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特許7162753デバイスの位置データの定量的地理空間分析
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-20
(45)【発行日】2022-10-28
(54)【発明の名称】デバイスの位置データの定量的地理空間分析
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20221021BHJP
   G06Q 10/00 20120101ALI20221021BHJP
   G16Y 20/40 20200101ALI20221021BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20221021BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20221021BHJP
【FI】
G06Q30/02 300
G06Q10/00
G16Y20/40
G16Y40/10
G16Y40/20
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021550206
(86)(22)【出願日】2020-02-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-15
(86)【国際出願番号】 US2020020507
(87)【国際公開番号】W WO2020176892
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-10-27
(31)【優先権主張番号】62/811,699
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/803,994
(32)【優先日】2020-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518172901
【氏名又は名称】オービタル インサイト インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン クラントン
(72)【発明者】
【氏名】ハドレー ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】ハヴィエル バルヘイロ
(72)【発明者】
【氏名】プラヴィーン セルカ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ワトソン
【審査官】石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-146771(JP,A)
【文献】特開2015-165428(JP,A)
【文献】特開2015-207041(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16Y 10/00-40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
関心の領域(AOI)の選択を受信するステップであって、前記選択は、地理的領域を示すステップと、
前記AOIに対するAOIデバイスの位置データにアクセスするステップであって、前記AOIデバイスの位置データは、前記AOI内で受信された1つまたは複数のデバイスの位置を経時的に示すステップと、
つまたは複数の第1の特徴にマッチングするデバイスの位置データだけを含むように前記AOIデバイスの位置データをフィルタリングするステップと、
前記AOIに対する近接ゾーンを決定するステップであって、前記近接ゾーンは、前記AOIと、前記AOIの外側にある1つまたは複数の領域とを含む、ステップと、
前記近接ゾーンに対するゾーンデバイスの位置データにアクセスするステップであって、前記ゾーンデバイスの位置データは、前記近接ゾーン内で報告された1つまたは複数のデバイスの位置を経時的に示すステップと、
つまたは複数の第2の特徴にマッチングするデバイスの位置データだけを含むように前記近接ゾーンデバイスの位置データをフィルタリングするステップと、
前記フィルタリングされたAOIデバイスの位置データと前記ゾーンデバイスの位置データとの比率を算定することによって、前記フィルタリングされたAOIデバイスの位置データを正規化して、AOIユーザー推定を生成するステップと、
前記AOIユーザー推定を要求者側のクライアントデバイスに伝送して、前記AOIユーザー推定を前記要求者側の前記クライアントデバイスに関連付けられる画面のグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)に対して表示させるステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記AOIの前記選択は、閉じた多角形境界を用いて示され、前記閉じた多角形境界は、地理的座標を用いて指定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記AOIデバイスの位置データをフィルタリングするステップは、
特定の期間の間に前記AOIにあるデバイスについてのデバイスの位置データだけを含むように前記AOIデバイスの位置データをフィルタリングするステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記AOIデバイスの位置データをフィルタリングするステップは、
留時間の範囲の間前記AOIにあるデバイスについてのデバイスの位置データだけを含むように前記AOIデバイスの位置データをフィルタリングするステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記近接ゾーンを前記決定するステップは、
前記AOIの中心とマッチングする中心を有する領域を選択するステップであって、前記領域は、100キロメートルを超えるそれぞれの次元を有するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記近接ゾーンを前記決定するステップは、
前記AOIデバイスの位置データのデバイスのホーム位置を決定するステップと、
前記AOIから所定の閾値の距離内にある前記AOIデバイスの位置データの前記デバイスの前記ホーム位置を有する領域を含むように前記近接ゾーンを決定するステップと
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記フィルタリングされたAOIデバイスの位置データを前記正規化するステップは、
前記フィルタリングされたAOIデバイスの位置データと前記ゾーンデバイスの位置データにおいて報告されたデバイスの数の前記比率を算定するステップと、
前記算定された比率によって変更された人口統計データによって示されるように、前記AOIユーザーが前記近接ゾーンにおけるユーザーの数を推定するように決定するステップと
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
過去のAOIユーザー推定を用いて、複数の繰り返し期間の間の前記過去のAOIユーザー推定における前記AOIユーザー推定に対する予測間隔を決定するステップと、
在の期間が属する選択された繰り返し期間を決定するステップと、
現在のAOIユーザー推定が前記選択された繰り返し期間の間の前記過去のAOIユーザー推定に対して指定された程度まで前記予測間隔を超えているかを決定するステップと、
前記選択された繰り返し期間の間の前記過去のAOIユーザー推定に対するパーセンタイル範囲を超える前記現在のAOIユーザー推定に応答して、前記要求者側の前記クライアントデバイスにメッセージを伝送して、前記要求者側の前記クライアントデバイスの前記GUIにアラートを表示させるステップと
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記AOIユーザー推定と前記AOIと同一のカテゴリタイプを共有する1つまたは複数の代替AOIユーザー推定との間の相対的な差異を決定するステップと、
前記要求者側のクライアントデバイスにメッセージを伝送して、前記要求者側のクライアントデバイスの前記GUI内に表示される前記相対的な差異を引き起こすステップと
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記フィルタリングされたAOIデバイスの位置データに基づいて、再訪のデバイスの数を決定するステップであって、前記再訪のデバイスは、複数の非連続的な期間の間に前記AOI内にある位置を有するデバイスの位置履歴を用いて、前記フィルタリングされたAOIデバイスの位置データにおけるデバイスであるステップと、
前記要求者側のクライアントデバイスの前記GUI内に前記再訪の数を表示させるために前記要求者側のクライアントデバイスにメッセージを伝送するステップと
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行された場合に、前記プロセッサに
関心の領域(AOI)の選択を受信することであって、前記選択は、地理的領域を示す、ことと
前記AOIに対するAOIデバイスの位置データにアクセスすることであって、前記AOIデバイスの位置データは、前記AOI内で受信された1つまたは複数のデバイスの位置を経時的に示す、ことと
つまたは複数の第1の特徴にマッチングするデバイスの位置データだけを含むように前記AOIデバイスの位置データをフィルタリングすることと
前記AOIに対する近接ゾーンを決定することであって、前記近接ゾーンは、前記AOIと、前記AOIの外側にある1つまたは複数の領域とを含む、ことと
前記近接ゾーンに対するゾーンデバイスの位置データにアクセスすることであって、前記ゾーンデバイスの位置データは、前記近接ゾーン内で報告された1つまたは複数のデバイスの位置を経時的に示す、ことと
つまたは複数の第2の特徴にマッチングするデバイスの位置データだけを含むように前記近接ゾーンデバイスの位置データをフィルタリングすることと
前記フィルタリングされたAOIデバイスの位置データと前記ゾーンデバイスの位置データとの比率を算定することによって、前記フィルタリングされたAOIデバイスの位置データを正規化し、AOIユーザー推定を生成することと
前記AOIユーザー推定を要求者側のクライアントデバイスに伝送し、前記AOIユーザー推定を前記要求者側の前記クライアントデバイスに関連付けられる画面のグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)に対して表示させること
を含む動作を実行させる命令を格納する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体と
を備えたことを特徴とするシステム。
【請求項12】
前記AOIの前記選択は、閉じた多角形境界を用いて示され、前記閉じた多角形境界は、地理的座標を用いて指定されることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、前記プロセッサによって実行された場合に、前記プロセッサに
