IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝情報システム株式会社の特許一覧 ▶ 三菱自動車工業株式会社の特許一覧

特許7162584自律走行型自動搬送車両の制御装置及び搬送システム
<>
  • 特許-自律走行型自動搬送車両の制御装置及び搬送システム 図1
  • 特許-自律走行型自動搬送車両の制御装置及び搬送システム 図2
  • 特許-自律走行型自動搬送車両の制御装置及び搬送システム 図3
  • 特許-自律走行型自動搬送車両の制御装置及び搬送システム 図4
  • 特許-自律走行型自動搬送車両の制御装置及び搬送システム 図5
  • 特許-自律走行型自動搬送車両の制御装置及び搬送システム 図6
  • 特許-自律走行型自動搬送車両の制御装置及び搬送システム 図7
  • 特許-自律走行型自動搬送車両の制御装置及び搬送システム 図8
  • 特許-自律走行型自動搬送車両の制御装置及び搬送システム 図9
  • 特許-自律走行型自動搬送車両の制御装置及び搬送システム 図10
  • 特許-自律走行型自動搬送車両の制御装置及び搬送システム 図11
  • 特許-自律走行型自動搬送車両の制御装置及び搬送システム 図12
  • 特許-自律走行型自動搬送車両の制御装置及び搬送システム 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-20
(45)【発行日】2022-10-28
(54)【発明の名称】自律走行型自動搬送車両の制御装置及び搬送システム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20221021BHJP
【FI】
G05D1/02 J
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019228856
(22)【出願日】2019-12-19
(65)【公開番号】P2021096731
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2021-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】391016358
【氏名又は名称】東芝情報システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(72)【発明者】
【氏名】平川 千紗
(72)【発明者】
【氏名】大野 啓文
(72)【発明者】
【氏名】二瓶 啓
(72)【発明者】
【氏名】前杉 諭
(72)【発明者】
【氏名】平埜 智也
(72)【発明者】
【氏名】浅田 勝
(72)【発明者】
【氏名】藤井 康司
【審査官】牧 初
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/202806(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/180765(WO,A1)
【文献】特開2005-212023(JP,A)
【文献】国際公開第2016/016955(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00-1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己位置推定処理によって算出された現在自己位置に基づいて、自律走行制御を行う自律走行型自動搬送車両の制御装置であって、
前記制御装置は、
前記自律走行型自動搬送車両に搭載される撮影装置で撮影されたランドマークに基づいて、第1自己位置を算出する画像処理方式自己位置推定処理と、前記自律走行型自動搬送車両の走行情報に基づいて第2自己位置を算出するオドメトリ方式自己位置推定処理と、を行い、前記第1自己位置及び前記第2自己位置を用いて前記現在自己位置を推定する自己位置推定処理部と、
走行ルートを含む所定領域内の前記画像処理方式自己位置推定処理の算出精度マップを記憶する記憶部と、を有し、
前記自己位置推定処理部は、前記算出精度マップの算出精度に基づいて、前記現在自己位置の推定における前記第1自己位置及び前記第2自己位置の寄与度を変化させるとともに、
前記自律走行型自動搬送車両は、撮影方向が異なる複数台の撮影装置を搭載しており、
前記算出精度マップは、同じ位置において異なる撮影方向で撮影された各ランドマーク群に基づく撮影方向別算出精度マップを含み、
前記自己位置推定処理部は、前記撮影方向別算出精度マップを用いて、第1撮影方向で撮影した第1ランドマーク群に基づいて算出された自己位置の算出精度と、前記第1撮影方向とは異なる第2撮影方向で撮影した第2ランドマーク群に基づいて算出された自己位置の算出精度を比較し、算出精度の高い方の撮影方向で撮影されたランドマーク群に基づいて算出された自己位置と、前記撮影方向別算出精度マップとを選択して、前記現在自己位置を推定する自己位置推定処理を行うことを特徴とする自律走行型自動搬送車両の制御装置。
【請求項2】
自己位置推定処理によって算出された現在自己位置に基づいて、自律走行制御を行う自律走行型自動搬送車両の制御装置であって、
前記制御装置は、
前記自律走行型自動搬送車両に搭載される撮影装置で撮影されたランドマークに基づいて、第1自己位置を算出する画像処理方式自己位置推定処理と、前記自律走行型自動搬送車両の走行情報に基づいて第2自己位置を算出するオドメトリ方式自己位置推定処理と、を行い、前記第1自己位置及び前記第2自己位置を用いて前記現在自己位置を推定する自己位置推定処理部と、
走行ルートを含む所定領域内の前記画像処理方式自己位置推定処理の算出精度マップを記憶する記憶部と、を有し、
前記自己位置推定処理部は、前記算出精度マップの算出精度に基づいて、前記現在自己位置の推定における前記第1自己位置及び前記第2自己位置の寄与度を変化させるとともに、
前記算出精度マップは、複数のランドマーク群のうちの所定数のランドマークで構成される異なる複数の組み合わせ別に前記算出精度が区分けされており、
前記自己位置推定処理部は、撮影された複数のランドマーク群のうち、前記算出精度が高い組み合わせのランドマーク群を選定し、選定されたランドマーク群に基づいて画像処理方式自己位置推定処理を行い、前記第1自己位置を算出することを特徴とする自律走行型自動搬送車両の制御装置。
【請求項3】
前記自己位置推定処理部は、
前記算出精度が所定値以上である場合、前記第1自己位置の重み値を前記第2自己位置の重み値よりも大きくして、前記現在自己位置を推定することを特徴とする請求項1又は2に記載の自律走行型自動搬送車両の制御装置。
【請求項4】
前記自己位置推定処理部は、
前記算出精度が所定値以上である場合に、前記オドメトリ方式自己位置推定処理における基準値に、推定された現在自己位置又は前記第1自己位置を設定し直すリセット処理を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の自律走行型自動搬送車両の制御装置。
【請求項5】
前記自己位置推定処理は、
前記算出精度が所定値未満である場合に、前記リセット処理を行うまでの時間又は前記自律走行型自動搬送車両の走行距離が、所定基準値を超えているかを判別し、
