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特許7162061列を生成するための食品シンギュレータ装置と方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-19
(45)【発行日】2022-10-27
(54)【発明の名称】列を生成するための食品シンギュレータ装置と方法
(51)【国際特許分類】
   B26D 3/28 20060101AFI20221020BHJP
   B65G 47/28 20060101ALI20221020BHJP
   B26D 5/34 20060101ALI20221020BHJP
   B26D 7/18 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
B26D3/28 610L
B65G47/28 D
B26D5/34 Z
B26D3/28 610Q
B26D3/28 610E
B26D7/18 D
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020529119
(86)(22)【出願日】2018-12-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-18
(86)【国際出願番号】 EP2018083659
(87)【国際公開番号】W WO2019110666
(87)【国際公開日】2019-06-13
【審査請求日】2021-06-08
(31)【優先権主張番号】17205355.5
(32)【優先日】2017-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519414701
【氏名又は名称】マレル・アクティエセルスカブ
【氏名又は名称原語表記】Marel A/S
(73)【特許権者】
【識別番号】516063290
【氏名又は名称】マレル・ミート・ベスローテン・フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】Marel Meat B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】フランク-ウィレム・ヨハン・マルティン・ファン・ハッペン
(72)【発明者】
【氏名】ニールス・フントフテ
(72)【発明者】
【氏名】ラース・リース・イェンセン
【審査官】豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-301689(JP,A)
【文献】登録実用新案第3028529(JP,U)
【文献】特開2009-045726(JP,A)
【文献】特開平08-215593(JP,A)
【文献】特開平10-217191(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 3/28
B65G 47/28
B26D 5/34
B26D 7/18
B26D 7/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤ装置(108,109)によって搬送されている食品(103)から、離間した食品スライス(106)の列を生成するように構成された食品シンギュレータ装置(100)であって、
切断装置(105)によって前記食品の少なくとも1枚の食品スライス(106)を切断する間に、前記食品の前面側に係合し、前記食品を一時的に停止させるための停止機構(101)と、
前記食品の残りの部分から、前記少なくとも1枚の食品スライスを下方にスライドさせるための取出し装置(102)であって、前記少なくとも1枚の食品スライスを、下方及び前記少なくとも1枚の食品スライスが続いて受け取られ少なくとも1枚の食品スライスとして搬送される前記取出し装置の下にスライドさせる前記取出し装置(102)と
を備える、食品シンギュレータ装置。
【請求項2】
前記取出し装置が、軸方向に離間した配置で配置されている複数の歯付ホイール(214a,b)を備える歯付ロール(102,202)を備える、請求項1に記載の食品シンギュレータ装置。
【請求項3】
前記歯付ロール(102,202)が、前記停止機構としての役割を果たすようにさらに構成されている、請求項に記載の食品シンギュレータ装置。
【請求項4】
