(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-20
(45)【発行日】2022-10-28
(54)【発明の名称】検査システム及びレジシステム
(51)【国際特許分類】
G01G 19/52 20060101AFI20221021BHJP
G07D 5/04 20060101ALI20221021BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20221021BHJP
G06M 15/00 20110101ALI20221021BHJP
A63F 5/04 20060101ALI20221021BHJP
【FI】
G01G19/52 Z
G07D5/04
G07G1/00 331C
G07G1/00 311D
G06M15/00
A63F5/04 605C
A63F5/04 691E
A63F5/04 697
(21)【出願番号】P 2021034420
(22)【出願日】2021-03-04
(62)【分割の表示】P 2018551531の分割
【原出願日】2017-10-19
【審査請求日】2021-04-02
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2017/025796
(32)【優先日】2017-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2016225540
(32)【優先日】2016-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2017100318
(32)【優先日】2017-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000103301
【氏名又は名称】エンゼルグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【氏名又は名称】鈴木 守
(72)【発明者】
【氏名】重田 泰
【審査官】森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-80112(JP,A)
【文献】特許第4007004(JP,B2)
【文献】特許第3681823(JP,B2)
【文献】特許第5530414(JP,B2)
【文献】特許第5738453(JP,B2)
【文献】米国特許第6554186(US,B1)
【文献】国際公開第2013/028378(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G19/52
A63F 5/04
G06M15/00
G07G 1/00
-----------------------------------
本件原出願に対応する国際特許出願PCT/JP2017/037861の
調査結果が利用された。
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量差により種類が特定可能な有価物を検査対象とし、当該有価物の情報を記録したRFタグを備えた有価物を検査する検査システムであって、
台上に置かれた前記有価物のRFタグから前記有価物の情報を読み取るRF読取装置と、
前記有価物の重量を計測記録する重量計測装置と、
前記重量計測装置の計測結果を用いて、台上の前記有価物の総重量を把握する管理制御装置と、を有し、
前記管理制御装置は、RF読取装置から得た情報から前記有価物の規格上の重量を基にして台上の前記有価物の重量を把握すると共に、前記重量計測装置の計測結果を用いて当該有価物の台上の
計算上の総重量を計測し、前記RF読取装置から得た前記有価物の計算上の重量と、前記重量計測装置の計測結果から得た前記有価物の総重量との比較を行い、有価物の総個数が一致しているかどうかを推定
し、前記RF読取装置から得た前記有価物の計算上の重量と、前記重量計測装置の計測結果から得た前記有価物の総重量とが一致していないと判定した場合に、不一致の原因とはならない前記有価物の種類を特定する機能を備えた、検査システム。
【請求項2】
請求項1に記載の有価物を検査する検査システムであって、
前記RFタグの情報は、当該有価物の重量情報を含み、
前記管理制御装置は、RF読取装置から得た重量情報から台上の前記有価物の重量を把握する機能を備えた、検査システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の有価物を検査する検査システムであって、
前記管理制御装置は、RF読取装置からの情報から台上の前記有価物の種類毎の重量を把握すると共に、前記重量計測装置の計測結果を用いて当該有価物の台上の総重量を特定し、前記RF読取装置から得た前記有価物の種類毎の重量の総和に対する、前記重量計測装置の計測結果から得た前記有価物の総重量の超過重量を把握する機能を備えた、検査システム。
【請求項4】
請求項3に記載の有価物を検査する検査システムであって、
前記管理制御装置は、前記超過重量に基づき、前記RF読取装置から得た前記有価物の種類毎の重量の総和と前記重量計測装置の計測結果から得た前記有価物の総重量との不一致の原因となる前記有価物の種
類を特定する機能を備えた、検査システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の有価物を検査する検査システムであって、
前記管理制御装置は、前記RF読取装置からの情報から台上の前記有価物の総金額を把握する機能を備えた、検査システム。
【請求項6】
RFタグを備えた有価物を検査する検査システムであって、
前記有価物に備えられた前記RFタグから前記有価物の情報を読み取るRF読取装置と、
前記有価物の重量を計測する重量計測装置と、
前記重量計測装置の計測結果を用いて、前記有価物の総重量を把握する管理制御装置と、を有し、
前記管理制御装置は、前記RF読取装置で読み取られた情報に基づいて前記有価物の重量を求め、求めた重量と前記重量計測装置で計測された重量とを比較して、両者が一致しているか否かを判定
し、両者が一致していないと判定した場合に、不一致の原因とはならない前記有価物の種類を特定する、検査システム。
【請求項7】
前記管理制御装置は、前記RF読取装置で読み取られた情報に基づいて前記有価物の価格を求め、求めた価格の情報を出力する、請求項6に記載の検査システム。
【請求項8】
前記有価物の前記RFタグには、当該有価物の価格の情報が記憶されており、
前記管理制御装置は、前記RF読取装置で読み取られた情報に従って前記有価物の価格を求める、請求項7に記載の検査システム。
【請求項9】
前記有価物の前記RFタグには、当該有価物の種類を特定する情報が記憶されており、
前記検査システムは、さらに、前記有価物の種類を特定する情報と、当該種類の価格とを対応付けて記憶する記憶装置を備え、
前記管理制御装置は、前記記憶装置を参照して、前記RF読取装置で読み取られた情報に対応づけられた価格を読み出すことにより前記有価物の価格を求める、請求項7に記載の検査システム。
【請求項10】
請求項7~9のいずれかに記載の検査システムと、
前記管理制御装置が出力する価格の情報に基づいて、会計処理を行うレジ装置と、
を備えた、レジシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有価物等の物品を検査する検査システム、及びそれを含むレジシステムに関する。
【0002】
従来、RFIDを利用したレジシステムが提案されている。このレジシステムでは、有価物としての商品にRFタグが備えられ、会計テーブルにはRFリーダが備えられる。RFタグには、商品を特定する情報や価格の情報が記憶されており、会計テーブルのRFリーダで商品のRFタグを読み取ることで商品の金額(価格)を特定できる。また、RFIDを用いることで、複数の商品がある場合にもRFリーダでそれらのRFタグを一括して読み取ることができるため、各商品のバーコードを読み取ることによって各商品の価格を特定していた従来方式と比較して格段に速く総金額を特定できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、商品に付されたRFタグが故障している場合、RFタグ内の情報が不正に書き換えられている場合、何らかの理由で商品にRFタグが付されていない場合等には、購入者が購入しようとしている商品の価格をRFリーダで把握することができない。また、RFタグを一括して読み取る商品が複数ある場合には、RFリーダでRFタグを読み取れない商品が存在することを店員が把握できないことがある。よって、RFIDのみに頼って総金額を特定しようとするとRFタグが読み取れない商品がある場合には、本来の総金額よりも少額が特定されてしまうことになり、店側の損失となる。
【0004】
本発明は、RFIDを用いて有価物等の物品を検査する検査システムにおいて、RFタグが読み取れない物品があることを検知できる検査システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明では、RFタグから読み取った情報から計算される有価物の重量と、実際の有価物の重量とが一致しているかどうかを判定する検査装置を提供する。
【0006】
本発明の一態様の検査システムは、重量差により種類が特定可能な有価物を検査対象とし、当該有価物の情報を記録したRFタグを備えた有価物を検査する検査システムであって、台上に置かれた前記有価物のRFタグから前記有価物の情報を読み取るRF読取装置と、前記有価物の重量を計測記録する重量計測装置と、前記重量計測装置の計測結果を用いて、台上の前記有価物の総重量を把握する管理制御装置とを有し、前記管理制御装置は、RF読取装置から得た情報から前記有価物の規格上の重量を基にして台上の前記有価物の重量を把握すると共に、前記重量計測装置の計測結果を用いて当該有価物の台上の総重量を計測し、前記RF読取装置から得た前記有価物の計算上の重量と、前記重量計測装置の計測結果から得た前記有価物の総重量との比較を行い、有価物の総個数が一致しているかどうかを推定する機能を備えた構成を有している。
【0007】
この構成により、RFタグの情報に基づいて把握された重量と重量計測装置で計測された実際の重量とが比較されるので、RFタグの読み取りができない有価物があった場合には、それらの重量が一致しないことになる。よって、RFタグの読み取りができない有価物がある場合に、その存在を検知できる。
【0008】
上記の検査システムにおいて、前記RFタグの情報は、当該有価物の重量情報を含んでいてよく、前記管理制御装置は、RF読取装置から得た重量情報から台上の前記有価物の重量を把握する機能を備えていてよい。
【0009】
この構成により、管理制御装置は、RFタグから直接その有価物の規格上の重量を把握できる。
【0010】
上記の検査システムにおいて、前記管理制御装置は、RF読取装置からの情報から台上の前記有価物の種類毎の重量を把握すると共に、前記重量計測装置の計測結果を用いて当該有価物の台上の総重量を特定し、前記RF読取装置から得た前記有価物の種類毎の重量の総和に対する、前記重量計測装置の計測結果から得た前記有価物の総重量の超過重量を把握する機能を備えていてよい。
【0011】
この構成により、RFタグの情報に基づいて把握された重量と重量計測装置で計測された実際の重量とが一致しない場合に、重量計測装置で計測された実際の重量の超過分を把握できる。
【0012】
上記の検査システムにおいて、前記管理制御装置は、前記超過重量に基づき、前記RF読取装置から得た前記有価物の種類毎の重量の総和と前記重量計測装置の計測結果から得た前記有価物の総重量との不一致の原因となる前記有価物の種類、あるいは不一致の原因とはならない前記有価物の種類を特定する機能を備えていてよい。
【0013】
この構成により、管理制御装置は有価物の種類毎の重量を把握するので、重量計測装置にて計測された総重量の超過重量を把握することで、どの種類の有価物のRFタグが読み取れており、どの種類の有価物のRFタグが読み取れていないかを特定できる。
【0014】
上記の検査システムにおいて、前記管理制御装置は、前記RF読取装置からの情報から台上の前記有価物の総金額を把握する機能を備えていてよい。
【0015】
この構成により、台上の有価物の総金額が把握されるので、この総金額を用いて会計処理を行うことができる。
【0016】
本発明の他の態様の検査システムは、RFタグを備えた有価物を検査する検査システムであって、前記有価物に備えられた前記RFタグから前記有価物の情報を読み取るRF読取装置と、前記有価物の重量を計測する重量計測装置と、前記重量計測装置の計測結果を用いて、前記有価物の総重量を把握する管理制御装置とを有し、前記管理制御装置は、前記RF読取装置で読み取られた情報に基づいて前記有価物の重量を求め、求めた重量と前記重量計測装置で計測された重量とを比較して、両者が一致しているか否かを判定する。
【0017】
この構成により、RFタグから求めた重量と重量計測装置で計測された重量とを比較するので、両者が一致しない場合にはRFタグの読み取りができない有価物が存在することを把握できる。
【0018】
上記の検査システムにおいて、前記管理制御装置は、前記RF読取装置で読み取られた情報に基づいて前記有価物の価格を求め、求めた価格の情報を出力してよい。
【0019】
この構成により、価格の情報が出力されるので、出力された価格の情報を用いて有価物の会計処理を行うことができる。
【0020】
上記の検査システムにおいて、前記有価物の前記RFタグには、当該有価物の価格の情報が記憶されていてよく、前記管理制御装置は、前記RF読取装置で読み取られた情報に従って前記有価物の価格を求めてよい。
【0021】
この構成により、RFタグから直接価格の情報を読み取ることができる。
【0022】
上記の検査システムにおいて、前記有価物の前記RFタグには、当該有価物の種類を特定する情報が記憶されていてよく、前記検査システムは、さらに、前記有価物の種類を特定する情報と、当該種類の価格とを対応付けて記憶する記憶装置を備えていてよく、前記管理制御装置は、前記記憶装置を参照して、前記RF読取装置で読み取られた情報に対応づけられた価格を読み出すことにより前記有価物の価格を求めてよい。
【0023】
この構成により、RFタグに記憶された情報を基に記憶装置を参照することで、有価物の価格を求めることができる。
【0024】
本発明のさらに別の態様はレジシステムであって、このレジシステムは、上記の検査システムと、前記管理制御装置が出力する価格の情報に基づいて、会計処理を行うレジ装置とを備えた構成を有している。
【0025】
この構成により、RFIDと重量計測装置とを用いてすべての有価物に有効なRFタグが備えられていることを検査するとともに、RFタグに記憶されている価格の情報を用いて会計処理を行うことができる。
【0026】
本発明のさらに別の態様の検査システムは、所定の場所に置かれた前記物体のRFタグを読み取るRF読取手段と、前記所定の場所に置かれた前記物体の少なくとも数を、RFID以外の方法で検知する検知手段と、前記RF読取手段にて前記RFタグが読み取られた前記物体の数が前記検知手段で検知された数と一致しない場合に警報を生成する警報手段とを備えた構成を有している。
【0027】
この構成により、有効なRFタグを有していない物品が所定の場所に置かれた場合に警告を生成できる。
【0028】
上記の検査システムにおいて、前記検知手段は、所定の場所に置かれた前記物体の重量を計測する重量計測装置であってよく、重量によって前記所定の場所に置かれた前記物体の少なくとも数を検知してよい。
【0029】
この構成により、重量に基づいて物体の数を検知できる。
【0030】
上記の検査システムにおいて、前記警報手段は、前記RF読取手段によって読み取ったRFタグの情報に基づいて、所定の場所に置かれた前記物体の各々の重量を把握して、把握された当該重量と、前記重量計測装置にて計測された前記重量と比較することで、前記RF読取手段にて前記RFタグが読み取られた前記物体の数が前記検知手段で検知された数と一致するか否かを判定してよい。
【0031】
この構成により、重量に基づいて数の不一致を判定して警報を生成できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施の形態のレジシステムが適用された店舗のレジを示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1の実施の形態の検査システムを含むレジシステムの構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1の実施の形態のRFタグに記憶されている情報を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1の実施の形態の管理制御装置における処理を説明する図である。
【
図5】
図5は、本発明の第2の実施の形態のRFタグに記憶される情報を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の第2の実施の形態の管理制御装置における処理を説明する図である。
【
図7】
図7は、第3の実施の形態における検査システムの構成を示す図である。
【
図8】
図8は、第3の実施の形態における遊技用貨幣の斜視図である。
【
図9】
図9は、第3の実施の形態における遊技用貨幣の側面図である。
【
図10】
図10は、第3の実施の形態における複数の遊技用貨幣を撮影して得られた画像の例を示す図である。
【
図11】
図11は、第3の実施の形態におけるコード情報の構成を説明するための図である。
【
図12】
図12は、第3の実施の形態における検査装置の構成を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、第3の実施の形態におけるケースの斜視図である。
【
図14】
図14は、第3の実施の形態における変形例のケースの斜視図である。
【
図15】
図15は、第3の実施の形態における変形例のケースの平面図である。
【
図16】
図16は、第3の実施の形態における遊技用貨幣の流通とともに検査システムの利用態様の例を説明する図である。
【
図17】
図17は、第3の実施の形態における使用管理装置に記憶される情報の内容の例を示す図である。
【
図18】
図18は、第3の実施の形態における読み出される情報の内容の例を示す図である。
【
図19】
図19は、第3の実施の形態における第1の合否判定方法を説明する図である。
【
図20】
図20は、第3の実施の形態における第2の合否判定方法を説明する図である。
【
図21】
図21は、第3の実施の形態における第3の合否判定方法を説明する図である。
【
図22】
図22は、第3の実施の形態における第4の合否判定方法を説明する図である。
【
図23】
図23は、第3の実施の形態における第5の合否判定方法を説明する図である。
【
図24】
図24は、第3の実施の形態における合否判定の結果(合格)を示す合否結果表示画面の例を示す図である。
【
図25】
図25は、第3の実施の形態における合否判定の結果(不合格)を示す合否結果表示画面の例を示す図である。
【
図26】
図26は、第3の実施の形態における検査装置のRFIDアンテナの変形例を示す図である。
【
図27】
図27は、第3の実施の形態における変形例の遊技用貨幣の側面図である。
【
図28】
図28は、第3の実施の形態における変形例の遊技用貨幣の側断面図である。
【
図29】
図29は、第3の実施の形態における変形例の遊技用貨幣の斜視図である。
【
図30】
図30は、第3の実施の形態における変形例の遊技用貨幣の側面図である。
【
図31】
図31は、第3の実施の形態における変形例の遊技用貨幣の平面図である。
【
図32】
図32は、第3の実施の形態における積み重ねられた遊技用貨幣を撮影して得られた画像の例を示す図である。
【
図33】
図33は、第3の実施の形態における変形例の検査システムの構成を示す図である。
【
図34】
図34は、第3の実施の形態における変形例の検査システムの構成を示す図である。
【
図35】
図35は、第4の実施の形態における検査システムの構成を示す図である。
【
図36】
図36は、第4の実施の形態における検査装置の構成を示すブロック図である。
【
図37】
