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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-19
(45)【発行日】2022-10-27
(54)【発明の名称】端子圧着機械用の圧着工具
(51)【国際特許分類】
   H01R 43/048 20060101AFI20221020BHJP
   B21F 15/00 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
H01R43/048 Z
B21F15/00 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019557596
(86)(22)【出願日】2018-04-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-16
(86)【国際出願番号】 IB2018052362
(87)【国際公開番号】W WO2018197973
(87)【国際公開日】2018-11-01
【審査請求日】2019-10-28
(31)【優先権主張番号】15/496,526
(32)【優先日】2017-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】399132320
【氏名又は名称】ティーイー・コネクティビティ・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100121533
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 まどか
(72)【発明者】
【氏名】モリス,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】カラッシュ,クリストファー ジョン
【審査官】藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-141909(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0679558(KR,B1)
【文献】特開平10-050451(JP,A)
【文献】特開2005-141965(JP,A)
【文献】特開2016-046169(JP,A)
【文献】特表2000-513482(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0212147(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 43/027-43/048
B21F 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子(120)をワイヤ(122)に圧着する端子圧着機械(102)用の圧着工具(100)であって、
前記圧着工具(100)は、
- 板(300)を有するベース(152)と、前記板(300)によって支持されたアンビル(150)と、を備え、圧着中に前記端子を支持する下部工具アセンブリ(128)と、
- ワイヤクリンパ(140)と、前記ワイヤクリンパを保持するワイヤクリンパホルダ(142)とを備え、圧着中に前記端子を前記ワイヤの周りに形成する上部工具(126)とを備え、
前記ワイヤクリンパ(140)は、
・ 本体(174)と、
・ 前記本体(174)から延びている第1の脚部(184)および第2の脚部(186)とを有し、
前記第1の脚部および第2の脚部は、前記端子を受け取るように構成された圧着スロット(180)の両側に設けられ、前記圧着スロット(180)は、圧着中に前記端子を形成するように構成された圧着プロファイルを有し、
前記ワイヤクリンパホルダ(142)は、
・ 上端(200)および下端(202)と、
・ 前面(204)および後面(206)と、
・ 第1の側面(208)および第2の側面(210)と、
・ 前記下端(202)に形成されたポケット(212)と、を有し、
前記ポケットは、前記ワイヤクリンパ(140)の前記本体(174)を受け取り、前記ワイヤクリンパは、前記第1の脚部(184)および前記第2の脚部(186)が前記下端(202)より下に延びて前記端子に係合するように前記ポケット内で前記ワイヤクリンパホルダに固定され、
前記ワイヤクリンパホルダ(142)は、
・ 前記第1の側面(208)にある第1の押圧面(242)と、
・ 前記第2の側面(210)にある第2の押圧面(244)と、
・ 前記第1の側面にある第1の位置合わせ面(230)と、
・ 前記第2の側面にある第2の位置合わせ面(232)と、を有し、
前記ワイヤクリンパホルダ(142)は、前記第1の押圧面(242)および前記第2の押圧面(244)より上にプラグ(220)を含み、前記プラグ(220)は、前記第1の位置合わせ面(230)および前記第2の位置合わせ面(232)を含み、前記プラグ(220)は、ターミネータラム(136)のプラグチャンバ(252)に直接差し込まれるように構成され、したがって前記第1の位置合わせ面(230)および前記第2の位置合わせ面(232)は、前記ターミネータラム(136)の前記プラグチャンバ(252)直接係合して、前記ターミネータラム(136)に対する前記ワイヤクリンパホルダ(142)の左右位置を保持し、
前記ターミネータラム(136)は、前記ワイヤクリンパホルダ(142)の前記プラグ(220)を受け取る前記プラグチャンバ(252)を有する本体(250)を含み
記第1の押圧面(242)および前記第2の押圧面(244)は、前記ターミネータラムに係合し、圧着中に前記ターミネータラムによって下方へ押圧されるように構成され、
前記プラグ(220)は、前記プラグチャンバ(252)内で前記ターミネータラム(136)の前記本体(250)に解放可能に固定されるように構成されており、
前記圧着中に、前記ターミネータラム(136)の前記本体(250)の底面(258)が、前記ターミネータラム(136)の前記底面(258)の真下に位置する前記第1の押圧面(242)および前記第2の押圧面(244)に当接し、
前記第1の位置合わせ面(230)および前記第2の位置合わせ面(232)は、前記上部工具(126)の運動軸に対して非平行で傾斜している、
圧着工具(100)。
