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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-19
(45)【発行日】2022-10-27
(54)【発明の名称】眼科ナイフ及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20221020BHJP
【FI】
A61F9/007 130H
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020212250
(22)【出願日】2020-12-22
(62)【分割の表示】P 2018553040の分割
【原出願日】2016-12-22
(65)【公開番号】P2021041297
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2020-12-22
(31)【優先権主張番号】62/387,351
(32)【優先日】2015-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】308032460
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ コロラド,ア ボディー コーポレイト
【氏名又は名称原語表記】THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF COLORADO,a body corporate
(73)【特許権者】
【識別番号】518224358
【氏名又は名称】ニュー ワールド メディカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カフーク、マリク、ワイ.
(72)【発明者】
【氏名】マンスール、カーリッド
(72)【発明者】
【氏名】アブデュラー、スハイル
(72)【発明者】
【氏名】ポーティアス、エリック
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-516214(JP,A)
【文献】特表2007-501687(JP,A)
【文献】特表2005-521435(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部と、
前記軸部から第1の角度で前記軸部に連結されるプラットフォームであって、
上面と、
下面と、
平行に配置され、ギャップにより分離され、前記プラットフォームの前記上面から前記軸部に前記軸部から第2の角度で延在前記第2の角度は、前記第1の角度と異なる、第1のカッティング・ブレードと、第2のカッティング・ブレードと、
を備える、プラットフォームと、
前記軸部を通って延在し、前記プラットフォームの下面を通って延在する出口ポートで終端する管腔と、
を備える眼科ナイフ。
【請求項2】
柄部をさらに備え、
前記管腔は、前記柄部、前記軸部、及び前記プラットフォーム内に、長手方向に延在する、請求項1に記載の眼科ナイフ。
【請求項3】
前記出口ポートは、前記第1のカッティング・ブレードと、前記第2のカッティング・ブレードの反対側にある、請求項1に記載の眼科ナイフ。
【請求項4】
前記下面は平面である、請求項1に記載の眼科ナイフ。
【請求項5】
柄部をさらに備え、
前記管腔は、前記柄部の入口ポートでさらに終端する、請求項1に記載の眼科ナイフ。
【請求項6】
前記管腔は、粘弾性流体又は吸引流体を受容するように構成される、請求項1に記載の眼科ナイフ。
【請求項7】
前記プラットフォームの前記上面は、カッティング・エッジのない傾斜路を提供する、請求項1に記載の眼科ナイフ。
【請求項8】
前記プラットフォームの前記下面は、前記軸部の軸を横切る方向に延在する、請求項1に記載の眼科ナイフ。
【請求項9】
前記プラットフォームは、挿入チップをさらに備え、前記上面と、前記下面は、前記挿入チップから前記プラットフォームの背面に向かって延在する、請求項1に記載の眼科ナイフ。
【請求項10】
前記第1のカッティング・ブレードと、前記第2のカッティング・ブレードの各々は、組織を突き刺すように構成されるカッティング・エッジを有し、それにより、前記第1のカッティング・エッジと前記第2のカッティング・エッジが、組織を通って進められる際に前記ギャップに相当する幅を有する組織の小片を切断するように構成される、請求項1に記載の眼科ナイフ。
【請求項11】
軸部の軸を画定する軸部と、
前記軸部接続されるプラットフォームであって、
ピアシング・チップと、
前記軸部の軸から第1の角度で前記ピアシング・チップから延在する上面と、
前記上面から前記プラットフォームの反対側の底面であって、前記軸部の軸を横切る方向に前記ピアシング・チップから延在する底面と、を備えるプラットフォームと、
平行に配置され、ギャップにより分離され、前記軸部の軸から第2の角度で前記上面から前記軸部に延在する、第1のカッティング・ブレードと第2のカッティング・ブレードであって、前記第1のカッティング・ブレードと前記第2カッティング・ブレードの各々は、組織を突き刺すように構成されるカッティング・エッジを有し、前記第2の角度は、前記第1の角度と相違する、第1のカッティング・ブレードと第2のカッティング・ブレードと、
前記軸部を通って延在し、前記プラットフォームの前記底面を通って延在する出口ポートで終端する管腔と、
を備える、眼科ナイフ。
【請求項12】
前記プラットフォームの前記上面は、カッティング・エッジのない傾斜路を提供する、請求項11に記載の眼科ナイフ。
【請求項13】
柄部をさらに備え、
前記管腔は、前記柄部、前記軸部、及び前記プラットフォーム内に、長手方向に延在する、請求項11に記載の眼科ナイフ。
【請求項14】
前記管腔は、前記軸部の軸に沿う方向に延在する、請求項11に記載の眼科ナイフ。
【請求項15】
前記底面は平坦である、請求項11に記載の眼科ナイフ。
【請求項16】
軸部と、
記軸部接続されるプラットフォームであって、
前記軸部に対して第1の角度で配置される上面と、
下面と、
を備えるプラットフォームと、
平行に配置され、ギャップにより分離され、前記上面から前記軸部に対して第2の角度で前記軸部に延在する、第1のカッティング・ブレードと第2のカッティング・ブレードであって、前記第1の角度は前記第2の角度と相違し、前記プラットフォーム底面が眼のシェルム管に沿って進められる際に、眼内の小柱網の小片を切断するように構成される第1のカッティング・ブレードと第2のカッティング・ブレードと、
前記軸部を通して延在し、前記プラットフォームの前記底面を通して延在する出口ポートで終端する管腔と、
を備える、眼科ナイフ。
【請求項17】
前記プラットフォームの前記上面は、カッティング・エッジのない傾斜路を提供し、前記小柱網を前記第1のカッティング・ブレードと、前記第2のカッティング・ブレードに向かって上げるように構成される、請求項16に記載の眼科ナイフ。
【請求項18】
前記プラットフォームの前記下面は、前記軸部の軸を横切る方向に延在する、請求項16に記載の眼科ナイフ。
【請求項19】
前記下面は平坦であり、それにより前記プラットフォームが進められる際に、前記下面の大分部分は、前記シェルム管の外壁に接触しない、請求項16に記載の眼科ナイフ。
【請求項20】
前記プラットフォームは、前記小柱網を突き通すように構成されるピアシング・チップをさらに備え、前記上面と、前記下面は、前記プラットフォームの反対側のピアシング・チップから延在する、請求項16に記載の眼科ナイフ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低侵襲手術手技を用いる、緑内障などの眼疾患を含む種々の状態の治療のための眼科ナイフ、及びその使用方法に関する。眼科ナイフを使用して、眼の中の組織、たとえば線維柱帯(TM:trabecular meshwork)を切り取ることができる。本発明は、外科的医薬的介入にも関する。たとえば、本発明は、低侵襲手術手技を用いる、緑内障などの眼疾患を含むがこれに限定はされない種々の医学的状態の治療のための顕微外科装置、及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒト又は動物の患者の身体から制御された幅の組織の細片を切り取り、取り除くことが望ましい、多くの医学的処置及び外科的処置が存在する。たとえば、ヒト又は動物の眼、皮膚、粘膜、腫瘍、臓器、又は他の組織に、制御された幅の切開部(たとえば通常のメス、カッティング・ブレード、又は針によって作られる切開部よりも広幅の切開部)を形成することが時として望ましい場合がある。さらに、生検標本としての使用、化学的/生物学的分析、DNA識別目的の保存又は記録保管などのために、ヒト又は動物の身体から組織の細片又はある程度の量の組織を取り除くことが時として望ましい場合がある。さらに、いくつかの外科的処置は、患者の身体の中の解剖学的位置から、知られている幅の組織の細片を取り除くことを必要とする。知られている幅の組織の細片が患者の身体の中の解剖学的位置から取り除かれる外科的処置の1つが、緑内障を治療するために使用される眼科的処置である。この眼科的処置は、隅角切開術と称されることがある。隅角切開処置では、長さ約2~10mm以上、幅約50~200μmである組織の細片を切り取る又は切除するように機能する装置が眼の前房に挿入され、線維柱帯から組織の全層細片を取り除くために使用される。現在、当技術分野では、眼の線維柱帯(TM)を切り取り、TMの小葉部を残すことなくTMの完全な全層細片を効果的に取り除く処置、及びより大きな組織から組織の細片を取り除くことが所望される他の処置を実施するために使用可能な、単純で、高価でなく、正確な器具の開発が、依然として求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国仮特許出願第61/637611号
【文献】米国特許第7,959,641号
【文献】国際公開第2004/110501号
【文献】米国公開第US2007/0276420号
【文献】米国特許公開第US2009/0287233号
【文献】米国特許公開第US2011/0077626号
【文献】米国特許第7,785,321号
【文献】米国特許第6,979,328号
【文献】米国特許公開第US2006/0106370号
【文献】米国特許公開第US2002/0111608号
【文献】国際公開第2009/140185号
【文献】欧州特許第EP2303203号
【文献】WIPO特許国際公開第2001/078631号、出願第PCT/US2001/007398号
【文献】米国特許第4,501,274号
【文献】欧州特許第EP0073803号
【文献】米国特許公開第US2006/0149194号
【文献】国際公開第2003/045290号
【文献】欧州特許第EP1455698号
【文献】韓国特許第KR1020040058309号
【文献】米国特許公開第US2007/0073275号
【文献】国際公開第2004/093761号
【文献】欧州特許第EP1615604号
【文献】米国特許公開第US2011/0230877号
【文献】国際公開第2013/163034号
【文献】米国特許第7,648,591号
【文献】米国特許第7,955,387号
【文献】米国特許第7,604,663号
【文献】米国特許第6,388,043号
【文献】米国特許第6,720,402号
【文献】米国特許第6,759,481号
【文献】米国特許第7,632,303号
【文献】米国特許第7,935,131号
【文献】米国特許第8,038,923号
【非特許文献】
【0004】
【文献】Quigley,H.A.及びBroman,A.T.(2006)「The Number of People With Glaucoma Worldwide in 2010 and 2020」、Br.J.Ophthalmol.90(3)、262~267
【文献】Grant,W.M.(1951)「Clinical Measurements of Aqueous Outflow」、A.M.A.Archives of Ophthalmology46(2)、113~131
【文献】Grant,W.(1963)「Experimental Aqueous Perfusion in Enucleated Human Eyes」、Arch.Ophthalmol.69(6)、783~801
【文献】Johnson,D.H.及びTschumper,R.C.(1987)「Human Trabecular Meshwork Organ Culture. A New Method」Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.28(6)、945~953
【文献】Herschler,J.及びDavis,E.B.(1980)「Modified Goniotomy for Inflammatory Glaucoma.Histologic Evidence for the Mechanism of Pressure Reduction」、Arch.Ophthalmol.98(4)、684~687
【文献】Luntz,M.H.及びLivingston,D.G.(1977)「Trabeculotomy Ab Externo and Trabeculectomy in Congenital and Adult-Onset Glaucoma」、Am.J.Ophthalmol.83(2)、174~179
【文献】Anderson,D.R.(1983)「Trabeculotomy Compared to Goniotomy for Glaucoma in Children」、Ophthalmology 90(7)、805~806
【文献】Jea,S.Y.ら(2012)「Ab Interno Trabeculectomy Versus Trabeculectomy for Open-Angle Glaucoma」、Ophthalmology 119(1)、36~42
【文献】Minckler,D.S.ら(2005)「Clinical Results With the Trabectome(登録商標)for Treatment of Open-Angle Glaucoma」、Ophthalmology 112(6)、962~967
【文献】Pantcheva,M.B.及びKahook,M.Y.(2010)「Ab Interno Trabeculectomy」、Middle East Afr.J.Ophthalmol.17(4)、287~289