特定の期間の間に前記AOIにあるデバイスについてのデバイスの位置データだけを含むように前記AOIデバイスの位置データをフィルタリングすることを含む動作を実行させるさらなる命令を格納することを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、前記プロセッサによって実行された場合に、前記プロセッサに
留時間の範囲の間前記AOIにあるデバイスについてのデバイスの位置データだけを含むように前記AOIデバイスの位置データをフィルタリングすることを含む動作を実行させるさらなる命令を格納することを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、前記プロセッサによって実行された場合に、前記プロセッサに
前記AOIの中心とマッチングする中心を有する領域を選択することであって、前記領域は、100キロメートルを超えるそれぞれの次元を有することを含む動作を実行させるさらなる命令を格納することを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、前記プロセッサによって実行された場合に、前記プロセッサに
前記AOIデバイスの位置データのデバイスのホーム位置を決定することと
前記AOIから所定の閾値の距離内にある前記AOIデバイスの位置データの前記デバイスの前記ホーム位置を有する領域を含むように前記近接ゾーンを決定すること
を含む動作を実行させるさらなる命令を格納することを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、前記プロセッサによって実行された場合に、前記プロセッサに
前記フィルタリングされたAOIデバイスの位置データと前記ゾーンデバイスの位置データにおいて報告されたデバイスの数の前記比率を算定することと
前記算定された比率によって変更された人口統計データによって示されるように、前記AOIユーザーが前記近接ゾーンにおけるユーザーの数を推定するように決定すること
を含む動作を実行させるさらなる命令を格納することを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、前記プロセッサによって実行された場合に、前記プロセッサに
過去のAOIユーザー推定を用いて、複数の繰り返し期間の間の前記過去のAOIユーザー推定における前記AOIユーザー推定に対する予測間隔を決定することと
在の期間が属する選択された繰り返し期間を決定することと
現在のAOIユーザー推定が前記選択された繰り返し期間の間の前記過去のAOIユーザー推定に対して指定された程度まで前記予測区間を超えているかを決定することと
前記選択された繰り返し期間の間の前記過去のAOIユーザー推定に対するパーセンタイル範囲を超える前記現在のAOIユーザー推定に応答して、前記要求者側の前記クライアントデバイスにメッセージを伝送して、前記要求者側の前記クライアントデバイスの前記GUIにアラートを表示させること
を含む動作を実行させるさらなる命令を格納することを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
前記非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、前記プロセッサによって実行された場合に、前記プロセッサに
前記AOIユーザー推定と前記AOIと同一のカテゴリタイプを共有する1つまたは複数の代替AOIユーザー推定との間の相対的な差異を決定することと
前記要求者側のクライアントデバイスにメッセージを伝送して、前記要求者側のクライアントデバイスの前記GUI内に表示される前記相対的な差異を引き起こすこと
を含む動作を実行させるさらなる命令を格納することを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
前記非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、前記プロセッサによって実行された場合に、前記プロセッサに
前記フィルタリングされたAOIデバイスの位置データに基づいて、再訪のデバイス数を決定することであって、前記再訪のデバイスは、複数の非連続的な期間の間に前記AOI内にある位置を有するデバイスの位置履歴を用いて、前記フィルタリングされたAOIデバイスの位置データにおけるデバイスである、ことと
前記要求者側のクライアントデバイスの前記GUI内に前記再訪の数を表示させるために前記要求者側のクライアントデバイスにメッセージを伝送すること
を含む動作を実行させるさらなる命令を格納することを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、センサーデータの処理、具体的には、デバイスの位置データの定量的地理空間分析に関連する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2019年2月28日に出願された米国仮出願第62/811,699号および2020年2月27日に出願された米国非仮出願第16/803,994号の優先権を主張し、これらは、両方ともその全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
関心の領域(AOI)のユーザーの数を推定または予測する機能は、多くの状況において貴重なリソースになることできる。例えば、小売店舗に対するユーザーの数を経時的に知ることは、企業が他の一般的に所有されている場所に対してその場所の人気を決定することにおいて助力となることができる。別の例示として、都市におけるユーザーの交通パターンは、都市計画者が新しいインフラストラクチャーを開発して、緊急時対応計画を作成することにおいて助力となることができる。
【0004】
多様な方法を、対象のAOIで集団のサイズを決定することに用いることができる。簡単なアプローチは、単に場所に訪問して、その場所で関心のあるそれぞれのオブジェクトをカウントすることであってよい。しかしながら、これは、いくつもの推定をより必要とする場合に、AOIのサイズ、およびオブジェクトの数が多い場合に、すぐにロジスティックの問題を引き起こす。その代わりに、デバイスの位置データのようなAOIのセンサーデータは、集団を推定することに用いられることができる。このセンサーデータは、現地でのコンポーネントなしで対象のAOIで集団を推定することに用いられる情報を収集することに用いられることが可能である。
【0005】
このセンサーデータは、車両上に位置提供機能を有する自動車のメーカー、測位機能を有するスマートフォンにインストールされるアプリケーションを有するアプリケーションクリエーター、携帯電話会社、衛星プロバイダーなどのような提供元のネットワークと契約を結んでいるサードパーティープロバイダーのセットに依拠することがある。サードパーティープロバイダーと契約を結んでいる提供元またはプロバイダーの数、および所与のAOIで発生し得るセンサーデータソースの数は、AOIでのユーザーの数の実際の変化に関係なく変化することがある。したがって、センサーデータは、不正確となる場合がある。それ故に、欠いているものは、これらのプロバイダーから収集されるセンサーデータを用いて、AOIでのユーザーの数の正確な予測を生成する方法である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
開示された実施形態は、詳細な説明、添付の特許請求の範囲、および添付の図(または図面)からより容易に明らかとなる利点、および特徴を有する。図の簡単な紹介を以下に示す。
【0007】
図1】一実施形態にかかる、関心の領域(AOI)におけるユーザーの数を推定するための例示的なシステムを図示している。
図2】一実施形態にかかる、AOIにおけるユーザーの数を推定するためのAOIユーザーアナライザーシステムに対する、ならびに異常の分析、再訪情報、およびAOIにおける相対的な差異を分析することに対する、例示的なフローを図示するブロック図である。
図3A】一実施形態にかかる、要求者側へのグラフィカルインターフェースにおけるグラフ形式で提供されるようなAOIでのユーザーの数の推定の例示を図示する。
図3B】一実施形態にかかる、AOIユーザーアナライザーシステムによって収集されることができ、且つAOIに対する要求者側に提供されることができるデータの例示を図示する。
図4】一実施形態にかかる、AOIユーザーアナライザーシステムを用いるAOIにおけるユーザーの数の推定を図示するフロー図である。
図5】機械可読媒体から命令を読み取ることが可能であり、それらをプロセッサまたはコントローラーにおいて実行することが可能である例示的な機械のコンポーネントを図示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面(図)および以下の説明は、あくまでも例示としての好適な実施形態に関する。以下の説明から、本明細書に開示される構造および方法の代替的な実施形態は、特許請求の範囲の原理から逸脱することなく、採用され得る実行可能な代替として容易に認識されることとなることを留意されたい。
【0009】
ここで、いくつかの実施形態が詳細に参照されることとなり、それらの例示は、添付の図面において示されている。実現可能な限り、類似した参照番号または同様の参照番号が、図面において用いられてよく、類似した機能性または同様の機能性を示してよいことに留意されたい。図面は、例示のみを目的のために、開示されているシステム(または方法)の実施形態を描写する。当業者は、本明細書で例示される構造および方法の代替的な実施形態が本明細書で説明される原理から逸脱せずに採用されることができることを以下の説明から容易に認識することとなる。
【0010】
(構成の概要)
例示的な実施形態として開示されるのは、AOIおよびより大きな周囲近接ゾーン領域に対するデバイスの位置データを分析することによって、関心の領域(AOI)でのユーザーの数の推定を決定するための方法およびシステムである。
【0011】
ある実施形態において、この方法は、関心の領域(AOI)の選択を受信することを備える。この方法は、AOIに対するAOIデバイスの位置データにアクセスすることをさらに備え、AOIデバイスの位置データは、AOI内で受信した経時的なデバイスの位置を示す。AOIデバイスの位置データは、1つまたは複数の特徴にマッチングするデバイスの位置データだけを含むためにフィルタリングされる。近接ゾーンは、AOIの領域内を含むAOIに対して決定される。近接ゾーンに対するゾーンデバイスの位置データが識別され、これは、近接ゾーン内で報告されたデバイスの経時的な位置を示す。この方法は、フィルタリングされたAOIデバイスの位置データとゾーンデバイスの位置データとの比率を算定することによって、フィルタリングされたAOIデバイスの位置データを正規化して、AOIユーザー推定を生成すること、およびAOIユーザー推定を要求者側のクライアントデバイスに伝送することをさらに備える。
【0012】
(システム環境の例示)
