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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-19
(45)【発行日】2022-10-27
(54)【発明の名称】自動製氷機
(51)【国際特許分類】
   F25C 5/10 20060101AFI20221020BHJP
   F25C 1/12 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
F25C5/10 A
F25C1/12 301Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019008026
(22)【出願日】2019-01-21
(65)【公開番号】P2020118323
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 健司
(72)【発明者】
【氏名】太田 秀治
(72)【発明者】
【氏名】越 洋
(72)【発明者】
【氏名】傳 強飛
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-248321(JP,A)
【文献】特開2008-256246(JP,A)
【文献】特開2005-299982(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0157636(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25C 5/08,5/10
F25C 1/12
F25B 47/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製氷部(12)に配設した蒸発器(16)に冷媒を供給すると共に、該製氷部(12)に製氷水を供給することで氷塊を生成する製氷工程と、前記蒸発器(16)にホットガスを供給すると共に、前記製氷部(12)における蒸発器(16)の配設側に除氷水供給手段(32)によって除氷水を供給して該製氷部(12)から氷塊を離脱させる除氷工程とを交互に繰り返す自動製氷機において、
時間を計時するタイマ(42)と、
制御手段(C)と
前記除氷水供給手段(32)により前記製氷部(12)へ供給する前の除氷水の温度を測定する水温測定手段(TH1)と、を備え、
前記制御手段(C)は、前記水温測定手段(TH1)による測定温度に応じて、除氷水の開始を遅延する給水開始時間を可変するよう構成され、
前記制御手段(C)は、除氷工程に際し、前記蒸発器(16)へのホットガスの供給を開始してからの前記タイマ(42)による計時時間が前記給水開始時間となったことを条件として、前記製氷部(12)への除氷水の供給を開始するように前記除氷水供給手段(32)を制御するよう構成した
ことを特徴とする自動製氷機。
【請求項2】
製氷部(12)に配設した蒸発器(16)に冷媒を供給すると共に、該製氷部(12)に製氷水を供給することで氷塊を生成する製氷工程と、前記蒸発器(16)にホットガスを供給すると共に、前記製氷部(12)における蒸発器(16)の配設側に除氷水供給手段(32)によって除氷水を供給して該製氷部(12)から氷塊を離脱させる除氷工程とを交互に繰り返す自動製氷機において、
時間を計時するタイマ(42)と、
制御手段(C)と
前記除氷水供給手段(32)により製氷部(12)へ供給する前の除氷水の温度を測定する水温測定手段(TH1)と、
前記蒸発器(16)に冷媒を供給する冷凍部(14a)が設置される機械室(31b)の温度を測定する室温測定手段(TH3)とを備え、
前記制御手段(C)は、前記水温測定手段(TH1)による測定温度および前記室温測定手段(TH3)による測定温度に応じて、除氷水の開始を遅延する給水開始時間を可変するよう構成され、
前記制御手段(C)は、除氷工程に際し、前記蒸発器(16)へのホットガスの供給を開始してからの前記タイマ(42)による計時時間が前記給水開始時間となったことを条件として、前記製氷部(12)への除氷水の供給を開始するように前記除氷水供給手段(32)を制御するよう構成した
ことを特徴とする自動製氷機。
【請求項3】
製氷部(12)に配設した蒸発器(16)に冷媒を供給すると共に、該製氷部(12)に製氷水を供給することで氷塊を生成する製氷工程と、前記蒸発器(16)にホットガスを供給すると共に、前記製氷部(12)における蒸発器(16)の配設側に除氷水供給手段(32)によって除氷水を供給して該製氷部(12)から氷塊を離脱させる除氷工程とを交互に繰り返す自動製氷機において、
時間を計時するタイマ(42)と、
制御手段(C)と
前記除氷水供給手段(32)により製氷部(12)へ供給する前の除氷水の温度を測定する水温測定手段(TH 1 )と、
前記製氷工程において前記蒸発器(16)に供給する前の冷媒の温度を測定する冷媒温度測定手段(TH2)と、を備え、
前記制御手段(C)は、前記水温測定手段(TH 1 )による測定温度および前記冷媒温度測定手段(TH2)による測定温度に応じて、除氷水の開始を遅延する給水開始時間を可変するよう構成され、
前記制御手段(C)は、除氷工程に際し、前記蒸発器(16)へのホットガスの供給を開始してからの前記タイマ(42)による計時時間が前記給水開始時間となったことを条件として、前記製氷部(12)への除氷水の供給を開始するように前記除氷水供給手段(32)を制御するよう構成した
ことを特徴とする自動製氷機。
【請求項4】
製氷部(12)に配設した蒸発器(16)に冷媒を供給すると共に、該製氷部(12)に製氷水を供給することで氷塊を生成する製氷工程と、前記蒸発器(16)にホットガスを供給すると共に、前記製氷部(12)における蒸発器(16)の配設側に除氷水供給手段(32)によって除氷水を供給して該製氷部(12)から氷塊を離脱させる除氷工程とを交互に繰り返す自動製氷機において、
前記蒸発器(16)の出口温度を測定する温度測定手段(TH)と、
制御手段(C)と
前記制御手段(C)に接続され、除氷水の開始を遅延するための給水開始温度(T2)を複数種類から選択可能な設定手段と、を備え、
前記制御手段(C)は、除氷工程に際し、前記蒸発器(16)へのホットガスの供給開始後に、前記温度測定手段(TH)の測定温度が前記設定手段で選択された給水開始温度(T2)となったことを条件として、前記製氷部(12)への除氷水の供給を開始するように前記除氷水供給手段(32)を制御するよう構成した
