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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-20
(45)【発行日】2022-10-28
(54)【発明の名称】挟持装置
(51)【国際特許分類】
   B23B 31/20 20060101AFI20221021BHJP
   B23Q 3/12 20060101ALI20221021BHJP
【FI】
B23B31/20 G
B23Q3/12 F
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020153864
(22)【出願日】2020-09-14
(65)【公開番号】P2021112814
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2020-10-28
(31)【優先権主張番号】109101798
(32)【優先日】2020-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】520355703
【氏名又は名称】寅翊智造股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Agile Wing Smart Manufacturing Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】1F., No. 10, Jingke 2nd Rd., Nantun Dist.,Taichung City 408, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】李鴻武
(72)【発明者】
【氏名】陳泳霖
(72)【発明者】
【氏名】林映智
【審査官】増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-053908(JP,U)
【文献】登録実用新案第3142968(JP,U)
【文献】実開平05-049229(JP,U)
【文献】特開2006-123072(JP,A)
【文献】特開2002-126918(JP,A)
【文献】米国特許第05096213(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 31/00 -31/42
B23Q 3/12
B23Q 3/155- 3/157
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸孔を有する受け座と、ワークを挟持するように用いられる挟持器具とを取り付けるための挟持装置であって、
前記挟持器具が前記軸孔に着脱可能に挿着され、前記挟持器具でクランプ口を取り囲むように構成しており、
前記挟持装置は、収容溝を有するベースと、前記収容溝に位置する共に、前記受け座に選択的に係合保持されることで、前記受け座を前記収容溝に係合保持して固定するための受け座係合保持組と、前記収容溝に位置する共に、前記挟持器具に選択的に係合保持されることで、前記挟持器具を前記軸孔に係合保持して固定するための挟持器具係合保持組と、前記ベースに設置されると共に、前記挟持器具係合保持組に連結される牽引組とを備え、
開口を有する前記収容溝によって軸線と開口方向とが定義され、前記受け座は、前記開口から前記収容溝内に着脱可能に挿着され、前記受け座が前記収容溝に挿着されるとき、前記軸孔は前記開口方向に向かうに従い漸次拡径され、
前記牽引組が提供する牽引力によって、前記挟持器具係合保持組を前記開口方向とは逆方向に向かって移動させるに従い、連動して前記挟持器具が前記開口方向とは逆方向に向かって移動し、なおかつ前記軸孔にて前記挟持器具を前記クランプ口内に向かって強制的に緊迫させ
前記受け座係合保持組は、前記収容溝に位置すると共に、前記軸線を包囲するように配列される第1クランプ爪組と、駆動を受けて前記軸線に沿って第1初期位置と第1係合保持位置との間に移動可能な第1移動部を有する第1動力組とを含み、前記第1移動部が前記第1初期位置から前記第1係合保持位置まで移動するとき、前記第1クランプ爪組を押し付けるに従い、前記第1クランプ爪組を前記軸線から離間させて拡開させることにより、前記受け座に係合付勢するように供し、
前記挟持器具係合保持組は、前記収容溝に位置すると共に、前記軸線を包囲するように配列される第2クランプ爪組と、駆動を受けて前記軸線に沿って第2初期位置と第2係合保持位置との間に移動可能な第2移動部を有する第2動力組とを含み、前記第2移動部が前記第2初期位置から前記第2係合保持位置まで移動するとき、前記第2クランプ爪組を押し付けるに従い、前記第2クランプ爪組を前記軸線から離間させて拡開させることにより、前記挟持器具に係合付勢するように供し、
