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特許7162399材料に作業を実行するため又は材料の表面に対する装置の位置を特定するためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-20
(45)【発行日】2022-10-28
(54)【発明の名称】材料に作業を実行するため又は材料の表面に対する装置の位置を特定するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B23Q 17/24 20060101AFI20221021BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20221021BHJP
【FI】
B23Q17/24 Z
G05D1/02 K
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020002753
(22)【出願日】2020-01-10
(62)【分割の表示】P 2018034318の分割
【原出願日】2013-04-26
(65)【公開番号】P2020089969
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2020-01-20
(31)【優先権主張番号】61/639,062
(32)【優先日】2012-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/729,247
(32)【優先日】2012-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】315004292
【氏名又は名称】シェイパー ツールズ,インク.
【氏名又は名称原語表記】Shaper Tools,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100136630
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 祐啓
(74)【代理人】
【識別番号】100201514
【弁理士】
【氏名又は名称】玉井 悦
(72)【発明者】
【氏名】リバース, アレック ロスメイヤー
(72)【発明者】
【氏名】モイヤー, アイラン エリソン
【審査官】荻野 豪治
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-078210(JP,A)
【文献】特開平08-120618(JP,A)
【文献】特開平07-237107(JP,A)
【文献】特開平04-030970(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 17/24
B24B 7/19
B24B 17/04
B24B 27/00
G05D 1/00 - 1/12
B05D 1/26
B05D 3/00 - 3/14
B05D 7/00
B05B 17/00 - 17/08
B05C 5/00 - 5/04
E01C 21/00 - 23/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リグに移動可能に取り付けられた作業部材を用いてワークの第1表面に作業を実行するためのコンピュータ実装方法であって、前記リグは第1アクチュエータを含み、リグ位置決めシステムは第2アクチュエータを含み:
1つ又は複数のプロセッサに作動的に結合された第1センサを用いた第2表面の第1部分の走査に少なくとも部分的に基づいて第1データを発生する段階であって、前記第2表面は前記第1表面を含む、発生する段階と;
前記1つ又は複数のプロセッサに作動的に結合された第2センサを用いた前記第2表面の第2部分の走査に少なくとも部分的に基づいて第2データを発生する段階と;
前記第1アクチュエータに前記作業部材を所望経路上の目標点まで移動させる第1情報を、前記1つ又は複数のプロセッサによって提供する段階であって、前記第1アクチュエータは前記作業部材を前記リグに対して移動させ、前記所望経路は設計図に少なくとも部分的に基づいており、前記第1情報は前記第1データ、前記第2データ、及び前記所望経路に少なくとも部分的に基づいている、提供する段階と;
前記第2アクチュエータに前記リグを異なる位置まで移動させる第2情報を、前記1つ又は複数のプロセッサによって前記リグ位置決めシステムに提供する段階とを含む、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記第1情報は、前記第1センサの位置又は前記第2センサの位置に関連している、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1データは、前記第2表面の前記第1部分の1つ又は複数の画像に少なくとも部分的に基づいており、前記第2データは、前記第2表面の前記第2部分の画像に少なくとも部分的に基づいており、前記第1データは、前記第2表面の前記第1部分における1つ又は複数のマーカーに少なくとも部分的に基づいており、前記第2データは、前記第2表面の前記第2部分における1つ又は複数のマーカーに少なくとも部分的に基づいており、前記第1情報は、前記第2データと前記第1データとの比較に少なくとも部分的に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2表面の前記第1部分は前記第1表面を含まない、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1センサが前記第2センサと同じである、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第2表面は前記第1表面と同じである、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記リグの重さの少なくとも一部分は前記第1表面によって支持され、前記目標点は前記第1表面上の位置に対応する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1アクチュエータは、前記作業部材を調節範囲内で移動させるよう動作可能であり、前記目標点は前記調節範囲内に位置しており、前記リグが前記異なる位置にある状態で、前記調節範囲は、前記リグの前記異なる位置への移動の前には前記調節範囲内にはなかった前記所望経路の一部を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
遠隔コンピュータシステムから前記設計図を、前記1つ又は複数のプロセッサに作動的に結合された通信インターフェースを介して受け取る段階をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記作業部材が、前記第1アクチュエータに結合された偏心機構を用いて前記目標点まで移動される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
リグに移動可能に取り付けられた作業部材を用いてワークの第1表面に作業を実行するためのシステムであって:
第1アクチュエータを含む前記リグであって、前記第1アクチュエータは前記作業部材を前記リグに対して移動させるように動作可能である、前記リグと;
第2アクチュエータを含むリグ位置決めシステムであって、前記第2アクチュエータは前記リグを移動させるよう動作可能である、リグ位置決めシステムと;
1つ又は複数のプロセッサと;
前記1つ又は複数のプロセッサに作動的に結合された1つ又は複数のセンサと;
前記1つ又は複数のプロセッサに作動的に結合されると共に命令を格納する1つ又は複数のメモリとを含み、前記命令は、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、前記システムに:
前記1つ又は複数のセンサの第1センサを用いた第2表面の第1部分の走査に少なくとも部分的に基づいて第1データを発生させ;
前記1つ又は複数のセンサの第2センサを用いた前記第2表面の第2部分の走査に少なくとも部分的に基づいて第2データを発生させ;
前記第1アクチュエータに前記作業部材を所望経路上の目標点まで移動させる第1情報を提供させ、前記所望経路は設計図に少なくとも部分的に基づいており、前記第1情報は前記第1データ、前記第2データ、及び前記所望経路に少なくとも部分的に基づいており;
前記第2アクチュエータに前記リグを異なる位置まで移動させる第2情報を、前記リグ位置決めシステムへ提供させるようにする、システム。
【請求項12】
前記第1データは、前記第2表面の前記第1部分の1つ又は複数の画像に少なくとも部分的に基づいており、前記第2データは、前記第2表面の前記第2部分の画像に少なくとも部分的に基づいており、前記第1データは、前記第2表面の前記第1部分における1つ又は複数のマーカーに少なくとも部分的に基づいており、前記第2データは、前記第2表面の前記第2部分における1つ又は複数のマーカーに少なくとも部分的に基づいており、前記第1情報は、前記第2データと前記第1データとの比較に少なくとも部分的に基づく、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第2表面は前記第1表面と同じである、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記リグの重さの少なくとも一部分は前記第1表面によって支持され、前記目標点は前記第1表面上の位置である、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1アクチュエータは、前記作業部材を調節範囲内で移動させるよう適合されており、前記目標点は前記調節範囲内に位置しており、前記リグが前記異なる位置にある状態で、前記調節範囲は、前記リグの前記異なる位置への移動の前には前記調節範囲内にはなかった前記所望経路の一部を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
リグに移動可能に取り付けられた作業部材を用いたワークの第1表面への作業の実行を可能にする実行可能命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記リグは第1アクチュエータを含み、前記第1アクチュエータは前記作業部材を前記リグに対して移動させるように動作可能であり、リグ位置決めシステムは第2アクチュエータを含み、前記第2アクチュエータは前記リグを移動させるよう動作可能であり、前記命令は、計算機システムによって実行されると、前記システムに:
1つ又は複数のセンサの第1センサを用いた第2表面の第1部分の走査に少なくとも部分的に基づいて第1データを発生させ;
前記1つ又は複数のセンサの第2センサを用いた前記第2表面の第2部分の走査に少なくとも部分的に基づいて第2データを発生させ;
前記第1アクチュエータに前記作業部材を所望経路上の目標点まで移動させる第1情報を提供させ、前記所望経路は設計図に少なくとも部分的に基づいており、前記第1情報は前記第1データ、前記第2データ、及び前記所望経路に少なくとも部分的に基づいており;
前記第2アクチュエータに前記リグを異なる位置まで移動させる第2情報を、前記リグ位置決めシステムへ提供させるようにする、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記第1データは、前記第2表面の前記第1部分の1つ又は複数の画像に少なくとも部分的に基づいており、前記第2データは、前記第2表面の前記第2部分の画像に少なくとも部分的に基づいており、前記第1データは、前記第2表面の前記第1部分における1つ又は複数のマーカーに少なくとも部分的に基づいており、前記第2データは、前記第2表面の前記第2部分における1つ又は複数のマーカーに少なくとも部分的に基づいており、前記第1情報は、前記第2データと前記第1データとの比較に少なくとも部分的に基づく、請求項16に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記第2表面は前記第1表面と同じである、請求項17に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記リグの重さの少なくとも一部分は前記第1表面によって支持され、前記目標点は前記第1表面上の位置である、請求項18に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記第1アクチュエータは、前記作業部材を調節範囲内で移動させるよう適合されており、前記目標点は前記調節範囲内に位置しており、前記リグが前記異なる位置にある状態で、前記調節範囲は、前記リグの前記異なる位置への移動の前には前記調節範囲内にはなかった前記所望経路の一部を含む、請求項16に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願の引用
本出願は、2012年11月21日付けで提出され、「材料に作業を実行するため又は材料の表面に対する装置の位置を特定するためのシステム及び方法」と題した米国特許仮出願第61/729,247号の優先権の利益を主張し、その全体を参照して本明細書に援用する。
【0002】
本出願は、2012年4月26日付けで提出され、「自動的に案内される工具(Automatically Guided Tools)」と題した米国特許仮出願第61/639,062号の優先権を主張し、その全体は参照して本明細書に援用する。
【背景技術】
【0003】
計測器を用いて材料の上に描かれた視覚ガイドをユーザが手動で辿るのは用意でないことがある。工具の案内を容易にする手持ち工具は、1つ又は複数の方向への工具の移動を最小化することを目的とすることがある。工具の誘導においてユーザを補助するために所定位置に配置可能なレール又はフェンスのような機械的ガイドは、動きを制限したり、設置に時間を要したり、複雑な経路をサポートしないことがある。
【発明の概要】
【0004】
本開示の装置、システム、及び方法は、高精度且つ高い融通性で工具を容易に案内する。幾つかの実施形態では、前記システムは、木材のような材料片の表面に配置可能な載置台を備えたリグ又はフレームを含む。前記工具は前記フレームに電気的又は機械的に結合でき、前記フレームは前記工具と共に前記材料上を通過させることができる。前記システムは、前記材料上での前記工具の位置を特定すると共に前記フレーム、載置台、又は工具を前記材料上の所望の座標に正確に移動させる(又はユーザが移動する)ためのセンサ、カメラ、又は位置決め論理を含むことができる。
【0005】
少なくとも1つの側面は、材料への作業の実行を容易にするためデザインを用意する方法に関する。前記方法は、選択された標準デザインを受け取るデータ処理システムを含むことができる。前記方法は、前記標準デザインへの修正を示すことができる、前記標準デザインの一側面に対応したカスタマイズパラメータを受け取ることができる。前記方法は、前記標準デザイン及び前記カスタマイズパラメータに基づいてカスタムデザインを生成できる。前記方法は、この第2デザインに関連付けられた1つの材料を特定又は選択できる。前記方法は、前記1つの材料を注文できる。前記方法は、前記カスタムデザインをユーザ装置に送信できる。前記ユーザ装置は、切削工具と、線引き工具と、計算装置との少なくとも1つを含むことができる。
【0006】
少なくとも1つの側面は、材料への作業の実行を容易にするため又はオブジェクトを作成するためデザインを用意する方法に関する。前記システムは、選択された標準デザインを受け取るよう構成されたデータ処理システムを含むことができる。前記データ処理システムは、前記標準デザインの一側面に対応したカスタマイズパラメータを受け取るよう構成することができる。前記カスタマイズパラメータは、前記標準デザインへの修正を示すことができる。前記データ処理システムは、前記標準デザイン及び前記カスタマイズパラメータに基づいてカスタムデザインを生成できる。前記データ処理システムは、前記カスタムデザインの少なくとも一部を製作するための少なくとも1つの材料を特定又は選択できる。前記データ処理システムは前記少なくとも1つの材料を注文できる。前記データ処理システムは、前記カスタムデザインをユーザ装置に送信でき、前記ユーザ装置は、切削工具と、線引き工具と、計算装置との少なくとも1つである。
【0007】
幾つかの実施形態では、前記方法又は前記システムは、制御システムを備えた工具を含むことができる。前記制御システムは、オブジェクトを生成するため前記カスタムデザインを実装するよう構成できる。前記カスタムデザインはコンピュータプログラムに含めることができ、前記コンピュータプログラムは、プロセッサにより実行されると、前記プロセッサに前記工具を制御させて、前記工具に前記標準デザインで表示されたように前記材料を切削するか印付けさせ、或いは、前記工具は、前記カスタムデザインにより示された経路からの逸脱を自動修正又は修正するための表示を与えることができる。
【0008】
少なくとも1つの側面は、材料への作業の実行を容易にするため又はオブジェクトを作成するための命令を備えたコンピュータ可読記憶媒体に関する。前記命令は、選択された標準デザインを受け取るための命令を含むことができる。前記命令は、前記標準デザインの一側面に対応したカスタマイズパラメータを受け取るための命令を含むことができる。前記カスタマイズパラメータは、前記標準デザインへの修正を示すことができる。前記命令は、前記標準デザイン及び前記カスタマイズパラメータに基づいてカスタムデザインを生成するための命令を含むことができる。前記命令は、前記カスタムデザインの少なくとも一部を製作するための少なくとも1つの材料を特定又は選択するための命令を含むことができる。前記命令は、前記少なくとも1つの材料を注文するための命令を含むことができる。前記命令は、前記カスタムデザインをユーザ装置に送信するための命令を含むことができ、前記ユーザ装置は、切削工具と、線引き工具と、計算装置との少なくとも1つである。
【0009】
少なくとも1つの側面は、材料の表面に対する装置の位置を特定する方法に関する。前記方法は、前記装置に結合されたカメラを用いて前記材料の前記表面を走査する段階を含むことができる。前記方法は、前記走査により生成された少なくとも1つの画像を取得し、前記少なくとも1つの画像を処理して前記材料の変化を識別する。前記方法は、前記材料の前記変化に基づいて前記材料のマップを生成する。前記方法は、前記材料の前記表面を再走査して少なくとも1つの第2画像を取得する。前記方法は、前記少なくとも1つの第2画像を前記マップと比較して、前記材料の前記表面に対する前記カメラ又は前記装置の位置を特定する。
【0010】
少なくとも1つの側面は、材料の表面に対する装置の位置を特定するシステムに関する。前記システムは、前記材料を走査し且つ少なくとも1つの画像を生成するよう構成された、前記装置に結合されたカメラを含むことができる。前記システムは、前記少なくとも1つの画像を処理して前記材料における変化を識別するよう構成されたプロセッサを含むことができる。前記プロセッサは、前記材料の前記変化に基づいて前記材料のマップを生成するよう構成できる。前記プロセッサは、前記材料の前記表面を再走査して少なくとも1つの第2画像を取得するよう構成できる。前記プロセッサは、前記少なくとも1つの第2画像を前記マップと比較して、前記材料の前記表面に対する前記カメラ又は前記装置の位置を特定するよう構成できる。
【0011】
少なくとも1つの側面は、材料の表面に対する装置の位置を特定する方法に関する。前記方法は、前記材料の前記表面を走査して、前記走査で識別された変化に基づいて前記材料のマップを生成できる。前記方法は、設計図を識別し、前記設計図を前記材料の前記マップに関連付けるか或いは前記設計図を前記材料の前記マップに重ね合わせることができる。前記方法は、前記設計図に対応した作業を実行するため前記装置を前記材料の前記表面近くに位置決めできる。前記方法は、像を生成するため前記装置に隣接した前記材料の一部を結像することができる。前記方法は、前記像と前記設計図との比較に基づいて、前記マップ又は前記設計図が重ね合わされた前記マップに対する前記装置の位置を特定できる。前記方法は、前記比較に基づいて前記装置の前記位置を調節する段階(例えば、前記デザイン前記設計図を辿る)を含むことができる。幾つかの実施形態では、前記方法は、前記装置の前記位置が前記設計図の設計経路から逸れたことを特定できる。前記方法は、サーボ機構、偏心器、自動化機構、及びステップモータの少なくとも1つを用いて、前記装置又は前記材料上の前記装置若しくは前記装置の切削若しくは線引き工具の位置を調節又は自動的に修正できる。幾つかの実施形態では、前記方法は、前記特定に応答して前記位置を自動的に修正でき、他の実施形態では、前記方法は、前記設計図を辿るように前記装置の前記位置を調節できる。
【0012】
