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特許7162065パケットカウンタ値のラップアラウンドが差し迫っていることをマスターノードに通知する装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-19
(45)【発行日】2022-10-27
(54)【発明の名称】パケットカウンタ値のラップアラウンドが差し迫っていることをマスターノードに通知する装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/19 20180101AFI20221020BHJP
   H04W 92/20 20090101ALI20221020BHJP
   H04W 16/32 20090101ALI20221020BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20221020BHJP
【FI】
H04W76/19
H04W92/20
H04W16/32
H04W72/04 111
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020538565
(86)(22)【出願日】2018-12-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-04-22
(86)【国際出願番号】 FI2018050944
(87)【国際公開番号】W WO2019138152
(87)【国際公開日】2019-07-18
【審査請求日】2020-08-13
(31)【優先権主張番号】62/616,754
(32)【優先日】2018-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】315002955
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オーユー
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】コスキネン ヘンリ
(72)【発明者】
【氏名】トルティネン サムリ
【審査官】篠田 享佑
(56)【参考文献】
【文献】Nokia, Nokia Shanghai Bell,Possibility of NR PDCP COUNT wrapping around[online],3GPP TSG RAN WG2 #100 R2-1713379,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_100/Docs/R2-1713379.zip>,2017年11月17日
【文献】Huawei,SeNB Initiated Security Procedure[online], 3GPP TSG-RAN WG3#85bis R3-142194,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_85bis/Docs/R3-142194.zip>,2014年09月26日
【文献】3rd Generation Partnership Project,Technical Specification Group Radio Access Network; Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN); X2 application protocol (X2AP) (Release 14),3GPP TS 36.423 V 14.4.0 (2017-09),2017年09月29日,53、54、111ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1-4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチコネクティビティにおけるマスターノードにより実行される方法であって、
前記マルチコネクティビティにおける非マスターノード終端ベアラであるデータ無線ベアラのためにPDCPをホストするセカンダリノードから、カウント値を含むカウンタ確認要求を受信することと、
前記カウント値がその最大値に近いことを判定することと、
前記判定に応じて、前記データ無線ベアラの解放を開始すること、及び新たなベアラを追加することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記カウンタ確認要求は、カウントラップアラウンドイベントが生じそうになっていることを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記解放の開始により、前記カウントラップアラウンドを回避する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記カウント値は、ハイパーフレーム番号と、PDCPシーケンス番号とから構成される、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
マルチコネクティビティにおけるマスターノードである装置であって、
前記マルチコネクティビティにおける非マスターノード終端ベアラであるデータ無線ベアラのためにPDCPをホストするセカンダリノードから、カウント値を含むカウンタ確認要求を受信する手段と、
前記カウント値がその最大値に近いことを判定する手段と、
前記判定に応じて、前記データ無線ベアラの解放を開始し、新たなベアラを追加する手段と、
を備える、装置。
【請求項6】
前記カウンタ確認要求は、カウントラップアラウンドイベントが生じそうになっていることを示す、請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記解放の開始により、前記カウントラップアラウンドを回避する、請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記カウント値は、ハイパーフレーム番号と、PDCPシーケンス番号とから構成される、請求項からのいずれかに記載の装置。
【請求項9】
マルチコネクティビティにおける非マスターノード終端ベアラであるデータ無線ベアラのためにPDCPをホストするセカンダリノードにより実行される方法であって、
カウント値がその最大値に近いことを判定または検出することに応じて、マスターノードに対して、その最大値に近い前記カウント値を含むカウンタ確認要求を送信することを含む方法。
【請求項10】
前記カウンタ確認要求は、カウントラップアラウンドイベントが生じそうになっていることを示す、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記カウンタ確認要求は、前記マスターノードに、前記データ無線ベアラ解放の開始及び新たなベアラの追加をトリガし、前記解放の開始により、前記カウントラップアラウンドを回避する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
マルチコネクティビティにおける非マスターノード終端ベアラであるデータ無線ベアラのためにPDCPをホストするセカンダリノードである装置であって、
