(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】組合せ計量装置
(51)【国際特許分類】
G01G 19/387 20060101AFI20221024BHJP
【FI】
G01G19/387 D
(21)【出願番号】P 2019060632
(22)【出願日】2019-03-27
【審査請求日】2022-01-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【氏名又は名称】柴山 健一
(72)【発明者】
【氏名】影山 寿晴
(72)【発明者】
【氏名】野口 和美
【審査官】森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特許第5030728(JP,B2)
【文献】特許第6804764(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個所で計量されて供給される物品を一時的に蓄積するタイミングホッパと、
前記タイミングホッパから排出される前記物品を更に排出する排出シュートと、
前記排出シュートを支持する支持体と、
前記支持体に取り付けられた壁部材と、を備え、
前記排出シュートは、筒状のシュート本体部を有し、鉛直方向と交差する第1方向における一方の側から前記支持体に対して着脱可能であり、
前記シュート本体部の上端部は、前記第1方向における前記一方の側の第1部分と、前記第1方向における他方の側の第2部分と、を含み、
前記第2部分の高さは、前記第1部分の高さよりも低く、
前記第1部分は、前記第1方向において前記タイミングホッパの下端部と向かい合い、
前記壁部材は、前記第2部分に沿った状態で、前記第1方向において前記タイミングホッパの前記下端部と向かい合う、組合せ計量装置。
【請求項2】
前記第2部分は、前記第1方向から見た場合に前記タイミングホッパの前記下端部と重ならない、請求項1に記載の組合せ計量装置。
【請求項3】
前記シュート本体部の前記上端部は、鉛直方向及び前記第1方向の両方向と交差する第2方向における一方の側の第3部分を更に含み、
前記第3部分の高さは、前記第1部分の高さよりも低く、
前記タイミングホッパは、筒状のホッパ本体部と、前記ホッパ本体部の下側開口に対して開閉するゲートと、を有し、
前記ゲートは、前記ゲートの先端部が前記第1部分と前記壁部材との間を通って前記第3部分に近付くように開く、請求項1又は2に記載の組合せ計量装置。
【請求項4】
前記支持体は、前記第1方向における前記一方の側に延在する1対の支持部材を有し、
前記排出シュートは、前記シュート本体部が前記1対の支持部材の間に配置されている状態で前記1対の支持部材上に載置される取付部を更に有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の組合せ計量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組合せ計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数個所で計量されて供給される物品を集合させる集合シュートと、集合シュートから排出される物品を一時的に蓄積するタイミングホッパと、を備える組合せ計量装置が公知である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような組合せ計量装置では、タイミングホッパの下側に、タイミングホッパから排出される物品を更に排出する排出シュートが設けられる場合がある。そのような場合に、排出シュートを容易に着脱できるように排出シュートをタイミングホッパから離して配置すると、タイミングホッパと排出シュートとの間で物品がこぼれる等、物品の排出の適切化が阻害されるおそれがある。その一方で、排出シュートから物品が適切に排出されるように排出シュートをタイミングホッパに近付けて配置すると、排出シュートの着脱の際にタイミングホッパが邪魔になる等、排出シュートの着脱の容易化が阻害されるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、排出シュートを容易に着脱でき且つ排出シュートから物品が適切に排出される組合せ計量装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の組合せ計量装置は、複数個所で計量されて供給される物品を一時的に蓄積するタイミングホッパと、タイミングホッパから排出される物品を更に排出する排出シュートと、排出シュートを支持する支持体と、支持体に取り付けられた壁部材と、を備え、排出シュートは、筒状のシュート本体部を有し、鉛直方向と交差する第1方向における一方の側から支持体に対して着脱可能であり、シュート本体部の上端部は、第1方向における一方の側の第1部分と、第1方向における他方の側の第2部分と、を含み、第2部分の高さは、第1部分の高さよりも低く、第1部分は、第1方向においてタイミングホッパの下端部と向かい合い、壁部材は、第2部分に沿った状態で、第1方向においてタイミングホッパの下端部と向かい合う。