少なくとも1つの側面は、材料の表面に対する装置の位置を特定するシステムに関する。前記システムは、前記装置に結合されたフレームを含むことができる。前記システムは、前記フレーム又は前記装置に結合されたカメラを含むことができる。前記カメラは、前記材料の前記表面を走査して、前記走査で識別された変化に基づいて前記材料のマップを生成するよう構成できる。前記システムは、自動修正装置を含むことができる。前記自動修正装置は、前記材料の前記表面に対する、前記装置、切削工具、線引き工具の少なくとも1つの前記位置を調節するよう構成できる。前記自動修正装置は、サーボ機構、偏心器、自動化機構、及びステップモータの少なくとも1つを含むことができる。前記システムは、前記カメラ及び前記自動修正装置と通信可能に結合された計算装置を含むことができる。前記計算装置は、設計図を識別し、前記設計図を前記材料の前記マップに関連付けるか或いは前記設計図を前記材料の前記マップに重ね合わせることができる。前記計算装置は、前記設計図に対応した作業を実行するため前記装置を前記材料の前記表面近くに位置決めできる。前記計算装置は、像を生成するため前記装置に隣接した前記材料の一部を結像することができる。前記計算装置は、前記像と前記設計図が重ね合わされた前記マップとの比較に基づいて、装置の位置を特定できる。前記計算装置は、前記位置が前記設計図の設計図経路から離れていることを特定できる。前記計算装置は、前記自動修正装置に、前記装置又は前記装置の切削工具若しくは線引き工具の位置を修正させるよう命令できる。前記計算装置は、前記特定に応答して前記命令を与えることができる。
【0013】
少なくとも1つの側面は、材料に作業を実行する方法に関する。前記方法は材料をマッピングできる。前記方法は、デザインを取得し、前記デザインを前記材料のマップに関連付けるか或いは前記デザインをマップ画像に重ね合わせて設計経路を作成することができる。前記方法は、前記マップ又はデザインに基づいて、前記材料に対する工具の位置を識別できる。幾つかの実施形態では、前記方法は、前記工具に通信可能に結合された表示装置上で前記工具及び前記設計経路の位置を表示できる。
【0014】
幾つかの実施形態では、前記方法は、前記材料上に、カメラにより検出可能な変化を増加させるマーカーを配置することで前記材料をマッピングできる。前記マーカーは、ステッカー、バーコード付きステッカー、テープ、図画、インク、パターン、不規則な図画又はパターン、及び光線の少なくとも1つを含むことができる。前記方法は、前記材料を前記カメラで走査して前記材料の一部の少なくとも1つの画像を取得することができる。幾つかの実施形態では、前記方法は、前記材料の2つの画像を取得し、前記画像をつなぎ合わせて前記材料の統合されたマップを生成できる。
【0015】
幾つかの実施形態では、前記方法は、前記工具の第2位置を識別し、前記第2位置と前記設計経路とを比較できる。幾つかの実施形態では、前記方法は、前記比較に基づいて、前記第2位置が前記設計経路上にないことを識別し、前記工具の前記位置を前記設計経路に対応した第3位置まで移動できる。幾つかの実施形態では、前記方法は、前記工具の前記位置を移動させるためサーボモータ、ステップモータ、及び偏心機構の少なくとも1つを調節することによって、前記位置を移動させることができる。幾つかの実施形態では、前記方法は、前記材料上での前記作業の一側面の実行を停止するため、工具のZ軸位置を調節する。例えば、前記方法は、前記工具を前記材料の前記表面の上方に位置決めできる。
【0016】
幾つかの実施形態では、前記デザインはオンラインデザインストアにより提供される。前記方法は、前記デザインの選択を受け取り、前記選択されたデザインをユーザ入力に基づいてカスタマイズできる。
【0017】
少なくとも1つの側面は、材料に作業を実行するためにデザインを用意する方法に関する。前記方法は、選択されたデザインと少なくとも1つのカスタマイズパラメータとを受け取ることができる。前記方法は、前記選択されたデザインと少なくとも1つのカスタマイズパラメータとに対応した第2デザインを生成できる。前記方法は、前記第2デザインと共に使用するための少なくとも1つの材料を特定できる。前記方法は、前記少なくとも1つの材料を注文できる。
【0018】
少なくとも1つの側面は、材料の表面に対して工具を位置決めするハイブリッド位置決め方法に関する。前記方法は、前記工具の位置及び前記工具の所望の位置を特定できる。前記方法は、次に、前記工具を第1正確度まで、例えば第1最大範囲から第1最小範囲(例えば所望位置の±5インチ)まで調節、移動、又は位置決めできる第1位置決め方法を用いて前記工具を位置決めできる。前記方法は、さらに、前記工具を第2正確度まで、例えば第2最大範囲から第2最小範囲(例えば所望位置の±0.25インチ)まで調節、移動、又は位置決めできる第2位置決め方法を用いて前記工具を位置決めできる。幾つかの実施形態では、前記第1位置決め方法は第2位置決め方法とは異なる。幾つかの実施形態では、前記第1位置決め方法は人間による位置決めを含み、前記第2位置決め方法は、サーボモータ、ステップモータ、連動アクチュエータ、偏心器、及び駆動機構の少なくとも1つを用いた自動コンピュータ位置決めを含む。幾つかの実施形態では、前記第1最小範囲は前記第2最大範囲に概ね類似している。幾つかの実施形態では、前記第2正確度は、実質的に前記第1正確度より正確である。
【0019】
少なくとも1つの側面は、材料への作業を実行するシステムに関する。前記システムは、工具を収容するよう構成されたフレームを含むことができる。前記システムは、前記フレームに結合されたカメラを含むことができる。前記システムは、前記フレームに結合された表示装置を含むことができる。前記システムは、前記表示装置及び前記カメラに通信可能に結合された計算装置を含むことができる。
【0020】
前記システムは、前記リグ又はフレームに結合されたデジタルカメラを含むことができる。前記デジタルカメラは、前記材料上での前記リグ及び載置台の位置を検出するために使用される画像を取り込むことができる。幾つかの実施形態では、前記デジタルカメラ及び関連した制御回路又は制御論理は、材料の一片のマップを作成し、前記リグ又は載置台の前記マップ上の位置を追跡できる。前記システムは、例えば切削、穴あけ、サンダー仕上、印刷、縫製、溶接、又は他の作業を含む、前記材料の前記表面での作業を実行する前記載置台上に設置された工具を含むことができる。
【0021】
幾つかの実施形態では、前記システムは、前記載置台又は任意の取り付けされた工具の位置を、デザイン又は設計図に従って制御する。例えば、前記システムは、検出された位置に応答して、前記材料及び前記デザインに対する前記工具の前記位置を制御することができる。幾つかの実施形態では、前記システムのユーザはデザインを手描きでき、前記システムは、前記載置台及び関連付けられた工具を前記設計図に一致させるため自動的に調節し、これにより人的エラーを排除又は最小化できる。幾つかの実施形態では、前記システムは、木材又は他の材料を切削するために使用できるルーターを制御できる。
【0022】
前記工具は、前記材料に対する前記リグの位置を特定するため、前記デジタルカメラから受け取られた処理入力を受け取ることができる。例えば、コンピュータービジョン(「CV」)又はセンサに基づく技術は、前記材料に対する前記リグの位置の特定を容易にする。
【0023】
少なくとも1つの側面は、ユーザ装置による、材料の表面での作業の実行を容易にする方法に関する。前記ユーザ装置は、切削工具と線引き工具との少なくとも1つを含むことができる。前記方法は、前記材料の前記表面の第1走査データ(例えばセンサデータ)を取得するため前記材料の前記表面を走査する段階を含むことができる。前記第1走査データは、前記材料の前記表面のマップを示すことができる。例えば、前記取得された走査データは、前記材料の前記表面の前記走査に基づいて生成された前記材料の前記表面のマップを含むことができる。前記ユーザ装置に結合されたセンサ及び第2センサの少なくとも一方が、前記第1走査データを取得するため前記材料の前記表面を走査することができる。例えば、カメラ又は他の光学装置は、第1走査画像データを取得するため前記材料の前記表面を走査することができる。別の例では、超音波距離計が、第1走査データを取得するために前記材料の前記表面又は作業領域を走査できる。幾つかの例では、前記第2センサは前記ユーザ装置に機械的に結合可能とする一方、前記センサは、第1走査データを取得するよう構成された独立型デジタルカメラ又は任意他のセンサなどの前記ユーザ装置に機械的に結合されないようにしてもよい。前記方法は、第2走査データ又は第2画像データを取得するため前記材料の前記表面の少なくとも一部を走査する、前記センサ及び前記第2センサの少なくとも一方を含むことができる。前記方法は、前記材料の前記表面に対する前記センサ及び前記第2センサの一方の位置を特定するため前記第1走査データ及び前記第2走査データを評価するプロセッサを含むことができる。前記方法は、前記プロセッサが、前記材料の前記表面に対する前記ユーザ装置の前記切削工具及び前記ユーザ装置の前記線引き工具の少なくとも一方の位置を特定する段階を含むことができる。前記プロセッサは、前記材料の前記表面に対する前記センサ及び前記第2センサの一方の前記位置に基づいて前記位置を特定できる。
【0024】
幾つかの実施形態では、前記方法は、複数の走査データをつなぎ合わせる(例えば、接合又は合体させる)ことによって前記第1走査データを生成して前記材料の前記表面の統合されたマップを生成する段階を含むことができる。
【0025】
幾つかの実施形態では、前記方法は、表示装置上に前記材料の前記表面に対する、前記切削工具及び前記線引き工具の少なくとも一方の位置の表示が重ね合わされたマップ画像を表示できる。前記位置の前記表示は、前記第1走査データ及び前記第2走査データに基づいて重ね合わせることができる。
【0026】
幾つかの実施形態では、前記方法は前記材料の前記表面を、ステッカー、インク、塗料、黒鉛、光線、鉛筆の印、バーコード、テープ、図画、及びパターンなどマーカーで印付けする段階を含むことができる。前記方法は、前記マーカーの特徴に基づいて前記材料における変化を識別するための段階とを含むことができる。
【0027】
幾つかの実施形態では、前記方法は、前記材料の前記表面用の設計図を識別する段階を含むことができる。前記方法は、前記設計図を前記第1走査データ及び前記第2走査データの少なくとも一方に関連付ける段階を含むことができる。
【0028】
幾つかの実施形態では、前記方法は前記材料の前記表面を、前記設計図の表示(例えば、テープ、ステッカー、インク、塗料、光線、バーコードなど)で印付けする段階を含むことができる。前記方法は、前記センサ及び前記第2センサの少なくとも一方が、前記設計図の前記表示を備えた前記材料の前記表面を走査する段階を含むことができる。前記方法は、前記設計図を識別するプロセッサを含むことができる。
【0029】
幾つかの実施形態では、前記方法は、前記材料の前記表面用の設計図を取得する通信インターフェースを含むことができる。前記方法は、前記設計図を、オンラインデザインストアを介して選択する段階を含むことができる。前記方法は、前記設計図の選択に続いて前記設計図を修正する段階を含むことができる。幾つかの実施形態では、前記方法は、前記材料の前記表面用の前記設計図の表示を、前記ユーザ装置のユーザインターフェースを介して取得する段階を含むことができる。
【0030】
幾つかの実施形態では、前記方法は、前記ユーザ装置の位置を設計図と比較する段階を含むことができる。前記比較に応答して、前記方法は、前記ユーザ装置の前記切削工具及び前記線引き工具の少なくとも一方の位置を調節する段階を含むことができる。前記方法は、前記切削工具及び前記線引き工具の少なくとも一方の前記位置を、前記ユーザ装置の前記位置及び前記設計図に基づいて調節できる。幾つかの実施形態では、前記方法は、前記切削工具及び前記線引き工具の少なくとも一方の前記位置を、前記ユーザ装置の偏心機構を用いて調節する段階を含むことができる。例えば、プロセッサが、偏心器に基づく連結装置を介して前記切削工具又は前記線引き工具に結合されたモータに、前記切削工具又は前記線引き工具の前記位置を調節させることができる。
【0031】
幾つかの実施形態では、前記方法は、前記ユーザ装置の位置が設計図から逸れたことを特定する段階を含むことができる。前記方法は、前記ユーザ装置の前記切削工具及び前記線引き工具の少なくとも一方の位置を修正する段階を含むことができる。前記位置は、前記ユーザ装置の前記位置及び前記設計図の設計経路に基づいて修正できる。
【0032】
幾つかの実施形態では、前記方法は、前記材料の前記表面用の設計図を識別する段階を含むことができる。前記方法は、前記材料の前記表面で実行される第1作業を特定するプロセッサを含むことができる。前記プロセッサは、前記設計図と、前記材料の前記表面に対する前記ユーザ装置の前記切削工具及び前記ユーザ装置の前記線引き工具の少なくとも一方の前記位置と、に基づいて前記第1作業を特定できる。前記方法は、前記ユーザ装置の前記切削工具及び前記ユーザ装置の前記線引き工具の少なくとも一方が、前記第1作業を実行する段階を含むことができる。
【0033】
幾つかの実施形態では、前記方法は、プロセッサが前記材料の前記表面で実行される第2作業を特定する段階を含むことができる。前記プロセッサは、前記設計図と、前記材料の前記表面に対する前記ユーザ装置の前記切削工具及び前記ユーザ装置の前記線引き工具の少なくとも一方の第2位置と、に基づいて前記第2作業を特定できる。前記方法は、前記ユーザ装置の前記切削工具及び前記ユーザ装置の前記線引き工具の少なくとも一方が、前記第2作業を実行する段階を含むことができる。
【0034】
幾つかの実施形態では、前記方法は、前記材料の前記表面を含む作業領域を走査する段階を含むことができる。例えば、前記センサ及び前記第2センサの一方が前記作業領域を走査してもよいし、或いは、第3センサが前記作業領域(例えば前記材料が置かれた部屋、前記材料が置かれた作業台又は工作台、前記材料に隣接した天井、壁、又は床)を走査してもよい。前記方法は、前記プロセッサが前記センサ、前記第2センサ、又は前記第3センサを介して前記作業領域のマーカーを追跡する段階を含むことができる。前記マーカーは前記材料の前記表面上に置かれないこともある。例えば、前記マーカーは前記材料に隣接させたり、前記材料の上方(例えば天井)又は壁に配置したりしてもよい。前記方法は、前記プロセッサが前記材料の前記表面に対する、前記ユーザ装置の前記切削工具及び前記ユーザ装置の前記線引き工具の少なくとも一方の位置を特定する段階を含むことができ、前記プロセッサは、前記位置を、前記作業領域の前記マーカーに対する前記センサ及び前記第2センサの一方の前記位置に基づいて特定できる。
【0035】
少なくとも1つの側面は、ユーザ装置の使用を容易にするシステムに関する。前記ユーザ装置は、切削工具と線引き工具との少なくとも1つを含むことができる。幾つかの実施形態では、前記システムは、前記切削工具及び前記線引き工具の前記少なくとも一方を含む。前記システムは、前記ユーザ装置に結合されたセンサ及び第2センサの少なくとも一方を含むことができる。前記センサ及び前記第2センサの少なくとも一方が、前記材料の前記表面の第1走査データを取得するため前記材料の前記表面を走査するよう構成できる。前記センサ及び前記第2センサの少なくとも一方は、第2走査データを取得するため前記材料の前記表面の少なくとも一部を走査するよう構成できる。前記システムは、前記センサ及び前記第2センサの少なくとも一方に結合されたプロセッサを含むことができる。前記プロセッサは、前記材料の前記表面に対する前記センサ及び前記第2センサの一方の位置を特定するため前記第1走査データ及び前記第2走査データを取得するよう構成できる。前記プロセッサは、前記材料の前記表面に対する、前記ユーザ装置の前記切削工具及び前記ユーザ装置の前記線引き工具の少なくとも一方の位置を特定するよう構成できる。前記プロセッサは、前記材料の前記表面に対する前記センサ及び前記第2センサの一方の前記位置に基づいて前記位置を特定できる。
【0036】
幾つかの実施形態では、前記プロセッサは、複数の走査データをつなぎ合わせる(例えば、複数の走査画像データ)ことによって前記第1走査データを生成して前記材料の前記表面の統合されたマップを生成するよう構成できる。
【0037】
幾つかの実施形態では、前記システムは、前記プロセッサに結合された表示装置を含むことができる。前記プロセッサは、前記表示装置に、前記材料の前記表面に対する、前記切削工具及び前記線引き工具の少なくとも一方の位置の表示が重ね合わされたマップ画像を表示させるよう構成できる。前記プロセッサは、前記第1走査データ及び前記第2走査データに基づいて前記マップ画像を表示できる。
【0038】
幾つかの実施形態では、前記システムは、前記材料の前記表面に印付けするよう構成されたマーカーを含む。前記マーカーは、ステッカー、インク、塗料、黒鉛、光線、鉛筆の印、バーコード、テープ、図画、及びパターンの少なくとも1つを含むことができる。例えば、前記マーカーは一意のバーコード配列である。前記プロセッサは、前記マーカーの特徴に基づいて前記材料における変化を識別するよう構成されている。
【0039】
幾つかの実施形態では、前記プロセッサは、前記材料の前記表面用の設計図を識別するよう構成できる。前記プロセッサは、前記設計図を前記第1走査データ及び前記第2走査データの少なくとも一方に関連付けることができる。
【0040】
幾つかの実施形態では、前記材料の前記表面が前記設計図の表示で印し付けできる場合、前記センサ及び前記第2センサの少なくとも一方が、前記設計図の前記表示を備えた前記材料の前記表面を走査できる。前記プロセッサは、前記設計図を識別するよう構成できる。
【0041】
実施形態によっては、前記システムは通信インターフェースを含む。前記通信インターフェースは、前記材料の前記表面用の前記設計図を取得するよう構成できる。
【0042】
幾つかの実施形態では、前記システムはオンラインデザインストアを含むことができる。前記通信インターフェースは、オンラインデザインストアを介して選択された前記設計図を取得するよう構成できる。前記オンラインデザインストアは、前記設計図を選択する表示の受け取りに続いて前記設計図を修正するよう構成できる。
【0043】
実施形態によっては、前記システムはユーザインターフェースを含むことができる。前記ユーザインターフェースは、前記材料の前記表面用の前記設計図の表示を取得するよう構成できる。
【0044】
幾つかの実施形態では、前記プロセッサは、前記ユーザ装置の位置を設計図と比較できる。前記比較に応答して、前記プロセッサは、前記ユーザ装置の前記切削工具及び前記線引き工具の少なくとも一方の位置を、前記ユーザ装置の前記位置及び前記設計図に基づいて調節できる。
【0045】
実施形態によっては、前記システムは偏心機構を含むことができる。前記偏心機構は、前記切削工具及び前記線引き工具の少なくとも一方に結合できる。前記偏心機構は、前記切削工具及び前記線引き工具の少なくとも一方の前記位置の調節を容易にするよう構成できる。
【0046】
幾つかの実施形態では、前記プロセッサは、前記ユーザ装置の位置が設計図から逸れたことを特定するよう構成できる。前記プロセッサは、前記ユーザ装置の前記切削工具及び前記線引き工具の少なくとも一方の位置を修正するよう構成できる。前記プロセッサは、前記位置を、前記ユーザ装置の前記位置及び前記設計図の設計経路に基づいて修正するよう構成できる。
【0047】
幾つかの実施形態では、前記プロセッサは、前記材料の前記表面用の設計図を識別するよう構成できる。前記プロセッサは、前記材料の前記表面で実行される第1作業を特定するよう構成できる。前記プロセッサは、前記設計図と、前記材料の前記表面に対する前記ユーザ装置の前記切削工具及び前記ユーザ装置の前記線引き工具の少なくとも一方の前記位置と、に基づいて前記第1作業を特定するよう構成できる。幾つかの実施形態では、前記プロセッサは、前記ユーザ装置の前記切削工具及び前記ユーザ装置の前記線引き工具の少なくとも一方に、前記第1作業を実行させるよう構成できる。
【0048】
幾つかの実施形態では、前記プロセッサは、前記材料の前記表面で実行される第2作業を特定するよう構成できる。前記プロセッサは、前記設計図と、前記材料の前記表面に対する前記ユーザ装置の前記切削工具及び前記ユーザ装置の前記線引き工具の少なくとも一方の第2位置と、に基づいて前記第2作業を特定するよう構成できる。前記プロセッサは、前記ユーザ装置の前記切削工具及び前記ユーザ装置の前記線引き工具の少なくとも一方に、前記第2作業を実行させるよう構成できる。
【0049】
少なくとも1つの側面は、プロセッサが実行できる実行可能命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。前記実行可能命令は、切削工具と線引き工具との少なくとも1つを含むことができるユーザ装置の使用を容易にできる。幾つかの実施形態では、前記命令は、前記材料の前記表面の第1走査データを取得するための命令を含むことができる。前記命令は、前記ユーザ装置に結合されたセンサ及び第2センサの少なくとも一方を介して前記第1走査データを取得するための命令を含むことができる。前記命令は、前記材料の前記表面の少なくとも一部の第2走査データを取得するための命令を含むことができる。前記命令は、前記センサ及び前記第2センサの少なくとも一方を介して前記第2走査データを取得するための命令を含むことができる。前記命令は、前記材料の前記表面に対する前記センサ及び前記第2センサの一方の位置を特定するため前記第1走査データ及び前記第2走査データを評価するための命令を含むことができる。前記命令は、前記材料の前記表面に対する、前記ユーザ装置の前記切削工具及び前記ユーザ装置の前記線引き工具の少なくとも一方の位置を特定するための命令を含むことができる。前記命令は、前記材料の前記表面に対する前記センサ及び前記第2センサの一方の前記位置に基づいて前記位置を特定するための命令を含むことができる。
