IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 技術経営ソリューション株式会社の特許一覧

特許7162871情報探索システム及び方法、情報探索プログラム
<>
  • 特許-情報探索システム及び方法、情報探索プログラム 図1
  • 特許-情報探索システム及び方法、情報探索プログラム 図2
  • 特許-情報探索システム及び方法、情報探索プログラム 図3
  • 特許-情報探索システム及び方法、情報探索プログラム 図4
  • 特許-情報探索システム及び方法、情報探索プログラム 図5
  • 特許-情報探索システム及び方法、情報探索プログラム 図6
  • 特許-情報探索システム及び方法、情報探索プログラム 図7
  • 特許-情報探索システム及び方法、情報探索プログラム 図8
  • 特許-情報探索システム及び方法、情報探索プログラム 図9
  • 特許-情報探索システム及び方法、情報探索プログラム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】情報探索システム及び方法、情報探索プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/33 20190101AFI20221024BHJP
   G06Q 50/18 20120101ALI20221024BHJP
【FI】
G06F16/33
G06Q50/18 310
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2018138059
(22)【出願日】2018-07-23
(65)【公開番号】P2020016965
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】512173782
【氏名又は名称】技術経営ソリューション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】安彦 元
【審査官】早川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-092825(JP,A)
【文献】特開2005-038199(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0075004(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発明の 技術分野、解決コンセプト、解決課題、効果、作用、機能、実施例、発明の構成要素、用途からなる特許特定情報のうち何れか2以上の組み合わせに対する各特許文献、又は各特許文献群との3段階以上の組み合わせ連関度を予め取得する連関度取得手段と、
新たに探索を試みる特許文献、又は特許文献群における、上記組み合わせを構成する特許特定情報を取得する探索対象情報取得手段と、
上記連関度取得手段により取得された組み合わせ連関度を参照し、上記探索対象情報取得手段により取得された上記特許特定情報に基づき、特許文献、又は特許文献群を探索する探索手段とを備えること
を特徴とする情報探索システム。
【請求項2】
上記探索対象情報取得手段は、新たに探索を試みる特許文献、又は特許文献群に関するフリーキーワードが入力され、入力された上記フリーキーワードと類似度の高い特許特定情報を取得すること
を特徴とする請求項1記載の情報探索システム。
【請求項3】
発明の 技術分野、解決コンセプト、解決課題、効果、作用、機能、実施例、発明の構成要素、用途からなる特許特定情報のうち何れか1以上と、付帯情報との組み合わせに対する各特許文献、又は各特許文献群との3段階以上の組み合わせ連関度を予め取得する連関度取得手段と、
新たに探索を試みる特許文献、又は特許文献群における、上記組み合わせを構成する特許特定情報及び付帯情報を取得する探索対象情報取得手段と、
上記連関度取得手段により取得された組み合わせ連関度を参照し、上記探索対象情報取得手段により取得された上記特許特定情報及び上記付帯情報に基づき、特許文献、又は特許文献群を探索する探索手段とを備えること
を特徴とする情報探索システム。
【請求項4】
上記連関度取得手段は、特許情報から上記組み合わせ連関度を取得すること
を特徴とする請求項1又は3記載の情報探索システム。
【請求項5】
上記連関度取得手段は、上記特許特定情報のうち何れか2以上の組み合わせに対する各特許文献群との3段階以上の組み合わせ連関度を特許情報から取得すること
を特徴とする請求項1記載の情報探索システム。
【請求項6】
上記連関度取得手段は、特許特定情報のうち何れか2以上の組み合わせに対する各特許文献、又は各特許文献群の関係に関する情報が外部から提供され、これを組み合わせ連関度に反映させること
を特徴とする請求項1記載の情報探索システム。
【請求項7】
上記連関度取得手段は、特許特定情報のうち何れか1以上と、付帯情報との組み合わせに対する各特許文献、又は各特許文献群の関係に関する情報が外部から提供され、これを組み合わせ連関度に反映させること
を特徴とする請求項3記載の情報探索システム。
【請求項8】
発明の 技術分野、解決コンセプト、解決課題、効果、作用、機能、実施例、発明の構成要素、用途からなる特許特定情報のうち何れか2以上の組み合わせに対する各特許権者又は各特許出願人との3段階以上の組み合わせ連関度を予め取得する連関度取得手段と、
新たに探索を試みる特許権者又は特許出願人における、上記組み合わせを構成する特許特定情報を取得する探索対象情報取得手段と、
上記連関度取得手段により取得された組み合わせ連関度を参照し、上記探索対象情報取得手段により取得された上記特許特定情報に基づき、特許権者又は特許出願人を探索する探索手段とを備えること
を特徴とする情報探索システム。
【請求項9】
上記探索対象情報取得手段は、新たに探索を試みる特許権者又は特許出願人に関するフリーキーワードが入力され、入力された上記フリーキーワードと類似度の高い特許特定情報を取得すること
を特徴とする請求項8記載の情報探索システム。
【請求項10】
発明の 技術分野、解決コンセプト、解決課題、効果、作用、機能、実施例、発明の構成要素、用途からなる特許特定情報のうち何れか1以上と、付帯情報との組み合わせに対する各特許権者又は各特許出願人との3段階以上の組み合わせ連関度を予め取得する連関度取得手段と、
新たに探索を試みる特許権者又は特許出願人における、上記組み合わせを構成する特許特定情報及び付帯情報を取得する探索対象情報取得手段と、
上記連関度取得手段により取得された組み合わせ連関度を参照し、上記探索対象情報取得手段により取得された上記特許特定情報及び上記付帯情報に基づき、特許権者又は特許出願人を探索する探索手段とを備えること
を特徴とする情報探索システム。
【請求項11】
上記連関度取得手段は、特許情報から上記組み合わせ連関度を取得すること
を特徴とする請求項8又は10記載の情報探索システム。
【請求項12】
上記連関度取得手段は、特許特定情報のうち何れか2以上の組み合わせに対する各特許権者又は各特許出願人の関係に関する情報が外部から提供され、これを組み合わせ連関度に反映させること
を特徴とする請求項8記載の情報探索システム。
【請求項13】
