(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-20
(45)【発行日】2022-10-28
(54)【発明の名称】スクリーン版、スクリーン版製造方法及びスクリーン印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41N 1/24 20060101AFI20221021BHJP
B41F 15/08 20060101ALI20221021BHJP
B41C 1/055 20060101ALI20221021BHJP
B41M 1/12 20060101ALI20221021BHJP
【FI】
B41N1/24
B41F15/08 301H
B41C1/055 511
B41M1/12
(21)【出願番号】P 2017143147
(22)【出願日】2017-07-25
【審査請求日】2020-07-06
(31)【優先権主張番号】P 2016219068
(32)【優先日】2016-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】593039856
【氏名又は名称】マイクロ・テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小島 一夫
【審査官】亀田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-159082(JP,A)
【文献】特開2001-039048(JP,A)
【文献】特開昭54-040702(JP,A)
【文献】特開2007-152613(JP,A)
【文献】特開2000-218758(JP,A)
【文献】特開2015-131427(JP,A)
【文献】実開昭61-007062(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0031905(US,A1)
【文献】特表2013-507267(JP,A)
【文献】特開2007-210219(JP,A)
【文献】特開2001-353844(JP,A)
【文献】特開2011-051316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41N 1/24
B41F 15/08
B41C 1/055
B41M 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯材の端部と端部とが接合された接合部を有する環状の金属製のベルトと、
前記ベルトの外表面から前記ベルトの内表面に向けて形成された凹部と、
前記凹部の底面から前記ベルトの内表面まで貫通する貫通孔を有するホール部と
を備え、
前記帯材と前記接合部とに前記凹部と前記貫通孔とが形成されているスクリーン版。
【請求項2】
前記凹部は、前記ベルトの外表面を一回りしたライン溝を形成している請求項1に記載のスクリーン版。
【請求項3】
前記貫通孔は、断面形状が矩形と平行四辺形とV字とのいずれかの形状をしている請求項1又は2に記載のスクリーン版。
【請求項4】
前記ホール部は、前記凹部が形成された方向と同じ方向に、前記貫通孔を直線状に複数連続させて配置している請求項1から3いずれか1項に記載のスクリーン版。
【請求項5】
環状の金属製のベルトと、
前記ベルトの外表面から前記ベルトの内表面に向けて形成された凹部と、
前記凹部の底面から前記ベルトの内表面まで貫通する貫通孔を有するホール部と
を備え、
前記ホール部は、前記凹部が形成された方向と同じ方向に、前記貫通孔が形成された孔有列と、貫通孔が形成されていない孔無列とを有し、
2本の孔有列は、前記凹部の両サイドに接しているスクリーン版。
【請求項6】
前記貫通孔は、前記凹部が形成された方向に対して傾斜した傾斜面を有する請求項1から5いずれか1項に記載のスクリーン版。
【請求項7】
前記貫通孔は、円筒形、円錐台、平行六面体、直方体、角錐台のいずれかの形状をしている請求項1又は2に記載のスクリーン版。
【請求項8】
前記ホール部は、前記貫通孔を、千鳥状又は直線状に配置している請求項1から7いずれか1項に記載のスクリーン版。
【請求項9】
前記ホール部は、異なる形状の貫通孔を配置している請求項1から8いずれか1項に記載のスクリーン版。
【請求項10】
環状の金属製のベルトと、
前記ベルトの外表面から前記ベルトの内表面に向けて形成された凹部と、
前記凹部の底面から前記ベルトの内表面まで貫通する貫通孔を有するホール部と
を備え、
前記ホール部は、前記貫通孔により、面積において30%以上40%以下の開口率を有し、
前記凹部により形成されたライン溝の方向における前記貫通孔による開口率は、前記ライン溝のライン幅における前記貫通孔による開口率よりも大きいスクリーン版。
【請求項11】
環状のベルトと、
前記ベルトの外表面に形成された凹部と、
前記凹部の底面から前記ベルトの内表面まで貫通する貫通孔を有するホール部と
を備え、
前記ホール部は、前記ベルトの内表面に形成され、インクを取り込む取込部であって、前記ベルトの内表面における幅が凹部の幅よりも広い取込部を有するスクリーン版。
【請求項12】
前記スクリーン版は、スクリーン印刷に用いられるメタルマスクスクリーン版である請求項1から11いずれか1項に記載のスクリーン版。
【請求項13】
環状のスクリーン版を用いて、ワークに印刷をするスクリーン印刷装置において、
印刷位置に配置され、前記スクリーン版の内表面から外表面に向けてインクを押し出すスキージと、
印刷位置に配置され、前記スクリーン版の軌道を斜め下方にガイドするガイドローラと、
印刷位置に配置され、前記ガイドローラとの間に前記スクリーン版と前記ワークとを挟んで押圧する押圧ローラと、
前記押圧ローラを上方に移動させて、印刷中にスクリーン印刷の印圧を発生させる上下機構と
を備えたスクリーン印刷装置。
【請求項14】
前記ガイドローラは、前記スキージの両側に配置された1対のローラである請求項13に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項15】
インクを供給するインク供給器を有する請求項13又は14に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項16】
前記スクリーン版は、請求項1から12のいずれか1項に記載のスクリーン版である請求項13から15いずれか1項に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項17】
帯材に貫通孔を形成し、
前記貫通孔を形成した後、前記貫通孔の周囲に前記帯材の厚さの途中まで凹部を形成し、
前記凹部を形成した後、前記帯材の端部と端部とを接合し、接合部において前記凹部と前記貫通孔とを連続させて環状のベルトを形成するスクリーン版製造方法。
【請求項18】
帯材に貫通孔を形成し、
前記貫通孔を形成した後、前記貫通孔の周囲に前記帯材の厚さの途中まで凹部を形成し、
前記凹部を形成した後、前記凹部が外表面に現れるように、前記帯材の端部と重なる連結部材を用いることなく前記帯材の端部と端部とを接合するスクリーン版製造方法。
【請求項19】
帯材に貫通孔を形成し、
前記貫通孔を形成した後、前記貫通孔の周囲に前記帯材の厚さの途中まで凹部を形成し、前記凹部を形成した後、前記帯材の端部と端部とを接合して環状のベルトを形成し、
前記環状のベルトを形成した後、接合部に貫通孔と凹部とを形成するスクリーン版製造方法。
【請求項20】
帯材の一端部と他端部とを接合した接合部を有する環状のベルトを備え、
前記接合部に前記一端部と前記他端部とを横切った貫通孔を有するスクリーン版。
【請求項21】
前記ベルトは、外表面に形成された凹部を有し、