【0050】
幾つかの実施形態では、前記命令は、前記材料の前記表面用の設計図を識別するための命令を含むことができる。前記命令は、前記設計図を、前記第1走査データ及び前記第2走査データの少なくとも一方に関連付けるための命令を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1図1は、工具を自動的に案内する装置の一実施形態の代表例である。
図2図2は、目標経路領域を辿るように工具を自動的に案内し、設計図に従って作業を行うための装置の一実施形態の代表的な例である。
図3図3は、工具を自動的に案内するシステムの一実施形態の例示的なブロック図である。
図4図4は、工具を自動的に案内する方法の一実施形態の例示的なフローチャートである。
図5図5は、工具を自動的に案内する方法の一実施形態の例示的なフローチャートである。
図6図6は、複数の電子デザインを含む電子デザインストア一実施形態の代表的な例である。
図7図7は、電子作業部屋を介して電子デザインの部品を注文する一実施形態の代表的な例である。
図8図8は、電子作業部屋を介して作業を行うための命令を与える一実施形態の代表的な例である。
図9図9は、電子デザインスタジオの一実施形態の代表的な例である。
図10図10は、設計図の一実施形態の代表的な例である。
図11図11は、本開示のシステム及び方法の実施形態により生成された結果の代表的な例である。
図12図12は、ルーターを含む案内工具システムの一実施形態の代表的な例の正面図である。
図13図13は、案内工具システムの一実施形態の代表的な例の正面図である。
図14図14は、ルーターを含む案内工具システムの一実施形態の代表的な例の側面図である。
図15図15は、案内工具システムの一実施形態の代表的な例の側面図である。
図16図16は、ルーターを含む案内工具システムの一実施形態の代表的な例の背面図である。
図17図17は、案内工具システムの一実施形態の代表的な例の背面図である。
図18図18は、ルーターを含む案内工具システムの一実施形態の代表的な例の平面図である。
図19図19は、案内工具システムの一実施形態の代表的な例の透視底面図である。
図20図20は、案内工具システムの一実施形態の代表例の内部載置台及び旋回構成要素の底面図である。
図21図21は、案内工具システムの一実施形態の代表的な例の透視図である。
図22図22は、案内工具システムの一実施形態の代表的な例の透視図である。
図23図23は、案内工具システムの一実施形態のグラフィカルインターフェースの代表例である。
図24図24は、一実装例に従って、本明細書で開示したシステム及び方法の様々な要素を実装するために使用できるコンピュータシステムの一般的なアーキテクチャを示すブロック図である。
図25図25は、一実装例に従って遠隔マシンと通信するクライアントを含む例示的なネットワーク環境の図を示す。
図26図26は、一実装例に従ってコンピュータネットワークを介したデザインストアの代表的なシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本開示は、一般に、木工又は印刷のような表面上で作業を行うためのシステム及び方法に関する。より詳細には、本開示は、材料の表面を基準として工具の位置を特定し、その位置を用いて例えば切断経路又は線引き経路など所定の経路又は設計図に沿って工具を案内、調節、又は自動補正することに関する。幾つかの実施形態では、この基準位置は、オンラインデザインストアを介して取得したデザイン又は設計図に対応できる。
【0053】
本開示の装置、システム、及び方法は、対象材料で作業を行うため工具を案内することに関する。幾つかの実施形態では、システムは、作業を行うために工具を自動的に案内できる。例えば、幾つかの実施形態では、本開示は、工具又は工具を含んだリグ(rig)の作業を行っている材料に対する位置を識別できる手持ち型システムを提供する。幾つかの実施形態では、この装置は手持ち型でなくてもよく、例えば、この装置は、遠隔操作プラットフォーム、ロボットプラットフォーム、又は制御可能若しくは制御可能でない他の種類の可動プラットフォームのような可動プラットフォーム上に設けてもよい。このシステムは、工具の位置を、工具の現在位置及び設計図に対応した所望位置に基づいて又はそれらに応じて調節できる(又は、工具の位置を調節するための命令を与えることができる)。幾つかの実施形態では、このシステムは、手で操作できる作業機器を備えた手持ち型装置を含み、これは、作業機器が移動する正確な経路を与えるため、空間的位置に基づいて作業器具の位置を高精度で調節できる。
【0054】
幾つかの実施形態では、工具の対象材料上での現在地又は位置を正確且つ頑強にさらに低待ち時間で検出可能な位置検出システムを含むことができ又はそうした位置検出技法を実行できる。例えば、工具及び付随する制御回路に結合されたビデオ又は静止画カメラを用いて、材料の表面を走査し、走査データ又は走査画像を処理して材料に作業を行う前に材料表面のデジタルマップを生成できる。材料に対する作業の実行時に工具が材料の表面近くに運ばれると、カメラは第2画像を撮影し、第2画像をデジタルマップと比較して材料に対する工具の位置を検出できる。
【0055】
様々な実施形態では、様々な位置検出技術を使用できるが、それらには、例えばRF、近接場型通信(near field communication)、ブルートゥース(登録商標)、レーザ追跡及び感知の無線位置感知技術の組込や、工具の位置を特定し且つ作業を行うための工具の案内又はその位置調節を容易にするための他の適切な方法などなどが含まれる。幾つかの実施形態では、前記システムは、工具の位置を特定するために2つ以上の位置検出技法を使用するハイブリッド位置検出システムを含むことができる。例えば、各位置検出技法は、直交強さ及び弱点(orthogonal strengths and weaknesses)を含むが、組み合わせれば、高い精度と短い待ち時間で位置を検出できる。例えば、第1位置検出技法は高精度だが頻度が低くしてもよい(例えば、正確に位置を特定するが待ち時間が長い、毎秒一回データを取得するよう構成されたセンサ)。第1位置検出技法は、高頻度かつ高精度で位置情報を与えるが、与える情報が限られているセンサを含む第2位置技術(例えば、高頻度かつ高精度だが、全世界的な文脈における工具の位置でなく動きの方向及び速度を含む推測航法のみを与える光学マウスセンサ)と組み合わせてもよい。一例では、このハイブリッド位置検出システムは、カメラを用いて材料表面上の工具の位置を正確に求め、次に、光学マウスセンサを用いて画像の次のフレームが到着するまでこの位置の変化を追跡できる。この例では、光学マウスセンサを用いる第2位置検出技術はすべての位置追跡を実現しないが、それは、位置特定のために速度を組み込むことは時間の経過と共にエラーを蓄積することになり、或いはこの装置は、拾い上げられ異なる場所に置かれるとその位置を特定できないためである。
【0056】
幾つかの実施形態では、切削又は線引き動作の前にマップを生成するために、ユーザは、カメラが材料の表面若しくはその所望部分のすべて、実質的にすべて、又はその一部の画像を取得するまでそのカメラで材料の表面を走査すればよい。システムは、これら画像を取得し、それらをつなぎ合わせて統合されたマップを生成できる。このデジタルマップ画像の生成及び位置の検出は、例えば1つまたは複数の画像処理技法、パターン認識技術、場所特定技術、コンピュータビジョン技術を含むことができる。例えば、システムは、第1画像の点A及びBが第2画像の点C及びDに対応することを識別できるので、それら2つの画像をつなぎ合わせることができる。例えば、木材の表面上で、システムは画像における変化、明るい箇所、色の変化、印、又は木目を識別し、それらをデジタルマップと比較して位置を特定できる。別の例では、システムは、角、側部、照明パターン、又は位置の識別が可能な他の印を利用してもよい。
【0057】
材料には印を付けて、材料の表面のマッピングや材料上の又は材料に隣接した工具の位置の検出を容易にできる。例えば、金属又はプラスチックなどの材料の表面は、位置を正確に検出するのに十分な、識別用印を含んでいないことがある。1つ又は複数の識別用の印又はマーカーを材料に付加して、パターン認識又は画像処理などの位置検出技法の実行を容易にしてもよい。これらマーカーは、任意種類の材料、インク、テープ、光、レーザ、彫刻、型彫り、温度勾配、隠顕インク(例えば、紫外線又は他の周波数の光が当たったときのみ可視となるインク)を含むことができる。幾つかの実施形態では、このマーカーは、前記材料の前記表面の少なくとも一部に貼り付け可能なテープを含む。こうしたテープには、例えば、一意のバーコード、デザイン、パターン、色、型彫り、隆起部、又は凹部などのシンボルを含むことができる。幾つかの実施形態では、こうしたマーカーには、ユーザがペン、鉛筆、インク、隠顕インク、塗料、クレヨン、又は他の任意印付け又は筆記用具で対象材料に無作為に印し付けすることが含まれる。
【0058】
材料の表面のデジタル画像を生成することに加え、幾つかの実施形態では、システムは、材料の表面における切削又は線引き設計図を識別できる。設計図は、システムのユーザが所望する任意の切削又は線引きを含むことができる。例えば、この設計図は、手描きデザイン、トレーシング、絵、画像、計算機支援設計(「CAD」)ソフトウェア、購入したデザイン、または購入した電子デザインを含むことができる。前記設計図は、少なくとも一枚の木片から切り取り可能なテーブルのデザインなど、材料に動作を実行することで工具が作成できるオブジェクトのデザインでよい。
【0059】
システムは、この設計図をマップ画像と組み合わせ或いはそれ以外の方法で設計図を材料表面のマップに関連付けるか、又は設計図をマップ画像に重ね合わせることができる。幾つかの実施形態では、この設計図は、材料の最初のマップを生成する前又は後に材料表面に描くことができる(そのインクが紫外線又は他の波長を使ってシステムにより検出可能な特別なペンを用いて)。例えば、材料の表面が最初のマッピング段階でデザイン(例えば、切削デザイン又は線引きデザイン)を含む場合、システムは画像を処理して設計図を識別し、それを材料表面のデジタルマップに含めることができる。このデザインが最初のマップ生成後に材料の表面に描かれ又は他の方法で印付けされる場合、システムは、カメラを使って材料を再走査したり材料の新規画像を撮影したりすることで、このデザインが印された材料の画像を取得できる。このデザインが最初のマップ生成前に材料の表面に描かれ又は他の方法で印付けされる場合、システムは、切削又は線引き設計図としてこのデザインを識別するか、ユーザが、識別されたデザインは切削又は線引き設計図であることをシステムに知らせればよい。
【0060】
幾つかの実施形態では、デザインを材料の表面に物理的に加えたり、それ以外の方法で実際の材料にデザインを印し付けたりすることなく、デジタルデザインを材料の表面のデジタルマップに加えることができる。例えば、このデジタルデザインはコンピュータ上で生成し、そのデザインはCAD図面又は他の種類の図面(例えば、JPEG、BMP、又はGIF)を含むことができる。例えば、CADソフトウェアを使用すれば、ユーザは設計図を加えることでマップ画像を修正できる。他の任意ソフトウェアを用いて、設計図をマップ画像と組み合わせ或いはそれ以外の方法で設計図を材料表面のマップに関連付けることができる(例えば、材料への作業の実行を容易にするために使われる設計図の位置を示すデータ)。デザインをデジタルマップ又はデジタルマップ画像に位置合わせ(register)した後、システムは、設計図を含む対応するデジタルマップデータ又はデジタル画像データを工具に与えることができる。幾つかの実施形態では、システムは、デザインを含むマップ画像を工具の表示装置上で表示して材料へのユーザの作業の実行を容易にできる。幾つかの実施形態では、工具は、設計図を表示することなく設計図に従って作業を実行できる(例えば、工具は作業の一側面を自動的に実行してよいし、或いは、工具は表示装置を含まなくてもよい)。
【0061】
切削又は線引き動作時に、ユーザは、工具を材料の表面上又はその近くに配置できる。表面上に工具を置くと、カメラが、材料の表面の一部を再走査又はその画像を撮影できる。この画像は、切削工具又は線引き工具とは異なる位置にある材料の一部に対応できる。システムは、新規画像における識別用印と、材料上の作業の実行前に生成されたマップ画像における識別用印とを比較することで、材料の表面又は設計図に対する工具の位置を特定できる。カメラは工具に取り付け又はそれ以外の方法で結合でき、カメラの取り込み側面(例えば、レンズ)は、切削工具(例えば、ドリルビット)からの固定且つ既知のベクトルで材料の表面に向けられる。切削工具から離れてカメラの焦点を合わせることで、システムは、位置検出用のマーカーを分かりにくくする可能性がある、切削により生じた破片が比較的写らない画像を取得できる。
【0062】
システムは、次に、新規画像を材料表面のデジタルマップと比較して、工具の正確な位置を特定できる。例えば、右上角に対応するデジタルマップの部分は、一組の識別用印を含むことができる。新規画像を取得すると、システムはこれら同一の識別用印を識別し、これら印がマップ画像の右上角に対応することを特定できる。次に、システムは、カメラベクトルオフセットに基づいて切削又は線引き工具の正確な位置を特定できる。
【0063】
幾つかの実施形態では、システムは、切削又は線引き工具の正確な位置を表示装置(例えば、工具の表示装置又はシステム又は工具に通信可能に結合された遠隔表示装置)上に実時間で表示できる。システムは、「X」、円、ドット、アイコン、又は工具の現在の位置を知らせる他の任意表示を介して表示装置上で位置を示すことができる。幾つかの実施形態では、工具は、現在の位置の表示を設計図又は切削経路に重ね合わせる(overlay)ことができる。幾つかの実施形態では、工具は、現在の位置の表示をマップ画像に重ね合わせることができる。幾つかの実施形態では、工具は、現在の位置の表示を、設計図のオーバーレイを含むマップ画像に重ね合わせることができる。
【0064】
幾つかの実施形態では、システムは、工具の検出位置又は設計図に基づいて工具を修正又は移動させる位置決めシステムを含むことができる。幾つかの実施形態では、システムは、工具の位置を検出する様々な位置検出技法を用い、さらに、工具の位置を移動又は調節する様々な位置決め技法を用いることができる。例えば、システムは、工具を位置決めするため2つ以上の位置決めシステムを含むハイブリッド位置決めシステムを含むことができる。工具の位置及び工具の所望の位置を特定すると、第1位置決めシステムは、比較的広い範囲にわたるが比較的低い精度で、工具を移動、調節、又は位置決めする(例えば、工具を材料の作業領域又は表面の任意場所へ移動する)よう構成できる。第2位置決めシステムは、比較的短い範囲にわたって(例えば、工具の現在位置から半径5インチの範囲で)しかし比較的高い精度で、工具を移動、調節、又は位置決めするよう構成できる。幾つかの実施形態では、第1(例えば、大雑把又は粗い)位置決めシステムは材料の表面における工具の、人間による位置決めを含むことができ、第2(例えば、精密又は正確な)位置決めシステムは、例えば、サーバモータ、ステップモータ、駆動機構、又は偏心器を用いて工具を位置決めすることを含む。第1位置決めシステムは、例えばロボットシステム、遠隔制御システム、又は全地球測位システム(「GPS」)使用可能装置などの人間によらない位置決めシステムを含むこともできる。
【0065】
例えば、第1位置決めシステムは、設計図に基づいて工具の位置を移動、調節、又は修正するよう構成された長距離で低精度の位置決め機構を含むことができる。第2位置決めシステムは、設計図に基づいて、第1位置決め機構よりも正確に、最大範囲内で、工具の位置を移動、調節、又は修正可能な短距離で高精度の位置決め機構を含むことができる。例示的で非限定的な一例では、第1位置決めシステムは、例えば、作業領域(例えば、作業が行われる材料表面を含む領域)全体の範囲を含む最大範囲と、±0.25インチの正確度とを備えることができる。第2位置決めシステムは、例えば、±0.01の正確度で0.5インチの最大範囲を備えることができる。第1及び第2位置決めシステムの最大範囲及び正確度は、ハイブリッド位置決めシステム及び方法の実行を容易にする他の範囲及び正確度を含むこともできる。様々な実施形態では、範囲及び正確度は一次元正確度(例えば、X軸沿い)、二次元正確度(例えば、X-Y軸)、三次元正確度(例えば、X-Y-Z軸)を基準とすることができる。
【0066】
第1位置決めシステムは正確度が低く、その最大範囲が第2システムの最大範囲より実質的に大きい位置決めシステムを含むことができる。例えば、第1位置決めシステムは、工具を材料の表面上において所望場所の±0.25インチ以内で任意場所に移動できるが、第2位置決めシステムは、現在位置から最大5インチまで工具を移動するが0.01インチの正確度を備えるように構成できる。幾つかの実施形態では、ハイブリッド位置決めシステムは、それぞれが正確に位置を特定し且つ工具を一定の距離範囲内に位置決めするよう構成された複数の位置決めシステムを含むことができ、これら複数の位置決めシステムを組み合わせて使用すると、このシステムは工具の位置を正確に特定し、工具をそれに従って位置決め又は調節できる。幾つかの実施形態では、その後の各位置決めシステムの最大範囲は、以前の位置決めシステムの正確度と同じ又はそれより大きくてよい。一例では、第1位置決めシステムは、工具を材料の表面上で、材料の表面のサイズに対応した最大範囲で且つ±1インチの正確度で位置決め可能とすればよい。第2位置決めシステムは、工具を材料の表面上で、2インチの最大範囲で且つ±0.1インチの正確度で位置決め可能とすればよい。第3位置決めシステムは、工具を、0.2インチの最大範囲内の任意地点に±0.01インチの正確度で位置決め可能とすればよい。従って、この例では、これら3つの位置決めシステムを組み合わせて使用することで、ハイブリッド位置決めシステムは、材料の表面又は作業領域全体を備えた最大範囲において±0.01インチの正確度で工具を正確に位置決めできる。
【0067】
幾つかの実施形態では、システムは、設計図に従った作業の実行を容易にするために自動調節、案内、又は誤差修正を含むことができる。システムは、例えば偏心器、サーボ機構、ステップモータ、制御ループ、フィードバックループ、アクチュエータ、ナット・ボルト式機構などを含む、様々な種類の調節、案内、又は修正機構を使用できる。例えば、システムは、フレームと切削工具とに結合され、フレームに対する切削工具の位置を調節するよう構成された偏心器又はサーボモータを含むことができる。工具の現在の位置を特定すると、システムは現在の位置を所望の位置に比較できる。すると、システムは設計図に従って工具を案内できる。幾つかの実施形態では、システムが現在の位置と所望の位置との間に差があると判断するか、現在の位置又は軌跡が設計図から逸れていると判断すれば、システムは工具を設計図に従って調節できる。例えば、システムは、工具及び設計図の切削経路又はベクトルを識別し、次の切削が設計図に従った切削となるよう切削工具を調節できる。
【0068】
前記システムは、様々な自動修正機構を使用できる。幾つかの実施形態では、システムは、切削工具の位置を調節するよう構成された偏心器を含むことができる。例えば、2つの偏心器を用いれば、システムは、切削工具の位置を二次元で調節できる。偏心器は、軸の周りを非対称に回転する任意の円形部品を含むことができる。例えば、偏心器は、非中心軸の周りを回転する円を含むことができる。偏心器は切削工具及びフレームに結合でき、フレームに対する切削工具の位置を調節するよう構成できるが、これにより材料の表面に対する切削工具の位置を調節できる。幾つかの実施形態では、システムは、工具の位置決めを修正又は調節するためネジとナットを使用して回転運動を直線変位に変換できる。
【0069】
幾つかの実施形態では、システムは、切削工具の種類に基づいた配向制御を含むことができる。例えば、切削工具が直角に調節できないサーベル鋸であれば、システムは設計図に従ってサーベル鋸の配向又は角度を調節すればよい。システムは、鋸の傾き又は角度を調節するよう構成されたアクチュエータを含むことができる。
【0070】
システムは切削工具又は線引き工具のZ軸を制御できる。切削工具又は線引き工具のZ軸を制御することで、システムは設計図に従って切削又は線引きを開始、終了させることができる。例えば、切削工具が設計図の修正可能距離を超えている(例えば、自動補正半径の外である)場合、システムは工具のZ軸を調節することで(例えば、ドリルビットを木材から持ち上げることで)切削を停止できる。ユーザが切削工具を自動調節半径内に戻すと、システムは、切削が再開されるように切削工具のZ軸位置を自動的に調節できる(例えば、ドリルビットを木材まで下げる)。この補正半径又は範囲は、場所特定システムの位置決めシステムに対応できる。例えば、場所特定システムが長距離及び短距離位置決めシステムを含むハイブリッド位置決めシステムを含む場合、補正半径は短距離位置決めシステムに対応させてもよい。幾つかの実施形態では、工具のZ軸位置を制御することで2.5次元設計の作成が容易になる。例えば、設計図は、材料の表面に対応したZ軸情報を示すことができる。
【0071】
