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特許7162900アルゴンビーム機能を有する単極電気外科用ペンシル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】アルゴンビーム機能を有する単極電気外科用ペンシル
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20221024BHJP
【FI】
A61B18/14
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019548460
(86)(22)【出願日】2018-03-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-26
(86)【国際出願番号】 US2018020953
(87)【国際公開番号】W WO2018165042
(87)【国際公開日】2018-09-13
【審査請求日】2021-03-01
(31)【優先権主張番号】15/450,011
(32)【優先日】2017-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508311248
【氏名又は名称】アイ.シー. メディカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コスメスク,イアン
【審査官】二階堂 恭弘
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-508847(JP,A)
【文献】特公昭61-28339(JP,B2)
【文献】特開平01-195850(JP,A)
【文献】米国特許第04862890(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第00280798(EP,A1)
【文献】特開2001-079017(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシルであって、
第1および第2の端部を有する、チャネルを備えるハンドピース部材と、
前記チャネル内に収容された第1の非導電性中空管と、
前記チャネル内に収容された導電性中空管と、
第1および第2の端部を有する中空伸縮部材であって、前記中空伸縮部材の前記第2の端部が前記ハンドピース部材内に収容されている中空伸縮部材と、
前記第1の非導電性中空管と摺動自在に係合する第2の非導電性中空管であって、前記中空伸縮部材内に収容された第2の非導電性中空管と、
前記中空伸縮部材および前記導電性中空管の少なくとも一部内に収容された中実導電性円筒部材と、
前記中空伸縮部材の前記第1の端部内に配置された電気外科用ブレードアセンブリであって、対向する細長い縁部を備える対向する平坦側部および鋭利な切断端を有する非導電性平坦部材、前記対向する平坦側部のうちの少なくとも1つの側部に位置する導電層であって、前記非導電性平坦部材の前記対向する細長い縁部のうちの少なくとも1つに隣接する導電層、ならびに内部に収容された中空筒状開口および内部に収容されたスロットを有する非導電性管状部材であって、前記スロットが前記導電層の少なくとも一部の上に配置されており、前記第2の非導電性中空管が前記非導電性管状部材に接続されている非導電性管状部材を含む、電気外科用ブレードアセンブリとを備える、単極伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項2】
前記非導電性管状部材における前記スロットが、前記電気外科用ブレードアセンブリの前記非導電性平坦部材の前記対向する平坦側部の少なくとも一部の上にも配置されている、請求項1に記載の単極伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項3】
前記非導電性管状部材の前記中空筒状開口が、前記中空筒状開口を通して供給された不活性ガスが前記電気外科用ブレードアセンブリの前記導電層の少なくとも一部と接触することになるように配置されている、請求項1に記載の単極伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項4】
前記第1の非導電性中空管および前記導電性中空管を前記ハンドピース部材の前記チャネル内に保持するための少なくとも1つの支持部材をさらに備える、請求項1に記載の単
極伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項5】
前記第2の非導電性中空管および前記中実導電性円筒部材を前記中空伸縮部材内に保持するための少なくとも1つの支持部材をさらに備える、請求項1に記載の単極伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項6】
前記ハンドピース部材の前記第2の端部に接続された回転部材をさらに備える、請求項1に記載の単極伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項7】
前記電気外科用ブレードアセンブリの前記非導電性管状部材がセラミックを含む、請求項1に記載の単極伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項8】
前記電気外科用ブレードアセンブリの前記非導電性平坦部材がセラミックを含む、請求項1に記載の単極伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項9】
前記電気外科用ブレードアセンブリの前記非導電性管状部材の少なくとも一部が、前記中空伸縮部材の前記第1の端部の外側に配置されている、請求項1に記載の単極伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項10】
前記導電性中空管がその外面上に絶縁体を含む、請求項1に記載の単極伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項11】
前記電気外科用ブレードアセンブリの前記導電層が、前記非導電性平坦部材の前記対向する平坦側部のうちの1つまたは複数に位置する閉ループ状部分を形成する、請求項1に記載の単極伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項12】
