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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】二重管継手構造
(51)【国際特許分類】
   F16L 39/04 20060101AFI20221024BHJP
   F16L 27/00 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
F16L39/04
F16L27/00 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019002080
(22)【出願日】2019-01-09
(65)【公開番号】P2020112188
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2021-07-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000230526
【氏名又は名称】日本ヴィクトリック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(72)【発明者】
【氏名】淺田 進一
(72)【発明者】
【氏名】寺田 佳弘
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-287787(JP,A)
【文献】実開昭57-203191(JP,U)
【文献】実開昭59-164886(JP,U)
【文献】登録実用新案第3182923(JP,U)
【文献】実公昭46-035064(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 39/04
F16L 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1外側管と、第2外側管と、前記第1外側管と前記第2外側管とを連結する外側スリーブとを有する外側配管と、
第1内側管と、第2内側管と、第3内側管と、前記第1内側管と前記第2内側管とを連結する第1内側スリーブと、前記第2内側管と前記第3内側管とを連結する第2内側スリーブとを有する内側配管とを備え、
前記内側配管は前記外側配管内に配置され、
前記第1外側管と前記第1内側管が連結され、前記第2外側管と前記第3内側管が連結され、
前記第1内側管と前記第2内側管は、互いに連結されて第1ヒンジ構造を構成する第1ヒンジ部分を各々有し、前記第2内側管と前記第3内側管は、互いに連結されて、第2ヒンジ構造を構成する第2ヒンジ部分を各々有し、
前記第1外側管と前記第1内側管は第1連結体を介して連結され、前記第2外側管と前記第3内側管は第2連結体を介して連結され、
前記外側スリーブ、前記第1内側スリーブ、前記第2内側管、および前記第2内側スリーブは、いずれも軸線方向の前記第1連結体と前記第2連結体との間に収まる、二重管継手構造。
【請求項2】
前記第1ヒンジ構造の一対の第1ヒンジ部分は、互いに回動可能で、かつ軸線方向に移動可能となり、
前記第2ヒンジ構造の一対の第2ヒンジ部分は、互いに回動可能で、かつ軸線方向に移動可能となる、請求項1記載の二重管継手構造。
【請求項3】
前記第1外側管と前記第2外側管は、前記外側スリーブの外面に嵌合する、請求項1または2記載の二重管継手構造。
【請求項4】
前記第1外側管と前記第2外側管は、いずれも前記外側スリーブ側に拡径部を有する、請求項3記載の二重管継手構造。
【請求項5】
前記第1外側管および前記第2外側管のうち拡径部以外の部分と、前記外側スリーブとは同一外径を有する、請求項4記載の二重管継手構造。
【請求項6】
前記第1外側管と前記第2外側管は、前記外側スリーブの内面に嵌合する、請求項1または2記載の二重管継手構造。
【請求項7】
前記第1内側管と前記第2内側管は前記第1内側スリーブの内面に嵌合し、前記第2内側管と前記第3内側管は前記第2内側スリーブの内面に嵌合する、請求項1乃至6のいずれか記載の二重管継手構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一方の配管と他方の配管と、これら一方の配管および他方の配管を接続するスリーブとを有する継手構造に係り、とりわけ一方の配管および他方の配管を流れる流体が外方へ流出することを防止することができ、かつ外部の流体が配管内に流入することがない、二重管継手構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、一方の配管と、他方の配管と、これら一方の配管および他方の配管を接続するスリーブとを有する継手構造が知られている。
