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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-19
(45)【発行日】2022-10-27
(54)【発明の名称】呼気ガス検出装置及び呼気ガス検出方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/02 20060101AFI20221020BHJP
   G01N 27/12 20060101ALI20221020BHJP
   G01N 33/497 20060101ALI20221020BHJP
   G01N 33/98 20060101ALN20221020BHJP
【FI】
G01N27/02 D
G01N27/12 D
G01N27/12 P
G01N33/497 A
G01N33/98
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018158785
(22)【出願日】2018-08-27
(65)【公開番号】P2020034309
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2020-11-24
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 益義
(72)【発明者】
【氏名】若菜 裕紀
【審査官】赤木 貴則
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/158846(WO,A1)
【文献】特開2005-157599(JP,A)
【文献】特開2009-031002(JP,A)
【文献】特開2010-139319(JP,A)
【文献】特開2004-245800(JP,A)
【文献】特開2002-039981(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0239856(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/00-G01N 27/24
G01N 33/48-G01N 33/98
A61B 5/06-A61B 5/22
B60K 25/00-B60K 28/16
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外気に含まれるガスの濃度を測定するガス検出素子と、
前記ガス検出素子から出力される信号について解析を行う解析部と、
前記解析部により解析される結果を出力する出力部と
を備える呼気ガス検出装置であって、
前記解析部は、
前記呼気ガス検出装置への呼気導入を同じ人に促す出力を所定の回数行い、前記呼気ガス検出装置へ非飲酒時の呼気が導入部を介して導入されることにより、前記ガス検出素子が非飲酒時の前記呼気に曝された際に得られる前記ガス検出素子の前記所定の回数分の実測信号値を基に、前記ガス検出素子の信号値が人の前記呼気であるか否かを判定するための閾値である第1の閾値を算出し、
その後、前記導入部を介して導入された前記同じ人の呼気又は外気である測定対象の気体について、前記ガス検出素子の前記信号値が前記第1の閾値を超えたか否かを基に、前記気体が、前記同じ人の前記呼気であるか否かの判定を行う
ことを特徴とする呼気ガス検出装置。
【請求項2】
外気に含まれるガスの濃度を測定するガス検出素子と、
前記ガス検出素子から出力される信号について解析を行う解析部と、
前記解析部により解析される結果を出力する出力部と
を備える呼気ガス検出装置であって、
前記解析部は、
前記呼気ガス検出装置への呼気導入を人に促す出力を行い、前記呼気ガス検出装置へ非飲酒時の呼気が導入部を介して導入されることにより、前記ガス検出素子が非飲酒時の前記呼気に曝された際に得られる前記ガス検出素子の実測信号値を基に、前記ガス検出素子の信号値が人の前記呼気であるか否かを判定するための閾値である第1の閾値を算出し、
その後、前記導入部を介して導入された呼気又は外気である測定対象の気体について、前記ガス検出素子の前記信号値が前記第1の閾値を超えたか否かを基に、前記気体が、人の前記呼気であるか否かの判定を行い、
前記ガス検出素子の前記信号値における減衰時において、当該信号値が第5の閾値以下である場合、前記信号値における所定期間の減衰率を算出し、当該減衰率が所定値以下となった場合における前記信号値を前記第1の閾値とする
ことを特徴とする呼気ガス検出装置。
【請求項3】
前記外気に曝されることによって、飽和水蒸気を有するか否かを検出する水蒸気検出素子を有し、
前記解析部は、
前記水蒸気検出素子が非飲酒時の前記呼気に曝された際に得られる前記水蒸気検出素子の実測信号値を基に、前記水蒸気検出素子の前記信号値が人の前記呼気であるか否かを判定するための閾値である第4の閾値を算出し、
その後、曝された前記気体について、前記水蒸気検出素子の前記信号値が前記第4の閾値を超えたか否かを基に、前記気体が、人の前記呼気であるか否かの判定を行う
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の呼気ガス検出装置。
【請求項4】
前記解析部は、
前記ガス検出素子が非飲酒時の前記呼気に曝された際に得られる前記ガス検出素子の実測信号値を基に、前記ガス検出素子にガスが付着しているか否かを判定するための閾値である第2の閾値を算出し、
人の前記呼気であるか否かの判定を行う前に、前記ガス検出素子の信号値が、前記第2の閾値以上となるまで、前記ガス検出素子に備えられているヒータを稼働させる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の呼気ガス検出装置。
【請求項5】
前記解析部において算出される前記第1の閾値及び前記第2の閾値は、複数回、実際に曝された前記同じ人の呼気を基に算出される
ことを特徴とする請求項に記載の呼気ガス検出装置。
【請求項6】
前記解析部は、
複数回、実際に曝された前記同じ人の呼気について、前記ガス検出素子の信号値の最大値である最大信号値の平均値及び標準偏差を算出し、当該標準偏差を基に、前記第1の閾値及び前記第2の閾値を算出する
ことを特徴とする請求項に記載の呼気ガス検出装置。
【請求項7】
前記解析部は、
前記気体が、前記同じ人の前記呼気であり、かつ、その後行われる飲酒判定の結果、非飲酒であると判定されると、前記ガス検出素子の最大信号値を格納し、格納された前記最大信号値を基に、前記第1の閾値及び前記第2の閾値を更新する
ことを特徴とする請求項に記載の呼気ガス検出装置。
【請求項8】
前記解析部は、
前記ガス検出素子の信号値の立ち上がりの傾きに関する情報を基に第3の閾値を算出し、
前記第1の閾値及び前記第3の閾値に基づいて、前記ガス検出素子に曝された前記気体が人の前記呼気であるか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の呼気ガス検出装置。
【請求項9】
外気に含まれるガスの濃度を測定するガス検出素子と、
前記ガス検出素子から出力される信号について解析を行う解析部と、
前記解析部により解析される結果を出力する出力部と
を備える呼気ガス検出装置の前記解析部が、
前記呼気ガス検出装置への呼気導入を同じ人に促す出力を所定の回数行い、前記呼気ガス検出装置へ非飲酒時の呼気が導入部を介して導入されることにより、前記ガス検出素子が非飲酒時の前記呼気に曝された際に得られる前記ガス検出素子の前記所定の回数分の実測信号値を基に、前記ガス検出素子の信号値が人の前記呼気であるか否かを判定するための閾値である第1の閾値を算出し、
その後、前記導入部を介して導入された前記同じ人の呼気又は外気である測定対象の気体について、前記ガス検出素子の前記信号値が前記第1の閾値を超えたか否かを基に、前記気体が、前記同じ人の前記呼気であるか否かの判定を行う
ことを特徴とする呼気ガス検出方法。
【請求項10】
前記呼気ガス検出装置は、前記外気に曝されることによって、飽和水蒸気を有するか否かを検出する水蒸気検出素子を有し、
前記解析部が、
前記水蒸気検出素子が非飲酒時の前記呼気に曝された際に得られる前記水蒸気検出素子の実測信号値を基に、前記水蒸気検出素子の前記信号値が人の前記呼気であるか否かを判定するための閾値である第4の閾値を算出し、
その後、前記第1の閾値を用いて前記気体が、人の前記呼気であるか否かの判定を行うとともに、曝された前記気体について、前記水蒸気検出素子の前記信号値が前記第4の閾値を超えたか否かを基に、前記気体が、人の前記呼気であるか否かの判定を行う
ことを特徴とする請求項9に記載の呼気ガス検出方法。
【請求項11】
前記解析部は、
前記ガス検出素子が非飲酒時の前記呼気に曝された際に得られる前記ガス検出素子の実測信号値を基に、前記ガス検出素子にガスが付着しているか否かを判定するための閾値である第2の閾値を算出し、
人の前記呼気であるか否かの判定を行う前に、前記ガス検出素子の信号値が、前記第2の閾値以上となるまで、前記ガス検出素子に備えられているヒータを稼働させる
ことを特徴とする請求項9に記載の呼気ガス検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼気の解析を行う呼気ガス検出装置及び呼気ガス検出方法の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
将来における車両の自動運転化において、自動と手動運転との切り替えの際、飲酒の有無、人の状態検知等が必要となる。特に、呼気中のアルコール濃度を検知する際、あたかも外気を呼気であるかのように装置に導入することによるなりすましを防止するため、人間の自然な呼気を検知する技術が要求されている。
