(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-20
(45)【発行日】2022-10-28
(54)【発明の名称】キナーゼ活性を阻害するためのアルキニル(ヘテロ)芳香族化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 487/04 20060101AFI20221021BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20221021BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20221021BHJP
A61P 19/08 20060101ALI20221021BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20221021BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20221021BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20221021BHJP
A61K 31/4985 20060101ALI20221021BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20221021BHJP
【FI】
C07D487/04 140
A61P43/00 111
A61P35/00
A61P19/08
A61P29/00
A61P3/00
A61P43/00 121
A61K45/00
C07D487/04 144
C07D487/04 CSP
A61K31/4985
A61K31/519
(21)【出願番号】P 2021500057
(86)(22)【出願日】2019-06-28
(86)【国際出願番号】 CN2019093469
(87)【国際公開番号】W WO2020007234
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】201810707422.0
(32)【優先日】2018-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519263556
【氏名又は名称】深▲チェン▼市塔吉瑞生物医薬有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shenzhen TargetRx, Inc.
【住所又は居所原語表記】Room 301, Building A1, Kexing Science Park, No.15 of Keyuan Road, Nanshan District, Shenzhen, Guangdong 518057, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162695
【氏名又は名称】釜平 双美
(74)【代理人】
【識別番号】100156155
【氏名又は名称】水原 正弘
(72)【発明者】
【氏名】王 義漢
(72)【発明者】
【氏名】▲シン▼ 青峰
【審査官】前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-518419(JP,A)
【文献】特表2009-521462(JP,A)
【文献】特表2015-514802(JP,A)
【文献】特表2009-524671(JP,A)
【文献】特表2018-506579(JP,A)
【文献】国際公開第2018/068739(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 487/00
A61K 31/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表
される化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物
または結晶
体であって、
【化1】
ただし、
環Aは、以下の構造:
【化2】
であり;
R
1は、C
1-6アルキル、C
3-7シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数のR
1aで置換されていてもよく;
R
2は、H
またはC
1-6アルキル
からなる群から選択され;
Lは、-C(O)N(R
1b)-、-N(R
1b)C(O)-、または-N(R
1b)C(O)N(R
1b)-からなる群から選択され;
Bは、CHまたはNから選択され;
R
3は、C
1-6アルキル、またはC
1-6ハロアルキルから選択され;
R
4およびR
5は、以下のように選択され、
1)R
5はHであり、R
4は、H、C
1-6アルキル、-C
0-2アルキレン-C
3-7シクロアルキル、-C
0-2アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、または-C
0-2アルキレン-NR
1cR
2cからなる群から選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数のR
1dで置換されていてもよく;或いは、
2)R
4はHであり、R
5は、H、または1つまたは複数のN、OまたはSのヘテロ原子を含む5~6員ヘテロアリール環から選択され、ここで、前記の5~6員ヘテロアリール環が1つまたは複数のR
1dで置換されていてもよく;
各R
1aは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、オキソ、-C
0-6アルキレン-OR
a、-C
0-6アルキレン-NR
bR
c、-C
0-6アルキレン-C(O)R
a、-C
0-6アルキレン-C(O)OR
a、-C
0-6アルキレン-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、-C
0-6アルキレン-C
3-6シクロアルキル、または-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリルからなる群から選択され;或いは、2つまたは2つ以上のR
1aは、それらが連結している原子とともにC
3-7シクロアルキル、または3~7員ヘテロシクリルを形成し;
各R
1bは、それぞれ独立して、H、-C
0-6アルキレン-OR
a、-C
0-6アルキレン-NR
bR
c、-C
0-6アルキレン-C(O)R
a、-C
0-6アルキレン-C(O)OR
a、-C
0-6アルキレン-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、-C
0-6アルキレン-C
3-6シクロアルキル、または-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリルからなる群から選択され;或いは、2つまたは2つ以上のR
1bは、それらが連結している原子とともにC
3-7シクロアルキル、または3~7員ヘテロシクリルを形成し;
R
1cおよびR
2cは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、-C
0-6アルキレン-CN、-C
0-6アルキレン-OR
a、-C
0-6アルキレン-SR
a、-C
0-6アルキレン-NR
bR
c、-C
0-6アルキレン-C(O)R
a、-C
0-6アルキレン-C(O)OR
a、-C
0-6アルキレン-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、-C
0-6アルキレン-C
3-6シクロアルキル、-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、-C
0-6アルキレン-C
6-10アリール、または-C
0-6アルキレン-5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され;或いは、R
1c、R
2cは、それらが連結している窒素原子とともにC
3-7シクロアルキル、または3~7員ヘテロシクリルを形成し;
各R
1dは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、-C
0-6アルキレン-CN、-C
0-6アルキレン-OR
a、-C
0-6アルキレン-SR
a、-C
0-6アルキレン-NR
bR
c、-C
0-6アルキレン-C(O)R
a、-C
0-6アルキレン-C(O)OR
a、-C
0-6アルキレン-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、-C
0-6アルキレン-C
3-6シクロアルキル、-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、-C
0-6アルキレン-C
6-10アリール、または-C
0-6アルキレン-5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され;或いは、2つまたは2つ以上のR
1dは、それらが連結している原子とともにC
3-7シクロアルキル、または3~7員ヘテロシクリルを形成し;
R
a、R
bおよびR
cは、独立して、H、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
3-7シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールからなる群から選択さ
れる、
式(I)で表
される化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物
または結晶
体。
【請求項2】
R
1が、C
1-4アルキル、C
4-6シクロアルキル、または5~6員ヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数のR
1aで置換されていてもよ
い、
請求項1に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または結晶体。
【請求項3】
R
1が、メチル、エチル、イソプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、またはモルホリニルからなる群から選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数の-OHで置換されていてもよい、
請求項
2に記載の化合物
、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または結晶体。
【請求項4】
R
2がHまたはC
1-4アルキルから選択され、R
3がC
1-4フッ化アルキル
であり、Lが-C(O)N(R
1b)-、-N(R
1b)C(O)-、または-N(R
1b)C(O)N(R
1b)-から選択され、BがCHまたはNから選択され、ここで、R
1bがHまたはC
1-4アルキルから選択され
る、
請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または結晶体。
【請求項5】
R
2がHまたはメチルから選択され、R
3がトリフルオロメチルであり、Lが-C(O)NH-、-NHC(O)-、または-NHC(O)NH-から選択され、BがCHである、
請求項
4に記載の化合物
、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または結晶体。
【請求項6】
R
5がHであり、R
4がH、C
1-6アルキル、または-C
0-2アルキレン-NR
1cR
2cから選択され;ここで、前記の基が1つまたは複数のR
1dで置換されていてもよ
い、
請求項1~5に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または結晶体。
【請求項7】
R
4がHであ
る、
請求項6に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または結晶体。
【請求項8】
R
4が-C
1-4アルキル
である、
請求項6に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または結晶体。
【請求項9】
R
4がメチル、エチル、イソプロピル、またはtert-ブチルから選択される、
請求項
6に記載の化合物
、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または結晶体。
【請求項10】
R
4が-CH
2-NR
1cR
2cから選択され;ここで、R
1cおよびR
2cがそれぞれ独立してC
1-6アルキル、C
3-6シクロアルキル、または3~7員ヘテロシクリルから選択され、或いは、R
1c、R
2cがそれらと連結している窒素原子とともにC
3-7シクロアルキル、または5~6員ヘテロシクリルを形成
する、
請求項6~9のいずれか一項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または結晶体。
【請求項11】
R
4が以下の基:
【化6】
からなる群から選択される、
請求項
10に記載の化合物
、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または結晶体。
【請求項12】
R
4がHであり、R
5がH、または1つまたは複数のNヘテロ原子を含む5~6員ヘテロアリール環から選択され;ここで、前記の5~6員ヘテロアリール環が1つまたは複数のR
1dで置換されていてもよい、
請求項1~
5のいずれか1項に記載の化合物
、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または結晶体。
【請求項13】
R
5
が1つまたは複数のNヘテロ原子を含む5員ヘテロアリール環から選択され、ここで、前記の5員ヘテロアリール環が1つまたは複数のR
1dで置換されていてもよ
い、
請求項12に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または結晶体。
【請求項14】
R
5がイミダゾリルで
あり、1つまたは複数のR
1dで置換されていてもよい、
請求項
13に記載の化合物
、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または結晶体。
【請求項15】
式(III-a)で表
される化合物であって、
【化7】
ただし、
R
1
がC
4-6シクロアルキル
であり、ここで、前記の基が1つまたは複数の-OHで置換されていてもよく;
R
2がHまたはC
1-4アルキルから選択され;
R
4がHまたはC
1-4アルキルから選択され;
Lが-C(O)NH-、または-NHC(O)-から選択される、
化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物
または結晶
体。
【請求項16】
前記の化合物が、式(III-b)で表
される化合物であって、
【化8】
ただし、
環Aが、以下の構造:
【化9】
であり;
R
1がC
1-4アルキル、またはC
4-6シクロアルキルから選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数の-OHで置換されていてもよく;
R
2がHまたはC
1-4アルキルから選択され;
Lが-C(O)NH-、または-NHC(O)-から選択される、
請求項1~
14のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物
または結晶
体。
【請求項17】
式(III-c)で表
される化合物であって、
【化10】
ただし、
R
1がC
1-4アルキル、またはC
4-6シクロアルキルから選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数の-OHで置換されていてもよく;
R
2がHまたはC
1-4アルキルから選択され;
Lが-C(O)NH-、または-NHC(O)-から選択される、
化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物
または結晶
体。
【請求項18】
【化11】
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または結晶体。
【請求項19】
【化12】
からなる群から選択される化合物
、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または結晶体。
【請求項20】
請求項1~
19のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物
または結晶
体と、
薬学的に許容される賦形剤とを含
む、
医薬組成物。
【請求項21】
他の治療剤をさらに含む、
請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
プロテインキナーゼ関連疾患を治療するための医薬品の調製における、請求項1~
19のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物
または結晶
体の使用。
【請求項23】
前記のプロテインキナーゼが、Ret(Reaaranged during transfection)、ABL1(E255K)-phosphorylated、ABL1(F317I)-nonphosphorylated、ABL1(F317I)-phosphorylated、ABL1(F317L)-nonphosphorylated、ABL1(F317L)-phosphorylated、ABL1(H396P)-nonphosphorylated、ABL1(H396P)-phosphorylated、ABL1(M351T)-phosphorylated、ABL1(Q252H)-nonphosphorylated、ABL1(Q252H)-phosphorylated、ABL1(T315I)-nonphosphorylated、ABL1(T315I)-phosphorylated、ABL1(Y253F)-phosphorylated、ABL1-nonphosphorylated、ABL1-phosphorylated、ABL2、ALK(L1196M)、AMPK-alpha1、AMPK-alpha2、ANKK1、AURKB、AURKC、AXL、BLK、BMX、BRAF、BRAF(V600E)、BRK、BTK、CAMK1、CAMKK1、CAMKK2、CDC2L1、CDC2L2、CDC2L5、CDK11、CDK2、CDK5、CDK7、CDK8、CDKL1、CDKL2、CDKL3、CHEK2、CIT、CLK1、CLK4、CSF1R、CSK、CTK、DDR1、DDR2、DLK、EGFR、EGFR(E746-A750del)、EGFR(G719C)、EGFR(G719S)、EGFR(L747-E749del、A750P)、EGFR(L747-S752del、P753S)、EGFR(L747-T751del、Sins)、EGFR(L858R)、EGFR(L858R、T790M)、EGFR(L861Q)、EGFR(S752-I759del)、EGFR(T790M)、EPHA1、EPHA2、EPHA3、EPHA4、EPHA5、EPHA6、EPHA7、EPHA8、EPHB1、EPHB2、EPHB4、EPHB6、ERBB2、ERBB4、ERK8、FAK、FER、FES、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR3(G697C)、FGFR4、FGR、FLT1、FLT3、FLT3(D835H)、FLT3(D835V)、FLT3(D835Y)、FLT3(ITD)、FLT3(ITD、D835V)、FLT3(ITD、F691L)、FLT3(K663Q)、FLT3(N841I)、FLT3(R834Q)、FLT4、FRK、FYN、GAK、GCN2(Kin.Dom.2、S808G)、HCK、HIPK4、HPK1、IKK-alpha、IKK-beta、IRAK1、IRAK4、ITK、JAK1(JH1domain-catalytic)、JAK2(JH1domain-catalytic)、JAK3(JH1domain-catalytic)、JNK1、JNK2、JNK3、KIT、KIT(A829P)、KIT(D816H)、KIT(D816V)、KIT(L576P)、KIT(V559D)、KIT(V559D、T670I)、KIT(V559D、V654A)、LCK、LIMK1、LIMK2、LOK、LRRK2、LRRK2(G2019S)、LTK、LYN、MAK、MAP3K2、MAP3K3、MAP4K2、MAP4K3、MAP4K4、MAP4K5、MEK5、MELK、MERTK、MET、MET(M1250T)、MINK、MKNK2、mLK1、mLK2、mLK3、MST1、MST1R、MST2、MUSK、MYLK2、MYO3A、MYO3B、NDR2、NEK1、NEK11、NEK4、NEK5、NEK9、NLK、p38-alpha、p38-beta、p38-delta、p38-gamma、PCTK2、PDGFRA、PDGFRB、PFCDPK1(P.falciparum)、PFTAIRE2、PFTK1、PKAC-alpha、PKAC-beta、PYK2、RAF1、RET、RET(M918T)、RET(V804L)、RET(V804M)、RIPK1、RIPK2、RIPK4、ROCK2、RPS6KA4(Kin.Dom.1-N-terminal)、RSK2(Kin.Dom.1-N-terminal)、RSK3(Kin.DoN-terminal)、S6K1、SIK、SLK、SRC、SRMS、SRPK1、STK33、STK35、STK36、SYK、TAK1、TAOK2、TAOK3、TEC、TESK1、TGFBR2、TIE1、TIE2、TNIK、TNK1、TNK2、TNNI3K、TRKA、TRKB、TRKC、TTK、TXK、TYK2(JH1domain-catalytic)、TYRO3、ULK3、VEGFR2、YES、YSK4、ZAK、ZAP70、またはFGFR(Fibroblast growth factor receptor)からなる群から選択される、
請求項
22に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬分野に属する。具体的には、本発明は、キナーゼ活性に対する阻害効果を有するアルキニル(ヘテロ)芳香族化合物、それらを含む医薬組成物、ならびにそれらの調製方法および使用に関する。
【背景技術】
【0002】
プロテインチロシンキナーゼ(PTKs)は、ATPにおけるγ-リン酸のタンパク質チロシン残基への転移を触媒するキナーゼであって、さまざまなタンパク質チロシン残基におけるフェノール性ヒドロキシル基のリン酸化を触媒することによって機能性タンパク質を活性化するタンパク質酵素系である。プロテインチロシンキナーゼは、細胞の成長、分化、死などの一連の生理学的および生化学的プロセスを調節し、細胞内シグナル伝達経路において非常に重要な役割を果たしている。プロテインチロシンキナーゼの異常な発現は、細胞増殖調節の障害を引き起こす可能性があり、さらに、腫瘍の発生にもつながる。また、プロテインチロシンキナーゼの異常発現は、腫瘍の浸潤・転移、腫瘍の血管新生、および化学療法に対する腫瘍の抵抗性にも密接に関連している。プロテインキナーゼは、疾患治療の重要な標的になっている。このようなキナーゼとしては、Ret(Reaaranged during transfection)、ABL1(E255K)-phosphorylated、ABL1(F317I)-nonphosphorylated、ABL1(F317I)-phosphorylated、ABL1(F317L)-nonphosphorylated、ABL1(F317L)-phosphorylated、ABL1(H396P)-nonphosphorylated、ABL1(H396P)-phosphorylated、ABL1(M351T)-phosphorylated、ABL1(Q252H)-nonphosphorylated、ABL1(Q252H)-phosphorylated、ABL1(T315I)-nonphosphorylated、ABL1(T315I)-phosphorylated、ABL1(Y253F)-phosphorylated、ABL1-nonphosphorylated、ABL1-phosphorylated、ABL2、ALK(L1196M)、AMPK-alpha1、AMPK-alpha2、ANKK1、AURKB、AURKC、AXL、BLK、BMX、BRAF、BRAF(V600E)、BRK、BTK、CAMK1、CAMKK1、CAMKK2、CDC2L1、CDC2L2、CDC2L5、CDK11、CDK2、CDK5、CDK7、CDK8、CDKL1、CDKL2、CDKL3、CHEK2、CIT、CLK1、CLK4、CSF1R、CSK、CTK、DDR1、DDR2、DLK、EGFR、EGFR(E746-A750del)、EGFR(G719C)、EGFR(G719S)、EGFR(L747-E749del、A750P)、EGFR(L747-S752del、P753S)、EGFR(L747-T751del,Sins)、EGFR(L858R)、EGFR(L858R,T790M)、EGFR(L861Q)、EGFR(S752-I759del)、EGFR(T790M)、EPHA1、EPHA2、EPHA3、EPHA4、EPHA5、EPHA6、EPHA7、EPHA8、EPHB1、EPHB2、EPHB4、EPHB6、ERBB2、ERBB4、ERK8、FAK、FER、FES、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR3(G697C)、FGFR4、FGR、FLT1、FLT3、FLT3(D835H)、FLT3(D835V)、FLT3(D835Y)、FLT3(ITD)、FLT3(ITD,D835V)、FLT3(ITD,F691L)、FLT3(K663Q)、FLT3(N841I)、FLT3(R834Q)、FLT4、FRK、FYN、GAK、GCN2(Kin.Dom.2,S808G)、HCK、HIPK4、HPK1、IKK-alpha、IKK-beta、IRAK1、IRAK4、ITK、JAK1(JH1domain-catalytic)、JAK2(JH1domain-catalytic)、JAK3(JH1domain-catalytic)、JNK1、JNK2、JNK3、KIT、KIT(A829P)、KIT(D816H)、KIT(D816V)、KIT(L576P)、KIT(V559D)、KIT(V559D,T670I)、KIT(V559D,V654A)、LCK、LIMK1、LIMK2、LOK、LRRK2、LRRK2(G2019S)、LTK、LYN、MAK、MAP3K2、MAP3K3、MAP4K2、MAP4K3、MAP4K4、MAP4K5、MEK5、MELK、MERTK、MET、MET(M1250T)、MINK、MKNK2、MLK1、MLK2、MLK3、MST1、MST1R、MST2、MUSK、MYLK2、MYO3A、MYO3B、NDR2、NEK1、NEK11、NEK4、NEK5、NEK9、NLK、p38-alpha、p38-beta、p38-delta、p38-gamma、PCTK2、PDGFRA、PDGFRB、PFCDPK1(P.falciparum)、PFTAIRE2、PFTK1、PKAC-alpha、PKAC-beta、PYK2、RAF1、RET、RET(M918T)、RET(V804L)、RET(V804M)、RIPK1、RIPK2、RIPK4、ROCK2、RPS6KA4(Kin.Dom.1-N-terminal)、RSK2(Kin.Dom.1-N-terminal)、RSK3(Kin.DoN-terminal)、S6K1、SIK、SLK、SRC、SRMS、SRPK1、STK33、STK35、STK36、SYK、TAK1、TAOK2、TAOK3、TEC、TESK1、TGFBR2、TIE1、TIE2、TNIK、TNK1、TNK2、TNNI3K、TRKA、TRKB、TRKC、TTK、TXK、TYK2(JH1domain-catalytic)、TYRO3、ULK3、VEGFR2、YES、YSK4、ZAK、ZAP70、またはFGFR(Fibroblast growth factor receptor)が挙げられるが、それらに限定されない。プロテインキナーゼ活性の異常は、乾癬などの生命を脅かさない疾患から癌などの非常に重篤な疾患まで、さまざまな疾患に関連している。
【0003】