上記連関度取得手段は、特許特定情報のうち何れか1以上と、付帯情報との組み合わせに対する各特許権者又は各特許出願人の関係に関する情報が外部から提供され、これを組み合わせ連関度に反映させること
を特徴とする請求項10記載の情報探索システム。
【請求項14】
上記連関度取得手段及び/又は上記探索手段は、人工知能により制御されること
を特徴とする請求項1~13のうち何れか1項記載の情報探索システム。
【請求項15】
発明の 技術分野、解決コンセプト、解決課題、効果、作用、機能、実施例、発明の構成要素、用途からなる特許特定情報のうち何れか2以上の組み合わせに対する各特許文献、又は各特許文献群との3段階以上の組み合わせ連関度を予め取得する連関度取得ステップと、
新たに探索を試みる特許文献、又は特許文献群における、上記組み合わせを構成する特許特定情報を取得する探索対象情報取得ステップと、
上記連関度取得ステップにおいて取得した組み合わせ連関度を参照し、上記探索対象情報取得ステップにおいて取得した上記特許特定情報に基づき、特許文献、又は特許文献群を探索する探索手段ステップとを情報探索システムが実行すること
を特徴とする情報探索方法。
【請求項16】
発明の 技術分野、解決コンセプト、解決課題、効果、作用、機能、実施例、発明の構成要素、用途からなる特許特定情報のうち何れか2以上の組み合わせに対する各特許権者又は各特許出願人との3段階以上の組み合わせ連関度を予め取得する連関度取得ステップと、
新たに探索を試みる特許権者又は特許出願人における、上記組み合わせを構成する特許特定情報を取得する探索対象情報取得ステップと、
上記連関度取得ステップにおいて取得した組み合わせ連関度を参照し、上記探索対象情報取得ステップにおいて取得した上記特許特定情報に基づき、特許権者又は特許出願人を探索する探索手段ステップとを情報探索システムが実行すること
を特徴とする情報探索方法。
【請求項17】
発明の 技術分野、解決コンセプト、解決課題、効果、作用、機能、実施例、発明の構成要素、用途からなる特許特定情報のうち何れか2以上の組み合わせに対する各特許文献、又は各特許文献群との3段階以上の組み合わせ連関度を予め取得する連関度取得ステップと、
新たに探索を試みる特許文献、又は特許文献群における、上記組み合わせを構成する特許特定情報を取得する探索対象情報取得ステップと、
上記連関度取得ステップにおいて取得した組み合わせ連関度を参照し、上記探索対象情報取得ステップにおいて取得した上記特許特定情報に基づき、特許文献、又は特許文献群を探索する探索手段ステップとをコンピュータに実行させること
を特徴とする情報探索プログラム。
【請求項18】
発明の 技術分野、解決コンセプト、解決課題、効果、作用、機能、実施例、発明の構成要素、用途からなる特許特定情報のうち何れか2以上の組み合わせに対する各特許権者又は各特許出願人との3段階以上の組み合わせ連関度を予め取得する連関度取得ステップと、
新たに探索を試みる特許権者又は特許出願人における、上記組み合わせを構成する特許特定情報を取得する探索対象情報取得ステップと、
上記連関度取得ステップにおいて取得した組み合わせ連関度を参照し、上記探索対象情報取得ステップにおいて取得した上記特許特定情報に基づき、特許権者又は特許出願人を探索する探索手段ステップとをコンピュータに実行させること
を特徴とする情報探索プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新たに探索を試みる特許又は特許群、特許権者を人工知能により効率的に探索することが可能な情報探索システム及び方法、情報探索プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より特許情報の検索システムが研究されており、例えば特許文献1に示す技術も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-003731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1の開示技術によれば、人工知能を用いて特許情報の探索を行うことを前提としていないため、探索精度の面において改善の余地があり、また探索時間がなってしまい、探索自体が非効率なってしまう欠点があった。
【0005】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、新たに探索を試みる特許又は特許群、特許権者を人工知能により効率的に探索することが可能な情報探索システム及び方法、情報探索プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の情報探索システムは、発明の技術分野、解決コンセプト、解決課題、効果、作用、機能、実施例、発明の構成要素、用途からなる特許特定情報のうち何れか2以上の組み合わせに対する各特許文献、又は各特許文献群との3段階以上の組み合わせ連関度を予め取得する連関度取得手段と、新たに探索を試みる特許文献、又は特許文献群における、上記組み合わせを構成する特許特定情報を取得する探索対象情報取得手段と、上記連関度取得手段により取得された組み合わせ連関度を参照し、上記探索対象情報取得手段により取得された上記特許特定情報に基づき、特許文献、又は特許文献群を探索する探索手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の情報探索システムは、発明の技術分野、解決コンセプト、解決課題、効果、作用、機能、実施例、発明の構成要素、用途からなる特許特定情報のうち何れか1以上と、付帯情報との組み合わせに対する各特許文献、又は各特許文献群との3段階以上の組み合わせ連関度を予め取得する連関度取得手段と、新たに探索を試みる特許文献、又は特許文献群における、上記組み合わせを構成する特許特定情報及び付帯情報を取得する探索対象情報取得手段と、上記連関度取得手段により取得された組み合わせ連関度を参照し、上記探索対象情報取得手段により取得された上記特許特定情報及び上記付帯情報に基づき、特許文献、又は特許文献群を探索する探索手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項8記載の情報探索システムは、発明の技術分野、解決コンセプト、解決課題、効果、作用、機能、実施例、発明の構成要素、用途からなる特許特定情報のうち何れか2以上の組み合わせに対する各特許権者又は各特許出願人との3段階以上の組み合わせ連関度を予め取得する連関度取得手段と、新たに探索を試みる特許権者又は特許出願人における、上記組み合わせを構成する特許特定情報を取得する探索対象情報取得手段と、上記連関度取得手段により取得された組み合わせ連関度を参照し、上記探索対象情報取得手段により取得された上記特許特定情報に基づき、特許権者又は特許出願人を探索する探索手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