【0007】
この組合せ計量装置では、排出シュートが、鉛直方向と交差する第1方向における一方の側から支持体に対して着脱可能であり、シュート本体部の上端部において、第1方向における他方の側の第2部分の高さが、第1方向における一方の側の第1部分の高さよりも低い。これにより、排出シュートの着脱の際に、タイミングホッパの下端部とシュート本体部の上端部との物理的な干渉が生じ難くなる。また、排出シュートが支持体に取り付けられている状態では、シュート本体部の第1部分が、第1方向においてタイミングホッパの下端部と向かい合い、壁部材が、シュート本体部の第2部分に沿った状態で、第1方向においてタイミングホッパの下端部と向かい合う。これより、タイミングホッパと排出シュートとの間で物品がこぼれ難くなる。よって、この組合せ計量装置によれば、排出シュートを容易に着脱でき且つ排出シュートから物品が適切に排出される。
【0008】
本発明の組合せ計量装置では、第2部分は、第1方向から見た場合にタイミングホッパの下端部と重ならなくてもよい。これにより、排出シュートの着脱の際に、タイミングホッパの下端部とシュート本体部の上端部との物理的な干渉がより一層生じ難くなる。したがって、排出シュートをより容易に着脱できる。
【0009】
本発明の組合せ計量装置では、シュート本体部の上端部は、鉛直方向及び第1方向の両方向と交差する第2方向における一方の側の第3部分を更に含み、第3部分の高さは、第1部分の高さよりも低く、タイミングホッパは、筒状のホッパ本体部と、ホッパ本体部の下側開口に対して開閉するゲートと、を有し、ゲートは、ゲートの先端部が第1部分と壁部材との間を通って第3部分に近付くように開いてもよい。シュート本体部の上端部において、第3部分の高さが第1部分の高さよりも低いため、排出シュートの軽量化を実現でき、結果として、排出シュートをより容易に着脱できる。また、ゲートの先端部がシュート本体部の第1部分と壁部材との間を通ってシュート本体部の第3部分に近付くようにゲートが開くため、ゲートとシュート本体部の第3部分との間から物品がこぼれるのを抑制できる。
【0010】
本発明の組合せ計量装置では、支持体は、第1方向における一方の側に延在する1対の支持部材を有し、排出シュートは、シュート本体部が1対の支持部材の間に配置されている状態で1対の支持部材上に載置される取付部を更に有してもよい。これにより、1対の支持部材上において排出シュートの取付部を第1方向に沿ってスライドさせることで、タイミングホッパの下端部とシュート本体部の上端部との物理的な干渉を抑制しつつ、排出シュートを容易に着脱できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、排出シュートを容易に着脱でき且つ排出シュートから物品が適切に排出される組合せ計量装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態の組合せ計量装置の模式的な正面図である。
【
図2】
図1に示される組合せ計量装置の模式的な右側面図である。
【
図3】
図1に示される組合せ計量装置の模式的な左側面図である。
【
図4】
図2に示される組合せ計量装置の一部分の拡大図である。
【
図5】
図4に示されるセパレートタイミングホッパ、排出シュート及び壁部材の側面図である。
【
図6】
図5に示されるセパレートタイミングホッパ、支持体及び壁部材の斜視図である。
【
図7】
図4に示される排出シュートの着脱を説明するための図である。
【
図8】
図1に示される組合せ計量装置の効果を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[組合せ計量装置の構成]
【0014】
図1、
図2及び
図3に示されるように、組合せ計量装置1は、分散フィーダ2と、複数の放射フィーダ3と、複数のプールホッパ4と、複数の計量ホッパ5と、複数の集合シュート6と、複数の振分タイミングホッパ7と、複数の中間シュート8と、複数の回収シュート9と、複数のセパレートタイミングホッパ(タイミングホッパ)11と、複数の排出シュート12と、を備える。組合せ計量装置1は、物品(農産物、水産物、加工食品等のように、単体質量にばらつきのある物品)を目標計量値となるように計量して製袋包装機100に供給する。本実施形態では、4つの物品供給系統(第1系統、第2系統、第3系統及び第4系統)が組合せ計量装置1に存在する。