また、市場では様々なユースケースに適したモバイルタイプの検知端末のニーズが拡大しており、今後モバイル化への対応が必要となる。
【0003】
飲酒運転防止のための技術として、例えば、特許文献1が開示されている。特許文献1には、「導入された外気が人の呼気であるか否かを精度よく判定するため、呼気ガス検出装置は、導入された外気が飽和水蒸気を有するか否かを検出する水蒸気センサ(1)と、導入された外気について、水蒸気センサ(1)から得られる信号値が所定の閾値を超え、かつ、ガスセンサ(2)から得られる信号値が所定の閾値を超えたか否かを基に、導入された外気が、人の呼気であるとの判定を行う解析装置とを備えることを特徴とする」呼気ガス検出装置及び呼気ガス検出方法が記載されている(要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2017/158846号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、人によって水蒸気センサや、ガスセンサの感度が異なることが発明者らによって見い出された。つまり、水蒸気センサや、ガスセンサによる信号値が閾値を超えたか否かの判定結果が、人によって異なることが発明者らによって見出された。特許文献1に記載の技術は、この点が考慮されておらず、更なる改良が求められる。
【0006】
また、従来では、閾値の決定は、経験に依存したり、対症療法的に行われたりしていた。しかし、水蒸気センサや、ガスセンサの出力信号(特に、最大出力電圧)は、個人差があり、一律に定めた閾値では、閾値を超えたか否かの判定結果にばらつきが生じることが発明者らによって見出された。
【0007】
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、個人差を考慮した閾値を設定することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明は、外気に含まれるガスの濃度を測定するガス検出素子と、前記ガス検出素子から出力される信号について解析を行う解析部と、前記解析部により解析される結果を出力する出力部とを備える呼気ガス検出装置であって、前記解析部は、前記呼気ガス検出装置への呼気導入を同じ人に促す出力を所定の回数行い、前記呼気ガス検出装置へ非飲酒時の呼気が導入部を介して導入されることにより、前記ガス検出素子が非飲酒時の前記呼気に曝された際に得られる前記ガス検出素子の前記所定の回数分の実測信号値を基に、前記ガス検出素子の信号値が人の前記呼気であるか否かを判定するための閾値である第1の閾値を算出し、その後、前記導入部を介して導入された前記同じ人の呼気又は外気である測定対象の気体について、前記ガス検出素子の前記信号値が前記第1の閾値を超えたか否かを基に、前記気体が、前記同じ人の前記呼気であるか否かの判定を行うことを特徴とする。
その他の解決手段は、実施形態中において説明する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、個人差を考慮した閾値を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る呼気検知装置の概略構成を示す図である。
図2A】水蒸気センサの原理を示す模式図を示す図である。
図2B】水蒸気センサの上面模式図を示す図である。
図3A】水蒸気付着前における水蒸気センサの原理を示す模式図である。
図3B】水蒸気付着前における水蒸気センサの等価回路を示す図である。
図3C】水蒸気付着後における水蒸気センサの原理を示す模式図である。
図3D】水蒸気付着後における水蒸気センサの等価回路を示す図である。
図4】本実施形態に係る水蒸気センサのヒータの設置位置の別の例を示す図(その1)である。
図5】本実施形態に係る水蒸気センサのヒータの設置位置の別の例を示す図(その2)である。
図6】本実施形態に係るガスセンサの例を示すブロック図である。
図7】本実施形態に係る呼気計測システムの構成を示す図である。
図8】本実施形態に係る呼気ガス検出装置の別の例を示す図である。
図9】本実施形態における処理の概略を説明するための図である。
図10】本実施形態に係る呼気ガス検出装置の機能ブロックの例を示す図である。
図11】本実施形態に係る計測制御装置の構成例を示す機能ブロック図である。
図12】本実施形態に係る解析装置の構成例を示す機能ブロック図である。
図13】本実施形態に係る呼気計測システムの処理手順を示すフローチャートである。
図14】本実施形態に係るガスセンサイニシャライズ処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
図15】水素センサにおける閾値の設定方法を説明するための図である。
図16】エタノールセンサにおける閾値の設定方法を説明するための図である。
図17】本実施形態に係る誤検知防止処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
図18】ピーク回数比RBについて説明する図である。
図19図17のステップS522における判定を説明する。
図20】本実施形態に係る呼気計測システムの別の構成例を示す図である。
図21】閾値TG及び閾値Twの更新に関する説明を示す図である。
図22】第2実施形態における閾値の決定手法を示す図である。
図23】これまでのセンサSeの設置を示す図である。
図24A】第3実施形態における呼気検知装置の周辺部の上面図(その1)である。
図24B】第3実施形態における呼気検知装置の周辺部の側面図である。
図25】第3実施形態における呼気検知装置の周辺部の上面図(その2)である。
図26】第4実施形態おける呼気ガス検出装置を示す図(その1)である。
図27】第4実施形態おける呼気ガス検出装置を示す図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図面において、同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0012】
<第1実施形態>
(装置構成)
図1は、本実施形態に係る呼気検知装置の概略構成を示す図である。
呼気検知装置A1は、水蒸気センサ(水蒸気検知センサ)1、ガスセンサ(ガス検出センサ)2及び温度センサ(温度検出素子)3が基板5上に設置されている構成を有している。
水蒸気センサ1は、導入された外気が飽和水蒸気であるか否かを検出する。水蒸気センサ1についての詳細は後記する。
ガスセンサ2は、導入された外気に含まれるガスの計測を行う。ガスセンサ2についての詳細は後記する。
温度センサ3は、基板5の温度(基板温度)を測定する。なお、基板5の温度は、水蒸気センサ1及びガスセンサ2の温度と、ほぼ同じといえる。
【0013】
[水蒸気センサ]
(水蒸気センサの構造)
図2A及び図2Bは、本実施形態に係る水蒸気センサの構造を示す図であり、図2Aは水蒸気センサの原理を示す模式図である。図2Bは水蒸気センサの上面模式図を示している。
図2Aに示すように、水蒸気センサ1は交流電源14に接続され、交流電源14によって印加電圧Viが印加される印加電極11と、水蒸気の検出時に電位Voを検出する検出電極12と、絶縁部13とを有している。
絶縁部13は、基板15上に設けられている親水性の絶縁物であり、具体的には、絶縁性金属酸化物等、少なくとも表面が酸化物で構成されている。なお、絶縁部13の形状はほぼ板状でなくてもよい。
図2Aに示すように、検出電極12と、印加電極11との間には絶縁部13が介在している。ここで、絶縁部13は凹凸のある構造を有していることが望ましい。
【0014】
また、図2Bに示すように、水蒸気センサ1の基板15にはヒータ16が埋め込まれている。あるいは、ヒータ16は、基板15と絶縁部13との間に設けられてもよい。そして、図2Bに示すように、ヒータ16は印加電極11と、検出電極12との間をぬうように設置されている。ちなみに、図2Aではヒータ16を図示省略してある。
【0015】
(水蒸気検出原理)
図3A図3Dは、本実施形態に係る水蒸気センサが水蒸気を検出する原理を説明するための図である。図3Aは水蒸気付着前における水蒸気センサの原理を示す模式図である。図3Bは水蒸気付着前における水蒸気センサの等価回路である。図3Cは水蒸気付着後における水蒸気センサの原理を示す模式図である。図3Dは水蒸気付着後における水蒸気センサの等価回路である。
なお、図3A及び図3Cで示される各構成は、図2Aに示されている各構成と同様であるので、同一の符号を付して説明を省略する。
【0016】
図3Aで示されるように、水蒸気付着前では、検出電極12及び印加電極11とは絶縁部13とで接続されているので、検出電極12と、印加電極11との間は通電されていない。従って、印加電極11には交流電圧が印加されているが、検出電極12から電圧は検出されない。
【0017】
そして、水蒸気が水蒸気センサ1の絶縁部13に付着すると、図3Cに示すように、水分子101が絶縁部13に付着(凝縮)する。これにより、検出電極12と、印加電極11とは、水分子101をパスとして通電するようになる。すると、検出電極12から印加電極11に加えられた電圧が検出(出力)される。検出(出力)された電圧に基づき水蒸気センサ1は水蒸気を検出する。
【0018】
次に、水蒸気の付着前及び付着後における水蒸気センサ1の等価回路111a,111bの変化を比較する。
水蒸気の付着前では、図3Bに示すような等価回路111aとなっている。ここで、コンデンサC1は絶縁部13を示すコンデンサである。なお、検出電極12及び印加電極11の間の距離は十分に大きいので、コンデンサC1の静電容量は小さな値(≪1)となる。従って、図3Bに示す等価回路111aの容量リアクタンスは大きな値となり、検出電極12及び印加電極11の間は、ほとんど通電していない状態となっている。