前記導電層が、前記非導電性平坦部材の対向する平坦側部の両方の上にあり、前記対向する平坦側部のそれぞれに位置する前記細長い閉ループ状部分を結合するように前記対向する平坦側部のそれぞれの前記対向する細長い縁部の一部を被覆する、請求項11に記載の単極伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項13】
アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシルであって、
第1および第2の端部を有する、チャネルを備えるハンドピース部材と、
前記チャネル内に収容された第1の非導電性中空管と、
第1および第2の端部を有する中空伸縮部材であって、前記中空伸縮部材の前記第2の端部が前記ハンドピース部材内に収容されている中空伸縮部材と、
前記第1の非導電性中空管と摺動自在に係合する第2の非導電性中空管であって、前記中空伸縮部材内に収容された第2の非導電性中空管と、
前記中空伸縮部材の前記第1の端部内に配置された電気外科用ブレードアセンブリであって、前記電気外科用ブレードアセンブリは、対向する細長い縁部を備える対向する平坦側部および鋭利な切断端を有する非導電性平坦部材、前記対向する平坦側部のうちの少なくとも1つの側部に位置する導電層であって、前記非導電性平坦部材の前記対向する細長い縁部のうちの少なくとも1つに隣接する導電層、ならびに内部に収容された中空筒状開口および内部に収容されたスロットを有する非導電性管状部材であって、前記スロットが前記導電層の少なくとも一部の上に配置されており、前記単極伸縮電気外科用ペンシルの前記第2の非導電性中空管が、前記電気外科用ブレードアセンブリの前記非導電性管状部材に接続されている非導電性管状部材を含む、電気外科用ブレードアセンブリとを備える、単極伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項14】
前記非導電性管状部材における前記スロットが、前記電気外科用ブレードアセンブリの
前記非導電性平坦部材の前記対向する平坦側部の少なくとも一部の上にも配置されている、請求項13に記載の単極伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項15】
前記非導電性管状部材の前記中空筒状開口が、前記中空筒状開口を通して供給された不活性ガスが前記電気外科用ブレードアセンブリの前記導電層の少なくとも一部と接触することになるように配置されている、請求項13に記載の単極伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項16】
前記第1の非導電性中空管を前記ハンドピース部材の前記チャネル内に保持するための少なくとも1つの支持部材をさらに備える、請求項13に記載の単極伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項17】
前記第2の非導電性中空管を前記伸縮部材内に保持するための少なくとも1つの支持部材をさらに備える、請求項13に記載の単極伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項18】
前記導電層が、前記非導電性平坦部材の前記対向する細長い縁部のうちの少なくとも1つの少なくとも一部をさらに被覆する、請求項13に記載の単極伸縮電気外科用ペンシル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年3月5日出願の米国特許出願第15/450,011号の優先権を主張する。本出願はまた、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2016年5月5日出願の特許出願第15/147,730号および2016年7月15日出願の仮特許出願第62/362,968号にも関する。
【0002】
本発明は一般に、アルゴンビーム機能を有する電気外科用ペンシルを含む電気外科用ペンシルを対象とする。より詳細には、本発明は、アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシルであって、第1および第2の端部を有する、チャネルを備えるハンドピース部材と、チャネル内に収容された第1の非導電性中空管およびチャネル内に収容された導電性中空管と、第1および第2の端部を有する中空伸縮部材であって、中空伸縮部材の第2の端部がハンドピース部材内に収容されている中空伸縮部材と、第1の非導電性中空管と摺動自在に係合する第2の非導電性中空管であって、中空伸縮部材内に収容された第2の非導電性中空管と、中空伸縮部材および導電性中空管の少なくとも一部内に収容された中実導電性円筒部材と、中空伸縮部材の第1の端部内に配置された電気外科用ブレードアセンブリであって、対向する細長い縁部を備える対向する平坦側部および鋭利な切断端を有する非導電性平坦部材、対向する平坦側部のうちの少なくとも1つに位置する導電
層であって、非導電性平坦部材の対向する細長い縁部のうちの少なくとも1つに隣接する導電層、ならびに中空筒状開口およびスロットを有する非導電性管状部材であって、スロットが導電層の少なくとも一部の上に配置されており、第2の非導電性中空管が非導電性管状部材に接続されている非導電性管状部材を含む、電気外科用ブレードアセンブリとを含む、単極伸縮電気外科用ペンシルに関する。
【背景技術】
【0003】
典型的な電気外科用ペンシルは、電気外科手術中に切断および凝固を行うためのアクティブ電極、ならびに患者の皮膚への取付けのための接着剤を通常含むリターン電極として機能する、電極ブレードを使用する。電気外科用ペンシルが作動されると、アクティブ電極とリターン電極との間の距離がかなり大きい状態で、RFエネルギがアクティブ電極から患者の身体を通ってリターン電極に循環する。電気外科手術は、RF発生器、および電極を備えるハンドピースを使用して、機能、すなわち凝固か切断かに応じて様々な電圧(2000~10,000ボルト)で高周波交流無線周波(RF)電流の入力を与える。切断では、連続RF高電圧伝導から発生した熱が、組織細胞の小さい部分を気化および破裂させる蒸気ポケットを生成することができ、その結果、切開が行われる。発生した熱のために、組織への側方損傷が大きく、組織壊死の可能性が高い。凝固では、電圧は通常、切断モードよりも低く、より遅い加熱プロセスがより少ない熱をもたらす。その結果、蒸気ポケットは形成されず、したがって組織は大部分が無傷のままであるが、細胞および血管が接触点で破壊され封止される。