【0015】
分散フィーダ2は、物品を搬送する搬送装置(図示省略)の下側に配置される。分散フィーダ2は、下側に末広がりの円錐状の搬送面21を有する。分散フィーダ2は、搬送面21を振動させることで、搬送装置から搬送面21の頂部に排出される物品を搬送面21の外縁に搬送する。
【0016】
複数の放射フィーダ3は、分散フィーダ2よりも下側において放射状に配置される。複数の放射フィーダ3のうち互いに隣り合う複数の放射フィーダ3Aは、第1系統を構成する。複数の放射フィーダ3のうち互いに隣り合う複数の放射フィーダ3Bは、第2系統を構成する。複数の放射フィーダ3のうち互いに隣り合う複数の放射フィーダ3Cは、第3系統を構成する。複数の放射フィーダ3のうち互いに隣り合う複数の放射フィーダ3Dは、第4系統を構成する。各放射フィーダ3は、トラフ(図示省略)を振動させることで、搬送面21の外縁からトラフの内側端部に排出される物品をトラフの外側端部に搬送する。
【0017】
複数のプールホッパ4は、複数の放射フィーダ3よりも下側において環状に配置される。複数のプールホッパ4のうち互いに隣り合う複数のプールホッパ4Aは、第1系統を構成する。第1系統において、1つのプールホッパ4Aは、1つの放射フィーダ3Aに対応する。複数のプールホッパ4のうち互いに隣り合う複数のプールホッパ4Bは、第2系統を構成する。第2系統において、1つのプールホッパ4Bは、1つの放射フィーダ3Bに対応する。複数のプールホッパ4のうち互いに隣り合う複数のプールホッパ4Cは、第3系統を構成する。第3系統において、1つのプールホッパ4Cは、1つの放射フィーダ3Cに対応する。複数のプールホッパ4のうち互いに隣り合う複数のプールホッパ4Dは、第4系統を構成する。第4系統において、1つのプールホッパ4Dは、1つの放射フィーダ3Dに対応する。各プールホッパ4は、対応する放射フィーダ3から排出される物品を一時的に蓄積する。具体的には、各プールホッパ4は、ゲート(図示省略)を閉じている状態で、対応する放射フィーダ3から排出される物品を蓄積し、その状態からゲートを開くことで、物品を下側に排出する。
【0018】
複数の計量ホッパ5は、複数のプールホッパ4よりも下側において環状に配置される。複数の計量ホッパ5のうち互いに隣り合う複数の計量ホッパ5Aは、第1系統を構成する。第1系統において、1つの計量ホッパ5Aは、1つのプールホッパ4Aに対応する。複数の計量ホッパ5のうち互いに隣り合う複数の計量ホッパ5Bは、第2系統を構成する。第2系統において、1つの計量ホッパ5Bは、1つのプールホッパ4Bに対応する。複数の計量ホッパ5のうち互いに隣り合う複数の計量ホッパ5Cは、第3系統を構成する。第3系統において、1つの計量ホッパ5Cは、1つのプールホッパ4Cに対応する。複数の計量ホッパ5のうち互いに隣り合う複数の計量ホッパ5Dは、第4系統を構成する。第4系統において、1つの計量ホッパ5Dは、1つのプールホッパ4Dに対応する。各計量ホッパ5は、対応するプールホッパ4から排出される物品を一時的に蓄積する。具体的には、各計量ホッパ5は、ゲート(図示省略)を閉じている状態で、対応するプールホッパ4から排出される物品を蓄積し、その状態からゲートを開くことで、物品を下側に排出する。
【0019】
複数の集合シュート6は、複数の計量ホッパ5よりも下側に配置される。1つの集合シュート6Aは、第1系統を構成する。第1系統において、1つの集合シュート6Aは、全ての計量ホッパ5Aに対応する。1つの集合シュート6Bは、第2系統を構成する。第2系統において、1つの集合シュート6Bは、全ての計量ホッパ5Bに対応する。1つの集合シュート6Cは、第3系統を構成する。第3系統において、1つの集合シュート6Cは、全ての計量ホッパ5Cに対応する。1つの集合シュート6Dは、第4系統を構成する。第4系統において、1つの集合シュート6Dは、全ての計量ホッパ5Dに対応する。各集合シュート6は、対応する計量ホッパ5から排出される物品を集合させて、下端部の排出口61から下側に排出する。
【0020】
