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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】ドローン群および大気環境測定方法
(51)【国際特許分類】
   B64C 39/02 20060101AFI20221024BHJP
   B64D 27/24 20060101ALI20221024BHJP
   B64C 19/02 20060101ALI20221024BHJP
   B64C 13/18 20060101ALI20221024BHJP
   G01W 1/00 20060101ALI20221024BHJP
   G01W 1/08 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
B64C39/02
B64D27/24
B64C19/02
B64C13/18 Z
G01W1/00 A
G01W1/08 C
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018089753
(22)【出願日】2018-05-08
(65)【公開番号】P2019196047
(43)【公開日】2019-11-14
【審査請求日】2021-04-30
(73)【特許権者】
【識別番号】518160274
【氏名又は名称】株式会社eロボティクス
(73)【特許権者】
【識別番号】512118299
【氏名又は名称】株式会社東日本計算センター
(73)【特許権者】
【識別番号】000153100
【氏名又は名称】株式会社日本環境調査研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100108442
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義孝
(72)【発明者】
【氏名】山城 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】中野 修三
(72)【発明者】
【氏名】板羽 昌之
(72)【発明者】
【氏名】五百部 達也
【審査官】姫島 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/000684(WO,A1)
【文献】特開2017-087916(JP,A)
【文献】特開2010-217077(JP,A)
【文献】特開2017-166977(JP,A)
【文献】国際公開第2017/053808(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 39/02
B64D 27/24
B64C 19/02
B64C 13/18
G01W 1/00
G01W 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の大気環境測定装置を搭載して空中を飛行しつつ空中でホバリングする複数台の第1~第nドローンから形成され、
前記第1~第nドローンが、所定の離陸地点からそれらドローン毎にあらかじめ設定された空中の垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する各目標地点に向かって飛行し、各目標地点に到着した後、前記垂直方向と前記水平方向とへ所定間隔離間する空中の各目標地点において、前記垂直方向と前記水平方向とへ等しい間隔離間して並んだ状態でホバリングすることで前記空中の任意の測定対象空間に三次元の四角柱状の測定フォーメーションを組織し、又は、前記垂直方向と前記水平方向とへ異なる間隔離間して並んだ状態でホバリングすることで前記空中の任意の測定対象空間に三次元の測定フォーメーションを組織し、前記組織した三次元の測定フォーメーションにおいて、前記大気環境測定装置を利用して前記各目標地点の大気環境を測定することを特徴とするドローン群。
【請求項2】
所定の大気環境測定装置を搭載して空中を飛行しつつ空中でホバリングする複数台の第1~第nドローンから形成され、
前記第1~第nドローンが、所定の離陸地点からそれらドローン毎にあらかじめ設定された空中の垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する各目標地点に向かって飛行し、各目標地点に到着した後、前記垂直方向と前記水平方向とへ所定間隔離間する空中の各目標地点において所定の目標物を取り囲むように、前記垂直方向と前記水平方向とへ所定間隔離間して並んだ状態でホバリングすることで前記空中の任意の測定対象空間に所定の目標物を取り囲む三次元の測定フォーメーションを組織し、前記組織した三次元の測定フォーメーションにおいて、前記大気環境測定装置を利用して前記各目標地点の大気環境を測定することを特徴とするドローン群。
【請求項3】
前記第1~第nドローンが、前記各目標地点の大気環境の測定が終了する度毎に、あらかじめ設定された空中の前記垂直方向と前記水平方向とへ所定間隔離間する次の各目標地点に向かって飛行し、次の各目標地点に到着する度毎に、次の各目標地点においてホバリングしつつ前記空中に三次元の測定フォーメーションを組織し、次の各目標地点において前記三次元の測定フォーメーションを組織する度毎に、前記大気環境測定装置を利用して前記各目標地点の大気環境を測定する請求項1または請求項2に記載のドローン群。
【請求項4】
前記第1~第nドローンが、前記空中に三次元の測定フォーメーションを組織した後、それらドローンの垂直方向と水平方向との離間間隔を拡大して前記空中にあらたな三次元の測定フォーメーションを組織し、前記離間間隔を拡大したあらたな測定フォーメーションにおいて、前記大気環境測定装置を利用して空中の大気環境を測定する請求項1、請求項2、請求項3に記載のドローン群。
【請求項5】
前記第1~第nドローンが、前記空中に三次元の測定フォーメーションを組織した後、それらドローンの垂直方向と水平方向との離間間隔を縮小して前記空中にあらたな三次元の測定フォーメーションを組織し、前記離間間隔を縮小したあらたな測定フォーメーションにおいて、前記大気環境測定装置を利用して空中の大気環境を測定する請求項1、請求項2、請求項3に記載のドローン群。
【請求項6】
前記測定フォーメーションでは、前記垂直方向へ隣接するドローンどうしの離間間隔が20m~1000mの範囲にあり、前記水平方向へ隣接するドローンどうしの離間間隔が20m~1000mの範囲にある請求項1ないし請求項5いずれかに記載のドローン群。
【請求項7】
前記大気環境測定装置が、風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つの気象データを測定する気象データ測定装置と、空中の空気に含まれる微少粒子状物質およびエアロゾル、空中の空気に含まれる二酸化炭素濃度、空中の空気に含まれる雲粒子および氷晶粒子、空中の空気に含まれる有害大気汚染物質、空中の空気に含まれる放射性物質のうちの少なくとも1つの成分を測定する成分測定装置との少なくとも一方である請求項1ないし請求項6いずれかに記載のドローン群。
【請求項8】
所定の大気環境測定装置を搭載して空中を飛行しつつ空中でホバリングするドローンを利用し、前記空中の大気環境を測定する大気環境測定方法において、
前記大気環境測定方法が、複数台の第1~第nドローンを離陸地点からそれらドローン毎にあらかじめ設定された空中の垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する各目標地点に向かって飛行させるドローン飛行工程と、前記ドローン飛行工程によって各目標地点に到着した前記第1~第nドローンを前記垂直方向と前記水平方向とへ所定間隔離間する各目標地点においてホバリングさせて前記空中に三次元の測定フォーメーションを組織させる測定フォーメーション組織工程と、前記測定フォーメーション組織工程によって組織された前記三次元の測定フォーメーションにおいて、前記第1~第nドローンに前記大気環境測定装置を利用して前記各目標地点の大気環境を測定させる大気環境測定工程とを実施し、
前記測定フォーメーション組織工程が、前記垂直方向と前記水平方向とへ所定間隔離間する空中の各目標地点において、前記第1~第nドローンを前記垂直方向と前記水平方向とへ等しい間隔離間して並んだ状態でホバリングさせて前記空中の任意の測定対象空間に三次元の四角柱状の測定フォーメーションを組織させ、又は、前記第1~第nドローンを前記垂直方向と前記水平方向とへ異なる間隔離間して並んだ状態でホバリングさせて前記空中の任意の測定対象空間に三次元の測定フォーメーションを組織させる ことを特徴とする大気環境測定方法。
【請求項9】
所定の大気環境測定装置を搭載して空中を飛行しつつ空中でホバリングするドローンを利用し、前記空中の大気環境を測定する大気環境測定方法において、
前記大気環境測定方法が、複数台の第1~第nドローンを離陸地点からそれらドローン毎にあらかじめ設定された空中の垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する各目標地点に向かって飛行させるドローン飛行工程と、前記ドローン飛行工程によって各目標地点に到着した前記第1~第nドローンを前記垂直方向と前記水平方向とへ所定間隔離間する各目標地点においてホバリングさせて前記空中に三次元の測定フォーメーションを組織させる測定フォーメーション組織工程と、前記測定フォーメーション組織工程によって組織された前記三次元の測定フォーメーションにおいて、前記第1~第nドローンに前記大気環境測定装置を利用して前記各目標地点の大気環境を測定させる大気環境測定工程とを実施し、
前記測定フォーメーション組織工程が、前記垂直方向と前記水平方向とへ所定間隔離間する空中の各目標地点において前記第1~第nドローンが所定の目標物を取り囲むように、前記第1~第nドローンを前記垂直方向と前記水平方向とへ所定間隔離間して並んだ状態でホバリングさせて前記空中の任意の測定対象空間に所定の目標物を取り囲む三次元の測定フォーメーションを組織させることを特徴とする大気環境測定方法。
【請求項10】
前記ドローン飛行工程が、前記大気環境測定工程の実施によって各目標地点の大気環境の測定が終了する度毎に、前記第1~第nドローンをあらかじめ設定された空中の前記垂直方向と前記水平方向とへ所定間隔離間する次の各目標地点に向かって飛行させ、前記測定フォーメーション組織工程が、前記ドローン飛行工程の実施によって前記第1~第nドローンが次の各目標地点に到着する度毎に、前記第1~第nドローンを前記垂直方向と前記水平方向とへ所定間隔離間する次の各目標地点においてホバリングさせて前記空中に三次元の測定フォーメーションを組織させ、前記大気環境測定工程が、前記次の各目標地点に到着した前記第1~第nドローンが前記測定フォーメーション組織工程の実施によって前記三次元の測定フォーメーションを組織する度毎に、前記第1~第nドローンに前記大気環境測定装置を利用して前記各目標地点の大気環境を測定させる請求項8または請求項9に記載の大気環境測定方法。
【請求項11】
前記測定フォーメーション組織工程が、前記目標地点に到着した前記第1~第nドローンが前記空中に三次元の測定フォーメーションを組織した後、前記第1~第nドローンの垂直方向と水平方向との離間間隔を拡大して前記空中にあらたな三次元の測定フォーメーションを組織させ、前記大気環境測定工程では、前記離間間隔を拡大したあらたな測定フォーメーションにおいて、前記第1~第nドローンに前記大気環境測定装置を利用して空中の大気環境を測定させる請求項8、請求項9、請求項10に記載の大気環境測定方法。
【請求項12】
前記測定フォーメーション組織工程が、前記目標地点に到着した前記第1~第nドローンが前記空中に三次元の測定フォーメーションを組織した後、前記第1~第nドローンの垂直方向と水平方向との離間間隔を縮小して前記空中にあらたな三次元の測定フォーメーションを組織させ、前記大気環境測定工程では、前記離間間隔を縮小したあらたな測定フォーメーションにおいて、前記第1~第nドローンに前記大気環境測定装置を利用して空中の大気環境を測定させる請求項8、請求項9、請求項10に記載の大気環境測定方法。
【請求項13】
前記大気環境測定方法では、前記測定フォーメーションにおける前記垂直方向へ隣接するドローンどうしの離間間隔が20m~1000mの範囲にあり、前記測定フォーメーションにおける前記水平方向へ隣接するドローンどうしの離間間隔が20m~1000mの範囲にある請求項8ないし請求項12いずれかに記載の大気環境測定方法。
【請求項14】
前記大気環境測定装置が、風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つの気象データを測定する気象データ測定装置と、空中の空気に含まれる微少粒子状物質およびエアロゾル、空中の空気に含まれる二酸化炭素濃度、空中の空気に含まれる雲粒子および氷晶粒子、空中の空気に含まれる有害大気汚染物質、空中の空気に含まれる放射性物質のうちの少なくとも1つの成分を測定する成分測定装置との少なくとも一方である請求項8ないし請求項13いずれかに記載の大気環境測定方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空中を飛行しつつ空中でホバリングする複数台の第1~第nドローンから形成されたドローン群に関するとともに、各種の大気環境測定装置を搭載して空中を飛行しつつ空中でホバリングするドローンを利用した大気環境測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モーター手段を駆動制御することによって飛行姿勢制御を行うことが可能な複数台のドローンと、複数台のドローンのうちの隣接するドローンどうしを接続してそれらドローンをネットワーク状に接続する有線ケーブルと、複数のドローンの少なくとも1つのドローンに一端が接続される給電ケーブルと、給電ケーブルの他端側に接続されて地上に配置された電力供給手段とを有するドローン群が開示されている(特許文献1参照)。ドローン群では、電力供給手段から給電ケーブルおよび有線ケーブルを介して複数のドローンを駆動するための電力が電力供給手段から各ドローンへと供給される。ドローン群は、複数のドローンどうしを有線ケーブルで接続するとともに給電ケーブルを介して電力の供給を行うことにより、バッテリー電源の容量を心配することなく、ドローン群全体として継続的かつ長時間の飛行が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-52389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に開示のドローン群は、有線ケーブルへの接触による墜落の危険があり、1台が墜落すると、それに巻き込まれて他のすべてのドローンが墜落するから、それらドローンが離陸地点から空中の所定の地点に向かって飛行する場合や空中の所定の地点から空中の他の地点に向かって飛行する場合、有線ケーブルへの接触を回避するために編隊を組んで整然と飛行する必要があり、空中の任意の測定対象空間に三次元の測定フォーメーションを容易に組織することができず、三次元の測定フォーメーションを組織しつつ空中の大気環境を測定することが困難である。
【0005】
また、ドローン群は、各ドローンが有線ケーブルを介して接続されているから、それらドローンどうしが遠距離離間すると、有線ケーブルの重量が増してドローンの飛行やホバリングが不能になることから、それらドローンどうしの離間間隔が数メートル程度になる。したがって、複数台のドローンを利用したとしても、0.002km~2kmのマイクロスケールのうちの一部のスケールに対応することができるものの、2km~2000kmのメソスケールに対応することはできない。
【0006】
本発明の目的は、空中の任意の測定対象空間に三次元の測定フォーメーションを容易に組織することができ、組織した三次元の測定フォーメーションにおいて、空中の任意の測定対象空間の三次元の大気環境を測定することができるドローン群および大気環境測定方法を提供することにある。本発明の他の目的は、マイクロスケールにおける大気環境の測定はもちろん、メソスケールにおける大気環境の測定をすることができるドローン群および大気環境測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための本発明のドローン群の第1の特徴は、所定の大気環境測定装置を搭載して空中を飛行しつつ空中でホバリングする複数台の第1~第nドローンから形成され、第1~第nドローンが、所定の離陸地点からそれらドローン毎にあらかじめ設定された空中の垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する各目標地点に向かって飛行し、各目標地点に到着した後、垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する空中の各目標地点において、垂直方向と水平方向とへ等しい間隔離間して並んだ状態でホバリングすることで空中の任意の測定対象空間に三次元の測定フォーメーションを組織し、又は、垂直方向と水平方向とへ異なる間隔離間して並んだ状態でホバリングすることで空中の任意の測定対象空間に三次元の測定フォーメーションを組織し、組織した三次元の測定フォーメーションにおいて、大気環境測定装置を利用して各目標地点の大気環境を測定することにある。
【0008】
前記課題を解決するための本発明のドローン群の第2の特徴は、所定の大気環境測定装置を搭載して空中を飛行しつつ空中でホバリングする複数台の第1~第nドローンから形成され、第1~第nドローンが、所定の離陸地点からそれらドローン毎にあらかじめ設定された空中の垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する各目標地点に向かって飛行し、各目標地点に到着した後、垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する空中の各目標地点において所定の目標物を取り囲むように、垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間して並んだ状態でホバリングすることで空中の任意の測定対象空間に所定の目標物を取り囲む三次元の測定フォーメーションを組織し、組織した三次元の測定フォーメーションにおいて、大気環境測定装置を利用して各目標地点の大気環境を測定することにある。
【0009】
前記第1及び第2の特徴を有する本発明のドローン群の一例としては、第1~第nドローンが、各目標地点の大気環境の測定が終了する度毎に、あらかじめ設定された空中の垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する次の各目標地点に向かって飛行し、次の各目標地点に到着する度毎に、次の各目標地点においてホバリングしつつ空中に三次元の測定フォーメーションを組織し、次の各目標地点において三次元の測定フォーメーションを組織する度毎に、大気環境測定装置を利用して各目標地点の大気環境を測定する。
【0010】
前記第1及び第2の特徴を有する本発明のドローン群の他の一例としては、第1~第nドローンが、空中に三次元の測定フォーメーションを組織した後、それらドローンの垂直方向と水平方向との離間間隔を拡大して空中にあらたな三次元の測定フォーメーションを組織し、離間間隔を拡大したあらたな測定フォーメーションにおいて、大気環境測定装置を利用して空中の大気環境を測定する。
【0011】
前記第1及び第2の特徴を有する本発明のドローン群の他の一例としては、第1~第nドローンが、空中に三次元の測定フォーメーションを組織した後、それらドローンの垂直方向と水平方向との離間間隔を縮小して空中にあらたな三次元の測定フォーメーションを組織し、離間間隔を縮小したあらたな測定フォーメーションにおいて、大気環境測定装置を利用して空中の大気環境を測定する。
【0012】
前記第1及び第2の特徴を有する本発明のドローン群の他の一例として、測定フォーメーションでは、垂直方向へ隣接するドローンどうしの離間間隔が20m~1000mの範囲にあり、水平方向へ隣接するドローンどうしの離間間隔が20m~1000mの範囲にある。
【0013】
前記第1及び第2の特徴を有する本発明のドローン群の他の一例としては、大気環境測定装置が、風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つの気象データを測定する気象データ測定装置と、空中の空気に含まれる微少粒子状物質およびエアロゾル、空中の空気に含まれる二酸化炭素濃度、空中の空気に含まれる雲粒子および氷晶粒子、空中の空気に含まれる有害大気汚染物質、空中の空気に含まれる放射性物質のうちの少なくとも1つの成分を測定する成分測定装置との少なくとも一方である。
【0014】
前記課題を解決するための本発明の大気環境測定方法の第1の特徴は、所定の大気環境測定装置を搭載して空中を飛行しつつ空中でホバリングするドローンを利用し、複数台の第1~第nドローンを離陸地点からそれらドローン毎にあらかじめ設定された空中の垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する各目標地点に向かって飛行させるドローン飛行工程と、ドローン飛行工程によって各目標地点に到着した第1~第nドローンを垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する各目標地点においてホバリングさせて空中に三次元の測定フォーメーションを組織させる測定フォーメーション組織工程と、測定フォーメーション組織工程によって組織された測定フォーメーションにおいて、第1~第nドローンに大気環境測定装置を利用して各目標地点の大気環境を測定させる大気環境測定工程とを実施し、測定フォーメーション組織工程が、垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する空中の各目標地点において、第1~第nドローンを垂直方向と水平方向とへ等しい間隔離間して並んだ状態でホバリングさせて空中の任意の測定対象空間に三次元の測定フォーメーションを組織させ、又は、第1~第nドローンを垂直方向と水平方向とへ異なる間隔離間して並んだ状態でホバリングさせて空中の任意の測定対象空間に三次元の測定フォーメーションを組織させることにある。
【0015】