【請求項2】
前記ワイヤクリンパホルダ(142)の位置が、前記ターミネータラム(136)によって制御されている、
請求項1に記載の圧着工具(100)。
【請求項3】
前記プラグ(220)は、上端(200)に開いたスロット(222)と、前記スロット(222)にまたがるようにして前記プラグ(220)内に受け取られる掛止ピン(224)と、を含み、
前記掛止ピン(224)は、前記ワイヤクリンパホルダ(142)を前記ターミネータラム(136)に解放可能に結合するように構成される、
請求項1または2に記載の圧着工具(100)。
【請求項4】
前記ワイヤクリンパホルダ(142)は、前記ポケット(212)内で前記ワイヤクリンパを位置決めするように前記ワイヤクリンパ(140)に係合する締結具(226)を含み、
前記ワイヤクリンパは、前記締結具(226)に対して垂直に位置決め可能である、
請求項1に記載の圧着工具(100)。
【請求項5】
前記ワイヤクリンパホルダ(142)は、前記ポケット(212)内で前記ワイヤクリンパ(140)を固定する締結具(226)を含み、
前記第1の位置合わせ面(230)および前記第2の位置合わせ面(232)は、前記締結具に対して所定の垂直距離をあけて位置する、
請求項1に記載の圧着工具(100)。
【請求項6】
前記ワイヤクリンパ(140)は、前記ワイヤクリンパの圧着高さを調整するために、前記ワイヤクリンパホルダ(142)の前記ポケット(212)内で可変に位置決め可能である、
請求項1に記載の圧着工具(100)。
【請求項7】
前記プラグ(220)は掛止要素(224)を含み、
前記掛止要素(224)は、前記ターミネータラム(136)に解放可能に係合して前記ワイヤクリンパホルダ(142)を前記ターミネータラムに解放可能に結合するように構成されている、
請求項1に記載の圧着工具(100)。
【請求項8】
前記ワイヤクリンパホルダ(142)は、前記ワイヤクリンパホルダ(142)から延びている支持部材(144)を、前記ワイヤクリンパ(140)から離れて含み、
前記支持部材(144)は、前記上部工具(126)が前記ターミネータラム(136)から取り外されたとき、前記上部工具(126)を前記下部工具アセンブリ(128)上で支持するように構成されている、
請求項1に記載の圧着工具(100)。
【請求項9】
前記板(300)に取外し可能に結合された端子ガイド(154)をさらに備え、
前記端子ガイドは、前記アンビル(150)と位置合わせされている、
請求項1に記載の圧着工具(100)。
【請求項10】
前記端子ガイド(154)は、前記端子ガイドの供給スライド(384)のためのハードストップを画定して後退方向における前記供給スライドの動きを制限する供給ストップ(394)を含み、
前記供給ストップは、前記端子ガイドのガイドマウント(372)に沿って可変に位置決め可能であり、取付けブラケット(390)の位置を調整し、それによって前記端子ガイドに供給機構(156)を配置する、
請求項に記載の圧着工具(100)。
【請求項11】
前記板(300)は、前面(330)、後面(332)、第1の側面(334)、および第2の側面(336)を含み、
前記アンビル(150)は、前記第1の側面(334)と前記第2の側面(336)との間に固定されており、前記ワイヤクリンパ(140)に対する前記アンビルの前後位置を調整するために、前記前面と前記後面との間で調整可能である、
請求項1に記載の圧着工具(100)。
【請求項12】
前記板(300)は、前記アンビル(150)を受け取って前記アンビルを前記板に対して位置決めする位置決めスロット(304)を含む、
請求項1に記載の圧着工具(100)。
【請求項13】
前記アンビル(150)の前方にあるワイヤ支持体(310)と、前記アンビルの後方にある端子支持体(312)とをさらに備え、
前記ワイヤ支持体および前記端子支持体は、前記板(300)に結合されている、
請求項1に記載の圧着工具(100)。
【請求項14】
前記板は上板(300)であり、前記ベース(152)は、前記上板に固定された下板(302)をさらに備え、
前記下板は、前記端子圧着機械(102)に取外し可能に結合されている、
請求項1に記載の圧着工具(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の主題は、一般に、電気端子をワイヤに圧着する端子圧着機械用の圧着工具に関する。
【背景技術】
【0002】
端子圧着機械は、コネクタ業界において様々なケーブルを高速で大量に終端するために長く使用されてきた。端子圧着機械がアプリケータと呼ばれる交換可能な工具アセンブリを有することは、一般的な慣行である。通常、そのような端子圧着機械は、ターミネータまたはプレスと呼ばれるが、リードメーカまたはベンチ機械など、他のタイプの端子圧着機械も同様に使用することができる。アプリケータは、典型的には、ターミネータの枠に取り付けられる。アプリケータはアプリケータラムを含み、アプリケータラムはターミネータのターミネータラムに動作可能に結合される。アプリケータは、アンビルおよびワイヤクリンパなどの圧着工具を保持しており、圧着工具は、可動のアプリケータラムに取り付けられる。圧着中、ターミネータラムはアプリケータラムを動かし、アプリケータラムは、圧着行程中にアンビルに対してワイヤクリンパを動かして、端子またはコネクタをワイヤの端部に圧着する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、これらの周知の端子圧着機械に欠点がないわけではない。たとえば、アプリケータはかさばり、圧着工具および端子ガイドなどの他の構成要素を支持するハウジングを有する。ハウジングは、圧着区間の周りの空間の大部分を占めており、圧着工程を監視するカメラまたは他のセンサなどの他の構成要素を圧着区間付近に配置することを困難にする。加えて、アプリケータは、アンビルに対するワイヤクリンパの配置に対して厳しい公差を有し、圧着行程中にアンビルに対するワイヤクリンパの位置を制御するように設計されるため、アプリケータは製造するのが高価な構成要素である。
【0004】
従来よりもかさばらない端子圧着機械を製造コストを抑えて提供するために、 端子圧着機械用の圧着工具を改良することを課題とする
【課題を解決するための手段】
【0005】