図面(図)1は、一実施形態にかかる、センサーデータおよび分散デバイスデータを用いてオブジェクト集団推定の共同モデリングのための例示的なシステムを図示する。図1において図示される例示的なシステム環境は、位置対応デバイス112を有する関心の領域(AOI)110、近接ゾーン114、デバイスの位置データプロバイダー120A~N(本明細書では一般に120と称される)、および位置データ132、地理的データ134、およびAOIユーザーアナライザー136を有するAOIユーザーアナライザーシステム130を備える。
【0013】
関心の領域(AOI)110は、地表面(例えば、地球の表面)上の領域であり、その領域内のすべての特徴(自然および人工)を含む。AOIの画定は、例えば、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)またはグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を用いることによって、ユーザーまたはサードパーティーシステム130によって、AOIユーザーアナライザーシステム130に提供されることができる。AOI110は、地表面上の閉じた境界によって画定されてよい。閉じた境界自体は、さまざまな接続された地理的な標識を用いて画定されてよく、これは、経度や緯度の指示のような地理的な座標を用いて示されてよい。代替的に、AOI110は、閉じた境界を説明するベクトルのセットによって画定されてよい。ある場合においては、AOI110は、上記の方法のうちの1つを用いて画定されるそれぞれの閉じた境界を用いることで、多様な閉じた境界を用いて画定されてよい。AOI110は、また、その閉じた境界のうちの1つの中に除外された領域または複数の領域を有することができる。これらの除外された領域は、また、閉じた境界を用いて画定されてよく、類似する方法で指定される。別の実施形態において、AOI110は、地図作成インジケーター、つまり、一般的に、従来の、管理上、または法的に合意された、地表面に対する境界領域のインジケーターを用いて画定される。例えば、これらの地図作成インジケーターは、名所、ランドマーク、住所、郵便番号、市/町/村、大都市圏、国、州/郡、近隣、非法人地域などを含んでよく、地図作成インジケーターを超えた(または以内の)許容範囲の領域の範囲、これは、地図作成インジケーターからの絶対値またはパーセンテージで画定されてよい。例えば、AOI110は、郵便番号を用いて示されてよく、これは、国の郵便サービスによって画定される。
【0014】
AOI110は、AOI110内の集団の推定またはユーザーのアクティビティーのような情報に対して、要求者側が興味を示す地理的位置を表現する。例えば、地方自治体は、将来の公共交通インフラストラクチャーの開発のために、経時的な公共交通機関での歩行者の交通量に関心を持つことがあり、どのように計画するかを決定する。AOI110の他の例示は、ショッピングモール、空港、近隣、学校、工場、石油精製所、自動車または他の車両製造施設(例えば、RV車、航空機)、鉱山、小売店舗、倉庫などを含んでよい。AOI110は、さらに、高度の上限および/または高度の下限によって境界をつけられてよい。
【0015】
ある実施形態において、AOI110は、地表面上の場所ではなく、任意の場所での閉じた三次元体積であり、地面レベルからオフセットされていてもいなくてもよい。それは、平面を用いて互いに接続される複数の3次元座標を用いて画定されてよく、または幾何学的形状の観点から説明されてよい。
【0016】
AOI110は、1つまたは複数の位置対応デバイス112を含む。それぞれの位置対応デバイス112は、デバイスの位置情報を収集、識別、または報告することができ、それをネットワーク(例えば、モバイル、セルラー、ワイヤレス、または他のネットワーク)を介してデバイスの位置データプロバイダー120のような外部システムに伝送することができるデバイスであり、これは、以下でさらに説明される。位置対応デバイス112の例示は、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、車両に対するナビゲーションユニット、水上輸送船、GPSトラッカー、ラップトップなどを含む。位置情報は、GPSまたは類似する衛星ナビゲーションシステム(例えば、GLONASS、Galileo、Beidou)から情報を受信することが可能であるモバイルデバイスのコンポーネントを用いて収集されることができるか、または近くのWi-Fiネットワークもしくはセルラーネットワークタワーを介した検出のような接近する位置の他の方法を用いて収集されることができる。モバイルデバイスは、1人のユーザー(または複数のユーザー)に関連付けられてよい。それは、ユーザーによって携帯または着用されるデバイスであってよい。この点において、それは、ユーザーに対するプロキシとして機能することができ、且つユーザーについての情報、具体的には、そのユーザーの位置情報を提供することができる。それ故に、位置情報を含むモバイルデバイスの使用データを受信することによって、関連するユーザーの現在の位置も推測されることができる。ある実施形態において、モバイルデバイスは、また、デバイスと称されることがある。
【0017】
位置対応デバイス112は、モバイルデバイスの現在の地理的位置および現在の時刻(例えば、現地時間またはグリニッジ標準時/GMT)に関する位置データ情報をデバイスの位置データプロバイダー120に伝送することができる。地理的位置は、地理的座標、例えば、緯度、経度、および/もしくは高度データ、近くのWi-Fiネットワーク名、近くのセルラータワーの位置、または上記のようにAOI110を画定するために用いられるもののように、他の方法を用いて示されてよい。例えば、地理的位置は、モバイルデバイスが配置されている関心のあるポイントとして示されてよい。現在の時刻は、例えば、ミリ秒、秒、分、または日の精度レベルの変化するレベルの精度で示されてよい。例えば、現在の時刻は、Unixの時間形式を用いて64ビットの整数で示されてよい。
【0018】
位置対応デバイス112は、モバイルデバイスへとログインしているユーザーアカウント識別子、モバイルプロバイダー情報、位置対応デバイス112に対する位置データを収集するモバイルアプリケーション、過去の地理的位置情報、オペレーティングシステム情報、バージョン番号情報、位置情報、精度レベルなどを提供したアプリケーション識別子のような位置データ情報におけるさらなる情報を伝送することができる。
【0019】
AOI110によって画定される空間(つまり、面積、位置、体積など)は、近接ゾーン114内に包括的、またはほぼ包括的であってよい。近接ゾーン114は、AOI110と同一の方法で画定されてよい空間である。したがって、近接ゾーン114は、地理的領域、地理的位置または関心のある点、または3次元空間として画定されてよい。ある実施形態において、近接ゾーン114の画定のタイプは、AOI110のそれとマッチングする。
【0020】
近接ゾーン114によって画定される空間は、AOI110の画定によって画定される空間におけるすべての点を含んでよい。さらに、近接ゾーン114は、また、AOI110内にない空間を画定する。したがって、近接ゾーン114は、AOI110を含むが、AOI110によって画定される空間の外側にある領域、位置、および/または体積をも含む。このさらなる空間は、AOI110の、またはAOI110内の位置対応デバイス112によって報告される位置に基づいて決定されてよい。
【0021】
第1の場合において、近接ゾーン114は、例えば、AOI110の位置に基づいて、AOIユーザーアナライザーシステム130によって決定されてよい。近接ゾーン114は、AOI110によって画定される境界から所定の距離にある空間の量と同様に、AOI110を含むように画定されてよい。
【0022】
第2の場合において、近接ゾーン114は、例えば、AOI110内の位置対応デバイス112の位置に基づいて、AOIユーザーアナライザーシステム130によって決定されてよい。AOIユーザーアナライザーシステム130は、ある時点で、AOI110内の位置を報告した位置対応デバイス112を決定することができる。AOIユーザーアナライザーシステム130は、例えば、夜間でのこれらのデバイスの位置(これは、ある程度の数にわたって報告される時間/夜間に報告された位置であってよい)を決定することによって、AOI110内のこれらの報告されたデバイスのホーム位置をさらに決定する。AOIユーザーアナライザーシステム130は、AOI110に最も近いホーム位置とともに、それらの報告されたデバイスのホーム位置のパーセンテージを含む領域として近接ゾーン114を決定することができる。近接ゾーン114の境界は、連続していてよく、つまり、ばらばらではなく、AOI内で報告されたデバイスによって報告されたホーム位置の地理的座標を包含してよい。近接ゾーン114の面積は、決定されることによって、それがすべてのホーム位置を包含する一方で、可能な限り最小の面積であってよい。
【0023】
近接ゾーン114の決定に関するさらなる詳細は、図2を参照して以下で説明される。
【0024】
上記のように、説明の目的のために、図1において、AOI110および近接ゾーン114の両方が長方形の点線で囲まれて図示されているが、それらは、さまざまな方法を用いて画定されてよく、図示されるような長方形の四角形に対応していなくてもよい。これは、グラフィックまたはテキストで示されてよい。
【0025】
デバイスの位置データプロバイダー120は、位置対応デバイス112から位置データ情報を受信する。この情報は、デバイスの位置データ122として格納されてよく、全体的または部分的に(例えば、個人を特定できる情報を除いて)AOIユーザーアナライザーシステム130に伝送されてよい。それぞれのデバイスの位置データプロバイダー120は、指定のアプリケーション、デバイスの製造業者、デバイスのオペレーティングシステム、またはすべてのモバイルデバイスのサブセットから位置データ情報を収集する他のエンティティからの位置データ情報に関連付けられてよい。例えば、位置対応デバイス112の第1のセットは、その上でアプリケーションAをその上でインストールし、これは、位置データ情報をデバイスの位置データプロバイダー125Aに伝送し、一方で、位置対応デバイス112の第2のセット(これは、第1のセットと重複してよい)が、その上でアプリケーションBをインストールし、これは、位置データ情報を別個のデバイスの位置データプロバイダー125Bに伝送する。位置対応デバイス112上のアプリケーションは、アプリケーションが、例えば、セルラーデータ伝送、Wi-Fiデータ伝送、ブルートゥースデータ伝送、または任意の他のネットワーク伝送技術を介して、位置データ情報をネットワーク経由で伝送することができるデータ伝送モードにアクセスするために、モバイルデバイスのオペレーティングシステムの1つまたは複数のAPIにアクセスすることによって、位置データ情報をデバイスの位置データプロバイダー120に伝送し、さらにより具体的には、デバイスの位置データプロバイダー120の1つまたは複数のネットワークサーバに伝送することができる。位置データ情報は、位置対応デバイス112の位置データを含むことが可能であり、これは、アプリケーションがモバイルデバイスのオペレーティングシステムのAPIを用いることによってアクセスすることもできる。アプリケーションのプロバイダーおよびデバイスの位置データプロバイダー120は、同一のエンティティであってよいが、ある場合において、これらのエンティティは、収集のために、アプリケーションプロバイダーがモバイルデバイスの位置データをデバイスの位置データプロバイダー120に送信することで、別個である。
