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特許7162948情報処理方法、プログラム及び情報処理装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】情報処理方法、プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G16H 80/00 20180101AFI20221024BHJP
【FI】
G16H80/00
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022079752
(22)【出願日】2022-05-13
【審査請求日】2022-05-13
(31)【優先権主張番号】P 2021135674
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521372264
【氏名又は名称】小田 研人
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】小田 研人
【審査官】森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-057171(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0217619(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0136238(US,A1)
【文献】特開2009-020794(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0011192(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0242583(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0065813(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンライン診断を受ける複数の患者を仮想待合室に待機させ、
医師端末に前記仮想待合室に待機している複数の患者を出力し、
前記医師端末から仮想診断室への入室を許可する患者の入室許可を受け付け
事務担当者の事務担当者端末に前記仮想待合室に待機している複数の患者を出力し、
前記事務担当者端末から仮想事務室への入室を許可する患者の入室許可を受け付ける
情報処理方法。
【請求項2】
入室が許可された患者の患者端末に前記仮想診断室への入室許可を示す情報を出力し、
前記入室許可を示す情報を出力した後に、前記患者端末と前記医師端末との間で映像通信を確立する
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
看護師端末に前記仮想待合室に待機している複数の患者を出力し、
前記看護師端末から仮想看護室への入室を許可する患者の入室許可を受け付ける
請求項1または2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記仮想看護室への入室が許可された患者の患者端末に前記仮想看護室への入室許可を示す情報を出力し、
前記入室許可を示す情報を出力した後に、前記患者端末と前記看護師端末との間で映像通信を確立する
請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記仮想事務室への入室が許可された患者の患者端末に、前記仮想事務室への入室許可を示す情報を出力し、
前記入室許可を示す情報を出力した後に、前記患者端末と前記事務担当者端末との間で映像通信を確立する
請求項1または2に記載の情報処理方法。
【請求項6】
看護師端末から、仮想看護室に入室した患者を、前記仮想待合室に移動させる移動指示を受け付け、
前記移動指示を受け付けた場合に、前記患者を前記仮想看護室から前記仮想待合室に移動させる
請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項7】
看護師端末に、仮想看護室に入室した患者を、前記仮想待合室に移動させる移動指示と、次の候補として医師または事務担当者のいずれかを選択するための選択情報とを出力し、
前記看護師端末から医師に係る選択情報及び移動指示を受け付けた場合、前記医師端末に、前記仮想待合室に待機している前記患者と、該患者の前記仮想診断室への入室を許可する第1リンクとを出力し、
前記看護師端末から事務担当者に係る選択情報及び移動指示を受け付けた場合、事務担当者端末に、前記仮想待合室に待機している前記患者と、該患者の仮想事務室への入室を許可する第2リンクとを出力する
請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記医師端末または看護師端末に、新たな仮想室の生成を受け付ける画面を出力し、
仮想室の生成、及び、仮想室の名称を受け付ける
請求項1または2に記載の情報処理方法。
【請求項9】
医師と看護師と事務担当者との間でチャットを行うチャット画面を備え、
前記チャット画面においてやり取りされたメッセージを、前記医師の医師端末、前記看護師の看護師端末、または前記事務担当者の事務担当者端末に出力する
請求項1または2に記載の情報処理方法。
【請求項10】
オンライン診断を受けるべく待機している複数の患者を仮想待合室に登録し、
医師端末に、オンライン診断を行う仮想待合室に待機している複数の患者を出力し、
前記医師端末から仮想診断室への入室を許可する患者の入室許可を受け付け
事務担当者の事務担当者端末に前記仮想待合室に待機している複数の患者を出力し、
前記事務担当者端末から仮想事務室への入室を許可する患者の入室許可を受け付ける
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項11】
オンライン診断を受けるべく待機している複数の患者を仮想待合室に登録する登録部と、
医師端末に、オンライン診断を行う仮想待合室に待機している複数の患者を出力する第1出力部と、
前記医師端末から仮想診断室への入室を許可する患者の入室許可を受け付ける第1受付部と
事務担当者の事務担当者端末に前記仮想待合室に待機している複数の患者を出力する第2出力部と、
前記事務担当者端末から仮想事務室への入室を許可する患者の入室許可を受け付ける第2受付部と
を備える情報処理装置。
【請求項12】
オンライン診断を受ける複数の患者を仮想待合室に待機させ、
医師端末に前記仮想待合室に待機している複数の患者を出力し、
前記医師端末から仮想診断室への入室を許可する患者の入室許可を受け付け、
看護師端末に前記仮想待合室に待機している複数の患者を出力し、
前記看護師端末から仮想看護室への入室を許可する患者の入室許可を受け付け、
前記看護師端末に、前記仮想看護室に入室した患者を、前記仮想待合室に移動させる移動指示と、次の候補として医師または事務担当者のいずれかを選択するための選択情報とを出力し、
前記看護師端末から医師に係る選択情報及び移動指示を受け付けた場合、前記医師端末に、前記仮想待合室に待機している前記患者と、該患者の前記仮想診断室への入室を許可する第1リンクとを出力し、
前記看護師端末から事務担当者に係る選択情報及び移動指示を受け付けた場合、事務担当者端末に、前記仮想待合室に待機している前記患者と、該患者の仮想事務室への入室を許可する第2リンクとを出力する
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オンライン診療(診断)に関する技術が普及している。例えば特許文献1には、オンライン診療の録画が患者と医師との合意なしに行われることを防止することが可能なオンライン診療対応装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-052310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に係る発明は、効率的にオンライン診断を行うことができない。
【0005】
一つの側面では、効率的にオンライン診断を行うことが可能な情報処理方法等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの側面に係る情報処理方法は、オンライン診断を受ける複数の患者を仮想待合室に待機させ、医師端末に前記仮想待合室に待機している複数の患者を出力し、前記医師端末から仮想診断室への入室を許可する患者の入室許可を受け付け、事務担当者の事務担当者端末に前記仮想待合室に待機している複数の患者を出力し、前記事務担当者端末から仮想事務室への入室を許可する患者の入室許可を受け付ける処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
一つの側面では、効率的にオンライン診断を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】オンライン診断システムの概要を示す説明図である。
図2】サーバの構成例を示すブロック図である。
図3】医療機関DB及び患者DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図4】診断状況DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図5】医師端末の構成例を示すブロック図である。
