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特許7162384電池パック及びそれを備える歩行ロボット
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  • 特許-電池パック及びそれを備える歩行ロボット 図1
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  • 特許-電池パック及びそれを備える歩行ロボット 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-20
(45)【発行日】2022-10-28
(54)【発明の名称】電池パック及びそれを備える歩行ロボット
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/244 20210101AFI20221021BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20221021BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20221021BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20221021BHJP
   H01M 10/6562 20140101ALI20221021BHJP
   H01M 50/50 20210101ALI20221021BHJP
   H01M 50/507 20210101ALI20221021BHJP
   H01M 50/296 20210101ALI20221021BHJP
   H01M 50/271 20210101ALI20221021BHJP
   H01M 50/213 20210101ALI20221021BHJP
   H01M 50/298 20210101ALI20221021BHJP
【FI】
H01M50/244 A
H01M50/204 101
H01M50/284
H01M10/613
H01M10/6562
H01M50/50 101
H01M50/507
H01M50/296
H01M50/271 S
H01M50/271 B
H01M50/213
H01M50/298
H01M50/204 401H
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021552561
(86)(22)【出願日】2020-02-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-11
(86)【国際出願番号】 CN2020076439
(87)【国際公開番号】W WO2020186972
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-09-03
(31)【優先権主張番号】201920350714.3
(32)【優先日】2019-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521161428
【氏名又は名称】杭州宇▲樹▼科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王▲興▼▲興▼
【審査官】村岡 一磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-203660(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0221654(US,A1)
【文献】特開2001-239479(JP,A)
【文献】中国実用新案第208433452(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
H01M 10/613
H01M 10/6562
H01M 50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池パックパネル(8)とスライダ(1)とを含む電池パックであって、
前記スライダ(1)はタブ(2)を含み、前記電池パックパネル(8)の両側にそれぞれキャビティが設けられ、前記スライダ(1)は前記キャビティ内を摺動可能であり、前記スライダ(1)と前記電池パックパネル(8)との間に弾性素子(12)が設けられ、
前記弾性素子(12)による弾性力により前記スライダ(1)を前記キャビティの一側に当接させると、前記タブ(2)が前記電池パックパネル(8)の外側に突き出され、
外力により前記弾性素子(12)による弾性力を克服して前記スライダ(1)を前記キャビティの他側に近接させると、前記タブ(2)が前記電池パックパネル(8)内に引っ込む、ことを特徴とする電池パック。
【請求項2】