図37は、第4の実施の形態におけるケースの斜視図である。
【
図38】
図38、第4の実施の形態における変形例のケースの斜視図である。
【
図39】
図39は、第4の実施の形態における変形例のケースの平面図である。
【
図40】
図40は、第4の実施の形態における遊技用貨幣の側断面図である。
【
図41】
図41は、第4の実施の形態における積み重ねられた遊技用貨幣を撮影して得られた画像の例を示す図である。
【
図42】
図42は、第4の実施の形態における合否判定の結果(合格)を示す合否結果表示画面の例を示す図である。
【
図43】
図43は、第4の実施の形態における合否判定の結果(不合格)を示す合否結果表示画面の例を示す図である。
【
図44】
図44は、第4の実施の形態における遊技用貨幣の流通とともに検査システムの利用態様の例を説明する図である。
【
図45】
図45は、第4実施の形態の別の実施の形態における検査装置の構成を示す図である。
【
図46】
図46は、第5の実施の形態の遊技用貨幣を収容する遊技用貨幣トレイの平面図である。
【
図47】
図47は、第5の実施の形態のRFリーダのアンテナを示す図である。
【
図48】
図48は、第5の実施の形態の溝の拡大平面図及び正面方向の断面図である。
【
図49】
図49は、第5の実施の形態の検査システムの全体構成を示す図である。
【
図50】
図50は、第5の実施の形態の遊技用貨幣トレイの他の例を示す平面図である。
【
図51】
図51は、第5の実施の形態の遊技用貨幣トレイのさらに他の例を示す平面図である。
【
図52】
図52は、第5の実施の形態の遊技用貨幣トレイのさらに他の例を示す平面図である。
【
図53】
図53は、第5の実施の形態のRFアンテナの他の構成を示す図である。
【
図54】
図54は、第5の実施の形態の検知手段としてラインセンサを用いる遊技用貨幣トレイの1つの溝を示す図である。
【
図56】
図56は、第5の実施の形態の検知手段としてスキャナを用いる遊技用貨幣トレイの1つの溝を示す図である。
【
図58】
図58は、第5の実施の形態の検知手段としてレーザ測距器を用いる遊技用貨幣トレイの1つの溝を示す図である。
【
図60】
図60は、第5の実施の形態の検知手段として重量計を用いる遊技用トレイの1つの溝を示す図である。
【
図62】
図62は、第5の実施の形態のスペーサによって溝の空いているスペースを埋めた状態を示す図である。
【
図64】
図64は、第5の実施の形態のRFタグを内蔵した物体を検査する検査システムの全体構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する場合の一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的構成に限定するものではない。本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じた具体的構成が適宜採用されてよい。
【0034】
<<第1の実施の形態>>
図1は、本発明の第1の実施の形態のレジシステムが適用された店舗のレジを示す図である。店舗のレジでは、会計テーブルTを挟んで店員Sと客Cが相対している。客Cは購入したい有価物としての商品9を会計テーブルTの載置台21に載せて、店員Sに会計処理を依頼する。なお、本実施の形態のレジシステムを採用することで、店員Sを不要とすることができ、無人のセルフレジを実現することも可能である。
【0035】
会計テーブルTには、載置台21が会計テーブルTの表面とほぼ同一面となるように重量計測装置2が会計テーブルTに埋め込まれる。載置台21の内部には、RF読取装置としてのRFリーダ1のRFアンテナ11が埋め込まれる。なお、RFアンテナ11は、載置台21の下部、あるいは他の個所に設けられてもよく、載置台21上の商品9のRFタグ8を読み取ることができるように設置されていればよい。
【0036】
会計テーブルTには、レジ装置5が設置される。RFアンテナ11を含むRFリーダ1、載置台21を含む重量計測装置2、及びレジ装置5はそれぞれ管理制御装置3に接続される。管理制御装置3はコンピュータであり、RFリーダ1及び重量計測装置2から情報を受け取るとともに、レジ装置5に対して情報を出力する。また、管理制御装置3には、記憶装置4が接続される。
【0037】
管理制御装置3は、RFリーダ1及び重量計測装置2からの情報に基づいて、載置台21に載せられた商品の価格を求めて、レジ装置5に出力する。レジ装置5は、管理制御装置3から得た価格の情報に従って会計処理を行う。よって、店員Sが、商品9のバーコード等を一つずつスキャンしなくても商品の総金額がレジ装置5に与えられる。
【0038】
図2は、本発明の第1の実施の形態の検査システムを含むレジシステムの構成を示すブロック図である。レジシステム100は、検査システム10とレジ装置5とを備えている。また、検査システム10は、RFリーダ1と、重量計測装置2と、管理制御装置3と、記憶装置4とを備えている。上述のように、RFリーダ1、重量計測装置2、及び記憶装置4は、それぞれ管理制御装置3に接続されている。検査システム10は、商品9を検査対象として検査を行うシステムである。商品9は、重量差により種類が特定可能である。また、商品9は、当該商品9の情報を記録したRFタグ8を備えている。
【0039】
RFリーダ1は、載置台21上に置かれた商品9のRFタグ8から当該商品9の情報を読み取る。RFリーダ1は、載置台21上に置かれた商品9が複数ある場合には、それらの複数の商品のRFタグ8を一括して読み取ることができる。RFリーダ1は、
図4に示すように、RFアンテナ11とリーダ本体12とを備えている。
【0040】
RFアンテナ11は、RFタグ8に電波又は磁界を送信し、RFタグ8から電波又は磁界を受信する。リーダ本体12は、RFアンテナ11でRFタグ8から受信した電波又は磁界から情報を取り出すことで、RFタグ8に記憶されている情報を読み出す。リーダ本体12は、読み取った情報を管理制御装置3に出力し、記録装置4に記録する。
【0041】
重量計測装置2は、載置台21と計測処理装置22とを備えている。計測処理装置22は、載置台21に商品9が載置されて商品9の自重によって載置台21が押し下げられ、又は変形すると、その押下量又は変形量を商品9の重量として計測する。計測処理装置22は、計測結果(重量の情報)を管理制御装置3に出力して、記録装置4に記録する。
【0042】
管理制御装置3は、RFリーダ1で読み取られた情報に基づいて商品9の重量を求め、求めた重量と重量計測装置2で計測された重量とを比較して、両者が一致するか否かを判定する。このために、管理制御装置3は、まず、重量計測装置2の計測結果を用いて、載置台21上の商品9の総重量を把握する。また、管理制御装置3は、RFリーダ1から得た情報から商品9の規格上の重量を基にして載置台21上の商品9の重量を把握する。
【0043】
図3は、本発明の第1の実施の形態のRFタグに記憶されている情報を示す図である。RFタグ8には、それが付される商品9の規格上の重量の情報と、当該商品9の価格の情報が記憶されている。なお、RFタグ8には、商品に関するその他の情報、例えば、商品の種類を示す情報、賞味期限を示す情報等が記憶されていてもよい。
【0044】
図4は、本発明の第1の実施の形態の管理制御装置における処理を説明する図である。
図4の例では、載置台21の上には、3個の種類aの商品9a、及び2個の種類bの商品9bの合計5個の商品9が載せられている。各商品9a、9bは、それぞれRFタグ8を備えている。商品9aのRFタグ8には、重量waと価格paの情報が記憶されており、商品9bのRFタグ8には、重量wbと価格pbの情報が記憶されている。なお、重量waと重量wbは異なる。
【0045】
管理制御装置3は、RFリーダ1から得た重量の情報から商品9の規格上の重量を基にして載置台21上の商品9の種類毎の重量及びその総和Wrfを把握する。
図4の例の場合には、RFリーダ1において、5個の商品9から3個の重量waと2個の重量wbの情報が得られ、管理制御装置3はこれらの情報を取得して、それらの総重量(Wrf=3×wa+2×wb)を求める。また、管理制御装置3は、重量計測装置2の計測結果を用いて当該商品9の台上の総重量を計測する。
図4の例では、計測処理装置22において、5個の商品9の総重量Wが得られ、管理制御装置3はこの情報を取得して、商品9の総重量Wを把握する。
【0046】
管理制御装置は、RFリーダ1から得た商品9の計算上の重量Wrfと、重量計測装置2の計測結果から得た商品9の総重量Wとを比較して、総重量Wの超過重量(W-Wrf)を求める。管理制御装置3は、この総重量Wの超過重量がゼロ又はゼロから所定の許容誤差内にある場合には、商品9の総個数が一致していると推定する。なお、許容誤差は、商品の最小の重量よりも十分に小さく設定される。
【0047】
一方、商品9の中に有効なRFタグ8を有していない商品がある場合には、RFリーダ1から得た商品9の計算上の重量Wrfと重量計測装置2の計測結果から得た商品9の総重量Wとが一致しないことになり(総重量Wの超過重量が許容誤差を超えることとなり)、管理制御装置3は、RFリーダ1でRFタグ8を読み取った商品9の総個数と重量計測装置2で重量が計測された商品9の総個数とが一致しないと推定する。
【0048】
また、管理制御装置3は、超過重量が許容誤差を超える場合には、超過重量(W-Wrf)に基づき、RFリーダ1から得た商品9の種類毎の重量の総和と重量計測装置2の計測結果から得た商品9の総重量Wとの不一致の原因となる商品9の種類、あるいは不一致の原因とはならない商品9の種類を特定する。
【0049】
図4の例の場合に、例えば、超過重量(W-Wrf)がwaである場合には、種類aの商品9aのいずれか1つにおいて有効なRFタグ8が付されていないことが分かる。また、例えば、超過重量(W-Wrf)が(wa+wb)である場合には、種類aの商品9aのいずれか1つ、及び種類bの商品9bのいずれか1つにおいて有効なRFタグ8が付されていないことが分かる。
【0050】
管理制御装置3は、さらに、RFリーダ1から取得した価格の情報から載置台21上の商品9の総金額を把握する。上述のように、各商品9に付されたRFタグ8には当該商品9の価格の情報が記憶されており、管理制御装置3は、RFリーダ1から各商品9の価格の情報を取得するので、これらの総和を求めることで総金額を把握することができる。
図4の例の場合には、RFリーダ1において、5個の商品9から3個の価格paと2個の価格pbの情報が得られ、管理制御装置3はこれらの情報を取得して、それらの総和(P=3×pa+2×pb)を求める。
【0051】
管理制御装置3は、RFリーダ1でRFタグ8を読み取った商品9の総個数と重量計測装置2で重量が計測された商品9の総個数とが一致する場合に、求めた総金額Pをレジ装置5に出力する。管理制御装置3は、RFリーダ1でRFタグ8を読み取った商品9の総個数と重量計測装置2で重量が計測された商品9の総個数とが一致しない場合には、レジ装置5に総金額Pを出力する代わりに警報を出力する。このとき、管理制御装置3は、警報手段として機能する。警報は、視覚、聴覚等によって知覚できる方法で出力される。警報手段は、例えば、ランプ、ブザー等であってよい。
【0052】
レジ装置5は、管理制御装置3から総金額Pの情報を取得した場合には、その金額に従って、会計処理を行う。なお、レジ装置5に従来のバーコードリーダを接続し、RFIDにより価格が把握できない商品9が含まれている場合には、すべての商品9について、従来どおりバーコード読み取りによって会計処理を行うようにしてよい。
【0053】
以上のように、本実施の形態のレジシステム100によれば、商品9にRFタグ8を持たせることで、会計テーブルTにおいてRFIDを利用して商品の価格を一括して把握でき、同時にRFタグ8に商品9の重量を特定するための情報を記憶しておくとともに商品の実際の重量の計測も行い、RFタグ8から求めた理論上の総重量と実際の計量で得られた総重量とを比較することで有効なRFタグ8を有していない商品の存在を把握できる。よって、有効なRFタグ8を有していない商品9の価格の計上漏れによる商品販売者の損失を回避できる。
【0054】
<<第2の実施の形態>>
第1の実施の形態では、商品9に付されるRFタグ8に、当該商品9の規格上の重量と価格の情報が記憶された。しかし、商品9の規格上の重量と価格の情報はRFタグ8に記憶されていなくてもよい。
図5は、本発明の第2の実施の形態のRFタグに記憶される情報を示す図である。本実施の形態では、商品9に付されるRFタグ8には、当該商品の種類を特定する情報が記憶される。以下の説明において、第1の実施の形態と同様の部分については、適宜説明を省略する。
【0055】
図6は、本発明の第2の実施の形態の管理制御装置における処理を説明する図である。
図6の例では、
図4の例と同様に、載置台21上には、3個の種類aの商品9a、及び2個の種類bの商品9bの合計5個の商品9が載せられている。各商品9a、9bは、それぞれRFタグ8を備えている。商品9aのRFタグ8には、種類aの情報が記憶されており、商品9bのRFタグ8には、種類bの情報が記憶されている。
【0056】
図6に示すように、本実施の形態では、記憶装置4に、各商品9の種類の情報と、重量の情報と、価格の情報とが互いに対応付けられて記憶されている。
図6の例の場合には、記憶装置4には、種類aの商品9aについて、種類aと重量waと価格paとが互いに対応づけて記憶されており、種類bの商品9bについて、種類bと重量wbと価格pbとが互いに対応づけて記憶されている。
【0057】
RFリーダ1は、載置台21上に載置された商品9について、それらのRFタグ8を一括して読み取る。
図6の例の場合には、5個の商品9から3個の種類a、及び2個の種類bの情報を読み取る。管理制御装置3は、これらの情報を取得して、記憶装置4を参照して、RFリーダ1で読み取られた情報に対応づけられた重量及び価格を読み出す。
図6の例の場合には、管理制御装置3は、記憶装置4を参照することで、種類aの商品9aについて重量waと価格paを取得し、種類bの商品9bについて重量wbと価格pbを取得する。
【0058】
管理制御装置3は、商品9aについては、RFリーダ1から3個の種類aがあるという情報を得ているので、種類aの重量wa及び価格paをそれぞれ3倍し、商品9bについては、RFリーダ1から2個の種類bがあるという情報を得ているので、種類bの重量wb及び価格pbをそれぞれ2倍し、重量及び価格について、それぞれの総計、即ち総重量Wrf及び総金額Pを求める。
【0059】
管理制御装置3は、第1の実施の形態と同様にして、RFタグ8の読み取りに基づいて把握した総重量Wfと重量計測装置2から取得した実際の商品の総重量Wとを比較し、一致している場合には、RFリーダ1で検知された商品9の総個数と計量測定装置3で計量された商品9の総個数とが一致しており、すべての商品9に有効なRFタグ8が付されていると推定して、総金額Pをレジ装置5に出力する。一方、一致しない場合には商品9に有効なRFタグ8が付されていないものが存在していると推定して、警報を出力する。その詳細は第1の実施の形態と同様である。
【0060】
以上のように、本実施の形態のレジシステム100においても、第1の実施の形態と同様に、商品9にRFタグ8を持たせることで、会計テーブルTにおいてRFIDを利用して商品の価格を一括して把握でき、同時にRFタグ8に商品9の重量を特定するための情報を記憶しておくとともに商品の実際の重量の計測も行い、RFタグ8から求めた理論上の総重量と実際の計量で得られた総重量とを比較することで有効なRFタグ8を有していない商品の存在を把握できる。よって、有効なRFタグ8を有していない商品9の価格の計上漏れによる商品販売者の損失を回避できる。
【0061】
(第1及び第2の実施の形態の変形例)
上記の実施の形態では、有価物の例として店舗で販売される商品を例示したが、有価物はこれに限られず、例えば、カジノ施設において現金と引き換えに客に渡される遊技用代用貨幣であってもよい。また、本発明の検査システムは、有価物以外の一般の物品を検査対象としても応用される。
【0062】
また、上記の実施の形態では、商品9に付されるRFタグ8には重量及び価格の情報(第1の実施の形態)又は種類を特定する情報(第2の実施の形態)が記憶されたが、重量及び価格の情報と種類を特定する情報の何れもが記憶されてよく、重量の情報と種類を特定する情報が記憶されるとともに記憶装置4に種類を特定する情報と価格の情報とが対応付けて記憶されてもよく、あるいは、価格の情報と種類を特定する情報が記憶されるとともに記憶装置4に種類を特定する情報と重量の情報とが対応付けて記憶されてもよい。
【0063】
また、上記の実施の形態では、有効なRFタグを持たない物品を検出するために、RFID以外の手段で物品の存在を検知する手段として、商品9の重量を計測する重量計測装置2を採用したが、RFID以外の手段で物品の存在を検知する手段は、重量計測装置2に限られない。
【0064】
例えば、カメラと画像認識装置とを用いて物品を検知してもよい。この場合には、カメラはRFIDの読み取り位置に置かれた物品を撮影し、画像認識装置は撮影画像に対して画像認識をすることで物品の種類を判別する。一方、RFタグにも物品の種類を特定する情報を記憶しておく。管理制御装置3は、画像認識装置にて判別された物品の種類とRFIDで検知された物品の種類とが(物品が複数ある場合にはその組み合わせについて)一致するか否かによって、有効なRFタグを有しない物品の存在を検知する。
【0065】
<<第3の実施の形態>>
第3の実施の形態は、遊技用貨幣を検査する検査システム及び検査装置に関し、特に、ケースに収容された複数の遊技用貨幣を検査する検査システム及び検査装置に関する。
【0066】
カジノ等の遊技場で用いられる遊技用貨幣は、工場で製造されてから遊技場に運搬されて保管庫に保管され、保管庫から場内のキャッシャやゲームテーブルに移動されるが、この運搬、保管、移動の過程で遊技用貨幣が盗まれ、又は偽物とすり替えられることを防止する必要がある。このために、遊技用貨幣を収容するケースが用いられる。このケースが複数の遊技用貨幣を収容した後に封印されることで、封印後にケースから遊技用貨幣が抜き取られた事態が発見可能となる。
【0067】
遊技用貨幣として、識別情報や種類の情報を記憶した無線タグを内蔵するとともに側面に識別情報や種類の情報を示す光学的に読み取り可能なコード情報を付与したものが知られている(例えば、特開2009-66172号公報)。
【0068】
特開2009-66172号公報には、遊技用貨幣を用いたシステムが開示されている。このシステムは、遊技テーブルのベット用ボードに置かれた遊技用貨幣について、無線タグに記憶された識別情報に基づいて遊技用貨幣の枚数を算出し、かつ、側面に付与された識別情報に基づいて遊技用貨幣の枚数を算出し、それらを照合する。これにより、ゲームテーブルで不正な遊技用貨幣が用いられた場合に、これを検出することができる。
【0069】
しかしながら、特開2009-66172号公報に開示されたシステムは、ベットされた(ベット用ボードに置かれた)遊技用貨幣の枚数を算出して不正を検出するものであるので、このシステムによっても、ケースに収容された複数の遊技用貨幣について、ケースに収容されたままの状態で検査をして、不正な遊技用貨幣を検出することはできない。
【0070】
そこで、第3の実施の形態は、ケースに収容された複数の遊技用貨幣について、ケースに収容されたままの状態で検査することができる検査システム及び検査装置を提供することを目的とする。
【0071】
第3の実施の形態の第1の態様の検査システムは、少なくとも第1貨幣情報と第2貨幣情報とを有する遊技用貨幣を検査する検査システムであって、前記第2貨幣情報は、光学的に読み取り可能な形態で前記遊技用貨幣の側面に設けられており、複数の遊技用貨幣を重ねて収容するケースと、前記ケースに収容された遊技用貨幣を検査する検査装置とを備え、前記検査装置は、前記ケースに収容された遊技用貨幣の前記第1貨幣情報を取得する第1読取装置と、前記ケースに収容された遊技用貨幣の側面を光学的に読み取って第2貨幣情報を取得する第2読取装置と、前記第1読取装置で取得された第1貨幣情報と前記第2読取装置で取得された第2貨幣情報とを用いて、前記ケースに存在するすべての遊技用貨幣の真贋・破損もしくは価値毎の枚数を判定することで、当該ケースに収容された複数の遊技用貨幣の合否を判定する判定部とを備えた構成を有する。
