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  • 特許-ウェハ研磨方法及びウェハ研磨装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-20
(45)【発行日】2022-10-28
(54)【発明の名称】ウェハ研磨方法及びウェハ研磨装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20221021BHJP
   B24B 37/30 20120101ALI20221021BHJP
   B24B 37/10 20120101ALI20221021BHJP
   B24B 37/24 20120101ALI20221021BHJP
【FI】
H01L21/304 622W
H01L21/304 622F
H01L21/304 621B
B24B37/30 Z
B24B37/10
B24B37/24 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019059970
(22)【出願日】2019-03-27
(65)【公開番号】P2020161662
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000004293
【氏名又は名称】株式会社ノリタケカンパニーリミテド
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】弁理士法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】北嶋 将太
(72)【発明者】
【氏名】黒部 久徳
【審査官】湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-003769(JP,A)
【文献】特開2002-222785(JP,A)
【文献】特開昭63-016970(JP,A)
【文献】特開2016-100477(JP,A)
【文献】特開2008-042157(JP,A)
【文献】特開平01-135474(JP,A)
【文献】国際公開第2018/012468(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B24B 37/30
B24B 37/10
B24B 37/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハ研磨装置を用いてCMP法によりウェハを研磨するウェハ研磨方法であって、
前記ウェハ研磨装置は、第1軸心と直交する方向に延びる研磨パッドを有し、前記第1軸心周りに回転される定盤と、前記第1軸心と平行な第2軸心と直交する方向に延びて前記研磨パッドと対面する固定面に前記ウェハが固定され、前記ウェハと前記研磨パッドとが所定の面圧の下で前記第2軸心周りに回転されるキャリヤとを備え、
前記ウェハは、円弧の中心である第1中心点と、オリエンテーションフラット又はノッチからなる基準縁とを有するとともに、オフ角を有するSiC単結晶からなり、
前記固定面には、前記第1中心点が前記第2軸心から離間し、前記基準縁が前記第2軸心から見て外側に向くように前記ウェハが固定されることを特徴とするウェハ研磨方法。
【請求項2】
前記固定面において、前記第2軸心を座標中心とし、前記第1中心点と、前記基準縁の中心である第2中心点とを結ぶ第1仮想線を仮定し、
前記第2軸心から前記第1中心点に向かって延びる第2仮想線を仮定し、
前記第2仮想線が前記座標中心に向かうy軸であり、前記y軸が前記座標中心でx軸と直交するxy座標を仮定した場合、
前記第1仮想線は、第1象限及び第2象限に位置している請求項1記載のウェハ研磨方法。
【請求項3】
前記第1仮想線は、前記xy座標に仮定されるy=ax+b(-1<a<1、b>0)上に位置している請求項2記載のウェハ研磨方法。
【請求項4】
前記第1仮想線は、前記y軸上に位置している請求項3記載のウェハ研磨方法。
【請求項5】
前記固定面には、前記第2軸心周りに複数枚の前記ウェハが固定される請求項1乃至4のいずれか1項記載のウェハ研磨方法。
【請求項6】
前記研磨パッドは、樹脂からなり、複数の気泡が形成された母材と、前記気泡内に保持された研磨粒子とを有する研磨砥粒遊離型のものであり、
前記研磨パッドと前記ウェハとの間には、前記研磨粒子を含まない研磨液を供給する請求項1乃至5のいずれか1項記載のウェハ研磨方法。
【請求項7】
第1軸心と直交する方向に延びる研磨パッドを有し、前記第1軸心周りに回転される定盤と、
前記第1軸心と平行な第2軸心と直交する方向に延びて前記研磨パッドと対面する固定面にウェハが固定され、前記第2軸心周りに回転されるキャリヤとを備え、
前記ウェハは、円弧の中心である第1中心点と、オリエンテーションフラット又はノッチからなる基準縁とを有するとともに、オフ角を有するSiC単結晶からなり、