ことを特徴とする自動製氷機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、製氷部に配設した蒸発器にホットガスを流通させると共に、除氷水供給手段から除氷水を供給して製氷部を加熱することで、この製氷部に生成した氷塊を離脱させる自動製氷機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動製氷機として、縦向きに設置した製氷部の裏面に、冷凍系から導出した蒸発器を配設し、この蒸発器により冷却される製氷部の表面(製氷面)に製氷水を散布供給して氷塊を製造し、製氷部から氷塊を離脱して落下放出させる流下式の自動製氷機が知られている(例えば、特許文献1参照)。この自動製氷機では、製氷水を貯留するための製氷水タンクを備え、製氷工程に際し製氷水タンクの製氷水を製氷水ポンプで圧送して製氷部の表面に供給し、氷結に至らなかった製氷水は製氷水タンクに回収した後に、再び製氷部に向けて送り出すよう構成されている。また、製氷部での製氷が終了して製氷工程から除氷工程へ移行すると、冷凍系からホットガスを蒸発器に供給すると共に、外部水源から製氷部の裏面に常温の水を除氷水として散布供給することで、製氷部を加熱して氷塊との氷結面の融解を促進して、氷塊を製氷部から離脱させるよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5008675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の自動製氷機では、製氷工程から除氷工程に移行すると、ホットガスの供給と、除氷水の供給とが同時に開始される。また、製氷部の裏面に外部水源から供給される除氷水は、該製氷部に配設されている蒸発器の表面を流下するため、除氷工程の初期においてホットガスによって充分に加熱されていない蒸発器は、その表面を流下する除氷水によって温度上昇が抑えられてしまう。従って、除氷工程の時間が長くなり、その結果として氷塊が必要以上に融けてしまい、日生製氷能力が低下する問題を招く。殊に、外部水源から供給される除氷水の温度は、外気温等に影響されて変化するため、夏季においては除氷水の温度が高いために除氷時間に対する影響は小さいものの、冬季においては除氷水の温度が低いために除氷時間が著しく長くなってしまう問題が指摘される。
【0005】
すなわち本発明は、前述した従来の技術に内在する前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、除氷に要する時間を短縮して日産製氷能力を向上し得る自動製氷機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願には、次のような技術的思想が含まれる。
製氷部に配設した蒸発器に冷媒を供給すると共に、該製氷部に製氷水を供給することで氷塊を生成する製氷工程と、前記蒸発器にホットガスを供給すると共に、前記製氷部における蒸発器の配設側に除氷水供給手段によって除氷水を供給して該製氷部から氷塊を離脱させる除氷工程とを交互に繰り返す自動製氷機において、
時間を計時するタイマと、
制御手段とを備え、
前記制御手段は、除氷工程に際し、前記蒸発器へのホットガスの供給を開始してからの前記タイマによる計時時間が給水開始時間となったことを条件として、前記製氷部への除氷水の供給を開始するように前記除氷水供給手段を制御するよう構成したことを要旨とする。
この構成では、除氷工程に際し、除氷水の供給開始を、ホットガスの供給開始から給水開始時間だけ遅延するよう構成したので、除氷水の供給開始までの間にホットガスにより蒸発器を充分に加熱することができ、除氷効率を向上し得る。従って、除氷に要する時間が長くなることで氷塊が必要以上に融けるのを防いで、日産製氷能力を向上することができる。
【0007】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項1の発明に係る自動製氷機は、
製氷部に配設した蒸発器に冷媒を供給すると共に、該製氷部に製氷水を供給することで氷塊を生成する製氷工程と、前記蒸発器にホットガスを供給すると共に、前記製氷部における蒸発器の配設側に除氷水供給手段によって除氷水を供給して該製氷部から氷塊を離脱させる除氷工程とを交互に繰り返す自動製氷機において、
時間を計時するタイマと、
制御手段と、
前記除氷水供給手段により前記製氷部へ供給する前の除氷水の温度を測定する水温測定手段と、を備え、
前記制御手段は、前記水温測定手段による測定温度に応じて、除氷水の開始を遅延する給水開始時間を可変するよう構成され、
前記制御手段は、除氷工程に際し、前記蒸発器へのホットガスの供給を開始してからの前記タイマによる計時時間が前記給水開始時間となったことを条件として、前記製氷部への除氷水の供給を開始するように前記除氷水供給手段を制御するよう構成したことを要旨とする。
請求項の発明によれば、除氷工程に際し、除氷水の供給開始を、ホットガスの供給開始から給水開始時間だけ遅延するよう構成したので、除氷水の供給開始までの間にホットガスにより蒸発器を充分に加熱することができ、除氷効率を向上し得る。従って、除氷に要する時間が長くなることで氷塊が必要以上に融けるのを防いで、日産製氷能力を向上することができる。また、除氷水の温度に応じて該除氷水の供給を遅延させる給水開始時間を可変するよう構成したので、除氷水の温度変化によって除氷工程に要する時間が可変するのを防いで、安定した製氷能力を発揮することができる。
【0008】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項3の発明に係る自動製氷機は、
製氷部に配設した蒸発器に冷媒を供給すると共に、該製氷部に製氷水を供給することで氷塊を生成する製氷工程と、前記蒸発器にホットガスを供給すると共に、前記製氷部における蒸発器の配設側に除氷水供給手段によって除氷水を供給して該製氷部から氷塊を離脱させる除氷工程とを交互に繰り返す自動製氷機において、
時間を計時するタイマと、
制御手段と、
前記除氷水供給手段により製氷部へ供給する前の除氷水の温度を測定する水温測定手段と、
前記製氷工程において前記蒸発器に供給する前の冷媒の温度を測定する冷媒温度測定手段と、を備え、
前記制御手段は、前記水温測定手段による測定温度および前記冷媒温度測定手段による測定温度に応じて、除氷水の開始を遅延する給水開始時間を可変するよう構成され、
前記制御手段は、除氷工程に際し、前記蒸発器へのホットガスの供給を開始してからの前記タイマによる計時時間が前記給水開始時間となったことを条件として、前記製氷部への除氷水の供給を開始するように前記除氷水供給手段を制御するよう構成したことを要旨とする。
請求項3の発明によれば、除氷工程に際し、除氷水の供給開始を、ホットガスの供給開始から給水開始時間だけ遅延するよう構成したので、除氷水の供給開始までの間にホットガスにより蒸発器を充分に加熱することができ、除氷効率を向上し得る。従って、除氷に要する時間が長くなることで氷塊が必要以上に融けるのを防いで、日産製氷能力を向上することができる。また、除氷水の温度および除氷水の温度に影響を与える周囲温度に応じて変化する冷媒の凝縮温度に基づいて、除氷水の供給を遅延させる給水開始時間を可変するよう構成したので、除氷水の温度変化によって除氷工程に要する時間が可変するのを防いで、安定した製氷能力を発揮することができる。
【0009】
本願には、次のような技術的思想が含まれる。
前記蒸発器に冷媒を供給する冷凍部が設置される機械室の温度を測定する室温測定手段を備え、
前記制御手段は、前記室温測定手段による測定温度に応じて、前記給水開始時間を可変するよう構成したことを要旨とする。
