IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社半導体エネルギー研究所の特許一覧

<>
  • 特許-表示装置 図1
  • 特許-表示装置 図2
  • 特許-表示装置 図3
  • 特許-表示装置 図4
  • 特許-表示装置 図5
  • 特許-表示装置 図6
  • 特許-表示装置 図7
  • 特許-表示装置 図8
  • 特許-表示装置 図9
  • 特許-表示装置 図10
  • 特許-表示装置 図11
  • 特許-表示装置 図12
  • 特許-表示装置 図13
  • 特許-表示装置 図14
  • 特許-表示装置 図15
  • 特許-表示装置 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-20
(45)【発行日】2022-10-28
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20221021BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20221021BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20221021BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20221021BHJP
   H05B 33/06 20060101ALI20221021BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20221021BHJP
【FI】
G09F9/30 308Z
G09F9/00 348Z
G09F9/30 365
H01L27/32
H05B33/02
H05B33/06
H05B33/14 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018067544
(22)【出願日】2018-03-30
(65)【公開番号】P2018173640
(43)【公開日】2018-11-08
【審査請求日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】P 2017070206
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】中村 太紀
(72)【発明者】
【氏名】藤田 一彦
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-272107(JP,A)
【文献】特開2016-224165(JP,A)
【文献】特開2016-173461(JP,A)
【文献】特開2016-167049(JP,A)
【文献】特開2003-345286(JP,A)
【文献】特開2016-167045(JP,A)
【文献】特開2011-047977(JP,A)
【文献】特開2013-242493(JP,A)
【文献】特開2013-015835(JP,A)
【文献】特開2014-063159(JP,A)
【文献】特開2015-038868(JP,A)
【文献】特開2016-159903(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0183473(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0064466(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0092703(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K35/00-37/06
B60R 9/00-11/06
F16M 1/00-13/08
G09F 9/00-9/46
H01L27/32
51/50
H05B33/00-33/28
45/60
H05K 5/00-5/06
7/12
7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機樹脂材料からなるフィルム上に有機発光素子と、有機発光素子と電気的に接続する端子と、前記端子と接して接続するフレキシブルプリント基板と、前記フレキシブルプリント基板と接続するプリント基板とを有し、
前記有機樹脂材料からなるフィルムの一部は、平面を有する部材と金属からなる熱緩衝板を介して重なり、且つ、前記プリント基板とほぼ平行であり、他の一部は、ガイド部と重なり、
前記ガイド部の平面は、前記部材の平面とほぼ垂直であり、
前記ガイド部の平面は、フレキシブルプリント基板と前記端子と接する部分と重なり、
前記ガイド部の曲面は曲率半径5mm以上である表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記有機発光素子で構成される表示領域の面積よりも前記緩衝板の面積が広いことを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記プリント基板と前記有機発光素子との最短距離は、150μm以上である表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
前記熱緩衝板は、ステンレス、アルミニウム、銅、銀、金、鉄、チタン、モリブデン、タングステン、プラチナ、またはこれらの合金である表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、画像を表示する表示装置または照明装置に関する。
【0002】
なお本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、照明装置、蓄電装置、記憶装置、それらの駆動方法、または、それらの製造方法、を一例として挙げることができる。
【0003】
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、電気光学装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置である。
【背景技術】
【0004】
近年、表示装置の大型化や多様化が求められている。家庭内においてどこでも、例えば台所や風呂でも映像表示が楽しめるように防水機能を備えたテレビジョン装置も普及している。また、家庭用のテレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、デジタルサイネージ(Digital Signage:電子看板)や、PID(Public Information Display)なども普及している。またデジタルサイネージや、PIDなどにおいては、大型であるほど提供できる情報量を増やすことができ、また広告等に用いる場合には大型であるほど人の目につきやすく、広告の宣伝効果を高めることが期待される。
【0005】
普及しているテレビジョン装置はほとんど液晶表示装置であり、ガラス基板を用いている。
【0006】
また、液晶表示装置に代わる表示装置としては、代表的には有機EL(Electro Luminescence)素子や発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の発光素子を備える発光装置、電気泳動方式などにより表示を行う電子ペーパーなどが挙げられる。これらの表示装置は、ガラス基板ではなく、軽量、且つ、薄いプラスチックフィルム(プラスチックシートとも呼ぶ)を用いて作製することができる。
【0007】
例えば、有機EL素子の基本的な構成は、一対の電極間に発光性の有機化合物を含む層を挟持したものである。有機EL素子に電圧を印加することにより、発光性の有機化合物から発光を得ることができる。このような有機EL素子が適用された表示装置は、薄型、軽量、高コントラストで且つ低消費電力な表示装置を実現できる。
【0008】
また、自動車などの車内の計器表示の一部を液晶表示装置に置き換える方向で開発が進められている。また、より多くの情報(車の周囲の状況情報や交通情報や地理情報など)を活用するため、車内の表示を利用し、自動車などの車両の運転者を支援する取り組みがなされている。
【0009】
公共機関(電車、バスなど)の車内においても液晶表示装置が設置されることが多くなっている。
【0010】
特許文献1には、湾曲させた帯状の保持構造体と、フレキシブル表示パネルとの間にバッテリー(アルミニウム薄膜を外装体とする)が配置されている。
【0011】
特許文献2には、湾曲させた帯状の保持構造体と、フレキシブル表示パネルとの間にプリント基板とバッテリーが配置された腕輪型の表示装置が開示されている。
【0012】
また、特許文献3には、湾曲させたフレキシブル表示パネルを組み合わせた表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】特開2015-38868
【文献】特開2015-187858
【文献】特開2016-167049
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
新規な構造の電子機器を提供する。具体的には、さまざまな場所、例えば乗り物の内部などに設置することができる新規な構造の電子機器を提供する。
【0015】
フレキシブル表示パネルは、薄いフレキシブルフィルム上に形成され、有機発光素子によって表示される。薄いフレキシブルフィルムが柔らかいため、ポスターのように吊りさげることもできるが、表示面に偏光フィルムなどの光学フィルムを貼ると反りや撓みが発生する恐れがある。
【0016】
薄いフレキシブル表示パネルはそのままの状態でデバイスの筐体や車や壁などに内蔵してもよいが、部材に固定することが好ましく、部材表面は曲面を少なくとも一部有していると、従来の表示装置のデザインの印象と差異を付けることができる。このフレキシブル表示パネルを固定する部材は筐体とも呼べる。
【0017】
固定する部材の材料によっては、熱膨張係数(以下、線膨張率と呼ぶ)が大きく異なると、環境の変化によってフレキシブルフィルムにしわが発生する恐れがある。例えば、部材としてアクリルを用いた場合、アクリルの線膨張率(アクリルの線膨張率は約7×10-5/℃)と、フレキシブルフィルムの線膨張率(PETの線膨張率は約17.1×10-5/℃)との差があるため、しわが発生する恐れがある。また、表示パネル及びその近傍の素子による発熱の問題、気圧の変化により、たわみやしわが発生する恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
異なる線膨張率の材料を接着材や両面テープなどで固定させた状態で使用環境の変化、例えば夏場の自動車内の昇温、エアコン使用による降温が繰り返されると、線膨張率の差に起因する熱ひずみが加わり、材料の状態が変化する。例えば、フレキシブルフィルムを用いた表示パネルと、取り付けようとする部材とを接着剤や両面テープで固定すると、熱衝撃に繰り返しさらされ、フレキシブルフィルムが変形してしまい、表示パネルとしての品質が低下している。そこで、このような熱衝撃に繰り返しさらされても、放熱性を高め、フレキシブルフィルムにかかる応力を小さくする緩衝板を表示パネルのフレキシブルフィルムと部材との間に設ける。
【0019】
例えば、自動車のダッシュボードを部材としてフレキシブルフィルムを用いた表示パネルを取り付ける場合を考える。自動車のダッシュボードなどの材料としては、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂の線膨張率は、約10×10-5/℃以上約12×10-5/℃以下)、ABS樹脂(ABS樹脂の線膨張率は、約7×10-5/℃以上約13×10-5/℃以下)、アクリロニトリルスチレン樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられ、これらの材料で構成されたダッシュボードは曲面を有している。この曲面に合わせて表示パネルを張り付ける際、部材の曲面に緩衝板の一面を設けた後に緩衝板の他の一面に表示パネルを貼り付けると熱衝撃に耐えうる。
【0020】
