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特許7162557ミラーキャビネットおよびそれを備えた化粧台
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-20
(45)【発行日】2022-10-28
(54)【発明の名称】ミラーキャビネットおよびそれを備えた化粧台
(51)【国際特許分類】
   A47B 67/00 20060101AFI20221021BHJP
【FI】
A47B67/00 502A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019057553
(22)【出願日】2019-03-26
(65)【公開番号】P2020156631
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-09-24
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 美香
(72)【発明者】
【氏名】飛田 真宏
(72)【発明者】
【氏名】丸山 瑞穂
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-211526(JP,A)
【文献】特開2008-206831(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 67/00
A47G 1/00- 1/02
A47K 1/00- 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面の一部がミラーになっている箱状体と,
前記箱状体の前面のうちミラー以外の部分に設けられ,閉状態と開状態とを取り,ディ
スプレイ付きの電子機器を保持する可動保持部材とを備え,
前記可動保持部材は,
閉状態にて前記ミラーとともに前記箱状体の前面を構成するハーフミラーと,
前記ハーフミラーよりも前記箱状体における内部側に設けられ,前記可動保持部材に
保持されている電子機器のディスプレイを前記ハーフミラーに対面させる保持部とを有す
るミラーキャビネット。
【請求項2】
請求項1に記載のミラーキャビネットであって,
前記箱状体に,閉状態での前記可動保持部材の内面側に位置する空洞空間が設けられて
いるミラーキャビネット。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のミラーキャビネットであって,
開状態における前記ハーフミラーの角度を調節する角度調節部を有するミラーキャビネ
ット。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載のミラーキャビネットであって,
前記保持されている電子機器が発する音を閉状態にて外部に漏出させる音響穴が前記保
持部に形成されているミラーキャビネット。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1つに記載のミラーキャビネットであって,
前記保持されている電子機器に対してワイヤレス給電を実行する充電部を有するミラー
キャビネット。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1つに記載のミラーキャビネットを備えた化粧台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は,ミラーキャビネットおよびそれを備えた化粧台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のミラーキャビネットとして,特許文献1に記載されているものを挙げることがで
きる。同文献に記載されている洗面化粧台には,ミラーキャビネットが備えられている。
このミラーキャビネットは同文献中に説明されているように,扉板の表面にミラーが貼り
付けられているものである。同文献のミラーキャビネットの内部には,収納空間が設けら
れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-158668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年においては例えばスマートフォンやタブレット端末のような携帯型かつディスプレ
イ付きの電子機器の普及が進んでいる。しかし従来のミラーキャビネットおよび洗面化粧
台では,当該電子機器のディスプレイをハンズフリーで鑑賞しつつ洗面化粧台を利用でき
るための工夫は別段なされていなかった。
【0005】
