱対象物を加熱するバーナと、前記バーナを点火させる点火手段と、前記バーナを点火させるためにユーザによって操作される点火操作手段と、前記バーナ及び点火手段の動作を制御する制御手段と、を備えており、前記加熱調理システムは、さらに、前記バーナの炎によって加熱される前記加熱対象物の温度である対象物温度を検出する温度検出手段を備え、前記制御手段は、前記点火操作手段が操作される場合に、第1の所定ガス量を前記バーナに供給することによって、前記輪郭より外側に炎がはみ出さないように前記バーナを点火させ、前記点火操作手段が操作された際の前記対象物温度が所定温度未満である場合に、前記バーナを点火した後に、前記バーナに供給されるガス量であるガス供給量を段階的に増加させ、前記炎が前記輪郭より外側にはみ出していることを検出したときに、前記ガス供給量の増加を停止させ、前記点火操作手段が操作された際の前記対象物温度が前記所定温度以上である場合に、前記バーナを点火した後に、前記ガス供給量を段階的に増加させない。
【0007】
上記の構成によると、制御手段は、輪郭より外側に炎がはみ出さないようにバーナを点火させる。そして、制御手段は、バーナを点火した後に、ガス供給量を段階的に増加させ、炎が加熱対象物の輪郭より外側にはみ出していることを検出したときに、ガス供給量の増加を停止させる。バーナを点火した後に、バーナへのガス供給量を段階的に増加させるため、炎が加熱対象物の輪郭の外側にはみ出ることを、早期に検出することができる。このため、加熱対象物の輪郭からはみ出る炎の量を確実に小さくすることができる。従って、加熱調理システムの安全性を向上させることができる。
また、点火操作手段が操作された際の対象物温度が所定温度以上である場合とは、加熱対象物を再加熱する場合である。この場合、バーナへのガス供給量が少なくても、加熱対象物を十分に加熱することができる。上記の構成によると、制御手段は、点火操作手段が操作された際の対象物温度が所定温度未満である場合に、バーナを点火した後に、ガス供給量を段階的に増加させない。従って、バーナへのガス供給量を多くする必要がない状況においては、バーナへのガス供給量を抑制することができる。
【0010】
制御手段は、炎が輪郭より外側にはみ出していることを検出し、ガス供給量の増加を停止させた後に、ガス供給量を段階的に減少させ、炎が輪郭より外側にはみ出していないことを検出する場合に、ガス供給量の減少を停止させてもよい。
【0011】
ガス供給量を段階的に増加させ、炎が加熱対象物の輪郭より外側にはみ出していることを検出したときに、ガス供給量の増加を停止させた場合、炎が加熱対象物の輪郭からわずかにはみ出ている。上記の構成によると、ガス供給量の減少を停止させた時点において、炎が加熱対象物の輪郭からはみ出ておらず、加熱対象物の輪郭よりもわずかに内側に位置している状態になる。従って、炎が加熱対象物の輪郭からはみ出ることを確実に防止することができるとともに、熱エネルギーの無駄を抑制することができる。
【0012】
また、本明細書で開示する別の加熱調理システムは、加熱対象物を加熱する加熱調理器と、前記加熱対象物の輪郭及び炎を検出する検出手段と、を備える加熱調理システムであって、前記加熱調理器は、ガスを利用して前記加熱対象物を加熱するバーナと、前記バーナを点火させる点火手段と、前記バーナを点火させるためにユーザによって操作される点火操作手段と、前記バーナ及び点火手段の動作を制御する制御手段と、を備えており、制御手段は、前記点火操作手段が操作される場合に、第1の所定ガス量を前記バーナに供給することによって、前記輪郭より外側に炎がはみ出さないように前記バーナを点火させ、前記バーナを点火した後に、前記バーナに供給されるガス量であるガス供給量を段階的に増加させ、前記炎が前記輪郭より外側にはみ出していることを検出したときに、前記ガス供給量の増加を停止させ、前記炎が前記輪郭より外側にはみ出していることを検出し、前記ガス供給量の増加を停止させた後に、前記ガス供給量を輪郭からの炎のはみ出しを解消させることができるガス量である第2の所定ガス量だけ減少させる。
【0013】