本発明の一態様は、第1の有機樹脂材料からなるフィルム上に有機発光素子と、第1の有機樹脂材料とは線膨張率の異なる第2の有機樹脂材料からなる部材と、緩衝板とを有し、部材は、一部に曲面を有し、厚さが異なる領域を有し、部材の曲面に緩衝板を設け、緩衝板上に第1の有機樹脂材料からなるフィルムを有する表示装置である。
【0021】
緩衝板は部材の曲面に沿って曲げることができる厚さであり、0.1mm以上2.5mm以下、好ましくは1mm以下とする。筐体の曲面と金属フィルムは接着材や両面テープにより固定され、金属フィルムもフレキシブル表示パネルの基材フィルムと接着材や両面テープにより固定する。
【0022】
緩衝板に用いる材料は、ステンレス(ステンレスの線膨張率は約17.3×10-6/℃)、アルミニウム(アルミニウムの線膨張率は約23×10-6/℃)、銅(銅の線膨張率は約16.8×10-6/℃)、銀(銀の線膨張率は約18.9×10-6/℃)、金(金の線膨張率は約14.3×10-6/℃)、鉄(鉄の線膨張率は約11.7×10-6/℃)、チタン(チタンの線膨張率は約8.4×10-6/℃)、モリブデン(モリブデンの線膨張率は約4.9×10-6/℃)、タングステン(タングステンの線膨張率は約4.3×10-6/℃)、プラチナ(プラチナの線膨張率は約9×10-6/℃)、またはこれらの合金を用いることができる。本明細書では、TMA法(熱機械分析法)を用いて得られるある温度範囲における平均線膨張率の評価を基準とするが、フィルムの厚さが薄い場合、または機械強度が弱い場合は従来のTMA法での評価では熱以外の要因で変形して正しい測定ができない場合がある。なお、材料によってはガラス転移などが生じる温度を境界として線膨張率の数値が変わる場合もある。
【0023】
また、上記構成に加えてさらに駆動回路を有するプリント基板を有し、プリント基板と、第1の有機樹脂材料からなるフィルムとの間に緩衝板及び部材が設けられ、プリント基板は、フレキシブルプリント基板を介して有機発光素子と電気的に接続されている。
【0024】
曲面を有する表示部を有するデバイスは、曲面を有しているがために大型になりやすく、特に小型化させる場合など、駆動ICなどを搭載したプリント基板をフレキシブル表示パネルの裏側に配置するとコンパクトとなり、固定する部材ともなる。また、プリント基板に電磁ノイズが発生しやすい高周波回路などを用いる場合、緩衝板がシールドとして機能することができる。シールドとして緩衝板を用いる場合は、緩衝板を接地電位(グラウンド電位)にすることが好ましい。
【0025】
上記各構成において、部材としては、アクリル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアミドなどが挙げられる。また、部材が樹脂材料である場合、樹脂材料によっては水分を吸収することによって膨張する場合もある。
【0026】
また、部材の重量をさらに軽くするために、スリットや薄肉部(溝や窪みなど)を設けてもよい。また、部材にスリットや薄肉部を設けることで柔軟性を持たせてもよい。
【0027】
また、部材は、複数に分けて構成してもよい。また、部材とは異なる材料を用いてガイド部を設けてもよく、例えば、プリント基板とフレキシブル表示パネルとの間にガイド部を設け、フレキシブルプリント基板の折れ曲がり箇所に過負荷を生じて折損などの破損を防止してもよい。フレキシブルプリント基板は、他の部位に押し当てられて変形することによって物理的な過負荷を生じて破損する、或いは外部端子との接続部分が外れる恐れがある。
【0028】
また、フレキシブルプリント基板をコンパクトに収納するため、ガイド部を設け、フレキシブル表示パネルの一部をガイド部に沿って方向を変え、フレキシブルプリント基板をプリント基板に接続させることで、フレキシブルプリント基板が表示パネルの外側に突出させないようにすることができる。フレキシブルプリント基板の長さを最短の長さにすることも解決手段の一つではあるが、製造上のマージンを考えると長さの余りが生じ、それがフレキシブルプリント基板のカールとなって突出する部分が生じる。筐体内に収納する場合でもフレキシブルプリント基板のカールやひねりが意図せず生じることとなる。
【0029】
また、本明細書で開示する他の構成は、有機樹脂材料からなるフィルム上に有機発光素子と、有機発光素子と電気的に接続する端子と、端子と接して接続するフレキシブルプリント基板と、フレキシブルプリント基板と接続するプリント基板とを有し、有機樹脂材料からなるフィルムの一部は、平面を有する部材と緩衝板を介して重なり、且つ、プリント基板とほぼ平行であり、他の一部は、ガイド部と重なり、ガイド部の平面は、部材の平面とほぼ垂直であり、ガイド部の平面は、フレキシブルプリント基板と端子と接する部分と重なり、ガイド部の曲面は曲率半径5mm以上である表示装置である。
【0030】
なお、本明細書では、フィルムは高分子原料をおもに使用した膜厚200μm以下の薄い膜状のものを指す。また、フィルムと区別するため、200μmよりも厚いものをシートと一般に呼ぶこともあるが、本明細書では、高分子原料をおもに使用し、0.5mm未満であれば、フィルムと呼ぶこととする。
【0031】
また、緩衝板に用いる金属板は、厚さが薄い場合、箔と呼ぶこともある。例えば、JIS規格ではアルミニウム箔の厚さは0.006mm以上0.2mm以下となっている。また、高分子原料を使用したフィルムにアルミニウムなどの金属材料を蒸着した場合にはアルミニウムラミネートフィルムと呼ぶこともあり、緩衝板に用いることができる。
【0032】
また、フレキシブル表示パネルの映像表示は、有機発光素子に接続された保持容量を用いて表示されている。薄いフレキシブルフィルムは、厚さが例えば100μm以下と薄すぎるがゆえにプリント基板などの他の電子素子群と重ねてしまうと、保持容量に影響を与え、表示画像に乱れを生じさせてしまう恐れがある。従って、有機発光素子を含む素子とプリント基板の電極との最短距離は少なくとも150μm以上とする。有機発光素子を含む素子とプリント基板の電極との最短距離が150μm未満の場合、表示画像に乱れを生じる。
【0033】
各色の発光素子の発光層はそれぞれ分離していることが好ましい。本発明の一態様の表示装置は、複数の表示パネルを用いて形成されるため、1つの表示パネルの大きさは比較的小さくすることができる。そのため、メタルマスクの合わせ精度を高めることができ、塗り分けの歩留まりを高めることができる。このことから、塗り分け方式の発光素子を採用する点で有利であるといえる。
【0034】
発光素子には、ボトムエミッション構造、トップエミッション構造のいずれも用いることができる。特に、トップエミッション構造の発光素子を用いることが好ましい。
【0035】
また、フレキシブル表示パネルを、家屋やビルの内壁または外壁や、自動車の内装または外装の曲面に沿って組み込むことも可能である。例えば3Dプリンターを用いて所望の形状を有する部材を形成し、その部材とフレキシブル表示パネルの間に緩衝板を設けることでさまざまな領域に表示領域を設置できる。3Dプリンターを用いる場合、部材はABS樹脂、PLA樹脂、エポキシ樹脂などを用いる。
【0036】
自動車に搭載する場合、温度ストレスによる影響が小さいことが好ましく、特に高熱になりやすい車内においては、本発明の構成とすることが有効である。従来の液晶表示装置を搭載する場合に比べて軽量化が図れ、また、自動車同士の衝突による破損があっても液晶表示装置のようにガラス基板を用いていないため、乗客に対して傷をつけることがない。
【発明の効果】
【0037】
さまざまな場所、例えば乗り物の内部などに設置することができる新規な構造の表示装置を提供することができる。
【0038】
自動車の車内に設ける場合には、運転者などの利用者に対して広い面積の表示領域を提供し、広い面積の表示領域に表示される情報を利用することで運転者の安全運転を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明の一態様を示す表示装置の断面模式図である。
図2】本発明の一態様の他の例を示す断面模式図である。
図3】本発明の一態様を示す表示装置の斜視図及び断面図である。
図4】本発明の一態様を示す表示装置の車両への搭載例を示す図である。
図5】表示パネルの作製方法の一例を示す断面図。
図6】表示パネルの作製方法の一例を示す断面図。
図7】表示パネルの一例を示す上面図及び断面図。
図8】表示装置の一例を示す断面図。
図9】表示パネルの一例を示す断面図。
図10】実施例1の表示パネル及び表示装置を説明する図。
図11】実施例1の部材の設計図。
図12】実施例1の部材の設計図および写真図。
図13】実施例1の表示パネルの側面からの写真図。
図14】実験の試料構成を示す斜視図及び実験結果の写真図である。
図15】実施例1の表示装置を示す写真図。
図16】実験の試料構成を示す断面図及び実験結果の写真図である。(比較例)
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0041】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置の構成例、及び応用例について、図面を参照して説明する。
【0042】
曲面を有する筐体の一部にフレキシブルな表示パネルを固定するため、フレキシブル表示パネルと筐体の間には、曲面を有する部材および金属からなる緩衝板を設ける。例えば自動車であれば、筐体はダッシュボードの一部であり、設置した表示パネルも含めてダッシュボードと本明細書では呼ぶこととする。ダッシュボードとは、フロントウィンドウ下方において運転席正面近傍にある内装部品全体(計器、表示装置を含める)を指しており、インストルメントパネルとも呼ぶ。
【0043】
図1に曲面を有する部材501に表示パネル100を設置する一例を示す断面図を示す。
【0044】
図1に示す表示装置は、曲面を有する部材501と、緩衝板500と、表示パネル100と、フレキシブルプリント基板(FPCと呼ぶ)112と、プリント基板505と、ガイド部502a、502bとを有している。
【0045】
表示パネル100の基板として有機樹脂のフィルムを用い、表示パネル100の表示素子として有機発光素子を用いる場合、フィルムの厚さを薄くすると、表示領域におけるトータルの厚さが1mm以下の表示パネル100を実現することもできる。
【0046】
さらにタッチ入力機能を表示パネル100に持たせる場合、タッチパネルを設けようとすると、使用者が表示パネルを押せるように、表示パネル100と重なる部材501で支持することとなる。支持する部材501は、指で押しても反発力を感じる硬質な材料とする。こうすることによって指で押しても表示パネル100を突き破れないようにする。
【0047】
部材501はアクリル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアミドなどを用いる。このように有機樹脂を用いれば、軽量化が図れるため好ましい。
【0048】
部材501と表示パネル100のフィルムとを接して固定すると、材料の線膨張率の違いによって温度変化があるとしわが発生する。
【0049】
ここで、両面テープを用い、平板のアクリル板20に表示パネル100を接して張り付けた試料の断面斜視図を図16(A)に示し、熱衝撃を加える保存試験を行った結果を図16(B)、及び図16(C)に示す。図16(B)は、平板のアクリル板20に表示パネル100を接して張り付けた直後の写真図であり、図16(C)は、40℃12時間の保存を行った後、0℃12時間の保存を行い、室温とした後の写真図である。図16(C)に示すように保存試験後はしわが形成され、外観が大きく変化していることがわかる。
【0050】
そこで、本実施の形態では、図1に示すように曲面を有する部材501と表示パネル100に緩衝板500を設ける。なお、図1には図示していないが、部材501と緩衝板500との間は両面テープなどの接着層を有している。
【0051】
緩衝板500の厚さは、0.1mm以上2.5mm以下とし、材質によっては、機械加工を行い、部材501の曲面に合わせた形状とすることが好ましい。本実施の形態では、軽量であり、安価な材料であるアルミニウムを用い、厚さ0.5mmのアルミニウム板を用いる。この厚さであればフレキシブルであるので、両面テープで部材501と接着すれば変形し、部材の曲面に沿った形状のアルミニウム板とすることができる。
【0052】