前記所定基準値を超えていると判別されたとき、前記算出精度マップの算出精度と、前記オドメトリ方式自己位置推定処理における前記走行情報に応じた累積誤差推定処理によって算出される推定累積誤差と、を比較し、
前記推定累積誤差が前記算出精度よりも大きい場合に、前記リセット処理を行うことを特徴とする請求項に記載の自律走行型自動搬送車両の制御装置。
【請求項6】
前記算出精度マップは、前記所定領域内を複数のエリアに区画し、前記エリア別に、前記ランドマークの設置位置に対して前記走行ルートを走行中の前記ランドマークの撮影方向に応じて算出される前記第1自己位置と、実位置との間の精度誤差をマッピングした情報であることを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の自律走行型自動搬送車両の制御装置。
【請求項7】
前記自己位置推定処理部は、算出された前記第1自己位置に基づいて前記算出精度マップ上の算出精度を特定することを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の自律走行型自動搬送車両の制御装置。
【請求項8】
前記自己位置推定処理部は、前回算出された前記現在自己位置に基づいて前記算出精度マップ上の算出精度を特定することを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の自律走行型自動搬送車両の制御装置。
【請求項9】
自己位置推定処理によって算出された現在自己位置に基づいて、自律走行制御を行う自律走行型自動搬送車両の自己位置推定方法であって、
前記自律走行型自動搬送車両に搭載される撮影装置で撮影されたランドマークに基づいて、第1自己位置を算出する第1ステップと、
前記自律走行型自動搬送車両の走行情報に基づいて第2自己位置を算出する第2ステップと、
前記第1自己位置及び前記第2自己位置を用いて前記現在自己位置を推定する第3ステップと、を含み、
前記第3ステップは、前記走行ルートを含む所定領域内における前記第1ステップの算出精度マップの算出精度に基づいて、前記現在自己位置の推定における前記第1自己位置及び前記第2自己位置の寄与度を変化させるとともに、
前記自律走行型自動搬送車両は、撮影方向が異なる複数台の撮影装置を搭載しており、
前記算出精度マップは、同じ位置において異なる撮影方向で撮影された各ランドマーク群に基づく撮影方向別算出精度マップを含み、
前記撮影方向別算出精度マップを用いて、第1撮影方向で撮影した第1ランドマーク群に基づいて算出された自己位置の算出精度と、前記第1撮影方向とは異なる第2撮影方向で撮影した第2ランドマーク群に基づいて算出された自己位置の算出精度を比較し、算出精度の高い方の撮影方向で撮影されたランドマーク群に基づいて算出された自己位置と、前記撮影方向別算出精度マップとを選択する第4ステップをさらに含み、
前記第3ステップは、前記第4ステップで選択された、算出精度の高い方の撮影方向で撮影されたランドマーク群に基づいて算出された自己位置と、前記撮影方向別算出精度マップとを用いて、前記現在自己位置を推定する処理を行うことを特徴とする自律走行型自動搬送車両の自己位置推定方法。
【請求項10】
自己位置推定処理によって算出された現在自己位置に基づいて、自律走行制御を行う自律走行型自動搬送車両の制御装置で実行されるプログラムであって、
前記自律走行型自動搬送車両に搭載される撮影装置で撮影されたランドマークに基づいて、第1自己位置を算出する画像処理方式自己位置推定処理と、前記自律走行型自動搬送車両の走行情報に基づいて第2自己位置を算出するオドメトリ方式自己位置推定処理と、を行い、前記第1自己位置及び前記第2自己位置を用いて前記現在自己位置を推定する第1機能と、
走行ルートを含む所定領域内の前記画像処理方式自己位置推定処理の算出精度マップを記憶する第2機能と、を前記制御装置に実現させ、
前記第1機能は、前記算出精度マップの算出精度に基づいて、前記現在自己位置の推定における前記第1自己位置及び前記第2自己位置の寄与度を変化させるとともに、
前記自律走行型自動搬送車両は、撮影方向が異なる複数台の撮影装置を搭載しており、
前記算出精度マップは、同じ位置において異なる撮影方向で撮影された各ランドマーク群に基づく撮影方向別算出精度マップを含み、
前記撮影方向別算出精度マップを用いて、第1撮影方向で撮影した第1ランドマーク群に基づいて算出された自己位置の算出精度と、前記第1撮影方向とは異なる第2撮影方向で撮影した第2ランドマーク群に基づいて算出された自己位置の算出精度を比較し、算出精度の高い方の撮影方向で撮影されたランドマーク群に基づいて算出された自己位置と、前記撮影方向別算出精度マップとを選択する第3機能をさらに含み、
前記第1機能は、前記第3機能で選択された、算出精度の高い方の撮影方向で撮影されたランドマーク群に基づいて算出された自己位置と、前記撮影方向別算出精度マップとを用いて、前記現在自己位置を推定する処理を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項11】
請求項1からのいずれか1つに記載の自律走行型自動搬送車両と、
前記自律走行型自動搬送車両が前記走行ルートを走行中に撮影可能な位置に配置されるランドマークであって、カラーLEDランプが複数配列されたカラーLEDランドマークと、
複数の各カラーLEDランプの発光又は/及び点灯を制御するランドマーク制御装置と、
を有することを特徴とする搬送システム。
【請求項12】
自己位置推定処理によって算出された現在自己位置に基づいて、自律走行制御を行う自律走行型自動搬送車両の自己位置推定方法であって、
前記自律走行型自動搬送車両に搭載される撮影装置で撮影されたランドマークに基づいて、第1自己位置を算出する第1ステップと、
前記自律走行型自動搬送車両の走行情報に基づいて第2自己位置を算出する第2ステップと、
前記第1自己位置及び前記第2自己位置を用いて前記現在自己位置を推定する第3ステップと、を含み、
前記第3ステップは、前記走行ルートを含む所定領域内における前記第1ステップの算出精度マップの算出精度に基づいて、前記現在自己位置の推定における前記第1自己位置及び前記第2自己位置の寄与度を変化させるとともに、
前記算出精度マップは、複数のランドマーク群のうちの所定数のランドマークで構成される異なる複数の組み合わせ別に前記算出精度が区分けされており、
前記第1ステップは、撮影された複数のランドマーク群のうち、前記算出精度が高い組み合わせのランドマーク群を選定し、選定されたランドマーク群に基づいて画像処理方式自己位置推定処理を行い、前記第1自己位置を算出することを特徴とする自律走行型自動搬送車両の自己位置推定方法。
【請求項13】
自己位置推定処理によって算出された現在自己位置に基づいて、自律走行制御を行う自律走行型自動搬送車両の制御装置で実行されるプログラムであって、
前記自律走行型自動搬送車両に搭載される撮影装置で撮影されたランドマークに基づいて、第1自己位置を算出する画像処理方式自己位置推定処理と、前記自律走行型自動搬送車両の走行情報に基づいて第2自己位置を算出するオドメトリ方式自己位置推定処理と、を行い、前記第1自己位置及び前記第2自己位置を用いて前記現在自己位置を推定する第1機能と、
走行ルートを含む所定領域内の前記画像処理方式自己位置推定処理の算出精度マップを記憶する第2機能と、を前記制御装置に実現させ、