ちなみに、コンデンサCa及び抵抗Raで構成される回路は大気の等価回路である。
【0019】
ここで、呼気に含まれる水蒸気が付着すると、図3Bに示す等価回路111aは、図3Dに示す等価回路111bとなる。等価回路111bにおいて、抵抗Rb及びコンデンサC2で示される回路112は水分子101の等価回路である。
図3Cに示すように、水蒸気(水分子101)が絶縁部13に付着すると、図3Dに示すように水分子101に由来する抵抗Rb及びコンデンサC2が生じる。これらの抵抗Rb及びコンデンサC2によってインピーダンスが変化(低下)する。この結果、検出電極12と印加電極11との間が通電状態となり、検出電極12から電圧を検出することができる。このように、水蒸気(水分子101)が絶縁部13に付着することによる水蒸気センサ1のインピーダンス変化を利用して、呼気中の水蒸気を検出することで、応答性を高くすることができる。なお、水分子101の付着量が大きくなると、等価回路112のインピーダンスは小さくなる。
【0020】
なお、図2Bに示すように、検出電極12及び印加電極11は、櫛歯形の形状を有している。そして、検出電極12及び印加電極11は、絶縁部13上で、互いの櫛歯がかみ合って対向するように離間して設置されている。このようにすることで、水蒸気付着部(反応部位)の面積を大きくすることができる。
【0021】
例えば、一般的な湿度センサは、空気中の湿度を測定することを目的としている。
これに対し、本実施形態に係る水蒸気センサ1は、高湿度(ほぼ、飽和状態)の呼気の検出を目的としている。従って、空気中の水蒸気量を測定することを目的とせず、高湿度の空気(呼気)を検出できればよい。
【0022】
本実施形態に係る水蒸気センサ1は、図2に示すように、検出電極12と、印加電極11との間に絶縁部13が介在している構成となっている。そして、図3Cに示すように、呼気に含まれる水分子101が絶縁部13に付着することで、この水分子101をパスとして通電が行われる。これにより、検出電極12で出力電圧が検出される。従って、本実施形態に係る水蒸気センサ1は、水分子101が付着できるほどの広さの絶縁部13があればよく、小型化を実現することができる。
【0023】
また、水蒸気(水分子101)が絶縁部13に付着する前は、出力電圧はほぼ0であるのに対し、水蒸気(水分子101)の付着後では出力電圧をほぼVi(印加電圧)とすることができる。これにより、優れたS/N(Signal/Noise)比を実現することができる。
【0024】
なお、水蒸気センサ1において、前記したように絶縁部13の表面は凹凸のある構造を有していることが望ましい。このように、絶縁部13の表面が凹凸を有することにより、絶縁部13の表面積を増やすことができる。すなわち、絶縁部13の表面が凹凸を有することにより、より多くの水分子101を付着させることができ、出力電圧を増加させることができ、高感度化を図ることができる。
さらに、絶縁部13が、少なくとも表面が、親水性の高い酸化物(金属酸化物)で構成されるようにすることで、水蒸気を付着させやすくすることができる。
【0025】
図4及び図5は、本実施形態に係る水蒸気センサのヒータの設置位置の別の例を示す図である。図4及び図5では、水蒸気センサ1a,1bの断面模式図が示されている。
図2Bに示す例では、ヒータ16は基板15中に印加電極11と、検出電極12との間をぬうように設置されている。なお、水蒸気センサ1の基板15を温め、絶縁部13に付着している水分を蒸発できる構成であれば、これに限らない。
例えば、図4に示すように、水蒸気センサ1aの基板15内の中央付近に板状のヒータ16aが設けられもよい。あるいは、図5に示すように、水蒸気センサ1bの基板15内のほぼ全体にわたって板状のヒータ16bが設けられるようにしてもよい。
【0026】
なお、本実施形態における水蒸気センサ1は、図2図5に示すような構成を有するものとしている。しかし、水分の付着の有無を判定でき、かつ、付着している水分の蒸発を行うヒータ16が備えられているものであれば、図2図5に示すような構成でなくてもよい。
【0027】
[ガスセンサ]
図6は、本実施形態に係るガスセンサの例を示すブロック図である。
ガスセンサ2は、エタノールセンサ21、水素センサ22、アセトアルデヒドセンサ23を有している。エタノールセンサ21、水素センサ22、アセトアルデヒドセンサ23のそれぞれには、ヒータ24a~24c(24)が備えられている。
図6に示すように、ガスセンサ2がエタノールセンサ21、水素センサ22、アセトアルデヒドセンサ23を有することにより、飲酒の有無判定を行うことができる。
【0028】
(システム構成)
図7は、本実施形態に係る呼気計測システムの構成を示す図である。
図7に示すように、呼気計測システムZは、呼気ガス検出装置A2と、スマートフォン等の携帯装置A3とを有している。
呼気ガス検出装置A2は、人が片手で持つことができる程度の大きさであり、筺体30に設けられている表示装置(出力部)31と、インジケータ(出力部)32と、導入部33とを有している。
ユーザは、導入部33から呼気ガス検出装置A2に呼気(外気)を導入する。これによって、呼気ガス検出装置A2の内部に備えられている呼気検知装置A1に呼気(外気)が吹きつけられる。
すると、呼気ガス検出装置A2は、後記するように閾値変更処理、ガスセンサイニシャライズ処理、誤検知防止処理等を行った後、導入された外気(気体)が人の呼気であるか否かを判定する。そして、呼気ガス検出装置A2は、計測されたガス濃度等の情報を表示装置31に表示する。また、インジケータ32では、導入された呼気量(呼気導入量)が表示される。インジケータ32には、水蒸気センサ1から出力された出力電圧のピーク強度が表示される。なお、ガス濃度とは、エタノール濃度や、アセトアルデヒド濃度や、水素濃度等である。
【0029】
そして、表示装置31には、導入された外気(気体)が人の呼気であるか否かの判定結果と、計測されたアルコール濃度(エタノール濃度)が表示されている。
さらに、呼気ガス検出装置A2は、アルコール濃度(エタノール濃度)が運転可能なレベルにまで下がる時間である運転可能時間を算出し、算出した運転可能時間等を携帯装置A3へ送信する。
携帯装置A3は、ユーザが所有している装置であり、送信された運転可能時間等の情報を表示する。なお、呼気ガス検出装置A2に運転可能時間等の表示がなされてもよい。また、携帯装置A3に導入された外気(気体)が人の呼気であるか否かの判定結果や、計測されたアルコール濃度(エタノール濃度)が表示されてもよい。
【0030】
図8は、本実施形態に係る呼気ガス検出装置の別の例を示す図である。図8において、図7と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図8に示す呼気ガス検出装置A2aは、図7におけるインジケータ32の代わりにスピーカ(出力部)32aが備えられている。
呼気ガス検出装置A2aでは、呼気の導入強度(呼気導入量)が音で示される。例えば、呼気の導入強度が弱い場合は、小さい音や、低い音が発せられ、呼気の導入強度が強くなるにつれ、音が大きくなったり、高い音が発せられたりする。なお、呼気の導入強度とは、水蒸気センサ1の出力電圧の大きさに基づくもので、呼気導入量に比例するものである。また、呼気の導入強度が弱い場合、発せられる音の間隔が小さく、呼気の導入強度が強くなるにつれ、発せられる音の間隔が大きくなる等、発せられる音の間隔で呼気の導入強度が示されてもよい。
【0031】
なお、図7及び図8に示す例では、アルコール濃度(エタノール濃度)に関する情報のみが表示装置31に示されているが、水素濃度、アセトアルデヒド濃度等といった詳細な情報が表示されてもよい。
【0032】
このように、呼気ガス検出装置A2,A2aにおいて、呼気導入量が表示や、音で示されることにより、使いやすさが向上する。また、ユーザは、アルコール(エタノール)検出に必要な呼気が呼気ガス検出装置A2,A2aに導入されたか否かを確認することができる。
【0033】
[本実施形態の処理概略]
図9は、本実施形態における処理の概略を説明するための図である。適宜、図2図6を参照する。
図9において、横軸は時間を示し、縦軸は出力電圧(任意単位)を示す。ここで、出力電圧とは、水蒸気センサ1、エタノールセンサ21、水素センサ22、アセトアルデヒドセンサ23の出力である。なお、水蒸気センサ1の出力は脈流または交流となる。
符号101は、水蒸気センサ1の出力電圧を示す波形である。前記したように、水蒸気センサ1には、交流電圧が印加されるので、その出力も交流波形となる。
水蒸気センサ1の出力電圧には、2つの閾値Ts1,Ts2(第4の閾値)が設定されている。このうち、閾値Ts1は後記する結露回避処理で使用される閾値であり、呼気が導入されていないにもかかわらず、結露等が原因で水蒸気センサ1の絶縁部13に水分が付着しているか否かを判定するための閾値である。また、閾値Ts2は、呼気ガス検出装置A2に呼気が十分に導入されたか否かを判定するための閾値である。
【0034】
符号102はエタノールセンサ21の出力電圧を示す波形であり、符号103はアセトアルデヒドセンサ23の出力電圧を示す波形であり、符号104は水素センサ22の出力電圧を示す波形である。
そして、これらのガスセンサ2の各出力電圧に対して、閾値Te,Ta,Th(第1の閾値)が設定されている。すなわち、閾値Teは、エタノールセンサ21の出力電圧に対する閾値である。また、閾値Taは、アセトアルデヒドセンサ23の出力電圧に対する閾値である。そして、閾値Thは、水素センサ22の出力電圧に対する閾値である。
これらの閾値Te,Ta,Thは、呼気ガス検出装置A2に導入された外気が人の呼気であるか否かを判定するための閾値である。
【0035】