緩衝板500を設けることで、熱衝撃による図16(C)に示したようなしわの発生が抑制できる。アルミニウム板を用いた場合、緩衝板500は、熱緩衝板とも呼べ、表示パネル100の素子などが発熱しても熱を拡散して均熱または放熱できる。また、外部から力が加わった場合、緩衝板500によって部材501と表示パネル100とにかかる応力を緩和させてもよい。
【0053】
部材501を緩衝板500と同じ金属の材質として、緩衝板を省略しても熱衝撃によるしわの発生が抑制できるが、部材501の総重量が重くなり、表示装置が重くなる。
【0054】
自動車の内部に表示装置を組み込む場合、車体の剛性を維持するフレームにビスなどで固定された枠にはめ込む、または枠にビスで固定する方式となる。この場合、表示装置の重量が重いと固定しているフレームに集中して負荷がかかるため、部材501を含む表示装置の重量は軽いことが好ましい。自動車においては重量バランスを取るために設置する箇所を考える。従って、表示装置の重量が軽いため、設置箇所を問わないフレキシブルな表示パネルは有用である。
【0055】
また、図1に示す表示パネル100は、緩衝板と重なる領域に関しては曲率中心が右側にあり、曲率半径700mmより大きい曲率半径を有する曲面であるが、それ以外の領域に関しては曲率中心が左側にある小さい曲率半径を有する曲面となっている。小さい曲率半径を有する曲面はガイド部502aで曲率半径5mm未満にならないように保護されている。表示パネル100は、曲率半径5mm以上であれば表示の信頼性を確保できる。
【0056】
また、図1に示す表示パネル100は、表示素子と電気的に接続された端子電極120は、FPC112と電気的に接続されており、ガイド部502bの平面は、FPC112と端子電極120が接する部分と重なり、表示パネル100とFPC112がガイド部502a、502bの外側に沿って配置されている。
【0057】
このように、駆動IC506を搭載したプリント基板505を表示パネル100の裏側に配置するとコンパクトとなる。
【0058】
また、ガイド部502bは、ガイド部502aと固定しており、平坦部を金属材料で形成してもよい。ガイド部502bは、FPC112と接する部分があってもよく、図1に示すように、接する部分に丸みがなくともFPC112はフレキシブルであるためよい。また、図1ではガイド部502bは、ボルトやねじなどの締結部品504aで部材501と固定している。
【0059】
また、プリント基板505は駆動IC506などの素子群を有し、部材501と、締結部品504b、504cで固定されている。プリント基板505と部材501の平面は、ほぼ平行である。なお、FPC112は、プリント基板505の接続部503に接続されている。また、表示装置の電源は、乗り物の電源(発電機、二次電池など)から接続コードで電力を供給してもよい。また、プリント基板505には、二次電池や、無線通信部などを設けてもよく、ワイヤレスで映像信号を送受信するシステム構成としてもよい。
【0060】
また、部材501は軽量化のため、欠けや空洞を設けてもよい。より小型化を図る場合には、部材501を複雑な形状、具体的には、プリント基板と重なる領域をくり抜いた形状とし、プリント基板505と緩衝板500との間隔が狭くなるよう配置してもよい。
【0061】
また、プリント基板505に設ける素子が高周波回路などである場合、緩衝板500は、電界遮蔽のフィルムとして機能させることが好ましい。緩衝板500により、高周波回路からのノイズが表示パネル100の映像表示への画質低下を抑制することができる。また、ノイズの影響を低減するために、プリント基板と有機発光素子との最短距離は、150μm以上とすることが好ましい。
【0062】
表示パネルの表示領域と重なる可撓性フィルムに一部接して重なるように、導電性を有する板を配置すると、表示パネル100の映像表示への画質低下が確認できた。
【0063】
従って、緩衝板500が表示パネル100の表示領域と重なる領域は、少なくとも表示パネルの表示領域の面積と同じ、またはそれ以上になるようにする。表示パネル100の表示領域と緩衝板500が重ならない部分があると、それらの間で映像表示に差が生じて表示に境界が生じる恐れがある。
【0064】
また、図1に示す部材501の断面形状は、一例にすぎず、曲面を有していれば特に限定されない。例えば、図2に示す部材501の断面形状としてもよい。図2は、図1と部材501の断面形状が異なるため、緩衝板500、表示パネル100の形状も変化するが、他の構成は同一であるため、詳細な説明は省略することとする。
【0065】
図2の部材501は、図1の部材501に比べて体積が小さく、軽量なものとなっている。また、図2の部材501は、プリント基板505と重なる領域を削って軽量化を図っている。このような複雑な形状は、3Dプリンター装置などを用いると部材501の製造が容易となる。
【0066】
本実施の形態に示した表示装置は、乗り物に限定されず、持ち運びテレビ受像器としても有効な構成である。
【0067】
図3(A)に持ち運びテレビ受像器5010の例を示す。図3(B)は図3(A)中の点線XYを切断した断面簡略図である。持ち運びテレビ受像器5010は、スピーカ5013、LEDランプ5014、操作キー5015、接続端子5016を有する。また図3(A)に示すように、持ち運びテレビ受像器5010は、信号の送受信が可能な充電器5017に設置できるようにしている。持ち運びテレビ受像器5010は、上述したものの他に、アンテナ、チューナ、画像処理部、記録媒体読込部、二次電池等を有する。
【0068】
持ち運びテレビとして要求される項目としては、画面が大きく、軽量であり、且つ、いろいろな箇所に設置できるということが挙げられる。従来の持ち運びテレビは液晶表示パネルが平面であり、ガラス基板を用いており、大画面になると、ガラス基板と同じサイズのバックライトを有するため、バランスを取ることが困難となっており、土台が大きなものとなっている。
【0069】
土台が大きくなってくると狭い場所には設置することが困難であり、例えば幅の狭い棚に配置しようとしても幅がないため設置が困難となっている。
【0070】
図3(B)に示すように、本実施の形態の表示素子は有機発光素子であるため、バックライトが不要であり、部材501の接地面側が幅広となっており、安定であるため、バランスがとれた構成となっている。また、部材501をアクリル樹脂とすると、軽量である。また、浴室などに設置する場合では温度衝撃が与えられるが、部材501と表示パネル100の間に緩衝板500が設けられているため、表示パネル100にしわなどが発生することを抑制できる。
【0071】
また、表示パネル100の画面が曲面となっており、見やすい構成となっている。
【0072】
また、液晶パネルはガラス基板を使っているため、倒れると割れてしまう。本実施の形態に示す表示パネル100の構成は、フレキシブルフィルムを利用しているために倒しても壊れず、安全である。また、曲面を有しているため、倒れたとしても平面である床や机に画面がほとんど接触することがない。
【0073】
また、本実施の形態に示した表示装置は、乗り物の内部などのさまざまな場所に設置する際に部材501の形状を適宜調整することで小型化、または軽量化することができ、狭い空間にコンパクトに収納させて設置することができる。
【0074】
ここで車両の内部に、本実施の形態で説明した表示装置を配置する応用例の一例を以下に示す。
【0075】
図4(A)に表示装置5002の右ハンドルの車両への搭載例を示すが、特に限定されず、左ハンドルの車両の場合、左右の配置が替わる。
【0076】
図4(A)では、運転席と助手席の周辺に配置されるダッシュボード5001、ハンドル5003、フロントガラス5004などを示している。
【0077】
表示装置5002は、ダッシュボード5001の所定位置、具体的には運転者の回りに配置され、概略T字形状としている。概略T字形状とすると車の内部において、運転席の前と、助手席の前と、助手席と運転席の間とに表示領域を設けることができるため、好ましい配置である。図4(A)では、ダッシュボード5001の曲面または平面に対して複数の表示パネルを組み合わせて1つの表示装置5002を設けている例を示しているが、一つにすることに限定されず、複数箇所に分けて複数の表示装置を設けてもよい。また、図4(A)に示している1つの表示装置5002は、ハンドルの接続部分や計器の表示部や送風口5006などには表示領域が設けられず、複数の開口を有している複雑な形状を示している。このような複雑な形状にすることができるのもフレキシブル表示パネルを用いる上での長所である。
【0078】
また、後側方の状況を撮影するカメラ5005を車外に複数設ける。図4(A)においてはサイドミラーの代わりにカメラ5005を設置する例を示しているが、サイドミラーとカメラの両方を設置してもよい。
【0079】
カメラ5005は、CCDカメラやCMOSカメラを用い、赤外線カメラを組み合わせて用いてもよい。赤外線カメラは、被写体の温度が高いほど、出力レベルが高くなるため、人や動物等の生体を検知または抽出することができる。
【0080】
カメラ5005で撮像された画像は、表示装置5002の画面(表示領域5002a、5002b、5002c、5002dのいずれか一、または複数)に出力することができる。なお、表示装置5002は、例えば、表示領域5002aが一つの表示パネルに対応しており、大きく分けて4つの表示パネルを組み合わせて構成されている。本実施の形態では、図1に示す表示装置を表示領域5002bに用い、図2に示す表示装置を表示領域5002a、5002bに用いる。
【0081】
この表示装置5002を用いて主に車両の運転を支援する。カメラ5005によって後側方の状況を横方向に幅広い画角で撮影し、その画像を表示することで、運転者の死角領域を視認することによって事故の発生を防いでいる。
【0082】
また、表示領域5002a、5002b、5002c、5002dは、隣り合う表示領域間の映像のつなぎ目が目立たない、所謂シームレスな映像の表示とするため、人工知能(AI)を利用して映像信号を補正する機能を有する補正回路を備えた表示システムを用いることが好ましい。具体的には、人工ニューラルネットワーク(ANN)の学習により、特に領域のつなぎ目における映像の不連続性が緩和されるように映像信号を補正することが可能な補正回路が構成される。そして、当該学習後の人工ニューラルネットワークを用いて推論(認知)を行うことにより、映像信号が補正され、映像の不連続性が補償される。これにより、つなぎ目が目立たない映像の表示が可能となり、高解像度の映像の品質を向上させることができる。
【0083】
また、表示装置5002のうち、表示領域5002dにおいてはフレキシブルであることを利用して位置調節手段によって左端部5002eを曲げることで運転手に見やすい角度に表示領域5002dの一部である画面の角度を変えることができる。表示領域5002dの端部は運転手からの距離及び視野角により、表示を識別しにくいが、表示領域5002dの左端部5002eを曲げて運転手に見やすい角度とすれば、車内にサイドミラーの画像を表示する表示領域に適した位置に設けることができ、有用である。
【0084】
また、車のルーフ上などに距離画像センサを設け、得られた画像を表示装置5002に表示してもよい。距離画像センサとしては、イメージセンサやライダー(LIDAR:Light Detection and Ranging)を用いる。表示面積の広い表示装置に距離画像センサで得られる画像と、CCDカメラで得られる画像とを両方を表示することで多くの情報を運転手に提供し、運転を支援することができる。
【0085】
表示装置5002は、さらに、地図情報、交通情報、テレビ映像、DVD映像なども表示するのであれば、組み合わせる表示パネルの枚数を増やし、より大面積の表示装置とすることが好ましい。例えば、地図情報を表示領域5002a、5002b、5002c、5002dを1つの表示画面として大きく表示することができる。
【0086】
表示領域5002a、5002b、5002c、5002dは映像表示する部分を固定しているわけではなく、運転手の好みによって自由に変えることができる。例えば、テレビ映像、DVD映像は左側の表示領域5002d、地図情報は中央部の表示領域5002b、計器類の表示は右側の表示領域5002c、オーディオを表示する変速ギア近傍の表示領域5002aは運転席と助手席の間に配置できる。また、複数の表示パネルを組み合わせることでフェールセーフの設計とすることができる。例えば、複数の表示パネルからなる表示領域のうち、ある表示パネルが何らかの原因で故障したとしても、表示領域を変更することで他の領域に配置する表示パネルに表示することができる。