図6】患者端末の構成例を示すブロック図である。
図7】オンライン診断システムの動作を説明する説明図である。
図8】患者端末で患者のオンライン診断の受付画面の一例を示す説明図である。
図9】医師端末で患者のオンライン診断を行う画面の一例を示す説明図である。
図10】患者のオンライン診断を行う際の処理手順を示すフローチャートである。
図11】患者のオンライン診断を行う際の処理手順を示すフローチャートである。
図12】実施形態2におけるオンライン診断システムの概要を示す説明図である。
図13】看護師端末の構成例を示すブロック図である。
図14】事務担当者端末の構成例を示すブロック図である。
図15】実施形態2における診断状況DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図16】オンライン診断を行う処理を説明する説明図である。
図17】仮想看護室に入室した患者を仮想診断室へ移動させる画面の一例を示す説明図である。
図18】仮想診断室に入室した患者を仮想事務室へ移動させる画面の一例を示す説明図である。
図19】オンライン診断終了の受付画面の一例を示す説明図である。
図20】仮想看護室に入室した患者を仮想診断室へ移動させる際の処理手順を示すフローチャートである。
図21】仮想診断室に入室した患者を仮想事務室へ移動させる際の処理手順を示すフローチャートである。
図22】新たな仮想室の生成画面の一例を示す説明図である。
図23】実施形態4におけるサーバの構成例を示すブロック図である。
図24】メッセージDBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図25】チャット画面の一例を示す説明図である。
図26】メッセージを送信する際の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をその実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0010】
(実施形態1)
実施形態1は、仮想診断室への入室を許可する患者の入室許可を受け付け、受け付けた入室許可によりオンライン診断を行う形態に関する。仮想診断室は、インターネット等のネットワーク環境を利用することにより、パーソナルコンピュータまたはスマートフォン等を通じて、音声または映像により診断を行うオンライン診断室(診療室)である。
【0011】
図1は、オンライン診断システムの概要を示す説明図である。本実施形態のシステムは、情報処理装置1、情報処理端末2及び情報処理端末3を含み、各装置はインターネット等のネットワークNを介して情報の送受信を行う。
【0012】
情報処理装置1は、種々の情報に対する処理、記憶及び送受信を行う情報処理装置である。情報処理装置1は、例えばサーバ装置、パーソナルコンピュータまたは汎用のタブレットPC(パソコン)等である。本実施形態において、情報処理装置1はサーバ装置であるものとし、以下では簡潔のためサーバ1と読み替える。
【0013】
情報処理端末2は、仮想待合室に待機している患者の患者情報の表示、患者の仮想診断室への入室許可の受付、及び患者端末との間で映像通信等を行う端末装置である。情報処理端末2は、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット、パーソナルコンピュータ端末等の情報処理機器である。以下では簡潔のため、情報処理端末2を医師端末2と読み替える。
【0014】
情報処理端末3は、患者情報の入力の受付、及び医師端末2等との間で映像通信等を行う端末装置である。情報処理端末3は、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット、パーソナルコンピュータ端末等の情報処理機器である。以下では簡潔のため、情報処理端末3を患者端末3と読み替える。
【0015】
本実施形態に係るサーバ1は、仮想待合室に待機している複数の患者を医師端末2に出力する。サーバ1は、仮想診断室への入室を許可する患者の入室許可を医師端末2から受け付けた場合、入室が許可された患者の患者端末3に、該仮想診断室への入室許可を示す情報を出力する。サーバ1は、入室許可を示す情報を出力した後に、患者端末3と医師端末2との間で映像通信を確立する。
【0016】
図2は、サーバ1の構成例を示すブロック図である。サーバ1は、制御部11、記憶部12、通信部13、読取部14及び大容量記憶部15を含む。各構成はバスBで接続されている。
【0017】
制御部11はCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置を含み、記憶部12に記憶された制御プログラム1Pを読み出して実行することにより、サーバ1に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。なお、制御プログラム1Pは、単一のコンピュータ上で、または1つのサイトにおいて配置されるか、もしくは複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。なお、図2では制御部11を単一のプロセッサであるものとして説明するが、マルチプロセッサであっても良い。
【0018】
記憶部12はRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ素子を含み、制御部11が処理を実行するために必要な制御プログラム1P又はデータ等を記憶している。また、記憶部12は、制御部11が演算処理を実行するために必要なデータ等を一時的に記憶する。通信部13は通信に関する処理を行うための通信モジュールであり、ネットワークNを介して、医師端末2及び患者端末3等との間で情報の送受信を行う。
【0019】
読取部14は、CD(Compact Disc)-ROM又はDVD(Digital Versatile Disc)-ROMを含む可搬型記憶媒体1aを読み取る。制御部11が読取部14を介して、制御プログラム1Pを可搬型記憶媒体1aより読み取り、大容量記憶部15に記憶しても良い。また、ネットワークN等を介して他のコンピュータから制御部11が制御プログラム1Pをダウンロードし、大容量記憶部15に記憶しても良い。さらにまた、半導体メモリ1bから、制御部11が制御プログラム1Pを読み込んでも良い。
【0020】
大容量記憶部15は、例えばHDD(Hard disk drive:ハードディスク)、SSD(Solid State Drive:ソリッドステートドライブ)等の記録媒体を備える。大容量記憶部15は、医療機関DB(database)151、患者DB152及び診断状況DB153を含む。医療機関DB151は、医療機関に関する情報を記憶している。患者DB152は、患者に関する情報を記憶している。診断状況DB153は、患者の診断状況に関する情報を記憶している。
【0021】
なお、本実施形態において記憶部12及び大容量記憶部15は一体の記憶装置として構成されていても良い。また、大容量記憶部15は複数の記憶装置により構成されていても良い。更にまた、大容量記憶部15はサーバ1に接続された外部記憶装置であっても良い。
【0022】
サーバ1は、種々の情報処理及び制御処理等をコンピュータ単体で実行しても良いし、複数のコンピュータで分散して実行しても良い。また、サーバ1は、1台のサーバ内に設けられた複数の仮想マシンによって実現されても良いし、クラウドサーバを用いて実現されても良い。
【0023】
図3は、医療機関DB151及び患者DB152のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
医療機関DB151は、医療機関ID列及び医療機関名称列を含む。医療機関ID列は、各医療機関を識別するために、一意に特定される医療機関のIDを記憶している。医療機関名称列は、医療機関の名称を記憶している。医療機関は、医療法で定められた医療提供施設であり、病院、診療所(クリニック)、保健施設または薬局等を含む。なお、本実施形態でのシステムは、整骨院、接骨院、鍼灸院、カイロプラクティックまたは整体院等の疑似医療行為による施術所にも適用することができる。
【0024】
患者DB152は、患者ID列及び氏名列を含む。患者ID列は、各患者を識別するために、一意に特定される患者のIDを記憶している。氏名列は、患者の氏名を記憶している。
【0025】
図4は、診断状況DB153のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。診断履歴DB153は、診断データID列、医療機関ID列、患者ID列、受付日時列、場所列、状態列、入室時点列及び退室時点列を含む。診断データID列は、各診断状況データを識別するために、一意に特定される診断状況データのIDを記憶している。医療機関ID列は、医療機関を特定する医療機関IDを記憶している。患者ID列は、患者を特定する患者IDを記憶している。
【0026】
受付日時列は、患者のオンライン診断を受け付けた日時を記憶している。場所列は、オンライン診断用の仮想室の名称を記憶している。仮想室は、例えば「仮想待合室」、「仮想看護室」、「仮想診断室」または「仮想事務室」等を含む。なお、「仮想看護室」及び「仮想事務室」に関しては、他の実施形態で説明する。状態列は、患者の仮想室の入退出室状態を記憶している。入退出室状態は、例えば「入室」及び「退室」を含む。入室時点列は、仮想室への入室の時点を記憶している。終了時点列は、仮想室からの退室の時点を記憶している。
