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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-20
(45)【発行日】2022-10-28
(54)【発明の名称】表示方法
(51)【国際特許分類】
   A01B 69/00 20060101AFI20221021BHJP
   A01B 33/02 20060101ALI20221021BHJP
   G06Q 50/02 20120101ALI20221021BHJP
【FI】
A01B69/00 301
A01B33/02 Z
G06Q50/02
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017218123
(22)【出願日】2017-11-13
(65)【公開番号】P2019088204
(43)【公開日】2019-06-13
【審査請求日】2020-10-02
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390010836
【氏名又は名称】小橋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】池田 幸治
(72)【発明者】
【氏名】三浦 謙二
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-119213(JP,A)
【文献】特開2017-169496(JP,A)
【文献】特開2014-187953(JP,A)
【文献】特開2016-101145(JP,A)
【文献】特開2017-112896(JP,A)
【文献】特開2006-262773(JP,A)
【文献】特開2000-161952(JP,A)
【文献】特開2017-060524(JP,A)
【文献】特開2017-023054(JP,A)
【文献】特開2003-308121(JP,A)
【文献】特開2017-127207(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 69/00
A01B 33/02
G06Q 50/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場を走行中の作業機がこれから作業を行う作業経路と、
前記作業機によって前記作業が行われた前記圃場の砕土状態を示す圃場の状態を判定した判定結果であって、前記圃場に対して接触又は非接触の方法で前記作業機が取得した、前記圃場の表面の凹凸に関する測定データを評価することで得られる前記判定結果と、を同一画面に表示する圃場状態の表示方法。
【請求項2】
前記判定結果は、前記作業経路に沿って表示される、請求項1に記載の表示方法。
【請求項3】
前記判定結果は、前記作業機に備えられた前記圃場に接する接地部材の前記圃場に対する上下動の変化に基づいて判定される、請求項2に記載の表示方法。
【請求項4】
前記作業経路は、過去の前記判定結果に基づいて決定される、請求項3に記載の表示方法。
【請求項5】
圃場を走行中の作業機がこれから作業を行う作業経路と、
前記作業機によって前記作業が行われた、作業区間毎の圃場の砕土状態であって、前記圃場に対して接触又は非接触の方法で前記作業機が取得した、前記圃場の表面の凹凸に関する測定データを評価することで得られる前記砕土状態を示す圃場の状態が判定され、前記作業区間毎に表示されるブロック判定の結果と、を同一画面に表示する圃場状態の表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示方法に関する。特に、トラクタの後部に装着される作業機に設けられた接地部材の上下動の変化に基づいて判定された圃場の圃場状態の表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、農作業の労働時間を軽減するために作業機のオートマチック化が進められ、様々な作業機が開発されている。特に、トラクタ等の走行機体の後方に装着され、耕耘や代かきなど、作業の種類に応じて交換可能な作業機(耕耘機や代かき機)は、トラクタ等の走行機体に対してアタッチメントのように交換するだけで様々な農作業に対応することが可能であり、農作業のコスト低減に大きく寄与している。
【0003】
また、従来の農作業は各農家の経験と勘に頼っていた。したがって、各農家によって農作業の効率にばらつきが生じていたため、農作物の収穫量および品質にもばらつきが生じていた。さらに、各農家が世代交代すると、新たな世代を担う農家は、その経験と勘のすべてを引き継ぐことは困難であり、農作業の経験の蓄積が活かされない。
【0004】
耕耘機や代かき機によって圃場に対して耕耘又は代かきの作業を行う場合、耕耘後又は代かき後の均平状態や土塊の大きさを把握する必要がある。しかし、圃場全ての均平状態や土塊の大きさを確認することはできないため、圃場の限られた領域だけの情報しか得ることができない。そのため、作業者は作業中の作業機に伝わる振動や作業後の圃場状態の目視によって均平状態や土塊の大きさを推測していた。耕耘後又は代かき後の圃場の圃場状態を評価する方法として、リヤカバー21の回動基部に角度センサー22を配置し、リヤカバー21の回動によって耕深を検知する手法が用いられている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平9-28109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された構造では、詳細な圃場の均平状態や土塊の大きさを評価することができない。さらに、特許文献1に開示された構造の作業機では、圃場全体の圃場状態を管理することはできず、圃場の各位置における圃場状態は作業者の記憶に頼っていた。本発明は、そのような課題に鑑みてなされたものであり、圃場を作業しながらその作業の結果得られた圃場状態を作業者が容易に視認できるように表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態による表示方法は、圃場を走行する作業機の作業経路と、前記作業機によって作業された圃場の状態を判定した判定結果と、を同一画面に表示する。
【0008】
前記判定結果は、前記作業経路に沿って表示されてもよい。
【0009】
前記判定結果は、前記作業機に備えられた前記圃場に接する接地部材の前記圃場に対する上下動の変化に基づいて判定されてもよい。
【0010】
前記作業経路は、過去の前記判定結果に基づいて決定されてもよい。
【0011】
本発明の一実施形態による表示方法は、圃場を走行する作業機によって作業された、作業区間毎の圃場の状態を判定するブロック判定の結果を前記作業区間毎に表示する。
【0012】
前記ブロック判定の結果が表示される圃場マップとは異なる領域に、前記作業区間よりも短い区間の圃場の状態を判定するリアルタイム判定の結果を表示してもよい。
【0013】
前記ブロック判定の結果は、前記リアルタイム判定に用いられた情報が統計処理された情報に基づく判定結果であってもよい。
【0014】
前記ブロック判定及び前記リアルタイム判定は、前記作業機に備えられた前記圃場に接する接地部材の前記圃場に対する上下動の変化に基づいて行われてもよい。
【0015】
前記リアルタイム判定の結果に応じて、前記作業機及び前記作業機を牽引する走行機体の少なくとも一方の作業条件を変更するガイダンスを作業者に通知してもよい。
【0016】
前記リアルタイム判定の結果は、圃場状態に応じた第1判定結果、第2判定結果、及び第3判定結果を含み、前記第1判定結果は、相対的に良好な圃場の状態を示す結果として定義され、前記第3判定結果は、相対的に良好ではない圃場の状態を示す結果として定義され、前記第2判定結果は、前記第1判定結果と前記第3判定結果との間の圃場状態を示す結果として定義され、前記リアルタイム判定結果が前記第1判定結果又は前記第3判定結果の場合は、前記ガイダンスは作業者に通知されず、前記リアルタイム判定結果が前記第2判定結果の場合に前記ガイダンスが作業者に通知されてもよい。
【0017】
前記圃場に対する前記ブロック判定の結果のうち、合否判定基準に基づいて不合格と判定された結果の割合に基づいて導出された前記圃場に対する圃場判定結果を表示してもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る作業機によれば、圃場を作業しながらその作業の結果得られた圃場状態を作業者が容易に視認できるように表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る走行機体及び作業機の全体構成を示す概略図である。
図2】本発明の一実施形態に係る走行機体及び作業機の機能構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る作業機の全体構成を示す上面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る作業機のレベラ角度検出機構の全体構成を示す側面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る作業機を用いた圃場状態の判定方法の動作フローを示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る圃場状態の判定方法において、圃場登録画面に表示されるインターフェースの一例を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係る圃場状態の判定方法を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係る圃場状態の判定方法を示す図である。
図9】本発明の実施形態に係る圃場状態の判定方法を示す図である。
図10】本発明の実施形態に係る圃場状態の判定に用いられるルックアップテーブル(LUT)に関連するインターフェースを示す図である。
図11】本発明の実施形態に係る圃場状態の判定方法によって得られたデータの一例を示す図である。
図12】本発明の実施形態に係る圃場状態の判定結果をモニタに表示する一例を示す図である。
図13】本発明の実施形態に係る圃場状態の判定結果をモニタに表示する一例を示す図である。
図14】本発明の実施形態に係る圃場状態の判定結果の表示方法において、作業条件を変更する作業ガイダンスを作業者に通知する方法の一例を示す図である。
図15】本発明の実施形態に係る圃場状態の判定結果を用いて、適正な作業経路を表示する一例を示す図である。