カウント値がその最大値に近いことを判定または検出することに応じて、マスターノードに対して、その最大値に近い前記カウント値を含むカウンタ確認要求を送信する手段を備える、装置。
【請求項13】
前記カウンタ確認要求は、カウントラップアラウンドイベントが生じそうになっていることを示す、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記カウンタ確認要求は、前記マスターノードに、前記データ無線ベアラ解放の開始及び新たなベアラの追加をトリガし、前記解放の開始により、前記カウントラップアラウンドを回避する、請求項13に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2018年1月12日に出願された米国仮特許出願第62/616,754号の優先権を主張し、この全体は、本願に参照により援用される。
【技術分野】
【0002】
一部の例示的実施形態は、概して、モバイルまたは無線遠隔通信システムに関してもよい。例えば、特定の例示的実施形態は、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution:LTE)または新無線(New Radio:NR)等の遠隔通信システムにおけるパケットデータコンバージェンスプロトコル(Packet Data Convergence Protocol:PDCP)に関してもよい。
【背景】
【0003】
モバイルまたは無線遠隔通信システムの例としては、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(Universal Mobile Telecommunications System:UMTS)地上無線アクセスネットワーク(Terrestrial Radio Access Network:UTRAN)、ロングタームエボリューション(LTE)進化型UTRAN(Evolved UTRAN:E-UTRAN)、LETアドバンスト(LTE-Advanced:LTE-A)、LTE-A Pro、および/または第5世代(5G)無線アクセス技術または新無線(New Radio:NR)アクセス技術が挙げられる。第5世代(5G)または新無線(NR)無線システムとは、無線システムおよびネットワークアーキテクチャの次世代(Next Generation:NG)を指す。NRは、1秒当たり約10から20Gビット以上のビットレートを実現し、少なくとも高度モバイルブロードバンド(Enhanced Mobile Broadband:eMBB)および超高信頼低レイテンシ通信(Ultra-Reliable Low-Latency-Communication:URLLC)に対応することが予測される。NRは、IoTに対応するため、超広帯域かつ極めてロバストに、低レイテンシの接続性と、大規模なネットワークを実現すると期待されている。IoTとマシンツーマシン(M2M)通信の普及に伴い、低電力かつ低データレートで、電池寿命が長いという要件に見合うネットワークへの要求が高まるだろう。なお、5GまたはNRにおいて、ユーザ機器(すなわち、UTRANにおけるノードB、またはLTEにおけるeNBと同様)に対して、無線アクセス機能を提供可能なノードを次世代または5GノードB(gNB)と称し得る。
【摘要】
【0004】
ある実施形態は方法に関し、当該方法は、データ無線ベアラ(Data Radio Bearer:DRB)のためにパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)をホストするノードから、カウント値を含むカウンタ確認要求を受信することと、前記カウント値がその最大値に近いことを判定することと、を含んでもよい。当該方法は、前記判定に応じて、前記データ無線ベアラ(DRB)の解放を開始することを含んでもよい。またオプションで、新たなベアラを追加することを含んでもよい。
【0005】
別の実施形態は装置に関し、当該装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を備える。前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に少なくとも、データ無線ベアラ(DRB)のためにパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)をホストするノードから、カウント値を含むカウンタ確認要求を受信することと、前記カウント値がその最大値に近いことを判定することと、を実施させるように構成されている。前記少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記判定に応じて、前記データ無線ベアラ(DRB)の解放を開始するように構成されている。またオプションで、新たなベアラを追加するように構成されてもよい。
【0006】
別の実施形態は方法に関し、当該方法は、データ無線ベアラ(DRB)のためにパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)をホストするノードから、カウントラップアラウンドが生じることを示すカウンタ確認要求を受信することを含んでもよい。当該方法はさらに、前記要求を受信することに応じて、前記データ無線ベアラ(DRB)の解放を開始することを含んでもよい。またオプションで、新たなベアラを追加することを含んでもよい。前記カウンタ確認要求は、その最大値に近いカウント値を含んでもよい。
【0007】
別の実施形態は装置に関し、当該装置装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を備える。前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に少なくとも、データ無線ベアラ(DRB)のためにパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)をホストするノードから、カウントラップアラウンドが生じることを示すカウンタ確認要求を受信することを実施させるように構成されている。前記要求を受信することに応じて、前記少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に少なくとも、前記要求を受信することに応じて、前記データ無線ベアラ(DRB)の解放を開始することを実施させるように構成されている。またオプションで、新たなベアラを追加することを実施させるように構成されてもよい。前記カウンタ確認要求は、その最大値に近いカウント値を含んでもよい。
【0008】
別の実施形態は方法に関し、当該方法は、カウント値がその最大値に近いことを判定または検出することと、マスターノードに対して、その最大値に近い前記カウント値を含むカウンタ確認要求を送信することと、を含んでもよい。
【0009】
別の実施形態は装置に関し、当該装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を備える。前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に少なくとも、カウント値がその最大値に近いことを判定または検出することと、マスターノードに対して、その最大値に近い前記カウント値を含むカウンタ確認要求を送信することと、を実施させるように構成されている。
