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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/43 20060101AFI20221024BHJP
   B65D 5/02 20060101ALI20221024BHJP
   B65D 5/42 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
B65D5/43
B65D5/02 J
B65D5/42 E
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019184727
(22)【出願日】2019-10-07
(65)【公開番号】P2021059362
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2021-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】593050091
【氏名又は名称】ジャパンメディック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002996
【氏名又は名称】特許業務法人宮田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 等
(72)【発明者】
【氏名】口田 雛子
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3217753(JP,U)
【文献】実開昭63-007621(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/02-5/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを打ち抜き、組み立てて形成する包装箱であって、
折り込んで対向する第1のフラップ及び第2のフラップと、
前記第1のフラップ及び第2のフラップにかぶせる第1の蓋と、
前記第1の蓋にかぶせる第2の蓋を有し、
前記第1の蓋は包装箱の胴部と連なる根元部の長さよりも、先端部の長さが短い平面視台形状であって、根元部から先端部までの長さは、包装箱の胴部の短手方向の長さと略同一であり、第1のフラップ及び第2のフラップの少なくとも一方に係止する係止部を有し、
該係止部の周縁部と、前記第1のフラップ及び第2のフラップの少なくとも一方の周縁部が交差していて、
前記係止部は、第1の蓋の先端部から根元部方向に形成された、第1の切断線及び第2の切断線の少なくとも一方の切断線で形成していることを特徴とする包装箱。
【請求項2】
前記第1の切断線及び第2の切断線は、第1の蓋の先端部を分割することを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
前記第1の切断線及び第2の切断線は、一方の端が第1の蓋の平面部に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の包装箱。
【請求項4】
前記第1の切断線及び第2の切断線は、第1の蓋を第1のフラップ及び第2のフラップにかぶせた状態で、第2のフラップを平面視したとき、第1の切断線及び第2の切断線の少なくとも一方は、第1のフラップ及び第2のフラップの何れかの端部と交差することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品、薬品及び食品等の包装箱は、包装箱の蓋を接着等することが一般的に行われている。これは、包装箱が購入前に不正に開封されていないことが判別できるようにするためである。
【0003】
例えば、特許文献1には、フラップと蓋を接着剤で接着する不正開封防止箱が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-19771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、フラップ及び蓋は平板状の厚紙を折り曲げて形成されるものであるため、曲げる前の元の状態へ戻ろうとする力が残っている。そのため、輸送途中の振動や保管中の温度変化等によって接着剤の接着力が低下した時に、接着面が剥がれて、蓋が開いてしまうおそれがある。
また、包装箱の材料となる紙がフィルムコーティング等された多層構造である場合、フラップ及び蓋を接着するには、紙とフィルムを接着することになり、紙同士を接着する場合に比べて接着力が低下する。そのため、輸送途中の振動や保管中の温度変化等によって接着剤の接着力が低下した時に、前述のフラップ及び蓋が元に戻ろうとする力によって接着面が剥がれて、蓋が開いてしまうおそれがより大きくなる。
