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特許7162393圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-20
(45)【発行日】2022-10-28
(54)【発明の名称】圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニット
(51)【国際特許分類】
   F25B 1/00 20060101AFI20221021BHJP
   F25B 29/00 20060101ALI20221021BHJP
   F28D 7/16 20060101ALI20221021BHJP
   B01D 53/26 20060101ALI20221021BHJP
【FI】
F25B1/00 399Y
F25B29/00 391A
F28D7/16 D
B01D53/26 100
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022144993
(22)【出願日】2022-09-13
【審査請求日】2022-09-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000103921
【氏名又は名称】オリオン機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128794
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 庸悟
(72)【発明者】
【氏名】月原 司紗
(72)【発明者】
【氏名】木下 英一
【審査官】西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】特公昭62-18210(JP,B2)
【文献】特開2004-216212(JP,A)
【文献】特開平7-174426(JP,A)
【文献】特開2011-005374(JP,A)
【文献】特開平5-259676(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/26
F25B 1/00
F25B 29/00
F28D 7/00 - 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気が導入される圧縮空気入口並びに除湿された圧縮空気が排出される圧縮空気出口が設けられた圧力容器としての装置筐体、及び該装置筐体の内部に冷却水源から供給される冷却水を流通させる管路であって圧縮空気を冷却して圧縮空気中の水分を結露させるように配された圧縮空気冷却用の冷却水配管を備える圧縮空気除湿装置と、
前記冷却水源から供給される冷却水によって冷水用熱交換器を介して冷却された冷水を、被冷水供給部へ供給するように、前記冷水用熱交換器で冷却された冷水が貯留される冷水用水槽、及び該冷水用水槽に貯留された冷水を圧送するように設置された冷水圧送ポンプを備える冷水供給装置と、
を具備する圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニットであって、
前記圧縮空気出口から延長される圧縮空気の出口流路に接続されて設けられ、前記冷水圧送ポンプのポンプモータから発生する排熱によって圧縮空気を加熱することで前記圧縮空気除湿装置によって冷却された圧縮空気を再熱するように、前記ポンプモータに隣接して配される再熱用流路が設けられた圧縮空気再熱器を具備することを特徴とする圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニット。
【請求項2】
前記圧縮空気再熱器は、前記再熱用流路が、前記ポンプモータの周囲を取り巻く形態に設けられると共に、複数の熱交換用分岐管によって分岐された形態に設けられている再熱器本体部を備えることを特徴とする請求項1記載の圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニット。
【請求項3】
前記再熱器本体部は、前記複数の熱交換用分岐管が、該複数の熱交換用分岐管よりも圧縮空気の流れの上流側に設けられて前記ポンプモータの回転軸と平行に配された直管状の上流配管部と、前記複数の熱交換用分岐管よりも圧縮空気の流れの下流側に設けられて前記ポンプモータの回転軸と平行に配された直管状の下流配管部との間に、U字状に形成されて並列に配されていることで設けられていることを特徴とする請求項2記載の圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニット。
【請求項4】
前記ポンプモータの回転軸が、実質的に鉛直方向に沿って上下方向に延びる状態に配され、前記複数の熱交換用分岐管が、実質的に水平面と平行に引き回された状態に配されていることを特徴とする請求項3記載の圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニット。
【請求項5】
前記ポンプモータは、該ポンプモータの回転軸の上端部に固定されて同軸に回転することで下降空気流を発生させる内蔵冷却ファンを備えていること特徴とする請求項4記載の圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニット。
【請求項6】
前記圧縮空気再熱器が、前記ポンプモータと該ポンプモータを取り巻くように配された前記再熱器本体部とを内蔵するように設けられた内蔵箱を備えることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニット。
【請求項7】
前記内蔵箱を構成する壁板部に、該内蔵箱内の空気を換気する再熱器排気ファンが設けられていることを特徴とする請求項6記載の圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニット。
【請求項8】
前記熱交換用分岐管がスパイラル管によって設けられていることを特徴とする請求項7記載の圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却水源から供給される冷却水の冷却作用を共通して用いる圧縮空気除湿装置と冷水供給装置とを備えてユニット化された圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の圧縮空気除湿装置としては、圧縮空気を導入する導入口と、導入口から導入された圧縮空気を冷却させて圧縮空気内の水分を結露させて圧縮空気を除湿する冷却部と、冷却部で除湿された圧縮空気を排気する排気口とを有する除湿装置本体と、除湿装置本体内部の冷却部に配置された蒸発器、並びに除湿装置本体の外部に配置された圧縮機、凝縮器および膨張弁を有し、蒸発器、圧縮機、凝縮器、膨張弁の順に冷媒を循環させる冷却回路とを具備する圧縮空気除湿装置において、排気口から排気された圧縮空気を、冷却回路の放熱を利用して加熱させる再熱器を備える(特許文献1参照)ものが、本出願人によって提案されている。