本開示は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。
すなわちその課題とするところは,洗面化粧台あるいは洗面化粧台以外の化粧台を利用し
ながらであってもディスプレイ付き電子機器のディスプレイをハンズフリーで見ることが
できるようにしたミラーキャビネット,およびそれを備えた化粧台を提供することにある
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様におけるミラーキャビネットは,前面の一部がミラーになっている箱状
体と,箱状体の前面のうちミラー以外の部分に設けられ,閉状態と開状態とを取り,ディ
スプレイ付きの電子機器を保持する可動保持部材とを備え,可動保持部材は,閉状態にて
前記ミラーとともに箱状体の前面を構成するハーフミラーと,ハーフミラーよりも箱状体
における内部側に設けられ,可動保持部材に保持されている電子機器のディスプレイをハ
ーフミラーに対面させる保持部とを有している。本開示の一態様におけるミラーキャビネ
ット付き化粧台は,上記のミラーキャビネットを備えた化粧台である。
【0007】
上記のいずれかの態様では,可動保持部材の保持部にディスプレイ付き電子機器を,デ
ィスプレイがハーフミラーに対面する向きにして保持することができる。この状態では保
持部に保持されている電子機器のディスプレイをオンにすれば,ユーザーはハーフミラー
面を透過してディスプレイの表示内容を見ることができる。電子機器のディスプレイ表示
をオフにしているとき,あるいは保持部に電子機器を保持していないときには,ユーザー
には可動保持部材のハーフミラーもミラーと同様に見える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係るミラーキャビネット付き洗面化粧台の斜視図である。
図2】実施の形態に係るミラーキャビネットにおけるハーフミラーパネルを示す斜視図である。
図3】実施の形態におけるハーフミラーパネルの構成要素である保持部を示す斜視図である。
図4】保持部にスマートフォンを縦向きに保持している状況を示す斜視図である。
図5】保持部にスマートフォンを横向きに保持している状況を示す斜視図である。
図6】保持部にタブレット端末を保持している状況を示す斜視図である。
図7】保持部の段差の細部を示す部分拡大斜視図である。
図8】実施の形態に係るミラーキャビネットにおけるキャビネット本体を示す斜視図である。
図9】実施の形態に係るミラーキャビネットにおけるハーフミラーパネルの開状態を示す斜視図である。
図10】実施の形態に係るミラーキャビネットの電力系を示すブロック図である。
図11】変形例に係るミラーキャビネットにおけるハーフミラーパネルの開状態を示す側視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下,本開示を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する
。本形態は,図1に示すミラーキャビネット付き洗面化粧台10として本開示を具体化し
たものである。図1のミラーキャビネット付き洗面化粧台10は,化粧台本体2と,その
上部に設けられたミラーキャビネット3とにより構成されている。ミラーキャビネット3
は,箱状のキャビネット本体4の前面にミラー扉5,6,7を設けたものである。ミラー
扉5,6,7はいずれも,扉板の表面にミラーが貼り付けられてなるものである。ミラー
扉5,6,7はいずれも,キャビネット本体4に対して開閉可能に取り付けられている。
開き方は,左側のミラー扉5が右側軸の左開き,右側のミラー扉7が左側軸の右開き,で
ある。中央のミラー扉6の開き方は,左開きと右開きとのどちらでもよいが,本形態にお
いては左開きであることとする。
【0010】
ミラーキャビネット3において,ミラー扉5,6,7の上端の高さはいずれもほぼ同じ
レベルにある。しかしミラー扉5,6,7の下端の高さレベルは異なっており,中央のミ
ラー扉6の下端が,左右のミラー扉5,7の下端よりも高い位置にある。ミラーキャビネ
ット3におけるミラー扉6の下方の位置に,ハーフミラーパネル8が設けられている。ハ
ーフミラーパネル8について,図2図6により説明する。
【0011】
図2に示されるハーフミラーパネル8は,可動保持部材である。ハーフミラーパネル8
は,保持部11にハーフミラー12を貼り付けたものである。図1中のミラーキャビネッ
ト3においてハーフミラーパネル8は,ハーフミラー12を前面に向けて配置されている
。保持部11は,図1中ではハーフミラー12の背後にあり見えない。
【0012】
図2に示したハーフミラーパネル8からハーフミラー12を取り除いた保持部11の単