前記貫通孔は、前記凹部の底面から前記ベルトの内表面まで貫通している請求項20に記載のスクリーン版。
【請求項22】
前記ベルトは、円筒形をしており、
前記ベルトの両側にエンドリングを有する請求項20又は21に記載のスクリーン版。
【請求項23】
帯材を形成し、
前記帯材の端部にあるデッドスペースを除いて、帯材に貫通孔を形成し、
前記貫通孔を形成した後、前記帯材の端部と端部とを接合して環状のベルトを形成し、
前記帯材の端部と端部とを接合した後、前記帯材の端部と端部とを接合した接合部を挟む前記デッドスペースに貫通孔を形成するスクリーン版製造方法。
【請求項24】
前記帯材を形成するにあたり、前記デッドスペースに形成する貫通孔の形状と貫通孔の配置パターンとが前記デッドスペース以外に形成する貫通孔の形状と貫通孔の配置パターンと同じになるように、前記帯材の長さと前記デッドスペースの寸法とを決定して前記帯材を形成する請求項23に記載のスクリーン版製造方法。
【請求項25】
前記帯材は、前記接合部に前記貫通孔が形成されないように端部が形成される請求項23又は24に記載のスクリーン版製造方法。
【請求項26】
前記帯材の端部と端部とを接合する前に、前記貫通孔の周囲に前記帯材の厚さの途中まで凹部を形成する請求項23から25いずれか1項に記載のスクリーン版製造方法。
【請求項27】
厚みYの金属部分と、厚みYより薄い厚みUの金属部分とを有する環状のスクリーン版であって、厚みUの金属部分をライン溝として前記ライン溝に複数の貫通孔を有し、
前記ライン溝の方向と直交する方向において外側の貫通孔は前記ライン溝の底面の両端に配置されているスクリーン版。
【請求項28】
帯材に貫通孔を形成するステップと、帯材の厚さの途中まで凹部を形成するステップとのいずれか一方のステップを先に実施し、他方のステップを後に実施し、
その後、前記帯材の端部と端部とを接合し、接合部において前記凹部と前記貫通孔とを連続させて環状のベルトを形成するスクリーン版製造方法。
【請求項29】
1枚の板からなる環状のスクリーン版のスクリーン版製造方法であって、
前記1枚の板の印刷パターンとなる部分に、前記1枚の板を貫通する貫通孔を形成するステップと、
前記1枚の板の印刷パターンとなる部分に、前記1枚の板の外表面からへこんだ凹部を形成するステップと、
前記板の端部と端部とを接合し、接合部において前記凹部と前記貫通孔とを連続させて環状のスクリーン版を形成するステップと
を備えたスクリーン版製造方法。
【請求項30】
印刷パターンを形成する部分に貫通孔を有する1枚の帯材からなる環状のスクリーン版のスクリーン版製造方法であって、
前記帯材の印刷パターンを形成する部分の厚みを前記帯材の印刷パターンを形成しない部分の厚みより薄くしてライン溝を形成し、
前記ライン溝の方向と直交する方向において外側の貫通孔を前記ライン溝の底面の両端に配置するスクリーン版製造方法。
【請求項31】
環状の金属製のベルトと、
前記ベルトの外表面から前記ベルトの内表面に向けて形成された凹部と、
前記凹部の底面から前記ベルトの内表面まで貫通する貫通孔を有するホール部と
を備え、
前記凹部により形成されたライン溝のラインピッチPは前記ライン溝のライン幅Wの1.8倍以上2.2倍以下であり、
前記貫通孔の直径Dは、前記ライン溝の方向の前記貫通孔の間隔Lの0.4倍以上0.6倍以下であり、
前記貫通孔の直径Dは、前記ライン溝の方向と直交する方向の前記貫通孔の間隔Mの0.4倍以上0.6倍以下であり、
前記貫通孔の直径Dは、45度方向の前記貫通孔の孔間隔Kの1.8倍以上2.2倍以下であるスクリーン版。
【請求項32】
環状の金属製のベルトと、
前記ベルトの外表面から前記ベルトの内表面に向けて形成された凹部と、
前記凹部の底面から前記ベルトの内表面まで貫通する貫通孔を有するホール部と
を備え、
前記貫通孔は、前記ベルトの外表面と平行な面による断面形状が平行四辺形であり、
前記平行四辺形の短辺と長辺のなす角度は、45度以上55度以下であり、
前記平行四辺形の短辺は直線上に位置しており、長辺は孔間隔Kだけ離れて平行に配置されており、
前記平行四辺形の長辺の長さは、短辺の長さの2.8倍以上3.2倍以下であり、
前記平行四辺形の短辺の長さは、孔間隔Kの1.8倍以上2.2倍以下であるスクリーン版。
【請求項33】
環状のステンレス鋼板製のベルトと、
前記ベルトの外表面から前記ベルトの内表面に向けて形成された凹部と、
前記凹部の底面から前記ベルトの内表面まで貫通する貫通孔を有するホール部と
を備え、
前記凹部により前記ベルトの外表面を一回りしたライン溝を形成し、
スクリーン印刷装置により前記ベルトを無限に回転させて印刷した場合、前記ライン溝により連続した線を無限に印刷することができるスクリーン版。
【請求項34】
環状のステンレス鋼板製のベルトと、
前記ベルトの外表面から前記ベルトの内表面に向けて形成された凹部と、
前記凹部の底面から前記ベルトの内表面まで貫通する貫通孔を有するホール部と
を備え、
前記ベルトの軌道が前記ベルトの内側に配置される複数のローラにより決定されるスクリーン版。
【請求項35】
環状のステンレス鋼板製のベルトと、
前記ベルトの外表面から前記ベルトの内表面に向けて形成された凹部と、
前記凹部の底面から前記ベルトの内表面まで貫通する貫通孔を有するホール部と、
前記ベルトの幅方向の両端に固定された環状のエンドリングと
を備え、
前記ベルトの環状形状が前記エンドリングの環状形状により固定されているスクリーン版。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、スクリーン印刷装置に使用されるスクリーン版に関するものであり、具体的には、メタルマスクスクリーンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、被印刷基板を無端スクリーンマスク版に接触させながら同期して移動させてクリーム半田を印刷する技術が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-47230号公報
【文献】特開平07-172078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、長尺ワークに対して連続パターンを印刷できるスクリーン版を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のスクリーン版は、
環状のベルトと、
前記ベルトの外表面に形成された凹部と、
前記凹部の底面から前記スクリーン版の内表面まで貫通する貫通孔を有するホール部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、長尺ワークに対して連続パターンを印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施の形態1におけるスクリーン版50の斜視図。
【
図2】実施の形態1におけるスクリーン版50の三面図。
【
図3】実施の形態1におけるスクリーン版50の外表面52を示す図。
【
図4】実施の形態1におけるスクリーン版50の外表面52の部分断面斜視図。
【
図5】実施の形態1におけるスクリーン版50の内表面54を示す図。
【
図6】実施の形態1におけるスクリーン版50の内表面54の部分断面斜視図。
【
図7】実施の形態1におけるスクリーン版50の製造方法を示すフローチャート。
【
図8】実施の形態1におけるスクリーン版50を用いたスクリーン印刷装置80の構成図。
【
図9】実施の形態2におけるスクリーン版50の貫通孔の図。
【
図10】実施の形態2におけるスクリーン版50の貫通孔の図。
【
図11】実施の形態3におけるスクリーン版50の断面図。
【
図12】実施の形態4におけるスクリーン版50の斜視図。
【
