(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-19
(45)【発行日】2022-10-27
(54)【発明の名称】汎用喉頭鏡ブレード
(51)【国際特許分類】
A61B 1/267 20060101AFI20221020BHJP
【FI】
A61B1/267
(21)【出願番号】P 2021512716
(86)(22)【出願日】2020-03-13
(86)【国際出願番号】 US2020022564
(87)【国際公開番号】W WO2020186141
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-03-05
(32)【優先日】2019-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515257519
【氏名又は名称】テレフレックス メディカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】エルバズ アヴィラム
(72)【発明者】
【氏名】デュボア ネイト
【審査官】湊 和也
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公開第02491189(GB,A)
【文献】米国特許第06213937(US,B1)
【文献】米国特許第07824331(US,B1)
【文献】特開平08-024221(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0041227(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
汎用喉頭鏡ブレードであって、
喉頭の直視を提供するように成形され、第1の端部と前記喉頭の中への挿入に向けて構成された第2の端部とを含むブレード本体と、
前記ブレード本体に接続され、従来ハンドル及びファイバ照明式ハンドルの各々とは独立に機能するように構成された観察器と、
前記ブレード本体の前記第1の端部に配置されたブレード取り付け具であって、このブレード取り付け具が、前記従来ハンドルのフック留め取り付け具及び前記ファイバ照明式ハンドルのフック留め取り付け具の各々に一度に1つずつ取外し可能に接続可能であり、前記従来ハンドルの前記フック留め取り付け具が、前記ファイバ照明式ハンドルの前記フック留め取り付け具の少なくとも1つの物理的寸法とは異なる少なくとも1つの物理的寸法を有する前記ブレード取り付け具と、
を含み、
前記従来ハンドルの前記フック留め取り付け具は、従来ハンドルに関するISO規格7376に準拠するように寸法決めされ、前記ファイバ照明式ハンドルの前記フック留め取り付け具は、ファイバ照明式ハンドルに関するISO規格7376に準拠するように寸法決めされ、
前記ブレード取り付け具は、前記従来ハンドルの前記フック留め取り付け具の台座及び前記ファイバ照明式ハンドルの前記フック留め取り付け具の台座内に一度に1つずつ受け入れられるように構成された厚みを有する本体を含み、前記従来ハンドルの前記フック留め取り付け具の前記台座は、前記ファイバ照明式ハンドルの前記フック留め取り付け具の前記台座の幅よりも小さい幅を有する、
ことを特徴とする汎用喉頭鏡ブレード。
【請求項2】
前記本体の前記厚みは、12.74mmと12.84mmの間であることを特徴とする請求項1に記載の汎用喉頭鏡ブレード。
【請求項3】
作動位置で喉頭鏡ブレードが前記従来ハンドル及び前記ファイバ照明式ハンドルのうちの一方に係合した時に前記観察器に電力を供給するために前記観察器と電気連通するように構成された電源を更に含む請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載の汎用喉頭鏡ブレード。
【請求項4】
前記ブレード取り付け具は、前記電源と電気連通している第1の電気接点と前記観察器と電気連通している第2の電気接点とを含み、
前記第1の電気接点は、喉頭鏡ブレードが前記作動位置にある時に前記従来ハンドル及び前記ファイバ照明式ハンドルのうちの一方の導電性ヒンジピンを通じて前記第2の電気接点と電気連通するように構成される、
ことを特徴とする請求項3に記載の汎用喉頭鏡ブレード。
【請求項5】
前記第1の電気接点は、第1の電気ワイヤを通じて前記電源と電気連通しており、
前記第2の電気接点は、第2の電気ワイヤを通じて前記観察器と電気連通している、
ことを特徴とする請求項4に記載の汎用喉頭鏡ブレード。
【請求項6】
前記ブレード
取り付け具の前記本体の底部に機能要素が不在であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の汎用喉頭鏡ブレード。
【請求項7】
前記ブレード取り付け具は、前記本体の前部から前記本体の中心領域に向けて角度を成して前記本体の中に延びて半円形座面で終端するヒンジスロットを更に含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の汎用喉頭鏡ブレード。
【請求項8】
前記ヒンジスロットは、前記従来ハンドルの前記フック留め取り付け具のヒンジピン及び前記ファイバ照明式ハンドルのフック留め取り付け具のヒンジピンを一度に1つずつ前記半円形座面との当接状態で受け入れるように寸法決めされ、前記従来ハンドルの前記フック留め取り付け具の前記ヒンジピンは、前記ファイバ照明式ハンドルの前記フック留め取り付け具の前記ヒンジピンの直径よりも小さい直径を有することを特徴とする請求項7に記載の汎用喉頭鏡ブレード。
【請求項9】
前記半円形座面の直径が、4.58mmよりも大きいことを特徴とする請求項7及び請求項8のいずれか1項に記載の汎用喉頭鏡ブレード。
【請求項10】
前記ブレード取り付け具は、前記ヒンジスロットの面内に配置されて前記従来ハンドルの前記フック留め取り付け具の前記ヒンジピン及び前記ファイバ照明式ハンドルの前記フック留め取り付け具の前記ヒンジピンを一度に1つずつ前記ヒンジスロット内にロックするように構成されたヒンジロックを更に含むことを特徴とする請求項
8に記載の汎用喉頭鏡ブレード。
【請求項11】
前記ヒンジロックは、前記半円形座面の仮想中心から前方に0.86と0.90mmの間の距離だけ離間していることを特徴とする請求項10に記載の汎用喉頭鏡ブレード。
【請求項12】
前記ブレード取り付け具は、前記本体の側部上に設けられて前記従来ハンドルの前記フック留め取り付け具の前記台座及び前記ファイバ照明式ハンドルの前記フック留め取り付け具の前記台座内に一度に1つずつ前記ブレード取り付け具の前記本体をロックするように構成された少なくとも1つの側部ロックを更に含むことを特徴とする請求項
7から請求項11のいずれか1項に記載の汎用喉頭鏡ブレード。
【請求項13】
前記少なくとも1つの側部ロックの中心点が、前記半円形座面の仮想中心点から後方に水平距離成分だけ離間し、かつ前記半円形座面の前記仮想中心点の下方に垂直距離成分だけ離間し、前記水平距離成分は、13.0mmであり、前記垂直距離成分は、0.8mmであることを特徴とする請求項12に記載の汎用喉頭鏡ブレード。
【請求項14】
前記少なくとも1つの側部ロックは、前記従来ハンドルの前記フック留め取り付け具の少なくとも1つのロックスロット及び前記ファイバ照明式ハンドルの前記フック留め取り付け具の少なくとも1つのロックスロットに一度に1つずつ係合するように構成されることを特徴とする請求項12及び請求項13のいずれか1項に記載の汎用喉頭鏡ブレード。
【請求項15】
使い捨てであることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の汎用喉頭鏡ブレード。
【請求項16】
再使用可能であることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の汎用喉頭鏡ブレード。
【請求項17】
前記観察器は、前記従来ハンドル及び前記ファイバ照明式ハンドルの各々とは独立に光を放出するように構成されることを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の汎用喉頭鏡ブレード。
【請求項18】
前記観察器は、前記従来ハンドル及び前記ファイバ照明式ハンドルの各々とは独立に少なくとも1つの画像を取り込むように構成されることを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の汎用喉頭鏡ブレード。
【請求項19】
前記観察器は、
前記喉頭の中に光を放出するように構成されたランプと、
前記喉頭の少なくとも1つの画像を取り込むように構成されたカメラと、
外部デバイスと前記ランプ及び前記カメラとの間の電子通信を提供する少なくとも1つのケーブルと、
を含む、
ことを特徴とする請求項1から請求項
18のいずれか1項に記載の汎用喉頭鏡ブレード。
【請求項20】
前記観察器は、
前記喉頭の中に光を放出するように構成されたランプと、
前記喉頭の少なくとも1つの画像を取り込むように構成されたカメラと、
前記少なくとも1つの画像を外部デバイスに無線伝送するように構成された送受信機と、
前記ランプ、前記カメラ、及び前記送受信機を制御するように構成されたプロセッサと、
前記ランプ、前記カメラ、前記送受信機、及び前記プロセッサに電力を供給するように構成された電源と、
を含む、
ことを特徴とする請求項1から請求項
18のいずれか1項に記載の汎用喉頭鏡ブレード。
【請求項21】
汎用喉頭鏡ブレードを従来ハンドル及びファイバ照明式ハンドルのうちの一方と係合させる方法であって、
請求項1から請求項
20のいずれか1項に記載の汎用喉頭鏡ブレードを与える段階と、
幅を有する台座と直径を有するヒンジピンとを含むフック留め取り付け具を含む前記従来ハンドルを与える段階と、
幅を有する台座と直径を有するヒンジピンとを含むフック留め取り付け具を含む前記ファイバ照明式ハンドルを与える段階であって、前記ファイバ照明式ハンドルの前記台座の前記幅が、前記従来ハンドルの前記台座の前記幅よりも大きく、前記ファイバ照明式ハンドルの前記ヒンジピンの前記直径が、前記従来ハンドルの前記ヒンジピンの前記直径よりも大きい前記与える段階と、
前記汎用喉頭鏡ブレードの前記ブレード取り付け具を前記汎用喉頭鏡ブレードが作動位置に与えられて使用待機状態にあるように前記従来ハンドルの前記フック留め取り付け具に及び第2の汎用喉頭鏡ブレードが作動位置に与えられて使用待機状態にあるように前記ファイバ照明式ハンドルの前記フック留め取り付け具にその一方で係合させる段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
汎用喉頭鏡ブレードを従来ハンドル及びファイバ照明式ハンドルと係合させる方法であって、
前記汎用喉頭鏡ブレードのうちの第1の汎用喉頭鏡ブレードを与える段階であって、前記第1の汎用喉頭鏡ブレードが、
第1の端部と第2の端部とを含むブレード本体、
前記ブレード本体に接続されて前記従来ハンドル及び前記ファイバ照明式ハンドルの各々とは独立に機能するように構成された観察器、及び