【0087】
平面の表示パネルの場合は、設置場所が限られ、車内部の曲面との間にデットスペースが生じて車内空間が狭められてしまう。表示領域5002a、5002b、5002c、5002dに用いる表示パネルがフレキシブル表示パネルであれば、車内部の曲面に沿って設置することができ、車内空間もほとんど狭めることがないため、望ましい。ただし、車内空間がそれほど狭められないのであれば、平面の表示パネルとフレキシブル表示パネルを組み合わせて配置してもよい。例えば、表示領域5002aは平面の表示パネルであってもよい。また、表示領域5002aは運転手の手の届く領域であるため、タッチパネルとして入力操作を行えるようにしてもよい。
【0088】
本実施の形態では、車両の一例を示したが特に限定されず、航空機のコクピットまわりの表示装置や、円柱状の柱に取り付けたデジタルサイネージ(Digital Signage:電子看板)としても用いることができ、家屋もしくはビルの内壁もしくは外壁の曲面に沿って組み込むこともできる。また、図4(B)に示すように二輪車(スクーターなど)のハンドルまわりの表示装置8605として用いてもよい。表示装置8605は3つのパネルを組み合わせて配置し、T字形状となった一つの表示装置を用いる。図4(B)に示すスクータ8600は、二次電池8602、サイドミラー8601、方向指示灯8603を備える。二次電池8602は、方向指示灯8603に電気を供給することができる。また、図4(B)に示すスクータ8600は、座席下収納8604に、二次電池8602を収納することができる。二次電池8602は、座席下収納8604が小型であっても、座席下収納8604に収納することができる。二次電池8602は、取り外し可能となっており、充電時には二次電池8602を屋内に持って運び、充電し、走行する前に収納すればよい。
【0089】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の図1(A)に示す表示パネル100の作製方法について図5を用いて説明する。表示パネル100は表示領域101と、表示領域101に隣接して、可視光を透過する領域110と、を備える。領域120には、例えば表示領域101に含まれる画素に電気的に接続する配線が設けられている。また、このような配線に加え、画素を駆動するための駆動回路(走査線駆動回路、信号線駆動回路等)が設けられていてもよい。また、領域120にはFPC112と電気的に接続する端子(接続端子ともいう)や、当該端子と電気的に接続する配線や、ICチップ等が設けられている領域を含む。
【0090】
まず、図5(A)に示すように、作製基板231上に剥離層233を形成する。そして、剥離層233の表面にプラズマ処理を行う(図5(A)の点線で示す矢印参照)。なお、本明細書中では、剥離層上に形成される層を被剥離層と記す場合がある。
【0091】
作製基板231には、少なくとも作製工程中の処理温度に耐えうる耐熱性を有する基板を用いる。作製基板231としては、例えばガラス基板、石英基板、サファイア基板、半導体基板、セラミック基板、金属基板、プラスチック基板などを用いることができる。
【0092】
なお、量産性を向上させるため、作製基板231として大型のガラス基板を用いることが好ましい。例えば、第3世代(550mm×650mm)以上第10世代(2950mm×3400mm)以下のガラス基板、またはこれよりも大型のガラス基板を用いることが好ましい。
【0093】
作製基板231にガラス基板を用いる場合、作製基板231と剥離層233との間に、下地膜を形成すると、ガラス基板からの汚染を防止でき、好ましい。下地膜としては、例えば、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、及び窒化酸化シリコン膜等の絶縁膜が挙げられる。
【0094】
剥離層233には、無機材料を用いることができる。無機材料としては、タングステン、モリブデン、チタン、タンタル、ニオブ、ニッケル、コバルト、ジルコニウム、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、シリコンから選択された元素を含む金属、該元素を含む合金、または該元素を含む化合物等が挙げられる。シリコンを含む層の結晶構造は、非晶質、微結晶、多結晶のいずれでもよい。剥離層233に、タングステン、チタン、モリブデンなどの高融点金属材料を用いると、被剥離層の形成工程の自由度が高まるため好ましい。
【0095】
剥離層233が単層構造の場合、タングステン層、モリブデン層、またはタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成することが好ましい。なお、タングステンとモリブデンの混合物とは、例えば、タングステンとモリブデンの合金に相当する。
【0096】
剥離層233は、例えばスパッタリング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法(プラズマCVD法、熱CVD法、MOCVD(Metal Organic CVD)法など)、ALD(Atomic Layer Deposition)法、塗布法(スピンコーティング法、液滴吐出法、ディスペンス法等を含む)、印刷法、蒸着法等により形成できる。
【0097】
剥離層233の厚さは、1nm以上1000nm以下、好ましくは1nm以上200nm以下、より好ましくは10nm以上100nm以下とする。
【0098】
また、剥離層233として、タングステンを含む層とタングステンの酸化物を含む層の積層構造を形成する場合、タングステンを含む層を形成し、その上に酸化物絶縁膜を形成することで、タングステン層と絶縁膜との界面に、タングステンの酸化物を含む層が形成されることを活用してもよい。
【0099】
また、タングステンを含む層の表面を、熱酸化処理、酸素プラズマ処理、亜酸化窒素(NO)プラズマ処理、オゾン水等の酸化力の強い溶液での処理等を行ってタングステンの酸化物を含む層を形成してもよい。プラズマ処理または加熱処理は、酸素、窒素、亜酸化窒素単独、あるいは該ガスとその他のガスとの混合気体雰囲気下で行うことができる。
【0100】
プラズマ処理または加熱処理により、剥離層233の表面状態を変えることで、剥離層233と後に形成される絶縁膜との密着性を制御することが可能である。本実施の形態では、プラズマ処理を行う場合を例に挙げて説明する。
【0101】
プラズマ処理は、亜酸化窒素を含む雰囲気下で行うことが好ましく、亜酸化窒素及びシランを含む雰囲気下で行うことがより好ましい。これにより、剥離層233の表面に、剥離層233を構成する材料の酸化物層を形成することができる。特に、シランを含む雰囲気下で行うと、とても薄い厚さの酸化物層を形成することができる。酸化物層が極めて薄い場合には、断面観察像で確認が困難である。
【0102】
酸化物層は、剥離層に含まれる材料の酸化物を含む層である。剥離層233が金属を含む場合、酸化物層は、剥離層233に含まれる金属の酸化物を含む層である。酸化物層は、タングステン酸化物、チタン酸化物、またはモリブデン酸化物を含むことが好ましい。
【0103】
次に、図5(B)に示すように、剥離層233上に第1の絶縁層205を形成し、第1の絶縁層205上に第2の絶縁層207を形成する。
【0104】
第1の絶縁層205及び第2の絶縁層207は、それぞれ、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、または窒化酸化シリコン膜等を用いて、単層または多層で形成することができる。
【0105】
なお、本明細書中において「酸化窒化シリコン」とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものをいう。また、本明細書中において、「窒化酸化シリコン」とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものをいう。
【0106】
第1の絶縁層205は、酸素及びシリコンを含むことが好ましい。第1の絶縁層205を酸化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜の単層構造とすることが好ましい。
【0107】
第1の絶縁層205は、さらに水素を含むことが好ましい。第1の絶縁層205は、後の加熱工程において、水素を放出する機能を有する。加熱により、第1の絶縁層205から水素が放出されることで、酸化物層に水素が供給される。また、第1の絶縁層205は、後の加熱工程において、水素及び窒素を放出する機能を有していてもよい。加熱により、第1の絶縁層205から窒素が放出されることで、酸化物層に窒素が供給される。
【0108】
第1の絶縁層205は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により検出される水素濃度が1.0×1020atoms/cm以上1.0×1022atoms/cm以下、好ましくは5.0×1020atoms/cm以上5.0×1021atoms/cm以下である領域を含むことが好ましい。
【0109】
第1の絶縁層205は、SIMSにより検出される窒素濃度が5.0×1020atoms/cm以上1.0×1023atoms/cm以下、好ましくは1.0×1021atoms/cm以上5.0×1022atoms/cm以下である領域を含むことが好ましい。
【0110】
第1の絶縁層205として、酸化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜を、シランガス及び亜酸化窒素ガスを含む成膜ガスを用いたプラズマCVD法により成膜することで、多量の水素及び窒素を膜中に含有させることができるため好ましい。また、成膜ガス中のシランガスの割合を大きくするほど、後の加熱工程において水素の放出量が多くなるため好ましい。
【0111】
第2の絶縁層207は、窒素及びシリコンを含むことが好ましい。第2の絶縁層207を窒化シリコン膜または窒化酸化シリコン膜の単層構造、または窒化シリコン膜または窒化酸化シリコン膜を含む積層構造とすることが好ましい。第2の絶縁層207が積層構造の場合、第2の絶縁層207は、さらに酸化シリコン膜及び酸化窒化シリコン膜の少なくとも一方を有することが好ましい。
【0112】
第2の絶縁層207は、後の加熱工程において、第1の絶縁層205から放出された水素をブロックする機能を有する。第2の絶縁層207は、水素及び窒素をブロックすることができる層であってもよい。第2の絶縁層207により、第1の絶縁層205から素子層に水素(及び窒素)が供給されることを抑制することができるとともに、酸化物層に水素(及び窒素)を効率よく供給することができる。なお、第1の絶縁層205と第2の絶縁層207の間に他の層を有していてもよい。
【0113】
第2の絶縁層207に含まれる窒化シリコン膜を、シランガス、窒素ガス及びアンモニアガスを含む成膜ガスを用いたプラズマCVD法により成膜することが好ましい。
【0114】
第1の絶縁層205及び第2の絶縁層207は、それぞれ、スパッタリング法、プラズマCVD法、塗布法、印刷法等を用いて形成することが可能であり、例えば、プラズマCVD法によって成膜温度を250℃以上400℃以下として形成することで、緻密で非常に防湿性の高い膜とすることができる。なお、第1の絶縁層205及び第2の絶縁層207の厚さは、それぞれ10nm以上3000nm以下、さらには200nm以上1500nm以下が好ましい。
【0115】
次に、剥離層233、第1の絶縁層205、及び第2の絶縁層207を加熱する。なお、加熱処理は、素子層209の少なくとも一部を形成した後に行ってもよい。例えば、トランジスタを形成した後、表示素子を形成する前に、加熱処理を行ってもよい。素子層209の作製工程に加熱工程がある場合、該加熱工程が、該加熱処理を兼ねていてもよい。
【0116】
加熱処理を行うことにより、第1の絶縁層205から水素(及び窒素)が放出され、酸化物層に供給される。このとき、第2の絶縁層207が放出された水素(及び窒素)をブロックするため、酸化物層に水素(及び窒素)を効率よく供給することができる。
【0117】