前記課題を解決するための本発明の大気環境測定方法の第2の特徴は、所定の大気環境測定装置を搭載して空中を飛行しつつ空中でホバリングするドローンを利用し、複数台の第1~第nドローンを離陸地点からそれらドローン毎にあらかじめ設定された空中の垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する各目標地点に向かって飛行させるドローン飛行工程と、ドローン飛行工程によって各目標地点に到着した第1~第nドローンを垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する各目標地点においてホバリングさせて空中に三次元の測定フォーメーションを組織させる測定フォーメーション組織工程と、測定フォーメーション組織工程によって組織された測定フォーメーションにおいて、第1~第nドローンに大気環境測定装置を利用して各目標地点の大気環境を測定させる大気環境測定工程とを実施し、測定フォーメーション組織工程が、垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する空中の各目標地点において第1~第nドローンが所定の目標物を取り囲むように、第1~第nドローンを垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間して並んだ状態でホバリングさせて空中の任意の測定対象空間に所定の目標物を取り囲む三次元の測定フォーメーションを組織させることにある。
【0016】
前記第1及び第2の特徴を有する本発明の大気環境測定方法の一例としては、ドローン飛行工程が、大気環境測定工程の実施によって各目標地点の大気環境の測定が終了する度毎に、第1~第nドローンをあらかじめ設定された空中の垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する次の各目標地点に向かって飛行させ、測定フォーメーション組織工程が、ドローン飛行工程の実施によって第1~第nドローンが次の各目標地点に到着する度毎に、第1~第nドローンを垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する次の各目標地点においてホバリングさせて空中に三次元の測定フォーメーションを組織させ、大気環境測定工程が、次の各目標地点に到着した第1~第nドローンが測定フォーメーション組織工程の実施によって三次元の測定フォーメーションを組織する度毎に、第1~第nドローンに大気環境測定装置を利用して各目標地点の大気環境を測定させる。
【0017】
前記第1及び第2の特徴を有する本発明の大気環境測定方法の他の一例としては、測定フォーメーション組織工程が、目標地点に到着した第1~第nドローンが空中に三次元の測定フォーメーションを組織した後、第1~第nドローンの垂直方向と水平方向との離間間隔を拡大して空中にあらたな三次元の測定フォーメーションを組織させ、大気環境測定工程では、離間間隔を拡大したあらたな測定フォーメーションにおいて、第1~第nドローンに大気環境測定装置を利用して空中の大気環境を測定させる。
【0018】
前記第1及び第2の特徴を有する本発明の大気環境測定方法の他の一例としては、測定フォーメーション組織工程が、目標地点に到着した第1~第nドローンが空中に三次元の測定フォーメーションを組織した後、第1~第nドローンの垂直方向と水平方向との離間間隔を縮小して空中にあらたな三次元の測定フォーメーションを組織させ、大気環境測定工程では、離間間隔を縮小したあらたな測定フォーメーションにおいて、第1~第nドローンに大気環境測定装置を利用して空中の大気環境を測定させる。
【0019】
前記第1及び第2の特徴を有する本発明の大気環境測定方法の他の一例として、大気環境測定方法では、測定フォーメーションにおける垂直方向へ隣接するドローンどうしの離間間隔が20m~1000mの範囲にあり、測定フォーメーションにおける記水平方向へ隣接するドローンどうしの離間間隔が20m~1000mの範囲にある。
【0020】
前記第1及び第2の特徴を有する本発明の大気環境測定方法の他の一例としては、大気環境測定装置が、風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つの気象データを測定する気象データ測定装置と、空中の空気に含まれる微少粒子状物質およびエアロゾル、空中の空気に含まれる二酸化炭素濃度、空中の空気に含まれる雲粒子および氷晶粒子、空中の空気に含まれる有害大気汚染物質、空中の空気に含まれる放射性物質のうちの少なくとも1つの成分を測定する成分測定装置との少なくとも一方である。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るドローン群によれば、第1~第nドローンが所定の離陸地点からそれらドローン毎にあらかじめ設定された空中の垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する各目標地点に向かって飛行し、各目標地点に到着した後、垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する各目標地点においてホバリングしつつ空中に三次元の測定フォーメーションを組織し、組織した測定フォーメーションにおいて、大気環境測定装置を利用して各目標地点の大気環境を測定するから、空中の任意の測定対象空間に三次元の測定フォーメーションを容易に組織することができ、組織した三次元の測定フォーメーションにおいて、空中の任意の測定対象空間の三次元の大気環境を測定することができる。ドローン群は、空中の任意の測定対象空間に三次元の測定フォーメーションを組織しつつ、空中の任意の測定対象空間の三次元の大気環境を測定することができるから、一地点の大気環境を測定する場合と比較し、空中の任意の測定対象空間のより正確な大気環境を測定することができ、気象予想の精度を向上させることができるとともに、空中における有害物質の正確な分布状況を調査することができる。ドローン群は、マイクロスケールにおける大気環境の測定をすることができることはもちろん、メソスケールにおける大気環境の測定をすることができるとともに、メソスケールの大気環境の測定をすることで、広範囲にわたる気象予想の精度を向上させることができ、広範囲にわたる有害物質の正確な分布状況を調査することができる。
【0022】
第1~第nドローンが各目標地点の大気環境の測定が終了する度毎に、あらかじめ設定された空中の垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する次の各目標地点に向かって飛行し、次の各目標地点に到着する度毎に、次の各目標地点においてホバリングしつつ空中に三次元の測定フォーメーションを組織し、次の各目標地点において測定フォーメーションを組織する度毎に、大気環境測定装置を利用して各目標地点の大気環境を測定するドローン群は、空中の任意の異なる測定対象空間に次々に三次元の測定フォーメーションを組織することができ、組織した三次元のそれら測定フォーメーションにおいて、空中の任意の異なる測定対象空間の三次元の大気環境を測定することができる。ドローン群は、空中の任意の異なる測定対象空間に三次元の測定フォーメーションを組織しつつ、空中の任意の異なる測定対象空間の三次元の大気環境を測定することができるから、一地点の大気環境を測定する場合と比較し、空中の任意の異なる測定対象空間のより正確な大気環境を測定することができ、気象予想の精度を向上させることができるとともに、空中における有害物質の正確な分布状況を調査することができる。ドローン群は、マイクロスケールにおける大気環境の測定をすることができることはもちろん、空中の任意の異なる測定対象空間のメソスケールにおける大気環境の測定をすることができるとともに、空中の任意の異なる測定対象空間のメソスケールの大気環境の測定をすることで、異なる測定対象空間の広範囲にわたる気象予想の精度を向上させることができ、異なる測定対象空間の広範囲にわたる有害物質の正確な分布状況を調査することができる。
【0023】
第1~第nドローンが空中の各目標地点において垂直方向と水平方向とへ等しい間隔離間した状態でホバリングすることで三次元の測定フォーメーションを組織するドローン群は、第1~第nドローンが空中の各目標地点において垂直方向と水平方向とへ等しい間隔離間することで、空中の任意の測定対象空間にそれらドローンが垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して整然と並ぶ三次元の測定フォーメーションを組織することができ、組織した三次元のそれら測定フォーメーションにおいて、空中の任意の測定対象空間に垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して整然と並ぶそれらドローンを利用して三次元の大気環境を測定することができる。
【0024】
第1~第nドローンが空中の各目標地点において垂直方向と水平方向とへ異なる間隔離間した状態でホバリングすることで三次元の測定フォーメーションを組織するドローン群は、第1~第nドローンが空中の各目標地点において垂直方向と水平方向とへ異なる間隔離間することで、空中の任意の測定対象空間にそれらドローンが垂直方向と水平方向とへ異なる間隔離間して並ぶ三次元の測定フォーメーションを組織することができ、組織した三次元のそれら測定フォーメーションにおいて、空中の任意の測定対象空間に垂直方向と水平方向とへ異なる間隔離間して並ぶそれらドローンを利用して三次元の大気環境を測定することができる。
【0025】
第1~第nドローンが所定の目標物を取り囲むように空中の垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する各目標地点においてホバリングすることで三次元の測定フォーメーションを組織するドローン群は、第1~第nドローンが空中の各目標地点において所定の目標物を取り囲むように垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間することで、所定の目標物を中心にそれらドローンが垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間して並ぶ三次元の測定フォーメーションを組織することができ、組織した三次元のそれら測定フォーメーションにおいて、空中の任意の測定対象空間に垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間して並ぶそれらドローンを利用して所定の目標物の周りの三次元の大気環境を測定することができる。
【0026】
第1~第nドローンが空中に測定フォーメーションを組織した後、それらドローンの垂直方向と水平方向との離間間隔を拡大してあらたな測定フォーメーションを組織し、離間間隔を拡大したあらたな測定フォーメーションにおいて、大気環境測定装置を利用して空中の大気環境を測定するドローン群は、空中の任意の測定対象空間においてそれらドローンの垂直方向と水平方向との離間間隔を拡大したあらたな測定フォーメーションを組織することができ、あらたに組織した三次元の拡大測定フォーメーションにおいて三次元の大気環境を測定することができる。ドローン群は、空中の測定対象空間に拡大した三次元の測定フォーメーションを組織しつつ、空中の任意の測定対象空間の拡大した三次元の大気環境を測定することができるから、空中の任意の測定対象空間の多数の地点の大気環境を測定することができ、空中の任意の測定対象空間のより正確な大気環境を測定することができるとともに、気象予想の精度を向上させることができ、空中における有害物質の正確な分布状況を調査することができる。
【0027】
第1~第nドローンが空中に測定フォーメーションを組織した後、それらドローンの垂直方向と水平方向との離間間隔を縮小してあらたな測定フォーメーションを組織し、離間間隔を縮小したあらたな測定フォーメーションにおいて、大気環境測定装置を利用して空中の大気環境を測定するドローン群は、空中の任意の測定対象空間においてそれらドローンの垂直方向と水平方向との離間間隔を縮小したあらたな測定フォーメーションを組織することができ、あらたに組織した三次元の縮小測定フォーメーションにおいて三次元の大気環境を測定することができる。ドローン群は、空中の測定対象空間に縮小した三次元の測定フォーメーションを組織しつつ、空中の任意の測定対象空間の縮小した三次元の大気環境を測定することができるから、空中の任意の測定対象空間の多数の地点の大気環境を測定することができ、空中の任意の測定対象空間のより正確な大気環境を測定することができるとともに、気象予想の精度を向上させることができ、空中における有害物質の正確な分布状況を調査することができる。
【0028】
測定フォーメーションにおいて、垂直方向へ隣接するドローンどうしの離間間隔が20m~1000mの範囲にあり、水平方向へ隣接するドローンどうしの離間間隔が20m~1000mの範囲にあるドローン群は、測定フォーメーションにおけるドローンどうしの垂直方向離間間隔が前記範囲にあり、測定フォーメーションにおけるドローンどうしの水平方向離間間隔が前記範囲にあるから、マイクロスケールにおける大気環境の測定をすることができることはもちろん、メソスケールにおける大気環境の測定をすることができるとともに、メソスケールの大気環境の測定をすることで、広範囲にわたる気象予想の精度を向上させることができ、広範囲にわたる有害物質の正確な分布状況を調査することができる。
【0029】
大気環境測定装置が風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つの気象データを測定する気象データ測定装置と空中の空気に含まれる微少粒子状物質およびエアロゾル、空中の空気に含まれる二酸化炭素濃度、空中の空気に含まれる雲粒子および氷晶粒子、空中の空気に含まれる有害大気汚染物質、空中の空気に含まれる放射性物質のうちの少なくとも1つの成分を測定する成分測定装置との少なくとも一方であるドローン群は、組織した三次元の測定フォーメーションにおいて、空中の任意の測定対象空間の三次元の風向、風速、気温、湿度、気圧の気象データや微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質の成分を測定することができる。ドローン群は、空中の任意の測定対象空間に三次元の測定フォーメーションを組織しつつ、空中の任意の測定対象空間の三次元の風向、風速、気温、湿度、気圧の気象データや微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質の成分を測定することができるから、一地点の気象データや成分を測定する場合と比較し、より正確な気象データや成分を測定することができ、気象予想の精度を向上させることができるとともに、空中における有害物質や二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子の正確な分布状況を調査することができる。ドローン群は、マイクロスケールにおける気象データや成分を測定することができることはもちろん、メソスケールにおける気象データや成分を測定することができるとともに、メソスケールの気象データや成分を測定することで、広範囲にわたる気象予想の精度を向上させることができ、広範囲にわたる有害物質や二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子の正確な分布状況を調査することができる。
【0030】
本発明に係る大気環境測定方法によれば、複数台の第1~第nドローンを離陸地点からそれらドローン毎にあらかじめ設定された空中の垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する各目標地点に向かって飛行させ、各目標地点に到着した第1~第nドローンを垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する各目標地点においてホバリングさせて空中に三次元の測定フォーメーションを組織させ、組織された測定フォーメーションにおいて、第1~第nドローンに大気環境測定装置を利用して各目標地点の大気環境を測定させるから、空中の任意の測定対象空間に三次元の測定フォーメーションを容易に組織させることができ、組織させた三次元の測定フォーメーションにおいて、空中の任意の測定対象空間の三次元の大気環境を測定させることができる。大気環境測定方法は、第1~第nドローンによって空中の任意の測定対象空間に三次元の測定フォーメーションを組織させつつ、空中の任意の測定対象空間の三次元の大気環境を第1~第nドローンに測定させることができるから、一地点の大気環境を測定する場合と比較し、空中の任意の測定対象空間のより正確な大気環境を測定することができ、気象予想の精度を向上させることができるとともに、空中における有害物質の正確な分布状況を調査することができる。大気環境測定方法は、第1~第nドローンを利用することで、マイクロスケールにおける大気環境の測定をすることができることはもちろん、メソスケールにおける大気環境の測定をすることができるとともに、メソスケールの大気環境の測定をすることで、広範囲にわたる気象予想の精度を向上させることができ、広範囲にわたる有害物質の正確な分布状況を調査することができる。
【0031】
各目標地点の大気環境の測定が終了する度毎に、第1~第nドローンをあらかじめ設定された空中の垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する次の各目標地点に向かって飛行させ、第1~第nドローンが次の各目標地点に到着する度毎に、第1~第nドローンを垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する次の各目標地点においてホバリングさせて空中に三次元の測定フォーメーションを組織させ、次の各目標地点に到着した第1~第nドローンが測定フォーメーションを組織する度毎に、第1~第nドローンに大気環境測定装置を利用して各目標地点の大気環境を測定させる大気環境測定方法は、第1~第nドローンに空中の任意の異なる測定対象空間に次々に三次元の測定フォーメーションを組織させることができ、組織させた三次元のそれら測定フォーメーションにおいて、第1~第nドローンに空中の任意の異なる測定対象空間の三次元の大気環境を測定することができる。大気環境測定方法は、第1~第nドローンによって空中の任意の異なる測定対象空間に三次元の測定フォーメーションを組織させつつ、第1~第nドローンによって空中の任意の異なる測定対象空間の三次元の大気環境を測定することができるから、一地点の大気環境を測定する場合と比較し、空中の任意の異なる測定対象空間のより正確な大気環境を測定することができ、気象予想の精度を向上させることができるとともに、空中における有害物質の正確な分布状況を調査することができる。大気環境測定方法は、第1~第nドローンを利用することで、空中の任意の異なる測定対象空間のマイクロスケールにおける大気環境の測定をすることができることはもちろん、メソスケールにおける大気環境の測定をすることができるとともに、空中の任意の異なる測定対象空間のメソスケールの大気環境の測定をすることで、異なる測定対象空間の広範囲にわたる気象予想の精度を向上させることができ、異なる測定対象空間の広範囲にわたる有害物質の正確な分布状況を調査することができる。
【0032】
測定フォーメーション組織工程において、第1~第nドローンを空中の各目標地点において垂直方向と水平方向とへ等しい間隔離間させた状態でホバリングさせて三次元の測定フォーメーションを組織させる大気環境測定方法は、第1~第nドローンを空中の各目標地点において垂直方向と水平方向とへ等しい間隔離間させることで、空中の任意の測定対象空間にそれらドローンが垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して整然と並ぶ三次元の測定フォーメーションを組織させることができ、組織させた三次元のそれら測定フォーメーションにおいて、空中の任意の測定対象空間に垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して整然と並ぶそれらドローンを利用して三次元の大気環境を測定することができる。
【0033】
測定フォーメーション組織工程において、第1~第nドローンを空中の各目標地点において垂直方向と水平方向とへ異なる間隔離間させた状態でホバリングさせて三次元の測定フォーメーションを組織させる大気環境測定方法は、第1~第nドローンを空中の各目標地点において垂直方向と水平方向とへ異なる間隔離間させることで、空中の任意の測定対象空間にそれらドローンが垂直方向と水平方向とへ異なる間隔離間して並ぶ三次元の測定フォーメーションを組織させることができ、組織させた三次元のそれら測定フォーメーションにおいて、空中の任意の測定対象空間に垂直方向と水平方向とへ異なる間隔離間して並ぶそれらドローンを利用して三次元の大気環境を測定することができる。
【0034】
測定フォーメーション組織工程において、第1~第nドローンが所定の目標物を取り囲むように、第1~第nドローンを空中の垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する各目標地点においてホバリングさせて三次元の測定フォーメーションを組織させる大気環境測定方法は、第1~第nドローンを空中の各目標地点において所定の目標物を取り囲むように垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間させることで、所定の目標物を中心にそれらドローンが垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間して並ぶ三次元の測定フォーメーションを組織させることができ、組織させた三次元のそれら測定フォーメーションにおいて、空中の任意の測定対象空間に垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間して並ぶそれらドローンを利用して所定の目標物の周りの三次元の大気環境を測定することができる。
【0035】
測定フォーメーション組織工程において、目標地点に到着した第1~第nドローンが測定フォーメーションを組織した後、第1~第nドローンの垂直方向と水平方向との離間間隔を拡大してあらたな測定フォーメーションを組織させ、大気環境測定工程において、離間間隔を拡大したあらたな測定フォーメーションにおいて、第1~第nドローンに大気環境測定装置を利用して空中の大気環境を測定させる大気環境測定方法は、空中の任意の測定対象空間においてそれらドローンの垂直方向と水平方向との離間間隔を拡大したあらたな測定フォーメーションを組織させることができ、あらたに組織させた三次元の拡大測定フォーメーションにおいて三次元の大気環境を測定することができる。大気環境測定方法は、空中の測定対象空間において第1~第nドローンに拡大した三次元の測定フォーメーションを組織させつつ、空中の任意の測定対象空間の拡大した三次元の大気環境を測定することができるから、空中の任意の測定対象空間の多数の地点の大気環境を測定することができ、空中の任意の測定対象空間のより正確な大気環境を測定することができるとともに、気象予想の精度を向上させることができ、空中における有害物質の正確な分布状況を調査することができる。
【0036】