【0026】
位置データ情報を処理した後で、デバイスの位置データプロバイダー120は、デバイスの位置データ122を集団推定システム135に伝送する。ある実施形態において、デバイスの位置データ122は、報告された位置データ情報ごとに、1)タイムスタンプ、2)デバイスの識別子、および3)地理的座標を含む。さらに、デバイスの位置データ122は、4)オペレーティングシステム識別子、4)ジオハッシュ、6)精度カウント、および/または7)アプリケーション識別子を含んでよい。デバイスの位置データ122に関するさらなる詳細は、図3Bを参照して以下で説明される。
【0027】
AOIユーザーアナライザーシステム130は、AOI110および近接ゾーン114に対するデバイスの位置データに基づいて、AOI110でのユーザーの数を推定する。ある実施形態において、AOIユーザーアナライザーシステム130は、位置データストア132、地理的データストア134、およびAOIユーザーアナライザー136を含む。
【0028】
位置データストア132は、AOI110および近接ゾーン114における位置対応デバイス112から受信したデバイスの位置データ122を格納する。位置データストア132は、また、他の地理的領域に対するデバイスの位置データ122を含んでよく、デバイスの位置データプロバイダー120が国全体、または全世界に対するようにAOIユーザーアナライザーシステム130に提供することが可能であるすべてのデバイスの位置データ122を含んでよい。位置データストア132のおけるそれぞれのエントリは、位置対応デバイス112から報告された位置データ情報のエントリを含んでよい。
【0029】
地理的データストア134は、AOIユーザーアナライザーシステム130がAOI110および近接ゾーン114に関連して、位置データストア132における位置対応デバイス112の位置を決定するために用いることができる地理的情報を格納する。具体的には、AOIユーザーアナライザー136は、地理的データストア134を用いることができ、位置対応デバイス112から報告された位置がAOI110の画定によって示される境界内にあるかを決定する。ある実施形態において、地理的データストア134は、また、異なる地理的領域内の複数のユーザーを示す情報を格納することができる。地理的データストア134における情報は、サードパーティー(例えば、衛星データプロバイダー、政府の国勢調査記録など)から検索することができる。
【0030】
AOIユーザーアナライザー136は、AOI110および近接ゾーン114に対して報告されたデバイスの位置データ122を用いて、経時的に(または指定の時点で)AOI110で存在するユーザーの数を推定する。
【0031】
この推定を行うために、AOIユーザーアナライザー136は、AOI110の画定を受信した後で、位置データストア132にアクセスし、ある期間(例えば、現在の時刻、最後の1時間、最後の日、最後の週、最後の月など)にわたってAOI110で存在する位置対応デバイス112に対するデバイスの位置データ122を検索する。AOIユーザーアナライザー136は、地理的データストア134を用いることができ、AOI110の境界内にある地理的位置/座標を決定して、それらの地理的位置および/または座標にマッチングする位置データストア132におけるそれらの位置データエントリを見つけることができる。AOIユーザーアナライザー136は、AOIデバイスの位置データのこのリストをフィルタリングし、一時的なデバイスの位置データ(例えば、滞留時間が閾値よりも低いもの)および指定の(繰り返し)期間の間に存在しているような他の特徴とマッチングしないデバイスの位置データを除去する。
【0032】
AOIユーザーアナライザー136は、さらに、上記の方法で、AOI110に対する近接ゾーン114を決定する。前述のように、この近接ゾーン114は、AOI110を囲むことができるさらなる空間と共に、AOI110を含む。AOIユーザーアナライザー136は、位置データストア132および位置データストア132を用いて、同一の期間に対する近接ゾーン114で報告された位置を有する、デバイスの位置データストア132からのデバイスの位置データ122を含むゾーンデバイスの位置データのリストを決定する。AOIユーザーアナライザー136は、AOI110内にあるデバイスを識別するために用いられるのと同一の方法を用いて、これらのデバイスを識別することができる。
【0033】
AOIデバイスの位置データおよびゾーンデバイスの位置データの両方を用いて、AOIユーザーアナライザー136は、フィルタリングされたAOIデバイスの位置データを正規化し、AOIでのユーザーの数の推定である正規化結果を生成する。ある実施形態において、データの正規化は、AOI内で報告されたデバイスの位置のカウントに限定されない全体的またはグローバルな報告されたデバイスの位置のカウントの変化のため、報告されたデバイスの位置のカウントにおけるシステムエラーを除去することを伴う。以下でさらに説明されるように、フィルタリングされたAOIデバイスの位置データを正規化する目的は、デバイスの位置データ122における任意のシステム変化を説明することであり、これは、デバイスの位置のデータプロバイダー120によって受信される位置データ情報の提供元の変化のために発生することがある。経時的に、契約の変更、アプリケーションのインストールされたユーザーベース、デバイスのユーザーベース、地方の規制および法律、プライバシー設定などのため、デバイスの位置データプロバイダー120に位置データ情報を報告するデバイスの数は、カウントにおいてかなり変化することがある。例えば、新しいアプリケーションは、デバイスの位置データプロバイダー120との契約に署名することができ、位置データ情報を提供する。これは、そのプロバイダーの位置データ情報のデバイスのカウントをかなり増加させることができる。別の例示として、位置データ情報の報告機能を提供する新しい車両が市場へと導入されることができる。この車両は、人気があることがあり、このように、位置データ情報を報告するデバイスの数を増加させる。反対に、デバイスは、人気が低下することがあるか、またはアプリケーションは、事前の契約を取り消すことがあり、位置データ情報を報告するデバイスの数の減少を引き起こすことがある。したがって、AOI110内で報告されるデバイスの位置データの特定の変化は、AOI110自体でのデバイスの変化というよりも、むしろデバイスの報告データの数の全体にこれらのシステム変化が起因することがある。
【0034】
AOIユーザーアナライザー136は、フィルタリングされたAOIデバイスの位置データに対して報告されたデバイスの位置データ122をゾーンデバイスの位置データに対するデバイスの位置データ122と比較することによって、これらの変化を確認する。ある期間を経時して、ゾーンデバイスの位置データに(比例して)反映されるフィルタリングされたAOIデバイスの位置データに変化が発生した場合、AOIユーザーアナライザー136は、位置データを報告するデバイスにおけるこの変化がAOI110に指定した変化というよりも、むしろ前述のシステム変化に起因すると判断することができる。これらの変化は、この正規化プロセスにおいてAOIユーザーアナライザー136によって除去される。ある実施形態において、AOIユーザーアナライザー136は、フィルタリングされたAOIデバイスの位置データとゾーンデバイスの位置データとの間の比率、具体的には、フィルタリングされたAOIデバイスの位置データにおいて経時的に報告されたデバイスの数と、同一の期間にゾーンデバイスの位置データにおいて経時的に報告されたデバイスの数との間の比率を決定することによって、このデータを正規化する。
【0035】
比率を決定した後で、AOIユーザーアナライザー136は、それを近接ゾーン114に対するユーザーのカウントに適用することができ、AOI110でのユーザーの数の推定を生成する。このユーザー(または人)のカウントは、人口統計情報(例えば、国勢調査データ)を介して決定されることができ、地理的データストア134に格納されることができる。比率は、多様な回数算定されてよく、複合的にフィルタリングされたAOIデバイスの位置データセットに適用されてよく、異なる期間に対して、またはある範囲の期間に対して、多様な推定を生成する。AOIユーザーアナライザー136は、AOIでのユーザーの数のこの推定を要求者側、つまり、推定を要求して、AOI110の画定を提供したユーザーに報告することができる。これらの推定は、要求者側のクライアントデバイスに伝送されることができ、要求者側のクライアントデバイスのディスプレイデバイス上のGUIにおいて表示されるか、またはAOIユーザーアナライザー136によってAPIを介して提供される。GUI形態で提供された推定に関するさらなる詳細は、図3A図3Bを参照して以下で説明される。
【0036】
さらに、AOIユーザーアナライザー136は、異常に対してAOI110でのユーザーの数の推定を分析することができる。AOIユーザーアナライザー136は、同一の繰り返し期間(例えば、日の同一の時刻、週の同一の曜日、月の同一の日、年の同一の月、同一の季節など)に該当する異なる時間からの推定を比較することができ、具体的な推定が過去の中央値からかなりそれた(例えば、40%を超えた)場合、決定する。AOIユーザーアナライザー136は、異常な推定、つまり、過去の中央値からそれた推定の(例えば、GUIを介して)要求者側に通知することができる。
【0037】
AOIユーザーアナライザー136は、また、推定を分析することができ、それらを代替AOIに対して同一の期間の推定と比較し、AOI間の推定での相対的な差異を決定する。代替AOIは、AOI110と同一のタイプのAOI(例えば、競合他社)であってよい。AOIユーザーアナライザー136は、この相対的な差異を要求者側に報告することができる。
【0038】
別の実施形態において、AOIユーザーアナライザー136は、また、フィルタリングされたAOIデバイスの位置データがAOIに対して異なる(ばらばらな)期間にわたる同一のデバイスからのデバイスの位置データの全ての期間の経時的な報告を含むかを、AOI110に対して決定することができる。これは、再訪、つまり、デバイスが少なくとも2つの異なる機会でAOI110に存在していることを示している場合がある。AOIユーザーアナライザー136は、全体の期間に対するこの再訪カウントを要求者側に報告することができる。
【0039】
AOIユーザーアナライザー136に関するさらなる詳細は、図2を参照して以下で説明される。
【0040】
