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特許7162418モーションキャプチャ衣服及びシステム、並びにジーンズその他の衣服を対象とするモーションキャプチャ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-20
(45)【発行日】2022-10-28
(54)【発明の名称】モーションキャプチャ衣服及びシステム、並びにジーンズその他の衣服を対象とするモーションキャプチャ装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/11 20060101AFI20221021BHJP
【FI】
A61B5/11 200
A61B5/11 230
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017140581
(22)【出願日】2017-07-20
(65)【公開番号】P2018047226
(43)【公開日】2018-03-29
【審査請求日】2020-04-30
(31)【優先権主張番号】16180659.1
(32)【優先日】2016-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】507343327
【氏名又は名称】サンコ テキスタイル イスレットメレリ サン ベ ティク エーエス
【氏名又は名称原語表記】SANKO TEKSTIL ISLETMELERI SAN. VE TIC. A.S.
【住所又は居所原語表記】Organize Sanayi Bolgesi 3. Cadde 16400 Inegol-Bursa(TR)
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(74)【代理人】
【識別番号】100083389
【弁理士】
【氏名又は名称】竹ノ内 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100198317
【弁理士】
【氏名又は名称】横堀 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】オズギュル シバノグル
(72)【発明者】
【氏名】イトカ イルマズ
(72)【発明者】
【氏名】セルカン メルツ
(72)【発明者】
【氏名】フェヒム チャグラル
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0070957(US,A1)
【文献】特開2012-214968(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0121227(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0250420(US,A1)
【文献】特開2012-188799(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0029299(US,A1)
【文献】特表2016-518893(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/11-5/113
A61B 5/08
A41D 13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
編織布から構成されている衣服(2)であって、複数の慣性測定ユニット(30)を含み、
前記衣服(2)は1対のパンツであり、
前記複数の慣性測定ユニット(30)は、前記衣服(2)の縫い目(4)に内蔵されており、
前記縫い目(4)は、前記パンツの脚部(10)毎に、長手方向に延びる外側横方向縫い目(4)、及び/又は前記長手方向に延びる内側中央縫い目(4)を含んでいて、前記各外側縫い目(4)及び/又は前記各内側中央縫い目(4)は、前記パンツの脚部(10)の上方部分(14)に沿って配置された少なくとも1個の前記慣性測定ユニット(30)、及び前記パンツの脚部(10)の下方部分(16)に沿って配置された少なくとも1個の前記慣性測定ユニット(30)を含んでいる衣服(2)。
【請求項2】
前記衣服(2)に接してその上か、又は前記衣服(2)の前記縫い目(4)の内部に配置されており、前記複数の慣性測定ユニットに電気的に結合されている少なくとも1個のマイクロコントローラ(40)を備えている請求項1に記載した衣服(2)。
【請求項3】
前記衣服(2)の中、又は前記衣服(2)に接してその上に配置されており、前記複数の慣性測定ユニットからのデータ(60)を、少なくとも1個の外部データ受信及び処理装置(64)へ無線で送信するようになっている無線送信機を備えている請求項1又は2に記載した衣服(2)。
【請求項4】
前記複数の慣性測定ユニットは、前記縫い目(4)の内部に配置されている可撓性材料を用いたコネクタ(32)によって、前記縫い目(4)に沿って相互に連結されており、かつ前記コネクタ(32)は、通信バスを形成する複数の電気ケーブル(38)を有している請求項1~3のいずれか1項に記載した衣服(2)。
【請求項5】
前記コネクタ(32)は、少なくとも10%弾性伸縮可能であり、かつ前記電気ケーブル(38)は、蛇行した径路を形成するように、前記コネクタ(32)に沿って配設されている請求項4に記載した衣服(2)。
【請求項6】
前記可撓性材料は、プラスチック、テキスタイル又は導電性ヤーンを含んでおり、前記衣服(2)は、更に、前記縫い目(4)の内部において、前記複数の慣性測定ユニットの少なくとも表面に防水性コーティング(34)を有している請求項4又は5に記載した衣服(2)。
【請求項7】
前記衣服(2)は、デニムで製造されている請求項1~6のいずれか1項に記載した衣服(2)。
【請求項8】
前記縫い目(4)は、着用者のウェストに沿って延びるウェスト縫い目(4)を含んでおり、前記ウェスト縫い目(4)は、その内部に配置されている前記複数の慣性測定ユニットを少なくとも1個を含んでいる請求項7に記載した衣服(2)。
【請求項9】
前記複数の慣性測定ユニットは、複数の加速度計、ジャイロメータ及び磁力計を含んでいる請求項1~8のいずれか1項に記載した衣服(2)。
【請求項10】
前記縫い目(4)の少なくとも1つの内部に配置されている少なくとも1個のLED及び1個以上の振動部材(39)を、さらに含んでいる請求項1~9のいずれか1項に記載した衣服(2)。
【請求項11】
請求項3に記載した衣服(2)と、前記送信されたデータ(60)を受信し、かつ処理するようになっているプロセッサ、及び前記データを表示するディスプレイ(66)を備えた外部装置(64)とを含むモーションキャプチャシステム(80)であって、前記外部装置(64)は、前記データに基づいて、更に少なくとも1個の電子装置(68)をコントロールするようになっているモーションキャプチャシステム(80)。
【請求項12】
リアルタイムモーションをモニタ及び解析する装置であって、
モーションデータを得る、1対のパンツの縫い目(4)の内部に配置されている複数の慣性測定ユニット(30)、
―前記データを、少なくとも1個のプロセッサ及びディスプレイ(66)を備えている外部装置(64)へ無線送信する送信機、及び
―前記データを表示するディスプレイ及び前記データを解析するプロセッサの少なくとも1つを備え
前記データは、角度、ヨ-(偏揺れ)、ピッチ、位置、及び着用者(ヒト)の大腿骨、脛骨及び腓骨のそれぞれの加速度の少なくとも一つに関するリアルタイムモーションをモニタ及び解析する装置
【請求項13】