さらに、フラップ及び蓋を接着する接着剤の接着力よりも、紙とフィルムの間の吸着力が弱い場合には、輸送途中の振動や温度変化等によって当該吸着力が低下した時に、前述のフラップ及び蓋が元に戻ろうとする力によってフィルムが剥がれて、蓋が開いてしまうおそれがある。
【0006】
本願発明は、上記実情に鑑み、フラップ及び蓋の接着力が低下したり、紙とフィルムの間の吸着力が低下したりしても、蓋が開きにくい包装箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明にかかる包装箱は、シートを打ち抜き、組み立てて形成する包装箱であって、折り込んで対向する第1のフラップ及び第2のフラップと、前記第1のフラップ及び第2のフラップにかぶせる第1の蓋と、前記第1の蓋にかぶせる第2の蓋を有し、前記第1の蓋は包装箱の胴部と連なる根元部の長さよりも、先端部の長さが短い平面視台形状であって、根元部から先端部までの長さは、包装箱の胴部の短手方向の長さと略同一であり、第1のフラップ及び第2のフラップの少なくとも一方に係止する係止部を有し、該係止部の周縁部と、前記第1のフラップ及び第2のフラップの少なくとも一方の周縁部が交差していて、前記係止部は、第1の蓋の先端部から根元部方向に形成された、第1の切断線及び第2の切断線の少なくとも一方の切断線で形成している
【0010】
例えば、本発明に係る包装箱は、前記第1の切断線及び第2の切断線は、第1の蓋の先端縁部を分割する。
【0011】
例えば、本発明に係る包装箱は、前記第1の切断線及び第2の切断線は、一方の端が第1の蓋の平面部に形成されている。
【0012】
例えば、本発明に係る包装箱は、前記第1の切断線及び第2の切断線は、第1の蓋を第1のフラップ及び第2のフラップにかぶせた状態で、第2のフラップを平面視したとき、第1の切断線及び第2の切断線の少なくとも一方は、第1のフラップ及び第2のフラップの何れかの端部と交差する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、第1のフラップ及び第2のフラップにかぶせた第1の蓋の係止部を、第1のフラップ及び第2のフラップの少なくとも一方に係止することで、第1のフラップ、第2のフラップ及び第1の蓋が元の状態に戻ろうとする力を抑え込む。その結果、フラップ及び蓋の接着力が低下したり、紙とフィルムの間の吸着力が低下したりしても、蓋が開きにくい包装箱を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態1にかかる包装箱の展開図
図2】本発明の実施の形態1にかかる包装箱の(A)~(F)の順に組立方法を示した斜視図
図3】本発明の実施の形態2にかかる包装箱の展開図
図4】本発明の実施の形態2にかかる包装箱の(A)~(F)の順に組立方法を示した斜視図
図5】本発明の実施の形態3にかかる舗装箱の展開図
図6】本発明の実施の形態3にかかる包装箱の(A)~(F)の順に組立方法を示した斜視図
図7】本発明の実施の形態4にかかる包装箱の展開図
図8】本発明の実施の形態4にかかる包装箱の(A)~(E)の順に組立方法を示した斜視図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態にかかる包装箱について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
(実施の形態1)
本実施の形態1に係る包装箱1は、紙、コーティング紙、フィルム等の原紙を、抜き型、レーザー等による加工を行ってブランクシート100を形成し、接着剤を用いながら組み立てて、四角柱状に形成するものである。ブランクシート100は、図1の展開図に示すように、四角柱の4つの側面を形成する胴部42、43、44及び45が折線を介して連なって形成されている。胴部42の、胴部43とは反対側に、胴部45の内側面に接着する糊代41が折線を介して形成されている。
【0017】
胴部42及び胴部44の短手方向長さは同一であり、胴部43及び胴部45の短手方向長さは同一である。
【0018】
胴部42の長手方向の両側端部に、第1の蓋20が折線を介して形成されている。胴部43の長手方向の両側端部に、第1のフラップ11が折線を介して形成されている。胴部44の長手方向の両側端部に、第2の蓋30が折線を介して形成されている。胴部45の長手方向の両側端部に、第2のフラップ12が折線を介して形成されている。
【0019】
胴部42~45のそれぞれ両側に形成された第1のフラップ11、第2のフラップ12、第1の蓋20及び第2の蓋30は、それぞれ対称形状であるので、以降、それぞれ片側のフラップ及び蓋(図1における上側)について説明をする。
【0020】
第1のフラップ11の、胴部43の長手方向の端部から第1のフラップ11周縁部13までの長さは、胴部42の短手方向の長さの1/2よりも小さい。第2のフラップ12の、胴部45の長手方向の端部から第2のフラップ12の周縁部14までの長さは、胴部42の短手方向長さの1/2よりも小さい。つまり、第1のフラップ11及び第2のフラップ12を内側に折り込んだ時に、周縁部13と周縁部14は重なったり接触したりすることは無い。