【0072】
この構成により、第1読取部及び第2読取部は、いずれもケースに収容された遊技用貨幣から第1貨幣情報及び第2貨幣情報を取得するので、ケースに収容された状態の遊技用貨幣に対して検査をすることができる。また、第1貨幣情報と第2貨幣情報という2つの情報を遊技用貨幣から取得して検査を行うので、合否の判定を確実に行うことができる。
【0073】
第3の実施の形態の第2の態様の検査システムは、第1の態様の検査システムにおいて、共通の遊技用貨幣における前記第1貨幣情報と前記第2貨幣情報とは共通の情報を含み、前記判定部は、前記第1読取装置で取得された複数の前記第1貨幣情報と前記第2読取装置で取得された複数の前記第2貨幣情報の共通の情報部分が一致しない場合に、当該ケースに収容された複数の遊技用貨幣を不合格と判定する。
【0074】
この構成により、第1貨幣情報と第2貨幣情報との共通の情報部分が一致しない不正な遊技用貨幣がケース内に存在しているときに、判定部はそのケースに収容された遊技用貨幣を不合格とすることができる。
【0075】
例えば、無線タグと側面に共通の識別情報が記録されている場合は、複数の無線タグから読み出された複数の識別情報と、複数の側面から読み出された複数の識別情報とが完全に一致しない場合に、不合格となる。また、無線タグと側面に当該遊技用貨幣の価値が記録されている場合は、無線タグから読み出された各価値の数と、側面から読み出された各価値の数とが一致しない場合に、不合格となる。
【0076】
第3の実施の形態の第3の態様の検査システムは、第1の態様の検査システムにおいて、前記第1貨幣情報と前記第2貨幣情報の両方または一方は、個別に遊技用貨幣を識別する個別識別情報を含む。
【0077】
第3の実施の形態の第4の態様の検査システムは、第1の態様の検査システムにおいて、前記第2貨幣情報は、前記遊技用貨幣の価値を表す指定色で表現される情報を含み、前記指定色で遊技用貨幣の価値を示す情報である。
【0078】
第3の実施の形態の第5の態様の検査システムは、第3の態様の検査システムにおいて、前記第1貨幣情報と前記第2貨幣情報の両方が個別識別情報を含み、前記第1読取装置で取得された複数の前記第1貨幣情報と前記第2読取装置で取得された複数の前記第2貨幣情報の個別識別情報とが一致しない場合に、当該ケースに収容された複数の遊技用貨幣を不合格と判定する。
【0079】
この構成により、第1貨幣情報の個別識別情報と第2貨幣情報の個別識別情報が一致しない不正な遊技用貨幣がケース内に存在しているときに、判定部はそのケースに収容された遊技用貨幣を不合格とすることができる。
【0080】
第3の実施の形態の第6の態様の検査システムは、第1の態様の検査システムにおいて、前記ケースに収容されているべき複数の遊技用貨幣の少なくとも前記第1貨幣情報または前記第2貨幣情報の個別識別情報を記憶した記憶部をさらに備え、前記判定部は、前記第1読取装置で取得された複数の前記第1貨幣情報または前記第2読取装置で取得された複数の前記第2貨幣情報の個別識別情報が、前記記憶部に記憶された前記第1貨幣情報または前記第2貨幣情報の個別識別情報と一致しない場合に、当該ケースに収容された複数の遊技用貨幣を不合格と判定する。
【0081】
この構成により、第1貨幣情報又は第2貨幣情報が不正確である不正な遊技用貨幣がケース内に存在しているときに、判定部はそのケースに収容された遊技用貨幣を不合格とすることができる。
【0082】
例えば、無線タグに文字で表現される個別識別情報が記録されており、側面に数字で表現される個別識別情報が記録されている場合は、記憶部にも、ケースごとに、無線タグ用に文字で表現される複数の個別識別情報が記憶されており、側面用に数字で表現される複数の個別識別情報が記憶されており、複数の無線タグから読み出した複数の個別識別情報がそのケースの無線タグ用として記憶部に記憶された複数の個別識別情報と一致せず、または、複数の側面から読み出した複数の個別識別情報がそのケースの側面用として記憶部に記憶された複数の個別識別情報と一致しない場合に、不合格となる。
【0083】
第3の実施の形態の第7の態様の検査システムは、第1の態様の検査システムにおいて、前記第1貨幣情報と前記第2貨幣情報との対応関係を記憶した記憶部をさらに備え、前記判定部は、前記第1読取装置で取得された複数の前記第1貨幣情報と前記第2読取装置で取得された複数の前記第2貨幣情報とが、前記記憶部に記憶された前記対応関係と符合しない場合に、当該ケースに収容された複数の遊技用貨幣を不合格と判定する。
【0084】
この構成により、第1貨幣情報と第2貨幣情報との対応関係が不正確な遊技用貨幣がケース内に存在しているときに、不合格とすることができる。
【0085】
例えば、無線タグに識別情報が記録されており、側面に価値が記録されている場合には、記憶部には、各識別情報にいずれかの価値が割り当てられて記憶されており、複数の無線タグから読み出した複数の識別情報について、記憶部を参照して、各価値の個数を求め、側面から読み出した各価値の個数がこれと一致しない場合に、不合格となる。逆に、無線タグに価値が記録されており、側面に識別情報が記録されている場合も同様である。これらの場合に、記憶部では、どのケースにどの識別情報の遊技用貨幣が含まれているかを記憶しておく必要はない。
【0086】
第3の実施の形態の第8の態様の検査システムは、第1ないし第7のいずれかの態様の検査システムにおいて、前記判定部は、前記第1読取装置で取得された前記第1貨幣情報及び前記第2読取装置で取得された前記第2貨幣情報の数が所定数でない場合に、当該ケースに収容された複数の遊技用貨幣を不合格と判定する。
【0087】
この構成により、ケースから遊技用貨幣が抜き取られ、あるいはケースに遊技用貨幣が追加されているときに、判定部はそのケースに収容された遊技用貨幣を不合格とすることができる。
【0088】
例えば、ケースの収容枚数が100枚である場合は、無線タグから読み出した第1貨幣情報又は側面から読み出した第2貨幣情報のいずれかが100個でない場合に不合格となる。
【0089】
第3の実施の形態の第9の態様の検査システムは、第1ないし第8のいずれかの態様の検査システムにおいて、前記遊技用貨幣は、前記第2貨幣情報に前記遊技用貨幣の価値を示す色情報を含み、前記第1貨幣情報に前記遊技用貨幣の価値を識別する価値情報を含み、前記判定部は、前記色情報と前記第1貨幣情報の価値情報とが一致しない場合に当該ケースに収容された複数の遊技用貨幣を不合格と判定する。
【0090】
第3の実施の形態の第10の態様の検査システムは、第9の態様の検査システムにおいて、前記第2貨幣情報は前記色情報に加えて前記遊技用貨幣の価値情報を更に含み、前記判定部は、前記第2貨幣情報における色情報による前記遊技用貨幣の価値が、前記第2貨幣情報の価値情報及び前記第1貨幣情報の価値情報の両方あるいは一方と一致しない場合に、当該ケースに収容された複数の遊技用貨幣を不合格と判定する。
【0091】
第3の実施の形態の第11の態様の検査システムは、第1ないし第10のいずれかの態様の検査システムにおいて、前記遊技用貨幣は前記第1貨幣情報を備えた無線タグを有する。
【0092】
第3の実施の形態の第12の態様の検査システムは、第1ないし第11のいずれかの態様の検査システムにおいて、前記第1貨幣情報と前記第2貨幣情報の少なくとも一方または両方は前記遊技用貨幣が属するグループを示すグループ情報を含み、前記グループは、前記遊技用貨幣の価値、製造時期、製造者、及び/又は使用遊技場によって分けられるグループである。
【0093】
第3の実施の形態の第13の態様の検査システムは、第10の態様の検査システムにおいて、前記判定部は、前記色情報と前記第1貨幣情報および前記第2貨幣情報の価値情報または共通の情報または個別識別情報の少なくとも一つとが一致しない場合に当該ケースに収容された複数の遊技用貨幣を不合格と判定する。
【0094】
第3の実施の形態の第14の態様の検査システムは、第10の態様の検査システムにおいて、前記判定部は、前記色情報または前記第1貨幣情報または前記第2貨幣情報の価値情報に基づいて、前記ケースに収容された複数の前記遊技用貨幣の価値毎の枚数、またはすべての前記遊技用貨幣の価値の総額を判定する。
【0095】
第3の実施の形態の第15の態様の検査システムは、第1の態様の検査システムにおいて、前記第2貨幣情報は、前記遊技用貨幣の側面において前記遊技用貨幣の価値を表す指定色で表現される情報を含み、前記指定色で遊技用貨幣の価値を示す情報であり、前記第2読取装置は、前記ケースに収容された複数の遊技用貨幣の側面を撮影するカメラと、前記カメラが撮影した画像を分析して、前記複数の遊技用貨幣の各々の指定色を特定し、特定した指定色に従って前記複数の遊技用貨幣の価値を特定する識別部とを備える。
【0096】
この構成により、判定部は遊技用貨幣の価値の情報を用いて合否を判定できる。
【0097】
第3の実施の形態の第16の態様の検査システムは、第15の態様の検査システムにおいて、前記第2貨幣情報を表現する前記指定色は、遊技用貨幣の側面において、価値の異なる遊技用貨幣について共通に付与される共通色によって、前記遊技用貨幣の厚さ方向に挟まれている。
【0098】
この構成により、ケース内で複数の遊技用貨幣が積み重ねられていても、識別部は側面の画像から共通色に挟まれた指定色を抽出することで、ケース内の複数の遊技用貨幣の種類を特定できる。
【0099】
第3の実施の形態の第17の態様の検査システムは、第1の態様の検査システムにおいて、前記第2貨幣情報は、側面に光学的に読み取り可能に表記された表記情報であり、前記第2読取装置は、前記ケースに積載して収容された複数の遊技用貨幣の側面を撮影するカメラと、前記カメラが撮影した画像を分析して前記複数の遊技用貨幣の各々の表記情報を特定し、特定した表記情報に従って前記複数の遊技用貨幣の各々の前記第2貨幣情報を特定する識別部とを備える。
【0100】
この構成により、判定部は遊技用貨幣の表記情報を用いて合否を判定できる。
【0101】
第3の実施の形態の第18の態様の検査システムは、第17の態様の検査システムにおいて、前記表記情報は、赤外線に反応して発光する赤外線反応インク又は赤外線を吸収する赤外線吸収インクで表記されており、前記カメラは、赤外線カメラである。
【0102】
この構成により、側面に付された識別情報を自然光下で視認できないようにできる。
【0103】
第3の実施の形態の第19の態様の検査システムは、第17の態様の検査システムにおいて、前記表記情報は、紫外線に反応して発光するインクで表記されており、前記検査装置は、前記ケースに収容された複数の遊技用貨幣の側面に紫外線を照射する紫外線照射部をさらに備えている。
【0104】
この構成によっても、側面に付された識別情報を自然光下で視認できないようにできる。
【0105】
第3の実施の形態の第20の態様の検査システムは、第1の態様の検査システムにおいて、前記ケースには、収容された前記遊技用貨幣を取出し可能に開けると破壊される封印がされており、前記検査装置は、未破壊の前記封印を検出する検出部をさらに備え、前記判定部は、前記検出部にて未破壊の前記封印が検出されない場合に、前記ケースに収容された複数の遊技用貨幣を不合格と判定する。
【0106】
この構成により、封印が破壊されたときに、判定部はそのケースに収容された遊技用貨幣を不合格とすることができる。
【0107】
第3の実施の形態の第21の態様の検査システムは、第1の態様の検査システムにおいて、前記ケースは、光透過部分を有し、前記第2読取装置は、前記光透過部分を介して前記ケースに収容された遊技用貨幣の側面を光学的に読み取る。
【0108】
この構成により、ケースを閉じたまま第2貨幣情報を読み取ることができる。
【0109】
第3の実施の形態の第22の態様の検査システムは、第21の態様の検査システムにおいて、前記光透過部分は、透明の部材で構成される。
【0110】
この構成により、ケースにおいて光透過部分も含めて密閉構造とすることができる。
【0111】
第3の実施の形態の第23の態様の検査システムは、第1の態様の検査システムにおいて、前記検査装置は、前記ケースを受け入れるケース受入部を備えている。
【0112】
この構成により、ケースをケース受け入れ部に配置することで、第1貨幣情報及び第2貨幣情報を読み取ることができる。
【0113】
第3の実施の形態の第24の態様の検査システムは、第21の態様の検査システムにおいて、前記ケースは、持ち運び可能である。
【0114】
この構成により、ケースが工場からテーブルやキャッシャまで移動する過程の任意のポイントでケース内の遊技用貨幣の検査を行うことができる。
【0115】
第3の実施の形態の第25の態様の検査システムは、第1の態様の検査システムにおいて、前記ケースは、ゲームテーブルにおいて前記遊技用貨幣を保持する2段式のチップフロートまたはチップトレイである。
【0116】
第3の実施の形態の第26の態様の検査システムは、側面に価値を表す指定色及び光学的に読み取り可能に表記された表記情報が付与された遊技用貨幣を検査する検査システムであって、複数の遊技用貨幣を重ねて収容するケースと、前記ケースに収容された遊技用貨幣を検査する検査装置とを備え、前記検査装置は、前記ケースに収容された遊技用貨幣の側面を撮影するカメラと、前記カメラが撮影した画像を分析して、前記複数の遊技用貨幣の各々の前記指定色及び前記表記情報を特定する識別部と、前記識別部で特定した前記指定色と前記表記情報とに基づいて、前記ケースごとに遊技用貨幣の合否を判定する判定部とを備えた構成を有する。
【0117】
この構成により、識別部はケースに収容された遊技用貨幣について指定色及び表記情報を特定するので、ケースに収容された状態の遊技用貨幣に対して検査をすることができる。また、指定色と表記情報という2つの情報を遊技用貨幣の側面から特定して検査を行うので、合否の判定を確実に行うことができる。
【0118】
第3の実施の形態の第27の態様の検査システムは、貨幣情報を記憶した無線タグを内蔵するとともに側面に価値を表す指定色が付与された遊技用貨幣を検査する検査システムであって、複数の遊技用貨幣を重ねて収容するケースと、前記ケースに収容された遊技用貨幣を検査する検査装置とを備え、前記検査装置は、前記ケースに収容された遊技用貨幣の無線タグを読み取って前記貨幣情報を取得する読取部と、前記ケースに収容された遊技用貨幣の側面を撮影するカメラと、前記カメラが撮影した画像を分析して、前記複数の遊技用貨幣の各々の前記指定色を特定する識別部と、前記読取部で取得された前記貨幣情報と前記識別部で特定した前記指定色とに基づいて、前記ケースごとに遊技用貨幣の合否を判定する判定部とを備えた構成を有する。
【0119】
この構成により、読取部は、ケースに収容された遊技用貨幣から貨幣情報を取得するとともに、識別部もケースに収容された遊技用貨幣について指定色を特定するので、ケースに収容された状態の遊技用貨幣に対して検査をすることができる。また、貨幣情報と指定色という2つの情報を遊技用貨幣の側面から特定して検査を行うので、合否の判定を確実に行うことができる。
【0120】
第3の実施の形態の第28の態様の検査装置は、第1貨幣情報を記憶した無線タグを内蔵するとともに側面に光学的に読み取り可能な第2貨幣情報が付与され、ケースに重ねて収容された複数の遊技用貨幣を検査する検査装置であって、前記ケースに収容された複数の遊技用貨幣の無線タグを読み取って第1貨幣情報を取得する第1読取装置と、前記ケースに収容された複数の遊技用貨幣の側面を光学的に読み取って第2貨幣情報を取得する第2読取装置と、前記第1読取装置で取得された第1貨幣情報と前記第2読取装置で取得された第2貨幣情報とに基づいて、前記ケースごとに遊技用貨幣の合否を判定する判定部とを備えた構成を有する。
【0121】
この構成により、第1読取部及び第2読取部は、いずれもケースに収容された遊技用貨幣から第1貨幣情報及び第2貨幣情報を取得するので、ケースに収容された状態の遊技用貨幣に対して検査をすることができる。また、第1貨幣情報と第2貨幣情報という2つの情報を遊技用貨幣から取得して検査を行うので、合否の判定を確実に行うことができる。
【0122】
第3の実施の形態の第29の態様の検査装置は、側面に価値を表す指定色及び光学的に読み取り可能な表記情報が付与され、ケースに重ねて収容された複数の遊技用貨幣を検査する検査装置であって、前記ケースに収容された複数の遊技用貨幣の側面を撮影するカメラと、前記カメラが撮影した画像を分析して、前記複数の遊技用貨幣の各々の前記指定色及び前記表記情報を特定する識別部と、前記識別部で特定した前記指定色と前記表記情報とに基づいて、前記ケースごとに遊技用貨幣の合否を判定する判定部とを備えた構成を有する。
【0123】
第3の実施の形態の第30の態様の検査装置は、貨幣情報を記憶した無線タグを内蔵するとともに側面に価値を表す指定色が付与され、ケースに重ねて収容された複数の遊技用貨幣を検査する検査装置であって、前記ケースに収容された複数の遊技用貨幣の無線タグを読み取って前記貨幣情報を取得する読取部と、前記ケースに収容された複数の遊技用貨幣の側面を撮影するカメラと、前記カメラが撮影した画像を分析して、前記複数の遊技用貨幣の各々の前記指定色を特定する識別部と、前記読取部で取得された前記貨幣情報と前記識別部で特定した前記指定色とに基づいて、前記ケースごとに遊技用貨幣の合否を判定する判定部とを備えた構成を有する。
【0124】
第3の実施の形態の第31の態様の検査システムは、貨幣情報を記憶した無線タグを内蔵する遊技用貨幣を検査する検査システムであって、複数の遊技用貨幣を重ねて収容するケースと、前記ケースに収容された遊技用貨幣を検査する検査装置とを備え、前記検査装置は、前記ケースに収容された遊技用貨幣の無線タグを読み取って貨幣情報を取得する読取部と、前記読取部で取得された貨幣情報に基づいて、前記ケースごとに遊技用貨幣の合否を判定する判定部と、前記ケースに収容されているべき複数の遊技用貨幣の前記貨幣情報を記憶した記憶部とを備え、前記判定部は、前記読取部で取得された複数の前記貨幣情報が前記記憶部に記憶された前記貨幣情報と一致しない場合に、当該ケースに収容された複数の遊技用貨幣を不合格と判定する。
【0125】
第3の実施の形態の第32の態様の検査装置は、貨幣情報を記憶した無線タグが内蔵され、ケースに重ねて収容された複数の遊技用貨幣を検査する検査装置であって、前記ケースに収容された複数の遊技用貨幣の無線タグを読み取って貨幣情報を取得する読取部と、前記読取部で取得された前記貨幣情報に基づいて、前記ケースごとに遊技用貨幣の合否を判定する判定部とを備えた構成を有する。
【0126】
第3の実施の形態によれば、第1読取部及び第2読取部は、いずれもケースに収容された遊技用貨幣から第1貨幣情報及び第2貨幣情報を取得するので、ケースに収容された状態の遊技用貨幣に対して検査をすることができる。また、第1貨幣情報と第2貨幣情報という2つの情報を遊技用貨幣から取得して検査を行うので、合否の判定を確実に行うことができる。
【0127】
以下、図面を参照して第3の実施の形態を説明する。
【0128】
<検査システムの構成>
図7は、第3の実施の形態における検査システムの構成を示す図である。検査システム41は、遊技用貨幣を重ねた状態で収容するためのケース4100と、ケース4100に重ねて収容された複数の遊技用貨幣をケース4100に収容された状態のまま検査する検査装置4200とからなる。
【0129】
ケース4100は、概略直方体形状を有し、透明の樹脂で構成されている。ケース4100は、円板形状の遊技用貨幣Cを積み重ねた状態で収容する。ケース4100には、20枚の遊技用貨幣Cを収容するカラムが5本形成されており、合計で100枚の遊技用貨幣Cを収容することができる。ケース4100は、遊技用貨幣Cを収容した状態で持ち運びが可能(ポータブル)である。ケース4100は、分離可能な上部4101と下部4102とからなり、上部4101と下部4102とを分離することで、ケース4100への遊技用貨幣Cの収容及びケース4100からの遊技用貨幣Cの取出しが可能となる。
【0130】
検査装置4200は、受入部4210と本体部4220とからなる。検査装置4200は、この受入部4210にてケース4100を受け入れることができる。受入部4210は、全体として概略上面と前面が開放された直方体形状をなし、左右の側壁4211、底部4212、及び奥壁4213によって形成され、ケース4100がちょうど収まる幅、高さ、奥行きを有する。