【0027】
なお、上述した各DBの記憶形態は一例であり、データ間の関係が維持されていれば、他の記憶形態であっても良い。
【0028】
図5は、医師端末2の構成例を示すブロック図である。医師端末2は、制御部21、記憶部22、通信部23、入力部24、表示部25、撮影部26及びスピーカ27を含む。各構成はバスBで接続されている。
【0029】
制御部21はCPU、MPU等の演算処理装置を含み、記憶部22に記憶された制御プログラム2Pを読み出して実行することにより、医師端末2に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。なお、図5では制御部21を単一のプロセッサであるものとして説明するが、マルチプロセッサであっても良い。記憶部22はRAM、ROM等のメモリ素子を含み、制御部21が処理を実行するために必要な制御プログラム2P又はデータ等を記憶している。また、記憶部22は、制御部21が演算処理を実行するために必要なデータ等を一時的に記憶する。
【0030】
通信部23は通信に関する処理を行うための通信モジュールであり、ネットワークNを介して、サーバ1等と情報の送受信を行う。入力部24は、キーボード、マウスまたは表示部25と一体化したタッチパネルでも良い。表示部25は、液晶ディスプレイ又は有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等であり、制御部21の指示に従い各種情報を表示する。
【0031】
撮影部26は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラ等の撮影装置である。なお、撮影部26は医師端末2の中に内蔵せず、外部から直接に医師端末2と接続し、撮影可能な構成としても良い。スピーカ27は、電気信号を音に変換する装置である。
【0032】
図6は、患者端末3の構成例を示すブロック図である。患者端末3は、制御部31、記憶部32、通信部33、入力部34、表示部35、撮影部36及びスピーカ37を含む。各構成はバスBで接続されている。なお、患者端末3の構成に関しては、医師端末2の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0033】
図7は、オンライン診断システムの動作を説明する説明図である。各患者端末3は、オンライン診断対象となる医療機関の選択、及び患者情報の入力を受け付ける。各患者端末3は、受け付けた医療機関の医療機関情報(医療機関IDまたは医療機関名称等)と患者情報(患者IDまたは患者の氏名等)とをサーバ1に送信する。
【0034】
サーバ1は、各患者端末3から送信された医療機関情報及び患者情報を受信する。サーバ1は、受信した医療機関情報及び患者情報に基づき、該患者のオンライン診断の受付情報を診断状況DB153に記憶する。具体的には、サーバ1は、医療機関ID及び患者IDに対応付けて、診断データIDを割り振る。サーバ1は、割り振った診断データIDに対応付けて、医療機関ID、患者ID、受付日時、場所(仮想待合室)、状態(入室)及び入室時点を一つのレコードとして診断状況DB153に記憶する。
【0035】
サーバ1は、オンライン診断の受付順(受付日時の古い順)に従い、オンライン診断を受けた複数の患者を仮想待合室に待機させる。すなわち、サーバ1は、患者IDと仮想待合室の入室状態とを対応付けて診断状況DB153に登録(記憶)する。サーバ1は医療機関IDに基づき、待機させた患者の患者情報を医師端末2に送信する。医師端末2は、サーバ1から送信された患者情報を受信する。医師端末2は、オンライン診断の受付順に従い、受信した患者の患者情報を画面に表示する。
【0036】
医師端末2は、仮想診断室への入室を許可する患者(例えば、患者A氏)の入室許可を受け付けた場合、入室許可を示す情報をサーバ1に送信する。入室許可を示す情報は、例えば、医療機関ID、患者ID、入室許可のメッセージ、または医者と患者との映像通信を確立するための通信セッションの接続要求を示す接続要求情報等を含む。接続要求情報は、例えば医師端末2のネットワーク情報(IP(Internet Protocol)アドレス等)、または映像通話のURL(Uniform Resource Locator)等を含む。
【0037】
サーバ1は、医師端末2から送信された入室許可を示す情報を受信し、受信した入室許可を示す情報を患者端末3に送信する。図示のように、サーバ1は、患者A氏の入室許可を受け付けた場合、入室許可を示す情報を患者A氏の患者端末3に送信する。患者A氏の患者端末3は、サーバ1から送信された入室許可を示す情報を受信して表示する。
【0038】
患者端末3は、受信した入室許可を示す情報に応じて、医師端末2との間で映像通信を確立するための許諾の接続応答情報をサーバ1に送信する。接続応答情報は、応答ステータス、接続元(患者端末3)のネットワーク情報、または接続先(医師端末2)のネットワーク情報等を含む。サーバ1は、患者端末3から送信された接続応答情報に応じて、患者端末3と医師端末2との間で映像通信を確立する処理を行う。
【0039】
なお、映像通信の確立処理に関しては、例えば端末間でインターネットを介してリアルタイムに送受信する映像通信システム、または映像通信用のAPI(Application Programming Interface)等の技術を利用しても良い。このように、医師と患者との映像通信を確立した場合、オンライン診断を仮想診断室で行うことができる。なお、患者端末3は、医師端末2との間で音声通信のみを確立するようにしても良い。
【0040】
図8は、患者端末3で患者のオンライン診断の受付画面の一例を示す説明図である。図8Aは、医療機関の選択の受付画面の一例を示す説明図である。該画面は、医療機関選択ボタン11aを含む。医療機関選択ボタン11aは、ユーザによる医療機関の選択を受け付けるボタンである。医療機関選択ボタン11aは、医療機関DB151に予め登録された各医療機関に対応付けて生成される。
【0041】
患者端末3は、予め登録された医療機関情報(医療機関ID及び医療機関の名称等)をサーバ1の医療機関DB151から取得する。患者端末3は、取得した医療機関情報に基づき、各医療機関に対応付けられた医療機関選択ボタン11aそれぞれを生成する。患者端末3は、生成した複数の医療機関選択ボタン11aを画面に表示する。
【0042】
患者端末3は、医療機関選択ボタン11aのタッチ(クリック)操作を受け付けた場合、該当する医療機関の医療機関IDを取得する。患者端末3は、取得した医療機関IDを次の画面(図8B)に渡し、次の画面に遷移する。
【0043】
図8Bは、患者情報の入力の受付画面の一例を示す説明図である。該画面は、患者名前(氏名)入力欄11b、戻るボタン11c及び次へボタン11dを含む。患者名前入力欄11bは、患者の名前の入力を受け付けるテキストフィールドである。なお、患者の名前の入力例を説明したが、これに限らず、患者IDの入力を受け付けても良い。戻るボタン11cは、前の画面(図8A)に遷移するボタンである。次へボタン11dは、次の画面(図8C)に遷移するボタンである。
【0044】
患者端末3は、患者名前入力欄11bの入力操作を受け付けた場合、ユーザにより入力された患者の名前を取得する。患者端末3は、戻るボタン11cのタッチ操作を受け付けた場合、前の画面(図8A)に遷移する。患者端末3は、次へボタン11dのタッチ操作を受け付けた場合、図8Aから受け渡された医療機関IDと、受け付けた患者の名前とを次の画面(図8C)に渡し、次の画面に遷移する。
【0045】
図8Cは、オンライン診断の待ち画面の一例を示す説明図である。患者端末3は、図8Bから渡された医療機関IDと患者の名前とを受け取る。患者端末3は、受け取った医療機関ID及び患者の名前をサーバ1に送信する。患者端末3は、医師の仮想診断室への入室許可を示す情報をサーバ1から受信するまで、該画面で待機する。
【0046】
なお、上述した患者のオンライン診断の受付処理に限るものではない。例えば、2次元コードによりオンライン診断の受付処理を行うことができる。2次元コードは、横方向にしか情報を持たない1次元コードに対し、水平方向と垂直方向に情報を持つ表示方式のコードである。代表的な2次元コードは、例えばQRコード(登録商標)、DataMatrix(登録商標)又はVeriCode(登録商標)である。本実施の形態では一例として、QRコードを読み取るものとして説明する。
【0047】
医療機関は、事前にQRコードが印字された診察券を患者に発行する。QRコードには、例えば医療機関ID及び患者の名前が含まれる。なお、2次元コードの中に埋め込まれる項目は、医療機関ID及び患者の名前に限らず、実際のニーズに応じて任意の項目(例えば、患者ID)が設けられても良い。なお、QRコードが診察券に印字されていない場合、サーバ1はQRコードの生成ライブラリを利用し、医療機関ID及び患者の名前を含むQRコードを生成する。サーバ1は、生成したQRコードを患者端末3に送信しても良い。
【0048】
患者端末3は撮影部36を介して、診察券に印字されたQRコードを読み取る。患者端末3は、QRコードの解析ライブラリを利用し、読み取ったQRコードから医療機関ID及び患者の名前を取得する。その後、患者端末3は、上述した受付処理と同様に、取得した医療機関ID及び患者の名前をサーバ1に送信する。患者端末3は、医師の仮想診断室への入室許可を示す情報をサーバ1から受信するまで、該画面で待機する。