図16】本発明の実施形態に係る圃場状態の判定結果の基準を変更する方法の一例を示す図である。
図17】本発明の一実施形態に係る作業機のレベラ角度検出機構の詳細を示す側面図である。
図18】本発明の一実施形態に係る作業機のレベラ角度検出機構の詳細を示す上面図である。
図19】本発明の一実施形態に係る作業機において、伸縮ロッドが最も伸びた状態を示す側面図である。
図20】本発明の一実施形態に係る作業機において、伸縮ロッドが最も縮んだ状態を示す側面図である。
図21】本発明の実施形態に係る圃場状態の判定方法によって得られたデータの管理方法の一例を示す図である。
図22】本発明の実施形態に係る圃場状態の判定方法(A)及び収量のマッピングデータ(B)の一例を示す図である。
図23】本発明の実施形態に係る収量のマッピングデータを圃場状態の判定方法のブロックの境界で区分した図である。
図24】本発明の実施形態に係る圃場状態の判定結果をモニタに表示する一例を示す図である。
図25】本発明の実施形態に係る圃場状態のリアルタイム判定結果の一例を示す図である。
図26】本発明の一実施形態に係る圃場状態の判定方法において、圃場登録画面に表示されるインターフェースの一例を示す図である。
図27】本発明の実施形態に係る圃場全体に対する圃場状態の判定結果をモニタに表示する一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明に係る作業機について説明する。但し、本発明の作業機は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本実施の形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の数字を付し、又は同一の数字の後にアルファベットを付し、その繰り返しの説明は省略する。また、説明の便宜上、上方(上部)又は下方(下部)という語句を用いて説明するが、上方(上部)又は下方(下部)は、作業機が圃場に対して作業をしている状態における上下方向を示す(図1参照)。また、同様に、前方(前側)又は後方(後側)という語句を用いて説明する場合、前方(前側)は作業機に対する作業機を牽引する走行機体の方向を示し、後方(後側)は走行機体に対する作業機の方向を示す(図1参照)。
【0021】
〈第1実施形態〉
本実施形態では、圃場状態を判定するための作業機として代かき機が用いられた構成について例示するが、この構成に限定されない。例えば、圃場状態を判定するための作業機として、代かき機以外に、作業中に圃場に対して接触可能な接地部材を備えた作業機を用いることができる。例えば、このような作業機として、耕耘機、砕土機、プラウなどが用いられてもよい。なお、本実施形態では作業機として代かき機が用いられるため、上記接地部材は均平部材(レベラ)に相当する。
【0022】
[全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る走行機体及び作業機の全体構成を示す概略図である。図1に示すように、圃場を走行する走行機体10の後方に作業機20が装着されている。ただし、作業機20に自走機構が設けられる場合は、走行機体10を省略することができる。なお、この場合、以下に説明する本発明の実施形態を実現するための走行機体10の各機能は作業機20に設けられる。
【0023】
走行機体10は、車体100、モニタ110、及び三点リンク機構120を備える。モニタ110は車体100の前方に設けられる。三点リンク機構120は車体100の後方に設けられる。後述するように、モニタ110には各種条件の設定画面、圃場に接する均平部材の回動角度、及び圃場状態の判定結果等の情報が表示される。なお、モニタ110はタッチセンサ付きディスプレイであることが好ましい。本実施形態では、モニタ110は走行機体10に備えられているが、モニタ110は作業者が保有する通信端末(例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレットPC、PDA、ノートPC、及びPHS)に置き換えることができる。作業機20は、三点リンク機構120に対して連結される。走行機体10は三点リンク機構120を制御することで、走行機体10に対する作業機20の高さを変えることができる。なお、走行機体10には作業機20の高さ調節機能が備えられていてもよい。当該調節機能によって、例えば、後述するシールドカバー210に対するエプロン220の角度を一定に保つように作業機20の高さが自動調節されてもよい。三点リンク機構120の構造は公知であるため、詳細な説明は省略する。
【0024】
本実施形態では、作業機20は代かき機である。作業機20はフレーム200、ロータ207、シールドカバー210、エプロン220(カバー部材)、及びレベラ230(均平部材)を備える。ロータ207はフレーム200に対して回転自在に取り付けられている。ロータ207は複数の作業爪を有しており、その作業爪を回転させながら圃場に作用させることで圃場を耕耘又は攪拌する。エプロン220はロータ207の後方において、フレーム200及びシールドカバー210に対して回転移動(回動)可能に設けられている。なお、シールドカバー210とフレーム200との位置関係は固定されているため、シールドカバー210をフレーム200の一部と見なすこともでき、上記の構成を、エプロン220はフレーム200に対して回動可能に接続されている、ということもできる。レベラ230はエプロン220に対して回動可能に設けられている。エプロン220及びレベラ230は、圃場に接触することで、ロータ207の作業によって荒れた圃場を均平化する。
【0025】
図2は、本発明の一実施形態に係る走行機体及び作業機の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、走行機体10は、制御部191、表示部193、及び位置検出部195を有する。作業機20は、制御部291及び検出部293を有する。制御部191と制御部291とは通信部121によって接続されている。制御部291は、通信部121を介して制御部191に対して各種情報を送信又は送受信する。例えば、後述するように、制御部291は制御部191にレベラ230の上下動の変化に関する情報を送信することができる。また、制御部291は制御部191から上記の高さ調節機能によって設定された情報を受信することができる。通信部121は有線であってもよく、無線であってもよい。通信部121の通信方法として、例えばCAN(Controller Area Network)、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等を用いることができる。なお、モニタ110を作業者が保有する通信端末に置き換える場合、少なくとも制御部191及び表示部193は通信端末の中央演算処理装置(CPU)によって実現される。もちろん、位置検出部195が通信端末に設けられていてもよい。
【0026】
表示部193は制御部191によって制御され、作業者が視認できるようにモニタ110に画像を表示する。ただし、上記のように、表示部193は走行機体10に備えられたモニタ110に画像を表示する代わりに、作業者が保有する通信端末に画像を表示させてもよい。位置検出部195は走行機体10の現在位置を検出する。位置検出部195によって検出された位置情報は制御部191に送信される。位置検出部195として、例えば全球測位衛星システム(GNSS;Global Navigation Satellite System)を用いることができる。GNSSとして、GPS、GLONASS、Galileo、準天頂衛星(QZSS)等の衛星測位システムを用いることができる。ただし、位置検出部195はGNSSに限定されず、走行機体10の位置情報を検出する他の機器を用いることができる。位置検出部195は走行機体10に設けられる代わりに作業機20に設けられてもよく、走行機体10及び作業機20の両方に設けられてもよい。制御部191、表示部193、及び位置検出部195は、上記と同様に有線又は無線で接続される。
【0027】
検出部293は、レベラ230のエプロン220に対する回動角度を検出する。換言すると、検出部293は、レベラ230の圃場に対する上下動の変化を検出する。検出部293によって検出されたレベラ230の上下動の変化は制御部291に送信される。検出部293として、詳細は後述するが、例えばポテンショメータを用いることができる。ただし、検出部293はポテンショメータに限定されず、レベラ230の上下動の変化を検出する他の機器を用いることができる。制御部291及び検出部293は、上記と同様に有線又は無線で接続される。
【0028】
制御部291に送信されたレベラ230の上下動の変化に関する情報は、通信部121を介して制御部191に送信される。そして、レベラ230の上下動の変化に関する情報は制御部191によって解析され、圃場状態を判定する。なお、圃場状態の判定方法の詳細は後述する。ただし、制御部291がレベラ230の上下動の変化に関する情報を解析し、圃場状態を判定してもよい。なお、制御部191及び制御部291は、ネットワークを介してサーバと通信してもよい。つまり、検出部293によって検出されたレベラ230の上下動の変化に関する情報が制御部191又は制御部291からサーバに送信され、サーバがその情報を解析して、圃場状態を判定してもよい。
【0029】
詳細は後述するが、位置検出部195によって検出された位置情報は走行機体10の現在位置を表示するために用いられるだけではなく、検出部293によって検出されたレベラ230の上下動の変化に基づいて得られた圃場状態の判定結果と併せてモニタ110に表示される。
【0030】
[作業機20の構成]
図3は、本発明の一実施形態に係る作業機の全体構成を示す上面図である。図3に示すように、作業機20は、フレーム200、中央作業部300、延長作業部400、レベラ拡張部490、レベラ角度検出機構500、及びレベラ制御部600を有する。作業機20は走行機体10の後方に装着される。詳細は図4で説明するが、中央作業部300及び延長作業部400のそれぞれの下方には複数の作業爪を有するロータ207が設けられる。
【0031】
フレーム200は、メインフレーム201、伝動フレーム(チェーンケース203が設けられた側のフレーム)、及びサイドフレーム205を有する。メインフレーム201は作業機20の長手方向(走行機体の進行方向に対して直交または単に交差する方向)に延びている。メインフレーム201の左右両端部にはチェーンケース203及びサイドフレーム205が配置される。チェーンケース203とサイドフレーム205との間にはロータ207がフレーム200に対して回転自在に支持される。具体的には、ロータ207は後述する中央シールドカバー310及び延長シールドカバー410のそれぞれの下方に取り付けられる。つまり、ロータ207に設けられた複数の作業爪は作業機20の長手方向に配列される。