【0010】
別の実施形態は方法に関し、当該方法は、カウンタラップアラウンドが生じそうになっていることを判定または検出することと、マスターノードに対して、前記カウンタラップアラウンドが生じそうになっていることを示すカウンタ確認要求を送信することと、を含んでもよい。前記カウンタ確認要求は、その最大値に近いカウント値を含んでもよい。
【0011】
別の実施形態は装置に関し、当該装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を備える。前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に少なくとも、カウンタラップアラウンドが生じそうになっていることを判定または検出することと、マスターノードに対して、前記カウンタラップアラウンドが生じそうになっていることを示すカウンタ確認要求を送信することと、を実施させるように構成されている。前記カウンタ確認要求は、その最大値に近いカウント値を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明を正しく理解するため、添付の図面を参照されたい。
【0013】
図1】一実施形態に係るカウンタのフォーマットを示す例示的ブロック図である。
【0014】
図2】一実施形態に係る例示的信号伝達図である。
【0015】
図3a】一実施形態に係る装置の例示的ブロック図である。
【0016】
図3b】別の実施形態に係る装置の例示的ブロック図である。
【0017】
図4a】実施形態に係る方法の例示的フローチャートである。
【0018】
図4b】別の実施形態に係る方法の例示的フローチャートである。
【詳細説明】
【0019】
容易に理解されるように、本発明の構成要素は、本願において一般的に説明され、図示されるように、多種多様な異なる構成にデザインして、実装することができる。添付の図面に示し、また以下に説明する、パケットカウンタ値のラップアラウンドが差し迫っていることを、マルチコネクティビティにおけるマスターノードに通知するためのシステム、方法、装置、およびコンピュータプログラム製品の実施形態についての以下の詳細な説明は、本発明の範囲を限定することを目的とせず、単に本発明のいくつかの選択された実施形態を表すのみである。
【0020】
本明細書の全体にわたって記載されている本発明の特徴、構造、または特性は、1つ以上の実施形態にいかなる適切な方法でも組み込むことができる。例えば、本明細書の全体にわたる、「特定の実施形態」、「一部の実施形態」、または他の類似の表現の使用は、実施形態に関連して記載されている特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含むことができるという事実を指す。このように、本明細書の全体にわたる、「特定の実施形態において」、「一部の実施形態において」、「他の実施形態において」、または他の類似の表現は、必ずしもすべてが実施形態の同じグループを指すわけではなく、記載されている特徴、構造、または特性は、1つ以上の実施形態にいかなる適切な方法でも組み込むことができる。
【0021】
加えて、必要に応じて、後述する個別の機能やステップは、異なる順序で、さらに/あるいは相互に並行して実行してもよい。さらに、必要に応じて、記載されている機能やステップの1つ以上は、オプションであってもよく、組み合わせてもよい。このように、以下の説明は、単に本発明の原理、教示、および実施形態を示すだけであると考えるべきであり、また、それに限定されない。
【0022】
特定の実施形態は、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)カウント値のラップアラウンドを防止する手法に関し得る。なお、3GPP NR PDCP技術仕様(TS)38.323において、新無線(NR)PDCPカウントが定義されている。カウントのラップアラウンドは、カウントが最大値に達したのちに、カウントが0に戻ることを指し得る。(1つ以上の)3GPP仕様では、LTE PDCPではカウントがラップアラウンドされ得るが、NR PDCPカウントはラップアラウンドしないことを示す。
【0023】
図1は、一実施形態に係る、カウント100のフォーマットを示す例示的ブロック図を示す。図1の例に示すように、カウント値はハイパーフレーム番号(HFN)101と、PDCPシーケンス番号(SN)102とから構成されてもよい。例示的実施形態において、カウント100の長さは32ビットであってもよく、HFN部101のサイズは、32ビットからPDCPシーケンス番号102の長さを引いたものであってもよい。
【0024】
各種例示的実施形態は、UEがデュアル(または多重)接続で構成され、さらにPDCPがマスターノード(Master Node:MN)で終端されていない(すなわち、デュアル接続、セカンダリノード(Secondary-Node:SN)終端ベアラ)場合、無線リンク制御(Radio Link Control:RLC)確認モード(Acknowledged Mode:AM)にマッピングされたベアラ上に特に構成されている際にカウントラップアラウンドを回避するためのものである。
【0025】
RLC AMにマッピングされたベアラでのカウントラップアラウンドを回避する際の問題点は、カウント値のリセットに対して適切なPDCP手順が存在しないことである。しかし、カウント値は、PDCP再構成時(例えば、ハンドオーバーの際に生じる)にも維持される。したがって、カウンタをリセットするには、データ無線ベアラ(DRB)を解放して新しいものを追加するしかない。
【0026】
SN終端ベアラに関してはさらに問題がある。すなわち、SNには、DRB解放を要求し、制御を担うMNから追加を行う手段が存在しないのである。SNは、ベアラの解放を要求してもよい。しかしその場合、カウントラップアラウンドが差し迫っていることが解放の原因であり、解放されたものを置き換えるように、新たなDRBを構築する必要があるということをMNが判断することはできない。その結果、ベアラに対するトラフィック要求が残っていても、PDCPカウントが最大値に達するまでに、単純にDRBが解放されてしまう。
【0027】
一実施形態は、マルチコネクティビティにおける非MN終端ベアラに対して、PDCPカウントラップアラウンドを回避する処理を提供する。一実施形態においてこの処理は、ベアラのカウントラップアラウンドが差し迫っていることを検出すると、ベアラのためにPDCPをホストするノード(例えば、SN)は、その最大値に近づいたカウント値を含み得るカウンタ確認要求をMNに送信する。この要求メッセージを受信すると(そしてその中に高カウント値を確認し得る)、マスターノードは必要に応じて、DRB解放を開始し、新たなベアラを追加し得る。
【0028】
実施形態において、カウンタ確認要求メッセージ内の最高ダウンリンク(DL)および/またはアップリンク(UL)カウント値(例えば、4294967295)を使用して、PDCPカウントラップアラウンドイベントが近々生じそうになっていること、マスターノードが所与のベアラに行動を起こす必要があることを示してもよい。PDCPをホストするノードが、カウントが(少なくともULにおいて)そこまで進行することを許可しない場合に、この選択肢が利用可能となり得る。
