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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-20
(45)【発行日】2022-10-28
(54)【発明の名称】床下収納庫及びその組立方法
(51)【国際特許分類】
   E04F 19/08 20060101AFI20221021BHJP
【FI】
E04F19/08 103F
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018131960
(22)【出願日】2018-07-12
(65)【公開番号】P2020007858
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000109152
【氏名又は名称】株式会社デザインアーク
(73)【特許権者】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】内垣 貴亘
(72)【発明者】
【氏名】前川 輝男
【審査官】清水 督史
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-327184(JP,A)
【文献】実開昭59-024854(JP,U)
【文献】特開2017-119539(JP,A)
【文献】特開昭53-076523(JP,A)
【文献】実開昭55-022411(JP,U)
【文献】米国特許第04635562(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0185042(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 19/08
B65D 6/04
B65D 6/24
B65D 6/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一形状からなる複数の側板と、上方及び下方が開口する箱状に側端面同士を連結した該複数の側板の下面に装着される単数の底板と、を有する有底箱状の収納容器を備え、
前記複数の側板は、
前記底板に対して、垂直起立状に形成されると共に、
夫々同一金型の成形加工により一体形成される本体部と、
前記本体部とともに一体形成され、前記本体部の側端面同士を箱状に連結した際、内側面の水平方向に直線状に延在するとともに、上下方向に並列する複数のリブと、を有し、
前記本体部は、平坦な板状に形成される平板部と、該平板部の一側端から内側面側に一体的に直角に折れ曲がって形成される側方折曲部と、で構成され、
前記リブの上面は平坦状に形成され、
前記平板部の内側面には、上下方向に並列する前記リブが内側に突出して形成されると共に、前記側方折曲部の内側面にも、上下方向に並列する前記リブが内側に突出して形成され、
前記平板部の内側面に形成される前記リブと、前記側方折曲部の内側面に形成されるリブとは、同一高さに形成され、
前記平板部の側端面には、係合部が形成され、
前記側方折曲部の側端面には、被係合部が形成され、
一対の側板同士を連結するにあたっては、前記係合部を前記被係合部に係合することによって連結してなる床下収納庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床下に取り付けられる床下収納庫及びその組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の床下収納庫として、例えば、プラスチック等の合成樹脂を成形加工することによって、収納容器を一体形成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、従来の別の床下収納庫として、収納容器の内部に収納トレイ等を設置するために、収納容器の内側面に突出する一段の段部(リブ)を形成したものが知られている(例えば、特許文献2参照)。なお、この一段の段部は、収納容器を成形加工するとき、金型を上下方向の一方向に抜くことによって、収納容器とともに一体形成されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭50-152432号公報
【文献】実開昭50-158415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の床下収納庫では、収納容器を成形加工する際、金型を抜くための抜きテーパが必要となるから、収納容器の収納容量が減少するといった問題があった。すなわち、金型を抜くための抜きテーパが必要となると、収納容器の形状が、上方の開口部から下方の底部に向けて内側に傾斜する先細り形状となる。それゆえ、収納容器の収納容量が減少するといった問題があった。