複数の振分タイミングホッパ7は、複数の集合シュート6よりも下側に配置される。1つの振分タイミングホッパ7Aは、第1系統を構成する。第1系統において、1つの振分タイミングホッパ7Aは、1つの集合シュート6Aに対応する。1つの振分タイミングホッパ7Bは、第2系統を構成する。第2系統において、1つの振分タイミングホッパ7Bは、1つの集合シュート6Bに対応する。1つの振分タイミングホッパ7Cは、第3系統を構成する。第3系統において、1つの振分タイミングホッパ7Cは、1つの集合シュート6Cに対応する。1つの振分タイミングホッパ7Dは、第4系統を構成する。第4系統において、1つの振分タイミングホッパ7Dは、1つの集合シュート6Dに対応する。各振分タイミングホッパ7は、対応する集合シュート6から排出される物品を一時的に蓄積する。具体的には、各振分タイミングホッパ7は、1対のゲート(図示省略)を閉じている状態で、対応する集合シュート6から排出される物品を蓄積し、その状態から1対のゲートのいずれか1つを開くことで、物品を下側に排出する。
【0021】
複数の中間シュート8は、複数の振分タイミングホッパ7よりも下側に配置される。1つの中間シュート8Aは、第1系統を構成する。第1系統において、1つの中間シュート8Aは、1つの振分タイミングホッパ7Aに対応する。1つの中間シュート8Bは、第2系統を構成する。第2系統において、1つの中間シュート8Bは、1つの振分タイミングホッパ7Bに対応する。1つの中間シュート8Cは、第3系統を構成する。第3系統において、1つの中間シュート8Cは、1つの振分タイミングホッパ7Cに対応する。1つの中間シュート8Dは、第4系統を構成する。第4系統において、1つの中間シュート8Dは、1つの振分タイミングホッパ7Dに対応する。各中間シュート8は、対応する振分タイミングホッパ7から排出される物品を更に下側に排出する。具体的には、各中間シュート8は、対応する振分タイミングホッパ7の1対のゲートの一方が開くことで当該振分タイミングホッパ7から排出される物品を更に下側に排出する。
【0022】
複数の回収シュート9は、複数の振分タイミングホッパ7よりも下側に配置される。複数の回収シュート9は、それぞれ、第1系統、第2系統、第3系統及び第4系統を構成する。第1系統において、1つの回収シュート9は、1つの振分タイミングホッパ7Aに対応する。第2系統において、1つの回収シュート9は、1つの振分タイミングホッパ7Bに対応する。第3系統において、1つの回収シュート9は、1つの振分タイミングホッパ7Cに対応する。第4系統において、1つの回収シュート9は、1つの振分タイミングホッパ7Dに対応する。各回収シュート9は、対応する振分タイミングホッパ7から排出される物品を回収ボックス91に排出する。具体的には、各回収シュート9は、対応する振分タイミングホッパ7の1対のゲートの他方が開くことで当該振分タイミングホッパ7から排出される物品を回収ボックス91に排出する。なお、
図2及び
図3においては、回収シュート9及び回収ボックス91の図示を省略する。
【0023】
複数のセパレートタイミングホッパ11は、複数の中間シュート8よりも下側に配置される。1つのセパレートタイミングホッパ11Aは、第1系統及び第2系統を構成する。第1系統及び第2系統において、1つのセパレートタイミングホッパ11Aは、1つの中間シュート8A及び1つの中間シュート8Bに対応する。1つのセパレートタイミングホッパ11Bは、第3系統及び第4系統を構成する。第3系統及び第4系統において、1つのセパレートタイミングホッパ11Bは、1つの中間シュート8C及び1つの中間シュート8Dに対応する。各セパレートタイミングホッパ11は、対応する中間シュート8から排出される物品を一時的に蓄積する。具体的には、各セパレートタイミングホッパ11は、1対のゲート(図示省略)を閉じている状態で、対応する中間シュート8から排出される物品を蓄積し、その状態から1対のゲートのいずれか1つを開くことで、物品を下側に排出する。
【0024】
複数の排出シュート12は、複数のセパレートタイミングホッパ11よりも下側に配置される。1つの排出シュート12Aは、第1系統及び第2系統を構成する。第1系統及び第2系統において、1つの排出シュート12Aは、1つのセパレートタイミングホッパ11Aに対応する。1つの排出シュート12Bは、第3系統及び第4系統を構成する。第3系統及び第4系統において、1つの排出シュート12Bは、1つのセパレートタイミングホッパ11Bに対応する。各排出シュート12は、対応するセパレートタイミングホッパ11から排出される物品を更に下側に排出する。具体的には、各排出シュート12は、対応するセパレートタイミングホッパ11の1対のゲートのいずれか1つが開くことで当該セパレートタイミングホッパ11から排出される物品を更に下側に排出する。各排出シュート12から排出される物品は、製袋包装機100に供給される。
【0025】
