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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-20
(45)【発行日】2022-10-28
(54)【発明の名称】非同軸投影光源システム
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20221021BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20221021BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20221021BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20221021BHJP
   F21V 7/30 20180101ALI20221021BHJP
   F21V 9/32 20180101ALI20221021BHJP
   F21V 9/40 20180101ALI20221021BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20221021BHJP
【FI】
G03B21/14 A
F21S2/00 311
F21S2/00 330
F21S2/00 340
F21V3/00 320
F21V5/04 550
F21V7/30
F21V9/32
F21V9/40 200
F21Y115:30
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021557993
(86)(22)【出願日】2020-03-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-15
(86)【国際出願番号】 CN2020078544
(87)【国際公開番号】W WO2020220837
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2021-10-12
(31)【優先権主張番号】201910365128.0
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521406639
【氏名又は名称】チョントゥー ジミー テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU XGIMI TECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Building 4, Zone A, Tianfu Software Park, No. 1129 Century City Road, High-tech Zone, Chengdu, Sichuan, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョォン,ボ
(72)【発明者】
【氏名】シアオ,シ
(72)【発明者】
【氏名】イン,レイ
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108646510(CN,A)
【文献】特開2006-139198(JP,A)
【文献】国際公開第2017/195857(WO,A1)
【文献】特開2017-182071(JP,A)
【文献】国際公開第2018/074125(WO,A1)
【文献】特表2011-505019(JP,A)
【文献】特開2013-076904(JP,A)
【文献】特表2015-533225(JP,A)
【文献】特開2019-066811(JP,A)
【文献】国際公開第2014/109333(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/104801(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/061823(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第108803215(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105388691(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0143519(US,A1)
【文献】中国実用新案第209674172(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B21/00-21/10
21/12-21/13
21/134-21/30