前記ブレード本体の前記第1の端部に配置されたブレード取り付け具、
を含む前記与える段階と、
前記汎用喉頭鏡ブレードのうちの第2の汎用喉頭鏡ブレードを与える段階であって、前記第2の汎用喉頭鏡ブレードが、
第1の端部と第2の端部とを含むブレード本体、
前記ブレード本体に接続されて前記従来ハンドル及び前記ファイバ照明式ハンドルの各々とは独立に機能するように構成された観察器、及び
前記ブレード本体の前記第1の端部に配置されたブレード取り付け具であって、前記第1の汎用喉頭鏡ブレードの前記ブレード取り付け具及び前記第2の汎用喉頭鏡ブレードの前記ブレード取り付け具が同一に寸法決めされる前記ブレード取り付け具、
を含む前記与える段階と、
幅を有する台座と直径を有するヒンジピンとを含むフック留め取り付け具を含む前記従来ハンドルを与える段階と、
幅を有する台座と直径を有するヒンジピンとを含むフック留め取り付け具を含む前記ファイバ照明式ハンドルを与える段階であって、前記ファイバ照明式ハンドルの前記台座の前記幅が、前記従来ハンドルの前記台座の前記幅よりも大きく、前記ファイバ照明式ハンドルの前記ヒンジピンの前記直径が、前記従来ハンドルの前記ヒンジピンの前記直径よりも大きい前記与える段階
であって、前記従来ハンドルの前記フック留め取り付け具が、従来ハンドルに関するISO規格7376に準拠するように寸法決めされ、前記ファイバ照明式ハンドルの前記フック留め取り付け具が、ファイバ照明式ハンドルに関するISO規格7376に準拠するように寸法決めされる段階と、
前記第1の汎用喉頭鏡ブレードの前記ブレード取り付け具を前記第1の汎用喉頭鏡ブレードが作動位置に与えられて使用待機状態にあるように前記従来ハンドルの前記フック留め取り付け具と係合させる段階と、
前記第2の汎用喉頭鏡ブレードの前記ブレード取り付け具を前記第2の汎用喉頭鏡ブレードが作動位置に与えられて使用待機状態にあるように前記ファイバ照明式ハンドルの前記フック留め取り付け具と係合させる段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に喉頭鏡の分野、特に汎用喉頭鏡ブレードに関する分野に関する。
【0002】
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、引用によって本明細書にその内容が全体的に組み込まれている2019年3月14日出願の米国仮特許出願第62/818,484号に対する優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
喉頭鏡は、典型的に、挿管中に視野を照明するために光を放出するランプを含む。使用中に喉頭を照明するためのランプは、喉頭鏡ブレードに取り付けられるか又はハンドルに設けられるかのいずれかであり、ブレードは、ハンドルに生成された光を誘導する光ガイドを含む。ランプを含む公知の喉頭鏡ブレードを本明細書では従来ブレードと呼ぶ。ハンドルに設けられたランプから生成された光を誘導するための光ガイドを含む公知の喉頭鏡ブレードは、本明細書ではファイバ照明式ブレードと呼ぶ。
【0004】
図1A~
図1Cは、例示的な公知の従来ブレード100の図を示している。
図1Aは、従来ブレード100の側面図を示している。
図1Bは、従来ブレードの後面図を示している。
図1Cは、従来ブレード100のブレード取り付け具130の拡大側面図を示している。別途示さない限り、「上部」、「底部」、「前部」、「後部」、「上方」、「下方」、「垂直」、「水平」などのような方向用語は、図に示す構造体の位置を説明するのに使用する時に、図での向きのような構造体のそれぞれの方向に関するものである。例えば、従来ブレード100のブレード取り付け具130(下記でより詳細に説明する)は、
図1A~
図1Cでの向きのように従来ブレード100の底部上に設けられる。それにも関わらず、本明細書に使用する方向用語は、意図する使用中のユーザ又は患者に対する構造体の向きに必ずしも対応しない。
【0005】
従来ブレード100は、ブレード本体110と、ランプ120と、ブレード取り付け具130とを含む。ブレード取り付け具130は、本体132と、ロックと、電気接点137と、ヒンジスロット134とを含む。
図1Bに示すように、本体132は厚みT
Cを有する。ロックは、ヒンジスロット134の底面内に配置されたヒンジロック136を含む。ロックはまた、本体132の側部上に設けられた側部ロック138を含む。側部ロック138の中心点は、
図1Cに示すように側部ロック十字線の交点に示されている。ヒンジロック136及び側部ロック138は、戻り止め機構である。電気接点137は、本体132の底部上に設けられる。電気接点137は、ランプ120に電力を供給する1又は2以上のワイヤを通じてランプ120と電気連通している。ヒンジスロット134は、本体132の前部から本体132の中心領域に向けて角度を成して本体132内に延び、かつ座面135で終端する。座面135は、直径を有する半円形状と、
図1Cに示すヒンジスロット十字線の交点に示し、座面135がこの半円形状をその周りに形成する仮想中心点とを有する。
【0006】
図1Cに示す従来ブレード100のブレード取り付け具130の拡大側面図を参照すると、側部ロック138の中心点は、半円形座面135の仮想中心点から水平距離成分D
CL_hと垂直距離成分D
CL_vとを有する距離だけ離間している。側部ロック138の中心点は、半円形座面135の仮想中心点から後方に水平距離成分D
CL_hだけ離間し、かつ座面135の仮想中心点の下方に垂直距離成分D
CL_vだけ離間している。
【0007】
図2A~
図2Cは、例示的な公知の従来ハンドル200の図を示している。
図2Aは、従来ハンドル200の斜視図を示している。
図2Bは、従来ハンドル200のフック留め取り付け具210の上面図を示している。
図2Cは、
図2Bの断面B-Bに沿って取った従来ハンドル200のフック留め取り付け具210の切り欠き側面図を示している。
【0008】
従来ハンドル200は、グリップ202とグリップ202の上部に配置されたフック留め取り付け具210とを含む。グリップ202は、喉頭鏡のユーザの手によって把持されるように構成される。従来ハンドル200はまた、グリップ202の内部内に配置された1又は2以上のバッテリを含む。1又は2以上のバッテリは、従来ブレード100のランプ120のための電源として機能する。
【0009】
従来ハンドル200のフック留め取り付け具210は、従来ブレード100のブレード取り付け具130への取り付けに特化して設計され、その逆も同様である。フック留め取り付け具210は、電気接点212と、第1及び第2の側部支持体214a、214bと、ヒンジピン218とを含む。電気接点212は、電気接点212に電力を供給する1又は2以上のワイヤを通じてバッテリと電気連通している。電気接点212は、作動位置で従来ブレード100が従来ハンドル200に係合した時に従来ブレード100のブレード取り付け具130の電気接点137に電力を供給するように構成される。
【0010】
第1及び第2の側部支持体214a、214bは、グリップ202の上部から垂直に延びる。第1及び第2の側部支持体214a、214bは、互いに平行に延び、かつ互いに離間している。グリップ202の上部及び第1及び第2の側部支持体214a、214b内に境界が定められた空間は台座219を形成する。台座219は、第1及び第2の側部支持体214a、214b間の幅WCを有する。幅WCは、台座219がそこにブレード取り付け具130の本体132を受け入れるように構成されるようにブレード取り付け具130の本体132の厚みTCよりも大きい。
【0011】
ヒンジピン218は、第1及び第2の側部支持体214a、214bの各々の前部に取り付けられ(すなわち、それを通って延び)、かつ台座219を横切って延びる。ヒンジピン218は、直径dCを有する円筒である。直径dCは、ヒンジピン218が従来ブレード100のヒンジスロット134内に受け入れられてそれによって回転可能に支持されるように構成されるように、ブレード取り付け具130の半円形座面135の直径よりも小さい。ヒンジロック136は、ヒンジピン218をヒンジスロット134内にロックするように構成される。
【0012】
側部支持体のうちの少なくとも一方は、それぞれの側部支持体の台座対面側部の中に突出するロックスロットを含む。例えば、第1の側部支持体214aは、第1のロックスロット216aを含み、第2の側部支持体214bは、第2のロックスロット216bを含む(
図9Cに示す)。ロックスロットは、ブレード取り付け具130の側部ロック138を受け入れて本体132を台座219内に保持するように構成される。従来ブレード100が従来ハンドル200に係合した時に側部ロック138がロックスロットに嵌合することを保証するために、各それぞれのロックスロットの中心は、
図2Cに示すヒンジピン十字線の交点によって指定するヒンジピン218の中心点から水平距離成分D
CLS_hと垂直距離成分D
CLS_vとを有する距離だけ離間する。各それぞれのロックスロットの中心は、ヒンジピン218の中心点から後方に水平距離成分水平距離成分D
CLS_hだけ離間し、かつヒンジピン218の中心点の下方に垂直距離成分D
CLS_vだけ離間している。
【0013】
従来ブレード100のブレード取り付け具130は、喉頭鏡が使用待機状態にある作動位置で従来ハンドル200のフック留め取り付け具210に係合して従来ブレード100を従来ハンドル200内にロックするように構成される。従来ブレード100を作動位置に置くために、最初に、ブレード取り付け具130がフック留め取り付け具210に取り付けられる。ブレード取り付け具130は、フック留め取り付け具210のヒンジピン218をブレード取り付け具130のヒンジスロット134内に置くことにより、かつヒンジピン218がヒンジスロット134の半円形座面135に当接してそこにヒンジロック136によってロックされるまでヒンジピン218とヒンジスロット134の間の相対移動をもたらすことにより、フック留め取り付け具210に取り付けられる。ブレード取り付け具130の本体132がフック留め取り付け具210の台座219内に摺動するまでヒンジスロット134とヒンジピン218とが互いに対して回転されるように、従来ブレード100と従来ハンドル200の間に相対回転移動がもたらされる。ブレード取り付け具130の本体132がフック留め取り付け具210の台座219内に完全に受け入れられた後に、ブレード取り付け具130の側部ロック138は、フック留め取り付け具210のロックスロットに係合する。従来ブレード100は、すなわち、作動位置で従来ハンドル200内にロックされる。作動位置では、ブレード取り付け具130の電気接点137は、フック留め取り付け具210の電気接点212と係合し、喉頭鏡は、使用待機状態にある。
【0014】
図3A~
図3Cは、例示的な公知のファイバ照明式ブレード300の図を示している。
図3Aは、ファイバ照明式ブレード300の側面図を示している。