上記の構成によると、制御手段は、輪郭より外側に炎がはみ出さないようにバーナを点火させる。そして、制御手段は、バーナを点火した後に、ガス供給量を段階的に増加させ、炎が加熱対象物の輪郭より外側にはみ出していることを検出したときに、ガス供給量の増加を停止させる。バーナを点火した後に、バーナへのガス供給量を段階的に増加させるため、炎が加熱対象物の輪郭の外側にはみ出ることを、早期に検出することができる。このため、加熱対象物の輪郭からはみ出る炎の量を確実に小さくすることができる。従って、加熱調理システムの安全性を向上させることができる。
また、ガス供給量を段階的に増加させ、炎が加熱対象物の輪郭より外側にはみ出していることを検出したときに、ガス供給量の増加を停止させた場合、炎が加熱対象物の輪郭からわずかにはみ出ている。上記の構成によると、ガス供給量を第2の所定ガス量だけ減少させることで、炎が加熱対象物の輪郭からはみ出ておらず、加熱対象物の輪郭よりもわずかに内側に位置している状態になる。従って、炎が加熱対象物の輪郭からはみ出ることを確実に防止することができるとともに、熱エネルギーの無駄を抑制することができる。
【0014】
また、本明細書で開示する別の加熱調理システムは、加熱対象物を加熱する加熱調理器と、前記加熱対象物の輪郭及び炎を検出する検出手段と、を備える加熱調理システムであって、前記加熱調理器は、ガスを利用して前記加熱対象物を加熱するバーナと、前記バーナを点火させる点火手段と、前記バーナを点火させるためにユーザによって操作される点火操作手段と、前記バーナ及び点火手段の動作を制御する制御手段と、を備えており、前記制御手段は、前記点火操作手段が操作される場合に、第1の所定ガス量を前記バーナに供給することによって、前記輪郭より外側に炎がはみ出さないように前記バーナを点火させ、前記バーナを点火した後に、前記バーナに供給されるガス量であるガス供給量を段階的に増加させ、前記炎が前記輪郭より外側にはみ出していることを検出したときに、前記ガス供給量の増加を停止させ、前記ガス供給量の停止させたときのガス供給量を制限ガス供給量として記憶し、バーナを消火するまでの間、前記制限ガス供給量よりも大きいガス量を供給させるための指示が取得されても、前記ガス供給量を前記制限ガス供給量以下に制限する制限運転を実行する。
【0015】
上記の構成によると、制御手段は、輪郭より外側に炎がはみ出さないようにバーナを点火させる。そして、制御手段は、バーナを点火した後に、ガス供給量を段階的に増加させ、炎が加熱対象物の輪郭より外側にはみ出していることを検出したときに、ガス供給量の増加を停止させる。バーナを点火した後に、バーナへのガス供給量を段階的に増加させるため、炎が加熱対象物の輪郭の外側にはみ出ることを、早期に検出することができる。このため、加熱対象物の輪郭からはみ出る炎の量を確実に小さくすることができる。従って、加熱調理システムの安全性を向上させることができる。
また、上記の構成によると、制御手段は、バーナを消火するまでの間、バーナに供給するガス供給量を制限ガス供給量以下に制限する制限運転を実行する。このため、制限ガス供給量を超えるガスをバーナに供給させるための操作がユーザによって操作されても、バーナに供給されるガス供給量は制限ガス供給量に制限される。従って、ユーザの操作によって炎が加熱対象物の輪郭からはみ出ることを抑制することができる。
【0016】
加熱調理器は、制限運転を解除するための制限解除操作手段を備えてもよい。制御手段は、制限運転を実行中において、制限解除操作手段が操作される場合に、制限運転を停止してもよい。
【0017】
上記の構成によると、制御手段は、制限運転を実行中において、制限解除操作手段が操作される場合に、制限運転を停止する。調理法によっては、炎を加熱対象物の輪郭からはみ出させることが望まれる場合がある。従って、ユーザが、炎を加熱対象物の輪郭からはみ出させることを望む場合に、制限解除操作手段を操作することで、炎を加熱対象物の輪郭からはみ出させることができるようになり、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0018】
検出手段は、バーナの上方に配置されていてもよい。
【0019】
検出手段が、例えば、バーナの側方に配置されている場合、炎の最外部及び加熱対象物の輪郭を正確に把握し難い。上記の構成によると、検出手段は、炎の最外部を正確に把握することができる。従って、制御手段は、炎が加熱対象物の輪郭からはみ出していることを確実に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施例に係る加熱調理システムの構成を示す図である。