前記タブ(2)は楔状であり、前記楔状タブ(2)の斜面が前記電池パックの底部を向いていることを特徴とする、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
シールリングと電池パックケーシング(3)とを更に含み、
前記電池パックケーシング(3)又は前記電池パックパネル(8)は前記シールリングが取り付けられる封止溝(11)を有し、前記シールリングを前記封止溝(11)内に取り付けた場合、前記シールリングの縁が前記封止溝(11)から突出していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電池パック。
【請求項4】
内部に設けられる組電池(5)と母線(10)とを更に含み、
前記組電池(5)の両端には、第一導電部(14)と第二導電部(15)とを含む導電ラック(13)がそれぞれ設けられ、前記第一導電部(14)が前記組電池(5)の端部に電気的に接続され、前記第二導電部(15)が前記母線(10)に電気的に接続され、つまり、前記第二導電部(15)が一列として前記母線(10)において対向して設けられ、前記母線(10)が前記組電池(5)の側部に設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の電池パック。
【請求項5】
電源管理ユニットとインタフェースボードとを更に含み、
前記母線(10)と前記インタフェースボードはそれぞれ前記電源管理ユニットに電気的に接続されていることを特徴とする、請求項4に記載の電池パック。
【請求項6】
前記電池パックケーシング(3)に固定接続される電池パック底板(4)を更に含み、前記電源管理ユニットと前記母線(10)は順に前記電池パックパネル(8)と前記組電池(5)の側部との間に設けられ、前記インタフェースボードは前記電池パック底板(4)と前記組電池(5)の側部との間に設けられていることを特徴とする、請求項5に記載の電池パック。
【請求項7】
動力ケーブル(9)を更に含み、前記インタフェースボードは前記動力ケーブル(9)を介して前記電源管理ユニットに電気的に接続されていることを特徴とする、請求項6に記載の電池パック。
【請求項8】
前記電池パックケーシング(3)における対向する両側面に放熱・通気孔(18)が設けられていることを特徴とする、請求項7に記載の電池パック。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の電池パックを備えてなる、ことを特徴とする歩行ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電池パックに関し、特に歩行ロボット用の電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、歩行ロボットが歩行する環境は複雑であり、でこぼこな路面を歩行する場合、胴体内の部品が大きく振動するので、それらを確実に固定しておかなければならないが、胴体内の電池パックは頻繁に取り外されて充電されるために、容易に取り外す需要も生じ、そのため、胴体内の電池パックは確実に固定されながら容易に取り外され得る構造が求められている。
【0003】
さらには、電池パックをロボット胴体内に取り付けた場合に液体が胴体内に入るのを防止するために、電池パックと胴体との結合箇所に防水構造が必要となる一方、電池パックを取り外す場合にこの防水構造により電池パックを取り外しにくくなることは許容されないので、電池パックは封止・防水性を有するとともに、容易に取り外し得る構造が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】(特になし)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術の問題点を克服するために、確実に固定されながら容易に取り外され得る電池パックを提供することをその一つの目的とする。
本発明は、封止・防水性を有するとともに、容易に取り外し得る電池パックを提供することをもう一つの目的とする。
【0006】
本発明は、上記電池パックを備える歩行ロボットを提供することを更なる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、その一つの目的を解決する手段として、
電池パックパネルとスライダとを含み、前記スライダはタブを含み、前記電池パックパネルの両側にそれぞれキャビティが設けられ、前記スライダは前記キャビティ内を摺動可能であり、前記スライダと前記電池パックパネルとの間に弾性素子が設けられ、
前記弾性素子による弾性力により前記スライダを前記キャビティの一側に当接させると、前記タブが前記電池パックパネルの外側に突き出され、外力により前記弾性素子による弾性力を克服して前記スライダを前記キャビティの他側に近接させると、前記タブが前記電池パックパネル内に引っ込む、電池パックを開示する。
【0008】