前記複数の慣性測定ユニットの一つは重力ベクトルを検知し、前記複数の慣性測定ユニットの一つは前記重力ベクトルを基準として使用して前記モーションデータを取得る請求項12に記載した装置
【請求項14】
前記データを解析するプロセッサは、ヒト着用者の大腿骨及び前記ヒト着用者の脛骨又は腓骨の角度、偏揺、ピッチ、位置、及び加速度の少なくとも一つに関するモーションデータを解析し、前記データを表示するディスプレイ(66)は、前記モ-ションデータに関する運動を、前記ディスプレイ(66)上に視覚的に表示する請求項12又は13に記載した装置
【請求項15】
前記外部装置(64)から無線送信されたデータ信号(74)を受信し、かつ前記外部装置(64)から無線送信されたデータ信号(74)に基づいて触知できるフィードバックを供給するマイクロコントローラを更に備えていて、前記触知できるフィードバックは、複数の慣性測定ユニットによって得られ、かつ前記外部装置(64)によって解析されたモーションデータに反応して、着用者の肉体の別々の部分へ供給される請求項12~14のいずれか1項に記載した装置
【請求項16】
前記データを表示する前記ディスプレイ(66)及び解析する前記プロセッサの少なくとも1つは、収集の間、前記データを収集すること、及び前記収集したデータを表示し、前記収集したデータの表示は、ヒト着用者の大腿骨ごと、及びヒト着用者の脛骨又は腓骨ごとの角度の統計的分布をグラフ表示することを含んでいる請求項12~15のいずれか1項に記載した装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モーションキャプチャ分野、即ち物体又はヒトの動作を記録する方法に関する。本発明は、軍用、娯楽、スポーツ、音楽、及びその他種々の用途に適用しうるものである。
【背景技術】
【0002】
通常、モーションキャプチャは、運動行為者の肉体の所定の複数の箇所に取り付けたマーカの位置を検知するようになっている1台以上のカメラで行為者の行為を記録し、スポーツ研究、映画制作、及びビデオゲームの開発に使用されている。マーカは、再帰反射材で被覆され、カメラのレンズの近傍で発生する光を反射するようになっている。或いは、マーカに、光源、例えばLEDを取り付けることもある。カメラの設置限界を調整して、行為者の皮膚及び衣服を無視し、マーカの光だけを撮影することができる。このようにして記録された運動に基づいて、デジタルモデルを3D環境にアニメ化される。
【0003】
別の技術としては、マーカ無しのモーションキャプチャへのアプローチがある。このシステムでは、トラッキングするためのマーカの着用を必要としない。特殊なコンピュータアルゴリズムによって、光インプットの多重系列及びヒトの形を解析し、トラッキングのため、ヒトの形を、その構成要素に分解することができる。
【0004】
上述したシステムは、使用者を検知し、記録するのに1台以上のカメラを必要とする。そのため、モーションキャプチャは、記録スタジオ、或いはカメラの視距離範囲が限られている空間でしか、実施することはできない。
【0005】
使用者が着用する硬質又は可撓性のあるゴニオメータ(角度計)を備えている機械的トラッカも公知である。この角度測定装置は、関節角度のデータをプロセッサに提供し、運動学上のアルゴリズムを使用して、使用者の肉体の位置を決定するものである。従来の機械的トラッキングシステムは、特に自由度が一つ以上ある場合において、精度に欠けている。
【0006】
慣性計測装置も公知である。これは、カメラを必要とすることなく、マーカの位置を検知するもので、一般に、モーションキャプチャシステムに専用のシステムと関連づけて使用され、十分可視的であるが、比較的重量があり、通常、短期間の使用用として設計されており、取り扱い難く、かつ着用心地がよくない。
従って、改良されたモーションキャプチャシステム、及び使い勝手がよいモーションキャプチャシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、前述した従来技術の欠点を解消し、快適に着用することが出来、かつスタイリッシュな外観を有する衣服を用いて、着用者の運動を、確実に検知することできるモーションキャプチャ衣服及びモーションキャプチャシステムを提供することである。
【0008】
本発明が解決しようとする別の課題は、簡単に衣服に取り付けることが出来、かつ確実な方法で洗濯することができるモーションキャプチャシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これら及び他の課題は、請求項1に記載した衣服、請求項12に記載したモーションキャプチャシステム、請求項13に記載した運動をモニタし、かつ解析する方法によって、及び請求項18に記載したモーションキャプチャ回路によって解決される。本発明の好ましい態様は従属請求項に記載されるであろう。
【0010】
特に、本発明による衣服(以下、単に「衣服」と呼称することがある)は、編織布から構成されており、衣服の縫い目に内蔵されている複数の慣性測定ユニット(以下「IMU’S」と略記することがある)を備えている。前記スタイリッシュな外観を有する慣性測定ユニットは、有利なことには、全ての3軸方向で360度運動を検知しうるようになっている。
【0011】
本発明の特徴によって、肉体的に快適、及び/又はスタイリッシュな外観を有する日常衣服を着用している使用者の日常活動の間、着用者の運動を検知することができる。
【0012】
本発明の衣服は、衣服に接して衣服の上に装着されているか、又は衣服に内蔵されており、複数の慣性測定ユニットに電気的に結合されている少なくとも1個のマイクロコントローラを備えていることが好ましい。
【0013】
本発明の特徴によると、前記少なくとも1個のマイクロコントローラは、少なくとも1つの縫い目の中に含まれている。
【0014】
本発明の幾つかの態様によると、衣服は、更に、少なくとも1つの縫い目の中に配置されているLED及び振動部材のうちの少なくとも1個を備えている。
【0015】
これらの本発明の態様によると、使用者には、視認的及び/又は触知的に有用な情報が与えられる。
【0016】
衣服は、デニムで製造されているのが好ましい。或る態様として、編織布は、ストレッチデニムで製造されていてもよい。本発明の特徴によると、複数の慣性測定ユニットは、複数の加速度計を備えている。好ましくは、複数の慣性測定ユニットは、更に、ジャイロメータ及び複数の磁力計を備えている。複数の慣性測定ユニットは、スマートフォン、コンピュータ又はプロセッサを備えているその他の電子装置のように、少なくとも1個の外部のデータ受信及び処理装置と一緒に、電子通信装置内に組み込まれている。衣服は、更に、衣服の中又は衣服に接してその上に配置されており、慣性測定ユニットから、データを外部のデータ受信及び処理装備へ通信するワイヤレス送信機を備えているのが好ましい。
【0017】
複数の慣性測定ユニットは、縫い目の中に配置されている可撓性材料を用いた帯片によって、縫い目に添って互いに電子的に連結されていてもよい。前記の可撓性材料としては、プラスチック、テキスタイル又は導電性ヤーンでよい。前記帯片は、通信バスを形成するために、複数の電気的接続手段(導電性トレース、ワイヤ、電気ケーブル等)を含んでいてもよい。
【0018】
幾つかの態様によると、帯片は、少なくとも10%弾性伸長することができ、かつ電気的接続手段は、波形状又はジグザグ路のような蛇行径路(即ち、連続した非線形路)状に帯片に添って配置されている。換言すれば、帯片の端部に所定の力を付与すると、帯片は、少なくとも10%延びることができる(即ち、その長さを伸ばすことによって変形する)。その力を除去すると、帯片は弾力的に元の長さに戻る。電気的接続手段の波形又はジグザグ状或いは蛇行径路パターンによって、帯片が伸びたときに、接続手段が破断しないようになっている。