【0003】
また、従来から冷水供給装置としては、冷却水源(一次冷水供給装置)から供給される冷却水によって冷水用熱交換器を介して冷却された冷水を、被冷水供給部(被冷却体)へ供給するように、前記冷水用熱交換器で冷却された冷水が貯留される冷水用水槽(タンク)、及び該冷水用水槽(タンク)に貯留された冷水を圧送するように設置された冷水圧送ポンプを備える(特許文献2参照)ものが開示されている。
【0004】
従来、圧縮空気除湿装置及び冷水供給装置の両装置を、一つのケーシング内や一つのパッケージとして配置してユニット化し、圧縮空気除湿装置付きの冷水供給装置を構成したものはない。なお、例えば、近年の精密な製品を製造する生産工場では、工作機械をチラーで冷却して所定の温度に維持することや、所要の温湿度に調整された圧縮空気を工作機械に供給することで、精度の高い加工を実現させている。このため、圧縮空気除湿装置及び冷水供給装置の両装置が、同一の生産工場に設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-005374号公報(第1頁)
【文献】特開平5-259676号公報(図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニットに関して解決しようとする問題点は、従来、圧縮空気除湿装置と冷水供給装置とは、冷却水源から供給される冷却水による冷却作用を共通して用いる場合であっても、別々に設けられており、相互作用によってエネルギー消費を低減できるように、合理的に組み込んでユニット化することが提案されていないことにある。
【0007】
そこで本発明の目的は、冷却水源から供給される冷却水による冷却作用を共通して用いる圧縮空気除湿装置と冷水供給装置とを、相互作用によってエネルギー消費を低減できるように、合理的に組み込んでユニット化することができる圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明に係る圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニットの一形態によれば、圧縮空気が導入される圧縮空気入口並びに除湿された圧縮空気が排出される圧縮空気出口が設けられた圧力容器としての装置筐体、及び該装置筐体の内部に冷却水源から供給される冷却水を流通させる管路であって圧縮空気を冷却して圧縮空気中の水分を結露させるように配された圧縮空気冷却用の冷却水配管を備える圧縮空気除湿装置と、前記冷却水源から供給される冷却水によって冷水用熱交換器を介して冷却された冷水を、被冷水供給部へ供給するように、前記冷水用熱交換器で冷却された冷水が貯留される冷水用水槽、及び該冷水用水槽に貯留された冷水を圧送するように設置された冷水圧送ポンプを備える冷水供給装置と、を具備する圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニットであって、前記圧縮空気出口から延長される圧縮空気の出口流路に接続されて設けられ、前記冷水圧送ポンプのポンプモータから発生する排熱によって圧縮空気を加熱することで前記圧縮空気除湿装置によって冷却された圧縮空気を再熱するように、前記ポンプモータに隣接して配される再熱用流路が設けられた圧縮空気再熱器を具備する。
【0009】
また、本発明に係る圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニットの一形態によれば、前記圧縮空気再熱器は、前記再熱用流路が、前記ポンプモータの周囲を取り巻く形態に設けられると共に、複数の熱交換用分岐管によって分岐された形態に設けられている再熱器本体部を備えることを特徴とすることができる。
【0010】
また、本発明に係る圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニットの一形態によれば、前記再熱器本体部は、前記複数の熱交換用分岐管が、該複数の熱交換用分岐管よりも圧縮空気の流れの上流側に設けられて前記ポンプモータの回転軸と平行に配された直管状の上流配管部と、前記複数の熱交換用分岐管よりも圧縮空気の流れの下流側に設けられて前記ポンプモータの回転軸と平行に配された直管状の下流配管部との間に、U字状に形成されて並列に配されていることで設けられていることを特徴とすることができる。
また、本発明に係る圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニットの一形態によれば、前記ポンプモータの回転軸が、実質的に鉛直方向に沿って上下方向に延びる状態に配され、前記複数の熱交換用分岐管が、実質的に水平面と平行に引き回された状態に配されていることを特徴とすることができる。
【0011】
また、本発明に係る圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニットの一形態によれば、前記ポンプモータは、該ポンプモータの回転軸の上端部に固定されて同軸に回転することで下降空気流を発生させる内蔵冷却ファンを備えていることを特徴とすることができる。
【0012】
また、本発明に係る圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニットの一形態によれば、前記圧縮空気再熱器が、前記ポンプモータと該ポンプモータを取り巻くように配された前記再熱器本体部とを内蔵するように設けられた内蔵箱を備えることを特徴とすることができる。
また、本発明に係る圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニットの一形態によれば、前記内蔵箱を構成する壁板部に、該内蔵箱内の空気を換気する再熱器排気ファンが設けられていることを特徴とすることができる。
【0013】