測定フォーメーション組織工程において、目標地点に到着した第1~第nドローンが測定フォーメーションを組織した後、第1~第nドローンの垂直方向と水平方向との離間間隔を縮小してあらたな測定フォーメーションを組織させ、大気環境測定工程において、離間間隔を縮小したあらたな測定フォーメーションにおいて、第1~第nドローンに大気環境測定装置を利用して空中の大気環境を測定させる大気環境測定方法は、空中の任意の測定対象空間においてそれらドローンの垂直方向と水平方向との離間間隔を縮小したあらたな測定フォーメーションを組織させることができ、あらたに組織した三次元の縮小測定フォーメーションにおいて三次元の大気環境を測定することができる。大気環境測定方法は、空中の測定対象空間において第1~第nドローンに縮小した三次元の測定フォーメーションを組織させつつ、空中の任意の測定対象空間の縮小した三次元の大気環境を測定することができるから、空中の任意の測定対象空間の多数の地点の大気環境を測定することができ、空中の任意の測定対象空間のより正確な大気環境を測定することができるとともに、気象予想の精度を向上させることができ、空中における有害物質の正確な分布状況を調査することができる。
【0037】
測定フォーメーションにおける垂直方向へ隣接するドローンどうしの離間間隔が20m~1000mの範囲にあり、測定フォーメーションにおける水平方向へ隣接するドローンどうしの離間間隔が20m~1000mの範囲にある大気環境測定方法は、測定フォーメーションにおけるドローンどうしの垂直方向離間間隔が前記範囲にあり、測定フォーメーションにおけるドローンどうしの水平方向離間間隔が前記範囲にあるから、マイクロスケールにおける大気環境の測定をすることができることはもちろん、メソスケールにおける大気環境の測定をすることができるとともに、メソスケールの大気環境の測定をすることで、広範囲にわたる気象予想の精度を向上させることができ、広範囲にわたる有害物質の正確な分布状況を調査することができる。
【0038】
大気環境測定装置が風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つの気象データを測定する気象データ測定装置と、空中の空気に含まれる微少粒子状物質およびエアロゾル、空中の空気に含まれる二酸化炭素濃度、空中の空気に含まれる雲粒子および氷晶粒子、空中の空気に含まれる有害大気汚染物質、空中の空気に含まれる放射性物質のうちの少なくとも1つの成分を測定する成分測定装置との少なくとも一方である大気環境測定方法は、第1~第nドローンに組織させた三次元の測定フォーメーションにおいて、空中の任意の測定対象空間の三次元の風向、風速、気温、湿度、気圧の気象データや微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質の成分を測定することができる。大気環境測定方法は、空中の任意の測定対象空間において第1~第nドローンに三次元の測定フォーメーションを組織させつつ、空中の任意の測定対象空間の三次元の風向、風速、気温、湿度、気圧の気象データや微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質の成分を測定することができるから、一地点の気象データや成分を測定する場合と比較し、より正確な気象データや成分を測定することができ、気象予想の精度を向上させることができるとともに、空中における有害物質や二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子の正確な分布状況を調査することができる。大気環境測定方法は、マイクロスケールにおける気象データや成分を測定することができることはもちろん、メソスケールにおける気象データや成分を測定することができるとともに、メソスケールの気象データや成分を測定することで、広範囲にわたる気象予想の精度を向上させることができ、広範囲にわたる有害物質や二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子の正確な分布状況を調査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】一例として示す測定フォーメーションの斜視図。
図2】一例として示す第1~第27ドローンの斜視図。
図3】他の一例として示す測定フォーメーションの斜視図。
図4】他の一例として示す測定フォーメーションの斜視図。
図5】他の一例として示す測定フォーメーションの斜視図。
図6】他の一例として示す測定フォーメーションの斜視図。
図7】他の一例として示す測定フォーメーションの斜視図。
図8】他の一例として示す測定フォーメーションの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0040】
一例として示す測定フォーメーションf1の斜視図である図1等の添付の図面を参照し、本発明に係るドローン群および大気環境測定方法の詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、一例として示す第1~第27ドローンd1~d27の斜視図である。図1では、垂直方向を矢印Aで示し、水平方向を矢印Bで示す。
【0041】
ドローン群10A(ドローン群10B~10Gを含む)は、自動操縦によって飛行する複数台の第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)から形成されている(ドローン群10Eは第1~第25ドローンd1~d25(第1~第nドローン))。ドローン群10A(ドローン群10B~10Gを含む)は、空中における各種の大気環境の測定に利用される。大気環境測定方法は、複数台の第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)から形成されたドローン群10A(ドローン群10B~10Gを含む)を利用し、空中の大気環境を測定する。第1~第27ドローンd1~d27は、機体本体11と、機体本体11から延びる4本のローターアーム12と、それらローターアーム12に取り付けられたローター13(回転翼)とを備え、空中を飛行しつつ空中でホバリングする。
【0042】
第1~第27ドローンd1~d27は、4つのローター13と4つのモーター(図示せず)とを有するクアッド型ドローンであるが、6つのローターと6つのモーターとを有するヘキサ型ドローンや8つのローターと8つのモーターとを有するオクト型ドローンであってもよい。また、第1~第27ドローンd1~d27を図示の形状に限定するものではなく、第1~第27ドローンd1~d27には他のあらゆる形状のそれが含まれるとともに、第1~第27ドローンd1~d27には今後開発されるあらゆるドローンが含まれる。なお、図1では27台のドローンd1~d27を図示しているが、ドローンの台数に特に制限はなく、大気環境を測定する空中の測定対象空間(測定対象エリア)の容積に応じてドローンの台数を自由に設定することができる。
【0043】
第1~第27ドローンd1~d27には、図示はしていないが、大容量バッテリー、飛行管制装置、GPS(GPS自立安定装置を含む)、カメラ搭載用ジンバル、姿勢制御装置、IOSD(オンスクリーンリアルタイムディスプレイ)、ハイビジョン画像伝送無線装置、コントローラ(大容量記憶領域を含む)、高解像度カメラ、リアルタイムモニター、加速度計やジャイロスコープ等の各種センサ等が搭載されている。第1~第27ドローンd1~d27は、その飛行中(ホバリングを含む)に高解像度カメラによって静止画や動画を撮影することができる。第1~第27ドローンd1~d27の機体本体11の下面には、大気環境測定センサ14(大気環境測定装置)が着脱可能に設置(搭載)されている。
【0044】
大気環境測定センサ14には、空中の各目標地点(測定対象空間の測定対象地点)における風向きを測定する風向センサ、空中の目標地点(測定対象空間の測定対象地点)における風速を測定する風速センサ、空中の各目標地点(測定対象空間の測定対象地点)における気温(温度(露点温度や乾球温度を含む))を測定する気温センサ、各目標地点(測定対象空間の測定対象地点)における湿度を測定する湿度センサ、空中の各目標地点(測定対象空間の測定対象地点)における気圧を測定する気圧センサのうちの少なくとも1つの気象データを測定する気象センサ(気象データ測定装置)が使用される。
【0045】
さらに、大気環境測定センサ14には、各目標地点(測定対象空間の測定対象地点)における空気に含まれる微少粒子状物質(浮遊粒子)およびエアロゾル(気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子)を測定するエアロゾルセンサ(浮遊粒子計測器)、空中の空気に含まれる二酸化炭素濃度を測定するCO2センサ、空中の空気に含まれる雲粒子および氷晶粒子を測定する雲粒子センサ、空中の各目標地点(測定対象空間の測定対象地点)における空気に含まれる有害大気汚染物質(煤煙、粉塵、排ガス、有害大気汚染物質、揮発性有機化合物)を測定する大気汚染センサ、空中の各目標地点(測定対象空間の測定対象地点)における空気に含まれる放射性物質を測定する放射性物質測定センサのうちの少なくとも1つの成分を測定する成分測定センサ(成分測定装置)が使用される。
【0046】
微少粒子状物質を測定するセンサには、光散乱方式によってPM2.5を測定するPM2.5環境測定器、光散乱方式によって0.001~10.000mg/m3の粒子を測定する粉塵計、0.1μm~10.0μmの粒径の浮遊粒子を測定する空中浮遊粒子測定器等が使用される。エアロゾル(放射性エアロゾルを含む)を測定するセンサには、パーティクルカウンターや凝縮粒子カウンター等のエアロゾル測定(分析)装置が使用される。有害大気汚染物質を測定するセンサには、微少粒子状物質の測定に使用される機器の他に、燃焼排ガスを測定する排ガス分析計、有機化学物質を測定するVOC測定器、ホルムアルデヒドを測定するホルムアルデヒド測定器、粉塵濃度やCO濃度、CO2濃度を測定する空気質測定器等が使用される。放射性物質(放射線量)を測定するセンサには、各種の放射線測定器や線量計が使用される。なお、第1~第27ドローンd1~d27では、1つの種類のセンサ14を設置することの他、2つ以上の異なる種類のセンサ14を設置することができ、複数の測定項目を測定することができる。
【0047】
第1~第27ドローンd1~d27には、あらかじめ飛行ミッション(飛行プラン)がインストールされた自立して飛行(自動自立飛行)する機種が利用されている。自動自立飛行では、第1~第27ドローンd1~d27の離陸、飛行、ホバリング、測定、着陸を自動で行う自動航行システム(アプリケーション)が利用される。自動航行システムは、地上で操作者(測定者)が操作する送信機(図示せず)にインストールされているとともに、第1~第27ドローンd1~d27に内蔵されたコントローラにインストールされている。
【0048】
送信機は、中央処理部(CPUまたはMPU)とメモリ(メインメモリおよびキャッシュメモリ)とを有して独立したオペレーティングシステム(OS)によって動作するコンピュータ(仮想マシンを含む)を内蔵している。送信機には、大容量記憶領域(大容量ハードディスク等)が実装され、タッチパネル(ディスプレイ)が接続されている。
【0049】
ドローン群10A(第1~第27ドローンd1~d27)を利用した大気環境測定方法のセンシング(測定)手順の一例を説明すると、以下のとおりである。図1に示すセンシング(測定)では、離陸地点と着陸地点とが同一であり、各目標地点g1~g27が空中の測定対象空間15における垂直方向と水平方向とへ等しい間隔離間(等間隔離間)した複数の地点である。
【0050】
送信機にインストールされた自動航行システムを起動させると、図示はしていないが、飛行ミッション作成(フライトプラン作成)画面がタッチパネルに表示される。飛行ミッション作成画面には、3元コンピュータグラフィックスによる所定地域の三次元マップが表示される。操作者は、送信機のタッチパネルに表示された三次元マップに空中の測定対象空間15における各目標地点g1~g27(垂直方向へ等間隔離間するとともに水平方向へ等間隔離間した第1~第27目標地点g1~g27)(第1~第n目標地点)を送信機に入力(各目標地点g1~g27の位置座標および高度を入力、または、ポインターによって各目標地点g1~g27を位置決め)し、三次元マップに各着陸地点(第1~第27着陸地点)(第1~第n着陸地点)を送信機に入力(着陸地点の位置座標を入力、または、ポインターによって各着陸地点を位置決め)するとともに、タッチパネルから飛行速度(離陸速度、移動速度、着陸速度)、飛行時間、ホバリング時間、測定時間等を送信機に入力(設定)して飛行ミッション(フライトプラン)を作成する。
【0051】
飛行ミッションの作成では、三次元マップに第1ドローンd1に対応する空中の測定対象空間15における目標地点g1(第1目標地点g1)を入力し、三次元マップに着陸地点(第1着陸地点)を入力するとともに、飛行速度(離陸速度、移動速度、着陸速度)、飛行時間、ホバリング時間、測定時間等を設定し、三次元マップに第2ドローンd2に対応する空中の測定対象空間15における目標地点g2(第1目標地点g1から垂直方向へ等間隔離間した第2目標地点g2または第1目標地点g1から水平方向へ等間隔離間した第2目標地点g2)を入力し、三次元マップに着陸地点(第2着陸地点)を入力するとともに、飛行速度(離陸速度、移動速度、着陸速度)、飛行時間、ホバリング時間、測定時間等を設定する。このように、第1ドローンd1から第27ドローンd27毎に、それらドローンd1~d27に対応する空中の測定対象空間15における各目標地点g1~g27(垂直方向へ等間隔離間するとともに水平方向へ等間隔離間した第1~第27目標地点g1~g27)を入力し、着陸地点(第1~第27着陸地点)を入力するとともに、飛行速度(離陸速度、移動速度、着陸速度)、飛行時間、ホバリング時間、測定時間等を入力し、それらドローンd1~d27毎に飛行ミッションを作成する。
【0052】
作成された飛行ミッションは、所定の識別子に関連付けられた状態で送信機の大容量記憶領域に格納(記憶)された後、送信機から第1~第27ドローンd1~d27のコントローラに送信される。第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、送信機から受信した飛行ミッションを各ドローンd1~d27の識別子(個体識別番号やユニークな識別番号)に関連付けた状態で大容量記憶領域に格納(記憶)する。大気環境測定方法(ドローン群10A)では、第1ドローンd1から第27ドローンd27の目標地点g1~g27が個別に設定され、図1に示すように、第1~第27ドローンd1~d27が各々に設定された各目標地点g1~g27に向かって飛行する。
【0053】
第1~第27ドローンd1~d27に対応する飛行ミッションが各第1~第27ドローンd1~d27の大容量記憶領域に格納(記憶)された後、タッチパネルに表示された測定開始ボタン(フライト開始ボタン)をタップ(クリック)する。測定開始ボタンをタップすると、送信機から測定開始信号(フライト開始信号)が第1~第27ドローンd1~d27に送信される。第1~第27ドローンd1~d27は、送信機から送信された測定開始信号を受信すると、自動自立飛行を開始する。
【0054】
大気環境測定方法は、第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)を離陸地点からそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の測定対象空間15における垂直方向と水平方向とへ等しい間隔離間する各目標地点g1~g27(それらドローンd1~d27毎に対応する第1~第27目標地点g1~g27)に向かって飛行させる(ドローン飛行工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10A)は、離陸地点からそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の測定対象空間15における垂直方向と水平方向とへ等しい間隔離間する各目標地点g1~g27に向かって一斉に飛行する。
【0055】
大気環境測定方法は、ドローン飛行工程によって第1~第27ドローンd1~d27が測定対象空間15の各目標地点g1~g27に到着した後、図1に示すように、第1~第27ドローンd1~d27を垂直方向と水平方向とへ等しい間隔離間する各目標地点g1~g27においてホバリングさせて空中に三次元の測定フォーメーションf1を組織させる(測定フォーメーション組織工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10A)は、測定対象空間15の各目標地点g1~g27に到着した後、垂直方向と水平方向とへ等しい間隔離間する各目標地点g1~g27においてホバリングしつつ空中に三次元の四角柱状の測定フォーメーションf1を組織する。第1~第27ドローンd1~d27は、空中の任意の測定対象空間15の各目標地点g1~g27において垂直方向と水平方向とへ等しい間隔離間して並ぶ。
【0056】
図1に示す測定フォーメーションf1では、最下位に位置するドローンの高度が地上から1000mであり、中間に位置するドローンの高度が地上から1500mであるとともに、最上位に位置するドローンの高度が地上から2000mである。第1~第27ドローンd1~d27の高度を自由に設定することができる。垂直方向へ隣接するドローンどうしの離間距離が500mであり、水平方向へ隣接するドローンどうしの離間距離が500mである。測定フォーメーションf1における垂直方向へ隣接するドローンどうしの離間距離は、20m~1000mの範囲で自由に設定することができる。測定フォーメーションf1における水平方向へ隣接するドローンどうしの離間距離は、20m~1000mの範囲で自由に設定することができる。
【0057】
大気環境測定方法は、測定フォーメーション組織工程によって組織された測定フォーメーションf1において、第1~第27ドローンd1~d27に大気環境測定センサ14(大気環境測定装置)を利用して測定対象空間14における各目標地点g1~g27の大気環境を測定させる(大気環境測定工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10A)は、組織した測定フォーメーションf1において、大気環境測定センサ14(大気環境測定装置)を利用して測定対象空間15における各目標地点g1~g27の大気環境を測定する。
【0058】
第1~第27ドローンd1~d27に設置された気象センサ(大気環境測定センサ14)や成分測定センサ(大気環境測定センサ14)によって、各目標地点g1~g27の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)や空気の成分(微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)が測定される。気象センサや成分測定センサによって測定された各目標地点g1~g27の気象データや成分データは、気象センサや成分測定センサから第1~第27ドローンd1~d27のコントローラに送信される。
【0059】
第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、気象センサや成分測定センサから送信された測定対象空間15の各目標地点g1~g27の気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を各ドローンd1~d27の識別子(個体識別番号やユニークな識別番号)に関連付けた状態で大容量記憶領域に格納(記憶)するとともに、第1~第27ドローンd1~d27の飛行記録(飛行経路)を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に記憶する。
【0060】
第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点の座標データ)等を地上の送信機にリアルタイムに送信するとともに、第1~第27ドローンd1~d27の飛行記録(飛行経路)を送信機にリアルタイムに送信する。送信機は、第1~第27ドローンd1~d27から受信した測定対象空間15の各目標地点g1~g27の気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に記憶する。
【0061】
測定対象空間15の各目標地点g1~g27の気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ等は、送信機から出力(ディスプレイに表示、プリンタから印刷)される。出力されたそれらデータを利用して気象状況や各成分の分布状況を把握し、気象予想や成分の分布予想に利用する。
【0062】
大気環境測定方法は、大気環境測定工程によって各目標地点g1~g27の気象データや成分を第1~第27ドローンd1~d27に測定させた後、第1~第27ドローンd1~d27を測定対象空間15の垂直方向と水平方向とへ等しい間隔離間する各目標地点g1~g27から各着陸地点に向かって飛行させ、第1~第27ドローンd1~d27を各着陸地点に着陸させる(ドローン着陸工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10A)は、各目標地点g1~g27から各着陸地点に向かって飛行し、各着陸地点に着陸する。
【0063】
ドローン群10A(大気環境測定方法)は、複数台の第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)を所定の離陸地点からそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の任意の測定対象空間15の垂直方向と水平方向とへ等しい間隔離間(等間隔離間)する各目標地点g1~g27(第1~第27目標地点g1~g27)(第1~第n目標地点)に向かって飛行させ、各目標地点g1~g27に到着した第1~第27ドローンd1~d27を各目標地点g1~g27においてホバリングさせて空中の任意の測定対象空間15に三次元の測定フォーメーションf1を組織させ、組織された測定フォーメーションf1において、第1~第27ドローンd1~d27に大気環境測定センサ14(大気環境測定装置)を利用して各目標地点g1~g27の気象データや空気の成分(大気環境)を測定させるから、空中の任意の測定対象空間15にそれらドローンd1~d27が垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して整然と並ぶ三次元の測定フォーメーションf1を容易に組織させることができ、組織させた三次元のそれら測定フォーメーションf1において、空中の任意の測定対象空間15に垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して整然と並ぶそれらドローンd1~d27を利用して三次元の大気環境を測定することができる。
【0064】