【0003】
また一方の配管とスリーブとの間、および他方の配管とスリーブとの間は、シールゴムリングにより密封されている。
【0004】
このような継手構造は、排水等を送出する等のように種々の流体の搬送が行なわれている。
【0005】
ところでこのような構成からなる継手構造は、地震等の影響により経年変化によりずれていくことがある。
【0006】
そして継手構造にずれが生じた場合、一方の配管と他方の配管内を流れる流体が外方へ漏水することも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開平3-285137号公報
【文献】特開2005-91215号公報
【文献】特開2004-53317号公報
【文献】特開2004-10355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、配管内を流れる流体が漏水することを確実に防止することができ、かつ外部の流体が配管内に流入することがない、二重管継手構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、第1外側管と、第2外側管と、前記第1外側管と前記第2外側管とを連結する外側スリーブとを有する外側配管と、第1内側管と、第2内側管と、第3内側管と、前記第1内側管と前記第2内側管とを連結する第1内側スリーブと、前記第2内側管と前記第3内側管とを連結する第2内側スリーブとを有する内側配管とを備え、前記内側配管は前記外側配管内に配置され、前記第1外側管と前記第1内側管が連結され、前記第2外側管と前記第3内側管が連結され、前記第1内側管と前記第2内側管は、互いに連結されて第1ヒンジ構造を構成する第1ヒンジ部分を各々有し、前記第2内側管と前記第3内側管は、互いに連結されて、第2ヒンジ構造を構成する第2ヒンジ部分を各々有する、二重管継手構造である。
【0010】
本開示は、前記第1ヒンジ構造の一対の第1ヒンジ部分は、互いに回動可能で、かつ軸線方向に移動可能となり、前記第2ヒンジ構造の一対の第2ヒンジ部分は、互いに回動可能で、かつ軸線方向に移動可能となる、二重管継手構造である。
【0011】
本開示は、前記第1外側管と前記第2外側管は、前記外側スリーブの外面に嵌合する、二重管継手構造である。
【0012】
本開示は、前記第1外側管と前記第2外側管は、いずれも前記外側スリーブ側に拡径部を有する、二重管継手構造である。
【0013】
本開示は、前記第1外側管および前記第2外側管のうち拡径部以外の部分と、前記外側スリーブとは同一外径を有する、二重管継手構造である。
【0014】
本開示は、前記第1外側管と前記第2外側管は、前記外側スリーブの内面に嵌合する、二重管継手構造である。
【0015】
本開示は、前記第1内側管と前記第2内側管は前記第1内側スリーブの内面に嵌合し、前記第2内側管と前記第3内側管は前記第2内側スリーブの内面に嵌合する、二重管継手構造である。
【0016】
本開示は、前記第1外側管と前記第1内側管は第1連結体を介して連結され、前記第2外側管と前記第3内側管は第2連結体を介して連結されている、二重管継手構造である。
【発明の効果】
【0017】
以上のように本開示によれば、内側配管内を流れる流体が漏水することを確実に防止することができ、かつ外部の流体が内側配管内に流入することがない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本開示による二重管継手構造の第1の実施の形態を示す側断面図。
図2図2は、本開示による二重管継手構造の作用を示す側断面図。
図3図3は、第1外側管と外側スリーブとの接続構造を示す図。
図4図4は、第1内側管と第1内側スリーブとの接続構造を示す図。
図5図5は、本開示による二重管継手構造の第2の実施の形態を示す側断面図。
図6図6は、本開示による二重管継手構造の作用を示す側断面図。