AOIユーザーアナライザーシステム130を用いることによって、要求者側は、デバイスの位置データ122がフィルタリングされ、報告されたデバイスのカウントでのシステム変化の影響を除去するために正規化されて、特定のフィルター基準にマッチングしない特徴を有するデバイスを除去するためにフィルタリングされることで、デバイスの位置データ122からのAOI110でのユーザーの推定をより正確に決定することが可能である。これは、ある期間経時的に、AOI110でのユーザーの数の推定をより正確にすることを可能とする。このデータは、異なるタイプのAOIに対して、AOI110についての貴重な情報を決定することに用いられることが可能である。例えば、推定は、小売店舗のAOIに対して用いられることができ、そのAOIに対する客数をより正確に決定する。この推定は、製油所、自動車メーカー、鉱山施設、航空宇宙メーカーのような生産施設のAOIに対して用いられることができ、その施設での労働者の数、およびプロキシによってその施設に対する生産率を決定する。推定が多様な期間で生成されることが可能であるため、推定を用いて、傾向、および他の時間ベースのデータを決定することが可能である。デバイスの位置データは、また、匿名にされ、個人情報が共有されないことで、AOIユーザーアナライザー136によって提供される推定もプライバシー規制を順守し、正確なデータの共有を可能とするが、個人を特定できる情報を明らかにすることを犠牲にすることはない。
【0041】
(AOIユーザーアナライザーシステムに対するブロックフローの例示)
図2は、一実施形態にかかる、AOIにおけるユーザーの数を推定するためのAOIユーザーアナライザーシステムに対する、ならびに異常の分析、再訪情報、およびAOIにおける相対的な差異を分析することに対する、例示的なフローを図示するブロック図である。図2は、図1の経時的なAOIにおけるユーザーの数の推定を生成するためのAOIユーザーアナライザーシステム130におけるプロセスを図示している。図示されるように、AOIユーザーアナライザーシステム130は、位置データストア132、地理的データストア134、およびAOIユーザーアナライザー136を含む。AOIユーザーアナライザー136は、近接ゾーン識別器210、AOIデバイスの位置データ220およびゾーン位置データ225を生成するためのデバイスの位置セレクター215、フィルタリングされたAOIデバイスの位置データ235およびフィルタリングされたゾーンデバイスの位置データ226を生成するためのデバイスの位置データフィルター230、およびAOIユーザー推定245を生成するためのAOIデータノーマライザー240を含む。AOIユーザーアナライザー136は、また、異常検出器250、相対データアナライザー255、および再訪アナライザー260を含んでよい。
【0042】
近接ゾーン識別器210は、対象のAOI205の画定を受信して、この対象のAOIに対する近接ゾーン212を決定する。近接ゾーン識別器210は、対象のAOI205の境界を拡張することに基づくか、またはAOI205内にあると決定されたデバイスのホーム位置に基づいて、近接ゾーン212を決定することができる。近接ゾーン識別器210は、地理的データストア134を用いて境界の地理的座標を決定することができる。
【0043】
AOI205の境界を拡張することに基づいて近接ゾーン212を決定するために、近接ゾーン識別器210は、(上記の方法のうちの1つで画定されるように)AOI205の境界をとることができ、その境界をそれら自体に垂直な(つまり垂線の)方向に規定の距離だけ拡張することができる。これは、境界線に沿ってある間隔でAOIに対して画定される境界線に垂直な規定の距離の(仮想)線を描くことによって、達成され得て、これらの線の端点を接続し、近接ゾーン212に対する拡張境界を形成する。別のオプションは、AOI205に対する境界線の長さを倍率によって拡張することとなり、一方で、境界線間の角度を維持する。境界線が任意の曲面が含む場合、これらは、また、長さが増加することとなり、一方で、曲率を維持する。倍率は、所定の値として決定され得るか、または設定され得ることによって、結果として得られる境界線がAOI205のすべての境界線に対して規定された距離のAOI205の境界線からの距離を有する。規定の距離は、固定(例えば、100km)であってよく、または近接ゾーンの境界内の位置を報告するデバイスがいくつあるかに基づいて決定されてもよい。距離は、デバイスの閾値の数がその近接ゾーン内の位置を報告するまで延長されてよく、またはAOI内のランドマークに基づいてもよい。
【0044】
AOI205内のデバイスのホーム位置を用いて近接ゾーン212の境界線を決定するために、近接ゾーン識別器210は、AOIデバイスの位置データ220からデバイスの位置データフィルター230によって生成されるフィルタリングされたAOIデバイスの位置データ235を受信する。フィルタリングされたAOIデバイスの位置データ235は、ある期間を経時して、AOI205内のデバイスの数(以下でさらに説明されるように)を示す。近接ゾーン識別器210は、フィルタリングされたAOIデバイスの位置データ235内で報告されるデバイスに対するホーム位置を決定する。これらのデバイスに対するホーム位置は、自宅にいる間、または業務時間外、例えば、深夜から午前5時までの夜間の間に、これらのデバイスが報告する位置であってよい。近接ゾーン識別器210は、AOI205までの距離(例えば、AOIの境界まで、またはAOIの中点まで)に基づいて、これらのホーム位置の順位付けを処理することができる。例えば、AOIにより近い距離におけるホーム位置は、より高く順位付けされてよい。近接ゾーン識別器210は、AOI205に最も近いホーム位置の数を選択することができ、つまり、近接ゾーン識別器210は、最高順位のホーム位置の数を選択することができる。この数は、決定されたホーム位置のリストにおけるホーム位置の数の合計のパーセンテージ(例えば、80%)であってよい。代替的に、近接ゾーン識別器210は、順位付けされたリストからAOIの特定の距離内にあるすべてのホーム位置を選択してよい。近接ゾーン識別器210は、これらの選択されたホーム位置の周りに境界を形成して、この境界を近接ゾーン212の画定として用いる。この境界は、最も外側の選択されたホーム位置を接続することによって形成され、閉じた境界が、選択されたすべてのホーム位置の周りに形成されることができる。境界は、湾曲されてよいことによって、角度または頂点を有さない。境界は、また、AOI205の形状であってよいが、スケーリングされることによって、選択されたホーム位置が境界内にあってもよい。境界は、AOI205を中心として、選択されたすべてのAOIを含むために配向、およびサイズ設定された規則的な形状(例えば、円、正方形)であってよい。
【0045】
他の実施形態において、選択されたホーム位置は、ホーム位置のリストからランダムに選択されてよい。ある場合において、選択されたホーム位置は、フィルタリングされたAOIデバイスの位置データ235のデバイスからではなく、フィルタリングされていないAOIデバイスの位置データ220から選択されてよい。他の実施形態において、近接ゾーン212の境界は、AOI205が位置する近隣、ゾーン、都市、または地域(地方自治体によって画定される)として決定されてよい。近接ゾーン212は、また、要求者側によって代わりに画定されてよい。
【0046】
近接ゾーンを決定した後で、近接ゾーン識別器210は、近接ゾーン212の画定をデバイスの位置セレクター215に送信する。
【0047】
デバイスの位置セレクター215は、AOI205および近接ゾーン212の境界内にあるデバイスを決定する。それぞれの境界内のデバイスの数を決定するために、デバイスの位置セレクター215は、AOI205または近接ゾーン212の境界内にあり、指定された時間間隔の範囲内にあるタイムスタンプを有する位置を報告するデバイスに対して、位置データストア132におけるエントリを識別する。デバイスの位置セレクター215は、報告された位置が、地理的データストア134を用いて境界内にあると決定することができ、報告された位置に対する境界の位置を(例えば、交点数アルゴリズムのようなある境界テストを用いて)決定する。
【0048】
指定された時間間隔は、要求者側によって示されてよく、または事前設定もしくはデフォルト値に設定されてもよい。時間間隔は、要求者側が検出することを望む変化のタイプに基づいて、時間スケールに設定してよい。例えば、ある変化は、時間ごとに発生する。このような場合において、時間間隔は、1時間に設定してよい。他の長期的な変化は、数か月にもわたって見えることがあり、このように、時間間隔は、1か月に設定されてよい。デバイスの位置セレクター215は、また、多様な時間間隔に対して、例えば、現在の時間と一致する時間間隔で始まり、特定の時間間隔の数だけ時間に戻って、AOI205および近接ゾーン212内のデバイスを決定することができる。
【0049】
デバイスの位置セレクター215がさまざまな時間間隔に対するAOI205および近接ゾーン212内の位置を報告した位置データストア132におけるデバイスのエントリを決定すると、デバイスの位置セレクター215は、デバイスのエントリをAOI205に対するAOIデバイスの位置データ220および近接ゾーン212に対するゾーンデバイスの位置データ225として出力する。
【0050】
デバイスの位置データフィルター230は、デバイスの位置セレクター215からAOIデバイスの位置データ220およびゾーンデバイスの位置データ225を受信して、これらの2つのデータセットから特定の特徴にマッチングするそれらのエントリをフィルタリングする。デバイスの位置データフィルター230は、AOIデバイスの位置データ220、またはゾーンデバイスの位置データ225に適用される1つまたは複数のフィルターを含み、これらのマッチングするエントリを除去する。以下の説明において、AOI205への参照は、AOIデバイスの位置データ220に対応して、近接ゾーンへの参照は、ゾーンデバイスの位置データ225に対応する。
【0051】
ある実施形態において、デバイスの位置データフィルター230は、特定の滞留時間(要求者側によって指定されてよい)の特徴を超えないエントリを除去する。滞留時間は、期間(例えば、10分)を画定する。デバイスの位置データフィルター230は、AOIデバイスの位置データ220、またはゾーンデバイスの位置データ225を分析して、デバイスの識別子の値を用いてデータ内の一意のデバイスを識別する。デバイスの位置データフィルター230は、これらのデバイスのそれぞれに対して、デバイスがAOI205または近接ゾーン212内の位置を報告する間に連続時間の量を決定する。その連続時間の量が滞留時間よりも短い場合、デバイスの位置データフィルター230は、AOIデバイスの位置データ220、またはゾーンデバイスの位置データ225からそれぞれ、そのデバイスに対するそのようなすべてのエントリを考慮から除去する。デバイスの位置データフィルター230におけるエントリが時間内で不連続である同一のデバイスに対するエントリを含む場合、デバイスの位置データフィルター230は、異なる連続期間を形成するエントリをグループ化することができ、これらのうちのそれぞれ1つ1つが滞留時間を超過するかを決定することができる。そうでない場合、不適格となる連続期間に関連付けられるエントリは、破棄される。デバイスの位置データフィルター230は、グループにおけるそれぞれのエントリがグループにおける少なくとも別のエントリのタイムスタンプの特定の閾値時間内にあるタイムスタンプを有する場合、エントリのグループが同一の連続期間の一部であると決定することができる。デバイスの位置データフィルター230は、2つのグループ間のエントリが互いに閾値時間内にないタイムスタンプを有する場合に、エントリを1つまたは複数のグループへと分けることができる。