また、本発明に係る圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニットの一形態によれば、前記熱交換用分岐管がスパイラル管によって設けられていることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニットによれば、冷却水源から供給される冷却水による冷却作用を共通して用いる圧縮空気除湿装置と冷水供給装置とを、相互作用によってエネルギー消費を低減できるように、合理的に組み込んでユニット化することができるという特別有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニットの形態例を模式的に示すシステム構成図である。
図2】本発明に係る圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニットの構成要素である圧縮空気再熱器及び冷水供給装置の一部の形態例を模式的に説明する正面側から見た縦断面模式図である。
図3図2に示した圧縮空気再熱器を上面側から見た水平(横)断面模式図である。
図4図2の右側面側から見た縦断面模式図である。
図5】本発明に係る圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニットであって、ポンプモータ冷却用の冷却水配管は設置されていない形態例を示す斜視図である。
図6図5の右側面側から見た斜視図である。
図7図5の背面側及び右側面側から見た斜視図である。
図8図5に示した形態例の要部である圧縮空気再熱器及び冷水圧送ポンプを示す再熱器排気ファン及び点検盤が設けられた側から見た斜視図である。
図9図5に示した形態例の要部である圧縮空気再熱器及び冷水圧送ポンプを示す点検盤及び吸気口が設けられた側から見た斜視図である。
図10図5に示した形態例の要部である圧縮空気再熱器及び冷水圧送ポンプを示す分解斜視図である。
図11図8に示した形態例の状態から内蔵箱を除いた再熱器本体及び冷水圧送ポンプを示す斜視図である。
図12図9に示した形態例の状態からの内蔵箱を除いた再熱器本体及び冷水圧送ポンプを示す斜視図である。
図13図11又は図12に示した形態例の上面側から見た斜視図である。
図14図1に示した構成例に対応する3つの熱交換器(再熱器、1次熱交、2次熱交)によって生じる熱量分布を説明するチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニットの形態例を、添付図面(図1~14)に基づいて詳細に説明する。
【0017】
本発明に係る圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニットとは、冷却水源10の冷却作用を共通して用いる圧縮空気除湿装置20とチラーとしての冷水供給装置30とを、例えば一つのパッケージに組み込んでユニット化を図り、装置設備の設置床面積を狭くしてコンパクト化を実現できると共に、相互作用によってエネルギー消費の低減など、複合化によるメリットを得ることができるように構成されている。なお、冷却水源10の例としては、水の気化熱を利用することなどで循環する水を冷却するクーラント方式の冷却装置(外気吸熱又は外気放熱型冷却塔)、冷凍サイクルを利用することで循環する水を冷却する冷凍サイクル冷却装置、地下水などの天然の水資源を利用するものを挙げることができる。また、冷却水源10は、一つによって構成されることに限定されず、複数によって構成されてもよい。
【0018】
本発明に係る圧縮空気除湿装置20は、圧縮空気が導入される圧縮空気入口21並びに除湿された圧縮空気が排出される圧縮空気出口22が設けられた圧力容器としての装置筐体23、及び、その装置筐体23の内部に冷却水源10から供給される冷却水を流通させる管路であって圧縮空気を冷却して圧縮空気中の水分を結露させるように配された圧縮空気冷却用の冷却水配管25を備えている。
【0019】
そして、本形態例の圧縮空気除湿装置20では、図1に示すように、内蔵再熱器部27と水冷式冷却部28とが装置筐体23に内蔵されており、圧縮空気入口21から導入(AIR IN)された圧縮空気を、内蔵再熱器部27で一次的に冷却し、水冷式冷却部28で二次的に冷却する構造になっている。また、この内蔵再熱器部27では、水冷式冷却部28で冷却して露点(DP)を下げた圧縮空気を再熱し、その相対湿度(RH)を下げることができる。なお、この再熱によれば、再結露防止や空気量を増大できる効果もある。
【0020】
すなわち、この内蔵再熱器部27には、圧縮空気入口21から導入された圧縮空気を一次的に冷却して水冷式冷却部28へ流通させるための一次側圧縮空気流路27aと、その一次側圧縮空気流路27aと交錯して熱交換するように設けられて水冷式冷却部28で冷却された圧縮空気を再熱して圧縮空気出口22へ流通させるように設けられた二次側圧縮空気流路27bとが設けられている。
【0021】
また、本形態例の水冷式冷却部28では、圧縮空気冷却用の冷却水配管25の一部分であって、熱交換部となっている圧縮空気冷却用の冷却水配管25の折り返し先端部25aが内蔵されている。そして、この水冷式冷却部28に配されている圧縮空気冷却用の冷却水配管25には、熱交換の効率を高めるように、熱交換用フィン25bが装着されている。この圧縮空気冷却用の冷却水配管25によれば、その装置筐体23の内部に冷却水源10から供給される冷却水を流通させることで、導入された圧縮空気を冷却して圧縮空気中の水分を結露させて除湿し、その露点を下げることができる。
【0022】
なお、水冷式冷却部28で結露して発生した結露水(ドレン水)は、装置筐体23に連結されたドレン管29及びドレン開閉弁29aを介してドレン排水口29bから排水されるように設けられている。また、装置筐体23の一端部側に設けられた連通部23aは、水冷式冷却部28の圧縮空気水冷流路28aと二次側圧縮空気流路27bとを連通させるための流路空間になっている。また、装置筐体23の他端部側に設けられた出口連通部23bは、二次側圧縮空気流路27bと圧縮空気出口22とを連通させるための流路空間になっている。
【0023】
本発明に係る冷水供給装置30は、冷却水源10から供給される冷却水によって冷水用熱交換器34を介して冷却される冷水を、被冷水供給部80へ供給するように、冷水用熱交換器34で冷却された冷水が貯留される冷水用水槽40、及び、その冷水用水槽40の冷水を圧送する(図2に示した太い黒線の矢印を参照)ように設置された冷水圧送ポンプ31を備えるものである。図2に示すように、冷水用水槽40に貯留された冷水100に、吸込口31aが入った状態となるように、冷水圧送ポンプ31が設置されている。なお、本形態例では、水冷するため被冷水供給部80へ供給された冷水が、冷水用熱交換器34を流れて冷却されて冷水用水槽40に戻されるように、冷水循環水路が設けられており、冷水圧送ポンプ31を作動することで冷水を循環させることができる構成になっている。