体を図3に示す。図3に示されるように保持部11は,全体として略長方形状の平板状の
部材である。保持部11の短辺の下端付近に,突起部30が設けられている。図3中では
1つの突起部30しか見えていないが,反対側にもう1つの突起部30が存在する。保持
部11の一部に,切り欠き部13と薄肉部14とが形成されている。切り欠き部13は,
保持部11の長辺の一部から内向きに食い込む形で形成されている。保持部11における
切り欠き部13が形成されている長辺は,ミラーキャビネット3において上向きとなる辺
である。保持部11における切り欠き部13の形状は長方形状である。
【0013】
保持部11のうち切り欠き部13のさらに奥側の部位が薄肉部14とされている。薄肉
部14の厚さは,保持部11の本来の板厚よりも薄い。薄肉部14は,保持部11の板厚
全体の中で,裏面側に寄せられた位置に存在している。つまり,図2に示したようにハー
フミラー12が取り付けられている状態では,薄肉部14とハーフミラー12との間に隙
間がある。この隙間はハーフミラー12の裏面側に位置し,後述するようにスマートフォ
ンやタブレット端末を保持する空間である。
【0014】
図3に示されるように,保持部11における薄肉部14とそれ以外の部位との境目の段
差15は,段付き形状とされている。これにより薄肉部14の奥側には,第1幅部16と
第2幅部17と第3幅部18とが形成されている。第1幅部16は,これらのうちで最も
幅広の部分である。第1幅16部の幅Aは,切り欠き部13の幅と同じである。第2幅部
17の幅Bは,幅Aより小さい。第3幅部18の幅Cは,幅Bよりさらに小さい。この段
付き形状および薄肉部14は,ハーフミラー12の裏面側にスマートフォンやタブレット
端末を保持するための形状である。
【0015】
第1幅部16は図6に示すように,タブレット端末19を横向きに保持するための形状
である。幅Aは,タブレット端末19を横置きできるように定められた幅である。第2幅
部17は図5に示すように,スマートフォン20を横向きに保持するための形状である。
幅Bは,スマートフォン20を横置きできるように定められた幅である。第3幅部18は
図4に示すように,スマートフォン20を縦向きに保持するための形状である。幅Cは,
スマートフォン20を縦置きできるように定められた幅である。いずれの場合でも,タブ
レット端末19やスマートフォン20は,そのディスプレイを前面側に向けてパネルボデ
ィ11に収納される。
【0016】
図4図6ではタブレット端末19やスマートフォン20が見えているように描いてい
るが,実際のハーフミラーパネル8では,これらはハーフミラー12に覆われることとな
る。したがって,タブレット端末19やスマートフォン20のディスプレイがオフになっ
ている状況では,図1のミラーキャビネット3の状態で見て,ミラー扉5,6,7,およ
びハーフミラーパネル8の全体が鏡面であるように見える。ハーフミラーパネル8にタブ
レット端末19やスマートフォン20が収納されていない場合でも同様である。タブレッ
ト端末19やスマートフォン20が収納されており,かつそのディスプレイがオンになっ
ている状況では,ミラーキャビネット付き洗面化粧台10のユーザーが前方側からハーフ
ミラー12を通してディスプレイの表示内容を見ることができる。
【0017】
保持部11の段差15の細部を拡大して図7に示す。図7に示されるように保持部11
の第1幅部16,第2幅部17,第3幅部18にはそれぞれ,音響穴21が形成されてい
る。図1中のミラーキャビネット3において第1幅部16,第2幅部17,第3幅部18
の下方は,何らかの他の部材に遮られることなく外界に繋がっている。このため,保持部
11に収納されているタブレット端末19やスマートフォン20から発せられる音声は,
音響穴21を経由して外部へ出ていく。したがって,ミラーキャビネット付き洗面化粧台
10のユーザーは,収納されているタブレット端末19やスマートフォン20の音声を聞
くことができる。
【0018】
キャビネット本体4について説明する。図8に示すようにキャビネット本体4は,背板
22と,天板23と,左側板24と,右側板25と,底板26とにより箱状をなしている
ものである。図8中ではキャビネット本体4の前面側は開放面となっている。ただし前述
のようにキャビネット本体4の前面は,ミラー扉5,6,7,およびハーフミラーパネル
8により開閉可能に塞がれる。底板26は,図1の閉状態にあるハーフミラーパネル8に
おける音響穴21の下方を塞いでしまうほど大きくはない。
【0019】
キャビネット本体4の内部は空洞である。キャビネット本体4の内部空間は,仕切り板
27,28,29により仕切られている。これにより,ミラー扉5,6,7の背後の空間