前記第1機能は、前記算出精度マップの算出精度に基づいて、前記現在自己位置の推定における前記第1自己位置及び前記第2自己位置の寄与度を変化させるとともに、
前記算出精度マップは、複数のランドマーク群のうちの所定数のランドマークで構成される異なる複数の組み合わせ別に前記算出精度が区分けされており、
前記第1機能は、撮影された複数のランドマーク群のうち、前記算出精度が高い組み合わせのランドマーク群を選定し、選定されたランドマーク群に基づいて画像処理方式自己位置推定処理を行い、前記第1自己位置を算出することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、自律走行型自動搬送車両の制御装置及び搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle」は、複数の誘導方式がある。例えば、電磁誘導式、磁気誘導式、画像認識方式、自律誘導方式があり、それぞれ長所、短所があり、場所や用途に応じて各種方式が適用されている。
【0003】
一方、無人搬送車の自律走行制御では、走行中の自己位置を正確に把握することが重要である。走行距離に比例して増える誤差に対し、従来は、走行ルートもしくは走行ルートの付近に設置されたタグや磁気マーカーを使用し、絶対位置の補正情報を無人搬送車に認識させ、走行に伴う累積誤差を極小化して自己位置を正確に把握するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-5525号公報
【文献】特開2001-60111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像処理方式自己位置推定処理と走行情報に基づくオドメトリ方式自己位置推定処理とを融合させた自律走行型自動搬送車両の自己位置推定処理を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の制御装置は、自己位置推定処理によって算出された現在自己位置に基づいて、自律走行制御を行う自律走行型自動搬送車両の制御装置である。前記制御装置は、前記自律走行型自動搬送車両に搭載される撮影装置で撮影されたランドマークに基づいて、第1自己位置を算出する画像処理方式自己位置推定処理と、前記自律走行型自動搬送車両の走行情報に基づいて第2自己位置を算出するオドメトリ方式自己位置推定処理と、を行い、前記第1自己位置及び前記第2自己位置を用いて前記現在自己位置を推定する自己位置推定処理部と、走行ルートを含む所定領域内における前記画像処理方式自己位置推定処理の算出精度マップを記憶する記憶部と、を有する。前記自己位置推定処理部は、前記算出精度マップの算出精度に基づいて、前記現在自己位置の推定における前記第1自己位置及び前記第2自己位置の寄与度を変化させる。ここで、前記自律走行型自動搬送車両は、撮影方向が異なる複数台の撮影装置を搭載することができ、前記算出精度マップは、同じ位置において異なる撮影方向で撮影された各ランドマーク群に基づく撮影方向別算出精度マップを含むことができる。そして、前記自己位置推定処理部は、前記撮影方向別算出精度マップを用いて、第1撮影方向で撮影した第1ランドマーク群に基づいて算出された自己位置の算出精度と、前記第1撮影方向とは異なる第2撮影方向で撮影した第2ランドマーク群に基づいて算出された自己位置の算出精度を比較し、算出精度の高い方の撮影方向で撮影されたランドマーク群に基づいて算出された自己位置と、前記撮影方向別算出精度マップとを選択して、前記現在自己位置を推定する自己位置推定処理を行う。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態の自律走行型自動搬送車両の構成及び走行ルートを含む走行環境におけるランドマークの配置例を示す図である。
図2】第1実施形態の自律走行型自動搬送車両に搭載される制御装置の構成ブロック図である。
図3】第1実施形態の算出精度マップの一例を示す図である。
図4】第1実施形態の画像処理方式による自己位置推定処理例を示す図である。
図5】第1実施形態の自己位置推定処理の処理フローを示す図である。
図6】第1実施形態の重み値の算出及び自己位置推定値の処理フローを示す図である。
図7】第1実施形態のオドメトリ方式の誤差リセット処理の処理フローを示す図である。
図8】第1実施形態の複数の異なる撮影方向に対応した複数の算出精度マップの一例を示す図である。
図9】第1実施形態の複数の異なる撮影方向間で算出精度マップ及び画像処理方式による自己位置推定値(第1自己位置)を切り替える制御を含む、自己位置推定処理の処理フローを示す図である。
図10】第1実施形態の自律走行型自動搬送車両が適用された搬送システムのLEDランプ型ランドマークの一例を示す図である。
図11】第2実施形態のランドマークの組み合わせと算出精度マップの一例を示す図である。
図12】第2実施形態の自己位置推定処理の処理フローを示す図である。
図13】第2実施形態の組み合わせランクに基づくランドマーク群の選定処理フローを示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(第1実施形態)
図1から図10は、第1実施形態の自律走行型自動搬送車両を説明するための図であり、図1は、自律走行型自動搬送車両1の構成図である。
【0009】
図1において、自律走行型自動搬送車両1は、モータ等の走行駆動系と接続される車輪2(走行部)と、車体3と、CCD等の撮像センサを備えるカメラなどの撮影装置4とを備える。車輪2には、センサ機器5としてエンコーダが設けられ、車輪2の移動方向や移動量、角度を検出する。エンコーダで取得される車輪2の回転速度、角速度は、制御装置100に入力される。制御装置100は、エンコーダから出力される各種センサ情報に基づいて、進行方向、位置、走行速度、走行距離などの走行情報を把握することができる。
【0010】
なお、エンコーダに限らず、ジャイロセンサや加速度センサを用いて、自律走行型自動搬送車両1の進行方向、位置、走行速度、走行距離などの走行情報を把握するように構成することができる。また、モータ等の駆動手段に電力を供給するバッテリーを搭載することができる。
【0011】
撮影装置4は、走行ルートの進行方向前方を撮影方向として所定の画角で周囲環境の撮影を行う。周囲の環境には、ランドマークL(L1,L2,L3,・・・・)が配設されており、走行中の自律走行型自動搬送車両1は、所定の時間間隔で、複数のランドマークLを含む周囲環境を撮影し、撮影画像データを制御装置100に出力する。
【0012】
本実施形態のランドマークは、撮影画像データ内で識別可能なロケーションマーカーである。例えば、QRコード(登録商標)を用いることができる。
【0013】
制御装置100は、大きく分けて、車輪2を含む走行駆動系を制御して自律走行制御を行う機能と、自律走行制御に必要な自己位置推定処理を行う機能と、を備えており、自律走行制御については公知の技術を適用することができるので、その詳細な説明は省略し、自己位置推定処理について詳述する。
【0014】
本実施形態の自律走行型自動搬送車両1は、所定の走行ルートを追従し、決められた目的地(最終目的地までの走行ルート上のチェックポイント、中継地点などの複数の目的地を含む)を目指して走行する自動走行車両である。一例として、工場や倉庫などで使用される無人搬送車両である。無人搬送車両は、その他に、空港、病院や医療関連施設、飲食店などにおいても、屋外、屋内を問わず、人や物を運ぶ(又は牽引する)台車や運搬車として利用されている。