図13】実施の形態4におけるスクリーン版50の製造方法を示すフローチャート。
【
図14】実施の形態4におけるスクリーン版50の外表面52を示す図。
【
図15】実施の形態4におけるスクリーン版50の接合前の斜視図。
【
図16】実施の形態4におけるスクリーン版50の接合後の斜視図。
【
図17】実施の形態4におけるスクリーン版50の接合後の部分拡大図。
【
図18】実施の形態4におけるスクリーン版50の貫通孔形成後の斜視図。
【
図19】実施の形態4におけるスクリーン版50の貫通孔形成後の部分拡大図。
【
図20】実施の形態4におけるスクリーン版50のエンドリング取付時の斜視図。
【
図21】実施の形態4におけるスクリーン版50の他の例による接合部の部分拡大図。
【
図22】実施の形態4におけるスクリーン版50の他の例による接合部の部分拡大図。
【
図23】実施の形態4におけるスクリーン版50の接合部の他の例を示す図。
【
図24】実施の形態4におけるスクリーン版50の他の例を示す図。
【
図25】実施の形態4におけるスクリーン版50の他の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
***スクリーン版50の構成の説明***
図1と
図2に基づいて、スクリーン版50の全体構成について説明する。
スクリーン版50は、スクリーン印刷装置に用いられるエンドレスメタルマスクである。
スクリーン版50は、スクリーン印刷装置による連続パターン印刷用の版として利用される。
スクリーン版50は、板材をリング状にした環状のスクリーン版である。
【0009】
スクリーン版50は、平帯状の環状のベルト51を有する。
ベルト51は、穴開きステンレスベルトであり、パーフォレーションスチールベルトである。
ベルト51の好適な素材は、ステンレス鋼であり、具体的には、SUS304が好ましい。
【0010】
ベルト51は、外周に外表面52を有し、内周に内表面54を有する。
外表面52は、複数のライン溝60を有する。
図1では、等間隔で平行な4本のライン溝60がある場合を示している。
ライン溝60は、外表面52に形成された連続パターンの具体例である。
ライン溝60にインクが充填され、インクがワークに転写されることにより、ワークに連続パターンが印刷される。
【0011】
ベルト51は、長尺の帯材の端部58と端部58とが接合された接合部56を有する。
【0012】
図3は、外表面52を示す図であり、
図2のX部分の拡大図である。
図4は、
図3のB-B断面斜視図である。
外表面52には、ライン幅Wのライン溝60がラインピッチPで平行に形成されている。
凹部62は、スクリーン版50のベルト51の外表面52に形成された空間である。
凹部62の深さはスクリーン版50の厚さの半分であり、凹部62の断面形状はコ字状又はU字状である。
ライン溝60は、凹部62が長尺方向に連続して形成されたコ字溝又はU字溝である。
ライン溝60は、スクリーン版50のベルト51の外表面を一回りしたライン状の溝である。
貫通孔66は、円筒孔70であり、外表面52と平行な面による断面形状は円形である。
【0013】
図5は、内表面54を示す図であり、
図3の裏面図である。
図6は、
図5のB-B断面斜視図である。
ホール部64は、凹部62の底面63からスクリーン版50のベルト51の内表面54まで部分である。
ホール部64は、凹部62の底面63からスクリーン版50のベルト51の内表面54まで貫通する貫通孔66を有する。
ホール部64は、凹部62の底面63に対応している部分である。
ホール部64の幅は、凹部62の幅すなわちライン溝60の幅と同じである。
【0014】
貫通孔66は、スクリーン版50の内表面54から凹部62の底面63まで貫通している。
貫通孔66は、円筒形をしている。
貫通孔66は、ホール部64において千鳥状に配列されている。
貫通孔66は、ライン溝60の方向と直交する方向に2個と3個配置され、貫通孔66は、ライン溝60と直交する方向において等間隔に配置されている。
また、貫通孔66は、ライン溝60の方向と斜め45度方向においても等間隔に配置されている。
外側の貫通孔66は、ライン溝60の方向と直交する方向において底面63の両端に配置されている。
【0015】
<<スクリーン版50の各部の寸法関係>>
図4に示すように、スクリーン版50の厚さYは、凹部62の深さTとホール部64の厚みUとを加算したものであり以下の関係がある。
Y=T+U
スクリーン版50の強度を増すためには、U>Tが望ましい。好適には、(1/2)Y=T=Uがよい。
図5に示すように、ライン溝60のラインピッチPはライン溝60のライン幅Wの1.8倍以上2.2倍以下であり、2倍が好適である。
貫通孔66の直径Dは、ライン溝60の方向の貫通孔66の間隔Lの0.4倍以上0.6倍以下であり、0.5倍が好適である。
貫通孔66の直径Dは、ライン溝60の方向と直交する方向の貫通孔66の間隔Mの0.4倍以上0.6倍以下であり、0.5倍が好適である。
貫通孔66の直径Dは、45度方向の貫通孔66の孔間隔Kの1.8倍以上2.2倍以下であり、2倍が好適である。
貫通孔66によるホール部64の開口率は、35%以上45%以下であり、40%が好適である。
【0016】
***スクリーン版50の製造方法の説明***
図7を用いて、スクリーン版50のスクリーン版製造方法について説明する。
【0017】
ステップS11:貫通孔66の形成工程
ステンレス鋼を用いた長尺の帯材に貫通孔66を形成する。
帯材の具体例は、板厚0.1mmのSUS板材あるいは板厚0.1mmのステンレス鋼板材である。
貫通孔66は、ホール部64に配列されて形成される。
貫通孔66は、レーザ加工、エッチング加工、又は、打ち抜き加工で形成することができる。
貫通孔66は、印刷パターンの部分に形成する。
【0018】
ステップS12:凹部62の形成工程
貫通孔66を形成した後、貫通孔66の周囲に帯材の厚さの途中まで凹部62を形成する。
凹部62は、ハーフエッチング加工により、帯材の全長に渡って形成する。
このハーフエッチング加工により、ライン溝60が形成される。
【0019】
ステップS13:接合工程
凹部62を形成した後、帯材の端部58と端部58とを接合して環状のベルトを形成する。
接合の際には、凹部62が外表面52に現れるようにし、ホール部64が内表面54に現れるようにして帯材の端部58と端部58とを接合する。
接合処理には、半田付け、レーザ加工、又は、接着剤を用いることができる。
この接合処理により、ベルト51が形成される。
【0020】
ステップS14:貫通孔66と凹部62との形成工程
帯材の端部58と端部58とを接合した後、接合部56に、貫通孔66と凹部62とを形成する。
接合部56の貫通孔66と凹部62が接合処理により失われている場合、貫通孔66と凹部62とを再度形成する。
貫通孔66と凹部62と形成には、レーザ加工を用いることができる。
【0021】
***スクリーン印刷装置80の構成の説明***
図8は、スクリーン版50を使用したスクリーン印刷装置80の構成を示す図である。
スクリーン印刷装置80は、スクリーン版50の内表面54から外表面52に向けてインク83を押し出すスキージ82を有する。
インク83は、インク供給器81によりスクリーン版50の内表面54に供給される。
スキージ82の下端がワーク100に対する印刷位置96になる。
【0022】
スクリーン印刷装置80は、4個の円筒ローラ88を有している。4個の円筒ローラ88は、上下左右の4コーナーに配置されている。
【0023】
スキージ82の両側には、1対のガイドローラ84がある。ガイドローラ84は印刷位置96に配置されており、ガイドローラ84の下端は、スキージ82の下端と同じ位置にある。
スクリーン版50は、1対のガイドローラ84と4個の円筒ローラ88の周囲に取り付けられている。
