(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-20
(45)【発行日】2022-10-28
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、および、ゲームプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/58 20140101AFI20221021BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20221021BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20221021BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/69
A63F13/45
A63F13/69 510
(21)【出願番号】P 2018134807
(22)【出願日】2018-07-18
【審査請求日】2021-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】397037890
【氏名又は名称】株式会社インテリジェントシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100158780
【氏名又は名称】寺本 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100121359
【氏名又は名称】小沢 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】畑中 哲生
(72)【発明者】
【氏名】前田 耕平
(72)【発明者】
【氏名】松原 渓
(72)【発明者】
【氏名】大谷 桂介
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-094057(JP,A)
【文献】特開2018-051218(JP,A)
【文献】特開2011-255031(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトを、付与条件を満たす場合に、ユーザに付与する
ことで、前記ユーザに前記ゲームオブジェクトを保有させるゲームオブジェクト付与手段と、
前記所定のゲームキャラクタ、および/または、当該所定のゲームキャラクタとは異なるゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトのうち、前記ユーザが保有するゲームオブジェクトを用いたゲームを実行するゲーム実行手段と、
前記所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトを前記ユーザが保有しているかに関わらず、当該所定のゲームキャラクタに関連するパラメータを前記ゲームの実行結果に基づいて更新するパラメータ更新手段と、
前記パラメータがイベント実行条件を満たす場合、当該パラメータに関連する前記所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトを前記ユーザが保有しているか否かに関わらず、当該所定のゲームキャラクタが登場するキャラクタイベントを実行するキャラクタイベント実行手段と、を備える、情報処理システム。
【請求項2】
前記キャラクタイベント実行手段は、前記イベント実行条件を満たした前記パラメータが追加のイベント実行条件をさらに満たす場合には、当該パラメータに関連する前記所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトを前記ユーザが保有しているか否かに関わらず、当該所定のゲームキャラクタが登場する追加キャラクタイベントを実行する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記キャラクタイベント実行手段は、前記イベント実行条件が満たされた後に更新された前記パラメータが追加のイベント実行条件を満たす場合、当該パラメータに関連する前記所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトを前記ユーザが保有しているか否かに関わらず、当該所定のゲームキャラクタが登場する追加キャラクタイベントを実行する、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記付与条件は、前記ユーザによる指示に応じて行われた抽選に基づいて、複数のゲームオブジェクトのうち、前記所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトが選出されたことである、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記ゲームオブジェクト付与手段は、前記所定のゲームキャラクタが登場するキャラクタイベントを実行可能な期間を含む第1期間において、当該所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトが前記抽選によって選出される確率を、当該第1期間外における当該確率とは異なる値に設定する、請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記ゲームオブジェクト付与手段は、前記第1期間において、前記所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトが前記抽選によって選出される確率を、当該第1期間外における当該確率よりも高い値に設定する、請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記パラメータ更新手段は、前記パラメータの更新方法を、実時間に応じて変更する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記パラメータ更新手段は、実時間における所定の第2期間において、当該第2期間とは異なる第3期間よりも前記イベント実行条件が満たされやすくなるように前記パラメータの更新方法を変更する、請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記パラメータ更新手段は、複数の前記所定のゲームキャラクタにそれぞれ関連する各パラメータを前記ゲームの実行結果に基づいて更新し、
前記複数の所定のゲームキャラクタのうちの少なくとも2以上のゲームキャラクタのそれぞれに関連する各パラメータが共通実行条件を満たす場合、当該2以上のゲームキャラクタに関連する各ゲームオブジェクトを前記ユーザが保有しているか否かに関わらず、当該2以上のゲームキャラクタが登場する共通イベントを実行する共通イベント実行手段をさらに備える、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記共通イベント実行手段は、前記イベント実行条件を満たした前記各パラメータが追加の共通イベント実行条件をさらに満たす場合には、当該パラメータに関連する前記所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトを前記ユーザが保有しているか否かに関わらず、当該2以上のゲームキャラクタが登場する追加共通イベントを実行する、請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記共通イベント実行手段は、前記共通実行条件が満たされた後に更新された前記各パラメータが前記追加の共通実行条件を満たす場合、当該各パラメータに関連する前記2以上のゲームキャラクタに関連する各ゲームオブジェクトを前記ユーザが保有しているか否かに関わらず、当該2以上のゲームキャラクタが登場する追加共通イベントを実行する、請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記パラメータ更新手段は、前記複数の所定のゲームキャラクタから少なくとも1つを選択し、選択されたゲームキャラクタに関連するパラメータを更新する、請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記パラメータ更新手段は、所定の確率に基づいて前記複数の所定のゲームキャラクタから少なくとも1つを選択し、選択されたゲームキャラクタに関連するパラメータを更新する、請求項12に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記パラメータ更新手段は、前記複数の所定のゲームキャラクタのうちで、前記パラメータが制限条件を満たすゲームキャラクタ以外のゲームキャラクタから少なくとも1つを選択し、選択されたゲームキャラクタに関連するパラメータを更新する、請求項12または請求項13に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記パラメータ更新手段は、実時間における所定の第4期間において、前記複数の所定のゲームキャラクタのうち少なくとも1つのゲームキャラクタが選択される確率を、当該第4期間とは異なる第5期間における当該確率よりも高く設定する、請求項12から請求項14のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記共通イベント実行手段は、前記共通イベントとして、前記共通実行条件を満たす各パラメータに関連する前記2以上のゲームキャラクタが登場する会話イベントを実行する、請求項9から請求項15のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項17】
前記キャラクタイベント実行手段は、前記キャラクタイベントとして、前記イベント実行条件を満たすパラメータに関連する前記所定のゲームキャラクタが登場する会話イベントを実行する、請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項18】
前記パラメータがアイテム条件を満たす場合、当該パラメータに関連する前記所定のゲームキャラクタに関連するアイテムをユーザに付与するアイテム付与手段をさらに備える、請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項19】
前記ゲーム実行手段は、複数段階の難易度から選択された難易度のゲームを実行し、
前記パラメータ更新手段は、実行された前記ゲームの実行結果と、当該ゲームの難易度とに基づいて前記パラメータを更新する、請求項1から請求項18のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項20】
前記パラメータ更新手段は、実行されたゲームにおいて前記所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトが用いられたか否かに応じて異なる方法で前記パラメータを更新する、請求項1から請求項19のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項21】
所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトを前記ユーザが保有している場合、当該ゲームオブジェクトのデータを前記ゲームの実行結果に基づいて更新するゲームオブジェクト更新手段をさらに備える、請求項1から請求項20のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項22】
情報処理システムによって実行される情報処理方法であって、
所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトを、付与条件を満たす場合に、ユーザに付与する
ことで、前記ユーザに前記ゲームオブジェクトを保有させるゲームオブジェクト付与ステップと、
前記所定のゲームキャラクタ、および/または、当該所定のゲームキャラクタとは異なるゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトのうち、前記ユーザが保有するゲームオブジェクトを用いたゲームを実行するゲーム実行ステップと、
前記所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトを前記ユーザが保有しているかに関わらず、当該所定のゲームキャラクタに関連するパラメータを前記ゲームの実行結果に基づいて更新するパラメータ更新ステップと、
前記パラメータがイベント実行条件を満たす場合、当該パラメータに関連する前記所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトを前記ユーザが保有しているか否かに関わらず、当該所定のゲームキャラクタが登場するキャラクタイベントを実行するキャラクタイベント実行ステップと、を備える、情報処理方法。
【請求項23】
情報処理装置のコンピュータにおいて実行されるゲームプログラムであって、
所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトであって、付与条件が満たされた場合にユーザに付与される
ことで前記ユーザによって保有されるゲームオブジェクトを記憶媒体に記憶するゲームオブジェクト記憶制御手段と、
前記所定のゲームキャラクタ、および/または、当該所定のゲームキャラクタとは異なるゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトのうち、前記ユーザが保有するゲームオブジェクトを用いたゲームを実行するゲーム実行手段と、
前記所定のゲームキャラクタに関連するパラメータであって、当該所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトを前記ユーザが保有しているかに関わらず前記ゲームの実行結果に基づいて更新されるパラメータを記憶媒体に記憶するパラメータ記憶制御手段と、