図7図7は、第1外側管と外側スリーブとの接続構造を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1の実施の形態>
以下、図1乃至図4を参照して、本開示による二重管継手構造の第1の実施の形態について説明する。
【0020】
ここで図1は本開示による二重管継手構造を示す側断面図、図2は本開示による二重管継手構造の作用を示す図、図3は第1外側管と外側スリーブとの接続構造を示す図、図4は第1内側管と第1内側スリーブとの接続構造を示す図である。
【0021】
ここで図1および図2は、第1外側管および第2外側管と、外側スリーブとの間の接続構造を簡略化して示しており、かつ第1内側管、第2内側管および第3内側管と、第1内側スリーブおよび第2内側スリーブとの間の接続構造を簡略化して示している。
【0022】
図1乃至図4に示すように、二重管継手構造1は円筒状の第1外側管11と、円筒状の第2外側管12と、第1外側管11と第2外側管12を連結する円筒状の外側スリーブ15とを有する外側配管10と、円筒状の第1内側管21と、円筒状の第2内側管22と、円筒状の第3内側管23と、第1内側管21と第2内側管22を連結する円筒状の第1内側スリーブ25と、第2内側管22と第3内側管23を連結する円筒状の第2内側スリーブ26とを有する内側配管20とを備えている。
【0023】
このうち、内側配管20は外側配管10内に配置されている。また第1外側管11と第2外側管12は、外側スリーブ15の外面に嵌合している。さらに第1内側管21と第2内側管22は、第1内側スリーブ25の内面に嵌合し、第2内側管22と第3内側管23は、第2内側スリーブ26の内面に嵌合している。
【0024】
また第1外側管11と第1内側管21は、例えば、第1外側管11内に配置され、この第1外側管11の軸線と直交する円盤状の第1連結板5のような第1連結体を介して互いに連結されている。
【0025】
さらに第2外側管12と第3内側管23は、例えば、第2外側管12内に配置され、この第2外側管12の軸線と直交する円盤状の第2連結板6のような第2連結体を介して互いに連結されている。
【0026】
このように第1外側管11と第1内側管21が第1連結板5を介して連結されているため、第1内側管21は第1外側管11内の所定位置に保持される。
【0027】
また第2外側管12と第3内側管23が第2連結板6を介して連結されているため、第3内側管23は第2外側管12内の所定位置に保持される。
【0028】
次に第1外側管11と外側スリーブ15との間の接続構造、および第2外側管12と外側スリーブ15との間の接続構造について説明する。ここで第1外側管11と第2外側管12は、いずれも外側スリーブ15側で外径が拡張する拡径部11A,12Aを有する。このうち第1外側管11の拡径部11Aは他の部分(拡径部11A以外の部分)11Bに比べて外径が大きくなっており、第2外側管12の拡径部12Aは他の部分(拡径部12A以外の部分)12Bに比べて外径が大きくなっている。
【0029】
なお、第1外側管11と外側スリーブ15との間の接続構造は、第2外側管12と外側スリーブ15との間の接続構造は略同一となっているため、ここでは第1外側管11と外側スリーブ15との間の接続構造について、図3により説明する。
【0030】
図3に示すように、第1外側管11の拡径部11Aは、その外側スリーブ側端部に半径方向外方へ突出する突出部11aを有する。そして外側スリーブ15の外面に、第1外側管11の突出部11aに当接するシールゴムリング16が設けられている。
【0031】
また外側スリーブ15の外面に設けられたシールゴムリング16を覆って、シールゴムリング用ハウジング18が取り付けられている。このシールゴムリング用ハウジング18は、シールゴムリング16を外側スリーブ15の外面の所定位置に保持して、シールゴムリング16により第1外側管11と外側スリーブ15との間の密封性を高めるものである。このようなシールゴムリング用ハウジング18は、円周方向に沿って複数に分割された分割部分18aを有し、各分割部分18aは締結ボルト19により固定される。
【0032】
このように第1外側管11と第2外側管12はいずれも拡径部11A,12Aを有し、第1外側管11の他の部分11B、第2外側管12の他の部分12B、および外側スリーブ15はいずれも同一外径をもつ。