【文献】Francis,B.A.ら(2006)「Ab Interno Trabeculectomy:Development of a Novel Device (Trabectome(登録商標)) and Surgery for Open-Angle Glaucoma」、J. Glaucoma 15(1)、68~73
【文献】Tan,Y.ら(2011)「Postoperative Complications after Glaucoma Surgery for Primary Angle-Closure Glaucoma Vs Primary Open-Angle Glaucoma」、Arch.Ophthalmol. 129(8)、987~992
【文献】Jacobi,P.C.ら(1997)「Technique of Goniocurettage: A Potential Treatment for Advanced Chronic Open Angle Glaucoma」、Br.J.Ophthalmol. 81(4)、302~307
【文献】Jacobi,P.C.ら(1999)「Goniocurettage for Removing Trabecular Meshwork: Clinical Results of a New Surgical Technique in Advanced Chronic Open-Angle Glaucoma」、Am.J.Ophthalmol. 127(5)、505~510
【文献】Ting,J.L.M.ら(2012)「Ab Interno Trabeculectomy: Outcomes in Exfoliation Versus Primary Open-Angle Glaucoma」、J.Cataract.Refract.Surg. 38(2)、315~323
【文献】Seibold,L.K.ら(2013)「Preclinical Investigation of Ab Interno Trabeculectomy Using a Novel Dual-Blade Device」、Am.J.Ophthalmol. 155(3)、524~529.e522
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、低侵襲手術手技を用いる、緑内障などの眼疾患を含む種々の状態の治療のための眼科ナイフ、及びその使用方法に関する。眼科ナイフを使用して、眼の中の組織、たとえば線維柱帯(TM)を切り取ることができる。本発明は、外科的医薬的介入にも関する。たとえば、本発明は、低侵襲手術手技を用いる、緑内障などの眼疾患を含むがこれに限定はされない種々の医学的状態の治療のための顕微外科装置、及びその使用方法に関する。
【0006】
一実施例では、本発明は、軸部に連結される柄部を備え、前記軸部が、第1のプラットフォーム及び第2のプラットフォームに連結され、前記第1のプラットフォームが、第1のブレード及び第2のブレード並びに第1の前方ブレード・チップを備え、前記第2のプラットフォームが、第3のブレード及び第4のブレード並びに第2の前方ブレード・チップを備える、2重プラットフォーム/2重ブレード眼科ナイフを企図する。一実施例では、前方ブレード・チップは、格納式ブレード・チップである。一実施例では、前記第1の前方ブレード・チップ及び前記第2の前方ブレード・チップは、格納式ブレード・チップである。一実施例では、前方ブレード・チップは、ウェッジ・ブレード・チップである。一実施例では、第1のブレード及び第2のブレードは、第1のプラットフォームの第1の側面及び第2の側面に(それぞれ)取り付けられる。一実施例では、第3のブレード及び第4のブレードは、第2のプラットフォームの第3の側面及び第4の側面に(それぞれ)取り付けられる。一実施例では、第1のプラットフォームと第2のプラットフォームは、180°の角度で構成される。一実施例では、前記ブレード・チップは、直角三角形を有する。一実施例では、前記直角三角形は、ピタゴラスの定理の式(a+b=c)に従い、前記チップの側辺は、長さa及び長さbを有し、斜辺の長さはcである。8。一実施例では、前記プラットフォームは、それぞれ傾斜路を備える。一実施例では、前記プラットフォームの前記遠位端部は、ピアシング・ブレードから平行なブレードに向かって上向きに傾斜する。一実施例では、前記プラットフォームの前記遠位端部は、ピアシング・ブレードからTMの高さの上に位置決めされる平行なブレードに向かって上向きに傾斜する。一実施例では、第1のプラットフォームと第2のプラットフォームは、オフセットされる。一実施例では、第1のプラットフォームと第2のプラットフォームは平行である。一実施例では、第1のプラットフォームは、第1の前方ブレード・チップから第1の後方端部へと延在する、深さが増す第1の傾斜路を備える。一実施例では、第2のプラットフォームは、第2の前方ブレード・チップから第2の後方端部へと延在する、深さが増す第2の傾斜路を備える。一実施例では、第1のブレードと第2のブレードは平行である。一実施例では、第1のブレードと第2のブレードは、ある角度をなしている。一実施例では、プラットフォームは、環状のカッティング・エッジを備える。一実施例では、第3のブレードと第4のブレードは平行である。一実施例では、第3のブレードと第4のブレードは、ある角度をなしている。一実施例では、第1のプラットフォームは、環状のカッティング・エッジを備える。一実施例では、第2のプラットフォームは、環状のカッティング・エッジを備える。一実施例では、第1の側方ブレード及び第2の側方ブレードは格納式であり、第1のプラットフォーム空洞及び第2のプラットフォーム空洞に(それぞれ)取り付けられる。一実施例では、第3の側方ブレード及び第4の側方ブレードは格納式であり、第3のプラットフォーム空洞及び第4のプラットフォーム空洞に(それぞれ)取り付けられる。一実施例では、柄部は、第1のプラットフォーム空洞、第2のプラットフォーム空洞、第3のプラットフォーム空洞、及び第4のプラットフォーム空洞と作動可能に連絡する側方ブレード・アクチュエータ・スイッチを備える。一実施例では、プラットフォームは、把持フィーチャをさらに備える。一実施例では、前記平行な2重プラットフォームは、一緒になって組織を把持するように作動され得る。一実施例では、把持フィーチャにはピンセット要素又は鉗子要素が含まれるが、これらに限定はされない。一実施例では、平行な2重プラットフォームは、一緒になって組織を把持するように作動され得る。一実施例では、把持フィーチャは、軸部を覆って延在するスリーブを備え、柄部は、スリーブ・アクチュエータ・スイッチを備える。一実施例では、把持フィーチャは、装置の管腔に格納可能な形状記憶材料で作られる。一実施例では、プラットフォームは、多重ブレード装置から組織を取り外すことができる摺動可能な押抜き具をさらに備える。一実施例では、多重ブレード装置は、前記柄部、軸部及びプラットフォームの中で長手方向に延在する少なくとも1つの管腔をさらに備える。一実施例では、管腔は、前記プラットフォームに出口ポートを備える。一実施例では、出口ポートは、プラットフォームの上面にある。一実施例では、出口ポートは、プラットフォームの下面にある。一実施例では、管腔は、前記柄部に入口ポートを備える。一実施例では、管腔は、粘弾性流体を備える。一実施例では、管腔は、吸引流体を備える。一実施例では、プラットフォームは、上面から後方端部へと延在する貫通孔をさらに備える。一実施例では、柄部は、湾曲している。一実施例では、装置は、光ファイバ可視化システムをさらに備える。一実施例では、プラットフォームの幅は、約150~180ミクロンである。一実施例では、プラットフォームは、青、白、黒、橙及び黄、又はこれらの任意の組合せを含むが、これらに限定はされない色である。一実施例では、プラットフォームは、凹形の下面を備える。一実施例では、軸部は、環状のリングを備える。一実施例では、プラットフォームは、少なくとも1つの加熱要素をさらに備える。一実施例では、軸部は、伸縮式の軸部である。
【0007】
一実施例では、本発明は、軸部に連結される柄部を備え、前記軸部が、前方ブレード・チップと4つのカッティング・ブレードとを備えるプラットフォームに連結される、4重ブレード眼科ナイフを企図する。一実施例では、前方ブレード・チップは、格納式ブレード・チップである。一実施例では、前方ブレード・チップは、ウェッジ・ブレード・チップである。一実施例では、プラットフォームは、プラットフォームの第1の側面及び第2の側面に(それぞれ)取り付けられる第1のブレード及び第2のブレードを備える。一実施例では、前記ブレード・チップは、直角三角形を有する。一実施例では、前記直角三角形は、ピタゴラスの定理の式(a+b=c)に従い、前記チップの側辺は、長さa及び長さbを有し、斜辺の長さはcである。一実施例では、前記プラットフォームは、傾斜路を備える。一実施例では、前記プラットフォームの前記遠位端部は、ピアシング・ブレードから平行なブレードに向かって上向きに傾斜する。一実施例では、前記プラットフォームの前記遠位端部は、ピアシング・ブレードからTMの高さの上に位置決めされる平行なブレードに向かって上向きに傾斜する。一実施例では、軸部は、軸部の第1の側面及び第2の側面に(それぞれ)取り付けられる第3のブレード及び第4のブレードをさらに備える。一実施例では、第3のブレード及び第4のブレードは、軸部と摺動可能に係合される。一実施例では、柄部は、前記第3のブレード及び前記第4のブレードと接触する圧縮性材料を備える。一実施例では、軸部は、第1の4重ブレード・ナイフから180°の角度に配置される第2の4重ブレード・ナイフと連結される。一実施例では、軸部は、第1の4重ブレード・ナイフに対して平行に配置される第2の4重ブレード・ナイフに連結される。一実施例では、プラットフォームは、前方ブレード・チップから後方端部へと延在する、深さが増す傾斜路を備える。一実施例では、第1のブレードと第2のブレードは平行である。一実施例では、第1のブレードと第2のブレードは、ある角度をなしている。一実施例では、プラットフォームは、環状のカッティング・エッジを備える。一実施例では、第1の側方ブレード及び第2の側方ブレードは格納式であり、第1のプラットフォーム空洞及び第2のプラットフォーム空洞に(それぞれ)取り付けられる。一実施例では、柄部は、第1のプラットフォーム空洞及び第2のプラットフォーム空洞と作動可能に連絡する側方ブレード・アクチュエータ・スイッチを備える。一実施例では、プラットフォームは、把持フィーチャをさらに備える。一実施例では、把持フィーチャにはピンセット要素又は鉗子要素が含まれるが、これらに限定はされない。一実施例では、把持フィーチャは、軸部を覆って延在するスリーブを備え、柄部は、スリーブ・アクチュエータ・スイッチを備える。一実施例では、プラットフォームは、多重ブレード装置から組織を取り外すことができる摺動可能な押抜き具をさらに備える。一実施例では、多重ブレード装置は、前記柄部、軸部及びプラットフォームの中で長手方向に延在する少なくとも1つの管腔をさらに備える。一実施例では、管腔は、前記プラットフォームに出口ポートを備える。一実施例では、出口ポートは、プラットフォームの上面にある。一実施例では、出口ポートは、プラットフォームの下面にある。一実施例では、管腔は、前記柄部に入口ポートを備える。一実施例では、管腔は、粘弾性流体を備える。一実施例では、管腔は、吸引流体を備える。一実施例では、プラットフォームは、上面から後方端部へと延在する貫通孔をさらに備える。一実施例では、柄部は、湾曲している。一実施例では、装置は、光ファイバ可視化システムをさらに備える。一実施例では、プラットフォームの幅は、約150~180ミクロンである。一実施例では、プラットフォームは、青、白、黒、橙及び黄、又はこれらの任意の組合せを含むが、これらに限定はされない色である。一実施例では、プラットフォームは、凹形の下面を備える。一実施例では、軸部は、環状のリングを備える。一実施例では、プラットフォームは、少なくとも1つの加熱要素をさらに備える。一実施例では、軸部は、伸縮式の軸部である。
【0008】
一実施例では、本発明は、柄部と、軸部と、前方ブレード・チップと、プラットフォームとを備え、プラットフォームが、超音波エミッタと、超音波ブレードから周辺の組織を保護するフットプレートとを備える、超音波眼科ナイフを企図する。一実施例では、装置が作動されると、超音波エミッタ及び前方ブレード・チップは、固定周波数で振動する。一実施例では、チップに関して、縦方向運動と横方向運動の両方が可能である。一実施例では、前記超音波エミッタは、調整可能な出力設定を有する。一実施例では、前記出力設定は、使用中、熱の印加を最小限にするように最適化される。超音波ナイフにより、組織を事前に伸ばす、又は張る必要を低減しながら、組織を切り取ることが可能になる。装置が作動されると、ナイフ・チップは、固定周波数で振動する。チップに関して、縦方向運動と横方向運動の両方が可能である。出力設定は、組織に対する熱の印加を最小限にするように最適化される。一実施例では、前方ブレード・チップは、ウェッジ・ブレード・チップである。一実施例では、前方ブレード・チップは、格納式ブレード・チップである。一実施例では、前記ブレード・チップは、直角三角形を有する。一実施例では、前記直角三角形は、ピタゴラスの定理の式(a+b=c)に従い、前記チップの側辺は、長さa及び長さbを有し、斜辺の長さはcである。一実施例では、前記プラットフォームは、傾斜路を備える。一実施例では、前記プラットフォームの前記遠位端部は、ピアシング・ブレードから平行なブレードに向かって上向きに傾斜する。一実施例では、前記プラットフォームの前記遠位端部は、ピアシング・ブレードからTMの高さの上に位置決めされる平行なブレードに向かって上向きに傾斜する。一実施例では、プラットフォームは、把持フィーチャをさらに備える。一実施例では、把持フィーチャにはピンセット要素又は鉗子要素が含まれるが、これらに限定はされない。一実施例では、把持フィーチャは、軸部を覆って延在するスリーブを備え、柄部は、スリーブ・アクチュエータ・スイッチを備える。一実施例では、プラットフォームは、超音波ナイフから組織を取り外すことができる摺動可能な押抜き具をさらに備える。一実施例では、超音波装置は、前記柄部、軸部及びプラットフォームの中で長手方向に延在する少なくとも1つの管腔をさらに備える。一実施例では、管腔は、前記プラットフォームに出口ポートを備える。一実施例では、出口ポートは、プラットフォームの上面にある。一実施例では、出口ポートは、プラットフォームの下面にある。一実施例では、管腔は、前記柄部に入口ポートを備える。一実施例では、管腔は、粘弾性流体を備える。一実施例では、管腔は、吸引流体を備える。一実施例では、プラットフォームは、上面から後方端部へと延在する貫通孔をさらに備える。一実施例では、柄部は、湾曲している。一実施例では、超音波装置は、光ファイバ可視化システムをさらに備える。一実施例では、プラットフォームの幅は、約150~180ミクロンである。一実施例では、プラットフォームは、青、白、黒、橙及び黄、又はこれらの任意の組合せを含むが、これらに限定はされない色である。一実施例では、プラットフォームは、凹形の下面を備える。一実施例では、軸部は、環状のリングを備える。一実施例では、プラットフォームは、少なくとも1つの加熱要素をさらに備える。一実施例では、軸部は、伸縮式の軸部である。
