(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】振動地震の二重制御のためのモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承
(51)【国際特許分類】
E04H 9/02 20060101AFI20221024BHJP
【FI】
E04H9/02 331A
(21)【出願番号】P 2022111292
(22)【出願日】2022-07-11
【審査請求日】2022-07-11
(31)【優先権主張番号】202111508575.0
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519295166
【氏名又は名称】▲広▼州大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 洋洋
(72)【発明者】
【氏名】温 潤球
(72)【発明者】
【氏名】黄 城▲栄▼
(72)【発明者】
【氏名】邱 月▲麗▼
(72)【発明者】
【氏名】楊 振宇
(72)【発明者】
【氏名】周 福霖
【審査官】齋藤 卓司
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-336838(JP,A)
【文献】中国実用新案第206477442(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動地震の二重制御のためのモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承であって、支承本体と、支承アセンブリとを含み、
前記支承本体は、複数の中間層接続板及び複数のゴムモジュールユニットを含み、複数の
前記中間層接続板は上下に間隔をあけて設けられ、複数の
前記ゴムモジュールユニットは、それぞれ
前記中間層接続板の上面及び下面に並列に設けられ、複数の
前記中間層接続板を一体に接続し、
前記支承アセンブリは、蓋板アセンブリ及び締付部材を含み、
前記蓋板アセンブリは、支承チャンバを取り囲む上蓋板、下蓋板及び側壁を含み、側壁の頂端にフランジ板が設けられ、
前記上蓋板と
前記フランジ板との間に隙間があり、
前記支承本体は
前記支承チャンバに固設され、
前記締付部材は、
前記支承本体が予圧状態にあるように、
前記フランジ板と
前記上蓋板との間に穿設される、
前記ゴムモジュールユニットは、上封止板、下封止板、及び上封止板と下封止板との間に設けられたゴムパッドを含み、前記ゴムパッドに複数の鋼板が上下に間隔をあけて設けられる、
各前記中間層接続板の上面及び下面に複数の前記ゴムモジュールユニットが並列に設けられ、複数の前記ゴムモジュールユニットの前記上封止板は、それぞれその上方に位置する前記中間層接続板に接続され、複数の前記ゴムモジュールユニットの前記下封止板は、それぞれその下方に位置する前記中間層接続板に接続される、
前記ゴムモジュールユニットは、一体的に加硫して製造され、標準サイズを有する、
ことを特徴とするモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承。
【請求項2】
前記上蓋板の上方に設けられた上埋込板及び
前記下蓋板の下方に設けられた下埋込板をさらに含み、上埋込板と下埋込板は、ボルトを介して
前記上蓋板と
前記下蓋板にそれぞれ固定接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承。
【請求項3】
ライナーアセンブリをさらに含み、
前記ライナーアセンブリは、異なる厚さを有する複数のライナーを含み、
前記ライナーは、
前記締付部材の取り外し状態で
前記下蓋板と
前記下埋込板との間に挿設される、ことを特徴とする請求項
2に記載のモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承。
【請求項4】
前記締付部材は締付スクリューであり、
前記締付スクリューの上端と下端がねじ立てされ、
前記上蓋板にねじ孔が設けられ、
前記締付スクリューの上端は
前記フランジ板を貫通して
前記上蓋板のねじ孔に締結接続され、
前記締付スクリューの下端はワッシャーを介して
前記フランジ板の底面に押し付けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のモジュール化層が並列接続された三次元免震
/防振支承。
【請求項5】
減衰アームをさらに含み、
前記減衰アームの下端は
前記フランジ板の外端面に固定され、
前記減衰アームの上端は可撓接続キャビティを介して
前記上埋込板の外端面に接続される、ことを特徴とする請求項
2に記載のモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承。
【請求項6】
可撓接続キャビティは、
前記上埋込板の外端面に設けられた鋼製チャンバであり、
前記鋼製チャンバの内壁に
前記ゴムパッドが貼り付けられ、
前記減衰アームの上端に上端板が設けられ、
前記減衰アームの
前記上端板は
前記鋼製チャンバに配置され、
前記ゴムパッドは上端板の外部に被覆される、ことを特徴とする請求項
5に記載のモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承。
【請求項7】
前記減衰アームは、曲げた形状を使用し、軟鋼で鉛プラグを被覆することにより製造されるか又は軟鋼で製造される、ことを特徴とする請求項