【0032】
中央作業部300は、中央シールドカバー310、中央エプロン320、及び中央レベラ330を有する。中央シールドカバー310及び中央エプロン320は、第1接続部(図示せず)を回転移動の軸(回動軸)として接続される。また、中央エプロン320及び中央レベラ330は、第2接続部332を回動軸として接続される。第1接続部および第2接続部332は、蝶番状のヒンジを有する。つまり、第1接続部及び第2接続部332の各々は、円筒状部及び柱状部を有する。ここで、上記接続部の円筒状部は接続部によって接続される2つの部材の一方に固定されており、柱状部は円筒状部の内部を貫通し、柱状部の両端がこれらの部材の他方に固定される。
【0033】
中央シールドカバー310及び中央エプロン320はロータ207の作業によって飛散された飛散物が外部に放出されることを抑制する。つまり、中央シールドカバー310及び中央エプロン320をカバー部材ということができる。中央レベラ330はロータ207の作業によって耕耘又は撹拌された圃場に接触することで当該圃場を均平化する。つまり、中央レベラ330を均平部材又は接地部材ということができる。
【0034】
延長作業部400は中央作業部300の左右両端部に設けられ、中央作業部300の上方に折り畳まれた収納状態(図示せず)と、図3に示すように展開された作業状態とを切り替え可能に中央作業部300に接続される。
【0035】
延長作業部400は、中央作業部300と同様に延長シールドカバー410、延長エプロン420、及び延長レベラ430を有する。延長シールドカバー410及び延長エプロン420は、接続部422を回動軸として接続される。また、延長エプロン420及び延長レベラ430は、接続部432を回動軸として接続される。接続部422、432は、上記の第1接続部、第2接続部332と同様の構造を有する。
【0036】
延長シールドカバー410及び延長エプロン420は中央シールドカバー310及び中央エプロン320と同様に、延長作業部400に配置されたロータ207の作業によって飛散された飛散物が外部に放出されることを抑制する。つまり、延長シールドカバー410及び延長エプロン420をカバー部材ということができる。また、延長レベラ430は、中央エプロン320と同様に、延長作業部400に配置されたロータ207の作業によって耕耘又は撹拌された圃場に接触することで当該圃場を均平化する。つまり、延長レベラ430を均平部材又は接地部材ということができる。なお、図示しないが、延長シールドカバー410と延長エプロン420との間にはエプロン加圧機構が設けられている。当該エプロン加圧機構は、延長エプロン420が延長シールドカバー410に対して下方に回動するように延長エプロン420を加圧する。
【0037】
中央シールドカバー310と延長シールドカバー410とを特に区別しない場合、単にシールドカバー210という。中央エプロン320と延長エプロン420とを特に区別しない場合、単にエプロン220という。中央レベラ330と延長レベラ430とを特に区別しない場合、単にレベラ230という。
【0038】
延長レベラ430の端部には、整地可能な幅をさらに広げることができるレベラ拡張部490が設けられている。レベラ拡張部490は延長レベラ430に回動可能に接続される。また、レベラ拡張部490は作業機20の長手方向に対して走行機体側に傾斜した誘導面491を有する。
【0039】
レベラ角度検出機構500は、制御ボックス501に接続されている。制御ボックス501は中央シールドカバー310の上方に設けられている。制御ボックス501は、図2の制御部291の機能を有し、レベラ角度検出機構500によって検出された中央レベラ330の中央エプロン320に対する回動角度を走行機体10に設けられた制御部191に送信する。
【0040】
レベラ制御部600は、中央エプロン320に対する中央レベラ330の角度を制御する。延長レベラ430は中央レベラ330と連動して中央レベラ330の角度と同じ角度に制御される。例えば、作業状態において、レベラ制御部600が中央レベラ330を下方に押し込むことで、中央レベラ330及び延長レベラ430が中央エプロン320及び延長エプロン420に対して下方に回動した状態(土寄せ状態)を実現することができる。
【0041】
図4を用いて、レベラ角度検出機構500の詳細な構成について説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る作業機のレベラ角度検出機構の全体構成を示す側面図である。図4に示すように、検出部材(レベラ角度検出機構500)は、角度検出器(ポテンショメータ510)、第1アーム部520、第2アーム部530、第1弾性部540、及び第2弾性部550を有する。第1アーム部520、第2アーム部530、第1弾性部540、及び第2弾性部550を併せて伸縮ロッド590という場合がある。ポテンショメータ510は中央シールドカバー310に設けられた台座314に固定されている。ポテンショメータ510と第1アーム部520とは回動可能に接続されている。第2アーム部530は中央レベラ330に設けられた台座334に固定されている。第2アーム部530と台座334とは回動可能に接続されている。上記の構成を換言すると、伸縮ロッド590はポテンショメータ510と中央レベラ330とを連結する。
【0042】
第1アーム部520と第2アーム部530とは互いにスライド移動可能に接続されている。第1弾性部540は伸縮ロッド590が縮む方向に第1アーム部520及び第2アーム部530に弾性力を付与する。一方、第2弾性部550は伸縮ロッド590が伸びる方向に第1アーム部520及び第2アーム部530に弾性力を付与する。なお、レベラ角度検出機構500のより詳細な構造は後述する。
【0043】
なお、ポテンショメータ510に原点復帰用の弾性部が設けられている場合、第1弾性部540及び第2弾性部550のそれぞれの弾性率は、当該原点復帰用の弾性部の弾性率に比べて大きい。したがって、中央レベラ330が圃場の凹凸の影響を受けて中央エプロン320に対して回動したとき、中央レベラ330の回動に伴って第1アーム部520及び第2アーム部530を介してポテンショメータ510が動作する。上記のようにして、中央レベラ330の中央エプロン320に対する回動角度をポテンショメータ510で検出することができる。
【0044】
延長レベラ430は中央レベラ330と連結されており、中央レベラ330と共に回動するため、ポテンショメータ510によって中央レベラ330及び延長レベラ430(レベラ230)の回動角度を検出することができる。換言すると、レベラ角度検出機構500を用いてレベラ230の上下動の変化を検出することができる。
【0045】
図4では、中央レベラ330は中央エプロン320に対して回動し、中央エプロン320は中央シールドカバー310に対して回動するため、ポテンショメータ510は中央エプロン320及び中央レベラ330の両方の回動を検出することになる。しかし、ポテンショメータ510によって得られたデータに対して、中央エプロン320の回動による影響を排除する演算処理することで、中央レベラ330の回動のみを検出することができる。
【0046】
なお、本実施形態では、レベラ角度検出機構500がレベラ230(中央レベラ330)のエプロン220(中央エプロン320)に対する回動角度を検出する構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、圃場に接する接地部材がフレーム200又はシールドカバー210(例えば、中央シールドカバー310)に対して回動可能に接続された構成において、当該接地部材の回動角度を検出してもよい。なお、当該接地部材はフレーム200又はシールドカバー210に対して回動しなくてもよい。ただし、その場合は、ポテンショメータ510に代えて接地部材の上下動の変化を検出可能な検出器が設けられる。
【0047】
[圃場状態の判定方法]
図5図10を用いて、本実施形態の作業機20を用いた圃場状態の判定方法について説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る作業機を用いた圃場状態の判定方法の動作フローを示す図である。作業者がモニタ110を操作し、圃場状態の判定プログラムを起動することで、プログラム動作が開始する。
【0048】
プログラム動作が開始されると、モニタ110にメニュー画面が表示される(S601)。メニュー画面から『圃場登録』を選択し、圃場の位置及び大きさを登録する(S603)。圃場の情報を事前に登録することで、圃場の各位置における判定結果を表示することができる。『圃場登録』が選択されると、図6に示す画面がモニタ110に表示される。図6は、本発明の一実施形態に係る圃場状態の判定方法において、画面に表示されるインターフェースの一例を示す図である。図6に示すように、モニタ110には入力領域611及び位置選択領域613が表示される。
【0049】
入力領域611には、圃場の名称、長辺サイズ、及び短辺サイズを入力可能な入力枠615が設けられている。なお、圃場の名称、長辺サイズ、及び短辺サイズは互いに関連付けて保存され、例えば圃場の名称をプルダウン形式で選択することで、自動的に事前に登録された長辺サイズ及び短辺サイズが入力されてもよい。
【0050】
位置選択領域613には、長方形の圃場の模式図及び走行機体10のアイコンが表示されている。作業者は走行機体10を圃場の角に移動した状態で、走行機体10と圃場の位置関係に相当する画像を選択する。画像が選択されると、走行機体10の備えられたGNSSによって、走行機体10の位置情報が検出され、当該位置情報及び入力枠615に入力された圃場のサイズに基づいて圃場の外縁の位置情報が登録される。なお、圃場の位置情報は走行機体10に備えられたメモリに記憶されてもよく、インターネットを介して本プログラムに関連するサーバの外部ストレージに登録されてもよい。このようにして、圃場の位置情報が登録される。
【0051】
図5に示すように、作業機20による作業を行いながらS603において登録された圃場を走行開始すると(S605)、レベラ230が圃場の凹凸に起因して上下動(エプロン220に対して回動)する。その上下動の変化(エプロン220に対するレベラ230の回動角度の変化)をポテンショメータ510を用いて検出し(S607)、その上下動の変化を解析することで、作業後の圃場状態を判定することができる(S609)。
