(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】冷却装置及び冷却装置の冷却方法
(51)【国際特許分類】
B22C 9/06 20060101AFI20221024BHJP
【FI】
B22C9/06 B
(21)【出願番号】P 2022115177
(22)【出願日】2022-07-20
【審査請求日】2022-07-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522289585
【氏名又は名称】パーツテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】菅沼 一喜
(72)【発明者】
【氏名】加藤 薫
(72)【発明者】
【氏名】栗田 権司
【審査官】岡田 隆介
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-028534(JP,A)
【文献】特開2013-158804(JP,A)
【文献】特開2018-130757(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22C9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被冷却体を流体を介して冷却する冷却装置であって、
前記被冷却体を有する本体に取り付けられた外側パイプと、
この外側パイプ内に位置し、前記流体を被冷却体に導く内側パイプと、
この内側パイプに接続され、流体胴部入口部と流体胴部出口部を有する胴部と、
この胴部を覆い、外側流体入口部と外側流体出口部を有する覆体と、
この覆体を前記胴部に固定する溶接によらない固定手段とを有し、
前記外側流体入口部と前記流体胴部入口部は入口側接続通路で接続され、
前記外側流体出口部と前記流体胴部出口部は出口側接続通路で接続され、
前記入口側接続通路と前記出口側接続通路は前記覆体の内壁に当接する前記胴部に設けられた仕切り部で仕切られ、
前記流体胴部入口部及び前記流体胴部出口部は、前記仕切り部より低く、前記覆体の内壁から離間した位置にあり、
前記入口側接続通路は、前記覆体の内周と前記胴部の外周の間の全周に亘るものであり、
前記出口側接続通路は、前記覆体の内周と前記胴部の外周の間の全周に亘るものであり、
前記覆体と前記胴部には、前記流体胴部入口部と前記内側パイプとに連通し、前記入口側接続通路からの前記流体を前記被冷却体へ導く流入側通路と、前記内側パイプと前記外側パイプとの間と前記流体胴部出口部とに連通し、前記被冷却体と熱交換した前記流体を外部へ導く流出側通路を有し、
この流出側通路は、前記出口側接続通路に連通し、前記固定手段による前記覆体を前記胴部に固定する前にあっては、前記覆体は前記胴部に対して回動自在となっている
ことを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
固定手段は、
胴部の本体から遠い側の端部に設けられた雌ねじと、この雌ねじに螺合する雄ねじと、
この雄ねじと覆体の本体から遠い側の端部に当接する当接部材と、
前記覆体の前記本体に近い側の端部に当接し、胴部の前記本体に近い側の端部に設けられた外方に張り出す張出し部とを有し、
前記雌ねじに対する前記雄ねじの締め付けにより前記覆体を前記胴部に締結し、前記雌ねじからの前記雄ねじの離脱により、前記覆体と前記胴部を分離させる
ことを特徴とする請求項1記載の冷却装置。
【請求項3】
被冷却体の熱交換は、
金型に設けられた中子内の第1の空間内に内側パイプの先端を位置させ、前記内側パイプの先端から流体を流出させ、前記中子を介して、前記金型の内部にある溶融金属を冷却させるか、
又は、
金型に設けられた第2の空間内に内側パイプの先端を位置させ、前記内側パイプの先端から流体を流出させ、前記金型を介して、前記金型の内部にある溶融金属を冷却させるかである
ことを特徴とする請求項1記載の冷却装置。
【請求項4】
被冷却体は、金型の内部にある溶融金属であり、
前記金型は、第1の金型と第2の金型を有し、
前記第1の金型内と前記第2の金型内を跨るように中子が設けられ、
前記中子の内部に前記第1の金型内と前記第2の金型内を跨ると共に、垂直方向に空間が設けられ、