【0005】
さらに、上記従来の床下収納庫では、収納容器を成形加工する際、金型を上下方向の一方向に抜くことになるから、収納容器の内側面の上下方向に並列する複数(多段)の段部を形成することができないといった問題があった。
【0006】
そこで、収納容器の内側面の上下方向に並列する複数の段部を形成するため、さらに、金型を左右方向に抜く、すなわち、金型を上下方向及び左右方向の二方向に抜くことが考えられる。
【0007】
しかしながら、この場合には、金型の製造コストが増大するといった問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上述の問題に鑑み、収納容器の収納容量を増量するとともに、収納容器の内側面の上下方向に並列する複数の段部を形成することができ、さらに、金型の製造コストを低減することができる床下収納庫及びその組立方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0010】
請求項1の発明に係る床下収納庫(1)は、同一形状からなる複数の側板(3)と、上方及び下方が開口する箱状に側端面(30a1,30b1)同士を連結した該複数の側板(3)の下面に装着される単数の底板(4)と、を有する有底箱状の収納容器(2)を備え、
前記複数の側板(3)は、
前記底板(4)に対して、垂直起立状に形成されると共に、
夫々同一金型の成形加工により一体形成される本体部(30)と、
前記本体部(30)とともに一体形成され、前記本体部(30)の側端面(30a1,30b1)同士を箱状に連結した際、内側面(30c)の水平方向に直線状に延在するとともに、上下方向に並列する複数のリブ(段部35)と、を有し、
前記本体部(30)は、平坦な板状に形成される平板部(30a)と、該平板部(30a)の一側端から内側面(30c)側に一体的に直角に折れ曲がって形成される側方折曲部(30b)と、で構成され、
前記リブ(段部35)の上面は平坦状に形成され、
前記平板部(30a)の内側面には、上下方向に並列する前記リブ(段部35)が内側に突出して形成されると共に、前記側方折曲部(30b)の内側面にも、上下方向に並列する前記リブ(段部35)が内側に突出して形成され、
前記平板部(30a)の内側面に形成される前記リブ(段部35)と、前記側方折曲部(30b)の内側面に形成されるリブ(段部35)とは、同一高さに形成され、
前記平板部(30a)の側端面(30a1)には、係合部(側方係合突起32)が形成され、
前記側方折曲部(30b)の側端面(30b1)には、被係合部(側方被係合凹部33)が形成され、
一対の側板(3)同士を連結するにあたっては、前記係合部(側方係合突起32)を前記被係合部(側方被係合凹部33)に係合することによって連結してなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0014】
請求項1の発明によれば、床下収納庫(1)が、同一形状からなる複数の側板(3)と、箱状に側端面(30a1,30b1)同士を連結した複数の側板(3)の下面に装着される単数の底板(4)と、を有する有底箱状の収納容器(2)を備えることによって、従来の収納容器を一体形成した床下収納庫のように、金型を抜くための抜きテーパが不要となる。これにより、複数の側板(3)を、底板(4)に対して、垂直起立状に形成することによって、収納容器(2)の収納容量を増量することができる。さらに、請求項1の発明によれば、複数の側板(3)が、夫々同一金型の成形加工により一体形成される本体部(30)とともに一体形成され、該本体部(30)の側端面(30a1,30b1)同士を箱状に連結した際、内側面(30c)の水平方向に直線状に延在するとともに、上下方向に並列する複数のリブ(段部35)と、を有しているから、複数の側板(3)の本体部(30)の内側面(30c)の上下方向に並列するリブ(段部35)を形成することができる。これにより、上面が平坦状に形成されているリブ(段部35)に収納トレイを設置することができるから、収納容器(2)の内部配置(レイアウト)の自由度を高くすることができる。さらに、従来の収納容器を一体形成した床下収納庫のように、金型を上下方向及び左右方向の二方向に抜く必要がないから、金型の製造コストを低減することができる。またさらに、平板部(30a)の内側面に形成されるリブ(段部35)と、側方折曲部(30b)の内側面に形成されるリブ(段部35)とは、同一高さに形成されているから、平板部(30a)の内側面に形成されるリブ(段部35)と、側方折曲部(30b)の内側面に形成されるリブ(段部35)とを滑らかに連続した形状にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る床下収納庫の斜視図である。