【0052】
ここで、図7図10を用いて、S609においてレベラ230の上下動の変化に基づいて圃場状態を判定する方法について詳細に説明する。図7図9は、本発明の実施形態に係る圃場状態の判定方法を示す図である。図10は、本発明の実施形態に係る圃場状態の判定に用いられるルックアップテーブル(LUT)に関連するインターフェースを示す図である。まず、図7に示すように、走行機体10に設けられたGNSSによって検出された位置情報、及び作業機20に設けられたレベラ角度検出機構500によって検出されたレベラ230の上下動の変化に基づいて、走行機体10の位置に対するレベラ230の上下動の変化がプロットされる。図7では、圃場が作業区間L1、L2及びL3に区分されている。図7に示すプロットデータは、圃場の作業区間L1、L2及びL3毎に解析され、それぞれの区間に対して判定結果が導出される。図7に示す例では、一定の作業区間毎にプロットデータを解析する例が示されている。ただし、解析対象の作業区間の間隔は一定でなくてもよい。
【0053】
図8を用いて、レベラ230の上下動を検出したプロットデータを解析する方法を説明する。圃場状態の判定は、凹凸の変化の大きさに基づいて行われる。具体的には、圃場状態の判定は、プロットデータにおいて検出された、隣接する山と谷の差に基づいて行われる。この隣接する山と谷の差を隣接PV(Peak to Valley)値という。1つの作業区間における各々の隣接PV値を算出し、これらの隣接PV値に対する統計値に基づいて圃場状態の判定が行われる。具体的に説明すると、1つめの山p1と1つめの谷v1との差(レベラ230の上下動の変化の大きさ)をPV1、1つめの谷v1と2つめの山p2との差をPV2、2つめの山p2と2つめの谷v2との差をPV3とする。そして、例えばPV1~PV3の平均値に基づいて判定を行う。この隣接PV値に基づく判定方法の詳細は後述する。
【0054】
上記の解析において山と谷を検出する際に、例えば微振動領域r1、r2を無視するようにフィルタ処理を行う。このフィルタ処理として、例えばローパスフィルタ処理を用いてもよい。また、その他のフィルタ処理として、隣接PV値が所定の値よりも小さい場合に、その隣接PV値に関連する山と谷を無視して処理を行ってもよい。
【0055】
図9を用いて、作業停止を検出する方法を説明する。作業機20が圃場を作業している間は、レベラ230は一定の範囲内で上下動するが、作業を停止して作業機20が上方に持ち上げられると、レベラ230はその可動範囲の限界まで下方に回動し、ほとんど上下動しなくなる。例えば、図9に示すように、作業機20が上方に持ち上げられると、プロットデータは下限付近まで落ち込み、ほとんど上下動しなくなる(図9の符号z1)。このようにプロットデータが特異的な挙動を示した場合に、作業が停止されたと判断してもよい。作業停止と判断された場合にプロットデータの取り込みを中断してもよい。また、作業停止と判断された状態が開始された位置(図9の符号z2)よりも前の情報だけを解析の対象としてもよい。
【0056】
図10を用いて、図8に示した隣接PV値の統計値(以下、隣接PV統計値という)に基づいて、圃場状態を判定する方法について説明する。図10に示すように、ルックアップテーブルに関連するインターフェース(LUT630に基づくインターフェース)は、判定結果631、選択633、及び隣接PV統計値判定範囲635の項目を有している。
【0057】
判定結果631は「不足」、「最適」、及び「過剰」の3つの項目の他に「良1」及び「良2」の項目が設けられている。「不足」は、まだ表面の土塊が大きく圃場表面の砕土性が悪い又は均平状態が悪い状態を指す。具体的には、隣接PV統計値の平均値及び標準偏差が相対的に大きい状態を「不足」と判定する。「過剰」は、表面の土塊が小さく圃場表面の砕土性が良い又は均平状態が良い状態を指すが、必要以上に土塊が小さい又は均平状態が良い状態を指す。この「過剰」の状態に達するには、圃場に対する作業時間が長くなり、効率的ではない。したがって、「過剰」の状態になるまで作業を行う必要はない、という意味で「過剰」の項目が設けられる。具体的には、隣接PV統計値の平均値及び標準偏差が相対的に小さい状態を「過剰」と判断する。「最適」は「不足」と「過剰」との間の領域である。
【0058】
ここで、「良1」は、「最適」と「過剰」との間の状態(「良1」の範囲が「過剰」の範囲と重なっていない状態)を指してもよく、「過剰」の範囲の中で「最適」に近い状態(「良1」の範囲が「過剰」の範囲と重なっている状態)を指してもよい。同様に、「良2」は、「最適」と「不足」との間の状態(「良2」の範囲が「不足」の範囲と重なっていない状態)を指してもよく、「不足」の範囲の中で「最適」に近い状態(「良2」の範囲が「不足」の範囲と重なっている状態)を指してもよい。なお、「良1」及び「良2」の項目は、例えば走行機体10の速度を遅く又は早くするなど、作業条件を少し変更することで圃場状態を「最適」にすることができる状態を指す。後述するように、判定結果が「良1」又は「良2」の場合に、モニタ110を介して作業者に「車速を速くしてください」又は「車速を遅くしてください」などの作業ガイダンスを表示してもよい。若しくは、判定結果が「良1」又は「良2」の場合に、モニタ110を介して作業者に「ロータの回転速度を下げてください」又は「ロータの回転速度を上げてください」などの作業ガイダンスを表示してもよい。
【0059】
選択633は、判定結果631の各項目の判定結果を有効又は無効にする。例えば、図10に示すLUT630に基づくインターフェースでは、「過剰」、「不足」、及び「最適」の項目にチェックされているため、これらの3つの判定結果だけが有効となり、判定結果が「良1」及び「良2」になることはない。
【0060】
隣接PV統計値判定範囲635では、各判定結果に対する隣接PV統計値の範囲が規定されている。つまり、隣接PV統計値判定範囲635は判定基準である。「最適」、「良1」、及び「良2」の項目に対する隣接PV統計値判定範囲635では上限及び下限の両方が設定される。「過剰」の項目に対する隣接PV統計値判定範囲635では少なくとも上限が設定される。「不足」の項目に対する隣接PV統計値判定範囲635では少なくとも下限が設定される。隣接PV統計値判定範囲635は数値入力によって変更されてもよく、+ボタン及び-ボタンによってその値が変更されてもよい。なお、+ボタン又は-ボタンが選択されると、隣接PV統計値判定範囲635の上限及び下限が共に変化する。つまり、+ボタン又は-ボタンが選択された場合、その上限と下限との差(つまり、範囲の幅)は変わらないように上限及び下限が共に変化する。ただし、+ボタン又は-ボタンが選択された場合に範囲の幅が変更されながら上限及び下限が変化してもよく、上限又は下限だけが変化してもよい。
【0061】
例えば図8に示すようなプロットデータから隣接PV統計値が算出されると、その隣接PV統計値及び図10のLUT630に基づくインターフェースに表示された基準に基づいて判定結果が導出される。このようにして、図7に示す作業区間L1、L2及びL3のそれぞれに対して判定結果が導出される。そして、図5に示すように、導出された判定結果は走行機体10に備えられたモニタ110に表示される(S611)。なお、判定結果のモニタ110への表示方法の詳細は後述する。
【0062】
[判定結果及び判定結果に関連するデータ]
上記のようにして各作業区間に対して導出された判定結果は、図8のプロットデータ(測定データ)、及びプロットデータから算出された隣接PV統計値と関連付けられてデータテーブル640として記憶装置に記憶される(図11参照)。図11は、本発明の実施形態に係る圃場状態の判定方法によって得られたデータの一例を示す図である。なお、上記のプロットデータ及び隣接PV統計値を併せてレベラ230の圃場に対する「上下動の変化に関する情報」ということができる。つまり、上記を換言すると、作業区間毎の圃場状態の判定結果は、作業区間毎のレベラの上下動の変化に関する情報と関連付けて保存される。
【0063】
図11に示すように、データテーブル640は、区間641、プロットデータ643、隣接PV統計値645、及び判定結果647の項目を有している。区間641は、図7に示す作業区間L1、L2及びL3に対応する。なお、区間641の情報には、圃場を特定する情報が含まれる。つまり、区間641に基づいて、どの圃場のどの位置を示すのか、を認識することができる。プロットデータ643は走行機体10の走行距離に対するレベラ230の上下動を示す測定データである。隣接PV統計値645はプロットデータ643に基づいて算出された統計値である。図11では、統計値として平均値及び標準偏差が表示されているが、これら以外の統計値が用いられてもよい。判定結果647は図10のLUT630に基づいて導出される。
【0064】
図11では、データテーブル640に上記の4つの項目の情報が記憶された構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、これらの項目以外の情報が追加で記憶されていてもよい。又は、これらの項目の一部の情報だけが記憶されていてもよい。なお、上記の記憶装置は走行機体10の制御部191に接続された記憶装置であってもよく、作業機20の制御部291に接続された記憶装置であってもよく、ネットワークを介して走行機体10又は作業機20の通信部に接続されたサーバの記憶装置又はサーバにネットワークを介して接続された記憶装置(例えば、サーバの外部に設けられた外部ストレージ)であってもよい。
【0065】
[判定結果の表示方法]
上記のようにして導出された圃場状態の判定結果の表示方法について、図12図16を用いて説明する。
【0066】
図12及び図13は、本発明の実施形態に係る圃場状態の判定結果をモニタに表示する一例を示す図である。図12に示すように、モニタ110には圃場マップ650、リアルタイム判定結果660、諸情報表示部670、及び作業経路677が表示される。圃場マップ650は、図6に示す『圃場登録』によって登録された圃場の位置情報、及び別途設定された作業機幅などの情報に基づいて作業区間単位に区分される。圃場マップ650には、走行機体アイコン657が表示され、作業を行っている圃場における走行機体10の現在位置を認識することができる。さらに、圃場マップ650には、作業者に対してこれから作業を行う経路を提案する作業経路677が表示されている。換言すると、作業経路677は作業機20が走行する経路である。また、圃場マップ650には、上記の作業経路677と共に作業機20によって作業された圃場の状態を判定した判定結果が表示される。
【0067】