図3Bは、ファイバ照明式ブレード300の後面図を示している。
図3Cは、ファイバ照明式ブレード300のブレード取り付け具330の拡大側面図を示している。
【0015】
ファイバ照明式ブレード300は、ブレード本体310と、光ガイド320と、ブレード取り付け具330とを含む。ブレード取り付け具330は、本体332と、ロックと、光ガイドインタフェース339と、ヒンジスロット334とを含む。
図3Bに示すように、本体332は厚みT
Fを有する。ロックは、ヒンジスロット334の上面内に配置されたヒンジロック336を含む。ロックはまた、本体332の両側にそれぞれ設けられた第1及び第2の側部ロック338a、338bを含む。第2の側部ロック338bの中心点は、
図3Cに示すように、側部ロック十字線の交点に示されている。ヒンジロック336及び第1及び第2の側部ロック338a、338bは戻り止め機構である。光ガイドインタフェース339は、本体332の底部上に設けられた光ガイド320の端部である。光ガイドインタフェース339は、ファイバ照明式ハンドル400(下記で説明する)の光路412とインタフェースしてファイバ照明式ハンドル400内に配置されたランプから伝送された光を受け入れるように構成される。ヒンジスロット334は、本体332の前部から本体332の中心領域に向けて本体332の中に角度を成して延びて座面335で終端する。座面335は、直径を有する半円形状と、
図3Cに示すヒンジスロット十字線の交点に示され、座面335がその周りに半円形状を形成する仮想中心点とを有する。
【0016】
図3Cに示すファイバ照明式ブレード300のブレード取り付け具330の拡大側面図を参照すると、ヒンジロック336の中心点は、半円形座面335の仮想中心から前方に水平距離H
FHLだけ離間している。第2の側部ロック338bの中心点は、半円形座面335の仮想中心点から水平距離成分D
FL_hと垂直距離成分D
FL_vとを有する距離だけ離間している。第2の側部ロック338bの中心点は、半円形座面335の仮想中心点から後方に水平距離成分D
FL_hだけ離間し、座面335の仮想中心点の下方に垂直距離成分D
FL_vだけ離間している。第1の側部ロック338aの中心点は、第1の側部ロック338aと第2の側部ロック338bが半円形座面335の仮想中心点から同じ距離だけ離間するように、半円形座面335の仮想中心点に対して本体332の他方の側面での対応する位置に設けられる。
【0017】
図4A~
図4Cは、例示的な公知のファイバ照明式ハンドル400の図を示している。
図4Aは、ファイバ照明式ハンドル400の斜視図を示している。
図4Bは、ファイバ照明式ハンドル400のフック留め取り付け具410の上面図を示している。
図4Cは、
図4Bの断面A-Aに沿って取ったファイバ照明式ハンドル400のフック留め取り付け具410の切り欠き側面図を示している。
【0018】
ファイバ照明式ハンドル400は、グリップ402と、グリップ402の上部に配置されたフック留め取り付け具410とを含む。グリップ402は、喉頭鏡のユーザの手によって把持されるように構成される。ファイバ照明式ハンドル400は、1又は2以上のバッテリと、ランプと、光路412とを更に含む。1又は2以上のバッテリは、ファイバ照明式ハンドル400内に設けられたランプのための電源として機能する。光路412は、下記で説明する作動位置でファイバ照明式ブレード300がファイバ照明式ハンドル400に接続された時に、ランプから放出された光をファイバ照明式ブレード300の光ガイドインタフェース339に供給する。
【0019】
ファイバ照明式ハンドル400のフック留め取り付け具410は、ファイバ照明式ブレード300のブレード取り付け具330への取り付けに特化して設計され、その逆も同様である。フック留め取り付け具410は、光路412の端部と、第1及び第2の側部支持体414a、414bと、ヒンジピン418とを含む。第1及び第2の側部支持体414a、414bは、グリップ402の上部から垂直に延びる。第1の側部支持体414aと第2の側部支持体414bは、互いに平行に延び、かつ互いにから離間している。グリップ402の上部及び第1及び第2の側部支持体414a、414b内に境界が定められた空間は、台座419を形成する。台座419は、第1の側部支持体414aと第2の側部支持体414bの間の幅WFを有する。幅WFは、台座419がそこにブレード取り付け具330の本体332を受け入れるように構成されるように、ブレード取り付け具330の本体332の厚みTFよりも大きい。
【0020】
ヒンジピン418は、第1及び第2の側部支持体414a、414bの各々の前部に取り付けられ(すなわち、それを通って延び)、かつ台座419を横切って延びる。ヒンジピン418は、直径dFを有する円筒である。直径dFは、ヒンジピン418がヒンジスロット334内に受け入れられ、かつそれによって回転可能に支持されるように構成されるように、ファイバ照明式ブレード300のブレード取り付け具330の半円形座面335の直径よりも小さい。ヒンジロック336は、ヒンジピン418をヒンジスロット334内にロックするように構成される。
【0021】
第1及び第2の側部支持体414a、414bは、それぞれの側部支持体の台座対面側部の中に突出する第1及び第2のロックスロット416a、416bをそれぞれ含む(
図11Cに第2のロックスロット416bを示しており、下記で議論する)。第1及び第2のロックスロット416a、416bは、ブレード取り付け具330の第1及び第2の側部ロック338a、338bのそれぞれを受け入れて本体332を台座419内に保持するように構成される。第1及び第2のロックスロット416a、416bの各々は、作動位置でファイバ照明式ブレード300がファイバ照明式ハンドル400に係合した時に第1及び第2の側部ロック338a、338bが第1及び第2のロックスロット416a、416bのそれぞれのものに嵌合することを保証するようにヒンジピン418の中心点に対してそれぞれ位置決めされる。
図4Cに示すように、第1のロックスロット416aの中心は、ヒンジピン十字線の交点に示すヒンジピン418の中心点から水平距離成分D
FLS_hと垂直距離成分D
FLS_vとを有する距離だけ離間している。第1のロックスロット416aの中心は、ヒンジピン418の中心点から後方に水平距離成分D
FLS_hだけ離間し、ヒンジピン418の中心点の下方に垂直距離成分D
FLS_vだけ離間している。第2のロックスロット416bの中心点は、第1のロックスロット416aと第2のロックスロット416bとがヒンジピン418の中心から同じ距離だけ離間するように、ヒンジピン418の中心点に対して第2の側部支持体414bの台座対面側部での対応する位置に設けられる。
【0022】
ファイバ照明式ブレード300のブレード取り付け具330は、喉頭鏡が使用待機状態にある作動位置でファイバ照明式ハンドル400のフック留め取り付け具410に係合してファイバ照明式ブレード300をファイバ照明式ハンドル400内にロックするように構成される。ファイバ照明式ブレード300を作動位置に置くために、最初に、ブレード取り付け具330がフック留め取り付け具410に取り付けられる。ブレード取り付け具330は、フック留め取り付け具410のヒンジピン418をブレード取り付け具330のヒンジスロット334内に置くことにより、かつヒンジピン418がヒンジスロット334の半円形座面335に当接してそこにヒンジロック336によってロックされるまでヒンジピン418とヒンジスロット334の間の相対移動をもたらすことにより、ファイバ照明式ハンドル400のフック留め取り付け具410に取り付けられる。ブレード取り付け具330の本体332がフック留め取り付け具410の台座419内に摺動するまでヒンジスロット334とヒンジピン418とが互いに対して回転されるようにファイバ照明式ブレード300とファイバ照明式ハンドル400の間に相対回転移動がもたらされる。ブレード取り付け具330の本体332がフック留め取り付け具410の台座419内に完全に受け入れられると、ブレード取り付け具330の第1及び第2の側部ロック338a、338bは、フック留め取り付け具410の第1及び第2のロックスロット416a、416bとそれぞれ係合する。ファイバ照明式ブレード300は、すなわち、作動位置でファイバ照明式ハンドル400内にロックされる。作動位置では、ブレード取り付け具330の光ガイドインタフェース339は、フック留め取り付け具410の光路412に係合し、喉頭鏡は、使用待機状態にある。
【0023】
従来ブレード、従来ハンドル、ファイバ照明式ブレード、及びファイバ照明式ハンドルの最長寸法は、挿管に使用される喉頭鏡に対する一般要件を指定する国際標準化機構(すなわち、ISO)、すなわち、「麻酔機器及び呼吸機器-気管挿管のための喉頭鏡(Anesthetic and respiratory equipment-Laryngoscopes for tracheal intubation)」に関する国際規格7376に準拠する。ISO規格7375によって指定されている取り付け具の規格に起因して、様々なタイプ及びサイズの従来ブレードは、様々なサイズ及び形状の従来ハンドルと交換可能に接続可能である。同様に、様々なタイプ及びサイズのファイバ照明式ブレードは、様々なタイプ及びサイズのファイバ照明式ハンドルと交換可能に接続可能である。
【0024】
公知の交換可能な喉頭鏡ブレード及びハンドルを用いると、ファイバ照明式ハンドルは、ハンドル内に配置されたバッテリからの電力を従来ブレードのランプに供給する電気接点を含まないので、従来ブレードは、ファイバ照明式ハンドルとの併用では機能することにならない。同様に、従来ハンドルは、ランプもファイバ照明式ブレードの光ガイドとインタフェースするための光路も含まないので、ファイバ照明式ブレードは、従来ハンドルとの併用では機能することにならない。
【0025】
従って、適正に機能することにならない(例えば、喉頭を照明するための光を生成することにならない)ハンドル/ブレード係合を防止するために、ISO規格7376によって指定されているブレード取り付け具及びフック留め取り付け具の寸法は、喉頭鏡ブレード及びハンドルの機械的可換性を意図的に制限している。すなわち、ISO規格7376通りに寸法決めされた従来ブレードのブレード取り付け具は、ファイバ照明式ブレードに関するISO規格7376通りに寸法決めされたファイバ照明式ハンドルのフック留め取り付け具に係合することにはならず、ISO規格7376通りに寸法決めされたファイバ照明式ブレードのブレード取り付け具は、従来ハンドルに関するISO規格7376通りに寸法決めされた従来ハンドルのフック留め取り付け具に係合することにならない。例えば、従来ブレード100の本体132の厚みTCは、ファイバ照明式ブレード300の本体332の厚みTFよりも小さく、従来ハンドル200の台座219の幅WCは、ファイバ照明式ハンドル400の台座419の幅WFよりも小さい。この構成により、ファイバ照明式ブレード300の本体332の厚みTFは、従来ハンドル200の台座219の幅WCよりも厚いので、ファイバ照明式ブレード300のブレード取り付け具330と従来ハンドル200のフック留め取り付け具210との間の係合が防止される。すなわち、ファイバ照明式ブレード300の本体332は、従来ハンドル200の台座219に嵌合するには厚すぎる。