5に記載のモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免震支承の技術分野に関し、特に振動地震の二重制御のためのモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承に関する。
【背景技術】
【0002】
免震支承は、免震技術の応用における重要な部材である。ますます成熟する製品として、免震支承は、建築工事の分野に広く応用されており、建物又は構造体の特定の位置に免震支承を設けることにより、上部構造の自己振動サイクルを延ばし、上部構造の地震応答を低下させ、上部構造に対する地震保護を実現することができる。
【0003】
近年、新しい市場の発展により免震支承の性能に対する新たな要件が提案されている。交通や都市建設の集約化発展に伴い、地下鉄上に建てられる又は交通振動源に隣接する多くの建物、構造物又は設備などは、建物の使用の快適さ及び設備の通常の動作を確保するために、地震作用に耐える要件があることに加えて、交通環境振動に耐える要件もあり、従って、免震支承が、地震を隔離する役割を果たすとともに、環境振動を隔離する役割を果たし、すなわち振動/地震の二重制御機能が備えられることが要求される。また、交通結節点の付近の建物は階が高く、大型化されることが多いため、必要な免震支承のサイズ及び支持能力に対する要件もますます高まっている。しかしながら、現在成熟した免震支承製品は、上記要件を満たすことができず、以下のように具現化している。
【0004】
1)天然ゴム免震支承(LNR支承)、鉛プラグ入りゴム免震支承(LRB支承)、高減衰ゴム免震支承(HDR支承)、弾性すべり免震支承(SLB支承)などの現在成熟した免震支承製品は、水平方向の地震作用を隔離する機能のみを有し、かつ製造コストが高く、これらの免震支承製品は、その垂直方向の荷重作用下での支承の安定性を確保するために、第1形状係数S1(支承の単一ゴム層の有効耐圧面積とその自由側表面積との比)と、第2形状係数S2(内部ゴム層の直径又は有効幅と内部ゴムの総厚さとの比)がいずれも大きい数値(S1>15、S2>5)を使用し、支承の垂直方向の剛性を向上させ、垂直方向の防振機能を有していない。
【0005】
2)免震支承の垂直方向の防振性能を改善する現在の主流の方式としては、厚肉積層(厚肉型)ゴム支承の方案を使用し、すなわち支承の単一ゴム層の厚さを増加させ、単一ゴムの自由側表面積を大きくするが、該方式による支承の垂直方向の剛性の低下程度が依然として非常に限られ、その原因としては、主に、支承の安定性及び構造の安全性を維持するために、単一ゴム層の厚さの増加幅が限られ、第1形状係数S1を限定的に低下させるだけで、実際の工事応用において依然として防振周波数を10Hz以下に低下させることができず、効率的に防振できないだけでなく、交通環境振動の低周波成分を増幅させ、防振機能を喪失する可能性があるため、普及しにくくなる。
【0006】
3)免震支承の垂直方向の防振性能を改善する現在の他種の方式としては、従来の免震支承と垂直方向の防振素子を直列に集積し、例えば、免震支承の頂部に、直列接続された鋼製皿ばね、ボルト状の鋼製ばねなどの部材を増設するが、該方式は、同様に効率的かつ実用的な振動地震の二重制御機能を実現することができず、その原因としては、主に、先ず、垂直方向の防振周波数を10Hz以下に低下させるために、鋼製ばねなどの素子の高さが十分に高くなければならず、上下に直列接続された支承構造の形態を使用するため、支承全体の高さが大幅に増加し、支承の外形が細かく高いが、ばねがほとんど耐曲げ能力を有さないため、支承の長時間の支持及び瞬間地震作用下での横座屈防止安定性が顕著に低下し、構造の安全上のリスクをもたらし、次に、鋼製ばねの減衰はゴム材料よりもはるかに低く、防振支承の最適な減衰の要件を満たすことが困難であり、かつ鋼製ばね自体に局所振動モードがあるため、それと共鳴する高周波振動成分が支承をスムーズに貫通して上部に伝播して、高周波通過現象を形成することができ、防振効果を低下させ、また、直列接続された垂直ばねなどの部材の横力抵抗能力が弱いため、建物の風荷重の作用下でばねが水平に変位しないように、自体に水平方向の制限を追加する必要があり、制限部材の物理的接触が逆に垂直方向の振動を物理的に伝達させるため、支承の交通環境振動に対する防振機能が喪失され、矛盾を解決できない。
【0007】
4)高層建物又は大型建物の免震要件を満たすために、支持力の大きい支承を使用する必要があり、それにより上記従来の免震支承製品のサイズ(直径、辺長及び高さ)が大きくなり、製造コストが高くなる。従来の免震ゴム支承は、全体的な高圧加硫プロセスで製造されるため、大型支承の高圧重量、金型のサイズ及び数、及び加硫サイクルなどが、小型支承製品の数倍から数十倍にもなり、かつ面積が巨大な鋼板積層ゴムの精度の制御が非常に困難であり、量産プロセスの精度の制御が困難であり、加硫機設備の重量と性能、及び支承の加工全過程の品質制御に対する高い要件が提案されており、大型加硫機の配置及び運用維持コストが小型加硫機よりも倍増され、製品の歩留まりも低下し、それにより大型支承の製造コストが高くなり、製品の市場普及が制限されている。
【0008】