【0033】
次に第1内側管21と第1内側スリーブ25との間の接続構造、第1内側スリーブ25と第2内側管22との間の接続構造、第2内側管22と第2内側スリーブ26との間の接続構造、および第2内側スリーブ26と第3内側管23との間の接続構造について説明する。
【0034】
なお、第1内側管21と第1内側スリーブ25との間の接続構造、第1内側スリーブ25と第2内側管22との間の接続構造、第2内側管22と第2内側スリーブ26との間の接続構造、および第2内側スリーブ26と第3内側管23との間の接続構造はいずれも同一構造をもつため、ここでは第1内側管21と第1内側スリーブ25との間の接続構造について図4により説明する。
【0035】
図4に示すように、第1内側スリーブ25は、その第1内側管21側端部に半径方向外方へ突出する突出部25aを有する。そして第1内側管21の外面に、第1内側スリーブ25の突出部25aに当接するシールゴムリング28が設けられている。
【0036】
また第1内側管21の外面に設けられたシールゴムリング28を覆って、シールゴムリング用ハウジング31が取り付けられている。このシールゴムリング用ハウジング31は、シールゴムリング28を第1内側管21の外面の所定位置に保持して、シールゴムリング28により第1内側管21と第1内側スリーブ25との間の密封性を高めるものである。このようなシールゴムリング用ハウジング31は、円周方向に沿って複数に分割された分割部分31aを有し、各分割部分31aは締結ボルト32により固定される。
【0037】
また図1および図2に示すように、第1内側管21はフランジ21aを介して連結された複数部分からなり、第2内側管22もフランジ22aを介して連結された複数部分からなる。さらに第3内側管23もフランジ23aを介して連結された複数部分からなる。
【0038】
ところで、図1および図2に示すように、内側配管20の第1内側管21と第2内側管22は、第1ヒンジ構造41Aを介して互いに連結されている。具体的には第1内側管21は軸方向に延びる長穴41aを有する第1ヒンジ部分41を有し、第2内側管22は長穴41a内に挿着されたピン42aを有する第1ヒンジ部分42を有し、第1ヒンジ部分41の長穴41a内に第1ヒンジ部分42のピン42aを挿着することにより、第1ヒンジ部分41、42が互いに回動自在に、かつ軸線方向に移動可能に連結されている。そして回動自在に、かつ軸線方向に移動可能に連結された第1ヒンジ部分41、42により第1内側管21と第2内側管22を連結する第1ヒンジ構造41Aが構成されている。
【0039】
また、内側配管20の第2内側管22と第3内側管23は、第2ヒンジ構造43Aを介して互いに連結されている。具体的には第3内側管23は長穴43aを有する第2ヒンジ部分43を有し、第2内側管22は軸方向に延びる長穴43a内に挿着されたピン44aを有する第2ヒンジ部分44を有し、第2ヒンジ部分43の長穴43a内に第2ヒンジ部分44のピン44aを挿着することにより、第2ヒンジ部分43、44が互いに回動自在に、かつ軸線方向に移動可能に連結されている。そして回動自在に、かつ軸線方向に移動可能に連結された第2ヒンジ部分43、44により第2内側管22と第3内側管23を連結する第2ヒンジ構造42Aが構成されている。
【0040】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について図1乃至図4により説明する。
【0041】
まず上述した二重管継手構造1は、建築構造物中に設置される。このうち、内側配管20内に流体が流されるが、外側配管10内に流体が流されることはない。この外側配管10は、内側配管20内の流体が漏水した場合に、この漏水した流体が外部に流れることを防止する機能を有する。このような二重管継手構造1は、地震あるいは経年変化により、軸線方向あるいは軸線方向に直交する方向(偏心方向)、すなわち図1に示す上下方向にもずれていく。
【0042】
まず図1に二重管継手構造1の基準形状を示す。この基準形状の状態から二重管継手構造1が軸線方向および軸線方向に直交する方向に沿ってずれていく(図2参照)。具体的には第1外側管11と第2外側管12とが互いに軸線方向に沿って離れていき、第1外側管11に対して第2外側管12が降下する。
【0043】