【0024】
そして、本発明によれば、圧縮空気出口22から延長される圧縮空気出口流路24に接続されて設けられ、冷水圧送ポンプ31のポンプモータ32から発生する排熱によって圧縮空気を加熱することで圧縮空気除湿装置20によって冷却された圧縮空気を再熱するように、ポンプモータ32に隣接して配される再熱用流路50aが設けられた圧縮空気再熱器50を具備する。なお、その圧縮空気再熱器50で再熱された圧縮空気は、製品圧縮空気として製品圧縮空気排出口55から排出(AIR OUT)される。また、圧縮空気再熱器50では、ポンプモータ2の排熱が冷却されることでドレン水が発生する。このドレン水は、後述する内蔵箱70の下部から流路(図示せず)を介して外部へ排出される。
【0025】
この本発明によれば、冷却水源10から供給される冷却水の冷却作用を共通して用いる圧縮空気除湿装置20と冷水供給装置30とを、相互作用によってエネルギー消費を低減できるように、合理的に組み込んでユニット化することができる。すなわち、冷水圧送ポンプ31のポンプモータ32の排熱を、圧縮空気除湿装置20によって除湿処理された圧縮空気を再熱する加熱エネルギーとして利用することができ、他のエネルギー源を必要としないため、エネルギー消費を低減できる。また、ポンプモータ32にとっても、除湿処理された圧縮空気に排熱のエネルギーが奪われることで冷却されることになり、その排熱を適切に処理できる。つまり、本発明では、冷水圧送ポンプ31のポンプモータ32の排熱の熱量が、圧縮空気除湿装置20から排出される圧縮空気を再熱するための熱量として適切に釣り合うことを見出し、合理的に利用されている。
【0026】
また、本形態例の圧縮空気再熱器50は、再熱用流路50aが、ポンプモータ32の周囲を取り巻く形態に設けられると共に、複数の熱交換用分岐管52によって分岐された形態に設けられている再熱器本体部51を備えている(図1~4、10~13など参照)。
【0027】
このように再熱器本体部51が設けられていることで、圧縮空気が吸熱するための熱伝導を促進でき、効率的にポンプモータ32の排熱を圧縮空気へ伝達し、その圧縮空気の再熱を効率よく行うことができる。また、熱交換用分岐管52がスパイラル管によって設けられていることによって、熱交換用分岐管52の表面積を広くでき、熱伝導効率をより高めることができる。本形態例のスパイラル管(熱交換用分岐管52)は、振動によって擦れ合わないように、ポンプモータ32と所要の間隔を保って相互に接触しないように配されている。なお、熱交換用分岐管52の形態は、これに限定されるものではなく、例えば、熱交換用のフィンを装着することで熱伝導効率を高めることができるのは勿論である。
【0028】
また、本形態例の再熱器本体部51は、複数の熱交換用分岐管52が、その複数の熱交換用分岐管52よりも圧縮空気の流れの上流側に設けられてポンプモータ32の回転軸と平行に配された直管状の上流配管部53と、複数の熱交換用分岐管52よりも圧縮空気の流れの下流側に設けられてポンプモータ32の回転軸と平行に配された直管状の下流配管部54との間に、U字状に形成されて並列に配されていることで設けられている。
【0029】
このように複数の熱交換用分岐管52が設けられていることで、外形が略円柱状に形成されて一面側(前面側)に電源ターミナル箱32bが配されたポンプモータ32に、再熱器本体部51を合理的に配置することができる。すなわち、圧縮空気の再熱用の熱交換部として構成される再熱器本体部51を、熱交換効率が高い形態に適切且つ合理的に形成できる。なお、複数の熱交換用分岐管52は、図11及び12に示す再熱器固定脚56によって、後述する内蔵箱70内に固定されている。
【0030】
また、本形態例では、ポンプモータ32の回転軸が、実質的に鉛直方向に沿って上下方向に延びる状態に配され、複数の熱交換用分岐管52が、実質的に水平面と平行に引き回された状態に配されている。つまり、上流配管部53と下流配管部54とが、電源ターミナル箱32bの両脇に配されて上下に延長された形態になっており、その両者の管部の間に上下に間隔を置いて複数の熱交換用分岐管52が水平に配されている。そして、本形態例では、熱交換用分岐管52のU字状の形状(図3、11、13など参照)の開いた部分に対応し、その下側に電源ターミナル箱32bが配される位置関係に、再熱器本体部51が設置されている。
【0031】
これによれば、複数の熱交換用分岐管52を、熱交換効率をより高める形態に、コンパクト且つ合理的に配置することができる。そして、本形態例よれば、圧縮空気の空気流が、上流配管部53では下降流となり、下流配管部54では上昇流となるように、圧縮空気が、上側から上流配管部53を介して再熱器本体51へ導入されて、複数の熱交換用分岐管52を通過し、下流配管部54を介して上側へ排出されるように構成されている(図2に示した実線の矢印を参照)。これによれば、再熱される前の圧縮空気が上流配管部53内で下降流となり、再熱された後の圧縮空気が下流配管部54内で上昇流となるため、圧縮空気の流れを、圧力損失を抑えてスムースにすることができ、効率的な熱交換を行うことができる。
【0032】
また、本形態例では、ポンプモータ32は、そのポンプモータ32の回転軸の上端部に固定されて同軸に回転することで下降空気流を発生させる内蔵冷却ファン33を備えている。これによって、図2に点線の矢印で示すように、内蔵冷却ファン33によって発生した冷却空気の流れが、ポンプモータ32の外表面に沿って下方へ流れて加温されることになり、その加温された冷却空気の流れ(加温空気の流れ)が、複数の熱交換用分岐管52に当たることになる。なお、図10~12に示すように、ポンプモータ32の外表面には、上下方向に延びるリブ状の冷却用フィン部32aが設けられており、この冷却用フィン部32aに沿って、内蔵冷却ファン33によって発生した冷却空気が流れる形態になっている。
【0033】
これによれば、ポンプモータ32の排熱による輻射熱の作用と共に、ポンプモータ32の排熱によって加温されて内蔵冷却ファン33によって送られた加温空気の流れが、再熱器本体51を構成する複数の熱交換用分岐管52に適切に接触して熱交換が効率的になされ、熱交換用分岐管52の内部を流れる圧縮空気の再熱が効率的になされる。なお、電源ターミナル箱32bが配された部分は、内蔵冷却ファン33によって発生した冷却空気の流れを阻止することになるが、その電源ターミナル箱32bの上側にはU字状の形状の熱交換用分岐管52が位置していない部分となっている。このため、本形態例による熱交換用分岐管52のU字状の形状(図3など参照)は、デメリットにならず、複数の熱交換用分岐管52を配置する上で合理的な形態であり、圧縮空気を効果的に再熱することができる。また、この熱交換用分岐管52のU字状の形態によれば、冷水圧送ポンプ31やポンプモータ32の点検若しくは交換時などのメンテナンス性に貢献できる。