【0004】
電気外科手術中にアルゴンビーム凝固器を用いることも一般的である。アルゴンビーム凝固(ABC)では、イオン化アルゴンガス(プラズマ)の有向ビームによって組織にプラズマが印加されて、均一で浅い凝固表面を生じ、それによって失血を止める。しかし、イオン化アルゴンガスの利用を用いて、アルゴンビームで強化された切断も行い得る。
【0005】
現在のところ、電気外科手術は切断のための最良の方法であることが多く、アルゴンビーム凝固は手術中の出血停止のための最良の方法であることが多い。外科医は、通常、手
術中に起きていること、また手術部位における切断、または組織の切開、または止血など、手術の特定の時点で達成する必要があることに応じて、アルゴンビーム凝固モードと電気外科手術モードとを切り替える必要がある。
【0006】
しかし、外科医が現在利用可能な外科用器具および装置は、これらの2つの方法を外科的処置中に切り替えることを必要とするので、外科医または使用者が、手術部位における切断および出血停止に用いられる最良の方法を、これらを別々に用いることができることに加えて、一緒に、または同時に利用することを可能とする外科用装置または器具が必要である。切断のための鋭利な縁部を備える電気外科用ブレード、ならびにカプセル化のためのRFおよびアルゴンビーム機能を有する、アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシルが、この必要性を満たすことになる。本発明に関して説明する単極伸縮電気外科用ペンシルは、使用者または外科医が、ペンシルの伸縮部材およびペンシルの伸縮部材内に配置された電気外科用ブレードを伸長させることにより、視認性の向上に伴ってより容易かつ効率的に手術部位にアクセスすることを可能とする。本発明に関して説明する単極伸縮電気外科用ペンシルはまた、使用者または外科医が、手術部位における正確な切断、ならびに手術部位に位置する組織領域の切断および凝固を行うことができながらも、手術部位から煙および/またはデブリを排出することも可能とする。
【0007】
こうした外科用装置または器具は、外科医または使用者がモードまたは方法を切り替えることなく組織の切断と凝固の両方を同時に行い、それによって手術時間を短縮し、組織への側方損傷を軽減または排除することを可能とすることによって、外科医または使用者が手術の効率と精度の両方を高めることを可能とすることになる。加えて、煙排出と共に組織の切断と凝固の両方を同時に行うことは、煙および粒子を吸い込まないように外科医およびスタッフを守り、また外科医または使用者が、手術部位がはっきりと見える前に手術部位において止血するために中断してモードを切り替える必要なく、処置中に手術部位をよりはっきりと見て精度を確保することも可能とすることになる。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシルであって、第1および第2の端部を有する、チャネルを備えるハンドピース部材と、チャネル内に収容された第1の非導電性中空管と、チャネル内に収容された導電性中空管と、第1および第2の端部を有する中空伸縮部材であって、中空伸縮部材の第2の端部がハンドピース部材内に収容されている中空伸縮部材と、第1の非導電性中空管と摺動自在に係合する第2の非導電性中空管であって、中空伸縮部材内に収容された第2の非導電性中空管と、中空伸縮部材および導電性中空管の少なくとも一部内に収容された中実導電性円筒部材と、中空伸縮部材の第1の端部内に配置された電気外科用ブレードアセンブリであって、対向する細長い縁部を備える対向する平坦側部および鋭利な切断端を有する非導電性平坦部材、対向する平坦側部のうちの少なくとも1つに位置する導電層であって、非導電性平坦部材の対向する細長い縁部のうちの少なくとも1つに隣接する導電層、ならびに中空筒状開口およびスロットを有する非導電性管状部材であって、スロットが電気外科用ブレードアセンブリの導電層の少なくとも一部の上に配置されており、中空伸縮部材内の第2の非導電性中空管が電気外科用ブレードアセンブリの非導電性管状部材に接続されている非導電性管状部材を含む、電気外科用ブレードアセンブリとを含む、単極伸縮電気外科用ペンシルを対象とする。
【0009】
本発明の単極伸縮電気外科用ペンシルはまた、第1の非導電性中空管および導電性中空管をハンドピース部材のチャネル内に保持するための少なくとも1つの支持部材と、第2の非導電性中空管および中実導電性円筒部材を中空伸縮部材内に保持するための少なくとも1つの支持部材とを含んでもよい。単極伸縮電気外科用ペンシルはまた、ハンドピース部材の第2の端部に接続された回転部材をも含んでもよい。さらに、ハンドピース部材の
チャネル内に収容された導電性中空管は、その外面を被覆する絶縁体を有してもよい。
【0010】
本発明の単極伸縮電気外科用ペンシルにおける電気外科用ブレードアセンブリの導電層は、非導電性平坦部材の対向する平坦側部のうちの1つまたは複数に位置する閉ループ状部分を形成してもよい。さらに、導電層の閉ループ部分が非導電性平坦部材の対向する平坦側部の両方に位置するとき、それらは、非導電性平坦部材の対向する平坦側部の両方上の2つの閉ループ部分が結合されるように、非導電性平坦部材の対向する細長い縁部のうちの1つの少なくとも一部をさらに被覆してもよい。
【0011】
電気外科用ブレードアセンブリの非導電性管状部材におけるスロットは、非導電性平坦部材の少なくとも一部の上にも配置されていてもよく、非導電性管状部材の中空筒状開口は、非導電性管状部材の中空筒状開口を通して供給された不活性ガスが電気外科用ブレードアセンブリの導電層の少なくとも一部と接触することになるように配置されていることが好ましい。電気外科用ブレードアセンブリの非導電性管状部材はセラミックを含んでもよく、非導電性管状部材の少なくとも一部は、中空伸縮部材の第1の端部の外側に配置されていてもよい。加えて、電気外科用ブレードアセンブリの非導電性平坦部材もセラミックを含んでもよい。
【0012】