この問題は、請求項1に記載の端子圧着機械用の圧着工具によって解決される。本発明によれば、端子をワイヤに圧着する端子圧着機械用の圧着工具が提供され、圧着工具は、圧着中にワイヤの周りに端子を形成する上部工具を含む。上部工具は、ワイヤクリンパと、ワイヤクリンパを保持するワイヤクリンパホルダとを含む。ワイヤクリンパホルダは、端子圧着機械のターミネータラムに取外し可能に直接結合され、ターミネータラムによって駆動される。圧着工具は、圧着中に端子を支持する下部工具アセンブリを含む。下部工具アセンブリは、板を有するベースと、板によって支持されたアンビルとを有する。ベースは、端子圧着機械に取外し可能に直接結合される。
【0006】
本発明について、添付の図面を参照して例として次に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】例示的な実施形態による端子圧着機械内に取り付けられた圧着工具の正面斜視図である。
図2】例示的な実施形態による上部工具の斜視図である。
図3】例示的な実施形態による上部工具の分解図である。
図4】ターミネータラムに結合された上部工具を示す端子圧着機械の一部分の正面斜視図である。
図5】ターミネータラムに結合された上部工具を示す端子圧着機械の一部分の正面斜視図である。
図6】ターミネータラムに結合された上部工具を示す端子圧着機械の一部分の正面図である。
図7】ターミネータラムに結合された上部工具を示す端子圧着機械の一部分の側面図である。
図8】例示的な実施形態による終端工具用の下部工具アセンブリの斜視図である。
図9】例示的な実施形態による下部工具アセンブリの正面斜視図である。
図10】例示的な実施形態による下部工具アセンブリの背面斜視図である。
図11】例示的な実施形態による下部工具アセンブリの一部分の背面斜視図である。
図12】例示的な実施形態による下部工具アセンブリの一部分の上面斜視図である。
図13】例示的な実施形態による下部工具アセンブリの一部分の底面斜視図である。
図14】後退位置で下部工具アセンブリに対して位置決めされた上部工具を示す図である。
図15】後退位置で下部工具アセンブリに対して位置決めされた上部工具を示す端子圧着機械の一部分を示す図である。
図16】端子圧着機械の一部分を示す図である。
図17】供給機構を有する下部工具アセンブリインターフェースを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、コネクタまたは端子をワイヤに圧着する例示的な実施形態による端子圧着機械102を示す。図示の実施形態では、端子圧着機械102はターミネータであるが、ベンチ機械、リードメーカ、プレスなどの他のタイプの端子圧着機械も同様に使用することができる。端子圧着機械102は、端子120をワイヤ122に終端させるために使用される。端子圧着機械102は、圧着工具100を使用して、端子120をワイヤ122に圧着する。たとえば、圧着工具100は、上部工具126と、下部工具129を有する下部工具アセンブリ128とを含む。端子120およびワイヤ122は、上部工具126と下部工具129との間に圧着される。例示的な実施形態では、圧着工具100は、端子圧着機械102に取外し可能に結合される。しかし代替実施形態では、圧着工具100を端子圧着機械102に取外し不能に結合することもできる。
【0009】
端子圧着機械102は、ターミネータ枠130と、端子圧着機械102の底部にあるベース132とを含む。下部工具アセンブリ128は、ベース132によって支持することができる。任意選択で、下部工具アセンブリ128は、ベース132から取外し可能とすることができる。ターミネータ枠130は、移動方向(たとえば、上下)に可動のターミネータラム136を支持する。ターミネータラム136は上部工具126を支持しており、上部工具126は、圧着中にターミネータラム136とともに可動である。上部工具126は、従来の端子圧着機械で典型的な別個のアプリケータまたはアプリケータラムを必要とすることなく支持される。動作中、ターミネータラム136は、端子圧着機械102の駆動機構またはアクチュエータ138によって圧着行程を介して作動または駆動される。圧着工具100は、ターミネータラム136に結合されており、従来の機械で一般的な介在アプリケータおよびアプリケータラムなどを必要とすることなく、ターミネータラム136によって圧着行程を介して駆動される。
【0010】
例示的な実施形態では、上部工具126は、ワイヤクリンパ140およびワイヤクリンパホルダ142を含む。ワイヤクリンパ140は、圧着中に端子120をワイヤ122に圧着するように構成される。ワイヤクリンパホルダ142は、ターミネータラム136に結合するように構成される。例示的な実施形態では、上部工具126は、ワイヤクリンパホルダ142から延びる支持部材144を含む。支持部材144は、上部工具126がターミネータラム136から取り外されたとき、上部工具126を下部工具アセンブリ128上で支持するために使用される。たとえば、上部工具126は、使用中ではなくターミネータラム136から取り外されているとき、下部工具アセンブリ128とともに保管することができる。支持部材144は、下部工具アセンブリ128に係合し、上部工具126を下部工具アセンブリ128上で支持する。
【0011】
例示的な実施形態では、下部工具129は、ベース152によって支持されたアンビル150を含む。アンビル150は、圧着中に端子120を支持するために使用される。例示的な実施形態では、下部工具アセンブリ128は、端子120を圧着区間118へ案内するために使用される端子ガイド154を含む。端子ガイド154は、ベース152によって支持されており、ベース152とともに端子圧着機械102から取外し可能である。例示的な実施形態では、端子ガイド154を動作させる供給機構156が提供される。図示の実施形態では、供給機構は、端子圧着機械102に結合されており、下部工具アセンブリ128が端子圧着機械102に結合されると端子ガイド154に係合する。例示的な実施形態では、供給機構156は端子圧着機械102に留まっており、下部工具アセンブリ128は、ベース152に結合された支持部材158を含む。支持部材158は、上部工具126を下部工具アセンブリ128とともに保管するためなど、上部工具126がターミネータラム136から取り外されたときに上部工具126を支持するために使用される。図示の実施形態では、支持部材158は、開口を有するブロックであり、支持部材144は、支持部材158の開口内に受け取られるように構成された支柱である。代替実施形態では、上部工具126を下部工具アセンブリ128に固定する他のタイプの支持部材を提供することもできる。たとえば、支持部材は、クリップ、ブラケット、マウント、または他のタイプの支持部材を含むことができる。