【0009】
一実施例では、本発明は、軸部に連結される柄部を備え、前記軸部が、下方プラットフォーム及び上方プラットフォームに連結される、ペンチ状眼科ナイフを企図する。一実施例では、下方プラットフォームは、前方ブレード・チップを備える。一実施例では、前方ブレード・チップは、ウェッジ・ブレード・チップである。一実施例では、軸部と上方プラットフォームは、蝶番によって連結される。一実施例では、下方プラットフォームは、第1のブレードに取り付けられる第1の側面と、第2のブレードに取り付けられる第2の側面とを備える。一実施例では、上方プラットフォームは、第1のスロット及び第2のスロットを備え、第1のスロット及び第2のスロットは、前記第1のブレード及び前記第2のブレードの上に位置決めされる。一実施例では、下方プラットフォームは、前方ブレード・チップをさらに備える。一実施例では、前記ブレード・チップは、直角三角形を有する。一実施例では、前記直角三角形は、ピタゴラスの定理の式(a+b=c)に従い、前記チップの側辺は、長さa及び長さbを有し、斜辺の長さはcである。一実施例では、前記プラットフォームは、傾斜路を備える。一実施例では、前記プラットフォームの前記遠位端部は、ピアシング・ブレードから平行なブレードに向かって上向きに傾斜する。一実施例では、前記プラットフォームの前記遠位端部は、ピアシング・ブレードからTMの高さの上に位置決めされる平行なブレードに向かって上向きに傾斜する。一実施例では、下方プラットフォームの長さは、少なくとも8mmである。一実施例では、プラットフォームは、把持フィーチャをさらに備える。一実施例では、把持フィーチャにはピンセット要素又は鉗子要素が含まれるが、これらに限定はされない。一実施例では、把持フィーチャは、軸部を覆って延在するスリーブを備え、柄部は、スリーブ・アクチュエータ・スイッチを備える。一実施例では、プラットフォームは、ペンチ状眼科ナイフから組織を取り外すことができる摺動可能な押抜き具をさらに備える。一実施例では、ペンチ状眼科ナイフ装置は、前記柄部、軸部及びプラットフォームの中で長手方向に延在する少なくとも1つの管腔をさらに備える。一実施例では、管腔は、前記プラットフォームに出口ポートを備える。一実施例では、出口ポートは、プラットフォームの上面にある。一実施例では、出口ポートは、プラットフォームの下面にある。一実施例では、管腔は、前記柄部に入口ポートを備える。一実施例では、管腔は、粘弾性流体を備える。一実施例では、管腔は、吸引流体を備える。一実施例では、プラットフォームは、上面から後方端部へと延在する貫通孔をさらに備える。一実施例では、柄部は、湾曲している。一実施例では、ペンチ状眼科ナイフ装置は、光ファイバ可視化システムをさらに備える。一実施例では、プラットフォームの幅は、約150~180ミクロンである。一実施例では、プラットフォームは、青、白、黒、橙及び黄、又はこれらの任意の組合せを含むが、これらに限定はされない色である。一実施例では、プラットフォームは、凹形の下面を備える。一実施例では、軸部は、環状のリングを備える。一実施例では、プラットフォームは、少なくとも1つの加熱要素をさらに備える。一実施例では、軸部は、伸縮式の軸部である。
【0010】
一実施例では、本発明は、軸部に連結される柄部であって、前記軸部が、第1の横方向ワニ口クリップ及び第2の横方向ワニ口クリップを備える、柄部と、軸部に連結されるプラットフォームであって、第1の側方ブレード及び第2の側方ブレード、並びに前方ブレード・チップを備える、プラットフォームとを備える、グリッピング眼科ナイフを企図する。一実施例では、前方ブレード・チップは、ウェッジ・ブレード・チップである。一実施例では、前方ブレード・チップは、格納式ブレード・チップである。一実施例では、前記ブレード・チップは、直角三角形を有する。一実施例では、前記直角三角形は、ピタゴラスの定理の式(a+b=c)に従い、前記チップの側辺は、長さa及び長さbを有し、斜辺の長さはcである。一実施例では、前記プラットフォームは、傾斜路を備える。一実施例では、前記プラットフォームの前記遠位端部は、ピアシング・ブレードから平行なブレードに向かって上向きに傾斜する。一実施例では、前記プラットフォームの前記遠位端部は、ピアシング・ブレードからTMの高さの上に位置決めされる平行なブレードに向かって上向きに傾斜する。一実施例では、第1の側方ブレード及び第2の側方ブレードは、プラットフォームの第1の側面及び第2の側面に(それぞれ)取り付けられる。一実施例では、第1の横方向ワニ口クリップは、第1の鋸歯状の顎部及び第2の鋸歯状の顎部を備える。一実施例では、第2の横方向ワニ口クリップは、第1の鋸歯状の顎部及び第2の鋸歯状の顎部を備える。一実施例では、第1の横方向ワニ口クリップの第1の鋸歯状の顎部と第2の鋸歯状の顎部は、蝶番で取り付けられる。一実施例では、第2の横方向ワニ口クリップの第1の鋸歯状の顎部と第2の鋸歯状の顎部は、蝶番で取り付けられる。一実施例では、柄部は、前記第1のワニ口クリップ及び第2のワニ口クリップと接触する圧縮性材料を備える。一実施例では、プラットフォームは、把持フィーチャをさらに備える。一実施例では、把持フィーチャにはピンセット要素又は鉗子要素が含まれるが、これらに限定はされない。一実施例では、把持フィーチャは、軸部を覆って延在するスリーブを備え、柄部は、スリーブ・アクチュエータ・スイッチを備える。一実施例では、プラットフォームは、多重ブレード装置から組織を取り外すことができる摺動可能な押抜き具をさらに備える。一実施例では、多重ブレード装置は、前記柄部、軸部及びプラットフォームの中で長手方向に延在する少なくとも1つの管腔をさらに備える。一実施例では、管腔は、前記プラットフォームに出口ポートを備える。一実施例では、出口ポートは、プラットフォームの上面にある。一実施例では、出口ポートは、プラットフォームの下面にある。一実施例では、管腔は、前記柄部に入口ポートを備える。一実施例では、管腔は、粘弾性流体を備える。一実施例では、管腔は、吸引流体を備える。一実施例では、プラットフォームは、上面から後方端部へと延在する貫通孔をさらに備える。一実施例では、柄部は、湾曲している。一実施例では、装置は、光ファイバ可視化システムをさらに備える。一実施例では、プラットフォームの幅は、約150~180ミクロンである。一実施例では、プラットフォームは、青、白、黒、橙及び黄、又はこれらの任意の組合せを含むが、これらに限定はされない色である。一実施例では、プラットフォームは、凹形の下面を備える。一実施例では、軸部は、環状のリングを備える。一実施例では、プラットフォームは、少なくとも1つの加熱要素をさらに備える。一実施例では、軸部は、伸縮式の軸部である。
【0011】
一実施例では、本実施例は、軸部に連結される柄部を備え、前記軸部が、ワイヤ要素に連結されるランセット眼科ナイフを企図する。一実施例では、ワイヤ要素は、三角形、正方形、長方形、八角形、円、楕円又は卵形を含むがこれらに限定はされない幾何学的形状を有する。一実施例では、ワイヤ要素は、第1のワイヤ端部及び第2のワイヤ端部を備える。一実施例では、第1のワイヤ端部は、第1の位置で軸部に連結される。一実施例では、第2のワイヤ端部は、第2の位置で軸部に連結される。一実施例では、軸部は、把持フィーチャをさらに備える。一実施例では、把持フィーチャにはピンセット要素又は鉗子要素が含まれるが、これらに限定はされない。一実施例では、把持フィーチャは、軸部を覆って延在するスリーブを備え、柄部は、スリーブ・アクチュエータ・スイッチを備える。一実施例では、軸部は、ワイヤ要素から組織を取り外すことができる摺動可能な押抜き具をさらに備える。一実施例では、ランセットナイフは、前記柄部及び軸部の中で長手方向に延在する少なくとも1つの管腔をさらに備える。一実施例では、管腔は、前記軸部に出口ポートを備える。一実施例では、管腔は、前記柄部に入口ポートを備える。一実施例では、管腔は、粘弾性流体を備える。一実施例では、管腔は、吸引流体を備える。一実施例では、柄部は、湾曲している。一実施例では、装置は、光ファイバ可視化システムをさらに備える。一実施例では、ワイヤ要素は、青、白、黒、橙及び黄、又はこれらの任意の組合せを含むが、これらに限定はされない色である。一実施例では、軸部は、環状のリングを備える。一実施例では、ワイヤ要素は、少なくとも1つの加熱要素をさらに備える。一実施例では、軸部は、伸縮式の軸部である。
【0012】
一実施例では、本発明は、軸部に連結される柄部を備え、前記軸部が、第1のブレード及び第2のブレードに連結される、軸方向ブレード眼科ナイフを企図する。一実施例では、第1のブレード及び第2のブレードは、軸部から軸方向に延在する。一実施例では、軸部張出し部が、第1のブレード及び第2のブレードと軸部の側方エッジとの間に位置決めされる。張出し部は、ブレードによってなされる切取りの深さを制限するように位置決めされる。一実施例では、軸部は、把持フィーチャをさらに備える。一実施例では、把持フィーチャにはピンセット要素又は鉗子要素が含まれるが、これらに限定はされない。一実施例では、把持フィーチャは、軸部を覆って延在するスリーブを備え、柄部は、スリーブ・アクチュエータ・スイッチを備える。一実施例では、軸部は、軸部から組織を取り外すことができる摺動可能な押抜き具をさらに備える。一実施例では、眼科ナイフは、前記柄部及び軸部の中で長手方向に延在する少なくとも1つの管腔をさらに備える。一実施例では、管腔は、前記軸部に出口ポートを備える。一実施例では、管腔は、前記柄部に入口ポートを備える。一実施例では、管腔は、粘弾性流体を備える。一実施例では、管腔は、吸引流体を備える。一実施例では、柄部は、湾曲している。一実施例では、装置は、光ファイバ可視化システムをさらに備える。一実施例では、軸部は、青、白、黒、橙及び黄、又はこれらの任意の組合せを含むが、これらに限定はされない色である。一実施例では、軸部は、環状のリングを備える。一実施例では、第1のブレード及び第2のブレードは、少なくとも1つの加熱要素をさらに備える。一実施例では、軸部は、伸縮式の軸部である。
【0013】
一実施例では、本発明は、第1のブレードを備える軸部に連結される柄部を備え、前記軸部が、プラットフォームに連結され、第1のブレードと前記プラットフォームがある角度で連結されるように、第1のブレードが前記プラットフォームに張り出す、Vブレード眼科ナイフを企図する。一実施例では、プラットフォームは、前方ブレード・チップをさらに備える。一実施例では、前方ブレード・チップは、格納式ブレード・チップである。一実施例では、前方ブレード・チップは、ウェッジ・ブレード・チップである。一実施例では、前記ブレード・チップは、直角三角形を有する。一実施例では、前記直角三角形は、ピタゴラスの定理の式(a+b=c)に従い、前記チップの側辺は、長さa及び長さbを有し、斜辺の長さはcである。一実施例では、前記プラットフォームは、傾斜路を備える。一実施例では、前記プラットフォームの前記遠位端部は、ピアシング・ブレードから平行なブレードに向かって上向きに傾斜する。一実施例では、前記プラットフォームの前記遠位端部は、ピアシング・ブレードからTMの高さの上に位置決めされる平行なブレードに向かって上向きに傾斜する。一実施例では、プラットフォームは、前方ブレード・チップから後方端部へと延在する、深さが増す傾斜路を備える。一実施例では、プラットフォームは、前方ブレード・チップから後方端部へと延在する、深さが増す傾斜路を備える。一実施例では、プラットフォームは、環状のカッティング・エッジを備える。一実施例では、軸部は、把持フィーチャをさらに備える。一実施例では、把持フィーチャにはピンセット要素又は鉗子要素が含まれるが、これらに限定はされない。一実施例では、把持フィーチャは、軸部を覆って延在するスリーブを備え、柄部は、スリーブ・アクチュエータ・スイッチを備える。一実施例では、軸部は、軸部から組織を取り外すことができる摺動可能な押抜き具をさらに備える。一実施例では、眼科ナイフは、前記柄部及び軸部の中で長手方向に延在する少なくとも1つの管腔をさらに備える。一実施例では、管腔は、前記軸部に出口ポートを備える。一実施例では、管腔は、前記柄部に入口ポートを備える。一実施例では、管腔は、粘弾性流体を備える。一実施例では、管腔は、吸引流体を備える。一実施例では、柄部は、湾曲している。一実施例では、装置は、光ファイバ可視化システムをさらに備える。一実施例では、軸部は、青、白、黒、橙及び黄、又はこれらの任意の組合せを含むが、これらに限定はされない色である。一実施例では、軸部は、環状のリングを備える。一実施例では、第1のブレード及び第2のブレードは、少なくとも1つの加熱要素をさらに備える。一実施例では、軸部は、伸縮式の軸部である。
【0014】
一実施例では、本発明は、a)2重プラットフォーム/2重ブレード眼科ナイフ、4重ブレード眼科ナイフ、超音波眼科ナイフ、ペンチ状眼科ナイフ、グリッピング眼科ナイフ、ランセット眼科ナイフ、軸方向ブレード眼科ナイフ及びVブレード眼科ナイフで構成されるグループから選択される眼科ナイフを準備するステップと、b)切開部を通って組織標的部位へと前記眼科ナイフを進行させるステップと、c)前記標的部位から組織の細片を切り取るステップとを含む、眼科ナイフの使用方法を企図する。一実施例では、ナイフは、内視鏡に一体化される。一実施例では、方法は、光ファイバ可視化システムを用いて前記切り取るステップを可視化するステップをさらに含む。一実施例では、組織標的部位は、患者の身体の中に位置付けられる。一実施例では、方法は、前記組織標的部位から前記組織の細片を取り除くステップをさらに含む。一実施例では、方法は、緑内障に関して、前記患者を治療するステップをさらに含む。一実施例では、治療するステップは、前記被験者の眼から房水を排液するステップを含む。一実施例では、前記進行させるステップは、i)眼の前房に前記ナイフを挿入するステップと、ii)眼の線維柱帯の付近、又はその中に、前記ナイフを位置決めするステップとをさらに含む。一実施例では、前記切開部は、眼球、皮膚、粘膜、臓器、及び腫瘍で構成されるグループから選択される解剖学的位置にある。