飲酒をしていなくても、人の呼気はアルコール(エタノール)や、アセトアルデヒド、水素を微量に含んでいる。閾値Te,Ta,Thは、非飲酒時でもエタノールセンサ21や、アセトアルデヒドセンサ23、水素センサ22の出力電圧を検知可能な程度に低く設定されている。
このように各ガスセンサ2の出力電圧に対する閾値Te,Ta,Thが設定されることで、水蒸気を含んだだけの外気との区別をすることができ、なりすましを防止することができる。
【0036】
[呼気計測装置ブロック図]
図10は、本実施形態に係る呼気ガス検出装置の機能ブロックの例を示す図である。
呼気計測システムZは、呼気ガス検出装置A2と、呼気ガス検出装置A2と通信可能なスマートフォン等の携帯装置A3とを含んで構成される。呼気ガス検出装置A2と携帯装置A3は、呼気ガス検出装置A2への電源供給を含めた有線(例えば、USBケーブル)で接続されていることが好ましい。ただし、呼気ガス検出装置A2の電源が別途可能な場合は、図7に示すような無線通信でも構わない。呼気ガス検出装置A2は、呼気検知装置A1と、A/D(Analog/Digital)変換器301a,301bと、計測制御装置400と、解析装置(解析部)500とを有する。また、呼気ガス検出装置A2は、送信装置601と、記憶装置602と、出力装置603とを含む。呼気検知装置A1、A/D(Analog/Digital)変換器301a,301b、計測制御装置400、解析装置500、送信装置601及び記憶装置602は、いずれも筺体30(図7図8参照)の中に設けられている。
呼気検知装置A1は、水蒸気センサ1と、ガスセンサ2とを有しているが、これらについては、図1図9で説明済みであるので、ここでの説明を省略する。
計測制御装置400は、交流電源14(図2参照)の周波数を変換して出力する。
また、呼気検知装置A1は、水蒸気センサ1や、ガスセンサ2から入力されたアナログ信号を、A/D(Analog/Digital)変換器301a,301bでディジタル信号に変換して解析装置500へ出力する。
【0037】
解析装置500は、呼気検知装置A1における水蒸気センサ1から出力電圧を取得するとともに、ガスセンサ2から出力電圧を取得する。そして、解析装置500は、水蒸気センサ1から取得した出力電圧や、ガスセンサ2から取得した出力電圧等を基に、導入された外気(気体)が人の呼気であるか否かを判定し、呼気中におけるガスの含有率を解析する。なお、本実施形態では、解析装置500が呼気検知装置A1から出力電圧及び出力電圧を取得するとしている。しかし、これに限らず、計測制御装置400が呼気検知装置A1から出力電圧及び出力電圧を取得し、解析装置500へ取得した出力電圧及び出力電圧をわたすようにしてもよい。
【0038】
記憶装置602は、解析装置500が水蒸気センサ1から取得した出力電圧や、ガスセンサ2から取得した出力電圧を検査時刻とともに保持したり、解析装置500による解析結果を保持したりする。
送信装置601は、解析装置500による解析結果等を携帯装置A3へ送信する。
出力装置603は、図7における表示装置31や、インジケータ32や、図8におけるスピーカ32a等である。
【0039】
解析装置500による解析結果は、携帯装置A3へわたされる。携帯装置A3は、わたされた解析結果を図示しない記憶装置に保持したり、解析結果に関する情報を図示しない表示装置に表示する。なお、携帯装置A3は省略可能である。
【0040】
(計測制御装置)
図11は、本実施形態に係る計測制御装置の構成例を示す機能ブロック図である。
計測制御装置400は、メモリ401、CPU(Central Processing Unit)402、入力装置403、AC/ACインバータ回路404、交流端子405、AC/DCコンバータ回路406及び直流端子407を有する。
メモリ401には、プログラムがCPU402によって実行されることで、制御部411が具現化している。
制御部411は、入力装置403を介して入力された情報に基づいてAC/ACインバータ回路404等に指示を送る。
入力装置403は、呼気ガス検出装置A2の筺体30(図7図8参照)に備えられている図示しないボタン等である。ユーザは、入力装置403を操作することにより、交流端子405から出力する交流電圧の周波数や、電圧を調整することができる。このように、交流端子405から出力する交流電圧の周波数や、電圧を調整することにより、交流端子405に接続されている水蒸気センサ1の周波数や、出力電圧を調整することができる。例えば、いくら呼気を導入しても水蒸気センサ1の出力が低い場合、交流端子405から出力される電圧を高くすることができる。あるいは、水蒸気センサ1の出力電圧の波形の周波数が低く、後記するピーク回数比RBの算出が困難である場合等に、周波数を高く調整することができる。
【0041】
AC/ACインバータ回路404は、制御部411から送られた指示に基づいて、交流電源14から入力された交流電圧の周波数及び電圧を変換し、交流端子405へ出力する。交流端子405には、水蒸気センサ1が接続される。
また、AC/DCコンバータ回路406は、制御部411から送られた指示に基づいて、交流電源14から入力された交流電圧の電圧を変換し、さらに交流電流を直流電流に変換して直流端子407へ出力する。直流端子407には、ガスセンサ2が接続される。
【0042】
なお、図11に示す計測制御装置400の構成は一例であり、図11に示す構成に限らない。例えば、水晶発振器を用いて交流信号(交流電圧)を発生させてもよい。
【0043】
(解析装置)
図12は、本実施形態に係る解析装置の構成例を示す機能ブロック図である。
解析装置500は、メモリ501、CPU502、記憶装置505等を有している。
【0044】
メモリ501には、記憶装置505に格納されているプログラムがロードされ、このプログラムが、CPU502によって実行される。これにより、処理部511、及び処理部511を構成する閾値変更部512、結露回避部513、ガスセンサイニシャライズ部514、誤検知防止部515、ガス濃度算出部516、飲酒判定部517、運転可能時間算出部518、出力処理部519、送信処理部520及び閾値算出部(解析部)521が具現化されている。
【0045】
閾値変更部512は、水蒸気センサ1の基板温度に応じて、閾値Ts2を変化させる。
結露回避部513は、呼気ガス検出装置A2の電源がオンされた後に、結露等による通電があるか否かを判定する。そして、結露等による通電がある場合、結露回避部513は、水蒸気センサ1に備えられているヒータ16をオンにして基板15(図2参照)を温めることで、結露等に由来する水分を蒸発させる。
なお、ヒータ16によって水蒸気センサ1が加熱されるが、大量の呼気が導入されることによって、水蒸気センサ1の温度が下がるため、ヒータ16による加熱の影響は考慮しなくてもよい。
【0046】
ガスセンサイニシャライズ部514は、呼気ガス検出装置A2の電源がオンされた後に、ガスセンサ2にガスが付着していること等による通電があるか否かを判定する。そして、ガスが付着していること等による通電がある場合、ガスセンサイニシャライズ部514は、ガスセンサ2に備えられているヒータ24をオンにして、ガスを除去する。
なお、ガスセンサ2を構成するエタノールセンサ21、水素センサ22及びアセトアルデヒドセンサ23は、ヒータ24a~24cによって加熱される。なお、接触燃焼式、ニューセラミック式、熱粒子化式によるセンサであれば、熱の影響は考慮しなくてもよい。
【0047】
誤検知防止部515は、水蒸気センサ1及びガスセンサ2の双方から得られた出力電圧が、ともに閾値を超えているか否かを判定する。これにより、呼気ガス検出装置A2に導入された外気(気体)が人の呼気であるか否かを判定する。
ガス濃度算出部516は、ガスセンサ2の出力電圧を基に、呼気ガス検出装置A2に導入された外気に含まれるガス(エタノール等)の濃度を算出する。
飲酒判定部517は、ガス濃度算出部516が算出した外気に含まれるガスの濃度を基に、ユーザが飲酒しているか否かを判定する。
運転可能時間算出部518は、ガス濃度算出部516が算出した外気中のガス濃度を基に、アルコール濃度(エタノール濃度)が運転可能なレベルにまで下がる時間である運転可能時間を算出する。
【0048】
出力処理部519は、出力装置603(図10参照)等から情報を出力させる。
送信処理部520は、送信装置601(図10参照)を介して情報を携帯装置A3に送信する。
閾値算出部521は、複数回(本実施形態では3回)導入された呼気に基づいて、後記する閾値TG,Twを算出し、設定したり、更新したりする。閾値TG,Twは後記する。
なお、閾値変更部512から閾値算出部521は、必要に応じて、携帯装置A3側に搭載されていても構わない。
【0049】
なお、図10では、呼気検知装置A1と、A/D変換器301a,301bと、計測制御装置400と、解析装置500と、送信装置601と、記憶装置602とが1つの呼気ガス検出装置A2に備えられている構成となっているが、これに限らない。例えば、呼気検知装置A1と、A/D変換器301a,301bと、計測制御装置400とが呼気ガス検出装置A2に備えられ、解析装置500と、送信装置601と、記憶装置602とは、例えば、解析センタに設置されているサーバ等に備えられてもよい。
【0050】
[フローチャート]
(全体フローチャート)
図13は、本実施形態に係る呼気計測システムの処理手順を示すフローチャートである。以降の説明では、適宜図1図6図8図10図12を参照する。
まず、呼気ガス検出装置A2の電源がオンされる(S101)。