このような多数のプロテインキナーゼおよび多数のプロテインキナーゼ関連疾患を考慮すると、プロテインキナーゼ阻害剤として使用され、且つプロテインチロシンキナーゼ関連疾患の治療に用いられる、選択性を高めた新規の化合物が必要とされている。
【0004】
本発明は、新しいタイプのアルキニルへテロ芳香族化合物、ならびに癌、骨疾患、代謝性疾患、炎症性疾患および他の疾患の治療におけるそれらの使用に関する。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、幅広い生物学的および薬理学的活性、特にAblキナーゼおよびその変異型キナーゼに対する強力な阻害活性を有する新規のアルキニル(ヘテロ)芳香族化合物、該化合物を含む組成物、およびその使用を提供する
【0006】
これに関して、本発明は、以下の技術構成を採用する。
【0007】
一態様において、本発明は、式(I)で表われる化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体バリアントを提供する。
【化1】
ただし、
環Aは、以下の構造を有する環A-1、A-2およびA-3:
【化2】
からなる群から選択され;
X、YおよびZは、独立して、CHまたはNから選択され;前提は、環Aが
【化3】
ではなく;
R
1は、H、C
1-6アルキル、C
3-7シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され;ここで、前記の基が、1つまたは複数のR
1aで置換されていてもよく;前提は、環AがA-1である場合、R
1がHではなく;
R
2は、H、CN、NO
2、OH、ハロゲン、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
1-6アルコキシ、またはC
1-6ハロアルコキシからなる群から選択され;
Lは、-C(O)N(R
1b)-、-N(R
1b)C(O)-、または-N(R
1b)C(O)N(R
1b)-からなる群から選択され;
Bは、CHまたはNから選択され;
R
3は、H、C
1-6アルキル、またはC
1-6ハロアルキルからなる群から選択され;
R
4およびR
5は、以下のように選択され、
1)R
5はHであり、R
4は、H、C
1-6アルキル、-C
0-2アルキレン-C
3-7シクロアルキル、-C
0-2アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、または-C
0-2アルキレン-NR
1cR
2cからなる群から選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数のR
1dで置換されていてもよく;或いは、
2)R
4はHであり、R
5は、H、または1つまたは複数のN、OまたはSのヘテロ原子を含む5~6員ヘテロアリール環から選択され、ここで、前記の5~6員ヘテロアリール環が1つまたは複数のR
1dで置換されていてもよく;
各R
1aは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、オキソ、-C
0-6アルキレン-OR
a、-C
0-6アルキレン-NR
bR
c、-C
0-6アルキレン-C(O)R
a、-C
0-6アルキレン-C(O)OR
a、-C
0-6アルキレン-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、-C
0-6アルキレン-C
3-6シクロアルキル、または-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリルからなる群から選択され;或いは、2つまたは2つ以上のR
1aは、それらが連結している原子とともにC
3-7シクロアルキル、または3~7員ヘテロシクリルを形成し;
各R
1bは、それぞれ独立して、H、-C
0-6アルキレン-OR
a、-C
0-6アルキレン-NR
bR
c、-C
0-6アルキレン-C(O)R
a、-C
0-6アルキレン-C(O)OR
a、-C
0-6アルキレン-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、-C
0-6アルキレン-C
3-6シクロアルキル、または-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリルからなる群から選択され;或いは、2つまたは2つ以上のR
1bは、それらが連結している原子とともにC
3-7シクロアルキル、または3~7員ヘテロシクリルを形成し;
各R
1cおよびR
2cは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、-C
0-6アルキレン-CN、-C
0-6アルキレン-OR
a、-C
0-6アルキレン-SR
a、-C
0-6アルキレン-NR
bR
c、-C
0-6アルキレン-C(O)R
a、-C
0-6アルキレン-C(O)OR
a、-C
0-6アルキレン-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、-C
0-6アルキレン-C
3-6シクロアルキル、-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、-C
0-6アルキレン-C
6-10アリール、または-C
0-6アルキレン-5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され;或いは、R
1c、R
2cは、それらが連結している窒素原子とともにC
3-7シクロアルキルまたは3~7員ヘテロシクリルを形成し;
各R
1dは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、-C
0-6アルキレン-CN、-C
0-6アルキレン-OR
a、-C
0-6アルキレン-SR
a、-C
0-6アルキレン-NR
bR
c、-C
0-6アルキレン-C(O)R
a、-C
0-6アルキレン-C(O)OR
a、-C
0-6アルキレン-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、-C
0-6アルキレン-C
3-6シクロアルキル、-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、-C
0-6アルキレン-C
6-10アリール、または-C
0-6アルキレン-5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され;或いは、2つまたは2つ以上のR
1dは、それらが連結している原子とともにC
3-7シクロアルキルまたは3~7員ヘテロシクリルを形成し;
R
a、R
bおよびR
cは、独立して、H、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
3-7シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され;
追加の条件は、前記化合物が以下の式で表れる構造を含まないことである。
【化4】
【0008】
別の態様において、本発明は、本発明の化合物と薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。特定の実施形態において、本発明の化合物は、有効量で前記の医薬組成物に提供される。特定の実施形態において、本発明の化合物は、治療有効量で提供される。特定の実施形態において、本発明の化合物は、予防有効量で提供される。
【0009】
別の態様において、本発明は、本発明の化合物と、薬学的に許容される賦形剤と、さらに他の治療剤を含む医薬組成物を提供する。
【0010】
別の態様において、本発明は、本発明化合物、その薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体バリアント、および他の治療剤、ならびに薬学的に許容される担体、アジュバントまたは媒介物を含むキットを提供する。
【0011】
別の態様において、本発明は、被験者に本発明の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体バリアント、若しくは医薬組成物を投与することを含む、被験者におけるプロテインキナーゼ関連疾患の治療方法を提供する。具体的な実施形態において、前記のプロテインキナーゼは、Ret(Reaaranged during transfection)、ABL1(E255K)-phosphorylated、ABL1(F317I)-nonphosphorylated、ABL1(F317I)-phosphorylated、ABL1(F317L)-nonphosphorylated、ABL1(F317L)-phosphorylated、ABL1(H396P)-nonphosphorylated、ABL1(H396P)-phosphorylated、ABL1(M351T)-phosphorylated、ABL1(Q252H)-nonphosphorylated、ABL1(Q252H)-phosphorylated、ABL1(T315I)-nonphosphorylated、ABL1(T315I)-phosphorylated、ABL1(Y253F)-phosphorylated、ABL1-nonphosphorylated、ABL1-phosphorylated、ABL2、ALK(L1196M)、AMPK-alpha1、AMPK-alpha2、ANKK1、AURKB、AURKC、AXL、BLK、BMX、BRAF、BRAF(V600E)、BRK、BTK、CAMK1、CAMKK1、CAMKK2、CDC2L1、CDC2L2、CDC2L5、CDK11、CDK2、CDK5、CDK7、CDK8、CDKL1、CDKL2、CDKL3、CHEK2、CIT、CLK1、CLK4、CSF1R、CSK、CTK、DDR1、DDR2、DLK、EGFR、EGFR(E746-A750del)、EGFR(G719C)、EGFR(G719S)、EGFR(L747-E749del、A750P)、EGFR(L747-S752del、P753S)、EGFR(L747-T751del,Sins)、EGFR(L858R)、EGFR(L858R,T790M)、EGFR(L861Q)、EGFR(S752-I759del)、EGFR(T790M)、EPHA1、EPHA2、EPHA3、EPHA4、EPHA5、EPHA6、EPHA7、EPHA8、EPHB1、EPHB2、EPHB4、EPHB6、ERBB2、ERBB4、ERK8、FAK、FER、FES、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR3(G697C)、FGFR4、FGR、FLT1、FLT3、FLT3(D835H)、FLT3(D835V)、FLT3(D835Y)、FLT3(ITD)、FLT3(ITD,D835V)、FLT3(ITD,F691L)、FLT3(K663Q)、FLT3(N841I)、FLT3(R834Q)、FLT4、FRK、FYN、GAK、GCN2(Kin.Dom.2,S808G)、HCK、HIPK4、HPK1、IKK-alpha、IKK-beta、IRAK1、IRAK4、ITK、JAK1(JH1domain-catalytic)、JAK2(JH1domain-catalytic)、JAK3(JH1domain-catalytic)、JNK1、JNK2、JNK3、KIT、KIT(A829P)、KIT(D816H)、KIT(D816V)、KIT(L576P)、KIT(V559D)、KIT(V559D,T670I)、KIT(V559D,V654A)、LCK、LIMK1、LIMK2、LOK、LRRK2、LRRK2(G2019S)、LTK、LYN、MAK、MAP3K2、MAP3K3、MAP4K2、MAP4K3、MAP4K4、MAP4K5、MEK5、MELK、MERTK、MET、MET(M1250T)、MINK、MKNK2、MLK1、MLK2、MLK3、MST1、MST1R、MST2、MUSK、MYLK2、MYO3A、MYO3B、NDR2、NEK1、NEK11、NEK4、NEK5、NEK9、NLK、p38-alpha、p38-beta、p38-delta、p38-gamma、PCTK2、PDGFRA、PDGFRB、PFCDPK1(P.falciparum)、PFTAIRE2、PFTK1、PKAC-alpha、PKAC-beta、PYK2、RAF1、RET、RET(M918T)、RET(V804L)、RET(V804M)、RIPK1、RIPK2、RIPK4、ROCK2、RPS6KA4(Kin.Dom.1-N-terminal)、RSK2(Kin.Dom.1-N-terminal)、RSK3(Kin.DoN-terminal)、S6K1、SIK、SLK、SRC、SRMS、SRPK1、STK33、STK35、STK36、SYK、TAK1、TAOK2、TAOK3、TEC、TESK1、TGFBR2、TIE1、TIE2、TNIK、TNK1、TNK2、TNNI3K、TRKA、TRKB、TRKC、TTK、TXK、TYK2(JH1domain-catalytic)、TYRO3、ULK3、VEGFR2、YES、YSK4、ZAK、ZAP70、またはFGFR(Fibroblast growth factor receptor)からなる群から選択される。
【0012】
別の態様において、本発明は、腫瘍または他の疾患のための医薬品の調製における本発明化合物の使用を提供する。具体的な実施形態において、前記の疾患は、Bcr-Ablによる増殖性疾患である。具体的な実施形態において、前記の疾患は、固形腫瘍、肉腫、慢性骨髄性白血病、慢性顆粒球性白血病、消化管間質腫瘍、急性顆粒球性白血病、甲状腺癌、胃癌、直腸癌、発性骨髄腫、腫瘍形成(neoplasia)、および他の過形成性または増殖性疾患からなる群から選択される。具体的な実施形態において、前記のBcr-Ablによる疾患は、慢性顆粒球性白血病、消化管間質腫瘍、急性顆粒球性白血病、甲状腺癌、またはそれらの組合せである。特定の実施形態において、経口、皮下、静脈内、または筋肉内で前記の化合物を投与される。特定の実施形態において、前記の化合物は長期間投与される。
【0013】
本発明の他の目的および利点は、以下の特定の実施形態、実施例および特許請求の範囲から当業者に明らかになるである
【0014】
定義
化学定義
以下、具体的な官能基と化学用語の定義についてより詳細に説明する。
【0015】
数値範囲が挙げられる場合、その範囲内の各値および部分範囲を含む。例えば、「C1-6アルキル基」は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C1-6、C1-5、C1-4、C1-3、C1-2、C2-6、C2-5、C2-4、C2-3、C3-6、C3-5、C3-4、C4-6、C4-5、C5-6アルキル基を含む。
【0016】
「C1-6アルキル基」とは、1~6個の炭素原子を有する直鎖または分枝の飽和炭化水素基を指し、本明細書中では「低級アルキル基」とも称される。一部の実施形態において、C1-4アルキル基は特に好ましい。前記のアルキル基の例として、メチル(C1)、エチル(C2)、n-プロピル(C3)、イソプロピル(C3)、n-ブチル(C4)、tert-ブチル(C4)、sec-ブチル(C4)、iso-ブチル(C4)、n-ペンチル(C5)、3-ペンタニル(C5)、アミル(C5)、ネオペンチル(C5)、3-メチル-2-ブタニル(C5)、第3級アミル(C5)、およびn-ヘキシル(C6)が挙げられるが、これらに限定されない。アルキル基が「置換」で修飾されるかどうかにもかかわらず、各アルキル基は、独立して、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基もしくは1個の置換基で置換されてもよい。適切な置換基は以下のように定義される。
【0017】
「C2-6アルケニル基」とは、2~6個の炭素原子と1個以上の炭素-炭素二重結合(例えば、1個、2個または3個の炭素-炭素二重結合)を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素基を指す。1個以上の炭素-炭素二重結合は、内部に存在し得る(例えば、2-ブテニル)か、または末端に存在し得る(例えば、1-ブテニル)。一部の実施形態において、C2-4アルケニル基は特に好ましい。前記のアルケニル基の例として、エテニル(C2)、1-プロペニル(C3)、2-プロペニル(C3)、1-ブテニル(C4)、2-ブテニル(C4)、ブタジエニル(C4)、ペンテニル(C5)、ペンタジエニル(C5)、ヘキセニル(C6)などが挙げられるが、これらに限定されない。アルケニル基が「置換」で修飾されるかどうかにもかかわらず、各アルケニル基は、独立して、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基もしくは1個の置換基で置換されてもよい。適切な置換基は以下のように定義される。
【0018】
「C2-6アルキニル基」とは、2~6個の炭素原子、1個以上の炭素-炭素三重結合(例えば、1個、2個または3個の炭素-炭素三重結合)、および必要に応じて、1個以上の炭素-炭素二重結合(例えば、1個、2個または3個の炭素-炭素二重結合)を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素基を指す。一部の実施形態において、C2-4アルキニル基は特に好ましい。一部の実施形態において、アルキニル基は、二重結合を全く含まない。1個以上の炭素-炭素三重結合は、内部に存在し得る(例えば、2-ブチニル)か、または末端に存在し得る(例えば、1-ブチニル)。前記のアルキニル基の例として、エチニル(C2)、1-プロピニル(C3)、2-プロピニル(C3)、1-ブチニル(C4)、2-ブチニル(C4)、ペンチニル(C5)、ヘキシニル(C6)などが挙げられるが、これらに限定されない。アルキニル基が「置換」で修飾されるかどうかにもかかわらず、各アルキニル基は、独立して、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基もしくは1個の置換基で置換されてもよい。適切な置換基は以下のように定義される。
【0019】
「C1-6アルキレン」は、C1-6アルキル基から他の1つの水素を除去した二価の基を指し、置換または非置換のアルキレンであってもよい。一部の実施形態では、C1-4アルキレンが特に好ましい。非置換アルキレンとして、メチレン(-CH2-)、エチレン(-CH2CH2-)、プロピレン(-CH2CH2CH2-)、ブチレン(-CH2CH2CH2CH2-)、ペンチレン(-CH2CH2CH2CH2CH2-)、ヘキシレン(-CH2CH2CH2CH2CH2CH2-)などが挙げられるが、これらに限定されない。典型的な置換アルキレンとして、例えば、置換メチレン(-CH(CH3)-、-C(CH3)2-)、置換エチレン(-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-C(CH3)2CH2-、-CH2C(CH3)2-)、置換プロピレン(-CH(CH3)CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2-、-CH2CH2CH(CH3)-、-C(CH3)2CH2CH2-、-CH2C(CH3)2CH2-、-CH2CH2C(CH3)2-)などの1つ以上のアルキル(メチル)で置換されたアルキレンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0020】
「C0-6アルキレン」は、化学結合および上記の通りで定義されたC1-6アルキレンを含む。
【0021】
「C1-6アルコキシ」とは、-OR基を指し、ここで、Rは、置換もしくは非置換C1-6アルキル基である。一部の実施形態において、C1-4アルコキシは特に好ましい。具体的に、前記のアルコキシ基として、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキソキシ、および1,2-ジメチルブトキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
「ハロ」または「ハロゲン」とは、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)およびヨウ素(I)を指す。一部の実施形態において、ハロゲン含有基は、F、-ClまたはBrである。一部の実施形態において、ハロゲン含有基は、FまたはClである。一部の実施形態において、ハロゲン含有基は、Fである。
【0023】
したがって、「C1-6ハロアルキル」と「C1-6ハロアルコキシ」とは、1個以上のハロゲン基に置換された前記の「C1-6アルキル」と「C1-6アルコキシ」を指す。一部の実施形態において、C1-4ハロアルキルは特に好ましく、C1-2ハロアルキルがより好ましい。一部の実施形態において、C1-4ハロアルコキシ基は特に好ましく、C1-2ハロアルコキシ基がより好ましい。例示的な前記のハロアルキル基として、-CF3、-CH2F、-CHF2、-CHFCH2F、-CH2CHF2、-CF2CF3、-CCl3、-CH2Cl、-CHCl2、2,2,2-トリフルオロ-1,1-ジメチル-エチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な前記のハロアルコキシ基として、-OCH2F、-OCHF2、-OCF3などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
「C3-10シクロアルキル基」とは、3~10個の環炭素原子および0個のヘテロ原子を持つ非芳香族環式炭化水素基を指す。一部の実施形態において、C3-7シクロアルキル基が好ましく、C3-6シクロアルキル基は特に好ましく、C5-6シクロアルキル基が更に好ましい。シクロアルキル基には、さらに、前記シクロアルキル環が1個以上のアリール基或はヘテロアリール基と縮合した環系を含み、ここで、連結点はシクロアルキル環に位置し、また、このような場合、炭素数は依然としてシクロアルキル系中の炭素数を示す。例示的な前記のシクロアルキル基として、シクロプロピル(C3)、シクロプロペニル(C3)、シクロブチル(C4)、シクロブテニル(C4)、シクロペンチル(C5)、シクロペンテニル(C5)、シクロヘキシル(C6)、シクロヘキセニル(C6)、シクロヘキサジエニル(C6)、シクロヘプチル(C7)、シクロヘプテニル(C7)、シクロヘプタジエニル(C7)、シクロヘプタトリエニル(C7)、シクロオクチル(C8)、シクロオクテニル(C8)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル(C7)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C8)、シクロノニル(C9)、シクロノネニル(C9)、シクロデシル(C10)、シクロデセニル(C10)、オクタヒドロ-1H-インデニル(C9)、デカヒドロナフチル(C10)、スピロ[4.5]デシル(C10)などが挙げられるが、これらに限定されない。シクロアルキル基が「置換」で修飾されるかどうかにもかかわらず、各シクロアルキルは、独立して、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基もしくは1個の置換基で置換されてもよい。適切な置換基は以下のように定義される。
【0025】
「3~10員ヘテロシクリル」とは、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する3~10員の非芳香環系の基を指し、ここで、各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リンおよびケイ素から選択される。1個以上の窒素原子を含むヘテロシクリルにおいて、結合価が許容される限り、結合点は、炭素または窒素原子であり得る。一部の実施形態において、環炭素原子と1~3個の環ヘテロ原子を有する3~7員非芳香環系である3~7員ヘテロシクリルが好ましい。一部の実施形態において、環炭素原子と1~3個の環ヘテロ原子を有する3~6員非芳香環系である3~6員ヘテロシクリルは特に好ましい。一部の実施形態において、環炭素原子と1~3個の環ヘテロ原子を有する4~6員非芳香環系である4~6員ヘテロシクリルが好ましい。一部の実施形態において、環炭素原子と1~3個の環ヘテロ原子を有する5~6員非芳香環系である5~6員ヘテロシクリルがより好ましい。さらに、ヘテロシクリル基は、前記ヘテロシクリル基環と1つ以上のシクロアルキル基、アリール基或はヘテロアリール基と縮合した環系を含み、その中、連結点はヘテロシクリル環上に位置する。且つ、このような情況で、環員数は、依然としてヘテロシクリル基の環の員数を示す。ヘテロシクリル基が「置換」で修飾されるかどうかにもかかわらず、各ヘテロシクリルは、独立して、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基もしくは1個の置換基で置換されてもよい。適切な置換基は以下のように定義される。
【0026】
1個のヘテロ原子を含む例示的な3員ヘテロシクリルの例として、アジリジニル、オキシラニル、チオレニル(thiorenyl)が挙げられるが、それらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な4員ヘテロシクリル基の例として、アゼチジニル、オキセタニル、およびチエタニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリル基の例として、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、およびピロリル-2,5-ジオンが挙げられるが、それに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリルの例として、ジオキソラニル、オキサスルフラニル(oxasulfuranyl)、ジスルフラニル(disulfuranyl)、オキサゾリジン-2-オンが挙げられるが、これらには限定されない。3個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリル基の例として、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル、およびチアジアゾリニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリル基の例として、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、およびチアニル(thianyl)が挙げられるが、それらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリル基の例として、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、ジオキサニルが挙げられるが、それらに限定されない。3個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリルの例として、トリアジナニル(triazinanyl)が挙げられるが、それに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な7員ヘテロシクリル基の例として、アゼパニル、オキセパニル、チエパニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な8員ヘテロシクリル基の例として、アゾカニル(azocanyl)、オキセカニル(oxecanyl)、チオカニル(thiocanyl)が挙げられるが、これらに限定されない。C6アリール環に縮合された例示的な5員ヘテロシクリル基(本明細書では、5,6-二環式ヘテロシクリルとも称される)として、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリノニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。C6アリール環に縮合された例示的な6員ヘテロシクリル基(本明細書では、6,6-二環式ヘテロシクリル基とも称される)として、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどが挙げられるが、これらには限定されない。
【0027】