【0015】
定義
本発明の理解を容易にするために、以下に多数の用語が定義される。本明細書で定義される用語は、本発明に関連する領域の当業者によって一般に理解される意味をもつ。「a」、「an」及び「the」などの用語は、単数形の主体のみを指すことを意図するものではなく、説明のために具体的な実例が使用され得る一般的な分類を含むものである。本明細書の専門用語は、本発明の特定の実施例を説明するために使用されるが、それらの使用は、特許請求の範囲に概説されているときを除いて、本発明の範囲を定めるものではない。本明細書において、「患者」又は「被験者」という用語は、ヒト、サル、ウシ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、ネズミ、ラット、モルモット、又はそれらのトランスジェニック種などの、生きた哺乳類の生物を指す。いくつかの実施例では、患者又は被験者は霊長類である。ヒトの被験者の非限定的な実例は、成人、若年者、乳幼児及び胎児である。
【0016】
本明細書で開示される発明の主題は、本開示の趣旨にある場合を除いて、減縮されてはならない。さらに、本開示を解釈する際、すべての用語は、文脈と整合性のある可能な限り広い方式で解釈されるべきである。特に、「備える(comprises)」及び「備える(comprising)」という用語は、要素、構成要素、又はステップを非排他的に指しており、参照された要素、構成要素、又はステップが存在してもよく、利用されてもよく、明確に参照されていない他の要素、構成要素、又はステップと組み合わせられてもよいということを示していると解釈されるべきである。
【0017】
「予防」又は「予防する」は、(1)疾患のリスクがあり、且つ/又は疾患に罹患しやすい可能性があるが、その疾患の病理又は症候のいずれか又はすべてをまだ経験又は呈示していない被験者又は患者においてその疾患の発病を抑制すること、及び/又は(2)疾患のリスクがあり、且つ/又は疾患に罹患しやすい可能性があるが、その疾患の病理又は症候のいずれか又はすべてをまだ経験又は呈示していない被験者又は患者においてその疾患の病理又は症候の発病を遅らせることを含む。
【0018】
本明細書において使用される「治療的有効量」又は「薬剤的有効量」という用語は、疾患を治療するために被験者又は患者に投与されるとき、疾患のこのような治療を実行する、又は疾患若しくは状態の1つ若しくは複数の症状を改善する(たとえば疼痛を改善する)ために十分な量を意味する。
【0019】
本明細書において、「治療する(treat)」及び「治療する(treating)」という用語は、被験者(たとえば患者)が治癒し、疾患が根絶された場合に限定されない。むしろ、本発明は、単に症状を軽減し、疾患の進行を(ある程度まで)改善し、且つ/又は遅延させる治療も企図する。本発明を疾患又は苦痛が治癒する場合に限定することは意図されていない。症状が軽減されれば十分である。
【0020】
本明細書において、「隅角切開術」は、先天緑内障又は他のタイプの緑内障を治療するために主に使用される外科的処置を指す。
【0021】
本明細書において、「線維柱帯」は、毛様体の近くの角膜の基部の周り(強膜岬とシュワルベ線の間)に位置する眼内の組織の区域を指し、前房(角膜で覆われる眼の前部の腔)を介して眼から房水を排液する役割を果たしている。組織は海綿状で、小柱細胞が並んでおり、これにより、流体がシュレム管と呼ばれる1組の管に排液され、最終的に血液系に流れ込むことが可能になる。
【0022】
本明細書において、「シュレム管」は、前房から房水を捕集し、集合管及び前毛様体静脈を介してそれを血流に送り出す、眼内の円形流路を指す。
【0023】
本明細書において、「眼疾患」は、緑内障-視神経症、緑内障疑い-高眼圧症、原発開放隅角緑内障、原発閉塞隅角緑内障、原発開放隅角緑内障、正常眼圧緑内障又は低眼圧緑内障、偽落屑緑内障、色素分散緑内障、閉塞隅角緑内障(急性、亜急性、慢性)、血管新生緑内障又は炎症性緑内障、高眼圧症、及び眼圧の調節障害に関する他のタイプの緑内障を含むがこれらに限定はされない、眼の種々の状態を指す。
【0024】
本明細書において、「低眼圧症」は、眼圧の低下を指す。低眼圧症の統計的定義は、6.5mmHg未満の眼圧(IOP:intraocular pressure)であり、これは平均IOPを3標準偏差よりも大きく下回る。低眼圧症の臨床的定義は、病理(失明)をもたらすのに十分に低いIOPである。低IOPが原因の失明は、角膜浮腫、乱視、類嚢胞黄斑浮腫、黄斑症、又は他の状態によって引き起こされ得る。低眼圧黄斑症は、網脈絡膜皺襞、急性期の視神経乳頭浮腫及び血管の蛇行を含む眼底異常と関連付けられる低IOPを特徴とする。
【0025】
本明細書において、「シュワルベ線」は、眼の角膜の内側表面に見られる解剖学的な線を指し、角膜の内皮層の外側限界を描く。具体的には、これはデスメ膜の終端を表す。
【0026】
本明細書において、「デスメ膜」は、角膜実質とも呼ばれる角膜本来の物質と角膜の内皮層との間に位置する基底膜を指す。
【0027】
本明細書において、「強膜岬」は、ヒトの眼の中のコラーゲンから構成される環状の構造体、前房に至る強膜の突出部を指す。これは毛様体筋の縦走線維の始点であり、前方で線維柱帯に付着している。開放隅角緑内障(OAG:Open-angle glaucoma)及び閉塞隅角緑内障(CAG:closed-angle glaucoma)は、急速な瞳孔収縮及び毛様体筋の収縮を引き起こすムスカリン受容体作動薬(たとえばピロカルピン)によって治療される場合があり、これは強膜岬を引っ張り、その結果線維柱帯が伸長し、分離する。これにより流体の経路が開かれ、シュレム管への房水の排液が促進され、最終的に眼圧を低下させる。
【0028】
本明細書において、「Trabectome(登録商標)」は、成人、若年者及び乳幼児緑内障の外科的管理のための、低侵襲緑内障手術ツールを指す。線維柱帯切除術とは異なり、Trabectome(登録商標)を用いる手術は、外部濾過胞を作り出さず、眼に永久的な穴を残すことを必要としない。代わりに、Trabectome(登録商標)電気外科的ハンドピースは、眼の自然排液系へのアクセスを開く。この処置は、白内障手術の切開部に類似した小さな切開部を通して実施され、患者が当日中に帰宅することを可能にする。
【0029】
本明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付の図は、本発明のいくつかの実施例を図示し、明細書本文と共に本発明の原理を説明する働きをする。図は、本発明の好ましい実施例を図示する目的だけのものであり、本発明を限定していると解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】斜角プラットフォームを有する装置の作動可能な端部の拡大詳細図と共に、装置の一実施例の斜め側面図を示す図である。
図2】斜角プラットフォーム5を有する装置の作動可能な端部の拡大詳細図と共に、装置の一実施例の斜め側面図を示す図である。網掛けされた態様により、斜角プラットフォームの寸法を見ることができる。斜角プラットフォーム5に対するツール軸部3の取付けの角度、並びに斜角プラットフォーム5に対する第1のブレード及び第2のブレードの取付けの角度が示されている。
図3】斜角プラットフォーム5を有する装置の作動可能な端部の拡大詳細図と共に、装置の一実施例の正面図を示す図である。Z軸及びX軸に対して時計回りに0度、15度、及び30度である、斜角プラットフォーム5に柄部1を取り付ける様々な角度の実例が示されている。プラットフォームが、挿入チップ6からプラットフォーム背面7に向かって、且つ第1の側部(右側)から第2の側部(左側)へと延在するにつれて、プラットフォームの厚みが増加することも示されている。
図4A】2重プラットフォーム/2重ブレード眼科ナイフの例示的な実施例を提示し、180°の角度で構成される2つのプラットフォームの2方向性構成35を示す図である。
図4B】2重プラットフォーム/2重ブレード眼科ナイフの例示的な実施例を提示し、2つのプラットフォームの平行な構成を示す図である。
図4C】2重プラットフォーム/2重ブレード眼科ナイフの例示的な実施例を提示し、第1のプラットフォームと第2のプラットフォームのオフセット構成を示す図である。
図5】2つのプラットフォーム・ブレード(10及び11)と2つの軸部ブレード(30及び31)とを備える4重ブレード眼科ナイフの例示的な一実施例を提示する図である。一実施例では、2つの上方(軸部)ブレードが下方(プラットフォーム)ブレードの上に位置決めされ、上方ブレード及び下方ブレードは、上下に動いて、(傾斜路の両側にあるはさみのように)上方ブレードと下方ブレードの間でTMを切り取ることができた。一実施例では、上方ブレードは、(MST鉗子のように)柄部を圧搾するなど、機構をトリガすることによって動くことができる。
図6】超音波眼科ナイフの一実施例を示す図である。
図7】少なくとも2つのブレードを備える下方プラットフォームと、下方プラットフォームに対する相補的表面を有する、蝶番で取り付けられる上方プラットフォームとを備える、ペンチ状眼科ナイフの例示的な一実施例を提示する図である。一実施例では、前記第1のプラットフォームは、シュレム管に案内され、第2のプラットフォームは、前記柄部、ツール軸部、又は胴部の内側にある。一実施例では、前記第1のプラットフォームは、TMに進行し、その後、前記第2のプラットフォームは、次いで前記第1のプラットフォームに向かって押されて、前記第1のプラットフォームと前記第2のプラットフォームの間にTMを捕捉する。一実施例では、前記プラットフォームは、前記第1のプラットフォームと前記第2のプラットフォームの両方にブレード又は凹部をさらに備える。一実施例では、前記プラットフォームは、湾曲した表面を有する。一実施例では、前記プラットフォームは、相補的表面を有する。一実施例では、前記相補的表面同士は、関節接合面で関節接合する。一実施例では、前記関節接合面は、前記ブレードのエッジである。一実施例では、前記プラットフォームは、互いに結びつき、TMの細片を1つの8mm細片に切断する。
図8】1対の鋸歯状の顎部(たとえばワニ口クリップ)に連結される軸部を備えるグリッピング眼科ナイフの例示的な一実施例を提示する図である。
図9】軸部に連結されるワイヤ要素を備えるランセット眼科ナイフの例示的な一実施例を提示する図である。
図10】軸部に連結される少なくとも2つのブレードを備える軸方向眼科ナイフの例示的な一実施例を提示する図である。
図11】Vブレード眼科ナイフの例示的な一実施例を提示する図である。
図12】貫通孔を備えるプラットフォームを有する眼科ナイフの例示的な一実施例を提示する図である。
図13】少なくとも1つの内部管腔を備える眼科ナイフの例示的な一実施例を提示する図である。
図14】傾斜路(又は斜角)のないプラットフォームを備える眼科ナイフの例示的な一実施例を提示する図である。
図15】2つのブレードに取り付けられるプラットフォームを備え、ブレードが、後方端部から遠位前方ブレード・チップへと延在する、眼科ナイフの例示的な一実施例を提示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、低侵襲手術手技を用いる、緑内障などの眼疾患を含む種々の状態の治療のための眼科ナイフ、及びその使用方法に関する。眼科ナイフを使用して、眼の中の組織、たとえば線維柱帯(TM)を切り取ることができる。本発明は、外科的医薬的介入にも関する。たとえば、本発明は、低侵襲手術手技を用いる、緑内障などの眼疾患を含むがこれに限定はされない種々の医学的状態の治療のための顕微外科装置、及びその使用方法に関する。
【0032】
I.眼疾患のための従来の治療
A.緑内障
緑内障は、世界中で失明の主要な原因の1つであると考えられている[1]。疾患の軽減可能な危険因子は眼圧(IOP)であることが報告されている。従来の治療は、降下薬を用いて薬剤的に、又はレーザ又は切開処置の使用を通して外科的に、IOPを下げることに集中してきた。IOPの調節障害が後に起こる、房水排出を遮断する主な区域は、傍小管(juxtacanalicular)線維柱帯(TM)及び遠位排出構造体に位置していると考えられている[2~4]。緑内障を有する成人に隅角切開術又は線維柱帯切開術を実施することは、IOPを下げることにおいて、大きな成功と関連付けられていない[5、6]。対照的に、これらの処置は、TMを覆う膜が房水排出の障害の主要因子であると考えられている先天緑内障においてより成功していることが報告されている[7]。より最近では、成人患者のTMを取り除くための、眼の内側からの新規な線維柱帯切除処置を用いることが試みられてきており、結果はまちまちである[8~10]。
【0033】
この手法の成人での長期的転帰が芳しくない理由の1つは、不完全なTMの除去及び残りのTM小葉部間の膜の形成に関係しており、それに引き続いてIOPが上昇している可能性がある[11]。MVRブレード隅角切開術などの、単にTMを切開する処置、又はTrabectome(登録商標)(Neomedix、Tustin、California、USA)などの、組織を除去すると共にTMを焼灼する処置に、TM組織のより完全な除去がどれほど比肩し得るかは不明確である。2重ブレード装置は、ヒトの眼の排液隅角の解剖学的構造に一致するように特に設計される。本発明を限定するものではないが、装置は、TMと係合し、標的組織を切り取ることにより、その場所に残される小葉部及び隣り合う組織の損傷を最小限にしながら、眼の内側からの線維柱帯切除術を実施するように意図されている。装置は、University of Colorado Eye Center(米国仮特許出願第61/637611号)[12]で設計及び製造された。新規な装置による組織への効果は、微小硝子体網膜(MVR:microvitreoretinal)ブレード(BD:Blade、Franklin Lakes、New Jersey、USA)を使用する隅角切開術、及びTrabectome(登録商標)装置を用いたTMの焼灼術による効果と比較される。各手法のIOPを下げる有効性を評価するために、ヒトの眼灌流調査も完了された。
【0034】