5)現在、垂直方向の防振機能を考慮する防振支承は、その垂直方向の剛性が従来の免震支承よりも低くなるため、施工及び取り付け過程における支承の垂直方向の変形が無視できない要因となり、施工標高及び精度の制御が困難になり、また、取り付け後、設計誤差及び施工誤差による異なる部位の支承の変形差は、構造を不均一に沈降させ、構造の安全性及び使用機能にも影響を与える可能性がある。
【0009】
以上より、ますます高まる市場の要件を満たすために、振動/地震の二重制御機能を備えた三次元免震/防振支承を開発する緊急の必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、垂直方向の剛性が低く、減衰が高く、安定性に優れ、免震/防振効果に優れ、製造プロセスが制御可能であり、コストが低いなどの利点を有する振動地震の二重制御のためのモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、振動地震の二重制御のためのモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承を提供し、支承本体と、支承アセンブリとを含み、
支承本体は、複数の中間層接続板及び複数のゴムモジュールユニットを含み、複数の中間層接続板は上下に間隔をあけて設けられ、複数のゴムモジュールユニットは、それぞれ中間層接続板の上面及び下面に並列に設けられ、複数の中間層接続板を一体に接続し、
支承アセンブリは、蓋板アセンブリ及び締付部材を含み、蓋板アセンブリは、支承チャンバを取り囲む上蓋板、下蓋板及び側壁を含み、側壁の頂端にフランジ板が設けられ、上蓋板とフランジ板との間に隙間があり、支承本体は支承チャンバに固設され、締付部材は、支承本体が予圧状態にあるように、フランジ板と上蓋板との間に穿設される。
【0012】
本発明では、ゴムモジュールユニットは、上封止板、下封止板及び上封止板と下封止板との間に設けられたゴムパッドを含み、ゴムパッドに複数の鋼板が上下に間隔をあけて設けられる。
【0013】
さらに、各中間層接続板の上面及び下面に複数のゴムモジュールユニットが並列に設けられ、複数のゴムモジュールユニットの上封止板は、それぞれその上方に位置する中間層接続板に接続され、複数のゴムモジュールユニットの下封止板は、それぞれその下方に位置する中間層接続板に接続される。
【0014】
さらに、ゴムモジュールユニットは、一体的に加硫して製造され、標準サイズを有する。
【0015】
本発明のモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承は、上蓋板の上方に設けられた上埋込板及び下蓋板の下方に設けられた下埋込板をさらに含み、上埋込板と下埋込板は、ボルトを介して上蓋板と下蓋板にそれぞれ固定接続される。
【0016】
本発明のモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承は、ライナーアセンブリをさらに含み、ライナーアセンブリは、異なる厚さを有する複数のライナーを含み、ライナーは、締付部材の取り外し状態で下蓋板と下埋込板との間に挿設される。
【0017】
本発明では、締付部材は締付スクリューであり、締付スクリューの上端と下端がねじ立てされ、上蓋板にねじ孔が設けられ、締付スクリューの上端はフランジ板を貫通して上蓋板のねじ孔に締結接続され、締付スクリューの下端はワッシャーを介してフランジ板の底面に押し付けられる。
【0018】
本発明のモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承は、減衰アームをさらに含み、減衰アームの下端はフランジ板の外端面に固定され、減衰アームの上端は可撓接続キャビティを介して上埋込板の外端面に接続される。
【0019】
さらに、可撓接続キャビティは、上埋込板の外端面に設けられた鋼製チャンバであり、鋼製チャンバの内壁にゴムパッドが貼り付けられ、減衰アームの上端に上端板が設けられ、減衰アームの上端板は鋼製チャンバに配置され、ゴムパッドは上端板の外部に被覆される。
【0020】
さらに、減衰アームは、半円形状又は曲げた形状を使用し、軟鋼で鉛プラグを被覆することにより製造されるか又は軟鋼で製造される。
【0021】
本発明の実施は、少なくとも以下の利点を有する。
【0022】
1、本発明の振動地震の二重制御のためのモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承では、支承本体は、複数のゴムモジュールユニットを複数の中間層接続板を介して層並列に組み立てることにより形成され、すなわち、支承本体は、従来の積層ゴム支承の代わりに小型の複数のゴムモジュールユニットを使用して一体化されたゴム層に加硫し、その有益な効果としては、同じ耐圧面積の条件下で、該支承本体のゴム層の自由側表面積は、従来の積層ゴム支承のゴム層の自由側表面積よりも数倍から数十倍に大きくなり、それによりゴムパッドの層厚をわずかに増加させるだけで、第1形状係数S1(支承の単一ゴム層の有効耐圧面積とその自由側表面積との比)が数倍から数十倍に低下することができ、S1と支承の垂直方向の剛性には強い正の相関関係があり、さらに支承の垂直方向の剛性を効率的に低下させることができ、支承が優れた低周波防振性能を取得し、ほとんどの周波数帯域の環境振動を効率的に隔離することができる。
【0023】