酸化物層内に供給された水素により、酸化物層内の酸化物が還元され、酸化物層中に酸素の組成の異なる複数の酸化物が混在した状態となる。例えば、剥離層にタングステンを含む場合には、プラズマ処理により形成されたWOが還元され、WOよりも酸素の組成の少ないWO(2<x<3)やWOが生成され、これらが混在した状態となる。このような混合金属酸化物は酸素の組成に応じて異なる結晶構造を示すため、酸化物層内の機械的強度が脆弱化する。その結果、酸化物層の内部で崩壊しやすい状態が実現され、後の剥離工程における剥離性を向上させることができる。
【0118】
さらに、酸化物層に供給された窒素により、剥離層に含まれる材料と窒素を含む化合物も生成される。このような化合物の存在により、酸化物層の機械的強度をより脆弱化させることができ、剥離性を高めることができる。剥離層に金属を含む場合、酸化物層に金属と窒素を含む化合物(金属窒化物)が生成される。例えば、剥離層にタングステンを含む場合には、タングステン窒化物が酸化物層に生成される。
【0119】
酸化物層内に供給する水素が多いほど、WOが還元されやすく、酸化物層中に酸素の組成の異なる複数の酸化物が混在した状態となりやすいため、剥離に要する力を少なくすることができる。酸化物層内に供給する窒素が多いほど、酸化物層の機械的強度を脆弱化させることができ、剥離に要する力を少なくすることができる。第1の絶縁層205が厚いほど、水素(及び窒素)の放出量を多くすることができるため好ましい。一方、第1の絶縁層205が薄いほど、生産性が高くなり好ましい。
【0120】
加熱処理は、第1の絶縁層205から水素(及び窒素)が脱離する温度以上、作製基板231の軟化点以下で行えばよい。また、酸化物層内の金属酸化物の水素による還元反応が生じる温度以上で加熱を行うことが好ましい。加熱処理の温度が高いほど、第1の絶縁層205からの水素(及び窒素)の脱離量が高まるため、その後の剥離性を向上させることができる。なお、加熱時間、加熱温度によっては、剥離性が高くなりすぎ、意図しないタイミングで剥離が生じる場合がある。したがって、剥離層233にタングステンを用いる場合には、300℃以上700℃未満、好ましくは400℃以上650℃未満、より好ましくは400℃以上500℃以下の温度で加熱する。
【0121】
加熱処理を行う雰囲気は特に限定されず、大気雰囲気下で行ってもよいが、窒素や希ガスなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
【0122】
次に、図5(C)に示すように、可視光を透過する領域110における第2の絶縁層207を除去する。第2の絶縁層207の除去には、ドライエッチング法、ウェットエッチング法等を用いることができる。なお、素子層209及び絶縁層208の作製工程等に含まれるエッチング工程のいずれかが、第2の絶縁層207の除去工程を兼ねていてもよい。
【0123】
本発明の一態様では、加熱処理を行うまでは、剥離層233の表面全体に第2の絶縁層207を設けておく。そして、加熱処理後に、可視光を透過する領域110における第2の絶縁層207を除去する。これにより、可視光を透過する領域110の剥離性が、他の部分よりも低くなることを抑制できる。したがって、表示パネル全体の剥離性を均一にすることができる。可視光を透過する領域110の構成が、表示パネルの作製工程の歩留まりに与える影響を抑制することができる。
【0124】
次に、図5(D)に示すように、第2の絶縁層207上に、素子層209、絶縁層208、及び接続端子223を形成する。絶縁層208は、素子層209に含まれる表示素子を覆うように形成する。素子層209に含まれる絶縁層及び絶縁層208は、可視光を透過する領域110に含まれないことが好ましい。
【0125】
次に、後の工程で作製基板231と貼り合わせる基板235を用意する。基板235上に剥離層237を形成する。そして、剥離層237の表面にプラズマ処理を行う(図5(E)の点線で示す矢印参照)。
【0126】
次に、図5(F)に示すように、剥離層237上に第3の絶縁層215を形成し、第3の絶縁層215上に第4の絶縁層217を形成し、第4の絶縁層217上に機能層219を形成する。
【0127】
なお、加熱処理を、第4の絶縁層217を形成した後、かつ、第4の絶縁層217の一部を除去する前に行う。機能層219を形成する前に、剥離層237、第3の絶縁層215、及び第4の絶縁層217を加熱してもよい。または、加熱処理は、機能層219の少なくとも一部を形成した後に行ってもよい。機能層219の作製工程に加熱工程がある場合、該加熱工程が、該加熱処理を兼ねていてもよい。
【0128】
加熱処理を行うことにより、後の剥離工程における剥離性を向上させることができる。
【0129】
次に、図5(G)に示すように、可視光を透過する領域110における第4の絶縁層217を除去する。第4の絶縁層217の除去には、ドライエッチング法、ウェットエッチング法等を用いることができる。なお、機能層219の作製工程に含まれるエッチング工程のいずれかが、第4の絶縁層217の除去工程を兼ねていてもよい。
【0130】
本発明の一態様では、加熱処理を行うまでは、剥離層237の表面全体に第4の絶縁層217を設けておく。そして、加熱処理後に、可視光を透過する領域110における第4の絶縁層217を除去する。これにより、表示パネル全体の剥離性を均一にすることができる。可視光を透過する領域110の構成が、表示パネルの作製工程の歩留まりに与える影響を抑制することができる。
【0131】
続いて、作製基板231と基板235とを接着層221により貼り合わせる(図6(A))。
【0132】
基板235としては、作製基板231に用いることができる各種基板を適用できる。また、可撓性を有する基板を用いてもよい。また、基板235として、トランジスタなどの半導体素子、有機EL素子などの発光素子、液晶素子、検知素子などの機能素子やカラーフィルタ等があらかじめ形成された基板を用いてもよい。
【0133】
接着層221としては、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。また、接着層221として、水溶性樹脂、有機溶媒に可溶な樹脂、紫外線などの照射により可塑化させることが可能である樹脂等、必要時に基板235と第1の絶縁層205とを分離することが可能な接着剤を用いてもよい。
【0134】
そして、剥離層233と第1の絶縁層205を分離する。
【0135】
剥離の方法としては、例えば作製基板231または基板235を吸着ステージに固定し、剥離層233と第1の絶縁層205の間に剥離の起点を形成する。例えば、これらの間に刃物などの鋭利な形状の器具を差し込むことで剥離の起点を形成してもよい。また、レーザ光を照射し剥離層233の一部を溶解させることで剥離の起点を形成してもよい。また、液体(例えばアルコールや水、二酸化炭素を含む水など)を例えば剥離層233や第1の絶縁層205の端部に滴下し、毛細管現象を利用して該液体を剥離層233と第1の絶縁層205の境界に浸透させることにより剥離の起点を形成してもよい。
【0136】
次いで、剥離の起点が形成された部分において、密着面に対して概略垂直方向に、緩やかに物理的な力を加えること(人間の手や治具で引き剥がす処理や、ローラーを回転させながら分離する処理等)により、被剥離層を破損することなく剥離することができる。例えば、作製基板231または基板235にテープ等を貼り付け、当該テープを上記方向に引っ張ることで剥離を行ってもよいし、鉤状の部材を作製基板231または基板235の端部に引っかけて剥離を行ってもよい。また、粘着性の部材や真空吸着が可能な部材を作製基板231または基板235の裏面に吸着させて引っ張ることにより、剥離を行ってもよい。
【0137】
ここで、剥離時に、剥離界面に水や水溶液など、水を含む液体を添加し、該液体が剥離界面に浸透するように剥離を行うことで、剥離性を向上させることができる。また、剥離時に生じる静電気が、被剥離層に含まれる機能素子に悪影響を及ぼすこと(半導体素子が静電気により破壊されるなど)を抑制できる。
【0138】
以上の方法により、作製基板231から被剥離層を歩留まりよく剥離することができる。
【0139】
その後、第1の絶縁層205に接着層203を介して基板201を貼り付ける(図6(B))。接着層203には、接着層221に用いることができる材料を適用できる。基板201には、基板235に用いることができる材料を適用できる。
【0140】
基板201及び基板235にそれぞれ可撓性を有する基板を用いることで、フレキシブルな表示パネルを作製することができる。なお、基板235が仮支持基板として機能する場合、基板235と剥離層237を被剥離層から分離し、被剥離層と基板211(例えば可撓性を有する基板)を接着層213を用いて貼り合わせてもよい(図6(C)。
【0141】
以上のように、本発明の一態様の表示パネルの作製方法では、第1の絶縁層205及び第2の絶縁層207を剥離層233の表面全体に形成した状態で加熱処理を行うことで、表示パネル全体の剥離性を均一に高めることができる。そして、加熱処理後に、可視光を透過する領域110における第2の絶縁層207を除去することで、可視光を透過する領域110の反射率を低減することができる。
【0142】
また、本発明の一態様の表示パネルの作製方法では、作製基板上に機能素子を形成した後に機能素子を作製基板から剥離し、他の基板に転置する。そのため、機能素子の形成工程にかかる熱に対する制限がほとんど無い。高温プロセスにて作製した極めて信頼性の高い機能素子を、耐熱性の劣る可撓性を有する基板上に歩留まりよく作製することができる。これにより、信頼性が高く、フレキシブルな表示パネルを実現することができる。
【0143】
本実施の形態では、塗り分け方式が適用されたトップエミッション構造の表示パネルを例に説明する。
【0144】
図7(C)に、塗り分け方式が適用されたトップエミッション構造の表示パネル370Aの断面図を示す。図7(C)は、図7(A)、(B)における一点鎖線A1-A2間及びA3-A4間の断面図に相当する。なお、図7(A)、(B)に、表示パネル370Aの上面図を示す。
【0145】
表示パネル370Aは、基板201、接着層203、絶縁層205、複数のトランジスタ、容量素子305、導電層307、絶縁層312、絶縁層313、絶縁層314、絶縁層315、発光素子304、導電層355、スペーサ316、接着層317、基板211、接着層213、及び絶縁層215を有する。
【0146】
可視光を透過する領域110に含まれる各層は、可視光を透過する。図14(C)では、可視光を透過する領域110が、基板201、接着層203、絶縁層205、ゲート絶縁層311、絶縁層312、絶縁層313、絶縁層314、接着層317、絶縁層215、接着層213、及び基板211を有する例を示す。この積層構造において、各界面の屈折率の差が小さくなるよう各層の材料を選択することが好ましい。
【0147】
駆動回路部382はトランジスタ301を有する。表示部381は、トランジスタ302及びトランジスタ303を有する。
【0148】
各トランジスタは、ゲート、ゲート絶縁層311、半導体層、ソース、及びドレインを有する。ゲートと半導体層は、ゲート絶縁層311を介して重なる。ゲート絶縁層311の一部は、容量素子305の誘電体としての機能を有する。トランジスタ302のソースまたはドレインとして機能する導電層は、容量素子305の一方の電極を兼ねる。
【0149】
図7(C)では、ボトムゲート構造のトランジスタを示す。駆動回路部382と表示部381とで、トランジスタの構造が異なっていてもよい。駆動回路部382及び表示部381は、それぞれ、複数の種類のトランジスタを有していてもよい。
【0150】
容量素子305は、一対の電極と、その間の誘電体とを有する。容量素子305は、トランジスタのゲート(下側のゲート)と同一の材料、及び同一の工程で形成した導電層と、トランジスタのソース及びドレインと同一の材料、及び同一の工程で形成した導電層と、を有する。
【0151】
絶縁層312、絶縁層313、及び絶縁層314のうち、少なくとも一層には、水または水素などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。外部から不純物がトランジスタに拡散することを効果的に抑制することが可能となり、表示パネルの信頼性を高めることができる。絶縁層314は、平坦化層としての機能を有する。図7(C)では、絶縁層314に有機材料を用い、かつ、絶縁層314が表示パネル全面にわたって設けられている例を示す。このような構成とすることで、剥離工程の歩留まりを高めることができるため、好ましい。また、有機材料を用いた絶縁層が表示パネルの端部に位置しない構成とすることもできる。この場合、発光素子304に不純物が侵入することを抑制できる。