【0029】
別の実施形態によると、カウンタ確認要求メッセージ内にDLおよびULカウント値を含めることは、オプションであってもよい。この例示的実施形態によると、カウント値フィールドがないことは、マスターノードに対して、カウンタ確認要求がカウントラップアラウンドイベントを示す目的で送信されたことを示す。
【0030】
特定の実施形態の利点として、現行のステージ3仕様に対する影響を回避する、または最小限にとどめることが挙げられる。また、カウンタ確認要求メッセージを利用して、マスターノードに高カウント値を知らせることは、ベアラ解放と追加が望ましいことを示すこととして理解され得る。一方、ベアラ解放のみのためには、SNはSN変更要求メッセージを利用してもよい。
【0031】
図2は、一実施形態に係る、カウントラップアラウンドを防止する処理を示す、例示的信号伝達図を示す。図2の例に示すように、200にお いて、ネットワークノードはベアラでのカウントラップアラウンドが近いことを判定または検出してもよい。実施形態において、カウントはPDCPカウントであってもよく、ノードはセカンダリノード等、ベアラのためにPDCPをホストするノードであってもよい。一実施形態によると、ベアラでのカウントラップアラウンドが近々生じそうになっていることを検出すると、ベアラにのためにPDCPをホストするノードは、210において、カウントラップアラウンドの発生が近いことを示すために、カウンタ確認要求をマスターノードに対して送信してもよい。特定の実施形態において、カウンタ確認要求メッセージ210は、その最大値に近いカウント値を含み得る。カウンタ確認要求メッセージを受信すると(そしてその中に高カウント値を確認または判定し得る)、220において、必要に応じて、マスターノードはDRB解放を開始し、新しいベアラを追加してもよい。一実施形態において、カウンタ確認要求メッセージ210内の最高ダウンリンク(DL)および/またはアップリンク(UL)カウント値(例えば、4294967295)を使用し、カウントラップアラウンドイベントが近々生じそうになっていること、マスターノードが所与のベアラに行動を起こす必要があることを示してもよい。なお、カウンタ確認要求メッセージ内にDLおよびULカウント値を含めることは、オプションであってもよい。例示的実施形態によると、カウンタ確認要求メッセージにカウント値フィールドがないことは、マスターノードに対して、カウンタ確認要求がカウントラップアラウンドイベントを示す目的で送信されたことを示してもよく、マスターノードは220で、適切な行動を起こしてもよい。
【0032】
図3aは、実施形態に係る装置10の例を示す。実施形態において、装置10は、通信ネットワークにおける、または当該ネットワークに対応するノード、ホスト、またはサーバであってもよい。例えば、装置10は、基地局、ノードB、発展型ノードB(evolved Node B:eNB)、5GノードBすなわちアクセスポイント、次世代ノードB(Next Generation Node B:NG-NB、gNB)、WLANアクセスポイント、移動管理ノード(Mobility Management Entity:MME)、および/またはGSM(登録商標)ネットワーク、LTEネットワーク、5GまたはNR等の無線アクセスネットワークに対応付けられたサブスクリプションサーバであってもよい。
【0033】
なお、一部の実施形態において、装置10は、分散型コンピューティングシステムとして、エッジクラウドサーバから構成されてもよいことを理解されたい。その場合、サーバと無線ノードは、無線経路または有線接続を介して互いに通信するスタンドアロン装置であってもよく、または同じエンティティ内に存在して、有線接続により通信してもよい。なお、当業者であれば、装置10は図3aに示さない構成要素または特徴を備えてもよいことが理解されよう。
【0034】
図3aの例に示すように、装置10は、情報を処理し、命令または操作を実行するためのプロセッサ12を備えてもよい。プロセッサ12は、汎用性のあるプロセッサ、特定用途向けのプロセッサ等いかなるタイプのものでもよい。さらにいえば、プロセッサ12は、1つ以上の多目的用コンピュータ、特定用途向けのコンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、マルチコアプロセッサアーキテクチャを基礎とするプロセッサ等の場合がある。図3aにはシングルプロセッサ12が図示されているが、他の実施形態によると、マルチプロセッサを使用することもできる。例えば、特定の実施形態では、装置10が2以上のプロセッサを備えてもよく、これらのプロセッサがマルチプロセッサシステム(言い換えると、このケースでは、プロセッサ12がマルチプロセッサを表す)を形成してもよいことは理解されよう。ここで、このマルチプロセッサシステムがマルチプロセッシングをサポートしてもよい。特定の実施形態では、マルチプロセッサシステムは、強固に接続されていてもよいし、緩く接続されていてもよい(例えば、コンピュータクラスタを形成するため等)。
【0035】
プロセッサ12は、装置10の動作に関連する機能を実行することができる。この機能には、例えば、アンテナ利得および/またはアンテナ位相のパラメータのプリコーディング(precoding)、通信メッセージを形成する個々のビットのエンコードおよびデコード、情報のフォーマット、装置10の制御全般(通信資源の管理に関する処理を含む)が含まれる。
【0036】
さらに装置10は、プロセッサ12と接続可能なメモリ14を含む場合、またはメモリ14と(内部または外部で)接続されている場合があり、このメモリ14は、プロセッサ12によって実行され得る情報および命令を記憶する。メモリ14は、1つ以上のメモリであってもよいし、ローカルなアプリケーション環境に適したあらゆる種類のものであってよい。例えば、半導体ベースのメモリデバイス、磁気メモリデバイスシステム、光学式メモリデバイスシステム、固定式メモリ、移動式メモリ等の様々な適合する揮発性または不揮発性のデータ格納技術を用いて実装されてもよい。メモリ14は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、磁気または光ディスク等の静的記憶装置、ハードディスクドライブ(HDD)、その他のあらゆる種類の非一時的マシン、またはコンピュータ読取可能媒体のあらゆる組合せからなってもよい。メモリ14に記憶された命令は、プログラム命令またはコンピュータプログラムコードを含む場合があり、これらプログラム命令やプログラムコードがプロセッサ12によって実行されると、装置10は本明細書に記載されたタスクを実行することができる。
【0037】
ある実施形態では、装置10がドライブまたはポートをさらに備えるか、または、それらと接続(内部または外部で)されていてもよい。ここで、これらドライブまたはポートは、光ディスク、USBドライブ、フラッシュドライブ、その他の記憶媒体等の外付けのコンピュータ可読記憶媒体に対応し、読み取りを行うように構成されている。例えば、外付けのコンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサ12および/または装置10によって実行されるコンピュータプログラムまたはソフトウェアを記憶してもよい。