【0049】
図9は、医師端末2で患者のオンライン診断を行う画面の一例を示す説明図である。図9Aは、医師診断室への参加画面の一例を示す説明図である。該画面は、参加ボタン12aを含む。参加ボタン12aは、医師がオンライン診断に参加するためのボタンである。医師端末2は、参加ボタン12aのタッチ操作を受け付けた場合、次の画面(図9B)に遷移する。
【0050】
図9Bは、患者の仮想診断室への入室許可の受付画面の一例を示す説明図である。該画面は、映像通話表示欄12b、患者一覧表示欄12c、入室許可(医師診断室に呼ぶ)ボタン12d、更新ボタン12e及び退出ボタン12fを含む。映像通話表示欄12bは、医師と患者A氏との映像通信を確立した場合、オンライン診断を行う仮想診断室の映像通信の画面を表示する表示欄である。なお、音声通信のみの場合、映像通話表示欄12bに映像を表示せず、音声通信のみを確立しても良い。
【0051】
患者一覧表示欄12cは、仮想待合室に待機させた患者の一覧(リスト)を表示する表示欄である。入室許可ボタン12dは、仮想診断室への入室を許可する患者の入室許可を受け付けるボタンである。更新ボタン12eは、患者の一覧を更新するボタンである。退出ボタン12fは、医師が仮想診断室から退出するボタンである。
【0052】
医師端末2は、仮想待合室に待機させた患者の患者情報をサーバ1の診断状況DB153から取得する。具体的には、医師端末2は、仮想待合室に待機させた患者の患者情報の取得リクエストをサーバ1に送信する。取得リクエストには、医療機関ID等が含まれる。サーバ1は、取得リクエストに含まれた医療機関IDに対応付けて、仮想待合室に待機している当日受付の患者を抽出する。
【0053】
サーバ1は、抽出した患者のオンライン診断の受付日時を診断状況DB153から取得する。サーバ1は、抽出した患者の患者IDに基づき、患者の名前を患者DB152から取得する。サーバ1は、取得した患者ID、患者の名前及び受付日時を医師端末2に送信する。
【0054】
医師端末2は、サーバ1から送信された患者ID、患者の名前及び受付日時を受信する。医師端末2は、オンライン診断の受付順に従い、受信した患者の名前を患者一覧表示欄12cに表示する。医師端末2は、取得した各患者に対応付けて、各患者の仮想診断室への入室許可を受け付けるための入室許可ボタン12d(医師診断室に呼ぶ)を生成する。医師端末2は、生成した入室許可ボタン12dを画面に表示する。
【0055】
医師端末2は、入室許可ボタン12dのタッチ操作を受け付けた場合、該当する患者の入室許可を示す情報(医療機関ID、患者ID、入室許可のメッセージまたは接続要求情報等)をサーバ1に送信する。サーバ1は、医師端末2から送信された入室許可を示す情報を受信し、受信した入室許可を示す情報を該当する患者の患者端末3に送信する。該患者の患者端末3は、サーバ1から送信された入室許可を示す情報を受信する。
【0056】
患者端末3は、受信した入室許可を示す情報を画面(図示せず)に表示する。患者端末3は、受信した入室許可を示す情報に応じて、医師端末2との間で映像通信を確立するための許諾の接続応答情報(応答ステータス、接続元のネットワーク情報または接続先のネットワーク情報等)をサーバ1に送信する。サーバ1は、患者端末3から送信された接続応答情報に応じて、患者端末3と医師端末2との間で映像通信を確立する処理を行う。
【0057】
サーバ1は、患者端末3と医師端末2との間で映像通信を確立した場合、該患者の診断状況を診断状況DB153に更新する。具体的には、サーバ1は、医療機関ID及び患者IDに対応付けて、場所列が「仮想待合室」であり、状態列が「入室」であり、かつ、退室時点列が空欄である診断状況データの診断データIDを診断状況DB153から抽出する。サーバ1は、抽出した診断データIDに対応付けて、状態(退室)及び退室時点を診断状況DB153に更新する。また、サーバ1は診断データIDを割り振り、割り振った診断データIDに対応付けて、医療機関ID、患者ID、場所(仮想診断室)、状態(入室)及び入室時点を一つのレコードとして診断状況DB153に記憶する。
【0058】
医師端末2は、患者端末3との間で映像通信を確立した場合、映像通話の画面を映像通話表示欄12b(図9C)に表示する。医師端末2は、更新ボタン12eのタッチ操作を受け付けた場合、仮想待合室に待機させた患者の患者情報をサーバ1の診断状況DB153から再取得する。医師端末2は、退出ボタン12fのタッチ操作を受け付けた場合、オンライン診断を終了する。
【0059】
図9Cは、オンライン診断を行う画面の一例を示す説明図である。該画面は、患者名前表示欄12g及び待合室へ戻すボタン12hを含む。患者名前表示欄12gは、オンライン診断中の患者の名前を表示する表示欄である。待合室へ戻すボタン12hは、医師と患者との映像通信を切断し、患者が仮想待合室に戻させるボタンである。
【0060】
医師と患者(例えば、患者A氏)との映像通信を確立した場合、医師端末2は、患者A氏の患者情報(患者の名前等)を患者一覧表示欄12cから削除し、患者A氏の名前を患者名前表示欄12gに表示する。
【0061】
医師端末2は、待合室へ戻すボタン12hのタッチ操作を受け付けた場合、医師と患者との映像通信を切断する。医師端末2は、医療機関ID及び患者IDをサーバ1に送信する。サーバ1は、医師端末2から送信された医療機関ID及び患者IDに対応付けて、該患者の診断状況を診断状況DB153に更新する。
【0062】
具体的には、サーバ1は、医療機関ID及び患者IDに対応付けて、場所列が「仮想診断室」であり、状態列が「入室」であり、かつ、退室時点列が空欄である診断状況データの診断データIDを診断状況DB153から抽出する。サーバ1は、抽出した診断データIDに対応付けて、状態(退室)及び退室時点を診断状況DB153に更新する。また、サーバ1は、診断データIDを割り振り、割り振った診断データIDに対応付けて、医療機関ID、患者ID、場所(仮想待合室)、状態(入室)及び入室時点を一つのレコードとして診断状況DB153に記憶する。
【0063】
図10及び図11は、患者のオンライン診断を行う際の処理手順を示すフローチャートである。患者端末3の制御部31は、入力部34を介して、オンライン診断対象となる医療機関の選択、及び患者情報の入力を受け付ける(ステップS301)。制御部31は、通信部33を介して、受け付けた医療機関の医療機関情報(例えば、医療機関IDまたは医療機関名称)と患者情報(例えば、患者IDまたは患者の氏名)とをサーバ1に送信する(ステップS302)。
【0064】
サーバ1の制御部11は、患者端末3から送信された医療機関情報及び患者情報を通信部13により受信する(ステップS101)。制御部11は、受信した医療機関情報及び患者情報に基づき、患者の診断状況を大容量記憶部15の診断状況DB153に記憶する(ステップS102)。具体的には、制御部11は、医療機関ID及び患者IDに対応付けて、診断データIDを割り振る。制御部11は、割り振った診断データIDに対応付けて、医療機関ID、患者ID、受付日時、場所(仮想待合室)、状態(入室)及び入室時点を一つのレコードとして診断状況DB153に記憶する。
【0065】
制御部11は、仮想待合室に待機している患者の患者情報(患者ID及び患者の氏名)を大容量記憶部15の診断状況DB153及び患者DB152から取得する(ステップS103)。具体的には、制御部11は、場所列が「仮想待合室」であり、状態列が「入室」であり、且つ、退室時点列が空欄である当日受付の患者の患者IDを診断状況DB153から抽出する。制御部11は、抽出した患者IDに基づき、患者の氏名を患者DB152から取得する。
【0066】
制御部11は、取得した患者情報を通信部13により医師端末2に送信する(ステップS104)。医師端末2の制御部21は、サーバ1から送信された患者情報を通信部23により受信する(ステップS201)。制御部21は、オンライン診断の受付順に従い、受信した患者の患者情報を表示部25により表示する(ステップS202)。制御部21は、仮想診断室への入室を許可する患者の入室許可を受け付けた場合(ステップS203)、入室許可を示す情報(医療機関ID、患者ID、入室許可のメッセージまたは接続要求情報等)を通信部23によりサーバ1に送信する(ステップS204)。
【0067】
サーバ1の制御部11は通信部13を介して、医師端末2から送信された患者の入室許可を示す情報を受信し(ステップS105)、受信した入室許可を示す情報を患者端末3に送信する(ステップS106)。患者端末3の制御部31は、サーバ1から送信された入室許可を示す情報を通信部33により受信し(ステップS303)、受信した入室許可を示す情報を表示部35により表示する(ステップS304)。
【0068】
制御部31は、ユーザによる映像通信の応答を受け付けた場合(ステップS305)、医療機関情報、患者情報、及び医師端末2との間で映像通信を確立するための接続応答情報を通信部33によりサーバ1に送信する(ステップS306)。サーバ1の制御部11は、患者端末3から送信された医療機関情報、患者情報及び接続応答情報を通信部13により受信する(ステップS107)。制御部11は、受信した接続応答情報に応じて、患者端末3と医師端末2との間で映像通信を確立する処理を行う(ステップS108)。
【0069】
