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特許7162105カメラレンズを取り囲むLEDフラッシュリング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-19
(45)【発行日】2022-10-27
(54)【発明の名称】カメラレンズを取り囲むLEDフラッシュリング
(51)【国際特許分類】
   G03B 15/05 20210101AFI20221020BHJP
   G03B 15/02 20210101ALI20221020BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20221020BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20221020BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20221020BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20221020BHJP
【FI】
G03B15/05
G03B15/02 K
G03B15/02 S
F21V33/00 300
F21V8/00 310
F21V8/00 340
H04N5/225 600
H04N5/225 100
F21Y115:10
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021123895
(22)【出願日】2021-07-29
(62)【分割の表示】P 2018555901の分割
【原出願日】2017-04-26
(65)【公開番号】P2021182147
(43)【公開日】2021-11-25
【審査請求日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】62/327,628
(32)【優先日】2016-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16173241.7
(32)【優先日】2016-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】リン,シュエチン
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-236974(JP,A)
【文献】特開2011-118383(JP,A)
【文献】特開2004-226508(JP,A)
【文献】特開2007-174168(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0209417(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0209561(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0238527(US,A1)
【文献】米国特許第08515274(US,B1)
【文献】国際公開第2007/082497(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 15/05
G03B 15/02
F21V 33/00
F21V 8/00
H04N 5/225
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明システムであって、
リング形状の光ガイドと、
前記リング形状の光ガイドにおいてカプセル化されており、かつ、前記リング形状の光ガイドの中へ光を放射するように構成されている、第1発光ダイオード(LED)および第2LEDであって、
前記第1LEDで放射された光は、前記リング形状の光ガイドの周りを、第1方向において伝搬し、
前記第1LEDおよび前記第2LEDは、それぞれに、前記光ガイドを通じて伝搬するように前記放射された光を反射するための反射性表面を有する第1プリント回路基板および第2プリント回路基板にマウントされており、
前記第2プリント回路基板の前記反射性表面で反射された光は、前記リング形状の光ガイドの周りを、前記第1方向とは反対の、第2方向において伝搬する、
第1LEDおよび第2LEDと、
前記リング形状の光ガイドから放射された光のうち少なくとも一部分を方向付けるように構成されている、光抽出特徴と、
を含む、照明システム。
【請求項2】
前記リング形状の光ガイドは、前記第1LEDおよび前記第2LEDを直接的にカプセル化する光ガイド材料から形成されており、
前記光ガイド材料は、前記放射された光を前記リング形状の光ガイドの中へ導くように選択された屈折率を有している、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記リング形状の光ガイドは、
前記第1LEDおよび前記第2LEDから放射された光が、ガス状媒体および真空を通過することなく、前記光ガイド材料へ直接的に進入するように、
前記第1LEDおよび前記第2LEDをカプセル化する、