【0019】
これらの態様により、着心地よさは高められ、かつ着用者が衣服を着用した際、衣服に埋め込まれている電子装置の存在に気づかないようになっている。
【0020】
本発明の態様によると、更に、衣服は、帯片及び慣性測定ユニットに接して、それらの上に、及び縫い目の内部に、防水コーティングが施されている。この態様によって、衣服の電子部品は、汗、水、及びその他の如何なる液体、又は洗濯の間に経験するかも知れない他の流体から隔離される。
【0021】
幾つかの態様において、衣服は1対のパンツである。このようなパンツの縫い目は、対のパンツのそれぞれの脚毎に、着用者の脚に添って長手方向に延びている外側の横方向の縫い目、及び/又は着用者の脚に添って長手方向に延びている内側の中央の縫い目を含んでいる。外側の横方向のそれぞれの縫い目、及び/又は内側の中央のそれぞれの縫い目は、着用者の臑部分に添って配置されている少なくとも1個のIMU、及び着用者の脚の低位部分に添って配置されている少なくとも1個のIMUを含んでいる。
【0022】
このような幾つかのパンツの態様において、縫い目には、着用者の腰回りに延びる腰回り縫い目を含んでいる。腰回り縫い目は、着用した場合、着用者の低位背中に添って配置されている少なくとも1個のIMUを含んでいる。
【0023】
衣服の他の態様としては、多種多様なタイプ及びモデルのシャツのような上半身衣服であってもよい。
【0024】
本発明の他の課題は、編織布から構成されている衣服であって、前記衣服の縫い目に内蔵されている複数の慣性測定ユニット、衣服の中又は衣服に接触して衣服の上に配置されていて、慣性測定ユニットからのデータを少なくとも送信するようになっているワイヤレス送信機又はトランシーバ、及び送信されたデータを受信し、解析するようになっているプロセッサ、及び前記データを表示するディスプレイを含む外部の装置を有する衣服を備えているモーションキャプチャシステムを提供することである。
【0025】
好ましくは、前記外部の装置は、データに基づいて、少なくとも更なる1個の電子装置を制御するものである。
【0026】
本発明のシステムの幾つかの態様によると、複数の慣性測定ユニットは、少なくとも1個の加速度計、少なくとも1個のジャイロメータ及び複数の磁力計を備えている。これらは、コーティングされた可撓性材料を用いた帯片による縫い目に沿って互いに連結されている。更に、コーティングされたカプトン(Kapton(登録商標))の帯片が縫い目の中に配置されており、更に、縫い目の中の可撓性帯片に結合されているLED及び振動部材のうち少なくとも1個を備えている。幾つかの態様において、慣性測定ユニットは、弾性伸縮性バス、例えば波形状又はジグザグ路状に配置された電気ケーブルを備えているテキスタイルバスで相互に連結された電子部品の島のようなものと言える。慣性測定ユニットは、通常のPCBの上に製造されていてもよく、また、樹脂又は成形プラスチックのようなコーティング材でコーティングされていてもよい。
【0027】
本発明のシステムは、更に、縫い目の中に配置された少なくとも1個のマイクロコントローラ、及び表面がコーティングされており、縫い目の中に配置されている可撓性材料を用いた帯片で、相互に、かつ前記マイクロコントローラに電気的に結合されている複数の慣性測定ユニットを備えているのが好ましい。
【0028】
本発明の他の課題は、リアルタイムで運動をモニタし、かつ解析する方法を提供することである。この本発明の方法は、次の要件を含んでいる。
―非定常の物体に配置されている衣服の縫い目の中に配置されている複数の慣性測定ユニットからのデータを得ること、及び
―前記データの表示及び/又は解析を行うこと。
【0029】
本発明の態様によると、この方法は、更に、一つの縫い目の中に配置されていて、データを、少なくとも1個のプロセッサ、及びディスプレイを含んでいる装置に無線で送信する少なくとも1個のマイクロコントローラを含んでおり、前記表示及び解析の少なくとも一つは、角度、ヨ-(偏揺れ)、ピッチ、位置、及び着用者(ヒト)の大腿骨、脛骨及び腓骨のそれぞれの加速度に関する運動データの解析を含むことができる。
【0030】
本発明の幾つかの態様によると、この方法は、更に、少なくとも1個のIMU(好ましくは、着用者のウェストに添って配置されている衣服の縫い目の中に取り着けられている1個のIMU)による重力ベクトルを検知するステップを含んでいる。これらの態様において、運動データを得るステップは、重力ベクトルを参照して実行される。
【0031】
好ましくは、前記運動データを得るステップは、加速度計、ジャイロメータ、及び磁力計からの運動データを得ることを含んでいる。本発明の方法は、線形2次評価法を適用するアルゴリズムを使用するデータの解析を含んでいてもよい。
【0032】
本発明の幾つかの態様によると、この方法は、データを使用して、少なくとも1つの電子装置を制御することを更に含んでいてもよい。好ましくは、前記データの表示及び解析の少なくとも一つは、運動データと関連する運動を、視覚表示装置上に視覚的に表示することを含んでいる。
【0033】
本発明の幾つかの態様によると、本発明の方法は、データを集積する間、運動データを集積すること、及び必要な時に、集積したデータを表示するステップを含むことができる。集積した運動データを表示するステップは、着用者(ヒト)の各大腿骨の角度、及び着用者(ヒト)の脛骨又は腓骨のそれぞれの角度の統計学的分布(例えば、ヒストグラム)を表示することを含んでいてもよい。
【0034】
更に、本発明の目的は、可撓性材料を用いた帯片を含むモーションキャプチャ回路であって、通信バスを形成する複数の電気的接続手段、前記帯片で相互に結合されている複数の慣性測定ユニット、前記慣性測定ユニットに電気的に接続されているマイクロコントローラ、及び慣性測定ユニットからのデータを、少なくとも1個の外部のデータ受信及び処理装置に無線で送信するようになっている無線送信機を含んでいるモーションキャプチャ回路を提供することである。
【0035】
前記帯片は、少なくとも10%の弾性伸縮性を有し、かつ前記電気的接続手段は、波形、ジグザグ又は蛇行径路状に帯片に沿って配設されていることが好ましい。
【0036】
前記回路は、更に、防水コーティングで被覆されており、慣性測定ユニット及び帯片は、低圧成形法で製造された防水コーティングで被覆されていることが好ましい。防水コーティングは、帯片の電気ケーブルが慣性測定ユニットに接続された後に適用して、防水コーティングが、バスが慣性測定ユニットに接続されている全てのIMU及び帯片の末端部分をカバーして、密閉するようにする。
【0037】
本発明の特定の態様によると、帯片は、衣服の縫い目に内蔵されるようになっている。
【0038】
本発明の幾つかの態様によると、前記回路は、1個以上のバッテリ、例えば、再充電可能バッテリを含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0039】
本発明のモーションキャプチャ衣服は、快適に着用することが出来、複数の慣性測定ユニット、少なくとも1個の加速度計、少なくとも1個のジャイロメータ、及び複数の磁力計を、縫い目の中に内蔵しているので、スタイリッシュな外観を有しており、日常用としても着用できる。更に、慣性測定ユニットに電気的に接続されているマイクロコントローラ、及び慣性測定ユニットからのデータを、少なくとも1個の外部のデータ受信装置及び処理装置に、無線で送信するようになっているので、本来の目的である着用者の運動データ、例えば着用者(ヒト)の各大腿骨の角度、及び着用者(ヒト)の脛骨又は腓骨のそれぞれの角度の統計学的分布を、瞬間的に表示することができ、正確な運動データを迅速に集積することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