制御部11は、患者の診断状況を大容量記憶部15の診断状況DB153に記憶する(ステップS109)。具体的には、制御部11は医療機関ID及び患者IDに対応付けて、場所列が「仮想待合室」であり、状態列が「入室」であり、かつ、退室時点列が空欄である診断状況データの診断データIDを診断状況DB153から抽出する。制御部11は、抽出した診断データIDに対応付けて、状態(退室)及び退室時点を診断状況DB153に更新する。また、制御部11は診断データIDを割り振り、割り振った診断データIDに対応付けて、医療機関ID、患者ID、場所(仮想診断室)、状態(入室)及び入室時点を一つのレコードとして診断状況DB153に記憶する。
【0070】
制御部11は通信部13を介して、映像通信の画面を医師端末2及び患者端末3に送信する(ステップS110)。医師端末2の制御部21は、サーバ1から送信された映像通信の画面を通信部23により受信する(ステップS205)。制御部21は、受信した映像通信の画面を表示部25により表示する(ステップS206)。患者端末3の制御部31は、サーバ1から送信された映像通信の画面を通信部33により受信する(ステップS307)。制御部31は、受信した映像通信の画面を表示部35により表示する(ステップS308)。
【0071】
本実施形態によると、医師端末2から患者の仮想診断室への入室許可を受け付けた場合、医師端末2と該患者の患者端末3との間で映像通信を確立することが可能となる。
【0072】
本実施形態によると、看護師端末4から患者の仮想看護室への入室許可を受け付けた場合、看護師端末4と該患者の患者端末3との間で映像通信を確立することが可能となる。
【0073】
本実施形態によると、事務担当者端末5から患者の仮想事務室への入室許可を受け付けた場合、事務担当者端末5と該患者の患者端末3との間で映像通信を確立することが可能となる。
【0074】
(実施形態2)
実施形態2は、仮想室に入室した患者を他の仮想室に移動させる形態に関する。なお、実施形態1と重複する内容については説明を省略する。仮想室は、患者を待機させた仮想待合室、医師用の仮想診断室、看護師用の仮想看護室、または事務担当者用の仮想事務室等を含む。なお、上述した各種の仮想室に限定せず、他の種類の仮想室(例えば、仮想栄養相談室)にも同様に適用することできる。
【0075】
図12は、実施形態2におけるオンライン診断システムの概要を示す説明図である。なお、図1と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態のシステムは、情報処理端末4及び情報処理端末5をさらに含む。
【0076】
情報処理端末4は、仮想待合室に待機している患者の患者情報の表示、患者の仮想看護室への入室許可の受付、及び患者端末3との間で映像通信等を行う端末装置である。情報処理端末4は、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット、パーソナルコンピュータ端末等の情報処理機器である。以下では簡潔のため、情報処理端末4を看護師端末4と読み替える。
【0077】
情報処理端末5は、仮想待合室に待機している患者の患者情報の表示、患者の仮想事務室への入室許可の受付、及び患者端末3との間で映像通信等を行う端末装置である。情報処理端末5は、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット、パーソナルコンピュータ端末等の情報処理機器である。以下では簡潔のため、情報処理端末5を事務担当者端末5と読み替える。
【0078】
図13は、看護師端末4の構成例を示すブロック図である。看護師端末4は、制御部41、記憶部42、通信部43、入力部44、表示部45、撮影部46及びスピーカ47を含む。各構成はバスBで接続されている。なお、看護師端末4の構成に関しては、医師端末2の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0079】
図14は、事務担当者端末5の構成例を示すブロック図である。事務担当者端末5は、制御部51、記憶部52、通信部53、入力部54、表示部55、撮影部56及びスピーカ57を含む。各構成はバスBで接続されている。なお、事務担当者端末5の構成に関しては、医師端末2の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0080】
図15は、実施形態2における診断状況DB153のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。なお、図4と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。診断状況DB153は、場所列及び状態列を含む。場所列は、「仮想待合室」、「仮想看護室」、「仮想診断室」または「仮想事務室」等を含むオンライン診断用の仮想室の名称を記憶している。状態列は、患者の仮想室の入退出室状態を記憶している。入退出室状態は、例えば「入室」、「入室待ち」及び「退室」を含む。
【0081】
図16は、オンライン診断を行う処理を説明する説明図である。先ず、オンライン診断を受ける複数の患者を仮想待合室に待機させる。図示のように、患者A氏、患者B及び患者Cを仮想待合室に待機させる。
【0082】
次に、看護師端末4は、仮想待合室に待機している複数の患者の患者情報をサーバ1の患者DB152及び診断状況DB153から取得する。看護師端末4は、看護師により仮想待合室に待機している患者の仮想看護室への入室許可を受け付けた場合、受け付けた患者の入室許可をサーバ1に送信する。サーバ1は、看護師端末4から送信された入室許可に応じて、該患者を仮想待合室から仮想看護室へ移動させる。図示のように、サーバ1は、仮想待合室に待機している患者A氏を仮想待合室から仮想看護室へ移動させる。
【0083】
次に、看護師端末4は、仮想看護室に入室した患者を、看護師により仮想診断室に移動させる移動指示を受け付けた場合、受け付けた移動指示をサーバ1に送信する。サーバ1は、看護師端末4から送信された移動指示を受け付け、該患者の仮想診断室への入室を許可する第1リンクを医師端末2に送信する。なお、第1リンクの詳細は後述する。
【0084】
医師端末2は、サーバ1から送信された入室許可の第1リンクに応じて、医師により該患者の仮想診断室への入室許可を受け付けた場合、受け付けた入室許可をサーバ1に送信する。サーバ1は、医師端末2から送信された入室許可に応じて、該患者を仮想看護室から仮想診断室へ移動させる。図示のように、サーバ1は患者A氏を仮想看護室から仮想診断室へ移動させる。
【0085】
次に、医師端末2は、仮想診断室に入室した患者を、医師により仮想事務室に移動させる移動指示を受け付けた場合、受け付けた移動指示をサーバ1に送信する。サーバ1は、医師端末2から送信された移動指示を受け付け、該患者の仮想事務室への入室を許可する第2リンクを事務担当者端末5に送信する。なお、第2リンクの詳細は後述する。
【0086】
事務担当者端末5は、サーバ1から送信された入室許可の第2リンクに応じて、事務担当者により該患者の仮想事務室への入室許可を受け付けた場合、受け付けた入室許可をサーバ1に送信する。サーバ1は、事務担当者端末5から送信された入室許可に応じて、該患者を仮想診断室から仮想事務室へ移動させる。図示のように、サーバ1は患者A氏を仮想診断室から仮想事務室へ移動させる。
【0087】
そして、事務担当者端末5は、患者のオンライン診断の終了指示を受け付けた場合、受け付けた終了指示をサーバ1に送信する。サーバ1は、事務担当者端末5から送信された終了指示に応じて、該患者のオンライン診断を終了させる。図示のように、サーバ1は患者A氏のオンライン診断を終了させる。
【0088】
図17は、仮想看護室に入室した患者を仮想診断室へ移動させる画面の一例を示す説明図である。なお、図9と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。該画面は、移動先設定欄13a及び入室許可ボタン(看護室に呼ぶ)13bを含む。移動先設定欄13aは、患者の移動先の設定を受け付ける設定欄である。入室許可ボタン13bは、仮想看護室への入室を許可する患者の入室許可を受け付けるボタンである。
【0089】
図示のように、移動先設定欄13aには、「看護師に繋ぐ」、「医師に繋ぐ」、「事務担当者に繋ぐ」及び「この患者との診療を終了する」項目が設定される。「看護師に繋ぐ」は、患者を仮想看護室へ移動させる項目である。「医師に繋ぐ」は、患者を仮想診断室へ移動させる項目である。「事務担当者に繋ぐ」は、患者を仮想事務室へ移動させる項目である。「この患者との診療を終了する」は、患者の診断(診療)を終了する項目である。
【0090】
看護師端末4は、入室許可ボタン(看護室に呼ぶ)13bのタッチ操作を受け付けた場合、該当する患者の入室許可を示す情報(医療機関ID、患者ID、入室許可のメッセージまたは接続要求情報等)をサーバ1に送信する。サーバ1は、看護師端末4から送信された入室許可を示す情報に基づき、看護師端末4と患者端末3との間で映像通信を確立する。図示のように、看護師は患者Aを仮想看護室に呼び、仮想看護室で患者Aに対しオンライン診断を行う。なお、入室許可による映像通信の確立処理に関しては、実施形態1での処理と同様であるため、説明を省略する。
【0091】