2、本発明の振動地震の二重制御のためのモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承では、支承本体は、複数のゴムモジュールユニットを使用して2つの中間層接続板の間に1組の並列接続されたゴムパッド構造を形成し、前記1組の並列接続されたゴムパッド構造と同じ他の多組の並列接続されたゴムパッド構造との間が順番に積層され、隣接する中間層接続板を介してボルト接続され、多組の並列接続されたゴムパッド構造を一体に積層する支承本体を形成し、その有益な効果としては、該支承本体の同じ組の並列接続されたゴムパッドについては、そのゴムパッドの間の間隔が必要に応じて大きくなり、それにより同じ支承の耐圧面積とゴム層の総厚さの条件下で、該支承本体の幅全体が顕著に増加し、すなわち、第2形状係数S2(内部ゴム層の直径又は有効幅と内部ゴムの総厚さとの比)が顕著に増加するとともに、第1形状係数S1が影響されないようにし、S2と支承の支持時の横座屈防止安定性には強い正の相関関係があるため、該支承本体の横座屈防止安定性がS2の増加に伴って顕著に向上するとともに、支承の垂直方向の剛性が影響されないようにし、支承が優れた支持安定性を取得することができる。
【0024】
3、本発明の振動地震の二重制御のためのモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承では、支承本体は、ゴムモジュールユニットのゴムパッドを層並列に接続する方式を使用し、従来の免震支承と垂直方向の防振素子を直列接続するという現在の主流の方式を使用しなくなり、その有益な効果としては、直列配置のため、支承の高さが大きすぎたり、支承の外形が細かく高すぎたり、支承の横座屈防止安定性が顕著に低下したりするなどの欠陥を回避し、鋼製ばねを使用すると減衰が低く、振動伝播の高周波通過現象があるなどの欠陥を回避するとともに、水平地震作用下での制限部材を使用する必要がなく、剛性制限を使用することによる防振機能の喪失などの欠陥を回避する。
【0025】
4、本発明の振動地震の二重制御のためのモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承では、支承本体は、ゴムモジュールユニットを複数の中間層接続板を介して層並列に組み立てることにより形成され、該ゴムモジュールユニットは、標準サイズ外形のゴムパッドを使用してもよく、上封止板、下封止板及び上下封止板の間のゴム及び鋼板を一体的に加硫することにより製造され、その有益な効果としては、該支承本体は、一体的に加硫されて成形される必要がなく、小型の標準化されたモジュールユニットをそれぞれ加硫して製造して組み立てることにより大型支承を形成し、支承の標準化及び取付組立を実現し、従来の大型のゴム免震支承の一体的加硫製造方式と比較して、該支承本体の製造過程において大型加硫機が必要ではなく、大型金型が必要ではなく、設備コストを大幅に節約し、また、該支承本体は、1種又は少数の標準化されたゴムモジュールユニットを使用し、品数がそろっている様々な仕様の全体的な支承本体を集積することができ、量産プロセスの精度がより容易に制御され、製品の歩留まりを大幅に向上させ、小型化されたゴムモジュールユニットを使用するため、鋼板及びゴム化合物の加工が容易であり、複数の小体積のモジュールユニットが同時に加硫され、加硫サイクルを大幅に短縮させ、製造コストを削減し、良好な普及応用将来性を有する。
【0026】
5、本発明の振動地震の二重制御のためのモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承は、支承本体が予圧状態にあるように、輸送、現場施工及び取り付け段階で締付スクリューを介して締結状態にあり、使用段階で、三次元免震/防振支承は、上部構造のすべての永久荷重作用を受けた後、該締付スクリューを取り外し、その有益な効果としては、施工及び取り付け過程において、支承本体は常に予圧状態にあり、上部荷重が徐々に増加しても制御しにくい垂直方向の変形量を解放せず、施工標高及び精度の制御がより容易になる。
【0027】
6、本発明の振動地震の二重制御のためのモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承は、使用段階で締付スクリューを取り外した後、支承チャンバの側壁のフランジ板の下側と下埋込板の上面との間にジャッキが設けられてジャッキアップして、支承本体をさらに圧縮させることができるとともに、下蓋板と下埋込板との間に隙間を発生させ、ライナーが下蓋板と下埋込板との間の隙間に挿入され、下蓋板と下埋込板にボルトで固定又は溶接され、その有益な効果としては、取り付け後に、設計誤差及び施工誤差による異なる部位の支承の変形差が、該ライナーを増設することにより調整解消され、構造の安全性及び使用機能を確保することができる。
【0028】
7、本発明の振動地震の二重制御のためのモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承には減衰アームがさらに設けられてもよく、減衰アームは、半円形状又は曲げた形状を使用してもよく、軟鋼で鉛プラグを被覆することにより製造されるか又は純粋な軟鋼で製造され、該減衰アームの下端と上端にいずれも端板が固設されてもよく、下端端板は支承チャンバの側壁にボルト接続又は溶接されてもよく、上端端板と上埋込板の側面板との間は可撓接続キャビティを介して接続されてもよく、その有益な効果としては、風が作用すると、該減衰アームが材料降伏レベルに達せず、三次元免震/防振支承が過度に変形せず、地震が発生すると、該減衰アームが降伏してエネルギーを消費し、三次元免震/防振支承の減衰及びエネルギー消費能力を向上させ、環境振動が発生すると、該可撓接続キャビティは、環境振動のほとんどを減衰アームを介して上部構造に伝播させることができず、環境振動を効率的に隔離する能力を確保する。