【
図2】実施例に係る加熱調理器を手前側から見た斜視図である。
【
図3】実施例に係る加熱調理器及びレンジフードの正面図を示す。
【
図4】実施例に係る加熱調理器が実行する加熱処理のフローチャートである。
【
図5】実施例に係る加熱調理器が実行する火力調整処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施例)
(加熱調理システム1の構成)
図1を参照して、加熱調理システム1について説明する。加熱調理システム1は、加熱調理器2と、レンジフード100と、を備える。加熱調理器2及びレンジフード100は、同じ家屋の同じ室内に設置されている。加熱調理器2及びレンジフード100は、互いに通信可能である。
【0022】
(加熱調理器2の構成)
図1~
図3を参照して、加熱調理器2について説明する。
図2に示すように、加熱調理器2は、システムキッチンに組み込んで使用されるガス燃焼式のビルトインコンロである。加熱調理器2は、前面4aがシステムキッチンの手前側に露出する本体4と、本体4の上部に配置されており、システムキッチンのカウンタトップに露出する天板6を備えている。天板6には、加熱対象物である鍋やフライパン等の調理容器を支持する3つの五徳8a、8b、8cが設けられている。また、各五徳8a、8b、8cに対応して、各五徳8a、8b、8cに支持された加熱対象物を加熱するコンロバーナ10a、10b、10cが設けられている。また、各コンロバーナ10a、10b、10cに対応して、センサ12a、12b、12cが設けられている。センサ12a、12b、12cは、加熱対象物の有無を検知する。なお、以下の説明では、「五徳8a、8b、8c」等、実質的に同じ構成の複数部品に関して共通する特徴を説明する場合、例えば、「五徳8」のように参照番号のアルファベットを省略して説明することがある。
【0023】
互いに隣り合って配置されている各コンロバーナ10a、10b、10cには、ガス供給路(図示省略)が接続されている。ガス供給路には、コンロバーナ10aへのガス供給量を調整するための流量調整弁(図示省略)が設けられている。コンロバーナ10aは、コンロバーナ10aにガスが供給されている状態でイグナイタ(図示省略)を動作させることによって点火する。コンロバーナ10aへのガス供給量を調整することにより、コンロバーナ10aの加熱量を調整することができる。また、コンロバーナ10aへのガスの供給が停止されることにより、コンロバーナ10aは消火される。コンロバーナ10b、10cは、コンロバーナ10aと同様の構造を有する。
【0024】
センサ12a~12cは、加熱対象物の存在を検出するとともに、加熱対象物の温度である対象物温度を検出する。センサ12は、コンロバーナ10の上に加熱対象物が配置されると、その加熱対象物を検出することができる。コンロバーナ10の上に加熱対象物が配置されると、センサ12が加熱対象物によって押圧される。センサ12は、加熱対象物によって押圧されると、コンロバーナ10の上に加熱対象物が配置されたことを検出する。コンロバーナ10の上に加熱対象物が配置されていない場合は、センサ12が押圧されない。センサ12内には熱電対が配置されており、対象物温度を検出することができる。
【0025】
本体4は、本体4の内部に設けられて食材を収容するグリル庫20と、本体4の前面4aに配置されてグリル庫20を開閉するグリル扉22を備えている。また、本体4は、本体4の前面4aにおいてグリル扉22の右側に設けられたコンロ操作部24と、本体4の前面4aにおいてグリル扉22の左側に設けられたグリル操作部26を備えている。なお、グリル庫20の内部には、グリル庫20内に収容した食材を加熱するグリルバーナ20a(
図1参照)が設けられている。
【0026】