「C6-14アリール基」とは、6~14個の環炭素原子および0個のヘテロ原子を有する単環式または多環式(例えば、二環式もしくは三環式)の4n+2芳香環系(例えば、環状の配列において共有される6、10または14個のπ電子を有する)の基を指す。一部の実施形態において、アリール基は、6個の環炭素原子を有する(「C6アリール基」;例えば、フェニル)。一部の実施形態において、アリール基は、10個の環炭素原子を有する(「C10アリール基」;例えば、1-ナフチルおよび2-ナフチルなどのナフチル)。一部の実施形態において、アリール基は、14個の環炭素原子を有する(「C14アリール基」;例えば、アントリル)。一部の実施形態において、「C6-10アリール基」は特に好ましく、C6アリール基がより好ましい。アリール基は、上記のアリール環が1つ以上のシクロアルキル基または複素環基と縮合した環系も含み、且つ結合点は、上記のアリール環上に存在し、このような場合、炭素原子の数は、依然として上記のアリール環系内の炭素原子の数を示す。アリール基が「置換」で修飾されるかどうかにもかかわらず、各アリール基は、独立して、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基もしくは1個の置換基で置換されてもよい。適切な置換基は以下のように定義される。
【0028】
「5~10員ヘテロアリール基」とは、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~10員の単環式または二環式の4n+2芳香環系(例えば、環状の配列で共有される6または10個のπ電子を有する)の基を指し、ここで、各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される。1個以上の窒素原子を含むヘテロアリール基において、結合価が許容される限り、結合点は、炭素または窒素原子であり得る。ヘテロアリール二環式環系は、一方または両方の環に1つ以上のヘテロ原子を含み得る。ヘテロアリール基は、上記のヘテロアリール環が1つ以上のシクロアルキル基または複素環基と縮合した環系を含み、ここで、結合点は、上記のヘテロアリール環上に存在し、このような場合、環員数は、引き続きヘテロアリール環系内の環の員数を示す。一部の実施形態において、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~6員の単環式または二環式の4n+2芳香環系である5~5員ヘテロアリール基は特に好ましい。ヘテロアリール基が「置換」で修飾されるかどうかにもかかわらず、各ヘテロアリール基は、独立して、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基もしくは1個の置換基で置換されてもよい。適切な置換基は以下のように定義される。
【0029】
1個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基として、ピロリル、フラニル、およびチオフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基として、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、およびイソチアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。3個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基として、トリアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。4個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基として、テトラゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基として、ピリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基として、ピリダジニル、ピリミジニル、およびピラジニルが挙げられるが、これらに限定されない。3または4個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基として、それぞれトリアジニルおよびテトラジニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な7員ヘテロアリール基として、アゼピニル、オキセピニル、およびチエピニルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な5,6-二環式ヘテロアリール基として、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズチアジアゾリル、インドリジニル、およびプリニルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な6,6-二環式ヘテロアリール基として、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、およびキナゾリニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
例示的な炭素原子置換基としては、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-ORaa、-ON(Rbb)2、-N(Rbb)2、-N(Rbb)3
+X-、-N(ORcc)Rbb、-SH、-SRaa、-SSRcc、-C(=O)Raa、-CO2H、-CHO、-C(ORcc)2、-CO2Raa、-OC(=O)Raa、-OCO2Raa、-C(=O)N(Rbb)2、-OC(=O)N(Rbb)2、-NRbbC(=O)Raa、-NRbbCO2Raa、-NRbbC(=O)N(Rbb)2、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-OC(=NRbb)Raa、-OC(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb)2、-OC(=NRbb)N(Rbb)2、-NRbbC(=NRbb)N(Rbb)2、-C(=O)NRbbSO2Raa、-NRbbSO2Raa、-SO2N(Rbb)2、-SO2Raa、-SO2ORaa、-OSO2Raa、-S(=O)Raa、-OS(=O)Raa、-Si(Raa)3、-OSi(Raa)3、-C(=S)N(Rbb)2、-C(=O)SRaa、-C(=S)SRaa、-SC(=S)SRaa、-SC(=O)SRaa、-OC(=O)SRaa、-SC(=O)ORaa、-SC(=O)Raa、-P(=O)2Raa、-OP(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-OP(=O)(Raa)2、-OP(=O)(ORcc)2、-P(=O)2N(Rbb)2、-OP(=O)2N(Rbb)2、-P(=O)(NRbb)2、-OP(=O)(NRbb)2、-NRbbP(=O)(ORcc)2、-NRbbP(=O)(NRbb)2、-P(Rcc)2、-P(Rcc)3、-OP(Rcc)2、-OP(Rcc)3、-B(Raa)2、-B(ORcc)2、-BRaa(ORcc)、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されず、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換され;
【0031】
または、炭素原子上の2つのジェミナル水素は、=O、=S、=NN(Rbb)2、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)2Raa、=NRbbもしくは=NORcc基で置換され;
【0032】
各Raaは、独立して、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか、または2つのRaa基が連結して、複素環基もしくはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換され;
各Rbbは、独立して、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc)2、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc)2、-CO2Raa、-SO2Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc)2、-SO2N(Rcc)2、-SO2Rcc、-SO2ORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc)2、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)2N(Rcc)2、-P(=O)(NRcc)2、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか、または2つのRbb基が連結して、複素環基もしくはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換され;
【0033】
各Rccは、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか、または2つのRcc基が連結して、複素環基もしくはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換され;
【0034】
各Rddは、独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-ORee、-ON(Rff)2、-N(Rff)2、-N(Rff)3
+X-、-N(ORee)Rff、-SH、-SRee、-SSRee、-C(=O)Ree、-CO2H、-CO2Ree、-OC(=O)Ree、-OCO2Ree、-C(=O)N(Rff)2、-OC(=O)N(Rff)2、-NRffC(=O)Ree、-NRffCO2Ree、-NRffC(=O)N(Rff)2、-C(=NRff)ORee、-OC(=NRff)Ree、-OC(=NRff)ORee、-C(=NRff)N(Rff)2、-OC(=NRff)N(Rff)2、-NRffC(=NRff)N(Rff)2、-NRffSO2Ree、-SO2N(Rff)2、-SO2Ree、-SO2ORee、-OSO2Ree、-S(=O)Ree、-Si(Ree)3、-OSi(Ree)3、-C(=S)N(Rff)2、-C(=O)SRee、-C(=S)SRee、-SC(=S)SRee、-P(=O)2Ree、-P(=O)(Ree)2、-OP(=O)(Ree)2、-OP(=O)(ORee)2、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、ヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRgg基で置換されてもよく、または2つのジェミナルRdd置換基が連結して、=Oもしくは=Sを形成してもよく;
【0035】
各Reeは、独立して、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、アリール、複素環基、およびヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRgg基で置換され;
【0036】
各Rffは、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか、または2つのRff基が連結して、複素環基またはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRgg基で置換され;
【0037】
各Rggは、独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-OC1-6アルキル基、-ON(C1-6アルキル基)2、-N(C1-6アルキル基)2、-N(C1-6アルキル基)3
+X-、-NH(C1-6アルキル基)2
+X-、-NH2(C1-6アルキル基)+X-、-NH3
+X-、-N(OC1-6アルキル基)(C1-6アルキル基)、-N(OH)(C1-6アルキル基)、-NH(OH)、-SH、-SC1-6アルキル基、-SS(C1-6アルキル基)、-C(=O)(C1-6アルキル基)、-CO2H、-CO2(C1-6アルキル基)、-OC(=O)(C1-6アルキル基)、-OCO2(C1-6アルキル基)、-C(=O)NH2、-C(=O)N(C1-6アルキル基)2、-OC(=O)NH(C1-6アルキル基)、-NHC(=O)(C1-6アルキル基)、-N(C1-6アルキル基)C(=O)(C1-6アルキル基)、-NHCO2(C1-6アルキル基)、-NHC(=O)N(C1-6アルキル基)2、-NHC(=O)NH(C1-6アルキル基)、-NHC(=O)NH2、-C(=NH)O(C1-6アルキル基)、-OC(=NH)(C1-6アルキル基)、-OC(=NH)OC1-6アルキル基、-C(=NH)N(C1-6アルキル基)2、-C(=NH)NH(C1-6アルキル基)、-C(=NH)NH2、-OC(=NH)N(C1-6アルキル基)2、-OC(NH)NH(C1-6アルキル基)、-OC(NH)NH2、-NHC(NH)N(C1-6アルキル基)2、-NHC(=NH)NH2、-NHSO2(C1-6アルキル基)、-SO2N(C1-6アルキル基)2、-SO2NH(C1-6アルキル基)、-SO2NH2、-SO2C1-6アルキル基、-SO2OC1-6アルキル基、-OSO2C1-6アルキル基、-SOC1-6アルキル基、-Si(C1-6アルキル基)3、-OSi(C1-6アルキル基)3、-C(=S)N(C1-6アルキル基)2、C(=S)NH(C1-6アルキル基)、C(=S)NH2、-C(=O)S(C1-6アルキル基)、-C(=S)SC1-6アルキル基、-SC(=S)SC1-6アルキル基、-P(=O)2(C1-6アルキル基)、-P(=O)(C1-6アルキル基)2、-OP(=O)(C1-6アルキル基)2、-OP(=O)(OC1-6アルキル基)2、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル基、C3-C7炭素環基、C6-C10アリール基、C3-C7複素環基、C5-C10ヘテロアリール基であるか;または2つのジェミナルRgg置換基が連結して、=Oもしくは=Sを形成してもよく;ここで、X-は、対イオンである。
【0038】
例示的な窒素原子上の置換基としては、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc)2、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc)2、-CO2Raa、-SO2Raa、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc)2、-SO2N(Rcc)2、-SO2Rcc、-SO2ORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc)2、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)2N(Rcc)2、-P(=O)(NRcc)2、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されないか、または窒素原子に結合した2つのRcc基は、連結して、複素環基もしくはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換され、ここで、Raa、Rbb、RccおよびRddは、上記の通りである。
【0039】
用語「薬学的に許容される塩」とは、妥当な医学的判断の範囲内で、過度な毒性、刺激、およびアレルギー応答などなしで、ヒトおよび下等動物の組織と接触させて使用するために適切であり、そして合理的な利益/危険比に釣り合う、塩を指す。薬学的に許容される塩は、当該分野において周知である。例えば、Bergeらは、薬学的に許容される塩を、J.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1-19において詳細に記載している。本発明の化合物の薬学的に許容される塩としては、適切な無機および有機の酸と無機および有機の塩基から誘導される塩が挙げられる。薬学的に許容される非毒性の酸付加塩の例は、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸)と形成された塩、または有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸)と形成された塩を含む。また、例えば、イオン交換などの当該分野における慣用の方法で形成された塩も含む。他の薬学的に許容される塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、および吉草酸塩などが挙げられる。適切な塩基から誘導される薬学的に許容される塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩およびN+(C1-4アルキル)4塩が挙げられる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、およびマグネシウムの塩などが挙げられる。他の薬学的に許容される塩は、ハロゲンイオン、水酸化物イオン、カルボン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、低級アルキルスルホン酸イオン、およびアリールスルホン酸イオンなどの対イオンと形成された、無毒のアンモニウム塩、第四級アンモニウム塩、およびアミン陽イオンを含む。
【0040】
「活性代謝物」は、式(I)で表われる化合物またはその塩の生体内代謝によって生成される薬理学的に活性な生成物を指す。化合物のプロドラッグおよび活性代謝物は、当分野で知られているまたは利用可能な従来の技術を使用して測定することができる。
【0041】
投与される「被験者」としては、ヒト(すなわち、任意の年齢群、例えば、小児被験者(例えば、乳児、小児、青年)または成人被験者(例えば、若年成人、中年成人または高齢成人)の男性または女性)および/または非ヒト動物、例えば、哺乳動物(例えば、霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル)、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、げっ歯類、ネコおよび/またはイヌ)が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、被験者は、ヒトである。一部の実施形態において、被験者は、非ヒト動物である。「ヒト」、「患者」および「被験者」は、本明細書中で交換可能に使用される。
【0042】
「疾患」、「障害」および「病状」は、本明細書中で交換可能に使用される。
【0043】
他に特定されない限り、本明細書中で使用される用語「治療」は、被験者が特定の疾患、障害または病状を罹患している間に行われ、その疾患、障害または病状の重篤度を低下させるか、あるいは疾患、障害または病状の進行を遅延させるかまたは遅くする行為(「治療性治療」)を想定し、そしてまた、被験者が特定の疾患、障害または病状を罹患し始める前に行われる行為(「予防性治療」)を想定する。
【0044】
「組み合わせ」及び関連用語は、本発明の治療剤を同時に又は順次に投与することを意味する。例えば、本発明の化合物は、別々の単位製剤で他の治療剤と同時に又は順次に投与したり、単一の単位製剤で他の治療剤と同時に投与したりすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0045】
化合物
本明細書において、「本発明の化合物」とは、以下の式(I)で表われる化合物-式(III)で表われる化合物(例えば式(II-a)で表われる化合物などの各式のサブセットを含む)、或いはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、結晶多形、プロドラッグ、または活性代謝物を指す。
【0046】
一実施形態において、本発明は、式(I)で表れる化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体バリアントに関する。
【化5】
ただし、
環Aは、以下の構造を有する環A-1、A-2およびA-3:
【化6】
からなる群から選択され;
X、YおよびZは、独立して、CHまたはNから選択され;前提は、環Aが
【化7】
ではなく;
R
1は、H、C
1-6アルキル、C
3-7シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され;ここで、前記の基が、1つまたは複数のR
1aで置換されていてもよく;前提は、環AがA-1である場合、R
1がHではなく;
R
2は、H、CN、NO
2、OH、ハロゲン、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
1-6アルコキシ、またはC
1-6ハロアルコキシからなる群から選択され;
Lは、-C(O)N(R
1b)-、-N(R
1b)C(O)-、または-N(R
1b)C(O)N(R
1b)-からなる群から選択され;
Bは、CHまたはNから選択され;
R
3は、H、C
1-6アルキル、またはC
1-6ハロアルキルからなる群から選択され;
R
4およびR
5は、以下のように選択され、
1)R
5はHであり、R
4は、H、C
1-6アルキル、-C
0-2アルキレン-C
3-7シクロアルキル、-C
0-2アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、または-C
0-2アルキレン-NR
1cR
2cからなる群から選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数のR
1dで置換されていてもよく;或いは、
2)R
4はHであり、R
5は、H、または1つまたは複数のN、OまたはSのヘテロ原子を含む5~6員ヘテロアリール環から選択され、ここで、前記の5~6員ヘテロアリール環が1つまたは複数のR
1dで置換されていてもよく;
各R
1aは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、オキソ、-C
0-6アルキレン-OR
a、-C
0-6アルキレン-NR
bR
c、-C
0-6アルキレン-C(O)R
a、-C
0-6アルキレン-C(O)OR
a、-C
0-6アルキレン-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、-C
0-6アルキレン-C
3-6シクロアルキル、または-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリルからなる群から選択され;或いは、2つまたは2つ以上のR
1aは、それらが連結している原子とともにC
3-7シクロアルキル、または3~7員ヘテロシクリルを形成し;
各R
1bは、それぞれ独立して、H、-C
0-6アルキレン-OR
a、-C
0-6アルキレン-NR
bR
c、-C
0-6アルキレン-C(O)R
a、-C
0-6アルキレン-C(O)OR
a、-C
0-6アルキレン-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、-C
0-6アルキレン-C
3-6シクロアルキル、または-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリルからなる群から選択され;或いは、2つまたは2つ以上のR
1bは、それらが連結している原子とともに形成C
3-7シクロアルキル、または3~7員ヘテロシクリルを形成し;
各R
1cおよびR
2cは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、-C
0-6アルキレン-CN、-C
0-6アルキレン-OR
a、-C
0-6アルキレン-SR
a、-C
0-6アルキレン-NR
bR
c、-C
0-6アルキレン-C(O)R
a、-C
0-6アルキレン-C(O)OR
a、-C
0-6アルキレン-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、-C
0-6アルキレン-C
3-6シクロアルキル、-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、-C
0-6アルキレン-C
6-10アリール、または-C
0-6アルキレン-5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され;或いは、R
1c、R
2cは、それらが連結している窒素原子とともにC
3-7シクロアルキルまたは3~7員ヘテロシクリルを形成し;
各R
1dは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、-C
0-6アルキレン-CN、-C
0-6アルキレン-OR
a、-C
0-6アルキレン-SR
a、-C
0-6アルキレン-NR
bR
c、-C
0-6アルキレン-C(O)R
a、-C
0-6アルキレン-C(O)OR
a、-C
0-6アルキレン-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、-C
0-6アルキレン-C
3-6シクロアルキル、-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、-C
0-6アルキレン-C
6-10アリール、または-C
0-6アルキレン-5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され;或いは、2つまたは2つ以上のR
1dは、それらが連結している原子とともにC
3-7シクロアルキルまたは3~7員ヘテロシクリルを形成し;
R
a、R
bおよびR
cは、独立して、H、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
3-7シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され;
追加の条件は、前記化合物が以下の式で表れる構造を含まないことである。
【化8】
【0047】
他の実施形態において、本発明は、式(I)で表れる化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体バリアントに関する。
【化9】
ただし、
環Aは、以下の構造:
【化10】
からなる群から選択され;
R
1は、C
1-6アルキル、C
3-7シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数のR
1aで置換されていてもよく;
R
2は、H、CN、NO
2、OH、ハロゲン、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
1-6アルコキシ、またはC
1-6ハロアルコキシからなる群から選択され;
Lは、-C(O)N(R
1b)-、-N(R
1b)C(O)-、または-N(R
1b)C(O)N(R
1b)-からなる群から選択され;
Bは、CHまたはNから選択され;
R
3は、C
1-6アルキル、またはC
1-6ハロアルキルから選択され;
R
4およびR
5は、以下のように選択され、
1)R
5はHであり、R
4は、H、C
1-6アルキル、-C
0-2アルキレン-C
3-7シクロアルキル、-C
0-2アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、または-C
0-2アルキレン-NR
1cR
2cからなる群から選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数のR
1dで置換されていてもよく;或いは、
2)R
4はHであり、R
5は、H、または1つまたは複数のN、OまたはSのヘテロ原子を含む5~6員ヘテロアリール環から選択され、ここで、前記の5~6員ヘテロアリール環が1つまたは複数のR
1dで置換されていてもよく;
各R
1aは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、オキソ、-C
0-6アルキレン-OR
a、-C
0-6アルキレン-NR
bR
c、-C
0-6アルキレン-C(O)R
a、-C
0-6アルキレン-C(O)OR
a、-C
0-6アルキレン-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、-C
0-6アルキレン-C
3-6シクロアルキル、または-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリルからなる群から選択され;或いは、2つまたは2つ以上のR