【0029】
8、本発明の振動地震の二重制御のためのモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承は、従来の免震支承製品の垂直方向の剛性が高すぎるという問題を解決し、積層ゴムの垂直方向の剛性を効率的に低下させることができるという支承構造が提案されており、既存の振動地震の二重制御のための支承の安定性が低いという問題を解決し、低い垂直方向の剛性の設計下でゴム支承の全体的な安定性を維持するという支承構造が提案されており、既存の振動地震の二重制御のための支承が鋼製部材を使用すると減衰が低すぎ、高周波通過現象があり、横方向制限により干渉するなどの問題を解決し、減衰比が高く、高周波通過現象を回避でき、横方向制限が必要ではないという支承構造が提案されており、既存の大型の振動地震の二重制御のための支承の製造プロセス要件が高すぎ、制御精度が低く、コストが高いなどの問題を解決し、プロセスが制御可能であり、価格がより安く、普及応用が容易であるという支承構造が提案されており、既存の振動地震の二重制御のための支承の施工過程において支承の変形制御が困難であり、施工後に支承の高さの調整が困難であるなどの問題を解決し、支承の変形が制御可能であり、支承の取り付け後の高さが調整可能であるという支承構造が提案されている。
【0030】
本発明の具体的な実施形態又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、具体的な実施形態又は従来技術に使用される必要がある図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明される図面は、本発明のいくつかの実施形態であり、当業者であれば、創造的な労働を必要とせずに、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は一実施形態に係るゴムモジュールユニットの構造模式図である。
【
図2】
図2は一実施形態に係る支承本体の構造模式図である。
【
図3】
図3は一実施形態に係るモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承の正面図である。
【
図4】
図4は一実施形態に係るモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承の構造模式図である。
【
図5】
図5は一実施形態に係るモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承のライナーが挿設されるときの正面図である。
【
図6】
図6は一実施形態に係るモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承のライナーが挿設されるときの構造模式図である。
【
図7】
図7の(A)~(M)はゴムモジュールユニットの中間層接続板における構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
なお、以下の詳細な説明はいずれも例示的なものであり、本願のさらなる説明を提供することを意図する。別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、当業者が通常理解するものと同じ意味を有する。
【0033】
なお、ここで使用される用語は、具体的な実施形態を説明するためのものに過ぎず、本願に係る例示的な実施形態を制限することを意図するものではない。ここで使用されるように、文脈が明確に指示しない限り、単数形は複数形も含み、また、本説明で用語「含む」及び/又は「備える」が使用される場合、特徴、ステップ、操作、デバイス、アセンブリ及び/又はそれらの組み合わせがあることが示されることも理解されたい。
【0034】
以下、実施例を参照しながら、本発明の技術的解決手段を明確、かつ完全に説明し、明らかに、説明される実施例は、本発明の実施例の一部であり、実施例の全部ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労働を必要とせずに得たすべての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0035】
実施例1
図1~
図7に示すように、本実施例の振動地震の二重制御のためのモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承は、支承本体と、支承アセンブリとを含み、支承本体は、複数の中間層接続板1及び複数のゴムモジュールユニット2を含み、複数の中間層接続板1は上下に間隔をあけて設けられ、複数のゴムモジュールユニット2は、それぞれ中間層接続板1の上面及び下面に並列に設けられ、複数の中間層接続板1を一体に接続し、支承アセンブリは、蓋板アセンブリ及び締付部材を含み、蓋板アセンブリは、支承チャンバを取り囲む上蓋板3、下蓋板4及び側壁5を含み、側壁5の頂端にフランジ板6が設けられ、上蓋板3とフランジ板6との間に隙間があり、支承本体は支承チャンバに固設され、締付部材は、支承本体が予圧状態にあるように、フランジ板6と上蓋板3との間に穿設される。
【0036】