ガイドローラ84は、スクリーン版50の軌道を両サイドの円筒ローラ88よりも下方にガイドするローラである。ガイドローラ84は、スクリーン版50の軌道を斜め下方にガイドするローラである。
1対のガイドローラ84と4個の円筒ローラ88とにより、スクリーン版50の環形状は、ホームベース形状の五角形を呈している。1対のガイドローラ84が、スクリーン版50の両サイドを下方に下げる機能を有している。
スクリーン版50の軌道は、ガイドローラ84の左右方向において、水平方向に対して角度Fだけ上方に上げられている。角度Fは、5度以上20度以下が好適であり、15度が好適である。
【0024】
いずれかひとつの円筒ローラ88を外側に(具体的には矢印Qの方向に)押すことによりスクリーン版50に対するテンションを加え、スクリーン版50のたるみを除去する。
1個の円筒ローラ88には、駆動装置92が取り付けられ、円筒ローラ88を回転させる。駆動装置92の好適な例は、電動モータである。
【0025】
ワーク100は、長尺の柔軟性のある基板である。
ワーク100は、左右2個の搬送ローラ90に載せられて搬送される。
【0026】
押圧ローラ86は、ガイドローラ84との間にスクリーン版50とワーク100とを挟んで押圧するローラである。
押圧ローラ86は、上下機構98により、垂直方向に上下するローラであり、ワーク100を上方に押し上げるローラである。押圧ローラ86は、印刷位置96に配置されている。
印刷位置96がワーク100を押し上げている場合、押圧ローラ86の上端はスキージ82の下端と同じ位置になる。スクリーン印刷の印圧は、押圧ローラ86がワーク100を押し上げる力により発生させる。
ワーク100の軌道は、押圧ローラ86の左右方向において、水平方向に対して角度Gだけ下方に下げられている。角度Gは、10度以上30度以下が好適であり、20度が好適である。
押圧ローラ86には、駆動装置94が取り付けられ、押圧ローラ86を回転させる。押圧ローラ86の回転によりワーク100がスクリーン版50と同じ方向に移動する。駆動装置94の好適な例は、電動モータである。
【0027】
センサ104は、印刷位置96よりも前に固定され、ワーク100の終端を検出する。
制御部110は、中央処理装置と、メモリと、記憶装置と、プログラムとを有する電子デバイスである。
制御部110は、駆動装置92と駆動装置94とインク供給器81と上下機構98を制御する。制御部110は、センサ104と接続されている。
【0028】
***スクリーン印刷方法の説明***
以下の動作は、ワーク100の設定を除き、制御部110が駆動装置92と駆動装置94とインク供給器81と上下機構98を制御することにより実現される。また、制御部110は、センサ104からの信号を検知して以下の制御を実行する。
<準備工程>
制御部110が押圧ローラ86を上下機構98により下方に移動する。
ワーク100の端部を、右の搬送ローラ90から搬入し、上下機構98とスクリーン版50との間を通し、左に搬送ローラ90に載せる。
制御部110が押圧ローラ86を上下機構98により上方に移動させ、ワーク100をスクリーン版50に印圧をかけて押圧する。
制御部110がインク供給器81によりスキージ82にインク83を供給する。具体的にはスキージ82の手前のスクリーン版50の内表面54に印刷用のペーストを載せる。<印刷工程>
制御部110が、駆動装置92により円筒ローラ88を回転させるとともに、駆動装置94により押圧ローラ86を回転させる。
制御部110は、円筒ローラ88の回転と押圧ローラ86の回転によりスクリーン版50とワーク100とが移動方向Jに同じ長さだけ進むように駆動装置92と駆動装置94とを制御する。
スクリーン版50が移動方向Jに移動すると、インク83が、スキージ82とスクリーン版50との間に引き込まれ、印刷位置96にインク83が絶え間なく供給される。インク83が消耗されて亡くならないように、インク供給器81がインク83を絶え間なく供給する。
こうして、ワーク100に印刷方向Zに向けて印刷ライン102が印刷される。
【0029】
印刷中に、スキージ82の位置は固定されており、スキージ82の位置は上下左右には動かない。
また、印刷中に、ガイドローラ84は、回転軸を中心にして回転するだけであり、ガイドローラ84の回転軸は、上下左右には動かない。
また、印刷中に、押圧ローラ86は、上下機構98により上方に圧力をかけながら、回転軸を中心にして回転するだけである。ガイドローラ84の回転軸は、左右に動かない。また、ワーク100の厚みが一定ならば、ガイドローラ84の回転軸は、上下に動かない。
【0030】
インク83は、スキージ82によりスクリーン版50の貫通孔66に充填され、さらに、貫通孔66を通過して凹部62に充填される。凹部62に充填されたインク83は、ワーク100に転写される。
印刷位置96を経過したスクリーン版50は角度Fで上方に進行し、印刷位置96を経過したワーク100は角度Gで下方に向かうので、スクリーン版50とワーク100とは、角度F+Gの版離れ角度で引き離される。
スクリーン版50のライン溝60は、スクリーン版50を360度一回りして形成されているので、スクリーン版50を無限に回転させれば、ワーク100には、無限の印刷ライン102が印刷される。印刷ライン102は直線である。
センサ104がワーク100の終端を検出しなければ、制御部110は、駆動装置92と駆動装置94との回転を継続して、連続パターンのエンドレスの印刷を行う。
【0031】
センサ104がワーク100の終端を検出すると、制御部110は、駆動装置92と駆動装置94との回転を止める。
また、制御部110は、インク供給器81によるインク83の供給を止め、上下機構98により押圧ローラ86を降下させて、印刷を終了する。
【0032】
***実施の形態1の効果***
この実施の形態によれば、スクリーン版50が環状をしているので、長尺のワーク100に対して、スクリーン印刷をすることができる。
また、スクリーン版50を一周したライン溝60を形成したので、無限長の直線が印刷できる。
また、スクリーン版50に貫通孔66と凹部62とを形成したので、スクリーン版50の強度を保ちながら、連続パターンが印刷できる。
また、インク供給器81があるので、インク切れが発生しない連続印刷ができる。
また、角度Fと角度Gにより版離れが向上する。
上下機構98が押圧ローラ86により印圧を発生させているので、スキージ82を上下動させる機構が不要になり、スクリーン版50の内側に配置する構造が簡単になる。
スクリーン版50が印刷方向Zとは逆方向の移動方向Jに移動するので、スキージ82を印刷方向Zに移動させる機構が不要になり、スクリーン版50の内側に配置する構造が簡単になる。
【0033】
***その他の構成***
<版離れ機構>
角度Fと角度Gにより版離れを実現しなくてもよく、角度Fと角度Gとのいずれか一方の角度により、版離れを実現しなくてもよい。
角度Gにより、版離れを実現する場合は、スクリーン版50が水平方向に移動することになる。スクリーン版50が水平方向に移動する場合は、1対のガイドローラ84は不要である。
角度Fにより、版離れを実現する場合は、ワーク100が水平方向に移動することになる。ワーク100が水平方向に移動する場合でも、ワーク100を移動させるため、かつ、印圧を加えるため押圧ローラ86と駆動装置94と上下機構98は必要である。
【0034】
<印圧機構>
押圧ローラ86と上下機構98により印圧を加えるのではなく、スキージ82により印圧を加えるようにしてもよい。スキージ82により印圧を加える場合は、上下機構98がスキージ82に取り付けられ上下機構98がスキージ82を上下に移動させることになり、押圧ローラ86に上下機構98は不要となる。
【0035】
実施の形態2.