前記パラメータがイベント実行条件を満たす場合、当該パラメータに関連する前記所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトを前記ユーザが保有しているか否かに関わらず、当該所定のゲームキャラクタが登場するキャラクタイベントを表示装置に表示するキャラクタイベント実行手段として前記コンピュータを機能させる、ゲームプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームに用いられるオブジェクトをユーザに付与する情報処理システム、情報処理方法、および、ゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトであってゲームに用いられるゲームオブジェクトがユーザに付与され、付与されたゲームオブジェクトを用いてユーザがゲームを行うゲームシステムがある。例えば、ゲームシステムは、ゲームに用いることができるゲームオブジェクトを抽選によってユーザに付与する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来においては、ユーザにとって新規なゲームキャラクタに関する情報について、ユーザがよく知らないために興味を持たず、その結果、上記ゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトを取得しようとしない可能性があった。つまり、ゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトを取得することに関する動機付けをユーザに与えることに関し、改善の余地があった。
【0005】
それ故、本発明の目的は、ゲームキャラクタへのユーザの興味を向上することができる情報処理システム、情報処理方法、および、ゲームプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決すべく、本発明は、以下の(1)~(22)の構成を採用した。
【0007】
(1)
本発明の一例は、ゲームオブジェクト付与手段と、ゲーム実行手段と、パラメータ更新手段と、キャラクタイベント実行手段とを備える情報処理システムである。ゲームオブジェクト付与手段は、所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトを、付与条件を満たす場合に、ユーザに付与する。ゲーム実行手段は、所定のゲームキャラクタ、および/または、当該所定のゲームキャラクタとは異なるゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトのうち、ユーザが保有するゲームオブジェクトを用いたゲームを実行する。パラメータ更新手段は、所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトをユーザが保有しているかに関わらず、当該所定のゲームキャラクタに関連するパラメータをゲームの実行結果に基づいて更新する。キャラクタイベント実行手段は、パラメータがイベント実行条件を満たす場合、当該パラメータに関連する所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトをユーザが保有しているか否かに関わらず、当該所定のゲームキャラクタが登場するキャラクタイベントを実行する。
【0008】
上記(1)の構成によれば、情報処理システムは、ユーザがゲームオブジェクトを保有していないゲームキャラクタについても、キャラクタイベントを実行することによって、ユーザの興味を向上することができる。
【0009】
(2)
キャラクタイベント実行手段は、イベント実行条件を満たしたパラメータが追加のイベント実行条件をさらに満たす場合には、当該パラメータに関連する所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトをユーザが保有しているか否かに関わらず、当該所定のゲームキャラクタが登場する追加キャラクタイベントを実行してもよい。
【0010】
(3)
キャラクタイベント実行手段は、イベント実行条件が満たされた後に更新されたパラメータが追加のイベント実行条件を満たす場合、当該パラメータに関連する所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトをユーザが保有しているか否かに関わらず、当該所定のゲームキャラクタが登場する追加キャラクタイベントを実行してもよい。
【0011】
上記(2)または(3)の構成によれば、情報処理システムは、1つの所定のゲームキャラクタについて複数回のキャラクタイベント(追加キャラクタイベントを含む)が実行可能となるので、当該ゲームキャラクタに対するユーザの関心をより強くすることができる。
【0012】
(4)
付与条件は、ユーザによる指示に応じて行われた抽選に基づいて、複数のゲームオブジェクトのうち、所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトが選出されたことであってもよい。
【0013】
上記(4)の構成によれば、情報処理システムは、抽選によって付与されるゲームオブジェクトが関連するゲームキャラクタが登場するイベントについて、ユーザが保有していない場合でも実行することが可能なため、ユーザのゲームキャラクタに対する関心を向上させることができる。
【0014】
(5)
ゲームオブジェクト付与手段は、所定のゲームキャラクタが登場するキャラクタイベントを実行可能な期間を含む第1期間において、当該所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトが抽選によって選出される確率を、当該第1期間外における当該確率とは異なる値に設定してもよい。
【0015】
(6)
ゲームオブジェクト付与手段は、第1期間において、所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトが抽選によって選出される確率を、当該第1期間外における当該確率よりも高い値に設定してもよい。
【0016】
上記(5)または(6)の構成によれば、ユーザは、キャラクタイベントによって所定のゲームキャラクタに関心を持った時に、抽選によって当該所定のゲームキャラクタのゲームオブジェクトを取得しやすくなる。つまり、ユーザにとっては、関心を持ったゲームキャラクタのゲームオブジェクトを取得しやすくなるので、抽選の利便性を向上することができる。
【0017】
(7)
パラメータ更新手段は、パラメータの更新方法を、実時間に応じて変更してもよい。
【0018】
上記(7)の構成によれば、ユーザは、自分にとって有利となる更新方法が設定される期間にゲームをプレイするべく、ゲームアプリケーションを定期的に起動するようになる。すなわち、上記(7)の構成によれば、ゲームアプリケーションを定期的に起動してゲームをプレイする動機付けをユーザに与えることができる。
【0019】
(8)
パラメータ更新手段は、実時間における所定の第2期間において、当該第2期間とは異なる第3期間よりもイベント実行条件が満たされやすくなるようにパラメータの更新方法を変更してもよい。
【0020】
上記(8)の構成によれば、ユーザは、パラメータを更新させやすい期間にゲームをプレイするべく、ゲームアプリケーションを定期的に起動するようになるので、情報処理システムは、ゲームアプリケーションを定期的に起動してゲームをプレイする動機付けをユーザに与えることができる。
【0021】
(9)
パラメータ更新手段は、複数の所定のゲームキャラクタにそれぞれ関連する各パラメータをゲームの実行結果に基づいて更新してもよい。情報処理システムは、共通イベント実行手段をさらに備えてもよい。共通イベント実行手段は、複数の所定のゲームキャラクタのうちの少なくとも2以上のゲームキャラクタのそれぞれに関連する各パラメータが共通実行条件を満たす場合、当該2以上のゲームキャラクタに関連する各ゲームオブジェクトをユーザが保有しているか否かに関わらず、当該2以上のゲームキャラクタが登場する共通イベントを実行する。
【0022】
上記(9)の構成によれば、共通イベントの実行によって、所定のゲームキャラクタに対するユーザの関心をより強くすることができる。
【0023】
(10)
共通イベント実行手段は、イベント実行条件を満たした各パラメータが追加の共通イベント実行条件をさらに満たす場合には、当該パラメータに関連する所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトをユーザが保有しているか否かに関わらず、当該2以上のゲームキャラクタが登場する追加共通イベントを実行してもよい。
【0024】
(11)
共通イベント実行手段は、共通実行条件が満たされた後に更新された各パラメータが追加の共通実行条件を満たす場合、当該各パラメータに関連する2以上のゲームキャラクタに関連する各ゲームオブジェクトをユーザが保有しているか否かに関わらず、当該2以上のゲームキャラクタが登場する追加共通イベントを実行してもよい。
【0025】
上記(10)または(11)の構成によれば、情報処理システムは、複数回の共通イベント(追加共通イベントを含む)が実行可能となるので、各所定のゲームキャラクタに対するユーザの関心をより強くすることができる。
【0026】
(12)
パラメータ更新手段は、複数の所定のゲームキャラクタから少なくとも1つを選択し、選択されたゲームキャラクタに関連するパラメータを更新してもよい。
【0027】
上記(12)の構成によれば、複数の所定のゲームキャラクタのうちのいくつかのゲームキャラクタについてパラメータが更新され、残りのゲームキャラクタについてはパラメータが更新されない。したがって、上記(12)の構成によれば、情報処理システムは、パラメータを更新するためのゲームを繰り返しプレイする動機付けをユーザに与えることができる。
【0028】
(13)
パラメータ更新手段は、所定の確率に基づいて複数の所定のゲームキャラクタから少なくとも1つを選択し、選択されたゲームキャラクタに関連するパラメータを更新してもよい。
【0029】
上記(13)の構成によれば、パラメータが更新される所定のゲームキャラクタがランダム性を有するように選択されるので、パラメータを更新するためのゲームの興趣性を向上することができ、パラメータを更新するためのゲームを繰り返しプレイする動機付けをユーザに与えることができる。
【0030】
(14)
パラメータ更新手段は、複数の所定のゲームキャラクタのうちで、パラメータが制限条件を満たすゲームキャラクタ以外のゲームキャラクタから少なくとも1つを選択し、選択されたゲームキャラクタに関連するパラメータを更新してもよい。
【0031】
上記(14)の構成によれば、所定のゲームキャラクタに関連するパラメータを更新しやすくすることができ、その結果、複数の所定のゲームキャラクタに対するユーザの関心をより強くすることができる。
【0032】
(15)
パラメータ更新手段は、実時間における所定の第4期間において、複数の所定のゲームキャラクタのうち少なくとも1つのゲームキャラクタが選択される確率を、当該第4期間とは異なる第5期間における当該確率よりも高く設定してもよい。
【0033】
上記(15)の構成によれば、ユーザは、所望のゲームキャラクタについて確率が高く設定されている期間にゲームをプレイすることによって、当該所望のゲームキャラクタのパラメータを更新しやすくすることができる。これによれば、パラメータを更新するためのゲームプレイに関するユーザの利便性を向上することができる。
【0034】
(16)
共通イベント実行手段は、共通イベントとして、共通実行条件を満たす各パラメータに関連する2以上のゲームキャラクタが登場する会話イベントを実行してもよい。
【0035】
(17)
キャラクタイベント実行手段は、キャラクタイベントとして、イベント実行条件を満たすパラメータに関連する所定のゲームキャラクタが登場する会話イベントを実行してもよい。
【0036】
(18)
情報処理システムは、アイテム付与手段をさらに備えてもよい。アイテム付与手段は、パラメータがアイテム条件を満たす場合、当該パラメータに関連する所定のゲームキャラクタに関連するアイテムをユーザに付与する。
【0037】
上記(18)の構成によれば、所定のゲームキャラクタに対するユーザの関心をより強くすることができる。
【0038】
(19)
ゲーム実行手段は、複数段階の難易度から選択された難易度のゲームを実行してもよい。パラメータ更新手段は、実行されたゲームの実行結果と、当該ゲームの難易度とに基づいてパラメータを更新してもよい。
【0039】
上記(19)の構成によれば、ユーザは、自分に合った難易度のゲームをプレイすることができるので、ゲームをプレイしやすくなる。
【0040】
(20)
パラメータ更新手段は、実行されたゲームにおいて所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトが用いられたか否かに応じて異なる方法でパラメータを更新してもよい。
【0041】
上記(20)の構成によれば、イベントキャラクタを取得する動機付けをユーザに与えることができ、イベントキャラクタに対するユーザの関心をより強くすることができる。
【0042】
(21)
情報処理システムは、ゲームオブジェクト更新手段をさらに備えてもよい。ゲームオブジェクト更新手段は、所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトをユーザが保有している場合、当該ゲームオブジェクトのデータをゲームの実行結果に基づいて更新する。
【0043】
上記(21)の構成によれば、ゲームをプレイする動機付けをユーザに与えることができ、これによって、キャラクタイベントを実行させやすくすることができる。
【0044】
なお、本発明の別の一例は、上記(1)~(21)における各手段の全部または一部を備える情報処理装置またはサーバであってもよい。また、本発明の別の一例は、上記(1)~(21)における各手段として、情報処理装置(またはサーバ)のコンピュータを機能させる情報処理プログラムであってもよい。また、本発明の別の一例は、上記(1)~(21)における情報処理システムにおいて実行される情報処理方法であってもよい。
【0045】
(22)