コンロ操作部24は、加熱調理器2の電源スイッチ40と、3つの加熱量操作部42a、42b、42cと、パネル操作部44を備えている。各加熱量操作部42a、42b、42cは、それぞれコンロバーナ10a、10b、10cに対応する。加熱量操作部42は、コンロバーナ10の点火及び消火を行うとともに、コンロバーナ10の加熱量の調整を行うための操作部である。加熱量操作部42は、オルタネイト型のスイッチである。ユーザによって加熱量操作部42を消火位置から点火位置に移動させるための操作(以下では、「点火操作」と呼ぶ)が実行されると、コンロバーナ10が点火され、ユーザによって加熱量操作部42を点火位置から消火位置に移動させるための操作(以下では、「消火操作」と呼ぶ)が実行されると、コンロバーナ10が消火される。点火位置とは、加熱量操作部42の前面が本体4の前面4aよりも前方に突出している位置であり、消火位置とは、加熱量操作部42が本体4内に収容されている位置である。また、ユーザは、加熱量操作部42が点火位置に位置している状態において、加熱量操作部42を時計方向又は反時計方向に操作することで、コンロバーナ10へのガス供給量を調整し、コンロバーナ10の加熱量(以下では「火力」と記載する場合がある)を調整することができる。
【0027】
パネル操作部44は、コンロ表示部46と、コンロ設定操作部48a、48b、48cと、を備える。コンロ表示部46には、各コンロバーナ10a、10b、10cの動作状態などが表示される。ユーザは、コンロ設定操作部48aを操作することで、制限運転の解除等をすることができる。コンロ設定操作部48b、48cは、それぞれ、コンロバーナ10b、10cに対応する操作部である点を除いて、コンロ設定操作部48aと同様の機能を有する。
【0028】
グリル操作部26は、加熱量操作部60と、パネル操作部62と、を備える。ユーザは、加熱量操作部60を操作することによって、グリルバーナ20aの点火及び消火を行うとともに、グリルバーナ20aの加熱量の調整を行うことができる。加熱量操作部60の構造は、コンロ操作部24の加熱量操作部42aと同様である。
【0029】
パネル操作部62は、グリル表示部64と、グリル設定操作部66と、を備える。グリル表示部64には、グリルバーナ20aの動作状態などが表示される。グリル表示部64には、グリルバーナ20aの動作状態などが表示される。グリル設定操作部66の機能はグリルバーナ20aに対応する操作部である点を除いて、コンロ設定操作部48aと同様の機能を有する。
【0030】
図1に示すように、加熱調理器2は、通信I/F70と、制御部80と、を備える。通信I/F70は、外部機器との無線通信を実行するためのインターフェースである。加熱調理器2は、通信I/F70を介して、外部機器との無線通信を実行することができる。無線通信としては、例えば、Bluetooth(登録商標)による通信を用いることができる。加熱調理器2は、通信I/F70を介して、レンジフード100などとの無線通信を実行可能である。
【0031】
制御部80は、揮発性メモリ、不揮発性メモリなどによって構成されるメモリ82を備える。制御部80は、メモリ82に格納されているプログラム84に従って、加熱調理器2の各構成要素の動作を制御する。また、メモリ82には、火力制限フラグ86が格納されている。火力制限フラグ86は、コンロバーナ10の最大火力が制限火力に制限されていることを示す「ON」と、コンロバーナ10の最大火力が制限火力に制限されていないことを示す「OFF」と、のどちらかの値を示す。以下では、火力制限フラグ86が「ON」である状態において実行される運転を「制限運転」とし、火力制限フラグ86が「OFF」である状態において実行される運転を「通常運転」とする。
【0032】
(レンジフード100の構成)
図1、
図3を参照して、レンジフード100について説明する。
図3に示すように、レンジフード100は、加熱調理器2の上方に設けられている。
図1に示すように、レンジフード100は、ファン102と、カメラ104と、通信I/F106と、換気制御部110と、備える。
【0033】
ファン102は、モータ(図示省略)の駆動によって回転し、室内の空気を外部に送る。ファン102の回転速度に応じて、レンジフード100の風量が変化する。
【0034】
図3に示すように、レンジフード100の各コンロバーナ10a、10b、10cに対応する位置に、それぞれ、カメラ104a、104b、104cが配置されている。なお、
図3は、コンロバーナ10a、10bに対応するカメラ104a、104bのみを示しており、カメラ104cの図示は省略している。カメラ104は、五徳8上に配置された加熱対象物200を上方から撮影する。
【0035】