【0021】
第1の蓋20は、胴部42と連なる根元部の長さよりも、先端部の長さが短い台形形状に形成されている。第1の蓋20の根元部から先端部までの長さは、胴部43の短手方向の長さと略同一である。
【0022】
第1の蓋20の先端部に、係止部21が形成されている。係止部21は、第1の蓋20の先端部と同一直線上にある先端部25と、第1の蓋20と共有される第1の切断線である切込23によって形成される周縁部及び第2の切断線である切込24によって形成される周縁部で形成されている。先端部25の長さは、折り込んだ状態の第1のフラップ11の周縁部13と第2のフラップ12の周縁部14の間の距離よりも大きい。第1の蓋20の平面部上にある切込23と切込24の端部の間の距離は、折り込んだ第1のフラップ11の周縁部13と第2のフラップ12の周縁部14の間の距離よりも小さい。また、第1のフラップ11及び第2のフラップ12を内側に折り込み、それらの上に第1の蓋20をかぶせた時に、第1の蓋20を平面視する方向から観察すると、切込23により形成される係止部21の周縁部はその内側にある第2のフラップ12の周縁部14と交差し、切込24により形成される係止部21の周縁部はその内側にある第1のフラップ11の周縁部13と交差する。
【0023】
第1の蓋20の、根元部近傍に、コの字形状の差込切込22が形成されている。当該コの字形状は第1の蓋20の先端部方向に開いている。コの字形状の第1の蓋20の根元部と平行な方向の長さは、後述する第2の蓋30が有する差込部31の、第2の蓋30の先端部と平行な方向の長さよりも大きい。
【0024】
第2の蓋30は、胴部44と連なる根元部の長さよりも、先端部の長さが短く略台形形状に形成されている。第2の蓋30の根元部から先端部までの長さは、胴部43の短手方向長さと略同一である。
【0025】
第2の蓋30の先端部中心位置に、舌片状の差込部31が形成されている。差込部31は、第2の蓋30の先端部の周縁部から、根元部方向に形成された切込によって形成され、差込部31の両外側にあたる第2の蓋30の先端部の角部は、差込部31に向かって丸められている。
【0026】
次に、本実施の形態1に係る包装箱1を組み立てる工程について、図示しながら説明する。図2(A)~図2(E)は、包装箱1の片側の端部を組み立てる工程に従って、順に示すものである。
【0027】
ブランクシート100の糊代41を胴部45の内側面に接着した後、形を整えると、図2(A)に示すように、断面長方形の筒状の胴部の端に、第1のフラップ11、第2のフラップ12、第1の蓋20及び第2の蓋30が、それぞれが連なる胴部と同一な面で突出している。
【0028】
まず、第1のフラップ11及び第2のフラップ12を、図2(B)に示すように、それぞれの根元部にある折線に従って、内側に直角に折り曲げる。第1のフラップ11及び第2のフラップ12の長さは、胴部42の短手方向の1/2よりも短いため、第1のフラップ11と第2のフラップ12の間には隙間が生じる。
【0029】
次に、第1の蓋20を、図2(C)に示すように、折り曲げた第1のフラップ11及び第2のフラップ12にかぶせるように、根元部の折線に従って、内側に直角に折り曲げる。このとき、係止部21の、先端部25と切込23による角部は、第2のフラップ12の上にあり、先端部25と切込24による角部は、第1のフラップ11の上にある。
【0030】
次に、第1の蓋20の係止部21を、図2(D)に示すように、内部に押し込む。押し込まれた係止部21の、先端部25と切込23による角部は、第2のフラップ12の内側に潜り込む。先端部25と切込24による角部は、第1のフラップ11の内側に潜り込む。係止部21の根元部は、第1のフラップ11及び第2のフラップ12とは接触しない位置に在り、切込23の途中の位置で周縁部14と交差し、切込24の途中の位置で周縁部13と交差する。これによって、切込24と切込23の途中の位置で、係止部21は、第1のフラップ11の周縁部13及び第2のフラップの周縁部14に係止する。このように係止することで、第1のフラップ11、第2のフラップ12及び第1の蓋20が、元の状態、すなわち図2(A)の状態に戻ろうとすることを抑え込む。
【0031】
次に、第2の蓋30を、図2(E)に示すように、第1の蓋20にかぶせるように、根元部の折線に従って、内側に直角に折り曲げる。その後、第2の蓋30の差込部31の先端を内側に押し込み、さらに、第1の蓋20の差込切込22のコの字形状の内側も箱の内側に押し込み、差込切込22が押し込まれて生じた隙間に、差込部31を挿入して、図2(F)に示す状態にする。このように、第1の蓋20と第2の蓋30が差込部31と差込切込22によって係止されることで、第2の蓋30が、元の状態、すなわち図2(B)の状態に戻ろうとすることを抑え込む。なお、第1の蓋20の外側面と第2の蓋30の内側面は、接着剤によって固定される。