【0052】
別の実施形態において、デバイスの位置データフィルター230は、日、曜日、月などのような期間の指定の繰り返し期間の特徴とマッチングしないタイムスタンプを有するエントリを除外する。エントリのタイムスタンプが指定された期間内に入らない場合、これは、繰り返されてよく、次にそのエントリは除去される。同一の連続期間内の同一のデバイスに対する他のエントリも破棄されることがある。指定された繰り返し期間は、要求者側によって設定されてよく、またはエントリがAOIデバイスの位置データ220から除去された場合において、AOIのタイプに基づいてもよい。例えば、AOIが顧客対応ビジネスである場合、繰り返し期間は、典型的な店舗の営業時間の指定であってよい。AOIがオフィスの位置である場合、繰り返し期間は、通常の営業時間を指定してよい。
【0053】
別の実施形態において、デバイスの位置データフィルター230は、また、重複エントリ、および特定の閾値を超える速度を有するデバイスのような他の誤ったデータを除外することができる。例えば、重複するエントリは、同一のデバイスの識別子を有する2つのデバイスが同一の位置を報告する場合、または互いに閾値の距離(例えば、1メートル)内にある2つの異なる位置を報告する場合、除去されることができる。別の例示として、デバイスの位置データフィルター230は、さまざまな位置エントリを分析することができ、2つのセットのエントリを見つけ、それぞれのセットが異なるデバイスの識別子を有するが、両方が、同一、またはほぼ同一の期間にわたって報告される同一の報告位置(または互いに閾値の距離内にある報告位置)を有する。デバイスの位置データフィルター230は、これらのエントリが異なるデバイスの識別子それぞれ用いる、異なるデバイスの位置データプロバイダーによって報告された同一のデバイスを表現することができるため、このような場合において、これらの位置エントリのセットのうちの1つを除去することができる。
【0054】
AOIデバイスの位置データ220、およびゾーンデバイスの位置データ225をフィルタリングした後で、デバイスの位置データフィルター230は、フィルタリングされたAOIデバイスの位置データ235、およびフィルタリングされたゾーンデバイスの位置データ226をそれぞれ出力する。
【0055】
AOIデータノーマライザー240は、フィルタリングされたAOIデバイスの位置データ235を受信して、フィルタリングされたゾーンデバイスの位置データ226を用いてこのデータを正規化する。前述のように、データを正規化する目的は、位置データストア132で、AOIユーザーアナライザーシステム130によって受信されたデバイスの位置データのシステム変化に対して説明することである。デバイスの位置データが位置データを報告しているデバイスのグローバル数における増減を含む場合において、この変化は、AOIでのユーザーの数の推定に影響を与えるべきではない。したがって、AOIデータノーマライザー240は、フィルタリングされたゾーンデバイスの位置データ226、およびフィルタリングされたAOIデバイスの位置データ235で報告されたデバイスの数を比較して、具体的な時間間隔の間に、AOI205で報告されたデバイスの数の変化が、AOIの実際の変化のためか、または報告されたデータのシステム変化のためであるかを決定する。データのシステム変化がある場合、この変化は、近接ゾーン212からと同様に、AOI205から報告されたデバイスの両方に反映されるべきである。しかしながら、変化がAOI205での訪問/移動の変化だけのためである場合、近接ゾーン212全体で報告されるユーザーの数に大きな変化がないはずである。
【0056】
したがって、AOIデータノーマライザー240は、フィルタリングされたAOIデバイスの位置データ235における時間間隔での位置を報告する一意のデバイスの数を、同一の時間間隔ではあるが、近接ゾーン212での位置を報告する(つまり、フィルタリングされたゾーンデバイスの位置データ226に対する)一意のデバイスの数で割ることができる。フィルタリングされたAOIデバイスの位置データ235に対するこのデバイスの数を決定するために、AOIデータノーマライザー240は、指定された時間間隔(例えば、デバイスの位置セレクター215に対する上記の時間間隔)内にあるフィルタリングされたAOIデバイスの位置データ235におけるそれらのエントリを決定する。これらのエントリ内で、AOIデータノーマライザー240は、重複するデバイスの識別子を有する任意の重複するエントリを除去する。残っているエントリは、指定された時間間隔の間にAOI205に存在した一意のデバイスの数を決定するためにカウントされる。AOIデータノーマライザー240は、位置データ235において利用可能である時間間隔に依拠し、多様な時間間隔に対してこの値を決定することができる。AOIデータノーマライザー240は、フィルタリングされたゾーンデバイスの位置データ226に対して同一の演算を実行する。フィルタリングされたゾーンデバイスの位置データ226に対して選択された時間間隔は、AOIデバイスの位置データ235に対して用いられたものとマッチングすべきである。時間間隔ごとに、AOIデータノーマライザー240は、AOI位置データ235から決定された一意のデバイスの数を、ゾーン位置データ225から決定された一意のデバイスの数で割って、比率を生成する。この比率は、AOIおよび近接ゾーンの両方にある一意のデバイスが同時に変化する場合であっても変化することはないため、報告されたデバイスの数への任意のシステム変化の影響を除去する。しかしながら、変化がAOI205だけの場合、比率値が変化することとなり、これは、AOI205でのユーザーの数が以前の推定から変化したことを示す。
【0057】
AOIデータノーマライザー240は、この算定された比率を用いて、それを近接ゾーンの人口統計データに適用する。この人口統計データは、サードパーティーの集団推定サービス、または政府の国勢調査データからのようなサードパーティーからアクセスされることができる。この人口統計データは、近接ゾーン212におけるユーザーの数の合計を推定する。このユーザーの数の合計に対して比率を適用する(例えば、乗算する)ことによって、AOIデータノーマライザー240は、所与の時間間隔に対してAOI内にあるユーザー数の推定245を生成することが可能である。比率が以前の算定から変化しない場合、ユーザーの数の推定は、同一のままとなることとなる。しかしながら、比率が変化する場合、ユーザーの数の推定も変化する。多様な時間間隔に対する多様なAOIユーザー推定245をグラフ化することによって、AOIデータノーマライザー240は、経時的に、AOIユーザー推定245を示す報告をさらに生成することが可能である。代替的に、AOIデータノーマライザー240は、AOIユーザー推定245を提示することに加えて、または提示する代わりに、報告におけるそれぞれの時間間隔に対する比率値を直接的に提示することができる。
【0058】
報告は、ブラウザーにおけるウェブインターフェースのようなGUIを介して、指定のAOI205に対するデータを要求した要求者側に提示することができる。報告は、また、あるAPIを介して提示されることができ、自律化された意思決定を行うためにサードパーティーのデータシステムへと統合されることができる。さらに、報告は、AOIに対して、例えば、異常検出器250による履歴データの分析の基準として機能するために地理的データストア134に格納されることができる。
【0059】
ある実施形態において、AOIユーザーアナライザー136は、生成されるさまざまなデータに対するさらなる分析を実行する。AOIユーザーアナライザー136は、また、異常検出器250、相対データアナライザー255、および再訪アナライザー260を含んでよい。
【0060】
異常検出器250は、異なる繰り返し期間にわたるAOIユーザー推定245の変動を検出し、履歴データを用いて算定される信頼区間(または予測区間)を超える変動が推定において存在するかを決定する。信頼区間を超える場合、異常検出器250は、(例えば、前述の報告において)この「異常」を示すメッセージを要求者側に伝送することができる。このような異常は、生産上の懸念、売上の減少などのようなAOIでの問題を示していることがある。
【0061】
異常を検出するために、異常検出器250は、最初に、偏差を測定するベースラインから決定することができる。このベースラインは、履歴データに基づいて生成されることができる(例えば、これは、地理的データストア134から検索されることができる)。異常検出器250は、AOI205に対する(例えば、過去90日の)履歴データを分析し、具体的な繰り返し期間に対する平均、中間、または「正常な」AOIユーザー推定245(または比率)を決定する。ある実施形態において、異常検出器250は、分析が望まれるためのAOIに対する機械学習モデルを訓練することができる。モデルは、自己相関関数、つまり、推定と推定の遅延バージョンとの相関関係であってよい。ここで、遅延バージョンは、同一の繰り返し期間に対して以前の推定であってよい。したがって、異常検出器250は、現在の推定を同一の期間(例えば、同一の時刻)に対して以前の推定と相関させることができる。自己相関の結果が特定の値(たとえば、0.1)よりも低い場合、これは、推定が高度に相関されておらず、異常を示していることがある。異常検出器250は、これをメッセージで要求者側に伝送してよく、またはこれを報告に含んでもよい。報告は、どの期間が異常を有するかを示すことができ、例えば、相関値などを報告することによって、偏差の量を示すことができる。
【0062】
別の実施形態において、異常検出器250は、以前の繰り返し期間(例えば、週末または平日)に対するAOIユーザー推定245の中央値(または比率値)を算定することによって、異常が存在することを決定する。異常検出器250は、この中央値を50%パーセンタイルとして決定し、分布を算定し、中央値が存在するそれぞれの側の過去の推定の40%がどこにあるかを決定することによって、この中央値の周りの10%~90%の信頼バンド(または他の信頼バンドの量)を算定する。任意のAOIユーザー推定245がこの信頼バンドの外にある場合、異常検出器250は、異常が存在することを示すメッセージを伝送してよく、またはメッセージの情報を報告に含んでもよい。メッセージは、異常が存在する期間を示してよく、その異常に対する推定のユーザーのパーセンタイルを示してもよい。異常検出器250は、要求者側が具体的なAOIを訪問するユーザーの数を用いて、任意の突然の変化が発生するかを決定することを可能とする。
【0063】