添付した図面を参照して、以下の詳細な説明を読むことにより、本発明をよく理解しうるものと思う。普通に実施するに際し、図面の種々の特徴は、必ずしも、原寸通りの縮小又は拡大ではないことを強調しておく。逆に、種々の寸法は、明確にするために、適宜拡大又は縮小されている。明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書を通して、同じ数字は、同じ要素を示している。
図1】本発明の一態様である着用可能な運動モニタ衣服の正面図。図1A図1に示した衣服の一部の拡大図。
図2】本発明の一態様による着用可能な運動モニタ衣服の縫い目の拡大断面図。
図3A】本発明の一態様による着用可能な運動モニタ衣服の縫い目の内部に配置されている可撓性コネクタで一緒に結合した慣性測定ユニット(IMU’s)の配置図。
図3B】本発明の一態様による慣性測定ユニットのための通信バスを形成する弾性伸縮性帯片を示す正面図。
図3C】本発明の一態様による慣性測定ユニットのための通信バスを形成する弾性伸縮性帯片を示す正面図。
図3D図3B及び図3Cの弾性伸縮性帯片の拡大断面図。
図4A】本発明の一態様による着用可能な運動モニタ衣服にセンサを位置決めするための配置図。
図4B】本発明の一態様による着用可能な運動モニタ衣服にセンサを位置決めするための配置図。
図4C】本発明の一態様による着用可能な運動モニタ衣服にセンサを位置決めするための配置図。
図5】本発明の一態様による方法を示すフローチャート。
図6】本発明の一態様によるモーションキャプチャシステムを示す図。
図7】本発明の特定の態様によって集め、表示した運動データを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、リアルタイムのモーションキャプチャシステム及び衣服について述べる。
【0042】
本発明の衣服は、着用可能な運動モニタで、シャツ又は1対のジーンズ、或いはその他多種多様な衣服であって、デニム又は他の適当な材料で製造されている。本発明の着用可能な運動モニタは、慣性測定ユニット(IMU’s)のような複数のセンサを備えている。前記複数の慣性測定ユニットには、加速度計、ジャイロメータ、磁力計、及びその他のセンサが包含される。慣性測定ユニットは、相互に、かつ、少なくとも1個のマイクロコントローラ、及び1個以上の外部のデータ受信及び処理装置と、電子通信状態にある。全ての慣性測定ユニットは、衣服の縫い目の中に配置されていることが好ましい。或いは、慣性測定ユニットは、衣服内において、布地と布地の間に形成された縫い目の内部に含まれる。マイクロプロセッサは、縫い目の一つの内部に含まれるか、又は衣服の内部又は衣服に接して、その上の他の位置に配置してもよい。
【0043】
種々の態様では、触覚の通知装置及び/又はLEDも、縫い目の一つの内部に入れてもよい。テキスタイル又はプラスチック、或いは導電性ヤーンのような可撓性材料で形成された帯片は、慣性測定ユニット及びマイクロプロセッサ、並びにその他の装置と電気的に結合され、かつ縫い目の内部に配置されて、可撓性回路基板、及び縫い目の内部に含まれる慣性測定ユニットを伴う本発明の着用可能な運動追跡装置が提供される。前記帯片は、カプトン(Kapton(登録商標))の帯片のような可撓性回路基板でよく、縫い目の中の他の電子部品のように、防水コーティングで被覆すると効果的である。
【0044】
慣性測定ユニットで得た運動データは、慣性測定ユニットが発生したデータを送信するようになっているラジオアンテナのような無線送信機によって、コンピュータ又はその他のプロセッサのような外部のデータ受信及び処理装置へ無線送信される。無線送信機は、衣服に接して衣服の上に、又は衣服の中に配置されており、マイクロプロセッサの一部であってもよい。本発明は、魅力的で、着心地がよく、ファッショナブルで、邪魔にならず、軽量で、洗濯可能である、着用可能な運動追跡装置を提供するものである。衣服の外部に、ケーブルを付ける必要はない。構成部品は、汗、水、及びその他の液体又は流体から離隔されており、コーティングされている縫い目の中に配置されているので、接点及び経路は目に見えない。
【0045】
着用可能な運動モニタは、医療、理学療法及びリハビリテーション、スポーツコーチ、スポーツ技術解析、体形記録、姿勢及び平衡モニタ、スポーツ障害防止、歩行及び走行の多様な解析、ヒトの団体のシンクロナイズド運動のモニタ、走行及び歩行の解析、投球モニタ、年配者の運動モニタ、睡眠中の肉体の運動による一時的無呼吸の解析、及びその他多種多様な分野で利用が可能である。
【0046】
慣性測定ユニットは、縫い目及び着用者の肉体に対して位置決めされている縫い目の中に配置され、加速度計、ジャイロメータ、及び磁力計を使用して、肉体部分の正確な角度、ヨー(偏行)、位置、及びピッチ、並びに肉体部分の加速度及び他の運動を測定することによって、リアルタイムベースで運動を捕捉するものである。慣性測定ユニットは、全ての3軸の360度の運動を検知するようになっている。限定された角度の加速度計を使用している場合は、複数の加速度計を、補助的に使用して、死角をカバーすることもできる。
【0047】
例えば、図示したように、衣服は、1対のパンツを備えており、1対のパンツの各脚部は、それぞれ、着用者の脚骨に平行な方向に延伸する外側横方向の縫い目、及び着用者の脚骨に平行な方向に延伸する内側中央の縫い目を有している。外側横方向及び内側中央の縫い目は、それぞれ、着用者の上脚部(大腿骨)に添って配置されている加速度計、ジャイロメータ及び磁力計、及び着用者の下脚部(脛骨及び腓骨)に添って配置されている加速度計、ジャイロメータ及び磁力計を含んでおり、着用者の脚の各骨の運動を、測定及びモニタする。上述したように、記載した幾つかの態様によると、複数の加速度計を補完的な方法で使用することもできる。
【0048】
本発明は、活動追跡システムをも提供するものである。この活動追跡システムは、上述した着用可能なモーションキャプチャ衣服、及び衣服の内部又は衣服に接してその上に配置されており、慣性測定ユニットからのデータを、外部の装置へ送信するようになっている無線アンテナのような無線送信機を備えている。前記外部の装置には、プロセッサ及びディスプレイが含まれる。前記外部の装置には、更に、データを記録するメモリが含まれる。ディスプレイは、スクリーン又はグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)のような他の可視インターフェースに、衣服を着用している複数のヒトの運動を表示する。プロセッサは、慣性測定ユニットから受信したデータを解析する。
【0049】
幾つかの態様において、外部装置は、フィードバック情報又はアラームを提供する。幾つかの態様において、外部装置は、データ解析に基づいて、他の電子装置に信号を送信する。幾つかの態様において、システムは、コントローラとして作用する衣服を含んでおり、家電製品、コンピュータゲーム、その他の電子装置等をコントロールする。慣性測定ユニットから得たデータは、コントローラに提供され、次いで、前記で例示した電子装置をコントロールする。
【0050】