実施の形態2では、実施の形態1と異なる点について説明する。
【0036】
***構成の説明***
図9は、実施の形態2のスクリーン版50の外表面52の構成図である。
図9において、実施の形態1と異なる点は、貫通孔66の形状と貫通孔66の配列である。
【0037】
(a)平行六面体
貫通孔71の形状は、四角柱体であり、平行六面体であり、外表面52と平行な面による断面形状は平行四辺形である。
貫通孔71は、凹部62が形成された方向に対して傾斜した1対の傾斜面67を有する。
貫通孔71は、凹部62が形成された方向と同じ方向に1対の側面69を有する。
ホール部64は、凹部62が形成された方向と同じ方向に、貫通孔71を直線状に複数連続させて配置している。
【0038】
ホール部64は、凹部62が形成された方向と同じ方向に、貫通孔を形成した孔有列76と、貫通孔が形成されていない孔無列78とを有する。
ひとつのライン溝60には、4本の孔有列76が3本の孔無列78を挟んで等間隔に配置されている。
孔有列76と孔無列78との幅は同じであり、4本の孔有列76と3本の孔無列78とでライン溝60のライン幅Wを形成している。
4本の孔有列76と3本の孔無列78とは、それぞれスクリーン版50を一周している。
【0039】
孔無列78は、孔有列76の間にあり、貫通孔71が形成されていない直線状の部分である。
両サイドの2本の孔有列76は、ライン溝60の両サイドに接している。
孔無列78の数を奇数として、孔有列76の数を孔無列78の数に1を加算した偶数とすれば、孔有列76が孔無列78の両側に配置でき、かつ、孔有列76をホール部64の両サイドに配置することができる。
孔無列78を設けている理由は、スクリーン版50の強度を保つためである。
孔無列78からは、凹部62にインクが供給されないが、孔無列78の両側にある孔有列76からインクが供給されることにより、凹部62全体にインクが供給される。
【0040】
孔有列76は、直線状に連続配置された複数の平行四辺形により形成されている。
平行四辺形の短辺と長辺のなす角度は、45度以上55度以下であり50度が好適である。
【0041】
孔有列76に連続して並ぶ複数の平行四辺形の短辺は直線上に位置しており、長辺は孔間隔Kだけ離れて平行に配置されている。
平行四辺形の長辺の長さは、短辺の長さの2.8倍以上3.2倍以下であり、3倍が好適である。
平行四辺形の短辺の長さは、孔間隔Kの1.8倍以上2.2倍以下であり、2倍が好適である。
孔有列76の幅は、孔無列78の幅Hの0.8倍以上1.2倍以下であり、1倍が好適である。
【0042】
貫通孔71によるホール部64の開口率は、30%以上40%以下であり、35%が好適である。
平行四辺形の短辺の長さが孔間隔Kの1.8倍以上2.2倍以下であるから、ライン溝60の方向における孔有列76の開口率は、64.2%以上68.8%以下になる。
孔有列76と孔無列78との幅は同じであり、4本の孔有列76と3本の孔無列78とでライン溝60のライン幅Wを形成しているから、ライン幅W方向における開口率は、4本/7本=0.571となり、約57%以下になる。
このように、ライン幅Wの開口率に比べて、ライン溝60の方向における孔有列76の開口率が大きいのは、ライン溝60への印刷方向へのインクの充填を確実にするためである。
【0043】
(b)直方体
貫通孔72の形状は、四角柱体であり、直方体であり、外表面52と平行な面による断面形状は長方形又は矩形である。
以下、前記平行六面体と異なる点について説明する。
孔有列76に連続して並ぶ複数の直方体の短辺は、直線上に位置しており、長辺は孔間隔Kだけ離れて平行に配置されている。
長方形の長辺の長さは、短辺の長さの1.8倍以上2.2倍以下であり、2倍が好適である。
長方形の短辺の長さは、孔間隔Kの1.8倍以上2.2倍以下であり、2倍が好適である。
孔有列76の幅は、孔無列78の幅Hの0.8倍以上1.2倍以下であり、1倍が好適である。
貫通孔72によるホール部64の開口率は、33%以上43%以下であり、38%が好適である。
貫通孔72によるライン溝60の方向における孔有列76の開口率は、ライン幅Wの開口率よりも大きい。
【0044】
(c)円筒形
貫通孔73の形状は、円筒形であり、外表面52と平行な面による断面形状は円形である。
以下、前記平行六面体と異なる点について説明する。
孔有列76に連続して並ぶ複数の円形の中心は、直線上に位置しており、貫通孔73は孔間隔Kだけ離れて配置されている。
円形の直径の長さは、孔間隔Kの3.5倍以上4.5倍以下であり、4倍が好適である。
孔有列76の幅は、孔無列78の幅Hの0.8倍以上1.2倍以下であり、1倍が好適である。
貫通孔73によるホール部64の開口率は、32%以上42%以下であり、37%が好適である。
貫通孔73によるライン溝60の方向における孔有列76の開口率は、ライン幅Wの開口率よりも大きい。
【0045】
(d)小円筒形の集合
貫通孔74の形状は、円筒形であり、外表面52と平行な面による断面形状は円形である。
以下、前記平行六面体と異なる点について説明する。
孔有列76には、正三角形のコーナーに貫通孔74が配置された基本単位が、複数直線状に配置されている。貫通孔74は孔間隔Kだけ離れて配置されている。
円形の直径の長さは、孔間隔Kの1.0倍以上1.2倍以下であり、1.1倍が好適である。
孔有列76の幅は、孔無列78の幅Hの1.2倍以上1.6倍以下であり、1.4倍が好適である。
貫通孔74によるホール部64の開口率は、6%以上16%以下であり、11%が好適である。
貫通孔74によるライン溝60の方向における孔有列76の開口率は、ライン幅Wの開口率よりも大きい。
【0046】
<配列の比較>
前記(a)から(d)の印刷結果を比較すると、(a)から(d)の順に印刷結果が悪くなる。
【0047】
(d)のように、開口率が30%を下回る場合は、直線が十分にきれいに印刷されない。(a)から(c)の開口率は、35%前後であり、直線がきれいに印刷されるので、開口率は、30%以上が望ましい。
【0048】
(a)から(c)の開口率は、30%以上40%以下であるが、(a)、(b)の方が(c)より、直線がきれいに印刷されるので、開口の形状は円形ではなく矩形が望ましい。貫通孔が矩形の場合は、隣り合う貫通孔の孔間隔Kが一定にできるのに対して、貫通孔が円形の場合は、隣り合う貫通孔の孔間隔Kが一定にできない。
【0049】
(a)の開口率35%前後は、(b)の開口率38%前後より劣っているが、(a)の方が(b)より、直線がきれいに印刷されるので、開口の形は長方形ではなく平行四辺形が望ましい。しかも、平行四辺形の対向する長辺を孔有列76の方向に対して傾斜させることが望ましい。