【0012】
圧着中、ターミネータラム136は、アクチュエータ138によって駆動される。ターミネータラム136に結合された上部工具126のワイヤクリンパ140は、ターミネータラム136とともに駆動される。アンビル150は、圧着工程中に端子120およびワイヤ122を支持し、ワイヤクリンパ140は、圧着工程中にワイヤ122の周りに端子120を形成して、端子120をワイヤ122に機械的かつ電気的に接続する。ワイヤクリンパ140は、圧着行程中にアンビル150に対して前進方向および後退方向に可動である。ワイヤクリンパ140は、圧着行程の上部にある解放位置から、圧着行程の下部にある下死点位置などを通って圧着位置へ進み、次いで解放位置へ戻るように、圧着行程を介して駆動される。圧着行程は、前進または下方成分と、戻りまたは上方成分との両方を有する。任意選択で、ワイヤクリンパ140は、端子120をワイヤ122の導体に圧着する導体クリンパと、端子120をワイヤ122の外装などの絶縁体に圧着する絶縁体クリンパとの両方を含むことができる。
【0013】
動作中、ワイヤクリンパ140は、アンビル150に向かって初期接触位置まで下方へ前進し、初期接触位置で、ワイヤクリンパ140は端子120に最初に接触する。ワイヤクリンパ140は、進行方向(前進方向)として下方へ下死点位置まで進む。ワイヤクリンパ140が初期接触位置から下死点位置へ前進するにつれて、ワイヤクリンパ140は圧着行程の圧着形成段階を進む。圧着形成段階中、ワイヤ122の周りに端子120が形成される。圧着工具100は、圧着形成段階中にワイヤ122の周りで端子120の形状を変化させる。ワイヤ122への端子120の圧着は、圧着行程の下方成分中に行われる。次いでワイヤクリンパ140は、上方へ圧着行程の上部にある解放位置まで戻る。圧着行程の解放段階中のある地点で、ワイヤクリンパ140は端子120から分離され、この地点をワイヤクリンパ140の分離位置と呼ぶ。端子120およびワイヤ122の金属材料の弾性によって、端子120およびワイヤ122は、ワイヤクリンパ140が下死点位置から解放された後にわずかに跳ね返る。解放位置で、ワイヤクリンパ140は、アンビル150および端子120から離れて位置決めされる。
【0014】
図2は、例示的な実施形態による圧着工具100の上部工具126の斜視図である。図3は、例示的な実施形態による上部工具126の分解図である。ワイヤクリンパ140は、ワイヤクリンパホルダ142によって保持される。
【0015】
例示的な実施形態では、ワイヤクリンパ140は、導体クリンパ160と、絶縁体クリンパ162と、端子せん断デプレッサ164と、様々な構成要素間に位置決めされるように構成されたスペーサ166とを含む。これらの構成要素は、ワイヤクリンパ140をワイヤクリンパホルダ142に固定する締結具170を受け取る開口168を含む。任意選択で、開口168は、ワイヤクリンパ140の圧着高さを制御するためなど、導体クリンパ160および/または絶縁体クリンパ162が締結具170に対して垂直に動くことを可能にするように、長円形とすることができる。たとえば、導体クリンパ160および/または絶縁体クリンパ162は、ワイヤクリンパ140の圧着面の垂直位置を調整し、したがって圧着高さを調整するために、締結具170およびワイヤクリンパホルダ142に対して上下に動かすことができる。導体クリンパ160は、端子120をワイヤ122の導体に圧着するために使用される。絶縁体クリンパ162は、端子120をワイヤの外装などのワイヤ122の絶縁体に圧着するために使用される。端子せん断デプレッサ164は、シャーを作動させて端子120をこれらの端子用のキャリアストリップから分離するために使用される。他の様々な実施形態では、ワイヤクリンパ140は、追加の構成要素を含んでもよく、またはより少ない構成要素を含んでもよい。たとえば、様々な実施形態では、ワイヤクリンパ140を導体クリンパ160に制限することができる。
【0016】
ワイヤクリンパ140の導体クリンパ160は、ワイヤクリンパ140の底部178とは反対側のワイヤクリンパ140の上部176にある本体174を含む。本体174は、ワイヤクリンパホルダ142に結合するように構成される。開口168は、締結具170を受け取ってワイヤクリンパ140をワイヤクリンパホルダ142に固定するように、本体174内に設けられる。ワイヤクリンパ140の導体クリンパ160は、圧着中に端子120を形成する圧着プロファイルを有する圧着スロット180を含む。圧着スロット180は、ワイヤクリンパ140の底部178に開いたベルマウスを有する。圧着スロット180は、端子120を受け取る受取り空間を画定する。ベルマウスは、圧着スロット180への引込みとして外方へ遷移する。
【0017】
圧着スロット180は、圧着スロット180の両側にある第1の脚部184および第2の脚部186によって画定される。脚部184、186は、圧着スロット180の境界となる内縁部188を有し、内縁部188は、圧着スロット180の上部に圧着プロファイルを画定する。脚部184、186は、内縁部188の反対側に外縁部190を有する。内縁部188は概して、圧着スロット180を介して互いに対向することができ、外縁部190は、互いに反対側を向くことができる。
【0018】
圧着スロット180の圧着プロファイルは、圧着中に端子120を形成し、圧着された端子の形状を画定する。たとえば内縁部188は、圧着工程中、端子の壁に係合し、圧着プロファイルに対して壁を形成する。圧着工程中、端子120の壁を折り畳み、ワイヤ122内へ押し込むことができる。圧着プロファイルは、端子120に沿ってFクリンプなどの開バレルクリンプを形成するような形状とすることができる。例示的な実施形態では、内縁部188は、高精度圧着プロファイルを画定するように、放電加工(EDM)またはワイヤEDM処理によって形成することができる。内縁部188は、ワイヤクリンパ140のミリングもしくは研削または3D印刷もしくは鍛造などの他の除去処理によって形成することもできる。
【0019】