次に、結露回避部513が結露回避処理を行う(S103)。ここでは、外気(呼気)導入前に水蒸気センサ1の現在の出力電圧Vsが閾値Ts1以上であるか否かを判定している。これによって、呼気ガス検出装置A2は、結露等に由来する水分が水蒸気センサ1に付着していることによる誤検知を防止することができる。さらに、外気(呼気)導入前に水蒸気センサ1の現在の出力電圧Vsが閾値Ts1以上である場合、ヒータ16を所定時間、オンとする。これにより、呼気ガス検出装置A2は、結露等によって水蒸気センサ1に付着している水分を蒸発させることができる。これにより、結露に由来する誤動作を防止することができる。
そして、ガスセンサイニシャライズ部514がガスセンサイニシャライズ処理を行う(S104)。ガスセンサイニシャライズ処理については後記する。
なお、ステップS103~S104の処理は、この順番に行われなくてもよい。
【0051】
次に、誤検知防止部515が誤検知防止処理を行う(S105)。この誤検知防止処理において、呼気ガス検出装置A2に導入された外気が人の呼気であるか否かが判定される。誤検知防止処理については後記する。
そして、ガス濃度算出部516は、ステップS105の処理中で導入された外気(呼気)においてガスセンサ2(エタノールセンサ21、アセトアルデヒドセンサ23及び水素センサ22)から取得した出力電圧を基に、導入された外気におけるガス濃度を算出するガス濃度算出処理を行う(S111)。ここで、前記したように、ガス濃度とは、エタノール濃度、アセトアルデヒド濃度及び水素濃度である。例えば、ガス濃度算出部516は、予めわかっている各ガス(エタノール、アセトアルデヒド及び水素)のガス濃度とガスセンサ2の出力電圧の関係を示す校正曲線等と、現在のガス濃度とを基に、平衡状態となったときのガス濃度を算出する。なお、ガス濃度の算出方法は、この方法に限らない。
【0052】
そして、飲酒判定部517が、ステップS111で算出されたエタノール濃度Ceが基準値Cs以上(Ce≧Cs)であるか否かを判定する(S121)。基準値Csの値は、例えば、飲酒疑いも含めて40ppmである。この基準値Csは、国や自動車メーカの安全基準を基に、ユーザが任意に決定することができる。そのため、エタノール濃度に基づく基準値Cs以外の基準値がステップS121の判定に追加されてもかまわない。
ステップS121の結果、エタノール濃度が基準値Cs未満である場合(S121→No)、飲酒判定部517はユーザが飲酒していないと判定する(S122)。
そして、閾値算出部521は、このとき得られたガスセンサ2及び水蒸気センサ1の最大出力電圧Vmaxを取得し(S122a)、記憶装置505に格納する。
その後、処理部511はステップS125へ処理を進める。
【0053】
ステップS121の結果、エタノール濃度が基準値Cs以上である場合(S121→Yes)、飲酒判定部517はユーザが飲酒していると判定する(S123)。
そして、運転可能時間算出部518が、ステップS111で算出されたガス濃度を基に運転可能時間を算出し(S124)、ステップS125へ処理を進める。ここで、運転可能時間とは、前記したように、エタノール濃度(アルコール濃度)が運転可能なレベルにまで下がる時間である。運転可能時間算出部518は、記憶装置505に格納しているエタノール濃度減少曲線等を基に運転可能時間を算出する。
【0054】
ステップS125では、出力処理部519がステップS121の結果や、運転可能時間の情報等を出力装置603から出力させる。ここで、出力装置603は、ユーザが飲酒していると判定した場合、表示装置31に飲酒をしている旨を表示したり、スピーカ32aからブザーを発したり、音声で通知したりする。また、図示しないLEDライトにおいて、光を点滅させたり、赤色の光を点灯させたりしてもよい。また、出力処理部519は、ユーザが飲酒していないと判定した場合、何も出力しなくてもよい。なお、出力処理部519が、飲酒していない旨を音声で通知したり、図示しないLEDライトにおいて緑色の光を点灯させたりして、ユーザが飲酒していないと判定した旨を通知してもよい。
また、送信処理部520は、送受信装置を介して、ユーザの携帯装置A3に運転可能時間等を送信し(S126)、携帯装置A3は運転可能時間を表示部に表示する(S127)。このように、運転可能時間が算出され、携帯装置A3で運転可能時間が表示されることで、ユーザは、あとどれくらいすれば運転可能か否かを容易に確認することができる。
【0055】
その後、閾値算出部521は、ステップS122aで取得したガスセンサ2の最大出力電圧Vmaxを基に、閾値TG、閾値Twの更新を行う(S128)。この処理については後記する。ここで、閾値TGは、エタノールセンサ21の閾値Te1、水素センサ22の閾値Th1、アセトアルデヒド23の閾値Ta1を含むものである。それぞれの閾値Te1,Th1,Ta1については後記する。また、閾値Twは、エタノールセンサ21の閾値Te、水素センサ22の閾値Th、アセトアルデヒド23の閾値Ta、水蒸気センサ1の閾値Ts2を含むものである。それぞれの閾値Te,Th,Taについては後記する。なお、水蒸気センサ1の閾値Ts2については前記してある。
【0056】
(ガスセンサイニシャライズ処理)
図14は、本実施形態に係るガスセンサイニシャライズ処理(図13のS104)の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
まず、ガスセンサイニシャライズ部514は、ガスセンサ2に設けられているヒータ24(図6参照)をオンとする(S401)。
ガスセンサイニシャライズ部514は、ガスセンサ2から現在の出力電圧(センサ出力電圧)VG1を取得する(S402)。ここでの、出力電圧VG1とは、エタノールセンサ21の出力電圧、アセトアルデヒドセンサ23の出力電圧、及び、水素センサ22の出力電圧を含むものである。
【0057】
次に、ガスセンサイニシャライズ部514は、ステップS402で取得した出力電圧VG1が所定の閾値TG(第2の閾値)以上(VG1≧TG)であるか否かを判定する(S403)。ここで、ガスセンサ2の出力電圧VG1が閾値TG以上であるとは、エタノールセンサ21の出力電圧が閾値Te1以上であり、アセトアルデヒドセンサ23の出力電圧が閾値Ta1以上であり、かつ、水素センサ22の出力電圧が閾値Th1以上であることである。なお、これらの閾値Te1,Ta1,Th1は、各ガスセンサ2にガスが付着しているか否かを判定できる程度の閾値であり、図9に示す閾値Te,Ta,Thより低い値である。
なお、後記する閾値TGの算出処理(S428)が行われる前に、ステップS403の処理が行われた場合、閾値TGは出荷時に予め設定されている値(初期設定値)が用いられる。初期設定値は、例えば、例えば、Te1=0.4V、Ta1=0.3V、Th1=0.24Vである(この値に限らない)。
ステップS403の結果、出力電圧VG1が所定の閾値TG未満の場合(S403→No)、処理部511はステップS421へ処理を進める。
【0058】
ちなみに、ステップS403の処理では、後記する図17のステップS522における導入された外気が人の呼気であるか否かの判定と同じロジックによって、ガスセンサイニシャライズ部514が、ガスセンサ2にガスが付着しているか否かを判定している。
なお、ステップS403で「No」が判定されたということは、ガスセンサ2にガスが付着していないことを意味するため、処理部511はステップS421へ処理を進めて閾値TG,Twの算出・設定に移行する。
【0059】
ステップS403の結果、出力電圧VG1が所定の閾値TG以上の場合(S403→Yes)、ガスセンサイニシャライズ部514は所定時間経過したか否かを判定する(S404)。所定時間は、例えば、1分である(この値に限らない)。このように、所定時間待機することで、ガスセンサ2がヒータ24によって温まるのを待つ。
ステップS404の結果、所定時間経過していない場合(S404→No)、ガスセンサイニシャライズ部514は、ステップS404へ処理を戻す。
【0060】
ステップS404の結果、所定時間経過している場合(S404→Yes)、ガスセンサイニシャライズ部514は、ガスセンサ2から現在の出力電圧(センサ出力電圧)VG2を取得する(S411)。
そして、ガスセンサイニシャライズ部514は、ステップS411で取得した出力電圧VG2が所定の閾値TG以上(VG2≧TG)であるか否かを判定する(S412)。ここで、ガスセンサ2の出力電圧VG2が閾値TG以上であるとは、前記と同じく、エタノールセンサ21の出力電圧が閾値Te1以上であり、アセトアルデヒドセンサ23の出力電圧が閾値Ta1以上であり、かつ、水素センサ22の出力電圧が閾値Th1以上であることである。
なお、後記する閾値TGの算出処理(S428)が行われる前に、ステップS412の処理が行われた場合、閾値TGは出荷時に予め設定されている値(初期設定値)が用いられる。初期設定値は、例えば、例えば、Te1=0.4V、Ta1=0.3V、Th1=0.24Vである(この値に限らない)。
【0061】
ステップS412の結果、出力電圧VG2が所定の閾値TG以上の場合(S412→Yes)、ガスセンサイニシャライズ部514は、VG1-VG2の値が0より大きい(VG1-VG2>0)か否かを判定する(S413)。
ステップS413の結果、VG1-VG2の値が0以下である場合(S413→No)、ガスセンサイニシャライズ部514は、ヒータ24がオンとなっているにもかかわらず、ガスセンサ2の出力電圧が変わらない、もしくは、上がってきていると判定する。この場合、ガスセンサイニシャライズ部514は、ガスセンサ2が故障している可能性があると判定する。
そして、出力処理部519は、ガスセンサ2が故障している可能性がある旨を表示装置31にエラー表示等をさせ(S414)、処理を終了する。
ステップS413の結果、VG1-VG2の値が0より大きい場合(S413→Yes)、ガスセンサ2の出力電圧が順調に下がってきているので、ガスセンサイニシャライズ部514は、ステップS402へ処理を戻す。
【0062】