最近では、低侵襲緑内障手術(MIGS:minimally invasive glaucoma surgery)におけるイノベーションに対する機運が高まってきている。保護濾過(guarded filtration)手術及びチューブシャント処置という切開処置の長期的有効性が証明されているにもかかわらず、これらの処置のリスク及び不完全性がこのパラダイムシフトを動かしてきた。従来の切開処置の欠点には、IOP降下結果が予測できないこと、視覚の回復に長期間かかること、感染及び失明の長期的リスク、術後の通院頻度、及び長期的失敗率が含まれる[13]。内視鏡毛様体光凝固術、Trabectome(登録商標)を用いた眼の内側からの線維柱帯切除術、及びiScience照明付きカテーテル(iScience、Menlo Park、California、USA)を用いたカナロプラスティなどの処置は、すべて全層手術の制限に対応するため、とりわけ濾過胞の存在をなくすために導入された。しかし、これらの処置すべての主な欠点は、追加的な機器コストが必要とされ、且つ場合によっては習熟曲線が急なことである。特に、追加的な機器コストは、提供者、病院、及び手術センタに、初期投資を回収するためには何度かの処置を必要とする可能性があるという、かなりのハードルを課す。提供者及び患者は、長期的な有効性データを欠いている新規な処置の補償範囲に関して、保険会社からの反対に遭う可能性もある。追加的な機器を必要とすることにより、世界の、サービスが行き届いていない地域では、患者がこれらの処置にアクセスすることも制限される。
【0035】
B.隅角切開術
隅角切開術は、一般に、先天緑内障を治療するために主に使用される外科的処置であると言われている。これは、眼の前方(前面)部分の構造体のうちのいくつかの発育抑制によって引き起こされる場合がある。これらの構造体には、眼の健全性を保つために必要とされる房水を生成する毛様体、及び虹彩が含まれる。これらの構造体は、先天的な散発的緑内障をもつ患者の眼では通常発育しない。そうではなく、構造体同士は部分的に重なり、房水の主要な排液系である線維柱帯を塞ぐ。この閉塞により、線維柱帯自体が厚くなり、線維柱帯の排液穴が狭くなる。これらの変化は、眼内の流体過多をもたらし、これが眼の内側の構造体を損傷させ得る圧力を引き起こし、緑内障を引き起こす場合がある。
【0036】
一般に、先天緑内障は、眼球内流体の排出が減少することにより、またさらには完全に遮断されることによって引き起こされる。小児を先天緑内障に罹患しやすくする眼の症候群及び異常には、以下のもの、すなわちリーガー異常、ペータース異常、アクセンフェルト症候群、及びアクセンフェルト・リーガー症候群が含まれる。緑内障をもたらす可能性のある形で眼に影響を及ぼす全身性疾患には、マルファン症候群、風疹(ドイツはしか)、並びに神経線維腫症及びスタージ・ウェーバー症候群を含む母斑症が含まれる。これらの疾患は、眼だけではなく身体全体にも影響を及ぼすので、その小児の小児科医又は主治医は、これらの疾患を診断及び治療するのを助けることになる。
【0037】
隅角切開術の目的の1つは、眼からの房水排出の遮断をなくし、結果として眼圧(IOP)を下げることである。発明の機構を理解するのに必要ではないが、IOPを下げることは、先天緑内障でしばしば生じる角膜の拡大、並びに眼の拡張及び伸長を安定化させることに役立つと考えられている。しかし、眼のサイズは、正常には戻らない場合がある。最も重要なことには、房水排出が改善すると、視神経の損傷は停止又は回復する。患者の視力は、手術後に改善する場合がある。
【0038】
外科医が処置を始める前に、患者に縮瞳薬が与えられる場合があり、これは瞳孔を収縮させる薬剤である。部分的な閉塞により、線維柱帯が外科医によく見えるようになり、そこへのアクセスを改善することができ、手術中、眼の水晶体を外傷から保護することもできる。眼圧を下げるために、他の薬剤が投与されてもよい。隅角切開処置は、縮瞳薬を使用せずに行われてもよい。一実施例では、従来技術として説明される装置において可能なように、本発明は、瞳孔散大(非縮瞳)の状況で使用されてもよい。
【0039】
必要な薬剤が与えられ、患者が麻酔をかけられると、外科医は、鉗子又は縫合を使用して、正しい位置に眼を安定化させることができる。患者の頭部は、眼の内側の構造体がより容易に見られるように、外科医から離れた方に回転されてもよい。次に、外科医は、針尖刀又は隅角切開術ナイフを用いて、顕微鏡又はルーペを通して眼の内側を見ながら、角膜に穴を開ける。外科医が隅角切開術を実施するとき、助手は、シリンジを使用して粘弾性管を通して眼の前房に流体を導入してもよい。
【0040】
次いで、隅角鏡検査レンズが眼に配置されてもよい。眼が助手によって回転されたとき、外科医は、眼内で90~120度の弧を描いてナイフ刃又は針を動かし、虹彩及び水晶体の損傷リスクを低減するために、線維柱帯の後方部を避けて前方線維柱帯に切開部を作る。内視鏡による可視化を用いて、切取りを案内してもよい。一実施例では、本発明の装置は、内視鏡の端部に配置され、治療中、隅角レンズの必要をなくしてもよい。ナイフ及び管が取り除かれると、穴から食塩水が導入されて眼の健全性を保つことができ、穴は縫合を用いて閉じられる。外科医は、次いで抗生物質及びコルチコステロイドを眼に塗布して、感染を予防し、炎症を軽減する。次いで、頭部は、血液が蓄積し得ないように切開部位から離れる方に回転されてもよい。第2の眼が、同時に手術されてもよい。処置が繰り返される必要がある場合、眼の別の区域が治療されることがある。
【0041】
従前の装置は、Sorensenら、「Tubular Cutter Device and Methods For Cutting and Removing Strips of Tissue from the Body of a Patient」、米国特許第7,959,641号(2011年6月14日発行[14])に記述されている。国際公開第2004/110501号[15]及び米国公開第US2007/0276420号の関連部分[16]も参照のこと。この参考文献は、線維柱帯から約50~200μmの幅の組織の細片を切り取るための装置を開示する。装置は、カッティング・チューブの遠位端部に形成される第1のカッティング・エッジ及び第2のカッティング・エッジを有する。チップは鈍くてもよく、いくつかの用途では、その所期の位置、すなわちシュレム管に装置を挿入しやすくするように構成及び使用される。さらに、1つ又は複数の屈曲部又は湾曲部が任意選択で形成されて、その使用を容易にすることができる。装置のチップは、線維柱帯を通ってシュレム管に進行することができ、それによってカッティング・エッジに線維柱帯の細片を切り取らせ、それによって房水を排液するための開口を作り出す。この参考文献は、2重カッティング面を有するカッティング・ブレード、及び線維柱帯を除去するためにシュレム管に配置される、任意選択の屈曲部/湾曲箇所を有するチップを教示するが、参考文献は、具体的には0.3mmのブレード幅の使用に言及していない。
【0042】
別の装置が、Huculak、「Small Gauge Mechanical Tissue Cutter/Aspirator Probe for Glaucoma Surgery」、米国特許公開第US2009/0287233号[17]に記述されている。この参考文献は、線維柱帯を取り除くための小ゲージ機械的組織カッタ/アスピレータ・プローブの使用を開示している。プローブは、シュレム管に案内され、線維柱帯の湾曲箇所に従って、前進運動で動かされ得る。運動により、線維柱帯がカッタのカッティング・ポートに送り込まれ、それによって房水の排出を塞ぐ線維柱帯を切り取り、取り除く。シュレム管のサイズに起因して、外側カニューレの遠位端部を直径約0.25~0.36mmの寸法にすることが好ましい。カニューレは、その遠位端部が約0.25~0.36mm(シュレム管は約0.3mm)の寸法になるように先細りにされてもよい。さらに、前縁部は、その線維柱帯を突き抜ける能力を高めるために、湾曲していてもよい。参考文献は、線維柱帯を突き抜け、カッティング・ポートを用いてシュレム管に入って線維柱帯を切り取るために、直径が約0.25~0.36mmであり、鋭い前縁部又は鈍い前縁部を備える小ゲージカッタの使用を教示するが、これ自体は、鋭い2重エッジ・カッティング・ブレードを教示していない。
【0043】
別の装置が、Baerveldtら、「Minimally Invasive Glaucoma Surgical Instrument and Method」、米国特許公開第US2011/0077626号[18](米国特許第7,785,321号[19]及び米国特許第6,979,328号[20]、並びに米国特許公開第US2006/0106370号[21]及び米国特許公開第US2002/0111608号[22]の選択部分も参照)に記述されている。この参考文献は、線維柱帯を切り取り、取り除くためのカッティング・プローブの使用を開示する。プローブは、約25ゲージ(約0.5mm)であるチップを備える。チップは、シュレム管への案内装置として機能するフットプレートをさらに備える。フットプレートの鋭くされた端部は、線維柱帯を突き抜けるために使用される。線維柱帯は、回転可能な刃を使用して、又はギロチン式に切り取られる。参考文献は、線維柱帯を突き抜け、シュレム管を標的にするためのフットプレートを含む約25ゲージのチップを備えるカッティング・プローブの使用を開示するが、これ自体は、シュレム管(0.3mm)を進む大きさにされた、鋭い2重エッジ・カッティング・ブレードの使用に言及していない。別の装置が、Huculak、「Small Gauge Mechanical Tissue Cutter/Aspirator Probe for Glaucoma Surgery」、国際公開第2009/140185号[23](欧州特許第EP2303203号[24]の選択部分も参照)に記述されている。この参考文献は、線維柱帯を取り除くための小ゲージ機械的組織カッタ/アスピレータ・プローブの使用を開示する。プローブは、外側カニューレと内側カニューレで構成される。内側カニューレの遠位端部は、ポート310に入るとき、組織を切り取るように構成される。内側カニューレは、上下に動かされて組織を切り取る。外側カニューレは、線維柱帯を突き抜けるための鋭い端部を有する格納式ピックを含む。シュレム管のサイズに起因して、外側カニューレの遠位端部を直径約0.25~0.36mmの寸法にすることが好ましい。カニューレは、その遠位端部が約0.25~0.36mm(シュレム管は約0.3mm)の寸法になるように先細りにされてもよい。参考文献は、線維柱帯を突き抜け、シュレム管に配置するための0.25~0.36mmの間のサイズのプローブの使用を開示するが、これは、シュレム管を進むための湾曲箇所を備える、鋭い2重エッジ・カッティング・ブレードの使用に言及していない。
【0044】
別の装置が、2001年3月8日出願(2001年10月25日公開)のBergheim,O.B.及びGharib,M.「Apparatus and Method for Treating Glaucoma」、WIPO特許国際公開第2001/078631号、出願第PCT/US2001/007398号[25]に記述されている。この参考文献は、ナイフと、先のとがった案内部材と、管の鋭くされた遠位端部とから構成される、前記管の遠位端部に位置決めされるカッティング部材の使用を開示する。カッティング部材は、シュレム管に串線を配置するために、線維柱帯に開口を形成するように構成される。ナイフは、20~40ゲージの範囲内、好ましくは30(0.3mm)ゲージのサイズのマイクロナイフを含む。参考文献は、線維柱帯を切り取り、シュレム管に串線を送達するための20~40ゲージのサイズのカッティング部材の使用を開示するが、これは、シュレム管を進むための湾曲箇所を備える鋭い2重エッジ・カッティング・ブレードの使用に言及していない。
【0045】
別の装置が、Skjaerpe,Finn、「Microsurgical Instrument」、米国特許第4,501,274号[26](1985年2月26日発行、欧州特許第EP0073803号[27]の選択部分も参照)に記述されている。この参考文献は、プローブから異なる方向に突出し、それぞれが少なくとも1つの鋭いカッティング・エッジを有する2つのナイフ・ブレードからなるカッティング部材を備える顕微外科プローブを開示する。カッティング部材は、ダブル・カッティング・ナイフを有し、2つのカッティング・エッジは、角度的に分離され、その結果、シュレム管及び線維柱帯で、眼の局所的な解剖学的フィーチャに適合されるV形状を作り出す。プローブの直径は約0.25mmであり、ナイフの幅は0.3~0.5mmである。ナイフ・ブレードは、両側にカッティング・エッジも含み、その結果、プローブは、シュレム管を通って両方の方向に引き込まれ得る。参考文献は、線維柱帯及びシュレム管の内壁を切り取るための少なくとも1つの鋭いカッティング・エッジを有する2重ナイフを開示するが、これ自体は、シュレム管を進むための湾曲箇所に言及していない。
【0046】
別の装置が、Constonら、「Ophthalmic Microsurgical System」、米国特許公開第US2006/0149194号[28](国際公開第2003/045290号[29]、欧州特許第EP1455698号[30]、及び韓国特許第KR1020040058309号[31]の選択部分も参照)に記述されている。この参考文献は、直径約50~200ミクロンであるシュレム管に適合されるサイズの内側部材を含む外側マイクロカニューレ・シースを備える顕微外科システムを開示する。内側部材は、内径が50~250ミクロンである外側カニューレ内に嵌合するために、外径が50~240ミクロンの範囲内である。外側マイクロカニューレ及び内側部材は、それぞれシュレム管の湾曲箇所に適合可能であり、内側部材は、遠位端部に、ダイヤモンド若しくはサファイアのチップ若しくはブレード、又は同様の要素を有するカッティング・ツールを任意選択で含む。参考文献は、線維柱帯を切り取り、シュレム管を標的にするための微小サイズのプローブを開示するが、これ自体は、線維柱帯を突き抜け、シュレム管を標的にするための鋭い2重エッジ・カッティング・ブレードの使用に言及していない。
【0047】
別の装置が、Constonら、「Ophthalmic Microsurgical Instruments」、米国特許公開第US2007/0073275号[32](国際公開第2004/093761号[33]及び欧州特許第EP1615604号[34]の選択部分も参照)に記述されている。この参考文献は、シュレム管に直接挿入されて、TMなどの隣り合う組織の制御された治療又は除去を可能にすることができる顕微外科器具を開示する。器具は、外側シース・マイクロカニューレと内側部材とを備え、器具の遠位端部は、シュレム管の湾曲箇所を近似するように湾曲することができる。器具は、標的の組織を切除するためのカッティング手段を含む。マイクロカニューレは、シュレム管(直径約200ミクロン)に対応するサイズにされ、外径が約100~350ミクロンの範囲である。内側部材の遠位チップは、斜角又は鋭くされて、切取り作用を実現することができる。参考文献は、線維柱帯を切り取り、シュレム管を標的にするための微小サイズのプローブを開示するが、これ自体は、線維柱帯を突き抜け、シュレム管を標的にするための鋭い2重エッジ・カッティング・ブレードの使用に言及していない。