請求項2に記載の照明システム。
【請求項4】
前記光ガイド材料は、形成性アクリル材料である、
請求項2に記載の照明システム。
【請求項5】
前記光抽出特徴は、前記リング形状の光ガイドの表面に配置されている、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項6】
前記光抽出特徴は、前記リング形状の光ガイドの出力表面のうち粗面化された部分を含み、
前記出力表面は、出力方向に直面しており、
前記出力方向は、前記リング形状の光ガイドの面に対して実質的に垂直である、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項7】
前記光抽出特徴は、前記リング形状の光ガイドの出力表面に配置されたプリズムを含み、
前記出力表面は、出力方向に直面しており、
前記出力方向は、前記リング形状の光ガイドの面に対して実質的に垂直である、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項8】
前記第2LEDは、
前記リング形状の光ガイドにおいてカプセル化され、かつ、前記リング形状の光ガイドの中へ光を放射するように構成されている、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項9】
前記第1LEDおよび前記第2LEDは、前記リング形状の光ガイドの実質的に正反対の側に配置されており、
前記リング形状の光ガイドは、前記リング形状の光ガイドの周りで第1円方向に光をガイドし、かつ、前記リング形状の光ガイドの周りで、前記第1円方向とは反対の、第2円方向に光をガイドするように形作られており、かつ、
前記第1LEDおよび前記第2LEDは、前記リング形状の光ガイドの周りで前記第1円方向に光を放射するように向けられている、
請求項8に記載の照明システム。
【請求項10】
前記第1LEDおよび前記第2LEDは、上面放射LEDである、
請求項9に記載の照明システム。
【請求項11】
前記第1LEDは、第1プリント回路基板の前面にマウントされ、前記第1プリント回路基板は、拡散反射性の背面を有しており、かつ、
前記第2LEDは、第2プリント回路基板の前面にマウントされ、前記第2プリント回路基板は、拡散反射性の背面を有している、
請求項10に記載の照明システム。
【請求項12】
前記照明システムは、さらに、
前記第1LEDへ電力供給するように構成されている回路を含む、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項13】
前記リング形状の光ガイドは、カメラレンズを収容するための中央開口部を含み、
前記照明システムは、さらに、
前記リング形状の光ガイドの前記中央開口部の中または後方に配置されたカメラレンズを含む、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項14】
前記照明システムは、さらに、スマートフォンを含み、
前記スマートフォンは、カメラを含み、
前記カメラは、前記カメラレンズを含み、
前記リング形状の光ガイドは、前記カメラのためのフラッシュとして構成されている、
請求項13に記載の照明システム。
【請求項15】
照明を提供する方法であって、前記方法は、
リング形状の光ガイドにカプセル化された第1発光ダイオード(LED)および第2LEDを用いて、前記リング形状の光ガイドの中へ光を放射するステップであり、
前記第1LEDで放射された光は、前記リング形状の光ガイドの周りを、第1方向において伝搬し、
前記第1LEDおよび前記第2LEDは、それぞれに、前記光ガイドを通じて伝搬するように前記放射された光を反射するための反射性表面を有する第1プリント回路基板および第2プリント回路基板にマウントされており、
前記第2プリント回路基板の前記反射性表面で反射された光は、前記リング形状の光ガイドの周りを、前記第1方向とは反対の、第2方向において伝搬する、
ステップと、
前記リング形状の光ガイドに配置された光抽出特徴を用いて、前記リング形状の光ガイドから放射された光のうち少なくとも一部分を抽出するステップと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記第1LEDおよび前記第2LEDは、前記リング形状の光ガイドの実質的に正反対の側に配置されており、
前記リング形状の光ガイドは、前記リング形状の光ガイドの周りで第1円方向に光をガイドし、かつ、前記リング形状の光ガイドの周りで、前記第1円方向とは反対の、第2円方向に光をガイドするように形作られており、
前記第1LEDおよび前記第2LEDは、前記リング形状の光ガイドの周りで前記第1円方向に光を放射するように向けられている、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1LEDは、第1プリント回路基板の前面にマウントされた上面放射LEDであり、前記第1プリント回路基板は、拡散反射性の背面を有しており、
前記第2LEDは、第2プリント回路基板の前面にマウントされた上面放射LEDであり、前記第2プリント回路基板は、拡散反射性の背面を有している、