【0038】
一部の実施形態では、装置10はさらに、信号および/またはデータを送受信するための1つ以上のアンテナ15を備えるか、またはこれらアンテナ15と接続されていてもよい。装置10はさらに、情報を送受信するように構成された送受信機18を備える場合、またはこの送受信機18と接続されている場合がある。送受信機18は、例えば、アンテナ15と接続されてもよい複数の無線インターフェースを備えていてもよい。無線インターフェースは、複数の無線アクセス技術に対応することができる。複数の無線アクセス技術には、GSM(登録商標)、NB-IoT、LTE、5G、WLAN、Bluetooth(登録商標)、BT-LE、NFC、RFID(無線自動識別)、UWB(ウルトラワイドバンド)、MulteFire、その他これに類するもの等、1つ以上が含まれる。無線インターフェースは、フィルタや(D/Aコンバータのような)変換器、マッパー(mapper)、高速フーリエ変換(FFT)モジュール等の要素を備えてもよく、1つ以上のダウンリンクを介して送信するシンボルを生成し、例えばアップリンクを介してシンボルを受信する。
【0039】
このように、送受信機18は、アンテナ15による送信のために情報を変調して搬送波波形に乗せ、装置10の他の要素によるさらなる処理のためにアンテナ15を介して受信された情報を復調するように構成されてもよい。他の実施形態では、送受信機18は、信号またはデータを直接送受信できる場合がある。これに加えて、またはこれに代えて、一部の実施形態では、装置10は、入力および/または出力デバイス(I/Oデバイス)またはI/O回路を備えてもよい。
【0040】
本発明のある実施形態において、メモリ14は、プロセッサ12によって実行されたときに機能を実現するソフトウェアモジュールを記憶してもよい。上記のモジュールには、装置10のオペレーティングシステム機能を提供するオペレーティングシステム等が含まれていてもよい。メモリは、装置10の追加機能を実現するアプリケーションまたはプログラム等、1つ以上の機能モジュールを記憶してもよい。装置10の構成要素は、ハードウェアにて実装、またはハードウェアとソフトウェアとの適切な組合せとして実装されてもよい。
【0041】
一部の実施形態によると、プロセッサ12およびメモリ14は、処理回路または制御回路の一部に含まれていてもよいし、これらの一部をなしていてもよい。さらに、一部の実施形態では、送受信機18は、送受信回路に含まれていてもよいし、この一部をなしていてもよい。
【0042】
本明細書に使用される「回路」という用語は、ハードウェアのみの回路実装(例えば、アナログおよび/またはデジタル回路)、ハードウェア回路とソフトウェアの組合せ、アナログおよび/またはデジタルハードウェア回路とソフトウェア/ファームウェアの組合せ、ハードウェアプロセッサ(複数可)とソフトウェアの一部(デジタル信号プロセッサを含む)(これらは協働して装置(例えば、装置10)に各種機能を実施させる)、および/またはハードウェア回路(複数可)および/またはプロセッサ(複数可)、これらの一部(動作のためにソフトウェアを使用するが、動作に必要でない場合、ソフトウェアは存在しなくてもよい)を指してもよい。別の例として、本明細書に使用される「回路」という用語はさらに、単なるハードウェア回路またはプロセッサ(または複数のプロセッサ)、ハードウェア回路またはプロセッサの一部、これに伴うソフトウェアおよび/またはファームウェアの実装も網羅している。「回路」という用語はさらに、例えば、サーバ内のベースバンド集積回路、セルラーネットワークノードもしくはデバイス、またはその他のコンピュータデバイスもしくはネットワークデバイスも含む。
【0043】
上記のとおり、特定の実施形態では、装置10は、基地局、アクセスポイント、ノードB、eNB、gNB、WLANアクセスポイント等のネットワークノードまたはRANノードであってもよい。一例の実施形態の装置10は、マスターノードとして機能するネットワークノードまたはgNBであってもよい。特定の実施形態において、装置10は、メモリ14およびプロセッサ12によって制御され、本明細書に記載されたあらゆる実施形態に関連する機能(以下に説明される図1、2、4に示すフローチャート、信号伝達図、ブロック図等)を実行してもよい。特定の実施形態では、装置10は、例えば、UEがデュアル接続又はマルチコネクティビティで構成された場合のカウントラップアラウンドを回避するように構成されてもよい。
【0044】
例えば、一部の実施形態では、装置10は、メモリ14およびプロセッサ12により制御され、PDCPをホストするノードから、カウントラップアラウンドが近々生じそうになっていることを示すカウンタ確認要求を受信してもよい。特定の実施形態では、カウンタ確認要求メッセージは、その最大値に近いカウント値を含んでもよい。カウンタ確認要求メッセージを受信すると(そして最大値に近い高カウント値を確認または判定し得る)、装置10はメモリ14およびプロセッサ12に制御され、DRB解放を開始し、新たなベアラを追加し得る。これにより、カウントラップアラウンドを回避し得る。一例示的実施形態において、カウンタ確認要求メッセージ内の最高ダウンリンク(DL)および/またはアップリンク(UL)カウント値(例えば、4294967295)が、受信したカウンタ確認要求メッセージに含まれ、カウントラップアラウンドイベントが近々生じそうになっていること、マスターノードが所与のベアラに行動を起こす必要があることを示してもよい。ただし、カウンタ確認要求メッセージ内にDLおよびULカウント値を含めることは、オプションであってもよい。別の実施形態では、受信したカウンタ確認要求メッセージにカウント値フィールドがないことは、装置10に、カウンタ確認要求がカウントラップアラウンドイベントを示す目的で送信されたことを示してもよく、装置10は、DRB解放を開始し、任意の実施形態では新たなベアラを追加するように制御されてもよい。
【0045】
図3bは、別の実施形態に係る装置20の例を示す。実施形態において、装置20は、通信ネットワークにおける、または当該ネットワークに対応するノード、ホスト、またはサーバであってもよい。例えば、装置20は、基地局、ノードB、発展型ノードB(evolved Node B:eNB)、5GノードBすなわちアクセスポイント、次世代ノードB(Next Generation Node B:NG-NB、gNB)、WLANアクセスポイント、移動管理ノード(Mobility Management Entity:MME)、および/またはGSM(登録商標)ネットワーク、LTEネットワーク、5GまたはNR等の無線アクセスネットワークに対応付けられたサブスクリプションサーバであってもよい。
【0046】