別の例示的な実施形態では、本発明のアルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシルは、第1および第2の端部を有する、チャネルを備えるハンドピース部材と、チャネル内に収容された第1の非導電性中空管と、第1および第2の端部を有する中空伸縮部材であって、第2の端部がハンドピース部材内に収容されている中空伸縮部材と、第1の非導電性中空管と摺動自在に係合する第2の非導電性中空管であって、中空伸縮部材内に収容された第2の非導電性中空管と、中空伸縮部材の第1の端部内に配置された電気外科用ブレードアセンブリであって、対向する細長い縁部を備える対向する平坦側部および鋭利な切断端を有する非導電性平坦部材、対向する平坦側部のうちの少なくとも1つに位置する導電層であって、非導電性平坦部材の対向する細長い縁部のうちの少なくとも1つに隣接する導電層、ならびに中空筒状開口およびスロットを有する非導電性管状部材であって、スロットが電気外科用ブレードアセンブリの導電層の少なくとも一部の上に配置されており、第2の非導電性中空管が非導電性管状部材に接続されている非導電性管状部材を含む、電気外科用ブレードアセンブリとを含んでもよい。アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシルはまた、第1の非導電性中空管をハンドピース部材のチャネル内に保持するための少なくとも1つの支持部材と、第2の非導電性中空管を伸縮部材内に保持するための少なくとも1つの支持部材とを含んでもよい。さらに、電気外科用ブレードアセンブリの導電層は、非導電性管状部材の中空筒状開口を通して供給された不活性ガスが導電層の少なくとも一部と接触することになるように、非導電性平坦部材の対向する細長い縁部のうちの少なくとも1つの少なくとも一部を被覆することが好ましい。
【0013】
本発明のさらに別の実施形態は、アルゴンビーム機能を有しない単極伸縮電気外科用ペンシルであって、第1および第2の端部を有する、チャネルを備えるハンドピース部材と、第1および第2の端部を有する中空伸縮部材であって、第2の端部がハンドピース部材内に収容されている中空伸縮部材と、中空伸縮部材の第1の端部内に配置された電気外科用ブレードであって、対向する細長い縁部を備える対向する平坦側部および切断先端を有する非導電性平坦部材、ならびに対向する平坦側部のうちの少なくとも1つに位置する導電層であって、切断先端に隣接する対向する平坦側部の少なくとも一部を被覆することなく非導電性平坦部材の対向する細長い縁部のうちの少なくとも1つに隣接する導電層を含む、電気外科用ブレードと、電気外科用ブレードを中空伸縮部材内に保持するための支持部材とを含む、単極伸縮電気外科用ペンシルを対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
添付図面と併せて本発明を以下に説明し、図面において同様の符号は同様の要素を示す。
【0015】
図1図1は、本発明のアルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシルの第1の例示的な実施形態の透視図であり、電気外科用ペンシルのハンドピース部材から分離された伸縮部材、および電気外科用ペンシルの内部要素を示す。
図2図2は、図1に示す図と同じであるが、アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシルを180度回転させて示してある。
図3図3は、本発明のアルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシルの第2の例示的な実施形態の拡大部分透視図であり、電気外科用ペンシルのハンドピース部材から分離された伸縮部材、および電気外科用ペンシルの内部要素を示す。
図4図4は、本発明のアルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシルの第3の例示的な実施形態の透視図であり、電気外科用ペンシルのハンドピース部材から分離された伸縮部材、および電気外科用ペンシルの内部要素を示す。
図5図5は、図4に示す図と同じであるが、アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシルを180度回転させて示してある。
図6図6は、本発明のアルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシルの第4の例示的な実施形態の拡大部分図であり、電気外科用ペンシルのハンドピース部材から分離された伸縮部材、および電気外科用ペンシルの内部要素を示す。
図7図7は、アルゴンビーム機能を有しない単極伸縮電気外科用ペンシルの例示的な実施形態の透視図であり、電気外科用ペンシルのハンドピース部材から分離された伸縮部材、および電気外科用ペンシルの内部要素を示す。
図8図8は、図7に示す図と同じであるが、アルゴンビーム機能を有しない単極伸縮電気外科用ペンシルを180度回転させて示してある。
図9図9は、図7の拡大部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシルの例示的な実施形態は、使用者または外科医が切断および/もしくは凝固のために鋭利な電極を個別に使用すること、切断および/もしくは凝固のためにアルゴンビームを個別に使用すること、または切断および/もしくは凝固のために鋭利な電極およびアルゴンビームを同時に使用することを可能とする。使用者または外科医が組織を切断および/または凝固することを可能とする、アルゴンビーム機能を有しない単極伸縮電気外科用ペンシルの例示的な実施形態も提示される。
【0017】