1aは、それらが連結している原子とともにC
3-7シクロアルキル、または3~7員ヘテロシクリルを形成し;
各R
1bは、それぞれ独立して、H、-C
0-6アルキレン-OR
a、-C
0-6アルキレン-NR
bR
c、-C
0-6アルキレン-C(O)R
a、-C
0-6アルキレン-C(O)OR
a、-C
0-6アルキレン-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、-C
0-6アルキレン-C
3-6シクロアルキル、または-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリルからなる群から選択され;或いは、2つまたは2つ以上のR
1bは、それらが連結している原子とともにC
3-7シクロアルキル、または3~7員ヘテロシクリルを形成し;
R
1cおよびR
2cは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、-C
0-6アルキレン-CN、-C
0-6アルキレン-OR
a、-C
0-6アルキレン-SR
a、-C
0-6アルキレン-NR
bR
c、-C
0-6アルキレン-C(O)R
a、-C
0-6アルキレン-C(O)OR
a、-C
0-6アルキレン-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、-C
0-6アルキレン-C
3-6シクロアルキル、-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、-C
0-6アルキレン-C
6-10アリール、または-C
0-6アルキレン-5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され;或いは、R
1c、R
2cは、それらが連結している窒素原子とともにC
3-7シクロアルキル、または3~7員ヘテロシクリルを形成し;
各R
1dは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、-C
0-6アルキレン-CN、-C
0-6アルキレン-OR
a、-C
0-6アルキレン-SR
a、-C
0-6アルキレン-NR
bR
c、-C
0-6アルキレン-C(O)R
a、-C
0-6アルキレン-C(O)OR
a、-C
0-6アルキレン-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、-C
0-6アルキレン-C
3-6シクロアルキル、-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、-C
0-6アルキレン-C
6-10アリール、または-C
0-6アルキレン-5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され;或いは、2つまたは2つ以上のR
1dは、それらが連結している原子とともにC
3-7シクロアルキル、または3~7員ヘテロシクリルを形成し;
R
a、R
bおよびR
cは、独立して、H、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
3-7シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され;
追加の条件は、前記化合物が以下の式で表れる構造を含まないことである。
【化11】
【0048】
一般式(I)の一実施形態において、環Aは、以下の構造を有する環A-1を有する。
【化12】
特定の実施形態において、X/Y/Zは、独立してCHであり;他の特定の実施形態において、X/Y/Zは、独立してNであり;他の特定の実施形態において、環Aは、
【化13】
ではない。
【0049】
環Aは、構造A-1で表われる場合、その具体的な例として、以下の構造を含む。
【化14】
【0050】
好ましくは、環Aは、以下の構造から選択される。
【化15】
【0051】
最も好ましくは、環Aは以下の構造である。
【化16】
【0052】
他の実施形態において、環Aは、以下の構造を有する環A-2である。
【0053】
特定の実施形態において、X/Y/Zは、独立してCHであり;他の特定の実施形態において、X/Y/Zは、独立してNである。
【0054】
環Aは、構造A-2で表われる場合、その具体的な例として、以下の構造を含む。
【化17】
【0055】
好ましくは、環Aは、以下の構造から選択される。
【化18】
【0056】
最も好ましくは、環Aは以下の構造である。
【化19】
【0057】
他の実施形態において、環Aは、以下の構造を有する環A-3である。
【化20】
【0058】
特定の実施形態において、X/Y/Zは、独立してCHであり;他の特定の実施形態において、X/Y/Zは、独立してNである。
【0059】
環Aは、構造A-3で表われる場合、その具体的な例として、以下の構造を含む。
【化21】
【0060】
好ましくは、環Aは、以下の構造から選択される。
【化22】
【0061】
最も好ましくは、環Aは以下の構造である。
【化23】
【0062】
Aの上記の実施形態において、R1は、H、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数のR1aで置換されていてもよく;好ましくは、R1は、C1-4アルキル、C4-6シクロアルキル、または5~6員ヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数のR1aで置換されていてもよく;好ましくは、R1は、メチル、エチル、イソプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、またはモルホリニルからなる群から選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数のR1aで置換されていてもよく;好ましくは、R1は、メチル、エチル、イソプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、またはモルホリニルからなる群から選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数の-OHで置換されていてもよく;より好ましくは、R1は、メチル、エチル、イソプロピル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルからなる群から選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数の-OHで置換されていてもよい。
【0063】
R1の上記の実施形態において、各R1aは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、オキソ、-C0-6アルキレン-ORa、-C0-6アルキレン-NRbRc、-C0-6アルキレン-C(O)Ra、-C0-6アルキレン-C(O)ORa、-C0-6アルキレン-C(O)NRbRc、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、-C0-6アルキレン-C3-6シクロアルキル、-C0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリルからなる群から選択され、或いは、2つまたは2つ以上のR1aは、それらが連結している原子とともにC3-7シクロアルキル、または3~7員ヘテロシクリルを形成し、ここで、前記のRa、RbおよびRcは、それぞれ独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-7シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され;好ましくは、各R1aは、それぞれ独立してH、ハロゲン、C1-6アルキル、または-OHからなる群から選択され;より好ましくは、各R1aは、それぞれ独立してH、C1-6アルキル、または-OHからなる群から選択される。
【0064】
一般式(I)の一実施形態において、R2は、H、CN、NO2、OH、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、またはC1-6ハロアルコキシからなる群から選択され;好ましくは、R2は、HまたはC1-4アルキルから選択され;より好ましくは、R2は、H、メチル、エチル、またはイソプロピルからなる群から選択され;最も好ましくは、R2は、Hまたはメチルから選択される。
【0065】
一般式(I)の一実施形態において、Lは、-C(O)N(R1b)-、-N(R1b)C(O)-、または-N(R1b)C(O)N(R1b)-からなる群から選択され;好ましくは、Lは、-C(O)N(R1b)-、または-N(R1b)C(O)-から選択される。
【0066】
Lの上記の実施形態において、各R1bは、それぞれ独立して、H、-C0-6アルキレン-ORa、-C0-6アルキレン-NRbRc、-C0-6アルキレン-C(O)Ra、-C0-6アルキレン-C(O)ORa、-C0-6アルキレン-C(O)NRbRc、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、-C0-6アルキレン-C3-6シクロアルキル、または-C0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリルからなる群から選択され、或いは、2つまたは2つ以上のR1bは、それらが連結している原子とともにC3-7シクロアルキル、または3~7員ヘテロシクリルを形成し;好ましくは、各R1bは、それぞれ独立して、H、-C0-6アルキレン-NRbRc、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、-C0-6アルキレン-C3-6シクロアルキル、または-C0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリルからなる群から選択され;好ましくは、各R1bは、それぞれ独立して、H、C1-4アルキル、-C0-6アルキレン-C3-6シクロアルキル、または-C0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリルからなる群から選択され;好ましくは、各R1bは、それぞれ独立して、HまたはC1-4アルキルから選択され;より好ましくは、各R1bは、それぞれ独立して、H、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、またはモルホリニルからなる群から選択され;最も好ましくは、各R1bはHであり;ここで、前記のRa、RbおよびRcは、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-7シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールからなる群から選択される。
【0067】
一般式(I)の一実施形態において、BはCHまたはNから選択され;好ましくは、BはCHである。
【0068】
一般式(I)の一実施形態において、R3は、H、C1-6アルキル、またはC1-6ハロアルキルからなる群から選択され;好ましくは、R3は、C1-6アルキル、またはC1-6ハロアルキルから選択され;好ましくは、R3はC1-4フッ化アルキルから選択され;より好ましくは、R3は、-CF2H、-CFH2または-CF3から選択され;最も好ましくは、R3は-CF3である。
【0069】
一般式(I)の一実施形態において、R
5がHである場合、R
4は、H、C
1-6アルキル、-C
0-2アルキレン-C
3-7シクロアルキル、-C
0-2アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、または-C
0-2アルキレン-NR
1cR
2cからなる群から選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数のR
1dで置換されていてもよく;好ましくは、R
4は、H、C
1-6アルキル、または-C
0-2アルキレン-NR
1cR
2cから選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数のR
1dで置換されていてもよく;好ましくは、R
4は、H、-C
1-4アルキル、または-CH
2-NR
1cR
2cから選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数のR
1dで置換されていてもよく;より好ましくは、R
4は、H、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、
【化24】
からなる群から選択され;最も好ましくは、R
4は、H、メチル、
【化25】
からなる群から選択される。
【0070】
上記のR4およびR5の実施形態において、R1cおよびR2cは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、-C0-6アルキレン-CN、-C0-6アルキレン-ORa、-C0-6アルキレン-SRa、-C0-6アルキレン-NRbRc、-C0-6アルキレン-C(O)Ra、-C0-6アルキレン-C(O)ORa、-C0-6アルキレン-C(O)NRbRc、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、-C0-6アルキレン-C3-6シクロアルキル、-C0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、-C0-6アルキレン-C6-10アリール、または-C0-6アルキレン-5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され;或いは、R1c、R2cは、それらが連結している窒素原子とともにC3-7シクロアルキル、または3~7員ヘテロシクリルを形成し;ここで、Ra、RbおよびRcは、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-7シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールからなる群から選択される。
【0071】
一般式(I)の一実施形態において、R4がHである場合、R5は、H、または1つまたは複数のN、OまたはSのヘテロ原子を含む5~6員ヘテロアリール環から選択され、ここで、前記の5~6員ヘテロアリール環が1つまたは複数のR1dで置換されていてもよく;好ましくは、R5は、H、または1つまたは複数のNヘテロ原子を含む5~6員ヘテロアリール環から選択され、ここで、前記の5~6員ヘテロアリール環が1つまたは複数のR1dで置換されていてもよく;より好ましくは、R5は、H、または1つまたは複数のNヘテロ原子を含む5員ヘテロアリール環から選択され、ここで、前記の5員ヘテロアリール環が1つまたは複数のR1dで置換されていてもよく;最も好ましくは、R5は、Hまたはイミダゾリルから選択され、ここで、前記のイミダゾリルが1つまたは複数のR1dで置換されていてもよい。
【0072】
上記のR4およびR5の実施形態において、各R1dは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、-C0-6アルキレン-CN、-C0-6アルキレン-ORa、-C0-6アルキレン-SRa、-C0-6アルキレン-NRbRc、-C0-6アルキレン-C(O)Ra、-C0-6アルキレン-C(O)ORa、-C0-6アルキレン-C(O)NRbRc、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、-C0-6アルキレン-C3-6シクロアルキル、-C0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、-C0-6アルキレン-C6-10アリール、または-C0-6アルキレン-5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、或いは、2つまたは2つ以上のR1dはそれらが連結している原子とともにC3-7シクロアルキル、または3~7員ヘテロシクリルを形成し;ここで、Ra、RbおよびRcは、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-7シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールからなる群から選択される。
【0073】
他の特定の実施形態において、本発明は、式(II-a)および式(II-b)で表われる化合物を提供する。
【化26】
ただし、
R
1は、C
1-4アルキル、C
4-6シクロアルキル、または5~6員ヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数のR
1aで置換されていてもよく;
R
2は、HまたはC
1-4アルキルから選択され;
Lは、-C(O)NH-、-NHC(O)-、または-NHC(O)NH-からなる群から選択され;
R
4およびR
5は、以下のように選択され、
1)R
5は水素であり、R
4は、H、C
1-4アルキル、または-CH
2-NR
1cR
2cから選択され;ここで、R
1cおよびR
2cは、それぞれ独立してC
1-6アルキル、C
3-6シクロアルキル、または3~7員ヘテロシクリルから選択され、或いは、R
1c、R
2cは、それらが連結している窒素原子とともにC
3-7シクロアルキル、または5~6員ヘテロシクリルを形成し;
2)R
4は水素であり、R
5は、H、または1つまたは複数のNヘテロ原子を含む5~6員ヘテロアリール環から選択され、ここで、前記の5~6員ヘテロアリール環が1つまたは複数のR
1dで置換されていてもよく;
R
1aおよびR
1dは、上記で定義された通りである。
【0074】
他の特定の実施形態において、本発明は、式(II-a)および式(II-b)で表われる化合物を提供する。
【化27】
ただし、
R
1は、メチル、エチル、イソプロピル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルから選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数の-OHで置換されていてもよく;
R
2は、Hまたはメチルから選択され;
Lは、-C(O)NH-、または-NHC(O)から選択され;
R
4およびR
5は、以下のように選択され、
1)R
5は水素であり、R
4は、H、メチル、
【化28】
から選択され;
2)R
4は水素であり、R
5は、H、またはイミダゾリルである。
【0075】
他の特定の実施形態において、本発明は、式(III-a)で表われる化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体バリアントを提供する。
【化29】
ただし、
R
1は、C
1-4アルキル、またはC
4-6シクロアルキルから選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数の-OHで置換されていてもよく;
R
2は、HまたはC
1-4アルキルから選択され;
R
4は、HまたはC
1-4アルキルから選択され;
Lは、-C(O)NH-、または-NHC(O)-から選択される。
【0076】
他の特定の実施形態において、本発明は、式(III-b)で表われる化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体バリアントを提供する。
【化30】
ただし、
環Aは、以下の構造:
【化31】
からなる群から選択され;
R
1は、C
1-4アルキル、またはC
4-6シクロアルキルから選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数の-OHで置換されていてもよく;
R
2は、HまたはC
1-4アルキルから選択され;
Lは、-C(O)NH-、または-NHC(O)-から選択される。
【0077】
他の特定の実施形態において、本発明は、式(III-c)で表われる化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体バリアントを提供する。
【化32】
ただし、
R
1は、C
1-4アルキル、またはC
4-6シクロアルキルから選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数の-OHで置換されていてもよく;
R
2は、HまたはC
1-4アルキルから選択され;
Lは、-C(O)NH-、または-NHC(O)-から選択される。
【0078】
他の特定の実施形態において、本発明は、以下の化合物に関する。
【化33】
【化34】
【0079】
本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心を含み得るので、様々な立体異性体、例えば、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマーとして存在し得る。例えば、本発明の化合物は、個々のエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは幾何異性体(例えば、シスおよびトランス異性体)の形態であり得るか、または立体異性体の混合物(ラセミ混合物、および1つ以上の立体異性体に富んだ混合物を含む)の形態であり得る。異性体は、当業者に公知の方法(キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)ならびにキラル塩の形成および結晶化を含む)によって混合物から単離されるか;またが好ましい異性体が、不斉合成によって調製される。
【0080】
当業者は、有機化合物が、溶媒中で反応するか、または溶媒から沈殿あるいは結晶化して、当該溶媒と複合体を形成し得ることを理解できる。これらの複合体は「溶媒和物」と呼ばれる。溶媒が水である場合、複合体は「水和物」と呼ばれる。本発明は、本発明の化合物のすべての溶媒和物を含む。
【0081】
「溶媒和物」という用語とは、一般的に、加溶媒分解反応により形成された、溶媒と組み合わせた化合物またはその塩の形態を指す。この物理的な会合は、水素結合が含まれる。通常の溶媒は、水、メタノール、エタノール、酢酸、DMSO、THF、ジエチルエーテルなどが含まれる。本発明の化合物は、例えば結晶として調製され、且つ溶媒和されることができる。適切な溶媒和物は、薬学的に許容される溶媒和物が含まれ、さらに化学量論的溶媒和物および非化学量論的溶媒和物が含まれる。特定の実施形態において、例えば、1つまたは複数の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組み込まれている場合、前記の溶媒和物が単離される。「溶媒和物」は、溶液状態の溶媒和物と分離可能な溶媒和物が含まれる。代表的な溶媒和物として、水和物、エタノレート、およびメタノレートが挙げられる。
【0082】
「水和物」という用語は、水と組み合わせた化合物を指す。通常、化合物の水和物に含まれる水分子数の、該水和物中の該化合物分子数に対する比率は、一定である。したがって、化合物の水和物は、たとえば、一般式RxH2Oで表れる。ここで、Rは該化合物であり、xは0より大きい数である。所定の化合物は、複数のタイプの水和物を形成する可能性がある。例えば、一水和物(xは1)、低次水和物(xは0より大きく1より小さい数、例えば、半水和物(R0.5H2O))、および多水和物(xは1より大きい数、例えば、二水和物(R2H2O)および六水和物(R6H2O))が挙げられる。
【0083】
本発明の化合物は、非晶質または結晶質(結晶多形)のいずれでもよい。また、本発明の化合物は、1種または複数の結晶として存在してもよい。したがって、本発明は、本発明の化合物のすべての非晶質または結晶形をその範囲に含む。「結晶多形」という用語とは、特定の結晶が堆積して並んだ化合物の結晶形(あるいはその塩、水和物または溶媒和物)を指す。すべての多形体は同じ元素組成を有する。異なる結晶形は通常、異なるX線回折パターン、赤外スペクトル、融点、密度、硬度、結晶形状、光電特性、安定性、および溶解度を有する。再結晶溶媒、結晶化速度、貯蔵温度、および他の要因により、優勢な結晶形が生じる可能性がある。化合物の様々な多形体は、異なる条件下で結晶化することによって調製できる。
【0084】
また、本発明には、式(I)に記載されたものと同等の同位体標識化合物を含むが、1つ以上の原子は、原子質量または質量数が天然に典型的に見られる原子質量または質量数と異なる原子によって置換された。本発明の化合物に導入できる同位体の例として、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素および塩素の同位体、例えばそれぞれ2H、3H、13C、11C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18Fおよび36Clが挙げる。上記同位体および/または他の原子の他の同位体を含む本発明の化合物、そのプロドラッグ、および前記化合物または前記プロドラッグの薬学的に許容される塩は、本発明の範囲内に含まれる。放射性同位体(例えば3Hおよび14C)を導入したものなどの一部の同位体標識された本発明の化合物は、薬物および/または基質の組織分布に関する測定に用いられる。トリチウム(即ち、3H)と炭素-14(即ち、14C)の同位体は、その製造と検出が容易であるため特に好ましい。さらに、重水素、すなわち2Hのようなより重い同位体での置換は、代謝安定性に優れているため、治療で利点がある。例えば、インビボでの半減期の延長や投与量の削減ができるので、状況に応じて優先に考えられることがある。通常、同位体標識された本発明の式(I)の化合物およびそのプロドラッグは、以下のスキームおよび/または実施例および調製例で開示されるプロセスが行われる場合、非同位体標識試薬の代わりに、容易に入手可能な同位体標識試薬を使用することにより調製することができる。
【0085】
さらに、プロドラッグも本発明の明細書に含まれる。本明細書で使用される「プロドラッグ」という用語は、インビボで、例えば血液中での加水分解によって医学的な効果を有する活性形態に変換される化合物を指す。薬学的に許容されるプロドラッグは、T. HiguchiおよびV. Stella,Prodrugs as Novel Delivery Systems,A.C.S.Symposium SeriesのVol.14,Edward B.Roche,ed.,Bioreversible Carriers in Drug Design,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987、ならびにD.Fleisher、S.RamonおよびH.Barbra“Improved oral drug delivery:solubility limitations overcome by the use of prodrugs”,Advanced Drug Delivery Reviews(1996)19(2)115-130に記載されたが、それらはそれぞれ参照により本明細書に組み入れられる。
【0086】
プロドラッグは、患者に投与されると、インビボで母体化合物を放出する、任意の共有結合の本発明の化合物である。プロドラッグは、典型的には、通常の操作またはインビボで切断されて母体化合物を生じることができるように官能基を修飾することによって調製される。プロドラッグには、例えば、水酸基、アミノ基またはメルカプト基が任意の基に結合している本発明の化合物が含まれ、それらを患者に投与すると、切断されて、水酸基、アミノ基またはメルカプト基を形成することができる。したがって、プロドラッグの代表例としては、式(I)で表される化合物の水酸基、アミノ基またはメルカプト基とのアセテート/アセトアミド、ホルメート/ホルムアミドおよびベンゾエート/ベンズアミド誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。また、カルボン酸(-COOH)の場合は、メチルエステル、エチルエステル等のエステルを用いることができる。エステル自体は活性を有してもよく、および/またはヒトの体内の条件下で加水分解されてもよい。適切な薬学的に許容されるインビボで加水分解可能なエステル基には、人体中で容易に分解して母体酸またはその塩を放出する基が含まれる。
【0087】
医薬組成物、製剤およびキット