また、本発明の別の一例は、情報処理装置のコンピュータにおいて実行されるゲームプログラムである。ゲームプログラムは、ゲームオブジェクト記憶制御手段と、ゲーム実行手段と、パラメータ記憶制御手段と、キャラクタイベント実行手段としてコンピュータを機能させる。ゲームオブジェクト記憶制御手段は、所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトであって、付与条件が満たされた場合にユーザに付与されるゲームオブジェクトを記憶媒体に記憶する。ゲーム実行手段は、所定のゲームキャラクタ、および/または、当該所定のゲームキャラクタとは異なるゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトのうち、ユーザが保有するゲームオブジェクトを用いたゲームを実行する。パラメータ記憶制御手段は、所定のゲームキャラクタに関連するパラメータであって、当該所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトをユーザが保有しているかに関わらずゲームの実行結果に基づいて更新されるパラメータを記憶媒体に記憶する。キャラクタイベント実行手段は、パラメータがイベント実行条件を満たす場合、当該パラメータに関連する所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトをユーザが保有しているか否かに関わらず、当該所定のゲームキャラクタが登場するキャラクタイベントを表示装置に表示する。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、ゲームキャラクタへのユーザの興味を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】本実施形態における情報処理システムの構成の一例を示すブロック図
【
図4】抽選の対象となるキャラクタに関する処理の概要を示す図
【
図5】親密度の増加に応じて実行される報酬処理の一例を示す図
【
図6】個別イベントの実行時に表示されるイベント画像の一例を示す図
【
図7】個別イベントと共通イベントとの関係の一例を示す図
【
図8】イベント実行可能期間と、抽選を行うことが可能な期間との関係の一例を示す図
【
図9】増加量上昇期間および確率上昇期間の設定の一例を示す図
【
図12】情報処理システムにおける情報処理に用いられる各種データの一例を示す図
【
図13】情報処理装置によって実行される抽選モード処理の流れの一例を示すフローチャート
【
図14】情報処理装置によって実行されるゲームモード処理の流れの一例を示すフローチャート
【
図15】サーバ処理の流れの一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0048】
[1.情報処理システムの構成]
以下、本実施形態に係る情報処理システム、ゲームプログラム、および、情報処理方法について説明する。まず、本実施形態に係る情報処理システムの全体構成と、情報処理システムに含まれる情報処理装置およびサーバの構成とについて説明する。
図1は、本実施形態における情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、情報処理システムは、サーバ1と、情報処理装置2とを含む。これらのサーバ1および情報処理装置2は、インターネットおよび/またはモバイル通信網等のネットワーク3に接続可能である。サーバ1および情報処理装置2は、ネットワーク3を介して互いに通信可能である。
【0049】
サーバ1は、情報処理装置2において実行されるアプリケーション(具体的には、ゲームアプリケーション)に関するサービスを提供するためのサーバである。本実施形態において、サーバ1は、情報処理装置2においてゲームを実行するためのゲームサーバであり、情報処理装置2においてゲーム処理を実行するための環境を提供する。例えば、サーバ1は、ゲーム処理を実行する情報処理装置2からの要求に応じて、必要に応じてゲーム処理を実行し、要求に応じたデータを当該情報処理装置2へ送信する(
図1参照)。
【0050】
情報処理装置2は、ユーザが有する端末装置の一例であり、例えば、スマートフォン、携帯型または据置型のゲーム装置、携帯電話、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、あるいは、ウェアラブル端末等である。情報処理装置2は、サーバ1がサービスを提供するゲームのためのゲームプログラム(換言すれば、ゲームアプリケーション)を実行することが可能である。
【0051】
(サーバ1の構成の具体例)
図2は、サーバ1の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示す、サーバ1が備える各構成は、1以上の情報処理装置によって実現される。ここで、本明細書では、「サーバ」とは、1つの情報処理装置(すなわち、サーバ装置)を指す他、そのサーバの機能が複数のサーバ装置によって実現される場合にはサーバ装置群(すなわち、サーバシステム)全体を指す意味である。つまり、「サーバ」とは、サーバ装置であってもよいし、サーバシステムであってもよい。なお、サーバシステムに複数の情報処理装置が含まれる場合、各情報処理装置は、同じ場所に配置されてもよいし、異なる場所に配置されてもよい。なお、本実施形態におけるサーバ1のハードウェア構成は、従来のサーバのためのハードウェア構成と同様であってもよい。
【0052】
図2に示すように、サーバ1は、処理部11および記憶部12を備える。処理部11は、サーバ1の各部12~15に電気的に接続される。処理部11は、CPU(Central Processing Unit、換言すれば、プロセッサ)およびメモリを有する。サーバ1においては、CPUがメモリを用いて、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することによって各種の情報処理が実行される。記憶部12は、処理部11がアクセス可能な任意の記憶装置(記憶媒体とも言う)である。記憶部12は、処理部11において実行されるプログラム、処理部11による情報処理に用いられるデータ、および、当該情報処理によって得られたデータ等を記憶する。本実施形態においては、記憶部12は、情報処理装置2において実行されるゲーム処理のためにサーバ側で実行されるゲーム処理のためのプログラムを少なくとも記憶する。
【0053】
サーバ1は、通信部13を備える。通信部13は、ネットワーク3に接続し、ネットワーク3を介して他の装置(例えば、情報処理装置2)と通信を行う機能を有する。また、サーバ1は、入出力インターフェースとして、入力部14および表示部15を備える。
【0054】
(情報処理装置2の構成の具体例)
図3は、情報処理装置2の構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、情報処理装置2は、処理部21および記憶部22を備える。処理部21は、情報処理装置2の各部22~25に電気的に接続される。処理部21は、CPU(換言すれば、プロセッサ)およびメモリを有する。情報処理装置2においては、CPUがメモリを用いて、記憶部22に記憶されたプログラム(より具体的には、ゲームプログラム)を実行することによって各種の情報処理が実行される。記憶部22は、処理部21において実行されるプログラム、処理部21による情報処理に用いられるデータ、および、当該情報処理によって得られたデータ等を記憶する。記憶部22は、情報処理装置2の本体装置(具体的には、処理部21が設けられる装置)に内蔵される記憶媒体であってもよいし、本体装置に対して着脱可能な記憶媒体(例えば、カード記憶媒体)であってもよい。
【0055】
情報処理装置2は、入力部23を備える。入力部23は、ユーザによる入力を受け付ける任意の入力装置であってよい。本実施形態において、入力部23は、後述する表示部24の画面に設けられるタッチパネルを備える。なお、入力部23は、タッチパネルに加えて(または代えて)、ボタン、および/または、慣性センサ(例えば、加速度センサやジャイロセンサ)等を含んでいてもよい。入力部23は、情報処理装置2の本体装置に設けられる入力装置であってもよいし、本体装置とは別体の入力装置(例えば、ゲームコントローラ)であってもよい。
【0056】
情報処理装置2は、表示部24を備える。表示部24は、情報処理装置2の処理部21において実行される情報処理によって生成された画像(例えば、ゲーム画像等)を表示する。表示部24は、情報処理装置2の本体装置に設けられる表示装置であってもよいし、本体装置とは別体の表示装置であってもよい。なお、情報処理装置2は、スピーカ、マイク、および/または、カメラ等を備えていてもよい。
【0057】
情報処理装置2は、通信部25を備える。本実施形態において、通信部25は、モバイル通信網(換言すれば、携帯電話通信網)に接続して通信を行う機能を有する。すなわち、情報処理装置2(具体的には、処理部21)は、通信部25を用いて(換言すれば、通信部25を介して)モバイル通信網を介してネットワーク3に接続し、他の装置(例えば、サーバ1等)と通信を行う。なお、情報処理装置2がネットワーク3を介した通信を行うための通信部の構成は任意である。例えば、通信部25は、Wi-Fiの認証を受けた通信モジュールによって無線LANに接続する機能を有していてもよいし、モバイル通信網に接続する機能と、無線LANに接続する機能との両方を有していてもよい。
【0058】
[2.情報処理システムにおける処理の概要]
以下、本実施形態における情報処理システムにおいて実行される処理の概要について説明する。本実施形態においては、情報処理システムにおいて、抽選によってゲームキャラクタ(以下、単に「キャラクタ」と記載する)のゲームオブジェクトがユーザ(換言すれば、ゲームのプレイヤ)に付与され、付与されたキャラクタのゲームオブジェクトを用いたゲームが実行される。本実施形態においては、キャラクタをユニット(換言すれば、駒)として敵ユニットと戦わせるシミュレーションゲームが行われる。ただし、キャラクタのゲームオブジェクトを用いたゲームの種類は任意であり、パズルゲームやロールプレイングゲームであってもよい。また、キャラクタは、例えばゲームに登場する人物であるが、ゲームの設定において個性を有する物であれば人物に限らない。例えば、キャラクタは、動物、武器、または、アイテム等であってもよい。
【0059】
[2-1.付与されるキャラクタとゲームの概要]
まず、情報処理システムにおけるキャラクタについて説明する。
図4は、抽選の対象となるキャラクタに関する処理の概要を示す図である。
図4に示すように、本実施形態においては、複数のキャラクタ(
図4に示す例では、キャラクタA~G等)が抽選の対象となる。本実施形態においては、1回の抽選において1つのキャラクタが選出され、選出されたキャラクタに関するゲームオブジェクト(すなわち、後述するユニット)がユーザに付与される(
図4参照)。なお、他の実施形態においては、1回の抽選において複数のキャラクタが選出され、選出された複数のキャラクタの各ゲームオブジェクトがユーザに付与されてもよい。
【0060】
なお、本実施形態において、抽選は、ゲームにおいて利用可能な抽選アイテム(例えば、宝石)と引き替えに行うことができる。すなわち、ゲーム内においてユーザは当該抽選アイテムを所有することができ、ユーザは、この抽選アイテムを所定個数だけ消費することによって抽選を行うことができる。なお、ユーザは、現実のお金によって抽選アイテムを購入することが可能であってもよい。また、他の実施形態においては、抽選は、抽選アイテム無しで実行することができるものであってもよい。
【0061】
本実施形態において、抽選によって付与されるゲームオブジェクトは、ゲームにおいて用いられるユニット(より具体的には、当該ユニットを表すデータ)である。そのため、以下では、抽選によって付与されるゲームオブジェクトのデータをユニットデータと呼ぶ。ユニットデータは、キャラクタに関するパラメータであって、ゲームに用いられるパラメータ(例えば、体力、攻撃力、および守備力等)を示すデータを含む。情報処理装置2は、ユニットデータを用いることによって、ゲームにキャラクタを登場させることができる。
【0062】
なお、ゲームに用いることが可能なユニットは、抽選によって付与されるユニットに限らない。例えば、抽選によって付与されるユニット以外のユニット(例えば、初期状態でユーザが使用可能なユニット、または、一定の条件を満たすことでユーザに付与されるユニット)が、ゲームにおいて用いることが可能であってもよい。
【0063】
図4に示すように、抽選の対象となる複数のキャラクタのうちの一部のキャラクタ(
図4に示す例では、キャラクタA~D)は、イベントキャラクタである。イベントキャラクタとは、一定条件下で、当該イベントキャラクタが登場するイベント(より具体的には、後述する個別イベント)が実行されるキャラクタである。なお、本実施形態においては、イベントキャラクタの数は4つであるとするが、1つであってもよいし、2以上の任意の数であってもよい。
【0064】
イベントキャラクタには、親密度のパラメータが関連付けられる(
図4参照)。
図4に示すように、親密度は、イベントキャラクタ毎に設定される。親密度は、プレイヤ(換言すれば、ゲームの主人公)とイベントキャラクタとの親密さの度合いを示すパラメータである。本実施形態においては、親密度は数値であり、数値が高いほど親密であることを表す。なお、親密度を示すパラメータは、厳密な意味で数値を表すデータでなくてもよく、実質的に数値を表すデータであってもよい。例えば、親密度を示すパラメータは、親密度のレベルを表す「A」、「B」、または、「C」を示すデータであってもよい。
【0065】
親密度のパラメータは、上記ユニットデータが示すパラメータとは異なり、ユニットがユーザに付与されているか否かに関わらず設定される。つまり、ユーザがイベントキャラクタのユニットを保有していない場合、ユニットデータのパラメータは設定されないが、この場合にも当該イベントキャラクタの親密度は設定される。
【0066】
詳細は後述するが、本実施形態においては、ユーザは、イベントキャラクタの親密度を、ゲームをプレイすることによって増加させる(
図4参照)。そして、イベントキャラクタの親密度が増加することによって、当該イベントキャラクタに関するイベントが実行される(
図4参照)。本実施形態においては、ユーザは、ゲームをプレイすることによってイベントを実行させることを1つの目的とする。
【0067】
[2-2.親密度の増加]
次に、イベントキャラクタに設定される親密度を増加する処理について説明する。本実施形態においては、親密度は、ユニットを用いて行われるゲームの実行結果に応じて増加する(
図4参照)。すなわち、ユーザは、ユニットを用いてゲームを行うことによって、親密度を増加させることができる。
【0068】
なお、以下では、親密度を増加させることができるゲームを「親密度増加ゲーム」と呼ぶ。本実施形態において、上記ゲームアプリケーションによって行われるゲームは親密度増加ゲームに限らず、ユニットを用いる他の種類のゲームが可能であってもよい。
【0069】
本実施形態においては、ユーザが親密度増加ゲームをクリアした場合には、親密度が増加される。具体的には、上記の場合、複数のイベントキャラクタのうち1つのイベントキャラクタの親密度が、予め定められた範囲内で増加する。本実施形態においては、親密度の増加量は、上記範囲内で、確率に基づいてランダム性を有するように決定される。ここで、「ランダム性を有するように決定する」とは、厳密な意味でランダムに決定することのみを意味するのではなく、確率に基づいて、複数回の試行に対して毎回同じ選出結果とはならないように決定することを意味する。
【0070】
上記のように、本実施形態においては、親密度増加ゲームがクリアされたか否かに基づいて親密度が更新される。ここで、親密度の更新に用いられるゲームの実行結果は、ゲームがクリアされたか否かに限らず、任意の実行結果(例えば、ゲーム内容、および/または、ゲームの評価結果)であってよい。例えば、他の実施形態においては、親密度増加ゲームにおいて倒された敵キャラクタの数に応じて親密度が増加してもよいし、親密度増加ゲームをクリアするのに要した時間に応じて親密度が増加してもよい。
【0071】
また、親密度は、親密度増加ゲームの結果に基づいて更新されることに加え、当該結果に関する条件とは異なる他の条件が満たされたことに応じて更新されてもよい。例えば、他の実施形態においては、ユーザがゲームアプリケーションにログインしたことに応じて親密度が更新されてもよいし、親密度増加ゲームとは異なる場面で所定のアイテムが使用されたことに応じて親密度が更新されてもよい。
【0072】
以上のように、本実施形態においては、ユーザは、親密度増加ゲームを行うことによってイベントキャラクタの親密度を増加させることができる。詳細は後述するが、親密度増加ゲームによって親密度が増加されることによって一定条件が満たされた場合、ユーザは、イベントキャラクタに関するイベントを見ることができる。このように、本実施形態においては、情報処理システムは、ユーザが抽選によって取得可能なキャラクタを、ユーザがゲームを行うことを通じて紹介することができる。
【0073】
また、本実施形態においては、親密度増加ゲームがクリアされた場合、情報処理システムは、複数のイベントキャラクタから1つを選択し、選択されたイベントキャラクタに関連する親密度を更新する。具体的には、親密度が増加されるイベントキャラクタ(以下、「増加対象キャラクタ」と呼ぶ)は、複数のイベントキャラクタのうちから、所定の確率に基づいて選択される。ここで、上記のように、本実施形態においては、親密度増加ゲームによって親密度が増加されることによって一定条件が満たされた場合、イベントキャラクタに関するイベントが実行される。本実施形態においては、1回の親密度増加ゲームによって1種類の親密度のみが増加するので、複数のイベントが同時に実行可能となることを防止することができる。
【0074】
なお、他の実施形態においては、増加対象キャラクタは、ランダム性を有するように決定されなくてもよく、所定の決定アルゴリズムに基づいて決定されてもよい。例えば、増加対象キャラクタは、親密度に基づいて決定(例えば、現在の親密度が最も小さいイベントキャラクタに決定する等)されてもよいし、実時間に基づいて決定(例えば、10時から12時の期間は、イベントキャラクタAに決定する等)されてもよい。また、他の実施形態においては、1回の親密度増加ゲームによって、複数のイベントキャラクタが増加対象キャラクタとして選出されてもよい。
【0075】
上記のように、本実施形態においては、増加対象キャラクタは、ランダム性を有するように選択されるが、親密度が上限値に達しているイベントキャラクタについては増加対象キャラクタとして選択されないものとする。すなわち、情報処理システムは、複数の所定のゲームキャラクタのうちで、親密度が制限条件を満たす(具体的には、親密度が上限値に達している)イベントキャラクタ以外のイベントキャラクタから1つを選択し、選択されたイベントキャラクタに関連する親密度を更新する。これによれば、親密度増加ゲームをクリアしたにもかかわらず、どのイベントキャラクタの親密度も増加しないことを防止することができる。なお、親密度の上限値は、予め定められた任意の値であってよい。本実施形態においては、親密度の上限値は、後述する報酬処理が実行されるために必要となる親密度の最大値(後述する
図5に示す例では、2000)であるとする。
【0076】
なお、本実施形態においては、親密度を増加させるルール(例えば、増加量に関するルール)は、実時間の経過に応じて変化する。親密度を増加させるルールの詳細については、後述する。
【0077】
[2-3.親密度の増加に応じたイベントの実行]
本実施形態においては、上記親密度が増加して条件を満たした場合、ゲーム上の報酬をユーザに付与する報酬処理が実行される。本実施形態においては、イベントキャラクタに関するイベントを実行する処理は、上記報酬処理の1つとして行われる。つまり、親密度増加ゲームのプレイによって親密度が増加すると、一定条件下で、イベントキャラクタに関するイベントが発生する(
図4参照)。なお、本明細書においては、1つのイベントキャラクタに対応する親密度が条件を満たした場合に実行されるイベントを、後述する共通イベントと区別して、「個別イベント」と呼ぶ。
【0078】
図5は、親密度の増加に応じて実行される報酬処理の一例を示す図である。
図5に示すように、本実施形態においては、親密度が所定値に達したことを条件に、報酬処理として、個別イベントを実行する処理が実行される。
図5に示す例においては、親密度が10に達したことを条件に、第1個別イベントが実行される。同様に、親密度がそれぞれ200,500,1500に達したことを条件に、第2個別イベント、第3個別イベント、第4個別イベントがそれぞれ実行される。なお、報酬処理は、親密度に関連するイベントキャラクタのユニットをユーザが保有しているか否かに関わらず実行される。
【0079】
本明細書においては、親密度に関する条件であって、個別イベントを実行するための条件を、「イベント実行条件」と呼ぶ。イベント実行条件は、親密度に関する条件を含む任意の条件でよい。例えば、他の実施形態においては、イベント実行条件は、親密度に関する条件に加えて、他の条件(例えば、プレイヤレベルが所定レベル以上であること等)を含んでいてもよい。
【0080】
図6は、個別イベントの実行時に表示されるイベント画像の一例を示す図である。本実施形態においては、個別イベントが実行される際、例えば
図6に示すようなイベント画像が情報処理装置2の表示部24に表示される。本実施形態においては、イベントキャラクタに関する個別イベントは、当該イベントキャラクタが登場して会話を行うイベントである。すなわち、イベント画像は、イベントキャラクタの画像31と、当該イベントキャラクタが話すセリフの画像32とを含む(
図6参照)。
【0081】
上記のように、本実施形態においては、情報処理システムは、個別イベントとして、イベント実行条件を満たす親密度に関連するイベントキャラクタが登場する会話イベントを実行する。これによって、情報処理システムは、イベントキャラクタの個性やイベントキャラクタにまつわるストーリーをユーザに紹介することができ、イベントキャラクタに対するユーザの関心を強くすることができる。
【0082】
なお、他の実施形態においては、イベント(個別イベントまたは後述する共通イベント)は、イベントキャラクタが登場する任意の形式のゲームイベントであってよい。ここで、「イベントキャラクタが登場する」とは、イベントキャラクタの画像、名前、または、音声等、当該イベントキャラクタを示す情報が出力されることを意味する。例えば、イベントは、イベントキャラクタが登場する動画が再生されるものであってもよいし、所定のゲームをユーザにプレイさせるものであってもよいし、イベントキャラクタのCGモデルをユーザが閲覧することができるものであってもよい。
【0083】
本実施形態においては、親密度増加ゲームによって親密度がイベント実行条件を満たした場合、当該親密度増加ゲームの終了後に自動的に(すなわち、イベントを開始する指示をユーザが行わなくても)個別イベントが開始される(
図14に示すステップS18)。ただし、個別イベントが開始されるタイミングは、親密度がイベント実行条件を満たした後の任意のタイミングであってよい。例えば、他の実施形態においては、親密度がイベント実行条件を満たした後、ユーザが所定の指示を行ったことに応じて個別イベントが実行されてもよい。
【0084】
上記のように、本実施形態においては、親密度がイベント実行条件を満たす場合、情報処理システムは、親密度に関連するイベントキャラクタに関連するユニットをユーザが保有しているか否かに関わらず、当該イベントキャラクタが登場する個別イベントを実行する。これによれば、情報処理システムは、ユーザがユニットを保有していないキャラクタについても、当該キャラクタに関するイベントをユーザに体験させることができる。これによって、イベントキャラクタに対する関心をユーザに持たせることができる。したがって、本実施形態によれば、イベントキャラクタのユニットがユーザに付与された場合には、当該イベントキャラクタのユニットを用いてゲームを行う動機付けをユーザに与えることができ、いろいろなキャラクタを用いてユーザにゲームを行わせることができる。また、本実施形態によれば、イベントキャラクタに対する関心を持たせることによって、当該イベントキャラクタに関する抽選に対しても関心を持たせることができ、その結果、抽選の興趣性を向上することができる。
【0085】
また、本実施形態においては、1つのイベントキャラクタについて複数の個別イベント(
図5では、第1~第4個別イベント)が設定される。そして、当該イベントキャラクタの親密度の増加に応じて、イベント実行条件が順に満たされ、個別イベントが順に実行される。このように、情報処理システムは、イベント実行条件を満たした親密度のパラメータが追加のイベント実行条件をさらに満たす場合(具体的には、イベント実行条件が満たされた後に更新された親密度が追加のイベント実行条件を満たす場合)、親密度に関連するイベントキャラクタに関連するユニットをユーザが保有しているか否かに関わらず、当該イベントキャラクタが登場する追加の個別イベント(すなわち、第2~第4個別イベント)を実行する。このように、1つのイベントキャラクタについて複数回の個別イベントを実行可能とすることによって、親密度を増加させる楽しみを向上することができるとともに、イベントキャラクタに対する関心をユーザにより強くすることができる。
【0086】
なお、他の実施形態においては、1つのイベントキャラクタについて用意される個別イベントの数は任意であり、1つであってもよいし、2以上の任意の数であってもよい。また、用意される個別イベントの数は、各イベントキャラクタによって異なっていてもよい。
【0087】
(親密度の増加に応じたアイテムの付与)
図5に示すように、本実施形態においては、親密度が所定値以上となった場合、報酬処理として、アイテムを付与する処理が実行される。
図5に示す例においては、親密度が100となったことを条件に、アイテムAがユーザに付与され、親密度が2000となったことを条件に、アイテムBがユーザに付与される。なお、本明細書においては、親密度に関する条件であって、アイテムが付与されるための条件を、「アイテム条件」と呼ぶ。本実施形態においては、アイテムAおよびアイテムBは、イベントキャラクタに関連するアイテム(例えば、当該イベントキャラクタが装備しているアイテム、または、所持しているアイテム)である。なお、親密度がアイテム条件を満たした場合に付与されるアイテムは、当該親密度に関連するイベントキャラクタに応じて異なっていてもよい。
【0088】
上記のように、本実施形態においては、親密度がアイテム条件を満たす場合、情報処理システムは、当該親密度に関連するイベントキャラクタに関連するアイテムをユーザに付与する。これによれば、イベントキャラクタが登場するイベントの実行に加えて、当該イベントキャラクタに関するアイテムを付与することによって、当該イベントキャラクタに対するユーザの関心をより強くすることができる。また、親密度を増加させる動機付け(換言すれば、親密度増加ゲームをプレイする動機付け)をユーザに与えることができる。
【0089】
なお、他の実施形態においては、親密度が条件を満たしたことに応じて実行される報酬処理は、上記個別イベントを実行する処理およびアイテムを付与する処理以外の任意の処理であってもよい。例えば、報酬処理は、上記キャラクタの抽選を行うために用いられる上記抽選アイテム(例えば、宝石)をユーザに付与する処理であってもよいし、ゲーム内における通貨をユーザに付与する処理であってもよい。
【0090】
なお、本実施形態においては、複数の各イベントキャラクタについて、親密度に応じた報酬処理が設定される。本実施形態においては、報酬処理が実行される条件(すなわち、イベント実行条件またはアイテム条件)は、各イベントキャラクタについて同じである。ただし、他の実施形態においては、報酬処理が実行される条件は、各イベントキャラクタについて異なっていてもよい。また、
図5に示す、報酬処理が実行される条件は一例であり、当該条件を満たす親密度の数値は任意である。例えば、他の実施形態においては、情報処理システムは、あるイベントキャラクタについては、親密度が比較的少ない値(例えば、200)であっても最後の個別イベントまで実行されるようなイベント実行条件を設定し、別のイベントキャラクタについては、親密度が比較的多い値(例えば、5000)に達しなければ最後の個別イベントが実行されないようにイベント実行条件を設定してもよい。