請求項10記載の情報探索システムは、発明の技術分野、解決コンセプト、解決課題、効果、作用、機能、実施例、発明の構成要素、用途からなる特許特定情報のうち何れか1以上と、付帯情報との組み合わせに対する各特許権者又は各特許出願人との3段階以上の組み合わせ連関度を予め取得する連関度取得手段と、新たに探索を試みる特許権者又は特許出願人における、上記組み合わせを構成する特許特定情報及び付帯情報を取得する探索対象情報取得手段と、上記連関度取得手段により取得された組み合わせ連関度を参照し、上記探索対象情報取得手段により取得された上記特許特定情報及び上記付帯情報に基づき、特許権者又は特許出願人を探索する探索手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項15記載の情報探索方法は、発明の技術分野、解決コンセプト、解決課題、効果、作用、機能、実施例、発明の構成要素、用途からなる特許特定情報のうち何れか2以上の組み合わせに対する各特許文献、又は各特許文献群との3段階以上の組み合わせ連関度を予め取得する連関度取得ステップと、新たに探索を試みる特許文献、又は特許文献群における、上記組み合わせを構成する特許特定情報を取得する探索対象情報取得ステップと、上記連関度取得ステップにおいて取得した組み合わせ連関度を参照し、上記探索対象情報取得ステップにおいて取得した上記特許特定情報に基づき、特許文献、又は特許文献群を探索する探索手段ステップとを情報探索システムが実行することを特徴とする。
【0011】
請求項16記載の情報探索方法は、発明の技術分野、解決コンセプト、解決課題、効果、作用、機能、実施例、発明の構成要素、用途からなる特許特定情報のうち何れか2以上の組み合わせに対する各特許権者又は各特許出願人との3段階以上の組み合わせ連関度を予め取得する連関度取得ステップと、新たに探索を試みる特許権者又は特許出願人における、上記組み合わせを構成する特許特定情報を取得する探索対象情報取得ステップと、上記連関度取得ステップにおいて取得した組み合わせ連関度を参照し、上記探索対象情報取得ステップにおいて取得した上記特許特定情報に基づき、特許権者又は特許出願人を探索する探索手段ステップとを情報探索システムが実行することを特徴とする。
【0012】
請求項17記載の情報探索プログラムは、発明の技術分野、解決コンセプト、解決課題、効果、作用、機能、実施例、発明の構成要素、用途からなる特許特定情報のうち何れか2以上の組み合わせに対する各特許文献、又は各特許文献群との3段階以上の組み合わせ連関度を予め取得する連関度取得ステップと、新たに探索を試みる特許文献、又は特許文献群における、上記組み合わせを構成する特許特定情報を取得する探索対象情報取得ステップと、上記連関度取得ステップにおいて取得した組み合わせ連関度を参照し、上記探索対象情報取得ステップにおいて取得した上記特許特定情報に基づき、特許文献、又は特許文献群を探索する探索手段ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0013】
請求項18記載の情報探索プログラムは、発明の技術分野、解決コンセプト、解決課題、効果、作用、機能、実施例、発明の構成要素、用途からなる特許特定情報のうち何れか2以上の組み合わせに対する各特許権者又は各特許出願人との3段階以上の組み合わせ連関度を予め取得する連関度取得ステップと、新たに探索を試みる特許権者又は特許出願人における、上記組み合わせを構成する特許特定情報を取得する探索対象情報取得ステップと、上記連関度取得ステップにおいて取得した組み合わせ連関度を参照し、上記探索対象情報取得ステップにおいて取得した上記特許特定情報に基づき、特許権者又は特許出願人を探索する探索手段ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
上述した構成からなる本発明によれば、特許特定情報に基づいて最適な特許を探索することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明を適用した情報探索システムにおける構成例を示す図である。
図2】本発明を適用した情報探索システムの電子機器のブロック構成を示す図である。
図3】特許特定情報に対する、各特許又は各特許群との3段階以上の組み合わせ連関度を取得する例を示す図である。
図4】特許特定情報として、効果と発明の構成要素の組み合わせを構成した例を示す図である。
図5】一のノードに対して特許の技術分野、解決コンセプト、解決課題、効果、作用、機能、実施例、発明の構成要素、用途の組み合わせの集合が関連付けられる例を示す図である。
図6】願望から具体的なコンセプトに落とし込む例を示す図である。
図7図5のノードに対して更に付帯情報が組合せとして追加される例を示す図である。
図8】特許特定情報と付帯情報とが関連付けられる組み合わせ連関度の形成例を示す図である。
図9】特許特定情報に対する、各特許権者との3段階以上の組み合わせ連関度を取得する例を示す図である。
図10】特許特定情報のうち何れか1以上と、付帯情報との組み合わせに対する各特許権者との3段階以上の組み合わせ連関度を形成する例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を適用した情報探索システムについて、図面を参照しながら詳細に説明をする。
【0017】
本発明を適用した情報探索システム1の第1実施形態について説明する。本実施形態の情報探索システム1は、例えば図1に示すような構成により具現化される。この情報探索システム1は、システムを利用するユーザ用の端末装置11と、この端末装置11に対して公衆通信網12を介して接続されるサーバ13とを備えている。
【0018】
公衆通信網12は、端末装置11間及びサーバ13を通信回線を介して接続されるインターネット網等である。ちなみにこの端末装置11を一定の狭いエリア内で運用する場合には、この公衆通信網12を、LAN(Local Area Network)で構成してもよい。また、この公衆通信網12につきいわゆる光ファイバ通信網で構成してもよい。また、この公衆通信網12は、有線通信網に限定されるものではなく、無線通信網で実現するようにしてもよい。
【0019】
端末装置11は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末、ノート型のパーソナルコンピュータ(PC)等であり、少なくともユーザの操作に基づいて公衆通信網12を介して通信可能なデバイスである。端末装置11は、ユーザが携帯可能とすることにより、常時持ち運びを可能とするデバイスであるが、これに限定されるものではなく、据え置き型のPC等、あらゆる電子機器を含む概念である。
【0020】
なお、この端末装置11は、後述する情報探索プログラムを公衆通信網12を介してダウンロードすることなく、店頭で販売されているパッケージソフトをインストールする場合には、公衆通信網12を介した通信を行わない機器であってもよい。以下の例では、この端末装置11につき、スマートフォンを適用する場合を例にとり説明をする。
【0021】
図2は、端末装置11の具体的な構成例を示している。この端末装置11は、ROM(Read Only Memory)22と、データの蓄積や展開等に使用する作業領域としてのRAM(Random Access Memory)23と、端末装置11全体を制御するためのCPU(Central Processing Unit)24と、操作ボタンやキーボード等を介して各種制御用の指令を入力するための操作部25と、各種情報の表示を制御するための出力I/F16と、ハードディスク等に代表され、実行すべき検索を行うためのプログラムを格納するための記憶部27と、外部から端末装置11内へデータを入力し、或いは端末装置11において生成されたデータを外部へ出力するためのデータ入出力部29が、内部バス21にそれぞれ接続されている。さらに、この内部バス21には、通信I/F28が接続されている。また、出力I/F16には、実際に情報を表示するモニタとしての表示部26が接続されている。また、内部バス21には、音声入出部31が接続されてもよい。