【0131】
本体部4220は、受入部4210の奥壁4213の裏側に設けられ、RFIDリーダ4221、コンピュータ4222、及び表示部4223を備えている。本体部4220には、さらに赤外線カメラ4225及び可視光カメラ4226が設けられている。赤外線カメラ4225及び可視光カメラ4226は、受入部4210に収容されたケース4100の上面側からケース4100に収容された遊技用貨幣Cの側面を撮影するように、アーム4227の先に取り付けられている。
【0132】
コンピュータ4222には、RFIDリーダ4221、表示部4223、赤外線カメラ4225、及び可視光カメラ4226が接続されている。RFIDリーダ4221にはRFIDアンテナ4224が接続されている。RFIDアンテナ4224は、RFIDリーダ4221から延びて、左右の側壁4211内で渦巻き状に延びている。すなわち、左右の側壁4211の各々の内部には、渦巻き状のRFIDアンテナ4224が敷設されており、各RFIDアンテナ4224はRFIDリーダ4221に接続されている。
【0133】
表示部4223は、液晶パネルで構成される。なお、この液晶パネルにタッチセンサが設けられ、表示部4223がタッチパネルとして構成されてもよい。
【0134】
<遊技用貨幣の構成>
図8は、第3の実施の形態における遊技用貨幣Cの斜視図であり、
図9は、第3の実施の形態における遊技用貨幣Cの側面図である。遊技用貨幣Cは、中間に指定色で特徴づけられた指定色層4501を備え、この中間の指定色層4501の厚さ方向の両側(
図9では上下)に共通色で特徴づけられた共通色層4502を備え、側面に(厚さ方向の)縞模様が形成されている。
【0135】
遊技用貨幣Cの指定色層4501と一方の共通色層4502との間には、無線タグとしてRFIDタグ4503が挿入される。RFIDタグ4503には、遊技用貨幣Cの貨幣情報として、例えば遊技用貨幣Cを個別に識別する(唯一に特定する)個別識別情報及び価値(種類)の情報が記憶されている。遊技用貨幣Cの最外層には透明層4504が設けられる。すなわち、遊技用貨幣Cは、中間層である指定色層4501と、指定色層4501を両面から挟む共通色層4502と、両面の最外層である透明層4504とを有している。
【0136】
遊技用貨幣Cは、細長い長尺状の5層(透明層4504、共通色層4502、指定色層4501、共通色層4502、透明層4504の順)のプラスチック材料を重ねて、その際に指定色層4501と一方の共通色層4502との間に、所定の間隔でRFIDタグ4503を配置し、この5層のプラスチック材料を熱圧着し、その後に、1つの遊技用貨幣Cに1つのRFIDタグ4503が含まれるように、プレス等により円形あるいは長方形等に打ち抜くことで形成される。プレスにより打ち抜く際に、打ち抜きのための金型のダイとポンチの寸法を設計して最外層の透明層4504の端にR加工(丸い角)が施される。
【0137】
なお、指定色層4501と2層の共通色層4502からなる3層を熱圧着した後に、表面にニスを塗装することで透明層4504を形成してもよい。また、指定色層4501と2つの共通色層4502とは、別部材でなくてもよく、一体的に形成された後に、側面に指定色(及び共通色)をインクジェットプリント等で塗布することで指定色層4501及び共通色層4502を形成してもよい。
【0138】
指定色層4501は、色(指定色)で遊技用貨幣Cの価値(種類)を表現している。すなわち、指定色層4501の色を遊技用貨幣Cの価値ごと異なる色(赤色、緑色、黄色、青色等)とすることにより、遊技用貨幣Cの側面から光学的に読み取れる指定色層501の色を確認することで、その遊技用貨幣Cの価値(10ポイント、20ポイント、100ポイント、1000ポイントなど)を特定できるようにしている。共通色層4502には、価値の異なる遊技用貨幣Cについて共通の色(共通色)が付与されている。共通色は、いずれの指定色よりも薄い色が望ましく、本実施の形態では白色である。
【0139】
遊技用貨幣Cの側面には、さらに、側面(具体的には、側面の共通色層4502)に、遊技用貨幣Cの貨幣情報を表すコード情報4505が表記されている。このコード情報4505は、複数の標識(マークと言ってもよく、本実施の形態では四角の標識)の配置によって情報を表現するものである。指定色層4501が色で情報(遊技用貨幣Cの価値)を表しているのに対して、コード情報4505は側面に表記された標識で情報を表現するものであるので、表記情報ということができる。表記情報の他の例としては、複数の文字列、数字列、バーコード等を挙げることができる。
【0140】
本実施の形態のコード情報4505は、遊技用貨幣Cの周方向に60度周期で繰り返し表記さている。これにより、コード情報4505は、遊技用貨幣Cの側面を周方向にどの方向から観察したときにも、周方向の120度の範囲内に完全なコード情報4505が含まれることになる。なお、遊技用貨幣Cの繰り返し周期は、60度に限られず、周方向に等間隔で少なくとも3回繰り返し表記されていればよい。
【0141】
コード情報4505は、不可視インクで表記される。本実施の形態では、不可視インクとして、赤外線を吸収する赤外線吸収インク(具体的には、カーボンブラック)を用いて、インクジェットプリントによって印刷されている。コード情報4505の印字部分のみが赤外線を反射しないので、遊技用貨幣Cの側面を赤外線カメラ4225で撮影することで、コード情報4505が浮かび上がることになる。なお、赤外線カメラ4225は、印字部分を明確に浮かび上がらせるために、赤外線ランプを備えて、撮影する遊技用貨幣Cの側面に赤外線を照射するようにしてもよい。
【0142】
なお、不可視インクは、赤外線吸収インクに限られず、例えば、赤外線に反応して蛍光発光する赤外線反応インクや、紫外線に反応して蛍光発光するUVインクであってもよい。UVインクを用いる場合には、赤外線カメラ4225に代えて紫外線カメラを用い、さらに、UVインクを蛍光発光させるために、遊技用貨幣Cの側面に紫外線を照射するブラックライトが用いられる。
【0143】
さらに、遊技用貨幣Cには、共通色層4502の表面XにUVインクまたはカーボンブラックインクによる標識(マーク)m´が設けられている。この標識m´は遊技用貨幣Cの真偽を表すものであり、紫外線(もしくは赤外線)を当てると標識m´が目に見えるようになり、その形や数の組み合わせで真正なものを表す。表面の遊技場特定用の印刷4506(100ポイントなど)や標識m´を覆うように最外層には透明層4504が熱圧着あるいはコーティング(塗布)されているが、この透明層4504にはエンボス加工やニス加工が施され、遊技用貨幣Cが互いに密着するのを防いだり、滑りをよくしたりしている。
【0144】
印刷4506(100ポイントなど)が施された最外層の透明層4504の端はR加工(R)が施され、遊技用貨幣Cの打ち抜き工程において、共通色層4502の表面が変形して側面に現れるのを防止している。また、遊技用貨幣Cの鋭利な端が残り手や他の遊技用貨幣Cを損傷するのを防いでいる。指定色層4501は、着色された一層もしくは複数の層により形成されてもよい。さらには指定色層4501の層の中の層に重量を増すための金属やセラミックが内装されてもよい。また、RFIDタグ4503は、指定色層4501の一部にくり抜き、または指定色層4501と共通色層4502との間に空間が設けられ、その中に内蔵されてもよい。
【0145】
図10は、ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cを赤外線カメラ4225及び可視光カメラ4226で撮影して得られた画像の例を示す図である。この場合のケース4100はゲームテーブルにおいて遊技用貨幣Cを保持する2段式のチップフロート(2段になっているチップトレイにおいて、特に可動する上のトレイ部分)またはチップトレイであってもよい。遊技用貨幣Cが、ケース4100内で、
図10に示すように縦方向に積層されていても、赤外線カメラ4225及び可視光カメラ4226はコード情報4505を撮影可能である。また、指定色層4501を縦方向に数えることで、遊技用貨幣Cの枚数のカウントも可能となる。なお、2段式であっても、各段を展開することで赤外線カメラ4225及び可視光カメラ4226によってケース4100に収容されたすべての遊技用貨幣Cの側面を撮影することが可能となる。
【0146】
本実施の形態では、コード情報4505は、複数行複数列の標識mの配置によって表現されている。
図11は、コード情報4505の構成を説明するための図である。
図11に示すように、上下の標識mがペアになって1つのコード要素が構成される。
図11の例では、1つのコード情報4505は10桁のコード要素から構成される。
図11に示すように、上下の標識mがペアになって構成される1つのコード要素のパターンは4種あり、1コード要素で4種類の情報を表現できるので、10桁のコード要素からなるコード情報4505は、4の10乗種類の情報を表現できる。10桁のコード要素の横のYの字は、コード情報4505の向きを判別するための向き判別マークYである。
【0147】
<検査装置の構成>
図12は、検査装置4200の構成を示すブロック図である。検査装置4200は、
図7に示したRFIDリーダ4221、コンピュータ4222、表示部4223、RFIDアンテナ4224、赤外線カメラ4225、可視光カメラ4226のほか、バーコードリーダ4228及び通信部4229を備えている。また、コンピュータ4222は、図示しないプロセッサ、メモリ等によって構成され、プロセッサが検査プログラムを実行することで、識別部4230及び判定部4231が構成される。
【0148】
RFIDリーダ4221、RFIDアンテナ4224、及び遊技用貨幣Cに埋め込まれたRFIDタグ4503によって、RFIDシステムが構成される。遊技用貨幣Cに埋め込まれたRFIDタグ4503に記憶された遊技用貨幣Cの貨幣情報は、RFIDリーダ4221によって非接触で読み出され、コンピュータ4222における処理に用いられる。
【0149】
赤外線カメラ4225は、赤外線のみを透過する赤外線透過フィルタを含み、赤外線像を撮像する。赤外線カメラ4225の撮影によって生成された赤外線画像はコンピュータ4222に送信されて、識別部4230の処理に供される。可視光カメラ4226は、可視領域の光の像を撮像する。可視光カメラ4226の撮影によって生成された可視光画像もコンピュータ4222に送信されて、識別部4230の処理に供される。
図7に示したように、赤外線カメラ4225及び可視光カメラ4226は、ケース4100の上方からケース4100に向けられており、ケース4100の上部4101越しにケース4100内の複数の遊技用貨幣Cの側面を撮影する。
【0150】
バーコードリーダ4228は、ケース4100に付されたバーコードBCを読み取って後述するケース識別情報を取得する。表示部4223は、コンピュータ4222の判定部4231の判定結果を表示する。通信部4229は、工場Fに設置された製造管理装置4302や遊技場Pに設置された使用管理装置4303との間でデータの通信を行う。
【0151】
<ケースの構成>
図13は、ケース4100の斜視図である。ケース4100は、上部4101と下部4102とが合わさって構成される。本実施の形態では、上部4101及び下部4102は、透明の樹脂でできている。上記のように本実施の形態の検査装置4200は、赤外線カメラ4225及び可視光カメラ4226(以下単にカメラという。)が受入部210の上方に設置されているので、ケース4100は少なくとも上面が光を透過する必要がある。すなわち、ケース4100には、それが検査装置4200の受入部4210に受け入れられたときにカメラとの間に位置する部分が光を透過する光透過部分である必要がある。なお、本実施の形態では、ケース4100が上部4101と下部4102とからなる密閉構造であったが、光透過部分が穴あき状態となっていてもよい。
【0152】
ケース4100は、上述のように、それぞれ20枚の遊技用貨幣Cが重ねて収容される5本のカラムが並列に形成された形状を有し、
図13の例では、上部4101及び4下部4102が収容される遊技用貨幣Cの形状に概略沿うように、各カラムの断面が多角形(8角形)になっている。
【0153】
図14は、変形例のケース4100´の斜視図であり、
図15は、このケース4100´の平面図である。ケース4100´も透明の樹脂で構成される上部4101´と下部4102とからなる。本変形例では、カメラに面する上部4101´の上面が平面で形成されている。このように、カメラに面する面を平面とすることで、
図15に示すように、カメラには、ケース4100´の多角形断面の角による線状の影が映りこまず、カメラの撮影画像に対する画像解析において、遊技用貨幣Cの側面の情報を正確に識別できる。
【0154】
<検査システムの利用態様>
図16は、遊技用貨幣Cの流通とともに検査システム41の利用態様の例を説明する図である。遊技用貨幣Cは、工場Fの製造装置4301によって製造されて(s1)、100枚ずつケース4100に収容される(s2)。ケース4100は、遊技用貨幣Cを収容した後に、工場Fにおいて封印シールによって封印される。また、ケース4100には、このケース4100を唯一に特定するためのケース識別情報を示すバーコードBCが側面に貼付される(s3)。
【0155】
このとき、工場Fの製造管理装置4302には、ケース4100に貼付されたバーコードBCのケース識別情報が入力される(s4)。また、遊技用貨幣Cを収容したケース4100は、検査装置4200にかけられて、遊技用貨幣Cに付与された貨幣情報(詳細は後述する)が読み取られ、合否の検査が行われる。そして、ケース4100に収容された遊技用貨幣Cから読み取られた貨幣情報は、製造管理装置4302に送られて(s5)、製造管理装置4302にてケース識別情報と関連付けられる。なお、製造管理装置4302は、パーソナルコンピュータであってよい。
【0156】
工場Fの検査装置4200において合格となったケース4100は、工場Fから遊技場Pに搬送される(s6)。ケース4100は、遊技場Pにおいて、まず保管庫Rに保管される(s7)。保管庫Rには検査装置4200が設置されており、工場Fから届いたケース4100はこの検査装置4200で検査される。
【0157】
一方、工場Fの製造管理装置4302からは、ケース識別情報とそれに関連付けられた貨幣情報が遊技場Pの使用管理装置4303に送信される。使用管理装置4303は、遊技用貨幣Cを収容した複数のケース4100の各々について、製造管理装置4302からケース識別情報とそれに関連付けられた貨幣情報を取得し、それをケース4100ごとに記憶する記憶部を備えている。なお、使用管理装置4303は、パーソナルコンピュータであってよい。
【0158】
保管庫Rの検査装置4200での検査では、この使用管理装置4303に記憶された情報を用いて検査が行われる。保管庫Rでの検査で合格となったケース4100は、ゲームテーブルTに運ばれ(s9)、あるいはキャッシャCAに運ばれる(s10)。ゲームテーブルT及びキャッシャCAもそれぞれ検査装置4200を備えており、遊技用貨幣Cを収容したケース4100は、封印をしたままでそれらの検査装置4200によって検査される。また、ゲームテーブルT及びキャッシャCAでは、使用済の遊技用貨幣Cを収容したケース4100の検査も行われ、その検査にも検査装置4200が用いられる。遊技場Pの3つの検査装置4200における検査では、製造管理装置4302から送信されて使用管理装置4303に記憶されたケース識別情報及びそれに関連付けれられた貨幣情報が参照される。
【0159】
<記憶される情報の構成>
図17は、製造管理装置4302にて生成されて使用管理装置4303に送信され、使用管理装置4303に記憶される情報の内容の例を示す図である。情報は、ケース4100ごとに生成され、各ケース識別情報(Ca1、Ca2、Ca3、・・・)には、当該ケース4100に収容された複数(本実施の形態では100枚)の遊技用貨幣Cの貨幣情報が関連付けられる。
【0160】
貨幣情報として、RFIDタグ4503には、当該遊技用貨幣Cを唯一に特定する個別識別情報(aa、ab、ac、・・・、du、dv)と、当該遊技用貨幣Cの価値(種類)を特定する情報(r、r、r、・・・、b、b)との組み合わせからなる情報が記憶され、側面の表記情報には、当該遊技用貨幣Cを唯一に特定する個別識別情報(00001、00002、00003、・・・、00099、00100)と、当該遊技用貨幣Cの価値(種類)を特定する情報(1、1、1、・・・、2、2)との組み合わせからなる情報が記憶され、側面の色の情報には、当該遊技用貨幣Cの価値(種類)を特定する情報(赤、赤、赤、・・・、青、青)が記憶される。
【0161】
このRFIDタグ4503に記憶される情報は、RFIDリーダ4221によって電磁的に読み取り可能な情報であって、本実施の形態の第1貨幣情報に該当し、側面に付与される表記情報及び色の情報は、光学的に読み取り可能な情報であって、本実施の形態の第2貨幣情報に該当する。
【0162】
<読み出される情報の構成>
図18は、検査装置4200において、1つのケース4100からバーコードリーダ4228、RFIDリーダ4221、赤外線カメラ4225、及び可視光カメラ4226によってそれぞれ取得される情報の内容の例を示す図である。RFIDリーダ4221からは、複数の遊技用貨幣Cに内蔵されているRFIDタグ4503に記憶された英文字列が読み出される。赤外線カメラ4225からは、側面に表記された表記情報である数字列が読み出される。また、可視光カメラ4226からは、側面の色が読み出される。識別部4230は、赤外線カメラ4225から読み出された数字列(の画像)を解析して、数字を識別して、数字列からなる情報を特定し、可視光カメラ4226から読み出された側面の画像から指定色を特定する。
【0163】
ここで、複数の遊技用貨幣Cの側面の表記情報及び指定色の情報は、ケース4100における遊技用貨幣Cの並び順に従って取得することができるが、複数のRFIDタグ4503から取得した情報は、遊技用貨幣Cの並び順に従って取得することはできない。すなわち、RFIDタグ4503の情報が、どの遊技用貨幣Cから得られたものであるかを特定することはできない。
【0164】
<合否判定方法>
次に、検査装置4200のコンピュータ4222における合否の判定の方法について説明する。上述のように、識別部4230は、RFIDリーダ4221の読取結果に基づいて、ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣CのRFIDタグ4503に記憶された貨幣情報を特定し、赤外線カメラ4225で得られた赤外線像を解析して表記情報が示す貨幣情報を特定し、可視光カメラ4226で得られた可視光像を解析して指定色層4501の色を特定する。判定部4231は、これらの情報に基づいて、ケースに存在するすべての遊技用貨幣の真贋・破損もしくは価値毎の枚数を判定し、当該ケース4100の合否を判定する。以下の説明では、RFIDタグ4503に記憶された貨幣情報を第1貨幣情報といい、遊技用貨幣Cの側面に付与された表記情報及び指定色層4501の色の情報を第2貨幣情報という。
【0165】
(第1の合否判定方法)
第1の合否判定方法では、
図19に示すように、同一の遊技用貨幣Cにおける第1貨幣情報と第2貨幣情報とを同一の情報とする。
図19の例では、第1貨幣情報が各遊技用貨幣Cの個別識別情報と価値の情報からなる情報であり、これと同じ内容が第2貨幣情報として表記情報の形式で側面に表記されている。
【0166】
RFIDリーダ4221は、遊技用貨幣CのRFIDタグ4503から第1貨幣情報を読み出して、識別部4230に出力し、赤外線カメラ4225は、遊技用貨幣Cの側面を撮影して、識別部4230が第2貨幣情報を特定する。この場合に、識別部4230では、複数の第1貨幣情報と複数の第2貨幣情報との対応関係が不明となっている。
【0167】
判定部4231は、識別部4230で得られた複数の第1貨幣情報と複数の第2貨幣情報とを比較して、それらが一対一で完全に対応する場合、すなわち、すべての第1貨幣情報が、重複することなくいずれかの第2貨幣情報と一致する場合に、当該ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cを合格と判定し、識別部4230で得られた複数の第1貨幣情報と複数の第2貨幣情報とが完全には一致しない場合に、当該ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cを不合格と判定する。