組合せ計量装置1では、第1系統、第2系統、第3系統及び第4系統のそれぞれにおいて、各計量ホッパ5に物品が一時的に蓄積される際に、当該物品の質量に応じた計量値が計量される。そして、第1系統、第2系統、第3系統及び第4系統のそれぞれにおいて、複数の計量値から、目標計量値を下限値とする所定範囲内に合計値が収まるように計量値の組合せが選択され、当該組合せに対応する計量ホッパ5から物品が排出される。つまり、第1系統、第2系統、第3系統及び第4系統のそれぞれにおいて、各集合シュート6、各振分タイミングホッパ7、各中間シュート8、各セパレートタイミングホッパ11及び各排出シュート12には、複数個所で計量された物品が供給される。なお、第1系統、第2系統、第3系統及び第4系統のそれぞれにおいて、回収シュート9及び回収ボックス91には、計量値の組合せに不具合のある物品が排出される。
【0026】
組合せ計量装置1は、基台13と、架台14と、を更に備える。基台13は、複数の集合シュート6の少なくとも一部を包囲する。本実施形態では、基台13は、例えば枠状の形状を呈し、複数の集合シュート6の下端部を包囲する。基台13は、分散フィーダ2、複数の放射フィーダ3、複数のプールホッパ4、複数の計量ホッパ5及び複数の集合シュート6を直接的に又は間接的に支持する。基台13内には、組合せ計量装置1の各部の動作を制御する制御部(図示省略)等が収容される。なお、基台13は、枠状の形状を呈するものに限定されず、その一部が切り欠かれた形状を呈するものであってもよい。架台14は、基台13、複数の振分タイミングホッパ7、複数の中間シュート8、複数の回収シュート9、複数のセパレートタイミングホッパ11及び複数の排出シュート12を直接的に又は間接的に支持する。基台13は、1対の支持部材15を介して架台14上に配置される。架台14上には、基台13の周囲において作業者が作業し得るスペースが存在する。
[セパレートタイミングホッパ及び排出シュートの構成]
【0027】
セパレートタイミングホッパ11B及び排出シュート12Bの構成は、セパレートタイミングホッパ11A及び排出シュート12Aの構成と同様であるため、ここでは、セパレートタイミングホッパ11A及び排出シュート12Aの構成について説明し、セパレートタイミングホッパ11B及び排出シュート12Bの構成についての説明を省略する。以下の説明では、鉛直方向をZ軸方向、水平方向の一方向をX軸方向、Z軸方向及びX軸方向に垂直な方向をY軸方向という。
【0028】
図4及び
図5に示されるように、セパレートタイミングホッパ11Aは、1対のホッパ本体部111,112と、1対のゲート113,114と、を有する。1対のホッパ本体部111,112は、Y軸方向において並設される。各ホッパ本体部111,112は、筒状の形状を呈する。ホッパ本体部111には、上側開口111a及び下側開口111bが設けられ、ホッパ本体部112には、上側開口112a及び下側開口112bが設けられる。
【0029】
ホッパ本体部111において、上側開口111aは、中間シュート8Aの下端部の下側において上側に開口し、下側開口111bは、上側開口111aの下側において下側且つ外側(ホッパ本体部112とは反対側)に開口する。ゲート113は、下側開口111bに対して開閉する。具体的には、ゲート113は、ホッパ本体部111に設けられた軸111cを中心としてゲート113の先端部113aがX軸方向に垂直な面内において回動することで、下側開口111bに対して開閉する。ゲート113の開閉のための駆動力は、リンク機構115を介して駆動モータ117から伝達される。
【0030】
ホッパ本体部112において、上側開口112aは、中間シュート8Bの下端部の下側において上側に開口し、下側開口112bは、上側開口112aの下側において下側且つ外側(ホッパ本体部111とは反対側)に開口する。ゲート114は、下側開口112bに対して開閉する。具体的には、ゲート114は、ホッパ本体部112に設けられた軸112cを中心としてゲート114の先端部114aがX軸方向に垂直な面内において回動することで、下側開口112bに対して開閉する。ゲート114の開閉のための駆動力は、リンク機構116を介して駆動モータ118から伝達される。
【0031】
セパレートタイミングホッパ11Aは、中間シュート8Aから排出される物品をホッパ本体部111において一時的に蓄積する。具体的には、セパレートタイミングホッパ11Aは、ゲート113を閉じている状態で、中間シュート8Aから排出される物品をホッパ本体部111において蓄積し、その状態からゲート113を開くことで、ホッパ本体部111から物品を下側に排出する。また、セパレートタイミングホッパ11Aは、中間シュート8Bから排出される物品をホッパ本体部112において一時的に蓄積する。具体的には、セパレートタイミングホッパ11Aは、ゲート114を閉じている状態で、中間シュート8Bから排出される物品をホッパ本体部112において蓄積し、その状態からゲート114を開くことで、ホッパ本体部112から物品を下側に排出する。