看護師端末4は、移動先設定欄13aの設定(選択)操作を受け付けた場合、移動先の選択を受け付ける。例えば看護師端末4は、移動先設定欄13aにより「医師に繋ぐ」項目の選択を受け付けた場合、仮想診断室となる移動先の選択を受け付ける。看護師端末4は、待合室へ戻すボタン12hのタッチ操作を受け付けた場合、移動先設定欄13aにより選択された移動先を取得する。看護師端末4は、患者端末3との映像通信を切断し、選択情報(医療機関ID、患者ID及び移動先等)、及び患者を仮想看護室から仮想待合室へ移動させる移動指示をサーバ1に送信する。
【0092】
サーバ1は、看護師端末4から送信された選択情報及び移動指示を受信する。サーバ1は、医療機関ID及び患者IDに対応付けて、該患者の診断状況を診断状況DB153に更新する。具体的には、サーバ1は、医療機関ID及び患者IDに対応付けて、場所列が「仮想看護室」であり、状態列が「入室」であり、かつ、退室時点列が空欄である診断状況データの診断データIDを診断状況DB153から抽出する。サーバ1は、抽出した診断データIDに対応付けて、状態(退室)及び退室時点を診断状況DB153に更新する。また、サーバ1は診断データIDを割り振り、割り振った診断データIDに対応付けて、医療機関ID、患者ID、場所(仮想診断室)及び状態(入室待ち)を一つのレコードとして診断状況DB153に記憶する。
【0093】
サーバ1は、該患者の患者IDに基づいて患者情報を患者DB152から取得する。サーバ1は、受信した選択情報及び移動指示に応じて、該患者の仮想診断室への入室を許可する第1リンクを生成する。第1リンクは、患者を仮想診断室へ移動させるオブジェクト等である。例えば第1リンクは、図9Bの入室許可(医師診断室に呼ぶ)ボタン12dである。サーバ1は、取得した患者情報と、生成した第1リンク(以下、「医師診断室に呼ぶ」ボタンという)とを医師端末2に送信する。
【0094】
医師端末2は、サーバ1から送信された患者情報及び「医師診断室に呼ぶ」ボタンを受信する。医師端末2は、受信した患者情報及び「医師診断室に呼ぶ」ボタンを画面に表示する。医師端末2は、受信した患者情報に応じて、「医師診断室に呼ぶ」ボタンのタッチ操作を受け付けた場合、医師により該患者の仮想診断室への入室許可を受け付ける。医師端末2は、受け付けた入室許可をサーバ1に送信する。その後、実施形態1での処理と同様に、サーバ1は医師による患者の入室許可に基づき、医師端末2と患者端末3との間で映像通信を確立する処理を行う。
【0095】
サーバ1は、該患者の診断状況を診断状況DB153に更新する。具体的には、サーバ1は、医療機関ID及び患者IDに対応付けて、場所列が「仮想診断室」であり、状態列が「入室待ち」であり、かつ、入室時点列が空欄である診断状況データの診断データIDを診断状況DB153から抽出する。サーバ1は、抽出した診断データIDに対応付けて、状態(入室)及び入室時点を診断状況DB153に更新する。
【0096】
図18は、仮想診断室に入室した患者を仮想事務室へ移動させる画面の一例を示す説明図である。なお、図17と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。
【0097】
図18Aは、患者を仮想事務室へ移動させる画面の一例を示す説明図である。医師端末2は、移動先設定欄13aにより「事務担当者に繋ぐ」項目の選択操作を受け付けた場合、仮想事務室となる移動先の選択を受け付ける。医師端末2は、待合室へ戻すボタン12hのタッチ操作を受け付けた場合、移動先設定欄13aにより選択された移動先を取得する。医師端末2は、患者端末3との映像通信を切断し、選択情報(医療機関ID、患者ID及び移動先等)、及び患者を仮想診断室から仮想待合室へ移動させる移動指示をサーバ1に送信する。
【0098】
サーバ1は、医師端末2から送信された選択情報及び移動指示を受信する。サーバ1は、該患者の診断状況を診断状況DB153に更新する。具体的には、サーバ1は、医療機関ID及び患者IDに対応付けて、場所列が「仮想診断室」であり、状態列が「入室」であり、かつ、退室時点列が空欄である診断状況データの診断データIDを診断状況DB153から抽出する。サーバ1は、抽出した診断データIDに対応付けて、状態(退室)及び退室時点を診断状況DB153に更新する。また、サーバ1は診断データIDを割り振り、割り振った診断データIDに対応付けて、医療機関ID、患者ID、場所(仮想事務室)及び状態(入室待ち)を一つのレコードとして診断状況DB153に記憶する。
【0099】
サーバ1は、該患者の患者IDに基づいて患者情報を患者DB152から取得する。サーバ1は、受信した選択情報及び移動指示に応じて、該患者の仮想事務室への入室を許可する第2リンクを含む受付画面(図18B)を生成する。
【0100】
図18Bは、患者の仮想事務室への入室許可の受付画面の一例を示す説明図である。該画面は、入室許可ボタン(事務室に呼ぶ)13c(第2リンク)を含む。入室許可ボタン13cは、仮想事務室への入室を許可する患者の入室許可を受け付けるボタンである。
【0101】
サーバ1は、生成した入室許可の受付画面(図18B)を事務担当者端末5に送信する。事務担当者端末5は、サーバ1から送信された入室許可の受付画面を受信して表示する。事務担当者端末5は、受信した患者情報に応じて、入室許可ボタン(事務室に呼ぶ)13cのタッチ操作を受け付けた場合、事務担当者により該患者の仮想事務室への入室許可を受け付ける。事務担当者端末5は、受け付けた入室許可をサーバ1に送信する。その後、実施形態1での処理と同様に、サーバ1は事務担当者による患者の入室許可に基づき、事務担当者端末5と患者端末3との間で映像通信を確立する処理を行う。
【0102】
サーバ1は、該患者の診断状況を診断状況DB153に更新する。具体的には、サーバ1は、医療機関ID及び患者IDに対応付けて、場所列が「仮想事務室」であり、状態列が「入室待ち」であり、かつ、入室時点列が空欄である診断状況データの診断データIDを診断状況DB153から抽出する。サーバ1は、抽出した診断データIDに対応付けて、状態(入室)及び入室時点を診断状況DB153に更新する。
【0103】
図19は、オンライン診断終了の受付画面の一例を示す説明図である。なお、図18と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。事務担当者端末5は、入室許可ボタン13cのタッチ操作を受け付けた場合、該当する患者の入室許可を示す情報をサーバ1に送信する。サーバ1は、事務担当者端末5から送信された入室許可を示す情報に基づき、事務担当者端末5と患者端末3との間で映像通信を確立する。
【0104】
事務担当者端末5は、移動先設定欄13aにより「この患者との診療を終了する」項目の選択を受け付けた場合、オンライン診断を終了する終了指示を受け付ける。事務担当者端末5は、待合室へ戻すボタン12hのタッチ操作を受け付けた場合、患者端末3との映像通信を切断し、オンライン診断の終了指示をサーバ1に送信する。サーバ1は、事務担当者端末5から送信された終了指示を受け付け、該患者のオンライン診断を終了させる。
【0105】
サーバ1は、該患者の診断状況を診断状況DB153に更新する。具体的には、サーバ1は、医療機関ID及び患者IDに対応付けて、場所列が「仮想事務室」であり、状態列が「入室」であり、かつ、退室時点列が空欄である診断状況データの診断データIDを診断状況DB153から抽出する。サーバ1は、抽出した診断データIDに対応付けて、状態(退室)及び退室時点を診断状況DB153に更新する。
【0106】
また、患者がオンライン診断を終了した後に、2次元コード(例えば、QRコード)決済等を利用することにより、患者から医療機関へ医療費を支払うことができる。具体的には、患者端末3は、QRコード決済に専用のアプリケーション等を利用し、医療機関から提供された決済専用のQRコードを撮影部36により読み取る。決済専用のQRコードには、医療費の金額及び支払先のアカウント情報等が含まれる。専用のアプリケーションは、例えば、PayPay(登録商標)、またはメルペイ(登録商標)等であっても良い。患者端末3は、読み取った決済専用のQRコードに基づき、専用のアプリケーションを経由して決済処理を行う。
【0107】
なお、サーバ1は、オンライン診断の度に、患者に対する決済専用のQRコードを作成して患者端末3に送信しても良い。患者端末3は、QRコード決済に専用のアプリケーション等を利用し、サーバ1から送信されたQRコードを読み取ることにより、医療費の決済処理を行っても良い。
【0108】
図20は、仮想看護室に入室した患者を仮想診断室へ移動させる際の処理手順を示すフローチャートである。看護師端末4の制御部41は、医師に係る選択情報、及び患者を仮想看護室から仮想待合室へ移動させる移動指示を入力部44により受け付ける(ステップS421)。医師に係る選択情報は、医療機関ID、患者ID及び移動先(仮想診断室)等を含む。制御部41は、患者端末3との映像通信を切断する(ステップS422)。制御部41は、受け付けた選択情報及び移動指示を通信部43によりサーバ1に送信する(ステップS423)。
【0109】
サーバ1の制御部11は、看護師端末4から送信された選択情報及び移動指示を通信部13により受信する(ステップS121)。制御部11は、該患者の診断状況を大容量記憶部15の診断状況DB153に更新する(ステップS122)。具体的には、制御部11は、医療機関ID及び患者IDに対応付けて、場所列が「仮想看護室」であり、状態列が「入室」であり、かつ、退室時点列が空欄である診断状況データの診断データIDを診断状況DB153から抽出する。サーバ1は、抽出した診断データIDに対応付けて、状態(退室)及び退室時点を診断状況DB153に更新する。また、制御部11は診断データIDを割り振り、割り振った診断データIDに対応付けて、医療機関ID、患者ID、場所(仮想診断室)及び状態(入室待ち)を一つのレコードとして診断状況DB153に記憶する。