前記固定面には、前記第1中心点が前記第2軸心から離間し、前記基準縁が前記第2軸心から見て外側に向くように前記ウェハが固定されることを特徴とするウェハ研磨装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はウェハ研磨方法及びウェハ研磨装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、2に従来のウェハ研磨方法が開示されている。これらのウェハ研磨方法は、定盤とキャリヤとを備えたウェハ研磨装置を用いてCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)法によりウェハを研磨する。定盤は、第1軸心と直交する方向に延びる研磨パッドを有し、第1軸心周りに回転される。キャリヤは、第1軸心と平行な第2軸心と直交する方向に延びて研磨パッドと対面する固定面を有する。キャリヤは、固定面にウェハが固定され、ウェハと研磨パッドとが所定の面圧の下で第2軸心周りに回転される。
【0003】
シリコン等のウェハは、円弧の中心である第1中心点の他、結晶軸の方向を示すオリエンテーションフラット又はノッチからなる基準縁を有している。特許文献1のウェハ研磨方法では、キャリヤの固定面に対し、第1中心点と、基準縁の中心である第2中心点とを仮定した場合、第2軸心を第2中心点から遠ざけている。また、特許文献2のウェハ研磨方法では、一つのウェハ研磨装置で複数段の研磨工程を行なう場合、キャリヤの固定面に対し、各段毎にウェハの保持位置を回動させている。
【0004】
これらのウェハ研磨方法によれば、オリエンテーションフラット又はノッチがあるウェハを高平坦度かつ高平行度に研磨可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特公昭7-38381号公報
【文献】特許第3978780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、発明者らの試験結果によれば、上記従来のウェハ研磨方法では、ウェハがSiCの単結晶であり、しかも最面を結晶軸に対して傾斜させているものである場合、つまりウェハがオフ角を有するSiC単結晶である場合には、固定面への固定位置によってスクラッチが生じ易い。
【0007】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、ウェハがオフ角を有するSiC単結晶である場合において、低いスクラッチ発生率でそのウェハを高平坦度かつ高平行度に研磨することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のウェハ研磨方法は、ウェハ研磨装置を用いてCMP法によりウェハを研磨するウェハ研磨方法であって、
前記ウェハ研磨装置は、第1軸心と直交する方向に延びる研磨パッドを有し、前記第1軸心周りに回転される定盤と、前記第1軸心と平行な第2軸心と直交する方向に延びて前記研磨パッドと対面する固定面に前記ウェハが固定され、前記ウェハと前記研磨パッドとが所定の面圧の下で前記第2軸心周りに回転されるキャリヤとを備え、
前記ウェハは、円弧の中心である第1中心点と、オリエンテーションフラット又はノッチからなる基準縁とを有するとともに、オフ角を有するSiC単結晶からなり、
前記固定面には、前記第1中心点が前記第2軸心から離間し、前記基準縁が前記第2軸心から見て外側に向くように前記ウェハが固定されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明のウェハ研磨装置は、第1軸心と直交する方向に延びる研磨パッドを有し、前記第1軸心周りに回転される定盤と、
前記第1軸心と平行な第2軸心と直交する方向に延びて前記研磨パッドと対面する固定面にウェハが固定され、前記第2軸心周りに回転されるキャリヤとを備え、
前記ウェハは、円弧の中心である第1中心点と、オリエンテーションフラット又はノッチからなる基準縁とを有するとともに、オフ角を有するSiC単結晶からなり、
前記固定面には、前記第1中心点が前記第2軸心から離間し、前記基準縁が前記第2軸心から見て外側に向くように前記ウェハが固定されることを特徴とする。
【0010】
発明者らの試験結果によれば、固定面に固定するウェハの姿勢を上記のようにしてCMP法によりウェハを研磨すると、スクラッチ発生率が低くなる。ウェハの姿勢を上記のようにすれば、SiC単結晶からなるウェハが有するオフ角に由来するステップテラスに対してダメージが少ない方向で研磨を行なうことができるため、ウェハの過度の研磨を少なくできるためであると考えている。
【0011】
したがって、本発明のウェハ研磨方法及びウェハ研磨装置によれば、ウェハがオフ角を有するSiC単結晶である場合において、低いスクラッチ発生率でそのウェハを高平坦度かつ高平行度に研磨することができる。
【0012】
また、本発明のウェハ研磨方法及びウェハ研磨装置によれば、SiC単結晶からなるウェハのステップテラスに対して安定した研磨を行なうことができ、研磨能率の安定化によって安定した作業性を発揮することができる。
【0013】