【0022】
ROM22は、端末装置11全体のハードウェア資源を制御するためのプログラムが格納されている。RAM23は、端末装置11全体のハードウェア資源を制御するときの各種命令を一時的に記憶する。
【0023】
CPU24は、内部バス21を介して制御信号を送信することにより、端末装置11内に実装された各構成要素を制御するためのいわゆる中央演算ユニットである。また、このCPU24は、操作部25を介したユーザの操作に応じて各種制御用の指令を内部バス21を介して伝達する。
【0024】
操作部25は、タッチパネル等で具体化され、例えばユーザが実際に探索したい特許に関する特許特定情報が入力される他、情報探索プログラムを実行するための実行命令がユーザから入力される。この操作部25は、上記実行命令がユーザにより入力された場合には、これをCPU24に通知する。この通知を受けたCPU24は、上記プログラムを記憶部27から読み出して実行する。
【0025】
出力I/F16は、CPU24による制御に基づいて表示画像を作り出すグラフィックコントローラにより構成されている。この出力I/F16に接続される表示部26は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)等によって実現される。
【0026】
記憶部27は、ハードディスクで構成される場合において、CPU24による制御に基づき、各アドレスに対して所定の情報が書き込まれるとともに、必要に応じてこれが読み出される。また、この記憶部27には、本発明を実行するための情報探索プログラムが格納されている。このプログラムはCPU24により読み出されて実行されることになる。
【0027】
通信I/F28は、公衆通信網12と接続するための回線制御回路や、他の端末装置との間でデータ通信を行うための信号変換回路等が実装されている。通信I/F28は、内部バス21からの各種命令に変換処理を施してこれを公衆通信網12側へ送出するとともに、公衆通信網12からのデータを受信した場合にはこれに所定の変換処理を施して内部バス21、或いはCPU24へ送信する。
【0028】
データ入出力部29は、PC等の電子機器との間でUSB接続するためのコード等が接続される。このデータ入出力部29を介して外部の機器との間でデータを入出力することが可能となる。
【0029】
音声入出部31は、ユーザから入力された音声を電子データに変換するためのデバイスである。
【0030】
サーバ13には、所定のデータベースが構築されている。このデータベースには、公衆通信網12を介して送られてきた情報が蓄積される。また、このサーバ13は、端末装置11からの要求に基づいて、この蓄積した情報を公衆通信網12を介して端末装置11へと送信する。
【0031】
なお、端末装置11における何れか1以上の構成要素、或いはサーバ13は、人工知能により制御されるものであってもよい。本発明への人工知能の具体的な応用方法は、従来における全ての公知の人工知能に関する情報の何れか1以上に基づくものであってもよい。
【0032】
本発明を適用した情報探索システム1は、端末装置11内にインストールされた情報探索プログラムを介して実行していくこととなる。即ち、ユーザは、端末装置11を操作し、これにインストールされている情報探索プログラムを通じ、各種情報探索を行っていくこととなる。情報探索プログラムは、端末装置11にインストールして使用する場合に限定されるものではなく、サーバ13に記憶させておき、端末装置11側から、使用の都度、サーバ13にアクセスして使用するようにしてもよいことは勿論である。
【0033】
ユーザは、探索したい特許又は特許群の入力を、端末装置11における操作部25を介して手動で行い、又は音声入出部31を介して音声により入力してもよい。
【0034】
本発明に係る情報探索システム1では、ユーザが所望の特許又は特許群(特許ポートフォリオ)を高精度に探索する。
【0035】
先ず図3に示すように特許特定情報に対する、各特許又は各特許群との3段階以上の組み合わせ連関度を予め取得する。
【0036】
ここでいう特許特定情報とは、特許の技術分野、解決コンセプト、解決課題、効果、作用、機能、実施例、発明の構成要素、用途からなる。
【0037】
特許の技術分野とは、IPCやFIやFターム等からなる特許分類記号で分類される技術分野であってもよいし、それぞれの特許明細書における「技術分野」の欄の記載をテキストマイニングに基づいて解析したデータ、或いは特許明細書における実施の形態をテキストマイニングに基づいて解析し、技術分野に関する記載を抽出したものであってもよい。
【0038】
解決コンセプトとは、特許請求の範囲に記載されている内容、特許明細書中の解決手段に記載されている内容、実施の形態において解決コンセプトについて言及されている内容、特許分類記号のうち解決手段に関連する分類等である。
【0039】
解決課題とは、特許明細書中の「発明が解決しようとする課題」に記載されている内容、実施の形態において解決課題について言及されている内容、特許分類記号のうち解決課題に関連する分類等である。
【0040】
効果とは、特許明細書中の「発明の効果」の欄に記載されている効果に関する内容、実施の形態において効果について言及されている内容、特許分類記号のうち効果に関連する分類等である。
【0041】
作用とは、特許明細書中の「発明の効果」の欄に記載されている作用に関する内容、実施の形態において作用について言及されている内容、特許分類記号のうち作用に関連する分類等である。
【0042】
機能とは、特許明細書中の「発明の効果」の欄に記載されている機能に関する内容、実施の形態において機能について言及されている内容、特許分類記号のうち機能に関連する分類等である。
【0043】
実施例とは、特許明細書中の「実施例」の欄に記載されている実施例に関する内容、実施の形態において実施例について言及されている内容、特許分類記号のうち実施例に関連する分類等である。
【0044】
発明の構成要素とは、特許請求の範囲において記載されている発明特定事項(構成要素)、特許明細書中の発明の構成要素について言及されている内容、特許分類記号のうち発明の構成要素に関連する分類等である。
【0045】
用途とは、特許明細書中の「発明の効果」や、「技術分野」の欄に記載されている用途関する内容、実施の形態において用途について言及されている内容、特許分類記号のうち用途に関連する分類等である。
【0046】
図3の例では、特許特定情報として、技術分野と解決コンセプトの組み合わせとし、これを組み合わせ連関度を中心として左側に定義している。また組み合わせ連関度を中心として右側には、特許(特開2010-×××号、特開2011-×××号、特開2012-×××号)や、特許群(特許群F、特許群G)が配列している。特許群は、ある特定の属性(技術分野、用途、対象、具現化される製品の種類等)に基づいて分類されたされた複数件からなる特許のグループである。