幾つかの実施形態では、システムは、切削工具が設計経路上に又は補正半径内に位置しているのでシステムが切削工具の位置を修正できることを、ユーザに知らせることができる。幾つかの実施形態では、システムは、切削が設計経路上になく補正半径内にも位置していないことをユーザに知らせることができる。システムは、さらに、切削工具を設計図に又は補正範囲内に置くため、切削工具の位置又は切削工具の移動方向を修正できることをユーザに知らせることができる。システムは、発光ダイオード又は他の光源、音声信号、警報、チャープ、又は振動を用いて表示装置を介して1つ又は表示を視覚的に発することができる。幾つかの実施形態では、工具が許容範囲を超えて設計経路から逸れているという表示には、工具が材料への作業を停止できるようにするため、切削工具を自動的に停止したり、切削又は線引き工具のZ軸を調節したりすることが含まれる。幾つかの実施形態では、システムは、例えば設計経路がどこに位置しているか及びどこへ進めばよいかをユーザに指示する光線を照射することなどによって、材料の表面上で設計経路を示すことができる。例えば、エラーを確認すると、システムは、工具の位置を自動補正半径内又は設計経路に戻すには工具をどの程度調節すべきかをユーザに示す光線を照射できる。
【0072】
幾つかの実施形態では、サーベル鋸、ジグソー、ルーター、又はドリルのような複数の切削又は線引き工具をこのシステムと共に用いることができる。工具に対して小規模の/一時的な修正を行うことなく、ユーザが、本開示の様々な側面を様々な切削又は線引き工具と組み合わせて使用できるようシステムを構成できる。例えば、システムは、フレーム、カメラ、表示装置、計算装置を含むことができる。フレームは、切削工具がフレームに正しく取り付けされるよう構成できる。カメラはフレームに結合するか、切削工具に取り付ければよい。カメラを取り付けると、カメラと切削又は線引き工具(例えば、ドリルビット)との間のベクトルオフセットを取得するように、システムは自動又は手動で較正できる。
【0073】
幾つかの実施形態では、システムは、マッピングと場所特定機能を実行するよう構成された自立型装置であって、ユーザにその装置の現在位置を示すよう構成された自立型装置を含むことができる。幾つかの実施形態では、この自立型装置は切削又は線引き工具に取り付ければよい。幾つかの実施形態では、この自立型装置は自動修正機能を備えていなくてもよい。幾つかの実施形態では、この自立型装置は表示装置又はカメラを含むことができる。幾つかの実施形態では、この自立型装置は設計経路を確認し、工具が設計経路から逸れたことを検出できる。この自立型装置は、例えば、表示装置、材料表面への光の照射、音声信号、又は音声ナレーションによってエラーを示すことができる。
【0074】
幾つかの実施形態では、上述のように、本開示のシステム及び方法はオンラインデザインストアを含む。このデザインストアは、ユーザに、プロジェクト(例えば、テーブルの製作)用のデザインを選択させ、そのデザインをカスタマイズさせ、デザインを作成し又はプロジェクトを製作するための材料又は他の部品を容易に注文させ、デザインを切削し又はプロジェクトを製作するための手順又は訓練を提供させ、電子デザインを切削システム又は工具に転送させ、又はデザインを材料のデジタルマップに組み込んでデザイン経路又は切削経路を作成させるよう構成できる。
【0075】
例えば、このオンラインデザインストアのユーザは、テーブル用の複数のデザインに目を通し、デザインを選択し、次にデザインをカスタマイズできる(例えば、テーブルの長さ及び幅、引出の数、美的スタイル)。オンラインデザインストアは様々なデザインカスタムオプションを用意し、さらに、様々な切削(例えば、角、側部、目違い継ぎの再配置)、材料サイズ及びデザイン(例えば、新たなデザイン、追加の支持構造、より頑丈な材料、ネジ、ボルト、ナット、接着剤などのより強固な結合機構)を自動的に変更することでカスタマイズを容易にする。次に、オンラインデザインストアは、例えばデザインを切削する材料のサイズ、ネジ、締結具、塗料、ニス、支持材料、蝶番、取っ手の数及び種類を含む必要な供給品を識別できる。例えば、オンラインデザインストアは、余分な材料を無駄にすることなく材料を最大限に使用するように、デザインを材料に自動的にマッピングできる。オンラインデザインストアは、供給品の対応する部品番号、商品名、バーコードを識別できる。デザインストアは、次に、材料の供給業者を提案し、材料の供給注文を容易にできる。例えば、ユーザは、オンラインデザインストアを介して供給品を注文でき、オンラインデザインストアはその注文を供給業者(例えば、金物供給店)に送信できる。その後、オンラインデザインストアは、電子デザインの材料のデジタルマップへの重ね合わせを容易にする。幾つかの実施形態では、システムは、電子デザインをオンラインデザインストアから取得し、そのデザインを材料のデジタルマップに組み込むことができる。電子デザインは、電子的又は機械的に工具及び関連したフレーム又は案内装置に結合又はそれらから分離可能な計算装置(例えば、タブレットコンピュータ)にダウンロード可能なコンピュータプログラム又はアプリケーションとして格納できる。
【0076】
オンラインデザインストアはオンラインコミュニティーを含むことができる。オンラインデザインストアは、多くのオンラインデザインストア、このオンラインデザインストアの承認されたユーザ、又はこのオンラインデザインストアにアクセスできる任意の他のユーザを含むことができる。オンラインコミュニティーのオンラインユーザ又は会員は、設計をレビューし、デザインを評価し、チャットルームに参加したり他の方法で他のオンラインユーザと通信したりできる。
【0077】
図1を参照すると、作業を行うために工具を案内するための装置の一実施形態の代表的な例が示されている。幾つかの実施形態では、この装置は、フレームとそのフレーム内に取り付けられた工具(例えば、図1の例ではルーター)とを含む。フレームはユーザが手動で位置決めできる。この装置は、フレーム内の工具位置を調節して工具を設計図に従って案内若しくは調節でき、又はユーザの大雑把な位置決めの誤差を補正できる。この装置は表示装置を含むこともでき、対象材料をマッピングしてそれを表示装置に表示できる。幾つかの実施形態では、対象材料上のマーカー(例えば、ステッカー)が識別特徴を与えることにより、対象材料のマップを生成する助けとなる。この装置は、オンラインストアからデザイン又は設計図をダウンロードすることでそれを取得できる。この装置は、所望の切削パターンを示したデザインを備えた対象材料のマップを表示できる。
【0078】
図2を参照すると、目標経路領域を辿るように工具を自動的に案内し、設計図に従って作業を行うための装置の代表的な例が示されている。幾つかの実施形態では、複雑な経路を辿るには、この装置のユーザは、フレームをその経路の大雑把な近似値で移動させればよい。この例では、点線は、工具の位置が調節されなければ工具がとるはずの経路を示し、実線はその実際の経路、例えば、米国南東部の輪郭である。この例では、ユーザはフレームを握って、工具を概ね点線沿いに案内すれば、工具が実線に沿って切削するように自動調節できる。幾つかの実施形態では、この装置は、切削工具の位置と切削工具の所望の位置とに基づいて、ドリルビット又は他の切削工具を自動的に調節する。幾つかの実施形態では、この装置が図2の設計図1205のような所望の設計図に従って切削工具を自動調節する一方で、この装置のユーザは、図2の点線1210(又は図23の経路406)に沿って装置を移動させることができる。例えば、この装置は、デザインを備えた目標表面に対して切削工具の現在位置を識別又は検出できる。すると、この装置は、現在の位置をデザイン又はマップの所望位置と比較し、切削工具を調節する。
【0079】
図3を参照すると、工具を自動的に案内するためのシステムの一実施形態の例示的なブロック図が示されている。幾つかの実施形態では、システム680はスマート装置681を含む。スマート装置681は、少なくとも1つの中央演算処理装置(「CPU」)又はプロセッサ683を含むことができ、さらに、1つ又は複数の処理を実行するソフトウェアコード685、少なくとも1つのメモリ687、又は少なくとも1つの表示装置689を含むことができる。スマート装置681は、自己完結型ユニットを含むこともできるし、スマート装置681は、自己完結型でなくすなわち分離された構成要素を含むこともできる。例えば、表示装置689は、スマート装置681につないでもよいし、スマート装置681のハウジング内部に組み込んでもよい。幾つかの実施形態では、スマート装置681は、システム680が自己完結型の携帯ユニットとなるようにこのシステムの一部として一体化できる。
【0080】
幾つかの実施形態では、システム680は、工具の位置特定を容易にするための1つ又は複数のセンサを含むことができる(例えば、IR、レーザ、超音波距離測定など)。例えば、幾つかの実施形態では、システム680は、作業を行う材料のマップ684を作成するため、スマート装置681と組み合わせて使用できるカメラ682を含むことができる。任意の工具699の位置決めを行うため、カメラ682を工具699に結合又は取り付けてもよい。幾つかの実施形態では、カメラ682は表示装置689及びCPU683に接続されている。例えば、カメラ682は、任意の工具699に取り付け又は結合できるコンピュータ又はスマート装置681の一部としてもよい。ソフトウェアアプリケーション又はコード685は携帯型スマートフォンにインストールでき、このスマートフォンのカメラ、CPU、メモリ、及び表示装置を利用できる。幾つかの実施形態では、このソフトウェア又は処理の1つ又は複数の態様は、利用者書き込み可能グリッドアレイ(「FPGA」)又はデジタル信号プロセッサ(「DSP」)により実行させてもよい。
【0081】
幾つかの実施形態では、カメラ682は高フレームレートで画像を取得できる。例えば、このカメラは、材料の表面を走査して走査データ又は走査画像データを取得できる。幾つかの実施形態では、このカメラは材料の表面を走査でき、プロセッサがその走査されたものを処理して、材料の表面のマップを示す走査データを生成できる。これは、本明細書で開示する位置検出機能又はマッピング機能に役立ちうる。カメラ682は、比較的低フレームレートで画像を取得することもでき、カメラ682は1つ又は複数の光センサ(例えば、光学コンピュータマウス内のセンサ)と結合できる。これら光センサは、低待ち時間の推測航法情報を与えることができる。これら光センサはカメラ682と組み合わせて使用してもよい。例えば、カメラ682は、1秒に数回の頻度で正確な全世界測位情報を与え、感知できる遅れをもたらすことがあり、光センサを用いて最後の画像が撮影されてからの時間を埋める少ない遅れで推測航法情報を与えうる。幾つかの実施形態では、加速時計を推測航法のために用いてもよい。システム100は、走査時に被写域の正確度及び範囲を増大させ又は深さ情報を与えるため複数のカメラを用いてもよい。
【0082】
幾つかの実施形態では、システム100は、マップ684を作成、生成、又は受け取るよう構成されている。幾つかの実施形態では、マップ684はコンピュータービジョン(「CV」)又はセンサ技術を用いて作成できる。例えば、CV技法を用いて集成写真を作成できる。集成写真の工程には、同一物体の異なる部分の写真を複数枚撮り、それら写真の少なくとも2枚をつなぎ合わせて、物体全体を網羅する少なくとも1つの全体像を作成することが含まれる。
【0083】
幾つかの実施形態では、システム680又はプロセッサは、同時位置決め地図作成(「SLAM」)を含む技法を用いて走査データを評価するよう構成してもよい。SLAMは、作業対象の材料(すなわち「対象材料」)のマップ684を作成しつつ(例えば同時に)マップ684に対する工具699の位置を特定するためのプロセッサ683と通信可能に結合されたセンサ及び関連したソフトウェア685を用いることが含まれうる。例えば、マップの少なくとも一部を作成した後、カメラ682は作業中の材料の画像を取り込んでもよい。工具699又はリグの位置を特定するため、これら画像はスマート装置681に送り、この装置により処理できる。システム680はマップ684に基づいて取り込まれた画像を分析して、材料に対するカメラ682の位置(例えば地理的位置)を特定できる。カメラ682の位置が特定されると、幾つかの実施形態では、システム680はこのリグの位置が、リグに高剛性で取り付け可能なカメラ682の位置から既知又は特定可能なオフセットであることを識別できる。
【0084】
様々な実施形態は、例えば、RF、近接場型の無線通信(near field communication)、ブルートゥース(登録商標)、レーザ追跡及び感知、又はワークの上で工具699の位置を特定するための他の適切な方法などの無線位置感知技術の組込などを含む、様々な他の位置処理及び特定技術を使用できる。例えば、超音波、IR距離測定、又はレーザを用いて作業領域又は材料の表面に対する工具の位置を検出できる。一実施形態に従った工具の位置の案内及び調節を容易にするため、工具の検出された位置はシステム680の他の任意構成要素に与えてよい。
【0085】
幾つかの実施形態では、システム680は、モータシャフトの現在の配向を用いて、リグに対する工具699の位置を計算するよう構成してもよい。例えば、システム680は、モータシャフトをホーミングさせた後にホーミング工程からの1つ又は複数の動作を追跡することでモータシャフトの配向を識別してもよい。幾つかの実施形態では、システム680は、エンコーダはシャフトの配向を直接的に知ることができるのでホーミングの代わりにエンコーダを用いてもよい。オフセット及び計算を介して、システム680は、作業中の材料に対する工具699又はリグの位置を識別できる。マップ684に対して解析可能な取り込まれた画像は、例えば、木目や歪みなどの材料の特徴を含むことができ、或いは材料に配置されたマーカーを含むことができる。このマッピング及び位置特定技術の様々な側面は後に詳述する。
【0086】
幾つかの実施形態では、システム680は、デザイン686又はテンプレートを受け取ることができる。例えば、スマート装置681は、システム680のユーザからデザイン686又はテンプレートを受け取るよう構成できる。スマート装置681は、デザイン686を受け取るよう構成された様々な入出力装置を含むか、それらにアクセスできる。幾つかの実施形態では、システム680は、ネットワークを介してデザイン686を受け取ることができる。幾つかの実施形態では、システム680は、マップ684に基づいてデザイン686を修正又は調節できる。例えば、ユーザは、作業中の材料上に所望の作業経路を生成するため、デザイン686のサイズを材料のマップ684に対して調節できる。幾つかの実施形態では、システム680は、デザインのサイズを材料の寸法に基づいて自動的に調節又は最適化できる。
【0087】
ネットワークは、インターネット、ローカルエリアネットワーク、メトロポリタン地域ネットワーク、広域ネットワーク、イントラネット、及び携帯電話ネットワークなど他の通信ネットワークなどのコンピュータネットワークを含むことができる。こうしたネットワークを用いて、例えばラップトップ、デスクトップ、タブレット、携帯型情報端末、スマートフォン、又は携帯用コンピュータなどの少なくとも1つのユーザデバイス、システム680、又はシステム100に表示可能若しくはそれらが使用可能な小売店のウェブページ、オンラインストア、コンピュータ、又はデータにアクセスできる。
【0088】
システム680は、幾つかの方法でデザイン686を作成、取り込み、又はロードするよう構成できる。幾つかの実施形態では、デザインはダウンロード又はそれ以外の方法で取得できる。例えば、ユーザはデザインを計算装置上で生成し、そのデザインをシステム680に転送又は他の態様で伝達できる。別の実施形態では、システム680は、サードパーティーからデザインを受け取ることができる。例えば、ユーザは、ネットワークを介してオンラインでデザインを購入し、そのデザインをスマート装置又はコンピュータ681にアップロードしてもよい。幾つかの実施形態では、システム680は、表面のマップ及びその表面上のデザイン686のマップの取り込みを容易にできる。これにより、システム680が特定の線を辿ったり、視界を遮る大型工具の下にある材料表面の画像をユーザに表示したり、表面が破片で覆われる前に又は設計図が描かれた表面が切り取られる前に、設計図が描かれた表面を初期状態で表示したりするためにシステムを設定することが容易になりうる。幾つかの実施形態では、デザインは、メニュー駆動のインターフェースを介して装置681上で、その元々の形状から設計、変更、操作でき、これによりユーザは、距離、角度、及び形状を入力し、又は接触式パッド又は表示装置上で図を手描きできる。
【0089】
幾つかの実施形態では、ユーザが、システム又はリグ680を対象材料に沿って移動させる間に、スマート装置681はカメラからの取り込み画像を処理し、リグ680の位置を特定し、表示装置689上で所望経路をユーザに示す。一旦ユーザがリグ680を所望経路の近くに配置すると、リグ又はシステム680は、ロードされたデザイン686に従った所望の作業経路を実現するため工具699の位置を自動的に調節できる。「リグ」及び「システム」という用語は、本明細書の説明では区別なく使用できる。幾つかの実施形態では、リグは物理的な装置とその付属品とを含み、システムは物理的な装置と、その付属品と、それら物理的要素の幾つかに埋め込み又は含まれた関連した技術及びソフトウェアコードを含む。
【0090】
幾つかの実施形態では、システム100は、対象となる領域全体が網羅されるまで、対象材料の任意経路に沿ってカメラによって取り込まれた画像に基づいてマップ684を作成する。例えば、ユーザは、対象となる領域全体が網羅されるまで、任意経路で材料表面をカメラで走査させることができる。幾つかの実施形態では、カメラ682が材料の一領域を走査又は通過するようリグ100から取り外し可能となるよう、システム100を構成してもよい。システム100は、カメラ682が取得した画像をつなぎ合わせることができる。例えば、システム100は画像モザイクソフトウェアコード685を用いて、材料表面の対象領域の統合されたマップ684を作成できる。システム100はマップ684をメモリ687に格納できる。マッピングされた材料のカメラ682が撮影した画像を受け取ると、システム100は、この画像をメモリ687に保持されたマップ684と比較でき、さらに、位置及び配向を求めることもできる。例えば、システム100は、この比較に基づいて、工具、ドリル、システム、切削部材、載置台、又はリグの位置を特定できる。
【0091】
幾つかの実施形態では、システム680によって、ユーザは、マップ684が作成された後でデザイン686を作成し且つロードできる。例えば、マップ684がスマート装置681(例えばコンピュータ)で作成された後に、ユーザはデザイン686を、生成されたマップ684上に直接プロットすることによってコンピュータ上でデザインを作成できる。例えば、ユーザは、ドリル穴を開けたい木材片の箇所に印を付けてもよい。ソフトウェアコード685の技法及び特徴(コンピュータ利用設計・製造を含む)を用いて、デザインを正確な測定値で作成できる。次に、ユーザが材料に戻ると、マップ684上でのカメラ682の位置は、設計図686がマップ684に重ね合わされた状態で、画面又は表示装置689で表示できる。例えば、システム680は、表示装置上に、材料表面に対する位置(例えば、センサ、装置、切削工具、又は線引き工具の位置)の表示が重ね合わされたマップ画像を表示できる。幾つかの実施形態では、システム680は、マップに対する工具の地理的位置(geo location)を識別できる。例えば、カメラ682はドリルに取り付け、デザイン686で指定された目標ドリル位置に対するドリルの位置を正確に求めるために用いることができ、これによりユーザによるドリルの正確な位置調整が容易になる。
【0092】
幾つかの実施形態では、システム680は、対象材料の視覚的特徴を使用してマップを作成し且つカメラの位置を追跡するよう構成されている。幾つかの実施形態では、ソフトウェア685は、木目、欠陥、又は傷などの材料の可視特徴を使用して、マップを作成し且つカメラの位置を追跡するための命令を含んでいる。対象材料は、マッピング及び追跡機能を向上させるため変更してもよい。例えば、色で塗りつぶしたプラスチックは、システム680が効果的にマッピングし且つ追跡するには未分化の度合いが高すぎることがある。従って、ユーザは、例えば、なんらかの方法で追跡可能な特徴を付加するために材料表面を変更してよい。別の例では、システム680は、マーカーに、追跡可能な特徴を任意に付加するよう指示できる。例えば、付加可能な特徴には、典型的には不可視だが、紫外線又は他の光を当てると不可視スペクトル又は可視スペクトルが当たると可視になるこの材料に加えるインクが含まれ、これにより、ワークが完成すると目に見える印はまったく見あたらないが、カメラはこの不可視インクのパターンを追跡できるようになる。幾つかの実施形態では、ユーザは、後に取り除くことができるマーカー付きのステッカーを付けてもよい。例えば、プロジェクターなどを使って特徴を材料に投影することもできる。或いは、もしユーザが後に材料を塗料で塗りつぶすか、他の理由で材料の外観が気に入らない場合は、ユーザは鉛筆又はマーカーで材料を塗ればよい。
【0093】