【0032】
排出シュート12Aは、シュート本体部121と、取付部123と、を有する。シュート本体部121は、上側に末広がりの筒状の形状を呈する。シュート本体部121には、上側開口121a及び下側開口121bが設けられる。シュート本体部121において、上側開口121aは、セパレートタイミングホッパ11Aの下側において上側に開口し、下側開口121bは、上側開口121aの下側において下側に開口する。シュート本体部121の上端部122は、上側開口121aを画定する。上端部122は、第1部分122aと、第2部分122bと、1対の第3部分122cと、を含む。第1部分122aは、X軸方向(鉛直方向と交差する第1方向)におけるA側(一方の側)の部分である。第2部分122bは、X軸方向におけるB側(他方の側)の部分である。1対の第3部分122cは、Y軸方向(鉛直方向及び第1方向の両方向と交差する第2方向)における両側(一方の側及び他方の側)の部分である。取付部123は、シュート本体部121の上端部122に設けられたフランジ状の部材である。
【0033】
組合せ計量装置1は、支持体18と、壁部材19と、を更に備える。支持体18は、架台14(
図1参照)の下側に配置され、架台14に直接的に又は間接的に取り付けられる。排出シュート12Aは、支持体18によって支持される。排出シュート12Aが支持体18によって支持されている状態で、第2部分122bの高さ(第2部分122bの上端部の位置)及び各第3部分122cの高さ(各第3部分122cの上端部の位置)は、第1部分122aの高さ(第1部分122aの上端部の位置)よりも低い。本実施形態では、排出シュート12Aが支持体18によって支持されている状態で、第2部分122bの高さは、各第3部分122cの高さよりも低い。
【0034】
壁部材19は、支持体18に取り付けられる。壁部材19は、本体部19aと、取付部19bと、を有する。壁部材19は、例えば、金属によって一体的に形成された板状の部材である。壁部材19は、排出シュート12Aの第2部分122bに沿った状態で、X軸方向において排出シュート12Aの第1部分122aと向かい合う。本実施形態では、取付部19bが支持体18に着脱可能に取り付けられ、本体部19aの下端部が第2部分122bの上端部に沿った状態で、本体部19aがX軸方向において第1部分122aと向かい合う。本体部19aの下端部と第2部分122bの上端部との間には、例えば数mm~十数mm程度の隙間が形成される。
【0035】
排出シュート12Aの第1部分122aは、X軸方向においてセパレートタイミングホッパ11Aの下端部11aと向かい合う。壁部材19(詳細には、本体部19a)は、第2部分122bに沿った状態で、X軸方向においてセパレートタイミングホッパ11Aの下端部11aと向かい合う。つまり、セパレートタイミングホッパ11Aの下端部11aは、第1部分122aと壁部材19との間に位置する。本実施形態では、第1部分122a及び壁部材19のそれぞれは、X軸方向から見た場合に、下端部11aを含むように下端部11aと重なる。
【0036】
排出シュート12Aの第2部分122bは、X軸方向から見た場合に、セパレートタイミングホッパ11Aの下端部11aと重ならない。Y軸方向における一方の側の第3部分122cは、Y軸方向から見た場合に、開いたゲート113の先端部113a(
図4における二点鎖線)と重なる。Y軸方向における他方の側の第3部分122cは、Y軸方向から見た場合に、開いたゲート114の先端部114a(
図4における二点鎖線)と重なる。ゲート113は、先端部113aが第1部分122aと壁部材19との間を通って一方の側の第3部分122cに近付くように開く。ゲート114は、先端部114aが第1部分122aと壁部材19との間を通って他方の側の第3部分122cに近付くように開く。
【0037】
図6に示されるように、支持体18は、鉛直部材181と、水平部材182と、1対の支持部材183と、1対の支持部材184と、を有する。鉛直部材181は、Z軸方向に沿って延在し、その上端部において架台14(