前記牽引組は、軸杆を包含し、前記第2動力組は、前記軸杆に位置する液圧溝と、前記液圧溝に連通する液圧流路と、位置復帰装置とを包含し、前記第2移動部が前記液圧溝に摺動可能に設置され、前記液圧流路を液体導入のために供することにより、前記第2移動部が前記第2係合保持位置に向かって移動するように駆動され、前記位置復帰装置により提供される前記第2移動部に向かう弾性力によって、前記第2移動部を随時に前記第2初期位置に向かって移動させる傾向を持ち、
前記第1動力組は、連結管を包含し、前記連結管が前記軸線に沿って延在しており、前記第1移動部が前記連結管に設置され、前記軸杆が前記連結管内に移動可能に挿着される ことを特徴とする、挟持装置。
【請求項2】
前記収容溝は側壁を有し、前記側壁はテーパ状を呈し、前記収容溝を前記開口方向に向かうに従い漸次拡径させることを特徴とする、請求項1に記載の挟持装置。
【請求項3】
第1気体噴射孔路を含む第1気体噴射装置をさらに備え、前記第1気体噴射孔路が前記側壁に連結され、気体供給装置との連結のために供される前記第1気体噴射孔路を経由して前記側壁に向かって気体を噴出することを特徴とする、請求項2に記載の挟持装置。
【請求項4】
前記第1クランプ爪組は、前記軸線を包囲するように配列される複数個のクランプ片と、前記複数個のクランプ片を囲続する弾性締め輪とを包含し、前記弾性締め輪が提供する弾性力によって、前記複数個のクランプ片を随時に前記軸線に向かって収縮閉成させることを特徴とする、請求項に記載の挟持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械加工時に使用されるための挟持装置(Gripper Module)に係り、特にワークや刃具を挟持して加工を行うために用いられる挟持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
機械加工分野において、挟持装置は、加工刃具やワークを挟持して加工作業を行うことができ、不可欠の重要な装置となっており、その内、一部の挟持装置は、テーパ面を利用してコレットやクランプヘッドに当接させることができ、コレットやクランプヘッドを内向きに緊迫させることにより、加工刃具やワークを挟持するものであり、例えば、特許文献1の特許出願公開案は、すなわち、その一例に属するものであり、このほか、特許文献2の実用新案にも、類似の構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】台湾特許出願公開第200408478号公報
【文献】台湾登録実用新案第M323945(U)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の挟持装置は、ワークの挟持に用いられるものの、しかし、かえって寸法許容性が不足するおそれがあるという問題がある。例を挙げて言えば、前述の特許文献1の特許出願公開案では、クランプヘッド部分を利用してワークを挟持することができ、なおかつ異なる規格寸法のクランプヘッド部分に置き替えることにより、異なる寸法のワークを挟持することができるが、ワークの寸法差が過大である場合には、クランプヘッド部分のみを置き替えるだけでは、ワークを挟持するのに不十分になり得るかもしれず、クランプヘッド部分の外周のクランプ管部分をさらに取り外さなければならず、クランプヘッド部分は、クランプ管部分に伴ってさらに大きい寸法のもの、またはさらに小さい寸法のものに置き替えられて初めて、ワークを安定に挟持する使用機能が得られる。しかしながら、クランプ管部分は、ボルトを利用して固定されるため、クランプ管部分を取り外して取替えを行うとき、クランプ管部分の中心を再校正する必要があり、あるいはクランプ管部分を組み付けると同時に中心を校正する必要があるので、余分な労力、時間と費用が費やされ、なおかつ取外しや取替えを繰り返すうちに、やがて精確度が容易に低下することになる。
【0005】