幾つかの実施形態では、マーカーテープ又はステッカーは、テープの全長にわたって一意の配列のバーコードを含むことができる。幾つかの実施形態では、このマーカーテープは、装置が引っかかったり邪魔されたりすることなくマーカーテープの上を通過できるよう薄くできる。幾つかの実施形態では、このテープは、この装置がその上を通過する際には張り付いた状態を維持するが、このプロジェクトが完了した時点で容易に取り外せるように設計、作製できる。マーカーテープ材料には、例えば、ビニール又は他の任意適切な材料が含まれる。
【0094】
カメラが材料を追跡できない場合、十分正確にそれができない場合、材料が追跡に適していない(平らでない表面などのため)場合、又はカメラが表面を直接追跡できない他の任意理由がある場合は、カメラは材料から離れた他のマーカーを追跡してもよい。例えば、ユーザは固有の特徴や印を備えた壁を、作業対象の材料の上、下、又は側部の周りに設けてもよい。これら周りを囲む表面上の特徴又は印により、カメラは、材料上の又は材料に対するその位置を特定可能となる。様々な実施形態では、異なる種類の位置決め技術又は装置を、追跡機能を実行することなく材料の外観を記録するために主に使用されるカメラと組み合わせて、工具699又は載置台690の位置特定に用いることができる。位置決め技術は、例えば、超音波、IR距離測定、又はレーザが含まれる。
【0095】
システム680は、載置台690又は工具699が取り付けられた可動プラットフォームの地理的位置を調節することによって工具699の正確な位置を調節できる。載置台690は、モータシャフトに結合された偏心器(eccentric)に接続されている。モータシャフトが円形路を移動すると、偏心器が載置台690を複合弧及び複合経路に沿って移動させる。旋回軸694を載置台に結合でき、この旋回軸は第2又は旋回軸モータシャフトにも結合されている。旋回軸694は、360度範囲内における載置台の動きを制御するため、載置台690を押したり引いたりするよう構成できる。偏心器の回転を制御することで、システム680は載置台を範囲内のほぼすべてのXY位置に配置できる。
【0096】
幾つかの実施形態では、システム680は、工具の案内を容易にするため参照ルックアップテーブルを使用する。例えば、参照ルックアップテーブルは、所望の載置台位置に関連したモータの座標を含むことができる。幾つかの実施形態では、システム680は、載置台690及び載置台690に接続された工具699の切断ビットを所望の位置まで移動させるモータを調節するため使用可能な計算を実行できる。幾つかの実施形態では、システム680は、載置台690及び旋回軸694を位置決めすることで、工具699を2次元平面内で360度動かすことができる。工具の切断具は、目標範囲408(例えば、図23を参照)の360度領域内の任意場所に移動可能である。
【0097】
幾つかの実施形態では、電気モータが、載置台690及び旋回軸694を移動させ、位置決めし、又は調節できる。載置台モータコントローラ691は載置台モータ210を制御できる。旋回軸モータコントローラ695は旋回軸モータ220を制御できる。載置台モータコントローラ691及び旋回軸モータコントローラ695は、スマート装置681から所望の位置又は座標を含む情報を受け取ることができる。受け取られた情報に基づいて、載置台モータコントローラ691及び旋回軸モータコントローラ695は、それぞれのモータ210及び220を作動且つ制御して載置台690及び旋回軸694を適切又は所望の位置に配置することで工具を所望の地理的位置に位置決めする。
【0098】
幾つかの実施形態では、スマート装置681は、工具699と通信し、それから情報を受信し、それを制御する。例えば、スマート装置681は、電源をオン又はオフしたり、速度を増減したりする命令を送ることができる。幾つかの実施形態では、これら命令は、ユーザが材料の所望経路に十分近いか近接しているとき、例えば工具699の深さを調節することでいつ対象材料に係合するかを信号で伝えることができる。
【0099】
図4は、作業を対象材料に対して行うための方法600の一実施形態の例示的フローチャートを示す。例えば、方法600は、ルーターに基づく実施形態を用いて作業表面の切削を容易にするものである。幾つかの実施形態では、動作602において、ユーザは、材料から切り出したいと望むデザインを見つけ又は作成できる。幾つかの実施形態では、この作業は複数の作業(例えば、全体の作業の一部であり得る第1作業及び第2作業)を含むことができる。例えば、材料からデザインを切り取るという作業は、デザインの第1部分を切削する第1作業と、デザインの第2部分を切削する第2作業とを含むことができる。幾つかの実施形態では、第1及び第2作業はかなり似ていることもあるが(例えば同一種類の切削又は線引き工具)、他の実施形態では、第1及び第2作業は異なることがある(例えば、異なるドリルビット又は線引き工具、異なる種類の切削工具、異なるユーザデバイス、材料の異なる領域など)。
【0100】
この設計図を識別する前か後に、ユーザは材料又は材料シートの表面をマッピングできる。この材料に印が十分存在していれば、ユーザはその材料自体を使用してよい。しかし、動作604において、もし材料が平坦な表面を備えるか印が限られていれば、ユーザは材料の上にマーカーを配置できる。マーカーには、例えば、プリンタマーカーステッカー又は容易に識別可能な他の種類の適切な表示が含まれる。
【0101】
幾つかの実施形態では、動作606において、走査データを取得するため、センサは材料を走査できる。例えば、カメラが、材料及び様々なマーカーを走査してマップを作成する。CPUはセンサ又はカメラにより取り込まれた画像を処理し、マップ又は走査データを生成することができる。このマップのサイズ及び形状は、所望の幾何学形状に合わせて適切に操作できる。幾つかの実施形態では、動作608において、このデザインは、このマップに位置合わせされ又はそれ以外の方法で関係付けられる。
【0102】
幾つかの実施形態では、動作610において、切削工具が作業を行うために準備される。例えば、ユーザは、ビットを装着、調節、又は固定し、それをリグに取り付け、ルーターを始動させることができる。幾つかの実施形態では、このシステムは、例えば、ユーザによるリグ100の特定方向への移動の動作検知を含む、1つ又は複数のパラメータに応答したソフトウェア開始処理を介してルータを始動させることができる。
【0103】
幾つかの実施形態では、動作612において、システムは様々な設定を受け取ることができる。例えば、ユーザは、切削工具のビットの幅、工具の所望範囲修正の範囲(例えば面積)、十字線のサイズ、又は切削工具の速度を設定できる。この後、作業を開始するための命令をソフトウェアに与えることができる。
【0104】
幾つかの実施形態では、動作614において、リグが所望の経路に隣接して配置され、システムが工具の位置を、所望経路に沿った開始調節範囲位置に自動的に調節できるようになる。するとユーザは、例えば図3に関して本明細書で説明した一定速度方針を実行できる。幾つかの実施形態では、一旦、工具が設計図の周りを完全に移動した時点で(動作616)、ユーザは装置及び作業成果物を材料から除去できる。
【0105】
図5は、一定速度方針に関する方法650の一実施形態の例示的フローチャートを示す。図3の処理は、ユーザが、ルーターをリグに取り付け済みであり、材料をマッピングしてデザインもロード済みであると仮定している。幾つかの実施形態では、動作651において、ユーザはこの工程を開始して材料を切削できる。この工程は、工具を材料上の、設計図又は経路の範囲内の点に移動することを含むことができる(動作653)。例えば、ユーザは工具を移動させてもよいし、工具が遠隔制御されるようにしてもよい。
【0106】
幾つかの実施形態では、この工程は、工具の位置に基づいて、リグの調節範囲内に設計図上の点が存在するかを判断する段階を含む(動作655)。範囲内に点がない場合は、この工程は、通知を送る(例えば、表示、音声、振動、光、又はLEDを介して)段階と、ユーザが装置を調節範囲内に移動させるまで待つ段階(動作657)とを含む。
【0107】
幾つかの実施形態では、調節範囲内に点が存在すれば、この工程は、動作659において、工具に最も近い設計図上の点を目標点として設定する段階を含む。幾つかの実施形態では、この工程は、工具を目標点に移動し、材料を切削する段階を含むことができる(動作661)。
【0108】
幾つかの実施形態では、この工程は、新たな目標が調節範囲内に存在するかを判断することで第2目標を作成する段階を含む(動作663)。第2目標が存在する場合、この工程は、第2目標を新たな目標として設定する段階を含む(動作665)。この装置は時計回りに移動を継続でき、古い目標点から新たな目標点まで切削する。幾つかの実施形態では、この工程は、工具又はルーターが古い目標点から新たな目標点まで切断する間に、調節範囲内で次の目標点を識別する段階を含むことができる(動作663)。例えば、最適又は所望の第2目標の特定は、連続的で且つカメラにより検出されシステムにより処理された画像又は様々な画像に基づくものとしてもよい。
【0109】
幾つかの実施形態では、範囲内に目標点がない場合、この工程は目標点をクリアする段階(動作667)と、調節範囲内に点が存在するかの特定を動作655で開始する段階を含む。幾つかの実施形態では、この工程は、工具が例えば時計回り方向のような特定の方向で設計図のすべての又は一部を通過し終わるまで継続する。
【0110】
図6を参照すると、複数の電子デザイン1030を含む電子デザインストア1005の一実施形態の代表的な例が示されている。単一の実体がオンラインデザインストアを管理し、すべてのデザインを提供してもよいし、複数の実体がデザインをデザインストアに提供してもよい。このデザインストアを管理する実体は、様々な実体から提供されるデザインを承認したり、拒否したりできる。デザインストアのユーザは、デザインストアを管理する実体又はデザインを提出した実体からデザインを購入できる。例えば、デザインストアを管理する実体は、ユーザへのデザインの販売及び転送に関わる取引を円滑にすることができ、さらに、デザインの供給元に購入価格の一定割合を与える一方で購入価格の一部を得ることができる。
【0111】
この電子デザインストアは、本明細書に開示された機能を実現するよう構成された1つ又は複数のサーバで実行されうる。クライアントデバイス(例えば、本明細書で開示された切削又は線引きシステムの計算装置、ラップトップ、スマートフォン、又はタブレット)は、ネットワーク(例えば、インターネット、ワイヤレスネットワーク、イーサネット(登録商標)、モバイルデータ通信ネットワーク3G又は4G)を介してこの電子デザインストアと通信するよう構成できる。
【0112】
幾つかの実施形態では、システム680の制御回路は、この電子デザインストアから電子デザインを取得できる。電子デザインストア1005は、オンライン小売業者などの実体が経営することができる。この実体又はデザインストアの1人若しくは複数のオンラインユーザが、デザインを提供できる。幾つかの実施形態では、ユーザは実体のデザイン又は他のユーザのデザインを修正し、それらをこのストアに提出する(図9を参照)。
【0113】
電子デザインストア1005は、リビングルーム、ベッドルーム、ダイニングルーム、作業部屋、又はその他を含むデザインの複数カテゴリ1010を含むことができる。幾つかの実施形態では、これらデザインは、例えば、材料の種類(木材、木材の種類、金属、ガラス、プラスチック、紙、タイル、又はリノリウム)、材料の値段、予想完成時間、サイズ、重さ、製作難易度、又は人気により分類すればよい。各カテゴリ1010は下位カテゴリを含むことができ、例えば、リビングルームは、脇テーブル、コーヒーテーブル、椅子を、ベッドルームは、ベッド、あたま板、ドレッサーを、ダイニングルームは、テーブル、椅子、足付き食器棚、サイドボード、テーブルセッティングを、作業部屋は、棚、工作台、腰掛けを、その他は、玩具、額縁、ゲームアートを含む。これらカテゴリは例であって、他の様々な物品に関する他のカテゴリが存在しうる。
【0114】
幾つかの実施形態では、ストア1005は、デザインの評価1020及びレビューを含むことができる。例えば、ストア1005のオンラインユーザは、様々な要素に基づいてデザインを評価又はレビューできる。幾つかの実施形態では、これら要素は、例えばデザイン、切断のしやすさ、耐久性、難易度、又は価格価値(price value)などの美的又は機能的要素を含むことができる。
【0115】
幾つかの実施形態では、ストア1005は、「作ってみる」ボタン1025及び価格を含むことができる。作ってみるボタン1025を選択すると、ユーザは支払い情報を提供するよう促されることがある。幾つかの実施形態では、ストア1005はユーザの支払い情報を既に持っていることがあり、ユーザに支払い情報の使用を促す必要はない。幾つかの実施形態では、ストア1005は、ユーザの作ってみるという選択を確認する(例えば、支払いを確認する)ようユーザに促すこともできる。作ってみるボタン1025を選択すると、ストアは次の動作を表示できる。
【0116】
図7を参照すると、電子作業部屋を介して電子デザインの部品を注文する一実施形態の代表的な例が示されている。幾つかの実施形態では、電子デザインストア1005の作ってみるボタン1025を選択すると、ユーザは電子作業部屋1006に差し向けられる。ユーザは電子作業部屋1006に直接ログインしてもよい。電子作業部屋1006は、デザインの製作を容易にするための複数の動作(例えば、1040、1090、1095、1100、1105)を含むことができる。幾つかの実施形態では、電子デザインストア1005からデザインを選択すると、作業部屋1006は、部品注文1040の動作を含むことができる。このデザインに基づいて、作業部屋1006は、複数の部品1060、各部品の寸法1065、部品番号1079、又は部品を注文するか否か又はその部品が注文済みかを示すチェックボックス1075を含む部品リスト1055を表示できる。例えば、部品リスト1060は、部品番号1070 Z595B2に対応した1インチ×36インチ×18インチの寸法1065のサクラ合板を含むことができる。この部品は注文1075で選択できる。寸法1065は、例えばメートル法、英国単位、又は米常用単量などを含む様々な単位又は単位系とすればよい。
【0117】
幾つかの実施形態では、作業部屋1006は、これら部品を供給又はそこから部品を注文する実体1085(例えば複数の実体)を選択する機能を含むことができる。幾つかの実施形態では、作業部屋1006は、任意実体が要求/選択された部品を在庫として持っているかを自動的に特定するよう構成できる。例えば、その実体がすべての部品の在庫を持っていない場合又は特定の部品を供給しない場合、作業部屋1006はその実体を表示しないか、グレーで表示するか、又はすべての部品を供給しないことを他の方法で示すこともできる。幾つかの実施形態では、作業部屋1006は、すべての部品を供給する単一の実体が存在しないこと、又は一定の部品は別の実体からより安価に入手できることを特定できる。よって、作業部屋1006は、部品を供給する実体で、最も早く若しくは特定の期日までに、或いは最安値で供給/納品する実体からそれらを自動的に注文するように構成できる。
【0118】
幾つかの実施形態では、作業部屋1006は、「店内引き取り注文」又は類似のボタン1080を含んでいる。ボタン1080を選択したことを示す情報を受け取ると、作業部屋は、選択された部品1075を注文するため、ネットワークを介して選択された供給業者1085と通信できる。幾つかの実施形態では、作業部屋1006は、その供給業者のウェブサイトにユーザを差し向けてもよい。別の実施形態では、作業部屋1006はこれら部品を直接注文できる。幾つかの実施形態では、作業部屋1006は、ユーザから支払い情報を要求したり、注文の確認を促したりできる。
【0119】
作業部屋1006は、例えば、部品注文1040、側部切削1090、座部切削1095、部品結合1100、及びニス掛け1105を含む複数の動作を表示できる。作業部屋1006は、各製作プロジェクト又は製作プロジェクトの種類に合わせてこれら動作を調節できる。幾つかの実施形態では、作業部屋1006は、ある動作を行った後で次の動作を行う前に、一定時間待つことを示してもよい。
【0120】
図8を参照すると、電子作業部屋を介して作業を行うための命令を与える一実施形態の代表的な例が示されている。幾つかの実施形態では、作業部屋1006は、例えば椅子のようなデザインを製作するため側部を切削する第2動作を含むことができる。幾つかの実施形態では、第2動作は、塗装、ニス掛け、サンダー仕上、整理、線引き、又は作業を行い易くする他の動作を含むことができる。
【0121】
幾つかの実施形態では、作業部屋1006はオーディオ又はビデオ1110を含むことができる。オーディオ又はビデオ1110は、ユーザに、この動作の実行を容易にする指示を与えてもよい。例えば、指示1110は、ユーザに、デザインを装置にどのようにダウンロードするか、装置をどのように構成するか、装置を対象材料にどのように設置するか、対象材料をどのように準備するか、又は安全のヒントなどを指示することができる。
【0122】
幾つかの実施形態では、作業部屋1006は設計図112を表示でき、この設計図を「スマートルーターに送る」又はそれに類するボタン1115を介して装置に送るよう構成できる。スマートルーターは、本明細書に記載されたシステム680、システム100、リグ、装置のような装置又は案内付きの作業を行うよう構成された若しくはそれを実行可能な他の任意工具を含むことができる。幾つかの実施形態では、作業部屋1006は、この設計図をスマートルーターに無線で送信することができる。幾つかの実施形態では、作業部屋1006は、このデザインをスマートルーターに入出力(例えば、USB、シリアルポート、イーサネット(登録商標)、ファイアワイア、又は光学リンク)を介して送ることができる。スマートルーターは、作業部屋1006のグラフィカルユーザインターフェースを介して表示されるデザイン1112の写真を撮るよう構成されたカメラを含むことができる。
【0123】
図9を参照すると、電子デザインスタジオ1007の一実施形態の代表的な例が示されている。デザインスタジオ1007は、ユーザがプロジェクトを設計できるように構成できる。例えば、ユーザは特注テーブルを設計したいと望むかもしれない。デザインスタジオ1007は、テーブルデザインの例えばテーブルトップ及び引出などの、このプロジェクトのカスタマイズ可能な構成要素1130を表示できる。この例では、カスタマイズ可能な特徴は、表面の高さ、左側引出の数、右側引出の数、左右の引出の寸法など、テーブルトップ(又は他のデザイン)の寸法又は特徴を含む。ユーザは、入力テキストボックス、ドロップダウンメニュー、クロールバー、ボタン、又は他のデータ入力方法を介して寸法や高さを入力できる。幾つかの実施形態では、デザインスタジオ1007は、寸法、数、又は他の特徴属性を提案してもよい。幾つかの実施形態では、デザインスタジオ1007は、別の特徴の属性に基づいて特徴属性を自動的に更新してもよい。例えば、ユーザがテーブルの寸法及び引出の数を入力した場合、デザインスタジオ1007は、引出がテーブルの全体的寸法内に収まるように引出の寸法を自動的に求めてもよい。
【0124】
幾つかの実施形態では、デザインスタジオ1007は、ユーザがプロジェクトの様々な美術的構成部品を選択できるように構成できる。例えば、デザインスタジオ1007は、テーブル脚部輪郭1140として様々な選択肢1145及び1150を含んでいる。例えば、ユーザは、組合せ文字1145又はインレイ1150デザインを選択できる。
【0125】
幾つかの実施形態では、デザインスタジオ1007は選択されたデザインを受け取ると、それら選択されたデザインに対応した設計図1125を表示できる。設計図1125は切削パターンを含むことができる。さらに、設計パターン1125は材料の寸法を示すこともできる。幾つかの実施形態では、デザインスタジオは、デザイン属性1130及び1140に基づいて、材料の使用を最大化し、材料の無駄を減少するためデザイン切り抜き1125を自動的に構成できる。例えば、デザインスタジオ1007は、様々な要素が材料の第1片及び材料の第2片から切り出されるようにそれら要素を組み合わせることができる。幾つかの実施形態では、デザインスタジオ1007は、切削パターンを設定するため、スマートルーター又は他の切削装置の正確性と精度を計算に入れることができる。
【0126】
図10を参照すると、設計図及び印付け材料の一実施形態の代表的な例が示されている。印付け材料1155を付加することで対象材料のマッピングが容易になりうる。例えば、対象材料は、識別用の印を十分に備えていないことがある。識別用の印(例えばステッカー)を対象材料に加えることで、システム680が、対象材料をマッピングし且つ切削工程時に切削工具の位置を追跡することが容易となりうる。この例では、設計図は国の形状をしている。印付け材料を対象材料の表面に配置して、対象材料のマッピング、位置の追跡、及びデザインに従った位置の調節を容易にすることができる。
【0127】
図11を参照すると、本開示のシステム及び方法の実施形態により生成された結果の代表的な例が示されている。幾つかの実施形態では、これら結果は、切削結果又は線引きの結果を反映できる。この例では、切り抜き/線引き1170の寸法は、概ね4インチであるが、切り抜き/線引き1175の寸法は数フィート(例えば6フィート)でもよい。
【0128】