【0110】
制御部11は、該患者の患者IDに基づいて、患者情報(例えば、患者の氏名)を大容量記憶部15の患者DB152から取得する(ステップS123)。制御部11は、受信した選択情報及び移動指示に応じて、該患者の仮想診断室への入室を許可する「医師診断室に呼ぶ」ボタン(第1リンク)を生成する(ステップS124)。制御部11は通信部13を介して、取得した患者の患者情報と、生成した「医師診断室に呼ぶ」ボタンとを医師端末2に送信する(ステップS125)。
【0111】
医師端末2の制御部21は、サーバ1から送信された患者情報及び「医師診断室に呼ぶ」ボタンを通信部23により受信する(ステップS221)。制御部21は表示部25を介して、受信した患者情報及び「医師診断室に呼ぶ」ボタンを画面(図9B)に表示する(ステップS222)。制御部21は入力部24を介して、「医師診断室に呼ぶ」ボタンのタッチ操作を受け付けた場合(ステップS203(図10))、該患者の仮想診断室への入室許可を受け付ける。
【0112】
図21は、仮想診断室に入室した患者を仮想事務室へ移動させる際の処理手順を示すフローチャートである。医師端末2の制御部21は、事務担当者に係る選択情報、及び患者を仮想診断室から仮想待合室へ移動させる移動指示を入力部24により受け付ける(ステップS231)。事務担当者に係る選択情報は、医療機関ID、患者ID及び移動先(仮想事務室)等を含む。制御部21は、患者端末3との映像通信を切断する(ステップS232)。制御部21は、受け付けた選択情報及び移動指示を通信部23によりサーバ1に送信する(ステップS233)。
【0113】
サーバ1の制御部11は、医師端末2から送信された選択情報及び移動指示を通信部13により受信する(ステップS131)。制御部11は、該患者の診断状況を大容量記憶部15の診断状況DB153に更新する(ステップS132)。具体的には、制御部11は、医療機関ID及び患者IDに対応付けて、場所列が「仮想診断室」であり、状態列が「入室」であり、かつ、退室時点列が空欄である診断状況データの診断データIDを診断状況DB153から抽出する。サーバ1は、抽出した診断データIDに対応付けて、状態(退室)及び退室時点を診断状況DB153に更新する。また、制御部11は診断データIDを割り振り、割り振った診断データIDに対応付けて、医療機関ID、患者ID、場所(仮想事務室)及び状態(入室待ち)を一つのレコードとして診断状況DB153に記憶する。
【0114】
制御部11は、該患者の患者IDに基づいて、患者情報(例えば、患者の氏名)を大容量記憶部15の患者DB152から取得する(ステップS133)。制御部11は、受信した選択情報及び移動指示に応じて、該患者の仮想診断室への入室を許可する第2リンク(以下、「事務室に呼ぶ」ボタンという)を生成する(ステップS134)。制御部11は通信部13を介して、取得した患者の患者情報と、生成した「事務室に呼ぶ」ボタンとを事務担当者端末5に送信する(ステップS135)。
【0115】
事務担当者端末5の制御部51は、サーバ1から送信された患者情報及び「事務室に呼ぶ」ボタンを通信部53により受信する(ステップS531)。制御部51は表示部55を介して、受信した患者情報及び「事務室に呼ぶ」ボタンを画面(図18B)に表示する(ステップS532)。制御部51は入力部54を介して、「事務室に呼ぶ」ボタンのタッチ操作を受け付けた場合、該患者の仮想事務室への入室許可を受け付ける(ステップS533)。制御部51は、入室許可を示す情報(医療機関ID、患者ID、入室許可のメッセージまたは接続要求情報等)を通信部53によりサーバ1に送信する(ステップS534)。
【0116】
サーバ1の制御部11は通信部13を介して、事務担当者端末5から送信された患者の入室許可を示す情報を受信し(ステップS136)、受信した入室許可を示す情報を患者端末3に送信する(ステップS137)。その後、患者端末3と事務担当者端末5との間で映像通信を確立する。なお、入室許可による映像通信の確立処理に関しては、実施形態1での処理と同様であるため、説明を省略する。
【0117】
なお、本実施形態では、患者を仮想看護室から他の仮想室(仮想待合室、仮想診断室または仮想事務室)へ移動させる処理の例を説明したが、これに限るものではない。任意の仮想室を移動先として指定することができる。例えば、患者を仮想診断室から仮想看護室へ移動させても良いし、仮想診断室から仮想事務室へ移動させても良い。また、医師ごとに複数の仮想診断室が設けられた場合、患者を第1医師の仮想診断室から、該第1医師とは異なる第2医師の仮想診断室へ移動させても良い。更にまた、診断科目ごとに複数の仮想診断室が設けられた場合、患者を第1診断科目の仮想診断室から、該第1診断科目とは異なる第2診断科目の仮想診断室へ移動させても良い。
【0118】
本実施形態によると、仮想看護室に入室した患者を他の仮想室に移動させることが可能となる。
【0119】
本実施形態によると、仮想診断室に入室した患者を他の仮想室に移動させることが可能となる。
【0120】
(実施形態3)
実施形態3は、新たな仮想室の生成を受け付ける形態に関する。なお、実施形態1~2と重複する内容については説明を省略する。
【0121】
図22は、新たな仮想室の生成画面の一例を示す説明図である。該画面は、仮想室選択欄14a、仮想室作成ボタン14b及び参加ボタン14cを含む。
【0122】
仮想室選択欄14aは、仮想室の選択を受け付ける選択欄である。仮想室は、例えば仮想看護室、仮想診断室及び仮想事務室を含む。なお、仮想室は、実際のニーズに応じて設けられても良い。例えば、診断科目(診療科目)または医師ごとに複数の仮想診断室が仮想室選択欄14aに設定されても良い。仮想室作成ボタン14bは、仮想室を作成するボタンである。参加ボタン14cは、各仮想室の画面に遷移するボタンである。なお、参加ボタン14cは仮想室ごとに生成される。
【0123】
医師端末2は、既に作成された仮想室の仮想室情報(例えば、仮想室の名称)をサーバ1から取得する。医師端末2は、取得した仮想室情報に基づき、仮想室ごとに参加ボタン14cを生成する。医師端末2は、生成した参加ボタン14cを画面に表示する。
【0124】
医師端末2は、仮想室選択欄14aにより仮想室の選択を受け付けた場合、選択された仮想室の名称を取得する。図示のように、仮想室選択欄14aにより「事務室」が選択される。医師端末2は、仮想室作成ボタン14bのタッチ操作を受け付けた場合、取得した仮想室の名称(例えば、事務室)をサーバ1に送信する。サーバ1は、医師端末2から送信された仮想室の名称を用いて、新たな仮想室を生成する。図示のように、サーバ1は仮想事務室を生成する。サーバ1は、生成した仮想室と既存の仮想室とを医師端末2に送信する。医師端末2は、サーバ1から送信された仮想室を画面に更新する。
【0125】
医師端末2は、参加ボタン14cのタッチ操作を受け付けた場合、該当する仮想室の画面に遷移する。例えば医師端末2は、「診断室」に対応する参加ボタン14cのタッチ操作を受け付けた場合、仮想診断室の画面(図9B)に遷移する。
【0126】
なお、上述した処理は、医師端末2の例を説明したが、看護師端末4にも同様に適用することできる。
【0127】
本実施形態によると、新たな仮想室を生成することが可能となる。
【0128】
なお、上述した実施形態では医師が医師端末2を使用し、看護師が看護師端末4を使用し、事務担当者が事務担当者端末5を用いる例を示したがこれに限るものではない。医師、看護師または事務担当者が1つまたは2つの端末を共有するようにしても良い。この場合、医師、看護師または事務担当者は自身に割り当てられたID及びパスワードを用いてログインし、端末を使用する。
【0129】
(実施形態4)
実施形態4は、医師と看護師と事務担当者との間でチャットを行う形態に関する。なお、実施形態1~3と重複する内容については説明を省略する。
【0130】
図23は、実施形態4におけるサーバ1の構成例を示すブロック図である。なお、図2と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。大容量記憶部15には、メッセージDB154が含まれる。メッセージDB154は、チャット画面においてやり取りされたメッセージ情報を記憶している。
【0131】
図24は、メッセージDB154のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。メッセージDB154は、メッセージID列、送信元列、メッセージ内容列及び送信日時列を含む。メッセージID列は、各メッセージを識別するために、一意に特定されるメッセージのIDを記憶している。送信元列は、メッセージの送信元の情報(医師診断室、看護室または待合室等)を記憶している。メッセージ内容列は、メッセージの内容を記憶している。送信日時列は、メッセージを送信した日時情報を記憶している。
【0132】