【0047】
そして、これらの特許特定情報と特許又は特許群とが互いに3段階以上の組み合わせ連関度を介して関連付けられている。
【0048】
この図3に示す組み合わせ連関度は、技術分野としてのFターム○×、Fターム△□、FI×△・・・のいずれか1以上と、解決コンセプトの何れか1以上の組み合わせの集合がいわゆる隠れ層のノード61a~61eとして表現されることとなる。各ノード61a~61eは、特許特定情報に対する重み付けと、出力解としての特許又は特許群に対する重み付けがそれぞれ設定されている。
【0049】
この重み付けが3段階以上の組み合わせ連関度である。例えば、ノード61aは、技術分野:Fターム○×が組み合わせ連関度80%で、また解決コンセプト:非対称原理が組み合わせ連関度80%で連関している。またノード61cは、技術分野:Fターム△□が組み合わせ連関度60%で、解決コンセプト:時間分割の原理が組み合わせ連関度60%、解決コンセプト:セルフサービス原理が組み合わせ連関度40%で連関している。なお、組み合わせ連関度はニューラルネットワークにより構成されていてもよい。
【0050】
このような組み合わせ連関度を予め取得しておく。そして、新たに探索を試みる特許又は特許群における、上記組み合わせを構成する特許特定情報を取得する。この特許特定情報は、ユーザにより入力されるものであってもよい。ユーザはサーチしたい特許又は特許群について、技術分野を入力すると共に、解決コンセプトを入力する。
【0051】
探索プログラムは、入力された特許特定情報に基づいて、出力解の中から最適解としての特許又は特許群を1又は2以上に亘り選択する作業を行う。この最適解を選択する上で、予め取得した図3に示す組み合わせ連関度を参照する。例えば、入力された特許特定情報が、技術分野:Fターム○×であり、かつ解決コンセプト:入れ子の原理が入力された場合、組み合わせ連関度を介してノード61bが関連付けられており、このノード61bは、特開2012-×××号が組み合わせ連関度60%、特許群Gが組み合わせ連関度40%で関連付けられている。このような組み合わせ連関度に基づき最適解を探索する。この最適解は組み合わせ連関度が最も高いもの出力する必要は無く、組み合わせ連関度がより低いものを選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論である。即ち、この出力解の選択は、組み合わせ連関度が高いものから順に選択される場合に限定されるものではなく、ケースに応じて組み合わせ連関度が低いものから順に選択されるものであってもよいし、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
【0052】
なお、特許特定情報と特許又は特許群との間で形成される組み合わせ連関度は、例えば、特許特定情報を構成する単語やキーワードが特許明細書内においてどの程度含まれているか、また特許特定情報の技術分野を現す特許分類記号がどの程度当てはまっているか等で特許との組み合わせ連関度を規定するようにしてもよい。また「解決コンセプト:入れ子の原理」であればその「入れ子の原理」というキーワードが無くても、その原理を使って課題を解決している蓋然性が高い特許については組み合わせ連関度を高く設定する。その蓋然性の高低については、入れ子の原理を利用して解決を図るのであれば、それを利用するのであれば採用する可能性の高い構成(入れ子の原理であれば、大径管とこれに挿入される小径管がある等)が開示されているか否かに基づいて組み合わせ連関度を規定する。
【0053】
また特許群については、出願人毎、技術分野毎、その他共通しているキーワードが記載されている特許毎等、任意の項目に基づいてグルーピングされる。この特許群との組み合わせ連関度は、特許特定情報を構成する単語やキーワードが使われている割合の高い特許群ほど高く設定するようにしてもよいし、特許特定情報の技術分野を現す特許分類記号が使われている割合の高い特許群ほど高く設定するようにしてもよい。また「解決コンセプト:入れ子の原理」であればその「入れ子の原理」というキーワードが無くても、その原理を使って課題を解決している蓋然性が高い特許の割合が高い特許群ほど組み合わせ連関度を高く設定するようにしてもよい。
【0054】
このような組み合わせ連関度は、特許情報(特許公開公報、特許掲載公報、特許分類等)から取得するようにしてもよい。かかる場合には特許公報に記載された文字列をテキストマイニング技術を利用して分析し、或いは特許分類を抽出する。そして、分析した文字列や抽出した特許分類に基づいて特許特定情報との組み合わせ連関度を設定していくことになる。この組み合わせ連関度の設定はユーザ側、システム側において行うようにしても良いが、自動的に設定するようにしてもよい。組み合わせ連関度の自動設定のルールはいかなるものであってもよいが、例えば特許特定情報に記載されている「技術分野:Fターム○×」及び「解決コンセプト:時間分割の原理」の双方の記載の有無、並びに記載頻度に応じて組み合わせ連関度を自動設定するようにしてもよい。これらの処理を特許情報(特許公開公報、特許掲載公報、特許分類等)から取得することにより実行する。
【0055】
図4の例では、特許特定情報として、効果と発明の構成要素の組み合わせとし、これを組み合わせ連関度を中心として左側に定義している。また組み合わせ連関度を中心として右側には、特許や、特許群が配列している。同様にこれらの特許特定情報と特許又は特許群とが互いに3段階以上の組み合わせ連関度を介して関連付けられている。
【0056】
この図4に示す組み合わせ連関度は、効果○×、効果△□、効果×△・・・のいずれか1以上と、構成要素の何れか1以上の組み合わせの集合がいわゆる隠れ層のノード61a~61eとして表現されることとなる。各ノード61a~61eは、特許特定情報に対する重み付けと、出力解としての特許又は特許群に対する重み付けがそれぞれ設定されている。
【0057】
この重み付けが3段階以上の組み合わせ連関度である。例えば、ノード61aは、効果○×が組み合わせ連関度80%で、また構成要素:フィードバック手段が組み合わせ連関度80%で連関している。またノード61cは、効果△□が組み合わせ連関度60%で、構成要素:記憶ステップが組み合わせ連関度60%、構成要素:描画手段が組み合わせ連関度40%で連関している。
【0058】
このような組み合わせ連関度を予め取得しておく。そして、新たに探索を試みる特許又は特許群における、上記組み合わせを構成する特許特定情報を取得する。この特許特定情報は、ユーザにより入力されるものであってもよい。ユーザはサーチしたい特許又は特許群について、効果を入力すると共に、構成要素を入力する。
【0059】
探索プログラムは、入力された特許特定情報に基づいて、出力解の中から最適解としての特許又は特許群を1又は2以上に亘り選択する作業を行う。この最適解を選択する上で、予め取得した図4に示す組み合わせ連関度を参照する。例えば、入力された特許特定情報が、効果:○×であり、かつ構成要素:格成分特定ステップが入力された場合、組み合わせ連関度を介してノード61bが関連付けられており、このノード61bは、特開2012-×××号が組み合わせ連関度60%、特許群Gが組み合わせ連関度40%で関連付けられている。このような組み合わせ連関度に基づき最適解を探索する。