図1に示すように、ゴムモジュールユニット2は、上封止板21、下封止板22及び上封止板21と下封止板22との間に設けられたゴムパッド23を含み、ゴムパッド23に複数の鋼板24が上下に間隔をあけて設けられる。
【0037】
図2に示すように、支承本体では、各中間層接続板1の上面及び下面に複数のゴムモジュールユニット2が並列に設けられ、複数のゴムモジュールユニット2の上封止板21は、それぞれその上方に位置する中間層接続板1に接続され、複数のゴムモジュールユニット2の下封止板22は、それぞれその下方に位置する中間層接続板1に接続される。
【0038】
上記ゴムモジュールユニット2は、一体的に加硫して製造されてもよく、標準サイズを有する。中間層接続板1の上面、下面に並列に設けられた複数のゴムモジュールユニット2の具体的な設置方式は厳密に限定されず、実際の必要に応じて合理的に設定されてもよく、具体的に
図7の(A)~(M)を参照すればよい。
【0039】
本実施例のモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承では、支承本体は、ゴムモジュールユニット2を複数の中間層接続板1を介して層並列に組み立てることにより形成され、ゴムモジュールユニット2は、標準サイズ外形のゴムパッドを使用し、上封止板、下封止板及び上下封止板の間のゴム及び鋼板を一体的に加硫することにより製造され、中間層接続板1は、鋼板で製造されてもよく、皿頭ボルトを介してゴムモジュールユニット2の上封止板21及び下封止板22に接続され、上記層並列方式とは、複数のゴムモジュールユニット2の上封止板21が同じ中間層接続板1の同じ側に接続され、複数のゴムモジュールユニット2の下封止板22が他の中間層接続板1の同じ側に接続され、2つの中間層接続板1の間に複数のゴムモジュールユニット2を1組の並列接続されたゴムパッド構造に形成することであり、前記1組の並列接続されたゴムパッド構造と同じ他の多組の並列接続されたゴムパッド構造との間が順番に積層され、隣接する中間層接続板1を介してボルト接続され、多組の並列接続されたゴムパッドを一体に積層する支承本体を形成する。
【0040】
上記モジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承では、支承本体は、従来の積層ゴム支承の代わりに小型の複数のゴムモジュールユニット2を使用して一体化されたゴム層に加硫し、同じ耐圧面積の条件下で、該支承本体のゴム層の自由側表面積は、従来の積層ゴム支承のゴム層の自由側表面積よりも数倍から数十倍に大きくなり、それによりゴムパッド23の層厚をわずかに増加させるだけで、第1形状係数S1(支承の単一ゴム層の有効耐圧面積とその自由側表面積との比)が数倍から数十倍に低下することができ、S1と支承の垂直方向の剛性には強い正の相関関係があり、さらに支承の垂直方向の剛性を効率的に低下させることができ、支承が優れた低周波防振性能を取得し、ほとんどの周波数帯域の環境振動を効率的に隔離することができる。
【0041】
上記モジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承では、支承本体の同じ組の並列接続されたゴムパッド構造のゴムパッドの間の間隔が必要に応じて大きくなり、それにより同じ支承の耐圧面積とゴム層の総厚さの条件下で、該支承本体の幅全体が顕著に増加し、すなわち、第2形状係数S2(内部ゴム層の直径又は有効幅と内部ゴムの総厚さとの比)が顕著に増加するとともに、第1形状係数S1が影響されないようにし、S2と支承の支持時の横座屈防止安定性には強い正の相関関係があるため、該支承本体の横座屈防止安定性がS2の増加に伴って顕著に向上するとともに、支承の垂直方向の剛性が影響されないようにし、支承が優れた支持安定性を取得することができる。
【0042】
上記モジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承では、支承本体は、ゴムモジュールユニットのゴムパッドを層並列に接続する方式を使用し、直列配置のため、支承の高さが大きすぎたり、支承の外形が細かく高すぎたり、支承の横座屈防止安定性が顕著に低下したりするなどの欠陥を回避し、鋼製ばねを使用すると減衰が低く、振動伝播の高周波通過現象があるなどの欠陥を回避するとともに、水平地震作用下での制限部材を使用する必要がなく、剛性制限を使用することによる防振機能の喪失などの欠陥を回避する。
【0043】
上記モジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承では、ゴムモジュールユニット2は、標準サイズ外形のゴムパッドを使用してもよく、上封止板、下封止板及び上下封止板の間のゴム及び鋼板を一体的に加硫することにより製造され、支承本体は、一体的に加硫されて成形される必要がなく、小型の標準化されたモジュールユニットをそれぞれ加硫して製造して組み立てることにより大型支承を形成し、支承の標準化及び取付組立を実現し、従来の大型のゴム免震支承の一体的加硫製造方式と比較して、該支承本体の製造過程において大型加硫機が必要ではなく、大型金型が必要ではなく、設備コストを大幅に節約し、また、該支承本体は、1種又は少数の標準化されたゴムモジュールユニット2を使用し、すなわち、品数がそろっている様々な仕様の全体的な支承本体を集積することができ、量産プロセスの精度がより容易に制御され、製品の歩留まりを大幅に向上させ、小型化されたゴムモジュールユニット2を使用するため、鋼板及びゴム化合物の加工が容易であり、複数の小体積のモジュールユニットが同時に加硫され、加硫サイクルを大幅に短縮させ、製造コストを顕著に削減し、良好な普及応用将来性を有する。