前記停止機構(101,201)は、軸方向に離間した前記歯付ホイールと本質的に同じ間隔で配置されている並設ビーム(213a,b)を備える柵状構造体を備え、前記柵状構造体が、第1位置から、前記歯付ロールに関連した第2位置へと動かされるように構成されており、前記第1位置とは、前記切断装置によって前記食品の前記少なくとも1枚の食品スライスを切断する間に、前記並設ビームが、前記食品の前面側に係合し、前記食品を一時的に停止させる位置であり、前記第2位置とは、前記並設ビームが、軸方向に離間した前記歯付ホイールの間の隙間に移動し、従って、前記歯付ロールが、前記食品の前記少なくとも1枚の食品スライスの前面の大部分に係合することを可能にする位置である、請求項に記載の食品シンギュレータ装置。
【請求項5】
第1角度位置は、前記並設ビームが搬送方向に対して垂直に配置されている位置である、請求項4に記載の食品シンギュレータ装置。
【請求項6】
複数の前記歯付ホイール及び/又は前記並設ビームが、複数のスパイク状構造体(211,212)を備える、請求項に記載の食品シンギュレータ装置。
【請求項7】
前記食品スライスを前記歯付ロールの下に搬送する間に、前記歯付ロールが個々の前記食品スライスの厚みの差に適応できるように、前記歯付ロールが、前記歯付ロールを上下方向に動かすための移動手段に接続されている、請求項2から6のいずれ1つに記載の食品シンギュレータ装置。
【請求項8】
前記取出し装置は、前記食品のコンベヤ方向に垂直に延びる水平回転軸(316)を中心に回転可能な無端ベルトを備えるコンベヤ装置(315)を備え、前記停止機構(301)は、前記無端ベルトの側部を備える、請求項1に記載の食品シンギュレータ装置。
【請求項9】
前記少なくとも1枚の食品スライスの切断の間に、前記コンベヤ装置は一時的に止められ、前記少なくとも1枚の食品スライスを下方及び前記取出し装置の下にスライドさせることに続いて、少なくとも1枚の次の食品スライスを切断する間に、前記無端ベルトの他の部分が前記停止機構の役割を果たすように、前記コンベヤ装置(315)が、制御ユニット(319)によって、段階的に操作される、請求項8に記載の食品シンギュレータ装置。
【請求項10】
前記コンベヤ装置は、間に隙間を有するように端と端とが向き合う配置で配置された第1及び第2コンベヤ装置(108,019)を備え、前記切断装置(105)は前記隙間を通り延在する切断面(104)を備え、前記第1コンベヤ装置は、第1搬送速度で前記食品を搬送し、前記第2コンベヤ装置は、前記第1搬送速度より速い第2搬送速度で、離間した前記食品スライスを搬送する、請求項1から9のいずれか1つに記載の食品シンギュレータ装置。
【請求項11】
前記第1コンベヤ装置の上方に位置する前進機構に接続されている支持構造をさらに備える前記食品シンギュレータ装置であって、前記支持構造は、切断中に前記食品上に下方向の力を供給するように構成され、前記前進機構は、第1コンベヤ装置と同じ速度及び同じ方向で動くように構成されている、請求項10に記載の食品シンギュレータ装置。
【請求項12】
前記食品のためのバイパスポジションを提供するために、前記取出し装置を持ち上げるための移動機構をさらに備える、請求項1から11のいずれか1つに記載の食品シンギュレータ装置。
【請求項13】
コンベヤ装置によって搬送されている食品から、離間した食品スライスの列を生成するための方法であって、
切断装置によって前記食品の少なくとも1枚の食品スライスを切断する間に、停止機構によって、前記食品の前面側に係合し、前記食品を一時的に停止させることと、
取出し装置によって、前記食品の残りの部分から前記少なくとも1枚の食品スライスを下方にスライドさせ、前記少なくとも1枚の食品スライスを、下方及び前記少なくとも1枚の食品スライスが続いて受け取られ少なくとも1枚の食品スライスとして搬送される前記取出し装置の下にスライドさせることと
を備える方法。
【請求項14】
入ってくる食品対象物をスライスに切断するためのシステムであって、
切断される食品を搬送するためのコンベヤと、
前記食品対象物の画像データを撮影するための画像装置と、
制御ユニットと、
前記画像データを用いることで、前記制御ユニットによって操作される食品シンギュレータ装置であって、前記食品シンギュレータ装置は、前記食品から、離間した食品スライスの列を生成するように構成され、
切断装置が前記食品の少なくとも1枚の食品スライスを切断する間に、前記制御ユニットからの命令に従って、前記食品の前面側に係合し、前記食品を一時的に停止するための停止機構と、
前記食品の残りの部分から前記少なくとも1枚の食品スライスを下方向にスライドさせるための取出し装置であって、前記少なくとも1枚の食品スライスを、前記少なくとも1枚の食品スライスが続いて受け取られ少なくとも1枚の食品スライスとして搬送される前記取出し装置の下にスライドさせる前記取出し装置と