【0015】
従来の自律走行型の自動搬送車両は、走行ルートの走行面に磁気テープもしくは磁気ネイル等の磁気誘導体を敷設し、その磁力を検知することで所定の走行ルートを意図した通りに走行させる仕組みが多い。また、その際に自己位置を把握しているが、各種センサの微細な誤差により走行距離に対して比例的に自己位置の誤差が増加するため、従来は、走行ルートもしくはその付近に設置されたIDタグや磁気マーカーを使用し、絶対位置の補正情報を自動搬送車両に認識させることで、累積誤差の極小化し、正確に自己位置を把握できる仕組みを採用している。
【0016】
しかしながら、このような従来の誘導方式では、自律走行型の自動搬送車両を走行させるための走行ルートに、事前に磁気誘導体及び絶対位置を補正するためのマーカーの敷設が必要であり、この敷設に要するコスト、時間が大きな課題となっている。さらに、走行ルートを変更する場合は、この敷設した誘導体、マーカー類もルート変更に合わせてその位置を変更する必要があり、手間及びコストが掛かる。
【0017】
そこで、本実施形態の自律走行型自動搬送車両1は、撮影されたランドマークに基づく画像処理方式自己位置推定処理と、自律走行型自動搬送車両1の走行情報に基づくオドメトリ方式自己位置推定処理の、2つの自己位置推定処理を独立的に行い、これらの処理結果を融合して、現在自己位置を推定する。
【0018】
そして、上述のように、IDタグや磁気マーカーを使用した絶対位置の補正を行わないので、その精度誤差が問題となる。つまり、撮影されたランドマークに基づく画像処理方式自己位置推定処理では、走行ルートに応じた自律走行型自動搬送車両1とランドマークの位置関係によってその精度が上下する。走行情報に基づくオドメトリ方式自己位置推定処理では、走行距離(走行時間)に対して比例的にセンサ誤差等の誤差が蓄積する。
【0019】
これに対し、本実施形態は、画像処理方式自己位置推定処理の処理結果(第1自己位置)と、オドメトリ方式自己位置推定処理の処理結果(第2自己位置)を融合させて現在自己位置を推定する際に、予め作成した、走行ルートを含む所定領域内の画像処理方式自己位置推定処理の算出精度マップを用いて、算出された画像処理方式自己位置推定処理による第1自己位置に対応する算出精度を特定し、その算出精度の良し悪しで、現在自己位置の推定に含まれる第1自己位置及びオドメトリ方式自己位置推定処理による第2自己位置の寄与度を変化させる。
【0020】
このように構成することで、ランドマークによる画像処理方式自己位置推定処理の精度誤差の影響を、最大限利用して又は最小限に留めて、正確な現在自己位置が推定できるようになる。つまり、算出精度マップ上で精度誤差が小さい(精度が高い)場所では、現在自己位置の推定に含まれる第1自己位置の寄与度を大きくしてオドメトリ方式自己位置推定処理による第2自己位置と融合することで、正確に現在自己位置を推定することができる。
【0021】
また、算出精度マップ上で精度誤差が大きい(精度が低い)場所では、現在自己位置の推定に含まれる第1自己位置の寄与度を小さくしてオドメトリ方式自己位置推定処理による第2自己位置と融合することで、画像処理方式自己位置推定処理側の誤差の影響が小さくなり、正確な現在自己位置を推定することができる。
【0022】
さらに後述するように、オドメトリ方式自己位置推定処理の累積誤差に対しても、算出精度マップを用いた誤差リセット処理を行うので、さらに正確な現在自己位置の推定を行うことができる。
【0023】
図2は、自律走行型自動搬送車両1に搭載される制御装置の構成ブロック図である。制御装置100は、自律走行制御部110、自己位置推定処理部120及び記憶部130を含んで構成されている。
【0024】
自律走行制御部110は、自己位置推定制御部120で推定された現在自己位置に基づいて、予め設定された走行ルートを所定の走行速度で自動走行する制御を行う。自律走行制御部110は、把握された現在自己位置と走行ルートとの位置関係に基づいて走行駆動系を制御し、自律・自動走行を行う。
【0025】
自己位置推定処理部120は、画像処理方式推定部121と、オドメトリ方式推定部122とを備え、画像処理方式自己位置推定処理と、オドメトリ方式自己位置推定処理とをそれぞれ並列処理し、各推定部から出力される処理結果を融合して現在自己位置を推定する。画像処理方式推定部121には、撮影装置4によって撮影された画像データを入力され、オドメトリ方式推定部122には、センサ機器5から走行情報又は走行情報を把握するためのセンサ情報が入力される。
【0026】
記憶部130は、制御装置100での各種処理に必要な情報を記憶すると共に、算出精度マップを記憶している。
【0027】
図3は、算出精度マップの一例を示す図である。本実施形態の精度マップは、走行ルートを含む所定領域内の画像処理方式自己位置推定処理における精度誤差に関する情報であり、走行ルートを含む自律走行環境の座標に、測定した又は算出した精度誤差をマッピングしたものである。
【0028】
具体的には、図3に示すように、まず、所定領域内を複数のエリアに区画する。そして、各エリア別に、ランドマークLの設置位置に対して走行ルートを走行中のランドマークの撮影方向に応じて算出される画像処理方式自己位置推定処理の処理結果(第1自己位置)と、実位置(自律走行環境の座標)とを比較し、その差分を精度誤差として算出する。このように画像処理方式自己位置推定処理の処理結果と実位置との間の精度誤差をマッピングして算出精度マップを作成し、記憶部130に記憶する。
【0029】
図3の例では、走行ルートの前方に位置するランドマークL1,L2,L3のランドマーク群を含む撮影画像データを用いて画像処理方式自己位置推定処理を行い、その処理結果と実位置との差分を精度誤差として算出し、算出精度マップデータとして生成した一例を示している。
【0030】
画像処理方式自己位置推定処理の精度誤差は、撮影装置4で撮影されたランドマーク間の位置関係によって処理結果にゆらぎが生じるためである。図4は、画像処理方式による自己位置推定処理例を示す図である。なお、ランドマークの座標は、撮影画像データから算出されていることとする。ランドマークの座標算出処理は、公知の手法を適宜適用することができる。
【0031】
図4に示すように、2つのランドマークLa,Lb及び自律走行型自動搬送車両1の位置P(x,y)に接する外接円abの中心Pabと、2つのランドマークLa,Lc及び自律走行型自動搬送車両1の位置P(x,y)に接する外接円bcの中心Pbcと、を用い、位置P(x,y)を2つの外接円1,2の中心Pab(x1,y1)と中心Pbc(x2,y2)で表すことができる。つまり、画像処理方式自己位置推定処理は、撮影画像データ内のランドマークの位置から外接円1,2の交点を算出することで、自己位置を推定する。
【0032】
このとき、図4の左下に示すように、複数のランドマーク間の位置が、X方向に横並びとなり、Y方向へのズレが少ないと、2つのランドマーク間の円弧に角度がないため、X方向にずれた外接円でも当該円弧にマッチする外接円となってしまう。このため、図4の左下のランドマーク群の位置関係の場合、自己位置として求める交点がX方向に振れ(ブレ)やすく、算出精度が低下する。
【0033】