図2】同床下収納庫の2枚の側板の側端面同士を連結する状態を示す分解斜視図である。
図3】同床下収納庫の箱状に側端面同士を連結した4枚の側板の下面に1枚の底板を装着する状態を示す分解斜視図である。
図4】同床下収納庫の2枚の側板の側端面同士を連結する状態を拡大して例示し、側方係合突起を側方被係合凹部に相対した状態を示す外側から見た分解斜視図である。
図5】同床下収納庫の2枚の側板の側端面同士を連結する状態を拡大して例示し、(a)は、側方係合突起を側方被係合凹部に相対した状態を示す内側から見た分解斜視図であり、(b)は、側方係合突起を側方被係合凹部に装着した状態を示す内側から見た分解斜視図である。
図6】同床下収納庫の2枚の側板の側端面同士を連結する状態を拡大して例示し、(a)は、側方係合突起を側方被係合凹部に装着した状態を示す外側から見た分解斜視図であり、(b)は、側方係合突起を側方被係合凹部に係合した状態を示す外側から見た分解斜視図である。
図7】同床下収納庫の箱状に側端面同士を連結した4枚の側板の下面に1枚の底板を装着する状態を拡大して例示し、下方係合突起を上方被係合凹部に相対した状態を示す外側から見た分解斜視図である。
図8】同床下収納庫の箱状に側端面同士を連結した4枚の側板の下面に1枚の底板を装着する状態を拡大して例示し、下方係合突起を上方被係合凹部に係合した状態を示す外側から見た分解斜視図である。
図9】本発明の他の実施形態に係る床下収納庫の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明に係る床下収納庫の一実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
【0020】
<床下収納庫の説明>
床下収納庫1は、例えば、床材の開口部に取り付けられた取付金具(内枠)の下端部に吊り下げ掛止することによって床下に取り付けられ、上方の開口部から内部の収納空間に物品を投入して収納する容器である。より具体的に説明すると、この床下収納庫1は、図1に示すように、同一形状からなる4枚の側板3と、上方及び下方が開口する箱状に側端面30a1,30b1(図2参照)同士を連結した4枚の側板3の下面に装着される1枚の底板4と、を有する有底箱状の収納容器2を備えている。以下、この各構成について詳しく説明することとする。
【0021】
<収納容器の説明>
収納容器2は、図3に示すように、上方及び下方が開口するように箱状に連結される4枚の矩形板状の側板3と、4枚の側板3の下方に連結される1枚の矩形板状の底板4と、からなる5枚の板状部材を連結したものであって、図1に示すように、上方が開口し、下方が1枚の底板4によって閉塞され、4枚の側板3の内部に収納空間を有する有底箱状の直方体形状の容器である。
【0022】
<側板の説明>
4枚の側板3は、同一金型を上下方向の一方向に抜く成形加工(本実施形態では、例えば、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂を射出成形する成形加工)により一体形成されているものであって、図1及び図3に示すように、同一の矩形形状からなる第1側板3a~第4側板3dから構成されている。この第1側板3aの一側端(収納容器2の内部から見て左側端)は、第2側板3bの他側端(収納容器2の内部から見て右側端)に連結され、第2側板3bの一側端は、第3側板3cの他側端に連結され、第3側板3cの一側端は、第4側板3dの他側端に連結され、第4側板3dの一側端は、第1側板3aの他側端に連結される。これにより、上方及び下方が開口するように箱状に連結されることとなる。なお、具体的な連結構造として、第1側板3aの一側端を第2側板3bの他側端に連結する状態を図2に示すこととするが、第1側板3aの一側端を第2側板3bの他側端に連結する構造は、第2側板3bの一側端を第3側板3cの他側端に連結する構造、第3側板3cの一側端を第4側板3dの他側端に連結する構造、第4側板3dの一側端を第1側板3aの他側端に連結する構造と同一である。
【0023】
この4枚の側板3についてより具体的に説明すると、図2に示すように、側板3は、平面視でL字形状の本体部30と、上側フランジ部31と、側方係合突起32と、側方被係合凹部33と、下方係合突起34と、複数の段部35と、取手部36と、通気孔37と、を備えている。以下、この各構成について詳しく説明することとする。
【0024】
<側板-本体部の説明>
本体部30は、夫々同一金型の成形加工により一体形成されており、図2に示すように、外形が矩形板状の平板部30aと、平板部30aの他側端から内側面30c側に一体的に直角に折れ曲がる外形が矩形板状の側方折曲部30bとを有しているものである。
【0025】
<側板-上側フランジ部の説明>