33/00-33/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非同軸投影光源システムであって、
光源、蛍光体ホイール、及び両方の間に位置する集光整形レンズ群を含み、前記光源から発光する励起光が集光整形レンズ群の光軸方向に傾斜して集光整形レンズ群に照射された後、蛍光体ホイールに照射され、蛍光体ホイールで励起して発生させた放射蛍光が集光整形レンズ群に照射された後、励起光の光路方向と異なる光路方向に集光、出力され、前記集光整形レンズ群には、励起光が直接通る貫通孔が開けられる、ことを特徴とする非同軸投影光源システム。
【請求項2】
前記蛍光体ホイールで励起して発生させた放射蛍光は、集光整形レンズ群によって集光整形レンズ群の光軸方向に集光される、ことを特徴とする請求項1に記載の非同軸投影光源システム。
【請求項3】
前記光源から発光する励起光が、集光整形レンズ群を透過した後、蛍光体ホイールの回転軸方向に対して傾斜する方向をもって蛍光体ホイールに照射される、ことを特徴とする請求項1に記載の非同軸投影光源システム。
【請求項4】
前記集光整形レンズ群中の少なくとも1つのレンズのアッベ数が30以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の非同軸投影光源システム。
【請求項5】
前記蛍光体ホイールにおいて、異なる色の放射蛍光を励起発生させる蛍光体エリアが周方向に複数設けられるとともに、蛍光体エリアと同円周に分布している励起光透過エリア又は励起光反射エリアが設けられる、ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の非同軸投影光源システム。
【請求項6】
前記励起光透過エリアは、蛍光体ホイールに設けられた白いガラス又は拡散板である、ことを特徴とする請求項に記載の非同軸投影光源システム。
【請求項7】
前記励起光反射エリアは、励起光を拡散反射する、ことを特徴とする請求項に記載の非同軸投影光源システム。
【請求項8】
前記励起光反射エリアは、蛍光体ホイールの裏側に設けられ蛍光体ホイールに平行する反射である、ことを特徴とする請求項に記載の非同軸投影光源システム。
【請求項9】
光結合ユニットをさらに含み、
前記光結合ユニットは、順次設けられた光結合反射鏡、ビーム整形モジュール、蛍光体ホイールと同期して回転するカラーフィルタリング用カラーホイール、及びライトパイプを含み、集光整形レンズ群から集光された放射蛍光が光結合反射鏡に照射された後、ビーム整形モジュール、カラーフィルタリング用カラーホイール及びライトパイプを順次通過して光結合、出力される、ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の非同軸投影光源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明光源の技術分野に関し、特に非同軸投影光源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
投影システムの光源は、主として、電球光源、LED光源及びレーザ光源の3種類に分けられる。レーザ光源は、近年最も注目されている投影光源であり、波長選択性が高く、スペクトル輝度が高いなどの特徴を有し、人の眼に見える自然界の色のうちの90%以上の色域を有し、色再現を好ましく実現することができる。また、レーザ光源は、極めて高い輝度、及び長い使用寿命があり、そのため、後期のメンテナンスコストを大幅に削減させる。
【0003】
現在使用されている投影光源システムでは、励起光を蛍光体ホイールに照射することで放射蛍光を発生させ、通常、放射蛍光と励起光との光路が重なるため、放射蛍光を出力して白色光を合成するには、ダイクロイックミラーなどの部材で放射蛍光と励起光との光路を分離する必要があり、その結果、投影光源システムでは、光路が複雑になり、部材が多くなり、占有体積が大きく、製造コストが高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題及び提案されている技術的目的は、従来技術を改良して、非同軸投影光源システムを提供することによって、ダイクロイックミラーなどの部材で放射蛍光と励起光との光路を分離することにより、光路が複雑になり、部材が大きくなり、システムの体積が大きく、コストが高いという現在の技術における投影光源システムの問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の技術的課題を解決するために、本発明の技術案は以下のとおりである。