本発明は、リアルタイムモーションキャプチャ法、及び前記モーションの解析を提供するものである。リアルタイムモーションキャプチャ法は、前述した衣服のような着用可能運動モニタからデータを得ること、及び前記データを受信し、かつ前記データを解析するようになっている外部データ受信及び処理装置へ伝達し、前記データを、図形を使用して、又は種々の他の形態で表示することを含んでいる。他の態様によると、後刻、前記データは、記憶され、表示され、解析される。本発明の方法は、体の複数の部位の正確な角度、傾斜、位置、及びピッチ、並びに慣性測定ユニットを縫い目に沿って適切に位置決めし、かつ縫い目を着用者の体に沿って適切に位置決めすることによって体の部位の加速度及び他の運動を測定してデータを得ることを含んでいる。本発明の方法は、無線又は他の方法で、データを、プロセッサを備えている外部のデータ受信及び処理装置へ送信する。外部のデータ受信及び処理装置は、他の電子装置を制御し、及び/又はデータ解析に基づいてフィードバックする。カルマン(Kalman)フィルタのような線形二次評価(LQE)として知られている種々のアルゴリズム及び方法を使用してデータを解析し、有用で、使用者が都合よくフォーマットするデータを提供することができる。
【0051】
図1は、一態様としての1対のパンツである衣服2を示している。本発明の他の態様においては、衣服2は、ヒト又は他の動物が着用するか、又は動く装置に被せるようになっているシャツ又は衣装の一部であってもよい。図示の態様では、衣服2は、少なくとも外側縁6、及び左右の脚部10の内側中央8に縫い目4を有している。着用者が、衣服2を着用した場合、縫い目4は、通常、着用者の脚の長手方向に沿って延びており、かつ、パンツの脚部10の上方部分14の着用者の大腿骨に平行に延びている。
【0052】
本発明の着用可能な運動モニタの利点は、着用可能な運動モニタを形成する電子部品が縫い目の内部に配置されていて、目に見えないことである。換言すれば、着用可能な運動モニタを形成する電子部品は、編織布に囲まれており、衣服の縫い目の中にある。縫い目は、編織布の二つの重なり部分が、一緒に接合されている部分である。然しながら、他の態様では、本発明のシステムは、他のタイプの衣服の縫い目の中に形成してもよい。
【0053】
図1Aは、縫い目4の拡大図である。図1及び図1Aに示す縫い目4は、縫い目の一つの例を示しているが、他の態様として、多種多様のタイプの縫い目が設けられる。他の態様では、様々なスティッチング法又は他の方法を使用して、縫い目を形成することができる。特に効果がある幾つかの態様においては、衣服は1対のデニムのジーンズであるが、他の態様では、他の材料及び他の衣服とすることもできる。他の態様における衣服2は、ショーツ、シャツ、フルボディースーツ、脚及び腕等のスリーブ等でもよいが、これらに限定はされない。衣服2は、デニム、ストレッチデニム、又は種々の適切な材料で製造されている。
【0054】
衣服は、慣性測定ユニット(IMU)、又は縫い目の中に配置されている他のセンサが、着用者の体に正確に位置するように、体にピッタリした、又は体に密着した形状のものが効果的である。
【0055】
図1Aは、二つの編織布片20、22で製造された縫い目4を示している。二つの編織布片20、22は、一緒に接合され、スティッチング26によって縫い目4を形成している。鎖線で示すように、完全に縫い目の中に、センサ30と可撓性があるコネクタ32が配置されている。センサ30は、慣性測定ユニット(IMU)又は他のセンサ、及び他の構成部品である。種々の態様では、センサ30は、加速度計、ジャイロメータ、磁力計、又は、その他の適当な運動センサであり、或る態様では、1個以上の外部データ受信及び処理装置である。或る態様では、センサ30は、接続帯片に配置されているか、又はワイヤ、繊維等のような他の可撓性コネクタによって、一緒に結合されている。可撓性コネクタ32も、縫い目4の内部に配置されており、従来の衣服の縫い目に適合しうるような細長くて薄い帯片部材である。或る態様では、カプトン板(kapton(登録商標))又はカプトンリボン(kapton(登録商標)リボン)のような可撓性回路基板が、可撓性コネクタとして使用される。カプトン(kapton(登録商標))は、1960年代後期にデュポン社が開発したポリイミドフィルムであり、広範な温度範囲に亘って安定で、特に、可撓性印刷回路に使用されている。他の態様では、帯片又は他の形状の可撓性タイプの回路基板、及び他のタイプの可撓性のプラスチック材料、及び/又は可撓性絶縁材、或いは種々の適切なコネクタを使用することができる。他の態様では、可撓性コネクタ32は、テキスタイル、導電性ヤーン、又は他の適切な軟性材料で製造することができる。可撓性コネクタ32は、多重電気的接続部を有し、通信バスを形成する帯片でもよい。センサ30は、可撓性コネクタ32と結合されるが、これに関しては後で詳説する。
【0056】
図2は、図1及び図1Aに示した縫い目4の断面図である。センサ30及び可撓性コネクタ32は、編織布片20、22から形成されている縫い目4の内部に配置されている。本発明の種々の態様では、センサ30及び可撓性コネクタ32は、防水性コーティング34で被覆されている。幾つかの態様では、可撓性コネクタ32は、電気的接続手段を包摂する防水性材料で製造されており、センサ30だけが、防水性コーティング34で被覆されている。プラスチックである市販のアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)のような材料を使用する電子部品の絶縁、又は冷間成形に使用される樹脂コーティングのような多種多様な材料を、防水性コーティング34として使用することができる。また、他の態様では、他の熱可塑性樹脂、例えばポリアミド-6-6,PA66(即ち、[ナイロン66(登録商標)])、更に別の態様として、他の適切な材料を防水性コーティング34として使用してもよい。
【0057】
可撓性コネクタ32及びその上に配設されたセンサ30は、図3Aに示してある。図3Aは、可撓性コネクタ32に結合された複数のセンサ30を含むモーションキャプチャ回路を示している。幾つかの態様では、可撓性コネクタ32及びセンサ30の配列の幅Wは1.5cm以下であるが、他の態様では、幅の寸法を変えて、可撓性コネクタ32を衣服の縫い目4の内部に配置してもよい。センサ30は、加速度計、ジャイロメータ及び磁力計のような慣性測定ユニット(IMU)であるが、他の態様では、他のセンサを使用してもよい。加速度計及びジャイロメータは、それぞれ、加速度及び角速度を表示することが知られている。従って、運動を正確に表示するのに使用することができ、モーションキャプチャ機能を有する。磁力計は、本質的に、コンパス機能をもっていて、地球の磁場に関する情報を直接提供する。特に、磁力計は、加速度計及びジャイロメータと連結して使用すると、絶対定位を含む位置情報が提供される。センサ30は、導電性要素38(例えば、トレース、ワイヤ等)によって、可撓性コネクタ32に、相互に、及び他の部品と電機的に接続されているが、他の態様では、電機的に接続する他の手段が使用される。多種多様な導電性材料を使用することができる。可撓性コネクタ32には、例えば複数の電気ケーブル38、好ましくは同軸ケーブルが含まれる。
【0058】