内側パイプの先端は、外側パイプの先端より突出し、
前記内側パイプの先端より供給される流体は、前記中子の内壁に接触して熱交換し、熱交換した前記流体は、前記外側パイプの先端より排出される
ことを特徴とする請求項1記載の冷却装置。
【請求項5】
被冷却体を流体を介して冷却する冷却装置
の冷却方法であって、
前記被冷却体を有する本体に取り付けられた外側パイプと、
この外側パイプ内に位置し、前記流体を
前記被冷却体に導く内側パイプと、
この内側パイプに接続され、流体胴部入口部と流体胴部出口部を有する胴部と、
この胴部を覆い、外側流体入口部と外側流体出口部を有する覆体と、
この覆体を前記胴部に固定する溶接によらない固定手段とを有し、
前記外側流体入口部と前記流体胴部入口部は入口側接続通路で接続され、
前記外側流体出口部と前記流体胴部出口部は出口側接続通路で接続され、
前記入口側接続通路と前記出口側接続通路は前記覆体の内壁に当接する前記胴部に設けられた仕切り部で仕切られ、
前記流体胴部入口部及び前記流体胴部出口部は、前記仕切り部より低く、前記覆体の内壁から離間した位置にあり、
前記入口側接続通路は、前記覆体の内周と前記胴部の外周の間の全周に亘るものであり、
前記出口側接続通路は、前記覆体の内周と前記胴部の外周の間の全周に亘るものであり、
前記覆体と前記胴部には、前記流体胴部入口部と前記内側パイプとに連通し、前記入口側接続通路からの前記流体を前記被冷却体へ導く流入側通路と、前記内側パイプと前記外側パイプとの間と前記流体胴部出口部とに連通し、前記被冷却体と熱交換した前記流体を外部へ導く流出側通路を有し、
この流出側通路は、
前記出口側接続通路に連通し、前記固定手段により前記覆体を前記胴部に固定するものであり、前記外側パイプの先端が前記被冷却体に設けられた空間に臨むように前記外側パイプを前記本体に固定されたものであり、
前記覆体を前記胴部に締め付け固定する前に、前記覆体を回動し、前記外側流体入口
部と前記外側流体出口部を位置合わせし、位置合わせ後、前記覆体を前記固定手段により前記胴部に締め付けて、前記覆体を溶接によらないで、固定する
ことを特徴とする冷却装置の冷却方法。
【請求項6】
溶接によらない固定手段の解除により覆体を胴部から分離し、前記胴部に付着した付着物を除去する
ことを特徴とする請求項5記載の冷却装置の冷却方法。
【請求項7】
胴部には、前記胴部の長手方向に沿うと共に本体に向かって、外側仕切り部、仕切り部、内側仕切り部が形成され、
前記仕切り部は、前記胴部の長手方向を横断し、入口側接続通路と出口側接続通路を遮断するものであり、
前記外側仕切り部、前記仕切り部及び前記内側仕切り部の外周は、覆体の内周にそれぞれ当接し、
外側流体入口部が流体胴部入口部に、外側流体出口部が流体胴部出口部に、それぞれ対向している
ことを特徴とする請求項1記載の冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却装置及び冷却装置の冷却方法に係り、特に、覆体の位置の微調整を簡易に行うことができる冷却装置及び冷却装置の冷却方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冷却装置、例えば、鋳物の冷却装置として、連続鋳物用冷却装置がある(特許文献1
図4参照)。
この連続鋳物用冷却装置は、特許文献1の
図4に示すように、鋳型(50)の内部に供給パイプ(61)に冷却水供給管(62)から冷却水を供給して、鋳型(50)を冷却するようにしている。特許文献1の
図4には、冷却水供給管(62)の固定方法が開示されていない。
通常、冷却水供給管(62)が供給パイプ(61)内に導かれる部位を溶接して固定するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
冷却水供給管(62)が供給パイプ(61)内に導かれる部位を溶接して固定すると、固定後、冷却水供給管(62)の位置を変えたい場合、溶接部位を取り除かねばならず、容易に対応できないという問題点が生じた。
【0005】