【0091】
[2-4.共通イベント]
次に、共通イベントについて説明する。上述のように、本実施形態においては、イベントキャラクタ毎に個別イベントが設定され、親密度の増加に応じて複数の個別イベントが順に実行される。なお、上述のように、複数のイベントキャラクタのうちで増加対象キャラクタとなるイベントキャラクタは、ランダム性を有するように決定される。そのため、個別イベントの進み具合(すなわち、4つの個別イベントのうちで実行された個別イベントの数)は、イベントキャラクタによって異なる。本実施形態においては、情報処理システムは、複数のイベントキャラクタに関する各個別イベントの進み具合に応じて、共通イベントを実行可能とする。換言すれば、複数のイベントキャラクタに関する各個別イベントの実行状況(具体的には、個別イベントが実行可能となっているか否か)に応じて、共通イベントが実行可能となる。
【0092】
共通イベントは、複数のイベントキャラクタが登場するイベントであり、具体的には、当該複数のイベントキャラクタが会話を行うイベントである。共通イベントにおいては、個別イベントと同様、イベントキャラクタの画像と、当該イベントキャラクタが話すセリフの画像とを含むイベント画像が表示部24に表示される。なお、個別イベントは、イベントキャラクタの個別のエピソードを紹介するものであるのに対して、共通イベントは、ゲーム全体のストーリーを進めるものであってもよい。
【0093】
図7は、個別イベントと共通イベントとの関係の一例を示す図である。
図7に示すように、本実施形態においては、4つの各イベントキャラクタA~Dについて第1個別イベント(すなわち、1つ目に実行される個別イベント)がそれぞれ実行されたことを条件に、第1共通イベントが実行される。また、各イベントキャラクタA~Dについて第2個別イベント(すなわち、2つ目に実行される個別イベント)がそれぞれ実行されたことを条件に、第2共通イベントが実行され、各イベントキャラクタA~Dについて第3個別イベント(すなわち、3つ目に実行される個別イベント)がそれぞれ実行されたことを条件に、第3共通イベントが実行される。
【0094】
なお、本実施形態においては、共通イベントを実行するための条件を、「共通実行条件」と呼ぶ。共通実行条件は、複数のイベントキャラクタに関する個別イベントの実行状況に関する条件であり、換言すれば、複数のイベントキャラクタの各親密度に関する条件とも言える。共通実行条件は、複数のイベントキャラクタの各親密度に関する条件を含む任意の条件でよい。例えば、他の実施形態においては、共通実行条件は、上記各親密度に関する条件に加えて、他の条件(例えば、プレイヤレベルが所定レベル以上であること等)を含んでいてもよい。
【0095】
本実施形態においては、用意される共通イベントは3つであり、各イベントキャラクタについて第4個別イベント(すなわち、4つ目に実行される個別イベント)が実行されたことを条件に実行される共通イベントは設定されない。なお、他の実施形態においては、共通イベントの数は任意であり、個別イベントに対応する数の共通イベントが用意されてもよい。
【0096】
上記のように、本実施形態においては、情報処理システムは、複数のイベントキャラクタにそれぞれ関連する各親密度を親密度増加ゲームの実行結果に基づいて更新する。そして、情報処理システムは、複数のイベントキャラクタのそれぞれに関連する各親密度が共通実行条件を満たす場合、当該複数のイベントキャラクタに関連する各ユニットをユーザが保有しているか否かに関わらず、当該複数のイベントキャラクタが登場する共通イベントを実行する。このように、本実施形態によれば、共通イベントの実行によって、イベントキャラクタに対するユーザの関心を強くすることができる。また、親密度を増加させる動機付けをユーザに与えることができる。
【0097】
なお、他の実施形態においては、共通実行条件は、設定されている全てのイベントキャラクタ(本実施形態においては4つのイベントキャラクタ)に関する条件ではなく、設定されている各イベントキャラクタのうちの少なくとも2以上のイベントキャラクタに関する条件であってもよい。例えば、共通実行条件は、「イベントキャラクタAの親密度とイベントキャラクタBの親密度とが共に100以上となったこと」であってもよい。なお、この共通実行条件が満たされたことに応じて実行される共通イベントは、当該共通実行条件に関するイベントキャラクタ(すなわち、イベントキャラクタAおよびB)が登場するイベントであってもよい。
【0098】
また、本実施形態においては、複数の共通イベント(
図7では、第1~第3共通イベント)が設定される。そして、各イベントキャラクタの親密度の増加に応じて、共通実行条件が順に満たされ、共通イベントが順に実行される。このように、情報処理システムは、イベント実行条件を満たした各親密度のパラメータが追加の共通イベント実行条件をさらに満たす場合(具体的には、共通実行条件が満たされた後に更新された各親密度が追加の共通実行条件を満たす場合)、当該各親密度に関連する複数のイベントキャラクタに関連する各ユニットをユーザが保有しているか否かに関わらず、当該複数のイベントキャラクタが登場する追加共通イベント(すなわち、第2および第3共通イベント)を実行する。このように、複数回の共通イベントを実行可能とすることによって、親密度を増加させる楽しみを向上することができるとともに、各イベントキャラクタに対するユーザの関心をより強くすることができる。
【0099】
[2-5.イベントの実行可能期間]
本実施形態においては、上記イベント(個別イベントおよび共通イベント)を実行することが可能な期間(イベント実行可能期間と呼ぶ)は、実時間におけるある期間に設定される。以下、
図8を参照して、イベント実行可能期間の設定方法について説明する。
【0100】
図8は、イベント実行可能期間と、抽選を行うことが可能な期間との関係の一例を示す図である。本実施形態においては、キャラクタの抽選が可能な期間のうちで、高確率期間が設定される(
図8参照)。高確率期間は、抽選によってイベントキャラクタが選出される確率が、通常の期間(すなわち、高確率期間外の期間)よりも高く設定される期間である。例えば、イベントキャラクタが選出される確率は、通常の期間においては3%であるのに対して、高確率期間においては10%に設定される。なお、イベントキャラクタは、高確率期間外の期間においては選出されなくてもよい。
【0101】
また、情報処理システムは、複数種類の抽選を用意してもよい。例えば、情報処理システムは、第1の抽選と第2の抽選とを用意し、ユーザが第1の抽選と第2の抽選とのいずれかを選択して抽選を行うことができるようにしてもよい。なお、第1の抽選は、イベントキャラクタが選出される確率が第2の抽選における当該確率よりも高い抽選であるとする。このとき、第1の抽選を行うことが可能な期間は、上記高確率期間に該当する。
【0102】
図8に示すように、イベント実行可能期間は、上記高確率期間に含まれるように設定される。すなわち、イベント実行可能期間の開始時点は、高確率期間の開始時点t1より後に設定され、イベント実行可能期間の終了時点は、高確率期間の終了時点t2より前に設定される。換言すれば、上記高確率期間は、イベント実行可能期間を含むように設定される。なお、他の実施形態においては、イベント実行可能期間の開始時点は、高確率期間の開始時点と一致してもよいし、イベント実行可能期間の終了時点は、高確率期間の終了時点と一致してもよい。また、本実施形態においては、情報処理システムは、イベント実行可能期間において、上記親密度増加ゲームを実行可能とする。したがって、イベント実行可能期間は、親密度増加ゲームを実行することが可能な期間であると言うことができる。
【0103】
上記のように、情報処理システムは、イベントを実行可能な期間を含む第1期間(すなわち、高確率期間)において、イベントキャラクタに関連するユニットが抽選によって選出される確率を、当該第1期間外における当該確率とは異なる値(より具体的には、当該確率よりも高い値)に設定する。これによれば、ユーザは、イベントによってイベントキャラクタに関心を持った時に、抽選によって当該イベントキャラクタのユニットを取得しやすくなる。本実施形態によれば、ユーザにとっては、関心を持ったキャラクタのユニットを取得しやすくなるので、抽選の利便性を向上することができる。
【0104】
[2-6.増加ルールの詳細]
本実施形態においては、情報処理システムは、親密度に関する増加ルールを、実時間の経過に応じて変化させる。例えば、情報処理システムは、親密度を増加させやすい期間を設定することによって、親密度増加ゲームをプレイする動機付けをユーザに与える。以下、増加ルールの詳細について説明する。
【0105】
(実時間に応じた増加ルールの変更)
本実施形態においては、情報処理システムは、実時間に応じた増加ルールの変更として、親密度の増加量の変更と、増加対象キャラクタとして選出される選出確率の変更とを行う。具体的には、情報処理システムは、親密度の増加量を通常の期間よりも所定数倍に上昇させる増加量上昇期間を設定する。すなわち、通常の期間においては、親密度増加ゲームがクリアされた場合には所定範囲内で親密度が増加するのに対して、増加量上昇期間においては、当該所定範囲内で算出された増加量を所定数倍した量だけ親密度が増加する。
【0106】
また、情報処理システムは、1つのイベントキャラクタの選出確率(具体的には、増加対象キャラクタとして選出される確率)を他のイベントキャラクタの選出確率よりも高く設定する確率上昇期間を設定する。すなわち、通常の期間においては、各イベントキャラクタの選出確率は等しく設定される(本実施形態においては、イベントキャラクタは4つなのでそれぞれ25%に設定される)。これに対して、確率上昇期間においては、1つのイベントキャラクタの選出確率が他のイベントキャラクタの選出確率よりも高く(例えば、50%に)設定される。なお、確率上昇期間において選出確率が高く設定されるイベントキャラクタは、1つでなくてもよく、2つ以上であってもよい。
【0107】
図9は、増加量上昇期間および確率上昇期間の設定の一例を示す図である。
図9に示す例においては、増加量上昇期間として、増加量が2倍となる期間(時点t3から時点t4の期間)、および、増加量が2.5倍となる期間(時点t5から時点t6の期間)が設定される。なお、
図9に示すように、増加量が1倍となる通常の期間(時点t4から時点t5の期間)も設定される。
【0108】
また、
図9に示す例においては、確率上昇期間として、イベントキャラクタAの選出確率が高く設定される期間(時点t3から時点t4の期間)、および、イベントキャラクタBの選出確率が高く設定される期間(時点t5から時点t6の期間)が設定される。なお、
図9に示すように、各イベントキャラクタの選出確率が等しく設定される通常の期間(時点t4から時点t5の期間)も設定される。なお、情報処理システムは、イベント実行可能期間の全体にわたって見れば各イベントキャラクタについて選出確率が実質的に等しくなるように、各イベントキャラクタについての確率上昇期間を同じ頻度で設定するようにしてもよい。
【0109】
他の実施形態においては、情報処理システムは、ユーザがあるイベントキャラクタを保有している場合には、当該イベントキャラクタを保有していない場合と比べて、当該イベントキャラクタの選出確率を高くするように設定変更してもよい。また、情報処理システムは、ユーザが保有しているイベントキャラクタの選出確率を、ユーザが保有していないイベントキャラクタの選出確率と比べて高くするように設定変更してもよい。上記によれば、イベントキャラクタに対するユーザの関心を強くすることができる。なお、上記の設定変更は、上記確率上昇期間とは独立して行われてもよい。
【0110】
また、他の実施形態においては、情報処理システムは、ユーザがあるイベントキャラクタを保有していない場合には、当該イベントキャラクタを保有している場合と比べて、当該イベントキャラクタの選出確率を高くするように設定変更してもよい。また、情報処理システムは、ユーザが保有していないイベントキャラクタの選出確率を、ユーザが保有しているイベントキャラクタの選出確率と比べて高くするように設定変更してもよい。上記によれば、ユーザが保有していないイベントキャラクタについてイベントが実行されやすくなるので、ユーザが保有していないイベントキャラクタについてユーザに関心を持たせやすくすることができる。
【0111】
図9に示すように、本実施形態においては、増加量上昇期間の開始時点と、確率上昇期間の開始時点とは一致しており、増加量上昇期間の終了時点と、確率上昇期間の終了時点とは一致している。つまり、本実施形態においては、情報処理システムは、親密度の増加量の変更と、増加対象キャラクタの選出確率の変更とを同じタイミングで変更する。ただし、他の実施形態においては、親密度の増加量の変更タイミングと、増加対象キャラクタの選出確率の変更タイミングとは、異なっていてもよい。
【0112】
なお、親密度増加ゲームの実行結果に応じた親密度の増加に対して適用される増加ルールを特定するタイミングは、任意のタイミングでよい。例えば、情報処理システムは、親密度増加ゲームが開始される時点における変更ルールに基づいて親密度の増加量を算出してもよいし、親密度増加ゲームのクリア時点における変更ルールに基づいて親密度の増加量を算出してもよい。
【0113】
また、本実施形態においては、情報処理システムは、増加量上昇期間と確率上昇期間とを別々に設定した。ここで、他の実施形態においては、情報処理システムは、親密度の増加量を上昇させる度合いと、増加対象キャラクタとして選出される確率を上昇させるイベントキャラクタとを組にした増加ルールを用意し、このような増加ルールを実時間の経過に応じて変更するようにしてもよい。
【0114】
上記のように、本実施形態においては、情報処理システムは、親密度の更新方法を、実時間に応じて変更する。具体的には、情報処理システムは、実時間における所定の第2期間(例えば、時点t3から時点t4の期間)において、当該第2期間とは異なる第3期間(例えば、時点t4から時点t5の期間)よりもイベント実行条件が満たされやすくなるように(具体的には、親密度の増加量が大きくなるように)親密度の更新方法を変更する。このように、更新ルールを実時間の経過に応じて変更することによって、親密度を増加させやすい期間を設定することができる。ユーザは、親密度を増加させやすい期間を確認するべく、ゲームアプリケーションを定期的に起動するので、本実施形態によれば、ゲームアプリケーションを定期的に起動してゲームをプレイする動機付けをユーザに与えることができる。