図1参照)に直接的に又は間接的に取り付けられる。水平部材182は、Y軸方向に沿って延在し、その中央部において鉛直部材181の下端部と接続される。鉛直部材181におけるA側の表面には、排出シュート12Aの第2部分122bに沿う壁部材19の取付部19bが着脱可能に取り付けられる。鉛直部材181におけるB側の表面には、排出シュート12Bの第2部分122bに沿う壁部材19の取付部19bが着脱可能に取り付けられる。一例として、各壁部材19の取付部19bは、鉛直部材181に設けられたボルトに蝶ナットが螺合することで、鉛直部材181に固定される。
【0038】
1対の支持部材183は、Y軸方向において並設され、X軸方向に沿って水平部材182からA側に延在する。1対の支持部材184は、Y軸方向において並設され、X軸方向に沿って水平部材182からB側に延在する。1対の支持部材183と1対の支持部材184とは、互いに反対側に片寄った状態で水平部材182に接続される。
【0039】
排出シュート12Aは、シュート本体部121が1対の支持部材183の間に配置されている状態で取付部123が1対の支持部材183上に載置されることで、支持体18によって支持される。これにより、排出シュート12Aは、A側から支持体18に対して着脱可能である。一例として、排出シュート12Aの取付部123は、各支持部材183に設けられたボルトに蝶ナットが螺合することで、1対の支持部材183に固定される。
【0040】
排出シュート12Bは、シュート本体部121が1対の支持部材184の間に配置されている状態で取付部123が1対の支持部材184上に載置されることで、支持体18によって支持される。これにより、排出シュート12Bは、B側から支持体18に対して着脱可能である。一例として、排出シュート12Bの取付部123は、各支持部材184に設けられたボルトに蝶ナットが螺合することで、1対の支持部材184に固定される。
[作用及び効果]
【0041】
組合せ計量装置1では、排出シュート12AがA側から支持体18に対して着脱可能であり、シュート本体部121の上端部122において、B側の第2部分122bの高さがA側の第1部分122aの高さよりも低い。これにより、排出シュート12Aの着脱の際に、セパレートタイミングホッパ11Aの下端部11aとシュート本体部121の上端部122との物理的な干渉が生じ難くなる。セパレートタイミングホッパ11B及び排出シュート12Bについても同様に、排出シュート12Bの着脱の際に、セパレートタイミングホッパ11Bの下端部11aとシュート本体部121の上端部122との物理的な干渉が生じ難くなる。また、排出シュート12Aが支持体18に取り付けられている状態では、シュート本体部121の第1部分122aが、X軸方向においてセパレートタイミングホッパ11Aの下端部11aと向かい合い、壁部材19が、シュート本体部121の第2部分122bに沿った状態で、X軸方向においてセパレートタイミングホッパ11Aの下端部11aと向かい合う。これより、セパレートタイミングホッパ11Aと排出シュート12Aとの間で物品がこぼれ難くなる。セパレートタイミングホッパ11B及び排出シュート12Bについても同様に、セパレートタイミングホッパ11Bと排出シュート12Bとの間で物品がこぼれ難くなる。よって、組合せ計量装置1によれば、各排出シュート12A,12Bを容易に着脱でき且つ各排出シュート12A,12Bから物品が適切に排出される。
【0042】
また、組合せ計量装置1では、排出シュート12Aのシュート本体部121の第2部分122bが、X軸方向から見た場合にセパレートタイミングホッパ11Aの下端部11aと重ならない。これにより、排出シュート12Aの着脱の際に、セパレートタイミングホッパ11Aの下端部11aとシュート本体部121の上端部122との物理的な干渉がより一層生じ難くなる。セパレートタイミングホッパ11B及び排出シュート12Bについても同様に、排出シュート12Bの着脱の際に、セパレートタイミングホッパ11Bの下端部11aとシュート本体部121の上端部122との物理的な干渉がより一層生じ難くなる。したがって、各排出シュート12A,12Bをより容易に着脱できる。
【0043】
また、組合せ計量装置1では、排出シュート12Aのシュート本体部121の上端部122において、各第3部分122cの高さが第1部分122aの高さよりも低い。これにより、排出シュート12Aの軽量化を実現でき、結果として、排出シュート12Aをより容易に着脱できる。セパレートタイミングホッパ11B及び排出シュート12Bについても同様に、排出シュート12Bの軽量化を実現でき、結果として、排出シュート12Bをより容易に着脱できる。また、セパレートタイミングホッパ11A及び排出シュート12Aにおいて、ゲート113の先端部113aが第1部分122aと壁部材19との間を通って一方の側の第3部分122cに近付くようにゲート113が開き、ゲート114の先端部114aが第1部分122aと壁部材19との間を通って他方の側の第3部分122cに近付くようにゲート114が開く。これにより、セパレートタイミングホッパ11A及び排出シュート12Aにおいて、ゲート113とシュート本体部121の一方の側の第3部分122cとの間、及びゲート114とシュート本体部121の他方の側の第3部分122cとの間から物品がこぼれるのを抑制できる。セパレートタイミングホッパ11B及び排出シュート12Bについても同様に、ゲート113とシュート本体部121の一方の側の第3部分122cとの間、及びゲート114とシュート本体部121の他方の側の第3部分122cとの間から物品がこぼれるのを抑制できる。