本発明は、上記の問題点を考慮してなされた冷却装置及び冷却装置の冷却方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の冷却装置は、被冷却体を流体を介して冷却する冷却装置であって、前記被冷却体を有する本体に取り付けられた外側パイプと、この外側パイプ内に位置し、前記流体を被冷却体に導く内側パイプと、この内側パイプに接続され、流体胴部入口部と流体胴部出口部を有する胴部と、この胴部を覆い、外側流体入口部と外側流体出口部を有する覆体と、この覆体を前記胴部に固定する溶接によらない固定手段とを有し、前記外側流体入口部と前記流体胴部入口部は入口側接続通路で接続され、前記外側流体出口部と前記流体胴部出口部は出口側接続通路で接続され、前記入口側接続通路と前記出口側接続通路は前記覆体の内壁に当接する前記胴部に設けられた仕切り部で仕切られ、前記流体胴部入口部及び前記流体胴部出口部は、前記仕切り部より低く、前記覆体の内壁から離間した位置にあり、前記入口側接続通路は、前記覆体の内周と前記胴部の外周の間の全周に亘るものであり、前記出口側接続通路は、前記覆体の内周と前記胴部の外周の間の全周に亘るものであり、前記覆体と前記胴部には、前記流体胴部入口部と前記内側パイプとに連通し、前記入口側接続通路からの前記流体を前記被冷却体へ導く流入側通路と、前記内側パイプと前記外側パイプとの間と前記流体胴部出口部とに連通し、前記被冷却体と熱交換した前記流体を外部へ導く流出側通路を有し、この流出側通路は、前記出口側接続通路に連通し、前記固定手段による前記覆体を前記胴部に固定する前にあっては、前記覆体は前記胴部に対して回動自在となっているものである。
【0007】
また、請求項2記載の冷却装置は、請求項1記載の冷却装置において、固定手段は、胴部の本体から遠い側の端部に設けられた雌ねじと、この雌ねじに螺合する雄ねじと、この雄ねじと覆体の本体から遠い側の端部に当接する当接部材と、前記覆体の前記本体に近い側の端部に当接し、胴部の前記本体に近い側の端部に設けられた外方に張り出す張出し部とを有し、前記雌ねじに対する前記雄ねじの締め付けにより前記覆体を前記胴部に締結し、前記雌ねじからの前記雄ねじの離脱により、前記覆体と前記胴部を分離させるものである。
【0008】
また、請求項3記載の冷却装置は、請求項1記載の冷却装置において、被冷却体の熱交換は、金型に設けられた中子内の第1の空間内に内側パイプの先端を位置させ、前記内側パイプの先端から流体を流出させ、前記中子を介して、前記金型の内部にある溶融金属を冷却させるか、又は、金型に設けられた第2の空間内に内側パイプの先端を位置させ、前記内側パイプの先端から流体を流出させ、前記金型を介して、前記金型の内部にある溶融金属を冷却させるかである。
【0009】
また、請求項4記載の冷却装置は、請求項1記載の冷却装置において、被冷却体は、金型の内部にある溶融金属であり、前記金型は、第1の金型と第2の金型を有し、前記第1の金型内と前記第2の金型内を跨るように中子が設けられ、前記中子の内部に前記第1の金型内と前記第2の金型内を跨ると共に、垂直方向に空間が設けられ、内側パイプの先端は、外側パイプの先端より突出し、前記内側パイプの先端より供給される流体は、前記中子の内壁に接触して熱交換し、熱交換した前記流体は、前記外側パイプの先端より排出されるものである。
【0010】
また、請求項5記載の冷却装置の冷却方法は、被冷却体を流体を介して冷却する冷却装置の冷却方法であって、前記被冷却体を有する本体に取り付けられた外側パイプと、この外側パイプ内に位置し、前記流体を前記被冷却体に導く内側パイプと、この内側パイプに接続され、流体胴部入口部と流体胴部出口部を有する胴部と、この胴部を覆い、外側流体入口部と外側流体出口部を有する覆体と、この覆体を前記胴部に固定する溶接によらない固定手段とを有し、前記外側流体入口部と前記流体胴部入口部は入口側接続通路で接続され、前記外側流体出口部と前記流体胴部出口部は出口側接続通路で接続され、前記入口側接続通路と前記出口側接続通路は前記覆体の内壁に当接する前記胴部に設けられた仕切り部で仕切られ、前記流体胴部入口部及び前記流体胴部出口部は、前記仕切り部より低く、前記覆体の内壁から離間した位置にあり、前記入口側接続通路は、前記覆体の内周と前記胴部の外周の間の全周に亘るものであり、前記出口側接続通路は、前記覆体の内周と前記胴部の外周の間の全周に亘るものであり、前記覆体と前記胴部には、前記流体胴部入口部と前記内側パイプとに連通し、前記入口側接続通路からの前記流体を前記被冷却体へ導く流入側通路と、前記内側パイプと前記外側パイプとの間と前記流体胴部出口部とに連通し、前記被冷却体と熱交換した前記流体を外部へ導く流出側通路を有し、この流出側通路は、前記出口側接続通路に連通し、前記固定手段により前記覆体を前記胴部に固定するものであり、前記外側パイプの先端が前記被冷却体に設けられた空間に臨むように前記外側パイプを前記本体に固定されたものであり、前記覆体を前記胴部に締め付け固定する前に、前記覆体を回動し、前記外側流体入口部と前記外側流体出口部を位置合わせし、位置合わせ後、前記覆体を前記固定手段により前記胴部に締め付けて、前記覆体を溶接によらないで、固定するものである。
【0011】
また、請求項6記載の冷却装置の冷却方法は、請求項5記載の冷却装置の冷却方法において、溶接によらない固定手段の解除により覆体を胴部から分離し、前記胴部に付着した付着物を除去するものである。
【0012】
また、請求項7記載の冷却装置は、請求項1記載の冷却装置において、胴部には、前記胴部の長手方向に沿うと共に本体に向かって、外側仕切り部、仕切り部、内側仕切り部が形成され、前記仕切り部は、前記胴部の長手方向を横断し、入口側接続通路と出口側接続通路を遮断するものであり、前記外側仕切り部、前記仕切り部及び前記内側仕切り部の外周は、覆体の内周にそれぞれ当接し、外側流体入口部が流体胴部入口部に、外側流体出口部が流体胴部出口部に、それぞれ対向しているものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の冷却装置によれば、入口側接続通路及び出口側接続通路は、胴部の全周に亘り、外側流体入口部と流体胴部入口部は入口側接続通路で、外側流体出口部と流体胴部出口部は出口側接続通路で、それぞれ接続され、入口側接続通路と出口側接続通路は仕切り部で仕切って、被冷却体を冷却する流体の出入りを胴部にまとめることができ、冷却装置をコンパクトにできると共に、覆体を胴部に接続される前にあっては、覆体を胴部に対して360度どの位置にも位置させることができ、装置外流体入口通路及び装置外流体出口通路の位置に対応して覆体を回動させて調整し、調整後、外側流体入口通路と装置外流体入口通路、外側流体出口部と装置外流体出口通路を容易に接続することができる。
【0014】
また、請求項2記載の冷却装置によれば、上述した請求項1記載の発明の効果に加え、覆体を胴部から容易に離脱させることができるため、胴部の周囲の付着物(例えば、流体が水道水の場合、付着物は、カルキである。)を露出させて、除去することができ、また、設置後、外側流体入口部及び外側流体出口部の位置を変える必要が生じた場合、雌ねじに対する雄ねじの締め付けを緩くして、外側流体入口部及び外側流体出口部を所望の位置に移動させて容易に対応させることができる。
【0015】
また、請求項3記載の冷却装置によれば、上述した請求項1記載の発明の効果に加え、金型に設けられた中子内の第1の空間内に内側パイプの先端を位置させ、前記内側パイプの先端から流体を流出させ、前記中子を介して、前記金型の内部にある溶融金属を冷却させる場合、流体が中子の内壁を直接冷却せる分、冷却効果を増大させることができる。
また、金型に設けられた第2の空間内に内側パイプの先端を位置させ、前記内側パイプの先端から流体を流出させ、前記金型を介して、前記金型の内部にある溶融金属を冷却させる場合、流体が金型の内部空間である第2の空間内を直接冷却せる分、冷却効果を増大させることができる。
【0016】
また、請求項4記載の冷却装置によれば、上述した請求項1記載の発明の効果に加え、内側パイプの先端より供給される流体は、第1の金型内と第2の金型内を跨ると共に、垂直方向に設けられた中子の内壁に接触するため、中子を介して、金型内の溶融金属を効率良く冷却することができる。
【0017】
また、請求項5記載の冷却装置の冷却方法によれば、入口側接続通路及び出口側接続通路は、胴部の全周に亘り、外側流体入口部と流体胴部入口部は入口側接続通路で、外側流体出口部と流体胴部出口部は出口側接続通路で、それぞれ接続され、入口側接続通路と出口側接続通路は仕切り部で仕切って、被冷却体を冷却する流体の出入りを胴部にまとめることができ、冷却装置をコンパクトにできると共に、覆体を胴部に固定される前にあっては、覆体を胴部に対して360度どの位置にも位置させることができ、装置外流体入口通路及び装置外流体出口通路の位置に対応して覆体を回動させて調整し、調整後、固定手段により胴部に締め付けて、覆体を溶接によらないで、固定することができる。