【0032】
なお、本実施の形態1では、係止部21が第1のフラップ11及び第2のフラップ12の両方に係止する形態を説明したが、第1のフラップ11、第2のフラップ12、第1の蓋20及び第2の蓋30の元に戻ろうとする力が弱い場合は、係止部21が第1のフラップ11又は第2のフラップ12のいずれかに係止することで、第1のフラップ11、第2のフラップ12、第1の蓋20及び第2の蓋30の元に戻ろうとする力を抑え込む。
【0033】
以上によって、本実施の形態1に係る包装箱1の、片側の組立が完了する。なお、もう一方の組立も、同様の工程で行われる。
【0034】
(実施の形態2)
本実施の形態に係る包装箱2は、図3に示すブランクシート200を組み立てて形成される。包装箱2は、実施の形態1の包装箱1とは、第1の蓋のみが異なる。図3のブランクシート200は、実施の形態1のブランクシート100と同一の部分について、ブランクシート100と同一の番号を付し、異なる部分について、異なる番号を付してある。以下に、異なる部分について説明し、同一の部分については説明を省略する。
【0035】
第1の蓋120は、図3に示すように、略凸型形状をしており、その突出部が係止部121である。係止部121は、先端部125、周縁部123及び周縁部124を有する。先端部125の長さは、折り込んだ状態の第1のフラップ11の周縁部13と第2のフラップ12の周縁部14との間の距離よりも大きい。周縁部123の根元側端部と周縁部124の根元側端部との間の距離は、折り込んだ第1のフラップ11の周縁部13と第2のフラップ12の周縁部14の間の距離よりも小さい。また、第1のフラップ11及び第2のフラップ12を内側に折り込み、それらの上に第1の蓋120をかぶせた時に、第1の蓋120を平面視する方向から観察すると、周縁部123は、その内側にある第2のフラップ12の周縁部14と交差し、周縁部124は、その内側にある第1のフラップ11の周縁部13と交差する。
【0036】
次に、第1の蓋120部分を組み立てる工程について説明する。図4(B)に示すように、第1のフラップ11及び第2のフラップ12が、それぞれの根元部にある折線に従って、内側に直角に折り曲げられた後に、図4(C)に示すように、第1の蓋120を、第1のフラップ11及び第2のフラップ12にかぶせるように、根元部の折線に従って、内側に直角に折り曲げる。このとき、係止部121の、先端部125と周縁部124による角部は、第1のフラップ11の上にあり、先端部125と周縁部123による角部は、第2のフラップ12の上にある。
【0037】
次に、図4(D)に示すように、係止部121を、内部に押し込む。押し込まれた係止部121の、先端部125と周縁部124による角部は、第1のフラップ11の下に潜り込む。先端部125と周縁部123による角部は、第2のフラップ12の下に潜り込む。係止部121の根元部は、第1のフラップ11及び第2のフラップ12とは接触しない位置に在り、周縁部123の途中で周縁部14と交差し、周縁部124の途中で周縁部13と交差する。これによって、周縁部123と周縁部124の途中の位置で、係止部121は、第1のフラップ11の周縁部13と第2のフラップ12の周縁部14に係止する。このように係止することで、第1のフラップ11、第2のフラップ12及び第1の蓋120が、元の状態に戻ろうとすることを抑え込む。
【0038】
次に、第2の蓋30を、第1の蓋120にかぶせるように、根元部の折線に従って、内側に直角に折り曲げる。その後の工程は実施の形態1と同様であるため、省略する。
【0039】
なお、本実施の形態2では、係止部121が第1のフラップ11及び第2のフラップ12の両方に係止する形態を説明したが、第1のフラップ11、第2のフラップ12、第1の蓋120及び第2の蓋30の元に戻ろうとする力が弱い場合は、係止部121が第1のフラップ11又は第2のフラップ12のいずれかに係止することで、第1のフラップ11、第2のフラップ12、第1の蓋120及び第2の蓋30の元に戻ろうとする力を抑え込む。
【0040】
(実施の形態3)
本実施の形態3に係る包装箱3は、図5に示すブランクシート300を組み立てて形成される。包装箱3は、実施の形態1の包装箱1とは、第2の蓋のみが異なる。図5のブランクシート300は、実施の形態1のブランクシート100と同一の部分について、ブランクシート100と同一の番号を付し、異なる部分について、異なる番号を付してある。以下に、異なる部分について説明し、同一の部分については説明を省略する。
【0041】
第2の蓋230は、図5に示すように、胴部44と連なる根元部を略円形の直径とした、略半円形状に形成されている。半円外周の先端中心部分に、差込部231が形成されている。差込部231の根元は、第2の蓋230に食い込んで形成されている。