本実施形態では、作業区間毎の圃場の状態を判定するブロック判定が行われる。図12に示すように、圃場マップ650では、圃場状態の判定結果は作業経路677に沿って表示される。作業及び圃場状態の判定が完了した各作業区間に対して、その判定結果が目視で識別可能に模様又は色を付けて表示される。作業区間毎に付けられる模様又は色は、図11に示す判定結果を反映する。例えば、ブロック651は判定結果が「過剰」の作業区間である。ブロック653は判定結果が「不足」の作業区間である。ブロック655は判定結果が「最適」の作業区間である。これらの判定結果はブロック毎に導出されるため、ブロック判定の結果ということができる。なお、図12の圃場マップ650に表示される判定結果は、図10の選択633でチェックされた判定結果631である。つまり、図10の選択633では、「過剰」、「不足」、及び「最適」の3項目にチェックされているため、図12ではこれら3つの判定結果が表示される。
【0068】
圃場マップ650の左上には、リアルタイム判定結果660が表示されている。リアルタイム判定結果660は、ブロック判定が行われる作業区間よりも短い区間の圃場を判定するリアルタイム判定の結果である。リアルタイム判定結果660では、判定結果がグラデーション表示されている。つまり、圃場マップ650には「最適」、「過剰」、及び「不足」の3種類の判定結果しか表示されないのに対して、リアルタイム判定結果660にはそれより多い段階の判定結果が表示される。例えば、図12の例では、リアルタイム判定結果660として、圃場の状態に応じて「過剰」661、「良1」663、「最適」665(第1判定結果)、「良2」667(第2判定結果)、及び「不足」669(第3判定結果)の判定結果が表示されている。「最適」665は相対的に良好な圃場の状態を示す結果として定義されている。「不足」669は相対的に良好ではない圃場の状態を示す結果として定義されている。「良2」667はこれらの判定結果の間の圃場の状態を示す結果として定義されている。リアルタイム判定結果660の下部にはカーソル666が表示されている。カーソル666はリアルタイム判定の結果に対応する位置を指している。
【0069】
本実施形態では、リアルタイム判定結果660として図8で説明した隣接PV値(PV1、PV2、PV3)に基づく判定結果が表示される。例えば、図8のPV1、PV2、及びPV3のそれぞれの値について、図10に表示された基準に基づいて判定結果が導出され、導出された判定結果がリアルタイム判定結果660として表示される。ただし、リアルタイム判定結果660として、各ブロック(651、653、655)よりも短い区間の隣接PV統計値に基づく判定結果が表示されてもよい。換言すると、リアルタイム判定結果660として、各ブロックよりも短い区間の複数の隣接PV値(PV1、PV2、PV3)の統計値に基づく判定結果が表示されてもよい。ここで、圃場マップ650に表示されたブロック判定の結果は、各ブロックの隣接PV統計値645に基づく判定結果なので、ブロック判定の結果は、リアルタイム判定に用いられた情報(プロットデータ643)が統計処理された情報(隣接PV統計値645)に基づく判定結果である、ということができる。
【0070】
上記の例では、カーソル666は「過剰」661、「良1」663、「最適」665、「良2」667、及び「不足」669の5段階のうちのいずれかを指すが、カーソル666が隣接PV値に応じて、上記の5段階よりも多い多段階を指してもよい。つまり、カーソル666が隣接PV値をアナログ表示してもよい。この場合、上記の5段階のゲージは図10に示す隣接PV統計値判定範囲635の各範囲の幅に応じた幅で表示されてもよい。なお、上記の構成は後で詳しく説明する。
【0071】
圃場マップ650の右上には、諸情報表示部670が表示されている。図12では、諸情報表示部670に作業済み面積が表示されている。作業済み面積は、作業機20が作業を行った面積に相当し、作業機20の幅、作業跡との重ね合わせ量、及び走行距離によって決まる面積である。諸情報表示部670にはプルダウンボタン671が設けられている。プルダウンボタン671を選択すると、図13に示すように、プルダウンメニュー673が表示される。この例では、プルダウンメニュー673として、現在表示されている「作業済み面積」の他に「作業進行率」及び「作業終了時間」が表示されている。ただし、図13に示されたプルダウンメニュー673は一例に過ぎず、上記の情報以外の情報が表示されてもよい。
【0072】
現在表示されている項目(「作業済み面積」)は、作業者が視認しやすいように、他の項目(「作業進行率」及び「作業終了時間」)とは異なる形態で表示されている。プルダウンメニュー673から「作業進行率」が選択されると、作業予定面積における作業済み面積の割合が表示される。「作業終了時間」が選択されると、作業予定面積から作業済み面積が引かれた残りの作業面積と、現在の走行機体10の車速とに基づいて計算された作業終了予想時間が表示される。なお、プルダウンメニュー673が表示された状態でプルアップボタン672が選択されると、プルダウンメニュー673が収納されて図12に示す状態に戻る。
【0073】
図14は、本発明の実施形態に係る圃場状態の判定結果の表示方法において、作業条件を変更するガイダンスを作業者に通知する方法の一例を示す図である。図14に示すように、リアルタイム判定結果660において、例えば「良1」663及び「良2」667(第2判定結果)のように、作業条件を少し変更することで「最適」665(第1判定結果)にすることができる場合に、走行機体10及び作業機20の少なくとも一方の作業条件を変更する作業ガイダンス675を作業者に通知する。図14では、画面上にテロップを表示することで、作業ガイダンス675を通知しているが、テロップに代えて音声で作業ガイダンスを通知してもよい。
【0074】
なお、リアルタイム判定結果660が「不足」669(第3判定結果)の場合には、この作業ガイダンス675は通知されなくてもよい。その理由は、「不足」669の場合は、作業条件を少し変更した程度では「最適」665にはならないため、作業条件を変更しても効果がない可能性があるからである。このような場合は、作業ガイダンス675を通知せずに作業を継続させ、後述するように、「不足」669のブロックを優先的に作業するように作業経路を提案してもよい。リアルタイム判定結果660が「最適」665のときも、上記の作業ガイダンス675は通知されない。ただし、「不足」669の場合に上記の作業ガイダンス675を通知してもよい。「過剰」661の場合についても同様である。
【0075】
図14の(A)はリアルタイム判定結果660が「良2」667の場合の作業ガイダンス通知方法が示されている。「良2」667は「最適」665に比べて僅かに圃場表面の砕土性が悪い判定結果である。つまり、作業条件を、現状の作業条件よりも圃場への作業量が多く、圃場表面の砕土性が向上する条件に変更することで、「良2」667は「最適」665に変わる可能性がある。このような場合、作業ガイダンス675に「車速を遅くしてください」と表示することで、作業者に作業条件の変更を促す。走行機体10の車速を遅くすることで、ロータ207による圃場への作用が増加し、圃場表面の砕土性を向上させることができる。その結果、圃場状態を「良2」667から「最適」665に近づけることができる。
【0076】
なお、作業ガイダンス675に「車速を遅くしてください」と表示する代わりに、「ロータの回転速度を上げてください」、若しくは「エプロンを加圧してください」又は「エプロンの加圧力を大きくしてください」と表示してもよい。なお、圃場に対して、作業条件を変更する又は複数回作業を施しても、「過剰」661、「良1」663、及び「最適」665にならない場合、又はポテンショメータ510の値が極端に小さい値には場合には、走行機体10に対する作業機20の高さが適正の位置よりも高い位置に設定されている可能性があるため、「作業機を下げてください」と表示してもよい。ロータ207の回転速度を上げることで、走行機体10の車速を遅くしたときと同じように、圃場表面の砕土性を向上させることができる。エプロンの加圧は、延長シールドカバー410と延長エプロン420との間に設けられたエプロン加圧機構によって行われる。エプロン220を加圧(又は、エプロン220の加圧力を大きく)するとエプロン220はシールドカバー210に対して下方に回動するため、圃場の土等がエプロン220で滞留する。これによって、走行機体10の車速を遅くしたときと同じように、圃場表面の砕土性を向上させることができる。
【0077】
図14の(B)はリアルタイム判定結果660が「良1」663の場合の作業ガイダンス通知方法が示されている。「良1」663は「最適」665に比べて僅かに圃場表面の砕土性が過剰に良い判定結果である。つまり、作業条件を、現状の作業条件よりも圃場への作業量が少なく、圃場表面の砕土性が低下する条件に変更することで、「良1」663は「最適」665に変わる可能性がある。このような場合、作業ガイダンス675に「車速を速くしてください」と表示することで、作業者に作業条件の変更を促す。走行機体10の車速を速くすることで、ロータ207による圃場への作用が減少し、圃場表面の砕土性を低下させることができる。その結果、圃場状態を「良1」663から「最適」665に近づけることができる。判定結果が「良1」663の場合は走行機体10の速度を速くすることができるため、作業効率が向上する。
【0078】
なお、作業ガイダンス675に「車速を速くしてください」と表示する代わりに、「ロータの回転速度を下げてください」、若しくは「エプロン加圧を解除してください」又は「エプロンの加圧力を小さくしてください」と表示してもよい。ロータ207の回転速度を下げることで、走行機体10の車速を速くしたときと同じように、圃場表面の砕土性を低下させることができる。エプロン220の加圧を解除(又は、エプロン220の加圧力を小さく)すると、圃場の土等は滞留しにくくなるため、走行機体10の車速を速くしたときと同じように、圃場表面の砕土性を低下させることができる。
【0079】
図15は、本発明の実施形態に係る圃場状態の判定結果を用いて、適正な作業経路を表示する一例を示す図である。図15に示す例は、一度圃場を作業した後に、その作業による判定結果に基づいて、二回目の作業経路679を決定する例である。特に、この例では、一回目の作業で「不足」と判定されたブロックを優先的に通過する作業経路679が示されている。図15の例では、作業経路679は、「不足」と判定されたブロックが存在しない列(南北に並ぶブロック)は通らずに、「不足」と判定されたブロックが存在する列だけを通っている。ここでは、説明の便宜上、「一回目の作業経路」及び「二回目の作業経路」と表現するが、これはあくまで作業の順序を意味するに過ぎない。つまり、「一回目の作業経路」は初めて圃場を作業する経路に限定されない。