他の様態では、本発明は、本発明の化合物(「活性成分」とも呼ばれる)および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。一部の実施形態において、前記の医薬組成物は、有効量の活性成分を含む。一部の実施形態において、前記の医薬組成物は、治療有効量の活性成分を含む。一部の実施形態において、前記の医薬組成物は、予防有効量の活性成分を含む。
【0088】
本発明の薬学的に許容される賦形剤とは、配合される化合物の薬理学的活性を無効にしない非毒性担体、アジュバントまたは媒体を指す。本発明の組成物で使用できる薬学的に許容される担体、アジュバントまたは媒体には、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えば、リン酸塩)、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば、硫酸プロタミン)、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が含まれるが、これらに限定されない。
【0089】
本発明は、キット(例えば、医薬パック)も含む。提供されるキットは、本発明の化合物、ほかの治療剤、ならびに本発明の化合物、他の治療剤を含有する第1および第2の容器(例えば、バイアル、アンプル、ボトル、シリンジ、および/または分散パッケージ、あるいは他の適切な容器)を含む。一部の実施形態において、提供されるキットは、また、本発明の化合物および/または他の治療薬を希釈または懸濁するための薬学的に許容される賦形剤を含む第3の容器も有しても良い。一部の実施形態において、第1の容器および第2の容器内の本発明の化合物を他の治療薬と組み合わせて単位製剤を形成して提供する。
【0090】
以下の製剤の実施例は、本発明に従って調製され得る代表的な医薬組成物を例証している。しかしながら、本発明は、以下の医薬組成物に限定されない。
【0091】
例示的な製剤1-錠剤:本発明の化合物を、乾燥粉末として乾燥ゼラチン結合剤とおおよそ1:2重量比で混合し得る。微量のステアリン酸マグネシウムを滑剤として加える。その混合物を、打錠機で0.3~30mgの錠剤(錠剤1つあたり0.1~10mgの活性な化合物)に形成する。
【0092】
例示的な製剤2-錠剤:本発明の化合物を、乾燥粉末として乾燥ゼラチン結合剤とおおよそ1:2重量比で混合し得る。微量のステアリン酸マグネシウムを滑剤として加える。その混合物を、打錠機で30~90mgの錠剤(錠剤1つあたり10~30mgの活性な化合物)に形成する。
【0093】
例示的な製剤3-錠剤:本発明の化合物を、乾燥粉末として乾燥ゼラチン結合剤とおおよそ1:2重量比で混合し得る。微量のステアリン酸マグネシウムを滑剤として加える。その混合物を、打錠機で90~150mgの錠剤(錠剤1つあたり30~50mgの活性な化合物)に形成する。
【0094】
例示的な製剤4-錠剤:本発明の化合物を、乾燥粉末として乾燥ゼラチン結合剤とおおよそ1:2重量比で混合し得る。微量のステアリン酸マグネシウムを滑剤として加える。その混合物を、打錠機で150~240mgの錠剤(錠剤1つあたり50~80mgの活性な化合物)に形成する。
【0095】
例示的な製剤5-錠剤:本発明の化合物を、乾燥粉末として乾燥ゼラチン結合剤とおおよそ1:2重量比で混合し得る。微量のステアリン酸マグネシウムを滑剤として加える。その混合物を、打錠機で240~270mgの錠剤(錠剤1つあたり80~90mgの活性な化合物)に形成する。
【0096】
例示的な製剤6-錠剤:本発明の化合物を、乾燥粉末として乾燥ゼラチン結合剤とおおよそ1:2重量比で混合し得る。微量のステアリン酸マグネシウムを滑剤として加える。その混合物を、打錠機で270~450mgの錠剤(錠剤1つあたり90~150mgの活性な化合物)に形成する。
【0097】
例示的な製剤7-錠剤:本発明の化合物を、乾燥粉末として乾燥ゼラチン結合剤とおおよそ1:2重量比で混合し得る。微量のステアリン酸マグネシウムを滑剤として加える。その混合物を、打錠機で450~900mgの錠剤(錠剤1つあたり150~300mgの活性な化合物)に形成する。
【0098】
例示的な製剤8-カプセル:本発明の化合物を、乾燥粉末としてデンプン希釈剤とおおよそ1:1重量比で混合し得る。その混合物を250mgのカプセル(カプセル1つあたり125mgの活性な化合物)に充填する。
【0099】
例示的な製剤9-液体:本発明の化合物(125mg)を、スクロース(1.75g)およびキサンタンガム(4mg)と混合し、得られた混合物を混ぜて、No.10メッシュU.S.シーブに通過させ、次いで、微結晶性セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム(11:89,50mg)の事前に調製された水溶液と混合する。安息香酸ナトリウム(10mg)、香料および着色料を水で希釈し、撹拌しながら加える。次いで、充分な水を加えることにより、総体積を5mLにする。
【0100】
例示的な製剤10-注射剤:本発明の化合物を、滅菌された緩衝食塩水の注射可能な水性媒質に、おおよそ5mg/mLの濃度に溶解または懸濁する。
【0101】
投与
本発明によって提供される医薬組成物は、経口投与、非経口投与、吸入投与、局所投与、直腸内投与、鼻腔投与、口腔投与、膣内投与、インプラントによる投与または他の投与方法などの様々な方式によって投与することができるが、これらに限定されない。例えば、本発明で用いた非経口投与には、皮下投与、皮内投与、静脈内投与、筋肉内投与、関節内投与、動脈内投与、滑膜腔内投与、胸骨内投与、脳脊髄膜内投与、病巣内投与、頭蓋内の注射や輸液技術がある。
【0102】
通常、有効量で本発明によって提供される化合物を投与する。治療される病状、選択される投与方式、実際に投与される化合物、患者の年齢、体重および反応、患者の症状の重篤度などを含む状況に応じて、実際に投与される化合物の量は医師によって決定される。
【0103】
本明細書に記載した病状を予防するために使用される場合、本発明によって提供される化合物は、前記の病状を発症するリスクのある被験者に投与され、典型的には、医師の推奨に基づいて上記の用量レベルで投与される。特定の病状を発症するリスクのある被験者には、典型的には、前記の病状の家族歴史を有する被験者、または遺伝子検査もしくはスクリーニングによって前記の病状を発症しやすい被験者が含まれる。
【0104】
本発明によって提供される医薬組成物(「長期投与」)は長期的に投与することもできる。長期投与とは、例えば3ヶ月、6ヶ月、1年、2年、3年、5年などの長期間にわたって化合物またはその医薬組成物を投与できるか、または、例えば被験者の余生において無期限に連続的に投与できることを指す。たとえば、一部の実施形態において、長期投与は、例えば治療ウィンドウ内で、長期間にわたって血液中に一定レベルの前記の化合物を提供することを意図している。
【0105】
本発明の医薬組成物は、様々な投与方式を用いてさらに送達することができる。例えば、一部の実施形態において、医薬組成物は、例えば、血液中の化合物の濃度を有効レベルまで増加させるために、ボーラス注射によって投与することができる。ボーラス用量の配置は、身体を通過する活性成分の目的の全身レベルに依存し、例えば、筋肉内または皮下のボーラス用量は、活性成分のゆっくりとした放出を可能にし、一方で、静脈に直接送達されるボーラス(例えば、IV滴注による)は、より速い送達を可能にし、これは、血液中の活性成分の濃度を有効レベルまで迅速に上昇させる。他の実施形態において、この薬学的組成物は、連続注入として、例えば、IV滴注によって投与されて、被験者の身体内での、活性成分の定常状態濃度の維持を提供し得る。
【0106】
経口投与用の組成物は、バルクの液体の溶液もしくは懸濁液またはバルクの粉末の形態をとり得る。しかしながら、一般的に、組成物を、精確な投薬量で投与できるために、単位投与量で提供される。用語「単位製剤」とは、ヒト被験者および他の哺乳動物に対する単位投与量として好適な物理的に不連続の単位を指し、各単位は、好適な薬学的賦形剤とともに所望の治療効果をもたらすと計算される所定量の活性な材料を含む。典型的な単位製剤としては、液体組成物の予め測定され予め充填されたアンプルもしくは注射器、または固体組成物の場合は丸剤、錠剤、カプセルなどが挙げられる。そのような組成物では、化合物は、通常、少量の成分(約0.1~約50重量%または好ましくは約1~約40重量%)であり、残りは、所望の投薬形態を形成するのに役立つ様々な担体または賦形剤および加工助剤である。
【0107】
経口投与の場合、1日あたり1~5回、特に2~4回、典型的には3回の経口投与量が、代表的なレジメンである。これらの投薬パターンを使用するとき、各用量は、約0.01~約20mg/kgの本発明の化合物を提供し、好ましい用量は、それぞれ約0.1~約10mg/kg、特に、約1~約5mg/kgを提供する。
【0108】
経皮用量は一般に、注射用量を使用して達成されるレベルと類似であるかまたはより低い血液中レベルを提供するように選択され、一般に、約0.01重量%~約20重量%、好ましくは、約0.1重量%~約20重量%、好ましくは、約0.1重量%~約10重量%、そしてより好ましくは、約0.5重量%~約15重量%の範囲の量である。
【0109】
注射剤の用量レベルは、約0.1mg/kg/時間~少なくとも10mg/kg/時間の範囲であり、すべて約1~約120時間、特に、24~96時間にわたる。約0.1mg/kg~約10mg/kgまたはそれ以上の前負荷ボーラス(preloading bolus)も、適切な定常状態レベルを達成するために投与されてもよい。最大総用量は、40~80kgのヒト患者にとって約2g/日を越えない。
【0110】
経口投与に適した液体の形態は、緩衝剤、懸濁剤および予製剤(dispensing agents)、着色剤、香料などを含む好適な水性または非水性のビヒクルを含み得る。固体の形態は、例えば、以下の成分または同様の性質の化合物のいずれかを含み得る:結合剤(例えば、微結晶性セルロース、トラガカントゴムまたはゼラチン);賦形剤(例えば、デンプンまたはラクトース)、崩壊剤(例えば、アルギン酸、Primogelまたはトウモロコシデンプン);滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム);滑剤(例えば、コロイド状二酸化ケイ素);甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリン);または香味料(例えば、ペパーミント、サリチル酸メチルまたはオレンジフレーバー)。
【0111】
注射可能な組成物は、典型的には、注射可能な滅菌された食塩水もしくはリン酸緩衝食塩水または当該分野で公知の他の注射可能な賦形剤に基づくものである。従来どおり、そのような組成物における活性な化合物は、典型的には、しばしば約0.05~10重量%である微量の成分であり、残りは、注射可能な賦形剤などである。
【0112】
経皮の組成物は、典型的には、活性成分(単数または複数)を含む局所用軟膏またはクリームとして製剤化される。軟膏として製剤化されるとき、活性成分は、典型的には、パラフィン軟膏基剤または水混合性軟膏基剤と混合される。あるいは、活性成分は、例えば、水中油型クリーム基剤を含む、クリームとして製剤化され得る。そのような経皮的製剤は、当該分野で周知であり、一般に、活性成分または製剤の皮膚浸透力または安定性を高めるさらなる成分を含む。そのような既知の経皮の製剤および成分のすべてが、本発明に提供される範囲内に含まれる。
【0113】
本発明の化合物は、経皮的デバイスによっても投与され得る。従って、経皮的投与は、レザバー(reservoir)タイプもしくは多孔質膜タイプまたは固体マトリックス種類のパッチを用いて達成され得る。
【0114】
経口的に投与可能な、注射可能な、または局所的に投与可能な組成物において、上に記載された構成要素は、単に代表的なものである。他の材料ならびに加工手法などは、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第17版,1985,Mack Publishing Company,Easton,PennsylvaniaのPart8(参照により本明細書中に援用される)に示されている。
【0115】
本発明の化合物はまた、徐放形態でまたは徐放薬物送達系から投与され得る。代表的な徐放材料の説明は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesに見出すことができる。
【0116】
本発明は、本発明の化合物の薬学的に許容される製剤にも関する。1つの実施形態において、その製剤は、水を含む。別の実施形態において、その製剤は、シクロデキストリン誘導体を含む。最も一般的なシクロデキストリンは、連結される糖部分上に必要に応じて1つ以上の置換基(それらとしては、メチル化、ヒドロキシアルキル化、アシル化およびスルホアルキルエーテル置換が挙げられるが、これらに限定されない)を含む、それぞれ6、7および8個のα-1,4-結合グルコース単位からなるα-、β-およびγ-シクロデキストリンである。ある具体的な実施形態において、シクロデキストリンは、スルホアルキルエーテルβ-シクロデキストリン、例えば、Captisolとしても知られるスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンである。例えば、米国特許第5,376,645号を参照する。一部の実施形態において、上記製剤は、ヘキサプロピル-β-シクロデキストリン(例えば、水において10~50%)を含む。
【0117】
治療
本発明は、キナーゼが関与している可能性のある疾患、これらの疾患の症状、またはキナーゼによって媒介される他の生理学的事象を治療または改善することができる生物学的特性を有する化合物を提供する。例えば、本発明の化合物は、Ret(Reaaranged during transfection)、ABL1(E255K)-phosphorylated、ABL1(F317I)-nonphosphorylated、ABL1(F317I)-phosphorylated、ABL1(F317L)-nonphosphorylated、ABL1(F317L)-phosphorylated、ABL1(H396P)-nonphosphorylated、ABL1(H396P)-phosphorylated、ABL1(M351T)-phosphorylated、ABL1(Q252H)-nonphosphorylated、ABL1(Q252H)-phosphorylated、ABL1(T315I)-nonphosphorylated、ABL1(T315I)-phosphorylated、ABL1(Y253F)-phosphorylated、ABL1-nonphosphorylated、ABL1-phosphorylated、ABL2、ALK(L1196M)、AMPK-alpha1、AMPK-alpha2、ANKK1、AURKB、AURKC、AXL、BLK、BMX、BRAF、BRAF(V600E)、BRK、BTK、CAMK1、CAMKK1、CAMKK2、CDC2L1、CDC2L2、CDC2L5、CDK11、CDK2、CDK5、CDK7、CDK8、CDKL1、CDKL2、CDKL3、CHEK2、CIT、CLK1、CLK4、CSF1R、CSK、CTK、DDR1、DDR2、DLK、EGFR、EGFR(E746-A750del)、EGFR(G719C)、EGFR(G719S)、EGFR(L747-E749del、A750P)、EGFR(L747-S752del、P753S)、EGFR(L747-T751del,Sins)、EGFR(L858R)、EGFR(L858R,T790M)、EGFR(L861Q)、EGFR(S752-I759del)、EGFR(T790M)、EPHA1、EPHA2、EPHA3、EPHA4、EPHA5、EPHA6、EPHA7、EPHA8、EPHB1、EPHB2、EPHB4、EPHB6、ERBB2、ERBB4、ERK8、FAK、FER、FES、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR3(G697C)、FGFR4、FGR、FLT1、FLT3、FLT3(D835H)、FLT3(D835V)、FLT3(D835Y)、FLT3(ITD)、FLT3(ITD,D835V)、FLT3(ITD,F691L)、FLT3(K663Q)、FLT3(N841I)、FLT3(R834Q)、FLT4、FRK、FYN、GAK、GCN2(Kin.Dom.2,S808G)、HCK、HIPK4、HPK1、IKK-alpha、IKK-beta、IRAK1、IRAK4、ITK、JAK1(JH1domain-catalytic)、JAK2(JH1domain-catalytic)、JAK3(JH1domain-catalytic)、JNK1、JNK2、JNK3、KIT、KIT(A829P)、KIT(D816H)、KIT(D816V)、KIT(L576P)、KIT(V559D)、KIT(V559D,T670I)、KIT(V559D,V654A)、LCK、LIMK1、LIMK2、LOK、LRRK2、LRRK2(G2019S)、LTK、LYN、MAK、MAP3K2、MAP3K3、MAP4K2、MAP4K3、MAP4K4、MAP4K5、MEK5、MELK、MERTK、MET、MET(M1250T)、MINK、MKNK2、MLK1、MLK2、MLK3、MST1、MST1R、MST2、MUSK、MYLK2、MYO3A、MYO3B、NDR2、NEK1、NEK11、NEK4、NEK5、NEK9、NLK、p38-alpha、p38-beta、p38-delta、p38-gamma、PCTK2、PDGFRA、PDGFRB、PFCDPK1(P.falciparum)、PFTAIRE2、PFTK1、PKAC-alpha、PKAC-beta、PYK2、RAF1、RET、RET(M918T)、RET(V804L)、RET(V804M)、RIPK1、RIPK2、RIPK4、ROCK2、RPS6KA4(Kin.Dom.1-N-terminal)、RSK2(Kin.Dom.1-N-terminal)、RSK3(Kin.DoN-terminal)、S6K1、SIK、SLK、SRC、SRMS、SRPK1、STK33、STK35、STK36、SYK、TAK1、TAOK2、TAOK3、TEC、TESK1、TGFBR2、TIE1、TIE2、TNIK、TNK1、TNK2、TNNI3K、TRKA、TRKB、TRKC、TTK、TXK、TYK2(JH1domain-catalytic)、TYRO3、ULK3、VEGFR2、YES、YSK4、ZAK、ZAP70、またはFGFR(Fibroblast growth factor receptor)のチロシンキナーゼ活性、ならびに癌の成長、発生および/または転移を調節すると考えられている他のチロシンキナーゼを阻害することを示す。
【0118】
本発明の物質は、また、Bcr-Ablキナーゼによって媒介される、呼吸器疾患、アレルギ反応、リウマチ性関節炎、骨関節炎、リウマチ性疾患、乾癬、潰瘍性大腸炎、クローン病、敗血症性ショック、増殖性疾患、粥状動脈硬化、移植後の同種移植片拒絶反応、糖尿病、卒中、肥満、または再狭窄、白血病、間質瘤、甲状腺癌、全身性肥満細胞症、好酸球増多症、線維症、関節リウマチ、多発性関節炎、硬皮症、エリテマトーデス、移植片対宿主病、神経線維腫症、肺高圧、アルツハイマー病、精上皮腫、未分化胚細胞腫、肥満細胞腫、肺癌、気管支癌、未分化胚細胞腫、精巣上皮内腫瘍、黒色腫、乳癌、神経芽細胞腫、乳頭状/濾胞型副甲状腺過形成/腺腫、結腸癌、結腸直腸腺腫、卵巣癌、前立腺癌、神経膠芽腫、脳腫瘍、悪性神経膠腫、すい臓癌、悪性胸膜中皮腫、血管芽細胞腫、血管腫、腎臓がん、肝臓がん、副腎腫、膀胱癌、胃癌、直腸癌、膣癌、子宮頚癌、子宮内膜癌、多発性骨髄腫、頚部と頭部腫瘤、腫瘍形成及びその他の増生性或いは増殖性疾病、あるいはその組み合わせなどの疾病、障害または病態の治療に用いられる。
【0119】
本発明は、治療中、特に不適切なBcr-Abl活性によって媒介される疾患および病態を治療するために使用する(I)の化合物およびその塩、溶媒和物、生理学的機能性化合物を提供する。
【0120】
本明細書で言及した不適切なBcr-Abl活性は、特定の哺乳類対象において、予期される正常Bcr-Abl活性から外れた任意のBcr-Abl活性である。不適切なBcr-Abl活性は、例えば、活性異常の増加、あるいはBcr-Abl活性のタイミングや制御の異常などの形を含む。当該不適切な活性は、例えば不適切または制御不能な活性化を招くプロテインキナーゼの過剰発現または突然変異によって引き起こされる。
【0121】
他の実施形態において、本発明は、失調または不適切なBcr-Abl活性と関連する病態を予防および/または治療するために、Bcr-Ablを調節、制御または阻害する方法に関する。
【0122】
他の実施形態において、前記Bcr-Abl活性により媒介される病態は呼吸器疾患である。他の実施形態では、前記病態は増殖性疾患である。他の実施形態では、前記病態は癌である。他の実施形態では、前記病態は白血病である。
【0123】
他の実施形態において、本発明は、Bcr-Abl活性によって媒介される疾患の治療のための医薬品の調製における、式(I)で表われる化合物、或いはその薬学的に許容される塩または溶媒和物、またはその生理学的機能性化合物誘導体の使用を提供する。
【0124】
本発明の他の局面は、Bcr-Ablによって媒介される疾患またはBcr-Ablによって媒介される病状の治療のための医薬品の調製における、式(I)化合物、或いはその薬学的に許容される塩の使用である。
【0125】
他の実施形態において、本発明は、Bcr-Abl活性によって媒介される疾患に罹患する哺乳動物を治療する方法を提供する。前記の方法は、前記の哺乳動物に、有效量の式(I)で表われる化合物、或いはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、または生理学的機能性化合物誘導体を投与することを含む。
【0126】
本発明の化合物の有効量は、通常、1日あたり0.01mg~50mg化合物/kg患者の体重、好ましいは0.1mg~25mgの化合物/kg患者の体重で、1回または複数回投与する。通常、本発明の化合物は、この治療を必要とする患者に、患者1人当たり約1mg~約3500mgの範囲の1日投与量で、好ましいは10mg~1000mgの範囲の1日投与量で投与することができる。例えば、患者あたりの1日投与量は10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、500、600、700、800、900または1000mgであってもよい。毎日、毎週(または数日間隔)、または間歇スケジュールで、1回または複数回投与することができる。例えば、毎週(例えば毎週の月曜日)に加え、1日に1回または複数回、不定期または数週間で、例えば、4~10循環で、前記の化合物を投与することができる。数日間(例えば、2~10日間)毎日投与した後に、数日間(例えば、1~30日間)化合物を投与せず、そして、このサイクルを任意に繰り返すか、または所定の回数、例えば4~10回で繰り返す。例えば、本発明の化合物は、5日間毎日連続的に投与し、次いで9日間中断し、さらに5日間毎日連続的に投与し、次いで9日間中断するようなサイクルを任意に繰り返すか、または計4~10回で繰り返すことができる。
【0127】
併用療法
本発明の化合物、およびその塩および溶媒和物、およびその生理学的機能性誘導体は、複数のプロテインキナーゼによって媒介される疾患および病状の治療のために、単独で、あるいは他の治療剤と組み合わせて使用することができる。従って、本発明による併用療法は、少なくとも1種類の式(I)で表われる化合物またはその医薬として許容される塩もしくは溶媒和物、またはその生理学に機能性の誘導体の投与、および少なくとも1種類の他の医薬活性剤の使用を含む。式(I)で表われる化合物、および他の医薬活性剤は、一緒にまたは別々に投与することができ、別々に投与する場合、投与は同時に、または任意の順番で順次に行うことができる。式(I)で表われる化合物および他の医薬活性剤の量、および投与の相対的なタイミングは、所望の併用療法効果を達成するように選択される。
【0128】
癌の治療については、式Iの化合物を抗癌剤の1以上と組み合わせることができる。そのような薬剤の例は、V.T.DevitaおよびS.Hellman(編集者)によるCancer Principles and Practice of Oncology,第6版(2001年2月15日),Lippincott Williams & Wilkins Publishersに見出すことができる。当業者であれば、薬剤のいずれの組合せが薬物の特定の特性および関与する癌に基づいて有用であるかを認識することができよう。