このような組み合わせ連関度は、特許情報(特許公開公報、特許掲載公報、特許分類等)から取得するようにしてもよい。かかる場合には特許公報に記載された文字列をテキストマイニング技術を利用して分析し、効果や構成要素に見合った文字列があるか否かを判別する。そして、分析した文字列に基づいて特許特定情報との組み合わせ連関度を設定していくことになる。この組み合わせ連関度の設定はユーザ側、システム側において行うようにしてもよいが、自動的に設定するようにしてもよい。組み合わせ連関度の自動設定のルールはいかなるものであってもよいが、例えば特許特定情報に記載されている「効果○×」及び「構成要素:格成分特定ステップ」の双方の記載の有無、並びに記載頻度に応じて組み合わせ連関度を自動設定するようにしてもよい。これらの処理を特許情報(特許公開公報、特許掲載公報、特許分類等)から取得することにより実行する。
【0060】
特許特定情報に紐付けられるノード61は、上述した図3、4の例に限定されるものではない。図5は、一のノード61に対して特許の技術分野、解決コンセプト、解決課題、効果、作用、機能、実施例、発明の構成要素、用途の組み合わせの集合が関連付けられる例を示している。このノード61に対してこれらの特許特定情報の全種類がそれぞれの組み合わせ連関度を以って関連付けられていてもよい。また各特許特定情報の種類自体も2以上とされていてもよい。
【0061】
ちなみにノード61は、これら特許特定情報の全種類(特許の技術分野、解決コンセプト、解決課題、効果、作用、機能、実施例、発明の構成要素、用途)の組み合わせで構成される場合に限定されるものではなく、これら全種類のうち2種以上の組み合わせで関連付けられていればよい。そしてこのノード61に関連付けられる特許特定情報は何れも上述した組み合わせ連関度を以って定義されている。
【0062】
なお、ユーザ側において特許特定情報を入力する上では、このノード61に紐付けられる所定の特許特定情報の入力のみ受け付けるようにしてもよいが、これに限定されるものではない。ノード61に紐付けられる所定の特許特定情報自体が入力されていなくても、これに類似するキーワードや特許分類が入力された場合には、その類似の特許特定情報が入力されたものとみなすようにしてもよい。
【0063】
ユーザは、これらの特許特定情報を意識することなく、どのような特許を検索したいのかを文字列(フリーキーワード)を通じて自然に入力するようにしてもよい。例えば検索のフリーキーワードとして「技術的範囲の広さを定量化できるソフトウェア関連発明」を入力すれば、これを周知のテキストマイニング技術で解析することで「技術的範囲」や「定量化」といった構成要素や効果のキーワードに落とし込むことが可能となる。またこのテキストマイニングの結果から、ソフトウェアの技術分野の特許分類記号をサーチして特定するようにしてもよい。また「コストを削減できる」、「使いやすくしたい」等の希望や願望のフリーキーワードの入力を受け付けた場合には、これから解決課題や効果の特許特定情報に紐付けるようにしてもよい。このような検索したい特許に関するフリーキーワードが入力された場合には、このフリーキーワードを周知のテキストマイニング手法等、様々な方法に基づいて解析し、類似度の高い特許特定情報にこれらを紐付けることになる。
【0064】
ここでいうフリーキーワードは、特許の技術分野、解決コンセプト、解決課題、効果、作用、機能、実施例、発明の構成要素、用途に関する技術情報が文字列やフリーキーワード、単語等で入力される場合に加え、実際にマーケティングに関する情報、ターゲット顧客に関する情報、販売に関する情報、ビジネスモデルに関する情報、協業する相手側の企業に関する情報、協業する相手側の企業に対して求める情報、製造に関する情報、研究開発全般に関する情報、その他バリューチェーンを構成する情報、販売する製品やサービスについての断片的な情報や、その製品やサービスによりかなえることができるユーザのウォンツ、或いはユーザのその製品やサービスに求める願望等も含まれる。
例えば図6に示すように、「食べるだけで痩せるパンを作りたい」という願望そのものを入力するようにしてもよい。かかる場合には、これを実現するための具体的な方策として、「パンのカロリーを下げる」、「パンの体内への消化吸収量を下げる」、「パンそのものの摂取量を減らす」等の具体的な解決コンセプトが出てくる。そこから更に掘り下げるのであれば、「パンのカロリーを下げる」に対しては具体的解決策としての「小カロリーの原材料に一部置き換える」、「パンの体内への消化吸収量を下げる」に対しては具体的解決策としての「難消化性の食材で構成する」、「パンそのものの摂取量を減らす」に対しては具体的解決策としての「内部に空孔を多くしつつ体積を増やすことで満腹感を出す」等が出てくるかもしれない。
このようなコンセプトの探索については、システム側、ユーザ側が人間の力で行うようにしてもよい。例えばクライアントから、「食べるだけで痩せるパンを作りたい」という願望を受けて、熟練を有するコンサルタントが、その願望をかなえるためのコンセプトを図6に示すように掘り下げ、具体的に「内部に空孔を多くしつつ体積を増やすことで満腹感を出すパン」について特許特定情報を定義し、入力するようにしてもよい。
またこのような願望から具体的なコンセプトまでの探索を自動的に行うようにしてもよい。かかる場合には、願望と大まかな解決策、具体的なコンセプトの関係について、同じように連関度で定義しておき、実際に探索する際にはこの連関度を参照し、入力された願望に対する大まかな解決策、具体的なコンセプトを探索するようにしてもよい。
【0065】
図7は、一のノード61に対して特許の技術分野、解決コンセプト、解決課題、効果、作用、機能、実施例、発明の構成要素、用途等からなる特許特定情報と、付帯情報の組み合わせに対して関連付けられる例を示している。
【0066】
このノード61に関連付けられる特許特定情報は、特許の技術分野、解決コンセプト、解決課題、効果、作用、機能、実施例、発明の構成要素、用途等の何れか1以上が関連付けられるものであればよい。
【0067】
また付帯情報は、特許特定情報以外の情報であって、かつ上述した特許又は特許群を活用するビジネスに関するあらゆる情報を含むものである。この付帯情報は、その特許又は特許群を活用するビジネスのマーケティングに関する情報、ターゲット顧客に関する情報、販売に関する情報、そのビジネスがおかれる市場環境に関する情報、そのビジネスがおかれる市場の政治経済的な背景や社会的な背景に関する情報、ビジネスモデルに関する情報、協業する相手側の企業に関する情報、協業する相手側の企業に対して求める情報、製造に関する情報、研究開発全般に関する情報、その他バリューチェーンを構成する情報が含まれる。これらの付帯情報は、インターネットを介してアクセス可能な情報源から入手するようにしてもよいし、システム側又はユーザ側が、電子情報媒体中の情報や紙媒体に印刷された情報から入力したものを利用するようにしてもよい。
【0068】
図8はノード61に特許特定情報と付帯情報とが関連付けられる組み合わせ連関度の形成例を示している。特許特定情報としては、効果や発明の構成要素とし、更に付帯情報としては、市場情報やビジネスモデル、社会的背景等を、組み合わせ連関度を中心として左側に定義している。また組み合わせ連関度を中心として右側には、特許や、特許群が配列している。同様にこれらの特許特定情報と特許又は特許群とが互いに3段階以上の組み合わせ連関度を介して関連付けられている。