【0152】
絶縁層205と基板201は接着層203によって貼り合わされている。また、絶縁層215と基板211は接着層213によって貼り合わされている。
【0153】
表示部381では、絶縁層205と絶縁層215との間に、発光素子304が位置する。表示パネル370Aの厚さ方向から、発光素子304に、不純物が侵入することが抑制されている。同様に、表示部381では、トランジスタを覆う絶縁層が複数設けられており、トランジスタに不純物が侵入することが抑制されている。
【0154】
一対の防湿性の高い絶縁膜の間に発光素子304及びトランジスタ等を配置することで、これらの素子に水等の不純物が侵入することを抑制でき、表示パネルの信頼性が高くなるため好ましい。
【0155】
防湿性の高い絶縁膜としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の窒素と珪素を含む膜、及び、窒化アルミニウム膜等の窒素とアルミニウムを含む膜等が挙げられる。また、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等を用いてもよい。
【0156】
例えば、防湿性の高い絶縁膜の水蒸気透過量は、1×10-5[g/(m・day)]以下、好ましくは1×10-6[g/(m・day)]以下、より好ましくは1×10-7[g/(m・day)]以下、さらに好ましくは1×10-8[g/(m・day)]以下とする。
【0157】
絶縁層314として有機材料を用いる場合、表示パネルの端部に露出した絶縁層314を通って発光素子304等に表示パネルの外部から水分等の不純物が侵入する恐れがある。不純物の侵入により、発光素子304が劣化すると、表示パネルの劣化につながる。そのため、図7(C)の接続部306近傍に示すように、絶縁層314に無機膜(ここでは絶縁層313)に達する開口を設け、表示パネルの外部から水分等の不純物が侵入しても、発光素子304に到達しにくい構造とすることが好ましい。
【0158】
発光素子304は、電極321、EL層322、及び電極323を有する。発光素子304は、光学調整層324を有していてもよい。発光素子304は、基板211側に光を射出する。
【0159】
トランジスタ、容量素子、及び配線等を、発光素子304の発光領域と重ねて配置することで、表示部381の開口率を高めることができる。
【0160】
電極321及び電極323のうち、一方は、陽極として機能し、他方は、陰極として機能する。電極321及び電極323の間に、発光素子304の閾値電圧より高い電圧を印加すると、EL層322に陽極側から正孔が注入され、陰極側から電子が注入される。注入された電子と正孔はEL層322において再結合し、EL層322に含まれる発光物質が発光する。
【0161】
電極321は、トランジスタ303のソースまたはドレインと電気的に接続される。これらは、直接接続されるか、他の導電層を介して接続される。電極321は、画素電極として機能し、発光素子304ごとに設けられている。隣り合う2つの電極321は、絶縁層315によって電気的に絶縁されている。
【0162】
EL層322は、発光材料を含む層である。発光素子304には、発光材料として有機化合物を用いた有機EL素子を好適に用いることができる。
【0163】
EL層322は少なくとも1層の発光層を有する。
【0164】
発光材料としては量子ドットも用いることができる。量子ドットは、数nmサイズの半導体ナノ結晶であり、1×10個から1×10個程度の原子から構成されている。量子ドットはサイズに依存してエネルギーシフトするため、同じ物質から構成される量子ドットであっても、サイズによって発光波長が異なり、用いる量子ドットのサイズを変更することによって容易に発光波長を調整することができる。
【0165】
量子ドットは、発光スペクトルのピーク幅が狭いため、色純度のよい発光を得ることができる。さらに、量子ドットの理論的な内部量子効率はほぼ100%であると言われており、量子ドットを発光材料として用いることによって発光効率の高い発光素子を得ることができる。その上、無機化合物である量子ドットはその本質的な安定性にも優れているため、寿命の観点からも好ましい発光素子を得ることができる。
【0166】
量子ドットを構成する材料としては、周期表第14族元素、周期表第15族元素、周期表第16族元素、複数の周期表第14族元素からなる化合物、周期表第4族から周期表第14族に属する元素と周期表第16族元素との化合物、周期表第2族元素と周期表第16族元素との化合物、周期表第13族元素と周期表第15族元素との化合物、周期表第13族元素と周期表第17族元素との化合物、周期表第14族元素と周期表第15族元素との化合物、周期表第11族元素と周期表第17族元素との化合物、酸化鉄類、酸化チタン類、カルコゲナイドスピネル類、各種半導体クラスターなどを挙げることができる。
【0167】
量子ドットを構成する材料としては、例えば、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、テルル化カドミウム、硫化亜鉛、リン化インジウム、セレン化鉛、硫化鉛、セレンと亜鉛とカドミウムの化合物、カドミウムとセレンと硫黄の化合物などが挙げられる。また、組成が任意の比率で表される、いわゆる合金型量子ドットを用いてもよい。例えば、カドミウムとセレンと硫黄の合金型量子ドットは、元素の含有比率を変化させることで発光波長を変えることができるため、青色発光を得るには有効な手段の一つである。
【0168】
量子ドットの構造としては、コア型、コア-シェル型、コア-マルチシェル型などがあり、そのいずれを用いてもよい。発光の量子効率が大きく改善するため、コア-シェル型またはコア-マルチシェル型の量子ドットを用いることが好ましい。シェルの材料の例としては、硫化亜鉛や酸化亜鉛が挙げられる。
【0169】
量子ドットは、表面原子の割合が高いことから、反応性が高く、凝集が起こりやすい。そのため、量子ドットの表面には保護剤が付着しているまたは保護基が設けられていることが好ましい。これにより、量子ドットの凝集を防ぎ、溶媒への溶解性を高めることができる。また、反応性を低減させ、電気的安定性を向上させることもできる。
【0170】
量子ドットのサイズ(直径)は0.5nm以上20nm以下、好ましくは1nm以上10nm以下の範囲のものが通常よく用いられる。なお、量子ドットはそのサイズ分布が狭いほど、発光スペクトルがより狭線化し、色純度の良好な発光を得ることができる。また、量子ドットの形状は特に限定されず、球状、棒状、円盤状、その他の形状であってもよい。
【0171】
量子ドットはホスト材料を用いずに量子ドットのみで発光層を構成しても発光効率を保つことができるため、この点でも寿命という観点から好ましい発光素子を得ることができる。量子ドットのみで発光層を形成する場合には、量子ドットはコア-シェル構造(コア-マルチシェル構造を含む)であることが好ましい。
【0172】
電極323は、共通電極として機能し、複数の発光素子304にわたって設けられている。電極323には、定電位が供給される。
【0173】
なお、本発明の一態様は、塗り分け方式に限られず、カラーフィルタ方式、色変換方式、または量子ドット方式等を適用してもよい。
【0174】
発光素子304は、接着層317を介して着色層325と重なる。スペーサ316は、接着層317を介して遮光層326と重なる。図7(C)では、発光素子304と遮光層326との間に隙間がある場合を示しているが、これらが接していてもよい。図7(C)では、スペーサ316を基板201側に設ける構成を示したが、基板211側(例えば遮光層326よりも基板201側)に設けてもよい。
【0175】
着色層は特定の波長帯域の光を透過する有色層である。例えば、赤色、緑色、青色、または黄色の波長帯域の光を透過するカラーフィルタなどを用いることができる。着色層に用いることのできる材料としては、金属材料、樹脂材料、または、顔料もしくは染料が含まれた樹脂材料などが挙げられる。
【0176】
遮光層は、隣接する着色層の間に設けられている。遮光層は隣接する発光素子からの光を遮り、隣接する発光素子間における混色を抑制する。ここで、着色層の端部を、遮光層と重なるように設けることにより、光漏れを抑制することができる。遮光層としては、発光素子の光を遮る材料を用いることができ、例えば、金属材料、または、顔料もしくは染料を含む樹脂材料等を用いてブラックマトリクスを形成することができる。なお、遮光層は、駆動回路などの画素部以外の領域に設けると、導波光などによる意図しない光漏れを抑制できるため好ましい。
【0177】
接続部306は、導電層307及び導電層355を有する。導電層307と導電層355は、電気的に接続されている。導電層307は、トランジスタのソース及びドレインと同一の材料、及び同一の工程で形成することができる。導電層355は、駆動回路部382に外部からの信号や電位を伝達する外部入力端子と電気的に接続する。ここでは、外部入力端子としてFPC373を設ける例を示している。接続体319を介してFPC373と導電層355は電気的に接続する。
【0178】
接続体319としては、様々な異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)及び異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
【0179】
図9に示すトランジスタ301、302、303は、ゲート、ゲート絶縁層311、半導体層、ソース、及びドレインを有する。図9では、ボトムゲート構造のトランジスタを示す。
【0180】
表示パネルは、オーバーコートを有していてもよい。オーバーコートは、着色層325に含有された不純物等の発光素子304への拡散を防止することができる。オーバーコートは、発光素子304の光を透過する材料から構成される。例えば、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜等の無機絶縁膜、または、アクリル膜、ポリイミド膜等の有機絶縁膜を用いることができ、有機絶縁膜と無機絶縁膜との積層構造としてもよい。
【0181】
基板201及び基板211としては、可撓性を有する基板を用いることが好ましい。例えば、可撓性を有する程度の厚さのガラス、石英、樹脂、金属、合金、半導体などの材料を用いることができる。発光素子からの光を取り出す側の基板は、該光を透過する材料を用いる。例えば、基板の厚さは、1μm以上200μm以下が好ましく、1μm以上100μm以下がより好ましく、10μm以上50μm以下がさらに好ましく、10μm以上25μm以下がさらに好ましい。可撓性を有する基板の厚さ及び硬さは、機械的強度及び可撓性を両立できる範囲とする。可撓性を有する基板は単層構造であっても積層構造であってもよい。
【0182】
ガラスに比べて樹脂は比重が小さいため、可撓性を有する基板として樹脂を用いると、ガラスを用いる場合に比べて表示パネルを軽量化でき、好ましい。
【0183】
基板には、靱性が高い材料を用いることが好ましい。これにより、耐衝撃性に優れ、破損しにくい表示パネルを実現できる。例えば、樹脂基板、または、厚さの薄い金属基板もしくは合金基板を用いることで、ガラス基板を用いる場合に比べて、軽量であり、破損しにくい表示パネルを実現できる。
【0184】
金属材料及び合金材料は熱伝導性が高く、基板全体に熱を容易に伝導できるため、表示パネルの局所的な温度上昇を抑制することができ、好ましい。金属材料または合金材料を用いた基板の厚さは、10μm以上200μm以下が好ましく、20μm以上50μm以下であることがより好ましい。
【0185】
金属基板または合金基板を構成する材料としては、特に限定はないが、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、または、アルミニウム合金もしくはステンレス等の金属の合金などを好適に用いることができる。半導体基板を構成する材料としては、シリコン等が挙げられる。
【0186】