そのような抗癌剤には、(1)ジエチルスチルベストロール(diethyltibestral)、タモキシフェン、ラロキシフェン、イドキシフェン、LY353381、LY117081、トレミフェン、フルオキシメステロ、およびSH646のようなエストロゲン受容体調節剤;(2)アロマターゼ阻害剤(例えば、アミノグルテチミド、テトラゾールアナストロゾール、レトロゾールおよびエキセメスタン)、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アナログ、ケトコナゾール、ゴセレリン酢酸、ロイプロリド、酢酸メゲストロール、およびミフェプリストンを含めた他のホルモン剤;(3)フィナステリドおよび他の5α-レダクターゼ阻害剤、ニルタミド、フルタミド、ビカルタミド、リアロゾールおよびアビラテロン酢酸のようなアンドロゲン受容体調節剤;(4)ベキサロテン、トレチノイン、13-シス-レチノイン酸、9-シス-レチノイン酸、α-ジフルオロメチルオルニチン、ILX23-7553、トランス-N-(4’-ヒドロキシフェニル)レチナミドおよびN-4-カルボキシフェニルレチナミドのようなレチノイド受容体調節剤;(5)アンチセンスRNAおよびDNAオリゴヌクレオチドのような抗増殖剤、例えばG3139、ODN698、RVASKRAS、GEM231およびINX3001、および、抗代謝産物、例えばエノシタビン、カルモフール、テガフール、ペントスタチン、ドキシフロリジン、トリメトレキセート、フルダラビン、カペシタビン、ガロシタビン、シタラビンオクフォスフェート、フォステアビンナトリウム水和物、ラルチトレキセド、パルチトレキシド、エミテフール、チアゾフリン、デシタビン、ノラトレキセド、ペメトレキセド、ネルザラビン、2’-デオキシ-2’-メチリデンシチジン、2’-フルオロメチレン-2’-デオキシシチジン、N6-[4-デオキシ-4-[N2-[2(E),4(E)-テトラデカジエノイル]グリシルアミノ]-L-グリセロ-B-L-マンノ-ヘプトピラノシル]アデニン、アプリジン、エクテイナシジン、トロキサシタビン、アミノプテリン、5-フルオロウラシル、フロキスリジン、メトトレキセート、フォリン酸、ヒドロキシ尿素、チオグアニン(6-TG)、メルカプトプリン(6-MP)、シタラビン、ペントスタチン、リン酸フルダラビン、クラドリビン(2-CDA)、アスパラギナーゼ、ゲムシタビン、アラノシン、スワインソニン、ロメトレキソール、デクスラゾキサン、メチオニナーゼ、および3-アミノピリジン-2-カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン;(6)ファルネシル-プロテイントランスフェラーゼ(FPTアーゼ)、ゲラニルゲラニル-プロテイントランスフェラーゼI型(GGPTアーゼ-I)、およびゲラニルゲラニル-プロテイントランスフェラーゼII型(Rab GGPTアーゼとも称されるGGPTアーゼ-II)を含むプレニル-プロテイントランスフェラーゼ阻害剤;(7)ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチンおよびロスバスタチンのようなHMG-CoAレダクターゼ阻害剤;(8)チロシンキナーゼ受容体Flt-1(VEGFR1)およびFlk-1/KDR(VEGFR2)の阻害剤、表皮由来、線維芽細胞由来、または血小板由来成長因子の阻害剤、MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)阻害剤、インテグリン遮断剤、インターフェロン-α、インターロイキン-12、エリスロポエチン(エポイエチン-α)、顆粒球-CSF(フィルグラスチン)、顆粒球、マクロファージ-CSF(サルグラムスチム)、ペント酸ポリスルフェート、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、ステロイド性抗炎症剤、カルボキシアミドトリアゾール、コンブレタスタチンA-4、スクアラミン、6-O-クロロアセチル-カルボニル)-フマギロール、サリドマイド、アンジオスタチン、トロポニン-1、アンジオテンシンII拮抗薬、ヘパリン、カルボキシペプチダーゼU阻害剤、およびVEGFに対する抗体、エンドスタチン、ウクライン、ランピルナーゼ、IM862、アセチルジナナリン、5-アミノ-1-[[3,5-ジクロロ-4-(4-クロロベンゾイル)フェニル]メチル]-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボキサミド、CM101、スクアラミン、コンブレタスタチン、RPI4610、NX31838、硫酸化マンノペンタオースリン酸、および3-[(2,4-ジメチルピロール-5-イル)メチレン]-2-インドリノン(SU5416)のような血管形成阻害剤;(9)PPAR-γ作動薬、PPAR-δ作動薬、(DRF2725、CS-011、トログリタゾン、ロシグリタゾン、およびピオグリタゾンのような)チアゾリジンジオン、フェノフィブレート、ゲンフィブロジル、クロフィブレート、GW2570、SB219994、AR-H039242、JTT-501、MCC-555、GW2331、GW409544、NN2344、KRP297、NP0110、DRF4158、NN622、GI262570、PNU182716、DRF552926、2-[(5,7-ジプロピル-3-トリフルオロメチル-1,2-ベンズイソキサゾール-6-イル)オキシ]-2-メチルプロピオン酸(米国特許出願第09/782,856号に開示)、および(2R)-7-(3-(2-クロロ-4-(4-フルオロフェノキシ)フェノキシ)プロポキシ)-2-エチルクロマン-2-カルボン酸(米国特許出願第60/235,708号および同第60/244,697号に開示);(9)LY335979、XR9576、OC144-093、R101922、VX853およびPSC833(バルスポダール(valspodar))のようなp-糖蛋白質(P-gp)の阻害剤を含む固有の多薬物抵抗性の阻害剤;(10)EGFRの阻害剤(例えば、ゲフィチニブ、エルロチニブ、イコチニブおよびオシメルチニブ(AZD9291))、ERB-2の阻害剤(例えば、トラスツズマブ)、MK-0646(ダロツヅマブ)のようなIGF1Rの阻害剤、CD20の阻害剤(リツキシマブ)、サイトカイン受容体の阻害剤、METの阻害剤、PI3Kファミリーキナーゼの阻害剤(例えば、LY294002)、(限定されるものではないが、(国際公開第03/086404号、同第03/086403号、同第03/086394号、同第03/086279号、同第02/083675号、同第02/083139号、同第02/083140号および同第02/083138号)に記載されたようなAktの阻害剤を含めた)セリン/スレオニンキナーゼ、Rafキナーゼの阻害剤(例えば、BAY-43-9006)、MEKの阻害剤(例えば、CI-1040およびPD-098059)およびmTORの阻害剤(例えば、WyethCCI-779およびAriadAP23573)のような細胞増殖および生存シグナリングの阻害剤;(11)エチドロネート、パミドロネート、アレンドロネート、リセドロネート、ゾレドロネート、イバンドロネート、インカドロネートまたはシマドロネート、クロドロネート、EB-1053、ミノドロネート、ネリドロネート、ピリドロネートおよびチルドロネートのようなビホスホネート;(12)γ-セクレターゼ阻害剤、(13)c-Kit、Eph、PDGF、Flt3およびc-Metの阻害剤を含む受容体チロシンキナーゼ(RTK)に干渉する薬剤;(14)ATR、ATM、Chk1およびChk2キナーゼの阻害剤、ならびにcdkおよびcdcキナーゼ阻害剤を含む細胞周期チェックポイントに干渉する薬剤、特に7-ヒドロキシスタウロスポリン(7-hydroxystaurosporin)、フラボピリドール、CYC202(Cyclacel)およびBMS-387032によって例示される薬剤;(15)PCI32765、AVL-292およびAVL-101のようなBCR-ABL阻害剤;(16)イニパリブ、オラパリブ、AGO14699、ABT888およびMK4827を含むPARP阻害剤;(16)ERK阻害剤;(17)ラパマイシン、42-(ジメチルホスフィネート)ラパマイシン、テムシロリムス、エベロリムスのようなmTOR阻害剤;(18)細胞毒性/細胞増殖抑制剤などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0129】
「細胞毒性/細胞増殖阻害剤」とは、細胞の機能に直接的に干渉することによって、細胞の死滅を引き起こし、または細胞の増殖を阻害し、あるいは細胞の有糸分裂を阻害し、またはそれに干渉する化合物をいい、例えば、アルキル化剤、腫瘍壊死因子、挿入剤、低酸素活性化性化合物、微小管阻害剤/微小管安定化剤、有糸分裂キネシン阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、有糸分裂進行に関与するキナーゼ阻害剤、抗代謝産物;生物学的応答修飾剤;ホルモン/抗ホルモン治療剤、造血成長因子、モノクローナル抗体標的化治療剤、トポイソメラーゼ阻害剤、プロテアソーム阻害剤を含む。
【0130】
細胞毒性剤の例には、セルテネフ、カケクチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、メクロレタミン、メルファラン、ウラシルマスタード、チオテパ、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、タソネルミン、ロニダミン、カルボプラチン、アルトレタミン、ダカルバジン、プロカルバジン、プレドニムスチン、ジブロモドゥルシトール、ラニムスチン、フォテムスチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、テモゾロマイド、ヘプタプラチン、エストラムスチン、イムプロスルファントシレート、トロフォスファミド、ニムスチン、塩化ジブロスピジウム、プミテパ、ロバプラチン、サトラプラチン、プロフィロマイシン、シスプラチン、イロフルベン、デキシフォスファミド、シス-アミンジクロロ(2-メチル-ピリジン)白金、ベンジルグアニン、グルフォスファミド、GPX100、(トランス,トランス,トランス)-ビス-ミュー-(ヘキサン-1,6-ジアミン)-ミュー-[ジアミン-白金(II)]ビス[ジアミン(クロロ)白金(II)]四塩化物、ジアリジジニルスペルミン、三酸化ヒ素、1-(11-ドデシルアミノ-10-ヒドロキシウンデシル)-3,7-ジメチルキサンチン、ゾルビシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、アントラセンジオン、ブレオマイシン、マイトマイシンC、ダクチノマイシン、プリカトマイシン、ビスアントレン、マイトキサントロン、ピラルビシン、ピナフィド、バルルビシン、アムルビシン、アンチネオプラストン、3’-デアミノ-3’-モルホリノ-13-デオキソ-10-ヒドロキシカルミノマイシン、カナマイシン、ガラルビシン、エリナフィド、MEN10755、および4-デメトキシ-3-デアミノ-3-アジリジニル-4-メチルスルホニル-ダウノルビシンなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0131】
プロテアソーム阻害剤の例として、ラクタシスチンおよびボルテゾミブなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0132】
微小管阻害剤/微小管安定化剤の例は、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビンゾリジン、ビノレルビン、硫酸ビンデシン、3’,4’-ジデヒドロ-4’-デオキシ-8’-ノルビンカロイコブラスチン、ポドフィロトキシン(例えば、エトポシド(VP-16)およびテニポシド(VM-26))、パクリタキセル、ドセタキソール、リゾキシン、ドラスタチン、イセチオン酸ミボブリン、アウリスタチン、セマドチン、RPR109881、BMS184476、ビンフルニン、クリプトフィシン、アンヒドロビンブラスチン、N,N-ジメチル-L-バリル-L-バリル-N-メチル-L-バリル-L-プロリル-L-プロリン-t-ブチルアミド、TDX258、エポチロン(例えば、米国特許第6,284,781号および第6,288,237号参照)およびBMS188797を含む。
【0133】
トポイソメラーゼ阻害剤のいくつかの例には、トポテカン、ヒカプタミン、イリノテカン、ルビテカン、6-エトキシプロピオニル-3’,4’-O-エキソ-ベンジリデン-チャルトリューシン、ルルトテカン、7-[2-(N-イソプロピルアミノ)エチル]-(20S)カンプトテシン、BNP1350、BNPI1100、BN80915、BN80942、リン酸エトポシド、テニポシド、ソブゾキサン、2’-ジメチルアミノ-2’-デオキシ-エトポシド、GL331、N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-9-ヒドロキシ-5,6-ジメチル-6H-ピリド[4,3-b]カルバゾール-1-カルボキサミド、アスラクリン、2,3-(メチレンジオキシ)-5-メチル-7-ヒドロキシ-8-メトキシベンゾ[c]-フェナントリジニウム、5-(3-アミノプロピルアミノ)-7,10-ジヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシエチルアミノメチル)-6H-ピラゾロ[4,5,1-de]アクリジン-6-オン、N-[1-[2-(ジエチルアミノ)エチルアミノ]-7-メトキシ-9-オキソ-9H-チオキサンテン-4-イルメチル]ホルムアミド、N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)アクリジン-4-カルボキサミド、6-[[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]-3-ヒドロキシ-7H-インデノ[2,1-c]キノリン-7-オン、およびジメスナがある。
【0134】
「ヒストンデアセチラーゼ阻害剤」の例には、ボリノスタット、トリコスタチンA、オキサムフラチン、PXD101、MG98、バルプロ酸およびスクリプタイドなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0135】
「有糸分裂進行に関与するキナーゼの阻害剤」には、オーロラキナーゼの阻害剤、Polo様キナーゼの阻害剤(PLK;特に、PLK-1の阻害剤)、bub-1の阻害剤およびbub-R1の阻害剤などがあるが、これらに限定されるものではない。「オーロラキナーゼ阻害剤」の例はVX-680である。
【0136】
「抗増殖剤」は、G3139、ODN698、RVASKRAS、GEM231、およびINX3001のようなアンチセンスRNAおよびDNAオリゴヌクレオチド、ならびにエノシタビン、カルモフール、テガフール、ペントスタチン、ドキシフルリジン、トリメトレキサート、フルダラビン、カペシタビン、ガロシタビン、シタラビンオクホスファート、フォステアビンナトリウム水和物、ラルチトレキセド、パルチトレキシド、エミテフール、チアゾフリン、デシタビン、ノラトレキセド、ペメトレキセド、ネルザラビン、2’-デオキシ-2’-メチリデンシチジン、2’-フルオロメチレン-2’-デオキシシチジン、N6-[4-デオキシ-4-[N2-[2,4-テトラデカジエノイル]グリシルアミノ]-L-グリセロ-B-L-マンノ-ヘプトピラノシル]アデニン、アプリジン、エクテイナシジン、トロキサシタビン、アミノプテリン、5-フルオロウラシル、フロキスリジン、メトトレキセート、ロイコボリン、ヒドロキシ尿素、チオグアニン(6-TG)、メルカプトプリン(6-MP)、シタラビン、ペントスタチン、リン酸フルダラビン、クラドリビン(2-CDA)、アスパラギナーゼ、ゲムシタビン、アラノシン、スワインソニン、ロメトレキソール、デクスラゾキサン、メチオニナーゼ(methioninase)、および3-アミノピリジン-2-カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾンのような抗代謝産物を含む。
【0137】
式(I)で表われる化合物と組み合わせることができる癌療法で用いられる好適な薬剤の例には、アバレリクス;アルデスロイキン;アレムツズマブ;アリトレチノイン;アロプリノール;アルトレタミン;アミフォスチン;アナストロゾール;三酸化ヒ素;アスパラギナーゼ;アザシチジン;ベンザムスチン;ベカクジマブ;ベキサロテン;ブレオマイシン;ボルテゾミブ;ブスルファン;カルステロン;カペシタビン;カルボプラチン;カルムスチン;セツキシマブ;クロラムブシル;シスプラチン;クラドリビン;クロファラビン;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン、アクチノマイシンD;ダルテパリン;ダルベポエチンアルファ;ダサチニブ;ダウノルビシン;デガレリクス;デニロイキンジフチトクス;デクスラゾキサン;ドセタキセル;ドキソルビシン;プロピオン酸ドロモスタノロン;エクリズマブ;エリオットB溶液;エルトロンパグ;エピルビシン;エポエチンアルファ;エルロチニブ;エストラムスチン;リン酸エトポシド;エトポシド;エベロリムス;エキセメスタン;フィルグラスチム;フロキスリジン;フルダラビン;フルオロウラシル;フルベストラント;イレッサ;タルセバ;オシメルチニブ;ゲムシタビン;ゲムツズマブオゾガミシン;ゴセレリン酢酸塩;酢酸ヒストレリン;ヒドロキシ尿素;イブリツモマブチウキセタン;イダルビシン;イホスファミド;イマチニブメシレート;インターフェロンアルファ2a;インターフェロンアルファ-2b;イリノテカン;イキサベピロン;ラパチニブ;レナリドマイド;レトロゾール;ロイコボリン;酢酸ロイプロリド;レバミゾール;ロムスチン;メクロレタミン、ナイトロジェンマスタード;酢酸メゲストロール;メルファラン、L-PAM;メルカプトプリン;メスナ;メトトレキセート;メトキサレン;マイトマイシンC;マイトタン;マイトキサントロン;フェニルプロピオン酸ナンドロロン;ネララビン;ニロチニブ;ノフェツモマブ(Nofetumomab);オファツムマブ(ofatumumab);オプレルベキン;オキサリプラチン;パクリタキセル;パリフェルミン;パミドロナト;パニツムマブ(panitumumab);パゾパニブ;ペガデマーゼ;ペガスパルガーゼ;ペグフィルグラスチム(Pegfilgrastim);ペメトレキセド二ナトリウム;ペントスタチン;ピポブロマン;プレリキサフォール;プリカマイシン、ミタラマイシン);ポルフィメールナトリウム;プララトレキセート;プロカルバジン;キナクリン;ラスブリカーゼ;ラロキシフェン塩酸塩;リツキシマブ;ロミデプシン;ロミプロスチン;サルグラモスチン;サルグラモスチン;サトラプラチン;ソラフェニブ;ストレプトゾシン;マレイン酸スニチニブ;タモキシフェン;テモゾロマイド;テムシロリムス;テニポシド;テストラクトン;チオグアニン;チオテパ;トポテカン;トレミフェン;トシツモマブ;トラスツズマブ;トレチノイン;ウラシルマスタード;バルルビシン;ビンブラスチン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ボリノスタット;およびゾレドロネートなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0138】
適当な場合には、前記の1種以上の他の治療成分を塩(例えば、アルカリ金属塩またはアミン塩または酸付加塩)の形態、またはプロドラッグの形態、またはエステル(例えば、低級アルキルエステル)の形態、または溶媒和物(例えば、水和物)の形態で用いて、治療成分の活性および/または安定性および/または物理特性(例えば、溶解度)を最適化することができるのは当業者に明らかであろう。また、適当な場合には、前記の治療成分は光学純度の形態で用いることができるのも明らかであろう。
【0139】
前記の組合せは、医薬組成物の形態で好適に用いられ、かくして、薬学的に許容される希釈剤または担体とともに前記の組合せを含む医薬組成物は、本発明のさらなる態様を表す。これらの組合せは、呼吸器疾患に特に有用であり、吸入または鼻腔内送達に適している。
【0140】
このような組合せの各化合物は、別々としてまたは組み合わされた医薬組成物として順次にまたは同時に投与することができる。好ましくは、各化合物は組み合わされた医薬組成物として同時に投与される。公知の治療剤の好適な用量は、当業者であれば容易に了解するものである。
【0141】
実施例
以下、具体的な実施形態によって本発明をさらに説明する。これらの実施例は、本発明を例示するためのみに使用され、本発明の範囲を限定するものではないことを理解しべきである。以下の実施例において、特定の条件を明記しない実験方法は、一般に、通常の条件または製造業者が推奨する条件に従う。特に明記しない限り、部およびパーセンテージは、重量部および重量パーセントである。
【0142】
一般に、調製プロセスにおいて、各反応は、不活性溶媒中、室温から還流温度(例えば、0℃~100℃、好ましくは0℃~80℃)で行われる。通常、反応時間は0.1~60時間、好ましくは0.5~24時間である。
【0143】
本公開で使用される略語は、以下の意味を持つ。
【表1】
【0144】
実施例1 3-((8-アミノ-3-エチルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-1-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド(化合物I-1)の調製。
【化35】
以下の経路を使用して合成した。
【化36】
【0145】
工程1 化合物(3-クロロピラジン-2-イル)メチルアミンの合成
窒素保護下で、2-シアノ-3-クロロピラジン(1.5g,10.8mmol)およびRaney-Ni(50% slurry in water,0.5g)を15mLの氷酢酸に加え、水素ガスで3回置換し、3気圧の水素雰囲気下、50℃で一晩撹拌した。反応完了後、濾過を行い、濾液を濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムで分離して、53%の収率で0.82gの淡黄色の油状物を得た。LC-MS(APCI):m/z=144(M+1)+。
【0146】
工程2 化合物N-((3-クロロピラジン-2-イル)メチル)プロピオンアミドの合成
(3-クロロピラジン-2-イル)メチルアミン(0.82g,5.7mmol)およびトリエチルアミン(0.86g,8.5mmol)を10mLのジクロロメタンに溶解させ、氷浴下で塩化プロピオニル(0.63g,6.8mmol)をゆっくり滴下し、滴下終了後、氷浴を外し、室温で一晩撹拌した。TLCで反応の完了をモニターし、1Nの塩酸、5%のNaHCO3溶液および飽和食塩水でそれぞれ反応液を洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムで分離して、62%の収率で0.7gの淡黄色の油状物を得た。LC-MS(APCI):m/z=200(M+1)+。
【0147】
工程3 化合物8-クロロ-3-エチルイミダゾ[1,5-a]ピラジンの合成
N-((3-クロロピラジン-2-イル)メチル)プロピオンアミド(0.7g,3.5mmol)を15mLの無水アセトニトリルに溶解させ、塩化ホスホリル(2.1g,14mmol)を加え、60℃に加熱し、一晩反応させた。反応完了後、溶媒を蒸発させ、残留物をゆっくりと氷水に加え、酢酸エチル(10mL*3)で抽出し、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム溶液および飽和食塩水でそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムで分離して、80%の収率で0.51gの淡黄色固体を得た。LC-MS(APCI):m/z=182(M+1)+。
【0148】
工程4 化合物1-ブロモ-8-クロロ-3-エチルイミダゾ[1,5-a]ピラジンの合成
8-クロロ-3-エチルイミダゾ[1,5-a]ピラジン(0.51g,2.8mmol)を10mLのDMFに溶解させ、氷浴下、バッチでNBS(0.55g,3.1mmol)を加え、室温まで自然に昇温し、一晩反応させた。反応完了後、反応液に20mLの水を添加し、酢酸エチル(10mL*3)で抽出し、有機相を10mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムで分離して、70%の収率で0.51gの淡黄色固体を得た。LC-MS(APCI):m/z=260(M+1)+。
【0149】
工程5 化合物1-ブロモ-3-エチルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-8-アミンの合成
50mLの封管に1-ブロモ-8-クロロ-3-エチルイミダゾ[1,5-a]ピラジン(0.51g,2.0mmol)および10mLの濃アンモニア水を加え、油浴で120℃に昇温し、一晩反応させた。反応完了後、室温まで冷却し、溶媒を回転蒸発により除去して、84%の収率で0.4gの白色粉末状固体を得た。LC-MS(APCI):m/z=241(M+1)+。
【0150】
工程6 化合物3-エチル-1-((トリメチルシリル)エチニル)イミダゾ[1,5-a]ピラジン-8-アミンの合成
1-ブロモ-3-エチルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-8-アミン(170mg,0.71mmol)、トリメチルシリルアセチレン(90mg,0.92mmol)、Pd(PPh3)4(23mg,0.02mmol)、CuI(8mg,0.04mmol)および0.24mLのN,N-ジイソプロピルエチルアミンを5mLのDMFに加え、窒素ガスで3回置換し、90℃に昇温し、3時間反応させた。反応完了後、室温まで冷却し、15mLの水を添加し、酢酸エチル(15mL*3)で抽出し、有機相を10mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムで分離して、66%の収率で120mgの淡黄色固体を得た。LC-MS(APCI):m/z=259(M+1)+。
【0151】
工程7 化合物3-エチル-1-エチニルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-8-アミンの合成
3-エチル-1-((トリメチルシリル)エチニル)イミダゾ[1,5-a]ピラジン-8-アミン(120mg,0.47mmol)を5mLのテトラヒドロフランに溶解させ、テトラブチルアンモニウムフルオリド(0.25g,0.94mmol)を添加し、室温で1時間攪拌した。溶媒を回転蒸発により除去して、10mLの水を添加し、酢酸エチル(10mL*3)で抽出し、有機相を10mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムで分離して、88%の収率で75mgの淡黄色固体を得た。LC-MS(APCI):m/z=187(M+1)+。
【0152】
工程8 化合物3-((8-アミノ-3-エチルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-1-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドの合成
3-ヨード-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド(160mg,0.31mmol)、3-エチル-1-エチニルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-8-アミン(75mg,0.4mmol)、Pd(PPh3)4(11mg,0.01mmol)、CuI(4mg,0.02mmol)および0.12mLのN,N-ジイソプロピルエチルアミンを、3mLのDMFに加え、窒素ガスで3回置換し、90℃に昇温し、3時間反応させた。反応完了後、室温まで冷却し、10mLの水を添加し、酢酸エチル(10mL*3)で抽出し、有機相を10mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムで分離して、62%の収率で110mgの淡黄色固体を得た。LC-MS(APCI):m/z=576(M+1)+。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 10.57(s,1H),8.23(d,J=2.1Hz,2H),8.11-8.05(m,1H),7.92(dd,J=8.0,2.0Hz,1H),7.71(d,J=8.5Hz,1H),7.60(d,J=4.9Hz,1H),7.52(d,J=8.1Hz,1H),7.11(d,J=4.9Hz,1H),6.77-6.62(m,2H),3.59(s,2H),2.93(q,J=7.5Hz,2H),2.55(s,3H),2.49-2.40(m,8H),2.33(s,3H),1.30(t,J=7.5Hz,3H).
【0153】
実施例2 3-((8-アミノ-3-エチルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-1-イル)エチニル)-4-メチル-N-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド(化合物I-2)の調製。
【化37】
実施例1に記載の合成方法に従って、工程8における3-ヨード-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドの代わりに、化合物3-ヨード-4-メチル-N-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドを使用して、表題化合物I-2を調製した。LC-MS(APCI):m/z=464(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.60(s,1H),8.29-8.21(m,2H),8.08(d,J=7.9Hz,1H),7.92(dd,J=8.0,2.0Hz,1H),7.65-7.57(m,2H),7.53(d,J=8.1Hz,1H),7.47(d,J=7.5Hz,1H),7.11(d,J=5.0Hz,1H),6.71(s,2H),2.93(q,J=7.5Hz,2H),2.55(s,3H),1.31(t,J=7.5Hz,3H).
【0154】
実施例3 3-((8-アミノ-3-メチルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-1-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド(化合物I-3)の調製。
【化38】
実施例1に記載の合成方法に従って、工程2における化合物塩化プロピオニルの代わりに、化合物塩化アセチルを使用して、表題化合物I-3を調製した。LC-MS(APCI):m/z=562(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.57(s,1H),8.22(dd,J=6.4,2.0Hz,2H),8.08(dd,J=8.6,2.1Hz,1H),7.92(dd,J=7.9,1.9Hz,1H),7.71(d,J=8.6Hz,1H),7.54(dd,J=15.7,6.3Hz,2H),7.16(d,J=26.6Hz,1H),6.69(s,2H),3.60(s,2H),2.55(d,J=3.5Hz,6H),2.50-2.42(m,8H),2.38(s,3H).
【0155】
実施例4 3-((8-アミノ-3-イソプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-1-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド(化合物I-4)の調製。
【化39】
実施例1に記載の合成方法に従って、工程2における化合物塩化プロピオニルの代わりに、化合物イソブチリルクロリドを使用して、表題化合物I-4を調製した。LC-MS(APCI):m/z=590(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ10.56(s,1H),8.23(dd,J=5.6,2.0Hz,2H),8.08(dd,J=8.5,2.2Hz,1H),7.92(dd,J=8.0,2.0Hz,1H),7.71(d,J=8.6Hz,1H),7.66(d,J=5.0Hz,1H),7.52(d,J=8.1Hz,1H),7.10(d,J=5.0Hz,1H),6.70(s,2H),3.60(s,2H),3.47-3.41(m,1H),2.55(s,3H),2.50-2.41(m,8H),2.37(d,J=5.0Hz,3H),1.31(d,J=6.8Hz,6H).