【0115】
また、本実施形態においては、情報処理システムは、実時間における所定の第4期間(例えば、時点t3から時点t4の期間)において、複数のイベントキャラクタのうち少なくとも1つのイベントキャラクタが選択される確率を、当該第4期間とは異なる第5期間(例えば、時点t4から時点t5の期間)における当該確率よりも高く設定する。これによれば、特定のイベントキャラクタの親密度を増加させたいユーザは、ゲームアプリケーションを定期的に起動することになるので、本実施形態によれば、ゲームアプリケーションを定期的に起動してゲームをプレイする動機付けをユーザに与えることができる。
【0116】
本実施形態においては、実時間に応じた増加ルールの変更は、親密度増加ゲームの開始前にユーザに通知される。
図10は、開始前画像の一例を示す図である。開始前画像は、上記親密度増加ゲームが開始される前に情報処理装置2の表示部24に表示されるゲーム画像である。なお、本実施形態におけるゲームアプリケーションにおいては、親密度増加ゲームを行うためのモードを含む複数のゲームモードが用意されている。上記開始前画像は、親密度増加ゲームを行うためのモードにおける初期画像であり、当該モードが開始されたことに応じて表示される。
【0117】
図10に示すように、開始前画像は、増加ルール通知欄42を含む。増加ルール通知欄42には、現在設定されている増加ルールの内容が表示される。
図10に示す例においては、「あと10分 増加量2倍!」という、親密度の増加量の変更を通知するメッセージと、「あと10分 キャラクタAの確率上昇!」という、増加対象キャラクタの選出確率の変更を通知するメッセージとが増加ルール通知欄42に表示される。このように、本実施形態においては、現在設定されている増加ルールの内容と、当該増加ルールの適用期間(具体的には、当該増加ルールが適用終了となるまでの残り時間)とが表示される。これによって、ユーザは、現在の増加ルールを知ることができるとともに、当該増加ルールの適用期間を知ることができる。
【0118】
(アイテムに応じた増加ルールの変更)
本実施形態においては、親密度増加ゲームに参加するユニット(すなわち、ユニットデータが親密度増加ゲームに用いられるユニット。以下、参加ユニットと呼ぶ)には、アイテムを装備させることができる。ここで、情報処理システムは、参加ユニットが所定のアイテム(ボーナスアイテムと呼ぶ)を装備しているか否かによって、増加ルールを異ならせる。具体的には、親密度増加ゲームの参加ユニットがボーナスアイテムを装備している場合、当該参加ユニットが当該ボーナスアイテムを装備していない場合に比べて、当該親密度増加ゲームによる親密度の増加量は、所定の割合(例えば、25%)だけ上昇する。なお、情報処理システムは、ボーナスアイテムを装備している参加ユニットの数に応じて、親密度の増加量を上昇させてもよい。
【0119】
なお、増加ルールを変更するための上記ボーナスアイテムは、任意の方法で決定されてよい。本実施形態においては、親密度の増加に応じてユーザに付与されるアイテム(例えば、
図5に示すアイテムA)が、ボーナスアイテムとして設定される。このように、親密度を増加させることによって付与されるアイテムによって、増加ルールを変更できるようにすることで、親密度を増加させる(つまり、親密度増加ゲームをプレイさせる)動機付けをユーザに与えることができる。
【0120】
また、情報処理システムは、イベントキャラクタを変更してイベント実行可能期間を繰り返し設定してもよい。このとき、前回のイベント実行可能期間において親密度の増加に応じてユーザに付与されるアイテムが、今回のイベント実行可能期間における増加ルールを変更するためのボーナスアイテムとして設定されてもよい。これによって、ユーザは、イベント実行可能期間の最初からボーナスアイテムを用いて増加ルールを変更することができるようになる。また、上記によれば、複数回のイベント実行可能期間にわたって継続して親密度増加ゲームをプレイさせる動機付けをユーザに与えることができる。
【0121】
本実施形態においては、上記ボーナスアイテムは、親密度増加ゲームの開始前にユーザに通知される。すなわち、
図10に示すように、上記開始前画像は、ボーナスアイテム欄44を含む。ボーナスアイテム欄44は、現在ボーナスアイテムとして設定されているアイテムを表す画像を含む。これによって、ユーザは、現在のボーナスアイテムを知ることができる。
【0122】
なお、
図10に示す開始前画像は、参加ユニット表示欄41と、イベントキャラクタ表示欄43とを含む。参加ユニット表示欄41は、上記参加ユニット(すなわち、親密度増加ゲームにおいて用いられるユニット)を表す画像を含む。なお、
図10に示すように、本実施形態においては、1回の親密度増加ゲームにおける参加ユニットは1つから4つの範囲で、ユーザによって指定される。また、ユーザは、参加ユニットを変更可能であり、参加ユニット表示欄41には、参加ユニットとして現時点で選択されている各ユニットを表す画像が表示される。なお、他の実施形態においては、参加ユニットの数および決定方法は任意である。
【0123】
イベントキャラクタ表示欄43は、イベントキャラクタに現在設定されているキャラクタ(
図10においては4つのキャラクタ)を表す画像が表示される。上記のように、本実施形態においては、イベントキャラクタは、実時間の経過に応じて変更される(
図8参照)。そのため、情報処理装置2は、イベントキャラクタ表示欄43によって、現在のイベントキャラクタをユーザにわかりやすく通知するようにしている。
【0124】
なお、開始前画像は、ステージ選択ボタン画像45を含む。ステージ選択ボタン画像45は、後述する難易度選択画像を表示する指示を行うための画像である。すなわち、ユーザがステージ選択ボタン画像45を指定する操作(例えば、タッチする操作)を行ったことに応じて、情報処理装置2は、難易度選択画像を表示部24に表示する。
【0125】
(難易度に応じた増加ルールの変更)
図11は、難易度選択画像の一例を示す図である。ここで、本実施形態においては、親密度増加ゲームとして、複数の難易度(具体的には、上級、中級、および初級という3種類の難易度)のゲームが用意される。難易度選択画像は、複数の難易度から1つを選択して親密度増加ゲームを開始する指示を行うためのゲーム画像である。なお、難易度選択画像は、上記参加ユニット表示欄41と、上記増加ルール通知欄42とを含む。
【0126】
図11に示すように、難易度選択画像は、上級ボタン画像47、中級ボタン画像48、および、初級ボタン画像49を含む。上級ボタン画像47は、難易度が上級の親密度増加ゲームを開始する指示を行うためのボタン画像である。中級ボタン画像48は、難易度が中級の親密度増加ゲームを開始する指示を行うためのボタン画像である。初級ボタン画像49は、難易度が初級の親密度増加ゲームを開始する指示を行うためのボタン画像である。これらのボタン画像を指定する操作に応じて、情報処理システムは、指定されたボタン画像に対応する難易度の親密度増加ゲームを開始する。
【0127】
ここで、情報処理システムは、親密度増加ゲームの難易度に応じて増加ルールを異ならせる。具体的には、本実施形態においては、難易度が上級の親密度増加ゲームがクリアされた場合には、親密度の増加量は24以上の範囲で決定され、難易度が中級の親密度増加ゲームがクリアされた場合には、親密度の増加量は22以上の範囲で決定され、難易度が初級の親密度増加ゲームがクリアされた場合には、親密度の増加量は20以上の範囲で決定される。このように、クリアされた親密度増加ゲームの難易度が高いほど親密度の増加量が多くなりやすいように、各増加ルールが設定される。
【0128】
なお、上記ボタン画像47~49は、当該ボタン画像に対応する難易度の親密度増加ゲームがクリアされた場合における親密度の増加量の範囲を示す(
図11参照)。これによって、ユーザは、各難易度の親密度増加ゲームによる親密度の増加量の範囲を知ることができる。
【0129】
本実施形態においては、親密度増加ゲームに出現する敵キャラクタの強さが難易度に応じて変化する。すなわち、親密度増加ゲームの難易度が高いほど、当該親密度増加ゲームには強い敵キャラクタが出現する。ここで、本実施形態においては、情報処理システムは、ユーザによって選択される難易度に加えて、ユーザのレベル(具体的には、参加ユニットのレベル)に基づいて、敵キャラクタの強さを決定する。例えば、難易度が初級の親密度増加ゲームにおいては、参加ユニットのレベルより低いレベルの敵キャラクタが出現し、難易度が中級の親密度増加ゲームにおいては、参加ユニットのレベルと同レベルの敵キャラクタが出現し、難易度が上級の親密度増加ゲームにおいては、参加ユニットのレベルより高いレベルの敵キャラクタが出現する。このように、ユーザのレベルを考慮して実際のゲームの難易度(ここでは、敵キャラクタの強さ)が決定されることによって、どのようなレベルのユーザでも難易度に応じたゲームをプレイすることができる。例えば、ゲームを始めたばかりのユーザにとっては難易度が初級のゲームでも難しくなったり、ゲームをやり込んだユーザにとっては難易度が上級のゲームでも簡単すぎたりする可能性も考えられる。これに対して、本実施形態においては、このような可能性を低減することができる。
【0130】
上記のように、本実施形態においては、情報処理システムは、複数段階の難易度から選択された難易度の親密度増加ゲームを実行し、実行された親密度増加ゲームの実行結果と、当該ゲームの難易度とに基づいて親密度を更新する。これによれば、ユーザは、自分に合った難易度のゲームをプレイすることができるので、親密度増加ゲームをプレイしやすくなる。
【0131】
他の実施形態においては、情報処理システムは、上述した情報(実時間、アイテム、および、難易度)に加えて(または代えて)、他の情報に基づいて増加ルール(換言すれば、親密度の更新方法)を変更してもよい。例えば、他の実施形態においては、情報処理システムは、実行された親密度増加ゲームにおいてイベントキャラクタに関連するユニットデータが用いられたか否かに応じて異なる方法で親密度を更新してもよい。具体的には、情報処理システムは、親密度増加ゲームにおいて、イベントキャラクタに関連するユニットデータが用いられた場合、当該ユニットデータが用いられない場合に比べて親密度の増加量を多くしてもよい。これによれば、ユーザは、イベントキャラクタに関連するユニットを取得することによって親密度を増加させやすくなるので、イベントキャラクタを取得する動機付けをユーザに与えることができ、イベントキャラクタに対するユーザの関心をより強くすることができる。
【0132】
[3.情報処理システムにおける処理の具体例]
次に、
図12~
図15を参照して、情報処理システムにおける情報処理の具体例について説明する。
【0133】
[3-1.情報処理に用いられるデータ]
図12は、情報処理システムにおける情報処理に用いられる各種データの一例を示す図である。
図12に示す各データは、例えばサーバ1の記憶部12に記憶される。
【0134】
図12に示すように、サーバ1は、ゲームアプリケーションのユーザに関するユーザデータを記憶する。ユーザデータは、ゲームアプリケーションのユーザ毎に生成されて記憶される。ユーザデータは、ユーザのゲーム状況を示すデータである。本実施形態においては、ユーザデータは、保有ユニットデータ、保有アイテムデータ、親密度データ、および、実行可能イベントデータを含む。
【0135】
保有ユニットデータは、ユーザが保有するユニットを示す。例えば、保有ユニットデータは、ユーザが保有する各ユニットの識別子をそれぞれ示す。また、保有アイテムデータは、ユーザが保有するアイテムを示す。例えば、保有アイテムデータは、ユーザが保有する各アイテムの識別子をそれぞれ示す。親密度データは、各イベントキャラクタ(本実施形態においては、4つのイベントキャラクタ)にそれぞれ設定される親密度を示す。実行可能イベントデータは、上記各イベントキャラクタに関する個別イベントおよび共通イベントについて、ユーザが実行可能であるか否か(すなわち、イベント実行条件または共通実行条件が満たされたか否か)を示す。なお、本実施形態においては、あるイベント実行可能期間が終了して新たなイベント実行可能期間が開始される場合、イベントキャラクタが変更されるので、各ユーザデータに含まれる親密度データおよび実行可能イベントデータの内容がリセットされる。ただし、他の実施形態においては、新たなイベント実行可能期間が開始される場合、各ユーザデータに含まれる親密度データおよび実行可能イベントデータの内容はリセットされずに保存されてもよい。このとき、新たなイベント実行可能期間に対応する親密度データおよび実行可能イベントデータが記憶部12に追加で記憶されてもよい。
【0136】
なお、
図12においては図示しないが、サーバ1は、ゲームに登場する各ユニットのユニットデータ、および、各アイテムのアイテムデータ(すなわち、アイテムのパラメータを示すデータ)を記憶する。
【0137】
図12に示すように、サーバ1は、高確率期間設定データ、および、増加ルール設定データを記憶する。高確率期間設定データは、上記高確率期間に関する設定内容を示し、換言すれば、抽選におけるイベントキャラクタの選択についての確率に関する設定内容を示す。本実施形態においては、高確率期間設定データは、上述の高確率期間が設定されているか否か、および、高確率期間が設定されている場合には、高確率期間に対応するイベントキャラクタを示すデータを含む。また、増加ルール設定データは、親密度の増加ルールに関する現在の設定内容を示す。本実施形態においては、増加ルール設定データは、下記のデータを含む。
・増加量上昇期間が設定されているか否か、および、増加量上昇期間が設定されている場合には、増加量を上昇させる度合い(具体的には、倍数)を示すデータ
・確率上昇期間が設定されているか否か、および、確率上昇期間が設定されている場合には、選出確率を上昇させるイベントキャラクタを示すデータ
・ボーナスアイテムを示すデータ
【0138】
なお、本実施形態においては、