【0042】
次に、第2の蓋230部分を組み立てる工程について説明する。図6(B)に示すように、第1のフラップ11及び第2のフラップ12を折曲げ、図6(C)に示すように、それらの上に第1の蓋20をかぶせ、図6(D)に示すように、係止部21を内側に押し込んだ後に、第2の蓋230を、図6(E)に示すように、第1の蓋20にかぶせるように、根元部の折線に従って、内側に直角に折り曲げる。その後、第2の蓋230の差込部231の先端部を内側に押し込み、さらに、第1の蓋20の差込切込22のコの字形状の内側も箱の内側に押し込み、差込切込22が押し込まれて生じた隙間に、図6(F)に示すように、差込部231を挿入する。第1の蓋20と第2の蓋230が差込部231と差込切込22によって係止されることで、第2の蓋230が、元の状態に戻ろうとすることを抑え込む。なお、第1の蓋20の外側面と第2の蓋230の内側面は、接着剤によって固定される。以上によって、本実施の形態3に係る包装箱3の、片側の組立が完了する。なお、もう一方の組立も、同じ工程で行われる。
【0043】
なお、本実施の形態3では、係止部21が第1のフラップ11及び第2のフラップ12の両方に係止する形態を説明したが、第1のフラップ11、第2のフラップ12、第1の蓋20及び第2の蓋230の元に戻ろうとする力が弱い場合は、係止部21が第1のフラップ11又は第2のフラップ12のいずれかに係止することで、第1のフラップ11、第2のフラップ12、第1の蓋20及び第2の蓋230の元に戻ろうとする力を抑え込む。
【0044】
(実施の形態4)
本実施の形態4に係る包装箱4は、紙、コーティング紙、フィルム等の原紙を、抜き型、レーザー等による加工を行ってブランクシート400を形成し、接着剤を用いながら組み立てて、四角柱状に形成するものである。ブランクシート400は、図7の展開図に示すように、四角柱の4つの側面を形成する胴部342、343、344及び345が折線を介して連なって形成されている。胴部342の、胴部343とは反対側に、胴部345の内側面に接着する糊代341が折線を介して形成されている。
【0045】
胴部342及び胴部344の短手方向長さは同一であり、胴部343及び胴部345の短手方向長さは同一である。
【0046】
胴部342の長手方向の両側端部に、第2の蓋330が折線を介して形成されている。胴部343の長手方向の両側端部に、第2のフラップ312が折線を介して形成されている。胴部344の長手方向の両側端部に、第1の蓋320が折線を介して形成されている。胴部345の長手方向の両側端部に、第1のフラップ311が折線を介して形成されている。
【0047】
胴部342~345のそれぞれ両側に形成された第1のフラップ311、第2のフラップ312、第1の蓋320及び第2の蓋330は、それぞれ対称形状であるので、以降、それぞれ片側のフラップ及び蓋(図5における上側)について説明をする。
【0048】
第1のフラップ311の、胴部345の長手方向の端部から端部315までの長さは、胴部344の短手方向の長さの1/2よりも大きい。胴部345の長手方向の端部から周縁部313までの長さは、胴部344の短手方向の長さの1/2よりも小さい。第2のフラップ312の、胴部343の長手方向の端部から端部316までの距離は、胴部344の短手方向長さの1/2よりも大きい。胴部343の長手方向の端部から周縁部314までの距離は、胴部344の短手方向長さの1/2よりも小さい。つまり、第1のフラップ311及び第2のフラップ312を内側に折り込んだ時に、端部315と端部316は重なり合い、周縁部313と周縁部314は重なったり接触したりすることは無い。
【0049】
第1の蓋320は、図7に示すように、先端部325の長さが根元部よりも短く、先端部325よりも根元側に、先端部325の長さよりも狭いくびれを有する形状に形成されている。
【0050】
係止部321は、第1の蓋320の先端部325と周縁部323と周縁部324とを有する。先端部325の長さは、折り込んだ状態での周縁部313と周縁部314の間の距離よりも大きい。係止部321のくびれ部の長さは、折り込んだ状態の周縁部313と周縁部314の間の距離よりも小さい。また、第1のフラップ311及び第2のフラップ312を内側に折り込み、それらの上に第1の蓋320をかぶせた時に、第1の蓋320を平面視する方向から観察すると、周縁部323はその内側にある第2のフラップ312の周縁部314と交差し、周縁部324はその内側にある第1のフラップ311の周縁部313と交差する。
【0051】
第2の蓋330は、胴部342と連なる根元部の長さよりも、先端部の長さが短く台形形状に形成されている。第2の蓋330の根元部から先端部までの長さは、胴部343の短手方向長さと略同一である。
【0052】
次に、本実施の形態4に係る包装箱4を組み立てる工程について、図示しながら説明する。図8(A)~図8(E)は、包装箱4の片側の端部を組み立てる工程に従って、順に示すものである。