【0044】
図3、
図4に示すように、本実施例では、締付部材は締付スクリュー7であり、締付スクリュー7の上端と下端がねじ立てされ、上蓋板3にねじ孔が設けられ、締付スクリュー7の上端はフランジ板6を貫通して上蓋板3のねじ孔に締結接続され、締付スクリュー7の下端はワッシャーを介してフランジ板6の底面に押し付けられる。
【0045】
上記モジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承は、輸送、現場施工及び取り付け段階で締付スクリュー7を介して支承本体を予圧状態にさせ、施工及び取り付け過程において、支承本体は常に予圧状態にあり、上部荷重が徐々に増加しても制御しにくい垂直方向の変形量を解放せず、施工標高及び精度の制御がより容易になり、使用段階で、三次元免震/防振支承は、上部構造のすべての永久荷重作用を受けた後に該締付スクリュー7を取り外すことができる。
【0046】
本実施例のモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承は、上蓋板3の上方に設けられた上埋込板8及び下蓋板4の下方に設けられた下埋込板9をさらに含み、上埋込板8と下埋込板9は、ボルトを介して上蓋板3と下蓋板4にそれぞれ固定接続される。
【0047】
図5、
図6に示すように、本実施例のモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承は、ライナーアセンブリをさらに含み、ライナーアセンブリは、異なる厚さを有する複数のライナー10を含み、ライナー10は、締付部材の取り外し状態で下蓋板4と下埋込板9との間に挿設される。
【0048】
上記モジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承は、使用段階で締付スクリュー7を取り外した後、支承チャンバの側壁5のフランジ板6の下側と下埋込板9の上面との間にジャッキ12が設けられてジャッキアップし、支承本体をさらに圧縮させることができるとともに、下蓋板4と下埋込板9との間に隙間を発生させ、ライナー10が下蓋板4と下埋込板9との間の隙間に挿入され、下蓋板4と下埋込板9にボルトで固定又は溶接される。取り付け後に、設計誤差及び施工誤差による異なる部位の支承の変形差が、該ライナー10を増設することにより調整解消され、それにより構造の安全性及び使用機能を確保することができる。
【0049】
本実施例のモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承は、減衰アーム11をさらに含み、減衰アーム11の下端はフランジ板6の外端面に固定され、減衰アーム11の上端は可撓接続キャビティを介して上埋込板8の外端面に接続される。
【0050】
可撓接続キャビティは、上埋込板8の外端面に設けられた鋼製チャンバであり、鋼製チャンバの内壁にゴムパッドが貼り付けられ、減衰アーム11の上端に上端板が設けられ、減衰アーム11の上端板は鋼製チャンバに配置され、ゴムパッドは上端板の外部に被覆される。また、減衰アーム11は、半円形状又は曲げた形状を使用し、軟鋼で鉛プラグを被覆することにより製造されるか又は軟鋼で製造される。
【0051】
上記モジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承には減衰アーム11がさらに設けられてもよく、減衰アーム11は、半円形状又は曲げた形状を使用してもよく、軟鋼で鉛プラグを被覆することにより製造されるか又は純粋な軟鋼で製造され、該減衰アーム11の下端と上端にいずれも端板が固設されてもよく、下端端板は、支承チャンバの側壁5にボルト接続又は溶接されてもよく、上端端板と上埋込板8の側面板との間は、可撓接続キャビティを介して接続されてもよく、その有益な効果としては、風が作用すると、該減衰アーム11が材料降伏レベルに達せず、三次元免震/防振支承が過度に変形せず、地震が発生すると、該減衰アーム11が降伏してエネルギーを消費し、三次元免震/防振支承の減衰及びエネルギー消費能力を向上させ、環境振動が作用すると、該可撓接続キャビティは、環境振動のほとんどを減衰アーム11を介して上部構造に伝播させることができず、環境振動を効率的に隔離する能力を確保する。
【0052】
本実施例のモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承では、支承アセンブリは、上蓋板3、下蓋板4、側壁5、フランジ板6、締付スクリュー7、上埋込板8、下埋込板9、ライナー10及び減衰アーム11を含んでもよい。
【0053】
下蓋板4と側壁5は一体構造であってもよく、上蓋板3の下側と側壁5の頂端に隙間があり、側壁5の頂端にフランジ板6が設けられ、フランジ板6に貫通孔が開口され、上蓋板3にねじ孔が開口され、上蓋板3、下蓋板4及び側壁5は支承チャンバを取り囲み、支承本体は支承チャンバに固定される。
【0054】
埋込板は、上埋込板8及び下埋込板9を含み、上埋込板8は、ねじ孔が開口され、免震/防振対象の上部構造に埋め込まれ、上埋込板8と上蓋板3はボルトで接続され、上埋込板8の4辺に側面板が設けられ、下埋込板9は、ねじ孔が開口され、免震/防振対象の下部構造に埋め込まれ、下埋込板9と蓋板4はボルトで接続される。
【0055】