図1および図2は、本発明のアルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル10の第1の例示的な実施形態の透視図を示し、電気外科用ペンシルのハンドピース部材12から分離された中空伸縮部材20、および電気外科用ペンシル10の内部要素を示す。アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル10は、第1の端部16および第2の端部18を有する、チャネル14を備えるハンドピース部材12と、第1の端部22および第2の端部24を有する中空伸縮部材20であって、中空伸縮部材20の第2の端部24が、ペンシル10の使用時にハンドピース部材12内に収容されるようにハンドピース部材12の第1の端部16に挿入される、中空伸縮部材20とを含む。アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル10を伸縮自在にするために、第1の非導電性中空管26および導電性中空管28がハンドピース部材12内に位置し、第2の非導電性中空管30および中実導電性円筒部材32が中空伸縮部材20内に位置し、それにより、第1の非導電性中空管26は第2の非導電性中空管30と伸縮自在に係合することができ、導電性中空管28は中実導電性円筒部材32と伸縮自在に係合することができる。図1および図2に示す実施形態では、第2の非導電性中空管30は、第1の非導電性中空管26と摺動自在に係合するように、第1の非導電性中空管26よりも小さい直径を有し、第1の非導電性中空管26内に収まる。さらに、中実導電性円筒部材32は、導電性中空管28と摺動自在に係合するように、導電性中空管28よりも小さい直径を有し、導電性中空管28内に収まる。
【0018】
アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル10はまた、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、第15/147,730号に図示および説明されるような電気外科用ブレードアセンブリをも含む。図1に戻ると、アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル10は、中空伸縮部材20の第1の端部22内に配置された電気外科用ブレードアセンブリ34であって、対向する細長い縁部40を備える対向する平坦側部38および鋭利な切断端/先端42を有する非導電性平坦部材36と、対向する平坦側部38のうちの少なくとも1つの側部に位置する導電層44であって、非導電性平坦部材36の対向する細長い縁部40のうちの少なくとも1つに隣接する導電層44と、中空筒状開口48およびスロット50を有する非導電性管状部材46であって、スロット50が導電層44の少なくとも一部の上に配置されており、第2の非導電性中空管30が非導電性管状部材46に接続されている非導電性管状部材46とを含む、電気外科用ブレードアセンブリ34を含む。電気外科用ブレードアセンブリ34は、図3に示す電気外科用ブレードアセンブリ134と同じであり、したがって、電気外科用ブレード34の構成要素は図3によりよく見ることができる。
【0019】
アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル10はまた、第1の非導電性中空管26および導電性中空管28をハンドピース部材12のチャネル14内に保持するための少なくとも1つの支持部材52をも含んでもよい。アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル10はまた、第2の非導電性中空管30および中実導電性円筒部材32を中空伸縮部材20内に保持するための少なくとも1つの支持部材54をも含んでもよい。さらに、アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル10はまた、電気外科用ペンシル10の使用中に、電気外科用ペンシル10への抵抗、および煙排出のためにペンシルの端部に取り付けられた真空管(図示せず)のねじれを排除または低減するためにハンドピース部材12の第2の端部18に接続された、回転部材56をも含んでもよい。
【0020】
電気外科用ブレードアセンブリ34の非導電性管状部材46における中空筒状開口48は、中空筒状開口48を通して供給されたアルゴンガスなどの不活性ガスが電気外科用ブレードアセンブリ34の導電層44の少なくとも一部と接触することになるように配置されている。導電層44の少なくとも一部の上に配置されていることに加えて、非導電性管状部材46におけるスロット50は、非導電性平坦部材36の対向する平坦側部38の少なくとも一部の上にも配置されていてもよい。電気外科用ブレードアセンブリ34の非導電性管状部材46の少なくとも一部は、中空伸縮部材20の第1の端部22の外側に配置されていることが好ましい。
【0021】
電気外科用ブレードアセンブリ34の導電層44は、非導電性平坦部材36の対向する平坦側部38の一方または両方に位置する閉ループ状部分を形成してもよい。加えて、導電層44の閉ループ状部分が非導電性平坦部材36の対向する平坦側部38の両方に位置するとき、それらは、閉ループ状部分が非導電性平坦部材36の上部の上で結合されるように、非導電性平坦部材36の対向する細長い縁部40の一部をも被覆してもよい。電気外科用ブレードアセンブリ34の非導電性平坦部材36および非導電性管状部材46は、セラミック材料を含んでもよい。加えて、ハンドピース部材12内の導電性中空管28は、その外面上に絶縁体を有してもよい。
【0022】
図3は、本発明のアルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル100の第2の例示的な実施形態の拡大部分透視図であり、電気外科用ペンシルのハンドピース部材112から分離された中空伸縮部材120、および電気外科用ペンシルの内部要素を示す。図1および図2に示す実施形態のように、アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル100は、第1の端部116および第2の端部を有する、チャネル114を備えるハンドピース部材112と、第1の端部122および第2の端部124を有する中空伸縮部材120であって、中空伸縮部材120の第2の端部124が、ペンシル100の使用時にハンドピース部材112内に収容されるようにハンドピース部材112の第1の端部116に挿入される、中空伸縮部材120とを含む。アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル100を伸縮自在にするために、第1の非導電性中空管126および導電性中空管128がハンドピース部材112内に位置し、第2の非導電性中空管130および中実導電性円筒部材132が中空伸縮部材120内に位置し、それにより、第1の非導電性中空管126は第2の非導電性中空管130と伸縮自在に係合することができ、導電性中空管128は中実導電性円筒部材132と伸縮自在に係合することができる。しかし、図3に示す実施形態では、第1の非導電性中空管126は、第2の非導電性中空管130と摺動自在に係合するように、第2の非導電性中空管130よりも小さい直径を有し、第2の非導電性中空管130内に収まる。中実導電性円筒部材132は図1および図2と同じであり、導電性中空管128と摺動自在に係合するように、導電性中空管128よりも小さい直径を有し、導電性中空管128内に収まる。