【0026】
更に、従来ブレード100のヒンジスロット134の半円形座面135の直径は、ファイバ照明式ブレード300のヒンジスロット334の半円形座面335の直径よりも小さく、従来ハンドル200のヒンジピン218の直径dCは、ファイバ照明式ハンドル400のヒンジピン418の直径dFよりも小さい。この構成により、ファイバ照明式ハンドル400のヒンジピン418の直径dFは、従来ブレード100のヒンジスロット134の半円形座面135に適正に嵌合するのに大きすぎるので、従来ブレード100のブレード取り付け具130とファイバ照明式ハンドル400のフック留め取り付け具410との間の係合が防止される。
【0027】
喉頭鏡ブレード及びハンドルの限られた可換性は、非適合喉頭鏡ブレードとインタフェースしない他に有用な喉頭鏡ハンドルを時代遅れにする。この限られた可換性は、喉頭鏡ブレードのユーザの選択肢を制限する可能性がある。例えば、施設(例えば、病院)がファイバ照明式喉頭鏡ブレード及びハンドルに有意な投資を行う場合に、後で従来ブレードに切り換えることは、そうすることが従来ブレードと接続可能ではない他に有用なファイバ照明式ハンドルの在庫を時代遅れにすると考えられるので不経済である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
本発明者は、現在の喉頭鏡ブレードの欠点に対処する汎用喉頭鏡ブレードに対する必要性が存在することを認識している。ISO規格7376に従って寸法決めされた従来ハンドルとファイバ照明式ハンドルとの両方のフック留め取り付け具に交換可能に接続可能であり、かつそれらとの併用で機能する汎用喉頭鏡ブレードに対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明の一態様により、汎用喉頭鏡ブレードは、喉頭の直視を提供するように成形されたブレード本体を含む。ブレード本体は、第1の端部と第2の端部を含む。第2の端部は、喉頭の中への挿入に向けて構成される。汎用喉頭鏡ブレードは、ブレード本体に接続された観察器を更に含む。観察器は、従来ハンドル及びファイバ照明式ハンドルの各々とは独立に機能するように構成される。汎用喉頭鏡ブレードは、ブレード本体の第1の端部に配置されたブレード取り付け具を更に含む。ブレード取り付け具は、従来ハンドルのフック留め取り付け具及びファイバ照明式ハンドルのフック留め取り付け具の各々に一度に1つずつ取外し可能に接続可能である。従来ハンドルのフック留め取り付け具は、ファイバ照明式ハンドルのフック留め取り付け具の少なくとも1つの物理的寸法とは異なる少なくとも1つの物理的寸法を有する。
【0030】
本発明の別の態様により、汎用喉頭鏡ブレードは、作動位置で喉頭鏡ブレードが従来ハンドル及びファイバ照明式ハンドルのうちの一方に係合した時に観察器に電力を供給するために観察器と電気連通するように構成された電源を更に含むことができる。ブレード取り付け具は、電源と電気連通している第1の電気接点と、観察器と電気連通している第2の電気接点とを含むことができ、第1の電気接点は、喉頭鏡ブレードが作動位置にある時に従来ハンドル及びファイバ照明式ハンドルのうちの一方のヒンジピンを通じて第2の電気接点と電気連通するように構成される。第1の電気接点は、第1の電気ワイヤを通じて電源と電気連通することができ、第2の電気接点は、第2の電気ワイヤを通じて観察器と電気連通することができる。
【0031】
本発明の別の態様により、汎用喉頭鏡ブレードを従来ハンドル及びファイバ照明式ハンドルに係合させる方法は、複数の汎用喉頭鏡ブレードのうちの第1の汎用喉頭鏡ブレードを与える段階を含む。第1の汎用喉頭鏡ブレードは、第1の端部と第2の端部とを含むブレード本体を含む。第1の汎用喉頭鏡ブレードは、ブレード本体に接続された観察器を更に含む。観察器は、従来ハンドル及びファイバ照明式ハンドルの各々とは独立に機能するように構成される。第1の汎用喉頭鏡ブレードは、ブレード本体の第1の端部に配置されたブレード取り付け具を更に含む。本方法は、複数の汎用喉頭鏡ブレードのうちの第2の汎用喉頭鏡ブレードを与える段階を更に含む。第2の汎用喉頭鏡ブレードは、第1の端部と第2の端部とを含むブレード本体を含む。第2の汎用喉頭鏡ブレードは、ブレード本体に接続された観察器を更に含む。観察器は、従来ハンドル及びファイバ照明式ハンドルの各々とは独立に機能するように構成される。第2の汎用喉頭鏡ブレードは、ブレード本体の第1の端部に配置されたブレード取り付け具を更に含む。第1の汎用喉頭鏡ブレードのブレード取り付け具と第2の汎用喉頭鏡ブレードのブレード取り付け具は、同一に寸法決めされる。本方法は、従来ハンドルを与える段階を更に含む。従来ハンドルは、幅を有する台座と直径を有するヒンジピンとを含むフック留め取り付け具を含む。本方法は、ファイバ照明式ハンドルを与える段階を更に含む。ファイバ照明式ハンドルは、幅を有する台座と直径を有するヒンジピンとを含むフック留め取り付け具を含む。ファイバ照明式ハンドルの台座の幅は、従来ハンドルの台座の幅よりも大きく、ファイバ照明式ハンドルのヒンジピンの直径は、従来ハンドルのヒンジピンの直径よりも大きい。本方法は、第1の汎用喉頭鏡ブレードが作動位置に与えられて使用待機状態にあるように、第1の汎用喉頭鏡ブレードのブレード取り付け具を従来ハンドルのフック留め取り付け具に係合させる段階を更に含む。本方法は、第2の汎用喉頭鏡ブレードが作動位置に与えられて使用待機状態にあるように、第2の汎用喉頭鏡ブレードのブレード取り付け具をファイバ照明式ハンドルのフック留め取り付け具に係合させる段階を更に含む。
【0032】
当然ながら、下記で説明し、特許請求の範囲の主題を形成することになる本明細書に開示する本発明の様々な実施形態の追加の態様が存在する。この点に関して、本発明の少なくとも1つの態様を詳細に説明する前に、本発明がその適用において以下の説明に示す又は図面に例示する構成要素の構成の詳細及び配置に限定されないことは理解されるものとする。本発明は、説明するもの以外の態様を受け入れる余地があり、様々な方法を用いて実施及び実行することが可能である。同じく、本明細書、並びに「要約」に使用する表現法及び用語法は説明目的であり、限定的であると見なすべきではないことも理解されるものとする。
【0033】
従って、当業者は、本発明が基礎を置く概念は、本発明のいくつかの目的を実施するための他の構造、方法、及びシステムの設計に対する基礎として直ちに利用することができることを認めるであろう。従って、そのような均等な構成が本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、特許請求の範囲がそのような構成を含むと見なすことは重要である。
【0034】
本発明を容易に理解することができるように本発明の態様を添付図面に例示するが、本発明の主題は本発明の開示のこれらの態様に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1C】公知の従来ブレードのブレード取り付け具の拡大側面図である。
【
図2B】公知の従来ハンドルのフック留め取り付け具の上面図である。
【
図2C】
図2Bの断面B-Bに沿って取った公知の従来ハンドルのフック留め取り付け具の切り欠き側面図である。
【
図3A】公知のファイバ照明式ブレードの側面図である。
【
図3B】公知のファイバ照明式ブレードの後面図である。
【
図3C】公知のファイバ照明式ブレードのブレード取り付け具の拡大側面図である。
【
図4A】公知のファイバ照明式ハンドルの斜視図である。
【
図4B】公知のファイバ照明式ハンドルのフック留め取り付け具の上面図である。
【
図4C】
図4Bの断面A-Aに沿って取った公知のファイバ照明式ハンドルのフック留め取り付け具の切り欠き側面図である。
【
図5A】本発明の態様による外部デバイスへの直接接続に向けて少なくとも1つのケーブルを有する例示的汎用喉頭鏡ブレードの側面図である。
【
図5B】本発明の態様による汎用喉頭鏡の観察器及び外部デバイスの例示的実施形態の概略図である。
【
図6A】本発明の態様による外部デバイスへのいずれの直接接続も用いない観察器を有する別の例示的汎用喉頭鏡ブレード実施形態の側面図である。
【
図6B】本発明の態様による汎用喉頭鏡の観察器及び外部デバイスの別の例示的実施形態の概略図である。
【
図7A】本発明の態様によるブレード取り付け具の拡大後面図である。
【
図7B】本発明の態様によるブレード取り付け具の拡大側面図である。
【
図8A】本発明の態様による従来ハンドルのヒンジピンにフック留めされた汎用喉頭鏡ブレードの側面図である。
【
図8B】本発明の態様による作動位置で従来ハンドルに係合した汎用喉頭鏡ブレードの側面図である。
【
図9A】本発明の態様による作動位置で従来ハンドルに係合した汎用喉頭鏡ブレードの後面図である。
【
図9B】
図9Aの汎用喉頭鏡ブレードのブレード取り付け具と従来ハンドルのフック留め取り付け具との間の係合の断面FFに沿って取った拡大断面図である。
【
図9C】
図9Aの汎用喉頭鏡ブレードのブレード取り付け具と従来ハンドルのフック留め取り付け具との間の係合の断面HHに沿って取った拡大断面図である。
【
図10A】本発明の態様によるファイバ照明式ハンドルのヒンジピンにフック留めされた汎用喉頭鏡ブレードの側面図である。
【
図10B】本発明の態様による作動位置でファイバ照明式ハンドルに係合した汎用喉頭鏡ブレードの側面図である。
【
図11A】本発明の態様による作動位置でファイバ照明式ハンドルに係合した汎用喉頭鏡ブレードの後面図である。
【
図11B】
図11Aの汎用喉頭鏡ブレードのブレード取り付け具とファイバ照明式ハンドルのフック留め取り付け具との間の係合の断面CCに沿って取った拡大断面図である。
【
図11C】
図11Aの汎用喉頭鏡ブレードのブレード取り付け具とファイバ照明式ハンドルのフック留め取り付け具との間の係合の断面JJに沿って取った拡大断面図である。
【
図12A】作動位置で従来ハンドルに係合した汎用喉頭鏡ブレードの別の実施を示す図である。
【
図12B】作動位置で従来ハンドルのフック留め取り付け具に係合した汎用喉頭鏡ブレードのブレード取り付け具を描く
図12Aの拡大図である。
【
図13】本発明の態様による汎用喉頭鏡ブレードを使用する方法を示す図である。
【0036】
本発明の態様による汎用喉頭鏡ブレードの特徴及び関連の方法は、全体を通して類似の参照番号が類似の部分を参照する図面を参照して説明する。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図5A~
図7Bは、本発明の態様による汎用喉頭鏡ブレードの例示的な図を示している。
図5Aは、外部デバイス600への直接接続に向けて少なくとも1つのケーブル523を有する例示的汎用喉頭鏡ブレード500の側面図を示している。