上側フランジ部31は、図2に示すように、平板部30a,側方折曲部30bの上部から外側面30d側に突出して図示しない床材の開口部に取り付けられた取付金具の下端部に吊り下げ掛止されるものである。
【0026】
<側板-側方係合突起の説明>
側方係合突起32は、図2に示すように、平板部30aの側端面30a1に形成され、側方折曲部30bの側端面30b1に形成された側方被係合凹部33に係合することによって、側端面30a1,30b1同士を連結し、第1側板3aと第2側板3bとを連結するものである。
【0027】
この側方係合突起32についてより具体的に説明すると、この側方係合突起32は、図2に示すように、同一の鉤形形状(L字形状)となる複数本(本実施形態では、例えば、4本)の第1係合突起32a~第4係合突起32dを有している。この第1係合突起32a~第4係合突起32dは、上方から下方に向けて所定の間隔をあけて、平板部30aの側端面30a1から側方に突出して配置されているものである。より具体的に説明すると、この第1係合突起32a~第4係合突起32dは、図4に示すように(図4では、第1係合突起32aのみを図示しているが、第2係合突起32b~第4係合突起32dは、第1係合突起32aと同一形状となっている)、後述する側方被係合凹部33(図4では、第1被係合凹部33aを図示する)の下側から挿通して係合するように、先端部が上方に直角に折れ曲がる鉤形形状となっている。
【0028】
ところで、最上部に配置された第1係合突起32aの基端部の上部には、図4に示すように、上下方向に柱状に延びる補助係合突起32a1が形成されている。この補助係合突起32a1は、後述する側方被係合凹部33の最上部に配置された第1被係合凹部33aに相対する3枚の係合壁30b4に形成された補助被係合凹部33a1に係合するようになっている。これにより、第1側板3aの第2側板3bに対する外内方向(連結方向と直交する方向)の移動が規制されるから、第1側板3aと第2側板3bとの連結を強固にすることができる。
【0029】
<側板-側方被係合凹部の説明>
側方被係合凹部33は、図2に示すように、側方折曲部30bの側端面30b1に形成され、平板部30aの側端面30a1に形成された側方係合突起32が係合するように、側方係合突起32の本数と同一となる複数箇所(本実施形態では、例えば、4箇所)の第1被係合凹部33a~第4被係合凹部33dを有している。この第1被係合凹部33a~第4被係合凹部33dは、上方から下方に向けて第1係合突起32a~第4係合突起32dの間隔と同一となる所定の間隔をあけて、側方折曲部30bの側端面30b1に配置されるものである。より具体的に説明すると、この第1被係合凹部33a~第4被係合凹部33dは、図4及び図5に示すように、側方折曲部30bの側端面30b1に上下方向の全体にわたって側方が矩形状に開口している上下方向に長い角柱状の空間を有する装着溝30b3の開口側に形成されているものである。すなわち、この装着溝30b3内に、複数枚(本実施形態では、第1被係合凹部33aに相対する位置において、例えば、3枚、第2被係合凹部33b~第4被係合凹部33dの夫々に相対する位置において、例えば、2枚)の板状部材からなる係合壁30b4を互いに間隔をあけて水平配置することによって、第1被係合凹部33a~第4被係合凹部33dとしたものである。なお、この係合壁30b4を互いに間隔をあけて水平配置するにあたって、装着溝30b3の開口側の角柱状の空間の一部を第1係合突起32a~第4係合突起32dが挿通不能とし、装着溝30b3の開口側の角柱状の空間と逆側(装着溝30b3の奥側)の残りの角柱状の空間を、第1係合突起32a~第4係合突起32dの先端部が挿通して係合可能となるようにしている。
【0030】
ところで、この係合壁30b4は、図6(b)に示すように、第1係合突起32a~第4係合突起32dの先端部が第1被係合凹部33a~第4被係合凹部33dに係合したとき、第1係合突起32a~第4係合突起32dの基端部の上面が、最下部に水平配置された係合壁30b4の下面に接触することによって、第1係合突起32a~第4係合突起32dの上方移動を規制するようにしているものである。
【0031】
一方、図4及び図6に示すように、側方折曲部30bの外側面30dには、第1被係合凹部33a~第4被係合凹部33dに対応する位置に矩形状に開口する窓部30b5が形成されている。これにより、図6(b)に示すように、第1係合突起32a~第4係合突起32dが第1被係合凹部33a~第4被係合凹部33dに係合している状態を窓部30b5から視認することができる。
【0032】