図1に示すように、通信I/F106は、外部機器との無線通信を実行するためのインターフェースである。レンジフード100は、通信I/F106を介して、外部機器との無線通信を実行することができる。無線通信としては、例えば、Bluetoothによる通信を用いることができる。レンジフード100は、通信I/F106を介して、加熱調理器2などとの無線通信を実行可能である。
【0036】
換気制御部110は、揮発性メモリ、不揮発性メモリなどによって構成されるメモリ(図示省略)を備える。換気制御部110は、メモリに格納されているプログラム(図示省略)に従って、レンジフード100の各構成要素の動作を制御する。
【0037】
(加熱処理;
図4)
続いて、
図4を参照して、加熱調理器2の制御部80によって実行される加熱処理について説明する。制御部80は、加熱調理器2の電源がONされると、加熱処理を開始する。
【0038】
S10において、制御部80は、加熱量操作部42a、42b、42cのいずれかに点火操作が実行されることを監視する。制御部80は、加熱量操作部42a、42b、42cのいずれかに点火操作が実行される場合に、S10でYESと判断し、処理はS12に進む。以下では、加熱量操作部42aに点火操作が実行される場合を例に説明する。
【0039】
S12において、制御部80は、レンジフード100に撮影開始信号を送信する。撮影開始信号は、レンジフード100のカメラ104aによって撮影される画像データの送信を要求する信号である。レンジフード100は、加熱調理器2から撮影開始信号を受信すると、カメラ104aによって撮影される画像データの加熱調理器2への送信を開始する。レンジフード100は、加熱調理器2から撮影終了信号を受信するまでの間、画像データを加熱調理器2に送信し続ける。
【0040】
S14において、制御部80は、コンロバーナ10aを点火させる。具体的には、制御部80は、第1の所定ガス量をコンロバーナ10aに供給し、イグナイタを動作させることで、コンロバーナ10aを点火させる。第1の所定ガス量は、五徳8aに一般的に載置される加熱対象物200の最小の直径に基づいて、設定される。本実施例では、第1の所定ガス量は、五徳8aに支持されている加熱対象物200の直径が12cmである場合に、点火する際の炎210が当該加熱対象物200の輪郭202をはみ出ないガス供給量が予め設定されている。従って、この時点において、炎210は、加熱対象物200の輪郭202をはみ出していない(
図6(a)参照)。
【0041】
S20において、制御部80は、センサ12aによって検出される加熱対象物200の温度である対象物温度が所定温度(例えば80℃)未満であるのか否かを判断する。制御部80は、対象物温度が所定温度未満である場合に、S20でYESと判断し、処理はS22に進む。一方、制御部80は、対象物温度が所定温度以上である場合に、S20でNOと判断し、処理はS40に進む。
【0042】
S22において、制御部80は、コンロバーナ10aに供給するガス供給量を第3の所定ガス量だけ増加させる。第3の所定ガス量は、比較的に少ないガス量である。
【0043】
S24において、制御部80は、レンジフード100から受信する画像データを利用して、炎210が加熱対象物200の輪郭202の外側にはみ出ているのか否かを判断する。制御部80は、炎210が輪郭202の外側にはみ出ている場合に、S24でYESと判断し、処理はS26に進む。一方、制御部80は、炎210が輪郭202の外側にはみ出ていない場合に、S24でNOと判断し、処理はS22に戻る。即ち、制御部80は、S24でYESと判断されるまで、コンロバーナ10aへのガス供給量を段階的に増加させる。
【0044】
S26において、制御部80は、コンロバーナ10aへのガス供給量の増加を停止する。なお、この時点において、炎210が加熱対象物200の輪郭202の外側にわずかにはみ出している(
図6(b)参照)。
【0045】
S28において、制御部80は、コンロバーナ10aへのガス供給量の増加を停止させた時点におけるガス供給量を、制限ガス供給量としてメモリ82に記憶させる。以下では、制限ガス供給量が供給されている状態におけるコンロバーナ10aの火力を、「制限火力」と記載する場合がある。
【0046】
S30において、制御部80は、コンロバーナ10aに供給するガス供給量を第4の所定ガス量だけ減少させる。第4の所定ガス量は、比較的に少ないガス量である。