を備える食品シンギュレータ装置と
を備えるシステム。
【請求項15】
前記画像データが、前記食品を切断するための切断パターンを生成するのに利用される、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンベヤ装置によって搬送されている食品から、離間した食品スライスの列を生成するための食品シンギュレータ装置(food singulator apparatus)及びシステム、並びにそれらを実施するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポーションカッタなどの食肉加工装置は、一般的に、入ってくる食品対象物(food object)、例えば腰肉(loin)を、例えば予め定められた重量目標の一群又は単一部分を作成するのに用いられる食品スライスに切断する。食品スライスの分離は、例えばロボティクスソリューション(robotic solutions)を用いる例えばトレイへの配置を可能にするのに不可欠である。そのような個々の食品スライスの間の間隔を作成することの一般的な解決策は、2つのコンベアを端と端とが向き合う配置で配置することであり、かつ、下流に配置されたコンベヤが、隣り合った食品スライスの間に十分な間隔を作成するのに十分な、より速い速度で動くことである。しかし、生じる一般的な問題は、隣り合った食品スライスは貼り付き合う傾向があることであり、これは食品スライスを分けるために手作業が必要とされることを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述の背景で、食品対象物が切断工程を経た後に、食品スライスの分離を保証できる装置及び方法を提供することが、本発明の目的である。
【0004】
概して、好ましくは本発明は、上述の先行技術の欠点の1つ以上を、単独で又は任意の組み合わせで、軽減、緩和、又は排除することを目的とする。特に、上述の問題、又は他の問題を解決する食品シンギュレータ装置を提供することが、本発明の実施形態の目的として理解されてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つ以上のこれらの懸念により良く対処するために、本発明の一態様では、コンベヤ装置によって搬送されている食品から、離間した食品スライスの列を生成するように構成された食品シンギュレータ装置が提供され、前記食品シンギュレータ装置は、
切断装置によって前記食品の少なくとも1枚の食品スライスを切断する間に、前記食品の前面側に係合し、前記食品を一時的に停止させるための停止機構と、
前記食品の残りの部分から、前記少なくとも1枚の食品スライスを下方にスライドさせるための取出し装置(take away device)であって、前記少なくとも1枚の食品スライスを、下方及び前記少なくとも1枚の食品スライスが続いて受け取られ少なくとも1枚の前記食品スライスとして搬送される前記取出し装置の下にスライドさせる前記取出し装置と
を備える。
【0006】
従って、少なくとも1枚の前面の食品スライスが食品の残りの部分から滑らかに取り除かれることを保証するための簡潔な解決策が、提供される。
【0007】
一実施形態では、前記取出し装置が、軸方向に離間した配置で配置されている複数の歯付ホイール(tooth wheel)を備える歯付ロール(tooth roll)を備える。
【0008】
一実施形態では、停止機構は、制御ユニットによって、切断刃に対して上流に位置する画像装置によって撮影された食品の幾何学的な大きさ及び/又は形状についての制御データに基づき、操作されてもよい。一例として、切断断面は、画像データに基づき決定されてよく、停止機構の動きを操作する操作パラメータとして用いられてもよい。
【0009】
この切断断面は、切断刃並びに停止機構及び取出し装置の間の内部距離を操作するのに用いられてもよい。そのようにする1つの方法は、停止機構及び取出し装置の前後移動を行う適切な移動機構を用いることで、停止機構及び取出し装置を切断装置に向けて動かす、又は切断装置から離れるように動かすことである。
【0010】
一実施形態では、前記歯付ロールは、前記停止機構の役割を果たすようにさらに構成されている。従って、歯付ロールを取出し装置及び停止機構として利用するための簡潔な解決策が提供され、好ましくは、歯付ロールは段階的に操作され、前述の一時的な食品の停止の間、歯付ロールは静止しており、少なくとも1枚の切片が薄く切られるのに続いて、歯付ロールは回転して、従って、前述した少なくとも1枚の食品スライスの下方へのスライドを提供する。