この構成によれば、除氷水の温度に影響を与える周囲温度に応じて変化する機械室の温度に基づいて、除氷水の供給を遅延させる給水開始時間を可変するよう構成したので、除氷水の温度変化によって除氷工程に要する時間が可変するのを防いで、安定した製氷能力を発揮することができる。
【0010】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項2の発明に係る自動製氷機は、
製氷部に配設した蒸発器に冷媒を供給すると共に、該製氷部に製氷水を供給することで氷塊を生成する製氷工程と、前記蒸発器にホットガスを供給すると共に、前記製氷部における蒸発器の配設側に除氷水供給手段によって除氷水を供給して該製氷部から氷塊を離脱させる除氷工程とを交互に繰り返す自動製氷機において、
時間を計時するタイマと、
制御手段と、
前記除氷水供給手段により製氷部へ供給する前の除氷水の温度を測定する水温測定手段と、
前記蒸発器に冷媒を供給する冷凍部が設置される機械室の温度を測定する室温測定手段とを備え、
前記制御手段は、前記水温測定手段による測定温度および前記室温測定手段による測定温度に応じて、除氷水の開始を遅延する給水開始時間を可変するよう構成され、
前記制御手段は、除氷工程に際し、前記蒸発器へのホットガスの供給を開始してからの前記タイマによる計時時間が前記給水開始時間となったことを条件として、前記製氷部への除氷水の供給を開始するように前記除氷水供給手段を制御するよう構成したことを要旨とする。
請求項の発明によれば、除氷工程に際し、除氷水の供給開始を、ホットガスの供給開始から給水開始時間だけ遅延するよう構成したので、除氷水の供給開始までの間にホットガスにより蒸発器を充分に加熱することができ、除氷効率を向上し得る。従って、除氷に要する時間が長くなることで氷塊が必要以上に融けるのを防いで、日産製氷能力を向上することができる。また、除氷水の温度および機械室の温度に基づいて、除氷水の供給を遅延させる給水開始時間を可変するよう構成したので、より適正な給水開始時間で除氷水の供給開始を遅延させることができ、安定した製氷能力を発揮することができる。
【0011】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項の発明に係る自動製氷機は、
製氷部に配設した蒸発器に冷媒を供給すると共に、該製氷部に製氷水を供給することで氷塊を生成する製氷工程と、前記蒸発器にホットガスを供給すると共に、前記製氷部における蒸発器の配設側に除氷水供給手段によって除氷水を供給して該製氷部から氷塊を離脱させる除氷工程とを交互に繰り返す自動製氷機において、
前記蒸発器の出口温度を測定する温度測定手段と、
制御手段と、
前記制御手段に接続され、除氷水の開始を遅延するための給水開始温度を複数種類から選択可能な設定手段と、を備え、
前記制御手段は、除氷工程に際し、前記蒸発器へのホットガスの供給開始後に、前記温度測定手段の測定温度が前記設定手段で選択された給水開始温度となったことを条件として、前記製氷部への除氷水の供給を開始するように前記除氷水供給手段を制御するよう構成したことを要旨とする。
請求項4の発明によれば、除氷工程に際し、除氷水の供給開始を、ホットガスの供給開始から給水開始時間だけ遅延するよう構成したので、除氷水の供給開始までの間にホットガスにより蒸発器を充分に加熱することができ、除氷効率を向上し得る。従って、除氷に要する時間が長くなることで氷塊が必要以上に融けるのを防いで、日産製氷能力を向上することができる。
本願には、次のような技術的思想が含まれる。
製氷部に配設した蒸発器に冷媒を供給すると共に、該製氷部に製氷水を供給することで氷塊を生成する製氷工程と、前記蒸発器にホットガスを供給すると共に、前記製氷部における蒸発器の配設側に除氷水供給手段によって除氷水を供給して該製氷部から氷塊を離脱させる除氷工程とを交互に繰り返す自動製氷機において、
前記蒸発器の出口温度を測定する温度測定手段と、
制御手段とを備え、
前記制御手段は、除氷工程に際し、前記蒸発器へのホットガスの供給開始後に、前記温度測定手段の測定温度が給水開始温度となったことを条件として、前記製氷部への除氷水の供給を開始するように前記除氷水供給手段を制御するよう構成したことを要旨とする。
この構成では、除氷工程に際し、除氷水の供給開始を、ホットガスの供給開始から給水開始時間だけ遅延するよう構成したので、除氷水の供給開始までの間にホットガスにより蒸発器を充分に加熱することができ、除氷効率を向上し得る。従って、除氷に要する時間が長くなることで氷塊が必要以上に融けるのを防いで、日産製氷能力を向上することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る自動製氷機によれば、除氷に要する時間を短縮して日産製氷能力を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施例1の自動製氷機を示す概略図である。
図2】実施例1の自動製氷機の制御ブロック図である。
図3】実施例1の自動製氷機におけるタイミングチャート図である。
図4】実施例2の自動製氷機を示す要部概略図である。
図5】実施例3の自動製氷機を示す要部概略図である。
図6】実施例5の自動製氷機において、除氷水の温度と機械室の温度との組み合わせによって選択される給水開始時間の種類を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係る自動製氷機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。本発明は、所謂流下式の製氷機構部を備える自動製氷機に好適に適用し得るが、除氷工程に際して除氷水を用いるものであれば、クローズドセル方式やオープンセル方式等の密閉型の製氷機構、その他の製氷機構を備える自動製氷機についても採用し得る。
【実施例1】
【0015】
図1に示すように、実施例1に係る自動製氷機が備える流下式の製氷機構部10は、所定間隔離間して対向配置した垂直な製氷板(製氷部)12,12の対向面(裏面)に、冷凍系14から導出して横方向に蛇行する蒸発器16が密着固定され、製氷工程時に蒸発器16に冷媒(低温冷媒)を循環させて製氷板12,12を冷却するよう構成される。製氷機構部10の直下には、集水樋18が配設され、製氷工程に際し製氷板12,12の各製氷面(表面)に供給されて氷結に至らなかった製氷水が、集水樋18を介して製氷水タンク20に回収貯留されるようになっている。
【0016】
図1に示すように、前記製氷水タンク20から循環ポンプPMを介して導出した製氷水供給管22は、製氷板12,12の上方に設けた製氷水散布器24に接続している。製氷水散布器24には、多数の散水孔(図示せず)が穿設され、製氷工程時に製氷水タンク20から圧送された製氷水を、冷媒が循環する前記蒸発器16によって冷却されている製氷板12,12の製氷面に散水孔から散布して流下させるようになっている。そして、製氷水タンク20に貯留されている製氷水を、該製氷水タンク20に設けた後述するフロートスイッチFLが製氷終了水位WLを検知するまで、製氷水タンク20と製氷水循環経路(製氷水供給管22、製氷水散布器24、製氷板12,12、集水樋18)とに循環させることで、製氷板12,12の製氷面に所定の大きさの氷塊を生成するよう構成される。