【0034】
また、本形態例では、圧縮空気再熱器50が、ポンプモータ32とそのポンプモータ32を取り巻くように配された再熱器本体部51とを内蔵するように設けられた内蔵箱70を備えている。より具体的には、図2~4、8~10に示すように、この内蔵箱70は、矩形のケーシング形状をしており、図10に示すように、再熱器カバー本体73、ファン取付板(壁板部71)、及び点検板74に分解できる形態になっている。これによれば、ポンプモータ32の排熱のエネルギーを、内蔵箱70の内部に適切に留めることができ、圧縮空気の再熱を効果的に行うことができる。
【0035】
さらに、本形態例では、内蔵箱70を構成する壁板部71の内蔵箱排気口76に、その内蔵箱70内の空気を換気する再熱器排気ファン72が装着された形態に設けられている。この再熱器排気ファン72は、内蔵箱70の下部に設けられた内蔵箱吸気口75から冷却用の空気(外気)を取入れ、内蔵箱70の上部に設けられた内蔵箱排気口76から暖められた冷却用の空気を排出するように作動する。これによれば、内蔵箱70の内部空気が設定温度以上に上昇した際などに、その空気を強制的に排気して、内蔵箱70内が過熱することを防止することができる。また、その再熱器排気ファン72の風量を可変に調整するように、内蔵箱70内に設けられた温度センサー77(図2参照)の情報に基づいてインバータ制御できるように構成することで、内蔵箱70の内部温度を適正に調整することができる。これによっても、圧縮空気再熱器50による圧縮空気の再熱を、適宜に調整することができると共に、ポンプモータ32の過熱を防止できる。さらに、本形態例のように内蔵箱吸気口75と内蔵箱排気口76とが略対角線の位置に配されていることで、電源ターミナル箱32bの熱をスムースに排出(排気)させると共に、熱交換用分岐管52の流路とは交差させて冷却用の空気を流す形態になっているため、熱交換がされ易いように内蔵箱70内の空気を排気できる。また、再熱器排気ファン72と内蔵冷却ファン33との関係では、両者が稼働する場合には、冷却用の空気を掻き混ぜる撹拌効果によって、部分的な過熱を防止して均一化することができ、全体的に熱交換を効率良く行うことができる。
【0036】
次に、図1に示した構成例に対応する3つの熱交換器(再熱器、1次熱交、2次熱交)によって生じる熱量分布の例(実施例)について、図14のチャート図に基づいて説明する。なお、図14の再熱器とは図1に示す圧縮空気再熱器50のことであり、1次熱交とは図1に示す圧縮空気除湿装置に内蔵されている内蔵再熱器部27のことであり、2次熱交とは図1に示す圧縮空気除湿装置に内蔵されている水冷式冷却部28のことである。
【0037】
この実施例では、条件が、空気量:83m/h(1.35m/min)、入口空気:0.7MPa・30℃飽和、周囲環境:25℃・75%RH(DP20℃)、冷却水入口温度:13℃において、排出(排気)される製品圧縮空気の目標値が、入口空気温度が30℃の時に出口温度(排気温度)は周囲温度以上で、出口空気圧力下で、露点が17℃以下になることに設定されている。
【0038】
図14に示すように、先ず、1次熱交(図1に示す内蔵再熱器部27)において、コンプレッサ(圧縮空気発生装置15)から供給された圧縮空気(30℃)が、圧縮空気除湿装置20の圧縮空気入口21から、その内蔵再熱器部27に導入(AIR IN)されると、圧縮空気除湿装置20の圧縮空気出口22に向かう圧縮空気との間で130Wの熱交換がなされ、その圧縮空気の温度が30℃から27℃に冷却される。
【0039】
次に、2次熱交(図1に示す水冷式冷却部28)において、内蔵再熱器部27で冷却された圧縮空気(27℃)が、その水冷式冷却部28に導入されると、圧縮空気冷却用の冷却水配管25を流れる冷却水(13℃~14℃)との間で335Wの熱交換がなされ、その圧縮空気の温度が27℃から17℃に冷却される。
【0040】
次に、1次熱交(図1に示す内蔵再熱器部27)において、水冷式冷却部28で冷却された圧縮空気(17℃)が、その内蔵再熱器部27に導入されると、圧縮空気除湿装置20の圧縮空気入口21から導入される圧縮空気との間で熱交換がなされ、その圧縮空気の温度が17℃から21℃に再熱され、130Wの熱交換がなされる。
【0041】
そして、内蔵再熱器部27で再熱された圧縮空気(21℃)が、圧縮空気除湿装置20の圧縮空気出口22から排出されて圧縮空気再熱器50に導入されると、ポンプモータ32の発熱によって生じる排熱(45℃)との間で130Wの熱交換がなされ、その圧縮空気の温度が21℃から25℃に再熱され、最終的に25℃の圧縮空気が製品圧縮空気排出口55から排出(AIR OUT)される。これによって、目標値を満足した製品圧縮空気を効率的に排出できる。なお、このように製品圧縮空気が製品圧縮空気排出口55から排出される際に、例えば本形態例では、被冷水供給部80には22℃に調整された冷水が冷水出口配管44を流れて供給され、その被冷水供給部80で24℃に加熱された冷水が冷水戻し配管42を流れて戻されるように設定されている。ところで、冬季の運転始動時などの場合であって、被冷水供給部80の温度が低く冷水用貯水槽40の冷水100の温度が冷却水よりも低い場合には、その冷水100が冷水用熱交換器34によって加熱されることになる。このような場合、後述する第1の開閉弁(冷却水開閉弁)36を閉じて冷却水による冷水用熱交換器34での熱交換を停止し、後述する第3の開閉弁(バイパス開閉弁)46を適宜に開き、ポンプモータ32を作動させて冷水圧送ポンプ31を稼働させることで、冷水100を所要の温度に上昇させるとよい。これによれば、外部環境が低温に変化した場合でも、被冷水供給部80に供給する冷水の温度を適切に調整することができる。
【0042】
また、本形態例の圧縮空気除湿装置20と冷水供給装置30とが搭載されたパッケージユニットにおける両者の位置関係は、図5~7に示すように、冷水供給装置30の上方に圧縮空気除湿装置20に配置されている。なお、本形態例の圧縮空気除湿装置20と冷水供給装置30とは、同一筐体内に内蔵されるように配置され、電源を共用するように設けられている。そして、圧縮空気除湿装置20に導入される圧縮空気は例えば30℃であり、圧縮空気入口21及び圧縮空気出口22が装置筐体23の最上部に配され、内蔵再熱器部27が装置筐体23の上側の部分に配されている。また、圧縮空気除湿装置20に導入される冷却水は例えば13℃であり、水冷式冷却部28が装置筐体23の下側の部分に配されている。このため、圧縮空気除湿装置20の上側部位の温度が高く、排熱(45℃)が発生するポンプモータ32に近い圧縮空気除湿装置20の下側部位の温度が低くなっている。