締付スクリュー7の上下端がねじ立てされ、下端にナット及びワッシャーが配置され、工場での組み立て段階で、三次元免震/防振支承は垂直方向に予圧された後、締付スクリュー7の上端は支承チャンバの上蓋板3のねじ孔に締結され、締付スクリュー7の下端は支承チャンバの側壁5の頂端のフランジ板6の貫通孔、ワッシャー及びナットを順番に貫通して、ナットに締結され、ナットをワッシャーを介してフランジ板6の下側に押し付け、設備の垂直方向の予圧力が解放された場合、支承チャンバは依然として締付スクリュー7の引張力で作用され、三次元免震/防振支承への予圧作用を維持し、輸送、現場施工及び取り付け段階で、締付スクリュー7は締結状態にあり、使用段階で、三次元免震/防振支承は、上部構造のすべての永久荷重作用を受けた後、締付スクリュー7を取り外す。
【0056】
ライナー10は、厚さの異なる複数の鋼板で製造され、使用段階で締付スクリュー7を取り外した後、支承チャンバの側壁5のフランジ板6の下側と下埋込板9の上面との間にジャッキ12が設けられてジャッキアップし、三次元免震/防振支承をさらに圧縮させることができるとともに、下蓋板4と下埋込板との間に隙間を発生させ、ライナー10が下蓋板4と下埋込板9との間の隙間に挿入され、下蓋板4及び下埋込板9にボルトで固定又は溶接される。
【0057】
減衰アーム11は、半円形状又は曲げた形状を使用し、軟鋼で鉛プラグを被覆することにより製造されるか又は純粋な軟鋼で製造され、減衰アーム11の下端と上端にいずれも端板が固定され、下端端板は、支承チャンバの側壁5にボルト接続又は溶接され、上端端板と上埋込板8の側面板との間は可撓接続キャビティを介して接続され、可撓接続キャビティは、上埋込板8の側面板の表面に固定された鋼製チャンバであり、外板、内板及び側板で取り囲んで形成され、可撓接続キャビティの内壁にゴムパッドが貼り付けられ、減衰アーム11の上端端板を取り囲んで被覆し、可撓接続キャビティの外板に減衰アーム11が通過するための穴が開口される。減衰アーム11は、三次元免震/防振支承の使用段階で締付スクリュー7を取り外した後に取り付けられる。
【0058】
本実施例の振動地震の二重制御のためのモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承は、従来の免震支承製品の垂直方向の剛性が高すぎるという問題を解決し、積層ゴムの垂直方向の剛性を効率的に低下させることができるという支承構造が提案されており、既存の振動地震の二重制御のための支承の安定性が低いという問題を解決し、低い垂直方向の剛性の設計下でゴム支承の全体的な安定性を維持するという支承構造が提案されており、既存の振動地震の二重制御のための支承が鋼製部材を使用すると減衰が低すぎ、高周波通過現象があり、横方向制限により干渉するなどの問題を解決し、減衰比が高く、高周波通過現象を回避でき、横方向制限が必要ではないという支承構造が提案されており、既存の大型の振動地震の二重制御のための支承の製造プロセス要件が高すぎ、制御精度が低く、コストが高いなどの問題を解決し、プロセスが制御可能であり、価格がより安く、普及応用が容易であるという支承構造が提案されており、既存の振動地震の二重制御のための支承の施工過程において支承の変形制御が困難であり、施工後に支承の高さの調整が困難であるなどの問題を解決し、支承の変形が制御可能であり、支承の取り付け後の高さが調整可能であるという支承構造が提案されている。
【0059】
最後に、なお、以上の各実施例は、本発明の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、それを制限するものではなく、上記各実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、依然として上記各実施例に記載の技術的解決手段を修正し、又はそのうちの一部又は全部の技術的特徴に対して等価置換を行うことができるが、これらの修正や置換は、相応な技術的解決手段の本質を本発明の各実施例の技術的解決手段の範囲から逸脱させるものでははいことを理解されたい。
【符号の説明】
【0060】
1:中間層接続板、2:ゴムモジュールユニット、21:上封止板、22:下封止板、23:ゴムパッド、24:鋼板、3:上蓋板、4:下蓋板、5:側壁、6:フランジ板、7:締付部材、8:上埋込板、9:下埋込板、10:ライナー、11:減衰アーム、12:ジャッキ
【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、振動地震の二重制御のためのモジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承を提供する。
【解決手段】モジュール化層が並列接続された三次元免震/防振支承は、支承本体と、支承アセンブリとを含み、支承本体は、複数の中間層接続板及び複数のゴムモジュールユニットを含み、複数の中間層接続板は上下に間隔をあけて設けられ、複数のゴムモジュールユニットは、それぞれ中間層接続板の上面及び下面に並列に設けられ、複数の中間層接続板を一体に接続し、支承アセンブリは、蓋板アセンブリ及び締付部材を含み、蓋板アセンブリは、支承チャンバを取り囲む上蓋板、下蓋板及び側壁を含み、側壁の頂端にフランジ板が設けられ、上蓋板とフランジ板との間に隙間があり、支承本体は支承チャンバに固設され、締付部材は、支承本体が予圧状態にあるように、フランジ板と上蓋板との間に穿設される。
【選択図】
図3