ワイヤクリンパホルダ142は、上端200および下端202、前面204および後面206、ならびに第1の側面208および第2の側面210を有する。ワイヤクリンパホルダ142は、ワイヤクリンパ140を受け取るポケット212を下端202に有する。たとえば、本体174は、ポケット212内に受け取られ、締結具170を使用してポケット212内に固定される。例示的な実施形態では、ポケット212は、下端202に開いており、したがってワイヤクリンパ140は、ワイヤクリンパホルダ142より下に延び、圧着中に端子120に係合する。任意選択で、ポケット212は、ワイヤクリンパ140をポケット212に装入するために、前面204に開いていてもよい。ポケット212は、ワイヤクリンパ140を受け取るようなサイズおよび形状である。例示的な実施形態では、ポケット212は、ポケット212内のワイヤクリンパ140の動き(たとえば、回転)を制限するポケット壁214を含む。ポケット壁214は概して、ワイヤクリンパホルダ142内のワイヤクリンパ140の位置を固定することができる。
【0020】
ワイヤクリンパホルダ142は、上端200にプラグ220を含む。プラグ220は、ターミネータラム136(図1に示す)に装入されるように構成される。図示の実施形態では、プラグ220は略箱形である。プラグ220は、上端200、前面204、および後面206によって画定され、第1の側面208の一部分および第2の側面210の一部分を画定する。例示的な実施形態では、プラグ220は、上端200に開いたスロット222を含む。プラグ220は、プラグ220内に受け取られた掛止要素224を含む。図示の実施形態では、掛止要素224は、スロット222にまたがる掛止ピンである。代替実施形態では、他のタイプの掛止要素を使用することもできる。図示の実施形態では、開口228を有する締結具226が、プラグ220内に受け取られて掛止要素224を受け取るように構成される。たとえば、掛止要素224は、開口228内に受け取られる。任意選択で、開口228は、絶縁体クリンパ162の圧着高さを制御するためなど、締結具226が掛止要素224に対して垂直に動くことを可能にするように、長円形である。たとえば、締結具226は、ワイヤクリンパホルダ142内の絶縁体クリンパ162の垂直位置を調整するために、ワイヤクリンパホルダ142に対して上下に動かすことができる。
【0021】
ワイヤクリンパホルダ142は、第1の位置合わせ面230および第2の位置合わせ面232を含む。位置合わせ面230、232は、プラグ220に沿って設けられており、ターミネータラム136内にワイヤクリンパホルダ142を配置するために使用される。たとえば、第1の位置合わせ面230および第2の位置合わせ面232は、ターミネータラム136に係合して、ターミネータラム136に対するワイヤクリンパホルダ142の左右位置を保持する。位置合わせ面230、232の位置はまた、上部工具126の圧着高さを制御することができる。たとえば、位置合わせ面230、232間の相対位置およびワイヤクリンパ140の取付け位置(たとえば、締結具170の取付け位置)を制御することによって、ターミネータラム136に対するワイヤクリンパ140の位置、したがって圧着高さを制御することができる。様々な応用例では、位置合わせ面230、232の相対位置が異なる(たとえば、異なる垂直高さに位置する)様々なワイヤクリンパホルダ142を設けることができ、それによって、どのワイヤクリンパホルダ142が選択され、ワイヤクリンパ140とともに使用されるかに応じて、上部工具126の圧着高さを制御することができる。図示の実施形態では、第1の位置合わせ面230および第2の位置合わせ面232は非平行である。たとえば、第1の位置合わせ面230および第2の位置合わせ面232は、上部工具126の圧着軸234に対して傾斜している。図示の実施形態では、第1の位置合わせ面230および第2の位置合わせ面232は、位置合わせ面230、232が概ね外向き上方を向くように傾斜している。任意選択で、位置合わせ面230、232は、ターミネータラム136に対してワイヤクリンパホルダ142をキー連結する切欠き、バンプ、チャネル、開口、突起、または他の機構を含むことができる。
【0022】
ワイヤクリンパホルダ142は、第1の側面208および第2の側面210から延びる押圧フランジ240を含む。押圧フランジ240は、圧着工程中にターミネータラム136が押圧する肩部を画定する。押圧フランジ240は、圧着工程中にターミネータラム136が押圧する第1の押圧面242および第2の押圧面244を含む。図示の実施形態では、第1の押圧面242および第2の押圧面244は上向きであるが、代替実施形態では、押圧面242、244は、圧着軸234に対して任意の向きを有することもできる。押圧面242、244は、ターミネータラム136に係合するように構成され、圧着中にターミネータラム136によって下方へ押圧されるように構成される。例示的な実施形態では、プラグ220は、押圧面242、244より上に画定される。任意選択で、位置合わせ面230、232は、それぞれ押圧面242、244から上方へ延びることができる。
【0023】
例示的な実施形態では、支持部材144は、ワイヤクリンパホルダ142に結合するように構成される。たとえば、支持部材144は、締結具を使用して後面206に結合することができる。任意選択で、支持部材144は、第1の側面208またはその付近などで、ワイヤクリンパ140からずれてワイヤクリンパホルダ142に結合することができる。
【0024】
図4は、ターミネータラム136に結合された上部工具126を示す端子圧着機械102の一部分の正面斜視図である。図5は、端子圧着機械102の一部分の正面斜視図であり、カバーの一部分は、ターミネータラム136に結合された上部工具126を示すために取り除かれている。図6は、ターミネータラム136に結合された上部工具126を示す端子圧着機械102の一部分の正面図である。図7は、ターミネータラム136に結合された上部工具126を示す端子圧着機械102の一部分の側面図である。
【0025】
ターミネータラム136は、ワイヤクリンパホルダ142のプラグ220を受け取るプラグチャンバ252(図5)を有する本体250を含む。任意選択で、カバー254(図4)がプラグチャンバ252を閉じる。プラグチャンバ252は、プラグ220を受け取るようなサイズおよび形状である。ワイヤクリンパホルダ142は、掛止要素224などを使用して、ターミネータラム136に解放可能に結合するように構成される。