【0047】
S32において、制御部80は、レンジフード100から受信する画像データを利用して、炎210が加熱対象物200の輪郭202の外側にはみ出ているのか否かを判断する。制御部80は、炎210が輪郭202の外側にはみ出ていない場合に、S32でNOと判断し、処理はS34に進む。一方、制御部80は、炎210が輪郭202の外側にはみ出ている場合に、S32でYESと判断し、処理はS30に戻る。即ち、制御部80は、S32でNOと判断されるまで、コンロバーナ10aへのガス供給量を段階的に減少させ続ける。
【0048】
S34において、制御部80は、コンロバーナ10aへのガス供給量の減少を停止する。制御部80は、S34において、さらに、撮影終了信号をレンジフード100に送信する。レンジフード100は、加熱調理器2から撮影終了信号を受信すると、加熱調理器2への画像データの送信を終了する。この時点において、炎210が加熱対象物200の輪郭202のわずかに内側に位置している(
図6(c)参照)。
【0049】
S36において、制御部80は、火力制限フラグ86を「OFF」から「ON」に変更する。
【0050】
S40において、制御部80は、火力調整処理を実行する。火力調整処理は、ユーザによる加熱量操作部42aへの操作に応じて、コンロバーナ10aの火力を調整する処理である。S40が終了すると、
図4の処理が終了する。
【0051】
(火力調整処理;
図5)
続いて、
図4のS40で実行される火力調整処理について説明する。
【0052】
S60において、制御部80は、加熱量操作部42aに火力調整操作が実行されることを監視する。制御部80は、加熱量操作部42aに火力調整操作が実行される場合に、S60でYESと判断し、S62に進む。
【0053】
S62において、制御部80は、メモリ82内の火力制限フラグ86が「ON」であるのか否かを判断する。制御部80は、火力制限フラグ86が「ON」である場合に、S62でYESと判断し、処理はS64に進む。一方、制御部80は、火力制限フラグ86が「OFF」である場合に、S62でNOと判断し、処理はS70に進む。
【0054】
S64において、制御部80は、ユーザによって設定された火力(以下では、「設定火力」と記載する)が制限火力を超えているのか否かを判断する。具体的には、制御部80は、設定火力に対応するガス供給量を特定し、特定済みのガス供給量が、メモリ82内の制限ガス供給量を超えているのか否かを判断する。制御部80は、特定済みのガス供給量が制限ガス供給量を超えている場合に、S64でYESと判断し、処理はS66に進む。一方、制御部80は、特定済みのガス供給量が制限ガス供給量以下である場合に、S64でNOと判断し、処理はS68に進む。
【0055】
S66において、制御部80は、コンロバーナ10aの火力を制限火力に調整する。具体的には、制御部80は、コンロバーナ10aに供給されるガス供給量が制限ガス供給量となるように流量調整弁の開度を調整する。S66が終了すると、処理はS60に戻る。
【0056】
一方、S68において、制御部80は、コンロバーナ10aの火力を設定火力に調整する。具体的には、制御部80は、コンロバーナ10aに供給されるガス供給量が設定火力に対応するガス供給量になるように流量調整弁の開度を調整する。S68が終了すると、処理はS60に戻る。S66、68で実行される処理が、制限運転で実行される処理である。
【0057】
また、制御部80は、S62でNOと判断される場合、S64の処理を実行することなく、S70において、コンロバーナ10aの火力を設定火力に調整する。即ち、コンロバーナ10aの火力は制限火力に制限されない。S70が終了すると、処理はS60に戻る。S70で実行される処理が、通常運転で実行される処理である。
【0058】
また、S80において、制御部80は、S60の監視と同時的に、制限運転を解除するための操作である制限解除操作がコンロ設定操作部48aに実行されることを監視する。制御部80は、制限解除操作が実行される場合に、S80でYESと判断し、処理はS82に進む。
【0059】
S82において、制御部80は、火力制限フラグ86を「ON」から「OFF」に変更する。これにより、制御部80は、制限運転を停止し、通常運転を実行する。従って、その後の処理において、制御部80は、S62でNOと判断するようになる。S82が終了すると、処理はS60に戻る。