【0053】
ブランクシート400の糊代341を胴部345の内側面に接着した後、形を整えると、図8(A)に示すように、断面長方形の筒状の胴部の端に、第1のフラップ311、第2のフラップ312、第1の蓋320及び第2の蓋330が、それぞれが連なる胴部と同一な面で突出している。
【0054】
まず、第1のフラップ311及び第2のフラップ312を、図8(B)に示すように、それぞれの根元部にある折線に従って、内側に直角に折り曲げる。端部315及び端部316は、重なり合う。周縁部313と周縁部314との間には隙間が生じる。
【0055】
次に、第1の蓋320を、図8(C)に示すように、折り曲げた第1のフラップ311及び第2のフラップ312にかぶせるように、根元部の折線に従って、内側に直角に折り曲げる。このとき、係止部321の、先端部325と周縁部323による角部は、第2のフラップ312の上にあり、先端部325と周縁部324による角部は、第1のフラップ311の上にある。
【0056】
次に、第1の蓋320の係止部321を、図8(D)に示すように、内部に押し込む。押し込まれた係止部321の、先端部325と周縁部323による角部は、第2のフラップ312の内側に潜り込む。先端部325と周縁部324による角部は、第1のフラップ311の内側に潜り込む。係止部321の根元部側のくびれ部は、第1のフラップ311及び第2のフラップ312とは接触しない位置に在り、周縁部323の途中の位置で周縁部314と交差し、周縁部324の途中の位置で周縁部313と交差する。これによって、周縁部324と周縁部323の途中の位置で、係止部321は、第1のフラップ311の周縁部313と第2のフラップの周縁部314に係止する。このように係止することで、第1のフラップ311、第2のフラップ312及び第1の蓋320が、元の状態に戻ろうとすることを抑え込む。
【0057】
次に、第2の蓋330を、図8(E)に示すように、第1の蓋320にかぶせるように、根元部の折線に従って、内側に直角に折り曲げる。なお、第1の蓋320の外側面と第2の蓋330の内側面は、接着剤によって固定される。
【0058】
なお、本実施の形態4では、係止部321が第1のフラップ311及び第2のフラップ312の両方に係止する形態を説明したが、第1のフラップ311、第2のフラップ312、第1の蓋320及び第2の蓋330の元に戻ろうとする力が弱い場合は、係止部321が第1のフラップ311又は第2のフラップ312のいずれかに係止することで、第1のフラップ311、第2のフラップ312、第1の蓋320及び第2の蓋330の元に戻ろうとする力を抑え込む。
【0059】
以上によって、本実施の形態4に係る包装箱4の、片側の組立が完了する。なお、もう一方の組立も、同じ工程で行われる。
【0060】
以上説明したように、本願発明の包装箱によれば、折り込んだ第1のフラップ及び第2のフラップに、第1の蓋の係止部を係止することで、第1のフラップ及び第2のフラップと第1の蓋が元の状態に戻ろうとする力を抑え込むので、第1の蓋と第2の蓋の間に配した接着剤の接着力が低下したり、コーティング紙の紙とフィルムの間の吸着力が低下したりしても、包装箱の蓋が開きにくい包装箱を提供することが出来る。
【0061】
また、包装箱の材料となる厚紙やフィルム等の原紙の特性によっては、第1のフラップ又は第2のフラップのどちらか一方に係止する構成としても、第1のフラップ及び第2のフラップと第1の蓋が元の状態に戻ろうとする力を抑え込むので、第1の蓋と第2の蓋の間に配した接着剤の接着力が低下したり、コーティング紙の紙とフィルムの間の吸着力が低下したりしても、包装箱の蓋が開きにくい包装箱を提供することが出来る。
【0062】
さらに、本実施の形態1~3で説明したように、第2の蓋に形成された差込部を第1の蓋に形成された差込切込に挿入して、第1の蓋と第2の蓋を係止することで、さらに第1のフラップ、第2のフラップ、第1の蓋及び第2の蓋が元の状態に戻ろうとする力を、より強く抑え込むので、第1の蓋と第2の蓋の間に配した接着剤の接着力が低下したり、コーティング紙の紙とフィルムの間の吸着力が低下したりしても、包装箱の蓋が開きにくい包装箱を提供することが出来る。
【0063】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0064】
11、311 第1のフラップ
12、312 第2のフラップ
13、14、125 周縁部
20、120、320 第1の蓋
21、121、321 係止部
23 切込(第1の切断線)
24 切込(第2の切断線)
30、230、330 第2の蓋
31、231 差込部
42、43、44、45 胴部
123、124 周縁部


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8