【0018】
また、請求項6記載の冷却装置の冷却方法によれば、上述した請求項5記載の発明の効果に加え、溶接によらない固定手段の解除により覆体を胴部から容易に離脱させることができるため、胴部の周囲の付着物(例えば、流体が水道水の場合、付着物は、カルキである。)を露出させて、除去することができる。
【0019】
また、請求項7記載の冷却装置によれば、上述した請求項1記載の発明の効果に加え、外側流体入口部が流体胴部入口部に、外側流体出口部が流体胴部出口部に、それぞれ対向しているため、熱交換前の流体を流体胴部入口部に効率良く流入させ、熱交換した流体を流体胴部出口部に効率良く排出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例の冷却装置の概略的断面図である。
【
図3】
図3は、
図1の胴部が回動する状態を概略的に示す図である。
【
図4】
図4(a)は、本願発明の要部の概略的断面図で、矢印は流体の流れを示し、
図4(b)は、本願発明の要部の概略的断面図で、薄く塗られた部位は流入部を、濃く塗られた部位は、流出部を、それぞれ示している。
【
図5】
図5は、本願発明の要部を撮影した写真である。
【
図7】
図7は、
図6の第3の雄ねじとこの第3の雄ねじに螺合する第3の雌ねじを有する胴部との関係を撮影した写真である。
【0021】
本発明の一実施例の冷却装置及び冷却装置の冷却方法を
図1乃至
図7を参照して説明する。
図1に示すRは冷却装置で、冷却装置Rは、被冷却体1を流体(流体は、例えば、水道水である。)を介して冷却するものである。
【0022】
被冷却体1は、例えば、金型2の内部にある溶融金属(例えば、溶融したアルミニウム)である(
図1乃至
図3参照)。
被冷却体1の熱交換は、金型2に設けられた中子3内の空間(第1の空間)4内に内側パイプ5の先端5Aを位置させ、内側パイプ5の先端から流体を流出させ、中子3を介して、金型2の内部にある溶融金属を冷却させるか、又は、金型2に設けられた第2の空間(図示せず)内に内側パイプ5の先端5Aを位置させ、内側パイプ5の先端5Aから流体を流出させ、金型2を介して、金型1の内部にある溶融金属を冷却させるかである。
【0023】
その結果、金型2に設けられた中子3内の空間(第1の空間)4に内側パイプ5の先端5Aを位置させ、内側パイプ5の先端5Aから流体を流出させ、中子3を介して、金型2の内部にある溶融金属を冷却させる。この場合、流体が中子3の内壁を直接冷却せる分、冷却効果を増大させることができる。
また、図示しないが、金型2に設けられ第2の空間(図示せず)内に内側パイプ5の先端5Aを位置させ、内側パイプ5の先端5Aから流体を流出させ、金型2を介して、金型2の内部にある溶融金属を冷却させる。この場合、流体が金型2の内部空間である第2の空間(図示せず)内を直接冷却せる分、冷却効果を増大させることができる。
【0024】
更に、詳述すれば、
図1及び
図3に示すように、金型2は、第1の金型21と第2の金型22を有し、第1の金型21内と第2の金型22内を跨るように中子3が設けられている。
そして、中子3の内部に空間4が設けられ、具体的には、中子3の内部に垂直方向に空間4が設けられ、より具体的には、中子3の内部に第1の金型21内と第2の金型22内を跨ると共に、垂直方向に空間(第1の空間)4が設けられている。
詳細を後述する内側パイプ5の先端5Aは、外側パイプ6の先端6Aより突出し、内側パイプ5の先端5Aより供給される流体(例えば、水道水)は、中子3の内壁に接触して熱交換し、熱交換した流体(例えば、水道水)は、外側パイプ6の先端6Aより排出される。
そのため、中子3を介して、金型2内の溶融金属を効率良く冷却することができる。
【0025】
外側パイプ6は、被冷却体1を内部に有する本体100に取り付けられたもので、取り付けは、例えば、溶接による固着である。内側パイプ5は、外側パイプ6内に位置し、流体を被冷却体1に導くものである。