一方、図4の右下に示すように、複数のランドマーク間の位置が、Y方向にもズレていると、2つのランドマーク間の円弧に角度が付きやすくなり、当該円弧にマッチする外接円が、X方向にずれにくくなる。このため、図4の右下のランドマーク群の位置関係の場合、自己位置として求める交点がX方向に振れ(ブレ)にくく、算出精度が向上する。
【0034】
したがって、走行ルートを含む所定領域内に固定的に配置されるランドマークに対し、走行ルートが異なれば同じ位置での算出精度が異なり、同様に同じ走行ルートであってもランドマークの配設位置が異なれば、同じ位置での算出精度が異なるので、固定配置されたランドマークに対し、走行ルート別に算出精度マップが作成されることになる。
【0035】
また、画像処理方式自己位置推定処理を行うには、所定数以上のランドマークが検出されないと、処理結果の精度が低下する。つまり、検出されるランドマークが3つ以上あれば、画像処理方式自己位置推定処理による自己位置推定は行うことができ、ランドマークが2つしか検出されない場合は、画像処理方式自己位置推定処理を行わないように構成することができる。したがって、ランドマークの配置は、各走行ルートにおいて撮影画像内に所定数(例えば、3つ)以上のランドマークが検出されるように予め最適化しておくことが好ましい。
【0036】
図5は、本実施形態の自己位置推定処理の処理フローを示す図である。制御装置100は、所定のタイミング又は所定の時間間隔で撮影動作を行うように制御し、撮影装置4で撮影された画像データの入力を契機に、自己位置推定処理を行う。
【0037】
制御装置100は、画像データが入力されると(S101のYES)、オドメトリ方式推定部122は、センサ機器5から出力される走行情報又は走行情報を算出するためのセンサ情報を用いて、オドメトリ方式自己位置推定処理を行う(S102)。オドメトリ方式とは、デッドレコニングの一手法であり、自律走行型自動搬送車両1の車輪の回転角度を計算し、回転速度から移動量(走行距離)を求め、ステアリングの角度(または左右の車輪の回転速度の違いに基づく車両の角速度)を考慮してそれを累積し、現在位置を算出する。
【0038】
つまり、各初期値(各基準値)に、X位置、Y位置、自律走行型自動搬送車両1の向き(角速度)の各積分値を加算することで、現在の自己位置を算出することができる。初期値は、スタート地点又は前回の誤差リセット処理において設定されたときの自己位置である。
【0039】
したがって、図5の例では、画像データが入力されたことを契機にオドメトリ方式自己位置推定処理に見えるが、厳密には、画像データの入力とは関係なく所定の時間間隔で入力される走行情報に基づくオドメトリ方式自己位置推定処理が行われており、ステップS102は、画像データが入力されたタイミングで、最新のオドメトリ方式自己位置推定処理の処理結果(第2自己位置)を取得するために行われている。
【0040】
次に、画像処理方式推定部121は、入力された画像データ内のランドマーク検出処理を行う(S103)。予め設定された識別情報(色、形、コード情報など)を有する被写体をランドマークとして抽出し、抽出されたランドマークの数が所定値以上か否かを判別する(S104)。例えば、画像データ内に3つ以上のランドマークが検出されないと、自己位置推定処理を行わないように構成することができる(S104のNO)。
【0041】
これは、上述のように、検出されたランドマークの数が少ないと、処理結果の精度誤差を担保できないからである。ただし、検出されたランドマークの位置関係も精度誤差に影響するので、少なくても2つのランドマークが検出されたときに、自己位置推定処理を行うように構成してもよい。
【0042】
画像処理方式推定部121は、所定数以上のランドマークが検出されると(S104のYES)、画像処理方式自己位置推定処理を行い(S105)、処理結果(第1自己位置)を出力する。自己位置推定処理部120は、算出精度マップを参照し、第1自己位置に該当する座標位置の精度誤差を抽出(特定)する(S106)。
【0043】
図6は、ステップS106で特定された精度誤差を用いた重み値の算出処理及び重み値を適用した自己位置推定値の処理フローを示す図であり、図5のステップS107に相当する。
【0044】
自己位置推定処理部120は、ステップS1071において、ステップS106で特定された第1自己位置に対応する算出精度が所定値以上であるか否かを判別する。判別の結果、算出精度が所定値以上である場合、Wi+Wo≦1の範囲で、第1自己位置の重み値Wiを第2自己位置の重み値Woよりも大きく設定し(S1072)、現在の自己位置座標(=第1自己位置×Wi+第2自己位置×Wo)を算出する(S1074)。
【0045】
このように、一つの基準となる精度誤差を満たしているか、言い換えれば、誤差が所定値よりも小さく精度が高いかを判別して、例えば、精度が高い場合に第1自己位置の重み値Wiを0.7,第2自己位置の重み値Woを0.3のように、重み値Wiを大きく設定する。
【0046】
なお、算出精度の基準を細分化し、精度が50mm以下10mm以上の場合、重み値Wiを0.7,重み値Woを0.3に設定したり、精度が10mm未満の場合、重み値Wiを0.9、重み値Woを0.1に設定したりし、精度誤差が良ければよいほど、重み値Wiを大きく設定するように構成してもよい。
【0047】
一方、自己位置推定処理部120は、ステップS1071において、算出精度が所定値未満である場合、Wi+Wo≦1の範囲で、第2自己位置の重み値Woを第1自己位置の重み値Wiよりも大きく設定し(S1073)、現在の自己位置座標(=第1自己位置×Wi+第2自己位置×Wo)を算出する(S1074)。算出精度が所定値未満である場合においても、算出精度の基準を細分化し、精度が50mm以上80mm未満の場合、重み値Wiを0.4,重み値Woを0.6に設定したり、精度が80mm以上の場合、重み値Wiを0.2、重み値Woを0.8に設定したりし、精度誤差が悪ければ悪いほど、重み値Wiを小さく設定するように構成することもできる。
【0048】
このような重み値を適用した本実施形態の自己位置推定処理では、ステップS104においてランドマークが所定数以上検出されなかった場合、すなわち、ランドマークが1つも検出されずに画像処理方式で自己位置推定処理ができないケースや、検出されたランドマークの数が少なく、処理結果の精度が期待できないケースでは、画像処理方式の自己位置推定処理を行わず、オドメトリ方式の自己位置推定処理の処理結果(第2自己位置)だけを用いて、現在の自己位置を推定するように構成することができる。この場合、ステップS109に示すように、画像処理方式による推定処理結果が得られないとして、重み値Wiを0、重み値Woを1に設定し、図6のステップS1074と同様に、現在の自己位置座標(=第1自己位置×Wi+第2自己位置×Wo)と算出することができる。
【0049】
このように、画像処理方式の自己位置推定処理の算出精度マップを用いて、現在自己位置の推定における画像処理方式の処理結果(第1自己位置)及びオドメトリ方式の処理結果(第2自己位置)の寄与度を変化させて、算出精度が良ければ画像処理方式の処理結果の寄与度を上げて現在自己位置の推定精度を向上させ、算出精度が悪ければ画像処理方式の処理結果の寄与度を下げて高い誤差の影響を低減させて、現在自己位置の推定精度の低下を抑制する。