上記解決手段では、スライダとタブ構造の連携によれば、電池パックをロボット胴体内に入れた場合、タブは弾性素子による弾性力で電池パックの外側に突き出されて突出状態に保持するようになり、ロボット胴体内と係止でき、さらには電池パックを確実にロボット胴体内に固定することが達成される。また、電池パックを取り出して充電や保守を行うことが必要になる場合、スライダに力を加えることで弾性素子の弾性力を克服してスライダを移動させ、さらにタブを電池パックパネル内に引っ込めれば、電池パックを容易にロボット胴体内から取り出すことができる。この解決手段によれば、電池パックは確実に胴体内に固定されながら取り出されやすくなる。
【0009】
さらには、前記タブは楔状であり、前記楔状タブの斜面が前記電池パックの底部を向いている。タブを楔状に設計しその斜面を電池パックの底部に向けることで、ロボット胴体内へ電池パックを入れてタブが胴体に接触した場合、胴体によりタブの斜面へ力を加えてタブを電池パックパネル内に引っ込めることができ、容易に電池パックを入れ得るようになり、また、電池パックを胴体内に入れた場合、タブの斜面が胴体から離れ、弾性素子による弾性力でタブが押し出されることで、電池パックの固定は図られている。
【0010】
本発明では、そのもう一つの目的を解決する手段として、
電池パックはシールリングと電池パックケーシングとをさらに含み、前記電池パックケーシング又は前記電池パックパネルは前記シールリングが取り付けられる封止溝を有し、前記シールリングを前記封止溝内に取り付けた場合、前記シールリングの縁が前記封止溝から突出している。シールリングを封止溝から突出させることで、電池パックをロボットの胴体内に入れた場合、シールリングがロボット胴体に密着するようになって封止が図られ、電池パックを取り出す場合にシールリングが胴体から離れ、取出しが容易である。
【0011】
さらには、前記電池パックはその内部に設けられる組電池と母線とをさらに含み、前記組電池の両端には第一導電部と第二導電部とを含む導電ラックがそれぞれ設けられ、前記第一導電部が前記組電池の端部に電気的に接続され、前記第二導電部が前記母線に電気的に接続され、つまり、前記第二導電部が一列として前記母線において対向して設けられ、前記母線が前記組電池の側部に設けられる。母線を組電池の側部に位置させることで、組電池の両端のそれぞれから母線までの距離を最も短くし、組電池の電極間を接続する導電ラックの第一導電部がそのまま母線に電気的に接続可能になり、最直接の配線と最短の配線距離だけにより母線と組電池の接続が実現でき、冗長となるリード線がなくなり、電池パック内の構造がよりコンパクトかつ確実になる。
【0012】
さらには、前記電池パックは電源管理ユニットとインタフェースボードとを更に含み、前記母線と前記インタフェースボードはそれぞれ前記電源管理ユニットに電気的に接続される。電源管理ユニットは電源管理盤を含み、主に組電池を制御し管理するために用いられ、インタフェースボードは主に電池パックの充放電に用いられる。インタフェースボードは実際の需要に応じて電池パックの他の側に設けられてもよい。
【0013】
この解決手段では、電池パックに導電ラックと母線を設けることで、組電池を導電ラックを介して母線に統合してから電源管理ユニットに接続させるようになり、母線の設計により、電池パック内の構造がコンパクトになって統合度が高くなり、そして、単電池のリード線が互いに干渉することがなくなり、電池パックに故障が発生しにくいとともに、電池パックの取付けや保守が容易になる。
【0014】
さらには、前記電池パックは前記電池パックケーシングに固定接続される電池パック底板をさらに含み、前記電源管理ユニットと前記母線は順に前記電池パックパネルと前記組電池の側部との間に設けられ、前記インタフェースボードは前記電池パック底板と前記組電池の側部との間に設けられる。電源管理ユニットを電池パックパネルの側に設けることで、電源管理ユニットにおけるボタンや指示灯等は直接電池パックパネルに接続可能となる。電源管理盤と母線を平行に重ね合わせることで、構造がコンパクトになって占有スペースが少なくなり、相互間の電気接続もより簡単かつ容易になって確実なものとなる。
【0015】
さらには、前記電池パックは動力ケーブルをさらに含み、前記インタフェースボードは前記動力ケーブルを介して前記電源管理ユニットに電気的に接続される。
【0016】
さらには、前記電池パックケーシングにおける対向する両側面に放熱・通気孔が設けられる。放熱・通気孔を設けることで、組電池の使用による熱を素早く逃がすことができ、電池パック内の熱の堆積により局所温度が高すぎになって故障が発生することはなくなり、大電流の充放電に役立つ。
【0017】
本発明では、そのさらなる目的を解決する手段として、上記電池パックを備える歩行ロボットを開示する。
【発明の効果】
【0018】