また、基板に、熱放射率が高い材料を用いると表示パネルの表面温度が高くなることを抑制でき、表示パネルの破壊、及び信頼性の低下を抑制できる。例えば、基板を金属基板と熱放射率の高い層(例えば、金属酸化物またはセラミック材料を用いることができる)の積層構造としてもよい。
【0187】
可撓性及び透光性を有する材料としては、例えば、PET、PEN等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、PC樹脂、PES樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン、アラミド等)、ポリシロキサン樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリプロピレン樹脂、PTFE樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。特に、線膨張係数の低い材料を用いることが好ましく、例えば、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、PET等を好適に用いることができる。また、繊維体に樹脂を含浸した基板、及び、無機フィラーを樹脂に混ぜて線膨張係数を下げた基板等を使用することもできる。
【0188】
可撓性を有する基板としては、上記材料を用いた層が、装置の表面を傷などから保護するハードコート層(例えば、窒化シリコン層など)、押圧を分散可能な材質の層(例えば、アラミド樹脂層など)等の少なくとも一と積層されて構成されていてもよい。また、保護基板132として用いることができる基板を用いてもよい。
【0189】
可撓性を有する基板は、ガラス層を有する構成とすると、水及び酸素に対するバリア性を向上させ、信頼性の高い表示パネルとすることができる。
【0190】
接着層には、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。また、接着シート等を用いてもよい。
【0191】
また、接着層には乾燥剤を含んでいてもよい。例えば、アルカリ土類金属の酸化物(酸化カルシウム、酸化バリウム等)のように、化学吸着によって水分を吸着する物質を用いることができる。または、ゼオライトまたはシリカゲル等のように、物理吸着によって水分を吸着する物質を用いてもよい。乾燥剤が含まれていると、水分などの不純物が機能素子に侵入することを抑制でき、表示パネルの信頼性が向上するため好ましい。
【0192】
また、接着層に屈折率の高いフィラーまたは光散乱部材を含ませることで、発光素子からの光取り出し効率を向上させることができる。例えば、酸化チタン、酸化バリウム、ゼオライト、ジルコニウム等を用いることができる。
【0193】
発光素子としては、自発光が可能な素子を用いることができ、電流または電圧によって輝度が制御される素子をその範疇に含んでいる。例えば、発光ダイオード(LED)、有機EL素子、無機EL素子等を用いることができる。なお、本発明の一態様の表示パネルには、様々な表示素子を用いることができる。例えば、液晶素子、電気泳動素子、MEMSを用いた表示素子等を適用してもよい。
【0194】
発光素子は、トップエミッション型、ボトムエミッション型、デュアルエミッション型のいずれであってもよい。光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用いる。また、光を取り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好ましい。
【0195】
可視光を透過する導電膜は、例えば、酸化インジウム、ITO、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛(ZnO)、ガリウムを添加したZnOなどを用いて形成することができる。また、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、もしくはチタン等の金属材料、これら金属材料を含む合金、またはこれら金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等も、透光性を有する程度に薄く形成することで用いることができる。また、上記材料の積層膜を導電膜として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金とITOの積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好ましい。また、グラフェン等を用いてもよい。
【0196】
可視光を反射する導電膜は、例えば、アルミニウム、金、白金、銀、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、もしくはパラジウム等の金属材料、またはこれら金属材料を含む合金を用いることができる。また、上記金属材料または合金に、ランタン、ネオジム、またはゲルマニウム等が添加されていてもよい。また、アルミニウムとチタンの合金、アルミニウムとニッケルの合金、アルミニウムとネオジムの合金、アルミニウム、ニッケル、及びランタンの合金(Al-Ni-La)等のアルミニウムを含む合金(アルミニウム合金)、銀と銅の合金、銀とパラジウムと銅の合金(Ag-Pd-Cu、APCとも記す)、銀とマグネシウムの合金等の銀を含む合金を用いてもよい。銀と銅を含む合金は、耐熱性が高いため好ましい。さらに、アルミニウム合金膜に接する金属膜または金属酸化物膜を積層することで、アルミニウム合金膜の酸化を抑制することができる。該金属膜、金属酸化物膜の材料としては、チタン、酸化チタンなどが挙げられる。また、上記可視光を透過する導電膜と金属材料からなる膜とを積層してもよい。例えば、銀とITOの積層膜、銀とマグネシウムの合金とITOの積層膜などを用いることができる。
【0197】
電極は、それぞれ、蒸着法またはスパッタリング法を用いて形成することができる。そのほか、インクジェット法などの吐出法、スクリーン印刷法などの印刷法、またはメッキ法を用いて形成することができる。
【0198】
EL層322は少なくとも発光層を有する。EL層322は、複数の発光層を有していてもよい。EL層322は、発光層以外の層として、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、またはバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物質)等を含む層をさらに有していてもよい。
【0199】
EL層322には低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもでき、無機化合物を含んでいてもよい。EL層322を構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
【0200】
発光素子304は、2種類以上の発光物質を含んでいてもよい。これにより、例えば、白色発光の発光素子を実現することができる。例えば2種類以上の発光物質の各々の発光が補色の関係となるように、発光物質を選択することにより白色発光を得ることができる。例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)、Y(黄)、またはO(橙)等の発光を示す発光物質、またはR、G、Bのうち2以上の色のスペクトル成分を含む発光を示す発光物質を用いることができる。
【0201】
また、発光素子304は、EL層を1つ有するシングル素子であってもよいし、電荷発生層を介して積層されたEL層を複数有するタンデム素子であってもよい。
【0202】
表示パネルが有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、プレーナ型のトランジスタとしてもよいし、スタガ型のトランジスタとしてもよいし、逆スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、トップゲート型またはボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。または、チャネルの上下にゲート電極が設けられていてもよい。
【0203】
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、または一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
【0204】
トランジスタに用いる半導体材料は特に限定されず、例えば、第14族の元素、化合物半導体または酸化物半導体を半導体層に用いることができる。代表的には、シリコンを含む半導体、ガリウムヒ素を含む半導体、またはインジウムを含む酸化物半導体などを適用できる。
【0205】
特に、トランジスタのチャネルが形成される半導体に、酸化物半導体を適用することが好ましい。特にシリコンよりもバンドギャップの大きな酸化物半導体を適用することが好ましい。シリコンよりもバンドギャップが広く、且つキャリア密度の小さい半導体材料を用いると、トランジスタのオフ状態における電流を低減できるため好ましい。
【0206】
例えば、上記酸化物半導体として、少なくともインジウム(In)もしくは亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。より好ましくは、In-M-Zn酸化物(MはAl、Ti、Ga、Ge、Y、Zr、Sn、La、Ce、HfまたはNd等の金属)で表記される酸化物を含む。
【0207】
トランジスタに用いる半導体材料として、CAAC-OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)を用いることが好ましい。CAAC-OSは非晶質とは異なり、欠陥準位が少なく、トランジスタの信頼性を高めることができる。また、CAAC-OSは結晶粒界が確認されないという特徴を有するため、大面積に安定で均一な膜を形成することが可能で、また可撓性を有する表示パネルを湾曲させたときの応力によってCAAC-OS膜にクラックが生じにくい。
【0208】
CAAC-OSは、膜面に対して、結晶のc軸が概略垂直配向した結晶性酸化物半導体のことである。酸化物半導体の結晶構造としては他にナノスケールの微結晶集合体であるナノ結晶(nc:nanocrystal)など、単結晶とは異なる多彩な構造が存在することが確認されている。CAAC-OSは、単結晶よりも結晶性が低く、ncに比べて結晶性が高い。
【0209】
また、CAAC-OSは、c軸配向性を有し、かつa-b面方向において複数のペレット(ナノ結晶)が連結し、歪みを有した結晶構造となっている。よって、CAAC-OSを、CAA crystal(c-axis-aligned a-b-plane-anchored crystal)を有する酸化物半導体と称することもできる。
【0210】
表示パネルが有する絶縁層には、有機絶縁材料または無機絶縁材料を用いることができる。樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。無機絶縁膜としては、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化タンタル膜、酸化マグネシウム膜、酸化ランタン膜、酸化セリウム膜、及び酸化ネオジム膜等が挙げられる。
【0211】
表示パネルが有する導電層には、それぞれ、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、もしくはタングステンなどの金属、またはこれを主成分とする合金を単層構造または積層構造として用いることができる。または、酸化インジウム、ITO、タングステンを含むインジウム酸化物、タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、チタンを含むインジウム酸化物、チタンを含むITO、インジウム亜鉛酸化物、ZnO、ガリウムを添加したZnO、またはシリコンを含むインジウム錫酸化物等の透光性を有する導電性材料を用いてもよい。また、不純物元素を含有させるなどして低抵抗化させた、多結晶シリコンもしくは酸化物半導体等の半導体、またはニッケルシリサイド等のシリサイドを用いてもよい。また、グラフェンを含む膜を用いることもできる。グラフェンを含む膜は、例えば酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。また、不純物元素を含有させた酸化物半導体等の半導体を用いてもよい。または、銀、カーボン、もしくは銅等の導電性ペースト、またはポリチオフェン等の導電性ポリマーを用いて形成してもよい。導電性ペーストは、安価であり、好ましい。導電性ポリマーは、塗布しやすく、好ましい。