【0060】
また、S90において、制御部80は、S60及びS80の監視と同時的に、加熱量操作部42aに消火操作が実行されることを監視する。制御部80は、加熱量操作部42aに消火操作が実行される場合に、S90でYESと判断し、S92に進む。
【0061】
S92において、制御部80は、コンロバーナ10aへのガスの供給を停止して、コンロバーナ10aを消火させる。
【0062】
S94において、制御部80は、火力制限フラグ86を「ON」から「OFF」に変更する。なお、制御部80は、S92の時点において、火力制限フラグ86が「OFF」である場合、S94を省略する。S94が終了すると、
図5の処理が終了する。なお、変形例では、制御部80は、火力制限フラグ86を「ON」から「OFF」に変更する処理を、
図4のS10からS20の間に実行してもよい。
【0063】
上述のように、制御部80は、炎210が加熱対象物200の輪郭202より外側にはみ出さないようにコンロバーナ10aを点火させる(
図4のS14)。そして、制御部80は、コンロバーナ10aの点火直後に、コンロバーナ10aへのガス供給量を段階的に増加させ(
図4のS22)、炎210が加熱対象物200の輪郭202より外側にはみ出していることを検出したとき(
図4のS24でYES)に、ガス供給量の増加を停止させる(
図4のS26)。コンロバーナ10aの点火直後に、バーナへのガス供給量を段階的に増加させるため、炎210が加熱対象物200の輪郭202の外側にはみ出ることを、早期に検出することができる。このため、加熱対象物200の輪郭202からはみ出る炎210の量を確実に小さくすることができる。従って、加熱調理システム1の安全性を向上させることができる。
【0064】
また、制御部80は、加熱量操作部42aに点火操作が実行された際の対象物温度が所定温度未満である場合(
図4のS20でYES)に、ガス供給量を段階的に増加させ(
図4のS22)、対象物温度が所定温度未満である場合(
図4のS20でNO)に、ガス供給量を段階的に増加させない。対象物温度が所定温度未満である場合とは、加熱対象物200を再加熱する場合である。この場合、コンロバーナ10aへのガス供給量が少なくても、加熱対象物200を十分に加熱することができる。従って、このため、コンロバーナ10aへのガス供給量を多くする必要がない状況においては、コンロバーナ10aへのガス供給量を抑制することができる。
【0065】
また、制御部80は、ガス供給量の増加を停止させた後に、ガス供給量を段階的に減少させ(
図4のS30)、炎210が加熱対象物200の輪郭202より外側にはみ出していないことを検出する場合(
図4のS32でNO)に、ガス供給量の減少を停止させる(
図4のS34)。ガス供給量を段階的に増加させ、炎210が加熱対象物200の輪郭202より外側にはみ出していることを検出したとき(
図4のS24でYES)に、ガス供給量の増加を停止させた場合(
図4のS26)、炎210が加熱対象物200の輪郭202からわずかにはみ出ている(
図6(b)参照)。上記の構成によると、ガス供給量の減少を停止させた時点において、炎210が加熱対象物200の輪郭202からはみ出ておらず、加熱対象物200の輪郭202よりもわずかに内側に位置している状態になる(
図6(c)参照)。従って、炎210が加熱対象物200の輪郭202からはみ出ることを確実に防止することができるとともに、熱エネルギーの無駄を抑制することができる。
【0066】
また、制御部80は、コンロバーナ10aを消火するまでの間、コンロバーナ10aに供給するガス供給量を制限ガス供給量以下に制限する制限運転を実行する(
図5のS64~S68)。このため、制限ガス供給量を超えるガスをバーナに供給させるための操作がユーザによって操作されても(
図5のS64でYES)、バーナに供給されるガス供給量は制限ガス供給量に制限される(
図5のS66)。従って、ユーザの操作によって炎210が加熱対象物200の輪郭202からはみ出ることを抑制することができる。
【0067】
また、制御手段は、制限運転を実行中において、コンロ設定操作部48aが操作される場合に(
図5のS80でYES)、制限運転を停止する(