【0023】
アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル100はまた、図1および図2に示してあるもののような電気外科用ブレードアセンブリ134をも含む。アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル100は、中空伸縮部材120の第1の端部122内に配置された電気外科用ブレードアセンブリ134であって、対向する細長い縁部140を備える対向する平坦側部138および鋭利な切断端/先端142を有する非導電性平坦部材136と、対向する平坦側部138のうちの少なくとも1つの側部に位置する導電層144であって、非導電性平坦部材136の対向する細長い縁部140のうちの少なくとも1つに隣接する導電層144と、中空筒状開口148およびスロット150を有する非導電性管状部材146であって、スロット150が導電層144の少なくとも一部の上に配置されており、第2の非導電性中空管130が非導電性管状部材146に接続されている非導電性管状部材146とを含む、電気外科用ブレードアセンブリ134を含む。
【0024】
電気外科用ブレードアセンブリ134の非導電性管状部材146における中空筒状開口148は、中空筒状開口148を通して供給されたアルゴンガスなどの不活性ガスが電気外科用ブレードアセンブリ134の導電層144の少なくとも一部と接触することになるように配置されている。導電層144の少なくとも一部の上に配置されていることに加えて、非導電性管状部材146におけるスロット150は、非導電性平坦部材136の対向する平坦側部138の少なくとも一部の上にも配置されていてもよい。電気外科用ブレードアセンブリ134の非導電性管状部材146の少なくとも一部は、中空伸縮部材120の第1の端部122の外側に配置されていることが好ましい。
【0025】
図1および図2を参照して先に述べたように、図3に示す電気外科用ブレードアセンブリ134の導電層144は、非導電性平坦部材136の対向する平坦側部138の一方または両方に位置する閉ループ状部分を形成してもよい。加えて、導電層144の閉ループ状部分が非導電性平坦部材136の対向する平坦側部138の両方に位置するとき、それらは、閉ループ状部分が非導電性平坦部材136の上部の上で結合されるように、非導電性平坦部材136の対向する細長い縁部140の一部をも被覆してもよい。電気外科用ブレードアセンブリ134の非導電性平坦部材136および非導電性管状部材146は、セラミック材料を含んでもよい。加えて、ハンドピース部材112内の導電性中空管128は、その外面上に絶縁体を有してもよい。
【0026】
アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル100はまた、第1の非導電性中空管126および導電性中空管128をハンドピース部材112のチャネル114内に保持するための少なくとも1つの支持部材152をも含んでもよい。アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル100はまた、第2の非導電性中空管130および中実導電性円筒部材132を中空伸縮部材120内に保持するための少なくとも1つの支持部材154をも含んでもよい。電気外科用ブレードアセンブリ134の非導電性管状部材146は、支持部材154に収まっていてもよい。あるいは、電気外科用ブレードア
センブリ134が、支持部材154から取り外し、支持部材154に再び取り付けることができる別個の取外し可能なユニットを形成するように、第2の非導電性中空管130が支持部材154に収まっていてもよい。さらに、アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル100はまた、電気外科用ペンシル100の使用中に、電気外科用ペンシル100への抵抗、および煙排出のためにペンシルの端部に取り付けられた真空管(図示せず)のねじれを排除または低減するためにハンドピース部材112の第2の端部に接続された、回転部材をも含んでもよい。
【0027】
図4および図5は、本発明のアルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル200の第3の例示的な実施形態の透視図を示し、電気外科用ペンシル200のハンドピース部材212から分離された中空伸縮部材220、および電気外科用ペンシル200の内部要素を示す。アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル200は、第1および第2の端部216,218を有する、チャネル214を備えるハンドピース部材212と、チャネル214内に収容された第1の非導電性中空管226と、第1および第2の端部222,224を有する中空伸縮部材220であって、第2の端部224がハンドピース部材212内に収容されている中空伸縮部材220と、第1の非導電性中空管226と摺動自在に係合する第2の非導電性中空管230であって、中空伸縮部材220内に収容された第2の非導電性中空管230と、中空伸縮部材220の第1の端部222内に配置された電気外科用ブレードアセンブリ234であって、対向する細長い縁部240を備える対向する平坦側部238および鋭利な切断端242を有する非導電性平坦部材236、対向する平坦側部238のうちの少なくとも1つに位置する導電層244であって、非導電性平坦部材236の対向する細長い縁部240のうちの少なくとも1つに隣接する導電層244、ならびに中空筒状開口248およびスロット250を有する非導電性管状部材246であって、スロット250が電気外科用ブレードアセンブリ234の導電層244の少なくとも一部の上に配置されており、第2の非導電性中空管230が非導電性管状部材246に接続されている非導電性管状部材246を含む、電気外科用ブレードアセンブリ234とを含む。アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル200はまた、第1の非導電性中空管226をハンドピース部材212のチャネル214内に保持するための少なくとも1つの支持部材252と、第2の非導電性中空管230を中空伸縮部材220内に保持するための少なくとも1つの支持部材254とを含んでもよい。さらに、電気外科用ブレードアセンブリ234の導電層244は、非導電性管状部材246の中空筒状開口248を通して供給された不活性ガスが導電層244の少なくとも一部と接触することになるように、非導電性平坦部材236の対向する細長い縁部240のうちの少なくとも1つの少なくとも一部を被覆することが好ましい。