【0080】
図15では、二回目の作業経路679は一回目の作業経路677(図12参照)と同様に走行機体10が列方向(南北方向)に直進する経路であるが、二回目の作業経路679は走行機体10が行方向(東西方向)に直進する経路であってもよい。また、図15では、二回目の作業経路679における列方向の直進は、列方向に並ぶ全てのブロックを通っているが、列方向に並ぶブロックの途中で曲がる又は折り返してもよい。なお、図示していないが、二回目の作業による圃場状態の判定結果を表示する際に、一回目の作業による圃場状態の判定結果を上書きするように表示することができる。ただし、一回目及び二回目のそれぞれの作業による判定結果を判別可能にするために、例えば、一回目の作業による判定結果を薄く又は半透過で表示してもよい。又は、一回目の判定結果と二回目の判定結果とをそれぞれ異なるウインドウに表示しても良い。
【0081】
また、一回目の作業経路677及び二回目の作業経路679の各々を決定する際に、作業機20の延長作業部400の展開又は折り畳みを含めて作業経路を決定することができる。例えば、一回目の作業経路677が延長作業部400を展開した状態での作業経路であり、二回目の作業経路679が延長作業部400を折り畳んだ状態での作業経路であってもよい。もちろん、上記とは反対に、一回目の作業経路677が延長作業部400を折り畳んだ状態での作業経路であり、二回目の作業経路679が延長作業部400を展開した状態での作業経路であってもよい。
【0082】
また、過去に複数回の作業による判定結果がある場合、最新の二回分の判定結果が表示される。ただし、作業者の選択によって任意の過去の作業による判定結果を読み出すこともできる。
【0083】
このようにして、作業者は、圃場を作業しながら、その作業の結果得られた圃場状態を評価することができる。さらに、圃場マップ650に判定結果が表示されることで、作業者は一目で作業が不足している領域、及びこれ以上作業する必要がない領域を容易に視認することができる。また、二回目以降の作業経路が判定結果を含む圃場マップ650に基づいて決定されることで、追加作業が必要な領域を優先的に作業する作業経路を表示することができるため、効率のよい作業経路を作業者に提案することができる。
【0084】
なお、本実施形態では、レベラ230の上下動の変化に基づいて圃場状態の良し悪しを判定する構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、レベラ230の上下動の変化に基づいて圃場状態がある特定の条件に含まれるか否かを判定してもよい。また、本実施形態では、レベラ230のような接地部材の上下動の変化、つまり圃場表面の凹凸の大きさに基づいて圃場状態を判定する構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、作業機20による作業前後の圃場状態の差を非接触方法で評価し、その評価結果を判定することで圃場状態を判定してもよい。非接触方法として、例えば、カメラで撮影した画像の画像解析、超音波又は赤外線を用いた距離計測器、及び光を用いた距離測定器(LiDAR;Light imaging Detection and Ranging)を用いることができる。その他の方法として、土塊が大きい場合は作業機20の作業に対する抵抗が大きいため、PTO軸のトルクが大きくなる。したがって、PTO軸のトルクの変動に基づいて圃場の状態を判定することができる。又は、エプロン220の下部に取り付けられたレーキ(熊手又は手把)の振動を測定することで圃場の状態を判定してもよい。
【0085】
図16は、本発明の実施形態に係る圃場状態の判定結果の基準を変更する方法の一例を示す図である。図16の(A)は判定基準変更前の表示画面であり、(B)は判定基準変更後の表示画面である。図16の(A)に示す表示画面は、図12の表示画面に類似しているが、圃場マップ650Aの左下に基準変更680Aが表示されている点において図12の表示画面と相違する。それ以外の点は、図12の表示画面と同じなので、説明を省略する。
【0086】
圃場状態の判定基準は図10に示すLUT630で規定され、図16の(A)に示すような判定結果が表示される。しかし、作業者によっては、LUT630で規定された判定結果とは異なる判定結果を望む場合がある。例えば、所定の判定基準では「過剰」と判定されていた圃場状態であっても、作業者はその圃場状態を好む場合がある。このような場合、以下に示す方法で判定基準を自動的に変更することができる。
【0087】
作業者が基準変更680Aを選択すると、現在作業中の圃場状態が「最適」の判定結果に含められるように、LUT630の隣接PV統計値判定範囲635の範囲が変更される。この変更において、「最適」の判定結果に関連付けられた隣接PV統計値判定範囲635の上限値と下限値との差、つまり「最適」と判断される隣接PV統計値判定範囲635の範囲の幅は維持されたまま、上限値及び下限値が共に変更される。この変更に伴い、図11に示すデータテーブル640の隣接PV統計値645は再判定され、その再判定結果が判定結果647に反映される。この判定結果647の再判定結果に基づいて、図16の(B)に示す圃場マップ650Bが更新される。上記の圃場マップ650Bへの再判定結果の反映は、現在作業を行っている圃場に限定される。ただし、判定結果の反映は、現在作業を行っている圃場以外の圃場に適用されてもよい。なお、上記の判定基準の変更は、図2に示す制御部191又は制御部291によって行われる。上記のように、基準変更680Aが選択された場合に、隣接PV統計値645が再判定され、その結果がデータテーブル640に上書きされてもよく、基準変更680Aが選択される前の情報と併せて、基準変更680Aが選択された後の情報がデータテーブル640に保存されてもよい。
【0088】
図16の(A)の圃場マップ650Aで「過剰」と判定されていた作業区間の一部は、図16の(B)の圃場マップ650Bでは「最適」の判定に変更されている。また、圃場マップ650Aで「最適」と判定されていた作業区間の一部は、圃場マップ650Bでは「不足」の判定に変更されている。そして、基準変更680Aを選択した以降は、上記のように変更された判定基準に基づいた判定結果が表示される。このように、作業中であっても基準変更680Aを選択するだけで、LUT630の設定値を手動で変更することなく判定基準を変更することができる。
【0089】
本実施形態では、基準変更680Aを選択すると、それまでに判定された領域の判定結果が、基準変更680Aの選択によって変更された判定基準に基づいて更新される構成を例示したが、基準変更680Aの選択より前に判定された判定結果の更新を行わなくてもよい。また、本実施形態では、基準変更680Aを選択すると、現在作業中の圃場状態が「最適」の判定結果に含められるようにLUT630が変更される構成を例示したが、基準変更680Aを選択した後に「最適」の判定結果に含めたい圃場条件のブロックを選択することで、LUT630の変更が行われてもよい。
【0090】
[レベラ角度検出機構500の構成]
図17及び図18を用いてレベラ角度検出機構500の詳細な構成について説明する。図17は、本発明の一実施形態に係る作業機のレベラ角度検出機構の詳細を示す側面図である。図18は、本発明の一実施形態に係る作業機のレベラ角度検出機構の詳細を示す上面図である。なお、以下の説明において、説明の便宜上、ポテンショメータ510及び連結回動部材560を他の部材よりも太い線で描いた。
【0091】
まず、第1アーム部520と第2アーム部530との接続構造について詳細に説明する。図18に示すように、第1アーム部520には、第1アーム部520から第2アーム部530に延びる第1アーム連結部521が接続されている。第1アーム連結部521の先端には第2アーム連結部523が接続されている。第2アーム連結部523は筒状であり、その筒の中空部に第2アーム部530が挿入されている。このような構成によって、第1アーム部520と第2アーム部530とがスライド移動可能に接続される。
【0092】
第2アーム部530には、第1ストッパ531及び第2ストッパ533が設けられている。第1弾性部540は第1ストッパ531と第2アーム連結部523との間に設けられている。第2弾性部550は第2ストッパ533と第2アーム連結部523との間に設けられている。第1弾性部540及び第2弾性部550は共に縮められた状態でこれらの位置に配置されるため、第1弾性部540は伸縮ロッド590が縮む方向に第1アーム部520及び第2アーム部530に弾性力を付与し、第2弾性部550は伸縮ロッド590が伸びる方向に第1アーム部520及び第2アーム部530に弾性力を付与する。なお、第1弾性部540及び第2弾性部550を併せて弾性部という場合、当該弾性部は、伸縮ロッド590伸びる方向及び縮む方向の両方向に対して、第1アーム部520及び第2アーム部530の各々に弾性力を付与する、ということができる。
【0093】
図4の説明では省略したが、図17及び図18に示すように、レベラ角度検出機構500は、さらに連結回動部材560、ブラケット570、及び回動軸580を有する。連結回動部材560は回動軸580を介して第1アーム部520に対して回動可能に接続されている。また、連結回動部材560はブラケット570に対して回動可能に接続されている。ポテンショメータ510はブラケット570に取り付けられている。ブラケット570は固定部575によって台座314に取り付けられている。なお、ポテンショメータ510、連結回動部材560、ブラケット570、及び回動軸580を併せて角度検出器という場合がある。
【0094】
連結回動部材560は、第3アーム部561及び回動軸563を有する。第3アーム部561には開口565が設けられている。回動軸580が開口565を貫通することで、第3アーム部561が第1アーム部520に対して回動可能に接続される。ブラケット570は、第1ストッパ571及び第2ストッパ573を有する。また、ブラケット570には開口577が設けられている。なお、回動軸563が開口577を貫通することで、連結回動部材560がブラケット570に対して回動可能に接続される。第1ストッパ571は、連結回動部材560がR1方向に回動したときに、回動軸580と接触することで、連結回動部材560の回動を規制する。このように回動軸580が第1ストッパ571に係止することで、連結回動部材560の回動が規制された状態を第1回動限界という。第2ストッパ573は、連結回動部材560がR2方向に回動したときに、第3アーム部561と接触することで、連結回動部材560の回動を規制する。このように第3アーム部561が第2ストッパ573に係止することで、連結回動部材560の回動が規制された状態を第2回動限界という。