ステップS403で「No」、もしくは、ステップS412で「No」が判定されると(S403→No,S412→No)、ガスセンサイニシャライズ部514は付着していたガスが蒸発したと判定する。
その後、ガスセンサイニシャライズ部514はヒータ24をオフにする。
そして、閾値算出部521が、現時点で閾値Twが算出されていない(未算出)か否かを判定する(S421)。
ステップS421の結果、閾値Twが算出されている場合(S421→No)、処理部511は図13のステップS105へ処理をリターンする。
【0063】
ステップS421の結果、閾値Twが算出されていない場合(S421→Yes)、出力処理部519は、出力装置603(表示装置31)を介してユーザに呼気導入を促す出力をする(S422)。その後、導入部33から外気(呼気)が導入される(S423)。なお、このときに導入される呼気は、非飲酒時の呼気である。
そして、閾値算出部521は、ガスセンサ2及び水蒸気センサ1の最大出力電圧Vmaxを取得する(S424)。最大出力電圧Vmaxは、呼気導入前後での上昇分(最大上昇分)を指す。
その後、閾値算出部521は、計測時間が所定時間を経過したかを判定する。(経過時間Tme≧Tx;S425)。
ステップS425の結果、計測時間が所定時間を超えていない場合(S425→No)、閾値算出部521はステップS425へ処理を戻す。
【0064】
ステップS425の結果、計測時間が所定時間を超えた場合(S425→Yes)、閾値算出部521は、呼気の導入が3回行われたか否かを判定する(S426)。
ステップS426の結果、呼気の導入が3回行われていない場合(S426→No)、閾値算出部521はステップS401へ処理を戻す。
【0065】
ステップS426の結果、呼気の導入が3回行われている場合(S426→Yes)、閾値算出部521は、ガスセンサ2及び水蒸気センサ1の最大出力電圧Vmaxの平均値及び標準偏差を算出する(S427)。
そして、閾値算出部521は、以下の式(11)及び式(12)を演算することにより、閾値TG及び閾値Twを算出する(S428)。
【0066】
TG=AVE-3σ ・・・(11)
Tw=AVE-σ ・・・(12)
【0067】
なお、閾値TGについては、後記する第2実施形態で記載の算出方法が用いられてもよい。
また、式(11),(12)では、-3σ、-σとしているが、-2σあるいは+σ等、状況に応じて別の係数、計算式を用いてもよい。
なお、式(11)及び式(12)において、「AVE」はガスセンサ2、水蒸気センサ1の最大出力電圧Vmaxの平均値を示し、「σ」は標準偏差を示す。ただし、最大出力電圧Vmaxは、呼気導入前後での電圧値の上昇分(最大上昇分)を指す。
【0068】
次に、閾値算出部521は、予め定められている出力電圧Vmaxcよりも算出した閾値TGが大きいか否かを確認する(S429)。出力電圧Vmaxcは、呼気以外のガス(例えば、水素センサ22の校正曲線であれば、エタノール10ppmのガス)を導入したときのガスセンサ2あるいは水蒸気センサ1の出力電圧変化である。このような電圧値は、予め記憶装置602に格納されている。ステップS429の処理により、呼気ではない擬似ガスで閾値TG,Twを設定することによる不正利用を防止することができる。
ステップS429の結果、校正曲線の出力電圧Vmaxcよりも算出した閾値TG以下の場合(S429→No)、閾値算出部521はステップS422へ処理を戻し、再度呼気の導入及び閾値TG,Twの算出を行う。
【0069】
ステップS429の結果、予め定められている出力電圧Vmaxcよりも算出した閾値TGが大きい場合(S429→Yes)、閾値算出部521は、算出した閾値TG及び閾値Twを新たな閾値として設定する(S430)。なお、算出された閾値TG及び閾値Twは、ユーザのIDとひも付けされて記憶装置602に格納される。なお、呼気ガス検出装置A2が、特定のユーザしか使用されない場合、算出された閾値TG及び閾値Twに含まれるそれぞれの閾値がIDとひも付けされなくてもよい。
【0070】
長い期間使用されているガスセンサ2には、様々なガスが吸着してしまうことがある。
呼気ガス検出装置A2の起動後、外気(呼気)導入前にガスセンサ2の現在の出力電圧VG1,VG2が閾値TG以上であるか否かを判定する。これによって、呼気ガス検出装置A2は、ガスセンサ2にガスが吸着してしまっていることによる誤検知を防止することができる。さらに、呼気ガス検出装置A2は、外気(呼気)が導入されていないにもかかわらず、出力が行われているガスセンサ2にはガスが吸着してしまっている状態とみなし、ヒータ24による加熱で吸着しているガスを蒸発させることができる。
【0071】
なお、図13のステップS128で行われる閾値TG及び閾値Twの更新は、図14におけるステップS428~S430と同様の処理が行われる。
【0072】
図15は、水素センサにおける閾値TG及び閾値Twの設定方法を説明するための図である。
ここで、符号800は水素センサ22の出力電圧の時間変化の例を示している。なお、符号800は、1回目の呼気導入で得られた水素センサ22の出力電圧の時間変化を示している。
図15に示す符号801は、水素センサ22の最大出力電圧Vmaxの平均値AVEである。
そして、図15に示すように、最大出力電圧Vmaxの平均値AVE(符号801)から標準偏差σ分下の値に閾値Th(Tw)が設定される。そして、平均値AVE(符号801)から標準偏差σ×3分下の値に閾値Th1(TG)が設定される。符号Da,Dsについては後記する。
【0073】
図16は、エタノールセンサにおける閾値TG及び閾値Twの設定方法を説明するための図である。
ここで、符号810はエタノールセンサ21の出力電圧の時間変化の例を示している。なお、符号810は、1回目の呼気導入で得られたエタノールセンサ21の出力電圧の時間変化を示している。
図15に示す符号811は、エタノールセンサ21の最大出力電圧Vmaxの平均値AVEである。
そして、図15に示すように、最大出力電圧Vmaxの平均値AVE(符号811)から標準偏差σ分下の値に閾値Te(Tw)が設定される。そして、平均値AVE(符号811)から標準偏差σ×3分下の値に閾値Te1(TG)が設定される。
【0074】
ここでは、水素センサ22及びエタノールセンサ21の例について説明したが、アセトアルデヒドセンサ23についても同様に閾値TG、閾値Twが設定される。また、水蒸気センサ1の閾値Ts2は、閾値Twと同様の手法で設定される。
【0075】
ここで、閾値TGの値が大きすぎると、減衰時の早い段階で呼気導入OKとなってしまう。その結果、ガスセンサ2の出力電圧が十分に下がっていない状態で呼気が導入されてしまう。その結果、十分に下がり切っていないガスセンサ2の出力電圧に対して、新たに導入された呼気による出力電圧が上乗せされてしまう。その結果、飲酒判定において大きな誤差が生じてしまう。逆に、閾値TGの値が小さすぎると、いつまでたっても呼気導入OKとならないことになってしまう。
【0076】
また、閾値Twの値が大きすぎると、正常に呼気を導入しているのに呼気導入が検知されないことになってしまう。逆に、閾値Twの値が小さすぎると、呼気を導入していないのに、環境空気中のガスによって呼気導入と検知されてしまう。また、閾値Twの設定には個人差を考慮する必要がある。
【0077】
本実施形態によれば、個人差を考慮し、かつ、適切な閾値TG及び閾値Twの設定が可能となる。
【0078】
また、閾値TG,Twに加えて、信号の立ち上がりの傾きに関する閾値が設定されてもよい。つまり、閾値算出部521は、図14のステップS427において、最大出力電圧Vmaxの平均値及び標準偏差を算出するとともに、呼気導入から所定時間におけるガスセンサ2や、水蒸気センサ1の信号値の傾きを算出する。これを立ち上がりの傾きと称する。そして、閾値算出部521は、複数回(例えば、3回)呼気が導入されたときの立ち上がりの傾きの平均値Da及び標準偏差Dsを算出する(図15参照)。そして、図17のステップS512及びステップS522において、誤検知防止部515は水蒸気センサ1や、ガスセンサ2の信号値の立ち上がりにおける傾きが2つの標準偏差Dsの範囲内にあるか否かを判定する。この判定は、図17のステップS512及びステップS522に記載の処理とともに行われる。2つの標準偏差Dsの範囲外である場合、誤検知防止部515は導入された外気が人の呼気ではないと判定する。このようにすることで、誤検知防止の精度を向上させることができる。
【0079】
(誤検知防止処理)
図17は、本実施形態に係る誤検知防止処理(図13のS105)の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
まず、出力処理部519は、出力装置603(表示装置31)を介してユーザに呼気導入を促す出力をし(S501)、導入部33から外気(呼気)が導入される(S502)。
出力処理部519は、導入された呼気導入量に関する情報を出力装置603から出力させる(S503)。ここでの出力は、インジケータ32による表示や、スピーカ32aから発せられる音等で行われる。
【0080】
次に、誤検知防止部515は、図示しない外気温度センサから取得する外気温が30℃より大きいか否かを判定する(S510)。
ステップS510の結果、外気温が30℃より大きければ(S510→Yes)、ステップS521へ処理を進める。つまり、水蒸気センサ1の出力電圧を用いずに、ガスセンサ2の出力電圧のみで誤検知の判定が行われる。これは、外気温が30℃を超えると、水蒸気センサ1の表面の呼気中の水蒸気が水蒸気センサ1の絶縁部13に付着(凝縮)しにくくなる傾向があるためである。なお、本実施形態では、外気温が30℃より大きければ、水蒸気センサ1の出力電圧を用いずに誤検知の判定を行うとしている。しかし、水蒸気センサ1の絶縁部13に呼気中の水蒸気が付着しなくなる温度であれば、30℃に限らない。また、温度は、外気温ではなく呼気検知装置A1の基板温度や、呼気検知装置A1の周囲の温度でもよい。