ドローン群10A(大気環境測定方法)は、第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)によって空中の任意の測定対象空間15に垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する三次元の測定フォーメーションf1を組織させつつ、空中の任意の測定対象空間15の三次元の気象データや空気の成分(大気環境)を第1~第27ドローンd1~d27に測定させることができるから、一地点の大気環境を測定する場合と比較し、空中の任意の測定対象空間15のより正確な大気環境を測定することができ、気象予想の精度を向上させることができるとともに、空中における有害物質や二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子の正確な分布状況を調査することができる。
【0065】
ドローン群10A(大気環境測定方法)は、第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)を利用することで、マイクロスケールにおける気象データや空気の成分(大気環境)の測定をすることができることはもちろん、メソスケールにおける気象データや空気の成分(大気環境)の測定をすることができるとともに、メソスケールの気象データや空気の成分(大気環境)の測定をすることで、広範囲にわたる気象予想の精度を向上させることができ、広範囲にわたる有害物質や二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子の正確な分布状況を調査することができる。
【0066】
図3は、他の一例として示す測定フォーメーションf2の斜視図である。図3を参照しつつドローン群10B(第1~第27ドローンd1~d27)を利用した大気環境測定方法のセンシング(測定)手順の他の一例を説明すると、以下のとおりである。図3では、離陸地点と着陸地点との図示を省略している。図3に示すセンシング(測定)では、離陸地点と着陸地点とが同一であり、各目標地点g1~g27が空中の測定対象空間16における垂直方向と水平方向とへ異なる間隔離間した複数の地点である。
【0067】
操作者(測定者)は、送信機のタッチパネルに表示された三次元マップに空中の測定対象空間16における各目標地点g1~g27(垂直方向へ異なる間隔離間するとともに水平方向へ異なる間隔離間した第1~第27目標地点g1~g27)(第1~第n目標地点)を送信機に入力し、三次元マップに各着陸地点(第1~第27着陸地点)(第1~第n着陸地点)を送信機に入力するとともに、タッチパネルから飛行速度(離陸速度、移動速度、着陸速度)、飛行時間、ホバリング時間、測定時間等を送信機に入力(設定)して飛行ミッション(フライトプラン)を作成する。
【0068】
第1ドローンd1から第27ドローンd27毎に、それらドローンd1~d27に対応する空中の測定対象空間16における各目標地点g1~g27(垂直方向へ異なる間隔離間するとともに水平方向へ異なる間隔離間した第1~第27目標地点g1~g27)を入力し、着陸地点(第1~第27着陸地点)を入力するとともに、飛行速度(離陸速度、移動速度、着陸速度)、飛行時間、ホバリング時間、測定時間等を入力し、それらドローンd1~d27毎に飛行ミッションを作成する。大気環境測定方法(ドローン群10A)では、第1ドローン~第27ドローンd1~d27の各目標地点g1~g27が個別に設定される。
【0069】
作成された飛行ミッションは、所定の識別子に関連付けられた状態で送信機の大容量記憶領域に格納(記憶)された後、送信機から第1~第27ドローンd1~d27のコントローラに送信される。第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、送信機から受信した飛行ミッションを各ドローンd1~d27の識別子(個体識別番号やユニークな識別番号)に関連付けた状態で大容量記憶領域に格納(記憶)する。タッチパネルに表示された測定開始ボタン(フライト開始ボタン)をタップすると、第1~第27ドローンd1~d27が測定対象空間16の各目標地点g1~g27に向かって自動自立飛行を開始する。
【0070】
大気環境測定方法は、第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)を離陸地点からそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の測定対象空間16における垂直方向と水平方向とへ異なる間隔離間する各目標地点g1~g27(それらドローンd1~d27毎に対応する第1~第27目標地点g1~g27)に向かって飛行させる(ドローン飛行工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10B)は、離陸地点からそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の測定対象空間16における垂直方向と水平方向とへ異なる間隔離間する各目標地点g1~g27に向かって一斉に飛行する。
【0071】
大気環境測定方法は、ドローン飛行工程によって第1~第27ドローンd1~d27が測定対象空間16の各目標地点g1~g27に到着した後、図3に示すように、第1~第27ドローンd1~d27を垂直方向と水平方向とへ異なる間隔離間する各目標地点g1~g27においてホバリングさせて空中に三次元の測定フォーメーションf2を組織させる(測定フォーメーション組織工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10B)は、測定対象空間16の各目標地点g1~g27に到着した後、垂直方向と水平方向とへ異なる間隔離間する各目標地点g1~g27においてホバリングしつつ空中に三次元の四角錐台状の測定フォーメーションf2を組織する。第1~第27ドローンd1~d27は、空中の任意の測定対象空間16の各目標地点g1~g27において垂直方向と水平方向とへ異なる間隔離間して並ぶ。なお、測定フォーメーションf2の形状に時に制限はなく、四角錐台状の他に他のあらゆる所定形状の測定フォーメーションを組織することができる。
【0072】
図3に示す測定フォーメーションf2では、最下位に位置するドローンの高度が地上から1000mであり、中間に位置するドローンの高度が地上から1300mであるとともに、最上位に位置するドローンの高度が地上から1500mである。第1~第27ドローンd1~d27の高度を自由に設定することができる。垂直方向へ隣接するドローンどうしの離間距離が300m、200mであり、水平方向へ隣接するドローンどうしの離間距離が500m、300m、200mである。測定フォーメーションf2における垂直方向へ隣接するドローンどうしの離間距離は、20m~1000mの範囲で自由に設定することができる。測定フォーメーションf2における水平方向へ隣接するドローンどうしの離間距離は、20m~1000mの範囲で自由に設定することができる。
【0073】
大気環境測定方法は、測定フォーメーション組織工程によって組織された測定フォーメーションf2において、第1~第27ドローンd1~d27に気象センサ(大気環境測定センサ14)や成分測定センサ(大気環境測定センサ14)を利用して各目標地点g1~g27の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)や空気の成分(微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)を測定させる(大気環境測定工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10B)は、垂直方向と水平方向とへ異なる間隔離間して組織した三次元の四角錐台状の測定フォーメーションf2において、気象センサや成分測定センサを利用して各目標地点g1~g27の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)や空気の成分(微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)を測定する。気象センサや成分測定センサによって測定された各目標地点g1~g27の気象データや成分データは、気象センサや成分測定センサから第1~第27ドローンd1~d27のコントローラに送信される。
【0074】
第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、気象センサや成分測定センサから送信された測定対象空間16の各目標地点g1~g27の気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に格納(記憶)するとともに、第1~第27ドローンd1~d27の飛行記録(飛行経路)を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に記憶する。第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を地上の送信機にリアルタイムに送信するとともに、第1~第27ドローンd1~d27の飛行記録(飛行経路)を送信機にリアルタイムに送信する。送信機は、第1~第27ドローンd1~d27から受信した測定対象空間16の各目標地点g1~g27の気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に記憶する。
【0075】
測定対象空間16の各目標地点g1~g27の気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ等は、送信機から出力(ディスプレイに表示、プリンタから印刷)される。出力されたそれらデータを利用して気象状況や各成分の分布状況を把握し、気象予想や成分の分布予想に利用する。
【0076】
大気環境測定方法は、大気環境測定工程によって各目標地点g1~g27の気象データや成分を第1~第27ドローンd1~d27に測定させた後、第1~第27ドローンd1~d27を測定対象空間16の垂直方向と水平方向とへ異なる間隔離間する各目標地点g1~g27から各着陸地点に向かって飛行させ、第1~第27ドローンd1~d27を各着陸地点に着陸させる(ドローン着陸工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10B)は、各目標地点g1~g27から各着陸地点に向かって飛行し、各着陸地点に着陸する。
【0077】
図3に基づいて説明したドローン群10B(大気環境測定方法)は、複数台の第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)を所定の離陸地点からそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の任意の測定対象空間16の垂直方向と水平方向とへ異なる間隔離間する各目標地点g1~g27(第1~第27目標地点g1~g27)(第1~第n目標地点)に向かって飛行させ、各目標地点g1~g27に到着した第1~第27ドローンd1~d27を各目標地点g1~g27においてホバリングさせて空中の任意の測定対象空間16に三次元の測定フォーメーションf2を組織させ、組織された測定フォーメーションf2において、第1~第27ドローンd1~d27に大気環境測定センサ14(大気環境測定装置)を利用して各目標地点g1~g27の気象データや空気の成分(大気環境)を測定させるから、空中の任意の測定対象空間16にそれらドローンd1~d27が垂直方向と水平方向とへ異なる間隔離間して並ぶ三次元の測定フォーメーションf2を容易に組織させることができ、組織させた三次元の測定フォーメーションf2において、空中の任意の測定対象空間16に垂直方向と水平方向とへ異なる間隔離間して並ぶそれらドローンd1~d27を利用して三次元の大気環境を測定することができる。
【0078】
図3に基づいて説明したドローン群10B(大気環境測定方法)は、第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)によって空中の任意の測定対象空間16に垂直方向と水平方向とへ異なる間隔離間する三次元の測定フォーメーションf2を組織させつつ、空中の任意の測定対象空間f2の三次元の気象データや空気の成分(大気環境)を第1~第27ドローンd1~d27に測定させることができるから、一地点の大気環境を測定する場合と比較し、空中の任意の測定対象空間16のより正確な大気環境を測定することができ、気象予想の精度を向上させることができるとともに、空中における有害物質や二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子の正確な分布状況を調査することができる。
【0079】
図3に基づいて説明したドローン群10B(大気環境測定方法)は、第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)を利用することで、マイクロスケールにおける気象データや空気の成分(大気環境)の測定をすることができることはもちろん、メソスケールにおける気象データや空気の成分(大気環境)の測定をすることができるとともに、メソスケールの気象データや空気の成分(大気環境)の測定をすることで、広範囲にわたる気象予想の精度を向上させることができ、広範囲にわたる有害物質や二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子の正確な分布状況を調査することができる。
【0080】
図4は、他の一例として示す測定フォーメーションf3~f5の斜視図である。図4を参照しつつドローン群10C(第1~第27ドローンd1~d27)を利用した大気環境測定方法のセンシング(測定)手順の他の一例を説明すると、以下のとおりである。図4では、離陸地点と着陸地点との図示を省略している。図4に示すセンシング(測定)では、離陸地点と着陸地点とが同一であり、各目標地点g1~g27が空中の第1測定対象空間17aにおける垂直方向と水平方向とへ等間隔離間した複数の地点、第1測定対象空間17aから垂直方向へ移動した空中の第2測定対象空間17bにおける垂直方向と水平方向とへ等間隔離間した複数の地点、第2測定対象空間17bから垂直方向へ移動した空中の第3測定対象空間17cにおける垂直方向と水平方向とへ等間隔離間した複数の地点である。第1測定対象空間~第3測定対象空間17a~17cは、空中の垂直方向へ並んでいる。
【0081】
操作者(測定者)は、送信機のタッチパネルに表示された三次元マップに空中の第1測定対象空間17aにおける各目標地点g1~g27(垂直方向へ等間隔離間するとともに水平方向へ等間隔離間した第1~第27目標地点g1~g27)(第1~第n目標地点)を送信機に入力し、三次元マップに第1測定対象空間17aから垂直方向上方へ移動した空中の第2測定対象空間17bにおける各目標地点g1~g27(垂直方向へ等間隔離間するとともに水平方向へ等間隔離間した第1~第27目標地点g1~g27)(第1~第n目標地点)を送信機に入力するとともに、三次元マップに第2測定対象空間17bから垂直方向上方へ移動した空中の第3測定対象空間17cにおける各目標地点g1~g27(垂直方向へ等間隔離間するとともに水平方向へ等間隔離間した第1~第27目標地点g1~g27)(第1~第n目標地点)を送信機に入力する。さらに、三次元マップに各着陸地点(第1~第27着陸地点)(第1~第n着陸地点)を送信機に入力するとともに、タッチパネルから飛行速度(離陸速度、移動速度、着陸速度)、飛行時間、ホバリング時間、測定時間等を送信機に入力(設定)して飛行ミッション(フライトプラン)を作成する。
【0082】
第1ドローンd1から第27ドローンd27毎に、それらドローンd1~d27に対応する空中の垂直方向へ並ぶ第1測定対象空間~第3測定対象空間17a~17cにおける各目標地点g1~g27(垂直方向へ等間隔離間するとともに水平方向へ等間隔離間した第1~第27目標地点g1~g27)を入力し、着陸地点(第1~第27着陸地点)を入力するとともに、飛行速度(離陸速度、移動速度、着陸速度)、飛行時間、ホバリング時間、測定時間等を入力し、それらドローンd1~d27毎に飛行ミッションを作成する。大気環境測定方法(ドローン群10A)では、第1ドローン~第27ドローンd1~d27の第1測定対象空間~第3測定対象空間17a~17cにおける各目標地点g1~g27が個別に設定される。
【0083】
作成された飛行ミッションは、所定の識別子に関連付けられた状態で送信機の大容量記憶領域に格納(記憶)された後、送信機から第1~第27ドローンd1~d27のコントローラに送信される。第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、送信機から受信した飛行ミッションを各ドローンd1~d27の識別子(個体識別番号やユニークな識別番号)に関連付けた状態で大容量記憶領域に格納(記憶)する。タッチパネルに表示された測定開始ボタン(フライト開始ボタン)をタップすると、第1~第27ドローンd1~d27が空中の垂直方向へ並ぶ第1測定対象空間~第3測定対象空間17a~17cの各目標地点g1~g27に向かって自動自立飛行を開始する。
【0084】
第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)を離陸地点からそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の第1測定対象空間17aにおける垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27(それらドローンd1~d27毎に対応する第1測定対象空間17aの第1~第27目標地点g1~g27)に向かって飛行させる(ドローン飛行工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10C)は、離陸地点からそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の第1測定対象空間17aにおける垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27に向かって一斉に飛行する。
【0085】
ドローン飛行工程によって第1~第27ドローンd1~d27が第1測定対象空間17aの各目標地点g1~g27に到着した後、図4に示すように、第1~第27ドローンd1~d27を垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27においてホバリングさせて空中の第1測定対象空間17aに三次元の測定フォーメーションf3を組織させる(測定フォーメーション組織工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10C)は、第1測定対象空間17aの各目標地点g1~g27に到着した後、垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27においてホバリングしつつ空中に三次元の四角柱状の測定フォーメーションf3を組織する。第1~第27ドローンd1~d27は、空中の任意の第1測定対象空間17aの各目標地点g1~g27において垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して並ぶ。
【0086】
測定フォーメーション組織工程によって組織された測定フォーメーションf3において、第1~第27ドローンd1~d27に気象センサ(大気環境測定センサ14)や成分測定センサ(大気環境測定センサ14)を利用して第1測定対象空間17aにおける各目標地点g1~g27の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)や空気の成分(微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)を測定させる(大気環境測定工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10C)は、垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して組織した三次元の四角柱状の測定フォーメーションf3において、気象センサや成分測定センサを利用して各目標地点g1~g27の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)や空気の成分(微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)を測定する。気象センサや成分測定センサによって測定された各目標地点g1~g27の気象データや成分データは、気象センサや成分測定センサから第1~第27ドローンd1~d27のコントローラに送信される。
【0087】
第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、気象センサや成分測定センサから送信された第1測定対象空間17aの各目標地点g1~g27の気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に格納(記憶)するとともに、第1~第27ドローンd1~d27の飛行記録(飛行経路)を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に記憶する。第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を地上の送信機にリアルタイムに送信するとともに、第1~第27ドローンd1~d27の飛行記録(飛行経路)を送信機にリアルタイムに送信する。送信機は、第1~第27ドローンd1~d27から受信した第1測定対象空間17aの各目標地点g1~g27の気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に記憶する。
【0088】
次に、第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)を第1測定対象空間17aからそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の第2測定対象空間17b(第1測定対象空間17aから垂直方向上方へ移動した第2測定対象空間17b)における垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する次の各目標地点g1~g27(それらドローン毎d1~d27に対応する第2測定対象空間17bの第1~第27目標地点g1~g27)に向かって飛行させる(ドローン飛行工程)。第2測定対象空間17bの各目標地点g1~g27は、第1測定対象空間17aの各目標地点g1~g27の垂直方向上方に位置する。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10C)は、第1測定対象空間17aからそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の第2測定対象空間17bにおける垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する次の各目標地点g1~g27に向かって一斉に飛行する。