【0011】
一実施形態では、前記係止要素は、軸方向に離間した前記歯付ホイールと本質的に同じ間隔で配置されている並設ビームを備える柵状構造体を備え、前記柵状構造体が、第1位置から、前記歯付ロールに関連した第2位置へと動かされるように構成されており、前記第1位置とは、前記切断装置によって前記食品の前記少なくとも1枚の食品スライスを切断する間に、前記並設ビームが、前記食品の前面側に係合し、前記食品を一時的に停止させる位置であり、前記第2位置とは、前記並設ビームが、軸方向に離間した前記歯付ホイールの間の隙間に移動し、従って、前記歯付ロールが、前記食品の前記少なくとも1枚の食品スライスの前面の大部分に係合することを可能にする位置である。前記並設ビームは、好ましくは、第一角度位置で、切断面に平行に配置されるように配置されている。一実施形態では、複数の歯付ホイール及び/又は並設ビームは、複数のスパイク状構造体を備える。従って、前面の食品スライスとの間の摩擦又は係合は、食品の残りの部分から、前面の食品スライスを下方に滑らかにスライドするのに十分である。
【0012】
一実施形態では、歯付ロールは、食品スライスを歯付ロールの下に搬送する間に歯付ロールが個々の食品スライスに力を供給できるように、歯付ロールを上下方向に動かすための移動手段に接続されている。本発明による移動手段は、例えば、歯付ロールが食品スライスの厚みの差に適応するように調節できる、ばね荷重又は弾性部材として理解され、すなわちその結果、より厚い食品スライスに対しては上方に持ち上げられ、より薄い食品スライスに対しては重力によって下方に移動する。
【0013】
一実施形態では、前記取出し装置は、前記食品のコンベア方向に対して垂直に延びる水平回転軸を中心に回転可能な無端ベルトを備えるコンベヤ装置を備え、前記停止機構は、前記無端ベルトの側部を備える。
【0014】
一実施形態では、前記少なくとも1枚の食品スライスの切断の間に、前記コンベヤ装置は一時的に止められ、前記少なくとも1枚の食品スライスを下方及び前記取出し装置の下にスライドさせることに続いて、少なくとも1枚の次の食品スライスを切断する間に、前記無端ベルトの他の部分が前記停止機構の役割を果たすように、前記コンベヤ装置が、制御ユニットによって、段階的に操作される。
【0015】
このように、前記コンベヤ装置は、食品シンギュレータ装置を簡素化する前記停止機構及び前記取出し装置の両方としての役割を果たす。一例として、前記コンベア装置は、少なくとも1枚の食品スライスが切断されている間に、一方の側、例えば平坦な垂直側が前記停止機構として作用し、他方側が前記取出し装置として作用するような一種の幾何学形状を有することが可能である。このようにして、例えば、コンベア装置の段階的な回転運動を介して、少なくとも1枚の食品スライスの前記停止、切断及び同時のシンギュレーションが提供される。
【0016】
前記コンベヤ装置は、間に隙間を有するように端と端とが向き合う配置で配置された第1及び第2コンベヤ装置を備え、前記切断装置は前記隙間を通り延在する切断面を備え、前記第1コンベヤ装置は、第1搬送速度で前記食品を搬送し、前記第2コンベヤ装置は、前記第1搬送速度より速い第2搬送速度で、離間した前記食品スライスを搬送する。従って、少なくとも1枚の切断された食品スライスは、食品の残りの部分から直ちに取り除かれることが保証される。
【0017】
一実施形態では、前記食品シンギュレータ装置は、前記第1コンベヤ装置の上方に位置する前進機構に接続されている支持構造をさらに備え、前記支持構造は、切断中に前記食品上に下方向の力を支持するように構成され、前記前進機構は、第1コンベヤ装置と同じ速度及び同じ方向で動くように構成されている。従って、切断中に食品が安定したままであることが保証される。
【0018】
一実施形態では、前記食品シンギュレータ装置は、前記取出し装置を上方に持ち上げるための移動機構をさらに備え、それにより、食品又は食品対象物の最後の食品部分のためのバイパスポジション(bypass position)を提供する。このようにして、食品又は食品の一部、例えば、それの最も最後の部分が、前記切断工程が行われない食品シンギュレータ装置の下を通過することが可能である。他の例としては、食品の前部をx枚のスライスに切断し、食品の後部をy枚のスライスに切断し、これにより、前後部の間の中間部分を前記移動機構を介して迂回させることができる。というのも、例えば、前後部の間の中間部分は、1kgあたりの価格が食品スライスの1kgあたりの価格よりも高いかもしれないからである。従って、この例では、上述のように、離間して配置されたx枚の食品スライスの列が作成され、続いて長さlの中間部分が上述のようにバイパスされ、続いて切断が続けられ、y枚の離間した食品スライスの列が作成される。バイパスされた部分は、当然のことながら、中間部分である必要はなく、食品の任意の部分であってもよい。