【0212】
図7(C)に示す表示パネル370Aを2枚重ねて有する表示装置の断面図の一例を、図8に示す。
【0213】
図8では、下側の表示パネルの表示領域101a(図7(C)に示す表示部381と対応)及び可視光を遮る領域120a(図7(C)に示す駆動回路部382等に対応)、並びに、上側の表示パネルの表示領域101b(図7(C)に示す表示部381と対応)及び可視光を透過する領域110b(図7(C)に示す可視光を透過する領域110に対応)を示す。
【0214】
図8に示す表示装置において、表示面側(上側)に位置する表示パネルは、可視光を透過する領域110bを表示領域101bと隣接して有する。下側の表示パネルの表示領域101aは、上側の表示パネルの可視光を透過する領域110bと重なっている。したがって、重ねた2つの表示パネルの表示領域の間の非表示領域を縮小すること、さらには無くすことができる。これにより、使用者から表示パネルの継ぎ目が認識されにくい、大型の表示装置を実現することができる。
【0215】
また、図8に示す表示装置は、表示領域101aと可視光を透過する領域110bの間に、空気よりも屈折率が高く、可視光を透過する透光層103を有する。これにより、表示領域101aと可視光を透過する領域110bの間に空気が入ることを抑制でき、屈折率の差による界面での反射を低減することができる。そして、表示装置における表示ムラまたは輝度ムラの抑制が可能となる。
【0216】
透光層103は、下側の表示パネルの基板211または上側の表示パネルの基板201の表面全体に重なっていてもよいし、表示領域101a及び可視光を透過する領域110bのみと重なっていてもよい。また、透光層103は、可視光を遮る領域120aと重なっていてもよい。
【0217】
例えば、透光層103としては、基材の両面に吸着層を有する吸着フィルムを適用することができる。
【0218】
可視光を透過する領域110bは、光の反射が抑制された構成である。そのため、表示装置の使用者から、2枚の表示パネルが重なっている部分(重なり部)が視認されにくい。また、表示領域101aの表示における、可視光を透過する領域110bを介して視認される部分と、該領域を介さずに視認される部分との輝度の差を小さくすることができる。
【0219】
<表示パネルの断面構成例>図9に、カラーフィルタ方式が適用されたトップエミッション構造の表示パネル370Cの断面図を示す。
【0220】
表示パネル370Cは、EL層が複数の発光素子に共通で設けられている点、各トランジスタがバックゲートを有していない点、及び、着色層325及び遮光層326を有する点で、表示パネル370Aと異なる。
【0221】
表示パネル370Cにおいて、発光素子304は、着色層325側に光を射出する。
【0222】
カラーフィルタ(着色層325)とマイクロキャビティ構造(光学調整層324)との組み合わせにより、表示パネルからは、色純度の高い光を取り出すことができる。光学調整層324の膜厚は、各画素の色に応じて変化させる。
【0223】
着色層は特定の波長帯域の光を透過する有色層である。例えば、赤色、緑色、青色、または黄色の波長帯域の光を透過するカラーフィルタなどを用いることができる。着色層に用いることのできる材料としては、金属材料、樹脂材料、または、顔料もしくは染料が含まれた樹脂材料などが挙げられる。
【0224】
遮光層は、隣接する着色層の間に設けられている。遮光層は隣接する発光素子からの光を遮り、隣接する発光素子間における混色を抑制する。ここで、着色層の端部を、遮光層と重なるように設けることにより、光漏れを抑制することができる。遮光層としては、発光素子の光を遮る材料を用いることができ、例えば、金属材料、または、顔料もしくは染料を含む樹脂材料等を用いてブラックマトリクスを形成することができる。なお、遮光層は、駆動回路などの画素部以外の領域に設けると、導波光などによる意図しない光漏れを抑制できるため好ましい。
【0225】
表示パネルは、オーバーコートを有していてもよい。オーバーコートは、着色層325に含有された不純物等の発光素子304への拡散を防止することができる。オーバーコートは、発光素子304の光を透過する材料から構成される。例えば、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜等の無機絶縁膜、または、アクリル膜、ポリイミド膜等の有機絶縁膜を用いることができ、有機絶縁膜と無機絶縁膜との積層構造としてもよい。
【0226】
本実施の形態は実施の形態1と自由に組み合わせることができる。
【実施例1】
【0227】
<表示パネル>まず、本実施例の表示装置に用いた表示パネルの詳細を示す。
【0228】
図10(A)に本実施例の表示パネルの概略図を示す。図10(A)に示す表示パネルは、発光部250のサイズが対角13.5インチ、有効画素数が1280×720、精細度が108ppi、開口率が41.3%である、アクティブマトリクス型の有機ELディスプレイである。表示パネルには、デマルチプレクサ(DeMUX)253が内蔵されており、ソースドライバとして機能する。また、表示パネルには、スキャンドライバ255も内蔵されている。発光部250の2辺は、可視光を透過する領域251と接する。残りの2辺の周りには、引き回し配線257が設けられている。
【0229】
トランジスタには、CAAC-OSを用いたチャネルエッチ型のトランジスタを適用した。酸化物半導体には、In-Ga-Zn系酸化物を用いた。
【0230】
発光素子には、塗り分け方式が適用されたトップエミッション構造の有機EL素子を用いた。発光素子は、カラーフィルタと組み合わせたトップエミッション構造であり、発光素子の光は、カラーフィルタを通して表示パネルの外部に取り出される。
【0231】
図10(B)に、表示パネルをT字形状に3枚重ねた場合の表示装置の概略図を示す。また、図10(B)に示す表示装置の一点鎖線X-Y断面の模式図を図10(C)に示す。
【0232】
本実施例の表示装置は、複数の表示パネルを、互いの表示領域の間の非表示領域が小さくなるように重ねることで構成されている。具体的には、上側の表示パネルにおける可視光を透過する領域251と、下側の表示パネルにおける発光部250の間には、透光層103が設けられている。
【0233】
表示パネルの2辺においては、発光部250の端部から表示パネルの端部までに、引き回し配線やドライバ等の可視光を遮る構造は全く配置されていなく、可視光を透過する領域251となっている。表示パネルの可視光を透過する領域251の幅は約5mmとした。可視光を透過する領域251の厚さT(1枚の表示パネルの厚さともいえる)は約110μmと非常に薄い。そのため、本実施例の表示装置では、最大3つの表示パネルが重なる部分があるが、表示面側に生じる段差は非常に小さく、継ぎ目が目立ちにくい構成となっている。
【0234】
3つの表示パネルは可撓性を有する。例えば、図10(C)に示すように、下側の表示パネルのFPC373aの近傍を湾曲させ、FPC373aに隣接する上側の表示パネルの発光部250の下側に、下側の表示パネルの一部及びFPC373aの一部を配置することができる。その結果、FPC373aを上側の表示パネルの裏面と物理的に干渉することなく配置することができる。これにより、表示パネルの四辺のいずれか一または複数辺に他の表示パネルを一つ以上並べる配置ができ、大面積化が容易となる。
【0235】
本実施例では、基材の両面に吸着層を有する吸着フィルムを透光層103として用いた。該吸着フィルムを用いることで、表示装置を構成する2つの表示パネルを着脱自在に貼り合わせることができる。透光層103の一方の面の吸着層は、基板211aに吸着しており、透光層103の他方の面の吸着層は、基板201bに吸着している。
【0236】
図10(B)において、透光層103は、可視光を透過する領域251と重なる部分だけでなく、発光部250と重なる部分も有する。図10(C)では、透光層103は、基板201bの端部から可視光を透過する領域251全体に重なり、さらには表示素子を含む領域155bの一部にまで重なる。なお、図10(C)におけるFPC373aが接続されている部分の近傍の、表示パネルの曲がっている部分には、透光層103を設けていない。ただし、透光層103の厚さや可撓性の高さによっては、透光層103を設けても構わない。
【0237】
各表示パネルは、基板と素子層を接着層で貼り合わせることで作製した。例えば、図10(C)に示すように、基板201aと素子層153a、基板211aと素子層153a、基板201bと素子層153b、並びに、基板211bと素子層153bが、それぞれ接着層157で貼り合わされている。素子層153aは、表示素子を含む領域155aと、表示素子と電気的に接続する配線を含む領域156aとを有する。同様に、素子層153bは、表示素子を含む領域155bと、表示素子と電気的に接続する配線を含む領域156bとを有する。
【0238】
また、図10(C)に示すように3つの表示パネルのうち一つは、緩衝板500を介して曲面を有する部材501に両面テープで固定する。
【0239】
本実施例では、表示装置の一部となる部材、ガイド部などを設計し、曲面を有する部材に緩衝板を介してフレキシブルな表示パネルを両面テープで固定する。また、部材の曲面は曲率半径780mmとする。緩衝板は厚さ0.5mmのアルミニウム板を用いる。本実施例では、図10(B)に示す3つの表示パネルのうち、一辺が2つの表示パネルに重なる1つの表示パネルに曲面を有する部材に緩衝板を介して固定し、映像表示させた写真図を図15(A)に示す。また、斜めからの写真図を図15(B)に示す。なお、図15(A)及び図15(B)の表示装置に表示されている映像はカーナビゲーション映像を表示している。
【0240】
また、図11に一つの表示パネルと重なる部材、ガイド部などの含めた側面側の設計図を示す。また、図12(A)は、プリント基板側からの背面図を示している。
【0241】
また、図11及び図12(A)においては、表示パネルの表示を上方向におけるように脚部510を4箇所に設けている。図11及び図12(A)において図1と共通の部分には同じ符号を用いて説明する。なお、図11及び図12(A)には表示パネル及びFPCは図示していない。
【0242】
表示パネル及びFPCを接続してプリント基板側から撮影した写真が図12(B)である。また、表示パネル及びFPCを接続して側面から撮影した写真図が図13である。
【0243】
また、図14(A)に表示パネルの表示面が上方向にする場合の斜視図を示す。また、4つの脚部510が机の平面に接するように机の上におき、上方向から撮影した図が図14(B)である。
【0244】
また、熱衝撃を加える保存試験を行った結果を図14(C)に示す。図14(C)は、40℃12時間の保存を行った後、0℃12時間の保存を行い、室温とした後の写真図である。図14(C)に示すように保存試験後はしわが形成されず、ほとんど外観に変化がないことがわかる。
【0245】
また、部材501はアクリル樹脂を用いて保存試験を行ったが、アクリル樹脂に代えてガラスエポキシ樹脂を用いて同様の保存試験を行ったところ、同様の結果が得られた。緩衝板500によりしわの発生を抑制できているといえる。ただし、ガラスエポキシ樹脂はアクリルよりも重量が重く、コストも高価であるため、アクリル樹脂が部材501には好ましい。
【0246】
曲面を有するアクリル樹脂からなる部材に緩衝板を介してフレキシブル表示パネルを配置し、複数のフレキブル表示パネルで構成した瓦ディスプレイを実現できる。
【符号の説明】
【0247】
20 アクリル板
100 表示パネル
101a 表示領域
101b 表示領域
103 透光層
112 FPC
120 端子電極
120a 領域
132 保護基板
153a 素子層
153b 素子層
155a 領域
155b 領域
156a 領域
156b 領域
157 接着層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16