また一方、図4に示すように、最上部に配置された第1被係合凹部33aに相対する3枚の係合壁30b4の各中央部分には、最上部に配置された第1係合突起32aに形成された補助係合突起32a1の幅と同一の幅となるように、上下方向に切り欠かれた平面視で矩形状の切欠溝からなる補助被係合凹部33a1が形成されている。しかして、このように補助被係合凹部33a1の幅が補助係合突起32a1の幅と同一の幅となるように形成されていることによって、補助係合突起32a1を補助被係合凹部33a1に隙間なく、がたつくことなく係合することができる。
【0033】
<側板-下方係合突起の説明>
下方係合突起34は、図2及び図3に示すように、平板部30aの下端面30a2,側方折曲部30bの下端面30b2に形成され、後述する底板4の上方立上部40bの上端面40b1に形成された上方被係合凹部41に係合することによって、平板部30aの下端面30a2,側方折曲部30bの下端面30b2と上方立上部40bの上端面40b1とを連結し、上方及び下方が開口する箱状に側端面30a1,30b1同士を連結した4枚の側板3の下面に1枚の底板4を連結するものである。
【0034】
この下方係合突起34についてより詳しく説明すると、この下方係合突起34は、図2及び図3に示すように、同一の舌片形状からなる複数本(本実施形態では、平板部30aの下端面30a2において、例えば、3本、側方折曲部30bの下端面30b2において、例えば、1本、合計4本)の第1係合突起34a~第4係合突起34dを有している。この第1係合突起34a~第4係合突起34dは、第1側板3a~第4側板3dの一側端から他側端に向けて所定の間隔をあけて、平板部30aの下端面30a2,側方折曲部30bの下端面30b2から下方に突出して配置されるものである。より具体的に説明すると、この第1係合突起34a~第4係合突起34dは、図7及び図8に示すように(図7及び図8では、第2係合突起34bのみを図示しているが、第1係合突起34a,第3係合突起34c,第4係合突起34dは、第2係合突起34bと同一形状となっている)、後述する底板4の上方立上部40bの上端面40b1に形成された装着溝40b2に挿入可能な上方が開口するコ字形状の枠部材34b1(ガード部材)の内部に外内方向(連結方向と直交する方向)に揺動自在な舌片部材34b2を有する柱状突起であって、舌片部材34b2の下端部が外側に直角に折れ曲がるように突出した突出部34b3を有している。これにより、この第1係合突起34a~第4係合突起34dは、図8に示すように、装着溝40b2の外側面を閉塞する仕切壁40b3に形成された正面視で矩形状の開口からなる上方被係合凹部41(図7及び図8では、第2被係合凹部41bを図示する)の開口端面41b1に弾性係合するようになっている。
【0035】
<側板-複数の段部の説明>
複数の段部35は、図1図3に示すように、上面に図示しない収納トレイ等を設置する複数のリブであって、平板部30a,側方折曲部30bとともに一体形成され、本体部30(平板部30a,側方折曲部30b)の内側面30cの上下方向に直線状に並列する2段の第1段部35a,第2段部35bからなるものである。より具体的に説明すると、この複数の段部35は、図2に示すように、上面に平坦面が形成されるとともに、縦断面が三角形状となるように、本体部30の内側面30cから内側に突出して形成され、軽量化のために内部が刳り貫かれた中空形状となっている。
【0036】
かくして、上述した平板部30aに形成された複数の段部35は、側方折曲部30bに形成された複数の段部35と同一高さとなるように形成されている。これにより、側方折曲部30bに形成された複数の段部35と滑らかに連続した形状となっている。
【0037】
また、この複数の段部35は、同一金型を上下方向の一方向に抜く成形加工により、平板部30a,側方折曲部30bとともに一体形成されるものであって、上側の可動金型によって、本体部30(平板部30a,側方折曲部30b)の内側面30c、側方係合突起32の内側部分、側方被係合凹部33、下方係合突起34の内側部分、取手部36、通気孔37の内側部分とともに一体形成されるようになっている。なお、第1段部35a,第2段部35bは、夫々所定の高さとなるように、所定の間隔をあけて互いに平行となるように配置されている。具体的には、第1段部35aは、取手部36の下部に配置されており、第2段部35bは、通気孔37の下部に配置されている。
【0038】
<側板-取手部の説明>
取手部36は、平板部30aの内側面30cの中央部分の上部(第1段部35aの上部)に矩形状に凹んで形成され収納容器2を把持するものである。
【0039】
<側板-通気孔の説明>
通気孔37は、平板部30aの内側面30cの中央部分(第1段部35aと第2段部35bとの間の部分)に全体として矩形状となるようにドット状に内側面30cと外側面30dとを貫通して形成され内外を通気するものである。
【0040】
<側板の説明>