【0019】
本発明の他の態様では、コンベヤ装置によって搬送されている食品から、離間した食品スライスの列を生成するための方法が提供され、前記方法は、
切断装置によって、前記食品の少なくとも1枚の食品スライスを切断する間に、停止機構によって、前記食品の前面側に係合し、前記食品を一時的に停止させることと、
取出し装置によって、前記食品の残りの部分から前面の前記食品スライスを下方にスライドさせ、前記少なくとも1枚の食品スライスを、下方及び少なくとも1枚のスライスが少なくとも1枚の食品スライスとして続いて受け取られる前記取出し装置の下にスライドさせることと
を備える。
【0020】
一実施形態では、少なくとも1枚の食品スライスは単一の食品スライスである。従って、一度に1枚の食品スライスを切断し、個々の切断された食品スライスを分離するための簡潔な解決法が提供される。
【0021】
本発明のさらに他の態様では、入ってくる食品対象物をスライスに切断するためのシステムが提供され、前記システムは、
切断される食品を搬送するためのコンベヤと、
前記食品対象物の画像データを撮影するための画像装置と、
制御ユニットと、
前記画像データを用いることで、前記制御ユニットによって操作される食品シンギュレータ装置であって、前記食品シンギュレータ装置は、前記食品から、離間した食品スライスの列を生成するように構成され、
切断装置が前記食品の少なくとも1枚の食品スライスを切断する間に、前記制御ユニットからの命令に従って、前記食品の前面側に係合し、前記食品を一時的に停止するための停止機構と、
前記食品の残りの部分から前記少なくとも1枚の食品スライスを下方向にスライドさせるための取出し装置であって、前記少なくとも1枚の食品スライスを、前記少なくとも1枚の食品スライスが続いて受け取られ少なくとも1枚の食品スライスとして搬送される前記取出し装置の下にスライドさせる前記取出し装置と
を備える食品シンギュレータ装置と
を備える。
【0022】
画像装置は、一例として、デジタルカメラ、ラインスキャナのような任意のタイプのスキャナであってよく、この画像装置は、一例として、食品対象物の3Dプロファイルを生成する。上記の例を参照すると、この入力データは、バイパスされるべき所与の良好な対象物の部分のサイズを決定する際に利用され得る。これは、得られる食品スライス又は食品部分の歩留まりを最大化する目的に関連する性質であってもよい。
【0023】
一実施形態では、画像データは、食品のための切断パターンを生成する際に利用される。一例として、切断パターンは、固定された重量基準のような予め定められた基準を満たすように、食品スライスの異なる厚みを示すことができ、例えば、切断装置からの停止機構の位置は、移動機構を介して、すなわち切断装置に向かって移動し、又は切断装置から離れるように移動することで、適宜調節され得る。
【0024】
一実施形態では、少なくとも1枚の食品スライスは2枚以上の食品スライスを含む。従って、2枚以上の食品スライスを切断し、2枚以上の食品スライスの間の分離を提供することが可能であり、2枚以上の食品スライスは、例えば1つのトレイにおけるスライス数などの予め定められた目標、又は予め定められた重量の目標を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の実施形態が、例示のみとして、図面への言及と共に説明されることになる。
図1a】コンベヤ装置によって搬送されている食品から、離間した食品スライスの列を生成するための、本発明に係るシンギュレータ装置の一実施形態を示す図。
図1b】コンベヤ装置によって搬送されている食品から、離間した食品スライスの列を生成するための、本発明に係るシンギュレータ装置の一実施形態を示す図。
図1c】コンベヤ装置によって搬送されている食品から、離間した食品スライスの列を生成するための、本発明に係るシンギュレータ装置の一実施形態を示す図。
図1d】コンベヤ装置によって搬送されている食品から、離間した食品スライスの列を生成するための、本発明に係るシンギュレータ装置の一実施形態を示す図。
図2a図1に関連して議論されているシンギュレータ装置をより詳細に示す図。