【0081】
ステップS510の結果、外気温が30℃以下であれば(S510→No)、誤検知防止部515は、水蒸気センサ1の出力電圧Vsを取得する(S511)。
そして、誤検知防止部515は、水蒸気センサ1の出力電圧Vsが閾値Ts2以上(Vs≧Ts2)であり、かつ、RB(ピーク回数比)≧80%であるか否かを判定する(S512)。
【0082】
ここで、図18を参照して、ピーク回数比RBについて説明する。
図18において、横軸は時間を示し、縦軸は水蒸気センサ1の出力電圧を示す。
図18に示すように、水蒸気センサ1の出力電圧201は交流波形となる。これは、図2で示したように水蒸気センサ1に入力される電圧が交流電圧であるためである。
ここで、図18に示すt0が外気(呼気)導入した時刻を示す。そして、外気(呼気)導入から所定時間経過した時刻をt1とする。また、図18に示すように、閾値Ts2が設定されている。
【0083】
ここで、誤検知防止部515は、時刻t0から時刻t1までにおける水蒸気センサ1の出力電圧におけるピークの数を計数する。この数をP1とする。図18の例ではP1=9である。
また、誤検知防止部515は、水蒸気センサ1の出力電圧のピークが閾値Ts2を超えてから時刻t1までの水蒸気センサ1の出力電圧におけるピークの数を計数する。この数をP2とする。図18の例ではP2=7である。
【0084】
そして、RBは以下の式(1)で定義される。
RB=(P2/P1)×100 ・・・ (1)
図17のステップS512では、式(1)で示されるRBが80(%)以上であるか否かを判定する。ちなみに、図18の例では、P1=9、P2=7であるので、RB≒77(%)となり、ステップS521では「No」が選択されることになる。
【0085】
図17の説明に戻る。
ステップS512の結果、水蒸気センサ1の出力電圧Vsが閾値Ts2未満、又は、RB<80%である場合(S512→No)、誤検知防止部515は、呼気導入量(すなわち、呼気強度)不足と判定し(S513)、ステップS501へ処理を戻す。これにより、呼気の再測定を促す。
ステップS512の結果、蒸気センサの出力電圧Vsが閾値Ts2以上であり、かつ、RB≧80%である場合(S512→Yes)、誤検知防止部515は、ガスセンサ2の出力電圧Vgを取得する(S521)。ここで、ここで、出力電圧Vgとは、エタノールセンサ21、水素センサ22及びアセトアルデヒドセンサ23の出力電圧である。ここで取得されたエタノールセンサ21の出力電圧をVeとし、アセトアルデヒドセンサ23の出力電圧をVaとし、水素センサ22の出力電圧をVhとする。
【0086】
次に、誤検知防止部515は、取得したガスセンサ2の出力電圧Vgが所定の閾値Tw(第1の閾値)以上(Vg≧Tw)であるか否かを判定する(S522)。ここで、ガスセンサ2の出力電圧Vgが閾値Tw以上であるとは、エタノールセンサ21の出力電圧が閾値Te(図9参照)以上であり、アセトアルデヒドセンサ23の出力電圧が閾値Ta(図9参照)以上であり、かつ、水素センサ22の出力電圧が閾値Th(図9参照)以上であることである。なお、ステップS522の判定は、エタノールセンサ21の出力電圧が閾値Te以上であるか、アセトアルデヒドセンサ23の出力電圧が閾値Ta以上であるか、または、水素センサ22の出力電圧が閾値Th以上であることとしてもよい。あるいは、エタノールセンサ21の出力電圧が閾値Te以上、アセトアルデヒドセンサ23の出力電圧が閾値Ta以上、水素センサ22の出力電圧が閾値Th以上のうち、いずれか2つが成立すれば、ステップS522で「Yes」の判定が行われてもよい。
【0087】
ステップS522の結果、エタノールセンサ21の出力電圧Vgが所定の閾値Tw以上である場合(S522→Yes)、誤検知防止部515は、導入された外気が人の呼気であると判定する(S523)。その後、処理部511は図14のステップS111へ処理をリターンする。
ステップS522の結果、エタノールセンサ21の出力電圧Vgが所定の閾値Tw未満である場合(S522→No)、誤検知防止部515は、導入された外気が人の呼気でない可能性があると判定する(S524)。そして、誤検知防止部515はステップS501へ処理を戻すことで呼気の再測定を促す。
【0088】
なお、前記したように、ステップS522の処理では、図14のステップS403におけるガスセンサ2にガスが付着しているか否かの判定と同じロジックによって、誤検知防止部515が、導入された外気について、人の呼気であるか否かの判定を行っている。
【0089】
図19を参照して、図17のステップS522における判定を説明する。
図19は、エタノールセンサ21、水素センサ22及びアセトアルデヒドセンサ23の出力電圧の時間変化の例を示す図である。ここで、符号251はエタノールセンサ21の出力電圧の時間変化を示し、符号252はアセトアルデヒドセンサ23の出力電圧の時間変化を示す。符号253は水素センサ22の出力電圧の時間変化を示す。
図19において、横軸は時間を示し、縦軸はエタノールセンサ21、水素センサ22及びアセトアルデヒドセンサ23の出力電圧(任意単位)を示す。
図19において、時刻t11は外気(呼気)導入が開始された時刻であり、時刻t12は外気(呼気)導入が終了した時刻である。
図19に示すように、外気(呼気)導入が開始されると、エタノールセンサ21、水素センサ22及びアセトアルデヒドセンサ23の出力電圧251~253が上昇し始め、外気(呼気)導入が終了すると、所定時間かけて下降していく。
【0090】
また、エタノールセンサ21の出力電圧251に対する閾値Te、アセトアルデヒドセンサ23の出力電圧252に対する閾値Ta、及び、水素センサ22の出力電圧253に対する閾値Thが設けられている。
図17のステップS522では、エタノールセンサ21の出力電圧251が所定の閾値Te以上であり、アセトアルデヒドセンサ23の出力電圧252が所定の閾値Ta以上であり、かつ、水素センサ22の出力電圧253が所定の閾値Th以上であるか否かを判定する。これにより、導入された外気が人の呼気であるか否かが判定される。
【0091】
前記したように、例え、飲酒していなくても人の呼気には、エタノールや、アセトアルデヒドや、水素が微量に含まれている。本実施形態では、エタノールセンサ21の出力電圧251に対する閾値Te、及び、アセトアルデヒドセンサ23の出力電圧252に対する閾値Ta、水素センサ22の出力電圧253に対する閾値Th等を飲酒していない状態でも検知可能な値とする。このようにすることで、導入された外気が人の呼気であるか否かを検知できるようにしている。
【0092】
本実施形態に係る呼気ガス検出装置A2によれば、水蒸気センサ1と、ガスセンサ2とのダブルチェックを行うことで、人の呼気であるか否かの判定の精度を高めることができる。特に、人の呼気は個人差や、体調にかかわりなく、湿度100%の飽和水蒸気であるため、本実施形態に係る呼気ガス検出装置A2は、個人差や、体調に左右されずに、精度の高い呼気判定を行うことができる。
【0093】
また、本実施形態に係る呼気ガス検出装置A2によれば、結露回避処理と、ガスセンサイニシャライズ処理とが行われる。これにより、呼気ガス検出装置A2の起動時における異常検知が可能になるとともに、異常からの復帰も可能となる。
【0094】
なお、本実施形態の水蒸気センサ1を既存の湿度センサに置き換えても、湿度センサは、湿度を計測するものであるのでレスポンスが遅いため、呼気ガス検出装置A2に導入された外気が呼気であるか否かを瞬時に判定することが困難である。また、湿度センサは、計測できる湿度の上限が80%~90%であり、飽和水蒸気である人の呼気を検知するのには不適である。
【0095】
そして、本実施形態に係る呼気ガス検出装置A2が、図13のステップS121において、ガスセンサ2の出力電圧に基づくアルコール濃度(エタノール濃度)が基準値Cs以上であれば、飲酒していると判定する。これにより、飲酒の有無判定の精度を高めることができる。
また、図17のステップS512に示すように、呼気ガス検出装置A2が、水蒸気センサ1の出力電圧Vsが閾値Ts2以上(Vs≧Ts2)であり、かつ、ピーク回数比RB≧80%であるか否かを判定する。これにより、外気が呼気であるか否かの判定精度を向上させることができる。
【0096】
[別のシステム例]
図20は、本実施形態に係る呼気計測システムの別の構成例を示す図である。
図20では、呼気計測システムZaが車両に備えられている例を示す。
呼気計測システムZaにおいて、呼気検知装置A1は、導入部33aが設けられているステアリング701内に設置されている。この場合、ステアリング701が筺体30(図7図8参照)となる。そして、車両内に設置されている解析装置500aによって、図13図17に示す処理が行われる。解析装置500aの構成は図19と同様であるので、ここでの説明を省略する。
そして、解析装置500aにおける処理結果は表示装置603aに表示される。表示装置603aに表示される内容は、図7の表示装置31に表示される内容や、携帯装置A3に表示される内容である。
【0097】
なお、本実施形態では、呼気ガス検出装置A2を車両運転時における飲酒の有無判定に用いられることを想定しているが、呼気ガス検出装置A2の用途はこれに限らない。例えば、呼気ガス検出装置A2が医療関係に用いられてもよい。この場合、自宅で呼気ガス検出装置A2による呼気の測定を行い、その測定値が医療機関にネットワーク経由で送信され、医療機関において呼気中のガスの解析が行われてもよい。この場合、ガスセンサ2に含まれるセンサは、エタノールセンサ21、水素センサ22、アセトアルデヒドセンサ23以外のセンサが用いられてもよい。