貫通孔が平行四辺形の場合は、インクが印刷方向Zに対して斜め方向に押されて凹部62に吐出されるのに対して、貫通孔が長方形の場合は、インクを斜め方向に押しだす力が弱くなると考えられる。
インクが斜め方向に押されて凹部62に吐出されれば、孔間隔Kの裏側の凹部62に対してインクが充填されやすくなり、孔無列78の裏側の凹部62に対してインクが充填されやすくなる。
【0050】
***実施の形態2の効果***
ライン溝60に孔無列78を設けたので、スクリーン版50の強度を保つことができる。
開口率を30%以上40%以下、望ましくは、35%以上38%以下にすることにより、スクリーン版50の強度を保ちながら、確実に直線を印刷することができる。
印刷方向Zに対してインクを斜めに突出する貫通孔を設けることにより、インクが凹部62に充填されやすくなり、確実な印刷ができる。
【0051】
***その他の構成***
図10は、実施の形態2のスクリーン版50の外表面52のその他の構成図である。
図10において、
図9と異なる点は、貫通孔66の形状と貫通孔66の配列である。
【0052】
(a)左右対称
貫通孔71の形状は、平行六面体であり、1点鎖線で示す中央線の左2列の孔有列76と右2列の孔有列76との長辺の傾斜が反対であり、左2列の孔有列76と右2列の孔有列76とが、ライン溝60の中央線に対して線対称に形成されている。
スクリーン版50は、矢印の方向に移動するので、インクは矢印の後方の外側に押されながら凹部62に吐出される。
孔有列76がライン溝60の中央線に対して線対称に形成されているので、凹部62に対してインクが左右均等に充填される。
【0053】
(b)長辺と短辺
貫通孔75の形状は、平行六面体であり、外表面52に現れる形状は平行四辺形であるが、
図9の(b)とは、長辺と短辺の位置が異なる。
連続して並ぶ複数の平行四辺形の長辺は直線上に位置しており、短辺は孔間隔Kだけ離れて平行に配置されている。
【0054】
(c)平行六面体と円筒形とのミックス
平行六面体の貫通孔72と円筒形の円筒孔70とを組み合わせてもよい。
円筒形の円筒孔70は、ライン溝60の中央部分にあり、平行六面体の貫通孔72は、中央部分の外側部分にある。
平行六面体の貫通孔72は、外側部分にあるので、凹部62の両サイドにインクが充填されやすい。また、円筒形の円筒孔70がある中央部分には、孔無列78がないので、中央部分に対して裏側へのインクの充填もれが防止できる。
【0055】
(d)V字の貫通孔
連続して並ぶ複数のV字の貫通孔68により、孔有列76を形成してもよい。
V字の各貫通孔68の両サイドはライン溝60の方向と平行な側面69が形成されており、孔有列76の複数のV字の各貫通孔68の両サイドの側面69は、直線上に配置されている。ライン溝60の方向の側面69の長さは孔間隔Kよりも大きい。
スクリーン版50は、矢印の方向に移動するので、インクは矢印の後方の外側に押されながら凹部62に吐出される。
左隣の孔有列76は、右隣の孔有列76より、ライン溝60の方向にずれて配置されており、左隣の孔有列76の側面69の配置位置が右隣の孔有列76の孔間隔Kの配置位置と対応するように配置されている。
左隣の孔有列76の側面69の配置位置が右隣の孔有列76の孔間隔Kの配置位置と対応するように配置されているので、右隣の側面69の孔間隔Kによりインクが供給されにくい部分に、左隣の孔無列78の貫通孔68の側面69からインクを供給することができる。
【0056】
実施の形態3.
実施の形態3では、実施の形態1と異なる点について説明する。
【0057】
***構成の説明***
図11は、実施の形態3のスクリーン版50の断面図である。
図11において、前述した実施の形態と異なる点は、貫通孔66の形状である。
【0058】
(a)錐状の貫通孔
貫通孔は、錐状でもよい。貫通孔の具体例は、円錐台、角錐台である。錐台の面積が大きい底面を内表面54に配置し、錐台の面積が小さい上面を外表面52に配置する。
面積が大きい底面からインクを大量に取り込むことができる。
【0059】
(b)ホール部64に取込部61を形成
ベルト51の内表面54のホール部64に取込部61を形成してもよい。
取込部61の形状は、凹部62の形状と同じであり、インクを取り込む窪みである。
取込部61もベルト51の内表面54を一周して形成されている。
貫通孔66は、取込部61の底面から凹部62の底面まで貫通している。
図11では、貫通孔66と取込部61と凹部62との厚さは均等であり、ベルト51に厚さの3分の1の厚さを有する。
取込部61をベルト51の内表面54に設けているので、取込部61から貫通孔66にインクを大量に送り込むことができる。
【0060】
(b)取込部61に斜面
ホール部64の取込部61の側面を斜面65にしてもよい。斜面55は、取込部61の底面から内表面54に向かって間隔が広くなるように形成されている。取込部61の内表面54における幅は、ホール部64の幅よりも広い。すなわち、取込部61の内表面54における幅は、凹部62の幅すなわちライン幅Wよりも広い。
取込部61の側面を斜面65にして取込部61の開口面積を大きくするので、取込部61から貫通孔66にインクを大量に送り込むことができる。
【0061】
***その他の構成***
ライン溝60は、直線に限らず、曲線、波線でもよいし、破線、鎖線でもよい。
ライン溝60は、折れ曲がっていてもよい。
ライン溝60の幅は、一定でなくてもよく、幅が変化してもよい。
ライン溝60の凹部62の断面形状は、ドーム状、釣鐘状、皿状、ラッパ状、台形状、山形状、又は、その他の形状でもよい。
【0062】
ベルト51は、金属製でなくてもよく、樹脂製でもよいし、その他のスクリーン素材でもよい。
ベルト51は、ローラの回転半径に追随できる柔軟性を有する帯材を用いて製造される。
【0063】
貫通孔の形状は、楕円柱体でもよいし、三角柱体あるいは五角柱体その他の多角柱体でもよい。
前述した貫通孔の形状と貫通孔の配置パターンは一つのベルト51に対して組み合わせて使用することができる。
また、前述した貫通孔の形状と貫通孔の配置パターンは、一つの孔有列76に対して組み合わせて使用することができる。
また、複数の孔有列76の列毎に、前述した貫通孔の形状と貫通孔の配置パターンを変更して用いることができる。
【0064】
印刷するパターンが、水玉模様、花びら模様のように印刷方向に連続していない場合でもよい。その場合は、水玉模様、花びら模様を形成する水玉形状あるいは花びら形状をした凹部62を形成し、凹部62に対して複数の貫通孔66を形成すればよい。
水玉形状あるいは花びら形状が十分小さい場合は、凹部62を形成せず、水玉形状あるいは花びら形状の貫通孔66を形成して貫通孔66だけで印刷方向に連続していない模様を印刷すればよい。
【0065】
実施の形態4.