【0089】
ドローン飛行工程によって第1~第27ドローンd1~d27が第1測定対象空間17aから垂直方向上方へ移動した次の第2測定対象空間17bの各目標地点g1~g27に到着した後、図4に示すように、第1~第27ドローンd1~d27を垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27においてホバリングさせて空中の第2測定対象空間17bに三次元の測定フォーメーションf4を組織させる(測定フォーメーション組織工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10C)は、第2測定対象空間17bの各目標地点g1~g27に到着した後、垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27においてホバリングしつつ空中に三次元の四角柱状の測定フォーメーションf4を組織する。第1~第27ドローンd1~d27は、空中の任意の第2測定対象空間17bの各目標地点g1~g27において垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して並ぶ。
【0090】
測定フォーメーション組織工程によって組織された測定フォーメーションf4において、第1~第27ドローンd1~d27に気象センサ(大気環境測定センサ14)や成分測定センサ(大気環境測定センサ14)を利用し、第1測定対象空間17aから垂直方向上方に位置する第2測定対象空間17bにおける各目標地点g1~g27の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)や空気の成分(微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)を測定させる(大気環境測定工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10C)は、垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して組織した三次元の四角柱状の測定フォーメーションf4において、気象センサや成分測定センサを利用して各目標地点g1~g27の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)や空気の成分(微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)を測定する。気象センサや成分測定センサによって測定された各目標地点g1~g27の気象データや成分データは、気象センサや成分測定センサから第1~第27ドローンd1~d27のコントローラに送信される。
【0091】
第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、気象センサや成分測定センサから送信された第2測定対象空間17bの各目標地点g1~g27の気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に格納(記憶)するとともに、第1~第27ドローンd1~d27の飛行記録(飛行経路)を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に記憶する。第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を地上の送信機にリアルタイムに送信するとともに、第1~第27ドローンd1~d27の飛行記録(飛行経路)を送信機にリアルタイムに送信する。送信機は、第1~第27ドローンd1~d27から受信した第2測定対象空間17bの各目標地点g1~g27の気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に記憶する。
【0092】
次に、第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)を第2測定対象空間17bからそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の第3測定対象空間17c(第2測定対象空間17bから垂直方向上方へ移動した第3測定対象空間17c)における垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する次の各目標地点g1~g27(それらドローンd1~d27毎に対応する第3測定対象空間17cの第1~第27目標地点g1~g27)に向かって飛行させる(ドローン飛行工程)。第3測定対象空間17cの各目標地点g1~g27は、第2測定対象空間17bの各目標地点g1~g27の垂直方向上方に位置する。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10C)は、第2測定対象空間17bからそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の第3測定対象空間17cにおける垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する次の各目標地点g1~g27に向かって一斉に飛行する。
【0093】
ドローン飛行工程によって第1~第27ドローンd1~d27が第2測定対象空間17bから垂直方向上方へ移動した次の第3測定対象空間17cの各目標地点g1~g27に到着した後、図4に示すように、第1~第27ドローンd1~d27を垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27においてホバリングさせて空中の第3測定対象空間17cに三次元の測定フォーメーションf5を組織させる(測定フォーメーション組織工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10C)は、第3測定対象空間17cの各目標地点g1~g27に到着した後、垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27においてホバリングしつつ空中に三次元の四角柱状の測定フォーメーションf5を組織する。第1~第27ドローンd1~d27は、空中の任意の第3測定対象空間17cの各目標地点g1~g27において垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して並ぶ。
【0094】
測定フォーメーション組織工程によって組織された測定フォーメーションf5において、第1~第27ドローンd1~d27に気象センサ(大気環境測定センサ14)や成分測定センサ(大気環境測定センサ14)を利用し、第2測定対象空間17bから垂直方向上方に位置する第3測定対象空間17cにおける各目標地点g1~g27の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)や空気の成分(微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)を測定させる(大気環境測定工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10C)は、垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して組織した三次元の四角柱状の測定フォーメーションf5において、気象センサや成分測定センサを利用して各目標地点g1~g27の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)や空気の成分(微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)を測定する。気象センサや成分測定センサによって測定された各目標地点g1~g27の気象データや成分データは、気象センサや成分測定センサから第1~第27ドローンd1~d27のコントローラに送信される。
【0095】
第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、気象センサや成分測定センサから送信された第3測定対象空間17cの各目標地点g1~g27の気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に格納(記憶)するとともに、第1~第27ドローンd1~d27の飛行記録(飛行経路)を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に記憶する。第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を地上の送信機にリアルタイムに送信するとともに、第1~第27ドローンd1~d27の飛行記録(飛行経路)を送信機にリアルタイムに送信する。送信機は、第1~第27ドローンd1~d27のコントローラから受信した第3測定対象空間17cの各目標地点g1~g27の気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に記憶する。
【0096】
測定対象空間17a~17cの各目標地点g1~g27の気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ等は、送信機から出力(ディスプレイに表示、プリンタから印刷)される。出力されたそれらデータを利用して気象状況や各成分の分布状況を把握し、気象予想や成分の分布予想に利用する。
【0097】
大気環境測定工程によって第3測定対象空間17cの各目標地点g1~g27の気象データや成分を第1~第27ドローンd1~d27に測定させた後、第1~第27ドローンd1~d27を第3測定対象空間17cの垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27から各着陸地点に向かって飛行させ、第1~第27ドローンd1~d27を各着陸地点に着陸させる(ドローン着陸工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10C)は、第3測定対象空間17cの各目標地点g1~g27から各着陸地点に向かって飛行し、各着陸地点に着陸する。
【0098】
図4に示す測定フォーメーションf3~f5では、図3に示すように、各目標地点g1~g27が垂直方向と水平方向とへ異なる間隔離間する測定フォーメーションを組織することができる。また、測定フォーメーションが垂直方向へ移動した後、図5に示すように、測定フォーメーションが水平方向へ移動することもできる。さらに、図7に示すように、測定フォーメーションが拡大することもでき、図8に示すように、測定フォーメーションが縮小することもできる。
【0099】
図5は、他の一例として示す測定フォーメーションf6~f8の斜視図である。図5を参照しつつドローン群10D(第1~第27ドローンd1~d27)を利用した大気環境測定方法のセンシング(測定)手順の他の一例を説明すると、以下のとおりである。図5では、離陸地点と着陸地点との図示を省略している。図5に示すセンシング(測定)では、離陸地点と着陸地点とが同一であり、各目標地点g1~g27が空中の第1測定対象空間18aにおける垂直方向と水平方向とへ等間隔離間した複数の地点、第1測定対象空間18aから水平方向へ移動した空中の第2測定対象空間18bにおける垂直方向と水平方向とへ等間隔離間した複数の地点、第2測定対象空間18bから水平方向へ移動した空中の第3測定対象空間18cにおける垂直方向と水平方向とへ等間隔離間した複数の地点である。第1測定対象空間~第3測定対象空間18a~18cは、空中の水平方向へ並んでいる。
【0100】
操作者(測定者)は、送信機のタッチパネルに表示された三次元マップに空中の第1測定対象空間18aにおける各目標地点g1~g27(垂直方向へ等間隔離間するとともに水平方向へ等間隔離間した第1~第27目標地点g1~g27)(第1~第n目標地点)を送信機に入力し、三次元マップに第1測定対象空間18aから水平方向へ移動した空中の第2測定対象空間18bにおける各目標地点g1~g27(垂直方向へ等間隔離間するとともに水平方向へ等間隔離間した第1~第27目標地点g1~g27)(第1~第n目標地点)を送信機に入力するとともに、三次元マップに第2測定対象空間18bから水平方向へ移動した空中の第3測定対象空間18cにおける各目標地点g1~g27(垂直方向へ等間隔離間するとともに水平方向へ等間隔離間した第1~第27目標地点g1~g27)(第1~第n目標地点)を送信機に入力する。さらに、三次元マップに各着陸地点(第1~第27着陸地点)(第1~第n着陸地点)を送信機に入力するとともに、タッチパネルから飛行速度(離陸速度、移動速度、着陸速度)、飛行時間、ホバリング時間、測定時間等を送信機に入力(設定)して飛行ミッション(フライトプラン)を作成する。
【0101】
第1ドローンd1から第27ドローンd27毎に、それらドローンd1~d27に対応する空中の水平方向へ並ぶ第1測定対象空間~第3測定対象空間18a~18cにおける各目標地点g1~g27(垂直方向へ等間隔離間するとともに水平方向へ等間隔離間した第1~第27目標地点g1~g27)を入力し、着陸地点(第1~第27着陸地点)を入力するとともに、飛行速度(離陸速度、移動速度、着陸速度)、飛行時間、ホバリング時間、測定時間等を入力し、それらドローンd1~d27毎に飛行ミッションを作成する。大気環境測定方法(ドローン群10D)では、第1ドローンd1~第27ドローンd27の第1測定対象空間~第3測定対象空間18a~18cにおける各目標地点g1~g27が個別に設定される。
【0102】
作成された飛行ミッションは、所定の識別子に関連付けられた状態で送信機の大容量記憶領域に格納(記憶)された後、送信機から第1~第27ドローンd1~d27のコントローラに送信される。第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、送信機から受信した飛行ミッションを各ドローンd1~d27の識別子(個体識別番号やユニークな識別番号)に関連付けた状態で大容量記憶領域に格納(記憶)する。タッチパネルに表示された測定開始ボタン(フライト開始ボタン)をタップすると、第1~第27ドローンd1~d27が空中の水平方向へ並ぶ第1測定対象空間~第3測定対象空間18a~18cの各目標地点g1~g27に向かって自動自立飛行を開始する。
【0103】
第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)を離陸地点からそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の第1測定対象空間18aにおける垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27(それらドローンd1~d27毎に対応する第1測定対象空間18aの第1~第27目標地点g1~g27)に向かって飛行させる(ドローン飛行工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10D)は、離陸地点からそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の第1測定対象空間18aにおける垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27に向かって一斉に飛行する。
【0104】
ドローン飛行工程によって第1~第27ドローンd1~d27が第1測定対象空間18aの各目標地点g1~g27に到着した後、図5に示すように、第1~第27ドローンd1~d27を垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27においてホバリングさせて空中の第1測定対象空間18aに三次元の測定フォーメーションf6を組織させる(測定フォーメーション組織工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10D)は、第1測定対象空間18aの各目標地点g1~g27に到着した後、垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27においてホバリングしつつ空中に三次元の四角柱状の測定フォーメーションf6を組織する。第1~第27ドローンd1~d27は、空中の任意の第1測定対象空間18aの各目標地点g1~g27において垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して並ぶ。
【0105】
測定フォーメーション組織工程によって組織された測定フォーメーションf6において、第1~第27ドローンd1~d27に気象センサ(大気環境測定センサ14)や成分測定センサ(大気環境測定センサ14)を利用して第1測定対象空間18aにおける各目標地点g1~g27の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)や空気の成分(微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)を測定させる(大気環境測定工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10D)は、垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して組織した三次元の四角柱状の測定フォーメーションf6において、気象センサや成分測定センサを利用して各目標地点g1~g27の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)や空気の成分(微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)を測定する。気象センサや成分測定センサによって測定された各目標地点g1~g27の気象データや成分データは、気象センサや成分測定センサから第1~第27ドローンd1~d27のコントローラに送信される。
【0106】
第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、気象センサや成分測定センサから送信された第1測定対象空間18aの各目標地点g1~g27の気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に格納(記憶)するとともに、第1~第27ドローンd1~d27の飛行記録(飛行経路)を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に記憶する。第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を地上の送信機にリアルタイムに送信するとともに、第1~第27ドローンd1~d27の飛行記録(飛行経路)を送信機にリアルタイムに送信する。送信機は、第1~第27ドローンd1~d27から受信した第1測定対象空間18aの各目標地点g1~g27の気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に記憶する。
【0107】
次に、第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)を第1測定対象空間18aからそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の第2測定対象空間18b(第1測定対象空間18aから水平方向へ移動した第2測定対象空間18b)における垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する次の各目標地点g1~g27(それらドローンd1~d27毎に対応する第2測定対象空間18bの第1~第27目標地点g1~g27)に向かって飛行させる(ドローン飛行工程)。第2測定対象空間18bの各目標地点g1~g27は、第1測定対象空間18aの各目標地点g1~g27の水平方向側方に位置する。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10D)は、第1測定対象空間18aからそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の第2測定対象空間18bにおける垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する次の各目標地点g1~g27に向かって一斉に飛行する。
【0108】
ドローン飛行工程によって第1~第27ドローンd1~d27が第1測定対象空間18aから水平方向側方へ移動した次の第2測定対象空間18bの各目標地点g1~g27に到着した後、図5に示すように、第1~第27ドローンd1~d27を垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点においてホバリングさせて空中の第2測定対象空間18bに三次元の測定フォーメーションf7を組織させる(測定フォーメーション組織工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10D)は、第2測定対象空間18bの各目標地点g1~g27に到着した後、垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27においてホバリングしつつ空中に三次元の四角柱状の測定フォーメーションf7を組織する。第1~第27ドローンd1~d27は、空中の任意の第2測定対象空間18bの各目標地点g1~g27において垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して並ぶ。
【0109】
測定フォーメーション組織工程によって組織された測定フォーメーションf7において、第1~第27ドローンd1~d27に気象センサ(大気環境測定センサ14)や成分測定センサ(大気環境測定センサ14)を利用し、第1測定対象空間18aから水平方向側方に位置する第2測定対象空間18bにおける各目標地点g1~g27の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)や空気の成分(微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)を測定させる(大気環境測定工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10D)は、垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して組織した三次元の四角柱状の測定フォーメーションf7において、気象センサや成分測定センサを利用して各目標地点g1~g27の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)や空気の成分(微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)を測定する。気象センサや成分測定センサによって測定された各目標地点g1~g27の気象データや成分データは、気象センサや成分測定センサから第1~第27ドローンd1~d27のコントローラに送信される。