一部の実施形態において、装置20は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリ、ストレージ、その他これに類するもの)、1つ以上の無線アクセスコンポーネント(例えば、モデム、送受信機、その他これに類するもの)、および/またはユーザインターフェースを含む場合がある。一部の実施形態によれば、装置20は、GSM(登録商標)、LTE、LTE-A、NR、5G、WLAN、WiFi、NB-IoT、Bluetooth(登録商標)、NFC、MulteFire、その他の無線アクセス技術等、1つ以上の無線アクセス技術の使用を操作するように構成されてもよい。なお、当業者であれば、装置20は図3bに示さない構成要素または特徴を備えてもよいことが理解されよう。
【0047】
図3bに示されているように、装置20は、情報を処理し、命令または操作を実行するためのプロセッサ22を備える場合、または、そのようなプロセッサ22と接続されている場合がある。プロセッサ22は、汎用性のあるプロセッサ、特定用途向けのプロセッサ等いかなるタイプのものでもよい。さらにいえば、プロセッサ22は、1つ以上の多目的用コンピュータ、特定用途向けのコンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、マルチコアプロセッサアーキテクチャを基礎とするプロセッサ等であってもよい。図3bにはシングルプロセッサ22が図示されているが、他の実施形態によると、マルチプロセッサを使用することもできる。例えば、特定の実施形態では、装置20が2以上のプロセッサを備えてもよく、これらのプロセッサがマルチプロセッサシステム(言い換えると、このケースでは、プロセッサ22がマルチプロセッサを表す)を形成してもよいことは理解されよう。ここで、このマルチプロセッサシステムは、マルチプロセッシングをサポートしてもよい。特定の実施形態では、マルチプロセッサシステムは、強固に接続されていてもよいし、緩く接続されていてもよい(例えば、コンピュータクラスタを形成するため等)。
【0048】
プロセッサ22は、装置20の動作に関連する機能を実行することができる。この機能と例としては、アンテナ利得および/またはアンテナ位相のパラメータのプリコーディング(precoding)、通信メッセージを形成する個々のビットのエンコードおよびデコード、情報のフォーマット、装置20の制御全般(通信資源の管理に関する処理を含む)が挙げられるが、これに限定されない。
【0049】
さらに装置20は、プロセッサ22と接続可能なメモリ24を含む場合、またはメモリ24と(内部または外部で)接続されている場合があり、このメモリ24は、プロセッサ22によって実行され得る情報および命令を記憶する。メモリ24は、1つ以上のメモリであってもよいし、ローカルなアプリケーション環境に適したあらゆる種類のものであってよい。例えば、半導体ベースのメモリデバイス、磁気メモリデバイスシステム、光学式メモリデバイスシステム、固定式メモリ、移動式メモリ等の様々な適合する揮発性または不揮発性のデータ格納技術を用いて実装されてもよい。メモリ24は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、磁気ディスクまたは光ディスク等の静的記憶装置、ハードディスクドライブ(HDD)、その他のあらゆる種類の非一時的マシン、またはコンピュータ読取可能媒体のあらゆる組合せからなってもよい。メモリ24に記憶された命令は、プログラム命令またはコンピュータプログラムコードを含む場合があり、これらプログラム命令やプログラムコードがプロセッサ22によって実行されると、装置20は本明細書に記載されたタスクを実行することができる。
【0050】
ある実施形態では、装置20がドライブまたはポートをさらに備えるか、または、それらと接続(内部または外部で)されていてもよい。ここで、これらドライブまたはポートは、光ディスク、USBドライブ、フラッシュドライブ、その他の記憶媒体等の外付けのコンピュータ可読記憶媒体に対応し、読み取りを行うように構成されている。例えば、外付けのコンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサ22および/または装置20によって実行されるコンピュータプログラムまたはソフトウェアを記憶してもよい。
【0051】
一部の実施形態では、装置20はさらに、ダウンリンク信号の受信および装置20からのアップリンクを介した送信を行うため、1つ以上のアンテナ25を備えるか、または、これらアンテナ25と接続されてもよい。装置20はさらに、情報を送受信するように構成された送受信機28を備えてもよい。送受信28はさらに、アンテナ25と接続された無線インターフェース(例えば、モデム)を備えてもよい。無線インターフェースは、複数の無線アクセス技術(GSM(登録商標)、LTE、LTE-A、5G、NR、WLAN、NB-IoT、Bluetooth(登録商標)、BT-LE、NFC、RFID、UWB、その他これに類するもの等、1つ以上を含む)に対応することができる。無線インターフェースは、フィルタや(D/Aコンバータのような)変換器、シンボルデマッパー(symbol demapper)、信号成形要素、逆高速フーリエ変換(IFFT)モジュール等の要素をさらに備えてもよく、ダウンリンクやアップリンクで搬送されるシンボル(OFDMAシンボル等)を処理する。
【0052】
例えば、送受信機28は、アンテナ25による送信のために情報を変調して搬送波波形に乗せ、装置20の他の要素によるさらなる処理のためにアンテナ25を介して受信された情報を復調するように構成されてもよい。他の実施形態では、送受信機28は、信号またはデータを直接送受信できる場合がある。これに加えて、またはこれに代えて、一部の実施形態では、装置20は、入力および/または出力デバイス(I/Oデバイス)またはI/O回路を備えてもよい。装置20はさらに、グラフィックユーザインターフェース、タッチスクリーン等のユーザインターフェースを備えてもよい。
【0053】
本発明のある実施形態において、メモリ24は、プロセッサ22によって実行されたときに機能を実現するソフトウェアモジュールを記憶する。上記のモジュールには、装置20のオペレーティングシステム機能を提供するオペレーティングシステム等が含まれていてもよい。メモリは、装置20の追加機能を実現するアプリケーションまたはプログラム等、1つ以上の機能モジュールを記憶することもできる。装置20の構成要素は、ハードウェアにて実装、またはハードウェアとソフトウェアとの適切な組合せとして実装される場合がある。例示的実施形態では、装置20はオプションで、無線または有線通信リンク70を介して装置10と通信するように構成されてもよい。
【0054】
一部の実施形態によると、プロセッサ22メモリ24は、処理回路または制御回路の一部に含まれていてもよいし、これらの一部をなしていてもよい。さらに、一部の実施形態では、送受信機28は、送受信回路に含まれていてもよいし、この一部をなしていてもよい。
【0055】
上述のように、一部の実施形態によると、装置20は、基地局、アクセスポイント、ノードB、eNB、gNB、WLANアクセスポイント等のネットワークノードまたはRANノードであってもよい。一例の実施形態の装置20は、例えばセカンダリノード等、PDCPをホストするネットワークノードであってもよい。特定の実施形態では、装置20は、メモリ14およびプロセッサ12によって制御され、本明細書に記載されたあらゆる実施形態に関連する機能(以下に説明される図1、2、4に示すフローチャート、信号伝達図、ブロック図等)を実行してもよい。特定の実施形態では、装置20は、例えば、UEがデュアル接続又はマルチコネクティビティで構成された場合のカウントラップアラウンドを回避するように構成されてもよい。