胴部7は、
図4乃至
図7に示すように、内側パイプ5に接続され、流体胴部入口部7Iと流体胴部出口部7Oを有する。覆体8は、胴部7を覆い、外側流体入口部8Iと外側流体出口部8Oを有する。そして、覆体8を胴部7に固定する固定手段は、溶接によらないもので、覆体8を胴部7に固定するものである。
【0026】
上述した固定手段は、胴部7の本体100から遠い側の端部に設けられた雌ねじ7N”(
図4及び
図7参照)と、この雌ねじ7N”に螺合する雄ねじ9と、この雄ねじ9と覆体8の本体100から遠い側の端部に当接する当接部材91(この実施例の当接部材91は、雄ねじ9に一体的に取り付けられている。)と、覆体8の本体100に近い側の端部に当接し、胴部7の本体100に近い側の端部に設けられた外方に張り出す張出し部7Dとを有し、雌ねじ7N”(
図4及び
図7参照)に対する雄ねじ9の締め付けにより覆体8を胴部7に締結し、雌ねじ7N”(
図4及び
図7参照)からの雄ねじ9の離脱により、覆体8と胴部7を分離させることができるようになっている。
【0027】
つまり、覆体8を胴部7から容易に離脱させることができるため、胴部7の周囲の付着物(例えば、流体が水道水の場合、付着物は、カルキである。)を露出させて、除去することができ、また、設置後、外側流体入口部8I及び外側流体出口部8Oの位置を変える必要が生じた場合、雌ねじ7N”(
図7参照)に対する雄ねじ9の締め付けを緩くして、外側流体入口部8I及び外側流体出口部8Oを所望の位置に移動させて容易に対応させることができる。
なお、覆体8の本体1に近い側の端部は張出し部7Dに、覆体8の本体1から遠い側の端部は 雄ねじ9の締め付けにより、覆体8は胴部7に固定される。張出し部7Dと覆体8の間と、当接部材91と覆体8の間とには、シール部材を介在させてシール性を保っている。
【0028】
外側流体入口部8Iと流体胴部入口部7Iは入口側接続通路INで接続され、外側流体出口部8Oと流体胴部出口部7Oは出口側接続通路OUTで接続され、入口側接続通路INと出口側接続通路OUTは覆体8の内壁に当接する胴部7に設けられた仕切り部7T”で仕切られ、流体胴部入口部7I及び流体胴部出口部7Oは、仕切り部7T”より低く、覆体8の内壁から離間した位置にある。
入口側接続通路INは、覆体8の内周と胴部7の外周の間の全周に亘るものであり、出口側接続通路OUTは、覆体8の内周と胴部7の外周の間の全周に亘るものである。
【0029】
そして、
図4に示すように、覆体8と胴部7には、流体胴部入口部7Iと内側パイプ5とに連通し、入口側接続通路INからの流体を被冷却体1へ導く流入側通路50と、内側パイプ5と外側パイプ6との間と流体胴部出口部7Oとに連通し、被冷却体1と熱交換した流体を外部へ導く流出側通路60を有し、この流出側通路60は、出口側接続通路OUTに連通し、前記固定手段による覆体8を胴部7に固定する前にあっては、覆体8は胴部7に対してを回動自在となっている。
【0030】
つまり、入口側接続通路IN及び出口側接続通路OUTは、胴部7の全周に亘り、外側流体入口部8Iと流体胴部入口部7Iは入口側接続通路INで、外側流体出口部8Oと流体胴部出口部7Oは出口側接続通路OUTで、それぞれ接続され、入口側接続通路INと出口側接続通路OUTは仕切り部7T”で仕切って、被冷却体1を冷却する流体の出入りを胴部7にまとめることができ、冷却装置Rをコンパクトにできると共に、覆体8を胴部7に接続される前にあっては、覆体8を胴部7に対して360度どの位置にも位置させることができ、装置外流体入口通路10及び装置外流体出口通路20の位置に対応して覆体8を回動させて調整し、調整後、外側流体入口部8Iと装置外流体入口通路(例えば、ホース)10、外側流体出口部8Oと装置外流体出口通路(例えば、ホース)20を容易に接続することができる。
【0031】
上述した冷却装置の冷却方法によれば、入口側接続通路IN及び出口側接続通路OUTは、胴部7の全周に亘り、外側流体入口部8Iと流体胴部入口部7Iは入口側接続通路INで、外側流体出口部8Oと流体胴部出口部7Oは出口側接続通路OUTで、それぞれ接続され、入口側接続通路INと出口側接続通路OUTは仕切り部7T”で仕切って、被冷却体1を冷却する流体の出入りを胴部7にまとめることができ、冷却装置 Rをコンパクトにできると共に、覆体8を胴部7に固定される前にあっては、覆体8を胴部7に対して360度どの位置にも位置させることができ、装置外流体入口通路10及び装置外流体出口通路20の位置に対応して覆体8を回動させて調整し、調整後、固定手段により胴部7に締め付けて、覆体8を溶接によらないで、固定することができる。