図2b図1に関連して議論されているシンギュレータ装置をより詳細に示す図。
図2c図1に関連して議論されているシンギュレータ装置をより詳細に示す図。
図3a】本発明に係るシンギュレータ装置の他の実施形態を示す図。
図3b】本発明に係るシンギュレータ装置の他の実施形態を示す図。
図3c】本発明に係るシンギュレータ装置の他の実施形態を示す図。
図4】本発明に係る方法のフローチャートを説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、コンベヤ装置によって搬送されている食品から、離間した食品スライスの列を生成するための本発明に係るシンギュレータ装置100の一実施形態を示し、本装置は、停止機構101と取出し装置102とを備える。
【0027】
図2から3で示されている実施形態に関してより詳細に説明されることになる通り、取出し装置は、軸方向に離間した配置で配置されている複数の歯付ホイールを備える歯付ロールを備え(図2参照)、係止要素101は、軸方向に離間した歯付ホイールと本質的に同じ間隔で配置されている並設ビームを備える柵状構造体を備える。
【0028】
点線104は、切断刃105の切断位置を示し、前記切断刃は、端と端とが向き合うような配置で配置されているコンベヤ108,109の間に位置し、上流に配置されているコンベヤ108は、下流に配置されているコンベヤ109の搬送速度v2よりも遅い搬送速度v1で動く。
【0029】
図1aは、第1位置に位置する柵状構造体101を示し、柵状構造体101は本質的に垂直な姿勢で配置され、食品の前面側と係合し、食品103を一時的に停止させる。ここで示されている通り、歯付ロール102は矢印110で示されている方向に回転する。
【0030】
図1bは、少なくとも1枚の食品スライス106を切断しながら、搬送方向と垂直に回転する切断刃105を示す。
【0031】
簡素化するために、1枚の食品スライスが一度に切断され、食品の残りの部分から分離されると仮定する。しかし、このことは、一度に1枚の食品スライスを切断するということに制限されると解釈されるべきではなく、2枚以上の食品スライスが、例えば食品スライスの一群として切断及び分離されてもよい。
【0032】
食品スライスは、典型的には、係合要素101と垂直な切断面104との距離によって定義される予め定められた厚みを有する。
【0033】
図1cは、柵状構造物が、柵状構造物が食品103の前面側に係合する第1位置から、歯付ロール102に関連した第2位置に動かされているところを示す。第2位置は、並設ビームが軸方向に離間した歯付ホイールの間の隙間に移動し、従って、歯付ロール102が食品の前面の食品スライスに係合し、前面の食品スライスを、図示されているように下方に及び食品スライスがコンベヤ装置109によって個々の食品スライスとして続いて受け取られ搬送される歯付ロールの下にスライドさせることを可能にする。続いて、係合要素101は、図1dに示されているように第1位置に戻され、上述のステップが繰り返される。
【0034】
柵状構造体101の段階的な動きは、切断刃105の上流に位置する画像装置120が撮影した、食品の幾何学的な大きさと形状についての制御データに基づき、制御ユニット121によって操作されてもよい。一例として、切断断面は、その画像データに基づき決定されてよく、柵状構造体101の動きを操作する操作パラメータとして用いられてもよい。他の操作パラメータは、切断刃105と柵状構造体101との間の内部距離であり、切断刃105と柵状構造体101のどちらか又は両方が、食品スライスの厚みが切断パターンと一致するように水平方向に調節される。
【0035】
図2は、図1に関連して議論したシンギュレータ装置200の一実施形態を示し、軸方向に離間した歯付ホイール214a,bを備える歯付ロール202、及び移動機構210に接続されている柵状構造体201をより詳細に示している。
【0036】
柵状構造体は、軸方向に離間した歯付ホイールと本質的に同じ間隔で配置されている並設ビーム213a,bを備える。ここで図示されているように、歯付ホイール214a,bと並設ビーム213a,bとは、前面の食品スライスとの間の摩擦又は係合が、食品の残りの部分から食品スライスを下方に滑らかにスライドするのに十分であるということを保証するために、複数のスパイク状構造体211,212を備える。
【0037】
図2aは、柵状構造体が食品の前面側に係合する図1a,bで示されている前述の第1位置にある柵状構造体を示す。
【0038】