【0028】
導電層244の少なくとも一部の上に配置されていることに加えて、非導電性管状部材246におけるスロット250は、非導電性平坦部材236の対向する平坦側部238の少なくとも一部の上にも配置されていてもよい。電気外科用ブレードアセンブリ234の
非導電性管状部材246の少なくとも一部は、中空伸縮部材220の第1の端部222の外側に配置されていることが好ましい。電気外科用ブレードアセンブリ234の導電層244は、非導電性平坦部材236の対向する平坦側部238の一方または両方に位置する閉ループ状部分を形成してもよい。加えて、導電層244の閉ループ状部分が非導電性平坦部材236の対向する平坦側部238の両方に位置するとき、それらは、閉ループ状部分が非導電性平坦部材236の上部の上で結合されるように、非導電性平坦部材236の対向する細長い縁部240の一部をも被覆してもよい。電気外科用ブレードアセンブリ234の非導電性平坦部材236および非導電性管状部材246は、セラミック材料を含んでもよい。
【0029】
アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル200を伸縮自在にするために、中空伸縮部材220の第2の端部224は、ペンシル200の使用時にハンドピース部材212内に収容されるようにハンドピース部材212の第1の端部216に挿入される。さらに、第1の非導電性中空管226はハンドピース部材212内に位置し、第2の非導電性中空管230は中空伸縮部材220内に位置し、それにより、第1の非導電性中空管226は第2の非導電性中空管230と伸縮自在に係合することができる。図4および図に示す実施形態では、第2の非導電性中空管230は、第1の非導電性中空管226と摺動自在に係合するように、第1の非導電性中空管226よりも小さい直径を有し、第1の非導電性中空管226内に収まる。
【0030】
アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル200はまた、電気外科用ペンシル200の使用中に、電気外科用ペンシル200への抵抗、および煙排出のためにペンシルの端部に取り付けられた真空管(図示せず)のねじれを排除または低減するためにハンドピース部材212の第2の端部218に接続された、回転部材256をも含んでもよい。
【0031】
図6は、本発明のアルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル300の第4の例示的な実施形態の拡大部分図であり、電気外科用ペンシル300のハンドピース部材312から分離された中空伸縮部材320、および電気外科用ペンシル300の内部要素を示す。図4および図5に示す実施形態のように、アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル300は、第1の端部316および第2の端部を有する、チャネル314を備えるハンドピース部材312と、第1の端部322および第2の端部324を有する中空伸縮部材320であって、中空伸縮部材320の第2の端部324が、ペンシル300の使用時にハンドピース部材312内に収容されるようにハンドピース部材312の第1の端部316に挿入される、中空伸縮部材320とを含む。アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル300を伸縮自在にするために、第1の非導電性中空管326がハンドピース部材312内に位置し、第2の非導電性中空管330が中空伸縮部材320内に位置し、それにより、第1の非導電性中空管326は第2の非導電性中空管330と伸縮自在に係合することができる。しかし、図6に示す実施形態では、第1の非導電性中空管326は、第2の非導電性中空管330と摺動自在に係合するように、第2の非導電性中空管330よりも小さい直径を有し、第2の非導電性中空管330内に収まる。
【0032】
アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル300はまた、図4および図5に示してあるもののような電気外科用ブレードアセンブリ334をも含む。アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル300は、中空伸縮部材320の第1の端部322内に配置された電気外科用ブレードアセンブリ334であって、対向する細長い縁部340を備える対向する平坦側部338および鋭利な切断端/先端342を有する非導電性平坦部材336と、対向する平坦側部338のうちの少なくとも1つの側部に位置する導電層344であって、非導電性平坦部材336の対向する細長い縁部340のうちの少なくとも1つに隣接する導電層344と、中空筒状開口348およびスロット350を有する非導電性管状部材346であって、スロット350が導電層344の少なくとも一部の上に配置されており、第2の非導電性中空管330が非導電性管状部材346に接続されている非導電性管状部材346とを含む、電気外科用ブレードアセンブリ334を
含む。
【0033】
電気外科用ブレードアセンブリ334の非導電性管状部材346における中空筒状開口348は、中空筒状開口348を通して供給されたアルゴンガスなどの不活性ガスが電気外科用ブレードアセンブリ334の導電層344の少なくとも一部と接触することになるように配置されている。導電層344の少なくとも一部の上に配置されていることに加えて、非導電性管状部材346におけるスロット350は、非導電性平坦部材336の対向する平坦側部338の少なくとも一部の上にも配置されていてもよい。電気外科用ブレードアセンブリ334の非導電性管状部材346の少なくとも一部は、中空伸縮部材320の第1の端部322の外側に配置されていることが好ましい。