非同軸投影光源システムであって、光源、蛍光体ホイール、及び両方の間に位置する集光整形レンズ群を含み、前記光源から発光する励起光が集光整形レンズ群の光軸方向に傾斜して集光整形レンズ群に照射された後、蛍光体ホイールに照射され、蛍光体ホイールで励起して発生させた放射蛍光が集光整形レンズ群に照射された後、励起光の光路方向と異なる光路方向に集光、出力される。本発明の前記非同軸投影光源システムは、集光整形レンズ群を直接利用して励起光と放射蛍光との光路を分離し、ダイクロイックミラーの使用を不要とし、それにより、システムの構成部材を効果的に減少させ、システムの占有体積を減少させ、システムのコストを削減させる。蛍光体ホイールで励起して発生させた放射蛍光はランバート光源であり、180度の方向にわたり分布しており、入射された励起光が通過した集光整形レンズ群に照射され、集光整形レンズ群で集光された後に出射する方向が集光整形レンズ群の光軸に傾斜している励起光とは同一方向ではなく、このように、光路が分離され、光分用の部材を増設せずに集光整形レンズ群から出射された放射蛍光を直接光結合して出力することが可能になり、これによって、システムの構造をよりコンパクトにし、システム光路での部材を少なくし、光の輸送中の損耗を減少させ、光源の出力輝度を向上させる。
【0006】
さらに、前記集光整形レンズ群には、励起光が直接通る貫通孔が開けられ、励起光は、方向性に優れたコリメート平行光であり、集光整形レンズ群を介して透過されることを回避し、励起光の損耗を減少させ、蛍光体ホイールに照射された励起光のパワーを向上させ、励起により発生させた放射蛍光のパワーを向上させる。
【0007】
さらに、前記蛍光体ホイールで励起して発生させた放射蛍光は、集光整形レンズ群によって集光整形レンズ群の光軸方向に集光され、光軸方向に沿って出射される放射蛍光の集光整形効果が高く、出射された放射蛍光の方向性の制御がより容易になり、最終的な光源出力の品質が向上する。
【0008】
さらに、前記光源から発光する励起光が、集光整形レンズ群を透過した後、蛍光体ホイールの回転軸方向に対して傾斜する方向をもって蛍光体ホイールに照射され、それにより、集光後の放射蛍光の光路が励起光の光路と十分に分離されることを確保する。
【0009】
さらに、前記集光整形レンズ群中の少なくとも1つのレンズのアッベ数が30以下であり、集光整形レンズ群はより良好な色分散効果を有し、異なる波長の光が集光整形レンズ群を透過したときに光路が分離する角度を大きくし、それにより、レーザと蛍光との光路をよく分離する。
【0010】
さらに、前記蛍光体ホイールにおいて、異なる色の放射蛍光を励起発生させる蛍光体エリアが周方向に複数設けられるとともに、蛍光体エリアと同円周に分布している励起光透過エリア又は励起光反射エリアが設けられる。励起発生させた異なる放射蛍光が、励起光透過エリアを透過した励起光又は励起光反射エリアから放射された励起光と混光して出力され、それにより、出力光の光束が向上し、投影して表示される色がよりよくなり、色域が広がり、画像再現色が鮮やかである。
【0011】
さらに、前記励起光透過エリアは、蛍光体ホイールに設けられた白いガラス又は拡散板であり、それによりスペックルを解消する。
【0012】
さらに、前記励起光反射エリアは、励起光を拡散反射し、励起光は、反射されると放射蛍光と同様なランバート光源となり、このため、反射された励起光は集光整形レンズ群で集光された後に出力されると、スペックルを効果的に解消し、投影効果を向上させることができる。
【0013】
さらに、前記励起光反射エリアは、蛍光体ホイールの裏側に設けられ蛍光体ホイールに平行する反射である。
【0014】
さらに、光結合ユニットをさらに含み、
前記光結合ユニットは、順次設けられた光結合反射鏡、ビーム整形モジュール、蛍光体ホイールと同期して回転するカラーフィルタリング用カラーホイール、及びライトパイプを含み、集光整形レンズ群から集光された放射蛍光が光結合反射鏡に照射された後、ビーム整形モジュール、カラーフィルタリング用カラーホイール及びライトパイプを順次通過して光結合、出力され、光結合ユニットは構造がコンパクトであり、占有体積が小さく、カラーフィルタリング用カラーホイールは光をフィルタリングして出力することで、色をより鮮やかにし、ライトパイプは出力ビームを均一化することで、出力光の均一性を高める。
【発明の効果】
【0015】
従来技術に比べて、本発明の利点は以下のとおりである。
本発明の前記非同軸投影光源システムは、構造がシンプルでコンパクトであり、分光用のダイクロイックミラーを省略し、システムの構成部材を効果的に減少させ、システムのコストを削減させ、システムの占有体積を減少させ、システムの構造をよりコンパクトにし、光の輸送中の損耗を減少し、光源の出力輝度を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】非同軸投影光源システムの実施例1の構造模式図である。
図2】非同軸投影光源システムの実施例1の蛍光体ホイールの構造模式図である。
図3】非同軸投影光源システムの実施例2の構造模式図である。
図4】非同軸投影光源システムの実施例2の蛍光体ホイールの構造模式図である。