【0069】
この図8に示す組み合わせ連関度は、各ノード61a~61eは、特許特定情報や付帯情報に対する重み付けと、出力解としての特許又は特許群に対する重み付けがそれぞれ設定されている。
【0070】
この重み付けが3段階以上の組み合わせ連関度である。例えば、ノード61aは、効果○×が組み合わせ連関度80%で、また「ビジネスモデル:オフィスチェアの高さ調整機構を協業相手と共同制作」が組み合わせ連関度80%で連関している。またノード61cは、効果△□が組み合わせ連関度60%で、「市場情報:オフィスチェア分野で特にヘッドレストのニーズが高まっている」が組み合わせ連関度60%、「社会的な背景:腰痛持ちに対してやさしい椅子を開発した企業には補助金が交付される」が組み合わせ連関度40%で連関している。
【0071】
このような組み合わせ連関度を予め取得しておく。そして、新たに探索を試みる特許又は特許群における、上記組み合わせを構成する特許特定情報を取得する。この特許特定情報は、ユーザにより入力されるものであってもよい。ユーザはサーチしたい特許又は特許群について、効果を入力すると共に、構成要素を入力する。
【0072】
探索プログラムは、入力された特許特定情報に基づいて、出力解の中から最適解としての特許又は特許群を1又は2以上に亘り選択する作業を行う。この最適解を選択する上で、予め取得した図8に示す組み合わせ連関度を参照する。例えば、入力された特許特定情報が、技術分野:効果○×であり、かつ「市場情報:オフィスチェア分野で特に座をメッシュにするニーズが高まっている」が入力された場合、組み合わせ連関度を介してノード61bが関連付けられており、このノード61bは、特開2012-×××号が組み合わせ連関度60%、特許群Gが組み合わせ連関度40%で関連付けられている。このような組み合わせ連関度に基づき最適解を探索する。
【0073】
なお、上述した各ノードを介した組み合わせ連関度を形成する上では、当該付帯情報には技術を規定するキーワード(「オフィスチェア分野で特に座をメッシュにする・・・」、「ヘッドレストのニーズが・・・」、「オフィスチェアの高さ調整機構を・・・」)が存在する。これらのキーワードをテキストマイニングを通じて分析し、これと特許特定情報との組み合わせに対して各特許又は各特許群との組み合わせ連関度を作るようにしてもよい。
【0074】
付帯情報内において特許又は各特許群に関連する用語が存在しない代わりに、例えばビジネス上で協業する相手企業名や、顧客の年齢性別の層、販売形態(通販或いは直売)、その業界に属する著名人や政治家の発言等があればそこから関連するキーワードを結びつけるようにしてもよい。協業する相手企業であればその企業名をインターネットの検索エンジンで検索することによりヒットするキーワード、その企業のサイトに記載されている技術情報、その企業の出願した特許情報等から付帯情報を得るようにしてもよい。顧客の年齢層が10代の女性であれば、その世代において流行している対象物、またその対象物に関連する技術等を付帯情報してもよい。このような付帯情報と特許特定情報を組み合わせることにより、これと組み合わせ連関度の高い特許又は特許群が絞られてくることになる。
【0075】
このような組み合わせ連関度は、特許情報(特許公開公報、特許掲載公報、特許分類等)から取得するようにしてもよい。かかる場合には特許公報に記載された文字列をテキストマイニング技術を利用して分析し、或いは特許分類を抽出する。そして、分析した文字列や抽出した特許分類に基づいて特許特定情報との組み合わせ連関度を設定していくことになる。この組み合わせ連関度の設定はユーザ側、システム側において行うようにしてもよいが、自動的に設定するようにしてもよい。組み合わせ連関度の自動設定のルールはいかなるものであってもよいが、例えば特許特定情報に記載されている「効果:○×」及び「市場情報:オフィスチェア分野で特にヘッドレストのニーズが高まっている」の双方の記載の有無、並びに記載頻度に応じて組み合わせ連関度を自動設定するようにしてもよい。これらの処理を特許情報(特許公開公報、特許掲載公報、特許分類等)から取得することにより実行する。
【0076】
このとき付帯情報は、ビジネスのマーケティングに関する情報、ターゲット顧客に関する情報、販売に関する情報、そのビジネスがおかれる市場環境に関する情報、そのビジネスがおかれる市場の政治経済的な背景や社会的な背景に関する情報、ビジネスモデルに関する情報、協業する相手側の企業に関する情報、協業する相手側の企業に対して求める情報、製造に関する情報、研究開発全般に関する情報、その他バリューチェーンを構成する情報をインターネット上に掲載されているサイト等から取得するようにしてもよい。
【0077】
また、サーバ13が人工知能により制御される場合には、特許特定情報のうち何れか2以上の組み合わせに対する各特許又は各特許群との組み合わせ連関度をその人工知能により学習させるようにしてもよい。同様に特許特定情報並びに付帯情報との組み合わせに対する特許又は特許群との組み合わせ連関度を人工知能により学習させるようにしてもよい。
【0078】
人工知能は、外部からサーバ13に対して公衆通信網12を介して提供された情報に基づいて学習を行う。このサーバ13に対して外部から提供される情報は、例えば本システムを使用する端末装置11から送信されるものであってもよい。端末装置11により、本発明を適用した情報探索プログラムが使用される結果、ユーザやシステムにより選択された特許特定情報のうち何れか2以上の組み合わせに対する各特許又は各特許群との関係、或いは特許特定情報及び付帯情報との組み合わせに対する各特許又は各特許群との関係を取得し、これに基づいて上述した組み合わせ連関度を更新する。つまり、ユーザやシステムにより選択された関係については連関性を高く更新し、またユーザやシステムにより選択されなかった関係は連関性をより低く更新する。この更新については、人工知能やニューラルネットワーク等を利用してもよい。
【0079】
この更新は、特許情報が新たに開示される都度、定期的、又は不定期的に行うようにしてもよい。特許情報は例えば特許公開公報を通じて順次公開されてくる。特許情報が公開される都度、これに対して特許特定情報や付帯情報の組み合わせ連関度を紐付けるようにしてもよい。この組み合わせ連関度は、特許公開公報を通じて新たな特許が公開される都度更新されるようになる。その結果、ある特許特定情報のノードに対して(或いはある特定情報とある付帯情報の組み合わせからなるノードに対して)、今まで特開2011-×××号が最も組み合わせ連関度が高く、90%であったのに対して、新たに公開された特開2018-○××○号が更に組み合わせ連関度が高かったため100%となる場合も出てくる。その結果、今まで最も組み合わせ連関度が高かった特開2011-×××号の組み合わせ連関度が相対的に下がり、80%になる場合も出てくる。
【0080】