図12~20を参照すると、切削工具と共に使用するための本開示の装置及びシステムの様々な実施形態が示されている。幾つかの実施形態では、システム又はリグ100は、ルーター500と共に使用するよう構成されている。システム100は、下端においてベースハウジング130に結合又は他の態様で取り付け可能であり、上端において装置取付台122内部で終端する2つの支持脚104を含むことができる。装置取付台122は、モニタ又はスマート装置570を装置取付台122に留める又は固定する左右の表示装置クリップ124を含むことができる。幾つかの実施形態では、装置570は、ユーザが特定の用途の切削路を見ることができるようにする表示画面572を含む。ベース130は、ハンドル支持アーム108を介して取り付けられた左右のハンドル又はグリップ106を含むことができる。
【0129】
幾つかの実施形態では、ベース130の下端は、載置台150と下部載置台滑りパッド151とを囲む底部プレート139を含む。ベース130及び底部プレート139は、機械加工ネジなどにより互いに固定又は他の態様で結合できる。図8に示したように、底部プレート139は、底部に取り付け又は他の態様で結合された底部滑りパッド141を含むことができる。底部滑りパッド141は、対象材料の表面上でのリグ100の動きを助けるために使用できる。底部滑りパッド141は、高密度ポリエチレン、テフロン(登録商標)、又は耐久性が高く且つ材料上での摺動に適した他の適切な材料製とすることができる。
【0130】
幾つかの実施形態では、ルーター500(又は他の工具)は、ルーター底部プレート510を載置台150に取り付け又は他の態様で結合することで、リグ100に取り付け可能である。図20に示したように、載置台150は、ルーターベース510を載置台150に取り付けるための幾つかの工具取付点164を含むことができる。ルーターベース510は、ルータービット512の周りにケージを形成する幾つかのルーターベース支持脚508を含むことができる。幾つかの実施形態では、ルーター500は、電源コード506及びオン・オフスイッチ504を含む。上述したように、リグ100は、バッテリ電源などの搭載電源を含む自己完結型の携帯ユニットとして実装してもよい。
【0131】
幾つかの実施形態では、システム100はスマートユニット又はモニタ570を含む。スマートユニット又はモニタ570は、ケーブル端末又はレセプタクル576を備えた入力ケーブル574を含むことができる。幾つかの実施形態では、スマートユニットは、CPU、ソフトウェア、及びメモリを含むことができる。幾つかの実施形態では、装置570は、モニタと、ケーブル574と、CPUユニットに通信可能に結合又は接続されたレセプタクル576とを含むことができる。
【0132】
図13~18に示したように、システム100は、載置台モータ210と旋回軸モータ220とを含むことができる。載置台モータ210を用いて載置台150の動きを制御できる。旋回軸モータ220を用いて、載置台150を押し引きする旋回アーム156の運動を制御し、モータ210、220の回転運動を比較的直線の運動に変換することができる。載置台モータ210及び旋回軸モータ220は、それぞれの専用のモータキャップ212及び222を含むことができる。
【0133】
幾つかの実施形態では、モータ210、220は、載置台モータ駆動部253及び旋回軸モータ駆動部254によって制御される。駆動部253及び254は、プリント回路板250又はマイクロコントローラボード252に接続又はその他の態様で通信可能に結合できる。幾つかの実施形態では、マイクロコントローラ252は、スマート装置又はCPUユニット(例えば、ラップトップ、タブレット、スマートフォン、デスクトップコンピュータ、モバイルデバイス)からの低レベル命令を処理する。これらの命令は、モータ210、220を正しいコマンドに配置して(例えば、位置150、125)モータをこれらの位置に駆動する命令を含むことができる。幾つかの実施形態では、モータの配向は、一旦モータを零点にホーミングさせ、それに続いてとられるすべて又は一部の動作を追跡することによって追跡される。幾つかの実施形態では、システムは回転エンコーダを用いてモータシャフトの配向の状態を追跡できる。モータ210、220及びモータ駆動部253、254は、電源プラグレセプタクル255を電源に接続することで電源を得ることができる。
【0134】
図14及び15に示したように、本開示の幾つかの実施形態は、カメラ支持部190を備えたリグ100を含む。カメラ支持部190は、上部載置台ハウジング130に接続され、カメラ300が取り付けられるリグ100の上部で終端する1つ又は複数の支持部材を含むことができる。幾つかの実施形態では、カメラ300及びレンズ304は、加工中の材料の画像及びその周囲の領域を取り込むよう比較的下向きの姿勢に配置されている。
【0135】
幾つかの実施形態では、偏心器又は偏心部材を用いてモータの回転運動を直線運動に変換できる。偏心器は、偏心シャフトの周りを回転する円板を含むことができる。これらシャフトは、回転すると偏心円板周りに環装されたカラーに直線運動を生み出す。偏心器は、比較的安価でありつつ、精密直線載置台と同様の低いバックラッシ正確度を維持できる。例えば、1/2インチの直線変位範囲は、偏心器の能力範囲である。幾つかの実施形態では、システム100は、フレームに取り付けられ、ベース上で摺動するよう構成された載置台に接続された2つの偏心器を含むことができる。これら偏心器はステップモータにより回転させることができ、これがフレーム内で載置台を回転又は移動可能とする。様々な実施形態では、様々な偏心器のサイズ及び形状を変更することで、作業空間に対する、工具699のより大きい又は小さい相対運動を実現できる。
【0136】
幾つかの実施形態では、載置台を拘束するため、少なくとも1つの偏心器をボールベアリング連結により載置台に直接接続でき、別の偏心器を継手とヒンジにより接続できる。この連結設計によって、偏心配向と載置台位置との非直線的関係が得られる。例えば、偏心器の範囲中位回転の中心により近接した連結設計であれば、載置台の運動が穏やかになりうる。別の例では、範囲の端部に近接した連結設計であれば、載置台を一定量移動させうるより大きな回転を生み出すことができる。幾つかの実施形態では、載置台の変位は、極端な非直線性を備えた位置を避けるため、最大範囲の限界値(例えば、99%、98%、97%、95%、94%、90%、87%、85%、又は本開示の機能を促進する別の割合)に制限される。この連結設計により、工具に作用する力が、カムをそれらの目標位置から離れる方向に回転させるという意味で後退駆動(back driving)が可能となる。幾つかの実施形態では、本開示は、一定の力が存在しても後退駆動を防止するのに十分な力を備えた、適切な電力供給を受けるモータを含む。
【0137】
図20に示したように、幾つかの実施形態では、上部載置台ハウジング130は、上部載置台ハウジング130の形状になるよう機械加工又は形成されたスペーサ131、133、135を備えた一体型ユニットである。スペーサ131、133、135は、載置台150及び旋回アーム156が運動するのに必要な空間を確保する。幾つかの実施形態では、前部スペーサ131、側部スペーサ133、及び後部スペーサ135は単一のユニットとして形成する必要はない。例えば、前部スペーサ131、側部スペーサ133、及び後部スペーサ135は、上部載置台ハウジング130に取り付けられた別個の部材片を含むことができる。上部載置台ハウジング130は、複数の上部載置台滑りパッド137を収容できる。上部載置台滑りパッド137は、載置台安定化アーム152が最小の摩擦でパッド137上を移動できるように構成されている。
【0138】
幾つかの実施形態では、載置台150は、アルミ又は他の合金のような軽量だが耐久性があって強い材料を含むことができる。幾つかの実施形態では、載置台150は、1つ又は複数の安定化アーム152、載置台偏心アーム部材154、工具取付点168、又は工具が載置台150を通過して延伸する開口部160を含むように機械加工できる。幾つかの実施形態では、旋回アーム156は、載置台150と同じ合金又は材料から機械加工で形成すればよい。
【0139】
幾つかの実施形態の動作時に、載置台モータ210は、載置台モータシャフト184の回転に応答して運動できる。載置台偏心カム部材174が、載置台モータシャフト184に取り付けできる。載置台モータシャフト184が回転すると、載置台偏心カム174が回転できる。このカム設計により、カム174に接続されそれを囲む載置台アーム部材154が、載置台150を移動させることができる。幾つかの実施形態では、カム174と載置台アーム部材154との間にベアリングリングを用いてもよい。
【0140】
幾つかの実施形態では、旋回軸モータ220が動くと、旋回軸モータシャフト186が回転する。システム100は、旋回軸モータシャフト186に取り付けられた旋回偏心カム部材174を含むことができる。旋回モータシャフト186が回転すると旋回偏心カム部材176が回転でき、これがカム176に接続されそれを囲む旋回アーム部材154に、旋回アーム156を前後に移動させ、これによって載置台150が旋回アーム156に対して移動可能となる。幾つかの実施形態では、カム176と旋回アーム部材156との間にベアリングリングを用いてもよい。
【0141】
幾つかの実施形態では、載置台150及び旋回アーム154が動くにつれ、載置台安定化アーム152が上部載置台滑りパッド及び下部載置台滑りパッド151(図12を参照)に沿って移動し、移動時に載置台150を安定させる。幾つかの実施形態では、載置台偏心器174及び旋回偏心器176はボスを含む。このボスは、例えば、載置台モータシャフト184又は旋回モータシャフト186を締め付ける止めネジを収容するための追加材料を偏心器174、176に確保することができる。これによりそれぞれの偏心器174、176をしっかりと取り付けしやすくなる。旋回偏心ボス187の一実施形態が図20に示されている。この図は載置台偏心ボスを示していないが、それは、図示した実施形態では、載置台150と旋回アーム156が異なる平面上で動作するため、その偏心器が旋回ボス187に対して反転しているからである。
【0142】
幾つかの実施形態の例として、図23は、ユーザが例えばハンドル106を使ってリグ100を押し引きする際のモニタ又は表示装置572を示している。ルーター500のルータービット512(十字線410で示した)は、材料402を切削したり対象材料401に図面を引いたりするなどの対象材料に対する作業を行うことができる。ユーザは、デザインの意図した経路404(破線で示した)をモニタ又はスマート装置570の表示装置572で見ることができる。幾つかの実施形態では、表示装置572は、所望の経路406及び目標範囲408を示す。目標範囲408は、載置台150及びそれに合わせて取り付けられた工具の移動範囲に関連している。例えば、ルーターの移動範囲がその中心点から任意方向へ概ね0.5インチであれば、ルータービットは中心点から0.5インチしか動けないため、目標範囲408は直径1インチの円として定義できる。この例をさらに説明すると、ユーザは、ルータービット410を意図した経路404の0.5インチ内で移動させることができる。一旦リグ100が目標範囲408の0.5インチ内に入ると、CPUは意図した経路404上の目標点を自動的に識別できる。CPUは、載置台150を適切な座標まで移動するための命令をモータコントローラに送ることができ、こうした座標は、ビット410が目標点に到達し、意図した経路404に沿って切削することに対応できる。幾つかの実施形態では、システムは切削ビット410の幅を考慮できる。例えば、システムがルータービット410を意図した切削経路上に直接的に置く場合は、ルーターの刃の幅によって、ルーターが意図した切削経路を越えて材料を取り除いてしてしまうことがある。システムは、所望の経路406を意図した経路から幾らか距離を隔てて配置することにより、ビット410が意図した切削経路404を超えないがそこまでの材料を取り除くことになる。切削要素又はビットの幅は異なるため、システムを調節することで、ビット幅調節又は意図した切削経路404と所望の経路406との間の差を取り除いたり変化させたりできる。
【0143】
幾つかの実施形態では、システムは1つの目標点を切削又はそれに到着すると、次の目標点を識別し、意図した経路に沿って時計回りで切削を継続できる。ユーザは、ハンドル106を介してリグ100の押し引き動作を継続できる。ユーザは、モニタ572で表示したように、意図した経路(線又は範囲)を目標範囲408内に維持できる。より詳細なフロー及び工程は図4及び5に関連して記載されている。
【0144】
図12~20を参照すると、本開示の一実施形態は、載置台の偏心カム運動を用いてルーターを制御する手持ち型コンピュータ制御ルーターシステムを含んでいる。しかし、偏心カム運動が、工具又は載置台の移動に使用できる唯一の設計又は方法ではない。図21に示したように、直線に基づく設計を含む本開示のシステムの一実施形態の図を示した。システム700は、工具アーム702に取り付けられたルーター701を含むことができる。工具アーム702は、直線載置台ベース706の上部に組立可能である。直線載置台ベース706は、親ネジ705及び精密ナット707により構成された軸線に沿って前後方向に移動できる。幾つかの実施形態では、直線運動は、親ネジ705を回転させて直線載置台ベース706を強制的に移動させるステップモータ710を制御することで達成される。このステップモータ及び直線システムの端部はベース709上に取り付ければよい。幾つかの実施形態では、ユーザが材料上でシステム700を動かすことができるように、ハンドル708をベース709に取り付けてよい。
【0145】
幾つかの実施形態では、直線システム700は、材料の表面をマッピングし、材料上での装置700の座標すなわち位置を特定するためのカメラ704又は上述したセンサ技術を含む。ユーザは、本明細書で説明したようにマップを作成するためにカメラ704を使って材料を走査できる。幾つかの実施形態では、システム700は、デザインを受け取り、そのデザインを位置合わせするか、その他の態様でそのデザインを材料上のマップに関連付ける。例えば、ユーザは、デザインを作成、ダウンロード、又はそれ以外の方法で入手し、それをシステム700に与えることができる。幾つかの実施形態では、ユーザは工具を持って材料に戻り、設計図の切削線を辿ることができる。
【0146】
幾つかの実施形態では、装置700は、ルーター701を意図した切削経路又は線上に維持しつつ、装置を前方に移動させるためのハンドル708を含む。装置700が切削線又は経路から逸れた場合、システム700はその位置を検出し、それを設計図と比較することでこのエラーを検出できる。システム700は、エラー検出に応答して経路を修正できる。例えば、システム700はステップモータ710に電力供給して親ネジ705を回転させ、直線載置台ベース706を切削ビットが設計図の線に正確に交差する点まで移動することによってルーター701を移動可能である。この例では、本開示を使用して複雑な湾曲した正確な切削が可能である。
【0147】
偏心実施形態も直線実施形態も、モニタ又は表示装置を使用して意図した経路に対する工具の位置を伝達又は表示することができる。様々な実施形態は、レーザ点又は線をユーザが到達すべき地点に照射するなどの他の技法や、それらの組合せを用いることもできる。
【0148】
例示的な実施形態では、工具はテーブルトップ又は看板などのデザインを切削するために使用できるが、この切削は材料を貫通することなく、工具はこのデザインで必要とされる材料を除去するために複数回通過させるために使用してもよい。こうした例では、システムは、デザインに従ってすべての材料が除去されるまで、目標範囲内でルーターを前後に移動させるための信号をモータに送るよう構成できる。幾つかの実施形態では、システムは、目標範囲内のこうした材料がすべて除去されるまでユーザに待つように通知するよう構成できる。幾つかの実施形態では、システムは、一定の領域でデザインが完了した時点でユーザに通知することができる。これは、新たな目標範囲まで前進する時が来たことをユーザに示すことができる。
【0149】
幾つかの実施形態では、ルーターは材料自体に引かれた線を辿るよう構成できる。例えば、カメラを動作中の工具の前方部に配置し、引かれた線を見るようにしてよい。システムは、引かれた線上に正しく位置するため位置マッピングを用いることができる。
【0150】
本開示の幾つかの実施形態は、対象表面又は材料への印刷又は線引きを含むことができる。例えば、ユーザは、マップを作成又は他の態様で取得し、デザインをアップロードできる。システムは、そのデザインを大型キャンバスにセクション毎に印刷するよう構成できる。システムは、どの単色又は複数色を放射すべきかをデザイン及び印刷ツールの位置に基づいて識別できる。ユーザが材料をマッピングし且つデザインをアップロードした後は、ユーザは装置を材料上で通過させて画像を印刷できる。
【0151】
図22を参照すると、本開示のプリンタの例示的な実施形態が示されている。幾つかの実施形態では、このプリンタは手動で案内できるが、他の実施形態では、このプリンタは、ロボットのようにホイール(又はトレッドなど)により自動的に位置決めしてもよい。工具に基づいた実施形態と同様に、システム800は、表面のマップを作成し且つ表面における装置800の位置を追跡するために使用できるカメラ801を含む。プリンタヘッド805は、精密ナット804を移動可能な親ネジ803を回転可能なステップモータ807により駆動される直線載置台806に沿って摺動するよう構成できる。
【0152】
幾つかの実施形態では、装置800は表面のマップを取得又は生成し、表面に印刷される画像を位置合わせ又はその他の態様で関連付ける。次に、装置800は意図した印刷領域のいずれかの側に配置できる。幾つかの実施形態では、カメラ801は画像を撮影し、装置800は表面上のその位置を特定できる。装置800は、次に、プリンタヘッド805を直線載置台806の一端から他端まで移動させ、インクを帯状に塗布する。ホイール809に取り付けられたステップモータ802によって、装置800をインクの帯一本分の幅で(又はギャップができることを防止するため僅かに狭く)前方に移動させることができる。幾つかの実施形態では、プリンタ800は、モータ駆動ホイール809が駆動される際に回転するよう構成されたホイール811を含むことができる。プリンタ800が、次の帯に関するプリンタ800の位置が正しいことを確認すると、インク帯を印刷し、像の端部に到達するまで繰り返す。この例では、プリンタ800は、帯の長さと同じ幅で任意長さのインクのバンドを塗布できる。この時点で、プリンタ800は、次のインクのバンドの塗布を開始するために次の位置それ自信を移動させてもよいし、ユーザがそれを手動で行ってもよい。
【0153】
プリンタシステム800の様々な実施形態は、実時間で(すなわち、移動しつつ印刷する)又は段階を追って(停止位置で印刷する)動作できる。異なる実施形態が異なる作業に適している。例えば、高速の実時間バージョンは、正確度要件が低い広告掲示板の印刷用に製作できる一方、より高精度で低速の段階を追う装置は、ポスターなどの正確で大型の印刷用に製作できる。いずれのアプローチも壁に対しても動作可能とすることができ、これによって、壁紙に画像を印刷してそれを貼り付ける代わりに、壁に壁画、広告、又は他の画像を直接印刷できるようになる。さらに、この工具は、画像で覆うのが通常は非常に困難な湾曲表面でも動作可能とすることができる。
【0154】
プリンタの実施形態800は、インクジェット、液体又はスプレイペイント、マーカー、レーザー印刷技術、ラテックス系塗料、及び油性塗料を含む任意種類の塗料を用いるよう適合できる。
【0155】
幾つかの実施形態では、マッピング段階は、材料のサイズがデザインより大きい場合は抜かすことができる。例えば、ユーザが、デザインの一領域(例えば、右上角)に対応する開始点を特定して、システム800が画像の塗装を開始してもよい。
【0156】
ここまで説明してきた実施形態は、載置台に取り付けられた工具を収容するリグに焦点を当てたものであり、この載置台は1つ又は複数のモータによって移動又は制御されている。直線設計は、モータにより移動されるルーターに関するもので、このルーターは直線載置台に接続されている。こうした例では、ルータは別個のユニットとして取り付け又は装着されている。しかし、システムは単一ユニットとして設計して、載置台、載置台を移動させるモータ、コントローラなどすべてを同一ハウジング内に収容し且つハウジングと工具の動力と同一の動力システム内に含ませることができる。例として、ルーターハウジングは、載置台及びモーターを収容できるよう拡大し、ハウジングと一体化した表示装置を含むようにできる。そうした実施形態を介して、フォームファクターが向上して一体型工具のような外観となりうる。
【0157】
本明細書の実施形態は、すべてを網羅することを意図していない。本明細書で説明した概念を用いた他の実施形態は可能である。さらに、これら実施形態の構成要素は様々な異なる方法で実装できる。例えば、直線載置台、ヒンジ継手、電磁スライダ、又は他の位置決め機構を用いて、工具又は工具が設置された載置台を、その検出位置及びその意図した位置に応答して調節できる。
【0158】
一例として、本明細書に記載のシステム及び方法は、ドリル、釘打ち機、及び固定位置で動作する他の工具と共に用いることもできる。こうした実施形態では、工具とソフトウェアを修正して、設計図が完全なデザインでなく1つ又は複数の目標点を含むようにすればよい。こうした装置は、目標点が調節範囲内に位置するようにユーザにより動かすことができる。すると、ソフトウェアが工具を正しい目標位置まで移動可能となる。するとユーザは、この工具を使って穴を開けたり、釘を打ったり、他の動作を実行したりできる。