【0156】
実施例5 3-((4-アミノ-7-エチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド(化合物I-5)の調製。
【化40】
以下の経路を使用して合成した。
【化41】
【0157】
工程1 化合物5-ヨード-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミンの合成
7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(0.4g,3.0mmol)を10mLのDMFに溶解させ、氷浴下、バッチでNIS(0.74g,3.3mmol)を加え、添加後、氷浴を外し、室温で3時間反応し、TLCで反応の完了をモニターした。反応液に20mLの水を添加し、酢酸エチル(30mL*3)で抽出し、有機相を20mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムで分離して、73%の収率で0.56gの淡黄色固体を得た。LC-MS(APCI):m/z=261(M+1)+。
【0158】
工程2 化合物7-エチル-5-ヨード-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミンの合成
5-ヨード-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(0.56g,2.2mmol)および炭酸カリウム(0.61g,4.4mmol)を10mLのDMFに溶解させ、氷浴下でヨードエタン(0.37g,2.4mmol)ゆっくり滴下し、滴下完了後、さらに30分間撹拌し、氷浴を取り外し、室温で2時間反応させた。TLCで反応の完了をモニターし、反応液に20mLの水を添加し、酢酸エチル(30mL*3)で抽出し、有機相を20mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムで分離して、80%の収率で0.5gの淡黄色固体を得た。LC-MS(APCI):m/z=289(M+1)+。
【0159】
工程3 化合物7-エチル-5-((トリメチルシリル)エチニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミンの合成
7-エチル-5-ヨード-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(190mg,0.66mmol)、トリメチルシリルアセチレン(84mg,0.86mmol)、Pd(PPh3)4(23mg,0.02mmol)、CuI(8mg,0.04mmol)および0.24mLのN,N-ジイソプロピルエチルアミンを、5mLのDMFに加え、窒素ガスで3回置換し、90℃に昇温し、3時間反応させた。反応完了後、室温まで冷却し、15mLの水を添加し、酢酸エチル(15mL*3)で抽出し、有機相を10mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムで分離して、70%の収率で120mgの淡黄色固体を得た。LC-MS(APCI):m/z=259(M+1)+。
【0160】
工程4 化合物7-エチル-5-エチニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミンの合成
7-エチル-5-((トリメチルシリル)エチニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(120mg,0.47mmol)を5mLのテトラヒドロフランに溶解させ、テトラブチルアンモニウムフルオリド(0.25g,0.94mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。溶媒を回転蒸発により除去して、10mLの水を添加し、酢酸エチル(10mL*3)で抽出し、有機相を10mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムで分離して、88%の収率で75mgの淡黄色固体を得た。LC-MS(APCI):m/z=187(M+1)+。
【0161】
工程5 化合物3-((4-アミノ-7-エチル-7Hピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドの合成
3-ヨード-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド(160mg,0.31mmol)および7-エチル-5-エチニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(75mg,0.4mmol)、Pd(PPh3)4(11mg,0.01mmol)、CuI(4mg,0.02mmol)および0.12mLのN,N-ジイソプロピルエチルアミンを、3mLのDMFに加え、窒素ガスで3回置換し、90℃に昇温し、3時間反応させた。反応完了後、室温まで冷却し、10mLの水を添加し、酢酸エチル(10mL*3)で抽出し、有機相を10mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムで分離して、66%の収率で115mgの淡黄色固体を得た。LC-MS(APCI):m/z=576(M+1)+。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 10.55(s,1H),8.22(d,J=2.2Hz,1H),8.17(d,J=1.8Hz,2H),8.07(d,J=8.6Hz,1H),7.88(dd,J=7.9,1.9Hz,1H),7.79(s,1H),7.71(d,J=8.6Hz,1H),7.50(d,J=8.0Hz,1H),6.67(s,2H),4.19(q,J=7.3Hz,2H),3.58(s,2H),2.54(s,3H),2.49-2.36(m,8H),2.27(s,3H),1.37(t,J=7.2Hz,3H).
【0162】
実施例 6 3-((4-アミノ-7-エチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド(化合物I-6)の調製。
【化42】
実施例5に記載の合成方法に従って、工程5における3-ヨード-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドの代わりに、化合物3-ヨード-4-メチル-N-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドを使用して、表題化合物I-6を調製した。LC-MS(APCI):m/z=464(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.58(s,1H),8.26(s,1H),8.20-8.14(m,2H),8.08(d,J=8.0Hz,1H),7.89(dd,J=8.0,2.0Hz,1H),7.79(s,1H),7.61(t,J=8.0Hz,1H),7.48(dd,J=16.7,7.9Hz,2H),6.68(s,2H),4.19(q,J=7.3Hz,2H),2.54(s,3H),1.37(t,J=7.2Hz,3H).
【0163】
実施例7 3-((4-アミノ-7-エチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(
6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミド(化合物I-7)の調製。
【化43】
実施例5に記載の合成方法に従って、工程5における3-ヨード-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドの代わりに、化合物3-ヨード-4-メチル-N-(
6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ベンズアミドを使用して、表題化合物I-7を調製した。LC-MS(APCI):m/z=465(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 11.24(s,1H),8.46(d,J=8.5Hz,1H),8.26(d,J=1.9Hz,1H),8.19-8.10(m,2H),7.94(dd,J=8.0,1.9Hz,1H),7.79(s,1H),7.66(d,J=7.5Hz,1H),7.46(d,J=8.1Hz,1H),6.67(s,2H),4.19(q,J=7.3Hz,2H),2.53(s,3H),1.37(t,J=7.2Hz,3H).
【0164】
実施例8 3-((4-アミノ-7-エチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)エチニル)-N-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド (化合物I-8)の調製。
【化44】
実施例5に記載の合成方法に従って、工程5における3-ヨード-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドの代わりに、化合物3-ヨード-N-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドを使用して、表題化合物I-8を調製した。LC-MS(APCI):m/z=450(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.55(s,1H),8.25(s,1H),8.21-8.16(m,2H),8.10(d,J=8.0Hz,1H),7.86(dd,J=8.0,2.0Hz,1H),7.77(s,1H),7.61(d,J=8.0Hz,2H),7.46(dd,J=16.7,7.9Hz,2H),6.66(s,2H),4.21(q,J=7.3Hz,2H),1.35(t,J=7.2Hz,3H).
【0165】
実施例9 3-((4-アミノ-7-エチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)エチニル)-N-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチルベンズアミド (化合物I-9)の調製。
【化45】
実施例5に記載の合成方法に従って、工程5における3-ヨード-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドの代わりに、化合物N-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-ヨード-4-メチルベンズアミドを使用して、表題化合物I-9を調製した。LC-MS(APCI):m/z=521(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.54(s,1H),8.24-8.14(m,3H),8.08(d,J=8.5Hz,1H),7.88(d,J=8.0Hz,1H),7.79(s,1H),7.71(d,J=8.7Hz,1H),7.50(d,J=8.1Hz,1H),6.67(s,2H),4.19(q,J=7.5Hz,2H),3.51(s,2H),2.54(s,3H),2.19(s,6H),1.37(t,J=7.2Hz,3H).
【0166】
実施例 10 3-((4-アミノ-7-エチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド (化合物I-10)の調製。
【化46】
実施例5に記載の合成方法に従って、工程5における3-ヨード-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドの代わりに、化合物3-ヨード-4-メチル-N-(3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドを使用して、表題化合物I-10を調製した。LC-MS(APCI):m/z=544(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.72(s,1H),8.30(s,1H),8.25(d,J=1.9Hz,1H),8.20-8.15(m,3H),7.90(dd,J=7.9,1.9Hz,1H),7.79(s,1H),7.74(s,1H),7.53(d,J=8.1Hz,2H),6.66(s,2H),4.19(q,J=7.2Hz,2H),2.55(s,3H),2.18(s,3H),1.37(t,J=7.2Hz,3H).
【0167】
実施例11 3-((4-アミノ-7-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド (化合物I-11)の調製。
【化47】
実施例5に記載の合成方法に従って、工程2におけるヨードエタンの代わりに化合物ヨードメタンを使用し、工程5における3-ヨード-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドの代わりに、化合物3-ヨード-4-メチル-N-(3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドを使用して、表題化合物I-11を調製した。LC-MS(APCI):m/z=530(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.72(s,1H),8.31(s,1H),8.25-8.19(m,2H),8.17(d,J=2.7Hz,2H),7.91(dd,J=8.0,2.0Hz,1H),7.79(s,1H),7.74(s,1H),7.53(d,J=8.2Hz,2H),6.69(s,2H),3.74(s,3H),2.55(s,3H),2.19(s,3H).
【0168】
実施例12 3-((4-アミノ-7-イソプロピル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド (化合物I-12)の調製。
【化48】
実施例5に記載の合成方法に従って、工程2におけるヨードエタンの代わりに化合物2-ヨードプロパンを使用し、工程5における3-ヨード-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドの代わりに、化合物3-ヨード-4-メチル-N-(3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドを使用して、表題化合物I-12を調製した。LC-MS(APCI):m/z=558(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.73(s,1H),8.31(d,J=2.3Hz,1H),8.22(d,J=1.4Hz,1H),8.19(d,J=1.9Hz,1H),8.17(d,J=3.6Hz,2H),7.91(dd,J=8.1,2.0Hz,1H),7.88(s,1H),7.74(s,1H),7.53(d,J=8.1Hz,1H),7.51-7.48(m,1H),6.65(s,2H),4.93 (p,J=6.9Hz,1H),2.56(s,3H),2.19(s,3H),1.47(d,J=6.7Hz,6H).
【0169】
実施例13 3-((4-アミノ-7-イソプロピル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド (化合物I-13)の調製。
【化49】
実施例5に記載の合成方法に従って、工程2におけるヨードエタンの代わりに化合物2-ヨードプロパンを使用し、工程5における3-ヨード-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドの代わりに、化合物3-ヨード-4-メチル-N-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドを使用して、表題化合物I-13を調製した。LC-MS(APCI):m/z=478 (M+1)
+。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.58(s,1H),8.26(s,1H),8.20-8.13(m,2H),8.08(d,J=8.2Hz,1H),7.89(d,J=8.8Hz,2H),7.61(t,J=8.0Hz,1H),7.48(dd,J=17.4,7.9Hz,2H),6.65(s,2H),4.93 (p,J=6.8Hz,1H),2.55(s,3H),1.46(d,J=6.8Hz,6H).
【0170】
実施例14 3-((4-アミノ-7-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド(化合物I-14)の調製。
【化50】
実施例5に記載の合成方法に従って、工程2におけるヨードエタンの代わりに化合物ヨードメタンを使用し、工程5における3-ヨード-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドの代わりに、化合物3-ヨード-4-メチル-N-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドを使用して、表題化合物I-14を調製した。LC-MS(APCI):m/z=450 (M+1)
+。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ10.58(s,1H),8.26(t,J=1.9Hz,1H),8.18(d,J=1.9Hz,1H),8.10-8.06(m,1H),7.89(dd,J=8.0,2.0Hz,1H),7.71(s,1H),7.61(t,J=8.0Hz,1H),7.52-7.44(m,2H),6.67(s,2H),3.73(s,3H),2.54(s,3H).
【0171】
実施例15 3-((4-アミノ-7-イソプロピル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド(化合物I-15)の調製。
【化51】
実施例5に記載の合成方法に従って、工程2におけるヨードエタンの代わりに、化合物2-ヨードプロパンを使用して、表題化合物I-15を調製した。LC-MS(APCI):m/z=590(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,CDCl
3) δ 8.32(s,1H),8.02-7.95(m,2H),7.89(d,J=9.0Hz,1H),7.86(s,1H),7.80-7.72(m,2H),7.38(d,J=8.1Hz,2H),6.65(s,2H),5.06(s,1H),3.65(s,2H),2.57(d,J=12.9Hz,11H),2.34(s,3H),1.53(d,J=6.8Hz,6H).
【0172】
実施例16 3-((4-アミノ-7-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド(化合物I-16)の調製。
【化52】
実施例5に記載の合成方法に従って、工程2におけるヨードエタンの代わりに、化合物ヨードメタンを使用して、表題化合物I-16を調製した。LC-MS(APCI):m/z=562(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.54(s,1H),8.22(d,J=2.1Hz,1H),8.17(d,J=2.0Hz,2H),8.07(dd,J=8.6,2.1Hz,1H),7.88(dd,J=7.9,1.9Hz,1H),7.73-7.68(m,2H),7.50(d,J=8.1Hz,1H),6.66(s,2H),3.74(s,3H),3.57(s,2H),2.54(s,3H),2.41(s,8H),2.21(s,3H).
【0173】
実施例17 N-(3-((4-アミノ-7-エチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)エチニル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド (化合物I-17)の調製。
【化53】
実施例5に記載の合成方法に従って、工程5における3-ヨード-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドの代わりに、化合物N-(3-ヨード-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドを使用して、表題化合物I-17を調製した。LC-MS(APCI):m/z=464(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.50(s,1H),8.31(s,1H),8.27(d,J=7.8Hz,1H),8.16(s,1H),8.00-7.95(m,2H),7.81(d,J=7.8Hz,1H),7.79-7.77(m,1H),7.68(dd,J=8.4,2.2Hz,1H),7.32(d,J=8.3Hz,1H),6.66(s,2H),4.18(q,J=7.2Hz,2H),2.44(s,3H),1.40-1.35(t,J=7.2Hz,3H).
【0174】
実施例18 N-(3-((4-アミノ-7-エチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)エチニル)-4-メチルフェニル)-4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド(化合物I-18)の調製。
【化54】
実施例5に記載の合成方法に従って、工程5における3-ヨード-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドの代わりに、化合物N-(3-ヨード-4-メチルフェニル)-4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドを使用して、表題化合物I-18を調製した。LC-MS(APCI):m/z=576(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.47(s,1H),8.26(d,J=1.7Hz,1H),8.24(dd,J=8.1,1.8Hz,1H),8.16(s,1H),7.96(d,J=2.3Hz,1H),7.93(d,J=8.1Hz,1H),7.78(s,1H),7.67(dd,J=8.3,2.3Hz,1H),7.31(d,J=8.5Hz,1H),6.65(s,2H),4.18(q,J=7.2Hz,2H),3.69(s,2H),2.44(s,11H),2.20(s,3H),1.37(t,J=7.2Hz,3H).
【0175】
実施例19 N-(3-((4-アミノ-7-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)エチニル)-4-メチルフェニル)-4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド(化合物I-19)の調製。
【化55】
実施例5に記載の合成方法に従って、工程2におけるヨードエタンの代わりに化合物ヨードメタンを使用し、工程5における3-ヨード-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドの代わりに、化合物N-(3-ヨード-4-メチルフェニル)-4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドを使用して、表題化合物I-19を調製した。LC-MS(APCI):m/z=562(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.46(s,1H),8.30-8.21(m,2H),8.17(s,1H),7.99-7.88(m,2H),7.68(d,J=9.4Hz,2H),7.31(d,J=8.4Hz,1H),6.64(s,2H),3.71(d,J=10.1Hz,5H),2.44(s,3H),2.50-2.45(m,8H),2.28(s,3H).
【0176】
実施例20 N-(3-((4-アミノ-7-シクロペンチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)エチニル)-4-メチルフェニル)-4-メチル-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド (化合物I-20)の調製。
【化56】
実施例5に記載の合成方法に従って、工程2におけるヨードエタンの代わりに化合物ヨードシクロペンタンを使用し、工程5における3-ヨード-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドの代わりに、化合物N-(3-ヨード-4-メチルフェニル)-4-メチル-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドを使用して、表題化合物I-20を調製した。LC-MS(APCI):m/z=518(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.43(s,1H),8.26(s,1H),8.16(s,2H),7.98(d,J=2.2Hz,1H),7.83(s,1H),7.68-7.60(m,2H),7.31(d,J=8.4Hz,1H),6.66(s,2H),5.03 (p,J=7.5Hz,1H),2.53(s,3H),2.44(s,3H),2.10(d,J=7.7Hz,2H),1.88 (p,J=9.1,8.6Hz,4H),1.68(s,2H).
【0177】
実施例21 N-(3-((4-アミノ-7-エチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)エチニル)-4-メチルフェニル)-3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)ベンズアミド(化合物I-21)の調製。
【化57】
実施例5に記載の合成方法に従って、工程5における3-ヨード-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドの代わりに、化合物N-(3-ヨード-4-メチルフェニル)-3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)ベンズアミドを使用して、表題化合物I-21を調製した。LC-MS(APCI):m/z=544(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.73(s,1H),8.29(s,1H),8.24(d,J=1.9Hz,1H),8.20-8.15(m,3H),7.92(dd,J=7.9,1.9Hz,1H),7.78(s,1H),7.73(s,1H),7.51(d,J=8.1Hz,2H),6.67(s,2H),4.18(q,J=7.2Hz,2H),2.54(s,3H),2.18(s,3H),1.36(t,J=7.2Hz,3H).
【0178】
実施例22 3-((4-アミノ-7-((1r,4r)-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド (化合物I-22)の調製。
【化58】
以下の経路を使用して合成した。
【化59】
【0179】
工程1 化合物4-(4-アミノ-5-ヨード-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロヘキサン-1-オンの合成
5-ヨード-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(1.34g,5.15mmol)、4-ヒドロキシシクロヘキサノンエチレンアセタール(1.22g,7.7mmol)およびトリフェニルホスフィン(4.05g,15.45mmol)を、30mLの無水テトラヒドロフランに加え、窒素ガス保護下、氷浴中でアゾジカルボン酸ジイソプロピル(2.1g,10.3mmol)をゆっくり滴下し、滴下完了後、室温まで自然に昇温し、一晩反応させた。TLCで反応の完了をモニターし、溶媒を回転蒸発により除去して、20mLの酢酸エチルを添加し、室温で0.5時間攪拌し、濾過し、フィルターケーキを5mLの酢酸エチルですすぎ、乾燥させて1.5gの白色固体を得た。20mLのアセトンを加えて溶解し、氷浴中でPH=3になるように6Mの塩酸をゆっくり滴下し、室温で反応液を3時間反応させた。溶媒を回転蒸発により除去して、酢酸エチルを添加して溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥させ、濃縮し、60%の収率で1.1gの白色固体を得た。LC-MS(APCI):m/z=357(M+1)+。
【0180】
工程2 化合物4-(4-アミノ-5-((トリメチルシリル)エチニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロヘキサン-1-オンの合成
4-(4-アミノ-5-ヨード-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロヘキサン-1-オン(0.55g,1.54mmol)、トリメチルシリルアセチレン(0.2g,2.0mmol)、Pd(PPh3)4(58mg,0.05mmol)、CuI(19mg,0.1mmol)および0.4mLのN,N-ジイソプロピルエチルアミンを、10mLのDMFに加え、窒素ガスで3回置換し、90℃に昇温し、3時間反応させた。反応完了後、室温まで冷却し、20mLの水を添加し、酢酸エチル(20mL*3)で抽出し、有機相を15mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムで分離して、66%の収率で0.33gの淡黄色固体を得た。LC-MS(APCI):m/z=327(M+1)+。
【0181】
工程3 化合物4-(4-アミノ-5-エチニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロヘキサン-1-オンの合成
4-(4-アミノ-5-((トリメチルシリル)エチニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロヘキサン-1-オン(0.33g,1.0mmol)を5mLのテトラヒドロフランに溶解させ、テトラブチルアンモニウムフルオリド(0.52g,2.0mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。溶媒を回転蒸発により除去して、10mLの水を添加し、酢酸エチル(10mL*3)で抽出し、有機相を10mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムで分離して、88%の収率で224mgの淡黄色固体を得た。LC-MS(APCI):m/z=255(M+1)+。
【0182】
工程4 化合物3-((4-アミノ-7-(4-オキソシクロヘキシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドの合成
3-ヨード-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド(224mg,0.43mmol)、4-(4-アミノ-5-エチニル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロヘキサン-1-オン(142mg,0.56mmol)、Pd(PPh3)4(16mg,0.01mmol)、CuI(5mg,0.02mmol)および0.12mLのN,N-ジイソプロピルエチルアミンを、5mLのDMFに加え、窒素ガスで3回置換し、90℃に昇温し、3時間反応させた。反応完了後、室温まで冷却し、15mLの水を添加し、酢酸エチル(15mL*3)で抽出し、有機相を10mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムで分離して、66%の収率で184mgの淡黄色固体を得た。LC-MS(APCI):m/z=644(M+1)+。
【0183】
工程5 化合物3-((4-アミノ-7-((1r,4r)-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドの合成
3-((4-アミノ-7-(4-オキソシクロヘキシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド(184mg,0.28mmol)を10mLのメタノールに溶解させ、氷浴中で水素化ホウ素ナトリウム(32mg,0.84mmol)をゆっくり加え、室温まで自然に昇温し、1時間反応させた。TLCで反応の完了をモニターし、10mLの水を添加し、酢酸エチル(10mL*3)で抽出し、有機相を10mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムで分離して、65%の収率で120mgの淡黄色固体を得た。LC-MS(APCI):m/z=646(M+1)+。 1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 10.59(s,1H),8.23(s,1H),8.16(d,J=6.6Hz,2H),8.09(d,J=8.7Hz,1H),7.90(d,J=8.1Hz,1H),7.84(s,1H),7.71(d,J=8.6Hz,1H),7.49(d,J=8.1Hz,1H),6.65(s,2H),4.70(d,J=4.2Hz,1H),4.52(s,1H),3.61(s,2H),3.54(s,1H),2.54(s,3H),2.50-2.44(s,8H),2.39(s,3H),2.00-1.86(m,6H),1.39(s,2H).
【0184】
実施例23 3-((4-アミノ-7-((1r,4r)-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド (化合物I-23)の調製。
【化60】
実施例22に記載の合成方法に従って、工程4における3-ヨード-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドの代わりに、化合物3-ヨード-4-メチル-N-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドを使用して、表題化合物I-23を調製した。LC-MS(APCI):m/z=534(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.40(s,1H),8.22(s,1H),8.16(d,J=7.9Hz,2H),7.93(d,J=2.3Hz,1H),7.82(s,1H),7.66-7.60(m,2H),7.55(s,1H),7.33(s,1H),6.65(s,2H),4.70(d,J=4.4Hz,1H),4.53(dd,J=10.8,5.9Hz,1H),3.54(d,J=4.4Hz,1H),2.53(s,3H),1.97-1.86(m,6H),1.38(s,2H).
【0185】
実施例24 3-((4-アミノ-7-((1r,4r)-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-メチル-3-(トリフルオロメチル) フェニル)ベンズアミド(化合物I-24)の調製。
【化61】
実施例22に記載の合成方法に従って、工程4における3-ヨード-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドの代わりに、化合物3-ヨード-4-メチル-N-(4-メチル-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドを使用して、表題化合物I-24を調製した。LC-MS(APCI):m/z=548(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.42(s,1H),8.26(s,1H),8.16(d,J=7.9Hz,2H),7.96(d,J=2.3Hz,1H),7.83(s,1H),7.68-7.61(m,2H),7.31(d,J=8.4Hz,1H),6.66(s,2H),4.68(d,J=4.4Hz,1H),4.51(dd,J=10.8,5.9Hz,1H),3.53(d,J=4.4Hz,1H),2.53(s,3H),2.44(s,3H),1.99-1.86(m,6H),1.39(s,2H).