このように本発明によれば、特許情報が新たに開示された際にこの組み合わせ連関度を更新する過程で、新たに開示された特許をこの組み合わせ連関度に加える際に、他の特許の組み合わせ連関度を相対的に上下させるようにしてもよい。かかる場合には、新たに開示された一の特許が紐付けられるノード61につながる他の特許の組み合わせ連関度を相対的に上下させる。このとき、他の特許の今までの組み合わせ連関度よりも、一の特許の組み合わせ連関度が高いときには、他の特許の組み合わせ連関度を下げるようにし、他の特許の今までの組み合わせ連関度よりも、一の特許の組み合わせ連関度が低いときには、他の特許の組み合わせ連関度を上げるようにしてもよい。
【0081】
また特許群についても同様である。特許群に対して、新たに開示された特許を加える場合には、同様に連関度が変化する。このとき、同じノード61に繋がる他の特許群の組み合わせ連関度についても、新たに特許が加えられた一の特許群の組み合わせ連関度に対して相対的に変化させるようにしてもよい。この特許群についてはシステム側又はユーザ側が定義して別途入力するようにしてもよいし、ある特定の属性(技術分野、用途、対象、具現化される製品の種類等)に基づいて自動的に分類されるものであってもよい。
【0082】
同様に、付帯情報が新たに開示される際にこの組み合わせ連関度を更新するようにしてもよい。付帯情報が新たに開示された際にこの組み合わせ連関度を更新する過程で、新たにインターネット等を介して開示された付帯情報をこの組み合わせ連関度に加える際に、他の付帯情報の組み合わせ連関度を相対的に上下させるようにしてもよい。かかる場合には、新たに開示された一の付帯情報が紐付けられるノード61につながる他の付帯情報の組み合わせ連関度を相対的に上下させる。このとき、他の付帯情報の今までの組み合わせ連関度よりも、一の付帯情報の組み合わせ連関度が高いときには、他の付帯情報の組み合わせ連関度を下げるようにし、他の付帯情報の今までの組み合わせ連関度よりも、一の特許の組み合わせ連関度が低いときには、他の付帯情報の組み合わせ連関度を上げるようにしてもよい。
【0083】
なお、上述の例では、同じノード61に繋がる特許又は特許群、付帯情報同士で相対的に組み合わせ連関度を上下させる場合を例にとり説明をしたが、これに限定されるものではない。新たに開示された特許、特許群、付帯情報が繋がるノード61以外のノード61に繋がる他の特許、特許群、付帯情報についても相対的に組み合わせ連関度を上下させるようにしてもよい。
【0084】
上述したように本発明によれば、新たに探索を試みる特許又は特許群、特許権者を効率的に探索することが可能となる。特に本発明によれば、特許又は特許群の探索を、特段の熟練を要することなく容易に行うことが可能となる。また本発明によれば、特許又は特許群の探索をより高精度に行うことが可能となる。更に、上述した組み合わせ連関度を人工知能で構成することにより、これを学習させることでその判別精度を更に向上させることが可能となる。
【0085】
また、本発明によれば、3段階以上に設定されている組み合わせ連関度を介して特許又は特許群の探索を行う点に特徴がある。組み合わせ連関度は、例えば0~100%までの数値で記述することができるが、これに限定されるものではなく3段階以上の数値で記述できるものであればいかなる段階で構成されていてもよい。
【0086】
このような3段階以上の数値で表される組み合わせ連関度に基づいて探索することで、複数の特許又は特許群の判別結果が選ばれる状況下において、当該組み合わせ連関度の高い順に探索して表示することも可能となる。このように組み合わせ連関度の高い順にユーザに表示できれば、より可能性の高い特許又は特許群の判別結果を優先的に選択することを促すこともできる。一方、組み合わせ連関度の低い特許又は特許群の判別結果であってもセカンドオピニオンという意味で表示することができ、ファーストオピニオンで上手く分析ができない場合において有用性を発揮することができる。
【0087】
これに加えて、本発明によれば、組み合わせ連関度が1%のような極めて低い特許又は特許群の判別結果も見逃すことなく判断することができる。組み合わせ連関度が極めて低い特許又は特許群であっても僅かな兆候として繋がっているものであり、何十回、何百回に一度は、特許又は特許群の判別結果として役に立つ場合もあることをユーザに対して注意喚起することができる。
【0088】
更に本発明によれば、このような3段階以上の組み合わせ連関度に基づいて探索を行うことにより、閾値の設定の仕方で、探索方針を決めることができるメリットがある。閾値を低くすれば、上述した組み合わせ連関度が1%のものであっても漏れなく拾うことができる反面、判別結果を好適に検出できる可能性が低く、ノイズを沢山拾ってしまう場合もある。一方、閾値を高くすれば、最適な判別結果を高確率で検出できる可能性が高い反面、通常は組み合わせ連関度は低くてスルーされるものの何十回、何百回に一度は出てくる好適な解を見落としてしまう場合もある。いずれに重きを置くかは、ユーザ側、システム側の考え方に基づいて決めることが可能となるが、このような重点を置くポイントを選ぶ自由度を高くすることが可能となる。
【0089】
なお、本発明は、探索対象を特許又は特許群に限定することなく、例えば図9に示すように、特許権者を探索するようにしてもよい。かかる場合には、特許特定情報のうち何れか2以上の組み合わせに対する各特許権者との3段階以上の組み合わせ連関度を予め取得することになる。特許権者は、その特許権者の保有する特許や、特許権者について掲載されているインターネット情報に紐付けられる。
【0090】
組み合わせ連関度を形成する上では、特許権者の保有する特許情報(特許公開公報、特許掲載公報、特許分類等)や、特許権者について掲載されているインターネット情報から取得するようにしてもよい。かかる場合には特許公報やインターネット情報に記載された文字列をテキストマイニング技術を利用して分析し、或いは特許分類を抽出する。そして、分析した文字列や抽出した特許分類に基づいて特許特定情報との組み合わせ連関度を設定していくことになる。この組み合わせ連関度の設定はユーザ側、システム側において行うようにしてもよいが、自動的に設定するようにしてもよい。組み合わせ連関度の自動設定のルールはいかなるものであってもよいが、例えば特許特定情報に記載されている「効果:○×」及び「構成要素:記憶ステップ」の双方の記載の有無、並びに記載頻度に応じて組み合わせ連関度を自動設定するようにしてもよい。これらの処理を特許情報(特許公開公報、特許掲載公報、特許分類等)やインターネット情報から取得することにより実行する。そしてこれらの組み合わせ連関度の高い特許情報を数多く保有している特許権者ほど、また組み合わせ連関度の高いインターネット情報が数多く掲載されている特許権者ほど、特許権者としての組み合わせ連関度が高くなるように設定する。
【0091】
図10は、特許特定情報のうち何れか1以上と、付帯情報との組み合わせに対する各特許権者との3段階以上の組み合わせ連関度を形成する例を示している。この図9の例も特許権者との間で組み合わせ連関度を設定する方法は上述と同様である。
【符号の説明】
【0092】
1 情報探索システム
11 端末装置
12 公衆通信網
13 サーバ
21 内部バス
22 ROM
23 RAM
24 CPU
25 操作部
26 表示部
27 記憶部
29 データ入出力部
31 音声入出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10