【0043】
このため、前述したように、圧縮空気の空気流が再熱器本体51へ導入される側では下降流となり、再熱された圧縮空気の空気流が再熱器本体51から排出される側では上昇流となり、圧縮空気の流れをスムースにすることができ、効率的な熱交換を行うことができる。そして、これに加えて、ポンプモータ32の排熱温度よりも温度の低い圧縮空気除湿装置20が、冷水供給装置30の上側に配されている。これによれば、温度の低い圧縮空気除湿装置20から、温度の低い空気がパッケージ内部を下降する対流現象が生じ、効果的に冷却作用がなされ、冷水供給装置30の過熱を防止することができる。また、圧縮空気出口流路24及び製品圧縮空気排出口55が設けられた下流配管部54からの配管が、ユニットの上側にあることで、圧縮空気が再熱され易く、再熱された圧縮空気がその温度を維持し易い位置関係になっている。
【0044】
次に、本発明に関連する圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニットの形態例を、添付図面(図1~4)に基づいて詳細に説明する。
この本発明に関連する圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニットは、以上に説明した構成に加えて、冷水圧送ポンプ31のポンプモータ32から発生する排熱を冷却するように、冷却水源10から供給される冷却水を流通させる管路であって、ポンプモータ32に隣接して配される部位を有するポンプモータ冷却用の冷却水配管65を備える。
【0045】
このポンプモータ冷却用の冷却水配管65は、本形態例では冷却水を循環させる管路になっており、冷却水をポンプモータ32に隣接して配される部位(熱交換を行う部分)へ供給するために連続する管路(冷却水の流れの上流側の管路)と、その熱交換を行う部分から連続して冷却水源10へ戻す管路(冷却水の流れの下流側の管路)とを含むものである。なお、図1に示した本形態例において、このポンプモータ冷却用の冷却水配管65は、冷却水源10から供給される冷却水を流通させる冷却水配管11から分岐された管路(冷却水配管の分岐管路12)から、さらに分岐した管路になっているが、冷却水配管11に直接的に接続されていてもよい。また、本形態例のポンプモータ冷却用の冷却水配管65は、熱交換用分岐管52と同様に吸熱効率を高めるためにスパイラル状に形成されても良いし、図3に示すようにU字状に形成されることでメンテナンス性を向上できる。さらに、このポンプモータ冷却用の冷却水配管65は、内蔵冷却ファン33の吸込み口の上側で、内蔵箱排気口76の上側に配置されることで、再熱器排気ファン72による排気と干渉することが少なく、効果的にポンプモータ32を冷却できる。
【0046】
このポンプモータ冷却用の冷却水配管65によれば、冷却水源10から供給される冷却水の冷却作用を共通して用いる圧縮空気除湿装置20と冷水供給装置30とをユニット化した場合において、排熱を発生するポンプモータ32を稼働状況に応じて適切に冷却することができる。すなわち、例えば、圧縮空気除湿装置20を稼働させないで冷水供給装置30のみを稼働するか、圧縮空気除湿装置20の稼働が低レベルの状態であって、ポンプモータ32を十分に冷却できない場合に、そのポンプモータ32を強制的に冷却できる。また、外部環境が高温になって、内蔵冷却ファン33や再熱器排気ファン72によってもポンプモータ32を十分に冷却できない場合にも、そのポンプモータ32を適切に冷却して過熱を防止できるのは勿論である。さらに、圧縮空気除湿装置20が稼働している場合において、ポンプモータ冷却用の冷却水配管65に流す冷却液の流量を適宜に調整制御することで、製品圧縮空気排出口55から排出(AIR OUT)される製品圧縮空気の出口温度の調整を適宜に行うことができる。なお、このポンプモータ冷却用の冷却水配管65でも、ポンプモータ32の排熱が冷却されることでドレン水が発生するが、このドレン水も圧縮空気再熱器50のドレン水と同様に、内蔵箱70の下部から流路(図示せず)を介して外部へ排出される。
【0047】
また、本形態例では、このポンプモータ冷却用の冷却水配管65には、そのポンプモータ冷却用の冷却水配管65の管路を開閉する開閉弁(第2の開閉弁66)が配されている。この第2の開閉弁66を開くことによって冷却水を流通させてポンプモータ32を冷却できる。そして、ポンプモータ冷却用の冷却水配管65によるポンプモータ32の冷却が必要ないときは、第2の開閉弁66を閉じることになる。また、本形態例では、この第2の開閉弁66が、流量制御弁であり、その開閉に係る電磁制御が制御装置90によって行われるように構成されている。
【0048】
また、本形態例では、圧縮空気冷却用の冷却水配管25と、ポンプモータ冷却用の冷却水配管65とが、冷却水源10から供給される冷却水を流通させる冷却水配管11に並列に配されている。これによれば、例えば一つの冷却水源10に、圧縮空気冷却用の冷却水配管25とポンプモータ冷却用の冷却水配管65とを合理的に接続して配管することができ、装置ユニットとして一つのケーシング内に、圧縮空気除湿装置20と冷水供給装置30とを合理的に組み込むことができるメリットがある。なお、本形態例では、冷却水配管11から分岐された管路である冷却水配管の分岐管路12から、圧縮空気冷却用の冷却水配管25と、ポンプモータ冷却用の冷却水配管65とが、分岐されており、冷却水配管の分岐管路の戻し管部12(a)が冷却水配管の戻し管部11(a)に接続されていることで、冷却水源10の冷却水が循環するように構成されている。また、冷却水配管の分岐管路の戻し管部12(a)には図1に示すように、調整弁付き流量計12bが接続されており、流量の確認・調整を行うことができる。
【0049】
そして、本形態例では、図2などに示すように、ポンプモータ32は、そのポンプモータ32の回転軸の上端部に固定されて同軸に回転することで下降空気流を発生させる内蔵冷却ファン33を備え、ポンプモータ冷却用の冷却水配管65が、内蔵冷却ファン33の上側に配されている。これによれば、ポンプモータ冷却用の冷却水配管65によって冷却された冷却用空気が、内蔵冷却ファン33によって効率よく吸引され、その内蔵冷却ファン33によって発生する空気流(冷却用空気の流れ)によって、効率良くポンプモータ32を冷却でき、そのポンプモータ32が過熱することを防止できる。