【0168】
識別部4230で得られた複数の第1貨幣情報と複数の第2貨幣情報とが完全には一致しない場合としては、ケース4100に収容されたいずれかの遊技用貨幣Cが偽造されたものである場合や、いずれかの遊技用貨幣CのRFIDタグ4503又は側面が破損している場合が考えられる。すなわち、判定部4231は、ケース4100に存在するすべての遊技用貨幣Cの真贋・破損を判定することで、当該ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cの合否を判定する。
【0169】
(第2の合否判定方法)
第2の合否判定方法でも、
図290に示すように、同一の遊技用貨幣Cにおける第1貨幣情報と第2貨幣情報とは同一の情報である。
図20の例では、第1貨幣情報が各遊技用貨幣Cの価値の情報であり、各遊技用貨幣Cには側面の指定色層4501に第2貨幣情報として指定色が与えられている。
【0170】
RFIDリーダ4221は、遊技用貨幣CのRFIDタグ4503から第1貨幣情報を読み出して、識別部4230に出力し、可視光カメラ4226は、遊技用貨幣Cの側面を撮影して、識別部4230がこの画像を解析して、第2貨幣情報(指定色層4501の色)を特定する。
【0171】
この場合には、識別部4230では、複数の第1貨幣情報と複数の第2貨幣情報との対応関係が不明となっており、また、複数の第1貨幣情報には互いに重複するものがあり、複数の第2貨幣情報にも互いに重複するするものがある。なお、
図20の第1貨幣情報及び第2貨幣情報において、「r」は赤色、「b」は青色、「y」は黄色、「g」は緑色をそれぞれ表している。
【0172】
判定部4231は、識別部4230で得られた複数の第1貨幣情報における各指定色(赤色、青色、黄色、緑色)の数と、複数の第2貨幣情報における各指定色(赤色、青色、黄色、緑色)の数とが何れも一致する場合には、合格と判定し、一致しない場合には、不合格と判定する。
【0173】
第1貨幣情報における各指定色の数と、複数の第2貨幣情報における各指定色の数とが一致しない場合としては、ケース4100に収容されたいずれかの遊技用貨幣Cが偽造されたものである場合や、いずれかの遊技用貨幣Cの側面が破損している場合が考えられる。すなわち、判定部4231は、ケース4100に存在するすべての遊技用貨幣Cの価値毎の枚数を判定することで、当該ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cの合否を判定する。
【0174】
(第3の合否判定方法)
第3の合否判定方法では、
図21に示すように、同一の遊技用貨幣Cにおける第1貨幣情報と第2貨幣情報とは異なる情報である。
図21の例では、遊技用貨幣CのRFIDタグ4503には、第1貨幣情報として英文字列の情報が記憶され、遊技用貨幣Cの側面には第2貨幣情報として数字列の表記情報が表記されている。
【0175】
RFIDリーダ4221は、遊技用貨幣CのRFIDタグ4503から第1貨幣情報を読み出して、識別部4230に出力し、赤外線カメラ4225は、遊技用貨幣Cの側面を撮影して、識別部4230が第2貨幣情報を特定する。この場合に、識別部4230では、複数の第1貨幣情報と複数の第2貨幣情報との対応関係が不明となっている。
【0176】
使用管理装置4303には、このケース4100のケース識別情報に関連付けて、第1貨幣情報及び第2貨幣情報が記憶されている。判定部4231は、識別部4230で得られた複数の第1貨幣情報と使用管理装置4303に記憶されている当該ケース4100のケース識別情報に関連付けられた複数の第1貨幣情報とを比較して、それらが一対一で完全に対応するか否かを判断する。また、判定部4231は、識別部4230で得られた複数の第2貨幣情報と使用管理装置4303に記憶されている当該ケース4100のケース識別情報に関連付けられた複数の第2貨幣情報とを比較して、それらが一対一で完全に対応するか否かを判断する。
【0177】
判定部4231は、識別部4230で得られた複数の第1貨幣情報と使用管理装置4303に記憶されている当該ケース4100のケース識別情報に関連付けられた複数の第1貨幣情報とが一対一で完全に対応し、すなわち、識別部4230で得られた複数の第1貨幣情報が、重複することなく、使用管理装置4303に記憶されている当該ケース4100のケース識別情報に関連付けられた複数の第1貨幣情報のいずれかと一致し、かつ、識別部4230で得られた複数の第2貨幣情報と使用管理装置4303に記憶されている当該ケース4100のケース識別情報に関連付けられた複数の第2貨幣情報とが一対一で完全に対応する場合、すなわち、識別部4230で得られた複数の第2貨幣情報が、重複することなく、使用管理装置4303に記憶されている当該ケース4100のケース識別情報に関連付けられた複数の第2貨幣情報のいずれかと一致する場合に、当該ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cを合格と判定し、複数の第1貨幣情報のいずれかが一致せず、又は複数の第2貨幣情報のいずれかが一致しない場合に、当該ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cを不合格と判定する。
【0178】
複数の第1貨幣情報のいずれかが記憶されている情報と一致せず、又は複数の第2貨幣情報のいずれかが記憶されている情報と一致しない場合としては、ケース4100に収容されたいずれかの遊技用貨幣Cが偽造されたものである場合や、いずれかの遊技用貨幣CのRFIDタグ4503又は側面が破損している場合が考えられる。すなわち、判定部4231は、ケース4100に存在するすべての遊技用貨幣Cの真贋・破損を判定することで、当該ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cの合否を判定する。
【0179】
(第4の合否判定方法)
第4の合否判定方法では、
図22に示すように、同一の遊技用貨幣Cにおける第1貨幣情報と第2貨幣情報とは異なる情報である。
図22の例では、遊技用貨幣CのRFIDタグ4503には、第1貨幣情報として英文字列の情報が記憶され、遊技用貨幣Cの側面の指定色層4501は第2貨幣情報として価値に応じた指定色に着色されている。
【0180】
RFIDリーダ4221は、遊技用貨幣CのRFIDタグ4503から第1貨幣情報を読み出して、識別部4230に出力し、可視光カメラ4226は、遊技用貨幣Cの側面を撮影して、識別部4230に出力し、識別部4230はこの撮影画像を分析して第2貨幣情報である指定色を特定する。この場合に、識別部4230では、複数の第1貨幣情報と複数の第2貨幣情報との対応関係が不明となっている。
【0181】
使用管理装置4303には、このケース4100のケース識別情報に関連付けて、第1貨幣情報及び第2貨幣情報が記憶されている。判定部4231は、識別部4230で得られた複数の第1貨幣情報と使用管理装置4303に記憶されている当該ケース4100のケース識別情報に関連付けられた複数の第1貨幣情報とを比較して、それらが一対一で完全に対応するか否かを判断する。また、判定部4231は、識別部4230で得られた複数の第2貨幣情報における各指定色の数と使用管理装置4303に記憶されている当該ケース4100のケース識別情報に関連付けられた複数の第2貨幣情報における各指定色の数とを比較して、各指定色について数が一致するか否かを判断する。
【0182】
判定部4231は、識別部4230で得られた複数の第1貨幣情報と使用管理装置4303に記憶されている当該ケース4100のケース識別情報に関連付けられた複数の第1貨幣情報とが一対一で完全に対応し、かつ、識別部4230で得られた複数の第2貨幣情報における各指定色の数と使用管理装置4303に記憶されている当該エース4100のケース識別情報に関連付けられた複数の第2貨幣情報における各指定色の数とがいずれも一致する場合に、当該ケース4100を合格と判定し、複数の第1貨幣情報のいずれかが一致せず、又は複数の第2貨幣情報における各指定色のいずれかの数が一致しない場合に、当該ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cを不合格と判定する。
【0183】
複数の第1貨幣情報のいずれかが記憶されている情報と一致せず、又は複数の第2貨幣情報における各指定色のいずれかの数が一致しない場合としては、ケース4100に収容されたいずれかの遊技用貨幣Cが偽造されたものである場合や、いずれかの遊技用貨幣CのRFIDタグ4503又は側面が破損している場合が考えられる。すなわち、判定部4231は、ケース4100に存在するすべての遊技用貨幣Cの真贋・破損及び価値毎の枚数を判定することで、当該ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cの合否を判定する。
【0184】
(第5の合否判定方法)
第5の合否判定方法では、
図23に示すように、同一の遊技用貨幣Cにおける第1貨幣情報と第2貨幣情報とは異なる情報である。
図23の例では、遊技用貨幣CのRFIDタグ4503には、第1貨幣情報として数字列からなる個別識別情報が記憶され、遊技用貨幣Cの側面には第2貨幣情報として遊技用貨幣Cの価値の情報が指定色層4501の指定色の形式で付与されている。
【0185】
RFIDリーダ4221は、遊技用貨幣CのRFIDタグ4503から第1貨幣情報を読み出して、識別部4230に出力し、可視光カメラ4226は、遊技用貨幣Cの側面を撮影して、識別部4230に出力し、識別部4230はこの撮影画像を分析して第2貨幣情報である指定色を特定する。この場合に、識別部4230では、複数の第1貨幣情報と複数の第2貨幣情報との対応関係が不明となっている。
【0186】
使用管理装置4303には、第1貨幣情報と第2貨幣情報との対応関係が記憶されている。
図23の例では、遊技用貨幣Cを唯一に特定する個別識別情報と、側面の指定色層4501の指定色、すなわち遊技用貨幣Cの価値の情報とが対応付けられており、個別識別情報を指定するとその遊技用貨幣Cの価値が分かるようになっている。なお、本例の場合には、使用管理装置4303は、第1貨幣情報と第2貨幣情報との組み合わせをケース識別情報ごとに記憶しておく必要はない。換言すれば、本例では、ケース識別情報を用いずにケース4100に収容された遊技用貨幣Cの検査を行うことができる。
【0187】
判定部4231は、使用管理装置4303に記憶された第1貨幣情報から、識別部4230が識別した第1貨幣情報に対応する第1貨幣情報を特定し、当該第1貨幣情報に対応付けられた第2貨幣情報、すなわち価値を特定する。判定部4231は、これを識別部4230にて識別されたすべての第1貨幣情報について行うことで、1ケースについて使用管理装置4303から抽出された複数の第2貨幣情報における各価値の数を得ることができる。
【0188】
判定部4231は、このようにして得られた各価値の数と、識別部4230から当該ケース4100について識別された第2貨幣情報における各価値の数とを比較する。判定部4231は、各価値の数がいずれも一致する場合には、当該ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cを合格と判定し、いずれかの価値の数が一致しない場合には、当該ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cを不合格と判定する。
【0189】
使用管理装置4303から抽出された複数の第2貨幣情報における各価値の数と、識別部4230から当該ケース4100について識別された第2貨幣情報における各価値の数とが一致しない場合としては、ケース4100に収容されたいずれかの遊技用貨幣Cが偽造されたものである場合や、いずれかの遊技用貨幣CのRFIDタグ4503又は側面が破損している場合が考えられる。すなわち、判定部4231は、ケース4100に存在するすべての遊技用貨幣Cの真贋・破損及び価値毎の枚数を判定することで、当該ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cの合否を判定する。
【0190】
なお、図示は省略するが、第1貨幣情報として遊技用貨幣Cの価値が記憶され、第2貨幣情報として遊技用貨幣Cの個別識別情報が記憶される場合にも、上記と同様にして合否の判定をすることができる。
【0191】
以上、第1ないし第5の合否判定方法を説明したが、判定部4231は、上記の合否判定方法を組み合わせて採用してもよい。また、判定部4231は、上記の合否判定方法に加えて、ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cから読み取られた第1貨幣情報及び第2貨幣情報の数がいずれも所定数(本実施の形態では100)でない場合に、当該ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cを不合格と判定してもよい。
【0192】
上記の第1及び第2の合否判定方法は、遊技場Pに設置された使用管理装置4303に記憶された情報を用いないで実行できる合否判定方法であり、工場F内の検査装置4200で実行されるのに適しており、第3ないし第5の合否判定方法は、遊技場Pに設置された使用管理装置4303に記憶された情報を用いる合否判定方法であり、遊技場P内の検査装置4200で実行されるのに適しているが、遊技場P内の検査装置4200が第1又は第2の合否判定方法を採用してもよい。遊技場P内のすべての検査装置4200が第1又は第2の合否判定方法のように使用管理装置4303に記憶された情報を用いない合否判定方法を採用する場合には、使用管理装置4303は省略することができる。
【0193】
また、遊技場Pの検査装置4200では、使用済の遊技用貨幣Cを収容したケース4100の検査も行うが、この場合には、当該ケースに収容されているべき遊技用貨幣の情報を記憶しておく必要がない第1、第2、又は第5の合否判定方法を採用することができる。
【0194】
また、上記の実施の形態では、遊技用貨幣Cが第1貨幣情報及び/又は第2貨幣情報として、個別識別情報及び/又は価値の情報を有していた。ここで、個別識別情報は、各遊技用貨幣Cを唯一に特定する情報であるのに対して、価値の情報は複数の遊技用貨幣Cにおいて互いに重複し得る情報であり、各遊技用貨幣が所属するグループを示す情報(グループ情報)ということもできる。本実施の形態は、この所属するグループのグループ情報として、価値に代えて、又は価値に加えて、例えば、遊技用貨幣の製造時期、製造者、及び/又は使用される遊技場の情報を採用することもできる。
【0195】
すなわち、第1貨幣情報及び第2貨幣情報が、いずれも当該遊技用貨幣を識別する個別識別情報を含んでいてよく、第1貨幣情報及び第2貨幣情報が、いずれも当該遊技用貨幣が属するグループを示すグループ情報を含んでいてよく、第1貨幣情報が当該遊技用貨幣を識別する個別識別情報を含み、かつ、第2貨幣情報が当該遊技用貨幣の属するグループのグループ情報を含んでいてよく、あるいは、第1貨幣情報が当該遊技用貨幣の属するグループのグループ情報を含み、かつ、第2貨幣情報が当該遊技用貨幣を識別する個別識別情報を含んでいてよい。
【0196】
<合否判定の結果表示>
図24及び
図25は、判定部4231における合否判定の結果を示す合否結果表示画面の例を示す図である。これらの合否結果表示画面は、コンピュータ4222が判定部4231における合否判定の結果に基づいて生成し、表示部4223にて表示される。
図24は、合格の場合の表示画面の例を示しており、
図25は、不合格の場合の表示画面の例を示している。
【0197】
図24及び
図25示すように、合否結果表示画面4800には、識別部4230が遊技用貨幣Cから読み出した第1貨幣情報と第2貨幣情報との組み合わせの数であるトータル検出数4801と、正しい遊技用貨幣Cの枚数4802と、不正な遊技用貨幣Cの枚数4803と含んでいる。
【0198】
コンピュータ4222は、第1貨幣情報の数と第2貨幣情報の数のうちの大きい方をトータル検出数4801とする。例えば、ケース4100内に遊技用貨幣Cが100枚収容されているが、そのうちの1枚がRFIDタグ4503を内蔵していない場合には、識別部4230は、複数の遊技用貨幣Cから100個の第2貨幣情報を特定するが、第1貨幣情報は99個しか得られないことになる。この場合には、コンピュータ4222は、第1貨幣情報及び第2貨幣情報のうちの大きい方である100をトータル検出数4801とする。
【0199】
コンピュータ4222は、上記の第1又は第2の合否判定方法の場合には、互いに一致すると判定された第1貨幣情報と第2貨幣情報との組み合わせの数を正しい遊技用貨幣Cの枚数4802とし、トータル検出枚数4801から正しい遊技用貨幣Cの枚数を引いた数を不正の遊技用貨幣Cの枚数4803とする。
【0200】
コンピュータ4222は、上記の第3又は第4の合否判定方法の場合には、使用管理装置4303に記憶された第1貨幣情報との対応関係が確認された第1貨幣情報の数、及び使用管理装置4303に記憶された第2貨幣情報との対応関係が確認された第2貨幣情報の数のうちの小さい方を正しい遊技用貨幣Cの枚数4802とし、トータル検出枚数4801から正しい遊技用貨幣Cの枚数を引いた数を不正の遊技用貨幣Cの枚数4803とする。
【0201】
コンピュータ4222は、上記の第5の合否判定方法の場合には、使用管理装置4303に記憶された第2貨幣情報との対応関係が確認された第2貨幣情報の数を正しい遊技用貨幣Cの枚数4802とし、トータル検出枚数4801から正しい遊技用貨幣Cの枚数を引いた数を不正の遊技用貨幣Cの枚数4803とする。
【0202】
合否結果表示画面4800には、識別部4230が遊技用貨幣Cから読み出した貨幣情報を表示する貨幣情報表示部4804が含まれる。貨幣情報表示部4804では、使用管理装置4303に記憶されている貨幣情報が読み取られた場合、又は、第1貨幣情報と第2貨幣情報とが一致している場合には、その貨幣情報が色付きで表示され、使用管理装置4303に記憶されているが読み出されなかった貨幣情報が白抜きで表示される(
図43参照)。
【0203】
また、合否結果表示画面4800には、使用管理装置4303に記憶されていない貨幣情報が読み取られた場合、又は、第1貨幣情報と第2貨幣情報とが一致しなかった場合には、その貨幣情報が不正な貨幣情報4805として、貨幣情報表示部4804の外に表示される。
【0204】
<変形例>
(検査装置のRFIDアンテナ)
図26は、検査装置4200のRFIDアンテナ4224の変形例を示す図である。なお、
図26では、アーム4227及び赤外線カメラ4225及び可視光カメラ4226の図示は省略している。上記の実施の形態では、RFIDアンテナ4224は、左右の側壁4211に内蔵されていたが、RFIDアンテナ4224は、底部4213に内蔵されていてもよい。この場合にも、RFIDアンテナ4224は、底部4213の内部で渦巻き状に配置される。
【0205】
(遊技用貨幣)
図27は、変形例の遊技用貨幣C´の側面図である。上記の実施の形態の遊技用貨幣Cは、指定色層4501が共通色層4502によって挟まれていたが、
図27の例では、遊技用貨幣C´は、中央を共通色層4502として、その両側(上下)を指定色層4501として構成されている。
図27の例では、遊技用貨幣C´の側面には、コード情報4505´として、7桁の数字列で表される個別識別情報が表記(印刷)されている。
図27の例では、表記情報であるコード情報4505´を中央の共通色層502に表記されている。この場合のコード情報4505´は、10の7条種類の情報を表現することができる。
【0206】
さらに、上記の実施の形態の遊技用貨幣Cについて説明した、標識mの有無で表現されるコード情報4505と、
図27に例示した数字列のコード情報4505´のいずれもが、遊技用貨幣Cの側面に表記されていてもよ。この場合に、標識mによるコード情報4505と数字列のコード情報4505´とが異なるインクで印刷されていてもよい。例えば、標識mによるコード情報4505は赤外線反応インクで印刷され、数字列によるコード情報4505´は紫外線反応インクで印刷されてもよい。この場合には、遊技用貨幣Cの側面を撮影するために赤外線カメラと紫外線カメラが用意され、赤外線カメラで標識mによるコード情報4505を読み取り、紫外線カメラで数字列によるコード情報4505´を読み取るようにしてよい。