【0056】
例えば、特定の実施形態では、装置20は、メモリ24およびプロセッサ22により制御され、ベアラでのカウントラップアラウンドが近いことを判定または検出してもよい。一例として、カウントはPDCPカウントであってもよい。ある実施形態では、カウントラップアラウンドが近いことを検出すると、装置20はメモリ24およびプロセッサ22に制御され、マスターノードに対して、カウントラップアラウンドが近々生じそうになっていることを示すカウンタ確認要求を送信してもよい。特定の実施形態では、カウンタ確認要求メッセージは、その最大値に近いカウント値を含んでもよい。一実施形態によると、カウンタ確認要求メッセージの送信と、オプションでメッセージ内に高カウント値を含ませることで、マスターノードに、DRB解放開始と、新たなベアラ追加をトリガし得る。これにより、カウントラップアラウンドを回避し得る。ある例示的実施形態では、送信されるカウンタ確認要求メッセージ内に最高ダウンリンク(DL)および/またはアップリンク(UL)カウント値(例えば、4294967295)が含まれ、カウントラップアラウンドイベントが近々生じそうになっていること、マスターノードが所与のベアラに行動を起こす必要があることを示してもよい。ただし、カウンタ確認要求メッセージ内にDLおよびULカウント値を含めることは、オプションであってもよい。別の実施形態では、送信したカウンタ確認要求メッセージにカウント値フィールドがないことは、マスターノードに対して、カウンタ確認要求がカウントラップアラウンドイベントを示す目的で送信されたことを示してもよく、マスターノードは、DRB解放を開始し、新たなベアラを追加するようにトリガされてもよい。
【0057】
図4aは、実施形態に係る方法の例示的フローチャートである。特定の実施形態では、この方法は、例示的実施形態に係るデュアル接続またはマルチコネクティビティにおける非マスターノード終端ベアラのためにカウントラップアラウンド(例えば、PDCPカウント)を防止または回避するための処理であってもよい。ある実施形態では、この方法は、基地局、eNB、gNB、リレーノード、またはアクセスノード(例えばマスターノード)等のネットワークノードによって実施されてもよい。
【0058】
実施形態において、図4aの方法は、400で、例えばPDCPをホストするノードから、カウントラップアラウンドが近々生じることを示すカウンタ確認要求を受信することを含んでもよい。特定の実施形態では、カウンタ確認要求メッセージは、その最大値に近いカウント値を含んでもよい。方法は、カウンタ確認要求メッセージを受信すると(そしてその中に高カウント値を確認し得る)、410において、DRB解放を開始し、新たなベアラを追加することを含んでもよい。これにより、カウントラップアラウンドを回避し得る。ある例示的実施形態では、カウンタ確認要求メッセージ内の最高ダウンリンク(DL)および/またはアップリンク(UL)カウント値(例えば、4294967295)が、受信したカウンタ確認要求メッセージに含まれ、カウントラップアラウンドイベントが近々生じそうになっていること、マスターノードが所与のベアラに行動を起こす必要があることを示してもよい。カウンタ確認要求メッセージ内にDLおよびULカウント値を含めることは、オプションであってもよい。別の実施形態では、受信したカウンタ確認要求メッセージにカウント値フィールドがないことは、受信するノード(例えばマスターノード)に、カウンタ確認要求がカウントラップアラウンドイベントを示す目的で受信されたことを示してもよく、これによりDRB解放が開始される。オプションで、新たなベアラが追加されてもよい。
【0059】
図4bは、別の実施形態に係る方法の例示的フローチャートである。特定の実施形態では、図4bの方法は、パケットカウンタ値ラップアラウンドが差し迫っていることをデュアル接続またはマルチコネクティビティにおけるマスターノードに通知するための処理であってもよい。一実施形態によると、ラップアラウンドは、例えば、デュアル接続またはマルチコネクティビティにおける非マスターノード終端ベアラに対するPDCPカウンタであってもよい。実施形態において、この方法は、基地局、eNB、gNB、リレーノード、またはアクセスノード(例えばセカンダリノードまたはPDCPをホストするノード)等のネットワークノードによって実施されてもよい。
【0060】
実施形態において、図4bの方法は、450において、カウントラップアラウンドが近いことを判定または検出することを含んでもよい。方法は、その後460において、マスターノードに対して、カウントラップアラウンドが近々生じそうになっていることを示すカウンタ確認要求を送信することを含んでもよい。特定の実施形態では、送信すること460は、その最大値に近いカウント値を含むようにカウンタ確認要求メッセージを送信することを含んでもよい。一実施形態によると、カウンタ確認要求メッセージの送信460と、オプションでメッセージ内に高カウント値を含ませることで、マスターノードに、DRB解放開始と、新たなベアラ追加をトリガし、これによって、差し迫っているカウントラップアラウンドを回避し得る。一例示的実施形態において、送信されるカウンタ確認要求メッセージ内に最高ダウンリンク(DL)および/またはアップリンク(UL)カウント値(例えば、4294967295)が含まれ、カウントラップアラウンドイベントが近々生じそうになっていること、マスターノードが所与のベアラに行動を起こす必要があることを示してもよい。ただし、カウンタ確認要求メッセージ内にDLおよびULカウント値を含めることは、オプションであってもよい。別の実施形態では、送信したカウンタ確認要求メッセージにカウント値フィールドがないことは、マスターノードに対して、カウンタ確認要求がカウントラップアラウンドイベントを示す目的で送信されたことを示してもよく、マスターノードは、DRB解放を開始し、ある実施形態では、新たなベアラを追加するようにトリガされてもよい。
【0061】
上記のことを考慮すると、本発明の実施形態は、いくつかの技術的効果および/または改良および/または利点を提供する。各種実施形態においては、PDCPカウントラップアラウンドを回避する手法を提供する。したがって、特定の実施形態の結果、ネットワークスループットおよびUEスループット性能が向上し得る。このように、本発明の実施形態は、ネットワークやネットワークノード(例えば、アクセスポイント、基地局/eNB/gNB、モバイルデバイス、UEを含む)の性能およびスループットを向上させることができる。したがって、本発明の実施形態を使用することにより、通信ネットワークおよびそのノードの機能の改良がもたらされる。
【0062】
一部の実施形態では、本明細書に記載の任意の方法、プロセス、信号伝達図、アルゴリズム、フローチャートの機能が、ソフトウェアおよび/またはコンピュータプログラムコード、あるいはメモリやその他のコンピュータ可読媒体、有形媒体に記憶されるコードの一部によって実装され、プロセッサによって実行されてもよい。
【0063】