このため、本発明における1つの目的は、挟持装置に対して改造を行うことで、それを比較的に広い範囲の異なる寸法のワークに容易に適用できるものを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的とその他の目的を達成するために、本発明は、受け座と、挟持器具とを取り付けるために供され、なおかつ前記挟持器具を利用してワークを挟持することができる挟持装置を提供し、その内、前記受け座には軸孔を有し、前記挟持器具が前記軸孔に着脱可能に挿着され、前記挟持器具でクランプ口を取り囲むように構成しており、前記挟持装置は、ベースと、受け座係合保持組と、挟持器具係合保持組と、牽引組とを備える。ベースは、収容溝を有し、前記収容溝に開口を有し、前記収容溝によって軸線と開口方向とが定義され、前記受け座は、前記開口から前記収容溝内に着脱可能に挿着され、前記受け座が前記収容溝に挿着されるとき、前記軸孔は前記開口方向に向かうに従い漸次拡径される。受け座係合保持組は、前記収容溝に位置する共に、前記受け座に選択的に係合保持されることで、前記受け座を前記収容溝に係合保持して固定する。挟持器具係合保持組は、前記収容溝に位置する共に、前記挟持器具に選択的に係合保持されることで、前記挟持器具を前記軸孔に係合保持して固定する。牽引組は、前記ベースに設置されると共に、前記挟持器具係合保持組に連結され、前記牽引組が提供する牽引力によって、前記挟持器具係合保持組を前記開口方向とは逆方向に向かって移動させるに従い、連動して前記挟持器具が前記開口方向とは逆方向に向かって移動し、なおかつ前記軸孔にて前記挟持器具を前記クランプ口内に向かって強制的に緊迫させる。
【発明の効果】
【0007】
これにより、本発明が提供する挟持装置は、受け座係合保持組を利用して受け座を係合保持したり、または弛緩したりするように行うことができるので、受け座を簡便に着脱交換できることから、多種の異なる寸法の挟持器具に適用できるため、寸法の比較的に大きいワークと比較的に小さいワークを挟持することができ、ワークに対して良好な寸法許容性及び安定した挟持回転精度を兼ね備えている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の挟持装置の斜視図である。
図2】本発明の挟持装置の分解斜視図である。
図3】本発明の挟持装置に適用される受け座及び挟持器具の断面図である。
図4】本発明の挟持装置の断面図である。
図5図4の一部拡大図である。
図6図2の要部分解斜視図である。
図7】本発明の挟持装置の連続動作概略図である。
図8】本発明の挟持装置の連続動作概略図である。
図9】本発明の挟持装置の連続動作概略図である。
図10】本発明の第2実施形態の一部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0009】
図1を参照して、本実施形態に開示する挟持装置は、加工機に取付けられ、加工刃具やワークを挟持して加工を行うために用いられ、図2図5を参照して、挟持装置は、ベースと、受け座20と、受け座係合保持組と、挟持器具40と、牽引組と、挟持器具係合保持組とを備える。
【0010】
図2を参照して、ベースは、台座11と、気体輸送リング12と、取付筒13とを含む。台座11は、加工機に装着するために供され、本発明の挟持装置を加工機に取付けて使用され、台座11の中央に水平に延在する穿孔111を有する。気体輸送リング12は、台座11に設置固定され、気体輸送リング12は、穿孔111の周囲を囲続すると共に、その内環面に環状凹溝121を有し、気体輸送リング12の外表面に気体輸送ジョイント122を有し、気体輸送ジョイント122が環状凹溝121に連通し、気体輸送ジョイント122は、高圧気体供給器を連結するために供され、また、気体を気体輸送ジョイント122を経由して環状凹溝121に導入して供給する。取付筒13は、大径の頭部131と、小径の胴部132とを有し、頭部131の中央で収容溝133と開口134とを取り囲むように構成しており、収容溝133は、ほぼ円柱状を呈して収容溝133によって軸線が定義されると共に、収容溝133から前向きに開口134に向かう指向方向は、開口方向として定義され、ただ収容溝133の側壁は、円テーパ状を呈し、なおかつ開口方向に向かうに従い漸次拡径される。頭部131の周面に数個の気孔135を有し、気孔135は、頭部131の外周面から径方向に貫通して収容溝133の側壁に連結される。胴部132は、中空管状を呈して貫孔を有し、貫孔と収容溝133とが連通する。頭部131を気体輸送リング12に嵌め込み、胴部132を穿孔111に挿着固定し、気体輸送リング12の環状凹溝121と気孔135とは、丁度互いに対応する位置関係であるので、気体輸送ジョイント122、環状凹溝121及び気孔135は、外部の高圧気体供給源からの気体を導入して収容溝133の側壁に向かって噴出するために供される第1気体噴射孔路になるように連結されている。
【0011】
図2図3を参照して、受け座20は、結合部21と、軸孔22とを有し、結合部21の外表面は、円テーパ状を呈し、かつその寸法が収容溝133に合致することで、結合部21を収容溝133内に着脱可能に挿着させ、軸孔22が受け座20に貫設され、軸孔22は、さらに外形に基づいてスリーブ接合部221と、大径部222と、小径部223とに分けられ、スリーブ接合部221は、円錐孔であってもよく、なおかつ開口方向に向かうに従い漸次拡径され、大径部222は、スリーブ接合部221と小径部223との間に位置し、大径部222の孔径は小径部223の孔径よりも大きく、また、大径部222と小径部223との間に当接面224が形成され、より好ましくは、当接面224も円テーパ状を呈する。