請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明開示は、発光ダイオード(LED)を包含するカメラフラッシュに関する。そして、特定的には、カメラのレンズを取り囲むリング形状のカメラフラッシュに関する。
【0002】
この特許申請は、2014年5月13日に提出された米国仮特許出願第62/327628号について優先権を主張する。これにより、その内容が、完全に明らかにされたかのように、ここにおいて参照により包含されている。
【背景技術】
【0003】
比較的にコンパクトなスマートフォンおよび他の電子機器では、カメラが普及している。カメラのためのフラッシュは、典型的には、1つまたは2つの蛍光体変換、白色光発光ダイオード(「LED」)で形成されている。LEDの総面積が、典型的には、所与の駆動電流パルスについてフラッシュの瞬時輝度(instantaneous brightness)を決定する。裸のLEDダイ(bare LED die)は、GaNベースであって、青色光を放射し、そして、蛍光体(典型的にはYAG)が黄色成分(または、赤色および緑色成分)を加えている。蛍光体を通じて漏れている青色光と、蛍光体自体によって提供される光との組み合わせが、フラッシュのための明るい白色光を生成する。
【0004】
カメラのフラッシュは、典型的には、小さなフレネルレンズ(Fresnel lens)または他のタイプのモールドされたプラスチックレンズを使用しており、カメラの視野における被写体(subject)に大部分の光を方向付けるように光をコリメート(collimate)する。フラッシュレンズは、典型的には小さく、そして、LEDはカメラレンズの片側に離れて存在している。小さなフラッシュユニットをデザインすることが困難であるため、LEDフラッシュユニットによって生成される照明品質は、典型的には低い。小型カメラのためのLEDフラッシュについて改善が必要である。
【発明の概要】
【0005】
一つの実施形態においては、白色光LEDが、LEDアセンブリにおける金属コアプリント回路基板(MCPCB)の端部の近くにマウントされている。そうした2つのLEDアセンブリは、リング状の光ガイド(light guide)の中へモールドされており、LEDアセンブリは、光ガイドにおいて180度離れている。光ガイド材料(例えば、透明なアクリル、ポリ(メタクリル酸メチル)(”PMMA”)など)がLEDおよびMCPCBを直接的にカプセル化するので、光ガイド材料に対してLEDの非常に良好な光学的結合(optical coupling)が存在している。スマートフォンの小さなカメラレンズは、光ガイドの中央開口部の中または後方に置かれている。光ガイドの上面は、粗面、プリズム、等といった、注入された光を抽出する光学的特徴(optical features)を有している。
【0006】
2つのLEDから放射された光は、光が出て行くところである、光ガイドの上面に光が当たるまで、全内部反射(”TIR”)によって光ガイドの滑らかな側面および底面で反射される。反対側のLEDアセンブリの反射面に到達する一方のLEDアセンブリからの光は、光ガイドの中で拡散して反射されて戻る。光ガイドの表面上の光学的特徴は、光を均一に漏れ出させるように適合され得る。様々な実施形態において、LEDは、上面放射(top-emitting)LEDであり、または、側面放射(side-emitting)LEDである。光ガイドから突出するMCPCBの部分は、空冷式ヒートシンクとして動作する。ヒートシンクは、ビデオ用または懐中電灯(flash light)としての使用といった、LEDが絶え間なく電源オンされている場合に重要である。
【0007】
開示されるLED光ガイドの利点は、所望の発光プロフィールの生成を含んでおり、光は、カメラレンズの周囲に対称的に放射され、カメラレンズの軸方向と整列されたピーク発光を有し、そして、カメラの視野のエッジに向かってロールオフ(roll off)する。
【0008】
追加的な特徴および実施形態が、ここにおいて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一つの実施例に従った、PCB上にマウントされた上面放射LEDの断面図である。
図2図2は、別の実施例に従った、PCB上にマウントされた側面放射LEDの断面図である。
図3図3は、一つの実施例に従った、図1の前面放射(front-emitting)LEDを使用した、フラッシュモジュールの正面図であり、リング形状の光ガイド(light guide)の開口部の中または後方に配置されたカメラレンズを伴っている。
図4図4は、別の実施例に従った、図2の側面放射LEDを使用した、フラッシュモジュールの正面図であり、リング形状の光ガイドの開口部の中または後方に配置されたカメラレンズを伴っている。
図5図5は、一つの実施例に従った、所望の発光プロフィールを達成するように光を漏れ出させるための、パターン化された光排出面(light exit surface)を示している、リング形状の光ガイドの断面図である。
図6図6は、一つの実施例に従った、フラッシュモジュールの開口部の中のフラッシュモジュールおよびカメラレンズを示しているスマートフォンの背面を示す。