図12に示すデータを情報処理装置2が利用する場合には、情報処理装置2は、適宜のタイミングでサーバ1から当該データを取得して利用するものとする。例えば、情報処理装置2は、ゲームにおいてユニットデータを用いる場合、当該ゲームを開始する前に当該ユニットデータをサーバ1から取得してもよい。ただし、他の実施形態においては、
図12に示すデータのうちの一部または全部のデータが情報処理装置2に記憶されてもよい。このとき、サーバ1と情報処理装置2との間で適宜のタイミングで通信が行われることによって、サーバ1に記憶されるデータと、情報処理装置2に記憶されるデータとの同期が取られる(換言すれば、データの内容が一致するように制御される)ようにしてもよい。また、他の実施形態においては、情報処理装置2に記憶されるデータについてはサーバ1において記憶されなくてもよい。
【0139】
[3-2.情報処理装置側における処理]
(抽選モード処理)
図13は、情報処理装置によって実行される抽選モード処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、
図13に示す抽選モード処理は、記憶部22に記憶されるゲームプログラムの起動後、抽選を行うモードである抽選モードを開始する指示がユーザによって行われたことに応じて開始される。
【0140】
なお、本実施形態では、サーバ1または情報処理装置2の処理部11または21のCPU(換言すればプロセッサ)が、記憶部12または22に記憶されているゲームプログラムを実行することによって、
図13~
図15に示す各ステップの処理を実行するものとして説明する。ただし、他の実施形態においては、上記各ステップの処理のうちの一部の処理を、CPUとは別のプロセッサ(例えば、専用回路等)が実行するようにしてもよい。また、情報処理装置2がサーバ1と通信可能である場合、
図13および
図14に示す各ステップの処理の一部は、サーバ1において実行されてもよい。また、
図15に示す各ステップの処理の一部は、情報処理装置2において実行されてもよい。また、
図13~
図15に示す各ステップの処理は、単なる一例に過ぎず、同様の結果が得られるのであれば、各ステップの処理順序を入れ替えてもよいし、各ステップの処理に加えて(または代えて)別の処理が実行されてもよい。
【0141】
また、情報処理装置2の処理部21は、
図13および
図14に示す各ステップの処理を、メモリ(または記憶部22)を用いて実行する。すなわち、処理部21のCPUは、各処理ステップによって得られるデータをメモリに記憶し、それ以降の処理ステップにおいて当該データを用いる場合には、メモリから当該データを読み出して利用する。同様に、サーバ1の処理部11は、
図15に示す各ステップの処理を、メモリ(または記憶部12)を用いて実行する。すなわち、処理部11のCPUは、各処理ステップによって得られるデータをメモリに記憶し、それ以降の処理ステップにおいて当該データを用いる場合には、メモリから当該データを読み出して利用する。
【0142】
図13に示す抽選モード処理においては、まずステップS1において、処理部21は、上述の高確率期間設定データを取得する。具体的には、処理部21は、高確率期間設定データを取得する要求を示す取得要求データを、通信部25を用いて(換言すれば、通信部25を介して)サーバ1へ送信する。サーバ1は、取得要求データを受信したことに応じて、サーバ1に記憶されている高確率期間設定データを情報処理装置2へ送信する(後述するステップS32)。処理部21は、通信部25を用いて高確率期間設定データを受信し、メモリに記憶する。ステップS1の次に、ステップS2の処理が実行される。
【0143】
ステップS2において、処理部21は、抽選の指示を受け付ける抽選画像を表示部24に表示する。抽選画像の具体的な内容は任意である。例えば、上述のように複数種類の抽選が用意される場合には、当該複数種類の抽選を示す画像が抽選画像として表示部24に表示されてもよい。ステップS2の次に、ステップS3の処理が実行される。
【0144】
ステップS3において、処理部21は、ユーザの指示に応じて、サーバ1に対して抽選要求を行う。具体的には、処理部21は、ユーザによって抽選の指示が行われたことに応じて、通信部25を用いて、抽選の要求を示す抽選要求データをサーバ1へ送信する。サーバ1は、上記の抽選要求データを受信したことに応じて抽選処理を行い、抽選によって選出されたキャラクタのユニットをユーザに付与する(後述するステップS34)。これによって、抽選によって選出されたキャラクタのユニットをユーザが取得したこととなる。ステップS3の次に、ステップS4の処理が実行される。
【0145】
ステップS4において、処理部21は、抽選結果をユーザに通知する。ここで、サーバ1は、抽選によってユニットをユーザに付与した場合、抽選結果(すなわち、付与されたユニット)を示す抽選結果データを情報処理装置2へ送信する。したがって、処理部21は、通信部25を用いて抽選結果を受信し、抽選結果を示す画像を表示部24に表示する。ステップS4の次に、ステップS2の処理が再度実行される。
【0146】
なお、
図13には図示しないが、抽選モード処理中において、処理部21は、抽選モードを終了する指示がユーザによって行われたことに応じて、抽選モード処理を終了する。処理部21は、上記指示があるまで、上記ステップS2~S4の一連の処理を繰り返し実行する。
【0147】
(ゲームモード処理)
図14は、情報処理装置によって実行されるゲームモード処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、
図14に示すゲームモード処理は、記憶部22に記憶されるゲームプログラムの起動後、上記親密度増加ゲームを行うゲームモードを開始する指示がユーザによって行われたことに応じて開始される。
【0148】
図14に示すゲームモード処理においては、まずステップS11において、処理部21は、上述の増加ルール設定データを取得する。具体的には、処理部21は、増加ルール設定データを取得する要求を示す取得要求データを、通信部25を用いてサーバ1へ送信する。サーバ1は、取得要求データを受信したことに応じて、サーバ1に記憶されている増加ルール設定データを情報処理装置2へ送信する(後述するステップS32)。処理部21は、通信部25を用いて増加ルール設定データを受信し、メモリに記憶する。ステップS11の次に、ステップS12の処理が実行される。
【0149】
ステップS12において、処理部21は、上述の開始前画像(
図10参照)を表示部24に表示する。すなわち、処理部21は、ステップS11で取得された増加ルール設定データに基づいて、開始前画像を生成する。具体的には、開始前画像に含まれる増加ルール通知欄42およびボーナスアイテム欄44の内容は、増加ルール設定データに基づいて決定される。なお、開始前画像が表示される状態において、処理部21は、参加ユニット、および/または、参加ユニットが装備するアイテムを、ユーザの指示に応じて変更するようにしてもよい。処理部21は、開始前画像に含まれるステージ選択ボタン画像45を指定する操作によって、難易度選択画像を表示する指示が行われたことに応じて、ステップS13の処理を実行する。
【0150】
ステップS13において、処理部21は、上述の難易度選択画像(
図11参照)を表示する。すなわち、処理部21は、ステップS11で取得された増加ルール設定データに基づいて、難易度選択画像を生成する。処理部21は、難易度選択画像に含まれる各ボタン画像47~49のいずれかを指定する操作によって、親密度増加ゲームを開始する指示が行われたことに応じて、ステップS14の処理を実行する。
【0151】
ステップS14において、処理部21は、上述の増加対象キャラクタを選出する。すなわち、処理部21は、上記“[2-2.親密度の増加]”および“[2-6.増加ルールの詳細]”で述べた方法に従って、各イベントキャラクタのうちから増加対象キャラクタを選出する。ステップS14の次に、ステップS15の処理が実行される。
【0152】
ステップS15において、処理部21は、上述の親密度増加ゲームのゲーム処理を実行する。このとき、処理部21は、参加ユニットのユニットデータを用いて上記ゲーム処理を実行する。処理部21は、親密度増加ゲームが終了すると、ステップS16の処理を実行する。
【0153】
ステップS16において、処理部21は、増加対象キャラクタの親密度を更新する。具体的には、処理部21は、上記“[2-2.親密度の増加]”および“[2-6.増加ルールの詳細]”で述べた方法に従って、親密度の増加量を算出する。すなわち、親密度の増加量は、親密度増加ゲームがクリアされたことに応じてランダム性を有するように決定された値を、増加ルールを考慮して上昇させた値となる。処理部21は、算出された増加量に基づいて更新後の親密度を算出する。さらに、処理部21は、更新後の親密度を示すデータを、メモリに記憶するとともに、通信部25を用いてサーバ1へ送信する。増加量を示すデータを受信したサーバ1は、当該データに基づいて親密度を増加させるように親密度データを更新する(後述するステップS36)。なお、親密度増加ゲームがクリアされなかった場合、処理部21は、上記ステップS16の処理において親密度の更新を行わない。ステップS16の次に、ステップS17の処理が実行される。
【0154】
ステップS17において、処理部21は、親密度がイベント実行条件を満たすか否かを判定する。ステップS17の判定結果が肯定である場合、ステップS18の処理が実行される。一方、ステップS17の判定結果が否定である場合、ステップS18の処理がスキップされてステップS19の処理が実行される。
【0155】
ステップS18において、処理部21は、イベント実行条件が満たされた個別イベントを実行する。ここで、本実施形態においては、イベント(個別イベントまたは共通イベント)を実行するためのデータ(例えば、イベントキャラクタの画像データ等)は予め情報処理装置2に記憶されており、情報処理装置2は、サーバ1から許可を得ることによってイベントを実行することが可能になるものとする。具体的には、処理部21は、イベント実行条件が満たされたイベントの実行許可を要求するイベント要求データを、通信部25を用いてサーバ1へ送信する。サーバ1は、イベント要求データを受信したことに応じて、イベント要求データに係る個別イベントの実行を許可することを示すイベント許可データを情報処理装置2へ送信する(後述するステップS38)。例えば、イベント許可データは、イベント実行の制限を解除する鍵データを含んでもよい。処理部21は、通信部25を用いてイベント許可データを受信し、当該イベント許可データを受信したことを条件に、個別イベントを実行する。ステップS18の次に、ステップS19の処理が実行される。
【0156】
ステップS19において、処理部21は、親密度がアイテム条件を満たすか否かを判定する。ステップS19の判定結果が肯定である場合、ステップS20の処理が実行される。一方、ステップS19の判定結果が否定である場合、ステップS20の処理がスキップされてステップS21の処理が実行される。
【0157】
ステップS20において、処理部21は、アイテムをユーザに付与する。具体的には、処理部21は、アイテム条件が満たされたアイテムの取得要求を示すアイテム要求データを、通信部25を用いてサーバ1へ送信する。サーバ1は、上記のアイテム要求データを受信したことに応じて、アイテム要求データに係るアイテムをユーザに付与する(後述するステップS40)。これによって、アイテム条件が満たされたアイテムをユーザが取得したこととなる。ステップS20の次に、ステップS21の処理が実行される。
【0158】
ステップS21において、処理部21は、上記“[2-4.共通イベント]”で述べた方法に従って、共通実行条件が満たされるか否かを判定する。ステップS21の判定結果が肯定である場合、ステップS22の処理が実行される。一方、ステップS21の判定結果が否定である場合、ステップS22の処理がスキップされてステップS11の処理が再度実行される。
【0159】
ステップS22において、処理部21は、共通実行条件が満たされた共通イベントを実行する。ステップS22における具体的な処理は、上記ステップS18の処理と同様である。すなわち、処理部21は、共通実行条件が満たされた共通イベントの実行許可を要求するイベント要求データを、通信部25を用いてサーバ1へ送信する。そして、処理部21は、サーバ1から送信されてくるイベント許可データを、通信部25を用いて受信し、当該イベント許可データを受信したことを条件に共通イベントを実行する。ステップS22の次に、ステップS11の処理が再度実行される。
【0160】
なお、本実施形態においては、イベントを実行するためのデータ(例えば、イベントキャラクタの画像データ等)は予め情報処理装置2に記憶されているものとしたが、他の実施形態においては、処理部21は、上記ステップS18またはS22の処理において当該データをサーバ1から取得するようにしてもよい。また、他の実施形態においては、情報処理装置2はサーバ1による制限無しでイベントを実行することが可能であってもよい。
【0161】
また、上記のように、本実施形態においては、親密度増加ゲームによってイベント実行条件(または共通実行条件)が満たされた場合には、当該親密度増加ゲームに続いて、イベントが実行された。ここで、他の実施形態においては、処理部21は、イベント実行条件または共通実行条件が満たされた後の任意のタイミングでイベントを実行してもよい。例えば、他の実施形態においては、情報処理システムは、実行可能となったイベントを、ユーザの指示に応じて再度実行することが可能なイベント回想モードを用意してもよい。
【0162】
図14には図示しないが、ゲームモード処理中において、処理部21は、ゲームモードを終了する終了指示がユーザによって行われたことに応じて、ゲームモード処理を終了する。例えば、処理部21は、上記開始前画像または難易度選択画像が表示部24に表示されている状態において、終了指示を受け付けるようにしてもよい。処理部21は、上記終了指示があるまで、上記ステップS11~S22の一連の処理を繰り返し実行する。
【0163】
[3-3.サーバ側における処理]
次に、サーバ1において実行される処理(「サーバ処理」と記載する)の一例について説明する。
図15は、サーバ処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、