【0012】
図2図5を参照して、受け座係合保持組は、第1クランプ爪組と、第1動力組とを含み、第1クランプ爪組は、クランプ爪座311と、数個のクランプ片312と、弾性締め輪313とを包含し、クランプ爪座311が収容溝133内に設置され、クランプ片312は、収容溝133内に収容され、なおかつ軸線を包囲するように環状配列され、クランプ片312の後端が揺動可能にクランプ爪座311に設置され、また、クランプ片312の前端を揺動開閉可能にさせ、軸線に対して離間したり、近接したりするように構成し、図5に示すように、クランプ片312の前端に径方向に突出する鉤部を有し、なおかつ受け座20が収容溝133内に挿着されるとき、大径部222と当接面224とが互いに対向し、弾性締め輪313は、例えば、ゴム輪、C字形弾性クリップやリング状バネ線であってもよく、前記複数個のクランプ片312を囲続して前記複数個のクランプ片312を内向きに束ね合わせることができ、弾性締め輪313により提供される弾性力によって、クランプ片312を随時に軸線に向かって揺動させて収縮閉成させる。図2図5を参照して、第1動力組は、液圧駆動ユニット321と、連結管322と、第1移動部323とを包含し、液圧駆動ユニット321は、例えば、液圧シリンダ及びその液圧流路であってもよく、液圧供給源からの駆動により移動することができ、連結管322が液圧駆動ユニット321と第1移動部323との間に連結されることで、連結管322と第1移動部323とを液圧駆動ユニット321からの連動を受けて一緒に軸線に沿って移動させることができ、第1移動部323は、第1クランプ爪組の各クランプ片312と軸線との間に位置し、なおかつ径方向に突出する当接部を有し、軸線に沿って移動するとき、クランプ片312の前端に突き当てられることで、クランプ片312の前端を揺動させて軸線から離間させて拡開させることになる。
【0013】
挟持器具40は、柄部41と、柄部41から軸方向に延在する数個のクランプ爪42とを有し、柄部41は、連結孔411と、リング状係合溝412と、段部当接面413とを有し、連結孔411は、軸線に沿って延在すると共に、挟持器具40を貫通して形成され、リング状係合溝412は、連結孔411内に位置し、なおかつ柄部41の壁面に向かって径方向に凹入して形成され、しかもリング状係合溝412の後端に段部当接面413が形成され、クランプ爪42は、環状配列され、クランプ爪42の中央にクランプ口が形成され、クランプ口は、連結孔411に連通し、被挟持ワークを載置するために供され、クランプ爪42の外表面は、円テーパ状を呈して配列され、かつ形状及び寸法は、受け座20のスリーブ接合部221に互いに合致する。
【0014】
牽引組は、軸杆と、液圧駆動ユニット52とを包含し、軸杆は、軸線に沿って前後相接する第1杆体511と、第2杆体512と、ガスノズル513とを包含し、第2杆体512は、第1杆体511とガスノズル513との間に位置し、軸杆は、台座11の穿孔111と、取付筒13の胴部132の貫孔と、収容溝133と、連結管322とを貫通して設けられ、第1杆体511と第2杆体512の中央に軸線に沿って延在する気孔を有し、ガスノズル513に前後貫通する数個の気体噴射孔を有し、第1杆体511と第2杆体512の気孔は、相連続すると共に、ガスノズル513の気体噴射孔に連通することから、第2気体噴射孔路が形成され、外部の高圧気体供給源からの気体を導入し、なおかつ前向きに噴出するために供される。液圧駆動ユニット52は、受け座係合保持組の液圧駆動ユニット321と相似であり、具体的に言えば、例えば、液圧シリンダ及びその液圧流路であってもよく、軸杆に連結され、液圧供給源の駆動により提供される牽引力によって、軸杆を軸線に沿って移動させるように連動することができる。
【0015】
図2図6を参照して、挟持器具係合保持組は、第2クランプ爪組と、第2動力組とを含み、前記第2クランプ爪組は、数個のクランプ片611と、弾性締め輪612とを包含し、クランプ片611は、軸杆の第2杆体512を包囲するように環状配列され、弾性締め輪612は、例えば、ゴム輪、C字形弾性クリップやリング状バネ線であってもよく、前記複数個のクランプ片611を囲続して前記複数個のクランプ片611を内向きに束ね合わせることができ、弾性締め輪612により提供される弾性力によって、クランプ片611を随時に軸線に向かって揺動させて収縮閉成させる。