【0026】
ワイヤクリンパホルダ142の下端202は、ターミネータラム136の底面258より下に延びる。底面258は、圧着中に押圧面242、244に係合して上部工具126を下方へ押圧する。ワイヤクリンパ140は、圧着工程中に端子に係合するように、ワイヤクリンパホルダ142およびターミネータラム136より下に延びている。プラグチャンバ252は、プラグチャンバ252内にプラグ220を位置決めする位置合わせ面260を含む。たとえば、位置合わせ面260は、ワイヤクリンパホルダ142の位置合わせ面230、232に係合することができる。他の位置合わせ面260が、上端200、前面204、後面206、第1の側面208、および/または第2の側面210などのワイヤクリンパホルダ142の他の部分に係合することもできる。位置合わせ面260は、ワイヤクリンパホルダ142、したがってワイヤクリンパ140を、ターミネータラム136に対して位置決めする。たとえば、位置合わせ面260は、ワイヤクリンパホルダ142の左右位置を保持する。ワイヤクリンパホルダ142の位置合わせ面230、232をターミネータラム136に直接係合させることによって、ワイヤクリンパホルダ142の位置をターミネータラム136に対して精密に制御および維持することができる。したがって、圧着工程中、下部工具アセンブリ128(図1に示す)に対するワイヤクリンパ140の位置は変化しない。ワイヤクリンパ140とターミネータラム136との間の構成要素を少なくすることで、ワイヤクリンパ140の位置の厳しい公差制御が可能になる。たとえば、アプリケータおよびアプリケータの可動部品ならびにワイヤクリンパ140とアプリケータとの間の境界面およびアプリケータとターミネータラム136との間の境界面をなくすことによって、アプリケータを使用するシステムと比較すると、位置決めがより良好に制御され、端子圧着機械102はそれほど高価ではなくなる。
【0027】
ワイヤクリンパホルダ142から延びる支持部材144が示されている。支持部材144は、ワイヤクリンパホルダ142に固定される。上部工具126がターミネータラム136から解放されたとき、支持部材144を使用して上部工具126を下部工具アセンブリ128(図1に示す)とともに保管することができる。たとえば、支持部材144は、支持部材158(図1に示す)と連動して、保管のために上部工具126を下部工具アセンブリ128に結合することができる。上部工具126をターミネータラム136から取り外した後、異なる上部工具をターミネータラム136に結合することができる。
【0028】
図8は、例示的な実施形態による下部工具アセンブリ128の正面斜視図である。図9は、例示的な実施形態による下部工具アセンブリ128の正面斜視図である。図10は、例示的な実施形態による下部工具アセンブリ128の背面斜視図である。下部工具アセンブリ128は、下部工具129、端子ガイド154、および支持部材158を含む。
【0029】
ベース152は、アンビル150、端子ガイド154、および支持部材158などのベース152の構成要素を支持するために使用される1つまたは複数の板を含む。たとえば、図示の実施形態では、ベース152は、上板300および下板302を含む。構成要素は、締結具を使用して板300、302に取り付けることができる。
【0030】
図示の実施形態では、上板300は、アンビル150および端子ガイド154をそれぞれ位置決めする位置決めスロット304、306を含む。位置決めスロット304、306は、構成要素の左右の位置決めを制御することができ、構成要素を板300、302に固定するために締結具が使用される。
【0031】
例示的な実施形態では、下部工具129は、アンビル150と、ワイヤ支持体310と、アンビル150に隣接して上板300に取り付けられた端子支持体312とを含む。たとえば、ワイヤ支持体310は、アンビル150の前方に位置決めされ、端子支持体312は、アンビル150の後方に取り付けられる。ワイヤ支持体310は、端子120の圧着バレル内にワイヤ122を位置決めするためなど、ワイヤ122を支持するためのクレードル314を、ワイヤ支持体310の上面316に含む。端子支持体312は、アンビル150に隣接して端子122を支持するための支持面318を、端子支持体312の上面に含む。任意選択で、アンビル150は、ワイヤ支持体310および/または端子支持体312に結合することができる。別法として、アンビル150は、板300を通る締結具を使用して、板300に直接結合することもできる。
【0032】
アンビル150は、クレードル320をアンビル150の上面322に含む。クレードル320は、圧着中、圧着バレルなどの端子の一部分を支持するために使用される。端子120は、圧着工程中にクレードル320に押圧される。任意選択で、クレードル320を凹面にすることができるが、代替実施形態では、クレードル320を平坦または凸面にすることもできる。アンビル150は、クレードル320からアンビル150のベース328へ延びる側面324、326を含む。ベース328は、板300に結合するように構成される。側面324、326は、ワイヤクリンパ140がアンビル150上へ下降したとき、圧着スロット180(図4に示す)内に受け取られるように構成される。
【0033】
上板300は、前面330と、前面330の反対側の後面332とを含む。上板300は、第1の側面334と、第1の側面334の反対側の第2の側面336とを含む。上板300は、上面338と、上面338の反対側の底面340とを含む。下板302は、上板300の底面340に結合される。例示的な実施形態では、位置決めスロット304、306は、上板300の上面338に設けられる。位置決めスロット304、306は、上面338に開いている。任意選択で、位置決めスロット304、306は、前面330および/または後面332に開いていてもよい。位置決めスロット304、306は、互いに平行に延びることができる。位置決めスロット304、306は、第1の側面334および/または第2の側面336に平行とすることができる。
【0034】