がそれぞれ,小物の収納空間となっている。これらの収納空間に,化粧用品等を収納して
おくことができる。左側板24と仕切り板27との間の空間がミラー扉5の背後の収納空
間であり,仕切り板27と仕切り板28との間であって仕切り板29の上の空間がミラー
扉6の背後の収納空間であり,仕切り板28と右側板25との間の空間がミラー扉7の背
後の収納空間である。
【0020】
仕切り板27と仕切り板28との間においては,仕切り板29の下の部分が独立した空
洞空間40となっている。この空洞空間40は,ハーフミラーパネル8の背後に位置する
。この空洞空間40は,ハーフミラーパネル8に収納されているタブレット端末19やス
マートフォン20から発せられる音声を共鳴させる音響空間として機能する。空洞空間4
0は,背板22と仕切り板27と仕切り板28と仕切り板29と底板26とハーフミラー
パネル8とにより仕切られている空間である。空洞空間40に小物を収納することは,可
能である。
【0021】
ミラーキャビネット3におけるハーフミラーパネル8は,図3に示した突起部30を中
心に回転できる可動部材である。ハーフミラーパネル8は,閉状態と開状態とを取ること
ができる。図1に示される状態のハーフミラーパネル8は,閉状態のものである。収納さ
れているタブレット端末19やスマートフォン20のディスプレイを見るときにはこの閉
状態とする。
【0022】
ハーフミラーパネル8を開状態にすると,図9に示される状態となる。図9の状態での
ハーフミラーパネル8は,図1中の状態と比較して,下辺部を中心に回転して前方に引き
出された状態である。この状態ではハーフミラーパネル8の裏面側の保持部11が洗面化
粧台10のユーザーから見える。この状態でユーザーは,前述の第1幅部16,第2幅部
17,または第3幅部18に対してタブレット端末19やスマートフォン20の挿入・取
り出しを行うことができる。図9ではスマートフォン20を示している。
【0023】
図9中では,保持部11に回転アーム31が取り付けられている。回転アーム31は,
ハーフミラーパネル8の開閉移動をガイドするとともに,特に開き方向に動ける範囲を制
限する役割を有するものである。ハーフミラーパネル8を閉状態から開状態にするときに
は,ハーフミラーパネル8の上端とミラー扉6の下端との間の隙間に爪先を入れてハーフ
ミラーパネル8を前向きに引き出せばよい。ハーフミラーパネル8を開状態から閉状態に
するときには,開いているハーフミラーパネル8の下側に手を入れて持ち上げ,ハーフミ
ラーパネル8をミラーキャビネット3に押し込めばよい。
【0024】
ミラーキャビネット3の充電機能を説明する。ミラーキャビネット3の充電機能とは,
ハーフミラーパネル8に収納されているタブレット端末19やスマートフォン20の内蔵
電池を充電する機能である。この機能のため保持部11には,図7に破線で示されるよう
に充電回路32を内蔵している。充電回路32は,送電コイルを内蔵しており,Qi規格
によりタブレット端末19やスマートフォン20の内蔵電池にワイヤレスで給電すること
ができる回路である。充電回路32は,図1中のプラグ33から,図10に示すようにト
ランス34を経由して電力の供給を受けるようになっている。これにより,保持部11に
収納されているタブレット端末19やスマートフォン20を充電することができる。ミラ
ーキャビネット3に照明器具を付加することがよく行われる。その照明的具への電力供給
図10の電気系から行うことができる。
【0025】
ハーフミラーパネル8の開閉動作の変形例を説明する。図11に,変形例に係るミラー
キャビネット3におけるハーフミラーパネル8の開状態の側視断面図を示す。図11は,
ミラーキャビネット3における左右方向中央部の,ミラー扉6およびハーフミラーパネル
8が存在する領域内の位置での断面図である。前述の形態でのハーフミラーパネル8の開
閉移動はその下辺を中心とする回転移動であったが,この変形例は,ハーフミラーパネル
8の開状態での位置や角度を調節可能としたものである。
【0026】
図11の変形例におけるハーフミラーパネル8は,第1リンク35および第2リンク3
6を介してミラーキャビネット3に接続されている。ミラーキャビネット3と第1リンク
35とを接続する第1ヒンジ37,第1リンク35と第2リンク36とを接続する第2ヒ
ンジ38,そして第2リンク36とハーフミラーパネル8とを接続する第3ヒンジ39は
いずれも,ユーザーの手動操作により容易に角度を変更でき,かつ,ユーザーが手を離せ
ばそのままそのときの角度を維持する程度の固さのものである。
【0027】
図11の変形例におけるハーフミラーパネル8の閉状態は,ハーフミラーパネル8をミ