一部の実施形態では、装置は、算術演算として構成されるか、または、少なくとも1つのオペレーションプロセッサによって実行されるプログラムまたはその一部(追加または更新ソフトウェアルーチンを含む)として構成されている、少なくとも1つのソフトウェアアプリケーション、モジュール、ユニット、エンティティを備え、または連携していてもよい。プログラムは、プログラム製品またはコンピュータプログラムとも呼ばれ、ソフトウェアルーチンやアプレット、マクロも含む。これらは、任意の装置可読記憶媒体に格納されてもよく、特定のタスクを遂行させるためのプログラム命令を含んでもよい。
【0064】
コンピュータプログラム製品は、プログラムが実行されると、実施形態を遂行させるように構成される1つ以上のコンピュータ実行可能な要素を含んでもよい。この1つ以上のコンピュータ実行可能な要素は、少なくとも1つのソフトウェアコードであってもよいし、またその一部であってもよい。ある実施形態の機能性向上のために要求される改良および配置は、追加または更新ソフトウェアルーチンとして実装され得るありふれたものとして行うことができる。ソフトウェアルーチンは、装置にダウンロードされてもよい。
【0065】
ソフトウェア、コンピュータプログラムコード、またはコードの一部は、ソースコード形式であってもよいし、オブジェクトコード形式、またはいくつかの媒介形式であってもよい。また、コンピュータプログラムは何らかのキャリア、流通媒体、コンピュータ可読媒体に記録されていてもよく、ここで、これらのキャリア、流通媒体、コンピュータ可読媒体は、プログラムを伝搬できるあらゆるエンティティ、デバイスであってもよい。このようなキャリアは、記録媒体、コンピュータメモリ、ROM、光電子および/または電気的搬送波信号、電気通信信号、ソフトウェア販売パッケージ等を含む。必要とされる処理電力によって、コンピュータプログラムは、単一の電子デジタルコンピュータで実行されてもよいし、または、複数のコンピュータで分散されてもよい。コンピュータ可読媒体またはコンピュータ可読記憶媒体は、非一時的媒体であってもよい。
【0066】
別の実施形態では、上記機能が装置(例えば、装置10または装置20)内のハードウェアまたは回路によって実現されてもよい。この例としては、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、その他のハードウェアとソフトウェアとの組合せ等の使用が挙げられる。さらに別の実施形態では、その機能が、インターネットまたはその他のネットワークからダウンロードされる電磁信号によって伝搬され得る信号、無形手段として実装されてもよい。
【0067】
実施形態によっては、ノード、デバイス、これらに対応する構成要素等の装置は、回路、コンピュータ、またはマイクロプロセッサ(シングルチップのコンピュータ要素、チップセット等)として構成されてもよく、これには、算術演算用に記憶容量を提供するメモリ、その算術演算を実行するためのオペレーションプロセッサも含まれる。
【0068】
一実施形態は、データ無線ベアラ(DRB)のためにPDCPをホストするノードから、カウントラップアラウンドが近々生じることを示すカウンタ確認要求を受信することを含む方法に関する。特定の実施形態では、方法はその後、前記要求を受信することに応じて、DRBの解放を開始することを含んでもよい。またオプションで、新たなベアラを追加することを含んでもよい。
【0069】
別の実施形態は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を備える装置に関する。前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に少なくとも、データ無線ベアラ(DRB)のためにPDCPをホストするノードから、カウントラップアラウンドが近々生じることを示すカウンタ確認要求を受信させるように構成されている。特定の実施形態では、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置にさらに、前記要求を受信することに応じて、DRBの解放を開始させるように構成されている。またオプションで、新たなベアラを追加させるように構成されてもよい。
【0070】
別の実施形態は、少なくともデータ無線ベアラ(DRB)のためにPDCPをホストするノードから、カウントラップアラウンドが近々生じることを示すカウンタ確認要求を受信する受信手段を備える装置に関する。特定の実施形態では、この装置はさらに、前記要求を受信することに応じて、DRBの解放を開始する開始手段を備えてもよい。この開始手段は、オプションで、新たなベアラを追加するように構成されてもよい。
【0071】
別の実施形態は、カウンタラップアラウンドが近いことを判定または検出することを含み得る方法に関する。この方法はさらに、マスターノードに対して、前記カウンタラップアラウンドが近々生じそうになっていることを示すカウンタ確認要求を送信することを含んでもよい。これにより、マスターノードにデータ無線ベアラ(DRB)解放の開始をトリガし得る。またオプションで、新たなベアラの追加をトリガし得てもよい。特定の実施形態では、前記送信することは、その最大値に近いカウント値を含むカウンタ確認要求メッセージを送信することを含んでもよい。
【0072】
別の実施形態は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を備える装置に関する。前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に少なくとも、カウンタラップアラウンドが近いことを判定または検出させるように構成されてもよい。前記少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置にさらに、マスターノードに対して、前記カウンタラップアラウンドが近々生じそうになっていることを示すカウンタ確認要求を送信させるように構成されてもよい。これにより、マスターノードにデータ無線ベアラ(DRB)解放の開始をトリガし得る。またオプションで、新たなベアラの追加をトリガし得る。特定の実施形態では、送信したカウンタ確認要求メッセージは、その最大値に近いカウント値を含んでもよい。
【0073】
別の実施形態は、カウンタラップアラウンドが近いことを検出する検出手段を備える装置に関する。この装置はさらに、マスターノードに対して、前記カウンタラップアラウンドが近々生じそうになっていることを示すカウンタ確認要求を送信する送信手段を含んでもよい。これにより、マスターノードにデータ無線ベアラ(DRB)解放の開始をトリガし得る。またオプションで、新たなベアラの追加をトリガし得る。特定の実施形態では、前記送信手段は、その最大値に近いカウント値を含むカウンタ確認要求メッセージを送信する手段を含んでもよい。
【0074】
上述の本発明は、処理の順序を変えて、および/または開示されるものとは異なる構成のハードウェア要素によって実施することが可能であることが当業者には理解されよう。したがって、好ましい実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明の範囲を逸脱することなく、特定の変更態様、変形、および代替の構造が考え得るであろうことが当業者には理解されよう。
図1
図2
図3
図4a
図4b