図5Bは、観察器520及び外部デバイス600の例示的実施形態の概略図を示している。
図6Aは、外部デバイス600’へのいずれの直接接続も用いない観察器520’を有する別の例示的汎用喉頭鏡ブレード500’の側面図を示している。
図6Bは、観察器520’及び外部デバイス600’の別の例示的実施形態の概略図を示している。
図7Aは、本発明の態様によるブレード取り付け具530の拡大後面図を示している。
図7Bは、本発明の態様によるブレード取り付け具530の拡大側面図を示している。
【0038】
汎用喉頭鏡ブレード500は、ブレード本体510と、観察器520と、ブレード取り付け具530とを含む。汎用喉頭鏡ブレード500は、全体的又は部分的に再使用可能又は使い捨て可能とすることができる。ブレード本体510は、喉頭の直視を提供するように成形することができる。当業者には容易に理解されるであろうが、ブレード本体510は、例えば、患者のサイズに依存してあらゆる数の形状及びサイズで提供することができる。ブレード本体510は、第1の端部と第2の端部を含むことができる。第2の端部は、患者の喉頭の中に挿入することができる。
【0039】
観察器520は、ブレード本体510に接続され、ブレード本体510の第2の端部が喉頭の中に挿入された時に喉頭を照明することができる。観察器520は、従来ハンドル200及びファイバ照明式ハンドル400の各々とは独立に機能すること(例えば、光を放出すること、少なくとも1つの画像を取り込むことなど)ができる。すなわち、観察器520は、電力、信号伝送、光放出などに関して喉頭鏡ハンドルに依存しない。観察器520は、ハウジング521を含むことができる。ハウジング521は、ブレード本体510のチャンバの中に設けることができる。これに加えて又はこれに代えて、ハウジング521は、ブレード本体510の外側に取り付けることができる。ハウジング521は、ブレード本体510の第2の端部とブレード本体510の中心部分の間に配置された開口部522を含むことができる。開口部522は、ブレード本体510の第2の端部に向けて開口することができる。開口部522は、ハウジング521の内部を密封するために透明窓で覆うことができる。透明窓は、レンズを含むことができる。観察器520は、1又は2以上のケーブル523を含むことができる。1又は2以上のケーブル523は、ハウジング521を定めることができる。1又は2以上のケーブル523は、外部デバイス600への接続に向けてブレード本体510の後部から延びることができる。外部デバイス600は、喉頭鏡ハンドル以外のデバイスとすることができる。外部デバイス600は、例えば、プロセッサ602、ディスプレイ604、電源606、ランプ、送受信機608(本明細書に使用する「送受信機」という用語は、単一回路に組み合わされた又は別個に設けられた伝送機及び受信機の各々から構成され、電子信号を送受信する機能を有する1又は2以上のものを含む)などのうちの1又は2以上を含むことができる。1又は2以上のケーブル523は、観察器520と外部デバイス600の間で光、電気、データなどを伝送する機能を有することができる。
【0040】
観察器520は、ブレード本体510の第2の端部及び/又は喉頭を照明するためにハウジング521の開口部522からブレード本体510の第2の端部に向う方向に光を放出するランプ524を含むことができる。ランプ524は、ハウジング521の中に設けることができる。ランプ524は、ハウジング521の中に密封することができる。これに代えて、外部デバイス600がランプ524を含むことができ、ブレード本体510の第2の端部及び/又は喉頭を照明するために1又は2以上のケーブル523を通して開口部522に光を向けることができる。
【0041】
観察器520は、ハウジング521の開口部522の視座からブレード本体510の第2の端部及び/又は喉頭の1又は2以上の画像を取り込むことができるカメラ525を含むことができる。カメラ525の少なくとも一部分及び実施形態ではカメラ525全体は、ハウジング521の中に設けることができる。カメラ525は、ハウジング521の中に密封することができる。カメラ525から回収された画像は、外部デバイス600に電子的に伝送することができる。例えば、画像は、1又は2以上のケーブル523を通して電子的に伝送することができる。これに加えて又はこれに代えて、観察器520は、画像を外部デバイス600に無線伝送することができる送受信機526を含むことができる。送受信機526は、プロセッサ602から制御命令を受信することができる。観察器520は、ランプ524、カメラ525、送受信機526などのうちのいずれかを制御することができるプロセッサ527を更に含むことができる。プロセッサ527は、ランプ524、カメラ525、及び/又は送受信機526を独立に制御することができ、又は外部デバイス600によって伝送されて送受信機526によって受信された制御命令を実施するのに使用することができる。
【0042】
観察器520は、ランプ524、カメラ525、送受信機526、プロセッサ527などに電力を供給する電源528(例えば、バッテリ)を含むことができる。電源528は、ブレード本体510上に設けることができる。電源528は、ハウジング521の中に配置するか又はハウジング521に接続することができる。これに加えて又はこれに代えて、電力は、外部デバイス600から1又は2以上のケーブル523を通してランプ524及び/又はカメラ525に供給することができる。
【0043】
図5A及び
図5Bに示すように、本発明の実施形態により、観察器520は、光、電気、及び/又はデータを供給することができる1又は2以上のケーブル523を含むことができる。更に、観察器520は、ランプ524を含み、任意的にカメラ525を含むことができる。外部デバイス600は、プロセッサ602と、ディスプレイ604と、電源606とを含むことができる。1又は2以上のケーブル523は、例えば、外部デバイス600とランプ524及びカメラ525との間の電子通信を提供することができる。例えば、1又は2以上のケーブル523は、ランプ524及びカメラ525に電力を伝送する。カメラ525によって取り込まれた画像は、1又は2以上のケーブル523を通して外部デバイス600に伝送される。プロセッサ602は、1又は2以上のケーブル523を通して送られる信号によってランプ524及びカメラ525を制御することができる。
【0044】
図6A及び
図6Bに示すように、本発明の別の実施形態により、外部デバイス600’とのいずれの直接接続(すなわち、ケーブルリンク)も用いない観察器520’を提供することができる。例えば、観察器520’は、ランプ524を含み、任意的にカメラ525を含むことができる。更に、観察器520’は、電源528(例えば、バッテリ)と、送受信機526と、プロセッサ527とを含むことができる。外部デバイス600’は、プロセッサ602と、ディスプレイ604と、送受信機608とを含むことができる。本発明の態様により、観察器520’は、ブレード取り付け具530が従来ハンドル200又はファイバ照明式ハンドル400上の機能要素(例えば、従来ハンドル200の電気接点212又はファイバ照明式ハンドル400の光路412)とインタフェースする必要なく完全に機能する(すなわち、光/データを生成/伝送すること、1又は2以上の画像を取り込むことが可能である)。言い換えれば、観察器520’は、ハンドル以外の電源(例えば、内部電源528)から電力を引き込むことができる点で自己完結的である。
【0045】
ブレード取り付け具530は、ブレード本体510の第1の端部に配置される。上記で議論したように、従来ハンドル200のフック留め取り付け具210は、ファイバ照明式ブレード300のフック留め取り付け具の少なくとも1つの物理的寸法(例えば、ヒンジピン418の直径dF、台座419の幅WF)と異なる少なくとも1つの物理的寸法(例えば、ヒンジピン218の直径dC、台座219の幅WCなど)を有する。更に、従来ハンドル200のフック留め取り付け具210は、従来ハンドルに関するISO規格7376に準拠するように寸法決めされ、ファイバ照明式ハンドル400のフック留め取り付け具410は、ファイバ照明式ハンドルに関するISO規格7376に準拠するように寸法決めされる。それにも関わらず、本発明のブレード取り付け具530は、従来ハンドル200のフック留め取り付け具210及びファイバ照明式ハンドル400のフック留め取り付け具410の各々に取外し可能に接続可能であり、これらとの併用で機能する。更に、本発明のブレード取り付け具530は、本明細書に説明する従来ハンドル200のフック留め取り付け具210及びファイバ照明式ハンドル400のフック留め取り付け具410への取外し可能な接続及びこれらとの併用機能に向けて適応させることができる。
【0046】
汎用喉頭鏡ブレード500のブレード取り付け具530は、本体532と、ロックと、ヒンジスロット534とを含む。
図7Aに示すように、本体532は厚みT
Uを有する。汎用喉頭鏡ブレード500の本体532の厚みT
Uは、従来ブレード100の本体の厚みT
Cよりも大きいが、ファイバ照明式ブレード300の本体332の厚みT
Fよりも小さいことが可能である。例えば、厚みT
Uは、12.74mmと12.84mmの間にあることができ、より具体的には12.80mmとすることができる。本発明の態様により、汎用喉頭鏡ブレード500の本体532の厚みT
Uは従来ブレード100の本体132の厚みT
Cよりも大きいが、ファイバ照明式ブレード300の本体332の厚みT
Fよりも小さいことが可能であるので、汎用喉頭鏡ブレード500の本体532は、従来ハンドル200の台座219内に受け入れられるほど十分に小さく、一方、ファイバ照明式ハンドル400の台座419内に受け入れられた時に過度の遊び(揺動)を制限するほど十分に大きいことが可能である。すなわち、汎用喉頭鏡ブレード500の本体532は、従来ハンドル200の台座219及びファイバ照明式ハンドル400内に一度に1つずつ受け入れることができ、汎用喉頭鏡ブレード500のブレード取り付け具530の汎用性を改善する。本体532の底部は、他に本体532から突出すると考えられる機能要素(例えば、電気接点、光ガイドなど)を含まない場合がある(これらの要素が不在とすることができる)。ブレード取り付け具530の本体532上に機能要素を含まないことにより、ブレード取り付け具530の本体532の底部は、そこに従来ハンドル及び/又はファイバ照明式ハンドルのフック留め取り付け具が接続された時にこれらの取り付け具上に設けられた機能要素(例えば、電気接点、光路など)と干渉しないと考えられる。これに代えて、本体532の底部には、作動位置で汎用喉頭鏡ブレード500が従来ハンドル200/ファイバ照明式ハンドル400に係合した時に観察器520を起動するスイッチを装備することができる。
【0047】