固定面において、第2軸心を座標中心とし、第1中心点と、基準縁の中心である第2中心点とを結ぶ第1仮想線を仮定する。また、第2軸心から第1中心点に向かって延びる第2仮想線を仮定する。そして、第2仮想線が座標中心に向かうy軸であり、y軸が座標中心でx軸と直交するxy座標を仮定した場合、第1仮想線は、第1象限及び第2象限に位置していることが好ましい。発明者らの試験結果によれば、この場合にスクラッチ発生率が低くなっている。
【0014】
第1仮想線は、xy座標に仮定されるy=ax+b(-1<a<1、b>0)上に位置していることが好ましい。発明者らの試験結果によれば、この場合にスクラッチ発生率がより低くなっている。
【0015】
第1仮想線は、y軸上に位置していることが最も好ましい。この場合にスクラッチ発生率が最も低くなっている。
【0016】
固定面には、第2軸心周りに複数枚のウェハが固定されることが好ましい。この場合、一つの固定面で複数枚のウェハの研磨を同時に行なうことができるため、高い作業性を発揮することができる。また、ウェハ研磨装置が一つの定盤に対して複数のキャリヤを有する場合には、各キャリヤの固定面に複数枚のウェハを固定することがさらに好ましい。
【0017】
CMP法を行なう場合、研磨粒子を有さない不織布等の研磨パッドを採用しつつ、研磨パッドとウェハとの間に研磨粒子を含む研磨液を供給することができる。しかし、研磨パッドは、樹脂からなり、複数の気泡が形成された母材と、気泡内に保持された研磨粒子とを有する研磨砥粒遊離型のものであることが好ましい。また、研磨パッドとウェハとの間には、研磨粒子を含まない研磨液を供給することが好ましい。この場合、研磨粒子がウェハの表面を傷付け難く、ウェハがスラッチを生じ難い。
【発明の効果】
【0018】
本発明のウェハ研磨方法及びウェハ研磨装置によれば、ウェハがオフ角を有するSiC単結晶である場合において、低いスクラッチ発生率でそのウェハを高平坦度かつ高平行度に研磨することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、試験に用いたウェハ研磨装置の要部側面図である。
図2図2は、キャリヤにおける固定面の平面図である。
図3図3は、キャリヤにおける固定面とウェハの姿勢とを説明する説明図である。
図4図4は、キャリヤにおける固定面とウェハの姿勢とを説明する説明図である。
図5図5は、キャリヤにおける固定面とウェハの姿勢とを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を試験によって説明する。試験に用いたウェハ研磨装置は、図1に示すように、定盤1と、キャリヤ3とを備えている。
【0021】
定盤1の上面には研磨パッド5が設けられている。定盤1は、第1軸心O1方向に延びる第1回転軸7によって第1軸心O1周りで所定速度で回転されるようになっている。研磨パッド5は第1軸心O1と直交する方向に延びている。具体的には、第1軸心O1は垂直に延び、研磨パッド5は水平に延びている。研磨パッド5上にはノズル9が配置されている。ノズル9は研磨液を貯留する図示しないタンクと接続されている。
【0022】
キャリヤ3は研磨パッド5と対面する固定面3aを有している。キャリヤ3は、第2軸心O2方向に延びる第2回転軸11によって第2軸心O2周りで所定速度で回転されるようになっている。第2軸心O2は第1軸心O1と平行である。固定面3aは第2軸心O2と直交する方向に延びている。具体的には、第2軸心O2も垂直に延び、固定面3aも水平に延びている。
【0023】
固定面3aには、図2に示すように、3枚のウェハWが図示しない吸引手段によって固定されるようになっている。キャリヤ3は、図1に示すように、各ウェハWと研磨パッド5とが所定の面圧になるように定盤1に向かって加圧されるようになっている。
【0024】
研磨パッド5としては、ポリスルホン系樹脂製の母材と、母材の気泡内に保持されたシリカ製の研磨粒子とからなる研磨砥粒遊離型の研磨体を採用した。この研磨パッド5の研磨粒子は、平均粒径が0.005~3μmであり、研磨体に対する体積割合が20~50体積%、研磨体に対する質量割合が51~90質量%である。具体的には、研磨パッド5は、(株)ノリタケカンパニーリミテド製の商品名「LHA(Loosely Held Abrasive)パッド」である。
【0025】
各ウェハWはSiC単結晶からなる。各ウェハWは、図3に示すように、円弧の中心である第1中心点Aと、基準縁としてのオリエンテーションフラットBとを有している。また、各ウェハWは、最面を結晶軸に対して4°傾斜させている。つまり、各ウェハWのオフ角は4°である。試験に用いたウェハWの寸法は、直径が4(inch)、厚みが300~400(μm)である。
【0026】
固定面3aにおいて、第2軸心O2を座標中心Oとし、第1中心点Aと、オリエンテーションフラットBの中心である第2中心点B0とを結ぶ第1仮想線L1を仮定する。第1中心点Aは第2軸心Oから離間している。また、第2軸心O2から第1中心点Aに向かって延びる第2仮想線L2を仮定する。そして、第2仮想線L2が座標中心Oに向かうy軸であり、y軸が座標中心Oでx軸と直交するxy座標を仮定する。
【0027】