【0095】
前述のように、第1弾性部540及び第2弾性部550のそれぞれの弾性率は、ポテンショメータ510の原点復帰用の弾性部の弾性率に比べて大きいため、第1回動限界と第2回動限界との間の連結回動部材560の回動範囲では、中央レベラ330の上下動に追従して連結回動部材560が回動する。一方で、連結回動部材560が第1回動限界又は第2回動限界を越えて回動するように中央レベラ330が上下動すると、以下に示すように、第1弾性部540又は第2弾性部550が伸縮することで伸縮ロッド590が伸縮し、レベラ角度検出機構500の破損が抑制される。
【0096】
図19は、本発明の一実施形態に係る作業機において、伸縮ロッドが最も伸びた状態を示す側面図である。図19に示す状態は、レベラの土寄せ状態に相当する。連結回動部材560が第1回動限界を越えて回動するように中央レベラ330が下方に回動すると、第1弾性部540が縮み、第2弾性部550が伸びることで伸縮ロッド590が伸びる。
【0097】
図20は、本発明の一実施形態に係る作業機において、伸縮ロッドが最も縮んだ状態を示す側面図である。図20に示す状態は、レベラが畦などに乗り上げた状態に相当する。連結回動部材560が第2回動限界を越えて回動するように中央レベラ330が上方に回動すると、第1弾性部540が伸び、第2弾性部550が縮むことで伸縮ロッド590が縮む。
【0098】
上記のように、連結回動部材560が第1回動限界又は第2回動限界を越えて回動するようにレベラが上下動するような場合であっても、レベラの回動を規制することなく、レベラ角度検出機構500が破損されることを抑制できる。
【0099】
本実施形態では、圃場状態の判定結果は登録された圃場の位置情報と共に記録されるようにしてもよい。つまり、圃場状態の判定結果はマッピングデータとして記録されてもよい。この場合の判定結果のマッピングデータは、その他のマッピングデータと関連付けられて記録される。
【0100】
上記のようにして得られた圃場状態の判定結果のマッピングデータは、その他のマッピングデータと関連付けられることで、圃場状態が当該圃場で作成される農作物にどのような影響を与えるのかを管理することができる。図21は、本発明の実施形態に係る圃場状態の判定方法によって得られたデータの管理方法の一例を示す図である。図21に示すように、図11に示す各種データに加えて、耕深691C、収量693C、及び施肥量695Cが互いに関連付けられてデータテーブル640Cに保存されている。なお、耕深691C、収量693C、及び施肥量695Cは、隣接PV統計値645Cと同様に区間641Cにおける平均値であってもよく、標準偏差であってもよい。
【0101】
耕深691Cは、例えば、走行機体10に対する作業機20の高さ、及びエプロン220のシールドカバー210に対する回動角度に基づいて得ることができる。また、耕深691Cは、上記の回動角度に加えてレベラ230のエプロン220に対する回動角度に基づいて得られてもよい。
【0102】
収量693Cは、例えば、収穫機を用いて農作物の収穫を行った際に取得したデータである。収量693Cのデータは、圃場状態の判定結果と同様にマッピングデータである。収量693Cを取得する装置は本実施形態の作業機20とは異なるため、判定結果647Cのブロックのサイズと収穫機によって得られた収量のブロックのサイズとが異なる場合がある。その一例を図22及び図23に示す。図22の(A)は、判定結果647Cのマッピングデータが表示された圃場マップ650Cである。図22の(B)は、収量693Cのマッピングデータが表示された圃場マップ700Cである。
【0103】
図22の(A)において、ブロック651Cは判定結果が「過剰」の作業区間であり、ブロック653Cは判定結果が「不足」の作業区間であり、ブロック655Cは判定結果が「最適」の作業区間である。図22の(B)において、ブロック701Cは収量が「多い」の作業区間であり、ブロック703Cは収量が「少ない」の作業区間であり、ブロック705Cは収量が「普通」の作業区間である。なお、圃場マップ650C及び700Cは同じ圃場を示すものであり、同じ圃場サイズである。圃場マップ650Cは横:縦が8:6で区分されているが、圃場マップ700Cは横:縦が5:4で区分されている。つまり、圃場マップ650C及び圃場マップ700Cのそれぞれの1ブロックのサイズは異なる。
【0104】
このように、異なる圃場マップにおいて、1ブロックのサイズが異なる場合、図23に示すように、収量693Cのマッピングデータを判定結果647Cのブロックの境界(図23の点線)で区分する。図23の場合、ブロック651Cの判定結果647Cに対応する収量693Cのデータとして、ブロック703Cの収量データがデータテーブル640Cに記録される。ブロック653Cの判定結果647Cに対応する収量693Cのデータとして、ブロック703C及びブロック705Cの収量データの平均値がデータテーブル640Cに記録される。なお、収量データの平均値は、ブロック653Cにおけるブロック703Cの収量データの占有面積、及びブロック705Cの収量データの占有面積の比を加重した加重平均であってもよい。
【0105】
上記のように、判定結果647Cに対応するブロックが、複数の収量のデータを含む場合は、それらの収量データの平均値又は加重平均値を当該ブロックの収量データとして扱う。ただし、上記のように1つのブロックが複数の収量データを含む場合、複数の収量データのうちいずれか1つの収量データを当該ブロックの収量データとして扱ってもよい。複数の収量データのうち、1つの収量データを選定する方法として、当該ブロックにおいて最も占有面積が大きい収量データを採用してもよく、最も収量が多い又は少ない収量データを採用してもよい。
【0106】
上記のように、1つの圃場に対するマッピングデータが複数存在する場合、作業者の要求に応じて、それらの情報が作業者に表示される。これらの情報を作業者に表示する場合、図22の(A)及び(B)のように並べて表示されてもよく、図23のように重ねて表示されてもよい。作業者は上記の表示を確認し、例えば収量が多いブロックの圃場状態の判定結果が「最適」に含まれるように、図16に示す例のように判定基準を変更してもよい。
【0107】
上記では、収量693Cについて説明したが、耕深691C及び施肥量695Cについても、上記と同様に処理することができる。
【0108】
図21に示すデータテーブル640Cに関連するデータは、走行機体10の制御部191に接続された記憶装置に記憶されてもよく、作業機20の制御部291に接続された記憶装置に記憶されてもよく、ネットワークを介して走行機体10又は作業機20の通信部に接続されたサーバの記憶装置又はサーバにネットワークを介して接続された外部ストレージに記憶されてもよい。
【0109】
収穫機又はその他の作業機で圃場のマッピングデータを取得する際に、図5及び図6に示す圃場登録によって登録された圃場の情報を用いることができる。例えば、登録された圃場の情報には圃場の位置情報が含まれているため、収穫機又はその他の作業機の現在位置に基づいて、これから作業を行う圃場が特定される、又は圃場の候補が作業者に表示されてもよい。
【0110】
図21に示すデータテーブル640Cに関連するデータは、次回圃場を作業する際に読み出されてもよい。上記のような判定基準の変更がされていない場合、例えば、判定結果は「最適」であるが、収量が「普通」又は「少ない」のブロック(収量が最も良い結果ではないブロック)を作業しているときに、そのブロックの判定結果を収量が「多い」ブロックの判定結果に近づけるように、作業者に「車速を速くしてください」又は「車速を遅くしてください」、「ロータの回転速度を下げてください」又は「ロータの回転速度を上げてください」、若しくは「エプロンを加圧してください」又は「エプロン加圧を解除してください」などの作業操作ガイダンスを表示してもよい。
【0111】
〈第2実施形態〉
本実施形態では、圃場の土質によって、リアルタイム判定結果660の判定基準が変更される構成について説明する。土質には大別すると砂土、砂壌土、壌土、埴壌土、及び埴土がある。砂土はほぼ砂だけの状態を指す。一方、埴土はほぼ粘土だけの状態を指す。壌土は砂と粘土がおおよそ半分ずつの状態を指す。砂壌土は砂と粘土が混じった状態で砂の割合が多い状態を指す。埴壌土は砂と粘土が混じった状態で粘土の割合が多い状態を指す。砂土が多い土質の場合、リアルタイム判定結果で「不足」と判定された圃場であっても、比較的容易に「不足」を「最適」に変えることができる。一方、粘土が多い土質の場合、「不足」を「最適」に変えるためには、砂土の場合に比べて多くの作業をする必要がある。したがって、土質に応じてリアルタイム判定結果の判定基準を変更することが好ましい。特に、図14に示すように作業ガイダンス675を通知する場合の判定結果である「良1」663及び「良2」667を判定するための基準を土質に応じて変更することが好ましい。以下、本実施形態について図24及び図25を用いて説明する。
【0112】
図24は、本発明の実施形態に係る圃場状態の判定結果をモニタに表示する一例を示す図である。図24に示す表示画面は、図12に示す表示画面と類似しているが、モニタ110Dの土質表示、及びリアルタイム判定結果660Dの表示において、図12に示す表示画面と相違する。
【0113】
図24に示すように、リアルタイム判定結果660Dの左側に土質表示部710Dが設けられている。また、リアルタイム判定結果660Dの各判定結果(「過剰」661D、「良1」663D、「最適」665D、「良2」667D、及び「不足」669D)のゲージの幅は、図10に示す隣接PV統計値判定範囲635におけるそれぞれの判定結果の範囲に応じて、異なる幅で表示されている。なお、カーソル666Dは、図8の隣接PV値(PV1、PV2、PV3)に応じてアナログ表示されている。なお、本実施形態では、カーソル666Dをアナログ表示し、リアルタイム判定結果660Dの各判定結果のゲージの幅が異なる幅で表示する構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、図12に示す構成において、土質に応じてリアルタイム判定結果660の各判定結果の範囲が異なる構成であってもよい。つまり、図12のように、リアルタイム判定結果660の各判定結果のゲージの幅は同じであり、カーソル666が判定結果に応じていずれかの判定結果を示す構成であってもよい。
【0114】