ロックは、ヒンジスロット534の上面内に配置されたヒンジロック536を含むことができる。実施形態では、ヒンジロック536は、ヒンジスロット534の底面内に配置することができる。ロックは、本体532の少なくとも1つの側部上に設けられた少なくとも1つの側部ロックを含むことができる。
図7に示すように、少なくとも1つの側部ロックは、本体532の両側にそれぞれ設けられた第1及び第2の側部ロック538a、538bを含むことができる。
図7Bに示すように、第2の側部ロック538bの中心点は、側部ロック十字線の交点に示されている。ヒンジロック536、第1の側部ロック538a、及び/又は第2の側部ロック538bは、戻り止め機構とすることができる。ヒンジスロット534は、本体532の前部から本体532の中心領域に向けて角度を成して本体532の中に延びることができ、座面535で終端することができる。座面535は、直径を有する半円形状と、
図7Bに示すヒンジスロット534の十字線の交点に示され、座面535がその周りにこの半円形状を形成する仮想中心点とを有する。ヒンジスロット534の半円形座面535の直径及びヒンジスロット534の幅は、一般的に、それぞれのヒンジピンが半円形座面535内に受け入れられてそれに当接するように、従来ハンドル200のヒンジピン218及びファイバ照明式ハンドル400のヒンジピン418を一度に1つずつ受け入れるように寸法決めされる。すなわち、ヒンジスロット534は、従来ハンドル200のフック留め取り付け具210のヒンジピン218及びファイバ照明式ハンドル400のフック留め取り付け具410のヒンジピン418を一度に1つずつ半円形座面535との当接状態で受け入れるように寸法決めされる。例えば、ヒンジスロット534の半円形座面535の直径及びヒンジスロット534の最も狭い幅の各々は、一般的に少なくとも4.58mmよりも大きい。
【0048】
図7Bに示すように、ヒンジロック536の中心は、半円形座面535の仮想中心から前方に水平距離H
UHLだけ離間している。汎用喉頭鏡ブレード500のヒンジロック536が汎用喉頭鏡ブレード500の半円形座面535の仮想中心から前方に離間する水平距離H
UHLは、ファイバ照明式ブレード300のヒンジロック336がファイバ照明式ブレード300の半円形座面335の仮想中心から前方に離間する水平距離H
FHLよりも小さい。例えば、汎用喉頭鏡ブレード500のヒンジロック536が汎用喉頭鏡ブレード500の半円形座面535の仮想中心から前方に離間する水平距離H
UHLは、0.86mmと0.90mmの間にあることができ、より具体的には0.88mmとすることができる。ヒンジロック536を半円形座面535の仮想中心から前方に水平距離H
UHLの場所に位置付けることにより、ヒンジロック536は、ブレード取り付け具530のヒンジスロット534内に従来ハンドル200のヒンジピン218及びファイバ照明式ハンドル400のヒンジピン418を一度に1つずつ剛的に保持することができる。すなわち、汎用喉頭鏡ブレード500のヒンジスロット534及びヒンジロック536は、従来ハンドル200のヒンジピン218及びファイバ照明式ハンドル400のより大きいヒンジピン418を一度に1つずつ受け入れることができ、汎用喉頭鏡ブレード500のブレード取り付け具530の汎用性を改善する。
【0049】
第2の側部ロック538bの中心点は、半円形座面535の仮想中心点から水平距離成分DUL_hと垂直距離成分DUL_vとを有する距離だけ離間させることができる。第2の側部ロック538bの中心点は、半円形座面535の仮想中心点から後方に水平距離成分DUL_hだけ離間させることができ、座面535の仮想中心点の下方に垂直距離成分DUL_vだけ離間させることができる。第1の側部ロック538aと第2の側部ロック538bが半円形座面535の仮想中心点から同じ距離だけ離間するように、第1の側部ロック538aの中心点は、本体532の他方の側面での半円形座面535の仮想中心点に対して対応する位置に設けることができる。
【0050】
水平距離成分DUL_h及び垂直距離成分DUL_vは、喉頭鏡が使用待機状態にある作動位置で汎用喉頭鏡ブレード500が従来ハンドル200のフック留め取り付け具210に係合した時に側部ロック(すなわち、第1の側部ロック538a又は第2の側部ロック538b)を従来ハンドル200のそれぞれのロックスロット内に受け入れることができるように設定することができる。水平距離成分DUL_h及び垂直距離成分DUL_vは、作動位置で汎用喉頭鏡ブレード500がファイバ照明式ハンドル400のフック留め取り付け具410に係合した時に側部ロック(すなわち、第1の側部ロック538a又は第2の側部ロック538b)をファイバ照明式ハンドル400のそれぞれのロックスロット内に受け入れることができるように設定することができる。例えば、水平距離成分DUL_hは、従来ブレード100のブレード取り付け具130の水平距離成分DCL_hよりも大きく、ファイバ照明式ブレード300のブレード取り付け具330の水平距離成分DFLhよりも小さい大きさとすることができる。水平距離成分DUL_hは、13.0mmとすることができる。垂直距離成分DUL_vは、0.8mmとすることができる。
【0051】
上述した特徴及び寸法(例えば、本体532の厚みTU、ヒンジスロット534の幅、ヒンジスロット534の半円形座面535の直径、水平距離HUHL、水平距離成分DUL_h、垂直距離成分DUL_vなど)の結果として、汎用喉頭鏡ブレード500のブレード取り付け具530は、従来ハンドル200のフック留め取り付け具210とファイバ照明式ハンドル400のフック留め取り付け具410との両方に一度に1つずつ係合することができる。更に、上記で議論したように、観察器520(又は観察器520’)は、ブレード取り付け具530が従来ハンドル200又はファイバ照明式ハンドル400上の機能要素(例えば、従来ハンドル200の電気接点212又はファイバ照明式ハンドル400の光路412)とインタフェースする必要なく完全に機能する(すなわち、光/データを生成/伝送すること、1又は2以上の画像を取り込むことが可能である)。従って、汎用喉頭鏡ブレード500は、ISO規格7376の要件に準拠するように寸法決めされた従来ハンドル200及びファイバ照明式ハンドル400の各々に取り付けることができ、これらとの併用で完全に機能することができる。これは、ユーザが喉頭鏡ブレード購入判断からハンドル適合性を排除し、他に有用な従来ハンドル及び/又はファイバ照明式ハンドルへの初期投資を活用することを可能にする。汎用喉頭鏡ブレードは、既存従来ハンドルとファイバ照明式ハンドルの両方との適合性に起因してより大量に生産することができるので、スケールメリットの利益を受けることができる。
【0052】
図8A~
図9Cは、汎用喉頭鏡ブレード500と従来ハンドル200との係合を描いている。
図8Aは、従来ハンドル200のヒンジピン218にフック留めされた汎用喉頭鏡ブレード500の側面図を示している。
図8Bは、作動位置で従来ハンドル200に係合した汎用喉頭鏡ブレード500の側面図を示している。
図9Aは、作動位置で従来ハンドル200に係合した汎用喉頭鏡ブレード500の後面図を示している。
図9Bは、
図9Aの汎用喉頭鏡ブレード500のブレード取り付け具530と従来ハンドル200のフック留め取り付け具210との間の係合の断面FFに沿って取った拡大断面図を示している。
図9Cは、
図9Aの汎用喉頭鏡ブレード500のブレード取り付け具530と従来ハンドル200のフック留め取り付け具210との間の係合の断面HHに沿って取った拡大断面図を示している。
【0053】
汎用喉頭鏡ブレード500のブレード取り付け具530は、喉頭鏡が使用待機状態にある作動位置で従来ハンドル200のフック留め取り付け具210に係合して汎用喉頭鏡ブレード500を従来ハンドル200の台座219内にロックするように構成される。
図8Aに示すように、汎用喉頭鏡ブレード500を作動位置に置くために、最初に、ブレード取り付け具530がフック留め取り付け具210に取り付けられる。ブレード取り付け具530は、フック留め取り付け具210のヒンジピン218をブレード取り付け具530のヒンジスロット534内に置き、ヒンジピン218がヒンジスロット534の半円形座面535に当接してこのスロット内でヒンジロック536によってロックされるまでヒンジピン218とヒンジスロット534の間の相対移動をもたらすことによって従来ハンドル200のフック留め取り付け具210に取り付けられる。
図9Bは、作動位置で従来ハンドル200のヒンジピン218を汎用喉頭鏡ブレード500のヒンジスロット534内にロックしているヒンジロック536を示している。
図8B~
図9Cに示すように、ブレード取り付け具530の本体532がフック留め取り付け具210の台座219内に摺動するまでヒンジスロット534とヒンジピン218とが互いに対して回転されるように、汎用喉頭鏡ブレード500と従来ハンドル200の間に相対回転移動がもたらされる。ブレード取り付け具530の本体532がフック留め取り付け具210の台座219内に完全に受け入れられた後に、
図9Cに示すように、ブレード取り付け具530の第1及び第2の側部ロック538a、538bは、それぞれフック留め取り付け具210の第1及び第2のロックスロット216a、216bに係合する。側部ロックがそれぞれのロックスロットに係合し、ヒンジロック536がヒンジピン218に係合すると、汎用喉頭鏡ブレード500の本体532は、作動位置で従来ハンドル200の台座219内にロックされ、喉頭鏡は使用待機状態にある。使用前のいずれの時点でも、汎用喉頭鏡ブレード500の1又は2以上のケーブル523を外部デバイス600に接続することができる。
【0054】
図8A~
図9Cは、1又は2以上のケーブル523を有する汎用喉頭鏡ブレード500と従来ハンドル200の間の係合を示すが、本発明は、外部デバイス600とのいずれの直接接続(すなわち、ケーブルリンク)も用いない観察器520’を有する汎用喉頭鏡ブレード500と従来ハンドル200の間の係合も含む。すなわち、汎用喉頭鏡ブレード500のブレード取り付け具530と従来ハンドル200のフック留め取り付け具210との間の機械的係合は、汎用喉頭鏡ブレード500によって採用される観察器のタイプに関係なく同じである。各汎用喉頭鏡ブレード500は、当該汎用喉頭鏡ブレード500が従来ハンドル200からの電力又は光を必要としない点で自己完結的である(一部の実施形態では、従来ハンドル200以外に外部デバイス600が電力又は光を供給することができるが)。
【0055】
図10A~
図11Cは、汎用喉頭鏡ブレード500とファイバ照明式ハンドル400の係合を描いている。
図10Aは、ファイバ照明式ハンドル400のヒンジピン418にフック留めされた汎用喉頭鏡ブレード500の側面図を示している。
図10Bは、作動位置でファイバ照明式ハンドル400に係合した汎用喉頭鏡ブレード500の側面図を示している。
図11Aは、作動位置でファイバ照明式ハンドル400に係合した汎用喉頭鏡ブレード500の後面図を示している。
図11Bは、
図11Aの汎用喉頭鏡ブレード500のブレード取り付け具530とファイバ照明式ハンドル400のフック留め取り付け具410との間の係合の断面CCに沿って取った拡大断面図を示している。