幾つかの態様では、IMU,即ちセンサ30は、通常のPCB上に製造された電子機器の島(Island)のようなもので、弾性的に伸縮可能な帯片状の可撓性コネクタ32によって相互に連結されている。特に、図3B及び図3Cでは、一組の電気ケーブル38を備えている帯片状コネクタ32を含む弾性的に伸縮性があるバスを示してある。電気ケーブル38は、波状(波形)又はジグザグの蛇行径路(即ち、連続した非線形経路)に沿って配設されている。図3Bに示す可撓性コネクタ32の弾性伸縮度は、図3Cに示すコネクタ32の弾性伸縮度よりも小さい。従って、コネクタ32の所定の長さ当たり、図3Cの電気ケーブル38の長さは、図3Bの電気ケーブル38の長さよりも長くなる。換言すれば、可撓性コネクタ32の所定の長さ当たり、図3Cに示した電気ケーブル38は、より大きく伸縮することができる。電気ケーブル38は、弛緩位置において、すなわち、伸縮力が掛かっていない場合、伸縮力が掛かっている場合より、強く蛇行している。換言すれば、可撓性コネクタ32に、伸縮力が適用された場合、電気ケーブル38は、より線形形状の経路に追随する、即ち、電気ケーブル38は、真直ぐになる。通常、可撓性コネクタ32は、少なくとも10%弾性伸縮する。例えば、可撓性コネクタ32は、編み込み、又は織り込みによって電気ケーブル38に結合されている伸縮性ヤーンを含むテキスタイルから製造することができる。
【0059】
図3Dは、図3B及び図3Cに示した可撓性コネクタ32の断面図である。この態様では、電気ケーブル38は同軸ケーブルであり、外側コンダクタ38a及び内側コンダクタ38bを備えている。例えば、一方の同軸ケーブル38は、IMU’S又は他の電子部品を電源に接続するために使用し、他方の同軸ケーブル38は、通信データ用に使用することが出来る。
【0060】
更に、センサ30に加えて、図3Aは、可撓性コネクタ32に配置されたマイクロコントローラ40を示している。様々なマイクロコントローラが使用される。他の態様では、マイクロコントローラ40を、衣服2の内部又は衣服に接して衣服の上の様々な他の位置に配置してもよい。また、幾つかの態様では、マイクロコントローラを、ジーンズの前チャックを覆うボタンとして、又はベルトループ上に配置してもよく、マイクロコントローラを、他の様々な適切な位置に配置することができる。幾つかの態様では、可撓性コネクタ32は、ブルートウース(Bluetooth(登録商標))電気回路構成部品、及びマイクロコントローラ40を備えている。種々の態様では、マイクロコントローラ40は、無線アンテナを備えていて、センサ30が得たデータを無線で送信するようになっている。ブルートウース(Bluetooth(登録商標))電気回路構成部品は、可撓性コネクタ32に配置された部品及び可撓性コネクタ32自体に、コンピュータ、タブレット、携帯電話、又は他のパーソナル電子機器、或いはプロセッサのような外部データ受信及び処理装置に通信させるようになっている。ブルートウース(Bluetooth(登録商標))電気回路構成部品は、無線アンテナのように、様々な無線送信機を具備しており、無線又は他の手段で一基以上の外部の部品へデータを送信する。
【0061】
再度図3Aを参照して説明する。可撓性コネクタ32及びセンサ30の相対幅は、他の態様に従って変化する。幾つかの態様では、可撓性コネクタ32は、拡大されたプラットホーム断面を有していて、センサ30を収容するようになっている。他の態様では、可撓性コネクタ32は、一定の幅を有している。従って、可撓性コネクタ32とセンサ30は、ターミナル42を使用する外部の電子装置と接続可能である。幾つかの態様では、ターミナル42は、可撓性コネクタ32を動力源、バッテリ又はバッテリチャージャ又は他の電子部品に接続するのに使用される。幾つかの態様では、マイクロコントローラ40は、再充電可能バッテリでよいバッテリを備えている。従って、この態様では、ターミナル42は、バッテリチャージャに接続される。幾つかの態様では、ターミナル42は、縫い目の外側に配置されていてもよいような無線送信機に接続されている。幾つかの態様において、触知又は視認フィードバック装置39は、着用者にフィードバック情報を提供する。幾つかの態様では、フィードバック装置39は、発光ダイオード(LED)装置でもよく、他の態様では、フィードバック装置39は、着用者に触知フードバックを提供する振動部材でもよい。他の態様では、可撓性コネクタ32は、縫い目4の中に配置された別の構成要素でもよい。
【0062】
幾つかの態様では、ターミナル42は、コンピュータ又はマイクロコンピュータ40をプログラミング及び/又はマイクロコンピュータ40用のファームウェアを更新するのに使用されるような他のプロセッサに接続される。
【0063】
図4Aは、開示した幾つかの態様に従って、縫い目4の中に配置されたセンサの位置の一つの態様を示している。図4Aにおいて、センサ位置44は、パンツ脚部10の上方部分14の縫い目4の上にあって、センサ位置46は、パンツ脚部10の下方部分16の縫い目4の上にある。図4Aは、外側横方向位置6にある2つのセンサ位置44及び46及び、各パンツ脚部10の中間内部位置8にある2つのセンサ位置44及び46を示しているが、他の態様では、種々の位置及び配列を使用してもよい。幾つかの態様では、それぞれのセンサ位置44,46には、3個のセンサ、即ち、加速度計、ジャイロメータ及び磁力計が配置されているが、他の態様では、センサ位置に、他のタイプのセンサ及び個数を使用してもよい。例えば、加速度計、ジャイロメータ及び磁力計は、衣服脚部10の上方部分14に沿った種々の位置において相互に接近させて配置してもよい。又、別の態様では、加速度計、ジャイロメータ及び磁力計は、それぞれ、パンツ脚部10の上方部分14に沿った種々の位置において相互に離して配置してもよい。パンツ脚部10の下方部分16に沿うセンサ30の位置についても同様である。幾つかの態様では、加速度計、ジャイロメータ及び磁力計は、下方部分16に沿った種々の位置、例えばセンサ位置46において相互に接近させて配置してもよい。また、幾つかの態様では、加速度計、ジャイロメータ、磁力計、又は他の適切なセンサ30は、下方部分16に沿って、種々の位置で相互に離隔されている。
【0064】
本発明は、前述したセンサを利用して、IMU又は他のセンサを、縫い目に沿った適切な位置に位置決めし、かつ着用者の肉体に沿った適切な位置の縫い目を位置付けすることによって、時間毎の肉体の複数の部位の正確な角度、偏揺及びピッチ、並びに加速度及び肉体の部位の他の運動を測定するデータの取得する方法を提供するものである。図4Aに示すグラフ48は、センサ位置44における3個のセンサから得た3個のデータカーブ51、52及び53の例を示している。
【0065】
図4Aは、ウェスト位置7における別のセンサ位置45を示している。この態様では、衣服は、着用者のウェストに沿って延びるウェストの縫い目4を含んでいる。ウェストの縫い目4は、ウェスト位置7、好ましくは着用したとき着用者の背中の低位部に沿って配置された少なくとも1個のIMUを含んでいる。
【0066】
センサの位置45に配置されたIMUを使用して、重力ベクトルを検知し、センサの位置45で検知した重力ベクトルを参照して、肉体の複数の部位の角度、偏揺及びピッチを得ることができる。
【0067】
図4B及び図4Cは、本発明による、縫い目4の内部における運動センサの配置の二つの態様を示している。図4Bでは、衣服の脚部10の上方部分14に沿って、ただ1個のセンサ位置44がある。また、衣服の脚部10の下方部分16に、ただ1個のセンサ位置46がある。各センサ位置44、46は、図4Bのパンツの脚部10の外側縁6にある。逆に図4Cでは、パンツの脚部10の上方部分14に沿って、ただ1個のセンサ位置44があり、また、衣服の脚部10の下方部分16に沿って、ただ1個のセンサ位置46がある。それぞれのセンサ位置44、46は、パンツの脚部10の内側中央部8に位置付けされている。
【0068】
一般に、1対のパンツの場合、衣服2の縫い目4は、1対のパンツのそれぞれの脚部10毎に、着用者の脚に沿って長手方向に延びる外側横方向縫い目4、及び/または着用者の脚に沿って長手方向に延びる内側中央縫い目4を備えている。外側横方向縫い目及び/又は内側中央縫い目4は、それぞれ、着用者の大腿骨に沿って配置された少なくとも1個のIMU及び着用者の脚部の下方部分16に沿って配置された、少なくとも1個のセンサ30を備えている。