【0098】
また、本実施形態における呼気ガス検出装置A2は、筺体30(図7図8参照)の中に呼気検知装置A1(図1参照)が備えられ、ユーザは導入部33(図7図8参照)から呼気を導入する構成としているが、これに限らない。例えば、呼気検知装置A1が露出した状態で、ユーザは直接呼気検知装置A1に呼気を吹きかけるようにしてもよい。あるいは、筺体30にふたが備えられおり、ユーザがふたを開けることにより、呼気検知装置A1が露出し、ユーザは、露出した呼気検知装置A1に呼気を吹きかけるようにしてもよい。
【0099】
図21は、閾値TG及び閾値Twの更新に関する説明を示す図である。この図は、図13のステップS128の更新処理を説明する図である。
図21では、水素センサ22、エタノールセンサ21、アセトアルデヒドセンサ23、水蒸気センサ1の閾値の更新が示されている。
なお、前記したように、水素センサ22の閾値Th1、エタノールセンサ21の閾値Te1、アセトアルデヒドセンサ23の閾値Ta1は、閾値TGに含まれるものである。
同様に、水素センサ22の閾値Th、エタノールセンサ21の閾値Te、アセトアルデヒドセンサ23の閾値Ta、水蒸気センサ1の閾値Ts2は、閾値Twに含まれるものである。
なお、このような更新は、毎回行われてもよいし、複数回(例えば3回)ごとに行われてもよい。毎回、行われる場合は、最新3回分のデータが用いられてもよい。
【0100】
図21に示すように、水素センサ22の閾値Th1,Thは、ステップS122aで取得された水素センサ22の最大出力電圧Vmaxhを用いて更新されている。同様に、エタノールセンサ21の閾値Te1,Teは、ステップS122aで取得されたエタノールセンサ21の最大出力電圧Vmaxeを用いて更新されている。さらに、アセトアルデヒドセンサ23の閾値Ta1,Taは、ステップS122aで取得されたアセトアルデヒドセンサ23の最大出力電圧Vmaxaを用いて更新されている。そして、水蒸気センサ1の閾値Ts2は、ステップS122aで取得された水蒸気センサ1の最大出力電圧Vmaxvを用いて更新されている。
それぞれの閾値の算出は、図15等に基づいた手法で行われる。
【0101】
このように、常に更新が行われ続けることで、日々異なるユーザの体調等を考慮した閾値TG,Twの設定が可能となる。
【0102】
<第2実施形態>
図22は、第2実施形態における閾値TG及び閾値Twの決定手法を示す図である。
図22において、横軸は時間を示し、縦軸はセンサの出力電圧を示す。ここで、センサとは、水蒸気センサ1またはガスセンサ2である。
また、図22において破線は所定の閾値(第の閾値)Bを示す。
第2実施形態では、閾値算出部521は、1回の呼気導入によって取得された信号電圧について、以下の2つの条件が満たされたときの値を基に閾値TGを算出する。
(B1)センサの出力電圧が減衰期において、閾値B以下の値である。閾値Bは、例えば、ガス濃度10ppmに相当する電圧値である。ちなみに、ガス濃度10ppmは、ベースラインノイズの影響を受けないことに由来する値である。
(B2)減衰率が所定値以下となること。減衰率は、例えば、図22の(符号901の出力電圧-符号902の出力電圧)/時間TM1である。所定値として、例えば、1%が考えられる。
【0103】
これら(B1)かつ(B2)の条件が満たされたとき、閾値算出部521は、図22の符号902の出力電圧を閾値TGとする。
なお、第2実施形態において、閾値Twは、第1実施形態で前記した手法で定められてもよいし、1回の呼気測定で得られる最大出力電圧Vmax(すなわち、第2実施形態の手法)で設定されてもよい。この場合、1回の呼気導入で、個人差を考慮した閾値TG,Twの算出が可能となる。
【0104】
<第3実施形態>
次に、図23図25を参照して、センサSeの設置について説明する。
なお、センサSeは、水蒸気センサ1、ガスセンサ2等である。ちなみに、複数のセンサSeは直列になっている方が、感度や、安定性の観点から好ましいことが確認されている。
図23は、これまでの呼気検知装置A1の周辺部の上面図である。
また、図23に示すように、導入部33の下にセンサSeが設置されている。
このような構成では、導入部33から導入された呼気は、センサSeの周囲へ流れてしまう。この結果、センサSeの感度が低下してしまう。
非飲酒時の複数(ここでは、3つ)のセンサSeの日常的な出力電圧の変動から、体調の変化を読み取ることができる。
【0105】
図24Aは第3実施形態における呼気検知装置A1の周辺部の上面図、図24Bは第3実施形態における呼気検知装置A1の周辺部の側面図である。
これに対して、図24A及び図24Bに示す呼気検知装置A1の周辺部では、センサSeに対して、z軸方向に板状部BDを設置している。このような板状部BDを設置することによって、導入部33から導入された呼気が周囲に流れることを防ぐことができる。これによって、センサSeの感度を良好に保つことができる。また、図24Bに示すように、センサSeの上部に導入部33が開口されている天板BD1が設けられている。
さらに、図24A及び図24Bに示す例では、導入部33が図23に示す導入部33よりも小さく、さらに、真ん中のセンサSeの直上に設けられている。このようにすることで、呼気が集中してセンサSeにあてることができる。
【0106】
図25は、第3実施形態における呼気検知装置A1の周辺部の別の例を示す上面図である。
また、図25に示す図では、導入部33を頂点とする山形となるよう板状部BDが設置されている。そして、センサSeは、山形において、すそ野の部分に配置されている。
このような構成とすることで、導入部33から導入された呼気は、板状部BDに沿ってセンサSeの方向へ流れる。これによって、3つのセンサSeに対して呼気が均等にかかる。
【0107】
<第4実施形態>
図26は、第4実施形態おける呼気ガス検出装置A2bを示す図である。
呼気ガス検出装置A2bは、呼気検知装置A1周辺の空気を排気する排気部1001を有している。なお、呼気ガス検出装置A2bは導入部33をユーザが口にくわえる形態を有している。
【0108】
呼気ガス検出装置A2bの筺体内にユーザに由来しない外気が溜まっていると、この外気は外部に排出されにくい。このような状態で、ユーザが呼気を導入しても、水蒸気センサ1や、ガスセンサ2の周囲の空気がユーザの呼気に置換されないというおそれがある。あるいは、ユーザ以外の外部由来の外気と、ユーザ由来の呼気とが混合してしまうおそれがある。
【0109】
図26の例では、排気部1001によって、呼気検知装置A1周辺のユーザ外部に由来する空気が排出される。これにともなって、ユーザの口腔内の空気が呼気検知装置A1周辺に導入される。このように、排気部1001を有することによって、呼気検知装置A1周辺におけるユーザ外部に由来する空気を、ユーザの口腔内の空気に素早く置換することができる。
これによって、ユーザが呼気ガス検出装置A2bの導入部33を口にくわえるだけで、呼気を意識的に吹き込まなくても呼気検知装置A1周辺にユーザの口腔内の空気を導入することができる。
【0110】
図27は、導入部33と、本体部1003が配管1002で接続されている呼気ガス検出装置A2cを示す図である。
図27に示すような呼気ガス検出装置A2cでも排気部1001を有する。これにより、ユーザが呼気ガス検出装置A2cの導入部33を口にくわえるだけで、呼気を意識的に吹き込まなくても呼気検知装置A1周辺にユーザの口腔内の空気を導入することができる。
【0111】
なお、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を有するものに限定されるものではない。また、本実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0112】
また、前記した各構成、機能、処理部511、各部512~521、各記憶装置505,602等は、それらの一部またはすべてを、例えば集積回路で設計すること等によりハードウェアで実現してもよい。また、図12で示すように、前記した各構成、機能等は、CPU等のプロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、図12に示すように記憶装置505に格納すること以外に、メモリや、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、IC(Integrated Circuit)カードや、SD(Secure Digital)カード、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に格納することができる。
また、各実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんどすべての構成が相互に接続されていると考えてよい。
【符号の説明】
【0113】
1,1a,1b 水蒸気センサ(水蒸気検出素子)
2 ガスセンサ(ガス検出素子)
3 温度センサ(温度検出素子)
21 エタノールセンサ(ガス検出素子)
22 水素センサ(ガス検出素子)
23 アセトアルデヒドセンサ(ガス検出素子)
500,500a 解析装置(解析部)
515 誤検知防止部(解析部)
521 閾値算出部(解析部)
A1 呼気検知装置
A2 呼気ガス検出装置
B 閾値(第5の閾値)
Da 立ち上がりの傾きの平均値
Ds 立ち上がりの傾きの標準偏差(第3の閾値)
Ta,Te,Th,Tw 閾値(第1の閾値、)
Ts2 閾値(第4の閾値)
Th1,Te1,TG 閾値(第2の閾値)
Z,Za 呼気計測システム
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24A
図24B
図25
図26
図27