かくして、上記のように構成される側板3は、同一金型を上下方向の一方向に抜く成形加工(本実施形態では、例えば、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂を射出成形する成形加工)により一体形成されるものである。具体的には、上側の可動金型(コア)によって、本体部30(平板部30a,側方折曲部30b)の内側面30c、側方係合突起32の内側部分、側方被係合凹部33、下方係合突起34の内側部分、複数の段部35、取手部36、通気孔37の内側部分の各形状が一体形成される。そして、下側の固定金型(キャビティ)によって、本体部30(平板部30a,側方折曲部30b)の外側面30d、上側フランジ部31、側方係合突起32の外側部分、下方係合突起34の外側部分、通気孔37の外側部分の各形状が一体形成されるようになっている。
【0041】
<底板の説明>
底板4は、図3に示すように、4枚の側板3の下方に連結されるものであって、1枚の矩形板状の部材である。より具体的に説明すると、この底板4は、外形が矩形板状の平板部40aと、平板部40aの外縁部から内側面40c側となる上方に一体的に直角に立ち上がる外形が矩形板状の上方立上部40bとを有する板皿状の本体部40と、上方立上部40bの上端面40b1に形成され、上方及び下方が開口する箱状に側端面30a1,30b1同士を連結した4枚の側板3の平板部30aの下端面30a2,側方折曲部30bの下端面30b2に形成された下方係合突起34が係合する上方被係合凹部41と、を備えている。
【0042】
この上方被係合凹部41は、図3に示すように、上方立上部40bの上端面40b1に形成され、上方及び下方が開口する箱状に側端面30a1,30b1同士を連結した4枚の側板3の平板部30aの下端面30a2,側方折曲部30bの下端面30b2に形成された下方係合突起34が係合するように、下方係合突起34の本数と同一となる複数箇所(本実施形態では、例えば、4箇所)の第1被係合凹部41a~第4被係合凹部41dを有している。この第1被係合凹部41a~第4被係合凹部41dは、第1係合突起34a~第4係合突起34dの間隔と同一となる所定の間隔をあけて、上方立上部40bの上端面40b1に凹んで配置されるものである。この上方立上部40bの上端面40b1には、図7に示すように、上方が開口し、平面視で矩形状に形成された上下方向に延びる角柱状の空間を有する装着溝40b2が形成されている。そして、この装着溝40b2には、側端面30a1,30b1同士を連結した4枚の側板3の平板部30aの下端面30a2,側方折曲部30bの下端面30b2に形成された下方係合突起34が挿入されるようになっている。また、この装着溝40b2の外側面は、板状の仕切壁40b3によって閉塞されるとともに、仕切壁40b3の中央部には、正面視で矩形状の開口からなる上方被係合凹部41が形成されており、図8に示すように、下方係合突起34の突出部34b3が上方被係合凹部41の開口端面41b1に弾性係合するようになっている。
【0043】
かくして、上記のように構成される底板4は、金型を上下方向の一方向に抜く成形加工(本実施形態では、例えば、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂を射出成形する成形加工)により一体形成されるものである。具体的には、上側の可動金型によって、本体部40(平板部40a,上方立上部40b)の内側面40c、上方被係合凹部41の各形状が一体形成され、下側の固定金型によって、本体部40(平板部40a,上方立上部40b)の外側面40dの形状が一体形成されるようになっている。
【0044】
<床下収納庫の組立方法の説明>
かくして、上記のように構成される床下収納庫1は、以下の組立方法にしたがって組み立てられる。
【0045】
まず、夫々同一金型の成形加工により本体部30を一体形成するとともに、上方及び下方が開口する箱状に本体部30の側端面30a1,30b1同士を連結した際、内側面30cの上下方向に並列する複数の段部35を本体部30とともに一体形成することによって、同一形状となる4枚の側板3を形成する。具体的には、同一金型を上下方向の一方向に抜く成形加工(本実施形態では、例えば、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂を射出成形する成形加工)により各側板3を一体形成することによって、同一形状となる4枚の側板3を形成する。より具体的には、上側の可動金型によって、本体部30(平板部30a,側方折曲部30b)の内側面30c、側方係合突起32の内側部分、側方被係合凹部33、下方係合突起34の内側部分、複数の段部35、取手部36、通気孔37の内側部分の各形状を一体形成し、下側の固定金型によって、本体部30(平板部30a,側方折曲部30b)の外側面30d、上側フランジ部31、側方係合突起32の外側部分、下方係合突起34の外側部分、通気孔37の外側部分の各形状を一体形成することによって、同一形状となる4枚の側板3を形成する。