【0048】
別の装置が、Huculak、「Pulsed Electric Field Probe for Glaucoma Surgery」、米国特許公開第US2011/0230877号[35]に記述されている。この参考文献は、線維柱帯を除去するための、小ゲージのパルス電界プローブの使用を開示する。プローブの遠位端部は、シュレム管に嵌合するように構成されるピックを含み、その結果、パルス電界を使用して、線維柱帯を切り離し、取り除くことができる。ピックは、線維柱帯を突き抜け、シュレム管に配置され得るように、鋭い端部を有する。ピックは格納式である。プローブの直径は、0.25~0.36mmの間である。参考文献は、線維柱帯を突き抜け、シュレム管に配置されるために、0.25~0.36mmの間の大きさにされたプローブの使用を開示するが、これは、シュレム管を進むための湾曲箇所を備える、鋭い2重エッジ・カッティング・ブレードの使用に言及していない。
【0049】
別の装置が、Pantcheva,M.B.及びKahook,M.Y.(2010)Ab Interno Trabeculectomy、Middle East Afr.J.Ophthalmol.17(4)、287~289[10]に記述されている。この参考文献は、この分野全般で使用されているTrabectome(登録商標)装置のレビューである。
【0050】
Jacobi及び共同研究者ら[36]によって記述されているように、眼の内側からの線維柱帯切除術に使用されている、当技術分野で知られている別の装置は、「ゴニオスクレーパ」として知られている。この装置は、柄部及びキューレット・チップから構成され、シュレム管内でキューレットをこすることによってTMを取り除くために使用される。キューレット・チップは、柄部と一列に並んでおり、排液隅角及び隣り合う構造体のジオメトリに一致しない。期待がもてる前臨床実験後、25個の眼の非無作為臨床試験が完了した[37]。術前のIOPは34.7±7.1mmHg、投薬で2.2±0.56であり、平均経過観察時間は32ヶ月であった。1つの降圧剤を用いて19mmHg以下の術後IOPという成功基準に基づくと、15個の眼(60%)が成功した。それにもかかわらず、局所的なデスメ膜剥離及び/又は前房出血を含む合併症が、一部の患者で発生した。掻爬術を用いて治療された、保存されたヒトの眼の組織学的分析は、TM組織の除去の成功を示したが、シュレム管の外壁及び後壁の中隔及び内皮への損傷があった[36]。本明細書で提示されるデータでは、MVRブレードを使用するとき、隣り合う強膜の同様の損傷がやはり観察されたが、本発明によって企図される2重ブレード装置の一実施例を使用する場合、それは目立ってなくなった。
【0051】
Trabectome(登録商標)装置では、過去数年間にわたり、成功と失敗両方の報告が存在している[8~11、38]。Trabectome(登録商標)対、眼の外側からの線維柱帯切除術に関する最近の後ろ向き研究では、Jea及び共同研究者らは、2年間でTrabectome(登録商標)を用いて治療された眼において、成功率が芳しくないことを見いだしている[8]。失敗をIOP>21mmHg、又は<20%のIOP低減と定義する場合、Trabectome(登録商標)を用いて治療した115個の眼のうち、22.4%のみが成功を果たしている。TM除去によるシュレム管の最初の開放後、残留小葉部がシュレム管及び/又はより遠位の集合管を閉塞させ、これが介入の失敗につながっていることが想定できる。Trabectome(登録商標)治療後の失敗のこの機構は、2重ブレード装置によって克服されるはずであり、それは、残留小葉部を伴うことなく、TM組織がより完全に除去されるためである。
【0052】
修正された2重ブレード装置のジオメトリは、柄部と遠位ブレードとの間の特定の角度を活用することにより、且つカッティング・ブレードと隣り合うカッティング・チップとの間の特定の角度を使用することにより、デスメ膜などの隣り合う組織へのいかなる衝撃も最小限にするように設計された。Kahook M.、国際公開第2013/163034号[39](参照により本明細書に援用される)。眼の内側からの線維柱帯切除術に用いる際の、2重ブレード装置のいくつかの実用上の利点が報告された。第1に、2重ブレード装置は、再利用可能でもよく、標準的な白内障外科用トレーに追加することができる。第2に、可動部品がないこと、又は連結される洗浄若しくは別個の電源の必要性により、安価な製造及び外科的専門知識の迅速な習得が可能になる。これにより、特に世界中の、サービスが行き届いていない場所で、容易で経済的な新しい手技へのアクセスが可能になるはずである。比較すると、従来のTrabectome(登録商標)装置は、ハンドピースや管などの1回限りの使用の物品のコストに加えて、洗浄/吸引ユニット及びジェネレータに対するかなりの初期投資を必要とする。2重ブレード装置の実施例の単純な設計及び材料要件は、より経済的なはずである。最後に、TM除去のための他の手技とは対照的に、2重ブレード装置設計の実施例は、シュレム管の解剖学的構造に一致し、隣り合う組織の損傷を最小限にし、切除される組織に対する優れた制御を可能にする。結論として、従来の2重ブレード装置は、付随する白内障摘出と共に、又はそれを伴わずに、眼の内側からの線維柱帯切除術を実施することができる。
【0053】
II.眼科ナイフ
以下の詳細な説明及びそれが参照する図面は、本発明のいくつかの好ましい実施例又は実例を記載し、説明する目的のためだけに提供されるものであり、本発明のすべての考えられる実施例又は実例を網羅的に記載することは試みられていない。したがって、以下の詳細な説明及び添付図面は、本特許出願及びそこから発行される任意の(1つ又は複数の)特許に列挙される特許請求の範囲に記載の範囲を、いかなる形でも限定すると解釈されないものとする。
【0054】
一実施例では、本発明は、眼の組織(たとえば線維柱帯(TM))を切り取るための眼科ナイフを企図する。具体的には、ナイフは、組織(たとえば線維柱帯の組織)を切り取るために進入ブレード・チップが上に湾曲して傾斜路のような作用を提供する構成、及びそのサイズ(すなわち、たとえば約0.3~0.2mmの間の幅)により、シュレム管に入ることを可能にする装置チップを有してもよい。
【0055】
他の従来の装置と比較した、本明細書で述べられるいくつかの実施例の具体的な利点には、以下のものが含まれるが、これらに限定はされない。
1.機械的可動部品がない。
2.組織の焼灼又は燃焼がない。
3.多重ブレード構成が、TMをほとんど後に残さずに精密にTMを切り取る、装置側部の定位置に存在し得る(現在の装置は、かなりの残留TM小葉部を後に残し、その後、この瘢痕が残る)。
4.シュレム管への進入は、ブレード・チップを使用してなされる。他の同様の装置は、ブレードでないフットプレートを使用してシュレム管に入る。
5.これらの装置の寸法により、完全な切取りが可能になり、精度をもってシュレム管に嵌合する。
6.ブレードのチップは、TMをブレードに近づける表面を形成する多重側部ブレードへと上向きに傾斜してもよく、こうすると、より精密な切取りが可能になる。
7.装置の遠位端部は、a+b=cに従う直角三角形である。
8.遠位端部は、ピアシング・ブレードからTMの高さの上に位置決めされる平行なブレードに向かって上向きに傾斜する。
9.装置が進行するとき、傾斜路により、TMがシュレム管から離れて引き上げられ、したがってTMがシュレム管の内壁の通常の位置の上に持ち上げられる。
10.TMが引き上げられ、装置が進行されると、TMが平行なブレードに近づき、その結果、組織がすっぱりと切り取られる。
11.シュレム管の内壁の自然の位置から離して組織を伸ばすことが、成功の鍵になるステップである。
12.ピアシング・チップ・ブレードは、傾斜路の上部のブレードと連続していない(すなわち、チップからTMを切り取るブレードまでずっと連続している鋭い部品はない)。傾斜路の区域は、一般にカッティング・エッジがない。
13.一実施例では、装置は、平坦な底部を有し、その結果、装置がヒールダウンと同一平面上に配置されると、装置の底部の大部分は、シュレム管の外壁部に接触しない(これはシュレム管の湾曲によってもたらされる(そのため、フットプレートの底部はシュレム管によって覆われる)。これは、本発明のフットプレートが進行するとき、それとの接触及び摩擦がより少ないことを意味する。
14.組織の切取りはすべて(ブレード・チップを用いた最初の突刺しを除いて)、(前房に向かって引き上げられて)シュレム管から離れてなされる。
【0056】
A.眼科ナイフ・プラットフォーム
いくつかの実施例では、本発明は、プラットフォームを備える眼科ナイフを企図する。いくつかの実施例では、プラットフォームは傾斜路を備え、それによって斜角形状又はウェッジ形状38を形成する。いくつかの実施例では、プラットフォームは、好ましくはプラットフォームの側面で、側方ブレードに取り付けられる(図1参照)。
【0057】
一実施例では、第1の側方ブレード10及び第2の側方ブレード11は、斜角プラットフォーム5の底部に対して垂直に位置合わせされている。一実施例では、本発明は、柄部1と斜角プラットフォーム5とを備える装置12に関し、前記プラットフォーム5は、前記柄部1に対して特定の角度及び向きでセットされる。一実施例では、本発明は、柄部1と斜角プラットフォーム5とを備える装置12に関し、前記プラットフォーム5は、少なくとも2次元で自由に回転する。一実施例では、前記柄部1と前記斜角プラットフォーム5は、Y-Z軸において90~120度の間の範囲の角度で、作動可能に取り付けられる。一実施例では、前記柄部1及び斜角プラットフォーム5は、X-Z軸において90~180度の間の範囲の角度で、作動可能に取り付けられる。一実施例では、前記プラットフォーム5は、X-Y次元において、前記柄部1に対して自由に回転する。一実施例では、前記プラットフォーム5は、X-Y、X-Z、及びY-Z次元において、前記柄部1に対して固定的な角度でとどまる。一実施例では、前記プラットフォーム5は、正のZ次元において、前記柄部1に対して自由に回転する。一実施例では、前記斜角プラットフォーム5は、第1の端部/斜角プラットフォーム・チップ/挿入ブレード・チップ6と、第2の端部/斜角プラットフォーム背面7とを備え、前記第2の端部/斜角プラットフォーム背面7の厚みは、前記第1の端部/斜角プラットフォーム・チップ/挿入ブレード・チップ6と比較して、2~30倍大きい。一実施例では、斜角プラットフォーム5の寸法は、式A+B=Cで定められ、Aは前記挿入ブレード・チップ6から斜角プラットフォーム背面7までの前記斜角プラットフォーム5の長さであり、Bは斜角プラットフォーム5の高さであり、Cは傾斜路の長さである。一実施例では、前記斜角プラットフォーム5の高さは0.5ミリメートルを超えない。一実施例では、前記挿入ブレード・チップ6から斜角プラットフォーム背面7までの前記斜角プラットフォーム5の長さは、1.0ミリメートルを超えない。一実施例では、前記第1の端部/斜角プラットフォーム・チップ/挿入ブレード・チップ6は、鋭利な外科的ランセットを備える。一実施例では、前記第1の端部/斜角プラットフォーム・チップ/挿入ブレード・チップ6は、20~90度の間の角度を有する。一実施例では、前記斜角プラットフォーム5の厚みは、Y軸の方向において、鋭利なブレード・チップから第2の端部/斜角プラットフォーム背面7に向かって増加する。一実施例では、前記第1の端部/斜角プラットフォーム・チップ/挿入ブレード・チップ6は、外科的な鋭さの鋭利なエッジを有する、先のとがったチップを備える。一実施例では、前記第1の端部/斜角プラットフォーム・チップ/挿入ブレード・チップ6は、ランセットを備える。一実施例では、前記斜角プラットフォーム5は、第1のブレード10と第2のブレード11とをさらに備える。一実施例では、前記第1のブレード10は、前記第2の端部/斜角プラットフォーム背面7の第1の側部8に取り付けられる。一実施例では、前記第1のブレード10と斜角プラットフォーム5は、Y-Z軸において90~180度の間の範囲の角度で、作動可能に取り付けられる。一実施例では、前記角度は、好ましくはY-Z軸において90~120度の間である。一実施例では、前記第2のブレード11と斜角プラットフォーム5は、Y-Z軸において90~120度の間の範囲の角度で、作動可能に取り付けられる。一実施例では、前記第1のブレード10と柄部1は、Y-Z軸において90~120度の間の範囲の角度で、作動可能に位置決めされる。一実施例では、前記第2のブレード11と柄部1は、Y-Z軸において90~120度の間の範囲の角度で、作動可能に位置決めされる。一実施例では、前記第2のブレード11は、前記第2の端部/斜角プラットフォーム背面7の第2の側部9に取り付けられる。図2。一実施例では、前記前方ブレード・チップは、格納式ブレード・チップである。
【0058】
一実施例では、前記斜角プラットフォーム5の厚みは、X軸の方向において、前記第2の側部9から第1の側部8に向かって増加する。図3。一実施例では、前記斜角プラットフォーム5の厚みは、X軸の方向において、前記第2の側部9から第1の側部8に向かって増加し、前記斜角プラットフォーム5の厚みは、Y軸の方向において、第1の端部6の鋭利なブレード・チップから第2の端部/斜角プラットフォーム背面7に向かって増加する。
【0059】