【0050】
次に、本発明に関連する圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニットの形態例を、添付図面(図1、5~7など)に基づいて詳細に説明する。
この本発明に関連する圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニットは、以上に説明した構成に加えて、冷水圧送ポンプ31の冷水吐出口43に接続されて冷水を被冷水供給部80に供給する冷水出口配管44と、被冷水供給部80に供給した際に冷水を冷水用水槽40に戻すために接続された冷水戻し配管42との間を接続して冷水のパイパス流路として設けられた冷水バイパス配管45を備える。
【0051】
これによれば、冷却水源から供給される冷却水の冷却作用を共通して用いる圧縮空気除湿装置と冷水供給装置とにおいて、被冷水供給部80に冷水を供給しない場合やその冷水の供給量が小さい場合など両装置の運転状況に応じて、ポンプモータ32を熱源として圧縮空気の再熱を適切に行うことができる。すなわち、冷水を冷水圧送ポンプ31によって冷水バイパス配管45を通して循環させることで、ポンプモータ32は所要のエネルギーを消費することになり、ポンプモータ32から発生する排熱を利用し圧縮空気の再熱をできる。この際に、被冷水供給部80には、冷水が供給されないか、その冷水の供給量が減少されるため、冷水用熱交換器によって冷水を冷却するためのエネルギー量が低減される。このため、被冷水供給部80に冷水を供給しない場合やその冷水の供給量が小さい場合でも、エネルギー消費を可及的に低減でき、効率良く圧縮空気の再熱ができる。
【0052】
また、本形態例によれば、冷水バイパス配管45の管路を開閉するバイパス開閉弁46と、冷却水源10から供給される冷却水を冷水用熱交換器34(冷水用熱交換器34の一次側流路)に流通させる冷水冷却用の冷却水配管35の管路を開閉する冷却水開閉弁36とを備えている。なお、この冷水冷却用の冷却水配管35は、冷却水配管11から連続するように接続される管路を形成するもので、冷水冷却用の冷却水配管の戻し管部35(a)が冷却水配管の戻し管部11(a)に連続するように接続されていることで、冷却水源10の冷却水が冷水用熱交換器34の一次側流路を流れて循環するように構成されている。また、図1及び5に示すように、冷却水入口11b及び冷却水出口11cは、冷却水源10に接続するための接続口になっている。
【0053】
これによれば、被冷水供給部80が冷水を必要しない場合などにおいて、冷水の被冷水供給部80への供給量や、冷水用熱交換器34の一次側流路に流通させる冷却水の供給量を、圧縮空気除湿装置20と冷水供給装置30の運転状況に応じて、適宜に調整できる。なお、バイパス開閉弁46及び冷却水開閉弁36などの開閉とは、全開及び全閉に限らず、可変に開度を調整することで開閉することや、間欠的に開閉することも含み、その冷水や冷却水の流量を適宜に調整することを含むものである。これによって、圧縮空気除湿装置20と冷水供給装置30の効率的な運転を実現できる。
【0054】
また、本形態例によれば、前記バイパス開閉弁46と、前記冷却水開閉弁36とが、流量制御弁によって設けられ、冷水の前記被冷水供給部80への供給を停止している際には前記バイパス開閉弁46を開くと共に前記冷却水開閉弁36を閉じるように制御する制御装置90とを備えている。これによれば、被冷水供給部80に冷水を供給しない場合でも、ポンプモータ32を熱源として圧縮空気の再熱を適切に行うことができるなど、使用条件に自動的に対応することができる。
【0055】
また、本形態例の冷水供給装置30は、冷水が循環する冷水循環供給装置(チラー装置)になっており、水冷するため被冷水供給部80へ供給された冷水が、冷水用水槽40に戻されるように、冷水循環水路が設けられている。本形態例の冷水循環水路は、冷水圧送ポンプ31の冷水吐出口43に接続されて冷水用水槽40の冷水を吐出する冷水出口配管44、被冷水供給部80から冷水を冷水用水槽40の側へ戻すように被冷水供給部80と冷水用熱交換器34との間に配管された冷水戻し配管42、冷水用熱交換器34の二次側流路、及び、その冷水用熱交換器34の二次側流路と冷水用水槽40の冷水用水槽入口41とを接続する冷水入口接続配管41aによって構成されている。なお、図1及び5に示すように、冷水入口42a及び冷水出口44aは、被冷水供給部80に接続するための接続口になっている。
【0056】
また、本形態例の冷水用水槽40には、オーバーフロー40a、水量調整用のフロートスイッチ40b、ドレン管40c、ドレン開閉弁40d、水温センサー40eが設けられている。冷水出口配管44には水圧計44bが配されている。
【0057】
次に、本発明に関連する圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニットの形態例を、添付図面(図1~13)に基づいて詳細に説明する。
この本発明に関連する圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニットは、以上に説明した構成に加えて、冷却水源10から供給される冷却水を冷水用熱交換器34に流通させる冷水冷却用の冷却水配管35と、冷水冷却用の冷却水配管35の管路を開閉する冷却水開閉弁である第1の開閉弁36と、ポンプモータ冷却用の冷却水配管65の管路を開閉する第2の開閉弁66と、冷水バイパス配管45の管路を開閉するバイパス開閉弁である第3の開閉弁46と、圧縮空気冷却用の冷却水配管25の管路を開閉する第4の開閉弁26とを備える。
【0058】
これによれば、冷却水源から供給される冷却水の冷却作用を共通して用いる圧縮空気除湿装置20と冷水供給装置30とにおいて、相互作用によってエネルギー消費を低減できるように、外界の環境条件に対応して両者の運転を関連付けて合理的且つ最適に制御することができる。すなわち、各開閉弁36、66、46、26を備えることで、冷却水と冷水の流れを最適にコントロールすることができ、どちらもエネルギー消費量が大きく、その低減が要求される圧縮空気除湿装置20と冷水供給装置30の両者について、その運転性能を向上させることができる。
【0059】
また、本形態例では、第1の開閉弁36、第2の開閉弁66、第3の開閉弁46、及び第4の開閉弁26の各開閉弁が、流量制御弁によって設けられ、該流量制御弁を制御する制御装置90を備えている。これによれば、各開閉弁36、66、46、26の開閉を、