【0046】
次いで、金型を上下方向の一方向に抜く成形加工(本実施形態では、例えば、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂を射出成形する成形加工)によって、底板4を一体形成する。具体的には、上側の可動金型によって、本体部40(平板部40a,上方立上部40b)の内側面40c、上方被係合凹部41の各形状を一体形成し、下側の固定金型によって、本体部40(平板部40a,上方立上部40b)の外側面40dの形状を一体形成することによって、底板4を一体形成する。
【0047】
次いで、図2及び図3に示すように、4枚の側板3の側端面30a1,30b1同士を箱状に連結する。具体的には、図2に示すように、第1側板3aの側端面30a1に形成された側方係合突起32を、第2側板3bの側端面30b1に形成された側方被係合凹部33に係合することによって、第1側板3aを第2側板3bに連結する。より具体的には、図4及び図5(a)に示すように、第1側板3aの側端面30a1に形成された側方係合突起32の先端部を移動(第1側板3aを移動)させ、第2側板3bの側端面30b1に形成された側方被係合凹部33の下方位置に相対する。そして、図5(b)及び図6(a)に示すように、第1側板3aを側方に移動させることによって、第2側板3bの側端面30b1に形成された側方被係合凹部33の下方に位置する装着溝30b3に、側方係合突起32の先端部を挿入する。そしてさらに、図6(b)に示すように、第1側板3aを上方に移動させ、第2側板3bの側端面30b1に形成された側方被係合凹部33に側方係合突起32の先端部を係合する。これにより、第1側板3aを第2側板3bに連結する。同様に、第2側板3bを第3側板3cに連結し、第3側板3cを第4側板3dに連結し、第4側板3dを第1側板3aに連結する。これにより、図3に示すように、4枚の側板3の側端面30a1,30b1同士を箱状に連結する。
【0048】
次いで、図3に示すように、箱状に側端面30a1,30b1同士を連結した4枚の側板3の下面に1枚の底板4を装着する。これにより、4枚の側板3が1枚の底板4に対して垂直に立ち上がるように有底箱状の収納容器2を組み立てる。具体的には、図3に示すように、箱状に側端面30a1,30b1同士を連結した4枚の側板3の平板部30aの下端面30a2,側方折曲部30bの下端面30b2に形成された下方係合突起34を、底板4の上方立上部40bの上端面40b1に形成された上方被係合凹部41に係合することによって、箱状に側端面30a1,30b1同士を連結した4枚の側板3の下面に1枚の底板4を連結する。より具体的には、図7に示すように、箱状に側端面30a1,30b1同士を連結した4枚の側板3の平板部30aの下端面30a2,側方折曲部30bの下端面30b2に形成された下方係合突起34を、底板4の上方立上部40bの上端面40b1に形成された装着溝40b2に挿入し、図8に示すように、下方係合突起34の突出部34b3を、上方被係合凹部41の開口端面41b1に弾性係合することによって、箱状に側端面30a1,30b1同士を連結した4枚の側板3の下面に1枚の底板4を連結する。
【0049】
かくして、このようにして、図1に示すように、床下収納庫1が組み立てられることとなる。
【0050】
しかして、本実施形態の組立方法によれば、箱状に側端面30a1,30b1同士を連結した4枚の側板3の下面側から、これら側板3の下面に1枚の底板4を装着することによって、有底箱状の収納容器2を組み立てることとなる。これにより、1枚の底板4を、4枚の側板3の本体部30の内側面30cに一体形成された複数の段部35に接触することなく、箱状に側端面30a1,30b1同士を連結した4枚の側板3の下面に装着することができる。
【0051】
以上説明した本実施形態によれば、床下収納庫1が、同一形状からなる4枚の側板3と、箱状に側端面30a1,30b1同士を連結した4枚の側板3の下面に装着される1枚の底板4と、を有する有底箱状の収納容器2を備えることによって、従来の収納容器を一体形成した床下収納庫のように、金型を抜くための抜きテーパが不要となる。これにより、本実施形態のように、4枚の側板3を1枚の底板4に対して垂直に立ち上がるように形成することによって、収納容器2の収納容量を増量することができる。
【0052】