【0069】
図4A図4Cに示す部品、及び位置に加えて、多種多様のセンサ及び位置を使用することができる。センサは、様々な態様において、様々に配置することができる。
【0070】
本明細書は、モーション及びその方向情報が、図3Aに示すようなマイクロコントローラ40、又は衣服に接して、その上に又は衣服の中に配置された適切な無線送信機によって無線送信されるシステム及び方法を開示している。図5を参照して説明する。図5は、本発明の方法を示すフローチャートである。リアルタイムで運動をモニタし、解析する方法は、上述したように、非定常の本体に配置された衣服の縫い目の内部に複数の慣性測定ユニット(IMU)を配置すること(ステップ100)、上述したように、複数の慣性測定ユニット(IMU)から運動データを得ること(ステップ102)、及び上述したように、前記データを表示及び/又は解析すること(ステップ104)を含んでいる。モーションデータと関連する運動は、可視ディスプレイに表示される。本発明の方法は、前記運動データを、別の電子部品に通信することも含んでいる(ステップ106)。
【0071】
図6は、本発明の一態様によるモーションキャプチャシステム80を示している。衣服2に結合された無線トランシーバ58、送信されたデータを受信及び解析するようになっているプロセッサ等の外部装置64と結合されたトランシーバ62へ送信されるデータ60、及び前記データを表示するディスプレイ66を備えている。幾つかの態様では、モーションキャプチャシステム80は、下記するような別の電子装置68を含んでいる。様々な態様では、衣服2に接して、その上に、又は衣服2の中に配置された無線伝送装置は、送信機及び受信機の両方を含んでおり、無線トランシーバ58として機能する。無線トランシーバ58は、ブルートウース(Bluetooth(登録商標))(BT)、ブルートウース(Bluetooth(登録商標))低エネルギー(BLE),又は他の適切な無線ラジオ技術通信モジュールを使用して、通信を行う。外部装置64は、コンピュータ、種々のプロセッサ、及び他のデータ解析であっても、又はそれらを含んでいてもよい。幾つかの態様では、外部装置64は、タブレット又は携帯電話或いはその他の個人用電子装置である。ディスプレイ66は、解析したデータをグラフ又は表形式のような多くのフォーマットで表示する。様々な有利な態様では、ディスプレイ66は、可視形式で表示して、衣服着用者のリアルタイムの運動を示す。外部装置64は、使用者がデータを解析、処理及び表示するために使用することができるGUIを備えている。様々な態様では、外部装置64は、データをリアルタイムで解析及び表示することができ、またメモリを備えており、データを格納し、後刻、必要な時に解析し、表示できるようになっている。
【0072】
幾つかの態様では、表示及び解析のステップ104は、データを集積する間、運動データを集積するステップ、及び集積したデータを、所望する時に表示するステップを含んでいる。集積されたデータは、図7に示すように、グラフで表示することができる。然しながら、他のディスプレイは、他の態様として表示される。特に、外部装置64は、集積したデータを解析し、ヒトである着用者のそれぞれの大腿骨、及び着用者のそれぞれの脛骨又は腓骨の角度の統計的分布90(例えばヒストグラム)を表示する。例えば、集積された運動データは、それぞれの脚の大腿骨(91、92)及び脛骨(93、94)ごとの集積された最小及び最大角度に対応する角度に配列された複数のセグメント91~94で表示される。図7は、脚(たとえば、右脚)の集積された運動データのグラフ表示である。特に、セグメント91及び92は、データ集積の間、大腿骨によって達成された最小角度及び最大角度を表している。セグメント93及び94は、データ集積の間、脛骨によって達成された最小角度及び最大角度を表している。
【0073】
使用者は、グラフィカルユーザーインターフェースを利用して、一方の脚の運動データを他方の脚の運動データの間で切り換え、使用者にとって簡単かつ直感的な方法で、運動の非対称性をグラフに表示することができる。
【0074】
多数の方法及びアルゴリズムを使用して、伝送された運動及び位置データを処理及び解析し、表示又は有用な形のデータを提供することができる。幾つかの態様では、線形二次評価(LQE)として公知のカルマンフィルタリングは、ベイズの推論、及び各時間枠の変数に対する同時確率分布を使用することにより、統計的ノイズ、及びその他の誤差を含む経時的に観察された一連の測定値を使用し、単一の測定値のみに基づくよりも、一層正確な未知の変数の推定値を生成するアルゴリズムである。
【0075】
カルマンフィルタリング態様は、例だけによって表わされ、かつ多くの態様では、種々のデータ解析及び表示方法が使用されている。多くの態様では、複合衣服2は、データを、外部装置64へ伝達し、データ処理及び解析は、複合衣服から受信したデータの比較を含んでいる。
【0076】
再び図6を参照して説明する。幾つかの態様では、外部装置64は、受信及び処理したデータを使用して、信号70によって別の電子装置68を制御している。幾つかの態様では、電子装置68は、ゲーム装置であり、又別の態様においては、電子装置68は、家庭又は自動車用装置、コンピュータゲーム、ビデオゲームである。又は、電子装置68は、無線又はそれ以外の方法で伝送された信号を受信し、前記信号で制御される電子装置の多種多様な応用品である。着用者の運動に基づいて行なわれる多くのゲームは、携帯機器か、又は他のプラットホームによるゲームを含んでいる。他の態様では、前述した衣服2を含んでいる本発明のシステムは、電子装置68と直接通信することができる。この態様によると、データ信号74は、トランシーバ58のような無線送信機で、直接、電子装置に伝達され、又、多くの態様においては、複合衣服へ伝達され、電子装置68と直接通信することができる。
【0077】
様々な態様では、システムは、聴覚、視覚、又は他の緊急警報を発することができる。幾つかの態様では、過剰な回転運動、大きな衝撃、又は容赦の無い落下、或いは多種多様な他の運動、又は運動パターンが、緊急警報の引き金となる。幾つかの態様では、視覚及び/又は触覚のフィードバック、即ち、非緊急通報が、様々な形で使用者に提供される。警報又は他の通報は、外部装置64によるように、様々な表示装置によって視覚的に提供される。多くの態様では、警告又は告知は、振動エンジン付き携帯電話のような着用可能装置への振動のような触知可能通告である。幾つかの態様では、発光ダイオード(LED)、又は衣服自体の縫い目の中の振動部材(参照:図3Aの装置39)を使用して、使用者へ、視覚及び/又は触覚によるフィードバックで、警告又は他の告知を行なう。緊急状況又はその他のフィードバックの通報は、外部装置64によって得られ、データ信号74としてトランシーバ58へ送られる。幾つかの態様では、マイクロコントローラ40が、通告を発し、それを、縫い目の中のLED又は振動部材へ送る。視認又は触知できるフィードバックは、単一又は複合振動警告音(即ち、ビー音(veeps))又は単一又は複合LEDフラッシュで、使用者に、衣服のスイッチを入れるべきこと、衣服が機能低下状態にあること、衣服が全モニタ機能発揮状態にあること等を報せる。
【0078】