ラーキャビネット3に押し付けた状態である。その状態での外観は図1に示したものと変
わりない。図11の状態は開状態である。閉状態からユーザーが手でハーフミラーパネル
8を前方に引っ張り出すことで開状態にすることができる。図11の開状態では閉状態と
比較して,ハーフミラーパネル8が,ユーザーの目の近くに位置している。この状態でさ
らに,ハーフミラーパネル8の角度を適宜調節することができる。ハーフミラーパネル8
の高さも調節可能である。
【0028】
この変形例では,閉状態と開状態とのいずれでも,ハーフミラーパネル8に収納されて
いるタブレット端末19やスマートフォン20のディスプレイを見ることができる。特に
開状態では,ハーフミラーパネル8の角度や高さを,ユーザーが自分にとって見やすいよ
うに調節することができる。この変形例でも,ハーフミラーパネル8へのタブレット端末
19やスマートフォン20の収納や取り出しは開状態で行われる。その際には,ハーフミ
ラーパネル8の角度や高さを,収納または取り出しの操作に適した状態に調節することが
できる。
【0029】
この変形例における第1リンク35,第2リンク36,第1ヒンジ37,第2リンク3
6,第3ヒンジ39は,化粧台本体2を正面から見ればハーフミラーパネル8の左右両端
に位置している。これらの全体が,ハーフミラーパネル8におけるハーフミラー12の面
の角度を調節する角度調節部を構成している。これらはまた,ハーフミラー12の高さを
調節する高さ調節部でもある。この変形例においても,ハーフミラーパネル8の閉状態で
タブレット端末19またはスマートフォン20の音声を聞く場合には,仕切り板29の下
の空間が音響空間として機能する。この変形例におけるハーフミラーパネル8には,図3
に示した突起部30は不要である。
【0030】
以上詳細に説明したように本実施の形態に係るミラーキャビネット付き洗面化粧台10
では,化粧台本体2の前面の一部にハーフミラーパネル8を設けている。ハーフミラーパ
ネル8にタブレット端末19やスマートフォン20を収納可能とするとともに開閉可能と
することで,ユーザーがこれらの電子機器のディスプレイをハンズフリーで見ながらにし
て利用することができるミラーキャビネット付き洗面化粧台10が実現されている。
【0031】
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本開示を何ら限定するものではない。した
がって本開示は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,前述の形態では,化粧台本体2の前面のうちハーフミラーパネル8以外の部分の
ほぼ全面がミラー扉5,6,7で占められている。しかし化粧台本体2の前面に,ハーフ
ミラーパネル8でもミラー扉5,6,7でもない領域が存在してもかまわない。ミラー扉
5,6,7のうち一部または全部は,開閉式でない固定のものであってもよい。キャビネ
ット本体4の内部には,図8に示したものよりもさらに多くの仕切り板が設けられていて
もよい。ハーフミラーパネル8の背後の音響空間に小物が入れられることを防ぐ何らかの
部材を備えていてもよい。
【0032】
ハーフミラーパネル8の保持部11における音響穴21の位置は,図7に示した位置に
限らず任意である。あるいは,ハーフミラーパネル8とミラー扉5,6,7との間の隙間
を大きめに取っておくこと等により音響穴21を省略することもできる。ミラーキャビネ
ット3の充電機能に関して,前述の形態で説明した非接触方式のものに替えて接続式のも
のを備えてもよいし,両者を備えてもよい。非接触方式についても,Qi規格以外の別の
規格によるものであってもよい。図11に示した変形例の場合の角度調節部について,図
示したのは2リンク3ヒンジのものであるがこれに限らない。リンクやヒンジの数が違っ
ていてもよい。ミラーキャビネット3が設けられるのは,洗面化粧台に限られず,水回り
以外に設置される化粧台でもよい。
【符号の説明】
【0033】
2 化粧台本体
3 ミラーキャビネット
4 キャビネット本体(箱状体)
5~7 ミラー扉
8 ハーフミラーパネル(可動保持部材)
10 ミラーキャビネット付き洗面化粧台
11 保持部
12 ハーフミラー
14 薄肉部
16 第1幅部
17 第2幅部
18 第3幅部
21 音響穴
27 仕切り板
28 仕切り板
29 仕切り板
32 充電回路(充電部)
35 第1リンク(角度調節部)
36 第2リンク(角度調節部)
37 第1ヒンジ(角度調節部)
38 第2ヒンジ(角度調節部)
39 第3ヒンジ(角度調節部)
40 空洞空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11