【0017】
図1に示す如く、前記冷凍系14は、圧縮機CM、凝縮器CD、膨張弁EVおよび蒸発器16が、この順で冷媒管26,27,28により冷媒が循環するように接続して構成される。そして、製氷工程において、圧縮機CMで圧縮された気化冷媒が、吐出管(冷媒管)26を経て凝縮器CDで凝縮液化し、冷媒供給管(冷媒管)27を経て膨張弁EVで減圧された液化冷媒が、蒸発器16で蒸発する過程で製氷板12,12と熱交換を行って、各製氷板12を氷点下にまで冷却させるよう構成される。また、蒸発器16で蒸発した気化冷媒は、吸入管28を経て圧縮機CMに帰還するようになっている。なお、図1の符号FMは、凝縮器CDを冷却する冷却ファンである。更に、圧縮機CMの吐出管26からホットガス管30が分岐され、このホットガス管30はホットガス弁HVを経て、蒸発器16の入口側に連通されている。自動製氷機は、除氷工程において、ホットガス弁HVを開放してホットガス(高温冷媒)を圧縮機CMからホットガス管30を介して蒸発器16に直接供給することで、両製氷板12,12を加熱するようになっている。冷凍系14を構成する圧縮機CM、凝縮器CD、冷却ファンFM、膨張弁EVおよびホットガス弁HVからなる冷凍部14aは、前記製氷機構部10が配置される製氷室31aとは仕切られた機械室31bに配置され、冷媒は、製氷室31aに位置する蒸発器16と機械室31bに位置する冷凍部14aとの間を循環する。また、前記蒸発器16の出口側に、該蒸発器16の温度を測定することで内部を流通する冷媒の温度(出口温度)を監視する蒸発器用温度測定手段THが配設されている。
【0018】
前記自動製氷機は、除氷工程において製氷板12,12の裏側(蒸発器16の配設側)に除氷水を散布して、その昇温による除氷促進を行うための除氷水供給手段32が、製氷水タンク20や循環ポンプPM等の製氷水供給系とは別に設けられている。除氷水供給手段32は、図1に示す如く、外部水源に接続する給水管34と、対向する製氷板12,12の間の上部に設けられて給水管34が接続される除氷水散布器36と、給水管34に介挿された給水弁WVとを備える。すなわち自動製氷機は、除氷工程において給水弁WVを開放することで、ホットガスによる加熱と共に、外部水源からの常温の水を除氷水として除氷水散布器36に穿設した多数の散水孔(図示せず)を介して製氷板12,12の裏側に散布することで、製氷面に生成された氷塊の氷結面を融解させて、氷塊を自重により落下(離脱)させる。なお、製氷板12,12の裏側を流下した除氷水は、製氷水と同様に集水樋18を介して製氷水タンク20に回収され、これが次回の製氷水として使用される。また、製氷水タンク20に回収された除氷水は、貯水量を超えた分が後述するオーバーフロー管38から排水される。なお、実施例1の自動製氷機では、除氷工程において、蒸発器16の温度が後述する設定温度T1以上となったことを前記蒸発器用温度測定手段THが測定した後の除氷工程終了前に、前記循環ポンプPMを駆動して製氷水散布器24から製氷板12,12の製氷面に対し製氷水を供給して、氷塊の更なる離脱の促進を図るよう構成されている。
【0019】
前記製氷水タンク20には、図1に示す如く、製氷工程の開始時における製氷水の製氷開始水位WHを規定するオーバーフロー管(オーバーフロー部)38が、タンク底面から所定高さだけ上方に排出口を臨ませて設けられており、製氷開始水位WHを超えて供給される余剰の水(製氷水、除氷水)を外部に排出するよう構成される。また、製氷水タンク20には、水位検知手段としてのフロートスイッチFLが配設される。フロートスイッチFLは、製氷水の水位に応じて上下するフロート40を備え、製氷工程に際してフロート40が製氷終了水位WLまで下降したことをフロートスイッチFLが検知することで、製氷工程を終了して除氷工程に移行するよう構成される。
【0020】
図2に示すように、自動製氷機は、圧縮機CM、冷却ファンFM、循環ポンプPM、ホットガス弁HVおよび給水弁WVの各種機器類が制御手段Cに電気的に接続され、この制御手段Cにより制御されるようになっている。また自動製氷機は、前記蒸発器用温度測定手段THが制御手段Cに電気的に接続され、蒸発器用温度測定手段THによる測定温度が制御手段Cに入力される。また自動製氷機は、フロートスイッチFL等の検知手段が制御手段Cに電気的に接続され、これらの検知手段の信号が制御手段Cに入力される。更に、制御手段Cには、時間を計時するタイマ(計時手段)42,44が電気的に接続され、該タイマ42,44は制御手段Cの指令によって計時を開始する。実施例1の自動製氷機は、除氷工程における除氷水の供給を管理するための給水用タイマ42と、除氷工程の終了を管理するための除氷用タイマ44とを備える。
【0021】
実施例1の自動製氷機は、除氷工程に際して、前記製氷水タンク20に製氷開始水位WHより多くの製氷水(除氷水)が供給されるように、制御手段Cが前記除氷水供給手段32を制御して、予め設定された給水時間だけ給水を行うよう構成される。なお、前記冷却ファンFMは、製氷工程において駆動(ON)されて、除氷工程では停止(OFF)される。
【0022】
前記制御手段Cは、図3に示す如く、製氷工程において前記フロートスイッチFLが製氷終了水位WLを検知したことを条件として製氷工程から除氷工程に移行した際に、前記ホットガス弁HVを開放して蒸発器16にホットガスを供給すると共に、前記給水用タイマ42による計時を開始させる。そして、該給水用タイマ42による計時時間が予め設定された給水開始時間となった場合に、前記給水弁WVを開放して除氷水の供給を開始するよう構成される。すなわち、実施例1では、除氷工程に際して、蒸発器16へのホットガスの供給開始から給水開始時間だけ遅延して除氷水の供給を開始するよう構成される。なお、給水開始時間は、ホットガスのみによって蒸発器16が充分に加熱されて、氷塊の製氷板12,12との氷結面が融解して略落下直前の状態となる時間(例えば、20~30秒程度)に設定されるが、該給水開始時間は、製氷板12,12の大きさ等の各種の条件によって適宜に調節することができる。また、前記制御手段Cは、給水用タイマ42が給水開始時間を計時したときにリセットして該給水用タイマ42の計時を開始させ、該給水用タイマ42による計時時間が予め設定された前記給水時間となった場合に、前記給水弁WVを閉成して除氷水の供給を停止すると共に、前記循環ポンプPMを駆動して、製氷板12,12に製氷水を散布するよう構成される。
【0023】
ここで、前記制御手段Cは、前記蒸発器用温度測定手段THによって前記蒸発器16の温度を測定することで、除氷工程における氷塊の融解状況を判定して、各種機器類を制御する。具体的に、蒸発器用温度測定手段THによる測定温度が設定温度T1となった場合に、制御手段Cは前記除氷用タイマ44による計時を開始させる。そして、除氷用タイマ44による計時時間が予め設定された除氷終了時間となった場合に、前記ホットガス弁HVを閉成して除氷工程を停止して製氷工程に移行するよう構成される(図3参照)。なお、前記設定温度T1は、ホットガスおよび除氷水の供給により加熱された製氷板12,12において、その製氷面上の氷塊が融け始めて蒸発器16の出口付近の温度が殆ど変化しなくなる(飽和する)直前の温度(例えば、9℃程度)に設定される。また、除氷終了時間は、製氷板12,12から氷塊が完全に離脱し得る時間(例えば、60秒程度)に設定されるが、該除氷終了時間は、製氷板12,12の大きさ等の各種の条件によって適宜に調節することができる。