【0050】
そして、本実施形態の算出精度マップは、オドメトリ方式自己位置推定処理の累積誤差に対する誤差リセット処理にも活用され、さらに正確な現在自己位置の推定を行うことができるようにしている。図5の自己位置推定処理において、ステップS108が、オドメトリ方式の誤差リセット処理の実行判別処理及びその実行処理であり、図7が、ステップS108の詳細処理フローを示す図である。
【0051】
図7に示すように、自己位置推定処理部120は、ステップS106で特定された算出精度が所定値以上か否かを判別する(S1081)。画像処理方式による第1自己位置が所定値以上の高い精度で算出されていると判別された場合(S1081のYES)、オドメトリ方式の自己位置推定処理の積算値をリセットし、基準値(基準位置)として第1自己位置をセットする(S1082)。
【0052】
例えば、画像処理結果の精度が10mm以下になった地点で、画像処理結果(第1自己位置)をオドメトリ初期値に設定し直すリセット処理を行うことで、オドメトリ方式の自己位置推定処理の処理精度を向上させることができる。したがって、現在の自己位置座標(=第1自己位置×Wi+第2自己位置×Wo)に含まれる累積誤差がより低減し、正確な自己位置推定を行うことができる。
【0053】
一方、ステップS1081において、画像処理方式による第1自己位置が所定値以上の高い精度で算出されていないと判別された場合(S1081のNO)、単に、誤差リセット処理をスキップするのではなく、オドメトリ方式の累積誤差の拡大抑制を考慮し、オドメトリ方式での計算時間(リセット処理を行うまでの時間)又は自律走行型自動搬送車両1の走行距離が、所定基準値を超えているかを判別する(S1083)。
【0054】
自己位置推定処理部120は、計算時間又は走行距離が所定基準値を超えていると判別されたとき(S1083のYES)、ステップS106で特定された算出精度マップの第1自己位置に対応する算出精度と、オドメトリ方式自己位置推定処理における走行情報に応じた累積誤差推定処理によって算出される推定累積誤差と、を比較する(S1084)。自己位置推定処理部120は、推定累積誤差が算出精度よりも大きい場合(S1084のYES)、ステップS1082に進み、第1自己位置を用いたリセット処理を行う。推定累積誤差が算出精度よりも小さい場合(S1084のNO)、リセット処理を行わず、処理を終了する。
【0055】
オドメトリ方式自己位置推定処理における走行情報に応じた推定累積誤差は、例えば、以下のように算出することができる。例えば、1m進むごとに30mmの誤差が発生すると仮定し、現在までの走行距離から比例計算したり、1分ごとに3mmの誤差が発生すると仮定し、走行時間から比例計算したりすることができる。また、走行ルートの特殊性をさらに加味した誤差を適用することもでき、例えば、カーブが多い、斜めに走るなど、予め誤差が生じやすい走行ルートを含む場合は、時間や走行距離に走行ルート誤差を増分するように構成することができる。
【0056】
なお、リセット処理の一例として、ステップS1082の第1自己位置を用いた態様について説明しているが、例えば、基準値(基準位置)としてステップS107で算出された現在自己位置推定値をセットするように構成してもよい。
【0057】
次に、本実施形態の変形例について説明する。本変形例は、図8に示すように、自律走行型自動搬送車両1が、撮影方向が異なる複数台の撮影装置4A,4B,4C,4Dを搭載し、撮影方向が異なる複数の撮影画像データを取得することができる。そして、算出精度マップは、同じ位置において異なる撮影方向で撮影された各ランドマーク群に基づく撮影方向別算出精度マップを含むように構成されている。
【0058】
図8の例において、進行方向前方側を撮影範囲とする撮影装置4A、進行方向左側を撮影範囲とする撮影装置4B,進行方向後方側を撮影範囲とする撮影装置4C、進行方向右側を撮影範囲とする撮影装置4Dを備えており、撮影方向別に算出精度マップが作成され、記憶されている。例えば、撮影装置4Aに対応する撮影方向1と、撮影装置4Bに対応する撮影方向2とでは、同じエリア5において、精度誤差が異なる。
【0059】
つまり、同じ位置であっても、撮影されるランドマーク群の各ランドマークの位置関係によって、精度誤差が異なる。そこで、本変形例では、画像処理方式推定部121は、第1撮影方向で撮影した画像内の第1ランドマーク群に基づいて自己位置を算出し、当該第1撮影方向に対応する撮影方向別算出精度マップを用いて、第1撮影方向の算出精度を特定する。また、第1撮影方向とは異なる第2撮影方向で撮影した第2ランドマーク群に基づいて自己位置を算出し、当該第2撮影方向に対応する算出精度を特定する。
【0060】
そして、第1撮影方向の算出精度と、第2撮影方向の撮影精度とを比較し、算出精度が高い方の撮影方向で撮影されたランドマーク群に基づいて算出された自己位置と、撮影方向別算出精度マップとを選択し、現在自己位置を推定する自己位置推定処理を行うように制御する。
【0061】
このように誤差の精度が高い算出精度マップを切り替えて使用することにより、信頼性の高い自己位置推定処理を行うことができる。
【0062】
図9は、複数の異なる撮影方向別算出精度マップを用い、画像処理方式による自己位置推定値(第1自己位置)の切り替え制御を適用した自己位置推定処理の処理フローを示す図である。なお、図5に示した処理フローと同じ処理については同符号を付して説明を省略する。
【0063】
ステップS101では、撮影方向が異なる4台の撮影装置4A,4B,4C,4Dから、画像データが入力され、画像処理方式推定部121は、入力された各画像データのランドマーク検出を行う(S103,S104)。画像処理方式推定部121は、所定数以上のランドマークが検出された画像データを対象に、撮影方向別に画像処理方式自己位置推定処理をそれぞれ実行する(S1051)。撮影方向別の画像処理方式自己位置推定処理の各処理結果に対し、対応する各精度誤差を各撮影方向別算出精度マップで特定し、撮影方向間で精度誤差を比較する(S1052)。画像処理方式推定部121は、算出精度が一番良い方の撮影方向における処理結果を第1自己位置として選択し、かつその撮影方向の算出精度を選択する(S1061)。
【0064】
自己位置推定処理部120は、選択(特定)された算出精度に基づいて、ステップS107の処理を行い現在の自己位置推定値を算出する(S107)。また、選択された撮影方向の算出精度を用いて、ステップS108の処理を遂行する。
【0065】
また、図10は、本実施形態の自律走行型自動搬送車両1が適用された搬送システムのLEDランプ型ランドマークの一例を示す図である。ランドマークは、上述のように、QRコードなどのマーカーを適用し、画像内での識別精度を向上させているが、ある程度の大きさが必要になる。
【0066】
そこで、ランドマークの識別情報として「色」を要素に加え、色や色の配列の組み合わせでランドマークを形成し、ランドマーク自体の小型化を実現する。図10において、LEDランプ型ランドマーク300は、複数のLEDユニット310を備え、規則的に並んでいる。LEDユニット310は、カラーLEDで構成されたLEDランプ311と拡散部材312とを含んで構成されている。LEDランプ311は、単色又はフルカラーのカラーLEDを用いることができる。
【0067】