【0186】
実施例25 N-(3-((4-アミノ-7-((1r,4r)-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)エチニル)-4-メチルフェニル)-4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド(化合物I-25)の調製。
【化62】
実施例22に記載の合成方法に従って、工程4における3-ヨード-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドの代わりに、化合物N-(3-ヨード-4-メチルフェニル)-4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドを使用して、表題化合物I-25を調製した。LC-MS(APCI):m/z=646(M+1)
+。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.32(s,1H),8.22(s,1H),8.18(d,J=6.6Hz,2H),8.12(d,J=8.7Hz,1H),7.93(d,J=8.1Hz,1H),7.82(s,1H),7.70(d,J=8.6Hz,1H),7.44(d,J=8.1Hz,1H),6.66(s,2H),4.73(d,J=4.2Hz,1H),4.53(s,1H),3.64(s,2H),3.54(s,1H),2.53(s,3H),2.49-2.43(s,8H),2.38(s,3H),1.97-1.85(m,6H),1.38(s,2H).
【0187】
生物活性アッセイ
生物学的実施例1:キナーゼの生化学的分析
試薬および材料:ABL(ThermoFisher,Cat.NoPV3585)、ABLT315I(Thermo Fisher,Cat.No.PR7429B)、ATP(Sigma,Cat.No.A7699-1G)、DMSO(Sigma,Cat.No.D2650)、96ウェルプレート(Corning,Cat.No.3365)、384ウェルプレート(Greiner,Cat.No.784076)、緩衝液(Thermo Fisher,Cat.No.PR4876B)。
【0188】
具体的な実験方法
化合物の調製:試験化合物をDMSOに溶解して、20mMのストック溶液を調製した。使用前に、化合物をDMSOで0.1mMに希釈し、3倍勾配で11個の濃度に希釈した。添加する際に、緩衝液で4倍最終濃度の希釈液を調製した。
【0189】
キナーゼアッセイ法:緩衝液を調製した後、酵素を、異なる濃度で事前に希釈された化合物と混合し、各濃度2つのウェルで、室温下、30分間置いた。対応する基質およびATPを加え、室温で60分間反応させた(陰性対照および陽性対照を設置した)。反応完了後、抗体を加えて検出し、室温で60分間インキュベートした後、Evnvision検出を行い、データを収集した。XLfit5ソフトウェアによってデータを分析し、フィッティングした。ここで、AはIC50≦5nMを表し、BはIC50が5~50nMであることを表し、CはIC50が50~100nMであることを表し、DはIC50>100nMであることを表す。
【0190】
本発明の化合物は、上記のキナーゼ阻害アッセイで測定された結果、ABLおよびABLT315Iに対して強力な活性を有することが見出された。代表的な実施例化合物の結果を以下の表1に示す。
【0191】
【0192】
生物学的実施例2:細胞増殖分析
Ba/F3、Ba/F3 Bcr-AblT315I細胞の活性に対する実施例化合物の阻害効果を測定した。
【0193】
材料および試薬:RPMI-1640培地(GIBCO,カタログ番号A10491-01);ウシ胎児血清(GIBCO,カタログ番号10099141);抗生物質(Penicillin-Streptomycin);IL-3(PeproTech);ピューロマイシン;細胞株:Ba/F3、Ba/F3 Bcr-AblT315I(アメリカン タイプ カルチャー コレクション、ATCC);生細胞検出キットCellTiter-Glo4(Promega、カタログ番号G7572);平らな透明底を有する黒い96ウェル細胞培養プレート(コーニング、カタログ番号3340)。
【0194】
実験方法:1.細胞プレートの調製。Ba/F3、Ba/F3 Bcr-Abl T315I細胞をそれぞれ96ウェルプレートに播種し、8ng/mlのIL-3をBa/F3細胞に加えた。細胞プレートを二酸化炭素インキュベーターに入れ、一晩培養した。2.試験化合物をDMSOに溶解し、3.16倍勾配希釈を行い、9つの化合物濃度を取得し、トリプリケートで実験を行った。3.化合物による細胞の処理。化合物を細胞プレートに移し、化合物の開始濃度は10μMとした。細胞プレートを二酸化炭素インキュベーターで3日間培養した。4.検出。細胞プレートにCellTiter-Glo試薬を加え、室温で30分間インキュベートして、発光シグナルを安定させた。PerkinElmer Envisionマルチラベルアナライザーを使用して読み取り値を取得した。ここで、AはIC50≦10nMを表し、BはIC50が10~20nMであることを表し、CはIC50が20~50nMであることを表し、DはIC50が50~1000nMであることを表し、EはIC50>1000nMであることを表す。
【0195】
本発明の化合物は、上記の細胞増殖阻害実験で測定された結果、癌細胞Ba/F3 Bcr-AblT315Iに対して強力な活性を有すること、および癌細胞Ba/F3 parentalに比べてより優れた選択性を有することが見出された。癌細胞のインビトロ増殖に対する代表的な実施例化合物の阻害効果の結果を以下の表2に示す。
【0196】
【0197】
生物学的実施例3:代謝安定性評価
ミクロソーム実験:ヒト肝臓ミクロソーム:0.5mg/mL,Xenotech;補酵素(NADPH/NADH):1mM,Sigma Life Science;塩化マグネシウム:5mM、100mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4)。
【0198】
ストック溶液の調製:一定量の実施例化合物および対照化合物の粉末を正確に秤量し、それぞれDMSOで5mMに溶解した。
【0199】
リン酸塩緩衝液(100mM,pH7.4)の調製:予め調製された0.5Mのリン酸二水素カリウム150mLと0.5Mのリン酸水素二カリウム溶液700mLとを混合し、更に0.5Mのリン酸水素二カリウム溶液で混合液のpHを7.4に調整し、使用前に超純水で5倍に希釈し、塩化マグネシウムを加えて、100mMのリン酸カリウム、3.3mMの塩化マグネシウムを含む、pHが7.4であるリン酸塩緩衝液(100mM)を得た。
【0200】
NADPH再生系溶液(6.5mMのNADP、16.5mMのG-6-P、3U/mLのG-6-P D、3.3mMの塩化マグネシウムを含む)を調製し、使用前に湿った氷上に置いた。
【0201】
停止液の調製:50ng/mLの塩酸プロプラノロールと200ng/mLのトルブタミド(内部標準)を含むアセトニトリル溶液である。25057.5μLのリン酸塩緩衝液(pH7.4)を50mL遠心管に入れ、ヒト肝臓ミクロソーム812.5μLをそれぞれ添加し、均一に混合して、タンパク質濃度が0.625mg/mLである肝臓ミクロソーム希釈液を得た。
【0202】
サンプルのインキュベーション:対応する化合物のストック溶液を、70%アセトニトリルを含む水溶液でそれぞれ0.25mMに希釈し、作業溶液として使用した。398μLのヒト肝臓ミクロソームの希釈液を96ウェルインキュベーションプレート(N=2)にそれぞれ加え、0.25mMの作業溶液2μLにそれぞれ添加して均一に混合した。
【0203】
代謝安定性アッセイ:予め冷却した停止液300μLを96ウェルディープウェルプレートの各ウェルに添加し、氷上に置いて停止プレートとした。96ウェルインキュベーションプレートおよびNADPH再生系を37℃の水浴に置いて、100rpmで振とうし、5分間プレインキュベートした。インキュベーションプレートの各ウェルから80μLのインキュベーション溶液を取出し、停止プレートに加え、均一に混合し、NADPH再生系溶液20μLを補充して0分間サンプルとした。インキュベーションプレートの各ウェルに80μLのNADPH再生系溶液を更に添加し、反応を開始し、時間を計り始めた。対応する化合物の反応濃度は1μMで、タンパク濃度は0.5mg/mLである。反応の10分間、30分間、90分間に、それぞれ100μLの反応液を採取し、停止プレートに加え、3分間ボルテックス操作を行い、反応を停止させた。5000×g、4℃の条件下で停止プレートを10分間遠心分離した。予め100μLの蒸留水を入れた96ウェルプレートに、100μLの上清を加え、均一に混合し、LC-MS/MSを用いてサンプルを分析した。
【0204】
データ分析:LC-MS/MSシステムによって対応する化合物および内部標準のピーク面積を検出し、化合物と内部標準のピーク面積の比を計算した。時間に対する化合物残存量の百分率の自然対数をプロットすることによって、傾きを測定して、以下の式に従ってt
1/2及びCL
intを計算した。ここで、V/Mは1/タンパク濃度に等しい。
【数1】
t
1/2(min);CL
int(μL/min/mg)
【0205】
本発明の化合物は、上記のヒト肝臓ミクロソーム実験で測定された結果、優れた代謝安定性を有することが見出された。代表的な実施例化合物の結果を以下の表3に示す。
【0206】
【0207】
上記の内容は、特定の好ましい実施形態を参照して本発明に対するさらなる詳細な説明であるが、本発明の実施形態がこれらの記載に限定されない。当業者にとって明らかであるように、本発明の精神から逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは、すべてが本発明の保護範囲内にあるとみなされるべきである。
[書類名]特許請求の範囲
[請求項1]
式(I)で表われる化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体バリアントであって、
[化1]
ただし、
環Aは、以下の構造:
[化2]
からなる群から選択され;
R
1
は、C
1-6
アルキル、C
3-7
シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10
アリール、または5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数のR
1a
で置換されていてもよく;
R
2
は、H、CN、NO
2
、OH、ハロゲン、C
1-6
アルキル、C
1-6
ハロアルキル、C
1-6
アルコキシ、またはC
1-6
ハロアルコキシからなる群から選択され;
Lは、-C(O)N(R
1b
)-、-N(R
1b
)C(O)-、または-N(R
1b
)C(O)N(R
1b
)-からなる群から選択され;
Bは、CHまたはNから選択され;
R
3
は、C
1-6
アルキル、またはC
1-6
ハロアルキルから選択され;
R
4
およびR
5
は、以下のように選択され、
1)R
5
はHであり、R
4
は、H、C
1-6
アルキル、-C
0-2
アルキレン-C
3-7
シクロアルキル、-C
0-2
アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、または-C
0-2
アルキレン-NR
1c
R
2c
からなる群から選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数のR
1d
で置換されていてもよく;或いは、
2)R
4
はHであり、R
5
は、H、または1つまたは複数のN、OまたはSのヘテロ原子を含む5~6員ヘテロアリール環から選択され、ここで、前記の5~6員ヘテロアリール環が1つまたは複数のR
1d
で置換されていてもよく;
各R
1a
は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、オキソ、-C
0-6
アルキレン-OR
a
、-C
0-6
アルキレン-NR
b
R
c
、-C
0-6
アルキレン-C(O)R
a
、-C
0-6
アルキレン-C(O)OR
a
、-C
0-6
アルキレン-C(O)NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル、C
1-6
ハロアルキル、-C
0-6
アルキレン-C
3-6
シクロアルキル、または-C
0-6
アルキレン-3~7員ヘテロシクリルからなる群から選択され;或いは、2つまたは2つ以上のR
1a
は、それらが連結している原子とともにC
3-7
シクロアルキル、または3~7員ヘテロシクリルを形成し;
各R
1b
は、それぞれ独立して、H、-C
0-6
アルキレン-OR
a
、-C
0-6
アルキレン-NR
b
R
c
、-C
0-6
アルキレン-C(O)R
a
、-C
0-6
アルキレン-C(O)OR
a
、-C
0-6
アルキレン-C(O)NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル、C
1-6
ハロアルキル、-C
0-6
アルキレン-C
3-6
シクロアルキル、または-C
0-6
アルキレン-3~7員ヘテロシクリルからなる群から選択され;或いは、2つまたは2つ以上のR
1b
は、それらが連結している原子とともにC
3-7
シクロアルキル、または3~7員ヘテロシクリルを形成し;
R
1c
およびR
2c
は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、-C
0-6
アルキレン-CN、-C
0-6
アルキレン-OR
a
、-C
0-6
アルキレン-SR
a
、-C
0-6
アルキレン-NR
b
R
c
、-C
0-6
アルキレン-C(O)R
a
、-C
0-6
アルキレン-C(O)OR
a
、-C
0-6
アルキレン-C(O)NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル、C
1-6
ハロアルキル、C
2-6
アルケニル、C
2-6
アルキニル、-C
0-6
アルキレン-C
3-6
シクロアルキル、-C
0-6
アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、-C
0-6
アルキレン-C
6-10
アリール、または-C
0-6
アルキレン-5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され;或いは、R
1c
、R
2c
は、それらが連結している窒素原子とともにC
3-7
シクロアルキル、または3~7員ヘテロシクリルを形成し;
各R
1d
は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、-C
0-6
アルキレン-CN、-C
0-6
アルキレン-OR
a
、-C
0-6
アルキレン-SR
a
、-C
0-6
アルキレン-NR
b
R
c
、-C
0-6
アルキレン-C(O)R
a
、-C
0-6
アルキレン-C(O)OR
a
、-C
0-6
アルキレン-C(O)NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル、C
1-6
ハロアルキル、C
2-6
アルケニル、C
2-6
アルキニル、-C
0-6
アルキレン-C
3-6
シクロアルキル、-C
0-6
アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、-C
0-6
アルキレン-C
6-10
アリール、または-C
0-6
アルキレン-5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され;或いは、2つまたは2つ以上のR
1d
は、それらが連結している原子とともにC
3-7
シクロアルキル、または3~7員ヘテロシクリルを形成し;
R
a
、R
b
およびR
c
は、独立して、H、C
1-6
アルキル、C
1-6
ハロアルキル、C
3-7
シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10
アリール、または5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され;
追加の条件は、前記化合物が以下の式で表れる構造を含まないことである、
[化3]
式(I)で表われる化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体バリアント。
[請求項2]
環Aが、
[化4]
である、
請求項1に記載の化合物。
[請求項3]
環Aが、
[化5]
である、
請求項1に記載の化合物。
[請求項4]
R
1
が、C
1-4
アルキル、C
4-6
シクロアルキル、または5~6員ヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数のR
1a
で置換されていてもよく;
好ましくは、R
1
が、メチル、エチル、イソプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、またはモルホリニルからなる群から選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数の-OHで置換されていてもよい、
請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物。
[請求項5]
R
2
がHまたはC
1-4
アルキルから選択され、R
3
がC
1-4
フッ化アルキルから選択され、Lが-C(O)N(R
1b
)-、-N(R
1b
)C(O)-、または-N(R
1b
)C(O)N(R
1b
)-から選択され、BがCHまたはNから選択され、ここで、R
1b
がHまたはC
1-4
アルキルから選択され;
好ましくは、R
2
がHまたはメチルから選択され、R
3
がトリフルオロメチルであり、Lが-C(O)NH-、-NHC(O)-、または-NHC(O)NH-から選択され、BがCHである、
請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物。
[請求項6]
R
5
がHであり、R
4
がH、C
1-6
アルキル、または-C
0-2
アルキレン-NR
1c
R
2c
から選択され;ここで、前記の基が1つまたは複数のR
1d
で置換されていてもよい、
請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物。
[請求項7]
R
4
がHである、
請求項6に記載の化合物。
[請求項8]
R
4
が-C
1-4
アルキルから選択され;
好ましくは、R
4
がメチル、エチル、イソプロピル、またはtert-ブチルから選択される、
請求項6に記載の化合物。
[請求項9]
R
4
が-CH
2
-NR
1c
R
2c
から選択され;ここで、R
1c
およびR
2c
がそれぞれ独立してC
1-6
アルキル、C
3-6
シクロアルキル、または3~7員ヘテロシクリルから選択され、或いは、R
1c
、R
2c
がそれらと連結している窒素原子とともにC
3-7
シクロアルキル、または5~6員ヘテロシクリルを形成し;
好ましくは、R
4
が以下の基:
[化6]
からなる群から選択される、
請求項6に記載の化合物。
[請求項10]
R
4
がHであり、R
5
がH、または1つまたは複数のNヘテロ原子を含む5~6員ヘテロアリール環から選択され;ここで、前記の5~6員ヘテロアリール環が1つまたは複数のR
1d
で置換されていてもよい、
請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物。
[請求項11]
R
5
が含1つまたは複数のNヘテロ原子を含む5員ヘテロアリール環から選択され、ここで、前記の5員ヘテロアリール環が1つまたは複数のR
1d
で置換されていてもよく;
好ましくは、R
5
がイミダゾリルで、1つまたは複数のR
1d
で置換されていてもよい、
請求項10に記載の化合物。
[請求項12]
前記の化合物が、式(III-a)で表われる化合物であって、
[化7]
ただし、
R
1
がC
1-4
アルキル、またはC
4-6
シクロアルキルから選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数の-OHで置換されていてもよく;
R
2
がHまたはC
1-4
アルキルから選択され;
R
4
がHまたはC
1-4
アルキルから選択され;
Lが-C(O)NH-、または-NHC(O)-から選択される、
請求項1~11のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体バリアント。
[請求項13]
前記の化合物が、式(III-b)で表われる化合物であって、
[化8]
ただし、
環Aが、以下の構造:
[化9]
からなる群から選択され;
R
1
がC
1-4
アルキル、またはC
4-6
シクロアルキルから選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数の-OHで置換されていてもよく;
R
2
がHまたはC
1-4
アルキルから選択され;
Lが-C(O)NH-、または-NHC(O)-から選択される、
請求項1~11のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体バリアント。
[請求項14]
前記の化合物が、式(III-c)で表われる化合物であって、
[化10]
ただし、
R
1
がC
1-4
アルキル、またはC
4-6
シクロアルキルから選択され、ここで、前記の基が1つまたは複数の-OHで置換されていてもよく;
R
2
がHまたはC
1-4
アルキルから選択され;
Lが-C(O)NH-、または-NHC(O)-から選択される、
請求項1~11のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体バリアント。
[請求項15]
前記の化合物が、
[化11]
[化12]
からなる群から選択される、
請求項1に記載の化合物。
[請求項16]
請求項1~15のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体バリアントと、
薬学的に許容される賦形剤とを含み、
好ましくは、他の治療剤をさらに含む、
医薬組成物。
[請求項17]
プロテインキナーゼ関連疾患を治療するための医薬品の調製における、請求項1~15のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体バリアントの使用。
[請求項18]
請求項1~15のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体バリアント、若しくは請求項16に記載の医薬組成物を、被験者に投与することを含む、被験者においてプロテインキナーゼ関連疾患を治療する方法。
[請求項19]
前記のプロテインキナーゼが、Ret(Reaaranged during transfection)、ABL1(E255K)-phosphorylated、ABL1(F317I)-nonphosphorylated、ABL1(F317I)-phosphorylated、ABL1(F317L)-nonphosphorylated、ABL1(F317L)-phosphorylated、ABL1(H396P)-nonphosphorylated、ABL1(H396P)-phosphorylated、ABL1(M351T)-phosphorylated、ABL1(Q252H)-nonphosphorylated、ABL1(Q252H)-phosphorylated、ABL1(T315I)-nonphosphorylated、ABL1(T315I)-phosphorylated、ABL1(Y253F)-phosphorylated、ABL1-nonphosphorylated、ABL1-phosphorylated、ABL2、ALK(L1196M)、AMPK-alpha1、AMPK-alpha2、ANKK1、AURKB、AURKC、AXL、BLK、BMX、BRAF、BRAF(V600E)、BRK、BTK、CAMK1、CAMKK1、CAMKK2、CDC2L1、CDC2L2、CDC2L5、CDK11、CDK2、CDK5、CDK7、CDK8、CDKL1、CDKL2、CDKL3、CHEK2、CIT、CLK1、CLK4、CSF1R、CSK、CTK、DDR1、DDR2、DLK、EGFR、EGFR(E746-A750del)、EGFR(G719C)、EGFR(G719S)、EGFR(L747-E749del、A750P)、EGFR(L747-S752del、P753S)、EGFR(L747-T751del、Sins)、EGFR(L858R)、EGFR(L858R、T790M)、EGFR(L861Q)、EGFR(S752-I759del)、EGFR(T790M)、EPHA1、EPHA2、EPHA3、EPHA4、EPHA5、EPHA6、EPHA7、EPHA8、EPHB1、EPHB2、EPHB4、EPHB6、ERBB2、ERBB4、ERK8、FAK、FER、FES、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR3(G697C)、FGFR4、FGR、FLT1、FLT3、FLT3(D835H)、FLT3(D835V)、FLT3(D835Y)、FLT3(ITD)、FLT3(ITD、D835V)、FLT3(ITD、F691L)、FLT3(K663Q)、FLT3(N841I)、FLT3(R834Q)、FLT4、FRK、FYN、GAK、GCN2(Kin.Dom.2、S808G)、HCK、HIPK4、HPK1、IKK-alpha、IKK-beta、IRAK1、IRAK4、ITK、JAK1(JH1domain-catalytic)、JAK2(JH1domain-catalytic)、JAK3(JH1domain-catalytic)、JNK1、JNK2、JNK3、KIT、KIT(A829P)、KIT(D816H)、KIT(D816V)、KIT(L576P)、KIT(V559D)、KIT(V559D、T670I)、KIT(V559D、V654A)、LCK、LIMK1、LIMK2、LOK、LRRK2、LRRK2(G2019S)、LTK、LYN、MAK、MAP3K2、MAP3K3、MAP4K2、MAP4K3、MAP4K4、MAP4K5、MEK5、MELK、MERTK、MET、MET(M1250T)、MINK、MKNK2、mLK1、mLK2、mLK3、MST1、MST1R、MST2、MUSK、MYLK2、MYO3A、MYO3B、NDR2、NEK1、NEK11、NEK4、NEK5、NEK9、NLK、p38-alpha、p38-beta、p38-delta、p38-gamma、PCTK2、PDGFRA、PDGFRB、PFCDPK1(P.falciparum)、PFTAIRE2、PFTK1、PKAC-alpha、PKAC-beta、PYK2、RAF1、RET、RET(M918T)、RET(V804L)、RET(V804M)、RIPK1、RIPK2、RIPK4、ROCK2、RPS6KA4(Kin.Dom.1-N-terminal)、RSK2(Kin.Dom.1-N-terminal)、RSK3(Kin.DoN-terminal)、S6K1、SIK、SLK、SRC、SRMS、SRPK1、STK33、STK35、STK36、SYK、TAK1、TAOK2、TAOK3、TEC、TESK1、TGFBR2、TIE1、TIE2、TNIK、TNK1、TNK2、TNNI3K、TRKA、TRKB、TRKC、TTK、TXK、TYK2(JH1domain-catalytic)、TYRO3、ULK3、VEGFR2、YES、YSK4、ZAK、ZAP70、またはFGFR(Fibroblast growth factor receptor)からなる群から選択される、
請求項17に記載の使用、または請求項18に記載の方法。