【0024】
〔実施例1の作用〕
次に、前述のように構成された実施例1の自動製氷機の作用について、図3に示すタイミングチャートを参照して説明する。
【0025】
前記製氷水タンク20に製氷開始水位WHで製氷水が貯留された状態で開始された製氷工程では、冷凍系14の冷凍運転により冷媒が循環する蒸発器16が冷却され、製氷板12,12を蒸発器16との熱交換により強制冷却する。このもとで、前記循環ポンプPMの駆動により前記製氷水タンク20から製氷板12,12に供給された製氷水は、製氷板12,12の上部から下部に向けて流下し、この流下過程で製氷板12,12の冷却されている部位に製氷水が接触することで徐々に冷却される。そして、製氷板12,12で氷結しない製氷水は、前記集水樋18を介して製氷水タンク20に回収された後、循環ポンプPMにより再び製氷板12,12に供給される。
【0026】
製氷工程が継続することで、製氷板12,12に製氷水が徐々に氷結するようになり、該製氷板12,12から製氷水タンク20に回収される製氷水の量が減少することに伴い、該タンク内の製氷水の水位が下がる。前記制御手段Cは、前記フロートスイッチFLが製氷終了水位WLを検知したことを条件として、製氷工程を終了して除氷工程を開始させる。この除氷工程では、図3に示す如く、前記ホットガス弁HVが開放して蒸発器16にホットガスが供給される。また、制御手段Cは、ホットガスの供給開始(ホットガス弁HVの開放)と同時に前記給水用タイマ42の計時を開始させる。すなわち、除氷工程の初期は、蒸発器16に供給されるホットガスによってのみ製氷板12,12が加熱されて、生成されている氷塊の氷結面が融解される。
【0027】
前記給水用タイマ42が給水開始時間を計時した場合、制御手段Cは除氷水供給手段32を制御(給水弁WVを開放)して、製氷板12,12への除氷水の供給を開始する。すなわち、給水弁WVを開放することで、外部水源からの常温の水が除氷水として前記除氷水散布器36を介して製氷板12,12の裏側に供給され、該除氷水が前記集水樋18を介して製氷水タンク20に貯留される。蒸発器16は、除氷水の供給開始が遅延している間(給水開始時間)に、ホットガスによって充分に加熱されて、製氷板12,12に氷結している氷塊は、該氷塊が略落下可能な程度まで氷結面が融解しており、除氷水が蒸発器16の表面を流下しても除氷時間に大きな影響を与えることはない。
【0028】
前記給水用タイマ42が給水開始時間を計時すると、前記制御手段Cは、該給水用タイマ42をリセットして再び給水用タイマ42の計時を開始させる。また、前記蒸発器用温度測定手段THによる測定温度が設定温度T1となった場合に、制御手段Cは前記除氷用タイマ44による計時を開始させる。給水用タイマ42が給水時間を計時すると、制御手段Cは、前記給水弁WVを閉成して除氷水の供給を停止すると共に、前記循環ポンプPMを駆動する。これにより、製氷水タンク20に貯留されている除氷水が製氷水散布器24を介して製氷板12,12の製氷面に供給され、氷塊の離脱を促進すると共に、製氷面に付着している氷片を除去することができる。そして、除氷用タイマ44が除氷終了時間を計時すると、制御手段Cは、前記ホットガス弁HVを閉成して除氷工程を停止して製氷工程に移行させる。
【0029】
このように、実施例1の自動製氷機は、除氷工程に際し、ホットガスの供給開始から給水開始時間だけ遅延させて除氷水を製氷板12,12に供給するよう構成したので、ホットガスによって加熱された蒸発器16が除氷水によって温度低下して除氷時間が長くなるのを防ぐことができる。すなわち、除氷時間が長くなることで氷塊が必要以上に融けて小さくなることで、日産製氷能力が低下するのを抑制することができる。また、給水用タイマ42よって除氷水の供給開始を遅延させるだけの簡単な構成であるので、コスト上昇を抑えたもとで製氷能力を向上することができる。
【実施例2】
【0030】
次に、実施例2に係る自動製氷機について、前記実施例1の構成と異なる部分についてのみ説明する。実施例1では、予め設定された固定(1つ)の給水開始時間だけ除氷水の供給開始を、ホットガスの供給開始から遅延させるよう構成したが、実施例2の自動製氷機では、除氷水の温度を測定し、その測定温度に基づいて除氷水の供給開始を遅延する時間(給水開始時間)を可変するよう構成される。
【0031】
具体的に、実施例2の自動製氷機では、図4に示す如く、前記給水管34における給水弁WVの介挿位置より上流側(外部水源側)に、製氷板(製氷部)12,12に供給される前の除氷水の温度を測定可能な水温測定手段TH1が設けられている。また、水温測定手段TH1が制御手段Cに電気的に接続され、該水温測定手段TH1による測定温度が制御手段Cに入力される。
【0032】
ここで、除氷工程に際して製氷板12,12に供給される除氷水が蒸発器16の表面を流下する構成において、ホットガスによって加熱される蒸発器16の昇温を抑制する影響は、除氷水の温度が高ければ小さく、該除氷水の温度が低ければ大きい。そこで、実施例2の制御手段Cは、水温測定手段TH1が高水温閾値温度WT1以上の温度を測定している場合、除氷水の供給開始を遅延する給水開始時間として高水温用給水開始時間を選択し、水温測定手段TH1が前記高水温閾値温度WT1より低い低水温閾値温度WT2以下の温度を測定している場合は、給水開始時間として前記高水温用給水開始時間より長い低水温用給水開始時間を選択し、水温測定手段TH1が高水温閾値温度WT1と低水温閾値温度WT2との間の温度を測定している場合、除氷水の供給開始を遅延する給水開始時間として高水温用給水開始時間と低水温用給水開始時間との間の長さの中間水温用給水開始時間を選択するよう構成される。なお、高水温閾値温度WT1、高水温用給水開始時間、中間水温用給水開始時間、低水温閾値温度WT2および低水温用給水開始時間は、実験等によって求めることができるものであって、例えば、高水温閾値温度WT1は20℃、高水温用給水開始時間は10秒、中間水温用給水開始時間は20秒、低水温閾値温度WT2は10℃、低水温用給水開始時間は30秒に設定される。そして、実験等によって求められた前記各閾値温度WT1、WT2や各給水開始時間は、制御手段Cの記憶部に記憶される。
【0033】