図5】非同軸投影光源システムの実施例2の第2の形態の構造模式図である。
図6】非同軸投影光源システムの実施例3の集光整形レンズ群の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例の図面を参照しながら、本発明の実施例における技術案を明確かつ完全に説明するが、明らかなように、説明する実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。当業者が本発明の実施例に基づいて創造的な努力を必要とせずに得る他の実施例は、全て本発明の特許範囲に属する。
【0018】
本発明の実施例で開示された非同軸投影光源システムは、ダイクロイックミラーを省略することで、光路の構造をより簡単でコンパクトにし、システムの体積を効果的に減少させ、製造コストを削減させる。
【0019】
非同軸投影光源システムは、主として、光源1、蛍光体ホイール2、及び両方の間に位置する集光整形レンズ群3から構成され、前記光源1から発光する励起光は、集光整形レンズ群3の光軸方向に傾斜して集光整形レンズ群3に照射された後、蛍光体ホイール2に照射され、蛍光体ホイール2で励起して発生させた放射蛍光は集光整形レンズ群3に照射された後、励起光の光路方向と異なる光路方向に集光、出力される。蛍光体ホイールで励起して発生させた放射蛍光はランバート光源であり、180度の方向にわたり分布しており、広範囲で出射された放射蛍光は、集光整形レンズ群で集光された後、出射方向が大体集光整形レンズ群の光軸に沿うようになり、このように、集光整形レンズ群から出射された放射蛍光の光路と励起光との光路を分離し、それにより、ダイクロイックミラーを使用せずに放射蛍光と励起光との光路の分離を実現し、システムの部材の数を減らし、体積を小さくする。
【0020】
集光整形レンズ群3は、好ましくはアッベ数Vdが小さなレンズであり、それにより、集光整形レンズ群3はより良好な色分散効果を実現することができ、光の色が異なると、透過するときに偏向する角度が異なり、これにより、放射蛍光の出射光路が励起光の光路からより効果的に分離することができ、放射蛍光の出射光路と励起光の光路との両方の分離角度を増大し、後部では拡散板やライトパイプなどで各色の光を均一化して、次に結合して同一の同軸光路とすることができる。
【0021】
実施例1
図1及び図2に示すように、非同軸投影光源システムは、主として、光源1、蛍光体ホイール2、集光整形レンズ群3、及び光結合ユニットを含む。
【0022】
光源1は、コリメート平行光であって、方向性に優れ、光路にて集光整形を容易に実施でき、より容易に制御できる青色レーザ源を用い、集光整形レンズ群3は、放射蛍光と励起光との光路をより効果的に分離することから、好ましくは非球面レンズとする。
【0023】
光源1は青色レーザである励起光を発光し、励起光は集光整形レンズ群3による集光整形作用を受けた後、蛍光体ホイール2まで透過され、蛍光体ホイール2において、異なる色の放射蛍光を励起発生させる複数の蛍光体エリア21が周方向に複数設けられるとともに、蛍光体エリア21と同円周に分布している励起光透過エリア22が設けられ、蛍光体エリア21で発生させた放射蛍光には、赤色、緑色、さらに黄色のものが含まれており、このため、輝度を向上させることができ、励起光透過エリア22は蛍光体ホイール2に設けられた白いガラス又は拡散板であってもよく、それにより、スペックルを解消する。
【0024】
蛍光体ホイール2が持続的に回転しており、蛍光体ホイール2に照射された励起光は色の異なる放射蛍光を発生させる蛍光体エリア21と励起光透過エリア22に順次且つ循環的に照射され、励起光が蛍光体エリア21に照射されると、放射蛍光が励起発生し、放射蛍光は各方向へ放散し、放射蛍光のうち集光整形レンズ群3に照射された一部は集光整形レンズ群3で集光整形された後、1つの方向に沿って出射され、光源から出射された励起光が集光整形レンズ群3の光軸方向に傾斜して集光整形レンズ群3に照射された後蛍光体ホイール2に照射されるため、放射蛍光の集光整形における出射光路方向と入射された励起光の光路方向が同一方向ではなく、光路がずれており、このため、ダイクロイックミラーを配置しなくてもよく、システムの構造をよりコンパクトにし、好ましくは、前記蛍光体ホイール2で励起して発生させた放射蛍光は、集光整形レンズ群3で集光整形レンズ群3の光軸方向に集光され、励起光は励起光透過エリア22に照射されると、励起光透過エリア22を介して蛍光体ホイール2を通過して蛍光体ホイール2の後側へ出射され、蛍光体ホイール2の後側に光路方向変更ユニットが設けられ、光路方向変更ユニットは、反射鏡、フォーカスレンズなどの部材を含み、蛍光体ホイール2を通過した励起光の光路の方向を変更し、この部分の励起光と放射蛍光とを光結合ユニットに送って光結合して出力する。
【0025】