図4(B)に示すように、xy座標において、第1仮想線L1がy軸となす角θ(°)をオリエーテーションフラットBの位置とする。以下の条件の下、θを-180、-90、-45、0、45、90又は180とした試験1~7を行なった。試験品数は各角度で1つである。
【0028】
定盤の回転数:35(rpm)
研磨パッドの大きさ:直径910(mm)
キャリヤの回転数:35(rpm)
加工面圧:300(gf/cm2
研磨液:KMnO4系研磨液(濃度0.25mol、pH=3)
研磨液の供給タイミング:700ml/分
研磨時間:2時間
【0029】
オリエーテーションフラットBの位置毎のスクラッチの本数(本)、表面粗さSa(nm)(ISO25178)及び研磨能率指数を求めた。結果を表1に示す。ここで、スクラッチの有無は、ハイブリッド・レーザーマイクロスコープ(OPTELCS HYBRID Lasertec社製)により確認した。また、研磨能率指数は、θ=-180(°)の試験1において、ウェハWを高平坦度かつ高平行度にした時間との比を現している。
【0030】
【表1】
【0031】
表1に示されるように、オリエーテーションフラットBの位置θが-90~90°であれば、スクラッチの本数が少ない。ウェハWのこれらの姿勢では、図4(A)~(C)に示すように、xy座標において、第1仮想線L1は、第1象限及び第2象限に位置している。これは、これらの姿勢では、オリエーテーションフラットBが第2軸心O2から見て外側に向くようにしているため、オフ角に由来するステップテラスに対してダメージが少ない方向でウェハWに研磨を行なうことができるからであると考えられる。
【0032】
特に、オリエーテーションフラットBの位置θが-45~45°であれば、スクラッチを生じていない。ウェハWのこれらの姿勢は、図5(A)及び(B)に示すように、xy座標において、第1仮想線L1がy=ax+b(-1<a<1、b>0)上に位置している。
【0033】
より特に、オリエーテーションフラットBの位置θが0°であれば、スクラッチは生じず、表面粗さも最も低い。ウェハWのこの姿勢は、図3に示すように、xy座標において、第1仮想線L1がy軸上に位置している。
【0034】
したがって、試験2~6のウェハ研磨方法によれば、ウェハWがオフ角を有するSiC単結晶である場合において、低いスクラッチ発生率でそのウェハWを高平坦度かつ高平行度に研磨することができることがわかる。
【0035】
また、試験2~6のウェハ研磨方法によれば、SiC単結晶からなるウェハWのステップテラスに対して安定した研磨を行なうことができ、研磨能率の安定化によって安定した作業性を発揮することができることもわかる。
【0036】
以上において、本発明を試験によって即して説明したが、本発明は上記試験に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0037】
例えば、上記試験では、SiC単結晶からなるウェハWのオフ角が4°であるが、ウェハWはオフ角が8°であってもよく、4°未満であってもよい。また、上記試験では、オリエンテーションフラットBを基準縁としてウェハの研磨を行なったが、ノッチを基準縁として、よりサイズの大きいウェハWの研磨を行なうことも可能である。
【0038】
また、上記試験では、固定面3aに3枚のウェハWを固定し、これらを同時に研磨しているため、高い作業性を発揮したが、固定面3aに1枚のウェハWを固定する場合には、第1中心点Aを第2軸心Oから離間させつつ、本発明の他の手段を採用することによって、本発明の作用効果を奏することができる。
【0039】
さらに、上記試験では、研磨パッド5の母材をポリスルホン系樹脂、研磨粒子をシリカ製としたが、母材や研磨粒子はこれに限られない。例えば、研磨パッド5の母材としては、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂の他、ポリフッ化ビニル、フッ化ビニル・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素系合成樹脂や、ポリエチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル等を採用することが可能である。また、研磨パッド5の研磨砥粒としては、ダイヤモンド、CBN(立方晶窒化ホウ素)、B4C(炭化ホウ素)、炭化ケイ素、セリア、アルミナ、ジルコニア、チタニア、マンガン酸化物、炭酸バリウム、酸化クロム、酸化鉄等を採用することが可能である。
【0040】
また、本発明では、研磨粒子を有さない不織布等の研磨パッドを採用しつつ、研磨パッドとウェハとの間に研磨粒子を含む研磨液を供給することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は半導体製造方法、半導体製造装置等に利用可能である。
【符号の説明】
【0042】
W…ウェハ
O1…第1軸心
5…研磨パッド
1…定盤
O2…第2軸心
3a…固定面
3…キャリヤ
A…第1中心点
B…オリエンテーションフラット、基準縁
0…座標中心
B0…第2中心点
L1…第1仮想線
L2…第2仮想線
図1
図2
図3
図4
図5