1.本発明によれば、スライダ構造を設けることで、電池パックをロボット胴体内に入れた場合、タブは弾性素子による弾性力で電池パックの外側に突き出されて突出状態に保持されるようになり、ロボット胴体内と係止でき、さらには電池パックを確実にロボット胴体内に固定することが達成される。また、電池パックを取り出して充電や保守を行うことが必要になる場合、スライダに力を加えることで弾性素子の弾性力を克服してスライダを移動させ、さらにタブを電池パックパネル内に引っ込めれば、電池パックを容易にロボット胴体内から取り出すことができる。この解決手段によれば、電池パックは確実に胴体内に固定されながら取り出されやすくなる。
【0019】
2.本発明によれば、封止構造を設けてそのシールリングを封止溝から突出させることで、電池パックをロボット胴体内に入れた場合、シールリングがロボット胴体に密着するようになって封止が図られ、電池パックを取り出す場合にシールリングが胴体から離れ、取出しが容易である。
【0020】
3.本発明による歩行ロボットは電池パックを有し、電池パックにスライダ構造を設けることで、電池パックをロボット胴体内に入れた場合、タブは弾性素子による弾性力で電池パックの外側に突き出されて突出状態に保持されるようになり、ロボット胴体内と係止でき、さらには電池パックを確実にロボット胴体内に固定することが達成される。また、電池パックを取り出して充電や保守を行うことが必要になる場合、スライダに力を加えることで弾性素子の弾性力を克服してスライダを移動させ、さらにタブを電池パックパネル内に引っ込めれば、電池パックを容易にロボット胴体内から取り出すことができる。この解決手段によれば、電池パックは確実に胴体内に固定されながら取り出されやすくなる。
【0021】
以下、図面と具体的な実施形態に合わせて本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の全体構造模式図(斜視図)である。
図2】本発明を一部破断して示す半断面図(斜視図)である。
図3】本発明による電池パックパネルの上面図である。
図4】本発明の図3のA-A断面の断面図である。
図5】本発明による内部組電池の分解図(斜視図)である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面及び具体的な実施形態に合わせて本発明をさらに述べるが、互いに矛盾しない限り、以下に記述する各実施例や各技術的特徴を任意に組み合わせて新しい実施例とすることがきるのは了解されたい。
【0024】
二つの素子を「固定接続」する場合、二つの素子をそのまま又は他の素子を介して接続してもよい。逆に、素子が「そのまま」別の素子「にある」場合、他の素子を介するものではないことは了解されたい。別途定義していない限り、本願において使用されるすべての技術と科学用語は当業者が通常理解している意味と同じである。本願において使用される用語は、単に具体的な実施例を記述するためのものであり、本発明を制限することを旨とするものではない。
【0025】
図1から図5に示されるように、電池パックは、電池パックパネル8とスライダ1とを含む。電池パックパネル8には電源ボタン6と電池残量指示灯7が設けられ、スライダ1はタブ2を含み、前記電池パックパネル8の両側にそれぞれキャビティが設けられ、前記スライダ1は前記キャビティ内を摺動可能である。前記スライダ1と前記電池パックパネル8との間に弾性素子12が設けられており、前記弾性素子12による弾性力により前記スライダ1を前記キャビティの一側に当接させると、前記タブ2が前記電池パックパネル8の外側に突き出され、外力により前記弾性素子12による弾性力を克服して前記スライダ1を前記キャビティの他側に近接させると、前記タブ2が前記電池パックパネル8内に引っ込む。
【0026】
上記解決手段では、スライダ1とタブ2構造の連携によれば、電池パックをロボット胴体内に入れた場合、タブ2は弾性素子12による弾性力で電池パックの外側に突き出されて突出状態に保持されるようになり、ロボット胴体内と係止でき、さらには電池パックを確実にロボット胴体内に固定することが達成される。また、電池パックを取り出して充電や保守を行うことが必要になる場合、スライダ1に力を加えることで弾性素子12の弾性力を克服してスライダ1を移動させ、さらにタブ2を電池パックパネル8内に引っ込めれば、電池パックを容易にロボット胴体内から取り出すことができる。この解決手段によれば、電池パックは確実に胴体内に固定されながら取り出されやすくなる。
【0027】
本発明によるタブ2の形状を考えた実施例
タブ2は楔状であり、前記楔状タブ2の斜面が前記電池パックの底部を向いている(図4参照)。タブ2を楔状に設計することで、ロボット胴体内へ電池パックを入れてタブ2が胴体に接触した場合、胴体によりタブ2の斜面へ力を加えてタブ2を電池パックパネル8内に引っ込めることができ、容易に電池パックを入れ得るようになる。また、電池パックを胴体内に入れた場合、タブ2の斜面が胴体から離れ、弾性素子12による弾性力でタブ2が押し出されることで、電池パックの固定は図られる。そして、タブ2の斜面を電池パックの底部に向けることで、斜面は常に電池パックを胴体に入れる方向を向くようになり、電池パックを胴体に入れる場合、胴体によりタブ2へ電池パックパネル8内に引っ込む力を与えることが可能になる。