第2動力組は、液圧溝621と、液圧流路622と、第2移動部623と、杆体624と、係止片625と、位置復帰装置626とを包含し、液圧溝621が第1杆体511と第2杆体512との間に成形され、液圧流路622は、液圧溝621に連通し、第2移動部623が液圧溝621に摺動可能に設置され、液圧供給源を液圧流路622に連結することを可能とし、液圧流路622を経由して液圧溝621に向かって液圧を導入することにより、第2移動部623を前向きに移動させるように駆動して、第2移動部623をクランプ片611に突き当てさせてから、クランプ片611の後端を揺動させて軸線から離間させて拡開させることになる。杆体624は、第2杆体512を貫通して設けられ、前端が係止片625に当接し、後端が第2移動部623に当接する。位置復帰装置626は、例えば、1個~数個の弾性部材であってもよく、ガスノズル513と係止片625との間に突き当てられ、係止片625と杆体624を経由して提供される第2移動部623に向かう弾性力によって、第2移動部623を随時に後向きに移動させる傾向を持つ。
【0016】
上記の装置を利用して、図7を参照して、受け座20及び挟持器具40を取替えするか、あるいは組付けする際に、第1移動部323は、第1クランプ爪組に押し付けられないように、第1初期位置に位置しており、第2移動部623は、第2クランプ爪組に押し付けられないように、第2初期位置に位置しており、第1クランプ爪組のクランプ片312を弾性締め輪313の作用を受けて軸線に向かって収縮閉成させ、第2クランプ爪組のクランプ片611を弾性締め輪612の作用を受けて軸線に向かって収縮閉成させ、受け座20の結合部21は、妨げを受けることなく収容溝133に挿着される。
【0017】
図7図8を参照して、受け座20の結合部21を収容溝133に挿着するとき、結合部21と収容溝133とは、互いに合致する円テーパ状の表面を有するため、受け座20を軸線に対して強固かつ正確に揃えることができ、直ちに受け座係合保持組の第1動力組を起動させると、液圧供給源から液圧駆動ユニット321に向かって供給される液圧動力によって、連結管322と第1移動部323とを連動して後向きに移動させ、第1移動部323が第1係合保持位置まで移動し、図8に示すように、第1移動部323の押し付けで、クランプ片312の前端を揺動させて軸線から離間させて拡開させることにより、クランプ片312は、径方向外向きに受け座20の当接面224に係合付勢され、受け座20の位置を固定する。その内、当接面224が円テーパ状であるため、クランプ片312が当接面224に係合付勢されるとき、後向きに作用する分力を生じさせるに従い、受け座20を収容溝133内に強固に保持させることができる。
【0018】
その後、挟持器具40の柄部41は、スリーブ接合部221と収容溝133内に挿着することができ、柄部41は、連結孔411を介してガスノズル513、第2杆体512、クランプ片611及び第2移動部623とスリーブ接合されると共に、第1杆体511に当接し、クランプ爪42及びスリーブ接合部221は、互いに合致する円テーパ状の表面を有するため、挟持器具40を軸線に対して強固かつ正確に揃えることができ、直ちに挟持器具係合保持組の第2動力組を起動させると、液圧供給源から液圧流路622と液圧溝621に向かって供給される液圧動力によって、第2移動部623を図8に示すような第2初期位置から前向きに図9に示すような第2係合保持位置まで移動させるように連動し、第2移動部623の押し付けで、クランプ片611の後端を揺動させて軸線から離間させて拡開させることにより、クランプ片611は、径方向外向きにリング状係合溝412及び段部当接面413に係合付勢され、挟持器具40の位置を固定する。
【0019】
挟持器具40がスリーブ接合部221に挿着されると同時に、あるいは挟持器具40がスリーブ接合部221に固定された後に、さらに、ワーク9は、クランプ爪42により囲成されるクランプ口内に挿着することができ、そしてさらに牽引組の液圧駆動ユニット52を起動させると、液圧供給源から液圧駆動ユニット52に向かって供給される液圧動力によって、第1杆体511と第2杆体512とを連動して後向きに移動させることから、連動してクランプ片611と挟持器具40とを一緒に移動させることで、挟持器具40を受け座20に相対して後向きに移動させ、クランプ爪42及びスリーブ接合部221の互いに合致する円テーパ状の表面を利用してクランプ爪42をクランプ口内に向かって緊迫させるに従い、ワーク9を挟持固定する。
【0020】
ユーザがワーク9を取り外ししようとする際に、液圧供給源から液圧駆動ユニット52に向かって供給される液圧動力によって、牽引組を逆方向に駆動させることができ、第1杆体511と第2杆体512とを連動して前向きに移動させ、この時、さらに高圧気体供給源は、第2気体噴射孔路に連結することができ、気体を第2気体噴射孔路を経由して挟持器具40の連結孔411とクランプ口に注入して、ワーク9の取り出しを補助する。