図2bは、柵状構造体が図1cで示されている前述の第2位置にあることを示し、図1cと関連して議論されているように、歯付ロール201が、前面の食品スライスに係合でき、食品スライスを歯付ロールの下にスライドさせる。
【0039】
図2cは、バイパスポジションにあるシンギュレータ装置200を示し、シンギュレータ装置200は、例えば食品対象物の最も最後の食品部分がシンギュレータ装置200の下をバイパスされ得るように、矢印211によって示されているように上方向に持ち上がることができる。
【0040】
図3は、コンベヤ装置によって搬送されている食品から、離間した食品スライスの列を生成するための、本発明に係るシンギュレータ装置300の他の実施形態を示し、図1で示されているのと同様に、コンベヤ装置は端と端とが向き合うように配置されたコンベヤ308,309を備え、その装置は、停止機構と取出し装置とを備える。
【0041】
この実施形態では、取出し装置は、制御ユニット319によって操作されるコンベヤ装置315を備え、制御ユニット319はコンベヤ装置315を段階的に操作する。
【0042】
この特定の例では、コンベヤ装置315は、三角形の断面を有し、無端ベルトを備え、食品303のコンベヤ方向に対して平行に延びる水平回転軸316を中心に回転可能である。
【0043】
図3aは、コンベヤ装置301は止められ、コンベヤ装置315の表面301が食品303の前端に接触し、停止機構としての役割を果たす想定を示す。この停止中、切断装置305は食品スライス306を切断する。
【0044】
図3bは、コンベヤ装置315が矢印312で示される方向に動き、同時に矢印317で示されるように回転軸316を中心に回転し、前面の食品スライスを下方及びコンベヤ装置301の下にスライドさせる想定を示す。
【0045】
図3cは、コンベヤ装置の次の隣り合った側が、後続の食品スライス307のための停止機構301としての役割を果たすところを示す。これらのステップは繰り返される。
【0046】
図4は、コンベヤ装置によって搬送されている食品から、離間した食品スライスの列を生成するための本発明に係る方法のフローチャートである。
【0047】
ステップ(S1)401は、切断装置によって食品の少なくとも1枚の食品スライスを切断する間に、停止機構によって、食品の前面側に係合すること、及び一時的に食品を停止させることを含む。停止機構は、一例として、図1から3に関連して先に議論された柵状構造体を備える。
【0048】
ステップ(S2)402は、取出し装置によって、食品の残りの部分から少なくとも1枚の食品スライスを下方にスライドさせること、及び当該少なくとも1枚の食品スライスを、下方及び当該少なくとも1枚の食品スライスが少なくとも1枚の食品スライスとして続いて受け取られ搬送される取出し装置の下にスライドさせることを含む。
【0049】
先に議論されたように、停止機構の操作は、食品のための切断パターンを決定するように処理される撮影された画像データに基づいていてもよく、切断パターンは切断される食品スライスの厚みを含めてもよい。異なる厚みは、適切な移動機構を介した停止機構及び/又は取出し装置の間の内部位置を調節することによって操作されてもよい。
【0050】
切断パターンは、食品の部分が食品シンギュレータ装置の下を通過できるように食品シンギュレータ装置を単に上に持ち上げることによって、食品シンギュレータ装置によってバイパスされることになる、すなわち、食品スライスに切断されることにならない、より大きな食品部分を示してもよい。
【0051】
本発明は、図面及び前述の説明において詳細に図示及び説明されたが、そのような図示及び説明は、例示又は典型例とみなすべきであり、制限されるべきではなく、本発明は、開示した実施形態に限定されない。開示した実施形態に対する他の変形形態は、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲に関する考察から、特許請求の範囲の発明を実施する当業者によって理解され、達成され得る。特許請求の範囲で、「備える」という言葉は、その他の要素やステップを除外せず、不定冠詞である「a」や「an」は複数を除外しない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に引用されているという事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用できないことを示さない。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図3c
図4