実施の形態4では、実施の形態1と異なる点について説明する。
【0066】
***構成の説明***
図12は、実施の形態4におけるスクリーン版50の斜視図である。
スクリーン版50は、ロータリースクリーン印刷装置に用いられるエンドレスメタルマスクである。
スクリーン版50は、スクリーン印刷装置による連続パターン印刷用の版として利用される。
スクリーン版50は、板材をリング状にした円筒状のスクリーン版である。
【0067】
スクリーン版50は、平帯状の環状のベルト51を有する。
ベルト51は、外周に外表面52を有し、内周に内表面54を有する。
外表面52は、複数のライン溝60を有する。
【0068】
ベルト51は、長尺の帯材の端部58と端部58とが接合された接合部56を有する。
【0069】
外表面52には、ライン幅Wのライン溝60が平行に形成されている。
凹部62は、スクリーン版50のベルト51の外表面52に形成された空間である。
ライン溝60は、凹部62が長尺方向に連続して形成されたコ字溝又は厚みU字溝である。
【0070】
ホール部64は、凹部62の底面63からスクリーン版50のベルト51の内表面54まで部分である。
ホール部64は、凹部62の底面63からスクリーン版50のベルト51の内表面54まで貫通する貫通孔66を有する。
ホール部64の幅は、凹部62の幅すなわちライン溝60の幅と同じである。
【0071】
貫通孔66は、円筒形をしている。
貫通孔66は、ホール部64において所定の配列パターンで配列されている。
貫通孔66は、接合部56にも形成されている。
【0072】
スクリーン版50は、両端に、エンドリング59を有する。
エンドリング59は、環状の金属環である。
エンドリング59は、ネジ112により、ベルト51を固定している。
エンドリング59は、図示していない駆動機構に対して取り付けられ、スクリーン版50は、駆動機構により回転する。
【0073】
***スクリーン版50の製造方法の説明***
図13を用いて、スクリーン版50のスクリーン版製造方法について説明する。
【0074】
ステップS10:帯材の形成工程
長尺のステンレス鋼又はその他の金属板をカットして、
図14に示すような長さL9の帯材120を形成する。
【0075】
ステップS11:貫通孔66の形成工程
図14に示すように、帯材120の端部58にあるデッドスペースDSを除いて、帯材120に貫通孔66を形成する。
デッドスペースDSとは、帯材120の端部58に貫通孔66がかかってしまう部分である。すなわち、デッドスペースDSとは、貫通孔66が予定された形状で形成できない部分であり、貫通孔66を形成しない部分である。
デッドスペースDSを設けることで、帯材120の端部58は、途切れることなく直線状の端部となる。
図14では、デッドスペースDSは、帯材120の幅全体に存在する矩形形状をしている。
図14において、1点鎖線で示すデッドスペースDSの境界線は、帯材120の端部58と平行な直線である。
図14において、デッドスペースDSの長さL8は、デッドスペースDSの長さL8は、具体的には、2mm以上10mm以下がよく、3mm以上5mm以下が好ましい。
デッドスペースDSの長さL8は、接合処理及びレーザ加工処理が適切に実行できる長さを確保するために最短3mmであることが望ましい。
一例として、デッドスペースDSの長さL8は、長手方向に2個以上10個以下あるいは5個以上10個以下の複数の貫通孔66が形成される長さであることが望ましい。
なお、帯材120の両端にある端部58のデッドスペースDSの長さL8は、両端とも同じ長さである必要はなく、帯材120の一端にあるデッドスペースDSの長さは、帯材120の他端にあるデッドスペースDSの長さと異なっていてもよい。
また、帯材120の長手方向に沿って、外縁部分にネジ穴11を形成する。
【0076】
ステップS12:凹部62の形成工程
貫通孔66を形成した後、貫通孔66の周囲に帯材の厚さの途中まで凹部62を形成する。
凹部62は、ハーフエッチング加工により、帯材の全長に渡って形成する。
凹部62は、デッドスペースDSにも形成する。
このハーフエッチング加工により、ライン溝60が形成される。
図14は、帯材120に貫通孔66を形成し凹部62を形成した状態を示している。
【0077】
ステップS13:接合工程
貫通孔66を形成し凹部62を形成した後、帯材120の端部58と端部58とを接合して環状のベルトを形成する。
接合の際には、凹部62が外表面52に現れるようにし、ホール部64が内表面54に現れるようにして帯材120の端部58と端部58とを接合する。
接合処理には、半田付け、レーザ加工、又は、接着剤を用いることができる。
この接合処理により、ベルト51が形成される。
図15は、帯材120を環状に曲げた状態を示している。
図16は、帯材120の端部58と端部58とを接合した状態を示している。
図17は、接合部56とデッドスペースDSの拡大図であり、デッドスペースDSに貫通孔66は存在しない。
【0078】
ステップS14:デッドスペースDSへの貫通孔66の形成工程
帯材の端部58と端部58とを接合した後、接合部56に、貫通孔66と凹部62とを形成する。
すなわち、帯材120の端部58と端部58とを接合した接合部56を挟むデッドスペースDSに貫通孔66を形成する
接合部56凹部62が接合処理により損傷している場合、凹部62を修復する。
貫通孔66の形成と凹部62の修復には、レーザ加工を用いることができる。
図18は、デッドスペースDSに貫通孔66を形成した状態を示している。
図19は、接合部56とデッドスペースDSの拡大図であり、3個の貫通孔66が接合部56を横切ってデッドスペースDSに形成されている。
図19に示すように、デッドスペースDSに形成する貫通孔66の形状とデッドスペースDS以外に形成する貫通孔の形状とは同じである。
また、デッドスペースDSに形成する貫通孔66の配置パターンとデッドスペースDS以外に形成する貫通孔の配置パターンとは同じである。
すなわち、帯材120の長さL9すなわちベルト51の長さL9とデッドスペースDSの寸法とは、貫通孔66の形状と配置パターンとがデッドスペースDS以外に形成する貫通孔の形状と配置パターンと同じになるように予め決定されている。
【0079】
ステップS15:エンドリング59の取り付け工程
図20に示すように、ベルト51の両側にエンドリング59を嵌め込み、ベルト51とエンドリング59のネジ穴111を一致させて、ネジによりネジ止めする。
【0080】
***実施の形態4の効果の説明***
実施の形態4によれば、デッドスペースDSを設けることによりベルト51の端部58を直線状にすることができ、直線状の端部58を接合するので、接合作業が容易である。
また、ベルト51の接合部56に貫通孔66を形成するので、連続パターンの印刷が可能になる。
【0081】
また、ベルト51の外表面52に凹部62を有しているので、途切れることのない連続パターンの印刷が可能である。
【0082】
また、ベルト51の両側にエンドリング59を有しているので、スクリーン版50を正確に回転させることができる。
また、エンドリング59に既存のエンドリングと互換性があれば、スクリーン版50を既存のロータリースクリーン印刷装置に使用することができる。
【0083】
***実施の形態4の変形例***
**非直線状接合部その1**
図21は、実施の形態4におけるスクリーン版50の他の例による接合部56とデッドスペースDSとの部分拡大図である。
図21に示すように、帯材120の端部58及び接合部56を直線状にしなくてもよい。
図21は、接合部56に貫通孔66が形成されないように端部58を形成した例である。
図21の端部58は、ライン溝60の長手方向において、貫通孔66を避けて凹凸が形成されている。