図11Cは、
図11Aの汎用喉頭鏡ブレード500のブレード取り付け具530とファイバ照明式ハンドル400のフック留め取り付け具410との間の係合の断面JJに沿って取った拡大断面図を示している。
【0056】
汎用喉頭鏡ブレード500のブレード取り付け具530は、喉頭鏡が使用待機状態にある作動位置でファイバ照明式ハンドル400のフック留め取り付け具410に係合して汎用喉頭鏡ブレード500をファイバ照明式ハンドル400の台座419内にロックするようにも構成される。
図10Aに示すように、汎用喉頭鏡ブレード500を作動位置に置くために、最初に、ブレード取り付け具530がフック留め取り付け具410に取り付けられる。ブレード取り付け具530は、フック留め取り付け具410のヒンジピン418をブレード取り付け具530のヒンジスロット534内に置き、ヒンジピン418がヒンジスロット534の半円形座面535に当接してこのスロット内でヒンジロック536によってロックされるまでヒンジピン418とヒンジスロット534の間の相対移動をもたらすことによってファイバ照明式ハンドル400のフック留め取り付け具410に取り付けられる。
図11Bは、作動位置でファイバ照明式ハンドル400のヒンジピン418を汎用喉頭鏡ブレード500のヒンジスロット534内にロックしているヒンジロック536を示している。
図10B~
図11Cに示すように、ブレード取り付け具530の本体532がフック留め取り付け具410の台座419内に摺動するまでヒンジスロット534とヒンジピン418が互いに対して回転されるように、汎用喉頭鏡ブレード500とファイバ照明式ハンドル400の間に相対回転移動がもたらされる。ブレード取り付け具530の本体532がフック留め取り付け具410の台座419内に完全に受け入れられた後に、
図11Cに示すように、ブレード取り付け具530の第1及び第2の側部ロック538a、538bは、それぞれフック留め取り付け具410の第1及び第2のロックスロット416a、416bに係合する。側部ロックがそれぞれのロックスロットに係合し、ヒンジロック536がヒンジピン418に係合すると、汎用喉頭鏡ブレード500の本体532は、作動位置でファイバ照明式ハンドル400の台座419内にロックされ、喉頭鏡は使用待機状態にある。使用前のいずれの時点でも、汎用喉頭鏡ブレード500の1又は2以上のケーブル523を外部デバイス600に接続することができる。
【0057】
図10A~
図11Cは、1又は2以上のケーブル523を有する汎用喉頭鏡ブレード500とファイバ照明式ハンドル400の間の係合を示すが、本発明は、外部デバイス600とのいずれの直接接続(すなわち、ケーブルリンク)も用いない観察器520’を有する汎用喉頭鏡ブレード500とファイバ照明式ハンドル400の間の係合も含む。すなわち、汎用喉頭鏡ブレード500のブレード取り付け具530とファイバ照明式ハンドル400のフック留め取り付け具410との間の機械的係合は、汎用喉頭鏡ブレード500によって採用される観察器のタイプに関係なく同じである。各汎用喉頭鏡ブレード500は、当該ブレードがファイバ照明式ハンドル400からの電力又は光を必要としない点で自己完結的である(一部の実施形態では、ファイバ照明式ハンドル400以外に外部デバイス600が電力又は光を供給することができるが)。
【0058】
図12A~
図12Bは、本発明の態様による汎用喉頭鏡ブレード500’’の別の実施の例示的な図を示している。汎用喉頭鏡ブレード500’’は、ブレード本体510’’と、観察器520’’と、電源528’’と、ブレード取り付け具530’’とを含む。汎用喉頭鏡ブレード500’’は、全体的又は部分的に再使用可能又は使い捨てとすることができる。ブレード本体510’’は、他の汎用喉頭鏡ブレード実施に関して先に上記で詳細に議論したブレード本体510と同じとすることができる。例えば、ブレード本体510’’は、喉頭の直視を提供するように成形することができる。ブレード本体510’’は、例えば、患者のサイズに依存してあらゆる数の形状及びサイズで提供することができる。ブレード本体510’’は、第1の端部と第2の端部を含むことができ、電源528’’は、第1の端部に配置され、第2の端部は、患者の喉頭の中への挿入に向けて作動可能である。
【0059】
例示目的で、
図12Aは、汎用喉頭鏡ブレード500’’と従来ハンドル200との係合を描いている。特に、作動位置で汎用喉頭鏡ブレード500’’が従来ハンドル200に係合するように従来ハンドル200のヒンジピン218にフック留めされた汎用喉頭鏡ブレード500’’の側面図が例示されている。
図12Bは、汎用喉頭鏡ブレード500’’のブレード取り付け具530’’と従来ハンドル200のフック留め取り付け具210との間の係合の拡大図を示している。
【0060】
観察器520’’は、ブレード本体510’’に接続されてブレード本体510’’の第2の端部が喉頭の中に挿入された時に喉頭を照明するように作動可能である。観察器520’’は、従来ハンドル200及びファイバ照明式ハンドル400の各々とは独立に機能する(例えば、光を放出する、少なくとも1つの画像を取り込むなど)ように作動可能である。観察器520’’は、ブレード本体510’’の第2の端部及び/又は喉頭を照明するためにブレード本体510’’の第2の端部に向う方向に光を放出するLEDのようなランプ524’’を含むことができる。上記で議論した他の実施と同様に、ランプ524’’は、ハウジングの中に設けることができる。観察器520’’は、ハウジングの開口部の視座からブレード本体510’’の第2の端部及び/又は喉頭の1又は2以上の画像を取り込むことができるカメラを含むことができる。観察器520’’は、ランプ524’’、カメラなどに電力を供給する電源528’’(例えば、1又は2以上のバッテリ)を含むことができる。電源528’’は、ブレード本体の第1の端部のようなブレード本体510’’上に設けることができる。
【0061】
汎用喉頭鏡ブレード500’’は、従来ハンドル200及びファイバ照明式ハンドル400の各々に一度に1つずつ取外し可能に接続可能であるように構成される。喉頭鏡ブレード500’’のブレード取り付け具530’’は、ブレード本体510’’の第1の端部に配置される。ブレード取り付け具530’’は、従来ハンドル200のフック留め取り付け具210及びファイバ照明式ハンドル400のフック留め取り付け具410の各々に一度に1つずつ取外し可能に接続可能であるように構成される。更に、ブレード取り付け具530’’は、従来ハンドル200のフック留め取り付け具210及びファイバ照明式ハンドル400のフック留め取り付け具410の各々に一度に1つずつ取外し可能に接続可能であり、かつこれらとの併用で機能する。他の実施では、ブレード取り付け具530’’は、本明細書に説明する従来ハンドル200のフック留め取り付け具210及びファイバ照明式ハンドル400のフック留め取り付け具410とは異なる他のハンドルのフック留め取り付け具への取外し可能な接続、及びこれらとの併用機能に向けて適応させることができる。
【0062】
汎用喉頭鏡ブレード500’’のブレード取り付け具530’’は、本体532’’と、ロックと、ヒンジスロット534’’とを含む。本体532’’は、
図7Aに示す本体532と同様であり、厚みT
Uを有する。汎用喉頭鏡ブレード500’’の本体532’’の厚みT
Uは、従来ブレード100の本体の厚みT
Cよりも大きいが、ファイバ照明式ブレード300の本体332の厚みT
Fよりも小さいことが可能である。例えば、厚みT
Uは、12.74mmと12.84mmの間にあることができ、より具体的には12.80mmとすることができる。本発明の態様により、汎用喉頭鏡ブレード500’’の本体532’’の厚みT
Uは、従来ブレード100の本体132の厚みT
Cよりも大きいが、ファイバ照明式ブレード300の本体332の厚みT
Fよりも小さいことが可能であるので、汎用喉頭鏡ブレード500’’の本体532’’は、従来ハンドル200の台座219内に受け入れられるほど十分に小さく、一方、ファイバ照明式ハンドル400の台座419内に受け入れられた時に過度の遊び(揺動)を制限するほど十分に大きいことが可能である。すなわち、汎用喉頭鏡ブレード500’’の本体532’’は、従来ハンドル200の台座219及びファイバ照明式ハンドル400内に一度に1つずつ受け入れることができ、汎用喉頭鏡ブレード500’’のブレード取り付け具530’’の汎用性を改善する。
【0063】
ロックは、ヒンジスロット534’’の上面内に配置されたヒンジロック536’’を含むことができる。一部の実施では、ヒンジロック536’’は、ヒンジスロット534’’の底面内に配置することができる。ロックは、本体532’’の少なくとも1つの側部上に設けられた少なくとも1つ側部ロックを含むことができる。少なくとも1つの側部ロックは、本体532’’の両側にそれぞれ設けられた先に上述した側部ロック538a、538bと類似の第1及び第2の側部ロックを含むことができる。ヒンジロック536’’及び少なくとも1つの側部ロックは、戻り止め機構とすることができる。ヒンジスロット534’’は、本体532’’の前部から本体532’’の中心領域に向けて角度を成して本体532’’の中に延びることができ、かつ座面535’’で終端することができる。座面535’’は、直径を有する半円形状と、座面535’’がその周りにこの半円形状を形成する仮想中心点とを有することができる。ヒンジスロット534’’の半円形座面535’’の直径及びヒンジスロット534’’の幅は、一般的に、それぞれのヒンジピンが半円形座面535’’内に受け入れられてそれに当接するように従来ハンドル200のヒンジピン218及びファイバ照明式ハンドル400のヒンジピン418を一度に1つずつ受け入れるように寸法決めされる。すなわち、ヒンジスロット534’’は、従来ハンドル200のフック留め取り付け具210のヒンジピン218及びファイバ照明式ハンドル400のフック留め取り付け具410のヒンジピン418を一度に1つずつ半円形座面535’’との当接状態で受け入れるように寸法決めされる。例えば、ヒンジスロット534’’の半円形座面535’’の直径及びヒンジスロット534’’の最も狭い幅の各々は、一般的に少なくとも4.58mmよりも大きい。
【0064】