また、溶接によらない固定手段の解除により覆体8を胴部7から容易に離脱させることができるため、胴部7の周囲の付着物(例えば、流体が水道水の場合、付着物は、カルキである。)を露出させて、除去することができる。
【0032】
なお、胴部7には、胴部7の長手方向に沿うと共に本体100に向かって、外側仕切り部7T’、仕切り部7T”、内側仕切り部7T”’が形成され、仕切り部7T”は、胴部7の長手方向を横断し、入口側接続通路INと出口側接続通路OUTを遮断するものであり、外側仕切り部7T’、仕切り部7T”及び内側仕切り部7T”’の外周は、覆体8の内周にそれぞれ当接し、望ましくは、外側流体入口部8Iが流体胴部入口部7Iに、外側流体出口部8Oが流体胴部出口部7Oに、それぞれ対向するようにするのが良い。
そのため、熱交換前の流体を流体胴部入口部7Iに効率良く流入させ、熱交換した流体を流体胴部出口部7Oに効率良く排出させることができるようになっている。
しかし、取り付けに制約がある場合、装置外流体入口通路10及び装置外流体出口通路20の位置に対応して覆体8を回動させて調整し、調整後、外側流体入口部8Iと装置外流体入口通路(例えば、ホース)10、外側流体出口部8Oと装置外流体出口通路(例えば、ホース)20を容易に接続することができる。
なお、装置外流体入口通路(例えば、ホース)10より供給された流体は、
図4(a)に示すように、外側流体入口部8I、入口側接続通路IN、流体胴部入口部7I、
流入側通路50、空間(第1の空間)4を通り、 被冷却体1を冷却する。熱交換した流体は、流出側通路60、流体胴部出口部7O、出口側接続通路OUT、外側流体出口部8O、装置外流体出口通路(例えば、ホース)20を通って排出される。
【符号の説明】
【0033】
R 冷却装置
IN 入口側接続通路
OUT 出口側接続通路
1 被冷却体
2 金型
21 第1の金型
22 第2の金型
3 中子
4 空間(第1の空間)
5 内側パイプ
5A 先端(内側パイプ)
6 外側パイプ
6A 先端(外側パイプ)
7 胴部
7I 流体胴部入口部
7O 流体胴部出口部
8 覆体
8I 外側流体入口部
8O 外側流体出口部
9 雄ねじ
100 本体
【要約】
【課題】
本発明の目的は、覆体の位置の微調整を簡易に行うことができる冷却装置及び冷却装置の冷却方法を提供するものである。
【解決手段】
冷却装置Rは、被冷却体1を流体を介して冷却する冷却装置Rであって、被冷却体1を有する本体100に取り付けられた外側パイプ6と、この外側パイプ6内に位置し、前記流体を被冷却体1に導く内側パイプ5と、この内側パイプ5に接続され、流体胴部入口部7Iと流体胴部出口部7Oを有する胴部7と、この胴部7を覆い、外側流体入口部8Iと外側流体出口部8Oを有する覆体8と、この覆体8を胴部7に固定する溶接によらない固定手段とを有し、外側流体入口部8Iと流体胴部入口部7Iは入口側接続通路INで接続され、外側流体出口部8Oと流体胴部出口部7Oは出口側接続通路OUTで接続され、入口側接続通路INと出口側接続通路OUTは覆体8の内壁に当接する胴部7に設けられた仕切り部7T”で仕切られ、流体胴部入口部7I及び流体胴部出口部7Oは、仕切り部7T”より低く、覆体8の内壁から離間した位置にあり、入口側接続通路INは、覆体8の内周と胴部7の外周の間の全周に亘るものであり、出口側接続通路OUTは、覆体8の内周と胴部7の外周の間の全周に亘るものであり、覆体8と胴部7には、流体胴部入口部7Iと内側パイプ5とに連通し、入口側接続通路INからの前記流体を被冷却体1へ導く流入側通路50と、内側パイプ5と外側パイプ6との間と流体胴部出口部7Oとに連通し、被冷却体1と熱交換した前記流体を外部へ導く流出側通路60を有し、この流出側通路60は、出口側接続通路OUTに連通し、前記固定手段による覆体8を胴部7に固定する前にあっては、覆体8は胴部7に対して回動自在となっているものである。
【選択図】
図1