図15に示す一連の処理は、サーバ1の動作中において継続的に実行される。
【0164】
図15に示すサーバ処理においては、まずステップS31において、処理部11は、上述の取得要求データを、通信部13を介して情報処理装置2から受信したか否かを判定する。ステップS31の判定結果が肯定である場合、ステップS32の処理が実行される。一方、ステップS31の判定結果が否定である場合、ステップS33の処理が実行される。
【0165】
ステップS32において、処理部11は、情報処理装置2から受信した取得要求データに応じた設定データを、当該情報処理装置2へ送信する。すなわち、取得要求データが、高確率期間設定データを取得する要求を示す場合、処理部11は、記憶部12に記憶されている高確率期間設定データを、通信部13を用いて情報処理装置2へ送信する。また、取得要求データが、増加ルール設定データを取得する要求を示す場合、処理部11は、記憶部12に記憶されている増加ルール設定データを、通信部13を用いて情報処理装置2へ送信する。ステップS32の次に、ステップS33の処理が実行される。
【0166】
ステップS33において、処理部11は、上述の抽選要求データを、通信部13を介して情報処理装置2から受信したか否かを判定する。ステップS33の判定結果が肯定である場合、ステップS34の処理が実行される。一方、ステップS33の判定結果が否定である場合、ステップS35の処理が実行される。
【0167】
ステップS34において、処理部11は、抽選によってユニットをユーザに付与する。具体的には、まず、処理部11は、キャラクタの抽選を行うことによって、抽選の対象となる複数のキャラクタから1つのキャラクタを選出する。抽選は、複数のキャラクタから1つのキャラクタを選出するための任意の方法で行われてよい。本実施形態においては、処理部11は、ランダム性を有するように、確率に基づいて1つのキャラクタを選出する。なお、上述のように、高確率期間においては、イベントキャラクタが通常の期間よりも高い確率で選出される。次に、処理部11は、選出されたキャラクタのユニットをユーザに付与する。具体的には、処理部11は、記憶部12に記憶されている保有ユニットデータを、選出されたキャラクタのユニットを示す識別子を含む内容に更新する。これによって、ユーザはユニット(換言すればユニットデータ)を保有したこととなる。また、処理部11は、上記抽選結果データを、通信部13を用いて情報処理装置2へ送信する。この抽選結果データには、ユーザに付与されたキャラクタのユニットが含まれていてもよい。ステップS34の次に、ステップS35の処理が実行される。
【0168】
ステップS35において、処理部11は、ゲームに用いられるデータ(例えば、上記ステップS16において送信される、親密度を示すデータ)を、通信部13を介して情報処理装置2から受信したか否かを判定する。ステップS35の判定結果が肯定である場合、ステップS36の処理が実行される。一方、ステップS35の判定結果が否定である場合、ステップS37の処理が実行される。
【0169】
ステップS36において、処理部11は、ステップS35の処理で受信されたデータに基づいて、記憶部12に記憶されているデータを更新する。例えば、親密度を示すデータが受信された場合、処理部11は、記憶部12に記憶されている親密度データを、受信されたデータと内容が一致するように更新する。ステップS36の次に、ステップS37の処理が実行される。
【0170】
ステップS37において、処理部11は、上述のイベント要求データを、通信部13を介して情報処理装置2から受信したか否かを判定する。ステップS37の判定結果が肯定である場合、ステップS38の処理が実行される。一方、ステップS37の判定結果が否定である場合、ステップS39の処理が実行される。
【0171】
ステップS38において、処理部11は、上述のイベント許可データを情報処理装置2へ送信する。すなわち、処理部11は、ステップS37の処理で受信したイベント要求データが示すイベントに関するイベント許可データを、通信部13を用いて情報処理装置2へ送信する。なお、処理部11は、記憶部12に記憶されている親密度データを参照することによって、イベント要求データが示すイベントに関するイベント実行条件または共通実行条件が満たされているかを確認するようにしてもよい。このとき、処理部11は、イベント実行条件または共通実行条件が満たされていることが確認された場合に、イベント許可データを情報処理装置2へ送信するようにしてもよい。ステップS38の次に、ステップS39の処理が実行される。
【0172】
ステップS39において、処理部11は、上述のアイテム要求データを、通信部13を介して情報処理装置2から受信したか否かを判定する。ステップS39の判定結果が肯定である場合、ステップS40の処理が実行される。一方、ステップS39の判定結果が否定である場合、ステップS31の処理が再度実行される。
【0173】
ステップS40において、処理部11は、アイテム要求データに係るアイテムをユーザに付与する。すなわち、処理部11は、記憶部12に記憶されている保有アイテムデータを、アイテム要求データに係るアイテムを示す識別子を含む内容に更新する。これによって、ユーザはアイテム(換言すればアイテムデータ)を保有したこととなる。また、処理部11は、上記アイテムのアイテムデータを、通信部13を用いて情報処理装置2へ送信してもよい。ステップS40の次に、ステップS31の処理が再度実行される。
【0174】
[4.本実施形態の作用効果および変形例]
以上に説明した実施形態によれば、情報処理システムは次の構成を有する。
・所定のゲームキャラクタ(具体的には、イベントキャラクタ)に関連するゲームオブジェクト(具体的には、ユニット)を、付与条件を満たす場合に、ユーザに付与するゲームオブジェクト付与手段(ステップS34)
・所定のゲームキャラクタ、および/または、当該所定のゲームキャラクタとは異なるゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトのうち、ユーザが保有するゲームオブジェクトを用いたゲーム(具体的には、親密度増加ゲーム)を実行するゲーム実行手段(ステップS15)
・所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトをユーザが保有しているかに関わらず、所定のゲームキャラクタに関連するパラメータ(具体的には、親密度のパラメータ)をゲームの実行結果に基づいて更新するパラメータ更新手段(ステップS16またはS36)
・パラメータがイベント実行条件を満たす場合、当該パラメータに関連する所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトをユーザが保有しているか否かに関わらず、当該所定のゲームキャラクタが登場するキャラクタイベント(具体的には、個別イベント)を実行するキャラクタイベント実行手段(ステップS18)
なお、上記各手段は、サーバ1に設けられてもよいし、情報処理装置に設けられてもよいし、サーバ1と情報処理装置2との協働によって実現されてもよい。
【0175】
上記によれば、ユーザが所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトを保有していなくても、当該所定のゲームキャラクタに関連するパラメータがゲームの実行結果に応じて更新される結果、当該所定のゲームキャラクタが登場するイベントが実行される。これによれば、情報処理システムは、ユーザがゲームオブジェクトを保有していないゲームキャラクタをイベントによってユーザに紹介することができるので、ゲームオブジェクトを保有していないゲームキャラクタに対する関心をユーザに持たせることができる。その結果、上記所定のゲームキャラクタをユーザが保有した場合に、当該ゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトを用いてゲームをプレイする動機付けをユーザに与えることができる。これによって、いろいろなゲームオブジェクトを用いてゲームをプレイする動機付けをユーザに与えることができ、ゲームの興趣性を向上することができる。
【0176】
上記「ゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクト」は、上記実施形態においては、当該ゲームキャラクタを表すユニット(すなわち、ゲームで用いられる駒)である。ここで、上記「ゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクト」は、ゲームキャラクタ自身を示すものに限らず、例えば、当該ゲームキャラクタが装備する武器またはアイテム等であってもよいし、当該ゲームキャラクタが操縦する乗物であってもよい。
【0177】
上記「付与条件」は、上記実施形態においては、「ユーザによる指示に応じて行われた抽選によって、複数のゲームキャラクタのうちから、所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトが選出されたこと」であった。この抽選は、ゲームオブジェクトを選出するものと言うこともできるし、付与されるゲームオブジェクトに関連する所定のゲームキャラクタを選出するものと言うこともできる。つまり、抽選によって所定のゲームキャラクタが選出され、選出されたゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトがユーザに付与される場合には、「当該ゲームオブジェクトが抽選によって選出された」と言うことができる。
【0178】
ここで、他の実施形態においては、情報処理システムは、ゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトを抽選によって付与する態様に代えて、他の方法によってゲームオブジェクトを付与してもよい。すなわち、付与条件は、抽選に関する条件に限らず、任意の条件であってよい。例えば、他の実施形態においては、付与手段は、ユーザによって指定されたキャラクタに関連するゲームオブジェクトを当該ユーザに付与するようにしてもよい。つまり、付与条件は、「ゲームオブジェクトに関連するゲームキャラクタがユーザによって指定(換言すれば選択)されたこと」であってもよい。また例えば、付与条件は、ゲームに関する条件であってもよい。具体的には、付与条件は、定められたステージをクリアしたことであってもよいし、所定のアイテムを取得したことであってもよい。
【0179】
上記「ゲームオブジェクトをユーザに付与する」とは、ゲームにおいてユーザが当該ゲームオブジェクト(より具体的には、ゲームオブジェクトのデータ)を用いることができる状態にすることを意味する。したがって、「ゲームオブジェクトをユーザに付与する」とは、例えば、ゲームオブジェクト(より具体的には、ゲームオブジェクトのデータ)をサーバ1からユーザの情報処理装置2へ送信することであってもよいし、情報処理装置2に記憶されているゲームオブジェクトの利用制限を解除することであってもよい。
【0180】
上記「ゲームオブジェクトをユーザが保有する」とは、ゲームにおいてユーザが当該ゲームオブジェクト(より具体的には、ゲームオブジェクトのデータ)を用いることができる状態であることを意味する。したがって、ユーザが保有するゲームオブジェクトは、ユーザが使用する情報処理装置に予め記憶されていてもよいし、利用時にサーバから情報処理装置へ送信されてもよいし、当該ゲームオブジェクトを利用する処理がサーバにおいて実行される場合には、サーバにのみ記憶されていてもよい。上記「ゲームオブジェクトをユーザが保有する」とは、換言すれば、当該ゲームオブジェクトがユーザに関連付けられている(より具体的には、ゲームオブジェクトがユーザに関連付けられて記憶されている)とも言うことができる。
【0181】
上記「ユーザが保有するゲームオブジェクトを用いたゲーム」における「ゲームオブジェクト」は、上記所定のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトに限らず、他のゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトであってもよい。
【0182】
上記「パラメータ」は、上記実施形態においては、親密度を示すパラメータであった。ここで、上記パラメータは、ゲームキャラクタに関連する任意のパラメータであってよい。例えば、上記パラメータは、ユーザ(換言すれば、ゲームの主人公)とゲームキャラクタとの険悪度を示すパラメータであってもよい。このとき、更新手段は、険悪度のパラメータが示す数値をゲームの実行結果に応じて減少するようにしてもよい。
【0183】
また、上記パラメータは、ゲームキャラクタに関連するゲームオブジェクトをユーザが保有しているか否かに関わらず設定されるものであるが、当該ゲームオブジェクトが示す情報と同じ情報(例えば、ゲームキャラクタの能力を示す値)を示すものであってもよい。
【0184】
また、他の実施形態においては、情報処理システムは、イベントキャラクタに関連するゲームオブジェクトをユーザが保有している場合には、当該ゲームオブジェクトを親密度増加ゲームの実行結果に基づいて更新してもよい。例えば、上記の場合、上記ステップS16の処理において、ユニットデータが示すパラメータ(例えば、体力、攻撃力、および守備力等)が親密度増加ゲームの実行結果に基づいて増加されてもよい。これによれば、イベントキャラクタを取得したユーザは、親密度増加ゲームをプレイすることによって、イベントキャラクタに関する2つのパラメータ(すなわち、親密度、および、ユニットデータが示すパラメータ)を更新することができる。したがって、親密度増加ゲームをプレイする動機付けをユーザに与えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0185】
上記実施形態は、ゲームの興趣性を向上すること等を目的として、例えばゲームシステム、ゲーム装置、または、ゲームプログラム等として利用することが可能である。
【符号の説明】
【0186】
1 サーバ
2 情報処理装置
11 処理部
12 記憶部
13 通信部
21 処理部
22 記憶部
23 入力部
24 表示部
25 通信部