図7図7は、カメラレンズの焦点距離におけるフラッシュモジュールの例示的な発光プロフィールを示し、カメラレンズの軸方向と整列されたピーク放射と、カメラの視野のエッジに対して対称的なロールオフ(roll off)とを示している。
【0010】
同一または類似の要素には、同じ数字がラベル付けされている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、LED10を示している。LED10としての使用のための市販されているLEDの一つの例は、Lumileds Holdings、B.Vによって販売されているモデルLXCL-PWF4フラッシュモジュールである。LED10は、YAG蛍光体層12を用いてコーティングされた、青色発光のGaNベースダイ(GaN-based die)を含んでいる。青色光および黄色光は、写真に適した白色光を生成する。LEDダイは、カソード金属接点14、アノード金属接点16、P型半導体層18、活性層20(量子井戸)、N型半導体層22、および、カソード金属接点14とN型半導体層22との間に電気的接続を形成するためにN型半導体層22まで延在している金属ビア(metal vias)23、を含む。
【0012】
LED10は、メタルコアプリント回路基板(”MCPCB”)24といったプリント回路基板(”PCB”)上にマウントされており、絶縁層26、および、フラッシュ電源を接点14、16に接続するための金属パターン28を有している。MCPCB24は、反射層30によって形成された白色(拡散反射性)背面、いくつかの実施形態においては、TiOといった白色拡散粒子を含んでいるもの、を有している。MCPCB24の前面(背面反射表面30の反対側)は、また、反射層を用いて被覆されてもよい。一つの実施形態において、LED10は、約1mm幅以下であり、かつ、MCPCB24は、約1-2mm幅であって、そうして、LED10を支持しているMCPCB24の部分が、薄い、アクリルのリング形状の光ガイドの中にカプセル化され得る。光がLED10の上部から(図1での「上(”up”)」方向に)放射されるので、LED10は「上面放射(”top-emitting”)」である。
【0013】
図2は、MCPCB24上の側面放射白色光LED32示しており、ここで、LED32は、図1のものと同一であるが、全ての光がLED32の側面から放射されるように、反射層34(例えば、銀)を伴っている。反射層34は、また、側面放射レンズであってもよい。
【0014】
図3は、カメラレンズ42のための中央開口部40を有しているリング形状の光ガイド38の上面図である。スマートフォンのための典型的なカメラレンズは、そのプラスチック支持部材を含めて、約3-7mmの直径である。従って、開口部40は、約3-7mmの直径であってよい。光ガイド38の外径は、5-15mmであってよい。
【0015】
図1からの2つの前面放射LED10は、LED10をカプセル化し、かつ、光を光ガイド38へと光学的に結合するために、透明な光ガイド38の中へモールドされている。光ガイド38を形成しているアクリル材料の屈折率は、光学的結合を最適化するように選択され得る。光ガイド38の厚さは、LED10の幅よりもわずかに大きくてよい。
【0016】
MCPCB24の一方の端部は、光ガイド38から延出しており、そして、その接点パッドが、フラッシュモジュールの一部を形成している、別の回路基板上のLEDフラッシュコントローラ52に対して電気的に接続されている。LEDフラッシュコントローラ52は、LED10の輝度および照明時間を様々な使用のためにコントロールするように構成されている。カメラフラッシュとしての使用のために短いパルスを生成する場合や、または、例えば懐中電灯として使用される場合のより長い持続時間、といったものである。光ガイド38を越えて延びるMCPCB24の端部も、また、LED10からの熱を逃がす。
【0017】
図3に示されるように、LED10の一方からの光線46は、内部全反射により、光ガイド38の壁で内部反射し、そして、光線が光ガイド38の上面に当たり、そして、光ガイド38を出て行くまで、他方のMCPCB24の白色背面で反射する。上面は、粗面化され、または、他の光学的特徴を有しており、かなり均一な放射を生成するように光を上面から漏れ出させる。2つのLEDが示されているが、追加の光束のために、より多くが光ガイド38の中へモールドされてよい。各MCPC24の白色背面は、光ガイド38の上面に当たる光線の可能性を増加させるために、光を拡散反射している。
【0018】
図3には、また、カメラコントロール回路50も示されている。カメラ写真が撮影されている間、LED10を活動させるためにMCPCB24の接点パッドに対して電流パルスを提供するようにLEDフラッシュコントローラ52を制御するものである。一つの例において、カメラコントロール回路50は、カメラレンズ42によって指し示めされている被写体の照明が不十分であると判断し、そして、それに応答してLED10を活動させる(energize)ようにLEDフラッシュコントローラ52を制御する。
【0019】