相対データアナライザー255は、AOIユーザー推定245を分析して、それを代替AOIのAOIユーザー推定に対して比較する。これらの代替AOIは、対象のAOI205と同一のカテゴリまたはタイプのAOIであってよい。例えば、代替AOIは、競合他社からの同一のタイプのAOIであってよく、または同一の会社に対する同一のタイプの別の位置(例えば、別の小売店舗)であってもよい。さまざまなAOIについてのこの情報は、地理的データストア134に格納されてよく、またそこから検索されてもよい。相対データアナライザー255は、対象のAOI205に対して、および1つまたは複数の代替AOIに対して、AOIユーザー推定の経時的な差異を分析する。これらの差異は、また、要求者側に報告されることができる。これは、要求者側がどのように対象のAOI205を要求者側に関連付けられる他のAOIと、または競合他社と比較するかを決定することを可能とする。
【0064】
再訪アナライザー260は、任意の個々のデバイスが互いに不連続である2つの異なる期間にわたってAOI205を再訪したかを決定する。デバイスの位置データフィルター230に関して上記で説明されるように、報告された位置エントリの2つのグループは、それらのタイムスタンプが閾値期間によって分けられている場合に、互いに時間内で不連続であってよい。相対データアナライザー255は、ある時間範囲にわたってAOI205を訪問したそれぞれのデバイスに対して、報告された位置エントリのこれらのグループの数をカウントする。次に、相対データアナライザー255は、再訪の数ごとに、その回数、AOIを再訪した一意のデバイスの数を報告することができる。この情報は、前述の報告で伝送されてよく、個別に要求者側に伝送してもよい。この情報によって、要求者側に、例えば、小売店舗でのリピーター客の数、またはオフィスもしくは施設への一時的な訪問者に対する従業員の数を知らせる。
【0065】
(グラフィカルインターフェースに対するAOIユーザー推定の例示的なグラフ)
図3Aは、一実施形態にかかる、要求者側へのグラフィカルインターフェースにおけるグラフ形式で提供されるようなAOIでのユーザーの数の推定の例示を図示する。図3Aにおけるグラフは、時間/日付320に対して、日々の一意のデバイスカウント315をプロットしている。図1図2を参照して上記のように、日々の一意のデバイスのカウント315は、AOIに対するAOIデバイスの位置データをフィルタリング、および正規化した後で、算定されるAOIでのユーザーの数の推定であってよい。ここで、時間間隔は、1日である。凡例310に示されるように、グラフは、生データ325のプロットを含み、それぞれの日に対するユーザーまたはデバイスのカウントの推定を示している。さらに、凡例310に示されるように、グラフは、実行中の中央値フィルターを含む。これは、図2を参照して上記のような異常検出器250によって生成される中央値と同一であってよい。ここで、中央値フィルターは、現在の時刻から一定期間の間、例えば、60日間、日々の一意のデバイスのカウント315の中央値から生成される中央値を示す線を表現する。さらに、グラフは、検出された異常335を示している。これは、生データ325が以前の時間間隔の間に、実行中の中央値330を閾値の量だけ超える時点である。ここでは、生データが閾値を超える時間間隔をハイライト表示することで、異常を示している。
【0066】
(デバイスの位置データの例示的なチャート)
図3Bは、一実施形態にかかる、AOIユーザーアナライザーシステムによって収集されることができ、且つAOIに対する要求者側に提供されることができるデータの例示を図示する。ここに示されるデータは、位置データストア132に格納されているデータであってよい。それは通常、AOIユーザー推定245を生成するために用いられる一方で、ある実施形態において前述の報告で伝送されてもよい。
【0067】
デバイスの位置データは、多様なエントリを含む。それぞれのエントリは、タイムスタンプ340、デバイス識別子(ID)345、オペレーティングシステム(OS)ID350、ジオハッシュ355、地理的座標360、精度レベル365、およびアプリケーションID370を含む。
【0068】
タイムスタンプ340は、デバイスの位置データエントリが位置対応デバイスによって報告されたタイムスタンプを示す。このタイムスタンプ340は、エントリが特定の時間間隔内にあるかを決定する場合に用いられる。
【0069】
デバイスID345は、個々の一意のデバイスを識別する。これは、システムが滞留時間の要件を満たさないデバイスを選択的に除去するような、タスクを実行すべく、個々のデバイスのIDを決定することを可能とし、再訪率の決定、時間間隔における一意のデバイスの数のカウントなどを決定する。それぞれのデバイスIDは、グローバル一意識別子(GUID)であってよい。
【0070】
OSID350は、位置エントリに対する位置を報告したデバイスのオペレーティングシステムを示している。それぞれのオペレーティングシステムは、4文字のコードを用いて示されることができる。
【0071】
ジオハッシュ355は、デバイスによって提供される報告された位置に対する一意の識別子である。ジオハッシュ355は、英数字の文字列を用いて表現される指定の位置に対する地理的符号化であってよく、地理的座標のセットを特定の程度の精度で表現してもよい。
【0072】
地理的座標360は、デバイスによって報告された緯度および経度の座標である。これらは、精度測定365によって付随され、これは、距離における地理的座標360の精度(例えば、16フィートの精度)を示す。
【0073】
それぞれの位置エントリは、また、アプリ/プロバイダーID370を含む。これは、位置情報を収集されたデバイスに対するアプリケーション、または位置情報をシステムに提供したプロバイダーを示すことができる。これは、また、GUIDであってよい。
【0074】
(例示的なフロー)
図4は、一実施形態にかかる、AOIユーザーアナライザーシステムを用いるAOIにおけるユーザーの数の推定を図示するフロー図である。
【0075】
ある例示的な実施形態において、プロセスは、図4と併せて説明されたものとは異なるおよび/またはさらなるステップを有してよい。プロセスのステップは、図4と併せて説明された順序とは異なる順序で実行されてよい。あるステップは、並行して実行されてよい。代替的に、あるステップは、並行して実行されてよく、あるステップは、連続して実行されてもよい。代替的に、あるステップは、パイプライン方式で実行されることで、前のステップの実行の前にステップの実行が開始される。一実施形態において、プロセスは、AOIユーザーアナライザーシステム130によって実行される。
【0076】
AOIユーザーアナライザーシステム130は、関心の領域(AOI)の選択を受信する410。この選択を受信した後で、AOIユーザーアナライザーシステム130は、AOIに対するAOIデバイスの位置データにアクセスする420。AOIユーザーアナライザーシステム130は、前述のように、AOIデバイスの位置データをフィルタリングして、滞留時間または時刻要件のように1つまたは複数の特徴にマッチングするデバイスのデバイスの位置データだけを含める430。AOIユーザーアナライザーシステム130は、近接ゾーン114のようなAOIに対する近接ゾーンを決定する440。AOIユーザーアナライザーシステム130は、近接ゾーンに対するゾーンデバイスの位置データにアクセスする450。これは、前述のように、指定された期間の間に近接ゾーン内のデバイスに対してデバイスの位置データを示している。AOIユーザーアナライザーシステム130は、ゾーンデバイスの位置データを用いてフィルタリングされたAOIデバイスの位置データを正規化し、AOIユーザー推定を生成する460。これは、上記のように、フィルタリングされたAOIデバイスの位置データとゾーンデバイスの位置データとの間の比率を決定することによって生成されてよい。AOIユーザーアナライザーシステム130は、要求者側のクライアントデバイスの表示デバイス上のGUIに対して表示するために、このAOIユーザー推定を要求者側のクライアントデバイスに伝送する470。
【0077】
(例示的なマシンアーキテクチャ)
図5は、本明細書のプロセスとして説明される命令を機械可読媒体から読み取り、それらを少なくとも1つのプロセッサ(またはコントローラー)で実行することが可能である例示的なマシンのコンポーネントを図示するブロック図である。具体的には、図5は、コンピュータシステム500の例示的な形態におけるマシンの図表示を図示している。コンピュータシステム500は、マシンに本明細書で説明される方法論(またはプロセス)のうちのいずれか1つまたは複数を実行させるための命令524(例えば、プログラムコード、またはソフトウェア)を実行するために用いられることが可能である。代替的な実施形態において、マシンは、スタンドアロンデバイス、または他のマシンに接続する接続された(例えば、ネットワーク化された)デバイスとして動作する。ネットワーク接続された展開において、マシンは、サーバー・クライアントネットワーク環境におけるサーバーマシンもしくはクライアントマシンにおいて、またはピア・ツー・ピア(または分散)ネットワーク環境におけるピアマシンとして動作することができる。命令は、例えば、図1図4に関して、本明細書で説明されるコンポーネントおよび/またはプロセスの機能に対応することに留意されたい。
【0078】
マシンは、サーバーコンピュータ、クライアントコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、スマートフォン、モノのインターネット(IoT)機器、ネットワークルーター、スイッチもしくはブリッジ、またはそのマシンによって実行されるアクションを指定する命令524(シーケンシャル、またはその他のもの)を実行することが可能である任意のマシンであってよい。さらに、1つのマシンだけが例示されているが、「マシン」という用語は、また、本明細書で説明される方法論のうちのいずれか1つまたは複数を実行するために、個々にまたは結合して命令524を実行するマシンの任意の集合を含むと解釈されるべきである。
【0079】
例示的なコンピュータシステム500は、1つまたは複数の処理ユニット(一般的に、プロセッサ502)を備える。プロセッサ502は、例えば、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、コントローラー、状態マシン、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、1つまたは複数の無線周波数集積回路(RFIC)、またはこれらの任意の組み合わせである。コンピュータシステム500は、また、メインメモリ504を備える。コンピュータシステムは、ストレージユニット516を備えてよい。プロセッサ502、メモリ504、およびストレージユニット516は、バス508を介して通信する。
【0080】
さらに、コンピュータシステム500は、静的メモリ506、(例えば、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、またはプロジェクターを駆動するために)ディスプレイドライバ510を備えることが可能である。コンピュータシステム500は、また、英数字入力デバイス512(例えば、キーボード)、カーソル制御デバイス514(例えば、マウス、トラックボール、ジョイスティック、人感センサー、または他のポインティング機器)、信号生成デバイス518(例えば、スピーカー)、およびネットワークインターフェースデバイス520を備え、これは、また、バス508を介して通信するように構成される。