図21の構成によれば、貫通孔66が接合部56に形成されないので、接合強度の減少を防止することができる。
また、端部58に山型又は谷型の凹凸が形成されているので、端部58が直線状の場合に比べて接合距離が長くなり接合強度が増加する。
【0084】
**非直線状接合部その2**
図22は、
図21の構成に対して、さらに、ライン溝60が形成されていない部分の端部58に山型又は谷型の凹凸を形成した場合を示している。
図22の構成によれば、端部58のライン溝60が形成されていない部分にも凹凸が形成されているので、端部58が直線状の場合に比べて、接合距離が長くなり接合強度が増加する。
なお、図示しないが、ライン溝60が形成されている部分の端部58は直線状にして、ライン溝60が形成されていない部分の端部58に凹凸を形成してもよい。
ライン溝60が形成されている部分は、凹部が形成されている薄い部分である。
ライン溝60が形成されている薄い部分よりもライン溝60が形成されていない厚い部分に凹凸を形成した方が、接合面積が増し接合強度が増す。
【0085】
**その他の接合部とデッドスペース**
図23は、実施の形態4におけるスクリーン版50の接合部56とデッドスペースDSの他の例を示す図である。
【0086】
図23の(a)に示す端部58は、ライン溝60において貫通孔66を避けて鋸刃状に形成されている。1点鎖線で示すデッドスペースDSの境界線も貫通孔66を避けて鋸刃状に形成されている。
端部58とデッドスペースDSの境界線との間には、長手方向に3個の貫通孔66が形成される。
【0087】
図23の(b)に示す端部58は、ライン溝60において貫通孔66を避けて台形状に形成されている。
一方の端部58の台形状の凸部が他方の端部58に台形状の凹部に嵌め込まれるので、接合後に両者が引き離されにくい構成になっている。
1点鎖線で示すデッドスペースDSの境界線は直線である。
端部58とデッドスペースDSの境界線との間には、長手方向に1個又は3個の貫通孔66が形成される。
【0088】
図23の(c)に示す端部58は、ライン溝60において貫通孔66を避けて波状に形成されている。
1点鎖線で示すデッドスペースDSの境界線は直線である。
端部58とデッドスペースDSの境界線との間には、長手方向に1個又は2個の貫通孔66が形成される。
【0089】
図23の(d)に示すベルト51は、ライン溝60が360度一周しているのではなく、ライン溝60が螺旋状に連続している場合を示している。
【0090】
図23の(e)に示すベルト51は、ライン溝60と凹部62とがなく、星形の貫通孔66が長手方向に連続しており、接合部56が直線状に存在する場合を示している。
1点鎖線で示すデッドスペースDSの境界線は直線である。
【0091】
図23の(f)に示すベルト51は、ライン溝60と凹部62とがなく、星形の貫通孔66が長手方向に連続しており、接合部56に凹凸が存在する場合を示している。
1点鎖線で示すデッドスペースDSの境界線は直線である。
デッドスペースDSの境界線は星形の貫通孔66を横切っている。
この場合は、まず、ステップS11の貫通孔66の形成工程で、デッドスペースDSの範囲外の星形の半分を形成する。
そして、ステップS14のデッドスペースDSへの貫通孔66の形成工程において、デッドスペースDSにある残り半分の貫通孔を形成すればよい。
【0092】
図23に示すように、端部58と接合部56の形状は直線でもよいし、印刷パターンに合わせて変更されてもよい。
また、デッドスペースDSの境界線の形状も、接合部56の形状と同じ直線でもよいし、印刷パターンに合わせて変更されてもよい。
接合部56の形状とデッドスペースDSの形状は、貫通孔66の形状と貫通孔66の配置パターンと接合作業の難易度と接合結果の強度とに基づいて決定される。
【0093】
図示しないが、スクリーン版50が円筒形でなくてもよく、他の実施の形態のようにエンドリング59のない環状ベルトでもよい。
【0094】
**ライン溝60と貫通孔66とが1対1の構成**
図24は、連続パターンが連続ラインであって、ベルト50の1本の連続ラインのライン幅Wが小さい場合を示している。
図24に示すように、ライン幅Wが小さい連続ライン場合、ライン溝60のライン幅Wの方向に1個の円筒形の貫通孔66が形成される。
すなわち、ベルト50のライン溝60の数と貫通孔66との数とは等しくなり、ライン溝60と貫通孔66とは1対1になる。
例えば、1本の連続ラインのライン幅Wが0.9mm以下の場合、特に、1本の連続ラインのライン幅Wが0.5mm以下の場合、ライン溝60のライン幅Wの方向に1個の貫通孔66が形成される。
【0095】
ライン溝60のライン幅Wの方向に1個の貫通孔66が形成される場合、貫通孔66の直径Dは、ライン溝60のライン幅Wの80%以上100%以下がよく、さらに、ライン溝60のライン幅Wの90%以上100%以下が好ましく、さらには、
図24に示すように、ライン溝60のライン幅Wと同じであることが好適である。
【0096】
図24に示すように、ライン溝60のライン幅Wの方向に1個の貫通孔66が形成される場合でも、ハーフエッチング処理により凹部62を形成する。
また、端部58にデッドスペースDSを設け、デッドスペースDSには、貫通孔66を形成しない。
【0097】
図25は、ライン溝60のライン幅Wの方向に1個の貫通孔66を形成する場合の貫通孔の各種形状を示す図である。
貫通孔の形状は、(a)平行六面体、(b)直方体、(c)円筒形、又は、(d)小円筒形の集合でもよいし、これらの組み合わせでもよい。あるいは、貫通孔の形状は、
図25に図示していない形状でもよい。
【0098】
図25に示すように、ライン溝60のライン幅Wの方向に1個の貫通孔66が形成される場合、貫通孔の形状が変わっても、端部58にデッドスペースDSを設け、デッドスペースDSには、貫通孔を形成しない。
【0099】
***実施の形態の補足***
図7と
図13に示したステップS11の貫通孔66の形成工程とステップS12の凹部62の形成工程は、エッチング加工を用いて同時に実行することが可能である。
あるいは、
図7と
図13に示したステップS11の貫通孔66の形成工程をステップS12の凹部62の形成工程よりも後に実行することが可能である。
【0100】
制御部110の機能は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせで実現してもよい。つまり、制御部110の一部をソフトウェアで実現し、制御部110の残りをハードウェアで実現してもよい。また、フローチャート等を用いて説明した手順は、方法又はプログラムの手順の一例である。
【0101】
前述した実施の形態を組み合わせてもかまわない。
【符号の説明】
【0102】
50 スクリーン版、51 ベルト、52 外表面、54 内表面、56 接合部、58 端部、59 エンドリング、60 ライン溝、61 取込部、62 凹部、63 底面、64 ホール部、65 斜面、66 貫通孔、67 傾斜面、68 貫通孔、69 側面、70 円筒孔、71 貫通孔、72 貫通孔、73 貫通孔、74 貫通孔、75 貫通孔、76 孔有列、78 孔無列、80 スクリーン印刷装置、81 インク供給器、82 スキージ、83 インク、84 ガイドローラ、86 押圧ローラ、88 円筒ローラ、90 搬送ローラ、92 駆動装置、94 駆動装置、96 印刷位置、98 上下機構、100 ワーク、102 印刷ライン、104 センサ、110 制御部、111 ネジ穴、112 ネジ、120 帯材、P ラインピッチ、W ライン幅、D 直径、K 孔間隔、L 間隔、M 間隔、Y 厚さ、T 深さ、U 厚み、F 角度、G 角度、H 幅、DS デッドスペース。