【0159】
幾つかの実施形態では、この工具は、自動調節を行わないでも作業の実行を補助できる。例えば、載置台、旋回軸、モータ、偏心器は取り除いてもよい。工具は下部載置台ハウジングに取り付けることができる。ソフトウェアを修正して、設計図に1つ又は複数の目標点が含まれるようにできる。ユーザは、工具が目標点の真上に位置するよう装置を移動させることができる。ユーザは、表示装置で示された位置フィードバックを用いて正確な位置決めが可能である。
【0160】
幾つかの実施形態では、本開示は、糸鋸の案内又は位置決めを容易にする。糸鋸の刃を回転させ刃の方向に進めることができるが、刃に直角に移動させれば折れてしまう。本開示は、位置決め載置台の上に設置可能な回転載置台を含むことができる。糸鋸はこの回転載置台に取り付ければよい。ソフトウェアを修正して、糸鋸が設計図を辿り、正しい向きに回転し、糸鋸が刃に対して決して直角には移動しないようにできる。幾つかの実施形態では、サーベル鋸を糸鋸の代わりに使用して同様の効果を得ることができる。こうした切削手段は回転載置台を回転させることで方向操作でき、切削手段は位置決め載置台を移動させることで切削方向に沿って移動させることができる。
【0161】
幾つかの実施形態では、システムは、回転はサポートするが平行移動はサポートしない。例えば、システムは、スクローリング糸鋸(scrolling jigsaw)(例えば、本体とは独立して回転できる刃を備えた糸鋸)の刃を自動的に配向できる。この実施形態では、ソフトウェアは刃を操作して正確なコースに向けることができ、ユーザは、その位置を制御する役目を果たすことができる。
【0162】
幾つかの実施形態では、システムはたすき鋸(scroll saw)の位置決めができる。例えば、カメラをたすき鋸に結合して、ユーザは材料を動かせばよい。たすき鋸の上部及び下部アームは、それらがコンピュータ制御により独立して移動できるように機械化できる。次に、ユーザは、設計図がたすき鋸の調節範囲に位置するように材料を移動さると、ソフトウェアがたすき鋸を調節して設計図を辿る。幾つかの実施形態では、これら上部及び下部アームは、同一位置に移動させてもよいし、材料に直角でない切削を行うために独立して移動させてもよい。
【0163】
幾つかの実施形態では、位置修正装置を移動式プラットフォームに取り付けることができる。例えば、この装置は材料の上に置いて、それ自身を駆動するように放置しておいてもよい。この装置は、2つの移動式プラットフォームが切刃又は切断ワイヤをそれらの間で引っ張るような代替的な実施形態でも使用できる。例えば、各プラットフォームは独立して制御して、例えば発砲体を切るために切断線が三次元で任意に移動できるようにしてもよい。
【0164】
幾つかの実施形態では、システムは、位置修正機構が搭載されたドーザーのような車両又は作業機器に結合又はそれ以外の態様で取り付けてもよい。例えば、ハイブリッド位置決めシステムの幾つかの実施形態は、第1範囲内までの精度を備えた第1位置修正システムと、第1範囲より正確な第2範囲までの精度を備えた第2位置修正システムとを備えた車両を含むことができる。この車両は地面に敷かれた鋼板のような材料シート上を駆動させることができ、プラズマ切断機のような切削工具を用いてこの材料を切断できる。幾つかの実施形態では、本開示は、プロット用具又は塗装装置が例えばフットボール場に線を引いたり、建築現場で印し付けをしたりする助けとなりうる。例えば、この車両は、車両(又は工具)の材料上の位置を特定し、材料のどこを切断又は印付けするかを識別し、適切な位置で材料を切断又は印付けするために、切断機又は他の工具と、カメラと、本明細書で記載した制御回路とを含むよう構成されたフォークリフト式の車両などの産業用車両を含むことができる。
【0165】
図24は、例示的な実装例によるコンピュータシステム1200のブロック図である。コンピュータシステム又は計算装置1200を用いて、システム100と、コンテンツプロバイダ125と、ユーザデバイス110と、ウェブサイトオペレータ115と、データ処理システム120と、重み付け回路130と、コンテンツ選択回路135と、データベース140とを実装できる。計算機システム1200は、情報を伝達するためのバス1205または他の通信構成要素と、情報処理のためにバス1205に結合されたプロセッサ1210又は処理回路とを含む。計算システム1200は、情報処理のためにバスに結合された1つ又は複数のプロセッサ1210又は処理回路を含むこともできる。計算機システム1200は、情報とプロセッサ1210に実行される命令とを格納するためにバス1205に接続されたランダムアクセス記憶装置(RAM)又は他の動的記憶装置などの主メモリ1215も含んでいる。主メモリ1215は、位置情報、一時変数、またはプロセッサ1210による命令の実行時に他の中間情報を格納するためにも使われる。さらに、計算機システム1200は、静的情報およびプロセッサ1220の命令を格納するためにバス1205に接続された読取り専用記憶装置(ROM)1210または他の静的記憶装置も含んでいる。情報および命令を永続的に格納するため固体デバイス、磁気ディスク、または光学ディスクなどの記憶装置1225がバス1205に接続されている。
【0166】
計算機システム1200は、ユーザに情報を表示するため、液晶表示装置またはアクティブマトリックス表示装置などの表示装置1235にバス1205を介して接続することもできる。情報および選択した指令をプロセッサ1210に伝達するため、英数字および他のキーを含むキーボードのような入力装置1230をバス1205に接続できる。別の実装例では、入力装置1230はタッチスクリーン表示装置1235を備える。入力装置1230は、方向情報および選択された指令をプロセッサ1210に伝達し、かつ表示装置1235上でのカーソルの動作を制御するため、マウス、トラックボール、またはカーソル方向キー(cursor direction key)などのカーソル制御装置を含むこともできる。
【0167】
様々な実施形態によれば、本明細書に記載されたプロセスは、主メモリ1215に含まれた一連の命令を実行するプロセッサ1210に応答して計算機システム1200により実装できる。こうした命令は、記憶装置1225などの別のコンピュータ可読媒体から主メモリ1215に読み込み可能である。主メモリ1215に保持された一連の命令の実行によって、計算機システム1200は、本明細書に記載された例示的なプロセスを実行する。主メモリ1215に保持された命令を実行するため、多重処理構成の1つ又は複数のプロセッサを利用してもよい。代替的な実装例では、例示的な実装例を実施するため、ソフトウェア命令に代えてまたはそれらと組み合わせてハードワイヤード回路を使用してもよい。よって、実装例は、ハードウェア回路またはソフトウェアの特定の組合せに限定されるものではない。
【0168】
例示的な計算機システムを図24に記載したが、本明細書に記載した主題および機能動作は、他の種類のデジタル電子回路またはコンピュータソフトウェア、ファームウェアもしくは本明細書で開示された構造体およびその構造的等価物を含むハードウェアもしくはそれらの1つ又は複数の組合せで実装できる。
【0169】
本明細書に記載した主題及び動作の実装例は、デジタル電子回路又はコンピュータソフトウェア、ファームウェア若しくは本明細書で開示された構造体及びその構造的等価物を含むハードウェア又はそれらの1つ若しくは複数の組合せで実装できる。本明細書に記載した主題は、1つ又は複数のコンピュータプログラムとして、すなわち、データ処理装置による実行又はデータ処理装置の動作制御のため1つ又は複数のコンピュータ記憶媒体で符号化されたコンピュータプログラム命令の1つ又は複数の回路として実装できる。代替的に又は付加的に、これらプログラム命令は、データ処理装置により実行するため適切な受信装置への送信用に情報を符号化するため生成される、例えば機械生成電気、光学、又は電磁気信号などの人工生成伝搬信号で符号化できる。コンピュータ格納媒体は、コンピュータ可読格納媒体、コンピュータ可読格納基板、ランダム又はシリアルアクセス記憶装置アレイ若しくはデバイス、又はそれらの1つ若しくは複数の組合せとすることができ、或いはそれらに含まれていてもよい。さらに、コンピュータ格納媒体は伝搬信号ではないが、コンピュータ格納媒体は、人工生成伝搬信号で符号化されたコンピュータプログラム命令の供給源又は出力先となりうる。コンピュータ格納媒体は、1つ若しくは複数の別々の構成要素又は媒体(例えば、複数のCD、ディスク、又は他の記憶装置)とすることができ、又はそれらに含まれていてもよい。従って、このコンピュータ格納媒体は有形かつ非一時的である。
【0170】
本明細書に記載された動作は、1つ又は複数のコンピュータ可読格納装置に格納された又は他の供給源から受け取られたデータに対してデータ処理装置によって実行できる。
【0171】
「データ処理装置」または「計算装置」という用語は、例示的には、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、チップ搭載システム、それらの複数または組合せを含む、データを処理するための様々な装置、デバイス、機械を包含する。こうした装置は、例えば、FPGA(書替え可能ゲートアレイ)又はASIC(特定用途向けIC)などの専用論理回路を含むことができる。さらに、この装置は、ハードウェアに加え、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、クロスプラットフォームのランタイム環境、仮想マシン、これらの1つ又は複数の組合せなどを構成するコードなど、当該コンピュータプログラムの実行環境を作成するコードを含むことができる。これら装置及び実行環境は、ウェブサービス、分散形計算及びグリッドコンピューティング・インフラストラクチャなどの様々な異なる計算モデルインフラストラクチャを実現できる。
【0172】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、又はコードとも呼ばれる)は、コンパイル済み若しくは解釈実行言語又は宣言型若しくは手続き型言語を含む任意形式のプログラミング言語で書くことができ、こうしたプログラムは、スタンドアローン形式のプログラム若しくは回路、構成要素、サブルーチン、オブジェクト又は計算環境における使用に適した他の単位を含む任意形式で導入できる。コンピュータプログラムは、ファイルシステムのファイルに対応できるが、必ずしもそうである必要はない。プログラムは、他のプログラム又はデータ(例えば、マーク付け言語文書に格納された1つ又は複数のスクリプト)を保持するファイルの一部、このプログラム専用の単一ファイル、又は多数の調整ファイル(coordinated files) (例えば、1つ又は複数の回路、サブプログラム、又はコードの複数部分を格納するファイル)に格納できる。コンピュータプログラムは、単一のコンピュータ又は単一サイトに配置された複数のコンピュータ若しくは複数サイトに分散されて通信ネットワークにより相互接続した複数のコンピュータで実行されるよう導入できる。
【0173】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例示目的だが、汎用及び専用マイクロプロセッサ並びに任意種類のデジタルコンピュータの1つ又は複数のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、読み取り専用メモリ又はランダムアクセス・メモリ或いはそれら両方から命令及びデータを受け取る。コンピュータの不可欠な要素は、命令に従って動作を実行するためのプロセッサと、命令及びデータを格納するための1つ又は複数の記憶装置とである。一般に、コンピュータは、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、又は光ディスクなどの1つ又は複数の大容量記憶装置を含むか、それらからデータを受信又は転送、或いはその両方を行うため機能的に接続されている。しかし、コンピュータはそうした装置を備えている必要はない。さらに、コンピュータは、一部しか列挙しないが、例えば、携帯電話、個人情報端末(PAD)、携帯オーディオ若しくはビデオプレーヤ、ゲームコンソール、全地球測位システム(GPS)受信機、又は携帯用記憶装置(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ)などの別の装置に埋め込んでもよい。コンピュータプログラム命令及びデータを格納するのに適した装置は、例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリ装置などの半導体記憶装置、例えば、内部ハードディスク又はリムーバルブディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、並びにCD-ROM及びDVD-ROMディスクを含むあらゆる形式の不揮発性記憶装置、媒体及び記憶装置を例えば含む。こうしたプロセッサ及びメモリは、専用論理回路により補足するかそれに組み込み可能である。
【0174】
ユーザとのインタラクションを実現するため、本明細書に記載された主題の実装例は、情報をユーザに表示するための、例えば、CRT(ブラウン管)またはLCD(液晶表示装置)モニタなどの表示装置と、ユーザがコンピュータに入力を与えるのに使用するキーボードと、例えばマウスやトラックボールなどのポインティングデバイスとを備えたコンピュータで実装できる。他の種類のデバイスを使ってもユーザとインタラクションを実現できる。例えば、ユーザに与えられるフィードバックは、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックなどの任意形式の感覚フィードバックでよく、ユーザからの入力は、音響、音声、又は触覚入力を含む任意形式で受信できる。
【0175】
データ処理システムのようなシステム100及びその構成要素は、1つ又は複数のプロセッサ、論理回路、又は回路などのハードウェア要素を含むことができる。図3は、ネットワーク環境300の例示的な実装例である。システム100及び方法200は、図3に示したネットワーク環境300で動作可能である。概説すると、ネットワーク環境300は、1つ又は複数のサーバ1306、1つ又は複数のノード1306、又は遠隔マシン1306と呼ぶことができる1つ又は複数のサーバ1306 と、1つ又は複数のネットワーク1305を介して通信する、1つ又は複数のローカルマシン1302、1つ又は複数のクライアント1302、1つ又は複数のクライアントノード1302、1つ又は複数のクライアントマシン1302、1つ又は複数のクライアントコンピュータ1302、1つ又は複数のクライアントデバイス1302、又は1つ又は複数のエンドポイント1302と呼ぶことができる1つ又は複数のクライアント1302を含む。幾つかの実施形態では、クライアント1302は、サーバにより与えられるリソースにアクセスを求めるクライアントノードとして、さらにホストされたリソースを他のクライアント1302に提供するサーバとして機能する能力を備えている。
【0176】
図25はクライアント1302とサーバ1306との間にネットワーク1305が存在していることを示しているが、クライアント1302及びサーバ1306は同一のネットワーク1305上に存在していてもよい。ネットワーク1305は、企業イントラネットのようなローカルエリアネットワーク(LAN)、都市域ネットワーク(MAN)、インターネット又はワールドワイドウェブのような広域ネットワーク(WAN)、でよい。幾つかの実施形態では、クライアント1305とサーバ1306との間には多数のネットワークが存在する。これらの実施形態の1つでは、ネットワーク1305は公衆網や私設網でよく、或いは、公衆網や私設網の組合せを含んでもよい。
【0177】
ネットワーク1305は、任意種類又は形式のネットワークでよく、2地点間ネットワーク、同報ネットワーク、広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、遠隔通信ネットワーク、データ通信ネットワーク、コンピュータネットワーク、ATM(非同期伝送モード)ネットワーク、SONETネットワーク(同期光通信ネットワーク)、SDH(周期ディジタルハイアラーキ)ネットワーク、無線ネットワーク、及び有線ネットワークのうち任意のものを含むことができる。幾つかの実施形態では、ネットワーク1305は、赤外線チャンネル又はサテライトバンドなどの無線リンクを含むことができる。ネットワーク1305のトポロジーは、バス、スター、又はリングネットワークトポロジーを含むことができる。ネットワークは、携帯デバイス間の通信に用いられる任意の1つ又は複数のプロトコルを利用する携帯電話ネットワークを含むことができ、これらには、先進移動電話プロトコル(「AMPS」)、時間分割多アクセス(「TDMA」)、符号分割多重アクセス(「CDMA」)、広域自動車通信システム(「GSM(登録商標)」)、汎用パケット無線システム(「GPRS」)、又はユニバーサル移動電話システム(「UMTS」)が含まれる。幾つかの実施形態では、異なる種類のデータを異なるプロトコルを介して送信してよい。他の実施形態では、同じ種類のデータを異なるプロトコルを介して送信してよい。
【0178】
幾つかの実施形態では、システム100は、多数の、論理的にグループ分けされたサーバ1306を含むことができる。これらの実施形態の1つでは、このサーバ論理グループは、サーバファーム1338又はマシンファーム1338と呼ぶことができる。これら実施形態の別のものでは、サーバ1306は地理的に分散していてもよい。他の実装例では、マシンファーム1338は単一の実体として管理できる。さらに別の実施形態では、マシンファーム1338は複数のマシンファーム1338を含んでいる。各マシンファーム1338内のサーバ1306は異種のものとしてよく、すなわち、1つ又は複数のサーバ1306又はマシン1306は、一種類のオペレーティングシステム・プラットフォームに従って動作できる。
【0179】
一実施形態では、マシンファーム1338のサーバ1306は、他の関連した格納システムと共に高密度ラックシステム内に格納し、企業データセンター内に配置してもよい。この実装例では、サーバ1306をこのようにまとめると、サーバ1306及び高性能格納システムを局所的高性能ネットワーク上に配置することで、システムの管理性、データ安全性、システムの物理的安全性、及びシステムの性能が向上する。サーバ1306及び格納システムを集中化し、それらを高度システム管理ツールと組み合わせることで、サーバリソースがより効率的に使用できるようになる。
【0180】
各サーバマシンファーム1338のサーバ1306は、同一マシンファーム1338内の別のサーバ1306と物理的に近接している必要はない。よって、論理的にマシンファーム1338として論理的にグループ化されたサーバ1306のグループは、広域ネットワーク(WAN)接続又は都市域ネットワーク(WAN)接続を用いて相互接続すればよい。例えば、マシンファーム1338は、異なる大陸、又は1つの大陸、国、州、市、キャンパス、若しくは部屋の異なる部分に物理的に配置されたサーバ1306を含むことができる。サーバ1306がローカルエリアネットワーク(LAN)接続又はなんらかの形式の直接接続を用いて接続されていれば、マシンファーム1338内のサーバ1306間のデータ通信速度は高速化する。また、異種マシンファーム1338は、一種類のオペレーティングシステムに従って動作する1つ又は複数のサーバを含むことができる一方、1つ又は複数の他のサーバ1306は、オペレーティングシステムでなく、1つ又は複数種類のハイパーバイザーを実行する。これらの実装例では、ハイパーバイザーを用いて仮想ハードウェアをエミュレートし、物理ハードウェアを区切り、物理ハードウェアを仮想化し、計算環境へのアクセスを実現する仮想マシンを実行できる。
【0181】
マシンファーム1338の管理は非集中化してよい。例えば、1つ又は複数のサーバ1306は、マシンファーム1338の1つ又は複数の管理サービスをサポートするための構成要素、サブシステム、及び回路を含むことができる。これら実装例の1つでは、1つ又は複数のサーバ1306は、フェイルオーバ、データ複製を含む動的データの管理、及びマシンファーム1338の頑強性増大に関わる機能を提供する。各サーバ1306は永続ストアと通信し、幾つかの実装例では動的ストアと通信できる。
【0182】
サーバ1306は、ファイルサーバ、アプリケーションサーバ、ウェブサーバ、プロキシサーバ、アプライアンス、ネットワークアプライアンス、ゲートウェイ、ゲートウェイ、ゲートウェイサーバ、仮想化サーバ、デプロイメントサーバ、セキュア・ソケット・レイヤー仮想私設ネットワーク(「SSL VPN」)サーバ、又はファイアウォールを含むことができる。一実装例では、サーバ1306は遠隔マシン又はノードと呼ぶことができる。
【0183】
クライアント1302及びサーバ1306は、任意種類及び形式のネットワーク上で通信し且つ本明細書に記載した動作を実行可能な、コンピュータ、ネットワークデバイス、又はアプライアンスなどの任意種類及び形式の計算装置として配置又はそうしたデバイス上で実行できる。
【0184】
図26は、ネットワーク1305などのコンピュータネットワークを介してオンラインデザインを提供する例示的なシステム2400を示す。