サーバ1は、医師、看護師及び事務担当者の間に、チャット形式で患者の要求もしくは病状、または各種の指示等の情報(メッセージ)を共有するために、コミュニケーション用のチャット画面を生成する。サーバ1は、生成したチャット画面を医師端末2、看護師端末4及び事務担当者端末5に出力する。医師端末2、看護師端末4及び事務担当者端末5は、サーバ1から送信されたチャット画面を受信して表示する。
【0133】
医師端末2、看護師端末4または事務担当者端末5は、チャット画面を通じて、チャット内容であるメッセージの入力を受け付ける。医師端末2、看護師端末4または事務担当者端末5は、受け付けたメッセージをサーバ1に送信する。サーバ1は、医師端末2、看護師端末4または事務担当者端末5から送信されたメッセージをメッセージDB154に記憶する。サーバ1は、最新のメッセージを含むチャット画面を医師端末2、看護師端末4及び事務担当者端末5に再送信する。
【0134】
図25は、チャット画面の一例を示す説明図である。なお、図25は、医師端末2側でのチャット画面の例を説明するが、看護師端末4及び事務担当者端末5にも同様に適用することができる。なお、図18と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。
【0135】
該画面は、メッセージ入力欄15a、メッセージ送信ボタン15b、メッセージ情報表示欄15c及び削除ボタン15dを含む。メッセージ入力欄15aは、メッセージの入力を受け付ける欄である。メッセージ送信ボタン15bは、メッセージを送信するボタンである。メッセージ情報表示欄15cは、メッセージ情報を表示する表示欄である。削除ボタン15dは、メッセージを削除するボタンである。
【0136】
サーバ1は、医師、看護師または事務担当者等のメッセージ情報をメッセージDB154から取得する。メッセージ情報は、メッセージの送信日時、送信元及び内容等を含む。サーバ1は、取得したメッセージ情報を医師端末2に送信する。医師端末2は、サーバ1から送信されたメッセージ情報を受信する。医師端末2は、受信したメッセージ情報をメッセージ情報表示欄15cに表示する。図示のように、メッセージの送信日時の新しい順(降順)に、送信日時、送信元及び内容がメッセージ情報表示欄15cに表示される。
【0137】
医師端末2は、医師によるメッセージ入力欄15aの入力操作を受け付けた場合、入力されたメッセージの内容を取得する。医師端末2は、メッセージ送信ボタン15bのタッチ操作を受け付けた場合、メッセージ入力欄15aにより取得されたメッセージの内容、送信元(医師診断室)及び送信日時を含むメッセージ情報をサーバ1に送信する。サーバ1は、医師端末2から送信されたメッセージ情報を受信する。
【0138】
サーバ1は、受信したメッセージ情報をメッセージDB154に記憶する。具体的には、サーバ1は、受信したメッセージ情報に対してメッセージIDを割り振る。サーバ1は、割り振ったメッセージIDに対応付けて、送信元、メッセージの内容及び送信日時を一つのレコードとしてメッセージDB154に記憶する。
【0139】
サーバ1は、最新のメッセージ情報をメッセージDB154から取得する。サーバ1は、取得した最新のメッセージ情報を医師端末2に再送信する。医師端末2は、サーバ1から送信された最新のメッセージ情報を受信し、受信した最新のメッセージ情報をメッセージ情報表示欄15cに表示する。
【0140】
医師端末2は、削除ボタン15dのタッチ操作を受け付けた場合、削除対象となるメッセージの送信元、内容及び送信日時をサーバ1に送信する。サーバ1は、医師端末2から送信された削除対象となるメッセージの送信元、内容及び送信日時を受信する。サーバ1は、受信したメッセージの送信元、内容及び送信日時に基づき、該当するメッセージ情報をメッセージDB154から削除する。その後、上述した処理と同様に、サーバ1は、最新のメッセージ情報をメッセージDB154から取得して医師端末2に再送信する。
【0141】
なお、上述の物理削除処理に限定されない。実際にはメッセージ情報を削除せずに、削除フラグを設定することで(論理的に)削除された情報とみなすようにしても良い。例えば、メッセージ情報が論理削除された場合、削除フラグを「1」に設定する。または、メッセージ情報が論理削除されていない場合、削除フラグを「0」に設定する。サーバ1は、医師端末2から送信された削除対象となるメッセージの送信元、内容及び送信日時を受信した場合、該当するメッセージ情報に対応する削除フラグを「1」に設定する。サーバ1は、例えばバッチ処理にして所定の期間ごとに、「1」である削除フラグが対応付けられたメッセージ情報を、メッセージDB154から一括して削除するようにしても良い。
【0142】
図26は、メッセージを送信する際の処理手順を示すフローチャートである。なお、図26では、医師端末2側で受け付けられたメッセージをサーバ1に送信する例を説明するが、看護師端末4及び事務担当者端末5にも同様に適用することができる。
【0143】
サーバ1の制御部11は、メッセージの送信日時、送信元及び内容を含む最新のメッセージ情報を大容量記憶部15のメッセージDB154から取得する(ステップS141)。制御部11は、取得した最新のメッセージ情報を通信部13により医師端末2に送信する(ステップS142)。医師端末2の制御部21は、サーバ1から送信された最新のメッセージ情報を通信部23により受信する(ステップS241)。
【0144】
制御部21は、例えばメッセージの送信日時の新しい順に、受信したメッセージ情報を表示部25により表示する(ステップS242)。制御部21は入力部24を介して、医師によるメッセージの入力を受け付ける(ステップS243)。制御部21は、送信元(医師診断室)、受け付けたメッセージの内容及び送信日時を通信部23によりサーバ1に送信する(ステップS244)。
【0145】
サーバ1の制御部11は、医師端末2から送信されたメッセージの送信元、内容及び送信日時を通信部13により受信する(ステップS143)。制御部11はメッセージIDを割り振り、割り振ったメッセージIDに対応付けて、メッセージの送信元、内容及び送信日時を一つのレコードとして大容量記憶部15のメッセージDB154に記憶する(ステップS144)。制御部11は、ステップS141の処理に戻る。
【0146】
なお、サーバ1は、所定の時間間隔(例えば、30秒)ごとに最新のメッセージ情報をメッセージDB154から取得して医師端末2に送信しても良い。
【0147】
本実施形態によると、医師と看護師と事務担当者との間のチャットを行うことが可能となる。
【0148】
本実施形態によると、チャット画面を活用することにより、患者の要求もしくは病状、または各種の指示等の情報をリアルタイムで共有することが可能となる。
【0149】
本実施形態によると、チャット画面を活用することにより、医療機関内部のコミュニケーション効率が高く、業務効率の向上を図ることが可能となる。
【0150】
なお、上述した各実施形態では、オンライン診断の例を説明したが、これに限るものではない。例えば、オンラインコールセンタ、オンライン会議、オンライン相談室、オンライン動物園またはオンライン水族館等にも同様に適用することができる。
【0151】
なお、上述した各実施形態での処理は、コンピュータまたはコンピュータネットワークの中に構築された、3次元の仮想空間またはサービスであるメタバース(Metaverse)上に実行されても良い。
【0152】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0153】
各実施形態に記載した事項は相互に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載しても良い。
【符号の説明】
【0154】
1 情報処理装置(サーバ)
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14 読取部
15 大容量記憶部
151 医療機関DB
152 患者DB
153 診断状況DB
1a 可搬型記憶媒体
1b 半導体メモリ
1P 制御プログラム
2 情報処理端末(医師端末)
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 入力部
25 表示部
26 撮影部
27 スピーカ
2P 制御プログラム
3 情報処理端末(患者端末)
31 制御部
32 記憶部
33 通信部
34 入力部
35 表示部
36 撮影部
37 スピーカ
4 情報処理端末(看護師端末)
41 制御部
42 記憶部
43 通信部
44 入力部
45 表示部
46 撮影部
47 スピーカ
5 情報処理端末(事務担当者端末)
51 制御部
52 記憶部
53 通信部
54 入力部
55 表示部
56 撮影部
57 スピーカ
【要約】      (修正有)
【課題】効率的にオンライン診断を行うことが可能な情報処理方法、プログラム及び情報処理装置を提供する。
【解決手段】オンライン診断システムにおいて、オンライン診断を受ける複数の患者を仮想待合室に待機させるステップ、医師端末に仮想待合室に待機している複数の患者を出力するステップ及び医師端末から仮想診断室への入室を許可する患者の入室許可を受け付ける処理をするステップを備える。また、好適には、入室が許可された患者の患者端末に仮想診断室への入室許可を示す情報を出力し、入室許可を示す情報を出力した後に、患者端末と医師端末との間で映像通信を確立する。
【選択図】図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26