実施例2の自動製氷機では、前記水温測定手段TH1が高水温閾値温度WT1以上の温度を測定している場合、前記制御手段Cは、除氷工程における除氷水の供給開始を遅延する給水開始時間として、高水温用給水開始時間を選択する。すなわち、除氷工程に際し、ホットガスの供給開始(ホットガス弁HVの開放)と同時に計時を開始した前記給水用タイマ42が高水温用給水開始時間を計時したときに、制御手段Cは前記給水弁WVを開放して除氷水の供給を開始させる。また、水温測定手段TH1が高水温閾値温度WT1と低水温閾値温度WT2との間の温度を測定している場合、制御手段Cは、除氷工程における除氷水の供給開始を遅延する給水開始時間として、中間水温用給水開始時間を選択する。すなわち、除氷工程に際し、ホットガスの供給開始(ホットガス弁HVの開放)と同時に計時を開始した給水用タイマ42が中間水温用給水開始時間を計時したときに、制御手段Cは給水弁WVを開放して除氷水の供給を開始させる。また、水温測定手段TH1が低水温閾値温度WT2以下の温度を測定している場合、制御手段Cは、除氷工程における除氷水の供給開始を遅延する給水開始時間として、低水温用給水開始時間を選択する。すなわち、除氷工程に際し、ホットガスの供給開始(ホットガス弁HVの開放)と同時に計時を開始した給水用タイマ42が低水温用給水開始時間を計時したときに、制御手段Cは給水弁WVを開放して除氷水の供給を開始させる。
【0034】
実施例2の自動製氷機では、除氷水の温度の高低に応じて、除氷水の供給を開始するまでの給水開始時間を可変するよう構成したので、自動製氷機が設置される周囲温度(周囲環境)の変化に対応して適切な給水開始時間で除氷水の供給開始を遅延させることができる。すなわち、周囲温度の変化によって除氷工程に要する時間が可変するのを防いで、安定した製氷能力を発揮することができる。また、製氷板12,12に実際に供給される除氷水の温度を測定して給水開始時間の種類を選択するので、除氷水の供給を遅延する制御の精度を向上することができる。更に、水温測定手段TH1を追加するだけであるので、コスト上昇を抑えることができる。
【実施例3】
【0035】
次に、実施例3に係る自動製氷機について、前記実施例1の構成と異なる部分についてのみ説明する。実施例1では、予め設定された固定(1つ)の給水開始時間だけ除氷水の供給開始を、ホットガスの供給開始から遅延させるよう構成したが、実施例3の自動製氷機では、凝縮器CDによる冷媒の凝縮温度を測定し、その測定温度に基づいて除氷水の供給開始を遅延する時間(給水開始時間)を可変するよう構成される。
【0036】
具体的に、実施例3の自動製氷機では、図5に示す如く、前記凝縮器CDと膨張弁EVとを接続する前記冷媒供給管27(凝縮器CDの出口側)に、凝縮器CDで凝縮された冷媒(蒸発器16に供給される前の冷媒)の温度(凝縮器CDによる冷媒の凝縮温度)を測定可能な冷媒温度測定手段TH2が設けられている。また、冷媒温度測定手段TH2が制御手段Cに電気的に接続され、該冷媒温度測定手段TH2による測定温度が制御手段Cに入力される。
【0037】
ここで、製氷工程に際して前記凝縮器CDで凝縮された冷媒の凝縮温度は、自動製氷機が設置される周囲温度が高い場合は相対的に高くなり、周囲温度が低い場合は相対的に低くなる。そして、外部水源から供給される除氷水の温度も、周囲温度に比例する。すなわち、冷媒の凝縮温度が高い場合は、除氷水の温度も相対的に高くなり、冷媒の凝縮温度が低い場合は、除氷水の温度も相対的に低くなる。また、除氷水の温度の高低と、ホットガスによって加熱される蒸発器16の昇温を抑制する影響の大小は、前記実施例2の説明において記載した通りである。そこで、実施例3の制御手段Cは、冷媒温度測定手段TH2が高凝縮温閾値温度CT1以上の温度を測定している場合、除氷水の供給開始を遅延する給水開始時間として高凝縮温用給水開始時間を選択し、冷媒温度測定手段TH2が高凝縮温閾値温度CT1より低い低凝縮温閾値温度CT2以下の温度を測定している場合は、給水開始時間として高凝縮温用給水開始時間より長い低凝縮温用給水開始時間を選択し、冷媒温度測定手段TH2が高凝縮温閾値温度CT1と低凝縮温閾値温度CT2との間の温度を測定している場合、除氷水の供給開始を遅延する給水開始時間として高凝縮温用給水開始時間と低凝縮温用給水開始時間との間の長さの中間凝縮温用給水開始時間を選択するよう構成される。なお、高凝縮温閾値温度CT1、高凝縮温用給水開始時間、中間凝縮温用給水開始時間、低凝縮温閾値温度CT2および低凝縮温用給水開始時間は、実験等によって求めることができるものであって、例えば、高凝縮温閾値温度CT1は35℃、高凝縮温用給水開始時間は10秒、中間凝縮温用給水開始時間は20秒、低凝縮温閾値温度CT2は25℃、低凝縮温用給水開始時間は30秒に設定される。そして、実験等によって求められた前記各閾値温度CT1、CT2や各給水開始時間は、制御手段Cの記憶部に記憶される。
【0038】
実施例3の自動製氷機では、製氷工程において、前記冷媒温度測定手段TH2が高凝縮温閾値温度CT1以上の温度を測定している場合、前記制御手段Cは、自動製氷機の周囲温度が高く、外部水源から供給される除氷水の温度も高いと判断し、除氷工程における除氷水の供給開始を遅延する給水開始時間として、高凝縮温用給水開始時間を選択する。すなわち、除氷工程に際し、ホットガスの供給開始(ホットガス弁HVの開放)と同時に計時を開始した前記給水用タイマ42が高凝縮温用給水開始時間を計時したときに、前記制御手段Cは前記給水弁WVを開放して除氷水の供給を開始させる。また、製氷工程において、冷媒温度測定手段TH2が高凝縮温閾値温度CT1と低凝縮温閾値温度CT2との間の温度を測定している場合、制御手段Cは、除氷工程における除氷水の供給開始を遅延する給水開始時間として、中間凝縮温用給水開始時間を選択する。すなわち、除氷工程に際し、ホットガスの供給開始(ホットガス弁HVの開放)と同時に計時を開始した給水用タイマ42が中間凝縮温用給水開始時間を計時したときに、制御手段Cは給水弁WVを開放して除氷水の供給を開始させる。また、製氷工程において、冷媒温度測定手段TH2が低凝縮温閾値温度CT2以下の温度を測定している場合、制御手段Cは、自動製氷機の周囲温度が低く、外部水源から供給される除氷水の温度も低いと判断し、除氷工程における除氷水の供給開始を遅延する給水開始時間として、低凝縮温用給水開始時間を選択する。すなわち、除氷工程に際し、ホットガスの供給開始(ホットガス弁HVの開放)と同時に計時を開始した給水用タイマ42が低凝縮温用給水開始時間を計時したときに、給水弁WVを開放して除氷水の供給を開始させる。
【0039】
実施例3の自動製氷機では、除氷水の温度に影響を与える周囲温度の高低に応じて変化する冷媒の凝縮温度の高低に応じて、除氷水の供給を開始するまでの給水開始時間を可変するよう構成したので、自動製氷機が設置される周囲温度(周囲環境)の変化に対応して適切な給水開始時間で除氷水の供給開始を遅延させることができる。すなわち、周囲温度(除氷水の温度)の変化によって除氷工程に要する時間が可変するのを防いで、安定した製氷能力を発揮することができる。また、冷媒温度測定手段TH2を追加するだけであるので、コスト上昇を抑えることができる。
【実施例4】
【0040】
次に、実施例4に係る自動製氷機について、前記実施例1の構成と異なる部分についてのみ説明する。実施例1では、予め設定された固定(1つ)の給水開始時間だけ除氷水の供給開始を、ホットガスの供給開始から遅延させるよう構成したが、実施例4の自動製氷機では、前記機械室31bの温度(室温)を測定し、その測定温度に基づいて除氷水の供給開始を遅延する時間(給水開始時間)を可変するよう構成される。
【0041】