一実施例では、前記斜角プラットフォーム5の厚みは、X軸の方向において、前記第1の側部8から第2の側部9に向かって増加する。一実施例では、前記斜角プラットフォーム5の厚みは、X軸の方向において、前記第1の側部8から第2の側部9に向かって増加し、前記斜角プラットフォーム5の厚みは、Y軸の方向において、第1の端部6の鋭利なブレード・チップから第2の端部/斜角プラットフォーム背面7に向かって増加する。一実施例では、前記第1のブレード10及び前記第2のブレード11は、前記第2の端部/斜角プラットフォーム背面7の上面の上方に延在する。一実施例では、前記第1のブレード10及び前記第2のブレード11は、前記第2の端部/斜角プラットフォーム背面7の上面に対して約100~140度の間の角度で位置決めされる。一実施例では、前記斜角プラットフォーム5は、幅が約0.3ミリメートルである。一実施例では、前記斜角プラットフォーム5は、幅が約0.2ミリメートルである。好ましい一実施例では、前記斜角プラットフォーム5は、幅が約0.25ミリメートルである。一実施例では、前記斜角プラットフォーム5は、約1.0ミリメートルの長さである。一実施例では、前記斜角プラットフォーム5は、約0.4ミリメートルの高さである。一実施例では、斜角プラットフォーム5の前記最も高い点は、第1のブレード及び第2のブレードである。装置12は、標準的な外科的ハンドピースに取付け可能な、事前に滅菌された1回限りの使用の使い捨てのプローブ又はチップとして提供されてもよい。一実施例では、装置は、光ファイバ可視化システム24をさらに備える。一実施例では、前記軸部3は、把持フィーチャ26をさらに備える。一実施例では、前記把持フィーチャ26は、ピンセット要素及び鉗子要素で構成されるグループから選択される。一実施例では、前記把持フィーチャ26は、前記軸部を覆って延在するスリーブ27を備え、前記柄部は、スリーブ・アクチュエータ・スイッチを備える。
【0060】
B.2重プラットフォーム/2重ブレード眼科ナイフ
一実施例では、本発明は、軸部3に連結される柄部1を備える2重プラットフォーム/2重ブレード眼科ナイフであって、前記軸部が、第1のプラットフォーム及び第2のプラットフォームに連結され、前記第1のプラットフォームが、第1のブレード及び第2のブレード並びに第1の前方ブレードを備え、前記第2のプラットフォームが、第3のブレード14及び第4のブレード15並びに第2の前方ブレード・チップを備える、2重プラットフォーム/2重ブレード眼科ナイフを企図する。図4Aに示される一実施例では、前記装置は、反対方向に向く2つのプラットフォームを備え、各プラットフォームは、それぞれ少なくとも2つの側方ブレードを有し、それぞれブレード・チップを有する。図4Bに示される別の実施例では、装置は、概ね平行な2つのプラットフォームを備え、各プラットフォームは、それぞれ少なくとも2つの側方ブレードを有し、それぞれブレード・チップを有する。一実施例では、前記第1の前方ブレード・チップ及び第2の前方ブレード・チップは、格納式ブレード・チップである。別の実施例では、装置は、少なくとも2つのオフセット・プラットフォームを備える。別の実施例では、装置は、少なくとも2つの側方ブレードをそれぞれが有し、ブレード・チップをそれぞれが有する、少なくとも2つのオフセット・プラットフォームを備える。
【0061】
C.4重ブレード眼科ナイフ
一実施例では、本発明は、軸部3に連結される柄部1を備え、前記軸部が、4つのカッティング・ブレードと前方ブレード・チップとを備えるプラットフォームに連結される、4重ブレード眼科ナイフを企図する(図5参照)。一実施例では、2つの上方(軸部)ブレード(30及び31)が、下方(プラットフォーム)ブレード(10及び11)の上に位置決めされ、上方ブレード及び下方ブレードは、上下に動いて、(傾斜路の両側にあるはさみのように)上方ブレードと下方ブレードの間でTMを切り取ることができる。一実施例では、上方ブレードは、(MST鉗子のように)柄部1を圧搾するなど、機構32をトリガすることによって動くことができる。
【0062】
D.超音波眼科ナイフ
一実施例では、本発明は、柄部1と、軸部3と、前方ブレード・チップと、プラットフォームとを備え、プラットフォームが、超音波エミッタ25を備える、超音波眼科ナイフを企図する。一実施例では、前記超音波眼科ナイフは、図6に示されている。
【0063】
E.ペンチ状眼科ナイフ
一実施例では、本発明は、軸部3に連結される柄部1を備え、前記軸部が、下方プラットフォーム及び上方プラットフォームに連結される、ペンチ状眼科ナイフを企図する。一実施例では、前記プラットフォームは湾曲している。一実施例では、前記第1のプラットフォームは、シュレム管に案内され、第2のプラットフォームは、前記柄部1、ツール軸部3、又は胴部16の内側にある。一実施例では、前記第1のプラットフォームは、TMに進行し、その後、前記第2のプラットフォームは、次いで前記第1のプラットフォームに向かって押されて、前記第1のプラットフォームと前記第2のプラットフォームの間にTMを捕捉する。一実施例では、前記プラットフォームは、前記第1のプラットフォームと前記第2のプラットフォームの両方に、ブレード又は凹部をさらに備える。一実施例では、前記プラットフォームは、相補的表面を有する。一実施例では、前記相補的表面同士は、関節接合面で関節接合する。一実施例では、前記関節接合面は、前記ブレードのエッジである。一実施例では、前記プラットフォームは、互いに結びつき、TMの細片を1つの8mm細片に切断する。一実施例では、前記装置は、図7に示されている。
【0064】
F.グリッピング眼科ナイフ
一実施例では、本発明は、軸部3に連結される柄部1であって、前記軸部が、横方向ワニ口クリップ17を備える、柄部1と、軸部3に連結されるプラットフォームであって、前記プラットフォーム5が、第1の側方ブレード10aを備える、プラットフォームと、前方ブレード・チップ6とを備えるグリッピング眼科ナイフを企図する。一実施例では、前記ワニ口クリップ17は、第1のワニ口クリップ・ブレード18と第2のワニ口クリップ・ブレード19とを備える。一実施例では、前記ワニ口クリップ17は、関節接合する顎部を閉じるばねを有するクリップを備える。一実施例では、前記ワニ口クリップは、鋸歯状の顎部を閉じるばねを有するクリップを備える。ワニ口クリップ(17)の実例が、図8に示されている。一実施例では、前記ワニ口クリップの上顎部のみが、上下に動く。一実施例では、前記ワニ口クリップの下顎部は、シュレム管にとどまる。一実施例では、前記ワニ口クリップの上顎部の楕円形運動がTMを引き込み、それを切り取り、次いでそれを裏側から押し出す。
【0065】
G.ランセット眼科ナイフ
一実施例では、本実施例は、軸部3に連結される柄部1を備え、前記軸部が、ワイヤ要素20に連結される、ランセット眼科ナイフを企図する。一実施例では、前記ワイヤ要素の形状は、前記軸部3に格納することができる。一実施例では、前記ワイヤ要素は剛性である。一実施例では、前記ワイヤ要素の形状は、チップを有する形状から正方形ワイヤのように単純な形状まで、種々の形状でもよい。一実施例では、前記ワイヤ要素20は、少なくとも1つの鋭いエッジを有する。一実施例では、前記ワイヤ要素20は、少なくとも1つの鈍いエッジを有する。図9に示されるように、一実施例では、前記ワイヤ要素20は、正方形の形状を有する。一実施例では、前記ワイヤ要素20は、三角形、正方形、長方形、又は楕円でもよい。一実施例では、前記ワイヤ要素20は、TMに押し込まれる。そうすることで、前記ワイヤ要素20は、シュレム管をわずかに伸ばして開く。ワイヤ要素20は、次いでシュレム管を通って進行し、その結果、鋭いワイヤが、尾を引くTMの長い細片を残してTMを切り取る。
【0066】
H.軸方向ブレード眼科ナイフ
一実施例では、本発明は、軸部3に連結される柄部1を備え、前記軸部が、第1のブレード及び第2のブレードに連結される、軸方向ブレード眼科ナイフを企図する。一実施例では、前記軸方向ブレードは、少なくとも1つの遠位ブレードを備える軸方向拡張部21を備える。一実施例では、前記遠位ブレードは、前記軸方向拡張部に付けられ、前記ブレードと前記軸方向拡張部遠位チップのエッジとの間の距離は、張出し部36を有する。一実施例では、前記張出し部36は、切取りの深さを制限する。図10に示されている一実施例では、前記装置は、前記軸方向拡張部21に取り付けられる平行な2つのブレード(10及び11)を備え、ブレードと前記軸方向拡張部21のエッジとの間の空間が、張出し部36を備える。
【0067】
I.Vブレード眼科ナイフ
一実施例では、本発明は、第1のブレードを備える軸部3に連結される柄部1を備え、前記軸部が、プラットフォームに連結され、第1のブレードと前記プラットフォームがある角度で連結されるように、第1のブレードが前記プラットフォームに張り出す、Vブレード眼科ナイフを企図する。一実施例では、取付けの角度及び前記プラットフォームへの前記軸部3の張出し部は、組織をせん断するための表面を提供する。一実施例では、前記ナイフは、切り取られた組織のための通過窓をさらに備える。図11は、この装置の一実施例の側面図を示し、破線は、内側の貫通孔23の一実施例を示す。
【0068】
III.構成材料
本発明の実施例を任意の特定の構成材料に限定する意図はないが、好ましい材料には、チタン、ステンレス鋼、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK:polyether ether ketone)、セラミック、剛性プラスチック、ニチノールなどの形状記憶合金、及び形状記憶ポリマーが含まれると考えられている。いくつかの実施例では、プラットフォームは、ケイ素、又は別のポリマー若しくはヒドロゲルで作られる。
【0069】
いくつかの実施例では、本明細書で企図されるナイフは、光干渉断層計(OCT:optical coherence tomography)の波長(たとえば通常800~1600nm)に対して透過性である材料で作られてもよい。一実施例では、OCT透過性材料にはグリコール変性ポリ(エチレンテレフタラート)、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタクリル酸メチル)、又はポリフェニルスルホンが含まれるが、これらに限定はされない。発明の機構を理解するのに必要ではないが、これらの材料は、眼球内手術中、眼科ナイフによるいかなる視野の妨害も伴うことなく、手術時のOCTの実施を可能にすると考えられている。
【0070】
一実施例では、本装置は、Furst,J.G.ら「Metal Alloys for Medical Devices」、米国特許第7,648,591号[40]、Richter,K.「Amorphous Metal Alloy Medical Devices」、米国特許第7,955,387号[41]で記述されている金属合金材料から作られ、すべて参照により本明細書に援用される。一実施例では、本装置は、Reimink,M.S.及びOgle,M.F.「Medical Devices With Polymer/Inorganic Substrate Composites」、米国特許第7,604,663号[42]、Langer,R.S.及びLendlein,A.「Shape Memory Polymers」、米国特許第6,388,043号[43]、Langer,R.S.及びLendlein,A.「Shape Memory Polymers」、米国特許第6,720,402号[44]、Tong,T.H.「Shape Memory Styrene Copolymer」、米国特許第6,759,481号[45]、Stalker,K.C.B.ら「Variable Stiffness Medical Devices」、米国特許第7,632,303号[46]、Anthamatten,M.L.及びLi,J.「Shape Memory Polymers」、米国特許第7,935,131号[47]、並びにBerger,E.J.ら「Methods of Forming a Part Using Shape Memory Polymers」、米国特許第8,038,923号[48]で記述されている形状記憶ポリマー材料から作られ、すべて参照により本明細書に援用される。いくつかの実施例では、本発明の装置は室温で剛性であるが、体温ではより可撓性である。いくつかの実施例では、本発明の装置の一部は室温で剛性であるが、体温ではより可撓性である。いくつかの実施例では、装置の一部は、異なる材料から作られる。いくつかの実施例では、装置の一部は、剛性が様々な材料から作られる。一実施例では、前記軸部は可撓性である。いくつかの実施例では、前記軸部は、より低密度の材料から作られる。
【0071】
本発明の実施例を任意の特定の構成材料に限定する意図はないが、好ましい材料には、チタン、ステンレス鋼、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、形状記憶合金、及び形状記憶ポリマーが含まれると考えられている。いくつかの実施例では、本発明の装置は室温で剛性であるが、体温ではより可撓性である。いくつかの実施例では、本発明の装置の一部は室温で剛性であるが、体温ではより可撓性である。いくつかの実施例では、装置の一部は異なる材料から作られる。いくつかの実施例では、装置の一部は、剛性が様々な材料から作られる。一実施例では、前記ツール軸部3は可撓性である。いくつかの実施例では、前記軸部はより低密度の材料から作られる。
【0072】
C.多重ブレード眼科ナイフの使用方法
一実施例では、本発明は、a)2重プラットフォーム/2重ブレード眼科ナイフ、4重ブレード眼科ナイフ、超音波眼科ナイフ、ペンチ状眼科ナイフ、グリッピング眼科ナイフ、ランセット眼科ナイフ、軸方向ブレード眼科ナイフ及びVブレード眼科ナイフで構成されるグループから選択される眼科ナイフを準備するステップと、b)切開部を通って組織標的部位へと前記眼科ナイフを進行させるステップと、c)前記標的部位から組織の細片を切り取るステップとを含む、眼科ナイフの使用方法を企図する。
【0073】
装置間の詳細な相違点
本発明の実施例を任意の特定の方法、医学的標的、又は装置確認に限定する意図はないが、装置は、眼の線維柱帯を取り除くため、(静脈、動脈、リンパ管、又は管腔を有する他の脈管などの)小脈管の開放術を行うため、及び耳の鼓膜に穴又は開口を作り出すのに最適に設計されてもよいと考えられる。本発明の実施例を任意の特定の機構に限定する意図はないが、耳の鼓膜に開口を作り出すことは、耳疾患の治療に役立ち得ることが考えられる。
【0074】
本発明の実施例を任意の特定の内視鏡に限定する意図はなく、装置は、眼科内視鏡検査システムの内視鏡向けに最適に設計されてもよいと考えられる。このようなシステムの1つは、商業的には「Endo Optiks」と呼ばれている。
【0075】
このように、多重ブレード切取りシステムの特定の組成物及び構成が開示されてきた。しかし、本明細書の発明概念から逸脱しない限り、既に説明されたものに加えて他にも多くの修正形態が考えられることは、当業者にとって明らかなはずである。
【0076】
本明細書で言及されるすべての刊行物は、刊行物が引用されている方法及び/又は材料を開示及び説明するために、参照により本明細書に援用される。本明細書で論じられる刊行物は、本出願の出願日に先立つそれらの開示のためにのみ提供される。本明細書には、本発明が、先行発明により、このような刊行物に先行する資格のないことを認めていると解釈されるべきものはない。さらに、提供されている刊行物の日付は、実際の刊行日付とは異なる可能性があり、個別に実際の刊行日付を確認する必要がある場合がある。