LEDランプ型ランドマーク300は、複数の各カラーLED310の発光又は/及び点灯を制御するランドマーク制御装置500と、無線又は有線で接続されたおり、LEDランプ型ランドマーク300毎に異なる発光パターン、異なる点灯パターンを制御することができる。
【0068】
このようにLEDランプ型ランドマーク300を適用すると、ランドマークの識別情報として「色」が加わり、撮影画像内の識別精度が向上するので、ランドマーク自体を小型化することができると共に、発光パターンや点灯パターンを容易に変更することができる。
【0069】
また、カラーLEDを用いることで、撮影装置4の明るさを低減することができ、画像上の背景が暗くなることで、ランドマーク検出処理において工場内の荷物やラックなどの誤検出になり得るノイズを抑制することができる。
【0070】
(第2実施形態)
図11から図13は、第2実施形態を示す図である。図11は、本実施形態のランドマークの組み合わせと算出精度マップの一例を示す図である。
【0071】
本実施形態の算出精度マップは、複数のランドマーク群のうちの所定数のランドマークで構成される異なる複数の組み合わせ別に算出精度(精度誤差)が区分けされている。図11に示すように、走行ルートを走行中の自律走行型自動搬送車両1が所定の撮影方向で撮影した画像には、複数のランドマークが存在する場合がある。画像処理方式の自己位置推定処理において画像から検出されるランドマークの数も重要であるが、図4で例示したように、ランドマーク群の位置関係も、算出精度に影響を及ぼす。
【0072】
したがって、複数のランドマーク群が検出された場合、どのような組み合わせのランドマーク群を用いて画像処理方式の自己位置推定処理を行うかによって精度誤差が異なる。そこで、複数の区画(エリア)の算出精度は、ランドマークの組み合わせ別に細分化されたランドマーク組み合わせ別算出精度を含むように構成することができる。つまり、ランドマーク群の組み合わせパターン別の精度誤差を保持するように算出精度マップを作成し、ランドマーク群の組み合わせパターンを精度誤差が小さい順にランキングすることができる。
【0073】
図11の例では、算出精度マップ上の区画エリアNでは、撮影画像内に5つのランドマークを検出することが可能であり、ランドマークL700,L800,L900の組み合わせで算出すると、精度誤差が「±3cmm」で組み合わせランクが1位となっており、ランドマークL700,L800,L1000の組み合わせで算出すると、精度誤差が「±7cmm」で組み合わせランクが2位となっている。ここで、5つの撮影ランドマークのうち、3つの撮影ランドマークの組み合わせは、10通りであるが、算出精度マップとして保持する組み合わせランクは、「上位5つまで」というように、適宜設定することができる。これは、精度誤差が大きい組み合わせランクを保持しても、画像処理方式の自己位置推定処理結果の寄与度が低いため、例えば、上位5つの組み合わせパターンに該当しない組み合わせは、ランク外として一律同じ精度誤差を適用するように構成してもよい。
【0074】
本実施形態では、所定数として「3つ」以上のランドマークが検出されたときに、画像処理方式の自己位置推定処理を行うように制御すると共に、3つのランドマーク群の組み合わせが2以上存在する場合は、より精度誤差が小さい(精度誤差が小さい順にランク上位の)ランドマーク群組み合わせパターンを選定するように制御する。
【0075】
撮影された複数のランドマーク群のうち、算出精度が高い組み合わせのランドマーク群を選定し、選定されたランドマーク群に基づいて画像処理方式自己位置推定処理を行うことで、画像処理方式の自己位置推定処理を精度良く行うことができる。
【0076】
特に、ランドマーク群の組み合わせパターン別に精度誤差が細分化されているため、撮影された画像内で検出された複数のランドマーク群に対し、その組み合わせパターンに応じた各精度誤差を適切に適用することができる。例えば、精度誤差が一番小さいランドマーク群の第1組み合わせパターンを検出できなかった場合、第1組み合わせパターンよりも精度誤差が大きい第2組み合わせパターンで画像処理方式の自己位置推定処理を行うが、画像処理方式の自己位置推定処理結果に対する重み値は、第1組み合わせパターンの精度誤差ではなく、第2組み合わせパターンの精度誤差に基づいて設定されるため、画像処理方式の自己位置推定処理の精度誤差が過大評価されることを抑制し、自己位置推定精度を向上させることができる。
【0077】
図12は、本実施形態の自己位置推定処理の処理フローを示す図であり、図13は、本実施形態の組み合わせランクに基づくランドマーク群の選定処理フローを示す図である。図13の処理は、図12のステップS1112の処理に相当する。また、上記第1実施形態と同様の処理については、同符号を付して説明を適宜省略する。
【0078】
図12の例において、ステップS104において3つ以上のランドマークを検出したと判別された場合、自己位置推定処理部120は、前回の自己位置推定値(前回のステップS1071の処理結果)を用いて、算出精度マップを参照する(S1111)。自己位置推定処理部120は、前回の自己位置推定値に対応する算出精度マップ上の区画を特定し、画像処理方式の自己位置推定処理に用いるランドマーク群の組み合わせを選定する(S1112)。
【0079】
画像処理方式推定部121は、ステップS1112で選定されたランドマーク群を用いて第1自己位置を算出する(S1113)。
【0080】
ここで、本実施形態では、ステップS1114において、画像処理方式推定部121による第1自己位置の算出結果に対し、計算に用いたランドマーク群の組み合わせ別算出精度を用いた、寄与度判定処理を行っている。本実施形態の寄与度判定処理は、所定数以上のランドマーク群が検出されたものの、ランドマーク群の位置関係によって精度誤差が大きくなるため、その精度誤差が所定の閾値を超える場合(S1114のNO)、所定数以上のランドマークが検出されなかった場合と同様に、ステップS109に進み、画像処理方式の自己位置推定処理結果の寄与度を「0」に設定して自己位置推定値を算出する。
【0081】
このように、所定数以上のランドマーク群が検出され、かつ画像処理方式の自己位置推定処理に用いられるランドマーク群の組み合わせが所定値以上の算出精度である場合に、画像処理方式の自己位置推定結果をオドメトリ方式の自己位置推定結果と融合させ、算出精度に応じてこれらの融合寄与度を変化させる。このように構成することで、精度誤差が大きくなる時点での画像処理方式の自己位置推定結果の融合を抑制し、自己位置推定精度を向上させることができる。
【0082】
ステップS1114において、自己位置推定処理部120は、選定されたランドマーク群の組み合わせの精度誤差が所定の閾値よりも小さい場合(S1114のYES)、ステップS1071に進み、ランドマーク群の組み合わせに対応する算出精度に基づいて、重み値を算出し、第1自己位置及び第2自己位置を融合させた現在の自己位置推定値を算出する。
【0083】
次に、図12のステップS1112の処理について、図13を参照して説明する。自己位置推定処理部120は、撮影された画像内で検出されたランドマーク群のうち、算出精度マップで予め規定された組み合わせランクに該当するランドマークの組み合わせが存在するか否かを判定する(S1112A)。例えば、撮影された(画像内で識別された)ランドマークが5つの場合、3つの組み合わせパターンは10通りである。そこで、撮影ランドマークの各組み合わせパターンが、算出精度マップの組み合わせランクの組み合わせパターンに該当するか否かを判別する。