【0207】
図28は、他の変形例の遊技用貨幣C´´の側断面図である。遊技用貨幣C´´は、複数の色の異なるプラスチックの層が積層され、少なくとも中間に指定色層(着色層)4501を備え、この中間の指定色層4501の両側に共通色層(白色又は薄色の層)4502を積層した多層構造となっている。なお、共通色層4502の色は、指定色層4501の色より薄いことが望ましい。このように、遊技用貨幣C´´において、指定色層4501を備え、この中間の指定色層4501の両側に共通色層4502を積層した多層構造とすることで、
図29に示すように、側面に積層方向の縞模様を形成し、指定色層4501の色を変える(赤色、緑色、黄色や青色等)ことにより遊技用貨幣C´´の種類(10ポイント、20ポイント、100ポイント、1000ポイントなど)を特定できるようにしている。
【0208】
図29は、積み重ねられた遊技用貨幣C´´の斜視図であり、
図30は、遊技用貨幣C´´の側面図であり、
図31は、遊技用貨幣C´´の平面図である。
図29に示すように、遊技用貨幣C´´は、共通色層4502の表面(上面と下面)に遊技用貨幣C´´の種類(価値)を表す印刷4507(100ポイントなど)が施され、最外層に透明層4504が設けられ、各層間が熱圧着されて少なくとも5層構造をなしている。これらの遊技用貨幣C´´は、細長い長尺状のプラスチック材料を用い、長尺の状態で各層(指定色層4501、共通色層4502、透明層4504)の間が熱圧着されて密着した状態(5層構造等)を形成し、その後にプレス等により円形あるいは長方形等に打ち抜いて形成される。プレスにより打ち抜く際に打ち抜きのための金型のダイとポンチの寸法を設計して最外層の透明層4504の端にR加工(丸い角)が施される。
【0209】
さらに、遊技用貨幣C´´には、共通色層4502の表面にUVインクまたはカーボンブラックインクによる標識m´´が設けられている。この標識m´´は遊技用貨幣C´´の真偽を表すものであり、紫外線(もしくは赤外線)を当てると標識m´´が目に見えるようになり、その形や数の組み合わせで真正なものを表す。印刷4507やマークm´を覆うように最外層には透明層4504が熱圧着あるいはコーティング(塗布)されているが、この透明層4504にはエンボス加工が施され、遊技用貨幣C´´が互いに密着するのを防いでいる。
【0210】
印刷4507(100ポイントなど)が施された最外層の透明層4504の端はR加工(R)が施され、遊技用貨幣C´´の打ち抜き工程において、共通色層4502の表面が変形して側面に現れるのを防止している。また、遊技用貨幣C´´は鋭利な端が残り手や他の遊技用貨幣C´´を損傷するのを防いでいる。
【0211】
指定色層4501は、
図28に示すように、指定色に着色された複数の層(
図28では3層)により形成されてもよい。指定色に着色された複数の層(
図28では3層)は互いに熱圧着されているので、
図28のように3層構造が目視可能な状態ではなく、
図28は説明上、指定色層4501の3層を表している。さらには指定色層4501の3層の内真ん中の層には一部くり抜きBが設けられ、RIFDタグ4503はその中に内蔵される。
【0212】
図28、
図29、及び
図30に示したように、遊技用貨幣C、C´、C´´は、積層した多層構造になっており、側面に積層方向の縞模様がくっきりと形成されているので、従来チップに比べて、画像分析によって指定色層4501の色(遊技用貨幣の種類)及び枚数の測定を容易かつ正確に行うことが可能となる。
図32は、積み重ねられた遊技用貨幣を撮影して得られた画像の例を示す図である。
図32に示すように、可視光カメラ4226によって遊技用貨幣Cの側面を撮影することで、指定色層4501を明確に識別することができる。さらに、この画像解析に人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング(構造)技術を用いれば、画像の分析、判定がより正確に可能となる。人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング(構造)技術は当業者ですでに既知で利用可能であるため、詳細な説明を略する。
【0213】
(封印の検出)
上述のように、ケース4100は、所定枚数の遊技用貨幣Cを収容した後に封印シールによって封印される。封印は、収容された前記遊技用貨幣を取出し可能に開けると破壊される。検出装置4200は、ケース4100に貼られた未破壊の封印を検出する検出部を備えていてよい。検出部は、光学的又は磁気的に封印を検出するものであってよい。この場合には、判定部4231は、検出部にて未破壊の封印が検出されない場合には、ケース4100に収容された複数の遊技用貨幣Cを不合格と判定する。
【0214】
(検査装置の構成要素の配置)
上記の実施の形態では、
図12に示したように、検査装置4200のすべての構成要素が1つの装置に配置されていたが、これらが分散配置されてもよい。例えば、コンピュータ4222、表示部4223、通信部4224の一部又は全部が検査装置4200に接続されたパーソナルコンピュータによって実現されてもよい。分散配置された構成要素は、有線又は無線によって通信可能に接続されてよく、間にインターネット等のネットワークを介して接続されてもよい。
【0215】
さらに、
図33、
図34に示すように、赤外線カメラ4225及び/又は可視光カメラ4226とアーム4227とを検査装置4200とは別体として、これらのカメラをコンピュータ4222と接続するようにしてもよい。
図33は、赤外線カメラ4225又は可視光カメラ4226のいずれかのみが検査装置4200とは別体で設けられる例を示しており、
図34は赤外線カメラ4225が検査装置4200とは別体で設けられるとともに、可視光カメラ4225が検査装置4200と一体に設けられる例を示している。なお、赤外線カメラ4225及び可視光カメラ4226に加えて、第3のカメラとして紫外線カメラが紫外線ランプとともに設けられてもよいし、
図33及び
図34のいずれかのカメラが、紫外線ランプを伴う紫外線カメラであってもよい。
【0216】
(貨幣情報)
上記の実施の形態では、遊技用貨幣Cは、RFIDタグ4503に貨幣情報が記憶されており、側面にも貨幣情報としてのコード情報4505が表記されており、また、側面の指定色層4501の指定色もその遊技用貨幣Cの価値を表す貨幣情報として扱われ、1つの遊技用貨幣Cがこれらの3つの貨幣情報を有していたが、本実施の形態はこれに限られず、遊技用貨幣Cがこれらのうちの2つの貨幣情報のみを有していてもよい。遊技用貨幣Cが2つの貨幣情報を有していれば、第1ないし第5の合否判定方法を実行可能である。
【0217】
また、上記の第1ないし第5の合否判定方法では、2つの貨幣情報を用いたが、遊技用貨幣Cが3つの貨幣情報を有している場合に、判定部4231は、これらの3つの貨幣情報を用いて合否の判定を行ってよい。
【0218】
(表示部)
上記の実施の形態では、表示部4223が液晶パネルで構成される例を説明したが、表示部4223は単に合否のみを示すランプであってよく、トータル検出数4801、正しい遊技用貨幣Cの枚数4802、及び不正な遊技用貨幣Cの枚数4803のみをデジタル表示するランプであってもよい。
【0219】
(価値の総額計算)
上記の実施の形態の判定部4231は、上述のように、ケース4100に収容される複数の遊技用貨幣Cの各価値の数を特定可能である。そこで、判定部4231は、さらに、この各価値の数に基づいて、ケース4100に収容される複数の遊技用貨幣Cの価値の総額を計算してもよい。算出された総額は、表示部4233に表示される合否結果表示画面(
図24、
図25参照)において表示されてよい。
【0220】
<<第4の実施の形態>>
第4の実施の形態は、遊技用貨幣を検査する検査システム及び検査装置に関し、特に、無線タグの内蔵する遊技用貨幣を検査し、あるいは枚数をカウントする検査システム及び検査装置に関する。
【0221】
遊技用貨幣として、識別情報や種類の情報を記憶した無線タグを内蔵したものが知られている(例えば、特開2008-246103号公報)。
【0222】
特開2008-246103号公報には、無線タグが容易に取り出せない構造の遊技用貨幣が開示されている。これにより、無線タグの不良が発生し難い構造が実現されている。
【0223】
しかしながら、特開2008-246103号公報に開示された遊技用貨幣の枚数を無線タグにより読み取る場合は、読み取った無線タグ情報を基に遊技用貨幣の枚数を算出するものであるので、遊技用貨幣に内蔵されている無線タグが壊れている場合や無線タグが内蔵されていない場合には、貨幣情報を取得することができず、実際の遊技用貨幣枚数と、無線タグの読み取りにより算出した遊技用貨幣枚数との間に差異が生じる、ということが問題になっている。
【0224】
そこで、本実施の形態は、無線タグが壊れている場合にそのことが分かるような検査システム及び検査装置を提供することを目的とする。
【0225】
第4の実施の形態の第1の態様の検査システムは、貨幣情報を記憶した無線タグを内蔵するとともに外面に価値を表す色または表示を有する遊技用貨幣を最大収納枚数の制限されたケースに収納した状態で検査する検査システムであって、
前記遊技用貨幣は、厚み方向に積み重ねて遊技用貨幣が列をなす状態で収容可能な前記ケースに収納され、
前記ケース内の遊技用貨幣の無線タグを読み取り、遊技用貨幣の貨幣情報を取得する読取装置と、
前記読取装置で取得された前記貨幣情報を、前記ケース自体が収納可能最大数と比較判定し、前記読取装置で取得された前記貨幣情報から得られる遊技用貨幣の数が、収納可能最大数と異なるときに前記ケース内の当該遊技用貨幣の異常を判定する判定部と、
を備えた、検査システム、である。
【0226】
またさらに判定部は、前記ケース自体の物理的特徴又は前記読取装置以外の物理的計測手段から得られる遊技用貨幣の物理情報と、前記読取装置で取得された前記貨幣情報から得られる遊技用貨幣の物理情報数とを比較判定し、両者が一致しない場合に、当該ケースに収容された遊技用貨幣のいずれかに異常な遊技用貨幣が存在すると判定しこれを出力する機能を備えた、ものである。
【0227】
さらに前記物理情報は、光学的に得られる枚数又は高さであり、あるいは計量して得る重量である。
【0228】
さらに前記検査システムは、遊技用貨幣が内蔵する無線タグの情報を照会可能な無線タグの情報データベースを更に有し、前記判定部は、前記読取装置が読み取った遊技用貨幣の貨幣情報を前記無線タグの情報データベースと照合して検査対象の遊技用貨幣の異常を検出可能な構成であってもよい。
【0229】
さらに前記判定部は、前記ケース内の遊技用貨幣のいずれかに異常な遊技用貨幣が存在すると判定した場合に、前記ケースにおける全ての遊技用貨幣の前記無線タグの情報を、あらかじめ登録された前記無線タグの情報データベースと比較判定して、前記無線タグの情報データベースに存在しない異常な無線タグの存在を特定する機能を備えた、ものであってもよい。
【0230】
さらに前記判定部は、前記ケースにおける遊技用貨幣のいずれかに異常な遊技用貨幣が存在すると判定した場合に、前記ケースにおけるいずれかの遊技用貨幣に、前記無線タグからの情報を得ることができない異常な遊技用貨幣が存在することを特定する機能を備えた、ものであってもよい。
【0231】
さらに前記判定部は、前記読取装置で取得された前記無線タグの情報を分析し、当該無線タグから得られる情報が同一である2つ以上の遊技用貨幣が前記ケース内に存在するとき、シグナルを発する機能を備えた、ものであってもよい。
【0232】
さらに前記無線タグの情報データベースは、遊技場内で保管中又は使用中の遊技用貨幣の無線タグの情報データベースであり、
前記判定部は、前記読取装置で取得された前記無線タグの情報を分析し、当該無線タグから得られる情報が遊技場内の他の場所に存在する遊技用貨幣の無線タグの情報と同一であるとき、シグナルを発する機能を備えた、ものであってもよい。
【0233】
第4の実施の形態の第2の態様の検査装置は、貨幣情報を記憶した無線タグを内蔵するとともに外面に価値を表す色または表示を有する遊技用貨幣を検査する検査装置であって、
厚み方向に積み重ねて遊技用貨幣が列をなす状態で最大積み重ね枚数の制限された状態で前記遊技用貨幣の検査が可能な検査台と、
前記列状の遊技用貨幣の無線タグを読み取り、列状の遊技用貨幣の貨幣情報を取得する読取装置と、
前記読取装置で取得された前記貨幣情報を、前記検査台自体の積み重ね可能最大数と比較判定し、前記読取装置で取得された前記貨幣情報から得られる遊技用貨幣の数が、当該積み重ね可能最大数と異なるときに前記検査台に存在する当該遊技用貨幣の異常を判定する判定部と、
を備えた、ものである。
【0234】
さらに前記判定部は、前記読取装置で取得された遊技用貨幣の貨幣情報が、遊技用貨幣の物理情報と一致しない場合に、当該検査台に存在する遊技用貨幣のいずれかに異常な遊技用貨幣が存在すると判定しこれを出力する機能を備えた、ものであってもよい。
【0235】
さらに前記物理情報は、光学的に得られる枚数又は高さであり、あるいは計量して得る重量であってもよい。
【0236】
さらに前記検査装置は、遊技用貨幣が内蔵する無線タグの情報を照会可能な無線タグの情報データベースを更に有し、前記判定部は、前記読取装置が読み取った遊技用貨幣の貨幣情報を前記無線タグの情報データベースと照合して前記検査台にある検査対象の遊技用貨幣の異常を検出可能な構成であってもよい。
【0237】
さらに前記判定部は、前記検査台の遊技用貨幣のいずれかに異常な遊技用貨幣が存在すると判定した場合に、前記検査台における全ての遊技用貨幣の前記無線タグの情報を、あらかじめ登録された前記無線タグの情報データベースと比較判定して、前記無線タグの情報データベースに存在しない異常な無線タグの存在を特定する機能を備えた、ものであってもよい。
【0238】
さらに前記判定部は、前記ケースにおける遊技用貨幣のいずれかに異常な遊技用貨幣が存在すると判定した場合に、前記ケースにおけるいずれかの遊技用貨幣に、前記無線タグからの情報を得ることができない異常な遊技用貨幣が存在することを特定する機能を備えた、ものであってもよい。
【0239】
さらに前記判定部は、前記読取装置で取得された前記無線タグの情報を分析し、当該無線タグから得られる情報が同一である2つ以上の遊技用貨幣が前記ケース内に存在するとき、シグナルを発する機能を備えた、ものであってもよい。
【0240】
さらに前記無線タグの情報データベースは、遊技場内で保管中又は使用中の遊技用貨幣の無線タグの情報データベースであり、
前記判定部は、前記読取装置で取得された前記無線タグの情報を分析し、当該無線タグから得られる情報が遊技場内の他の場所に存在する遊技用貨幣の無線タグの情報と同一であるとき、シグナルを発する機能を備えた、ものであってもよい。
【0241】
本実施の形態によれば、収納可能数が決まっているものに遊技用貨幣を収納して枚数判定を行うので、無線タグが壊れている場合にそのことが分かるような検査を行うことができる。
【0242】
以下、図面を参照して第4の実施の形態を説明する。
【0243】
<検査システムの構成>
図35は、第4の実施の形態における検査システムの構成を示す図である。検査システム51は、遊技用貨幣を重ねた状態で収容するためのケース5100と、ケース5100に重ねて収容された複数の遊技用貨幣をケース5100に収容された状態のまま検査する検査装置200とからなる。
【0244】
ケース5100は、概略直方体形状を有し、透明の樹脂で構成されている。ケース5100は、円板形状の遊技用貨幣Cを積み重ねた状態で収容する。ケース5100には、20枚の遊技用貨幣Cを収容するカラム5100Cが5本形成されており、合計で100枚の遊技用貨幣Cを収容することができる。ケース5100は、遊技用貨幣Cを収容した状態で持ち運びが可能(ポータブル)である。ケース5100は、分離可能な上部5101と下部5102とからなり、上部5101と下部5102とを分離することで、ケース5100への遊技用貨幣Cの収容及びケース5100からの遊技用貨幣Cの取出しが可能となる。
【0245】
検査装置5200は、受入部5210と本体部5220とからなる。検査装置5200は、この受入部5210にてケース5100を受け入れることができる。受入部5210は、全体として概略上面と前面が開放された直方体形状をなし、左右の側壁5211、底部5212、及び奥壁5213によって形成され、ケース5100がちょうど収まる幅、高さ、奥行きを有する。
【0246】
本体部5220は、受入部5210の奥壁5213の裏側に設けられ、読取装置5221、判定部5222、及び表示部5223を備えている。
【0247】
判定部5222には、読取装置5221及び表示部5223が接続されている。読取装置5221には無線タグアンテナ5224が接続されている。無線タグアンテナ5224は、読取装置5221から延びて、左右の側壁5211内で渦巻き状に延びている。すなわち、左右の側壁5211の各々の内部には、渦巻き状の無線タグアンテナ5224が敷設されており、各無線タグアンテナ5224は読取装置5221に接続されている。
【0248】
表示部5223は、液晶パネルで構成される。なお、この液晶パネルにタッチセンサが設けられ、表示部5223がタッチパネルとして構成されてもよい。
【0249】
<検査装置の構成>
図36は、検査装置5200の構成を示すブロック図である。検査装置5200は、
図35に示した読取装置5221、判定部5222、表示部5223、無線タグアンテナ5224のほか、バーコードリーダ5228及び通信部5229を備えている。また、判定部5222は、図示しないプロセッサ、メモリ等によって構成され、プロセッサが検査プログラムを実行することで、識別部5230及び識別内容判定部5231が構成される。
【0250】
読取装置5221、無線タグアンテナ5224、及び遊技用貨幣Cに埋め込まれた無線タグ5503によって、無線タグシステムが構成される。遊技用貨幣Cに埋め込まれた無線タグ5503に記憶された遊技用貨幣Cの貨幣情報は、読取装置5221によって非接触で読み出され、判定部5222における処理に用いられる。
【0251】
バーコードリーダ5228は、ケース5100に付されたバーコードBCを読み取ってケース識別情報を取得する。表示部5223は、判定部222の識別内容判定部5231の判定結果を表示する。通信部5229は、工場Fに設置された製造管理装置5302や遊技場Pに設置された情報データベース5303との間でデータの通信を行う。
【0252】
<ケースの構成>
図37は、ケース5100の斜視図である。ケース5100は、上部5101と下部5102とが合わさって構成される。本実施の形態では、上部5101及び下部5102は、透明の樹脂でできている。なお、本実施の形態では、ケース5100が上部5101と下部5102とからなる密閉構造であったが、光透過部分が穴あき状態となっていてもよい。
【0253】
ケース5100は、上述のように、それぞれ20枚の遊技用貨幣Cが重ねて収容される5本のカラム5100Cが並列に形成された形状を有し、
図37の例では、上部5101及び下部5102が収容される遊技用貨幣Cの形状に概略沿うように、各カラムの断面が多角形(8角形)になっている。各カラム5100Cは21枚以上の遊技用貨幣Cは収容できない形状になっている。
【0254】
図38は、変形例のケース5100´の斜視図であり、
図39は、このケース5100´の平面図である。ケース5100´も透明の樹脂で構成される上部5101´と下部5102とからなる。本変形例では、カメラに面する上部5101´の上面が平面で形成されている。このように、カメラに面する面を平面とすることで、
図39に示すように、カメラには、ケース5100´の多角形断面の角による線状の影が映りこまず、カメラの撮影画像に対する画像解析において、遊技用貨幣Cの側面の情報を正確に識別できる。
【0255】
(遊技用貨幣)
図40は、本実施の形態の遊技用貨幣Cの側断面図である。遊技用貨幣Cは、複数の色の異なるプラスチックの層が積層され、少なくとも中間に指定色層(着色層)5501を備え、この中間の指定色層5501の両側に共通色層(白色又は薄色の層)5502を積層した多層構造となっている。