ネットワーク1305は、インターネット、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、メトロポリタン地域ネットワーク、又は他の地域ネットワーク、イントラネット、衛星ネットワーク、及び音声又はデータ携帯電話ネットワークなどの他の通信ネットワークなどのコンピュータネットワークを含むことができる。ネットワーク1305を用いて、切削システム、線引きシステム、ラップトップ、デスクトップ、タブレット、携帯型情報端末、スマートフォン、又は携帯用コンピュータなどの少なくとも1つのユーザデバイス2410に表示可能なウェブページ、ウェブサイト、ドメイン名、オンライン文書、又はユニバーサル資源ロケーターにアクセスできる。例えば、ユーザデバイス2410のユーザは、ネットワーク1305を介して、少なくとも1つのデザインストアオペレータ2415により提供されるウェブページにアクセスできる。この例では、ユーザデバイス2410のウェブブラウザは、デザインストアオペレータ2415のウェブサーバにアクセスして、ユーザデバイス2410のモニタ上に表示するためにウェブページを取得できる。デザインストアオペレータ2415は、一般にデザインストアを運営する実体を含む。一実装例では、デザインストアオペレータ2415は、ウェブページをユーザデバイス2410が利用できるようにするためネットワーク1305と通信する少なくとも1つのウェブページサーバを含む。
【0185】
システム2400は、少なくとも1つのデータ処理システム2405を含むことができる。データ処理システム240は、ネットワーク1305を介して例えばユーザデバイス2410、デザインストアオペレータ2415、及び少なくとも1つのデザインプロバイダ2425と通信するプロセッサを備えた計算装置などの少なくとも1つの論理機構を含むことができる。データ処理システム2405は少なくとも1つのサーバを含むことができる。例えば、データ処理システム2420は、少なくとも1つのデータセンタに設置された複数のサーバを含むことができる。一実装例では、データ処理システム2420は、少なくとも1つのサーバを備えたコンテンツ配置システムを含む。さらに、データ処理システム2420は、少なくとも1つのデザイナー2430と、注文モジュール2435と、インストラクター2440と、データベース2445とを含むことができる。デザイナー2430、注文モジュール2435、及びインストラクター2440はそれぞれ、データベース2445と通信するよう構成されたプログラム可能論理列又は特定用途向けICのような少なくとも1つの処理ユニット又は他の論理機構を含むことができる。デザイナー2430、注文モジュール2435、及びインストラクター2440は、データ処理システム2420の別個の構成要素でもよいし、単一の構成要素でもよいし、その一部でもよい。
【0186】
幾つかの実施形態では、データ処理システム2405は、複数のデザインをユーザデバイス2410のユーザに提供するよう構成されたデザイナー2430を含む。デザイナー2430は、選択されたデザインを受け取ることができ、さらに、そのデザインを複数のパラメータに基づいてカスタマイズするよう構成されている。例えば、デザイナー2430は、長さ、幅、若しくは高さパラメータ、重さ(例えば、テーブルが保持する重さの量)、引出の数、又はスタイルをカスタマイズできる。デザイナー2430は、1つ又は複数のパラメータをユーザデバイス2410のユーザから受け取ることができる。
【0187】
幾つかの実施形態では、デザイナー2430は、ユーザがその中から1つ又は複数のオプションを選択できるデザインの複数のオプションを与えることができる。例えば、デザイナー2430は、ユーザインターフェースを介して、テーブルの引出の数(例えば、1、2、又は3つの引出)に関するオプションを含むドロップダウンメニューを表示できる。デザイナー2430は、選択した引出の数を受け取り、テーブルをそれに従って設計できる。
【0188】
幾つかの実施形態では、デザイナー2430は、寸法又は他のパラメータに基づいて設計図を決定するよう構成できる。例えば、テーブルトップが2フィート×4フィートであれば、デザイナー2430は、寸法が2フィート×4フィートの木材片の注文を決定できる。さらに、デザイナー2430は、引出が4つであり且つ各引出はそれぞれ寸法が1フィート×2フィートの4つの木片を必要とすると判断できる。幾つかの実施形態では、すべての4つの木片が、単一の木片、2つの木片、又は4つの木片から切り出し可能となるように、デザイナー2430は設計図を生成することを決定できる。
【0189】
幾つかの実施形態では、デザイナー2430は、その設計図を、本明細書で開示した例えば切削システムなどのユーザデバイス2410に送信するよう構成できる。ユーザデバイス2410は、この設計図を受け取るよう構成された通信インターフェースを含むことができる。この設計図は、CD図面、JPEG、GIF、BMP、又は設計図を伝達可能な他の任意フォーマット又はソフトウェアを含むことができる。デザイナー2430は、このデザインを、ネットワークを介してワイヤレスプロトコル、フラッシュドライブ、USBドライブ、又は有線リンク(例えば、USBケーブル、シリアルポート、イーサネット(登録商標)、又はファイアワイア)によってユーザデバイス2410に送信できる。幾つかの実施形態では、ユーザはこの設計図を対象材料に描くことができる。幾つかの実施形態では、ユーザはこの設計図を印刷して、対象材料の上に置くことができる。幾つかの実施形態では、システムは、この設計図の写真を撮影し、そのデザインを材料のデジタルマップに重ね合わせることができる。幾つかの実施形態では、システムは、設計図を材料表面の走査データに関連付けることができる(例えば、設計図を走査データに相関させたり、設計図を走査データにマッピングしたり、設計図を走査データに位置合わせしたりするなど)。例えば、走査データは、システムが設計図を関連付けできる材料表面のデジタルマップを含むことができる。
【0190】
幾つかの実施形態では、データ処理システム2405は、デザインを作成するのに必要な供給品や部材を特定し又は供給業者からそれら部材及び消耗品を注文するよう構成された注文モジュール2435を含む。例えば、注文モジュール2435は、デザインに基づいて、木片の寸法とこのプロジェクトに使用される木材の種類とを特定し、その木材を供給する供給業者を識別できる。注文モジュール2435は、データベースを検索して、ネットワークを介して供給業者にクエリを送ってこの供給業者がその部材を供給できるかを知ることができる。
【0191】
幾つかの実施形態では、注文モジュール2435は部品の購入を容易にすることができる。注文モジュール2435は、ユーザに支払い情報を入力するよう促し、その支払い情報を供給業者に中継して、ユーザが供給業者から直接又は間接的に供給品を購入できるようにしてよい。
【0192】
幾つかの実施形態では、データ処理システム2445は、指示をユーザデバイス2440のユーザに与えるよう構成されたインストラクター2440を含む。指示には、デザインの選択方法、デザインのカスタマイズ方法、供給品の注文方法、設計図をユーザデバイス2410又は切削若しくは線引きシステムに転送する方法、安全に関するヒント、切削工具の使用方法、又は組立手順を含むことができる。幾つかの実施形態では、インストラクター2440は、ビデオチュートリアルを表示することもできる。幾つかの実施形態では、インストラクター2440は対話型情報を提供できる。幾つかの実施形態では、ユーザは、インストラクター2440を介してオンラインコミュニティーと対話できる。例えば、ユーザは、メッセージボード、オンラインチャットルーム、又はシステム2405の別のユーザが質問に応答できる別のオンライン媒体に質問を投稿できる。
【0193】
幾つかの実施形態では、データ処理システム2405は、他のユーザによるレビュー及び評価にアクセスを可能とするオンラインコミュニティー機能を含むことができる。例えば、オンラインコミニュティーを含むデータ処理システム2405のユーザは、テーブルの設計図を評価し、レビューを書くこともできる。幾つかの実施形態では、ユーザは自分自身のデザインをデザイナー2430に出力してよく、これはデータベース2445に格納できる。
【0194】
幾つかの実施形態では、データ処理システム2405は、ユーザが、金銭、トークン、ポイント、又は別の対価を用いてデザインを購入できるよう構成してよい。幾つかの実施形態では、ユーザは自分自身のデザインを、データ処理システム2405を介して販売できる(例えばデザインプロバイダ2425)。幾つかの実施形態では、ユーザがデザインを修正して修正済みデザインを販売する場合は、修正バージョンを販売するユーザは購入価格の一部を受け取る一方、元々のデザインを作成した元々のデザインプロバイダ2425は、購入価格の一部を受け取ればよい。幾つかの実施形態では、データ処理システム2405を管理するデザインストアオペレータ2415などの実体は、購入価格の一部を受け取ることができる。
【0195】
データ処理システム2405を介して購入した設計図は符号化して、それらが、こうしたデザインを購入したユーザでよい承認済みユーザのみが送信又は使用できるようにもよい。幾つかの実施形態では、ユーザは、このデザインストアの月毎又は年ごとの会員資格を取得し、こうしたユーザが、一定期間に一定数までのデザイン(例えば会費に基づいて)又は一定期間にデザインを無制限で購入できるようにしてもよい。
【0196】
本開示の代表的な方法による様々な動作を説明したが、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書で説明した幾つかの動作は省略でき、他の動作を加えることができることは理解されている。
【0197】
当業者であれば、本開示の広い概念から逸脱することなく上述の実施形態に変更又は修正を行うことができることは理解されるはずである。従って、本開示は、説明された特定の実施形態に限定されるものでなく、本開示の範囲及び精神内のすべての修正及び変更を網羅することを意図していることは理解されている。
【0198】
本明細書で説明されたシステムは、それらの構成要素のいずれか又はそれぞれの多数個を提供でき、これら構成要素は独立型マシンに設けることができ、幾つかの実施形態では、分散システムの多数のマシンに設けることができる。本明細書で説明したシステム及び方法は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせを実現するためのプログラミング技法又は工学技法を用いることで、方法、装置、又は製品として実装できる。さらに、本明細書に記載したシステム及び方法は、1つ又は複数の製品に実装された1つ又は複数のコンピュータ可読プログラムとして提供できる。本明細書に記載した「製品」という用語は、1つ又は複数のコンピュータ可読装置、ファーム、プログラム可能論理、記憶装置(例えば、EEPROM、ROM、PROM、RAM、SRAM)、ハードウェア(例えば、集積回路チップ、書替え可能ゲートアレイ(FPGA)又は特定用途向けIC(ASIC))、電子装置、コンピュータ可読不揮発性記憶ユニット(例えば、CD-ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク装置)からアクセス可能な又はそれに埋め込まれたコード又は論理を包含することを意図している。この製品は、ネットワーク通信線、無線通信媒体、空間を伝搬する信号、無線波、又は赤外線信号を介してコンピュータ可読プログラムにアクセスを実現するファイルサーバからアクセスできる。この製品は、フラッシュメモリカード又は磁気テープでもよい。この製品は、プロセッサに実行されるコンピュータ可読媒体に埋め込み可能なソフトウェア又はプログラム可能コードに加えてハードウェア論理も含む。一般に、こうしたコンピュータ可読媒体は、LISP、PERL、C、C++、C#、PROLOGのような任意のプログラミング言語、又はJAVA(登録商標)のような任意のバイトコード言語で実装すればよい。ソフトウェアは、1つ又は複数の製品にオブジェクトコードとして格納できる。
【0199】
1つ又は複数の仮想マシンの音声ハードウェアを仮想化するための方法及びシステムの幾つかの実施形態を説明してきたが、当業者には、本開示の概念を採用した他の実施形態も使用できることは明らかとなるはずである。
【0200】
様々な実施形態を本明細書で説明し例示してきたが、通常の技能を備えた当業者であれば、本明細書に記載した機能を実行又は本明細書に記載した1つ又は複数の利点の成果を実現する様々な手段又は構造体を構想できるはずであり、そうした各変形例又は修正は本明細書に記載された実施形態の範囲に入る。より一般的には、通常の技能を備えた当業者であれば、本明細書に記載したすべてのパラメータ、寸法、材料、及び構成は例示を意図したものであり、実際のパラメータ、寸法、材料、及び構成は、そうした教示が使用される1つ又は複数の具体的な応用例に依存することは容易に理解するはずである。当業者であれば、本明細書に記載した具体的な実施形態の等価物を理解し、或いは、通常の実験を行うだけでそれらを特定できるはずである。従って、上述の実施形態は例示目的のみで記載されたもので、実施形態は、明細書に具体的に記載されかつ請求項に記載されたものとは異なる態様で、添付の請求項及びその等価物の範囲内において実施可能であることは理解すべきである。本開示の実施形態は、本明細書に記載された各個別の特徴、システム、物品、材料、キット、又は方法に関する。さらに、2つ以上のそれら特徴、システム、物品、材料、キット、又は方法の任意組み合わせは、そうした特徴、システム、物品、材料、キット、又は方法が互いに矛盾しない限り、本開示の範囲に含まれる。
【0201】
上述の実施形態は多くの方法うちのいずれかで実装できる。例えば、これら実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせを用いて実装できる。ソフトウェアとして実装する場合、ソフトウェアコードは、単一のコンピュータに設けられていても多数のコンピュータに分散されていても、任意適切な単一プロセッサ又は一群のプロセッサ上で実行できる。
【0202】
又、コンピュータは、1つ又は複数の入力装置及び出力装置を備えることができる。これら装置は、例えば、ユーザインターフェースを提示するために使用できる。ユーザインターフェースを提示するために使用できる出力装置の例には、出力の視覚提示のための印刷機又は表示画面及び出力の聴覚提示のためのスピーカ又は他の音声発生装置が含まれる。ユーザインターフェースとして使用できる入力装置の例としては、キーボード、マウスのようなポインティングデバイス、タッチバッド、及びディジタル化タブレットが含まれる。別の例としては、コンピュータは、音声認識を介して又は他の可聴形式で入力情報を受け取ってもよい。
【0203】
そうしたコンピュータは、企業ネットワークのようなローカルエリアネットワーク若しくは広域ネットワーク、インテリジェントネットワーク(IN)、又はインターネットを含む、適切な形式の1つ又は複数ネットワークによって相互接続してもよい。こうしたネットワークは任意適切な技術に基づいたものとすることができ、任意適切なプロトコルに従って動作でき、無線ネットワーク、有線ネットワーク、又は光ファイバネットワークを含むことができる。
【0204】
本明細書に記載の機能の少なくとも一部を実装するため使用されるコンピュータは、メモリと、1つ又は複数の処理ユニット(本明細書では単に「プロセッサ」とも呼ぶ)、1つ又は複数の通信インターフェースと、1つ又は複数の表示ユニットと、1つ又は複数のユーザ入力装置とを含むことができる。メモリは任意のコンピュータ可読媒体を含むことができ、さらに、メモリは、本明細書に記載した様々な機能を実装するためのコンピュータ命令(本明細書では「プロセッサ実行可能命令」とも呼ぶ)を格納ことができる。1つ又は複数の処理ユニットを用いてこれら命令を実行できる。1つまたは複数の通信インターフェースは有線もしくは無線ネットワーク、バス、または他の通信手段に結合してよく、従って、コンピュータは、他の装置との間で情報を送信しかつ/または受信できる。例えば、ユーザが、命令の実行に関連した様々な情報をビューできるように1つ又は複数の表示装置を設けてもよい。1つまたは複数のユーザ入力装置を設けて、例えば、ユーザによる手動調節、選択、データもしくは様々な情報の入力、及び/又は命令の実行時におけるプロセッサとの様々な態様での対話を可能としてよい。
【0205】
本明細書で概説した様々な方法及びプロセスは、様々なオペレーティングシステム又はプラットフォームのいずれかを使用する1つ又は複数のプロセッサ上で実行可能なソフトウェアとして符号化できる。さらに、そうしたソフトウェアは、多数の適切なプログラミング言語又はプログラミング若しくはスクリプトツールのいずれかを使って記述でき、さらに、フレームワーク又は仮想マシン上で実行される実行可能マシン言語コード又は中間コードとしてコンパイルできる。
【0206】
本明細書に記載の概念は、1つ若しくは複数のコンピュータ又は他のプロセッサ上で実行されると、本明細書に記載の様々な実施形態を実装する方法を実行する1つ又は複数のプログラムを符号化したコンピュータ可読記憶媒体(又は多数のコンピュータ可読記憶媒体)(例えば、コンピュータメモリ、1つ又は複数のフロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ、書替え可能ゲートアレイ、他の半導体装置、又は他の非一時的媒体若しくは有形コンピュータ可読記憶)として実装できる。こうした1つ又は複数のコンピュータ可読媒体は移動式とすることができ、そこに格納された1つ又は複数のプログラムを1つ又は複数の異なるコンピュータ又は他のプロセッサにロードして、本明細書に記載した様々な側面及び実施形態を実施できる。
【0207】
本明細書で使用する「プログラム」又は「ソフトウェア」という用語は、一般的な意味で、本明細書に記載した様々な実施形態の側面を実施するためにコンピュータ又は他のプロセッサをプログラムするため使用可能な任意種類のコンピュータコード又はコンピュータ可読命令をいう。さらに、一側面によれば、実行すると本明細書に記載した方法又は動作を実行する1つ又は複数のコンピュータプログラムは、単一のコンピュータ又はプロセッサに設けられている必要はなく、本明細書に記載した様々な側面又は実施形態を実装するために多数の異なるコンピュータ又はプロセッサにモジュール形式で分散してよい。
【0208】
コンピュータ可読命令は、1つ又は複数のコンピュータ又は他の装置で実行されるプログラムモジュールのような様々な形式としてよい。一般に、プログラムモジュールは、特定の作業を実行したり特定の抽象データ型を実装したりするルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、又はデータ構造を含む。典型的には、こうしたプログラムモジュールの機能は、様々な実施形態で好適に組み合わせ又は分散してよい。
【0209】
こうしたデータ構造は、任意適切な形式でコンピュータ可読媒体に格納できる。例示を単純化するため、データ構造は、その構造内の位置を介して関係づけされたフィールドを備えることを示すことができる。こうした関係性は、こうしたフィールドの格納を、それらフィールド間の関係性を伝えるコンピュータ可読媒体内の位置に割り当てることでも達成できる。ポインタ、タグ、又はデータ要素間の関係を確立する他の仕組みを含む、任意適切な仕組みを用いてデータ構造内のフィールドの情報間の関係を確立できる。
【0210】
本明細書に記載された概念は1つ又は複数の方法として実施でき、それらの一例は記載されている。その方法の一部として実行される動作は任意適切な方法で順序付けてよい。従って、実施形態は、動作が例示されたものと異なる順序で実行されるように構成でき、例示的な実施形態では一連の動作として示したが、これには幾つかの動作を同時に実行することを含んでもよい。
【0211】
「光」、「光学的」、及びそれらに関連した用語は、本明細書で使用する限りは、可視スペクトルの電磁放射のみを指すと理解すべきでなく、紫外線(約10 nm~390 nm)、可視(390 nm~750 nm)、近赤外線(750 nm~1400 nm)、中赤外線(1400 nm~15,000 nm)、及び遠赤外線(15,000 nm~約1 mm)の電磁放射を指す。
【0212】
本明細書及び請求項で使用された不定冠詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、それとは異なることが明示されていない限り、「少なくとも1つの」を意味するものと理解すべきである。
【0213】
「又は」という語句は包括的なものと解釈でき、「又は」を用いて記載された任意項目は、その記載された項目の単一、2つ以上、或いはすべてを示すことができる。
【0214】
上記の明細書だけでなく請求項においても、「包含する」、「含む」、「保持する」、「含有する」、「伴う」、「保有する」、「からなる」などの移行語句は制限を設定しないもの、すなわち対象を限定しないで含むことを意味すると理解すべきである。

図1
図2
図3
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図5
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