また第1内側管21と第3内側管23が互いに軸線方向に沿って離れていき、第1内側管21に対して第3内側管23が降下する。
【0044】
このとき、外側配管10側において、第1外側管11および第2外側管12が外側スリーブ15の外面を摺動し、二重管継手構造1の軸線方向および軸線方向に直交する方向のずれを吸収する。
【0045】
同様に内側配管20側において、第1内側スリーブ25が第1内側管21および第2内側管22の外面を摺動し、第2内側スリーブ26が第2内側管22および第3内側管23の外面を摺動し、二重管継手構造1の軸線方向および軸線方向に直交する方向のずれを吸収する。
【0046】
この間、図1および図2に示すように、第1内側管21は第1外側管11に連結されているため、第1内側管21が第1外側管11内で落下することはなく、第1外側管11内の所定位置に保持される。
【0047】
さらに第3内側管23は第2外側管12に連結されているため、第3内側管23が第2外側管12内で落下することはなく、第2外側管12内の所定位置に保持される。
【0048】
また、内側配管20側において、第1内側管21と第2内側管22は、回動自在でかつ軸線方向に移動可能に連結された第1ヒンジ部分41、42からなる第1ヒンジ構造41Aにより互いに連結されているため、軸線方向のずれをこの第1ヒンジ構造41Aにより吸収させることができ、かつ第2内側管22を第1ヒンジ構造41Aによって、第1外側管11により保持されている第1内側管21により確実に支持することができる。
【0049】
また、第2内側管22と第3内側管23は、回動自在でかつ軸線方向に移動可能に連結された第2ヒンジ部分43、44からなる第2ヒンジ構造43Aにより互いに連結されているため、軸線方向のずれをこの第2ヒンジ構造43Aにより吸収させることができ、かつ第2内側管22を第2ヒンジ構造43Aによって、第2外側管12により保持されている第3内側管23により確実に支持することができる。なお、第1内側管21と第2内側管22は第1ヒンジ構造41Aによって回動自在に連結され、第2内側管22と第3内側管23も第2ヒンジ構造43Aによって回動自在に連結されている。このため、第1内側管21と第3内側管23との間の軸線方向に直交する上下方向(図1参照)のずれも吸収することができる。
【0050】
また内側配管20の例えば第1内側管21と第1内側スリーブ25との間で漏水が生じても、流出した流体は第1連結板5と第2連結板6との間の空間1A内に留まる。この場合、第1外側管11および第2外側管12と外側スリーブ15との間はシールゴムリング16により密封されているので、第1連結板5と第2連結板6との間の空間1A内に流出した流体が、外側配管10の外方へ流出することはない。
【0051】
また、外部の流体が外側配管10を通って、内側配管20内に浸入することもない。
【0052】
以上のように本実施の形態によれば、内側配管20、例えば第1内側管21と第1内側スリーブ25との間で漏水が生じても、内側配管20から漏水した流体が外側配管10から外方へ流出することはない。
【0053】
さらにまた第1外側管11はその拡径部11Aにおいて外側スリーブ15の外面に嵌合し、第2外側管12はその拡径部12Aにおいて外側スリーブ15の外面に嵌合している。この場合、第1外側管11の他の部分11Bおよび第2外側管12の他の部分12Bの外径を、例えば外側スリーブ15の外径に一致させることが可能となる。そしてこのように、第1外側管11の他の部分11Bの外径、第2外側管12の他の部分12Bの外径、および外側スリーブ15の外径を一致させることにより、同一の配管部材を用いて、第1外側管11の他の部分11B、第2外側管12の他の部分12B、および外側スリーブ15を作製することができ、製造コスト低減を図ることができる。また第1外側管11の他の部分11Bの外径、第2外側管12の他の部分の外径、および外側スリーブ15の外径を一致させることにより、二重管継手構造1を設置した際、外側スリーブ15が第1外側管11の他の部分11Bおよび第2外側管12の他の部分12Bから外方へ大きく突出することはなく、二重管継手構造1をコンパクトに設置することができる。
【0054】