具体的に、実施例4の自動製氷機では、前記冷凍系14における冷凍部14aが配置される機械室31bに、該機械室31bの温度を測定可能な室温測定手段TH3が設けられている。なお、実施例4の自動製氷機で採用される室温測定手段TH3を、図1に二点鎖線で示している。そして、室温測定手段TH3が制御手段Cに電気的に接続され、該室温測定手段TH3による測定温度が制御手段Cに入力される。
【0042】
ここで、自動製氷機では、前記冷却ファンFMの運転によって機外の空気を機械室31bに取り込んで前記凝縮器CDを空冷しているので、該機械室31bの温度は、自動製氷機の設置場所の周囲温度に対応している。すなわち、周囲温度の高低に比例する除氷水の温度は、機械室31bの温度と対応する関係となっている。言い替えると、機械室31bの温度が高い場合は、外部水源から供給される除氷水の温度も相対的に高くなり、機械室31bの温度が低い場合は、外部水源から供給される除氷水の温度も相対的に低くなる。そこで、実施例4の制御手段Cは、室温測定手段TH3が高室温閾値温度RT1以上の温度を測定している場合、除氷水の供給開始を遅延する給水開始時間として高室温用給水開始時間を選択し、室温測定手段TH3が高室温閾値温度RT1より低い低室温閾値温度RT2以下の温度を測定している場合は、給水開始時間として高室温用給水開始時間より長い低室温用給水開始時間を選択し、室温測定手段TH3が高室温閾値温度RT1と低室温閾値温度RT2との間の温度を測定している場合、除氷水の供給開始を遅延する給水開始時間として高室温用給水開始時間と低室温用給水開始時間との間の長さの中間室温用給水開始時間を選択するよう構成される。なお、高室温閾値温度RT1、高室温用給水開始時間、中間室温用給水開始時間、低室温閾値温度RT2および低室温用給水開始時間は、実験等によって求めることができるものであって、例えば、高室温閾値温度RT1は35℃、高室温用給水開始時間は10秒、中間室温用給水開始時間は20秒、低室温閾値温度RT2は25℃、低室温用給水開始時間は30秒に設定される。そして、実験等によって求められた前記各閾値温度RT1、RT2や各給水開始時間は、制御手段Cの記憶部に記憶される。
【0043】
実施例4の自動製氷機では、製氷工程において、前記室温測定手段TH3が高室温閾値温度RT1以上の温度を測定している場合、前記制御手段Cは、自動製氷機の周囲温度が高く、外部水源から供給される除氷水の温度も高いと判断し、除氷工程における除氷水の供給開始を遅延する給水開始時間として、高室温用給水開始時間を選択する。すなわち、除氷工程に際し、ホットガスの供給開始(ホットガス弁HVの開放)と同時に計時を開始した前記給水用タイマ42が高室温用給水開始時間を計時したときに、制御手段Cは前記給水弁WVを開放して除氷水の供給を開始させる。また、製氷工程において、室温測定手段TH3が高室温閾値温度RT1と低室温閾値温度RT2との間の温度を測定している場合、制御手段Cは、除氷工程における除氷水の供給開始を遅延する給水開始時間として、中間室温用給水開始時間を選択する。すなわち、除氷工程に際し、ホットガスの供給開始(ホットガス弁HVの開放)と同時に計時を開始した給水用タイマ42が中間室温用給水開始時間を計時したときに、制御手段Cは給水弁WVを開放して除氷水の供給を開始させる。また、製氷工程において、室温測定手段TH3が低室温閾値温度RT2以下の温度を測定している場合、制御手段Cは、自動製氷機の周囲温度が低く、外部水源から供給される除氷水の温度も低いと判断し、除氷工程における除氷水の供給開始を遅延する給水開始時間として、低室温用給水開始時間を選択する。すなわち、除氷工程に際し、ホットガスの供給開始(ホットガス弁HVの開放)と同時に計時を開始した給水用タイマ42が低室温用給水開始時間を計時したときに、給水弁WVを開放して除氷水の供給を開始させる。
【0044】
実施例4の自動製氷機では、除氷水の温度に影響を与える周囲温度の高低に応じて変化する機械室31bの温度の高低に応じて、除氷水の供給を開始するまでの給水開始時間を可変するよう構成したので、自動製氷機が設置される周囲温度(周囲環境)の変化に対応して適切な給水開始時間で除氷水の供給開始を遅延させることができる。すなわち、周囲温度(除氷水の温度)の変化によって除氷工程に要する時間が可変するのを防いで、安定した製氷能力を発揮することができる。また、室温測定手段TH3を追加するだけであるので、コスト上昇を抑えることができる。
【実施例5】
【0045】
次に、実施例5に係る自動製氷機について、前記実施例1の構成と異なる部分についてのみ説明する。実施例1では、予め設定された固定(1つ)の給水開始時間だけ除氷水の供給開始を、ホットガスの供給開始から遅延させるよう構成したが、実施例5の自動製氷機では、除氷水の温度を測定すると共に、前記機械室31bの温度(室温)を測定し、両方の測定温度の関係に基づいて除氷水の供給開始を遅延する時間(給水開始時間)を可変するよう構成される。
【0046】
具体的に、実施例5の自動製氷機では、前記実施例2で採用される水温測定手段TH1および前記実施例4で採用される室温測定手段TH3を備え、両測定手段TH1,TH3での測定温度が制御手段Cに夫々入力される。そして、制御手段Cは、水温測定手段TH1による測定温度および室温測定手段TH3による測定温度に応じて、除氷水の供給開始を遅延する給水開始時間として適正な時間を選択するよう構成される。
【0047】
すなわち、実施例5の自動製氷機では、前記制御手段Cに、実施例2の水温測定手段TH1で測定される温度(水温)の閾値(高水温閾値温度WT1、低水温閾値温度WT2)および実施例4の室温測定手段TH3で測定される温度(水温)の閾値(高室温閾値温度RT1、低室温閾値温度RT2)が記憶されると共に、水温および室温の組み合わせによって選択可能な複数種類の給水開始時間が記憶されている。実施例5では、制御手段Cが選択可能な給水開始時間の種類として、第1給水開始時間、第2給水開始時間、第3給水開始時間、第4給水開始時間および第5給水開始時間の5種類が設定記憶されている。5種類の給水開始時間の長さは、第1給水開始時間、第2給水開始時間、第3給水開始時間、第4給水開始時間、第5給水開始時間の順で長くなっている。そして、水温測定手段TH1で測定される温度と、室温測定手段TH3で測定される温度との組み合わせによって制御手段Cが選択する給水開始時間の種類は、具体的には以下の通りとなっている(図6参照)。
・水温測定手段TH1が高水温閾値温度WT1以上の温度を測定していると共に、室温測定手段TH3が高室温閾値温度RT1以上の温度を測定している場合は、第1給水開始時間を選択する。
・水温測定手段TH1が高水温閾値温度WT1以上の温度を測定していると共に、室温測定手段TH3が高室温閾値温度RT1と低室温閾値温度RT2との間の温度を測定している場合および水温測定手段TH1が高水温閾値温度WT1と低水温閾値温度WT2との間の温度を測定していると共に、室温測定手段TH3が高室温閾値温度RT1以上の温度を測定している場合は、第2給水開始時間を選択する。