【0110】
第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、気象センサや成分測定センサから送信された第2測定対象空間18bの各目標地点g1~g27の気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に格納(記憶)するとともに、第1~第27ドローンd1~d27の飛行記録(飛行経路)を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に記憶する。第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を地上の送信機にリアルタイムに送信するとともに、第1~第27ドローンd1~d27の飛行記録(飛行経路)を送信機にリアルタイムに送信する。送信機は、第1~第27ドローンd1~d27から受信した第2測定対象空間18bの各目標地点g1~g27の気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に記憶する。
【0111】
次に、第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)を第2測定対象空間18bからそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の第3測定対象空間18c(第2測定対象空間18bから水平方向へ移動した第3測定対象空間18c)における垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する次の各目標地点g1~g27(それらドローン毎d1~d27に対応する第3測定対象空間18cの第1~第27目標地点g1~g27)に向かって飛行させる(ドローン飛行工程)。第3測定対象空間18cの各目標地点g1~g27は、第2測定対象空間18bの各目標地点g1~g27の水平方向側方に位置する。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10D)は、第2測定対象空間18bからそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の第3測定対象空間18cにおける垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する次の各目標地点g1~g27に向かって一斉に飛行する。
【0112】
ドローン飛行工程によって第1~第27ドローンd1~d27が第2測定対象空間18bから水平方向側方へ移動した次の第3測定対象空間18cの各目標地点g1~g27に到着した後、図5に示すように、第1~第27ドローンd1~d27を垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27においてホバリングさせて空中の第3測定対象空間18cに三次元の測定フォーメーションf8を組織させる(測定フォーメーション組織工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10D)は、第3測定対象空間18cの各目標地点g1~g27に到着した後、垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27においてホバリングしつつ空中に三次元の四角柱状の測定フォーメーションf8を組織する。第1~第27ドローンd1~d27は、空中の任意の第3測定対象空間18cの各目標地点g1~g27において垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して並ぶ。
【0113】
測定フォーメーション組織工程によって組織された測定フォーメーションf8において、第1~第27ドローンd1~d27に気象センサ(大気環境測定センサ14)や成分測定センサ(大気環境測定センサ14)を利用し、第2測定対象空間18bから水平方向側方に位置する第3測定対象空間18cにおける各目標地点g1~g27の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)や空気の成分(微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)を測定させる(大気環境測定工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10D)は、垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して組織した三次元の四角柱状の測定フォーメーションf8において、気象センサや成分測定センサを利用して第3測定対象空間18cの各目標地点g1~g27の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)や空気の成分(微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)を測定する。気象センサや成分測定センサによって測定された各目標地点g1~g27の気象データや成分データは、気象センサや成分測定センサから第1~第27ドローンd1~d27のコントローラに送信される。
【0114】
第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、気象センサや成分測定センサから送信された第3測定対象空間18cの各目標地点g1~g27の気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に格納(記憶)するとともに、第1~第27ドローンd1~d27の飛行記録(飛行経路)を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に記憶する。第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を地上の送信機にリアルタイムに送信するとともに、第1~第27ドローンd1~d27の飛行記録(飛行経路)を送信機にリアルタイムに送信する。送信機は、第1~第27ドローンd1~d27から受信した第3測定対象空間18cの各目標地点g1~g27の気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に記憶する。
【0115】
測定対象空間18a~18cの各目標地点g1~g27の気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ等は、送信機から出力(ディスプレイに表示、プリンタから印刷)される。出力されたそれらデータを利用して気象状況や各成分の分布状況を把握し、気象予想や成分の分布予想に利用する。
【0116】
大気環境測定工程によって第3測定対象空間18cの各目標地点g1~g27の気象データや成分を第1~第27ドローンd1~d27に測定させた後、第1~第27ドローンd1~d27を第3測定対象空間18cの垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27から各着陸地点に向かって飛行させ、第1~第27ドローンd1~d27を各着陸地点に着陸させる(ドローン着陸工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10D)は、第3測定対象空間18cの各目標地点g1~g27から各着陸地点に向かって飛行し、各着陸地点に着陸する。
【0117】
図5に示す測定フォーメーションf6~f8では、図3に示すように、各目標地点g1~g27が垂直方向と水平方向とへ異なる間隔離間する測定フォーメーションを組織することができる。また、測定フォーメーションが水平方向へ移動した後、図4に示すように、測定フォーメーションが垂直方向へ移動することもできる。さらに、図7に示すように、測定フォーメーションが拡大することもでき、図8に示すように、測定フォーメーションが縮小することもできる。
【0118】
図4および図5に示す測定フォーメーションf3~f5,f6~f7では、最下位に位置するドローンの高度や中間に位置するドローンの高度、最上位に位置するドローンの高度、垂直方向へ隣接するドローンどうしの離間距離、水平方向へ隣接するドローンどうしの離間距離が図1に示す測定フォーメーションf1のそれと同一である。測定フォーメーションf3~f5,f6~f7における垂直方向へ隣接するドローンどうしの離間距離は、20m~1000mの範囲で自由に設定することができ、測定フォーメーションf3~f5,f6~f7における水平方向へ隣接するドローンどうしの離間距離は、20m~1000mの範囲で自由に設定することができる。
【0119】
図4および図5に基づいて説明したドローン群10C,10D(大気環境測定方法)は、複数台の第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)を所定の離陸地点からそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の任意の第1測定対象空間~第3測定対象空間17a~17c,18a~18c(第1測定対象空間~第n測定対象空間)の垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27(第1~第27目標地点g1~g27)(第1~第n目標地点)に向かって飛行させ、第1測定対象空間~第3測定対象空間17a~17c,18a~18cの各目標地点g1~g27に到着した第1~第27ドローンd1~d27を各目標地点g1~g27においてホバリングさせて空中の任意の第1測定対象空間~第3測定対象空間17a~17c,18a~18cに三次元の測定フォーメーションf3~f5,f6~f7を組織させ、組織された測定フォーメーションf3~f5,f6~f7において、第1~第27ドローンd1~d27に大気環境測定センサ14(大気環境測定装置)を利用して各目標地点g1~g27の気象データや空気の成分(大気環境)を測定させるから、空中の任意の異なる第1測定対象空間~第3測定対象空間17a~17c,18a~18cにそれらドローンd1~d27が垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して並ぶ三次元の測定フォーメーションf3~f5,f6~f7を次々に組織させることができ、組織させた三次元のそれら測定フォーメーションf3~f5,f6~f7において、空中の任意の第1測定対象空間~第3測定対象空間17a~17c,18a~18cに垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して並ぶそれらドローンd1~d27を利用して三次元の大気環境を測定することができる。
【0120】
図4および図5に基づいて説明したドローン群10C,10D(大気環境測定方法)は、第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)によって空中の任意の異なる第1測定対象空間~第3測定対象空間17a~17c,18a~18c(第1測定対象空間~第n測定対象空間)に垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する三次元の測定フォーメーションf3~f5,f6~f7を組織させつつ、空中の任意の第1測定対象空間~第3測定対象空間17a~17c,18a~18cの三次元の気象データや空気の成分(大気環境)を第1~第27ドローンd1~d27に測定させることができるから、一地点の大気環境を測定する場合と比較し、空中の任意の第1測定対象空間~第3測定対象空間17a~17c,18a~18cのより正確な大気環境を測定することができ、気象予想の精度を向上させることができるとともに、空中における有害物質や二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子の正確な分布状況を調査することができる。
【0121】
図4および図5に基づいて説明したドローン群10C,10D(大気環境測定方法)は、第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)を利用することで、空中の任意の異なる第1測定対象空間~第3測定対象空間17a~17c,18a~18c(第1測定対象空間~第n測定対象空間)のマイクロスケールにおける大気環境の測定をすることができることはもちろん、メソスケールにおける大気環境の測定をすることができるとともに、空中の任意の異なる第1測定対象空間~第3測定対象空間17a~17c,18a~18cのメソスケールの大気環境の測定をすることで、異なる第1測定対象空間~第3測定対象空間17a~17c,18a~18cの広範囲にわたる気象予想の精度を向上させることができ、異なる第1測定対象空間~第3測定対象空間17a~17c,18a~18cの広範囲にわたる有害物質や二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子の正確な分布状況を調査することができる。
【0122】
図6は、他の一例として示す測定フォーメーションf9の斜視図である。図6を参照しつつドローン群10E(第1~第25ドローンd1~d25)を利用した大気環境測定方法のセンシング(測定)手順の他の一例を説明すると、以下のとおりである。図6では、離陸地点と着陸地点との図示を省略している。図6に示すセンシング(測定)では、離陸地点と着陸地点とが同一であり、各目標地点g1~g25が空中の測定対象空間19において火山の火口20(所定の目標物)を取り囲むように垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間した複数の地点である。所定の目標物には、火山の火口20の他に、火災を起こした建造物や放射能漏れを起こした原発、有毒ガスを発生する地域等あらゆる目標物が含まれる。
【0123】
操作者(測定者)は、送信機のタッチパネルに表示された三次元マップに空中の測定対象空間19において火山の火口20(所定の目標物)を取り囲む各目標地点g1~g25(垂直方向へ等間隔離間するとともに水平方向へ等間隔離間した第1~第25目標地点g1~g25)(第1~第n目標地点)を送信機に入力し、三次元マップに各着陸地点(第1~第25着陸地点)(第1~第n着陸地点)を送信機に入力するとともに、タッチパネルから飛行速度(離陸速度、移動速度、着陸速度)、飛行時間、ホバリング時間、測定時間等を送信機に入力(設定)して飛行ミッション(フライトプラン)を作成する。
【0124】
第1ドローンd1から第25ドローンd25毎に、それらドローンd1~d25に対応する空中の測定対象空間19において火山の火口20を取り囲む各目標地点g1~g25(垂直方向へ所定間隔離間するとともに水平方向へ所定間隔離間した第1~第25目標地点g1~g25)を入力し、着陸地点(第1~第25着陸地点)を入力するとともに、飛行速度(離陸速度、移動速度、着陸速度)、飛行時間、ホバリング時間、測定時間等を入力し、それらドローンd1~d25毎に飛行ミッションを作成する。大気環境測定方法(ドローン群10E)では、第1ドローン~第25ドローンd1~d25の各目標地点g1~g25が個別に設定される。
【0125】
作成された飛行ミッションは、所定の識別子に関連付けられた状態で送信機の大容量記憶領域に格納(記憶)された後、送信機から第1~第25ドローンd1~d25のコントローラに送信される。第1~第25ドローンd1~d25のコントローラは、送信機から受信した飛行ミッションを各ドローンd1~d25の識別子(個体識別番号やユニークな識別番号)に関連付けた状態で大容量記憶領域に格納(記憶)する。タッチパネルに表示された測定開始ボタン(フライト開始ボタン)をタップすると、第1~第25ドローンd1~d25が空中の測定対象空間19において火口20を取り囲む各目標地点g1~g25に向かって自動自立飛行を開始する。
【0126】
第1~第25ドローンd1~d25(第1~第nドローン)を離陸地点からそれらドローンd1~d25毎にあらかじめ設定された空中の測定対象空間19において火口20を取り囲む各目標地点g1~g25(それらドローンd1~d25毎に対応する測定対象空間19の火口20を取り囲む第1~第25目標地点g1~g25)に向かって飛行させる(ドローン飛行工程)。第1~第25ドローンd1~d25(ドローン群10E)は、離陸地点からそれらドローンd1~d25毎にあらかじめ設定された空中の測定対象空間10の火口20を取り囲む各目標地点g1~g25に向かって一斉に飛行する。
【0127】
ドローン飛行工程によって第1~第25ドローンd1~d25が測定対象空間19の火口20を取り囲む各目標地点g1~g25に到着した後、図6に示すように、第1~第25ドローンd1~d25を垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する各目標地点g1~g25においてホバリングさせて空中の測定対象空間19に火口20(所定の目標物)を取り囲む三次元の測定フォーメーションf9を組織させる(測定フォーメーション組織工程)。第1~第25ドローンd1~d25(ドローン群10E)は、測定対象空間19の火口20を取り囲む各目標地点g1~g25に到着した後、垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する各目標地点g1~g25においてホバリングしつつ空中に三次元の測定フォーメーションf9を組織する。第1~第25ドローンd1~d25は、空中の任意の第1測定対象空間19の火口20を取り囲む各目標地点g1~g25において垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間して並ぶ。
【0128】
測定フォーメーション組織工程によって組織された測定フォーメーションf9において、第1~第25ドローンd1~d25に気象センサ(大気環境測定センサ14)や成分測定センサ(大気環境測定センサ14)を利用して第1測定対象空間19の火口20を取り囲む各目標地点g1~g25の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)や空気の成分(微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)を測定させる(大気環境測定工程)。第1~第25ドローンd1~d25(ドローン群10E)は、垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間して組織した三次元の測定フォーメーションf9において、気象センサや成分測定センサを利用して火口20を取り囲む各目標地点g1~g25の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)や空気の成分(微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)を測定する。気象センサや成分測定センサによって測定された第1測定対象空間19の火口20を取り囲む各目標地点g1~g25の気象データや成分データは、気象センサや成分測定センサから第1~第25ドローンd1~d25のコントローラに送信される。
【0129】
第1~第25ドローンd1~d25のコントローラは、気象センサや成分測定センサから送信された測定対象空間19の火口20を取り囲む各目標地点g1~g25の気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g25の位置データ(目標地点g1~g25の座標データ)等を各ドローンd1~d25の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に格納(記憶)するとともに、第1~第25ドローンd1~d25の飛行記録(飛行経路)を各ドローンd1~d25の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に記憶する。第1~第25ドローンd1~d25のコントローラは、気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g25の位置データ(目標地点g1~g25の座標データ)等を地上の送信機にリアルタイムに送信するとともに、第1~第25ドローンd1~d25の飛行記録(飛行経路)を送信機にリアルタイムに送信する。送信機は、第1~第25ドローンd1~d25から受信した測定対象空間19の火口20を取り囲む各目標地点g1~g25の気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g25の位置データ(目標地点g1~g25の座標データ)等を各ドローンd1~d25の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に記憶する。
【0130】
測定対象空間19の火口20を取り囲む各目標地点g1~g25の気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)、測定時間データ、目標地点g1~g25の位置データ等は、送信機から出力(ディスプレイに表示、プリンタから印刷)される。出力されたそれらデータを利用して気象状況や各成分の分布状況を把握し、気象予想や成分の分布予想に利用する。
【0131】
大気環境測定工程によって測定対象空間19の火口20を取り囲む各目標地点g1~g25の気象データや成分を第1~第25ドローンd1~d25に測定させた後、第1~第25ドローンd1~d25を測定対象空間19の垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する各目標地点g1~g25から各着陸地点に向かって飛行させ、第1~第25ドローンd1~d25を各着陸地点に着陸させる(ドローン着陸工程)。第1~第25ドローンd1~d25(ドローン群10E)は、測定対象空間19の火口20を取り囲む各目標地点g1~g25から各着陸地点に向かって飛行し、各着陸地点に着陸する。
【0132】
図6に示す測定フォーメーションf9では、図4に示すように、測定フォーメーションが垂直方向へ移動した後、図5に示すように、測定フォーメーションが水平方向へ移動することもでき、図5に示すように、測定フォーメーションが水平方向へ移動した後、図4に示すように、測定フォーメーションが垂直方向へ移動することもできる。さらに、図7に示すように、測定フォーメーションが拡大することもでき、図8に示すように、測定フォーメーションが縮小することもできる。
【0133】