さらに、本実施形態によれば、4枚の側板3が、夫々同一金型の成形加工により一体形成される本体部30と、本体部30とともに一体形成され、本体部30の側端面30a1,30b1同士を箱状に連結した際、内側面30cの上下方向に並列する複数の段部35と、を有しているから、4枚の側板3の本体部30の内側面30cの上下方向に並列する複数の段部35を形成することができる。これにより、複数の段部35に収納トレイ等を設置することができる。そしてさらに、収納容器2の内部配置の自由度を高くすることができるとともに、従来の収納容器を一体形成した床下収納庫のように、金型を上下方向及び左右方向の二方向に抜く必要がないから、金型の製造コストを低減することができる。
【0053】
なお、本実施形態において示した形状等はあくまで一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0054】
例えば、本実施形態においては、4枚の側板3の本体部30が、平板部30aと、側方折曲部30bとを備えたものであったが、平板部30aのみ備えるものであってもよい。さらに、本実施形態においては、側方係合突起32が、平板部30aの側端面30a1に形成され、側方被係合凹部33が、側方折曲部30bの側端面30b1に形成されていたが、例えば、側方係合突起32を、側方折曲部30bの側端面30b1に形成し、側方被係合凹部33を、平板部30aの側端面30a1に形成してもよい。
【0055】
一方、本実施形態においては、底板4の本体部40が、平板部40aと、上方立上部40bとを備えたものであったが、例えば、平板部40aのみ備えるものであってもよい。さらに、本実施形態においては、下方係合突起34が、4枚の側板3の本体部30の平板部30aの下端面30a2,側方折曲部30bの下端面30b2に形成され、上方被係合凹部41が、底板4の上方立上部40bの上端面40b1に形成されていたが、例えば、下方係合突起34を、底板4の上方立上部40bの上端面40b1に形成し、上方被係合凹部41を、4枚の側板3の本体部30の平板部30aの下端面30a2,側方折曲部30bの下端面30b2に形成してもよい。
【0056】
また一方、本実施形態において示した複数の段部35の形状は一例であって、図示しない収納トレイ等を設置できるものであればどのような形状でも良い。例えば、本実施形態において示した複数の段部35は、2段の第1段部35a,第2段部35bを備えたものであったが、例えば、3段以上のものであってもよい。また、本実施形態においては、複数の段部35が、縦断面が三角形状かつ中空形状となるように形成されていたが、例えば、縦断面が矩形状かつ中実形状となるように形成してもよい。また、複数の段部35が、円柱形状の突起を連続して飛び出させて段のように形成するようなものであっても良い。
【0057】
他方、床下収納庫として、図9に示すような、床下収納庫11にすることもできる。すなわち、図9に示す床下収納庫11は、4枚の側板3が、本体部30の側端面30a1,30b1同士を箱状に連結した際、対向する複数の段部35を夫々上下方向に切り欠いた複数の切欠部38をさらに有する構成である。この複数の切欠部38は、対向する複数の切欠部38に仕切板5を装着することができるように、仕切板5の厚さよりもやや大きい幅となる平面視で矩形状のスリットであって、仕切板5を複数の切欠部38に装着した際、収納容器2の収納空間が4等分されるように、4枚の側板3の複数の段部35(第1段部35a,第2段部35b)の夫々3箇所に等配形成されているものである。
【0058】
しかして、このように4枚の側板3が、本体部30の側端面30a1,30b1同士を箱状に連結した際、対向する複数の段部35を夫々上下方向に切り欠いた複数の切欠部38を有することによって、対向する複数の切欠部38に仕切板5を装着することができ、もって、収納容器2の内部配置の自由度をさらに高くすることができる。
【符号の説明】
【0059】
1,11 床下収納庫
2 収納容器
3 側板
3a~3d 第1側板~第4側板
4 底板
5 仕切板
30 本体部
30a 平板部
30a1 側端面
30a2 下端面
30b 側方折曲部
30b1 側端面
30b2 下端面
30b3 装着溝
30b4 係合壁
30b5 窓部
30c 内側面
30d 外側面
31 上側フランジ部
32 側方係合突起
32a~32d 第1係合突起~第4係合突起
32a1 補助係合突起
33 側方被係合凹部
33a~33d 第1被係合凹部~第4被係合凹部
33a1 補助被係合凹部
34 下方係合突起
34a~34d 第1係合突起~第4係合突起
34b1 枠部材
34b2 舌片部材
34b3 突出部
35 段部
35a,35b 第1段部,第2段部
36 取手部
37 通気孔
38 切欠部
40 本体部
40a 平板部
40b 上方立上部
40b1 上端面
40b2 装着溝
40b3 仕切壁
40c 内側面
40d 外側面
41 上方被係合凹部
41a~41d 第1被係合凹部~第4被係合凹部
41b1 開口端面

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9