なお、上記の実施の形態において、第1連結体として第1連結板5を用い、第2連結体として第2連結板6を用いた例を示したが、これに限らず、第1連結体、第2連結体として、中心から周縁に向かって放射線状に延びる複数の棒状の第1連結体、中心から周縁に向かって放射線状に延びる複数の棒状の第2連結体を用いてもよい。
【0055】
<第2の実施の形態>
次に図5乃至図7により本開示による二重管継手構造の第2の実施の形態について説明する。
【0056】
図5乃至図7に示す第2の実施の形態は、外側配管10の構成が異なるのみであり、他の構成は図1乃至図4に示す第1の実施の形態と略同一である。
【0057】
図5乃至乃図7に示す第2の実施の形態において、図1乃至図4に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0058】
図5乃至図7に示すように、二重管継手構造1は円筒状の第1外側管11と、円筒状の第2外側管12と、第1外側管11と第2外側管12を連結する円筒状の外側スリーブ15とを有する外側配管10と、円筒状の第1内側管21と、円筒状の第2内側管22と、円筒状の第3内側管23と、第1内側管21と第2内側管22を連結する円筒状の第1内側スリーブ25と、第2内側管22と第3内側管23を連結する円筒状の第2内側スリーブ26とを有する内側配管20とを備えている。
【0059】
このうち、内側配管20は外側配管10内に配置されている。また第1外側管11と第2外側管12は、外側スリーブ15の内面に嵌合している。さらに第1内側管21と第2内側管22は、第1内側スリーブ25の内面に嵌合し、第2内側管22と第3内側管23は、第2内側スリーブ26の内面に嵌合している。
【0060】
また第1外側管11と第1内側管21は、例えば、第1外側管11内に配置され、この第1外側管11の軸線と直交する円盤状の第1連結板5のような第1連結体を介して互いに連結されている。
【0061】
さらに第2外側管12と第3内側管23は、例えば、第2外側管12内に配置され、この第2外側管12の軸線と直交する円盤状の第2連結板6のような第2連結体を介して互いに連結されている。
【0062】
このように第1外側管11と第1内側管21が第1連結板5を介して連結されているため、第1内側管21は第1外側管11内の所定位置に保持される。
【0063】
また第2外側管12と第3内側管23が第2連結板6を介して連結されているため、第3内側管23は第2外側管12内の所定位置に保持される。
【0064】
次に第1外側管11と外側スリーブ15との間の接続構造、および第2外側管12と外側スリーブ15との間の接続構造について説明する。
【0065】
なお、第1外側管11と外側スリーブ15との間の接続構造は、第2外側管12と外側スリーブ15との間の接続構造は略同一となっているため、ここでは第1外側管11と外側スリーブ15との間の接続構造について、図7により説明する。
【0066】
図7に示すように、外側スリーブ15は、その第1外側管側端部に半径方向外方へ突出する突出部15aを有する。そして第1外側管11の外面に、外側スリーブ15の突出部15aに当接するシールゴムリング16が設けられている。
【0067】
また第1外側管11の外面に設けられたシールゴムリング16を覆って、シールゴムリング用ハウジング18が取り付けられている。このシールゴムリング用ハウジング18は、シールゴムリング16を第1外側管11の外面の所定位置に保持して、シールゴムリング16により第1外側管11と外側スリーブ15との間の密封性を高めるものである。このようなシールゴムリング用ハウジング18は、円周方向に沿って複数に分割された分割部分18aを有し、各分割部分18aは締結ボルト19により固定される。
【符号の説明】
【0068】
1 二重管継手構造
5 第1連結板(第1連結体)
6 第2連結板(第2連結体)
10 外側配管
11 第1外側管
12 第2外側管
15 外側スリーブ
16 シールゴムリング
18 シールゴムリング用ハウジング
20 内側配管
21 第1内側管
22 第2内側管
23 第3内側管
25 第1内側スリーブ
26 第2内側スリーブ
28 シールゴムリング
31 シールゴムリング用ハウジング
41A 第1ヒンジ構造
41、42 第1ヒンジ部分
43A 第2ヒンジ構造
43、44 第2ヒンジ部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7