図6に示す測定フォーメーションf9では、最下位に位置するドローンの高度や中間に位置するドローンの高度、最上位に位置するドローンの高度が図1に示す測定フォーメーションf1のそれと同一である。測定フォーメーションにf9おける垂直方向へ隣接するドローンどうしの離間距離は、20m~1000mの範囲で自由に設定することができ、測定フォーメーションf9における水平方向へ隣接するドローンどうしの離間距離は、20m~1000mの範囲で自由に設定することができる。
【0134】
図6に基づいて説明したドローン群10E(大気環境測定方法)は、複数台の第1~第25ドローンd1~d25(第1~第nドローン)を所定の離陸地点からそれらドローンd1~d25毎にあらかじめ設定された空中の任意の測定対象空間19の火口20(所定の目標物)を取り囲む各目標地点g1~g25(第1~第25目標地点g1~g25)(第1~第n目標地点)に向かって飛行させ、各目標地点g1~g25に到着した第1~第25ドローンd1~d25を各目標地点g1~g25においてホバリングさせて空中の任意の測定対象空間19において火口20を取り囲む三次元の測定フォーメーションf9を組織させ、組織された測定フォーメーションf9において、第1~第25ドローンd1~d25に大気環境測定センサ15(大気環境測定装置)を利用して各目標地点g1~g25の気象データや空気の成分(大気環境)を測定させるから、空中の任意の測定対象空間19にそれらドローンd1~d25が垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間して並ぶ三次元の測定フォーメーションf9を組織させることができ、組織させた三次元の測定フォーメーションf9において、空中の任意の測定対象空間19に垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して並ぶそれらドローンd1~d25を利用して火口20(所定の目標物)の周りの三次元の大気環境を測定することができる。
【0135】
図6に基づいて説明したドローン群10E(大気環境測定方法)は、第1~第25ドローンd1~d25(第1~第nドローン)によって空中の任意の測定対象空間19に垂直方向と水平方向とへ所定間隔離間する三次元の測定フォーメーションf9を組織させつつ、空中の任意の測定対象空間19の火口20(所定の目標物)を取り囲む三次元の気象データや空気の成分(大気環境)を第1~第25ドローンd1~d25に測定させることができるから、一地点の大気環境を測定する場合と比較し、空中の任意の測定対象空のより正確な大気環境を測定することができ、気象予想の精度を向上させることができるとともに、空中における有害物質や二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子の正確な分布状況を調査することができる。
【0136】
図6に基づいて説明したドローン群10E(大気環境測定方法)は、第1~第25ドローンd1~d25(第1~第nドローン)を利用することで、空中の任意の測定対象空間19の火口20(所定の目標物)を取り囲むマイクロスケールにおける大気環境の測定をすることができることはもちろん、メソスケールにおける大気環境の測定をすることができるとともに、空中の任意の測定対象空間19の火口20(所定の目標物)を取り囲むメソスケールの大気環境の測定をすることで、測定対象空間19の広範囲にわたる気象予想の精度を向上させることができ、測定対象空間19の広範囲にわたる有害物質や二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子の正確な分布状況を調査することができる。
【0137】
図7は、他の一例として示す測定フォーメーションf10,f11の斜視図である。図7を参照しつつドローン群10F(第1~第27ドローンd1~d27)を利用した大気環境測定方法のセンシング(測定)手順の他の一例を説明すると、以下のとおりである。図7では、離陸地点と着陸地点との図示を省略している。図7に示すセンシング(測定)では、離陸地点と着陸地点とが同一であり、各目標地点が空中の第1測定対象空間21aにおける垂直方向と水平方向とへ等間隔離間した複数の地点、第1測定対象空間21aから垂直方向へ移動しつつ垂直方向と水平方向との離間間隔を拡大した空中の第2測定対象空間21bにおける垂直方向と水平方向とへ等間隔離間した複数の地点である。第1測定対象空間21aおよび第2測定対象空間21bは、空中の垂直方向へ並んでいる。
【0138】
操作者(測定者)は、送信機のタッチパネルに表示された三次元マップに空中の第1測定対象空間21aにおける各目標地点g1~g27(垂直方向へ等間隔離間するとともに水平方向へ等間隔離間した第1~第27目標地点g1~g27)(第1~第n目標地点)を送信機に入力し、三次元マップに第1測定対象空間21aから垂直方向上方へ移動しつつ垂直方向と水平方向との離間間隔を拡大した空中の第2測定対象空間21bにおける各目標地点g1~g27(垂直方向へ等間隔離間するとともに水平方向へ等間隔離間した第1~第27目標地点g1~g27)(第1~第n目標地点)を送信機に入力する。さらに、三次元マップに各着陸地点(第1~第27着陸地点g1~g27)(第1~第n着陸地点)を送信機に入力するとともに、タッチパネルから飛行速度(離陸速度、移動速度、着陸速度)、飛行時間、ホバリング時間、測定時間等を送信機に入力(設定)して飛行ミッション(フライトプラン)を作成する。
【0139】
第1ドローンd1から第27ドローンd27毎に、それらドローンd1~d27に対応する空中の垂直方向へ並ぶ第1測定対象空間21aおよび第1測定対象空間21aよりも垂直方向と水平方向との離間間隔を拡大した第2測定対象空間21bにおける各目標地点g1~g27(垂直方向へ等間隔離間するとともに水平方向へ等間隔離間した第1~第27目標地点g1~g27)を入力し、着陸地点(第1~第27着陸地点)を入力するとともに、飛行速度(離陸速度、移動速度、着陸速度)、飛行時間、ホバリング時間、測定時間等を入力し、それらドローンd1~d27毎に飛行ミッションを作成する。大気環境測定方法(ドローン群10F)では、第1ドローンd1~第27ドローンd27の各目標地点g1~g27が個別に設定される。
【0140】
作成された飛行ミッションは、所定の識別子に関連付けられた状態で送信機の大容量記憶領域に格納(記憶)された後、送信機から第1~第27ドローンd1~d27のコントローラに送信される。第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、送信機から受信した飛行ミッションを各ドローンの識別子(個体識別番号やユニークな識別番号)に関連付けた状態で大容量記憶領域に格納(記憶)する。タッチパネルに表示された測定開始ボタン(フライト開始ボタン)をタップすると、第1~第27ドローンd1~d27が空中の垂直方向へ並ぶ第1測定対象空間21aおよび垂直方向と水平方向との離間間隔を拡大した第2測定対象空間21bの各目標地点g1~g27に向かって自動自立飛行を開始する。
【0141】
第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)を離陸地点からそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の第1測定対象空間21aにおける垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27(それらドローンd1~d27毎に対応する第1測定対象空間21aの第1~第27目標地点)に向かって飛行させる(ドローン飛行工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10F)は、離陸地点からそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の第1測定対象空間21aにおける垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27に向かって一斉に飛行する。
【0142】
ドローン飛行工程によって第1~第27ドローンd1~d27が第1測定対象空間21aの各目標地点g1~g27に到着した後、図7に示すように、第1~第27ドローンd1~d27を垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27においてホバリングさせて空中の第1測定対象空間21aに三次元の測定フォーメーションf10を組織させる(測定フォーメーション組織工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10F)は、第1測定対象空間21aの各目標地点g1~g27に到着した後、垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27においてホバリングしつつ空中に三次元の四角柱状の測定フォーメーションf10を組織する。第1~第27ドローンd1~d27は、空中の任意の第1測定対象空間21aの各目標地点g1~g27において垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して並ぶ。
【0143】
測定フォーメーション組織工程によって組織された測定フォーメーション10fにおいて、第1~第27ドローンd1~d27に気象センサ(大気環境測定センサ14)や成分測定センサ(大気環境測定センサ14)を利用して第1測定対象空間21aにおける各目標地点g1~g27の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)や空気の成分(微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)を測定させる(大気環境測定工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10F)は、垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して組織した三次元の四角柱状の測定フォーメーション10fにおいて、気象センサや成分測定センサを利用して各目標地点g1~g27の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)や空気の成分(微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)を測定する。気象センサや成分測定センサによって測定された各目標地点g1~g27の気象データや成分データは、気象センサや成分測定センサから第1~第27ドローンd1~d27のコントローラに送信される。
【0144】
第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、気象センサや成分測定センサから送信された第1測定対象空間21aの各目標地点g1~g27の気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に格納(記憶)するとともに、第1~第27ドローンd1~d27の飛行記録(飛行経路)を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に記憶する。第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を地上の送信機にリアルタイムに送信するとともに、第1~第27ドローンd1~d27の飛行記録(飛行経路)を送信機にリアルタイムに送信する。送信機は、第1~第27ドローンd1~d27から受信した第1測定対象空間21aの各目標地点g1~g27の気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に記憶する。
【0145】
次に、第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)を第1測定対象空間21aからそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の第2測定対象空間21b(第1測定対象空間21aから垂直方向上方へ移動しつつ第1測定対象空間21aよりも垂直方向と水平方向との離間間隔を拡大した第2測定対象空間21b)における垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する次の各目標地点g1~g27(それらドローンd1~d27毎に対応する第2測定対象空間21bの第1~第27目標地点g1~g27)に向かって飛行させる(ドローン飛行工程)。第2測定対象空間21bの各目標地点g1~g27は、第1測定対象空間21aの各目標地点g1~g27の垂直方向上方に位置し、第1測定対象空間21aの各目標地点g1~g27よりも垂直方向と水平方向との離間間隔が拡大している。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10F)は、第1測定対象空間21aからそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の第2測定対象空間21bにおける垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する次の各目標地点g1~g27に向かって一斉に飛行する。
【0146】
ドローン飛行工程によって第1~第27ドローンd1~d27が第1測定対象空間21aから垂直方向上方へ移動しつつ第1測定対象空間21aの各目標地点g1~g27よりも垂直方向と水平方向との離間間隔が拡大した次の第2測定対象空間21bの各目標地点g1~g27に到着した後、図7に示すように、第1~第27ドローンd1~d27を垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27においてホバリングさせて空中の第2測定対象空間21bに三次元の測定フォーメーションf11を組織させる(測定フォーメーション組織工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10F)は、第2測定対象空間21bの各目標地点g1~g27に到着した後、垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27においてホバリングしつつ空中に三次元の四角柱状の測定フォーメーションf11を組織する。第1~第27ドローンd1~d27は、空中の任意の第2測定対象空間21bの各目標地点g1~g27において垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して並ぶ。
【0147】
測定フォーメーション組織工程によって組織された測定フォーメーションf11において、第1~第27ドローンd1~d27に気象センサ(大気環境測定センサ14)や成分測定センサ(大気環境測定センサ14)を利用し、第1測定対象空間21aから垂直方向上方に位置する第2測定対象空間21bにおける各目標地点g1~g27の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)や空気の成分(微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)を測定させる(大気環境測定工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10F)は、垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して組織した三次元の四角柱状の測定フォーメーションf11において、気象センサや成分測定センサを利用して各目標地点g1~g27の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)や空気の成分(微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)を測定する。気象センサや成分測定センサによって測定された各目標地点g1~g27の気象データや成分データは、気象センサや成分測定センサから第1~第27ドローンd1~d27のコントローラに送信される。
【0148】
第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、気象センサや成分測定センサから送信された第2測定対象空間21bの各目標地点g1~g27の気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に格納(記憶)するとともに、第1~第27ドローンd1~d27の飛行記録(飛行経路)を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に記憶する。第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を地上の送信機にリアルタイムに送信するとともに、第1~第27ドローンd1~d27の飛行記録(飛行経路)を送信機にリアルタイムに送信する。送信機は、第1~第27ドローンd1~d27から受信した第2測定対象空間21bの各目標地点g1~g27の気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に記憶する。
【0149】
測定対象空間21a,21bの各目標地点g1~g27の気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ等は、送信機から出力(ディスプレイに表示、プリンタから印刷)される。出力されたそれらデータを利用して気象状況や各成分の分布状況を把握し、気象予想や成分の分布予想に利用する。
【0150】
大気環境測定工程によって第2測定対象空間21bの各目標地点g1~g27の気象データや成分を第1~第27ドローンd1~d27に測定させた後、第1~第27ドローンd1~d27を第2測定対象空間21bの垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27から各着陸地点に向かって飛行させ、第1~第27ドローンd1~d27を各着陸地点に着陸させる(ドローン着陸工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10F)は、第2測定対象空間21bの各目標地点g1~g27から各着陸地点に向かって飛行し、各着陸地点に着陸する。
【0151】
図7に示す測定フォーメーションf10,f11では、測定フォーメーションが移動することなく、その場において垂直方向と水平方向との離間間隔を拡大してもよい。図4に示すように、離間間隔が拡大しつつ測定フォーメーションが垂直方向へ移動した後、図5に示すように、離間間隔が拡大しつつ測定フォーメーションが水平方向へ移動することもでき、図5に示すように、離間間隔が拡大しつつ測定フォーメーションが水平方向へ移動した後、図4に示すように、離間間隔が拡大しつつ測定フォーメーションが垂直方向へ移動することもできる。さらに、図3に示すように、各目標地点g1~g27が垂直方向と水平方向とへ異なる間隔離間する測定フォーメーションを組織することもできる。
【0152】
図7に示す測定フォーメーションf10では、最下位に位置するドローンの高度や中間に位置するドローンの高度、最上位に位置するドローンの高度、垂直方向へ隣接するドローンどうしの離間距離、水平方向へ隣接するドローンどうしの離間距離が図1に示す測定フォーメーションf1のそれと同一である。測定フォーメーションf11では、垂直方向へ隣接するドローンどうしの離間距離、水平方向へ隣接するドローンどうしの離間距離が図1に示す測定フォーメーションf10のそれらの2倍になっている。測定フォーメーションf10,f11における垂直方向へ隣接するドローンどうしの離間距離は、20m~1000mの範囲で自由に設定することができ、測定フォーメーションf10,f11における水平方向へ隣接するドローンどうしの離間距離は、20m~1000mの範囲で自由に設定することができる。
【0153】
図7に基づいて説明したドローン群10F(大気環境測定方法)は、複数台の第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)を所定の離陸地点からそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の任意の第1測定対象空間21aの各目標地点g1~g27および第1測定対象空間21aの各目標地点g1~g27よりも垂直方向と水平方向との離間間隔が拡大した第2測定対象空間21b(第1測定対象空間~第n測定対象空間)の垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27(第1~第27目標地点g1~g27)(第1~第n目標地点)に向かって飛行させ、各目標地点g1~g27に到着した第1~第27ドローンd1~d27を各目標地点g1~g27においてホバリングさせて空中の任意の第1測定対象空間21aおよび第2測定対象空間21bに三次元の測定フォーメーションを組織させ、組織された測定フォーメーションf10,f11において、第1~第27ドローンd1~d27に大気環境測定センサ14(大気環境測定装置)を利用して各目標地点g1~g27の気象データや空気の成分(大気環境)を測定させるから、空中の任意の異なる第1測定対象空間21aおよび第1測定対象空間21aの各目標地点g1~g27よりも垂直方向と水平方向との離間間隔が拡大した第2測定対象空間21bにそれらドローンd1~d27が垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して並ぶ三次元の測定フォーメーションf10,f11を組織させることができ、組織させた三次元のそれら測定フォーメーションf10,f11において、空中の任意の第1測定対象空間21aおよび第2測定対象空間21bに垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して並ぶそれらドローンd1~d27を利用して三次元の大気環境を測定することができる。
【0154】
図7に基づいて説明したドローン群10F(大気環境測定方法)は、第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)によって空中の任意の異なる第1測定対象空間21aおよび第1測定対象空間21aの各目標地点g1~g27よりも垂直方向と水平方向との離間間隔が拡大した第2測定対象空間21b(第1測定対象空間~第n測定対象空間)に垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する三次元の測定フォーメーションf10,f11を組織させつつ、空中の任意の第1測定対象空間21aおよび第2測定対象空間21bの三次元の気象データや空気の成分(大気環境)を第1~第27ドローンd1~d27に測定させることができるから、一地点の大気環境を測定する場合と比較し、空中の任意の第1測定対象空間21aおよび第2測定対象空間21bのより正確な大気環境を測定することができ、気象予想の精度を向上させることができるとともに、空中における有害物質や二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子の正確な分布状況を調査することができる。