土質表示部710Dには、砂土、砂壌土、壌土、埴壌土、及び埴土のいずれかの土質が表示される。上記の土質は、作業者の設定によって決定される。ただし、上記の土質は、走行機体10D又は作業機20Dに備えられたGNSSによって検出された位置情報と、WEBで公開された又は走行機体10D又は作業機20Dの通信部に接続されたサーバが管理する地域毎の土質情報と、に基づいて自動的に決定されてもよい。また、土質の分類は上記の5種類よりも少なくてもよく、多くてもよい。又は、土質は上記とは異なる項目で分類されていてもよい。
【0115】
図24のリアルタイム判定結果660Dのゲージ幅について、図25を用いて詳しく説明する。図25は、本発明の実施形態に係る圃場状態のリアルタイム判定結果の一例を示す図である。図25の(A)は土質が埴土の場合のリアルタイム判定結果660Dであり、(B)は土質が砂土の場合のリアルタイム判定結果660Eである。
【0116】
図25の(A)に示すように、「過剰」661D、「良1」663D、「最適」665Dの幅に比べて、「良2」667Dの幅は小さく表示され、「不足」669Dの幅は大きく表示されている。土質表示部710Dに示されているように、図24に示す圃場の土質は埴土である。上記のように、埴土はほぼ粘土だけの状態であり、土塊が細かくなるまで砕土するためには、他の場合に比べて多くの作業をする必要がある。つまり、「最適」665Dから「不足」669D側に外れた条件のうち、「最適」665Dに近い条件に限り作業条件の変更によって「最適」665Dにすることがき、「最適」665Dから離れた条件は、作業条件の変更の効果を得ることができない。このような理由で、「良2」667Dの幅は相対的に小さく表示され、「不足」669Dの幅は相対的に大きく表示されている。
【0117】
図25の(B)に示すように、「最適」665E及び「良2」667Eの幅に比べて、「過剰」661E、「良1」663E及び「不足」669Eの幅は小さく表示されている。上記の埴土の場合とは異なり、砂土の場合は比較的容易に砕土することができる。つまり、一回の作業によってほとんどの土塊が細かく砕かれる。また、作業条件を変更することで、「最適」665Eから「不足」669E側に外れた条件であっても、容易に「最適」665Eにすることができる。したがって、「最適」665Eと判断される範囲が広く設定される。このような理由で、上記のように「最適」665E及び「良2」667Eの幅は相対的に大きく表示され、「過剰」661E、「良1」663E及び「不足」669Eの幅は相対的に小さく表示されている。
【0118】
上記のように、図24のリアルタイム判定結果660Dの各判定結果のゲージ幅は、土質表示部710Dに表示される土質によって異なる。つまり、図10に示す隣接PV統計値判定範囲635におけるそれぞれの判定結果の範囲は、上記の土質によって異なる。換言すると、土質毎にLUT630が設定されており、土質表示部710Dの土質の切り替えに応じて、判定基準に用いられるLUT630が切り替えられ、切り替えられたLUT630の隣接PV統計値判定範囲635に応じてリアルタイム判定結果660Dの各判定結果のゲージ幅が決定される。ここで、図11及び図21に示したデータテーブル640、640Cにおいて、各判定結果とともに上記の土質の情報が記憶されてもよい。
【0119】
上記のように、土質によってリアルタイム判定結果660の判定基準が変更されることで、作業をする圃場に適した作業条件を作業者に通知することができる。
【0120】
〈第3実施形態〉
本実施形態では、第1実施形態とは異なる圃場登録の方法について説明する。第1実施形態の図6では、圃場の長辺及び短辺のそれぞれのサイズを入力し、走行機体10と圃場の位置関係に相当する画像を選択することで、圃場の位置情報を登録する圃場登録の方法を示した。本実施形態では、2つの辺のサイズを入力し、圃場に進入した走行機体10の移動方向に基づいて圃場の位置情報を登録する方法について図26を用いて説明する。
【0121】
図26は、本発明の一実施形態に係る圃場状態の判定方法において、画面に表示されるインターフェースの一例を示す図である。図26の(A)はモニタ110Fに表示されたインターフェースを示す。図26の(B)は走行機体10の移動方向に基づいて圃場の位置情報を決定する方法を示す。
【0122】
図26の(A)のインターフェースは図6のインターフェースと類似しているが、モニタ110Fには入力領域611F及び入場開始ボタン720Fが表示されており、図6のような位置選択領域613は表示されていない。入力領域611Fには、圃場名称617Fの入力枠、第1辺サイズ618Fの入力枠、及び第2辺サイズ619Fの入力枠が設けられている。圃場名称617Fの入力枠には任意の名称が入力される。第1辺サイズ618Fの入力枠には、走行機体10が圃場に進入するときの走行機体10の進行方向における圃場の辺(第1辺)のサイズが入力される。第2辺サイズ619Fの入力枠には、第1辺と交差する辺(第2辺)のサイズが入力される。入場開始ボタン720Fは、走行機体10が圃場に入場する前に押下されるボタンである。
【0123】
本実施形態では、入場開始ボタン720Fが押下された後の走行機体10の移動方向に基づいて圃場の位置情報が決定される。まず、第1辺サイズ618F及び第2辺サイズ619Fの大小関係に基づいて、図26の(B)に示された4つの状態のうち、現在の走行機体10Fと圃場の位置関係に対応する状態が選択される。例えば、第1辺サイズ618Fが第2辺サイズ619Fよりも大きい場合は、A又はBの状態が選択される。一方、第1辺サイズ618Fが第2辺サイズ619Fよりも小さい場合は、C又はDの状態が選択される。A又はBの状態が選択された状態で、走行機体10が圃場に進入した後に右方向に移動した場合、Bの状態が選択され、圃場の位置情報が決定される。一方、A又はBの状態が選択された状態で、走行機体10が圃場に進入した後に左方向に移動した場合、Aの状態が選択され、圃場の位置情報が決定される。このように、作業者は圃場の2つの辺のサイズを入力した後に走行機体10を圃場に進入させて移動するだけで、圃場の位置情報を決定することができる。つまり、作業者の操作負担を軽減することができる。なお、モニタ110Fに図26の(B)に示されたA~Dのアイコンが表示され、作業者が第1辺サイズ618F及び第2辺サイズ619Fを入力した後にA~Dのいずれかのアイコンを選択することで、圃場の位置情報が決定されてもよい。
【0124】
〈第4実施形態〉
本実施形態では、第1実施形態及び第2実施形態とは異なる圃場の判定方法について説明する。本実施形態では上記のブロック判定及びリアルタイム判定とは異なり、圃場全体の圃場判定について説明する。図27に示すように、圃場全体に対する圃場判定の結果(圃場判定結果)は、圃場の全ブロックに対する「不足」と判定されたブロックの割合に基づいて導出される。換言すると、圃場判定結果は、上記のブロック判定の結果のうち、合否判定基準(ブロック合否判定基準)に基づいて不合格と判定された結果の割合に基づいて導出される。なお、ブロック合否判定基準は、各ブロックの判定結果(「最適」、「過剰」、又は「不足」)に基づいて導出される、各ブロックの合否を判定する基準である。以下の説明では、「最適」及び「過剰」と判定されたブロック判定結果を合格とし、「不足」と判定されたブロック判定結果を不合格とするブロック合否判定基準に基づいて圃場判定結果を導出する例について説明する。ただし、ブロック合否判定基準はこの例に限定されず、作業者が自由に設定することができる。
【0125】
例えば、圃場の全ブロック数が50だった場合、「不足」と判定されたブロック数が5以下(つまり、「不足」と判定されたブロックの割合が10%以下)であれば、その圃場判定結果を「合格」と判定することができる。一方で、「不足」と判定されたブロック数が6以上(つまり、「不足」と判定されたブロックの割合が10%より大きい)の場合は、その圃場判定結果を「不合格」と判定することができる。なお、圃場判定結果が「合格」だった場合、図27に示すように、画面に「正常に作業が完了しました」などの圃場判定結果730Gの通知を表示する。一方、圃場判定結果が「不合格」だった場合、上記の通知に代えて「再作業を行ってください」などの通知を表示する。なお、「合格」及び「不合格」の判定基準(圃場合否判定基準)は作業者が自由に設定することができる。
【0126】
以上、本発明について図面を参照しながら説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0127】
10:走行機体、 20:作業機、 100:車体、 110:モニタ、 120:三点リンク機構、 121:通信部、 191:制御部、 193:表示部、 195:位置検出部、 200:フレーム、 201:メインフレーム、 203:チェーンケース、 205:サイドフレーム、 207:ロータ、 シールドカバー210、 220:エプロン、 230:レベラ、 291:制御部、 293:検出部、 300:中央作業部、 310:中央シールドカバー、 320:中央エプロン、 330:中央レベラ、 332:第2接続部、 400:延長作業部、 410:延長シールドカバー、 414、434:台座、 420:延長エプロン、 422、432:接続部、 430:延長レベラ、 490:レベラ拡張部、 500:レベラ角度検出機構、 501:制御ボックス、 510:ポテンショメータ、 520:第1アーム部、 521:第1アーム連結部、 523:第2アーム連結部、 530:第2アーム部、 531:第1ストッパ、 533:第2ストッパ、 540:第1弾性部、 550:第2弾性部、 560:連結回動部材、 561:第3アーム部、 563:回動軸、 565:開口、 570:ブラケット、 571:第1ストッパ、 573:第2ストッパ、 575:固定部、 577:開口、 580:回動軸、 590:伸縮ロッド、 611:入力領域、 613:位置選択領域、 615:入力枠、 630:LUT、 631:判定結果、 633:選択、 635:隣接PV統計値判定範囲、 640:データテーブル、 641:区間、 643:プロットデータ、 645:隣接PV統計値、 647:判定結果、 650、700C:圃場マップ、 651、653、655、701C、703C、705C:ブロック、 657:走行機体アイコン、 660:リアルタイム判定結果、 670:諸情報表示部、 680A:基準変更、 691C:耕深、 693C:収量、 695C:施肥量、 710D:土質表示部、 720F:入場開始ボタン、 730G:圃場判定結果
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