【0081】
ストレージユニット516は、本明細書で説明されるうちのいずれか1つもしくは複数の方法論、または機能を具現化する命令524(例えば、ソフトウェア)が格納される機械可読媒体522を含む。命令524(例えば、ソフトウェア)は、また、コンピュータシステム500によるその実行の間に、メインメモリ504内、またはプロセッサ502内(例えば、プロセッサのキャッシュメモリ内)に完全にもしくは少なくとも部分的に存在してよく、メインメモリ504、およびプロセッサ502は、また、機械可読媒体を構成する。命令524は、ネットワークインターフェースデバイス520を介してネットワーク526の上で伝送されてよく、または受信されてもよい。
【0082】
機械可読媒体522は、例示的な実施形態において1つの媒体であると示されているが、「機械可読媒体」という用語は、命令524を格納することが可能である1つの媒体または多様な媒体(例えば、集中型または分散型データベース、または関連するキャッシュおよびサーバー)を含むと解釈されるべきである。「機械可読媒体」という用語は、また、マシンによる実行に対する命令524を格納することが可能であり、マシンに本明細書に開示される方法論のうちのいずれか1つまたは複数を実行させる任意の媒体を含むと解釈されるべきである。「機械可読媒体」という用語は、固体メモリ、光学媒体、および磁気媒体の形態でデータリポジトリを含むが、これらに限定されない。ある例示的な実施形態において、コンピュータシステムのコアコンポーネントは、プロセッサ502、メモリ504、およびバス508を除くコンポーネントを無視してよく、他の実施形態においては、ストレージユニット516および/またはネットワークインターフェースデバイス520も含んでよいことに留意されたい。
【0083】
(さらなる検討事項)
本明細書を通じて、複数の例示は、1つの例示として説明されるコンポーネント、動作、または構造を実装してよい。1つまたは複数の方法の個々の動作が別個の動作として図示、および説明されているが、個々の動作の1つまたは複数は、同時に実行されることができ、動作を図示されている順序で実行する必要はない。例示的な構成において、別個のコンポーネントとして提示される構造および機能は、組み合わされた構造またはコンポーネントとして実装されてよい。同様に、1つのコンポーネントとして提示される構造および機能は、別個のコンポーネントとして実装されてよい。これら、および他の変形、修正、追加、および改善は、本明細書の主題の範囲内にある。
【0084】
特定の実施形態は、例えば、図1図4に図示されて、説明されるように、論理またはコンポーネントの数、モジュール、または機構を含むものとして本明細書で説明される。モジュールは、ソフトウェアモジュール(例えば、機械可読媒体上で具現化されるコード)か、またはハードウェアモジュールのいずれかを構成してよい。ハードウェアモジュールは、特定の動作で実行することが可能である有形のユニットであり、特定の方法で構成されてよく、または配置されてもよい。例示的な実施形態において、1つまたは複数のコンピュータシステム(例えば、スタンドアローン、クライアント、またはサーバーコンピュータシステム)、またはコンピュータシステムのうちの1つまたは複数のハードウェアモジュール(例えば、プロセッサ、またはプロセッサのグループ)は、本明細書で説明される特定の動作を実行するために動作するハードウェアモジュールのように、ソフトウェア(例えば、アプリケーション、またはアプリケーションの一部)によって構成されてよい。
【0085】
さまざまな実施形態において、ハードウェアモジュールは、機械的に、または電子的に実装されてよい。例えば、ハードウェアモジュールは、(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または特定用途向け集積回路(ASIC)のような特定用途プロセッサとして)永続的に特定の動作を実行するように構成される専用の回路または論理を含んでよい。ハードウェアモジュールは、また、ソフトウェアによって(例えば、汎用プロセッサ、または他のプログラム可能なプロセッサ内に包含されるように)一時的に特定の動作を実行するように構成されるプログラム可能な論理または回路を含んでよい。専用で永続的に構成される回路において、または一時的に構成される回路(例えば、ソフトウェアによって構成される)において、ハードウェアモジュールを機械的に実装する決定は、コストおよび時間の考慮によって駆動されてよいことを認識されることとなる。
【0086】
本明細書で説明される例示的な方法のさまざまな動作は、一時的に(例えば、ソフトウェアによって)構成されるか、または永続的に関連する動作を実行するように構成される1つまたは複数のプロセッサによって少なくとも部分的に実行されてよい。一時的に、または永続的に構成されているかをこのようなプロセッサは、1つまたは複数の動作もしくは機能を実行するために動作するプロセッサ実装モジュールを構成してよい。本明細書で参照されるモジュールは、ある例示的な実施形態におけるプロセッサ実装モジュールを含んでよい。
【0087】
1つまたは複数のプロセッサは、また、「クラウドコンピューティング」環境において、または「サービスとしてのソフトウェア」(SaaS)として関連する動作の性能をサポートするために動作してよい。例えば、少なくともある動作は、(プロセッサを含むマシンの例示として)コンピュータのグループによって実行されてよく、これらの動作は、ネットワーク(例えば、インターネット)、および1つまたは複数の適切なインターフェース(例えば、アプリケーションプログラミングインターフェース(API))を介してアクセス可能である。
【0088】
特定の動作の性能は、1つまたは複数のプロセッサ間で分散されてよく、1つのマシン内に存在するだけではなく、複数のマシンにわたって展開される。ある例示的な実施形態において、1つもしくは複数のプロセッサまたはプロセッサ実装モジュールは、1つの地理的位置(例えば、家庭環境内、オフィス環境内、またはサーバーファーム内)において配置されてよい。他の例示的な実施形態において、1つもしくは複数のプロセッサまたはプロセッサ実装モジュールは、複数の地理的位置にわたって分散されてよい。
【0089】
本明細書の一部は、マシンメモリ(例えば、コンピュータメモリ)内のビット、またはバイナリデジタル信号として格納されるデータに対する動作のアルゴリズム、または記号表現の観点から提示される。これらのアルゴリズム、または記号表現は、彼らの仕事の内容を他の当業者に伝えるためにデータ処理技術における当業者によって用いられる技術の例示である。本明細書で用いられるように、「アルゴリズム」は、所望の結果へと導く首尾一貫した一連の動作、または同様の処理である。この文脈において、アルゴリズム、および動作は、物理量の物理的操作を伴う。通常、必ずしもそういうわけではないが、このような量は、マシンによって、格納されること、アクセスされること、変換されること、組み合わされること、比較されること、またはそうでなければ操作されることが可能である電気的な、磁気的な、または光学的な信号の形態をとることができる。主に共通使用の理由のために、「データ」、「コンテンツ」、「ビット」、「値」、「要素」、「記号」、「文字」、「用語」、「数」、または「数字」などのような単語を用いてこのような信号を参照すると便利な場合がある。しかしながら、これらの単語は、単に便利なラベルに過ぎなく、且つ適切な物理量に関連付けられている。
【0090】
特に明記しない限り、「処理」、「算定」、「計算」、「判断」、「提示」、または「表示」などのような単語を用いる本明細書での説明は、1つまたは複数のメモリ内(例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、またはそれらの組み合わせ)、レジスタ内、または情報を受信、格納、伝送、もしくは表示する他のマシンコンポーネント内に、物理(例えば、電子、磁気、または光学)量として表現されるデータを操作もしくは変換するマシン(例えば、コンピュータ)のアクション、またはプロセスを参照することができる。
【0091】
本明細書で用いられるように、「ある実施形態」、または「実施形態」への参照は、この実施形態に関連して説明される具体的な要素、特性、構造、または特徴が少なくとも1つの実施形態において含まれることを意味する。本明細書におけるさまざまな場所において、「ある実施形態において」という表現の説明は、必ずしもすべてが同一の実施形態を参照しているわけではない。
【0092】
ある実施形態は、「結合される」、および「接続される」という表現をそれらの派生語と共に用いて説明されてよい。例えば、ある実施形態は、「結合する」という用語を用いて説明されてよく、2つまたはそれより多くの要素が直接物理的に、または電気的に接続されていることを示す。しかしながら、「結合する」という用語は、2つまたはそれより多くの要素が互いに直接接触していないが、依然として互いに協働または相互作用することを意味してもよい。本実施形態は、この文脈において限定されない。
【0093】
本明細書で用いられるように、「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、またはそれらの任意の他の変形例は、非排他的な包含を含むことが意図されている。例えば、要素のリストを備えるプロセス、方法、条項、もしくは装置は、必ずしもそれらの要素だけに限定されるのではなく、このようなプロセス、方法、条項、もしくは装置に明示的に記載されていない、または内在する他の要素を含んでよい。さらに、そうではないと明示的に述べられていない限り、「または」は、包括的な「または」を参照し、排他的な「または」を参照しない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つによって満たされ、Aは、真(または存在し、)およびBは、偽(または存在しなく、)Aは、偽(または存在しなく、)およびBは、真(または存在し、)ならびにAおよびBの両方が真(または存在)する。
【0094】
さらに、(英文明細書における)「a」または「an」の使用は、本明細書における実施形態の要素、およびコンポーネントを説明することが採用される。これは、単に便宜上、および本発明の一般的な意味を付与するために行われているに過ぎない。本説明は、1つまたは少なくとも1つを含み、また、そうでないことを意味することが明らかでない限り、単数形が複数形を含むように読まれるべきである。
【0095】
この開示を読むと、当業者は、関心のある領域でのユーザーの数を推定するためのシステムに対するさらなる代替的な構造的および機能的設計を評価することとなる。したがって、特定の実施形態およびアプリケーションが例示され、且つ説明されてきたが、開示される実施形態は、本明細書で開示される厳密な構造およびコンポーネントに限定されないことを理解されたい。当業者にとって明らかになることとなるさまざまな修正、変化、および変形は、添付の特許請求の範囲において定義される趣旨および範囲から逸脱せずに、本明細書で開示される方法および装置の配置、動作および詳細において行われることができる。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5