例示的な実施形態では、アンビル150は、上板300の上面338に結合され、アンビル150の一部分が、位置決めスロット304内へ延びる。アンビル150のベース328の他の部分は、上面338に位置する。たとえば、アンビル150は、位置決めスロット304内へ延びる突起を含む。突起は、上面338および/または前面330および/または後面332を通って位置決めスロット304に装入することができる。任意選択で、位置決めスロット304は、アンビル150を捕捉するT字スロットとすることができる。たとえば、アンビル150の突起は、T字形とすることができ、前面330および/または後面332を通ってT字形の位置決めスロット304に装入することができる。アンビル150は、位置決めスロット304内のアンビル150を前面330および後面332に対して所望の位置へ動かすことによって、位置決めスロット304内で可変に位置決め可能とすることができる。アンビル150の突起が位置決めスロット304内にあるとき、アンビル150が左右に動くことが制限される。上板300は、上板300に対するアンビル150の左右位置を保持する。例示的な実施形態では、アンビル150が前後に配置された後、締結具を使用して、上板300に対するアンビル150の位置を固定することができる。代替実施形態では、ワイヤ支持体310および/または端子支持体312を使用して、上板300に対してアンビル150を位置決めおよび/または固定することができる。たとえば、ワイヤ支持体310は、アンビル150の前方への動きを阻止することができ、端子支持体312は、アンビル150の後方への動きを阻止する。
【0035】
任意選択で、上板300は、底面340に沿ってスロットを含むことができる。そのようなスロットは、締結具または他の構成要素を受け取ることができる。例示的な実施形態では、下板302は、下板302の上面344および/または底面346などにスロット342を含む。上板300および/または下板302は、締結具または他の構成要素などを使用して、端子圧着機械102に固定されるように構成される。
【0036】
図示の実施形態では、支持部材158は、ベース152の下板302に結合される。代替実施形態では、支持部材158をベース152の他の部分に結合することもできる。支持部材158は、第1の側面358に設けられる。例示的な実施形態では、支持部材158は、ハウジング360と、ハウジング360の上面364に開いた開口362とを含む。図示の実施形態では、開口362は矩形であるが、代替実施形態では、開口362が他の形状を有することもできる。開口362の形状は、上部工具126の支持部材144の形状に対応する(どちらも図4に示す)。
【0037】
端子ガイド154は、ベース152に結合される。例示的な実施形態では、端子ガイド154は、端子ガイド154から延びる位置決めタブ370を含み、位置決めタブ370は、位置決めスロット306内に受け取られて、アンビル150に対して端子ガイド154を位置決めするように構成される。位置決めタブ370が位置決めスロット306内に受け取られたとき、端子ガイド154がベース152に対して左右に動くことが制限される。任意選択で、位置決めタブ370は、アンビル150に対して端子ガイド154を位置合わせするために、位置決めスロット306内で前方または後方へ摺動させることができる。端子ガイド154は、位置決めされた後、締結具を使用して固定することができる。代替実施形態では、他のタイプの配置機構を使用することもできる。
【0038】
例示的な実施形態では、端子ガイド154は、ガイドマウント372と、ガイドマウント372に結合されたガイドベース374と、ガイドベース374に結合されたガイドカバー376とを含む。ガイドマウント372は、ベース152に取り付けられるように構成される。たとえば、位置決めタブ370は、ガイドマウント372の底面から延びる。締結具により、ガイドマウント372をベース152に固定することができる。締結具378を使用して、ガイドベース374および/またはガイドカバー376を固定することができる。ガイドベース374は、圧着のために端子122がアンビル150へ前進するとき、端子122のストリップを支持する。ガイドベース374は、供給中に端子のストリップを案内することができる。ガイドカバー376は、端子が前進するときに端子のストリップを覆う。ガイドカバー376は、端子が前進するときに端子を保護することができる。ガイドカバー376は、ガイドベース374に対して端子を位置決めするために使用することができる。例示的な実施形態では、端子ガイド154は、端子のストリップに係合して端子の前進を制限する端子ドラッグ380を含む。端子のストリップに対する端子ドラッグ380の張力を制御し、かつ/または端子ドラッグ380を端子のストリップから解放するために、ドラッグリリース382を使用することができる。
【0039】
図11は、例示的な実施形態による下部工具アセンブリ128の一部分の背面斜視図である。図12は、例示的な実施形態による下部工具アセンブリ128の一部分の上面斜視図であり、ガイドカバー376およびガイドベース374が取り除かれている。図13は、例示的な実施形態による下部工具アセンブリ128のうち図12に示した部分の底面斜視図である。
【0040】
端子ガイド154は、ガイドマウント372および/またはガイドベース374に摺動可能に結合された供給スライド384を含む。供給スライド384は、端子を前進させるように供給方向に可動である。供給スライド384は、端子ストリップに係合して端子を前進させるように構成された供給フィンガ386を含む。任意選択で、供給フィンガ386は、供給スライド384に旋回可能に結合することができ、したがって供給スライド384の後退中に供給フィンガ386を端子ストリップから切り離すことができる。例示的な実施形態では、端子ガイド154は、供給スライド384に係合して供給スライド384を後退位置へ戻す戻しばね388を含む。図示の実施形態では、供給スライド384は、供給機構156(図1に示す)に係合する取付けブラケット390を含む。供給機構156は、端子ガイド154内で供給スライド384を作動または前進させるために使用される。例示的な実施形態では、取付けブラケット390は、供給機構156に係合するように、端子ガイド154の底面に設けられる。例示的な実施形態では、供給スライド384は、端子ストリップより下に位置するように構成され、したがって供給フィンガ386は、下から端子ストリップに係合する。例示的な実施形態では、端子ガイド154は、供給スライド384のためのハードストップを提供する供給ストップ394を含む。たとえば、供給スライド384が後退するとき、供給ストップ394によって取付けブラケット390を阻止することができる。供給ストップ394は、取付けブラケット390の位置の調整を可能にし、それによって端子ガイド154に供給機構156を配置する。例示的な実施形態では、供給ストップ394は、ガイドマウント372に沿って可変に位置決め可能とすることができる。たとえば、供給ストップ394は、供給スライド384の後退深さを変化させるために、ガイドマウント372に沿って様々な位置に取り付けることができる。供給ストップ394の位置は、供給フィンガ386が適当な位置に戻り、次の端子を持ち上げて前進させるように、端子の設計と一致することができる。