図5のS82)。調理法によっては、炎210を加熱対象物200の輪郭202からはみ出させることが望まれる場合がある。上記の構成によると、ユーザが、炎210を加熱対象物200の輪郭202からはみ出させることを望む場合に、コンロ設定操作部48aを操作することで、炎210を加熱対象物200の輪郭202からはみ出させることができるようになり、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0068】
また、カメラ104は、加熱調理器2の上方に配置されている。例えば、カメラ104が、加熱調理器2の側方に配置されている場合、炎210の最外部及び加熱対象物200の輪郭202を正確に把握し難い。カメラ104を加熱調理器2の上方に配置することで、制御部80は、カメラ104によって撮影される画像データを利用して、炎210の最外部及び加熱対象物200の輪郭202を正確に把握することができる。従って、制御部80は、炎210が加熱対象物200の輪郭202からはみ出していることを確実に判断することができる。
【0069】
(対応関係)
カメラ104が、「検出手段」の一例である。コンロバーナ10が、「バーナ」の一例である。イグナイタが、「点火手段」の一例である。加熱量操作部42が、「点火操作手段」の一例である。制御部80が、「制御手段」の一例である。センサ12が、「温度検出手段」の一例である。コンロ設定操作部48が、「制限解除操作手段」の一例である。
【0070】
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0071】
(第1変形例)レンジフード100は、カメラ104の代わりに、赤外線センサ、紫外線センサを備えていてもよい。本変形例では、加熱調理器2の制御部80は、赤外線センサ、紫外線センサによって検出される情報を利用して、炎210が加熱対象物200の輪郭202からはみ出ているのか否かを判断する。
【0072】
(第2変形例)加熱対象物200が、加熱対象物200の対象物温度を検出する温度センサを備えていてもよい。本変形例では、センサ12は、対象物温度を検出できなくてもよい。
【0073】
(第3変形例)
図4において、S20が省略されてもよい。本変形例では、制御部80は、加熱量操作部42aに点火操作が実行された際の対象物温度に関わらず、S22以降の処理を実行する。即ち、「温度検出手段」を省略可能である。
【0074】
(第4変形例)
図4の加熱処理において、S30~S34の処理に代えて、コンロバーナ10aへのガス供給量を第2の所定ガス量だけ減少させてもよい。この場合、第2の所定ガス量は、加熱対象物200の輪郭202からの炎210のはみ出しを解消させることができるガス量が設定される。
【0075】
(第5変形例)制御部80は、制限運転を実行しなくてもよい。即ち、
図5のS62~S68を省略可能である。
【0076】
(第6変形例)コンロバーナ10が消火されるまで、制限運転を解除できなくてもよい。即ち、メモリ82に制限ガス供給量が記憶されてから、コンロバーナ10が消火されるまでの間、常に、制限運転が実行される。本変形例では、
図5のS70、S72を省略可能である。
【0077】
(第7変形例)加熱調理器2が、カメラ104を備えていてもよい。また、カメラ104は、加熱対象物200の側方、下方等に配置されていてもよい。
【0078】
以上、本明細書に開示の技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0079】
1 :加熱調理システム
2 :加熱調理器
4 :本体
4a :前面
6 :天板
8 :五徳
10 :コンロバーナ
12 :センサ
20 :グリル庫
20a :グリルバーナ
22 :グリル扉
24 :コンロ操作部
26 :グリル操作部
40 :電源スイッチ
42 :加熱量操作部
44 :パネル操作部
46 :コンロ表示部
48 :コンロ設定操作部
60 :加熱量操作部
62 :パネル操作部
64 :グリル表示部
66 :グリル設定操作部
70 :通信I/F
80 :制御部
82 :メモリ
84 :プログラム
86 :火力制限フラグ
100 :レンジフード
102 :ファン
104 :カメラ
106 :通信I/F
200 :加熱対象物
202 :輪郭
210 :炎