【0028】
本発明による封止溝11を設けた実施例
電池パックはシールリングと電池パックケーシング3とをさらに含み、電池パックケーシング3又は電池パックパネル8には前記シールリングが取り付けられる封止溝11(図2参照)が開口され、前記シールリングを前記封止溝11内に取り付けた場合、前記シールリングの縁が前記封止溝11から突出している。シールリングを封止溝11から突出させることで、電池パックをロボットの胴体内に入れた場合、シールリングがロボット胴体に密着するようになって封止が図られ、外部液体が胴体内に入ることは防止され、電池パックを取り出す場合にシールリングが胴体から離れ、取出しが容易である。
【0029】
本発明による母線10と導電ラック13を設けた実施例
電池パックはその内部に設けられる組電池5と母線10とをさらに含み(図5参照)、前記組電池5の両端には、第一導電部14と第二導電部15とを含む導電ラック13がそれぞれ設けられている。前記第一導電部14が前記組電池5の端部に電気的に接続され、前記第二導電部15が前記母線10に電気的に接続され、つまり、前記第二導電部15が一列として前記母線10において対向して設けられ、前記母線10が前記組電池5の側部に設けられる。母線10を組電池5の側部に位置させることで、組電池5の両端のそれぞれから母線10までの距離を最も短くし、組電池5の電極間を接続する導電ラック13の第一導電部14がそのまま母線10に電気的に接続可能になり、最直接の配線と最短の配線距離だけにより母線10と組電池5の接続が実現でき、冗長となるリード線がなくなり、電池パック内の構造がよりコンパクトかつ確実になる。
【0030】
本発明による電源管理ユニットとインタフェースボードを設けた実施例
電池パックは電源管理ユニットとインタフェースボードとをさらに含み、母線10とインタフェースボードはそれぞれ前記電源管理ユニットに電気的に接続される。電源管理ユニットは電源管理盤を含み、主に組電池5を制御し管理するために用いられ、インタフェースボードは主に電池パックの充放電に用いられる。インタフェースボードは実際の需要に応じて電池パックの他の側に設けられてもよい。この解決手段では、電池パックに導電ラック13と母線10を設けることで、組電池5を導電ラック13を介して母線10に統合してから電源管理ユニットに接続させるようになり、母線10の設計により、電池パック内の構造がコンパクトになって統合度が高くなり、そして、単電池のリード線が互いに干渉することがなくなり、電池パックに故障が発生しにくいとともに、電池パックの取付けや保守が容易になる。
【0031】
本発明による動力ケーブル9と放熱・通気孔18を設けた実施例
電池パックは前記電池パックケーシング3に固定接続される電池パック底板4をさらに含み、前記電源管理ユニットと前記母線10は順に前記電池パックパネル8と前記組電池5の側部との間に設けられ、前記インタフェースボードは前記電池パック底板4と前記組電池5の側部との間に設けられる。電源管理ユニットを電池パックパネル8の側に設けることで、電源管理ユニットにおけるボタンや指示灯等は直接電池パックパネル8に接続可能となる。電源管理盤と母線10を平行に重ね合わせることで、構造がコンパクトになって占有スペースが少なくなり、相互間の電気接続もより簡単かつ容易になって確実なものとなる。電池パックは動力ケーブル9(図5参照)をさらに含み、前記インタフェースボードは前記動力ケーブル9を介して前記電源管理ユニットに電気的に接続される。
電池パックケーシング3における対向する両側面に放熱・通気孔18(図1参照)が設けられる。放熱・通気孔18を設けることで、組電池5の使用による熱を素早く逃がすことができ、電池パック内の熱の堆積により局所温度が高すぎになって故障が発生することはなくなり、大電流の充放電に役立つ。
【0032】
本発明は、上記電池パックを備える歩行ロボットをさらに提供する。
【0033】
上記の説明は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、それにより本発明の保護範囲を制限するべきではなく、本発明に基づいて当業者によりなされるあらゆる非実質的な変形及び置換は本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0034】
1…スライダ、
2…タブ、
3…電池パックケーシング、
4…電池パック底板、
5…組電池、
6…電源ボタン、
7…電池残量指示灯、
8…電池パックパネル、
9…動力ケーブル、
10…母線、
11…封止溝、
12…弾性素子、
13…導電ラック、
14…第一導電部、
15…第二導電部、
18…放熱・通気孔。
図1
図2
図3
図4
図5