ヒンジロック536’’の中心は、半円形座面535’’の仮想中心から前方に水平距離HUHLだけ離間している。汎用喉頭鏡ブレード500’’のヒンジロック536’’が汎用喉頭鏡ブレード500’’の半円形座面535’’の仮想中心から前方に離間する水平距離HUHLは、ファイバ照明式ブレード300のヒンジロック336がファイバ照明式ブレード300の半円形座面335の仮想中心から前方に離間する水平距離HFHLよりも小さい。例えば、汎用喉頭鏡ブレード500’’のヒンジロック536’’が汎用喉頭鏡ブレード500’’の半円形座面535’’の仮想中心から前方に離間する水平距離HUHLは、0.86mmと0.90mmの間にあることができ、より具体的には0.88mmとすることができる。ヒンジロック536’’を半円形座面535’’の仮想中心から前方に水平距離HUHLの場所に位置付けることにより、ヒンジロック536’’は、従来ハンドル200のヒンジピン218及びファイバ照明式ハンドル400のヒンジピン418を一度に1つずつブレード取り付け具530’’のヒンジスロット534’’の中に剛的に保持することができる。すなわち、汎用喉頭鏡ブレード500’’のヒンジスロット534’’及びヒンジロック536’’は、従来ハンドル200のヒンジピン218及びファイバ照明式ハンドル400のより大きいヒンジピン418を一度に1つずつ受け入れることができ、汎用喉頭鏡ブレード500’’のブレード取り付け具530’’の汎用性を改善する。
【0065】
上述した特徴及び寸法(例えば、本体532’’の厚みTU、ヒンジスロット534’’の幅、ヒンジスロット534’’の半円形座面535’’の直径、水平距離HUHLなど)の結果として、汎用喉頭鏡ブレード500’’のブレード取り付け具530’’は、従来ハンドル200のフック留め取り付け具210とファイバ照明式ハンドル400のフック留め取り付け具410との両方に一度に1つずつ係合することができる。従って、汎用喉頭鏡ブレード500’’は、ISO規格7376の要件に準拠するように寸法決めされた従来ハンドル200及びファイバ照明式ハンドル400の各々に取り付けることができ、これらとの併用で機能することができる。
【0066】
ブレード取り付け具530’’の座面535’’上に電気接点を設けることができる。電気接点は、それに電力を供給するために1又は2以上のワイヤ512’’を通して電源528’’(すなわち、バッテリ)と電気連通することができる。電気接点は、喉頭鏡ブレード500’’が作動位置にある時にフック留め取り付け具210のヒンジピン218と電気連通するように更に構成される。ヒンジピン218は、金属又は別の導電材料である。ヒンジスロット534’’の面上に電気ヒンジ接点537’’を配置することができ、かつヒンジロック536’’に隣接させることができる。電気ヒンジ接点537’’は、喉頭鏡ブレード500’’が作動位置にある時にヒンジピン218と電気連通するようにも構成される。更に、電気ヒンジ接点537’’は、作動位置で喉頭鏡ブレード500’’が従来ハンドル200に係合した時にランプ524’’のような観察器に電力を供給するために1又は2以上のワイヤ514’’を通して観察器520’’と電気連通することができる。
【0067】
汎用喉頭鏡ブレード500’’を照明目的で従来ハンドル200に取り付けられてそれと併用して完全に機能するように示すが、先に上記で議論したように、汎用喉頭鏡ブレード500’’は、ファイバ照明式ハンドル400にも取り付け可能であり、かつそれと併用して完全に機能する。従って、既存従来ハンドル200の金属ヒンジピン218又はファイバ照明式ハンドルの金属ヒンジピン418を用いて電源528’’からランプ524’’に電力を供給して電源とランプの間の電気回路を完成させることができ、それによってマイクロスイッチのような追加の構成要素をブレードの中に含めることが不要になることで製造コストが低減される。
【0068】
一部の実施では、ヒンジロック536’’は、金属又は別の導電材料とすることができ、かつ喉頭鏡ブレード500’’が作動位置にある時にヒンジピン218と電気ヒンジ接点537’’の両方と電気連通するように構成することができる。従って、本体532’’の底部は、他に本体532’’から突出することになると考えられる機能要素(例えば、電気接点、光ガイドなど)を含まないとすることができる(例えば、これらの機能要素が不在とすることができる)。ブレード取り付け具530’’の本体532’’上に機能要素を含まないことにより、ブレード取り付け具530’’の本体532’’の底部は、そこに従来ハンドル及び/又はファイバ照明式ハンドルのフック留め取り付け具が接続された時にこれらの取り付け具上に設けられた機能要素(例えば、電気接点、光路など)と干渉しないと考えられる。
【0069】
図13は、汎用喉頭鏡ブレードを従来ハンドル及びファイバ照明式ハンドル(例えば、従来ハンドル200及びファイバ照明式ハンドル400)に係合させる段階を含む本発明の態様による汎用喉頭鏡ブレードを使用する方法1200を示している。方法1200は、第1の段階1201で第1の汎用喉頭鏡ブレードを与える段階を含むことができる。第1の汎用喉頭鏡ブレードは、上記で議論した本発明の態様による汎用喉頭鏡ブレードのうちのいずれかとすることができる。例えば、第1の汎用喉頭鏡ブレードは、喉頭の直視を提供するように成形されたブレード本体を含むことができる。ブレード本体は、第1の端部と第2の端部を含むことができる。第2の端部は、患者の喉頭の中に挿入することができる。第1の汎用喉頭鏡ブレードは、ブレード本体に接続された観察器を更に含むことができる。観察器は、従来ハンドル及びファイバ照明式ハンドルの各々とは独立に機能することができる。すなわち、観察器は、従来ハンドル又はファイバ照明式ハンドルからの電力又は光を必要とすることなく完全に機能する(すなわち、光を放出するか又は画像を取り込むことができる)。第1の汎用喉頭鏡ブレードは、ブレード本体の第1の端部に配置されたブレード取り付け具を更に含むことができる。
【0070】
方法1200は、第2の段階1202で、第2の汎用喉頭鏡ブレードを与える段階を含むことができる。第2の汎用喉頭鏡ブレードは、上記で議論した本発明の態様による汎用喉頭鏡ブレードのうちのいずれかとすることができる。例えば、第2の汎用喉頭鏡ブレードは、喉頭の直視を提供するように成形されたブレード本体を含むことができる。ブレード本体は、第1の端部と第2の端部を含むことができる。第2の端部は、患者の喉頭の中に挿入することができる。第2の汎用喉頭鏡ブレードは、ブレード本体に接続された観察器を更に含むことができる。観察器は、従来ハンドル及びファイバ照明式ハンドルの各々とは独立に機能することができる。すなわち、観察器は、従来ハンドル又はファイバ照明式ハンドルからの電力又は光を必要とすることなく完全に機能する(すなわち、光を放出するか又は画像を取り込むことができる)。第2の汎用喉頭鏡ブレードは、ブレード本体の第1の端部に配置されたブレード取り付け具を更に含むことができる。第2の汎用喉頭鏡ブレードのブレード取り付け具は、第1の汎用喉頭鏡ブレードのブレード取り付け具と同一に寸法決めされる。すなわち、第1及び第2の汎用喉頭鏡ブレードの各々のブレード取り付け具が同じであるように、汎用喉頭鏡ブレードのブレード取り付け具の上述した構成要素(例えば、本体、ロック、ヒンジスロットなど)の各々の物理的寸法を同一にすることができる。本明細書に使用する「同一に寸法決めされる」は、同じサイズに機械加工されるが、当業者には容易に理解されると考えられる製造公差からもたらされる通常の変動を含むことを意味する。
【0071】
方法1200は、第3の段階1203で、上記で議論した従来ハンドルを与える段階を含むことができる。すなわち、幅を有する台座と直径を有するヒンジピンとを有するフック留め取り付け具を含む従来ハンドルを与える。従来ハンドルのフック留め取り付け具の直径は、従来ハンドルに関してISO規格7376に指定された寸法に準拠することが可能である。
【0072】
方法1200は、第4の段階1204で、上記で議論したファイバ照明式ハンドルを与える段階を含むことができる。すなわち、幅を有する台座と直径を有するヒンジピンとを含むフック留め取り付け具を含むファイバ照明式ハンドルを与える。ファイバ照明式ハンドルのフック留め取り付け具の直径は、ISO規格7376にファイバ照明式ハンドルに関して指定された寸法に準拠することが可能である。ISO規格7376から明らかなように、ファイバ照明式ハンドルの台座の幅は、従来ハンドルの台座の幅よりも大きく、ファイバ照明式ハンドルのヒンジピンの直径は、従来ハンドルのヒンジピンの直径よりも大きい。
【0073】
方法1200は、第5の段階1205で、第1の汎用喉頭鏡ブレードが作動位置に与えられて使用待機状態にあるように第1の汎用喉頭鏡ブレードのブレード取り付け具を従来ハンドルのフック留め取り付け具に係合させる段階を含むことができる。第1の汎用喉頭鏡ブレードのブレード取り付け具を従来ハンドルのフック留め取り付け具に係合させる段階の例は、例えば
図8A~
図9Cに示しており、上記でより詳細に議論している。
【0074】
方法1200は、第6の段階1206で、第2の汎用喉頭鏡ブレードが作動位置に与えられて使用待機状態にあるように第2の汎用喉頭鏡ブレードのブレード取り付け具をファイバ照明式ハンドルのフック留め取り付け具に係合させる段階を含むことができる。第2の汎用喉頭鏡ブレードのブレード取り付け具をファイバ照明式ハンドルのフック留め取り付け具に係合させる段階の例は、例えば
図10A~
図10Cに示しており、上記でより詳細に議論している。
【0075】
第1の汎用喉頭鏡ブレードのブレード取り付け具と第2の汎用喉頭鏡ブレードのブレード取り付け具とは同一に寸法決めされるので(例えば、本体の厚みTU、ヒンジスロットの幅、ヒンジスロットの半円形座面の直径、水平距離HUHL、水平距離成分DUL_h、垂直距離成分DUL_vなどを含む)、これらの汎用喉頭鏡ブレードのブレード取り付け具の各々は、従来ハンドルのフック留め取り付け具とファイバ照明式ハンドルのフック留め取り付け具との両方に一度に1つずつ係合することができる。更に、上記で議論したように、汎用喉頭鏡ブレードの各々の観察器は、ブレード取り付け具が従来ハンドル又はファイバ照明式ハンドル上の機能要素(例えば、従来ハンドルの電気接点又はファイバ照明式ハンドルの光路)とインタフェースする必要なく完全に機能する(すなわち、光/データを生成/伝送すること又は1又は2以上の画像を取り込むことが可能である)。従って、汎用喉頭鏡ブレードは、ISO規格7376の要件に準拠する従来ハンドル及びファイバ照明式ハンドルの各々に取り付けることができ、かつこれらとの併用で完全に機能することができる。これは、ユーザが喉頭鏡ブレード購入判断からハンドル適合性を排除し、他に有用であると考えられる従来ハンドル及び/又はファイバ照明式ハンドルへの初期投資を活用することを可能にする。汎用喉頭鏡ブレードは、既存従来ハンドルとファイバ照明式ハンドルの両方との適合性に起因してより大量に生産することができるので、スケールメリットの利益を受けることができる。
【0076】
本明細書に説明した汎用喉頭鏡ブレードの多くの特徴及び利点は、詳述した仕様から明らかであり、従って、特許請求の範囲は、本出願の範囲にある全てのそのような特徴及び利点を網羅する。例えば、多くの修正及び変形が可能である。従って、本発明の汎用喉頭鏡ブレードは、説明して図示した通りの構造及び作動に限定するのは望ましくなく、全ての適切な修正及び均等物が特許請求の範囲に収まることが可能である。
【符号の説明】
【0077】
100 従来ブレード
110 ブレード本体
130 ブレード取り付け具
134 ヒンジスロット
137 電気接点