幾つかの態様は、フィードバック告知は、IMUで得た運動データに基づいて外部装置64によって得ることができることを教えている。フィードバック告知は、信号74として無線トランシーバ58に提供され、マイクロコントローラ40は、告知を発生し、それを縫い目の中のフィードバック装置39(LED又は振動部材)に送信する。幾つかの態様では、フィードバック装置39は、着用者の肉体の特定の部位に関連した様々な位置の縫い目の中に配設されている複数の振動部材を備えており、IMUによって得られ、外部装置64で解析された運動データに反応して、触覚のフィードバックが、着用者の肉体の異なった部位へ提供される。例えば、触覚フィードバックを使用して、着用者の身体運動の間、着用者の肉体の部位の運動が間違っているか、又は正しいかを報せることができる。
【0079】
幾つかの態様では、外部装置64は、無線トランシーバ58で受信したファームウェアアップデートを提供する。
【0080】
開示された本発明の衣服及びシステムは、データを解析して、様々な効果がある目的及び用途に使用することができる。幾つかの態様では、開示された本発明のシステムは、例えば、一対のパンツ、及び上半身衣服のような着用者が着用する1つ以上の衣服をモニタする。或る態様では、開示された衣服及びシステムは、グループスポーツ活動をモニタする。例えば、一人のトレーナが、同時に複数のスポーツマンをチェックして、例えば、全ての生徒が訓練運動を行なっている間、正しい運動を行なっているかを判断し、又は比較目的のためにチェックする。これは、リアルタイム、又はデータをストアするのに必要なメモリの容量が小さい場合は、オフライン後に実行し、後刻トレ-ナが、主題の中のデータを比較し、種々の判断をすることが出来る。他の態様によれば、例えば、アスリート又は他の実技者の運動を解析することによって事故を防止する利点が得られる。運動データは、走行又は歩行スタイル及びバランス解析に使用することができる。データは、どちらの脚を、より多く使用しているか、及び着用者のステップが経時的に正しいか否かを証明するのに使用することができる。更に、歩行(歩調)解析を使用して、解剖学的補正を示唆し、ランニングシューズのような靴の適切なスタイルを決定することもできる。多種多様な活動(運動)追跡をすることができる。データ解析によって、睡眠行動もモニタすることができる。
【0081】
幾つかの態様において、データは、センサデータ、及び身長、体重、脚の長さ等に関する身体測定の積分に基づいて、燃焼されたカロリー計算に役立つ。更に別の態様では、ダンサー、又はスキーヤー或いはスケートボーダー等のアスリートは、特定の運動を発展させることができ、そして、多数の無関係な詳細情報を含んでいる非常に長いビデオを検討する代りに、本発明によって提供される捕捉データを記録することができる。
【0082】
前述した内容は、単に、本発明の原理を記載したに過ぎない。従って、当業者であれば、明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書に明確には記載又は示していないが、本発明の原理を具現化し、かつ特許請求の範囲に含まれる多種多様な変更を想到することができるものと考えられる。更に、明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書に記載した全ての実施例及び条件付きの用語等は、原則として、単に教示の目的だけを意図するもので、技術の発展・拡大・促進のために発明者が寄与した、明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書に記載した原理及びコンセプトの理解を助けるためのものであること、及び、特定的に記載した実施例及び条件に限定されるべきではないことを理解されるべきである。更に、明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書に記載した原理、特徴、及び態様、並びに特定の実施例は、構成上及び機能上の均等物をも包含する意図がある。更に、前記均等物は、現在公知又は周知の均等物及び将来展開されるべき均等物、即ち構成に関係無く同じ機能を発揮する全ての要素を包含する。
【0083】
明細書に、例示的に記載した態様に関する記載は、完全に記載された明細書の一部と考えるべき図面を参照して理解されるべきである。此処に記載した相対的な術語「低位」、「上位」、「水平の」、「垂直の」、「(~~から離れて)それより上に」、「(~~から離れて)それより下へ」、「(低い位置から)上の方へ」、「(高い位置から)低い方へ」、「(ものの)頂上、上部」及び「底、基部」並びにそれらの派生語(例、「水平方向に」、「下方へ」、「上方へ」等)は、記載した通り又は説明している図面に示した方向であると理解するべきである。これらの相対的用語は、説明の便宜上に使用するもので、装置が、特定の方向に構成又は操作される必要があることを要しない。「接続される」及び「相互接続される」のように付着、結合等に関する用語は、特段の限定記載が無い限り、構造体が、別の構造体に、直接又は中間構造体を介して、可動的又は固着又は連結して、固定又は付着されている相関関係を意味する。
【0084】
以上本発明を、例示的な態様によって説明して来たが、本発明はそれらに限定されない。むしろ、付属書類である特許請求の範囲は、本発明の特許請求の範囲、及びその均等物から逸脱せずに、当業者によって完成された本発明の他の変形又は態様をも含むものと、広範に理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明のモーションキャプチャ衣服は、快適に着用することが出来、複数の慣性測定ユニット、少なくとも1個の加速度計、少なくとも1個のジャイロメータ及び複数の磁力計を、縫い目の中に内蔵しているので、スタイリッシュな外観を有しており、日常用としても着用でき、更に、慣性測定ユニットに電気的に接続されているマイクロコントローラ、及び慣性測定ユニットからのデータを、少なくとも1個の外部のデータ受信装置及び処理装置に無線で送信するようになっているので、本来の目的である着用者の運動データ、例えば着用者(ヒト)の各大腿骨の角度、及び着用者(ヒト)の脛骨又は腓骨のそれぞれの角度の統計学的分布を、瞬間的に表示することができ、正確な運動データを迅速に集積することができる。従って、本発明の衣服及びシステムは、データを解析して、様々に効果がある目的及び用途に使用することができる。たとえば、個人運動以外に、グループスポーツ活動のモニタ、アスリート又は他の実技者の運動の解析による事故の防止、着用者のステップの経時的歩行(歩調)解析による解剖学的補正、ランニングシューズのような靴の適切なスタイルの決定、睡眠行動のモニタ、身長、体重、脚の長さ等に関する身体測定の積分に基づく燃焼されたカロリー計算等に役立つ。
【符号の説明】
【0086】
2 衣服
4 縫い目
6 外側縁
7 ウェスト位置
8 内側中央部
10 脚部
14 パンツの脚部10の上方部分
16 パンツの脚部10の下方部分
20;22 編織布片
26 スティッチング
30 センサ
32 可撓性コネクタ
34 防水性コーティング
38 電気ケーブル
38a 外側コンダクタ
38b 内側コンダクタ
39 フィードバック装置
40 マイクロコントローラ
42 ターミナル
44;45;46 センサ位置
48 グラフ
51;52;53 データカーブ
58 無線トランシーバ
60 データ
62 トランシーバ
64 外部装置
66 ディスプレイ
68 電子装置
70 信号
74 データ信号
80 モーションキャプチャシステム
90 統計的分布
91;92 大腿骨
93;94 脛骨
91~94 セグメント
100 ステップ
102 ステップ
104 ステップ
106 ステップ
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7