【0077】
実験
試験の開始に先立ち、ヒト材料の使用に関してColorado Multiple Institutional Review Boardから前臨床調査[49]の承認が得られ、ヘルシンキ宣言の原則が守られた。研究での使用に関して、ヒトの眼球が取得されたアイバンクにより、ドナー又は近親者からインフォームド・コンセントが取得された。
【0078】
「実例I」
組織学的分析
6つの(6)角膜リム検体が、Rocky Mountain Lions Eye Bank(Aurora、Colorado、USA)及びSan Diego Eye Bank(San Diego、California、USA)から取得された。組織試料は、保管培地から取り出され、TM側が上に向けられて組織ピンを使用して定位置に固着された状態で、プラットフォームに取り付けられた。試験される3つの治療方法のそれぞれについて、合計2つの試料が使用された。MVRブレードを使用して、2つの角膜リムの長さに沿って、顕微鏡による可視化の下で中央のTMが切開された。Trabectome(登録商標)装置については、装置チップのフットプレートが、顕微鏡による可視化の下でシュレム管に挿入された。定位置にくると、フット・ペダルを使用して、チップをTM試料の領域にわたってゆっくりと進行させながら、連続的な切除が施された。治療中、0.8Wである標準的な電力設定が使用された。2重ブレード装置を使用して、2つの試料のTMが切開された。ブレード・チップを使用して、隅角切開術に用いられるのと類似したやり方でTMが切開され、次いでブレードは、TMの領域に沿って、時計回りに進行された。遠位端部で、ブレード・チップは、上に傾けられてTMの完全なリボンを切開し、プロセスは反時計回りに繰り返されて、残りのTM組織を切開した。
【0079】
次いで即座に、すべての組織試料は、4%パラホルムアルデヒド/リン酸干渉生理食塩水に4℃で1晩保存され、次いで半径方向に切り取られて四分円にされた。リムセクションは、組織診断用に処理され、組織の切取りエッジがブロックの前面に向くようにパラフィンに包埋された。組織セクション(厚さ6mm)は、切り取られ、マイヤー・ヘマトキシリン・エオジンY(Richard-Allan Scientific、Kalamazoo、Michigan、USA)で染色された。NikonD5-Filカラーカメラ及びNikonCFI103/Plan Fluor対物レンズを備えたNikon Eclipse80i顕微鏡(Nikon、Melville、New York、USA)を使用して、明視野撮像が実施された。
【0080】
「実例II」
ヒトの眼灌流
緑内障の病歴がない偽水晶体ドナーからの合計12個のヒトの眼球が、各装置での灌流調査のために国内の種々のアイバンクから取得された。灌流システムは、標準的なプログラム可能シリンジ・ポンプ(Pump 11 Plus;Harvard Apparatus、Holliston、Massachusetts、USA)を使用した。圧力は、単一チャネル式チャート記録計(Pharmacia REC-481;Pharmacia/Pfizer New York、New York、USA)に接続されるインライン・リアルタイム圧力変換器(Research Grade Pressure Transducer;Harvard Apparatus)を介して監視された。内径1.14mmのポリエチレン管(PE-160;Warner Instruments、Hamden、Connecticut、USA)が、すべての連結に使用された。
【0081】
それぞれの場合において、ヒトの眼球は、まず、眼球が球形の形状に戻るまで、26ゲージ針を用い、視神経を通してダルベッコ改変イーグル培地(DMEM:Dulbecco’s modified Eagle medium;Invitrogen/Life Technologies、Carlsbad、California、USA)を注入することによって準備された。灌流ライン(別の26ゲージ針を末端とする)は、眼の前房を通って斜めに挿入され、角膜及び瞳孔を通過して、チップが虹彩の下にある状態で終端する。眼球は、湿ったガーゼで囲まれ、(DMEMで満たされた)灌流ポンプは、7mL/分の初期流量に設定された。IOPは、30mmHgに達するまで上げられた。次いで、注入量は、2~5mL/分まで下げられて、TM切開前に定常状態のIOPを少なくとも60分間維持した。それぞれの場合において、術前のIOPは、切開の直前に測定された。1.7mmのステンレス鋼角膜切開ブレード(BD)を使用して、角膜輪部の近くに3斜角の明確な角膜切開部が作り出され、それぞれの場合において、前房は、処置中、前房を保持し且つ適切な可視化を実現するのに十分な粘弾性物質(HealonGV;Abbott Medical Optics、Abbott Park、Illinois、USA)で満たされた。それぞれの手技は、顕微鏡の補助を用い、標準的な直接型隅角鏡を使用して、隅角検査鏡の視野の下で実施された。各装置に用いられる外科的処置は上に説明されている。それぞれの場合において、TMの約100~180度が治療された。各装置において、治療は、角膜の傷から180度離れて始まり、時計回り方向において、角度に沿って拡張された。装置は、次いで同じスタート地点から、反時計回り方向において拡張された。それぞれの装置を用いて可能な最大量の角度を治療するために、あらゆる取組みがなされた。
【0082】
従来の修正された2重ブレード装置及びTrabectome(登録商標)の場合では、治療の方向に装置チップを誘導するために、最初の通過後、器具は180度回転される。IOPは、処置後IOPを測定する前に、定常状態に達することができた。試験された3つの手術手技のそれぞれは、合計4個の眼で実施された。
【0083】
各装置について、2つの角膜リムセクションが分析された。6ミクロンの厚みの組織学的セクションが、各装置で治療された種々のクロックポジション(clock hours)から取られて、マイヤー・ヘマトキシリン・エオジンY(Richard-Allan Scientific)を用いて染色された。所見は、テストされた各装置からのすべてのセクションで一貫していた。MVRブレードを用いた切取りは、TM組織の厚み全体を通る完全な切開部を示した。しかし、TMの除去は最低限であり、組織の大きい小葉部がシュレム管中に残っていた。切開部は、シュレム管を通って深く延在し、セクションの大部分において、隣り合う深部強膜(図1)の明らかな傷があった。Trabectome(登録商標)も、TM組織全体を通ってシュレム管に至る開口を得た。この装置も中央のTMの大部分を取り除いたが、残留組織のかなりの小葉部がやはり残った。残留TMは、熱による傷からの広範囲にわたる炭化を示した。組織残屑は、遠位集合管(図2)を閉塞させることも確認された。2重ブレード装置を用いて切開された組織は、付随的な損傷を伴わず、TMのより完全な除去を示した(図3)。
【0084】
ヒトの眼灌流調査からのデータは、表1に含まれている。TM治療の領域は、装置間で、且つ眼によって、100~180度で異なる。すべての3つの治療様式は、治療の30分後、測定されたIOPにおいて著しい低減を達成した。2重ブレード装置及びTrabectome(登録商標)を用いる治療は、それぞれ40%の平均IOP低減をもたらしたのに対し、MVRブレードは31%の低減を達成した。IOP低減のパーセンテージは、Trabectome(登録商標)及び2重ブレード装置の方が大きかったが、IOP低減において、装置間に統計的に有意な差は存在しなかった(2重ブレード/MVRP=.13、2重ブレード/Trabectome(登録商標)P=.96、Trabectome(登録商標)/MVRP=.12)。治療されたTMの度数と任意の装置についてのパーセンテージIOP変化との間に相関関係はなかった(r2=0.077-0.271)。
【0085】
【表1】
【0086】
本発明の一実施例の初期の前臨床評価である試験では、緑内障の治療のための2重ブレード装置が提示される[49]。2重ブレード装置を用いて治療されたヒト死体の眼組織の組織学的分析は、周辺の組織の観察可能ないかなる損傷も避けながら、TM組織のより完全な除去を達成した。MVRブレード隅角切開術及びTrabectome(登録商標)装置を用いた眼の内側からの線維柱帯切除術などの、TM除去の他の方法を用いる治療は、新規な2重ブレード装置と同等の組織学的結果を得ることに失敗した。組織診断データは、体外治療された角膜のリムから得られたが、治療が、灌流された眼に眼の内側からの手法を使用して実施されるとき同様の所見が確認された。2重ブレード装置によりTM小葉部がほぼなくなることは、将来の物理的遮断の可能性を低減することにおいて有益である可能性があり、組織の損傷がないことも、外科的部位での炎症性反応又は引き続いて起こる線維症を軽減する可能性がある。
【0087】
潜在的に好都合な組織学的転帰に加えて、2重ブレード装置は、ヒトの眼灌流モデルにおいて、著しいIOP低減をもたらした。灌流モデルでの使用後、3つの装置すべてがIOPの同様の即時的低減をもたらしたが、緑内障を治療するのに使用されるとき、本発明の2重ブレード装置を用いた、TM組織のより完全な除去及び付随的な損傷の軽減が、どのように長期的外科的転帰に変わることになるのかは不明確である。治療されたTMの度数とIOP低減との間に、相関関係は見いだされなかった。IOP低減は、TM除去単独の絶対量ではなく、露出される下流の集合管の数に、より依存している可能性があるということが有力だと考えられる。
【0088】
眼科外科医によって広く使用され得る低コストなMIGS装置を提供する取組みにおいて、本発明の一実施例は、観察可能な付随的な損傷を伴わずにTMをうまく取り除くことができる新規な医学的グレードのステンレス鋼2重ブレード装置を企図する。一実施例では、装置は、TM組織のより完全な除去を可能にする精密なジオメトリを用いる、特有の2重エッジ・ブレード設計を有する(図4A及び4B)。発明の機構を理解するのに必要ではないが、処置は、眼の内側からの手法で実施され、前房を保持するために粘弾性であると考えられる。たとえば、従来の隅角切開処置において使用される手技と同様に、ブレードのサイズ及びチップにより、シュレム管にスムーズに入ることが可能になる。定位置にくると、チップは、シュレム管を通って進行し、TMは、TMを切開し取り除くように特異的に位置決めされる1組のブレードに向かって組織を案内する、設計された傾斜路に沿って引き上げられる。シュレム管の外壁とシュレム管の内壁の間に並置されて焼灼中の保護を可能にする、Trabectome(登録商標)フットプレートとは対照的に、2重ブレード装置は、TMを離断し、TMをシュレム管の外壁から離して引き上げる。発明の機構を理解するのに必要ではないが、上方に配置され戦略的に角度を付けられた2重ブレードによって切開されるとき、装置が前方に動くにつれて、装置の傾斜路に沿ってTMを引き上げることにより、最大限の組織除去がもたらされると考えられる。遠位カッティング・エッジと柄部との間の角度は、上の角膜、又は下の強膜岬の外傷を避けながら、1つの切開部をから最大角度の治療を可能にするように設計されることがさらに考えられる。切除されたTMは、次いで、鉗子を用いて眼から取り除かれてもよく、白内障摘出と組み合わされる場合、洗浄/吸引段階中に吸引されてもよい。さらに、本発明の装置は、わずか1.2mmの明確な角膜切開部を容易に通過することができ、これにより、超音波水晶体乳化吸引術と併用されるとき、追加的な切開部の必要がなくなる。
【0089】
「実例III」
従来の切開式隅角切開術
この処置は、線維柱帯の大きい部分を有する強膜内に延在する線維柱帯を切開することから始まる。この処置(線維柱帯を通して「切り取る」ための至適基準の手術であると考えられ、従来から「隅角切開術」と呼ばれている)においては、線維柱帯を切開し、シュレム管に開口を作り出ために、MVRブレードが使用される。組織学的試料は、切開部が、線維柱帯を通って存在し、強膜へと延在する処置から提供された。切開部の両側に、線維柱帯の大きい小葉部が残っていた。これらの小葉部により、シュレム管に作り出される開口に傷跡が残り、開口が閉じられる。これは、手術の目標である眼圧低減において、いかなる長期的効果も妨げる。
【0090】
「実例IV」
Trabectome(登録商標)処置
この処置(隅角切開術に取って代わり、線維柱帯のセクションを取り除くことによってその処置に改良を加えるように設計される)においては、Trabectome(登録商標)装置は、線維柱帯に係合するように使用され、焼灼術が線維柱帯に施された。円は、線維柱帯の小さい部分が取り除かれた区域を示すが、線維柱帯の大きい小葉部が残っており、治療区域の両側に炭化した組織が存在している。Trabectome(登録商標)後の治療は、線維柱帯の残遺物及び組織の炭化を示した。組織残屑は、集合管を閉塞させ、この装置は、組織を「燃焼」させ、組織の燃焼により炎症が生み出され、これがさらなる瘢痕の形成をもたらし、これがシュレム管への外科的に発生した開口の失敗につながる。さらに、焼灼術が原因で、実際の処置中の可視化を困難にする多くの泡が処置中に形成される。この問題は、本発明の装置では発生せず、これは主要な利点である。
【符号の説明】
【0091】
1 柄部
2 第1のインタフェース
3 ツール軸部
4 第2のインタフェース
5 プラットフォーム
6 挿入チップ
7 第2の端部/斜角プラットフォーム背面
8 第1の側部
9 第2の側部
10 第1のブレード
11 第2のブレード
12 装置
13 第2のプラットフォーム
14 第3のブレード
15 第4のブレード
16 装置の胴部
17 ワニ口クリップ
18 第1のワニ口クリップ・ブレード
19 第2のワニ口クリップ・ブレード
20 ワイヤ要素
21 軸方向拡張部
22 内部管腔/捕集器チャネル
23 貫通孔
24 光ファイバ
25 超音波エミッタ
26 把持フィーチャ
27 スリーブ又はキャップ
28 スリーブ又はキャップ・アクチュエータ・スイッチ
29 湾曲したプラットフォーム
30 第1の上方ブレード
31 第2の上方ブレード
32 柄部トリガ
33 ブレード加熱要素
34 ランセットタイプ/空洞部/ワイヤ
35 両面/2方向性装置
36 張出し部
37 斜角のないプラットフォーム、角度の付けられたブレード
38 ウェッジ
39 摺動可能な押抜き具
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図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15