図4は、図2の側面放射LED32をカプセル化している光ガイド38の上面図であり、ここで、MCPCB24の上面は、光ガイド38の光放射面に対して平行である。側面放射LED32を使用することは、LED32の上方の目に見える「ホットスポット(”hot spots”)」を低減し、そして、より均一な放射を生成する。光ガイド38から延びるMCPCB24の端部は、図3に示されるLEDフラッシュコントローラ52に対して電気的に接続された接点パッドを有している。
【0020】
光ガイド38は、LEDおよびMCPCBをカプセル化し、かつ、光を十分に混合するために、1-3mmの厚さであってよい。より大きな光ガイド38は、リングの周囲の発光の均一性を改善する。側面放射LEDの高さはMCPCBの幅よりも小さくてよいので、図4における光ガイド38の厚さは、図3における光ガイド38の厚さよりも小さくてよい。
【0021】
図5は、光ガイド38の断面図であって、一つの例に従って、漏れ光のための上面における光抽出特徴56を非常に強調している。光抽出特徴56は、光ガイド38の表面の粗面化を含み、かつ/あるいは、光ガイド38の表面から延在するモールドされたプリズムを含み得る。光ガイドの中の光束は、一般的に、LEDの近く、および、光を反射しているMCPCBの白色背面の近くで最大であるので、光抽出特徴56は、一方のLEDの位置と他方のLEDを支持しているMCPCBとの間の中途でより高い割合の光を抽出するように適合され得る。いくつかの実施例において、光ガイド38の表面上の異なる位置での異なる光抽出特徴は、LEDから放射される異なる量の光を、異なる方向において、抽出するために、形状、サイズ、及び/又は、コンフィグレーションが変動している。実質的に均一な光の出現を提供するためである。2つの光線58が示されており、光ガイド38の上面を出て行くように光抽出特徴56によってリダイレクトされている。
【0022】
図6は、本リング形状のフラッシュを使用している従来のスマートフォン60の背面を図示しており、そこでは、光ガイド38およびカメラレンズ42が示されている。スマートフォンにおいて示されているが、リング形状のフラッシュは、スマートフォンにおけるカメラ以外のカメラに使用されてもよい。カメラを組み込んでいる任意の電子機器は、本開示に係るフラッシュシステムを使用することができる。そうした電子機器は、電源を含むか又は電源に対して接続され、電源とカメラとの間での電気的結合を含み、そして、処理コンポーネント、ストレージ、またはメモリ、等といった他の電子コンポーネントを含んでいる。電子機器は、また、ハウジングまたはエンクロージャを含み、その中に電子機器のコンポーネントが配置されている。フラッシュ、カメラ、およびカメラレンズは、カメラがフラッシュによって照明された被写体の画像を獲得することができるように、ハウジングから突出するように配置されている。
【0023】
リング形状のフラッシュの機能的な利点に加えて、白色LEDにおいて典型的に存在する非審美的な(unaesthetic)黄色蛍光体が、より少なく見える。LEDが光ガイド38において横向きに取り付けられており(図3)、または、反射層34によって蛍光体が隠されている(図4)ためである。リング形状のフラッシュは、従来の「点光源(”point source”)」LEDフラッシュよりも拡散された光を生成し、そして、人間の被写体の目からの点光源の反射は存在しない。モールドされたフラッシュモジュールは、製造するのが簡単であり、かつ、フラッシュレンズの中にLEDをカプセル化する別個の製造工程を必要としない。丸いフラッシュ(round flash)は、カメラの視野に類似した対称的な円形発光を生成する。LEDとレンズとの間に所定のギャップを必要とするであろう、フラッシュレンズが存在しないので、本発明のフラッシュモジュールのための製造公差(tolerances)は、フラッシュレンズとフラッシュレンズの両方を含むコンフィグレーションと比較して緩和されている。
【0024】
図7は、フラッシュのシミュレーション結果を示しており、ここで、全体の光束は360ルクス(lux)である。測定は、カメラレンズの焦点距離において行われており、スマートフォンのモデルに応じて、約10mmであり得る。示されるように、発光プロフィールは、水平および垂直に実質的に対称であって、中心において74ルクスであるピーク光束を伴い、カメラの視野のエッジにおいて約40ルクスまでロールオフ(rolling off)していて、たいてい被写体がフレームの中央に居るスマートフォンカメラのためにフラッシュが役立つようにしている。対角線上の均一性は、75度の視野については40%より大きいが、光抽出特徴56(図5)を調整することによって改善することができる。
【0025】
特定的な実施形態が示され、かつ、説明されてきたが、当業者にとっては、より広範な態様において、本開示から逸脱することなく変更および変形を行うことができること、そして、従って、添付の請求項は、本開示の真の精神および範囲内にあるそうした変更および変形の全てをその範囲内に包含すること、が明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7