本実施例では、光結合ユニットは、順次設けられた光結合反射鏡41、ビーム整形モジュール42、蛍光体ホイールと同期して回転するカラーフィルタリング用カラーホイール43、及びライトパイプ44を含み、集光整形レンズ群3から集光された放射蛍光は、光結合反射鏡41に照射され、励起光透過エリア22を介して蛍光体ホイール2を通過した励起光も、光路方向変更ユニットの作用により光結合反射鏡41に照射され、次に、放射蛍光及び励起光は、ビーム整形モジュール42、カラーフィルタリング用カラーホイール43及びライトパイプ44を順次通過して光結合、出力され、ビーム整形モジュール42は放射蛍光及び励起光について集光整形を行い、次にカラーフィルタリング用カラーホイール43は、各色の放射蛍光及び励起光をフィルタリングし、最後に、ライトパイプは出力ビームを均一化させる。
【0026】
本実施例では、前記集光整形レンズ群において、レーザと蛍光の光路をより効果的に分離するために、少なくとも1つのレンズのアッベ数は30以下である。現在、システムの三原色の主波長が分散しているので、3種類の色の波長の範囲の間隔が約50nmであり、例えば青色光主波長が450~460nm、緑色光主波長が510~570nm、赤色光主波長が620~680nmに集中しており、このため、色分散効果に優れた集光整形レンズ群を用いると、3種類の色の光をより効果的に分離し、つまり、レーザと蛍光の光路を効果的に分離することができる。
【0027】
実施例2
図3及び図4に示すように、蛍光体ホイール2において、蛍光体エリア21と同円周に分布している励起光反射エリア23が設けられる点は実施例1と異なり、励起光反射エリア23は、励起光透過エリア22の代わりとして機能し、励起光反射エリア23は励起光を拡散反射し、図4に示すように、励起光反射エリア23は、蛍光体エリア21とは蛍光体ホイール基体の同一側に位置してもよく、コーティングなどの手段により形成することができる。図5に示すように、励起光反射エリア23は、蛍光体ホイールの裏側に設けられ蛍光体ホイールに平行する反射であってもよく、蛍光体ホイールの裏側とは、蛍光体エリアのない蛍光体ホイールの一方の側であり、励起光も反射されるとランバート光源となり、反射された励起光は集光整形レンズ群3に照射されて集光整形された後出力され、光源から出射された励起光が集光整形レンズ群3の光軸方向に傾斜して集光整形レンズ群3に照射されるため、反射された励起光は集光整形レンズ群3を経た後別の方向に集光され、放射蛍光の集光出射方向と同じであり、そして、反射された励起光の集光出射の光路方向と入射された励起光の光路方向とが同一方向ではないため、ダイクロイックミラーを設けることなく光路の分離が実現され、反射された励起光及び放射蛍光はいずれも、集光整形レンズ群3を経た後、光結合ユニットの光結合反射鏡41に照射され、次に、ビーム整形モジュール42、カラーフィルタリング用カラーホイール43、及びライトパイプ44を順次通過して光結合、出力される。
【0028】
実施例3
図6に示すように、実施例1及び実施例2に基づいて、集光整形レンズ群3において、蛍光体ホイールに照射された励起光が直接通る貫通孔31がさらに開けられてもよく、すなわち、射蛍光体ホイール2に入照された励起光は、集光整形レンズ群3による集光整形作用を受けずに蛍光体ホイール2に照射され、光源1として使用される青色レーザ源が方向性に優れたコリメート平行光であることから、蛍光体エリアに照射されるときに放射蛍光を発生させる励起効率が確保され、蛍光体ホイール2に入射された励起光の光路と集光整形レンズ群3で集光された放射蛍光の光路とがより効果的に分離し、このような形態では、集光整形レンズ群3のレンズとしては、非球面レンズや球面レンズが利用可能である。
【0029】
実施例4
実施例1及び実施例2に基づいて、光源1から発光する励起光は、集光整形レンズ群3を透過した後、蛍光体ホイール2の回転軸方向に対して傾斜する方向をもって蛍光体ホイール2に照射され、このようにして、集光整形レンズ群3を経た放射蛍光の集光出射の光路方向が入射された励起光の光路方向とよりよく分離することができる。集光整形レンズ群3の光軸は、蛍光体ホイール2の回転軸方向に沿うか、又は集光整形レンズ群3の光軸は蛍光体ホイール2の回転軸方向に傾斜してもよく、それにより、放射蛍光の集光出射光路方向と入射された励起光の光路方向とをより効果的に分離することができる。
【0030】
なお、以上は、本発明の好適な実施形態に過ぎず、上述の好適な実施形態は本発明を制限するものとして理解できず、本発明の特許範囲は特許請求の範囲により定められた範囲に準じるべきである。当業者であれば、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、いくつかの改良や修飾を行うことができ、これらの改良や修飾も本発明の特許範囲とみなされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6