【0256】
指定色層5501は、
図40に示すように、指定色に着色された複数の層(
図58では3層)により形成されてもよい。指定色に着色された複数の層(
図40では3層)は互いに熱圧着されているので、
図40のように3層構造が目視可能な状態ではなく、
図40は説明上、指定色層5501の3層を表している。さらには指定色層5501の3層の内真ん中の層には一部くり抜きBが設けられ、無線タグ5503はその中に内蔵される。
【0257】
検査システム51は貨幣情報を記憶した無線タグ5503を内蔵するとともに外面に価値を表す色5501または表示5507を有する遊技用貨幣Cを最大収納枚数の制限されたケース5100に収納した状態で検査する。遊技用貨幣Cは、厚み方向に積み重ねて遊技用貨幣Cが列をなす状態で収容可能なケース5100に収納され、ケース5100内の遊技用貨幣Cの無線タグ5503を読み取り、遊技用貨幣Cの貨幣情報を取得する読取装置5221と、読取装置5221で取得された貨幣情報を、ケース5100自体が収納可能最大数(本実施例では最大100枚に設定されている)と比較判定し、読取装置5221で取得された貨幣情報から得られる遊技用貨幣Cの数が、収納可能最大数(100枚)と異なるときにケース5100内の遊技用貨幣Cの異常を判定する判定部222とを備える。
【0258】
検査システム51は、遊技用貨幣Cが内蔵する無線タグ5503の情報を照会可能な無線タグ5503の情報データベース5303を更に有し、判定部5222は、読取装置5221が読み取った遊技用貨幣Cの貨幣情報を無線タグ5503の情報データベース5303と照合して検査対象の遊技用貨幣Cの異常を検出可能な構成である。情報データベース5303はあらかじめ遊技場で使用する遊技用貨幣の全ての無線タグ5503の情報が記憶されている。
【0259】
判定部5222は、ケース5100内の遊技用貨幣Cのいずれかに異常な遊技用貨幣Cが存在すると判定した場合に、ケース5100における全ての遊技用貨幣Cの無線タグ5503の情報を、あらかじめ登録された無線タグ5503の情報データベース5303と比較判定して、無線タグ5503の情報データベースに存在しない異常な無線タグ5303の存在を特定する機能を備える。
【0260】
判定部5222は、ケース5100における遊技用貨幣Cのいずれかに異常な遊技用貨幣Cが存在すると判定した場合に、ケース5100におけるいずれかの遊技用貨幣Cに、無線タグ5503からの情報を得ることができない異常な遊技用貨幣Cが存在することを特定する機能を備える。
【0261】
表示部5223は、上述したような異常な遊技用貨幣Cが存在すると判定した場合には異常を表示する。
【0262】
図42及び
図43に示すように、合否結果表示画面5800には、識別部5230が遊技用貨幣Cから読み出した無線タグ5503の情報の数であるトータル検出数5801と、不正な遊技用貨幣Cの枚数5803とを含んでいる。
【0263】
図42及び
図43は、識別内容判定部5231における遊技用貨幣の異常の判定の結果を示す合否結果表示画面の例を示す図である。これらの合否結果表示画面は、判定部5222が識別内容判定部5231における遊技用貨幣の異常の判定の結果に基づいて生成し、表示部5223にて表示される。
図42は、合格の場合の表示画面の例を示しており、
図43は、不合格の場合の表示画面の例を示している。
【0264】
図44は他の変形例の検査装置5400を示す図である。検査装置5400は貨幣情報を記憶した無線タグ5503を内蔵するとともに外面に価値を表す色5501または表示5507を有する遊技用貨幣Cを検査する。厚み方向に積み重ねて遊技用貨幣Cが列をなす状態で最大積み重ね枚数の制限された状態で前記遊技用貨幣の検査が可能な検査台5427と、前記列状の遊技用貨幣Cの無線タグ5531を読み取り、列状の遊技用貨幣Cの貨幣情報を取得する読取装置5421と、前記読取装置5421で取得された前記貨幣情報を、前記検査台5427自体の積み重ね可能最大数(本実施例では最大20枚に設定されている)と比較判定し、前記読取装置5421で取得された前記貨幣情報から得られる遊技用貨幣Cの数が、当該積み重ね可能最大数(20枚)と異なるときに前記検査台5427に存在する当該遊技用貨幣Cの異常を判定する判定部5422と、を備えている。
【0265】
検査装置5400には、遊技用貨幣Cが列をなす状態で最大積み重ね枚数を制限する枚数制御板5425を備える。
【0266】
検査装置5400には光センサ5426があり、個別の遊技用貨幣Cの物理的枚数を判定する。判定部5422は、読取装置5421で取得された遊技用貨幣の貨幣情報が、遊技用貨幣Cの物理情報と一致しない場合に、検査台5427に存在する遊技用貨幣Cのいずれかに異常な遊技用貨幣Cが存在すると判定しこれを出力する機能を備える。
【0267】
<検査システムの利用態様>
図45は、遊技用貨幣Cの流通とともに検査システム1の利用態様の例を説明する図である。遊技用貨幣Cは、工場Fの製造装置5301によって製造されて(s1)、100枚ずつケース5100に収容される(s2)。ケース5100は、遊技用貨幣Cを収容した後に、工場Fにおいて封印シールによって封印される。また、ケース5100には、このケース5100を唯一に特定するためのケース識別情報を示すバーコードBCが側面に貼付される(s3)。
【0268】
このとき、工場Fの製造管理装置5302には、ケース5100に貼付されたバーコードBCのケース識別情報が入力される(s4)。また、遊技用貨幣Cを収容したケース5100は、検査装置5200にかけられて、遊技用貨幣Cに付与された貨幣情報(詳細は後述する)が読み取られ、合否の検査が行われる。そして、ケース5100に収容された遊技用貨幣Cから読み取られた貨幣情報は、製造管理装置5302に送られて(s5)、製造管理装置5302にてケース識別情報と関連付けられる。なお、製造管理装置5302は、パーソナルコンピュータであってよい。
【0269】
工場Fの検査装置5200において合格となったケース5100は、工場Fから遊技場Pに搬送される(s6)。ケース5100は、遊技場Pにおいて、まず保管庫Rに保管される(s7)。保管庫Rには検査装置5200が設置されており、工場Fから届いたケース5100はこの検査装置5200で検査される。
【0270】
一方、工場Fの製造管理装置5302からは、ケース識別情報とそれに関連付けられた貨幣情報が遊技場Pの情報データベース5303に送信される。情報データベース5303は、遊技用貨幣Cを収容した複数のケース5100の各々について、製造管理装置5302からケース識別情報とそれに関連付けられた貨幣情報を取得し、それをケース5100ごとに記憶する記憶部を備えている。なお、情報データベース5303は、パーソナルコンピュータであってよい。
【0271】
保管庫Rの検査装置5200での検査では、この情報データベース5303に記憶された情報を用いて検査が行われる。保管庫Rでの検査で合格となったケース5100は、ゲームテーブルTに運ばれ(s9)、あるいはキャッシャCAに運ばれる(s10)。ゲームテーブルT及びキャッシャCAもそれぞれ検査装置5200を備えており、遊技用貨幣Cを収容したケース5100は、封印をしたままでそれらの検査装置5200によって検査される。また、ゲームテーブルT及びキャッシャCAでは、使用済の遊技用貨幣Cを収容したケース5100の検査も行われ、その検査にも検査装置5200が用いられる。遊技場Pの3つの検査装置5200における検査では、製造管理装置5302から送信されて情報データベース5303に記憶されたケース識別情報及びそれに関連付けられた貨幣情報が参照される。
【0272】
また、上記の実施の形態では、遊技用貨幣Cが無線タグ情報として、識別情報及び/又は価値の情報を有していた。ここで、識別情報は、各遊技用貨幣Cを唯一に特定する情報であるのに対して、価値の情報は複数の遊技用貨幣Cにおいて互いに重複し得る情報であり、各遊技用貨幣が所属するグループを示す情報(グループ情報)ということもできる。本実施の形態は、この所属するグループのグループ情報として、価値に代えて、又は価値に加えて、例えば、遊技用貨幣の製造時期、製造者、及び/又は使用される遊技場の情報を採用することもできる。
【0273】
すなわち、無線タグ情報が、当該遊技用貨幣を識別する識別情報を含んでいてよく、また当該遊技用貨幣が属するグループを示すグループ情報を含んでいてよい。
【0274】
(封印の検出)
上述のように、ケース5100は、所定枚数の遊技用貨幣Cを収容した後に封印シールによって封印される。封印は、収容された前記遊技用貨幣を取出し可能に開けると破壊される。検出装置5200は、ケース5100に貼られた未破壊の封印を検出する検出部を備えていてよい。検出部は、光学的又は磁気的に封印を検出するものであってよい。この場合には、識別内容判定部5231は、検出部にて未破壊の封印が検出されない場合には、ケース5100に収容された複数の遊技用貨幣Cを不合格と判定する。
【0275】
(検査装置の構成要素の配置)
上記の実施の形態では、
図36に示したように、検査装置5200のすべての構成要素が1つの装置に配置されていたが、これらが分散配置されてもよい。例えば、判定部5222、表示部5223、通信部5224の一部又は全部が検査装置5200に接続されたパーソナルコンピュータによって実現されてもよい。分散配置された構成要素は、有線又は無線によって通信可能に接続されてよく、間にインターネット等のネットワークを介して接続されてもよい。
【0276】
(表示部)
上記の実施の形態では、表示部5223が液晶パネルで構成される例を説明したが、表示部5223は単に合否のみを示すランプであってよく、トータル検出数5801、正しい遊技用貨幣Cの枚数5802、及び不正な遊技用貨幣Cの枚数5803のみをデジタル表示するランプであってもよい。
【0277】
(価値の総額計算)
上記の実施の形態の識別内容判定部5231は、上述のように、ケース5100に収容される複数の遊技用貨幣Cの各価値の数を特定可能である。そこで、識別内容判定部5231は、さらに、この各価値の数に基づいて、ケース5100に収容される複数の遊技用貨幣Cの価値の総額を計算してもよい。算出された総額は、表示部5233に表示される合否結果表示画面(
図42、
図43参照)において表示されてよい。
【0278】
<<第5の実施の形態>>
従来から遊技用貨幣の内部にRFタグ(無線タグ)を埋め込んで、遊技用貨幣の真贋を検査する検査システムが知られている。これらの検査システムでは、RFタグの読取りができず、あるいはRFタグから読み取った情報が所定の情報でない遊技用貨幣(典型的には偽造された遊技用貨幣、RFタグが壊れている遊技用貨幣であり、以下「不正遊技用貨幣」という。)が検知された場合に、そのことを記録装置に記録し、あるいは警報装置で警報を発するようにしている。
【0279】
しかしながら、遊技用貨幣は、ディーラ(カジノ)とプレイヤとの間で行き来するものであり、カジノ側が所持した遊技用貨幣を検査して不正遊技用貨幣が発見された場合に、いつどのプレイヤからカジノ側に渡されたかが分からないと不便である。
【0280】
そこで、本実施の形態では、不正遊技用貨幣がプレイヤからディーラに渡されたとき、ないしは渡されてからなるべく時間をおかずに、それが不正遊技貨幣であることを検知できる検査システムを提供する。
【0281】
このために、本実施の形態の一態様の検査システムは、RFタグが内蔵された遊技用貨幣を検査する検査システムであって、カジノゲームにおいてディーラの遊技用貨幣を収容するための収容手段と、前記収容手段に収容された複数の前記遊技用貨幣のRFタグを読み取るRF読取手段と、前記収容手段に収容された前記複数の遊技用貨幣の少なくとも数を、RFID以外の方法で、一定時間間隔で、もしくは常時、検知する検知手段と、前記RF読取手段にて前記RFタグが読み取られた遊技用貨幣の数と、前記検知手段で検知された遊技用貨幣の数とが一致しない場合に警報を生成する警報手段とを備えている。
【0282】
この構成により、RF読取手段が収容手段に収容された遊技用貨幣の数を検知し、検知手段がRFID以外の方法で、一定時間間隔で、もしくは常時、収容手段に収容された遊技用貨幣の数を検知し、それらが一致しない場合に警報手段が警報を生成するので、不正遊技用貨幣が収容手段に収容されたとき、あるいは収容されてから一定時間以内には、警報手段が警報を生成できる。なお、RF読取手段も一致時間間隔で、もしくは常時、RFタグの読取を行ってよい。
【0283】
前記検知手段は、記収容手段に収容された前記遊技用貨幣の数に変化があるか否かを検知してよい。警報手段は、検知手段によって遊技用貨幣の数に変換があると検知された場合に、検知手段で検知された遊技用貨幣の数とRF読取手段でRFタグが読み取られた遊技用貨幣の数とを比較して、両者が一致するか否かを判断してよい。
【0284】
前記収容手段は、カジノゲームにおいてディーラがプレイヤから遊技用貨幣を回収した際に、当該回収した遊技用貨幣を収容するのに用いられてよい。この構成により、ディーラがプレイヤから遊技用貨幣を回収した際に不正遊技用貨幣を検出することができる。
【0285】
前記検知手段は、前記収容手段に収容された前記複数の遊技用貨幣の各々の存在をRFID以外の方法で検出してよい。
【0286】
前記収容手段は、複数の前記遊技用貨幣を所定の積層方向に積層して収容するように構成されてよく、前記検知手段は、前記収容手段にて積層して収容された複数の前記遊技用貨幣の各々を検出するために、前記積層方向に沿って配置された複数のフォトセンサを有していてよい。
【0287】
前記収容手段は、前記積層方向に延在する溝を有していてよく、前記複数のフォトセンサは、前記積層方向に沿う複数の列に配置されてよく、前記遊技用貨幣は、積層順に、異なる列に配置された前記フォトセンサによって検出されてよい。
【0288】
前記収容手段は、前記積層方向に延在する複数列の溝を有していてよく、前記RF読取手段は、1列又は複数列の前記溝ごとに前記RFタグを読み取ってよい。
【0289】
前記検知手段は、前記収容手段に収容された複数の前記遊技用貨幣の各々を検知する複数のフォトセンサを備えていてよい。
【0290】
前記検知手段は、前記収容手段に収容された複数の前記遊技用貨幣を光学的に読み取ることで、前記収容手段に収容された複数の遊技用貨幣の数を検知してよい。このような検知手段は、例えば、積層された遊技用貨幣を積層方向にスキャンする光学スキャナであってよい。
【0291】
前記収容手段は、所定の基準位置から積層するようにして前記複数の遊技用貨幣を収容してよく、前記検知手段は、所定の観測位置から、前記所定の基準位置から最も遠い遊技用貨幣までの距離を測定することで、前記収容手段に収容された複数の遊技用貨幣の数を検知してよい。
【0292】
この構成により、収容手段において積層された複数の遊技用貨幣の積層方向の高さ(長さ)によって、収容手段において積層された複数の遊技用貨幣の数を検知できる。このような検知手段は、例えば、積層方向の先に設置され、基準位置から最も遠い遊技用貨幣までの距離を測定する距離センサであってよい。
【0293】
前記RF読取手段は、第1の時間間隔で前記RFタグの読取りを行うことで、前記収容手段に新たに遊技用貨幣が収容されてから前記第1の時間間隔以内に、当該新たに収容された遊技用貨幣を含む複数の遊技用貨幣のRFタグを読み取ってよく、前記検知手段は、第2の時間間隔で前記収容手段に収容された前記複数の遊技用貨幣の数を検知することで、前記収容手段に新たに遊技用貨幣が収容されてから前記第2の時間間隔以内に、当該新たに収容された遊技用貨幣を含む複数の遊技用貨幣の数を検知してよい。
【0294】
この構成により、収容手段に新たな遊技用貨幣が追加された場合に、第1の時間間隔以内にRFタグが読み取られ、第2の時間間隔以内に数が検知されるので、収容手段に新たな遊技用貨幣が追加されてから遅くとも第1の時間間隔及び第2の時間間隔のいずれか長い方の間には、RFタグの読取とRFID以外の手段での数の検知とが完了し、必要に応じて警報を生成することができる。よって、ディーラがゲームの結果に従ってプレイヤから回収した遊技用貨幣を収容手段に収容することで、遊技用貨幣をプレイヤから回収したときに、直ちにそれらの遊技用貨幣の検査を行うことができる。
【0295】
本実施の形態の別の態様の検査システムは、テーブルで行うゲームに用いる遊技用貨幣を検査する検査システムであって、前記テーブルに設置され、前記ゲームごとに増減する複数の遊技用貨幣を収容するための収容手段と、前記収容手段内で前記ゲームごとに増減する前記遊技用貨幣を検査する検査手段とを備えている。
【0296】
本実施の形態のさらに別の態様の検査システムは、RFタグが内蔵された遊技用貨幣を検査する検査システムであって、所定数の遊技用貨幣を収容可能な収容手段と、前記収容手段に収容された複数の前記遊技用貨幣のRFタグを読み取るRF読取手段と、前記RF読取手段にて前記RFタグが読み取られた遊技用貨幣の数が前記所定枚数と一致しない場合に警報を生成する警報手段とを備えている。
【0297】
この構成により、収容手段に収容可能な数の遊技用貨幣を収容した状態にしてRF読取手段でRFタグを読み取り、それを収容可能な数と比較することで、RFタグが読み取れない遊技用貨幣を検知して警報を生成することができる。
【0298】
前記遊技用貨幣が前記所定枚数に満たない場合に、前記遊技用貨幣と合わせて前記所定枚数となるように、前記遊技用貨幣と共に前記収容手段に収容される、前記RFタグを内蔵したダミー貨幣をさらに備えていてよい。
【0299】
この構成により、収容手段が収容可能な数(収容可能数)にまで満たない数の遊技用貨幣について検査をする場合に、当該足りない分のダミー貨幣を収容手段に収容することで、RF読取手段が読み取るべきRFタグの数の理想値が当該収容可能数と一致しないときに、警報を生成できる。
【0300】
本実施の形態の検査システムは、遊技用貨幣を検査する検査システムに限られず、RFタグが内蔵された任意の有価物を検査する検査システムとして応用が可能である。この場合、有価物の検査システムは、個別に識別可能なユニークなIDが付された有価物と、前記有価物を使用するテーブルと、前記テーブルにおいて有価物を保持するトレイと、前記ユニークなIDを用いて前記トレイに保持されている前記有価物の数を特定する判定手段と、少なくとも前記トレイを含む前記テーブル上の前記有価物を撮影して画像を生成し、前記画像に基づいて前記有価物の少なくとも数を検知する検知手段と、前記検知手段で検知した前記数を記憶する記憶手段と、前記判定手段により判定した数と、前記検知手段で検知した数との関連を検査する検査手段とを備えている。
【0301】
本実施の形態の検査システムは、遊技用貨幣を検査する検査システムに限られず、RFタグが内蔵された任意の物体を検査する検査システムとして応用が可能である。この場合、検査システムは、所定の場所に置かれた前記物体のRFタグを読み取るRF読取手段と、前記所定の場所に置かれた前記物体の少なくとも数を、RFID以外の方法で検知する検知手段と、前記RF読取手段にて前記RFタグが読み取られた前記物体の数が前記検知手段で検知された数と一致しない場合に警報を生成する警報手段とを備えている。
【0302】
以下、図面を参照して、具体的な実施の形態を説明する。ただし、以下の説明は例示にすぎず、本実施の形態は以下の例に限らない。本実施の形態の検査システムで利用される遊技用貨幣には、その種類、識別情報等の情報(タグ情報)を記憶したRFタグが内蔵されている。本実施の形態で用いられる遊技用貨幣としては、第3~第4の実施の形態で説明したいずれかの遊技用貨幣Cを採用することができる。遊技用貨幣に内蔵されたRFタグを後述するRFリーダで読み取ることで、RFタグに記憶されたタグ情報を読み取ることができる。
【0303】
図46は、遊技用貨幣を収容する遊技用貨幣トレイの平面図である。遊技用貨幣トレイ617には、遊技用貨幣Cをその厚さ方向に積層して収容する複数の溝6171が形成されている。溝6171は、円板状の遊技用貨幣Cを収容するように、半管形状に形成されている。各溝6171は、遊技用貨幣Cを40枚収容可能であり、遊技用貨幣トレイ617には14本の溝6171が各々縦方向に互いに平行に形成されている。
【0304】