【0155】
図7に基づいて説明したドローン群10F(大気環境測定方法)は、第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)を利用することで、空中の任意の異なる第1測定対象空間21aおよび第1測定対象空間21aの各目標地点g1~g27よりも垂直方向と水平方向との離間間隔が拡大した第2測定対象空間21b(第1測定対象空間~第n測定対象空間)のマイクロスケールにおける大気環境の測定をすることができることはもちろん、メソスケールにおける大気環境の測定をすることができるとともに、空中の任意の異なる第1測定対象空間21aおよび第2測定対象空間21bのメソスケールの大気環境の測定をすることで、異なる第1測定対象空間21aおよび第2測定対象空間21bの広範囲にわたる気象予想の精度を向上させることができ、異なる第1測定対象空間21aおよび第2測定対象空間21bの広範囲にわたる有害物質や二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子の正確な分布状況を調査することができる。
【0156】
図8は、他の一例として示す測定フォーメーションf12,f13
1の斜視図である。図8を参照しつつドローン群10G(第1~第27ドローンd1~d27)を利用した大気環境測定方法のセンシング(測定)手順の他の一例を説明すると、以下のとおりである。図8では、離陸地点と着陸地点との図示を省略している。図8に示すセンシング(測定)では、離陸地点と着陸地点とが同一であり、各目標地点g1~g27が空中の第1測定対象空間22aにおける垂直方向と水平方向とへ等間隔離間した複数の地点、第1測定対象空間22aから垂直方向へ移動しつつ垂直方向と水平方向との離間間隔を縮小した空中の第2測定対象空間22bにおける垂直方向と水平方向とへ等間隔離間した複数の地点である。第1測定対象空間22aおよび第2測定対象空間22bは、空中の垂直方向へ並んでいる。
【0157】
操作者(測定者)は、送信機のタッチパネルに表示された三次元マップに空中の第1測定対象空間22aにおける各目標地点g1~g27(垂直方向へ等間隔離間するとともに水平方向へ等間隔離間した第1~第27目標地点g1~g27)(第1~第n目標地点)を送信機に入力し、三次元マップに第1測定対象空間22aから垂直方向上方へ移動しつつ垂直方向と水平方向との離間間隔を縮小した空中の第2測定対象空間22bにおける各目標地点g1~g27(垂直方向へ等間隔離間するとともに水平方向へ等間隔離間した第1~第27目標地点g1~g27)(第1~第n目標地点)を送信機に入力する。さらに、三次元マップに各着陸地点(第1~第27着陸地点)(第1~第n着陸地点)を送信機に入力するとともに、タッチパネルから飛行速度(離陸速度、移動速度、着陸速度)、飛行時間、ホバリング時間、測定時間等を送信機に入力(設定)して飛行ミッション(フライトプラン)を作成する。
【0158】
第1ドローンd1から第27ドローンd27毎に、それらドローンd1~d27に対応する空中の垂直方向へ並ぶ第1測定対象空間22aおよび第1測定対象空間22aよりも垂直方向と水平方向との離間間隔を縮小した第2測定対象空間22bにおける各目標地点g1~g27(垂直方向へ等間隔離間するとともに水平方向へ等間隔離間した第1~第27目標地点g1~g27)を入力し、着陸地点(第1~第27着陸地点)を入力するとともに、飛行速度(離陸速度、移動速度、着陸速度)、飛行時間、ホバリング時間、測定時間等を入力し、それらドローン毎に飛行ミッションを作成する。大気環境測定方法(ドローン群10G)では、第1ドローンd1~第27ドローンd27の各目標地点g1~g27が個別に設定される。
【0159】
作成された飛行ミッションは、所定の識別子に関連付けられた状態で送信機の大容量記憶領域に格納(記憶)された後、送信機から第1~第27ドローンd1~d27のコントローラに送信される。第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、送信機から受信した飛行ミッションを各ドローンd1~d27の識別子(個体識別番号やユニークな識別番号)に関連付けた状態で大容量記憶領域に格納(記憶)する。タッチパネルに表示された測定開始ボタン(フライト開始ボタン)をタップすると、第1~第27ドローンd1~d27が空中の垂直方向へ並ぶ第1測定対象空間22aおよび垂直方向と水平方向との離間間隔を拡大した第2測定対象空間22bの各目標地点g1~g27に向かって自動自立飛行を開始する。
【0160】
第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)を離陸地点からそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の第1測定対象空間22aにおける垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27(それらドローンd1~d27毎に対応する第1測定対象空間22aの第1~第27目標地点g1~g27)に向かって飛行させる(ドローン飛行工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10G)は、離陸地点からそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の第1測定対象空間22aにおける垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27に向かって一斉に飛行する。
【0161】
ドローン飛行工程によって第1~第27ドローンd1~d27が第1測定対象空間22aの各目標地点g1~g27に到着した後、図8に示すように、第1~第27ドローンd1~d27を垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27においてホバリングさせて空中の第1測定対象空間22aに三次元の測定フォーメーションf12を組織させる(測定フォーメーション組織工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10G)は、第1測定対象空間22aの各目標地点g1~g27に到着した後、垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27においてホバリングしつつ空中に三次元の四角柱状の測定フォーメーションf12を組織する。第1~第27ドローンd1~d27は、空中の任意の第1測定対象空間22aの各目標地点g1~g27において垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して並ぶ。
【0162】
測定フォーメーション組織工程によって組織された測定フォーメーションf12において、第1~第27ドローンd1~d27に気象センサ(大気環境測定センサ14)や成分測定センサ(大気環境測定センサ14)を利用して第1測定対象空間22aにおける各目標地点g1~g27の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)や空気の成分(微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)を測定させる(大気環境測定工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10G)は、垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して組織した三次元の四角柱状の測定フォーメーションf12において、気象センサや成分測定センサを利用して各目標地点g1~g27の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)や空気の成分(微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)を測定する。気象センサや成分測定センサによって測定された各目標地点g1~g27の気象データや成分データは、気象センサや成分測定センサから第1~第27ドローンd1~d27のコントローラに送信される。
【0163】
第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、気象センサや成分測定センサから送信された第1測定対象空間22aの各目標地点g1~g27の気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に格納(記憶)するとともに、第1~第27ドローンd1~d27の飛行記録(飛行経路)を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に記憶する。第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を地上の送信機にリアルタイムに送信するとともに、第1~第27ドローンd1~d27の飛行記録(飛行経路)を送信機にリアルタイムに送信する。送信機は、第1~第27ドローンd1~d27のコントローラから受信した第1測定対象空間22aの各目標地点g1~g27の気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に記憶する。
【0164】
次に、第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)を第1測定対象空間22aからそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の第2測定対象空間22b(第1測定対象空間22aから垂直方向上方へ移動しつつ第1測定対象空間22aよりも垂直方向と水平方向との離間間隔を縮小した第2測定対象空間22b)における垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する次の各目標地点g1~g27(それらドローンd1~d27毎に対応する第2測定対象空間22bの第1~第27目標地点g1~g27)に向かって飛行させる(ドローン飛行工程)。第2測定対象空間22bの各目標地点g1~g27は、第1測定対象空間22aの各目標地点g1~g27の垂直方向上方に位置し、第1測定対象空間22aの各目標地点g1~g27よりも垂直方向と水平方向との離間間隔が縮小している。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10G)は、第1測定対象空間22aからそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の第2測定対象空間22bにおける垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する次の各目標地点g1~g27に向かって一斉に飛行する。
【0165】
ドローン飛行工程によって第1~第27ドローンd1~d27が第1測定対象空間22aから垂直方向上方へ移動しつつ第1測定対象空間22aの各目標地点g1~g27よりも垂直方向と水平方向との離間間隔が縮小した次の第2測定対象空間22bの各目標地点g1~g27に到着した後、図8に示すように、第1~第27ドローンd1~d27を垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27においてホバリングさせて空中の第2測定対象空間22bに三次元の測定フォーメーションf13を組織させる(測定フォーメーション組織工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10G)は、第2測定対象空間22bの各目標地点g1~g27に到着した後、垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27においてホバリングしつつ空中に三次元の四角柱状の測定フォーメーションf13を組織する。第1~第27ドローンd1~d27は、空中の任意の第2測定対象空間22bの各目標地点g1~g27において垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して並ぶ。
【0166】
測定フォーメーション組織工程によって組織された測定フォーメーションf13において、第1~第27ドローンd1~d27に気象センサ(大気環境測定センサ14)や成分測定センサ(大気環境測定センサ14)を利用し、第1測定対象空間22aから垂直方向上方に位置する第2測定対象空間22bにおける各目標地点g1~g27の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)や空気の成分(微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)を測定させる(大気環境測定工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10G)は、垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して組織した三次元の四角柱状の測定フォーメーションf13において、気象センサや成分測定センサを利用して各目標地点g1~g27の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)や空気の成分(微少粒子状物質、エアロゾル、二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)を測定する。気象センサや成分測定センサによって測定された各目標地点g1~g27の気象データや成分データは、気象センサや成分測定センサから第1~第27ドローンd1~d27のコントローラに送信される。
【0167】
第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、気象センサや成分測定センサから送信された第2測定対象空間22bの各目標地点g1~g27の気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点の座標データ)等を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に格納(記憶)するとともに、第1~第27ドローンd1~d27の飛行記録(飛行経路)を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に記憶する。第1~第27ドローンd1~d27のコントローラは、気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を地上の送信機にリアルタイムに送信するとともに、第1~第27ドローンd1~d27の飛行記録(飛行経路)を送信機にリアルタイムに送信する。送信機は、第1~第27ドローンd1~d27から受信した第2測定対象空間22bの各目標地点g1~g27の気象データや成分データ、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ(目標地点g1~g27の座標データ)等を各ドローンd1~d27の識別子に関連付けた状態で大容量記憶領域に記憶する。
【0168】
測定対象空間22a,22bの各目標地点g1~g27の気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)、測定時間データ、目標地点g1~g27の位置データ等は、送信機から出力(ディスプレイに表示、プリンタから印刷)される。出力されたそれらデータを利用して気象状況や各成分の分布状況を把握し、気象予想や成分の分布予想に利用する。
【0169】
大気環境測定工程によって第2測定対象空間22bの各目標地点g1~g27の気象データや成分を第1~第27ドローンd1~d27に測定させた後、第1~第27ドローンd1~d27を第2測定対象空間22bの垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27から各着陸地点に向かって飛行させ、第1~第27ドローンd1~d27を各着陸地点に着陸させる(ドローン着陸工程)。第1~第27ドローンd1~d27(ドローン群10G)は、第2測定対象空間22bの各目標地点g1~g27から各着陸地点に向かって飛行し、各着陸地点に着陸する。
【0170】
図8に示す測定フォーメーションf12,f13では、測定フォーメーションが移動することなく、その場において垂直方向と水平方向との離間間隔を縮小してもよい。図4に示すように、離間間隔が縮小しつつ測定フォーメーションが垂直方向へ移動した後、図5に示すように、離間間隔が縮小しつつ測定フォーメーションが水平方向へ移動することもでき、図5に示すように、離間間隔が縮小しつつ測定フォーメーションが水平方向へ移動した後、図4に示すように、離間間隔が縮小しつつ測定フォーメーションが垂直方向へ移動することもできる。さらに、図3に示すように、各目標地点g1~g27が垂直方向と水平方向とへ異なる間隔離間する測定フォーメーションを組織することもできる。
【0171】
図8に示す測定フォーメーションf12では、最下位に位置するドローンの高度や中間に位置するドローンの高度、最上位に位置するドローンの高度、垂直方向へ隣接するドローンどうしの離間距離、水平方向へ隣接するドローンどうしの離間距離が図1に示す測定フォーメーションf1のそれと同一である。測定フォーメーションf13では、垂直方向へ隣接するドローンどうしの離間距離、水平方向へ隣接するドローンどうしの離間距離が測定フォーメーションf12のそれらの1/2になっている。測定フォーメーションf12,f13における垂直方向へ隣接するドローンどうしの離間距離は、20m~1000mの範囲で自由に設定することができ、測定フォーメーションf12,f13における水平方向へ隣接するドローンどうしの離間距離は、20m~1000mの範囲で自由に設定することができる。
【0172】
図8に基づいて説明したドローン群10G(大気環境測定方法)は、複数台の第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)を所定の離陸地点からそれらドローンd1~d27毎にあらかじめ設定された空中の任意の第1測定対象空間22aおよび第1測定対象空間22aの各目標地点g1~g27よりも垂直方向と水平方向との離間間隔が縮小した第2測定対象空間22b(第1測定対象空間~第n測定対象空間)の垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する各目標地点g1~g27(第1~第27目標地点g1~g27)(第1~第n目標地点)に向かって飛行させ、各目標地点g1~g27に到着した第1~第27ドローンd1~d27を各目標地点g1~g27においてホバリングさせて空中の任意の第1測定対象空間22aおよび第2測定対象空間22bに三次元の測定フォーメーションf12,f13を組織させ、組織された測定フォーメーションf12,f13において、第1~第27ドローンd1~d27に大気環境測定センサ14(大気環境測定装置)を利用して各目標地点g1~g27の気象データや空気の成分(大気環境)を測定させるから、空中の任意の異なる第1測定対象空間22aおよび第1測定対象空間22aの各目標地点g1~g27よりも垂直方向と水平方向との離間間隔が縮小した第2測定対象空間22bにそれらドローンd1~d27が垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して並ぶ三次元の測定フォーメーションf12,f13を組織させることができ、組織させた三次元のそれら測定フォーメーションf12,f13において、空中の任意の第1測定対象空間22aおよび第2測定対象空間22bに垂直方向と水平方向とへ等間隔離間して並ぶそれらドローンd1~d27を利用して三次元の大気環境を測定することができる。
【0173】
図8に基づいて説明したドローン群10G(大気環境測定方法)は、第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)によって空中の任意の異なる第1測定対象空間22aおよび第1測定対象空間22aの各目標地点g1~g27よりも垂直方向と水平方向との離間間隔が縮小した第2測定対象空間22b(第1測定対象空間~第n測定対象空間)に垂直方向と水平方向とへ等間隔離間する三次元の測定フォーメーションf12,f13を組織させつつ、空中の任意の第1測定対象空間22aおよび第2測定対象空間22bの三次元の気象データや空気の成分(大気環境)を第1~第27ドローンd1~d27に測定させることができるから、一地点の大気環境を測定する場合と比較し、空中の任意の第1測定対象空間22aおよび第2測定対象空間22bのより正確な大気環境を測定することができ、気象予想の精度を向上させることができるとともに、空中における有害物質や二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子の正確な分布状況を調査することができる。
【0174】
図8に基づいて説明したドローン群10G(大気環境測定方法)は、第1~第27ドローンd1~d27(第1~第nドローン)を利用することで、空中の任意の異なる第1測定対象空間22aおよび第1測定対象空間22aの各目標地点g1~g27よりも垂直方向と水平方向との離間間隔が縮小した第2測定対象空間22b(第1測定対象空間~第n測定対象空間)のマイクロスケールにおける大気環境の測定をすることができることはもちろん、メソスケールにおける大気環境の測定をすることができるとともに、空中の任意の異なる第1測定対象空間22aおよび第2測定対象空間22bのメソスケールの大気環境の測定をすることで、異なる第1測定対象空間22aおよび第2測定対象空間22bの広範囲にわたる気象予想の精度を向上させることができ、異なる第1測定対象空間22aおよび第2測定対象空間22bの広範囲にわたる有害物質や二酸化炭素濃度、雲粒子および氷晶粒子の正確な分布状況を調査することができる。
【符号の説明】
【0175】
10A ドローン群
10B ドローン群
10C ドローン群
10D ドローン群
10E ドローン群
10F ドローン群
10G ドローン群
11 機体本体
12 ローターアーム
13 ローター
14 大気環境測定センサ
15 測定対象空間
16 測定対象空間
17a~17c 第1~第3測定対象空間
18a~18c 第1~第3測定対象空間
19 測定対象空間
20 火口
21a,21b 第1および第2測定対象空間
22a,22b 第1および第2測定対象空間
d1~d27 第1~第27ドローン
f1~f13 測定フォーメーション
g1~g27 第1~第27目標地点


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8