【0084】
10通りの撮影ランドマーク群の組み合わせパターンそれぞれを、算出精度マップの組み合わせランクと照合し、1位ランクの組み合わせパターンに該当する撮影ランドマーク群が存在するか否かを判別する(S1112B)。1位ランクに該当する撮影ランドマーク群が存在する場合(S1112BのYES)、当該撮影ランドマーク群を計算対象のランドマーク群として選定(指定)する(S1112C)。
【0085】
一方、1位ランクに該当する撮影ランドマーク群が存在しない場合(S1112BのNO)、2位以下の組み合わせランクに該当する撮影ランドマーク群の組み合わせがあるかを判別する(S1112D)。2位以下の組み合わせランクに該当する撮影ランドマーク群の組み合わせがある場合(S1112DのYES)、2位以下の中で最も高い組み合わせランクに該当する撮影ランドマーク群を計算対象ランドマークとして選定する(S1112E)。
【0086】
10通りの撮影ランドマーク群の組み合わせパターンそれぞれがどの組み合わせランクにも該当しない場合(S1112DのNO)は、撮影された全てのランドマーク群(例えば、5つすべて)を計算対象として選定する(S1112F)。なお、どの組み合わせランクにも該当しない場合の算出精度は、算出精度マップの組み合わせランクにおいて、ランク外算出精度として、予め設定しておくことができる。さらに、どの組み合わせランクにも該当しない場合は、ステップS109に進み、画像処理方式の自己位置推定結果が実質的に加味されない自己位置推定値の算出処理を行うように構成してもよい。
【0087】
なお、上記第1実施形態では、画像処理方式自己位置推定処理結果である第1自己位置を現在の仮の位置として算出精度マップ上の算出精度(精度誤差)を特定する態様を一例に説明したが、本実施形態では、上述のように、前回算出された現在自己位置に基づいて算出精度マップ上の算出精度(精度誤差)を特定する態様となっている。
【0088】
つまり、精度マップは、所定の大きさの区画に仕切られ、各区画別に精度誤差を実測、算出して作成している。このため、前回の現在自己位置算出タイミングと、今回の現在自己位置算出タイミングとの間のスパンが短い場合、今回の現在自己位置算出処理も同じ区画の精度誤差に基づいて行われることになる。したがって、上記第1実施形態の図5のステップS106において、画像処理方式自己位置推定処理結果である第1自己位置ではなく、前回算出された現在自己位置を現在の仮の位置として、算出精度マップ上の算出精度(精度誤差)を特定するように構成することもできる。
【0089】
また、第1及び第2実施形態において、前回の現在自己位置に、オドメトリ方式の自己位置推定処理結果(第2自己位置)を加味して、算出精度マップ上の算出精度(精度誤差)を特定するための現在の仮の位置を算出するように構成してもよい。例えば、前回の現在自己位置に、前回の自己位置算出タイミングから今回の自己位置算出タイミングまでのオドメトリ方式の自己位置推定処理結果を加算した計算結果(前回の現在自己位置+演算スパン間のオドメトリ方式の自己推定処理結果)を、算出精度マップ上の算出精度(精度誤差)を特定するための現在の仮の位置として用いることができる。具体的には、図12のステップS102において算出されるオドメトリ方式の自己位置推定処理結果を用いることで前回の現在自己位置推定値からの移動量を把握することができ、ステップS1111では、前回の現在自己位置に、オドメトリ方式の自己位置推定処理結果(第2自己位置)を加味した現在の仮の位置を用いて、算出精度マップ上の区画、すなわち、算出精度を参照するように構成することができる。
【0090】
このように構成することで、複数の区画に仕切られた算出精度マップにおいて、算出精度を特定するための現在の仮の位置を精度良く把握することができる。特に、算出精度マップ上の区画を跨ぐ際の算出精度の揺らぎを抑制することができ、自己位置推定精度を向上させることができる。
【0091】
また、第1及び第2実施形態における現在自己位置算出処理の演算スパンは、予め設定された時間間隔であるが、例えば、撮影装置4の撮影フレームレート(FPS)を適用してもよい。すなわち、1秒間に数~数十フレームの撮影を行う撮影設定に合わせて、各フレームが撮影装置4から入力される度に、制御装置100が現在自己位置算出処理を行うように構成することができる。
【0092】
以上、本実施形態について説明したが、算出精度マップの他の態様としては、数値化された誤差をマップとして保持する態様以外にも、例えば、重み値を算出精度として直接関連付けて保持するように構成してもよい。つまり、上記説明では、精度誤差を判別して精度誤差に応じた重み値を算出しているが、精度誤差の判別処理を行わずに、このエリアの重み値Wi=0.9,重み値Wo=0.1という情報を算出精度として直接マップ化し、自己位置推定処理を行うように構成することもできる。この場合、オドメトリ方式の自己位置推定処理におけるリセット処理においても、例えば、重み値が0.9以上の場合に、リセット処理を行うように構成することができる。
【0093】
また、上述の制御装置100を構成する各機能は、プログラムによって実現可能であり、各機能を実現するために予め用意されたプログラムが補助記憶装置に格納され、CPU等の制御部が補助記憶装置に格納されたプログラムを主記憶装置に読み出し、主記憶装置に読み出された該プログラムを制御部が実行することで、各部の機能を動作させることができる。
【0094】
また、上記プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された状態で、コンピュータに提供することも可能である。コンピュータ読取可能な記録媒体としては、CD-ROM等の光ディスク、DVD-ROM等の相変化型光ディスク、MO(Magnet Optical)やMD(Mini Disk)などの光磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスクやリムーバブルハードディスクなどの磁気ディスク、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、SDメモリカード、メモリスティック等のメモリカードが挙げられる。また、本発明の目的のために特別に設計されて構成された集積回路(ICチップ等)等のハードウェア装置も記録媒体として含まれる。
【0095】
なお、本発明の実施形態を説明したが、当該実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0096】
1 自律走行型自動搬送車両
2 車輪
3 車体
4,4A,4B,4C,4D 撮影装置
5 センサ機器
100 制御装置
110 自律走行制御部
120 自己位置推定処理部
121 画像処理方式推定部
122 オドメトリ方式推定部
130 記憶部
131 算出精度マップ
300 LEDランプ型ランドマーク
310 LEDユニット
311 LEDランプ
312 拡散部材
500 ランドマーク制御装置
L ランドマーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13