各溝6171の内壁の右側及び左側の両側には、複数のフォトセンサ6173が埋め込まれている。また、
図46では図示を省略するが、各溝6171の内側には、RFリーダのアンテナが埋め込まれている。なお、遊技用貨幣トレイ617は、カジノのゲームテーブルのディーラ位置の前に埋め込まれて利用される。
【0305】
図47は、RFリーダのアンテナ(以下、「RFアンテナ」という。)6172を示す図である。RFアンテナ6712は、各溝6171に対応して遊技用貨幣トレイ671の内部又は底部に設けられる。なお、
図47は、4本の溝のみを示しているが、他の溝6171も同様である。
【0306】
図47の例では、1本の溝6171に対して1つのRFアンテナ6172が設けられている。RFアンテナ6172は、対応する溝6171に収容された遊技用貨幣Cに内蔵されたRFタグと無線通信をしてRFタグからRF情報を読み取る。なお、各RFアンテナ6172が隣の溝6171に収容された遊技用貨幣CのRFタグを読み取らないように、隣り合う溝6171の間に電波遮蔽壁を設けてもよい。
【0307】
図48は、溝6171の拡大平面図及び正面方向の断面図である。遊技用貨幣Cは、溝6171の長手方向に積み重ねられて溝6171内に収容される。
図48の例では、1本の溝6171には40枚の遊技用貨幣Cを収容可能である。
【0308】
溝6171の断面半円の内壁の右側及び左側にはそれぞれ複数のフォトセンサ6713が、センシング面が内壁と面一になるようにして埋め込まれている。フォトセンサ6713は、反射型のフォトセンサであり、溝6171に遊技用貨幣Cが収容されることでセンシング面が遊技用貨幣Cによって塞がれると、遊技用貨幣Cを検出する。
【0309】
内壁の右側及び左側には、それぞれ、遊技用貨幣Cの2枚の厚さ分のピッチを開けて、複数のフォトセンサが配列されている。本例では、上述のように1本の溝6171に40枚の遊技用貨幣Cが収容可能であるので、右側に20個のフォトセンサ6173が設けられ、左側に20個のフォトセンサ6173が設けられる。
【0310】
右側の複数のフォトセンサ6173の列と左側の複数のフォトセンサ6173の列とは、遊技用貨幣Cの1枚の厚さ分だけ、その配列方向にずれて設けられている。よって、溝6171に積み重ねられて収容される複数の遊技用貨幣Cは、積層順に異なる列に配置されたフォトセンサ6173によって検出される。具体的には、溝6171の最下位置に収容される遊技用貨幣Cは右側の最下のフォトセンサ6173によって検出され、下から2番目の遊技貨幣は左側の最下のフォトセンサ6173によって検出され、下から3番目の遊技用貨幣Cは右側の下から2番目のフォトセンサ6173によって検出され、下から4番目の遊技用貨幣Cは左側の下から2番目のフォトセンサ6173によって検出され、このようにして下から順に右側のフォトセンサ6183と左側のフォトセンサ6173とが交互に遊技用貨幣Cを検出する。
【0311】
このように複数のフォトセンサ6173を異なる列に交互に配置することで、溝6171に厚さ方向に積み重ねて収容される複数の遊技用貨幣Cを1枚ごとによみとる複数のフォトセンサ6173を配置させることができる。
【0312】
図49は、検査システムの全体構成を示す図である。
図49に示すように、検査システム600は、RFアンテナ6172を備えたRFリーダ6100と、複数のフォトセンサ6173と、RFリーダ6100及び複数のフォトセンサ6173に接続された検査・警報部6200と、検査・警報部6200に接続された記憶部6300とを備えている。検査・警報部6200は、プロセッサとメモリを備えたコンピュータによって構成され、プロセッサが本実施の形態の検査・警報プログラムを実行することで、実現される。
【0313】
RFリーダ6100は、RFアンテナ6172で遊技用貨幣CのRFタグから電波を受信して、RFタグに記憶された情報(タグ情報)を読み取る。RFリーダは、読み取ったタグ情報を検査・警報部6200に出力する。
図47に示したように、検査システム600には複数のRFアンテナ6172が備えられているが、これらの複数のRFアンテナ6172が1つのRFリーダ6100に接続されていてもよいし、複数のRFアンテナ6172に対応する複数のRFリーダ6100が設けられてもよい。
【0314】
複数のフォトセンサ6173は、各々検査・警報部6200に接続され、センシング情報を検査・警報部6200に送信する。各フォトセンサ6173のセンシング情報は、遊技用貨幣Cの有無を示す情報である。
【0315】
検査・警報部6200は、RFリーダ6100で読み取られたタグ情報の数と、複数のフォトセンサ6173から得られた遊技用貨幣Cの検出情報の数とを比較する。この場合に、検査・警報部6200は、タグ情報が真正のものであるか否かを判断して、真正のものと判断したタグ情報の個数のみを、フォトセンサ6173の検出情報の数と比較してもよい。
【0316】
遊技用貨幣トレイ617に収容された複数の遊技用貨幣のすべてに真正のRFタグが内蔵されている場合には、RFリーダ6100で読み取ったタグ情報の数とフォトセンサ6173で検出した遊技用貨幣Cの数とが一致するはずである。よって、検査・警報部6200は、これらの数が一致するか否かを判断し、一致しない場合には警報を生成する。
【0317】
生成された警報は図示しない警報手段によって人が知覚可能な方式で出力される。例えば、警報手段がスピーカである場合には、検査・警報部6200は、警報として、スピーカから所定の警報音を出力するための信号を生成する。警報手段がランプである場合には、検査・警報部6200は、警報として、ランプを点灯するための信号を生成する。
【0318】
RFリーダ6100は所定の時間間隔(例えば1秒間隔)でタグ情報の読取を行う。また、フォトセンサ6173も所定の時間間隔(例えば2秒間隔)で検出を行う。なお、RFリーダ6100及びフォトセンサ6173は常に読取り、検出を行ってもよい。
【0319】
また、RFリーダが所定の時間間隔で、又は常に、タグ情報の読取を行い、検査・警報部6200で、読み取った複数のタグ情報に変化が生じるか否かを判断し、変化した場合に、検査・警報部6200の制御に従ってフォトセンサ6173で検出を行うようにしてもよい。逆に、複数のフォトセンサ6173で、所定の時間間隔で、又は常に、遊技用貨幣Cの検出を行い、検査・警報部6200にて、検出された遊技用貨幣Cの数が変化するかを判断し、変化した場合に検査・警報部6200の制御に従ってRFリーダ6100でタグ情報の読取を行うようにしてもよい。
【0320】
検査・警報部6200にて警報が生成されると、警報手段は直ちに警報を出力する。これによって、不正遊技用貨幣が遊技用貨幣トレイ617に収容されたら所定時間以内に、あるいは直ちに警報が出力されることになる。よって、不正遊技用貨幣が、そのときテーブルでプレイをしているいずれかのプレイヤから持ち込まれたことを把握できる。また、その後のゲームをいったん中止して、それ以上不正遊技用貨幣が使用されることを防止することも可能である。場合によっては、そのテーブルでプレイしているプレイヤの内から不正遊技用貨幣を持ち込んだプレイヤを特定することもできる。
【0321】
検査・警報部6200は、検査(比較)の結果及び生成した警報を日時の情報とともに記録部6300に記録する。
【0322】
図50は、遊技用貨幣トレイの他の例を示す平面図である。
図50の例では、遊技用貨幣Cを収容する縦方向の複数の溝(ストック溝)6171に加えて、それらの上方に、ディーラがプレイヤから回収した遊技用貨幣Cを収容するのに用いる横向きの溝(回収溝)6174が設けられている。また、
図50の例では、ストック溝6171にはフォトセンサ6173が設けられず、回収溝6174に
図48と同様の配置でフォトセンサ6173が埋め込まれ、回収溝6174の下にRFアンテナ6172(不図示)が埋め込まれる。
【0323】
回収溝6174に収容される遊技用貨幣Cの数はゲームごとに増減する。よって、回収溝6174にフォトセンサ6173とRFアンテナ6172を設けて、検査のインターバルを十分に短くすることで、ゲームごとに、プレイヤから回収した直後の遊技用貨幣Cについて検査を行うことができ、不正遊技用貨幣が検出された場合には、それを所持していた者を特定したり、ゲームを中断したりすることができる。なお、回収溝6174に一定数以上又は収容可能数の遊技用貨幣Cが収容された場合には、それらの一部または全部をストック溝6171に移してよい。
【0324】
図51は、遊技用貨幣トレイのさらに他の例を示す平面図である。
図51の例では、回収溝6175が右端に縦向きに設けられている。そして、この回収溝6175にフォトセンサ6173とRFアンテナ6172(不図示)が設けられる。
【0325】
図52は、遊技用貨幣トレイのさらに他の例を示す平面図である。
図52の例では、縦方向の溝が、それぞれ20枚の遊技用貨幣Cを収容可能な上下2段の溝6176、6177に分かれている。各溝617は、20枚の遊技用貨幣Cを収容できる。各溝617には
図46の例と同様に、左右の両側に交互にフォトセンサ6173が設けられる。この例の遊技用貨幣トレイ617によれば、積み重ねる遊技用貨幣Cの枚数が少ないので、積み重ねて収容された遊技用貨幣Cとフォトセンサ6173とのずれが大きくなることを避けることができる。
【0326】
これらの
図51及び
図52の例においても、回収溝にフォトセンサ6173とRFアンテナ6172が設けられるので、遊技用貨幣Cについて回収直後に検査をすることができる。
【0327】
図53は、RFアンテナの他の構成を示す図である。上記の第5の実施の形態では、1つの溝6171に対して1つのRFアンテナが設けられたが、
図53に示すように、1つのRFアンテナ6172が複数の溝6171に収容される遊技用貨幣CのRFタグを読み取るように構成、配置されていてもよい。
【0328】
上記の第5の実施の形態では、遊技用貨幣Cの検査をするのに、RFリーダ6100でRFタグを読み取った遊技用貨幣Cの数と、RFID以外の物理的な手段で検出された遊技用貨幣Cの数とが一致するか否かを判断することで、RFタグを有しない、あるいはRFタグが破損している不正遊技用貨幣を検出した。そして、RFID以外の手段で物理的に遊技用貨幣Cの枚数を検知する手段として、遊技用貨幣の有無を1枚ずつ検出する複数のフォトセンサ6173を用いた。
【0329】
しかしながら、RFID以外の手段で遊技用貨幣Cの枚数を物理的に検知する手段は、複数のフォトセンサに限られない。以下、検知手段の他の例を説明する。
【0330】
図54は、検知手段としてラインセンサを用いる遊技用貨幣トレイの1つの溝を示す図である。
図54に示すように、溝6171の内壁の底には、溝6171の長手方向に延びるスリット6178が形成されており、スリット6178の下にはスリット6178に沿ってラインセンサ6179が設けられている。ラインセンサ6179の長手方向の画素ピッチは、遊技用貨幣Cの厚さより小さく設定される(ラインセンサ6179の長手方向の画素数は溝6171の遊技用貨幣Cの収容枚数より十分に大きく設定される)。
【0331】
図55は、
図54の例の検査システム600の全体構成を示す図である。ラインセンサ6179は、検査・警報部6200に接続されている。ラインセンサ6179は、撮影を行うことでライン画像を取得する。ラインセンサ6179は、取得したライン画像を検査・警報部6200に出力する。検査・警報部6200は、ライン画像に基づいて、下からどこまで遊技用貨幣Cがあるかを判断することで、溝6171に収容されている遊技用貨幣Cの枚数を検知する。
【0332】
検査・警報部6200は、RFリーダ6100で読み取られたタグ情報の数と、ライン画像から検知された遊技用貨幣Cの枚数とを比較することで検査を行い、それらの数が一致していない場合には警報を生成する。記録部6300は、検査・警報部6200における検査の結果及び生成された警報を記録する。
【0333】
図56は、検知手段としてスキャナを用いる遊技用貨幣トレイの1つの溝を示す図である。
図56に示すように、溝6171の内壁の底には、溝6171の長手方向に延びるスリット6178が形成されており、スリット6178の下にはスリット6178に沿ってレール6181が設けられている。このレール6181の上を撮像素子6180が移動することでスキャナが構成される。
【0334】
図57は、
図56の例の検査システム600の全体構成を示す図である。撮像素子6180は、検査・警報部6200に接続されている。撮像素子6180は、レール6178を移動しながら撮影を行い、レール上の位置の情報とその位置での撮影画像を検査・警報部6200に出力する。検査・警報部6200は、撮像素子6180がレール6181上を一端から他端まで一方向に移動しながら撮影してえられた複数の撮影画像について、遊技用貨幣Cの有無を判断することで、溝6171に収容された遊技用貨幣Cの枚数を検知する。
【0335】
図58は、検知手段としてレーザ測距器を用いる遊技用貨幣トレイの1つの溝を示す図である。
図58に示すように、溝6171の上端にはレーザ測距器6182が設けられている。レーザ測距器6182のレーザは、溝6171の長手方向に平行になるように設定されている。溝6171に、下から順に積み重ねて遊技用貨幣Cが収容されると、レーザ測距器6182から発射されるレーザは、最上位の遊技用貨幣Cの表面で反射してレーザ測距器6182に戻る。よって、レーザ測距器6182は、溝6171の上端を観測位置、下端を基準位置として、観測位置から、基準位置から最も遠い遊技用貨幣C(最も上に積み上げられた遊技用貨幣C)までの距離を測定する。
【0336】
図59は、
図58の例の検査システム600の全体構成を示す図である。レーザ測距器6182は、検査・警報部6200に接続されており、測定した距離を検査・警報部6200に出力する。溝6171に収容される遊技用貨幣Cの枚数が多くなるほど測定される距離が小さくなるので、検査・警報部6200は、レーザ測距器6182が測定した距離に基づいて、溝6171に収容されている遊技用貨幣Cの枚数を検知する。
【0337】
図60は、検知手段として重量計を用いる遊技用トレイの1つの溝を示す図である。
図21に示すように、溝6171は、重量計6183に載せられている。溝6171に遊技用貨幣Cが収容されると、重量計6183で計測される重量が増加する。
【0338】
図61は、
図60の例の検査システム600の全体構成を示す図である。重量計6183は、検査・警報部6200に接続されており、計測した重量を検査・警報部6200に出力する。溝6171に収容される遊技用貨幣Cの枚数が多くなるほど計測される重量が大きくなるので、検査・警報部6200は、重量計6183が計測した重量に基づいて、溝6171に収容されている遊技用貨幣Cの枚数を検知する。
【0339】
上記の例では、いずれもRFID以外の手段で溝6171に収容された遊技用貨幣Cの枚数を検知する検知手段を設けたが、この検知手段がなくてもよい。溝6171には、遊技用貨幣Cを収容できる最大枚数が決まっているので、溝6171に最大枚数の遊技用貨幣Cを収容した状態でRFタグの読取りを行えば、その際に物理的に存在する遊技用貨幣Cの枚数は最大枚数として既知である。
【0340】
よって、検査・警報部6200は、RFリーダでタグ情報が読み取られた遊技用貨幣Cの枚数と、既知の最大枚数とを比較することで、RFタグを内蔵しない、又はRFタグが破損している不正遊技用貨幣を検出することができる。
【0341】
但し、検査をする溝6171に常に最大枚数の遊技用貨幣Cを収容できるとは限らない。そこで、ダミー貨幣としてのスペーサを用いて、溝6171の空いている部分を埋めるようにしてよい。スペーサは、遊技用貨幣Cと同じ形状(円板形状)のもののほか、積み重なった複数の遊技用貨幣Cと同じ形状(円柱形状)のものを用意してよい。
【0342】
図62は、スペーサによって溝の空いているスペースを埋めた状態を示す図である。この溝6171は40枚の遊技用貨幣Cを収容可能であり(最大収容枚数は40であり)、この溝6171に30枚の遊技用貨幣Cが収容されている。10枚分の空きスペースを埋めるために、1つの5枚分のスペーサ6184、1つの3枚分のスペーサ6184、2つの1枚分のスペーサ6184が溝6171に収容されている。
【0343】
スペーサ6184には、その枚数分のRFタグが内蔵されている。例えば、5枚分のスペーサ6184には5つのRFタグが内蔵されており、3枚分のスペーサ6184には3つのRFタグが内蔵されており、1枚分のスペーサ6184には1つのRFタグが内蔵されている。
【0344】
よって、溝6171に収容された30枚の遊技用貨幣Cがすべて真正であるとすると、RFリーダ6100は、スペーサ6184に内蔵されたRFタグも含めて、40のタグ情報を読み取ることになる。検査・警報部6200は、RFリーダ6100が読み取ったタグ情報の数がこの所定値、即ち溝6171の遊技用貨幣Cの収容可能枚数と一致しない場合には、不正遊技用貨幣が存在すると判断して警報を生成する。
【0345】
図63は、
図62の例の検査システム600の全体構成を示す図である。上述のように、
図62の例の場合には検知手段は不要であるが、任意のタイミングで検査が行われると、溝6171に空きスペースが生じていることがあり、RFリーダ6100で所定数のタグ情報を読み取れず、警報が生成されてしまうことがある。よって、
図63の例では、検査・警報部6200にて検査を行うことを指示するためのスイッチ6185を設けた。スイッチ6185は、押されることでON信号を発生させる。
【0346】
スイッチ6185は、検査・警報部6200に接続され、ON信号を検査・警報部6200に出力する。検査・警報部6200は、スイッチ6185からON信号を受けると、RFリーダ6100に読取りの実行を指令する。
【0347】
ディーラは、ゲームに負けたプレイヤから遊技用貨幣Cを回収すると、溝6171に収容し、空きスペースにスペーサ6184を収容して、溝6171の空きスペースがなくなった状態となったら、スイッチ6185を押す。そうすると、RFリーダ6100はRFタグの読取りを実行して、検査・警報部6200は、読み取られたタグ情報の数が所定値と一致するか否かを判断することで検査を行う。
【0348】
第5の実施の形態では、カジノゲームに用いる遊技用貨幣を検査するシステムを説明したが、検査する対象は遊技用貨幣C以外の有価物であってもよい。また、遊技用貨幣には、RFタグが埋め込まれていたが、他の方法によって個別に識別可能なユニークなIDが付されていてもよい。
【0349】
また、第5の実施の形態では、RFID以外の手段で遊技用貨幣Cの数を検知する手段として種々説明したが、遊技用貨幣Cの数を検知する手段は、不正遊技用貨幣も含めてプレイヤやディーラが遊技用貨幣Cであると認識するままにその数を検知する手段であればよく、例えば、以下に説明する例のように、遊技用貨幣トレイ617に収容された遊技用貨幣Cをカメラで撮影して、その画像に基づいて枚数を検知する手段であってもよい。
【0350】
さらに、検査システムは、有価物以外の物体を検査するものであってもよい。
【0351】
図64は、RFタグを内蔵した物体を検査する検査システムの全体構成を示す図である。検査システム6001は物体を置くための台Bを備えている。台Bに置かれた物体は、カメラ6400によって撮影され、撮影画像が生成される。カメラ6400は検査・警棒部6200に接続されており、撮影画像は検査・警報部6200に出力される。検査・警報部6200は、ディープラーニングによって学習されたニューラルネットワークを備え、このニューラルネットワークによって、撮影画像から物体がいくつあるかを認識することで、物体の数を検知する。
【0352】
また、台BにはRFアンテナ6172が内蔵されている。台Bに置かれた物体に内蔵されたRFタグは、RFアンテナ6172に電波を送信し、RFリーダ6100がタグ情報を読み取る。
【0353】
検査・警報部6200は、RFリーダ6100で読み取られたタグ情報の数と、ニューラルネットワークで認識された物体の数とを比較し、両者が一致しない場合に警報を生成する。このように、RFID以外の手段であるカメラ6400によって、真偽は不明だが存在する物体の数を検知し、一方で、それらの物体のRFタグを読み取り、読み取られたタグ情報の数と、カメラ6400によって検知された数とを比較することで、RFタグ情報が読み取れない物体を検出することができる。