【0021】
ユーザが挟持器具40を取り外ししようとする際に、液圧流路622に連結される液圧供給源を解放することができ、すなわち、位置復帰装置626により提供される弾性力によって、第2移動部623を第2初期位置に向かって移動させて位置復帰させることができ、クランプ片611を直ちに弾性締め輪612の作用を受けて軸線に向かって揺動させて閉成させ、クランプ片611と、リング状係合溝412及び段部当接面413とを離脱させれば、開口方向に沿って挟持器具40を取り出すことができる。
【0022】
ユーザが受け座20を取り外ししようとする際に、液圧供給源から受け座係合保持組の液圧駆動ユニット321に向かって供給される液圧動力によって、連結管322と第1移動部323を逆方向に駆動させることができ、クランプ片312を直ちに弾性締め輪313の作用を受けて軸線に向かって揺動させて閉成させ、クランプ片312と当接面224とを分離させれば、開口方向に沿って受け座20を取り出すことができる。この時、さらに高圧気体供給源は、第1気体噴射孔路に連結することもでき、気体を気孔135を経由して収容溝133に注入して、受け座20の取り出しを補助する。
【0023】
このようにして、ユーザは、牽引組のみを駆動させるだけで、軸杆を移動させるように連動することができ、選択的にワーク9を緊密にクランプしたり、または弛緩したりするように取替えを行うことができ、あるいはさらに挟持器具係合保持組を駆動させると、選択的に挟持器具40を係合保持したり、または解放したりすれば、挟持器具40は、ワーク9と一緒に着脱交換することができる。ユーザは、寸法差が比較的に大きいワーク9に変更して挟持する必要がある場合、さらに受け座係合保持組を駆動させることができ、選択的に受け座20を係合保持したり、または解放したりするに従い、受け座20は、挟持器具40と一緒に着脱交換することができ、多種の異なる寸法のワーク9に適用できる能力を有する。
【0024】
次に、受け座20とベースとの間は、円テーパ状の表面を利用して当接、位置決めを行うため、受け座20を軸線に対して迅速、安定かつ正確に揃えることができ。中心校正・位置決めの手順を低減や免除して、取替えと組付けの効率を高めると同時に、人工校正の不正確さに起因する精度低下の可能性を軽減し、加工精度の維持を図ることができる。
【実施例2】
【0025】
図10を参照して、本発明の第2実施形態は、前述の実施形態とほぼ同様であるが、その内、第2杆体512は、気孔を有さない中実のものとして作製されると共に、ガスノズル513を軸線に沿って前向きに延在する突出杆514に置き替え、突出杆514を第2杆体512に設置固定し、第1杆体511の中央孔部に液圧を注入して第2杆体512を前向きに移動させるように押動することができ、さらに挟持器具40により挟持されるワーク9を突出杆514で突き押すことは、ユーザがワーク9を突出杆514に当接して置き、位置決めすることに役立ち、また、ワーク9を取替えする際に、突出杆514を利用してワーク9を突き出すことに役立つので、ワーク9を装着と取替えする使用利便性を向上させることができる。
【0026】
上記をまとめると、本発明の挟持装置は、ワーク9に対して良好な寸法許容性を有するものであり、かつ着脱や取替えが容易に行え、しかも、より迅速かつ正確な位置決めが行える使用効果を兼ね備えており、比較的に高い回転精度を有し、作業効率と加工精度の向上を図ることが、実に関連業者から切望されている。なお、以上の実施形態は、本発明の技術内容を説明して詳述するためのものに過ぎず、本願発明の特許請求の範囲は、後述する特許請求の範囲を基準とすべきである。
【符号の説明】
【0027】
11 台座
111 穿孔
12 気体輸送リング
121 環状凹溝
122 気体輸送ジョイント
13 取付筒
131 頭部
132 胴部
133 収容溝
134 開口
135 気孔
20 受け座
21 結合部
22 軸孔
221 スリーブ接合部
222 大径部
223 小径部
224 当接面
311 クランプ爪座
312 クランプ片
313 弾性締め輪
321 液圧駆動ユニット
322 連結管
323 第1移動部
40 挟持器具
41 柄部
411 連結孔
412 リング状係合溝
413 段部当接面
42 クランプ爪
511 第1杆体
512 第2杆体
513 ガスノズル
514 突出杆
52 液圧駆動ユニット
611 クランプ片
612 弾性締め輪
621 液圧溝
622 液圧流路
623 第2移動部
624 杆体
625 係止片
626 位置復帰装置
9 ワーク
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10