【0041】
図12は、位置決めスロット306内に位置決めされたガイドマウント372を示す。図12はまた、位置決めスロット304内に位置決めされたアンビル150を示す。任意選択で、供給スライド384は概して、アンビル150と位置合わせすることができる(たとえば、前後に)。例示的な実施形態では、上板300は、上板300を貫通する締結具開口392を含む。締結具を受け取る締結具開口392は、ワイヤ支持体310、端子支持体312などの構成要素を上板300に固定するために使用される。任意選択で、締結具開口392は、構成要素が上板300に沿って可変に位置決め可能になるように、前面330と後面332との間で細長くすることができる。したがって、特定の応用例に応じて様々な構成要素の取付け位置を調整することができる。そのようにして、上板300は、位置決めスロット304、306と、構成要素の様々な位置に対応する締結具開口392とを提供することによって、アンビル150、ワイヤ支持体310、端子支持体312、端子ガイド154などの様々な構成要素を入れ替えることで、複数の応用例のためにモジュール式に設計することができる。
【0042】
図14は、後退位置で下部工具アセンブリ128に対して位置決めされた上部工具126を示す。ターミネータ枠130およびターミネータラム136(どちらも図1に示す)は、見やすいように取り除かれている。ワイヤクリンパホルダ142は、ワイヤクリンパ140をアンビル150より上で保持する。アンビル150および端子支持体312は、圧着工程中に端子120を支持する。端子ガイド154は、端子120を圧着区間118内へ供給する。上部工具126は、圧着工程中、下部工具アセンブリ128に向かって前進して、端子120をワイヤ122に圧着する。端子圧着機械102の使用の完了後、または端子圧着機械102で使用するために異なる工具が選択されたとき、上部工具126をターミネータラム136から取り外して、下部工具アセンブリ128とともに保管することができる。たとえば、支持部材144を支持部材158に結合して、保管のために上部工具126を下部工具アセンブリ128に固定することができる。
【0043】
図15は、例示的な実施形態による端子圧着機械102の一部分を示す。図16は、下部工具アセンブリ128に対して位置決めされた上部工具126を示す端子圧着機械102の一部分を示し、見やすいように下部工具126のいくつかの部分は取り除かれている。たとえば、ターミネータ枠130のベース132など、端子圧着機械102に結合するように構成された下板302を示すために、上板300(図15)は取り除かれている。例示的な実施形態では、下板302は、ベース132に解放可能に結合することができる。端子圧着機械102が異なるタイプまたはサイズの端子を終端させる必要があるときなど、圧着工具100を端子圧着機械102から取り外すことが所望されるとき、圧着工具100は、端子圧着機械102から取り外されるように構成される。上部工具126は、ターミネータラム136から取り外され、下部工具アセンブリ128に結合される。下部工具アセンブリ128は、下部工具アセンブリ128をターミネータ枠130から解放することなどによって、ターミネータ枠130から取り外される。
【0044】
図15は、ターミネータラム136を示し、プラグチャンバ252を示すためにカバー254が部分的に取り除かれている。上部工具126がターミネータラム136に組み立てられたとき、ワイヤクリンパホルダ142のプラグ220がプラグチャンバ252内に受け取られる。ターミネータラム136の位置合わせ面260は、ワイヤクリンパホルダ142の位置合わせ面230、232に係合する。ターミネータラム136の底面258が、第1の押圧面242および第2の押圧面244に当接する。上部工具126は、ターミネータラム136に解放可能に固定されるように構成される。
【0045】
圧着工程中にターミネータラム136が上昇および下降すると、ターミネータラム136は上部工具126を下方へ駆動して端子120をワイヤ122に圧着する。たとえば、ターミネータラム136の底面258は、押圧面242、244を押し付ける。位置合わせ面230、232は、圧着工程中、ターミネータラム136に対する上部工具126の左右位置を維持する。下死点後、ターミネータラム136は、上部工具126をアンビル150から離して上方へ持ち上げる。
【0046】
端子圧着機械102の使用の完了後、上部工具126をターミネータラム136から取り外し、下部工具アセンブリ128とともに保管することができる。たとえば、支持部材144を支持部材158に結合して、上部工具126を保管のために下部工具アセンブリ128に固定することができる。プラグ220は、プラグチャンバ252から解放される。次いで、支持部材144を支持部材158の開口362およびハウジング360内に受け取り、上部工具126を下部工具アセンブリ128とともに保管することができる。
【0047】
図17は、例示的な実施形態による端子圧着機械102の供給機構との下部工具アセンブリインターフェースを示す。図17は、端子ガイド154に結合された供給機構156を示す。供給機構156は、取付けブラケット390に結合される。供給機構156が動作すると、供給スライド384は前方へ前進して端子を圧着区間118へ前進させる。供給機構156を取付けブラケット390から取り外して、圧着工具100を端子圧着機械102から取り外すことができる。供給機構156は、端子圧着機械102と一体化され、次の組の圧着工具100を受け入れるように位置決めされたままである。
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