・水温測定手段TH1が高水温閾値温度WT1以上の温度を測定していると共に、室温測定手段TH3が低室温閾値温度RT2以下の温度を測定している場合、水温測定手段TH1が高水温閾値温度WT1と低水温閾値温度WT2との間の温度を測定していると共に、室温測定手段TH3が高室温閾値温度RT1と低室温閾値温度RT2との間の温度を測定している場合、および水温測定手段TH1が低水温閾値温度WT2以下の温度を測定していると共に、室温測定手段TH3が高室温閾値温度RT1以上の温度を測定している場合は、第3給水開始時間を選択する。
・水温測定手段TH1が高水温閾値温度WT1と低水温閾値温度WT2との間の温度を測定していると共に室温測定手段TH3が低室温閾値温度RT2以下の温度を測定している場合および水温測定手段TH1が低水温閾値温度WT2以下の温度を測定していると共に、室温測定手段TH3が高室温閾値温度RT1と低室温閾値温度RT2との間の温度を測定している場合は、第4給水開始時間を選択する。
・水温測定手段TH1が低水温閾値温度WT2以下の温度を測定していると共に、室温測定手段TH3が低室温閾値温度RT2以下の温度を測定している場合は、第5給水開始時間を選択する。
【0048】
前記第1~第5給水開始時間としては、例えば、第1給水開始時間が10秒、第2給水開始時間が15秒、第3給水開始時間が20秒、第4給水開始時間が25秒、第5給水開始時間が30秒に設定される。
【0049】
実施例5の自動製氷機では、外部水源から供給される除氷水の温度と、前記冷凍部14aが配置される前記機械室31bの温度との両方の温度を測定し、両測定温度の関係によって除氷水の供給開始を遅延させる給水開始時間の種類を選択するよう構成したので、何れか一方の測定温度でのみ給水開始時間を可変する場合に比べて、より最適な給水開始時間を選択することができる。
ここで、除氷工程におけるホットガスの温度は、自動製氷機の設置場所の周囲温度に対応する機械室31bの温度に比例する。また、前述したように、機械室31bの温度が高い場合は、外部水源から供給される除氷水の温度も相対的に高くなり、機械室31bの温度が低い場合は、外部水源から供給される除氷水の温度も相対的に低くなる。言い替えると、周囲温度の高低に比例する除氷水の温度は、除氷工程におけるホットガスの温度の高低に対応する関係となる。そこで、実施例5では、機械室31bの温度および除氷水の温度が何れも高い場合は、ホットガスの温度も高くなるものと判断して、給水開始時間を短かくし、機械室31bの温度および除氷水の温度が何れも低い場合は、ホットガスの温度も低くなるものと判断して、給水開始時間を長くすることで、安定した製氷能力を発揮し得ようにしたものである。
【実施例6】
【0050】
次に、実施例6に係る自動製氷機について、前記実施例1の構成と異なる部分についてのみ説明する。実施例1では、給水用タイマ42を用いて除氷水の供給開始を、ホットガスの供給開始から遅延させるよう構成したが、実施例6の自動製氷機では、前記蒸発器用温度測定手段(温度測定手段)THによる測定温度に基づいて、除氷水の供給開始を遅延させるよう構成される。
【0051】
具体的に、実施例6の自動製氷機では、除氷工程を開始した後、前記蒸発器用温度測定手段THが、予め設定された給水開始温度T2を測定したことを条件として、前記制御手段Cが前記給水弁WVを開放して除氷水の供給を開始するよう構成される。給水開始温度T2としては、除氷工程の開始と同時に供給が開始されたホットガスによって、蒸発器16が充分に加熱される、例えば0~3℃に設定される。なお、蒸発器用温度測定手段THは、蒸発器16の出口側の冷媒温度を測定していることから、該蒸発器用温度測定手段THが0℃を測定した時点では、該蒸発器用温度測定手段THの配設位置より上流側の蒸発器16の温度は測定温度より高くなっており、ホットガスが流通する蒸発器16によって加熱された製氷板12,12に生成している氷塊は、略落下可能な程度まで氷結面が融解している。
【0052】
すなわち、実施例6の自動製氷機は、除氷工程に際し、前記蒸発器用温度測定手段THが給水開始温度T2を測定するまで除氷水の供給開始を遅延するよう構成したので、前記実施例1と同様の作用効果を奏する。また、除氷水の供給開始を遅延する手段として、除氷終了を管理するための蒸発器用温度測定手段THを用いているので、部品点数が増加することはなく、コスト上昇を抑制できる。
【0053】
〔変更例〕
本願は、前述した各実施例の構成に限定されるものでなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
1.各実施例で説明した閾値温度や給水開始時間の具体的数値は一例であって、適宜に変更設定可能である。
2.各実施例では、製氷部として一対の製氷板を対向配置したが、1枚の製氷板で構成したものであってもよい。また、一対の製氷板からなる製氷部を複数備える構成であってもよい。
3.給水タイマによる給水開始時間(除氷水の遅延時間)を、任意に設定変更可能な構成を採用することができる。例えば、制御手段にダイヤル等の設定手段を接続し、該設定手段によって給水開始時間の種類を選択可能に構成すれば、上記2.で記載した製氷部(製氷機構)の構成の違いに応じて、給水開始時間として適正なものを選択することができる。すなわち、製氷機構の構成が異なれば、製氷部から氷塊が離脱するまでの時間は異なるので、設定手段によって給水開始時間の種類を選択可能に制御系を構成すれば、製氷機構の構成が異なる多機種の制御系を共通化することができる。
なお、実施例2、3、4、5においては、設定手段によって給水開始時間の種類を選択するのではなく、給水開始時間を選択する指標となる製氷水の閾値温度、冷媒の閾値温度、機械室の閾値温度を選択することで、適正な種類の給水開始時間が選択されるようになっていればよい。
4.実施例6において、除氷水の供給開始を遅延するための給水開始温度を、制御手段に接続したダイヤル等の設定手段によって複数種類から選択可能に構成すれば、製氷機構の構成が異なる多機種において制御系を共通化することができる。
5.実施例5では、除氷水の温度および機械室の温度に基づいて、適正な種類の給水開始時間を選択するよう構成したが、除氷水の温度および冷媒の凝縮温度(実施例3)の組み合わせや、冷媒の凝縮温度(実施例3)および機械室の温度(実施例4)の組み合わせに基づいて、適正な種類の給水開始時間を選択する構成を採用することができる。すなわち、除氷水の温度変化に関係する指標となる複数種類の温度を測定し、該複数種類の温度の組み合わせに基づいて、適正な種類の給水開始時間が選択される構成を採用し得る。
6.実施例5では、機械室の温度および除氷水の温度によってホットガスの温度の高低を判断して給水開始時間を複数種類から選択するよう構成したが、ホットガスの温度を直接測定して、その測定温度から給水開始時間を選択する構成を採用し得る。なお、ホットガスの測定温度に基づいて選択可能な給水開始時間については、予め実験等によって求めた複数種類の時間を測定温度に対応して制御手段に記憶しておけばよい。
【符号の説明】
【0054】
12 製氷板(製氷部),14a 冷凍部,16 蒸発器,31b 機械室
32 除氷水供給手段,42 給水用タイマ(タイマ),C 制御手段
TH 蒸発器用温度測定手段(温度測定手段),TH1 水温測定手段
TH2 冷媒温度測定手段,TH3 室温測定手段,T2 給水開始温度
図1
図2
図3
図4
図5
図6