【0044】
また、組合せ計量装置1では、A側に延在する1対の支持部材183の間に排出シュート12Aのシュート本体部121が配置されている状態で、排出シュート12Aの取付部123が1対の支持部材183上に載置される。これにより、
図7の(a)及び(b)に示されるように、1対の支持部材183上において排出シュート12Aの取付部123をX軸方向に沿ってスライドさせることで、セパレートタイミングホッパ11Aの下端部11aとシュート本体部121の上端部122との物理的な干渉を抑制しつつ、排出シュート12Aを容易に着脱できる。セパレートタイミングホッパ11B及び排出シュート12Bについても同様に、1対の支持部材184上において排出シュート12Bの取付部123をX軸方向に沿ってスライドさせることで、セパレートタイミングホッパ11Bの下端部11aとシュート本体部121の上端部122との物理的な干渉を抑制しつつ、排出シュート12Bを容易に着脱できる。
【0045】
ここで、排出シュート12Aによって奏される効果について、比較例の排出シュートを例示して説明する。
図8に示されるように、比較例の排出シュート221は、排出シュート12Aに比べ、セパレートタイミングホッパ11Aから下側に離されて配置される。そのため、セパレートタイミングホッパ11と排出シュート211との物理的な干渉を抑制しつつ、排出シュート221を容易に着脱できる。しかし、比較例の排出シュート221では、セパレートタイミングホッパ11Aと排出シュート221との間で物品がこぼれるおそれがある。そこで、排出シュート221の上側開口221aを大きくすることが考えられる。しかし、排出シュート221の下側開口221bの大きさは、製袋包装機100に合わせる必要があり、且つ、排出シュート221の内面の傾斜角度も、物品のスムーズな滑走のために維持しなければならない。そのため、排出シュート221の上側開口221aを大きくすると、排出シュート221の高さを大きくせざるを得ない。このように、比較例の排出シュート221を用いると、組合せ計量装置の低背化が妨げられる。それに対し、排出シュート12Aによれば、排出シュート12Aの着脱の容易化及び物品の排出の適切化を実現しつつ、組合せ計量装置1の低背化を実現できる。
[変形例]
【0046】
本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した実施形態では、1つの組合せ計量装置1に4つの供給系統が構成されるが、1つの組合せ計量装置1に1つの供給系統が構成されてもよいし、或いは、1つの組合せ計量装置1に5つ以上の供給系統が構成されてもよい。このように、上述した実施形態における数量に関する事項は、上述した例に限定されない。組合せ計量装置1の各構成(例えば、分散フィーダ2から集合シュート6に至る構成)についても、公知の種々の構成を採用ができる。
【0047】
また、各排出シュート12A,12Bのシュート本体部121の上端部122においては、第2部分122bの高さが第1部分122aの高さよりも低ければ、第2部分122bが、X軸方向から見た場合に各セパレートタイミングホッパ11A,11Bの下端部11aと重なってもよい。また、各排出シュート12A,12Bのシュート本体部121の上端部122においては、第2部分122bの高さが第1部分122aの高さよりも低ければ、各第3部分122cの高さが第1部分122aの高さよりも低くなくてもよい。また、セパレートタイミングホッパ11A,11Bに替わりに、種々のタイミングホッパの適用が可能である。
【符号の説明】
【0048】
1…組合せ計量装置、11,11A,11B…セパレートタイミングホッパ(タイミングホッパ)、11a…下端部、12,12A,12B…排出シュート、18…支持体、19…壁部材、113,114…ゲート、113a,114a…先端部、121…シュート本体部、122…上端部、122a…第1部分、122b…第2部分、122c…第3部分、123…取付部、183,184…支持部材。