【0034】
図4および図5を参照して先に述べたように、図6に示す電気外科用ブレードアセンブリ334の導電層344は、非導電性平坦部材336の対向する平坦側部338の一方または両方に位置する閉ループ状部分を形成してもよい。加えて、導電層344の閉ループ状部分が非導電性平坦部材336の対向する平坦側部338の両方に位置するとき、それらは、閉ループ状部分が非導電性平坦部材336の上部の上で結合されるように、非導電性平坦部材336の対向する細長い縁部340の一部をも被覆してもよい。電気外科用ブレードアセンブリ334の非導電性平坦部材336および非導電性管状部材346は、セラミック材料を含んでもよい
【0035】
アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル300はまた、第1の非導電性中空管326をハンドピース部材312のチャネル314内に保持するための少なくとも1つの支持部材352をも含んでもよい。アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル300はまた、第2の非導電性中空管330を中空伸縮部材320内に保持するための少なくとも1つの支持部材354をも含んでもよい。電気外科用ブレードアセンブリ334の非導電性管状部材346は、支持部材354に収まっていてもよい。あるいは、電気外科用ブレードアセンブリ334が、支持部材354から取り外し、支持部材354に再び取り付けることができる別個の取外し可能なユニットを形成するように、第2の非導電性中空管330が支持部材354に収まっていてもよい。さらに、アルゴンビーム機能を有する単極伸縮電気外科用ペンシル300はまた、電気外科用ペンシル300の使用中に、電気外科用ペンシル300への抵抗、および煙排出のためにペンシルの端部に取り付けられた真空管(図示せず)のねじれを排除または低減するためにハンドピース部材312の第2の端部に接続された、回転部材をも含んでもよい。
【0036】
先に説明した図1図6に見られるように、非導電性管状部材46,146,246,346の中空筒状開口48,148,248,348は、アルゴンガスなどの不活性ガスが非導電性管状部材46,146,246,346中を、また導電層44,144,244,344の少なくとも一部の上を通過して、電極が身体/患者と接触したときにイオン化ガス(プラズマ)を発生させることを可能にし、それによってリターン電極が身体/患者に取り付けられた状態で閉回路を作成して、電気外科用ブレードアセンブリ34,134,234,334でのアルゴンビーム切断および/または凝固が可能になる。
【0037】
図7は、アルゴンビーム機能を有しない単極伸縮電気外科用ペンシル400の例示的な実施形態の透視図であり、電気外科用ペンシル400のハンドピース部材412から分離された中空伸縮部材420、および電気外科用ペンシル400の内部要素を示す。図8は、図7に示す図と同じであるが、単極伸縮電気外科用ペンシル400を180度回転させて示してあり、図9図7の拡大部分図である。
【0038】
アルゴンビーム機能を有しない単極伸縮電気外科用ペンシル400は、第1および第2の端部416,418を有する、チャネル414を備えるハンドピース部材412と、第1および第2の端部422,424を有する中空伸縮部材420であって、第2の端部424がハンドピース部材412内に収容されている中空伸縮部材420と、中空伸縮部材420の第1の端部422内に配置された電気外科用ブレード433であって、対向する細長い縁部440を備える対向する平坦側部438および切断先端442を有する非導電性平坦部材436、ならびに対向する平坦側部438のうちの少なくとも1つに位置する導電層444であって、切断先端442に隣接する対向する平坦側部438の少なくとも一部を被覆することなく非導電性平坦部材436の対向する細長い縁部440のうちの少なくとも1つに隣接する導電層444を含む、電気外科用ブレード433と、電気外科用ブレード433を中空伸縮部材420内に保持するための支持部材454とを含む。
【0039】
単極伸縮電気外科用ペンシル400を伸縮自在にするために、中空伸縮部材420の第2の端部424は、ペンシル400の使用時にハンドピース部材412内に収容されるようにハンドピース部材412の第1の端部416に挿入される。
【0040】
本明細書における本発明の例示的な実施形態についての詳細な説明は、本発明の様々な例示的な実施形態を示す。これらの例示的な実施形態およびモードは、当業者が本発明を実施することを可能とするために十分詳細に説明されており、本発明の範囲、適用性、または構成をいかなる形でも限定することを意図するものではない。むしろ、以下の開示は、例示的な実施形態およびモードの実施と、当業者に知られているかまたは明らかな任意の同等のモードまたは実施形態の両方を教示することを意図するものである。さらに、含まれる全ての例は、例示的な実施形態およびモードの非限定的な例示であり、同様に、当業者に知られているかまたは明らかな任意の同等のモードまたは実施形態に役立つものである。
【0041】
具体的に記載されていないものに加えて、本発明の実施において用いられる構造、配置、用途、割合、要素、材料、または構成部品の他の組合せおよび/または修正は、本発明の範囲から逸脱することなく、変更するか、そうでない場合には、特定の環境、製造仕様、設計パラメータ、または他の動作要件に特に適合させることができ、また本開示に包含されることを意図するものである。
【0042】
特に断りのない限り、明細書および特許請求の範囲における単語および語句が、一般に認められている一般的な意味、または当業者によって用いられる通常の慣習的な意味を与えられることを本出願人は意図している。これらの意味が異なる場合、明細書および特許請求の範囲における単語および語句は可能な限り広い一般的な意味を与えられるべきである。任意の他の特別な意味が任意の単語または語句について意図される場合、本明細書はその特別な意味を明確に記述および定義することにする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9