制御装置90によって自動的に、全開、全閉、間欠又は可変に制御できる。なお、冷水圧送ポンプ31の運転出力の可変制御については、制御装置90によって、ポンプモータ32の稼働をインバータ制御することで行うように設けられているとよい。
【0060】
また、本形態例においては、前記制御装置90の制御プログラムとして、季節に対応した複数の制御モードが前記制御装置の記憶装置に格納されている。これによれば、圧縮空気除湿装置20と冷水供給装置30の運転制御を、季節に応じて適切に行うことができる。すなわち、季節に応じて、各開閉弁36、66、46、26及び冷水圧送ポンプ31を制御することで、冷却水と冷水の流れを最適にコントロールすることができ、圧縮空気の温湿度を安定的に最適化しつつ、チラー水温を安定的に最適化することができる。
【0061】
また、具体的な制御プログラムについては、前記制御モードであって、例えば、冷却水の温度が低下した際のモードとして、第1の開閉弁36を低開度又は間欠に開き、第2の開閉弁66を閉じ、第3の開閉弁46を低開度又は開き、第4の開閉弁26を間欠に開き、ポンプモータ32を可変に運転する冬モードを備えると共に、冷却水の温度が上昇した際のモードとして、第1の開閉弁36を全開とし、第2の開閉弁66を閉じ、第3の開閉弁46を閉じ、第4の開閉弁26を開き、ポンプモータ32を可変に運転する夏モードを備えていてもよい。これによれば、圧縮空気除湿装置20と冷水供給装置30の運転制御を、季節に応じて精密に行うことができる。
【0062】
さらに、具体的な制御プログラムについては、冬モード(例えば冷却水の温度が6~10℃の場合)及び夏モード(例えば冷却水の温度が16~20℃の場合)に加えて、冷却水の温度が冬と夏の中間のモード(例えば冷却水の温度が11~15℃の場合)として、第1の開閉弁36を可変に開き、第2の開閉弁66を間欠に開き、第3の開閉弁46を可変に開き、第4の開閉弁26を開き、ポンプモータ32を可変に運転する春秋モードを備えていてもよい。これによれば、圧縮空気除湿装置20と冷水供給装置30の運転制御を、季節に応じてより精密に行うことができる。なお、以上に説明した具体的な制御モードは、圧縮空気除湿装置20と冷水供給装置30とが、それぞれ規定の負荷で稼働している場合に適用されるように設定されている。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上の形態例では、圧縮空気及び冷水を、工作機械などの生産装置に供給する圧縮空気除湿装置を備える冷水供給装置ユニットについて説明してきた。しかし、本発明はこれに限定されず、圧縮空気とは圧縮気体を含む概念であり、冷却水とは冷却液(液状熱媒体)を含む概念であり、冷水とは冷液(液状熱媒体)を含む概念であって、用途についても工作機械などの生産装置に限定されるものではないのは勿論である。すなわち、本発明は、温湿度が調整された圧縮気体と、温度が調整された液状熱媒体(チラー冷媒)とを必要とするあらゆる分野の施設において利用できるものである。なお、圧縮気体としては例えば成分が調整された空気や不活性ガスを含む空気を挙げることができ、冷却水や冷水である液状熱媒体としては例えば不凍液を挙げることができる。
また、以上の形態例では、圧縮空気除湿装置20の装置筐体23として図1でシェル型の態様を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、プレート型(積層式)や2重管式の熱交換器を排除するものではない。
【0064】
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【符号の説明】
【0065】
10 冷却水源
11 冷却水配管
11(a) 冷却水配管の戻し管部
11b 冷却水入口
11c 冷却水出口
12 冷却水配管の分岐管路
12(a) 冷却水配管の分岐管路の戻し管部
12b 調整弁付き流量計
15 圧縮空気発生装置
20 圧縮空気除湿装置
21 圧縮空気入口
22 圧縮空気出口
23 装置筐体
23a 連通部
23b 出口連通部
24 圧縮空気出口流路
25 圧縮空気冷却用の冷却水配管
25a 折り返し先端部
25b 熱交換用フィン
26 第4の開閉弁
27 内蔵再熱器部
27a 一次側圧縮空気流路
27b 二次側圧縮空気流路
28 水冷式冷却部
28a 圧縮空気水冷流路
29 ドレン管
29a ドレン開閉弁
29b ドレン排水口
30 冷水供給装置
31 冷水圧送ポンプ
31a 吸込口
32 ポンプモータ
32a リブ状の冷却用フィン部
32b 電源ターミナル箱
33 内蔵冷却ファン
34 冷水用熱交換器
35 冷水冷却用の冷却水配管
35(a) 冷水冷却用の冷却水配管の戻し管部
36 第1の開閉弁(冷却水開閉弁)
40 冷水用水槽
40a オーバーフロー
40b 水量調整用のフロートスイッチ
40c ドレン管
40d ドレン開閉弁
40e 水温センサー
41 冷水用水槽入口
41a 冷水入口接続配管
42 冷水戻し配管
42a 冷水入口
43 冷水圧送ポンプの冷水吐出口
44 冷水出口配管
44a 冷水出口
44b 水圧計
45 冷水バイパス配管
46 第3の開閉弁(バイパス開閉弁)
50 圧縮空気再熱器
50a 再熱用流路
51 再熱器本体部
52 熱交換用分岐管
53 上流配管部
54 下流配管部
55 製品圧縮空気排出口
56 再熱器固定脚
65 ポンプモータ冷却用の冷却水配管
66 第2の開閉弁
70 内蔵箱
71 壁板部
72 再熱器排気ファン
73 再熱器カバー本体
74 点検板
75 内蔵箱吸気口
76 内蔵箱排気口
77 温度センサー
80 被冷水供給部
90 制御装置
100 冷水(冷液)
【要約】
【課題】冷却水源10から供給される冷却水による冷却作用を共通して用いる圧縮空気除湿装置20と冷水供給装置30とを、相互作用によってエネルギー消費を低減できるように、合理的に組み込んでユニット化する。
【解決手段】圧縮空気入口21並びに圧縮空気出口22が設けられた装置筐体23、及び圧縮空気冷却用の冷却水配管25を備える圧縮空気除湿装置20と、冷却水源10から供給される冷却水によって冷水用熱交換器34を介して冷却される冷水を、被冷水供給部80へ供給するように、冷水用水槽40、及び冷水圧送ポンプ31を備える冷水供給装置30とを具備し、圧縮空気出口流路24に接続されて設けられ、圧縮空気除湿装置20によって冷却された圧縮空気を再熱するように、ポンプモータ32に隣接して配される再熱用流路50aが設けられた圧縮空気再熱器50を具備する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14